行政監察特別委員会 第6号
- 発言数
- 352 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/02/21
会議録
○内藤委員長 会議を開きます。 前会に引続き、接収解除貴金属及びダイヤモンド関係事件について調査を進めます。 ただちに証人より証言を求むることにいたします。ただいまお見えになつておられる方は土屋隼さんでありますね。 ————————————— あらかじめ文書をもつて御承知の通り、正式に証人として証言を求めることに決定いたしましたから、さよう御了承願います。 特に一言申しておきまするが、土屋さんは現在外務省の欧米局長をしておいでになられる関係上、多少本件についてお尋ねしたい点がありまして、御出頭を願つたのですが、実は証人とは申しながら、参考人の程度でありまするが、本委員会の設立の関係、その他機構上、今までの慣例等から、ここで証人として証言を求めることに相なりますから、さようお含みおきを願つておきます。 この際証人に申し上げますが、戦時中多数国民諸君より供出されましたダイヤモンド、金、白金等は、平和条約発効と同時に接収解除となりまして、現在日本銀行の地下の倉庫に収納され、大蔵省によつて保管されておるのであります。このダイヤモンド収納保管の経過、処理の方法等につきましては、国民大いに疑惑を持ち、関心を持つておるのでありまして、これが真相を明らかにすることは意義のあることと存じまして、本委員会は本件の調査に着手した次第で、証人におかれましても、この趣旨をよく御了承くだされまして、率直な証言をお願いしておきます。 では、ただいまより接収解除貴金属及びダイヤモンド関係事件について証言を求むることにいたします。前言いたしましたことく、参考人の程度でございまするけれども、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配遇者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者、及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者が、その職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。 なお、証人が公務員として知り得た事実が職務上の秘密に関するものでありますときは、その旨をお申出をいただきたいと存じます。 では、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。 宣誓書の御朗読を願います。 〔証人土屋隼君朗読〕 宣誓書 良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
○内藤委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。 〔証人宣誓書に署名捺印〕
○内藤委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。 土屋さんは現在外務省の欧米局長をしておいでになるようでございますが、終戦後外務省におけるあなたの職務について、特におもな渉外事務についてお述べを願います。
○土屋証人 私は終戦の翌年三月欧州から帰りまして、当時開かれておりました極東軍事裁判に約六箇月働きまして、その後当時第一ビルデイングにございました連合国総司令部の第二幕僚部、普通G2と申しますが、この日本連絡部に四年二箇月勤務いたしまして、今からちようど二年前に外務本省に帰りまして、当時の調査局長、その後機構改革によりまして、一昨年の十二月以来欧米局となりましたが、欧米局の欧米局長をいたしております。その関係上、最近いたします渉外事項といたしましては、欧米関係、特にアメリカ合衆国並びに中南米の関係の事務を取扱い、東京におきましては、これら諸国から派遣されておりまする大公使との間の交渉の任に当つております。
○内藤委員長 連合国が、占領中各地におきまして、ダイヤモンドを初め貴金属等を接収したのでありますが、これは国際上の見地からどのようにお考えになりますか。特にこの接収された場合、所有権者は所有権を失つたのだとお考えになりますか。この点を御説明願います。
○土屋証人 私は、実は専門にそちらの方をやつておりませんで、連合国軍と特に日本国民との法律関係について、私の申し上げることが決定的な外務省の意見であるというふうにおとりをいただくと、間違いやすいと思いますので、せつかく本日こちらに参考人として御召喚をいただきましたから、私自身がどう考えているかというふうに御了承をいただいて、ただいまの委員長からの御質問にお答えをさせていただきたいと思いますが、私は、今回の占領につきましては、たとい日本人個人の財産でございましても、占領中において理由なくして没収もしくは取上げをすることはなかつたと思います。従つてもし、合法的にこの日本人の私有財産を侵害したものではない、つまり不法な侵害があつたということであるとすれば、当然これは連合軍として、軍律なり何なりについて考えなければならない問題であり、従つて、日本国民として所有権を失うような理由はないと思うのであります。ただ一つ、本問題につきまして根本的に考えなければならない問題があると思いますが、それは対日平和条約によりまして、日本は占領中に起こつたもろもろの連合国の行動に対しての請求権というものを放棄しているわけでありますから、従つてこの点が、個人の持つていた、あるいは個人の持つている権利をも放棄しているというふうに、厳格に解釈すべきものか、それともさにあらずして、国家的なものについての請求権として、個人についてはあとで救済方法があるかという問題が一つ疑点には残りますが、これはおそらく、法律上の見解から申し上げますと、個人の請求権をもまた放棄したというふうに解釈するのが妥当ではないかと考えます。
○内藤委員長 占領軍が、その権限というと語弊がありますが、大体権限も示されず、そして多量のダイヤ等を接収して、領収書をも交付しなかつたようですが、このようなことは国際法上から見て違法とは考えられませんか。
○土屋証人 占領軍は、占領軍として絶対の権力を持つているわけではないのであります。国際法上、戦時国際法によつて規定されておりまして、占領軍としての権利と義務とは、おのずから規定されているわけであります。こういう現実の問題につきまして、軍がかりに何らかの必要から、ダイヤを没収もしくは接収する必要があつたという場合においては、当然法規の手続をとり、従つて今から考えますれば、日本政府の機関を通じ、この機関を通ずることによつて、初めて接収ということが有効になり、しかもこれに対して、当然軍の責任者の受取りを出すことはあたりまえであります。当時の事情でございますから、かりに、日本政府の機関をはぶいて、直接の話があるというようなことがあつたにいたしましても、受取りを出し、またこれによつてあとの法的関係を明らかにしておくということが当然でありまして、もしこの手数を経ていないとすれば、違法であることは明らかだと思います。
○内藤委員長 連合軍が、領収書も交付せず、ダイヤを没収した数は、昭和二十年十月十八日、東京の三井信託の地下の倉庫から、ダイヤモンド十六万余カラツトその他貴金属を接収したのでありますが、領収書がないから、はたして接収したかどうか判明せぬので、外務省を通じて米軍に確認方の紹介をしてありますが、これに対して、外務省においては、アメリカ大使館を通じて調査をせられましたかどうか。もしその調査をしておいでになるとすれば、経過を御説明願いたいと思います。
○土屋証人 本件につきましては、昨年八月十四日付をもちまして、当特別委員会の委員長から当時の外務次官あてに書類をいただいてございます。内容は、ただいま委員長のお伺いになりました内容でございまして、その書信の中には、調査の必要上昨年の八月二十五日までに回答がほしいという希望も述べられてあります。当時私は、欧米局といたしまして、この手紙を次官より渡されまして、ただちにアメリカ大使飢に品上書をもつて趣旨を申し入れております。日付は八月二十一日になつておりますが、これによりまして、特別委員会の要求により、戦時日本政府の買い上げた輿金属宝石類に関する調査に関し左の通り要請があつたから、本件に関する回答をぼしいというので、内容をさし加えまして、そのあとに「同委員会は、(イ)この報告が事実と合致するかどうか(ロ)事実とすれば、前記の数量に間違いないかを確認することを欲しているので、国会が八月二十六日に再開する予定でもあり、右二点を至急調査の上御回答願いたい。」という口上書をアメリカ大使館に出しております。その後、本件については、アメリカ大使館から何らの回答もございませんので、中間再三にわたつてアメリカ側に回答方を促進したのでありますが、現に数日前にこの点については尋ねてみましたが、この問題は、当時占領軍の構成員と目される者が関係しております関係上、現在日本におきますアメリカの大使館は、米軍の本部つまりワシントンの陸軍省に間合せ中で、遺憾ながら現在まで陸軍省からは回答がないということであります。
○内藤委員長 現在までアメリカ大使館に陸軍省から回答が来ない、こういう返事なんですね。
○土屋証人 そうです。
○内藤委員長 占領軍が接収したダイヤモンドを、当時係官でありました米軍のマレー大佐が横領しまして、軍事裁判において裁判せられたことがありますが、このようなことを御存じでありましようか。なお、これに対しまして、裁判記録簿を米軍へ要請方を当委員会から外務省へ照会いたしましたが、米国大使館を通じて交渉されておいでになりますか。その経過等を御説明願います。
○土屋証人 お示しの件に関しましては、昨年十一月十二日付をもつて、当委員会委員長から外務次官奥村勝藏氏あてに手紙をいただいております。私は、当時この手紙を、ただちにアメリカ大使館に口上書といたしまして提出いたしました。この提出いたしました口上書の中に、ただいま言われましたように、関係官において何か裁判にかかつた事件もあると思われるので、本件に関する軍事裁判の記録を、至急日本側に渡してほしいという要求をいたしております。本件につきましても、まだ遺憾ながらアメリカ大使館から回答に接しておりませんが、実は本日当委員会に出頭するにあたりまして、電話をもつてアメリカ大使館に連絡をいたしましたが、昨年の問合せ並びに今回の問合せ二つに対して、全面的な回答とはならないかもしれませんが、一部的回答になると思われる回答が、本日もしくは月曜日に日本側に手交できるという返事をいただいております。
○内藤委員長 本日あるいは来週の月曜日には手交できるというその内容は何も示しておりませんか。
○土屋証人 内容は示しておりません。
○内藤委員長 ただ回答し得るであろうという程度なんですね。
○土屋証人 そうです。
○内藤委員長 この問題は本件を調査する上においてすごぶる重要な関係を持つておりますので、外務省といたしましても、極力すみやかにその内容がわかるように、どうぞお手配を願います。 世耕という前衆議院議員で内務政務次官であつたお方がおられますが、この世耕前衆議院議員が内務政務次官のころに、マツカーサー司令官が、当時日本における供出ダイヤあるいは貴金属の類は、これを国民に返還すべきであるという覚書を、二回にわたつて発しておるということでありますが、世耕氏はこれを自分で見た、こう称しておるのですが、さような覚書を終戦連絡事務局から引継いだことがあるかどうか。これは欧米局の所管ではないかもしれませんが、事務局を通じてこれらの御依頼もしてあるはずですが、さようなことをお聞きであり、またはその調査をいたしておられますかどうか、この点を御説明願います。
○土屋証人 この点につきましては、現在本件について知り得る立場にありますのは、外務省におきましては国際協力局なのであります。国際協力局の協力も得まして、本日まで右の趣旨と思われる覚書もしくは日本政府に対する書簡の発見に努めて来ましたが、遺憾ながら現在まで見当りません。ただ当時は、私ども考えますのに、外務省には管理局という局がございまして、占領軍と日本人との財産関係についての主管をしておりました関係上、管理局の書類はその後転々として、特別調達庁に一部は参り、一部は国際協力局に参つたというような関係がございますので、現在まで国際協力局との協力で発見できなかつたからといつた理由だけで、私は、そういう書簡がなかつたという断定を、ここで申し上げる意思はないのであります。今後とも研究を続け、調査を続けてみる予定でありますが、今までのところ、御明示のようにぴつたり合う書類は見当りません。
○内藤委員長 さようなことをお聞きになつたことはどうでしようか。
○土屋証人 私は、先ほど申し上げました総司令部の第二幕僚部におりました関係上、日本人が場合によつて財産を没収されたとか、接収されたとか、あるいは家屋接収の問題について、よく日本人からの総司令部に対する嘆願書を処理したことが数々ございます。その際、実はこれに類したような問題もございまして、私といたしましては、占領軍が日本人の個人の財産を尊重するということは、生命のあるなしにかかわらず当然のことであるということを、当時司令部の係官にも申しましたが、私の関係した係官は、少くともその趣旨に全面的に賛意を表しておりました。
○内藤委員長 委員長の尋問はこの程度で一応終了いたします。この際委員諸君の御発言を許します。中野四郎君。
○中野(四)委員 二、三点お伺いします。証人に伺つておきたいのは、接収という意味です。コンフイスケーシヨンといいますか、接収という意味をどういうふうに外務省では解釈しておられますか、この点を伺いたい。
○土屋証人 先ほど申し上げましたように、本件について、私が外務省の権威ある返事ということは用意しておりませんので、申し上げられませんが、私は、自分が多少そういう問題に関係しながら、一体接収という問題をどういうふうに見ていたかという質問の趣旨に理解をいただいて、御返答を申し上げたいと思います。占領軍の日本における接収行為は、占領軍が、占領軍として国際法上与えられた権限に基き、その必要において日本の財産を自己の用に供するということが接収だと思います。従つて、参今英語でおつしやつたコンフイスケーシヨンとは性質が違うと思います。普通私どもはレクイジシヨンという言葉を使つておりますが、コンフイスケーシヨンということになりますと、いわば日本語で申しますと没収というのが正しいのでありましようか。権限のいかんにかかわらず、当方の財産権を取上げることが没収であると思います。従つて接収は、当然に法的な手続と法的な根拠とを前提とすると思います。
○中野(四)委員 そうしますと、今の御答弁を伺つておりますと、一九〇七年十月十八日の調印による、あるいは一九一二年の一月十三日公布によります、ペーグの陸戦法規によるところの国際法の慣例から申しますと、接収というのは大体没収と見てよろしゆうございましようか、あるいはほかに解釈の方法がありましようか。
○土屋証人 本質的に没収と同一だと見ることは当らないと思います。なぜかと申しますと、接収は、国際法上定められた権限によつて、占領軍がその必要のために、ある財産の所有権もしくは占有権を一応自己の手中に納めるということになりますから、その接収しました財産をどう将来処理するかという問題は、講和条約なりあるいは一般的な国際法の原則なりに従うべきものであると思います。言いかえて申しますと、消耗品である場合においては、もはや返還の事実が不可能でありますから、そういう場合においては、結果から見ると没収と同じ結果になるかもしれません。しかしながら、もしそうでないものにつきましては、接収であるがゆえに、講和条約において、占領中接収したものを占領軍の手に所有権を最後的に帰属させるという決定にするか、それとも使用の必要がなくなつたので、被占領国に返すとするか、これは講和条約の規定すべき問題だと考えております。
○中野(四)委員 平和条約の条項に従う今度の接収解除というのは何を意味するものか、すなわち個人の所有権を認めたものか、いわゆる国家としての所有権を認めたものか、本件ダイヤモンドに関し、あるいは貴金属に関しては、外務省としてはどういう見解をとつておられるか。先ほど委員長の質問の中に、接収の場合の所有権の有無についてお話がありましたが、これは本件審理上重大な問題でありますから、もう一度明確にお聞かせを願いたいのです。
○土屋証人 実は外務省の意見を正式に申し上げるのは、私が適当でないことはかねがね申し上げましたので、その点はひとつ御容赦をいただきまして、今後何らかの機会に、当委員会に外務省としての本件に対する法律的な見解を御返事できる機会があるかと思います。従つて私はそれを抜きにしまして、先ほど委員長のお聞きになつた接収という問題について、個人的にどう考えるかという御質問の意に受けまして、御回答申し上げますと、ほかの問題、たとえば家屋、土地等の問題についても見受けられますように、接収は占領中に占領軍が必要であつたから、その所有権を一時占領軍の手に移したわけでございます。平和条約が発効しましたあとで、日本に、家屋にしろその他の問題にしろ、いわゆる接収解除という形で所有者に返つたわけであります。従つて私も、常識的な判断でありますが、このダイヤモンドは一応戦争中に日本政府が買い上げたという事実から、一たびその所有権が日本政府に移つたことは、少くとも問題はないと思うのであります。従つて、それを接収したアメリカ軍が解除した場合においては、まず日本政府に返るということが第一段階だと思います。ただ戦争中に買い上げられたダイヤは、ぽかの問題と同様に強制に基くもので、個人の自由を尊重し、自由意思によつたものでないことは明らかであります。従つて私は、この強制という事実から、たといダイヤが日本政府にもどつたとしても、日本政府としては、これを個人に返して行くということが、最も合理的な法律的の解釈ではないかと考えます。
○中野(四)委員 そこで具体的な例でちよつと伺つておきたいのですが、今家屋、土地等の問題を対象にされましたが、金、銀、白金及びダイヤモンドというようなものは、土地、家屋等のいわゆる対象とは違つた見解によつて接収をいたしたのではないでしようか。たとえば本委員会において、あるいは従来大蔵委員会におきまして、これを調査審理をして参りましたが、その過程においては、当時占領軍は、これを日本から戦争によつて受けたるところの損害の賠償の対象として接収したかの感が強いのでありますが、この点についての欧米局長の見解はいかがですか。
○土屋証人 私の個人的な見解から申しますと、そういう考えも占領軍の一部の人にあつたかと思われます。ただ当時連合国の総司令部として、マツカーサー司令部が、日本のこういつた貴金属なりダイヤなりの接収したものを、表の賠償問題に引当てるという決定は、最後的にしていなかつたことだけは事実だと思います。従つて少し言葉がくどくなりますが、占領中において、そういう考えを持つて係官もしくは担当官が言動したということは一応想像できますが、それが司令部の決定された法則ではなかつた、こう見ておるわけであります。つまりこの貴金属なり何なりは、当時においてはどう処分するかということもまだきめないが、一応日本政府に持たしておかずして、占領軍が貴金属として日本の国の財産として一応の接収をするという形であつたので、それを将来どう使うかという問題は当時きまつていなかつた、こう見ているわけであります。
○中野(四)委員 そこで欧米局長にさらに伺いますが、最初はそうであつたのですけれども、その後、ワシントンから、博物館の館長であり、そうしてダイヤモンド鑑定の専門家である米人二名が日本、に参りまして、日本銀行の地下室に接収してありましたダイヤモンドの格付、値段、評価、こういうようなことをば国際相場の標準価格に従つて命じまして、日本の鑑定人を使つてすつかり選別をしました。そうしますと、どうも今の欧米局長のお話は大分それから飛躍しておるのです。こういう場合に、私らが想像いたしますと、どうしてもその後の米軍は、最初はとくにかくあなたのおつしやつたような意見でありましようが、だんだんに考え方がかわつて来て、一時は、中間においては、これをアメリカへ引揚げて行くつもりではなかつたかと思いまするが、どうでしようか、そういう事実をお知りになれば、どうお考えになりましようか。
○土屋証人 ただいまの事実は私も初めて伺うわけでありますが、ただ私は、最初から申し上げましたように、アメリカ軍の一部あるいは係官の一部でそういう考えをもつて行動され、また実際どうかされたことがあるということはあり得ることであります。ただ、それかといつて、占領軍が今申し上げました表の負債、あるいは表に対する賠償の代償として、これをアメリカの国内に持つて行き、あるいは世界市場に持つて行き、現金化するという決定は最後までなかつた、こういうふうに考えます。
○中野(四)委員 そこでもう一点伺いたいのですが、あなたの見解から行きますと、接収は今回の太平洋地区、すなわち日本において行われました接収は、へーグの陸戦法規によつたか、あるいはポツダム宣言によつたか、いずれによつて接収行為をなしたかという御見解を明らかにしていただきたい。
○土屋証人 これは実は条約局あたりでお調べいただかないと、私もイエス、ノーの返事を申し上げるのは非常に苦しいのですが、私が常識的に考えますと、一般へーグの国際法によつたことはもちろんであり、その間で、もしポツダム宣言を受諾した日本との規定の中に、へーグの国際条約と相反すような規定がかりにあつたとすれば、それは日本が無条件降伏をしたということによつて、ポツダム宣言を受けた規定が十分に活用されたことと思います。従つてどちらに従つたかという問題は、いずれ調べてみまして、具体的な例に当りませんと、ちよつと御返答申し上げるわけに行きません。また私が御返答申し上げるのは、実はあまり権威のあるものでもないわけでございます。
○中野(四)委員 もう一点伺つておきたいのですが、これはお手元にごらんに入れた方がいいかと思いますが、米軍の政策課長フランク・リゾーという人から大蔵省にあてて、戦時中蓄積した日本所有の貴金属及びダイヤモンドの管理解除について、一、参照として連合国司令部発日本政府あて覚書というのが出ておりまするが、その件名の中には、戦時中蓄積した日本所有の貴金属及びダイヤモンドの物理的管理の移譲について、二、前記の参照の意味するすべての財産は、平和条約発効とともに連合国最高司令部の課したすべてのこの監督より解除せらるべきにつき、平和条約発効後において、あなたは判定された個人の利益を調査しかつ保障するか、または個人の財産であると見られておる特定物件を真実の所有者に返還する案を作成することを認める、三、なおあなたは平和条約発効の結果生ずることあるべき関係事項を処理するに必要なる規定を作成することを認める、こういうような覚書が出ておりますが、御承知でありましようか。
○土屋証人 うかつにいたしまして、私はその覚書は初めて伺うわけですが、その名前はたしかフランク・リゾーだと思いますが……。
○中野(四)委員 これですが……。 (中野(四)委員書類を証人に示す)
○土屋証人 これは初めて伺いますが、おそらく大蔵省の所管ではないかと思います。外務省が終戦連絡事務局を持つておりました関係上、おそらく終戦連絡事務局でこの手紙は受次いだものだと思いますが、よく調べてみます。
○中野(四)委員 その点について、どうぞお調べの上、それに対する解釈を提出してもらうよう、——委員長にお願いしておきますが、書類をもつて要求していただきたいと思います。今の覚書ですかメツセージに対する外務省としての解釈をば、いかなる見解をもつておるか、いかなる内容を含んでおるか、直訳しておりますからなかなか解釈がむずかしいのです。たとえば、こういう貴金属、金剛石というものを含んでおるのかどうか。そうでなく、ある特定の物件をさしておるものか、つまり預かり品とか恤兵品とかいうものがございます。つまり当時国民からは無償で実際上においてもらつたものか、国家が収入したものか、あるいは今言うような特定な買いもどし条件付の品物をさしておるのか、ないしは、全面的に接収物件全部についての覚書であるか、この点の回答を文書をもつて得ておきたいと思います。以上お願いいたしておきます。
○内藤委員長 今中野委員から要求されました件につきまして、外務省としての見解を、文書をもつて、早く当委員長あてに御提出を願います。よろしゆございますね。
○土屋証人 わかりました。 それからただいまの御質問のこの手紙でございますが、見てわかりました。これは外務省を通じておりませんで、どういうわけか、政策課長から、当時直接大蔵省にあてたものでありますので、従つて、おそらく日本政府として受取つたよりは、当時ありましたように、大蔵省対政策課長の問題で受理された手紙のように受取れます。
○中野(四)委員 それはよくわかりますが、私は大蔵省の見解なんか聞きたくないのです。外務省の見解を聞きたい。
○内藤委員長 他に御発言がなければ、土屋証人に対する尋問は、これにて終了いたしました。証人には長時間御苦労さまでした。 —————————————
○内藤委員長 引続いて石田証人より証言を求めることにいたします。 ただいまお見えになつておられる方が石田正さんでございますな。
○石田証人 はい。
○内藤委員長 あらかじめ文書をもつて御承知の通り、正式に証人として証言を求むることに決定いたしましたから、さよう御了承願います。 この際証人に一言申し上げますが、戦時中多数国民が供出いたしましたダイヤモンド、金、白金等は、平和条約発効と同町に接収解除となりまして、現在日本銀行の地下倉庫に収納され、大蔵省によつて保管されてあるようでありますが、このダイヤモンドの収納保管の経過、処理の方法等につきましては、世上大いに疑惑を持ち、関心を抱いておるのでありまして、これが真相を明らかにすることは、まことに意義のあることと考え、本委員会において本件の調査に着手をした次第でありますので、証人におかれましては、率直なる証言をお願いしておきます。 それでは、ただいまより接収解除貴金属及びダイヤモンド関係事件について証言を求むることにいたしますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院に於ける証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者、及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教また祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者が、その職務上知つた事実であつて黙祕すべ身ものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。 なお、証人が公務員として知り得た事実が職務上の祕密に関するものでありますときは、その旨をお申出を願いたいと存じます。 では、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。 宣誓書の御朗読を願います。 〔証人石田正君朗読〕 良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
○内藤委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。 〔証人宣誓書に署名捺印)
○内藤委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。 石田君は現在大蔵省理財局長をお勤めになつておるようでありますが、現職におつきになるまでの経歴を簡単にお述べを願います。
○石田証人 経歴は戦前からいたしましようか。戦後だけでよろしゆうございましようか。
○内藤委員長 戦後だけでよろしゆうございます。
○石田証人 私、終戦の際におきましては、大蔵大臣の祕書官をいたしておりました。終戦直後、大蔵大臣の辞職に伴いまして祕書官をやめまして、ちようど健康を害しておりましたものですから、しばらく休んでおりまして、二十年の十月ごろからまた再出勤することに相なりまして、それから二十一年の二月に理財局が新しく機構改革となりました際に、外資課長をいたしまして就任いたしました。そうして二十二年の八月十五日に同じく理財局の外資第一課長になり、二十二年の十一月の十九日には為替第一課長になりました。それから二十三年の七月に外資部長になりまして、それから二十四年の六月一日に理財局を離れまして、官房の調査部長に相なりました。二十四年の十二月一日に税関部長になりました。二十六年の五月一日に現職、すなわち理財局長に相なつた次第でございます。
○内藤委員長 日本銀行に対するあなたの監督のおもな事項はどういうものですか。
○石田証人 理財局長としての全般的なことを申し上げました方がよろしゆうございましようか。
○内藤委員長 日本銀行に対するおもなことでよろしゆうございます。
○石田証人 本件に関係のある部分でございましようか。それとも……。
○内藤委員長 関係のある部分だけ……。
○石田証人 そういたしますると、接収解除になりました貴金属及びダイヤモンドに関することかと思うのでございますが、その点につきましては、昭和二十六年の六月の二十八日までは格段の権限はございません。昭和二十六年の六月の二十八日に、司令部の方から、その接収しておりますところの金、銀、ダイヤモンド、それから白金もございますが、そういうものを日本政府の大蔵省において保管をしろということになりまして、その引継ぎを受けたのでございます。その際におきまして、それらの貴金属及びダイヤモンドは日本銀行の倉の中にあつたのでございまして、その場所におきまして依然保管をするということになり、その保管の責任を大蔵省が言いつけられましたので、所管局長といたしまして、日本銀行に対しまして、その実際の保管の事務を依頼するということに相なつたわけでございます。その保管の事務と申しますのは、要するに金庫が日本銀行の中にありますので、それから金庫のかぎとかなんとかいうふうなものは日本銀行が従来やつておつたことでありますので、そういう点につきまして援助を求めると申しますか、そういうふうな意味において依頼をいたした、それに対しまして日本銀行が受諾いたしておりますので、そういう関係に相なつておる、かように了承いたします。
○内藤委員長 御承知の、目下日本銀行の地下の金庫内にある接収解除のダイヤモンドその他貴金属の管理は、そうすると昨年八月の法令によりまして管財局へ移管されるまではあなたの所管だつた、こういうわけなんですね。
○石田証人 お話の通りでございます。
○内藤委員長 この買上げのダイヤや白金等は、戦時中軍需省の所管で回収せられまして、終戦後接収されたものでありまするが、血兵品等は陸海軍の所管として接収せられましたが、たまたま日本銀行の金庫に保管されていたもので、これらの今後の処置については、軍需省の事務を引継いだ現通産省、また血兵品については復員局もしくは管財局が所管すべきものと考えられるが、理財局の所管となり、あなたの局の職員によつて管理されておるというのは、どういう法令上の根拠に基いておられるのでございましようか、御説明を願います。
○石田証人 法律上の根拠と申します点につきましては、率直に申しまして不明確な点があろうかと思います。大蔵省といたしましては、従来その所管においてはつきりいたしておりますのは金でございます。従来が金でありました。後、銀が加わりました。さらに白金というものが占領後において行われたのでありますが、ダイヤモンドにつきましては、大蔵省といたしましては、従来そういうことを取扱つた経験もなし、そういう権限もなかつたのでございます。従いまして、いろいろな経過において、大蔵省は、そういうものにタツチすることは極力恐避する、というと少し語弊があるかもしれませんが、なるたけ避けたいという気持でおつたわけでございます。ただ、占領下の実情といたしまして、司令部の方から直接話がありまして、やむを得ずやるという部面が実際問題としてあつた、そういうふうなことではなかつたかと私は了解いたしております。
○内藤委員長 法令上の根拠というものははなはだ不明確である、しかしながら司令部の方の依嘱とかなんとかいう冷によつて、いやいやながらやつておつたというようなことなんですね。
○石田証人 さようでございます。
○内藤委員長 占領軍がダイヤを初めその他の貴金属を各地で接収しておりまするが、どういう根拠によつて接収したものとお考えでありまするか。
○石田証人 貴金属及びダイヤモンドが接収せられておるということは、われわれ直接その行為自体に関与はしておりませんが、そういう事実は知つておつたわけであります。これは将来どういうふうな処分になるかということにつきましては、率直に申しまして非常な関心を持つておつたわけでございまして、その点におきまして、ことに先ほど申しましたように、二十六年の六月二十八日にこちらに保管が移転されまして、われわれとしては、その意図といたしましてははつきりしませんでしたけれども、大体これは日本側に処分権がまかされることになるという想定をある程度立てて、ものを考え始めていた方がいいかと思いまして、いろいろ研究をいたしたのでございますが、これは、率直に申しまして、どういう法的根拠に基いて連合軍がやつたかということにつきましては、明確た解釈をするのに苦しんでおつたという実情でございます。
○内藤委員長 一体接収ということは、所有権を剥奪したと解すべきか、あるいは預かつておつたものだというふうに解していいか、どうお思いでありますか。
○石田証人 その点は、率直に申しましてよくわかりません。私は、その当時におきましては、これは実力行動で、占領軍がそういうことを行つたという以外には、的確な法律的な根拠は——日本国内法を出して根拠をつけるというような、法律的な構成なしに行われたもの、かように了解いたしておるのであります。
○内藤委員長 従つて、預かつたものか、あるいはまた所有権を剥奪されたものか、という解釈までしておいでにならないわけですな。
○石田証人 非常にむずかしいことであろうかと思つております。
○内藤委員長 この接収の解除に際して、あなたは立ち会いましたか。
○石田証人 これははつきりと申し上げた方がいいかと思うのでございますが、日時ははつきりいたしておりませんが、昭和二十六年の五月の一日に私が理財局長になりましてから間もなく、この貴金属及びダイヤモンドを大蔵省の方の責任で保管させるというような話が、内々所管の課長の方にあつたわけであります。その話の結果といたしまして、六月の二十八日に私が日本銀行へ参りまして、向うの今まで管理いたしておりますところの財産から、貴金属及びダイヤモンドを引渡すということを向うがサインし、その引渡しを受けたというサインをこちらがいたしたわけでございます。それからずつとそういう状況であつたわけでありますが、たしか昭和二十七年の四月講和条約発効の直前であろうかと思いまするが、司令部の方から、かねて保管を依頼しておつたものにつきまして、その処分権を日本政府の方にゆだねるという趣旨の指令が来た、こういうのがわれわれの関与しておるところでございます。
○内藤委員長 処分権を委託するというのですな。
○石田証人 私、正確なる言葉は今覚えておりませんけれども、そういう趣旨のあれがありまして、要するに二十六年の六月には、ただ保管の義務を命ぜられたといいますか、日本政府全体としてもそういう立場にありましたものが、講和条約発効直前に、法律的にはお前の方でやつてよろしいという意思表示が向うからあつた、こういうふうに了解しております。
○内藤委員長 そうすると、あなたはこの接収解除に立ち会つておいでになるのですが、この解除というものは法律上どういう性質のものであつたか。その解除されて引継いだときに、あなたはどうお考えでしたか。
○石田証人 法律論になりますと、私法律家でありませんので、あるいは解釈が間違つておるかもしれませんが、先ほども申し上げましたような経緯によりまして、法律上の根拠不明確なるままに司令部が接収しておつた。その司令部が接収をしておつたものの保管を、二十六年の六月に日本側に引継いだ。それから今度は、そのあとで、お前の方に保管しておつたものの処分は日本政府がしかるべく考えてやれ、こういうふうなことになつておるのだと思います。
○内藤委員長 解除というものは、処分権までも含まれておるような意味に考えた、こういうわけですか。
○石田証人 御質問の趣旨がちよつとわかりかねるのでございますが……。
○内藤委員長 その解除ということは、あなたは法律の専門知識がないからわからぬとおつしやるが、解除されたというそのことが、処分権までもそこに含まれておるとお思いになつたかどうかということです。
○石田証人 その解釈の意味でございますが、先ほど申しましたように二段階にわかれるのでございまして、一番初めは三十六年の六月に引渡されたときであります。これは、そのときにはただ保管の責任が日本の政府に移つたと申しますか、そういう段階でありまして、これの処分権はやはり司令部が握つておるという状況であつた。ところが、その処分権を握つておつたところの司令部が、昭和二十七年四月にその手を引いたという状況であろうと思います。これは、日本政府の事柄として、日本政府がそれをどう解釈してどうするかということは、お前の方でやれ、こういう指示であろうと思います。
○内藤委員長 それで、ただいままで証言を願つておりました接収ということの意味とか、あるいは解除の解釈とか、あるいはまた法律上の性質、特にこれが法律上の効果に関する解釈等は、ただいままであなたがお述べになつたことは、これはあなた個人の御意見か、あるいはそれはまた政府の意見でありますか。
○石田証人 私証人として申し上げておりますので、私個人の見解と申し上げておるわけでありまして、政府がこう思つておるという公権的な意味でなくお聞取りを願いたいと思うのでございます。
○内藤委員長 政府の意見ではなく、石田証人個人としての意見だと、こういうわけですね。
○中野(四)委員 本日証人を喚問しましたのは、個人石田君を喚問したのにあらずして、大蔵省理財局長石田君として喚問したのでありますから、従つて、大蔵省としての見解と理財局長としての責任ある答弁を求めるのが当然であります。単なる個人石田君の証言を求めるために、本日おいでを願つて、宣誓を願つたのではないのであります。本件の審理にあたつては、昨年来大蔵委員会においても、あなたのお言葉の中には重大なる過誤がある。従つて、それをただすのが目的でありますがゆえに、大蔵省の見解であり、日本政府の責任であり、あるいは理財局長としての証言を求めたいと思います。
○内藤委員長 ただいま中野委員の御発言でありまするが、本日御出頭願つたのは、あなた個人の意味ではなかつた。われわれは理財局庁としての石田正君を御出頭願つておるのです。そのつもりでひとつ御答弁を願いたい。
○石田証人 もちろん理財局長としての石田として考えておるわけでございます。ただ日本政府の見解、大蔵省の見解ということになりますと、これは問題の点がございますので、私はそういう意味で申し上げたわけでございます。決してただ単なる石田個人として御答弁申し上げておるわけではございません。
○内藤委員長 理財局長石田として答弁しているというわけですね。どうでしよう。この点は相当時間がかかると思いますから、もう食事の時間になつておりますので、一旦休憩をいたしまして、午後からあらためてひとつ明らかにして行つた方がよいと思いますが、どうでしよう。
○中野(四)委員 すべての行動に対しては、大蔵省の理財局長として、法的根拠に基いて、国家公務員法の命ずるところによつて動かなければならぬものであつて、単なる石田君の解釈のもとに、これが処理されるべきものでないと私は思うのであります。従つて、権威ある証言を求めなければならぬのでありまするから、この点だけを私は委員長にお願いしておきます。
○内藤委員長 それでは、石田理財局長に対する尋問は午後も引続きこれを行うことといたしまして、午後は一時より再開をいたします。 暫時休憩いたします。 —午前十一時五十六分休憩 ————◇————— 午後一時二十分開議
○内藤委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 石田証人より引続き証言を求むることにいたします。明禮輝三郎君。
○明禮委員 私からダイヤの接収解除のことについて少しお尋ねいたします。 昭和二十六年の六月、証人が、日銀の地下の金庫におきまして、占領軍からダイヤその他の貴金属を引継がれましたが、これは占領軍が終戦直後交易営団、中央物資機用協会等から接収したものであつて、これを政府に引渡されましたることは、これらの団体へ仮すべきものと考えたものか、それとも政府の方に所有権があるので、政府の方へ移されたものでありましようか。この接収解除の実情並びに法律上の見解を承つておきます。
○石田証人 先刻も委員長からの御質問に対しましてお答え申し上げたのでございますが、二十六年の六月に引渡しを受けました当時におきまして、その保管を命ぜられましたところのダイヤモンドが、今お述べになりましたように、交易営団、中央物資活用協会等から接収されましたものを含んでおるということは、当然われわれといたしましても推定をいたしたところでございます。しかしながら、それだけのものであるか、それより増減があるかどうかという問題につきましては、当時はつきりしないままに保管を命ぜられたというのが実情でございます。なおこれは、それらの接収されたものに対して返すということを前提としておつたのか、あるいは国家のものとして適当に処分してしまえというような意味であつたのかということでございますが、これは、六月に渡されました場合には、ただ保管の責めをこちらへ移されたというのであります。 それから、今の御質問の趣旨に該当すると考えなければならない事態に相なりましたのは、昭和二十七年の四月に、先ほど申しましたことく、こちらで保管しておるものにつきまして、こちらで処分し得るような状態に置かれたときにおいて、そういうことを考えなければならぬ事態に立至つたわけでございます。しかしながらこれまた、先般申し上げましたごとくに、接収自体に対するところの本質的の効果、それから接収の実情というようなものがはつきりいたしておりませなんだので、そういうものを受取りました際におきましても、そういう点は明確になつておらなかつた次第でございます。
○明禮委員 今日におきましての証人の理財局長としての御見解はいかがでありましようか。
○石田証人 これは現在は所管が管財局になつておりまして、管財局が理財局から引継ぎました以後におきまして検討を進めておるのでございまして、そちらの方の御意見もその点についてはお伺い願つた方が、あるいは正確ではないかと思うのでございます。ただこの際に、私関与いたしたものといたしまして、御質疑の点に関するところの管理と申しますか、そういうことを申し上げますると、実は講和条約発効直前にこちらで処分し得るような状態になりました際におきまして、今のお話のような点はいかに考えるべきかということを、非常に問題が問題であるために苦労いたした次第でございます。これは御承知のごとくでございますが、平和条約発効直後において、国会に対しまして、接収時の状況を接収されました人から報告をいただいて調べようという法案を出したのであります。その場合に、本来から申しますならば、その処置まで確かめてはつきりさせて、そして法案を出すべきではないかという議論が大蔵部内においてもあつたわけであります。われわれの間でも、そういう点につきまして、当時研究いたしたのでございますが、何と申しても法律的な解釈が非常にむずかしいということが第一点、それからもう一つは、接収時におけるところの状況の把握がなかなかむずかしいという点がありまして、ただちに法律的にどういう見解を下し、それからまた、政府としてはどういう措置をとるべきかということを決定することが、非常に困難であるというふうな判定が出たわけであります。そこで、それでは判定がつくまでそのまま待つかということでございますが、講和条約も発効いたしましたし、それからして重要な問題でもございますので、とりあえず報告だけをいただいて、そして法律関係その他も漸次明確になるのに伴いまして、最終的な措置を講じたい、かような気持でやつたわけでございます。
○明禮委員 今の、管財局へ移管したということでございますが、そうすると、管財局は国有財産を管理しておるのでありますから、国有財産としてお取扱いになつた結果、管財局へ移されたということではありませんか、この点を伺います。
○石田証人 今の明禮委員からのお尋ねの点は、これは管財局長の方からお答弁願つた方がいいのではないかと思うのであります。なお、これに関連いたしまして、率直に申しまして、理財局から管財局に所管が移りました当時、私は日本におりませんで、アメリカにおりまして、帰つて参りまして、そういう事情を知つたのでございます。今のお話の点につきましては、私その移管の当時にこちらにおりません。事情も知つておりませんので、証人として証言するのはいささか範囲を越えているのではないかと思いますので、御了承願いたいと思うのであります。
○明禮委員 幸いか不幸か、ちようどそのときにこの問題を取扱わなかつたから知らないということでありますが、しかし、現在理財局長をしておられる証人から考えて、管財局へ移管したということは、やはりいろいろ理由もございましようし、それから管財局へ引継ぐ場合にも、こういうような取扱いであるから引継ぐのだというような、今までの慣例もございましようし、いろいろな点から見て、証人は理財局長として、これは政府へもどされたものだ、接収財産を返されたものであるからして、政府の所管に移しているのだというような結論になるのではないかと思われるのでありますが、局長の立場で、御見解を承りたいのであります。
○石田証人 私、今申しましたようなぐあいに、経緯のことはよく知らないのでございますが、しいて私の考え方を述べろというお話でございます。管財局でやつておりますところの仕事は、必ずしも国有財産だけではなく、そのほかの事務もございますので、管財局に移つたからといつて、必ずしも国有財産となつたのだというふうに解すべきではないのではないかと考える次第でございます。
○明禮委員 それではほかにどういうものがあるのでありますか。またこの問題についても、ただいまお尋ねした通り、管財局へ移しますのには理由があつたと思うのですが、その理由を承りたいのであります。
○石田証人 私管財局の全般の仕事をやつておりませんので、はつきりこれこれだと申し上げるのは適当ではないと思いますが、たとえば、私の了解するところでは、旧ドイツ人が持つておとるころの財産の管理というようなことも、管財局で現にやつておると私は了解いたしております。あるいは間違つておつたら御訂正願いたいと思いますが、そういうふうに考えておりますので、管財局に移ること即国有財産になるというふうには考えるべきではないと思うのであります。なお、理由について云々ということでございましたが、これは先ほど申し上げましたような事情でありますので、その理由を申し上げる立場に遺憾ながら私はおらないことを、御了承願いたいと思うのであります。
○明禮委員 そこで、もう一つお尋ねいたしますが、中央物資活用協会はまだやつておらなかつたかもしれませんが、交易営団から、営団の清算人として、大蔵省に対してダイヤの返還を要求しておることがありはしないかと思いますが、その点について証人は御承知でありますか。
○石田証人 私に関します限り、そういう返還請求を正式に受けまして、そのことについて何か処置をしたという記憶は全然ございません。
○明禮委員 証人は、ダイヤモンド買上げについては、軍需省が、昭和十九年七月二十一日付の、ダイヤモンド買上げ実施要綱というものに基いて、ダイヤモンドを買上げたということを御承知でありますか。
○石田証人 現在におきましてはそういうふうなことを知つております。しかしその当時におきましては存じません。
○明禮委員 それでは、ごらんにならないでもわかつておりますならばお尋ねしますが、このダイヤモンド買上げ実施要綱を拝見いたしますと、ダイヤモンドは航空機、電波兵器等の生産上欠くべからざる資材をとるために動員して、これを買い集めたものである。そうして買上げ物件の対象になるものは一般国民、販売業者その他で、任意供出というふうにしてありますが、ほとんど強制供出のようになつて買上げができたわけです。それで、期間も昭和十九年八月から三箇月というようにきまつておりますが、要綱ができて、その買上げ機関は交易営団、それの代行機関が中央物資活用協会と大商店というようになつておる。これは証人御承知でありますから、これを詳しく言う必要はありませんが、こういう性質から行きまして、ダイヤを買い上げるのは、軍需省が必要に応じて買い上げるので、ただその手足となつて、機関となつて交易営団その他が当つたものではないかということを考えるのでありますが、証人の御見解はいかがでありましようか。
○石田証人 その問題につきまして、的確な断言的なことを申し上げることは、私遺憾ながらできないのでございます。ただ、それに関連いたしまして、何にもお話申し上げないのもいかがかと思うので、例の去年出しました報告に関する法律をつくりましたときに、私たちが持つておりました気持を申し上げさせていただきたいと思うのであります。これは、先ほど来いろいろとお話がございますように、法律上どう考えるかということが一つの大きな問題でありますが、また過去における法律問題と同時に、将来の処置に関するものとして、どういうふうに処置するのが国として適当であるかという問題もまた大きな問題であろうかと考えますので、その点については、慎重に研究した上でなければ結論を下すべきでないというのが、当時の心境であつたわけでございます。これは一部におきましては、接収した元がわかればそのまま返せばよろしいのだという考え方もあり得たわけでありますが、必ず被接収岩に返すというようなぐあいに断定するのは、当時として、私が法案を去年出しますときにおいては、時期尚早であるというように考えましたので、法文には、返還するために調べるのだということにはいたしませず、返還その他の処置を講ずるということについて、それらのことにつきましては慎重な考慮が必要であろうと考えた次第で上あります。
○明禮委員 慎重な態度は非常にけつこうでありますが、今日はこれをどういうように見るかということが大きな問題でありまして、これは先日来この委員会で問題になつておるのでありますが、この十六万余カラツトのダイヤをめぐつて、すでに所有権が営団にありと言うて、営団の清算人がこれを処分しようという考え方、それにまた連なつたところの大商店の人々が商人の組合をつくつて、このダイヤに目をつけておるというようないろいろな点からして、ここにどうしてもこの所有権がどこにあるかということは、この委員会で究明しなければならない使命であります。どうしてもこの際これをはつきりしなければならぬ。ことに、今申しましたように、買上げ実施要綱だけによりましても、手数料等を含んだもの、危険負担を含んだものみな買い上げるということに、形はそうなつておりますが、営団そのものは、政府資金を出してやつておるのです。証人は、政府が営団に対してどれだけ公債かまたは現金をもつて出しておるかという点について御承知と思うのですが、そ の点を述べていただきたい。
○石田証人 交易営団につきましては、先ほど来お話がありますごとく、軍需省が監督をいたしておつたのでございまして、詳細な事情等につきましては、私から申し上げるのは確信がないわけでございます。ただ、間違つておりましたら、これは後で訂正させていただきたいと思うのでありますが、交易営団はたしか民間だけの出資ではなく、国の資本も出てやつておるかと思うのでございまして、その資金繰り等がどういうふうになつておりますか、そこらのところは、遺憾ながら私今お答えできないことをお許し願いたいと思うのであります。
○明禮委員 証人は、今の交易営団あるいは中央物資活用協会に対して、政府から補助金とか融資とかいうものも出ておるはずと思いますが、それもいかほど出ておるか御承知ありませんですか。
○石田証人 遺憾ながら正確に記憶しておりません。
○明禮委員 ここで正確に記憶しておられるところを伺わなくてもよろしいのであります。大体どのくらい融資しておるか、どのくらい補助金が出ておるかということを証人は御承知のはずです。それを大体のところでよろしいから述べていただきます。
○石田証人 私、そういう関係の資料を持ち合せておりませんので、一証人としてここで申しあげることは遺憾譲ながらできないのでございまして、その点御了承願いたいと思います。
○明禮委員 その資料をお持ちになつておらなくても、営団に対して政府の資金が出ておるのじやないか、あるいは中央物資活用協会に補助金が出ておるのじやないかという程度はおわかりにならぬでありましようか。
○石田証人 先ほど申しましたことく、交易営団に対しては国の出資があつたのではないかと私は思つたのでございますが、そのほかのこまかい金繰りの点につきましては、記憶がはつきりいたしておりません。
○明禮委員 このダイヤを買い上げまする要綱によりますると、ダイヤの買上げ機関は交易営団となり、中央物資活用協会はさらに営団の代行機関となつております。この要綱の示す通りにいたしまして、政府は国民に勧めてそれを売らせるようにいたし、ダイヤの供出は半ば強制的であつた、白金は強制的にこれを売らしたというようなわけであります。営団は、政府にかわつて、これらのものを買い上げたのであります。買い上げたものは、政府の依頼によつて買い上げたということになる。この要綱もすなわちそういう意味だと私は考えるのであります。こういうようなことは民法上委任契約に基くものであると私は思うのでありますが、証人の御見解はいかがでありましようか。
○石田証人 当時ダイヤ、銀その他いろいろのものにつきまして買上げが行われましたことは、私も国民の一人として存じております。しかしながら、その詳細、ことにそれを法律的にどう解すべきかというとは、これは法律の専門家の見解をお聞きいただく方が間違いないかと思うのでありまして、私はそういう点について断定的に申し上げることができませんのを遺憾と思います。
○明禮委員 なかなか上手に答弁をれて逃げられますが、理財局長ともあろう人がそう逃げてしまつてよろしいか。それではお伺いしますが、大蔵省ではだれがそういうことをきめるという見解を持つておりますか。どこでそういう判断をして行くのでありましようか。どうせこれは法律上の性質を究明しなければならぬわけでありますが、その点をお伺いします。
○石田証人 この点につきましては、現在管財局がその主管になつておりますので、法律的な解釈、それからまたどう措置するのが妥当であるかということにつきましては、管財局におきまして一応研究をし、それが大蔵省の省議あるいは大臣までの決裁を経まして、そうしてその上に処置がきまるのが筋道であろうかと考えておる次第でございます。
○明禮委員 先ほどお尋ねをいたしました、ダイヤを交易営団から大蔵省に返還を求めた、その場合の期日ははつきりいたしませんそうですが、一月の十二、二百ごろか、一月の中ごろから月末の間に要求したというのでありますが、大蔵省の方では、これに対して、これを拒まれたというふうに言われました。その拒まれたところの理由が知りたいのでありますが、証人はその点は御承知ありませんか。
○石田証人 私記憶がないと申しましたが、大蔵省といたしましては、そういうことがあるといたしますれば——今のお話はことしの一月でありましようか。
○明禮委員 そうです。
○石田証人 私そのことを所管しておりませんので、先ほど申しました点にも関連するのでございますが、管財局においてそういう問題は処理されたかと思うのでありまして、そちらの方にお聞き願えば仕合せかと存ずるのでございます。
○明禮委員 中野委員からあとお尋ねになることがたくさんあろうと思いますから、私はこの程度にしておきますが、証人は理財局長として答えができにくいというのならば、証人の個人の御見解としていかがでありましようか。この、ダイヤは一体だれのものか、国のものか、もしくは営団のものか、どういう御見解を持つておられるか、これをお尋ねいたします。
○石田証人 これは、先ほども申しましたごとく、法律的にもむずかしい問題でございます。それから、私がやつておりましたときには、先ほどもこれは御説明申し上げたのでございますが、とにかく実態を明らかにするために報告を聴取することが適当であると認めまして、国会の御審議をお願いしました当時まで関与しておりました。その後事体がはつきりいたしましてから後、その事態がどういうふうになつておるかということは、管財局において主として研究をしておる問題でございますので、私といたしまして御答弁申しますのは正確でもないと思いますので、その点は御容赦願いたいと思うのでございます。
○明禮委員 大蔵省から国会に対する貴金属の数量報告、二十七年五月十九日付の中に含まれていないダイヤがあるのではないか、そういうものが日銀に保管されておらないのではないか、この点についてなぜ報告漏れになつたかということ、どういう性質のものが残つているのか、その種類、数量、価格、現在の保管状況等についてもう一点お尋ねいたします。
○石田証人 報告漏れがあつて、そして私は貴金属等の接収解除に伴いまして法案を出しまして、それについてどういう量を受取つたかということで、私とにかく受取りましたものにサインをいたしましたので、その数字は出したのでございますが、そのほかにどれだけのものがあつたかという点につきましては、これは私ここに正確な数字その他を持つておりませんので、もしそういうことでありますならば、その、数字を得ました上で御回答申し上げたいと思います。
○明禮委員 では、今の報告漏れがあつたことはお認めになるわけですな。
○石田証人 私、接収貴金属で向うから解除の引受を受けました分につきまして、報告漏れはなかつたのではないかと思つている次第であります。
○丹羽委員 二、三石田さんにお伺いしたいと思います。石田さんは、先ほどお伺いいたしますと、二十六年五月に理財局長に御就任になつたということでございますから、二十六年六月二十一日に占領軍から保管を移譲せられましてからの責任は、理財局長でいらつしやる石田さんが当然責任者であると存ずる次第でございます。ただいまこの問題というものは、終戦後のどさくさ、あるいはまた占領軍に移管されております間のものにつきましてはともかく、二十六年六月以降というものは、日本の社会的秩序もすつかり元通りに復したときでございまして、国民の一番注目の的になつている貴重なる財産でございますので、これらの管理にあたりまして、その責任者である石田理財局長さんにまず第一番にお伺いしたいことは、占領軍から保管の移譲を受けましたときに、占領軍から覚書を渡されましたかどうか、その点についてお伺いいたしたいと存じます。
○石田証人 私はつきりした日時は記憶しないのであります。また、所管課長その他から報告を受けて、直接占領軍と交渉をするというようなことはほとんどなかつたのでございます。そういう前提でお聞取り願いたいのでございますが、五月であつたか六月であつたかわかりませんですが、そのころ、所管課の方に対しまして、司令部の機構縮小等に伴つて貴金属等の保管を日本側に移したい、それについて大蔵省でその保管の責めに任ずるようにという話があつたのでございます。そのときに、これはただちに、従来の例等もございまして、向うからこれだけの金銀をお前の方に渡した、だからすぐ受取りにサインしろということが間々あつたのでございます。そういうふうなことでありましては、相当巨額な貴金属、ダイヤモンド等を受取るのでございますから、われわれとして責任を尽すことができないだろうと感じたわけであります。そこで折衝をいたしましたのは、向うがこれだけのものをお前の方に渡したぞと言つておつても、それをそのまま確かにその通りでございますと言うのではなく、そちらさんがおつしやるところによれば、これだけのものをお前に渡したということであるけれども、将来それを調べました結果、数量に異動があるのかもしらぬと、要するに受取りはいたしますが、それをそのまま受取るのではございませんということだけははつきりしておかないと、間違いができると思いまして、その点につきまして相当折衝を命じたわけでございます。初めはいろいろございましたけれども、従来その通りにやつておつて間違いがないの、だからというふうなお話も、向うとしてあつたやに記憶しておりますけれども、結局私が強く主張いたしました点は了承せられたと思います。その結果、向うの方から引渡すにつきましてはメモランダムが参りまして、たしか二十一日付であつたと思いますが、そういうメモランダムが参りまして、それによつてこちらが責任をとらざるを得なかつたのでございますが、私は、受取りを書きますときに、特にその点を明らかにして、受取りを書いた次第でございます。
○丹羽委員 そうすると、その覚書は現在でもございますわけですか。
○石田証人 司令部から参りました覚書は理財局において保管いたしております。現在管財局に移管しておりまして、あることは間違いないわけでございます。
○内藤委員長 ちよつと申しますが、引渡しのときの何かメモランダムはありませんか。
○石田証人 これは皆様の方でもお調べになつておられると思いますが、司令部の方からお前の方に引渡すから受取れというメモランダムが来ている。それを実行するということになりまして、そうして二十六日にそのメモランダムに基くところの何を実行いたしまして、そうして引渡しを受けるということを言つて、サインをしたわけであります。そのサインのときに、私は初めて日本銀行に参つたというような事情に相なつているわけであります。
○内藤委員長 そうすと、そのメモランダムには数量等は明記してあつたのですね。
○石田証人 私の記憶では、メモランダムにはどれだけの貴金属とは書いてないと思います。これこれの貴金属等を引渡すから受取れということがメモランダムで参りまして、そうして、今度受取るときに、どれだけ受取つたかということがはつきりされるわけであります。これについては、向うの受取りのやり方は、各部屋ごとにどれだけの何が幾らあつて、どれどれということをずらつと書いた相当詳しいものでありまして、その中には、ダイヤモンドは十六万何千何ぼということが書いてございますが、そのほかには何が書いてないのでございます。それに対しましてサインしますと同時に、その補助簿と申しますか、帳簿がたくさんあるわけですが、その帳簿に量が書いてあるわけだと思います。その量を収集いたしますと、どういう数字になるか。サインいたしますと同時に、その帳簿をこつちに引継いでもらわぬと、金、銀だけでは何ともわからないものでございますから、それと同時に帳簿を引継いで、要するに帳簿とそれとが符合しているということのサインをした、かような次第でございます。
○丹羽委員 そうしますと、その移譲するというときの、はつきりしたメモランダムは来たものと了解してよろしゆうございますね。
○石田証人 それは日本側において保管の責めに任ずるというメモランダムが来たわけであります。これは日本政府に対して来たわけであります。それを実行いたしますについて、要するに引渡しの場合に私が参りまして、そういう引渡しが行われたというサインをいたしわけでございます。
○丹羽委員 そのメモランダムは、外務省を通じて大蔵省の方に移譲されたわけでございますか。
○石田証人 私もらいましたあとにそれを見ましたけれども、所管課長の方からそれを持つて参りましてやるというのが、実際のやり方でございました。おそらく、普通でありますならば、外務省を通して来るのが多いのでございますが、ときといたしまして、直接渡すということもございます。今その点の正確なる記憶は遺憾ながらございませんので、これは取調べた土で御返事さしていただきたいと思います。
○丹羽委員 私の聞いておるところによりますると、当時の渉外事務は、ことごとく外務省を通じて交渉するということに、一応訓令その他でなつておつたように伺つておるわけでございます。そういう場合に、この国民の最も重大な関心を持つておるとこの財産の受渡しにつきまして、国の利益のためにその所管官庁である外務省を通じて行うことは、これはもう普通一般官吏の役としては、当然考えなければならぬことでございますが、その点御記憶が判然としないということは、私はおそらく理財局長のことでございますから、もしその当時の進駐軍から直接にお話がございましたならば、これは私どもでもつて決定すべきことじやないから、一応外務省を通じてくれというお断りを一応進駐軍に対してするのが当然の職務だと思います。それだけの重大なことでございますから、記憶が薄らいだというようなことはあるまいと思いますが、重ねてその点をお尋ねいたします。
○石田証人 司令部との関係につきましては、原則といたしまして、中央終戦連絡事務局なり、外務省を通じてやるというのが普通の筋道でございます。しかし、ある問題につきまして、すでに一ぺん出たあと直接交渉でやるというような場合もございまするし、それから全然直接にやるということも、ときとしてあり得たのでございます。ことにこの金銀等の管理につきましては、大体一番初めの接収自体からいたしまして、成規の手続をやつておらないところのものでございます。いわゆる異例に属すると申しますか、その手続をしないでやるということもあり得たのではないかと想像いたしますので、はつきりしたことを申し上げかねると申した次第であります。
○丹羽委員 その異例に属する手続をあるいはやつたのではないかという点に、私は今日の非常に大きな疑惑が持たれて来るのではないかと思うのであります。当時の国民が、強制的愛国心と申しますか、国を思うの余り最も惜しい物を出しました。この財産の授受ということは、管理する官庁としては、慎重の上にもまた慎重にやらなければならないことは当然のことでございます。そのことをやるのに、所管官庁を通じないで異例の方だけでやるということは、私ははなはだしく当を失しておると思うのでございますが、その当時局長は、これは困つたことだというふうにお考えになりませんでしたか。
○石田証人 このダイヤモンド自体は、元来大蔵省がやるべきことではございませんで、これは、先ほど委員長からのお話に対しましても答弁いたしたのでございますが、こちらとしては所管外であるからというので、できるだけタツチしないということにこれ努めたのでございますけれども、この問題につきましては、直接大蔵省へ育つて来るというふうな傾きが多かつたわけでございます。なおこれは先ほど申し上げましたメモランダム等の処理の中にもあるかと思いますが、当時貴金属等の保管をこちらに命じましたにつきましては、これはきわめて祕密にやるような趣旨が始終言われておつたわけでございます。その趣旨は、私の了解いたしますところでは、ダイヤモンド、貴金属等の終局的な処理については、接収当時と私たちが保管を命ぜられたときとは、考え方が大分違つて来ておつたのではないか。その要点は、初めはこれは賠償等に充てるという気持が相当強かつたのではないかと想像するのであります。私たち、管理いたしまして、でき得ればこれは日本に残されるということを大いに希望しておつたわけでございますが、その当時におきまして、非常に強く口頭その他でわれわれの方に話がありました。私の了承いたしますところでは、まだ講和条約も発効していないことでもあるし、賠償その他の問題についても問題が漏れると非考にうるさくなるので、これは、極秘裡に大蔵省が責任をもつて、引続きこの保管の責めに任ずると同時に、一切厳秘に付さなければならないということか強く言われておつたわけでありまして、私率直に申しまして、数量その付の点において確認できないのは遺憾であります。とにかくこれをこちら側が引取つておくということは、もしその後においてこれらの処分が日本側でできるということならば、けつこうなことではないか、かような心境をもちましてやつたわけですけれども、これは私一人でやつたわけではないのでありまして、大蔵省としては筋を通してやつたわけでございます。
○丹羽委員 その場合に局長としては、外務省に、こういうふうな申出が来ておるけれども、私の方で処理していいかどうかということを一応お尋ねになりましたか。
○石田証人 私個人といたしましては、そういうことを話しましたはつきりした記憶はございません。
○丹羽委員 あとのことでございますけれども、その当時話さなかつたことが妥当だとお思いでございますか。
○石田証人 これは向うから正式にサインしたメモランダムが来ておるのでございまして、向うが責任をもつて保管を命じたのでございます。私らの方もそれをもらつてやつたのでございまして、その点におきましては、外部にそれが漏れることを非常に心配いたしておりました状況でございますので、あまり正式な書類等でもつてやることは、かえつて漏洩する危険があるのではないかというような気持を持つておつたわけでございます。
○丹羽委員 ただいまの点は、私まだいささか疑義がございますけれども、繰返しておりましても見解の相違になるおそれがございますので、先に進めたいと思います。 もう一言それにつきましてお伺いしたいのは、先ほどそれだけ忌避をなさいました大蔵省といたしましては、これらの保管につきまして、通産省その他の適当なる官庁に保管方をしろというような進言をなさつたことはございますか。
○石田証人 そういうことはございません。その辺の事情を申し上げますと——これはお調べ願いますればおわかりと思いますが、私は数字ははつきり覚えておりませんけれども、われわれの方に保管方が移転になりません前におきまして、日本におきましてダイヤモンド・ダイスが幾らというような話で、いろいろ接収された着たちが司令部と直接交渉をいたしまして、そしてそのある部分の返還を受けると申しますか、そういうことがありました場合に、われわれの方といたしましては、これは大蔵省の仕事ではない、通産省の方でやるべきことだというふうに考えまして、そちらの方面で司令部と話をしてもらうようにやつたのでございますが、司令部は大蔵省でなければだめだということで受付けない。しかたなしに、申請書類と申しますか、そういうふうなものを取次ぐ役として大蔵省が働いた経緯もありまして、これを通産省等に申し出ましても、従来の経緯からいつてなかなか認められないであろう。また同時に、外部に対して極力秘密を守るようにということがありますので、そういう問題を出して向うと折衝することはいかがと思いまして、そういうことはいたしておりません。
○丹羽委員 保管を委譲せられましたときに、覚書について参りましたダイヤモンドの数量、その他のリストと申しますか、そういうようなものと、それから、それをお受取りになつたときの全体の——今十六万カラツトとかおつしやいましたけれども、その数量と、初めに接収せられたときにこちらが出しましたリストの数量とを比較いたしまして、そこに差がございましたか。
○石田証人 この十六万一千カラツトというのは、私はサインをするときに初めて知つたのでありまして、行きました場合におきましては、とにかくこれだけのものを受取れということでございます。先ほど申しましたことく、私は、あとで調べて違つておる場合には、違つておるものであるという意味において受取るのであるという点を明確にいたしたわけでありまして、その間におきまして、多いとか少いとかいうことはわからなかつたようなわけであります。
○丹羽委員 その点はその通りでございますけれども、その前に、接収せられたときに、日本側から進駐軍に出したりスト、数量その他をその際に御研究になつておいでになりましたか。
○石田証人 接収されましたものにつきまして、的確に正確なる調査ということは、過去においてもできなかつたわけであります。ただいろいろの巷のうわさ等もございまして、はたして数量が減つていることがないかどうかにつきましては、確信をもつて減つておらぬとかなんとかいうふうな気持は持ち得ない心境にあつたわけでございます。
○丹羽委員 それでは、一応この点はこのくらいにいたしまして、先に進みたいと思います。 二十六年の六月二十八日で保管委譲が安了されたとなつておりますが、それ以後の大蔵省といたしましての管理方法はどういう方法でおやりになりましたか。詳細にわたつて承りたいと思います。
○石田証人 その当時私は、今御質問がありましたようなぐあいに、数量等の点につきまして、もし何らの不安がなく、はつきりいたしておるものならば、まず金庫のかぎをこちらがもらいまして、日本銀行に対しまして、この金庫のかぎをちやんと保管してもらうように、なお一切の立入りをさせないようにということが最もよくなかつたかと思うのであります。大体そういう気持で、受取つたものの保管については、関係のない者は行かせないようにした方が一番いいというふうに、実は思つておつたのであります。ただ、私らの方としましては、違つているかもしれぬという余地を残して受取つたという建前からいたしまして、その再検査というものをどうするかという問題が残つたわけであります。それに対して、こちらがそういうふうな点を持に強く主張いたしました結果、向うは認めたのでありますけれども、それをきわめて短期間にやれという話があつたわけであります。そういたしますと、こちらもそういうことを申しました関係もありまして、また当面の責任でもあるのでありますが、再検査をしなければならぬ、そういうためにはへどうしても立ち入つてやらなければならぬという問題が起つて来るわけであります。それをなるべく早く完了し次第、なるたけだれも立ち入らないような状態においてやりたい、かように思つたわけであります。そこで六月の二十八日におきまして、これはその前に日本銀行に依頼しておつたのでありますが、とにかくこちらに保管の責任が移りました後において、先方が自由に立ち入るというようなことであつては、これは何とも相なりませんので、そこでまず日本銀行において、かぎの引渡しについて疎漏がないかということをやつてもらいたい、それがはつきりしない限りにおいては、私はサインができないということを、まず第一の眼点といたした次第でございます。それから、これは私記憶ははつきりいたしておりませんが、そういうふうなことが前もつて大体済んだと思うころ私参りまして、それから日本銀行の責任者等にも、その点について万異状なきかということを確かめて、よろしいということになりましたので、私と先方の管理官との間におきましてサインをいたした、かような次第でございます。 それから、その後の再検査をやりますにつきましては、こちらだけでやるということになりますと、向うとの関係におきまして一方的であるという問題も起ります。そうかといつて、向うの人間がかつてに入つて来られても困りますので、向うが責任者を出すについて、どういう人聞を出すかということをはつきりさせてもらいたい、こちらも立ち会いました上で秤量をするというようなことでやるのがよろしい、それが済み次第、金庫には立入りを一切禁止する、こういうふうなことにされたいと思つたのであります。なお、日本銀行がかぎを持つておりますから、日本銀行の人でなければあけられないのでありますけれども、しかし万一の場合、日本銀行があけて、かつてにやつたというようなことが出てもいけないと思いましたので、そこでダブル・チエツクと申しますか、そういうような意味におきまして、開閉に際しましては、大蔵省の者が参りまして、判を押して封印をするというようなことをせなければならない。かようにやりまして対処するように考えた次第でございます。
○丹羽委員 それで、再調査はいつからいつまでで終つたわけですか。
○石田証人 この問題につきましては、私しろうとでありまして、ほんの短かい間において引渡しという問題を処置しなければならなかつたのでありまして、それがどのくらいかかるかということについてはわかりませんで、苦労いたしたわけであります。先方は、機構も縮小するのて、責任はお前方にみなまかせてしまう、処分権は持つておるけれども、保管の責任はお前たちにみなまかせてしまうから、早くしろというふうな督促が非常にあつたわけであります。私、はつきり記憶はいたしませんけれども、初めは十五日とか、非常に短かいことを言つておつたのではなかつたかと思います。それから、こちらから二月くらい延ばしてくれろというようなこともあつたかと思います。はつきりしたところといたしましては、二月ではなおできないということで、二月あるいはその後できるだけ早くというふうな意味で、その期間をなるべく長くしてもらうということに努力いたしました次第でございます。 なお、実際問題としてやります場合にどうするかという問題でございますが、これは量その他の点から言いまして、白金が一番早く片づくであろう、その次は金であろう、銀は非常に量が多いので、まごまごすると一年以上かかるというような状況であつたかと思います。それからダイヤモンドについては、これはどうも時間的な問題のみならず、相当専門的な知識も要しまするし、またこまかいものでございますので、封を開いてみたり何かしているうちに、紛失したとかなんとかということがありましても非常に困るので、一番初めの方針といたしましては、白命、金からやつて、それからダイヤモンドについても、これは量的には多くないので、できればそれをやる、どうしても銀が一番最後になるであろう、こういうふうな一応の見解によりまして、向うと打合せをしたわけであります。白金につきましては、七月の初めに調査が始まりまして、数日の間に大体秤量が終つたかと思います。金につきましては、これも七月の初めに開始いたしまして、八月の上旬には一応の秤量を行いました。金銀の合金につきましては、七月中旬から始めて、やはり八月の上旬に終つたかと思います。銀につきましては、九月の初めからかかりましたけれども、非常にたくさんな量なものでございまして、私が理財局におりますうちにはとうくそれが終りませんで、管財局に引継いだ後において終つたと思つております。 ダイヤモンドにつきましては、これは率直に申しまして非常に専門的な事項でありまするので、どうしていいかということについては悩んだのでありますが、他方司令部の方といたしまして、そのダイヤモンドを入れている籍が軍の関係でいるのであるから、早く渡してくれ、こういう要求がありまして、それをやらなければならない必要に迫られましたので、応急措置といたしまして、日本銀行から箱を憤りて、その箱に移したわけであります。その際に、これは係の立ち会つた者から報告を受けたのでありますけれども、紙のはがれたり何かしているものにつきましては、張るとかなんとかいう措置をいたしました。それと同時に、その上に、それぞれの小さな袋ごとに目方が書いてございますので、その引写しをしなければならないという向うの要求がありましたときに、引写しをすると同時に、その上の数字を全部チエツクさせまして、それと十六万一千云々という向うの書いた通りの数字との照合をいたしまして、それ以上これをほんとうにはかつてやるというようなことは、向うとの立会いのもとにやつて間違いがあつても困るのではないかというので、どういうふうにやつたらいいかということについては、慎重にしなければならないかと思いますので、ほんとうの意味の秤量鑑定ということはせずにしまつたというわけなのであります。
○丹羽委員 その箱というのはどういう箱でございますか。向うが返してくれという今のあの箱とは、よほど形態なんか違つているものでございますか。
○石田証人 これは、私どういう用途に使うものかということははつきり申せないので、記憶違いがございましたら、訂正させていただきたいと思いますが、アルミのものではないかと思います。それを使うと言いますので、急に注文するということもできませんので、とりあえず日本銀行の免換券の送付等に使います箱を借りて、それに移すということになつたと記憶いたしております。
○丹羽委員 それらの箱への移しかえとか、あるいは再調査にお立会いになつた大蔵省関係の役人の数、また一時に何人くらいずつでおやりになつたんですか。
○石田証人 これは事柄の実態から申しますると、私が行つて監督するのが最も適当であろうと思うのでありまするが、今申し上げましたようなぐあいの仕事に、毎日行つているということはとうていできないし、それから、そういうことをしておりましては事務にさしつかえまするので、しかし課長はどうしても必要な限り行つてもらわなければ困るので、課長をこの中に加えまして、それから課長補佐も一人加えまして、係長も三人だつたと思いますが、そのほかに、金や銀等の関係がありまして、それらをやつておりましたが、あまり多くの人間が引渡しを受けるまでやつておらなかつたわけでありますから、そこらのところの事務官というようなものを全部やりましても、どうしても人数が少いというようなことを考えまして、ほとんど全部でやるということで係の方から話がございまして、それでたしか十一人くらいであつたかと思いますが、これが入るということで日本銀行に通告したわけであります。もちろんこれは、そのときどきによりまするところのインヴエントリーのために入ります仕事の実情に基くものでありまして、その全部が一ぺんに入るという意味ではないのでありまして、課長と係長が入ることもございますし、課長補佐と係長が入ることもありますし、係長と課員が入るということもあろうかと思います。それらの点についての判断は、課長において指揮していただく、こういうふうなつもりで任命いたした次第でございます。
○丹羽委員 そういたしますと、保管している場合に、開封とかあるいはまた取移しその他につきましては、大蔵省の役人の方のみでおやりになつたわけでございますか、あるいはまた場所が日銀の地下室でございますから、日銀の人々も協力せしめたのでございますか。
○石田証人 これは、話がややこしくなりますので、ダイヤモンドの場合だけで申し上げます。その場合におきましては、大蔵省の人はもちろん参ります。同時に、大蔵省がいわゆる保管を依頼した上から申しまして、当然日本銀行にも責任がございますので、日本銀行も関与せしめなければならないわけでございます。なおこの場合に、司令部の方の者も立ち会う。それから久米さんという方が向うの関係で関係しておりまするので、その人もその場合に立ち会つていただく。これは久米さんが日本人としては一番多くタツチされているので、その人も一緒に立ち会つてもらうわけでございます。大体そういうような人が立ち会つたものと承知しております。私は、現地へは参つたことがございませんので、この点ははつきり申し上げられませんが、そういう建前でやらしたと思います。
○丹羽委員 今、保管に。いて日銀も責任があるというお話でございましたが、日銀はどういう責任がございますか。
○石田証人 これは、先ほど申しましたことく、そういう問題がなくて、数量等に間違いがなければ、金庫のかぎは日本銀行が責任を持つてもらいたい。 ————— 原則としてだれも入れぬという状態に置きたかつたわけであります。そういたしましたあとの責任は、全部日本銀行に持つてもらうということになると思うのであります。ところが、日本銀行といたしましては、金銀その他の場合においても立ち会つておるわけであります。立ち会つてもらわなければ、留守中に持つて行かれてし、まつて、も抜けのからにされて、あとかぎだけ渡されたというのでは、日本銀行は責任が持てないということになるわけでありまして、同時に、今の関係で入りました場合に、一部たりともなくなるということになりますと、日本銀行としても、大蔵省から依頼を受けておる建前上、そういうことは知らなかつたということはできないであろう、こう考えます。
○丹羽委員 そういたしますと、保管のかぎは全部日本銀行で持つているわけでございますけれども、封印その他によりまして、日本銀行員がかつてにその場所に出入りすることはできないようになつていたのじやないですか。
○石田証人 これは、先ほど申しましたことく、タブル・チエツクという意味で私がやつたわけであります。要するに、日本銀行の人がもしかりに自由にあけたてした場合には、これは困るわけであります。そこで、今度は大蔵省のひもをつけるわけであります。しかし逆に、大蔵省のひもだけで、かつてに大蔵省の人間が出入りしたあとでなくなつたりした場合は、日本銀行が困るわけであります。両方からチエツクするのがいいのじやないか、かように考えたわけであります。
○丹羽委員 今証人のお話を伺つておりますと、保管についてはちよつと共同責任のように聞えるわけでございますが、私が先ほど来伺つておる接収の過程から申しましても、当然大蔵省の理財局が直接の責任だと思うわけでございますが、その点についてはいかがでございますか。
○石田証人 司令部対大蔵省の関係におきましては、大蔵省が責任者として指名されたわけであります。しかしながら、大蔵省は自分のそういう設備を持つておらないわけであります。そうして現物も日本銀行にあつたわけであります。そういたしますれば、現実の保管ということは日本銀行にお願いしたことがいいのではないか、それから、場所的な点から申しましても、それからしてそういう保管ということをやる意味におきましても、日本銀行が適格であると思うので、大蔵省といたしましては日本銀行に依頼したわけであります。しかも、それを実は依頼しつぱなしにしたがつたのでありますが、先ど申しましたような事情からいつて、出入りせざるを得ないというような状況にあつたわけであります。
○丹羽委員 そういたしますと、今の日本銀行の責任は、倉庫業者というとおかしいかもしれませんけれども、するに保管の場所の責任者としての責任であつて、もし万一このダイヤモンドがなくなつたとかどうとかいう場合には、理財局の責任になるのじやありませんか。
○石田証人 保管者としての法律的な責任は大蔵省にあるわけでありまして、なくなりました場合には、大蔵省が当然責任を負うべきだと思います。これは民間の場合もそうでございますけれども、保管をだれかに依頼、いたしまして、保管しておいてなくなつた場合には、それではその保管した人には全然責任がないかということに相なれば、そうも参らないのではないか、こう考えます。
○丹羽委員 それでは大蔵省なり日銀なりが調査をする、大体大蔵省が主体で再調査をなさつたわけでありますが、調査をする場合には、大蔵省の許可と申しますか、大蔵省の係官の指示がなければ、日銀はそのかぎをあけることもできなけれび、また調べることもできないが、ダイヤモンドの再調査に、実質上の調べにも日銀が当つたことがございますか。
○石田証人 日本銀行みずから当るというようなことはございません。
○丹羽委員 そういたしますると、結局は再調査なり保管の責任は大蔵省が全部お負いになる、こういつてさしつかえございませんですか。
○石田証人 そういうことになると思います。
○丹羽委員 次に、行監の調査員に調査させました報告によりますと、理財局の職員が日銀に出張いたしますると、日銀には幾重にもかぎがかかつておりますけれども、前日に理財局の職員が封印をいたしましたその封印を破毀いたしますると、日銀はその保管のかぎで機械的に金庫をあけてくれたということになつております。大体それにつきまして、日銀のダイヤモンドを保管している地下室の見取図がここに出ておりますけれども、この通りと了承してよろしゆうございますか。
○石田証人 私、先ほど申しましたことく、ほとんど現物にはタツチしませんで、そうして受取りその他につきまして最終責任を負うというような立場にあつたわけでありまして、地下室等にはそう出入りしたわけでございませんので、その点につきましてこうであるということをはつきり申し上げることは、遺憾ながら御容赦願いたいと思います。なお現場につきましては、これは管財局にあれがございますので、それについて私が申し上げることは無責任じやないかと思いますので、御容赦願いたいと思います。
○丹羽委員 そうすると、理財局長は地下室に一度もおいでになつたことはございませんか。もしおいでになつたとすれば、何回くらいおいでなつたのですか。
○石田証人 私、保管の命令を受けまして、行きましたことは二回であります。第一回は、二十六年六月二十八日にサインをいたします前に下へ参りまして、そうしてかぎ等の引渡しについては万遺憾なきかいなかということを日本銀行の人に頼んで、それと同時にみな出ていただきまして、——軍の方も一緒ですけれども、出てもらつてかぎをかける。これが第一回でございました。第二回は、去年報告に関しまする法律を提出いたしまして、大蔵委員会の御要求がございまして、私日にちははつきり覚えておりませんけれども、昭和二十七年の五、六月のころかに思いますが、大蔵委員会の方と御一緒に参りましたのと、二回しかございません。
○丹羽委員 そういたしますと、先ほど理財局長がおつしやいまして、実は自分がしよつちゆう行きまして再調査のときに立ち会えばよかつたのであるけれども、職掌柄それもできなかつたという点は、重々私も了解できるわけでございます。しかしながら、この重大なる保管の最高責任者といたしまして、わずか一回しか行つていない、しかしあとは、大蔵委員会の方と一緒に行つたということだけであれば、責任の点におきまして遺憾の点があるような気がいたします。命令しただけで、局長の命令が違つた方に実行されているかどうかを発見する、その監督をするということにつきましては、ほかに何らかのごくふうをおとりになつたのでございましようか。
○石田証人 先ほど申しましたように、所管の課長以下の者と、それから日本銀行の職員との間におきまして、ダブル・チエツクと申しますか、そういう方法によりましてやりましたのと、それから、日本銀行というものは、そういう点において非常に信頼ができるということを考えましたのと、それから、私は部下につきまして間違いを起すことは万なしと思いました。それからまた、そういう意味におきまして、その方々がちやんとやつてくださることと了解いたしまして、ことさら行つたわけではありません。 なお、この問題につきましては、ダイヤモンド等につきましては、私は、あけたり開いたりするというふうなことは、極力慎重を要するのではいかぬというふうに言つておりますので、そういうことでありますれば、私が行つてあけるとかなんとかいうことは、これはやりましても発見できない問題でございますので、そういう意味におきまして、私は参つたことがない次第であります。
○丹羽委員 そういたしますると、局長もほとんどおいでになりませんから、実際上の保管の管理というものは、その封印をいたしたり、あるいは封印を切つたりいたしまする大蔵省の職員の方が、実際上の管理者であると言つてさしつかえございませんか。
○石田証人 形式上の管理の責任は私が負わなければならないわけでありますが、実際の問題につきましては、実はそれらの人たちを私は管理者として派遣しておるのではありません。管理立場でやつておるわけではありません。再調査などのために出す責任者、かように心得てやつておつたのであります。
○丹羽委員 何のために出しておつたみです。
○石田証人 先ほど申しましたことく、要するに、向うから受取つたものは正確なものであつて、再調査をする必要がなければ、そういう人を出さなくてもよかつたわけです。再調査をしなければならぬという意味におきまして出たのでございまして、ですから、管理をするためにやつたと申しますよりも、再調査のためにやらざるを得なかつたのだ、こういうふうに私は思つておる次第でございます。
○丹羽委員 再調査は、そういたしますとダイヤモンドにつきましては、先ほどおつしやいましたが、二箇月くらいで終つたわけですか。
○石田証人 私のメモによりますと、二箇月くらいで終つたのではなくして、銀のごときに至つてはずいぶん長い期間かかつて、理財局から管財局に所管が移つた後においてやつと終つた。ダイヤモンドについては、先ほど申しましたことく、一々品物を鑑定するとかなんとかいうふうなことではなくして、向うから箱をどうしても引出せということがございましたので、その緊急の場合に応じまするために、どうしても入れかえということをしなければならぬわけであります。その機会におきまして、向うの台帳に書いてありますもののほかに、一々封の中に仕訳したもので、どういう品位のものが何カラツトと書いてあるということでございますので、その際にその数量というものをもう一ぺんチエツクして移して、そうして片方の方をチエツクして見る、こういうことをやつただけでございます。ほんとうの実物について鑑定することは、私がおりましたときにはやらなかつたのであります。
○丹羽委員 そういたしますと、その期間は二箇月ぐらいでございますか、箱に移しかえの期間は。
○石田証人 これは先ほど申したのでございますが、金と白金とを片づけてそのあとまで待つてほしい、がたくすると困るから、どさくさまぎわにいろいろなことがありましても困ると思いますので、先ほど申しました順序で、まず白金を片づけ、それからその次に金を片づけまして金、銀、白金を片ずけて、その終りましたのが八月でございますので、そこで九月の初めにダイヤモンドの方につきまして移しかえをした、こういう事情でございます。
○丹羽委員 そういたしますと、ダイヤモンドの移しかえが終つて後は、そのダイヤモンドの保管した部屋には、大蔵省の職員並びに日銀の職員は一度も入らなかつたわけでございますか。
○石田証人 私その点につつきしては、現場へ行つておりませんので、わからないのでありますが、御承知の通り日本銀行の地下室の中には、相当いろいろな部屋がありまして、ダイヤモンドはその一部にあつたのではないかと思います。従いまして、そのダイヤモンドの箱の入つておる部屋に、ほかの関係で入つたことはあり得るかと思います。しかし、その点はつきりしたことを申し上げるような地位にないことを遺憾に思う次第でございます。
○内藤委員長 ちよつと局長に申し上げますが、当委員会が先般地下の現場へ行きました。そうすると、そこに日記のようなものがあるのです。入る場合には、目的と日にちと時間を入つた者がそこでサインをする。鉛筆でごく簡単なサインをしてあるのもありました。サインをしなくて入つた者もおる。まことにずさんな方法であつたので、そこへ視察に行つた委員の一同は驚いて来た、そういう事実をあなたは認められますか。
○石田証人 私は、先ほど申しましたようなぐあいに、きわめて慎重に、必要なこと以外には、なるたけ立ち入らないようにするというふうなことで、しかも日本銀行が、その点につきましては、こちらからの指示がない限り入れないということで厳重にやつておつたものと、かように考えておつたわけでございますが、今のようなお話の点は、私がやつておりますときには気がつかずにおつたのでございます。
○丹羽委員 私が先ほどから再三繰返しおただしをしておるのは、その点なんでございまして、先ほどから申します通りに、いやしくも国民の大切な宝、局長もおつしやるように、進駐軍から日本側に処分が移ればいいと念願いたしました宝が、万が一にも紛失いたしまして、あるいは悪流用でもいたしましたならば、これはたいへんなことでございます。これは精神的にではございません、技術的に管理の方法をいかにするかとこういうが、者の最も重大なる仕事ではないかと思うわけであります。その点につきまして先ほどから再三伺つておるわけでございますが、技術的にどうすれば保管が一番完全に行われるか。たとえてみますれば、そこにダブル・チエツクをなさつてやるという方法は、確かに私はお考えになりました最善の方策であろうと思うわけでありますが、それらのことがほんとうに行われておるか、何人毎日行つて行われておるかどうか。少くとも、大蔵省からあなたの部下といたしまして派遣された方が今日行つたけれども、この通り異状がなかつた。箱のかつこうも異状なかつたし、数量においても興状がなかつたと、行つたたびに御報告を受ける、それがあとに残るような書類をおつくりになつておりましたかどうか。その点を承りたいと思います。
○石田証人 お話の点でございますが、先ほど申しましたように、金とか白金とか銀とかダイヤモンドとかについて、こういうふうなことで大体何日問の予定をもつて行きたいということにつきましては、これは報告も受けますし、場合によつては決裁をしたかと思つております。しかしながら、その実行したあとににおきまして、きようから行つて参ります、あるいはこれで終りましたという報告は受けますが、所管課長の方において何らかの書類を作成しておつたかどうか私存じませんけれども、私といたしまして、そういう書類をみずからつくつたり、あるいはつくれと言つたことはなかつたかと思います。
○丹羽委員 私が先ほどから再三伺つておりまして、そういつた方面の技術的の管理の方法におきまして、局長みずから陣頭に立つての責任をとる点につきまして非常に遺憾の点がある、私はこう思うわけでございますが、この点はすでに済んだ点でございますから、先に進めたいと思いますが、その際に大蔵省から、先ほど言われた課長なり係長なりがおいでになつたそうでございますが、その人たちが日銀に参りましたる場合に、ただちに課長が、そういう重大なる再調査のために、その現場における最高責任者として御派遣になるのでございますから、こういう者が行く、これが行つたならば、それの指揮に従つてくれということは、その都度必ず日銀の者に分明できるような処置はおとりになつておるのでございましようか。
○石田証人 毎日々々行きます場合に、そういうことはないと思いますけれども、しかし、何日から何日までの間に、こういう目的でこういうふうに作業を完成しなければならぬ、それについて協力してほしい、こういうことはちやんと日本銀行に、多くの場合書類で行つておると私は記憶いたしております。あるいは記録してないかもしれませんが、そういう点については私関与いたしておりません。
○丹羽委員 そういたしますと、日銀の人に、何々係長、これは何々係長であるといつたような、大蔵省のそれらの当該係官であるという証明書を提示するとか、そういつたことはおやりになつたわけでございますか。
○石田証人 大蔵省と日本銀行とは、いろいろな意味におきまして始終出入りをいたしておりますので、大蔵省の人間が、大体向うの顔を知つているという点が多かつたと思います。ただ、本日何々のためにこの者を派遣するといつた鑑札と申しますか、証明書とかいうふうなものは特段に発行しないで、ただ、こういうものが入りますという名前の通知は日本銀行にしてあつたと思います。
○丹羽委員 ただいま局長からのお話では、大蔵省の者と日銀の者とは顔見知りだというお話でございますが、調査員を派遣いたしまして、日銀の者を調査いたしました結果によりますと、必ずしもそういうことではございませんで、事実が逆の場合がたびたびあつたように承つておるわけでございます。たとえてみますれば、十一人の派遣員のうちにおきまして、印鑑を、向うにはつきりとこの印鑑で封印をするというものは、たしか五名でございましたか、六名でございましたかだけでございまして、あとの保官が行つた場合に、この印鑑で押すといつたようなことは全然知らなかつたそうでございます。そうしますと、ここにこれを悪意に解釈いたしますと、——いささかひねくれて解釈いたしますと、たとえば何かのためにする考えでございまして、あるいは大蔵省以外のものが大蔵省の職員なりと偽つて日銀に参り、それで日銀の係官をして、むぞうさにかぎをあけしめ、しかも自分がその封印を切り、ほかのかつての名前でその判を押して帰つて来ても、これはわからぬことになりはしないか。この点が管理上非常に重大なる問題ではないかと思う次第でございます。その点についてのお考えはいかがでございますか。
○石田証人 封印いたしますにつきましては、もちろん判をしつかりしなければならぬわけだと思います。これにつきましては、行つた者が全部判を押すということではなくて、大体行く場合におきまして、その長たる者、あるいは相当なものが判を押すというのが常識であろうと思います。そういうふうな人たちが行きました場合に、そういう人たちが判を押す、その判はわかつておる、こういうことであつたろうと私は思つておるのでありまして、ただ、御指摘のありましたような、非常に乱雑なことが行われたということが事実であり、私がそれを知らなかつたといたしますれば、遺憾なことだと思つておるわけでございます。
○丹羽委員 やはり調査員の調査でございますが、二人ないしは三人で組みになりまして、行つて管理したとは非常に少いそうでございまして、実際の場合には、ただ一人の者が行きまして、それで数人の日銀の者あるいはまた人夫その他を使いまして、持ち運びをさせ、あるいは調査をしたということが報告に出て来ておるわけでございます。そういうような事実が、——はたして局長の命令通りに実行されているかどうか。局長が御心配になつたような保管ができておるかどうかということについて、何ら御報告も受けていない、何らそれについて、日銀なりその他の関係の者に、今までにおいても問いただしてないということがございましたならば、私は管理上重大なる責任があると思うわけでございます。また、その際の封印といいますものは、ここで調査員がとつて参りましたこれでございますが、これに間違いございませんですか。 〔丹羽委員書類を証人に示す〕
○石田証人 この封印の仕方等につきましては、専門家が日本銀行でございますので、日本銀行の従来の慣習がございまして、それはずつとやつておることでございますので、それに基いてやるように申したわけでございます。これがその正式なやり方であるかどうかということにつきましては、私そういう技術的な点にうといものでございますので、証人といたしまして、これに間違いないとか、これがいいとかいうことは遺憾ながら申し上げかねます。
○丹羽委員 最後にちよつとお伺いしたいのでございますが、私が聞くところによりますると、今回のダイヤモンドの再調査を命ぜられました際に、その価格を時価に当てはめて再評価を命じておるといううわさを聞きましたが、さようなことはございませんですか。
○石田証人 再調査の問題につきましては、私の方からもその点を率直にお話させていただきたいと思います。私が管理いたしておりましたときは、要するに占領下でありまするところの昭和二十六年六月二十八日から、約発効に伴う法案が提出され、そうして、私がアメリカにおりました間に所管が移りました去年の八月までのことでございます。その間におきまして、大部分が占領下でございます、私どもといたしましては、ダイヤモンド等につきましては、作業をやらされているだけであつて、いつ、お前の保管は解いたから、こちらでやると言われるかわからぬというような状態のものにおいてやることは、非常に危険ではないかということを非常に心配したわけでございます。そこで、できるだけタツチしないと申しますか、外側からは見るけれども、内側からは一々——それを責任を背負いあるいは紛失等の問題を起すことは、これは占領下においてはまずい、そういうのでありまして、できるだけそういうことを避けつつ参つたわけでございます。あるいはその点に御疑惑の点があつたのではないかと、私推察いたしておるわけでございます。それからなお、その後におきますところの、管財局に引継ぎまして以来、講和条約が発効いたしまして、処分権をまかされると同時に、その最後の処置につきましては、問題があつて結論が出ないけれども、早く報告をとる等のことによりまして、国会等に御承知願うということで、ある意味から申しますれば調査不行届きではあるが、あえて法案を出そうという気持でやつたわけでございます。その後いろいろ御質疑等も御調査等もございまして、衆人環視と申しますか、その中におきまして、管財局になりましてから、さらにこまかい再調査が行われたように私は聞いております。その結果につきましては、管財局の方からお答え願うのがいいのでありまして、私からどういうような結果であつたとか、あるいはどういうものを鑑定したとかいうことにつきましては、御容赦願いたいと思います。
○丹羽委員 そういたしますと、理財局の主管であつたときにおきましては、再評価はいたしていない、こう了承してよろしゆうございますか。
○石田証人 ダイヤモンドに関する限り、さきほども申し上げましたような経緯から、実物につきまして検査をするということはいたしてございません。
○丹羽委員 それでは、私の質問はこれで終りました。
○内藤委員長 本会議等の関係もありまするが、ずつと続行して参りたいと思いますので、さよう御了承願います。
○中野(四)委員 前もつて委員長に、御病中のところを長くひつぱることは恐縮に存じますけれども、きようの石田証人に関する限りは、相当重要な点がありますので、少し時間をとりますが、お許しを願つておきます。石田さんとは、昨年以来、接収解除によるところの金、銀、白金、ダイヤモンド事件でまことに浅からぬ因縁で、いろいろお聞きしておるのですが、当時の国会の情勢と今日の国会の情勢とは根本的にかわつております。わけて大蔵委員会で、あなたの方から、接収貴金属等の数量等の報告に関する法律案を提案なさいました当時から、いろいろと御交渉申し上げおりまするが、今日お伺いする点は多岐にわたりたくないと思いますので、その核心に触れて行きたいと思うのです。今、明禮委員、丹羽委員からお尋ねをいたしましたが、これはあまり私の聞きたいところではないのです。ただ一点、あなたは、日本銀行の地下室に現在ありまするダイヤモンド等の取扱いについて、いささか遺憾の点があつたかもしれぬ、ということを明確にされた程度のものであります。しかしながら、そのことによつてどういう事態が起きたか、あるいはどういう責任をとるかということは仮定論でありまして、私はここではあえて重複をしたくないのでおります。ただ問題は、大蔵委員会におきましては、数量を報告せしめる、すなわち接収当時には大蔵省は全然関与をしていなかつたので、だれの物かわからないから、従つて、その接収された証拠物件となるべきものを添えて、九月三十日までに報告をせよという法律案を審議したのであります。私は、その節も大体伺いたいと思いましたけれども、案件の内容がただいま申し上げたような問題でありまするので、私があまりに深く入ることは、他の案件の審議の上に非常に支障があつたのであります。 〔委員長退席、高木(松)委員長代 理着席〕 従つて私は、深い点には入りませんでしたけれども、今回この接収解除によつて得た物品について、これは行政上適正なる処置がしてあるかどうかということを総合的に監察する委員会といたしまして、宣誓を願つての御証言を得たいと思うのです。第一番に私が伺いたいと思いますのは、先ほどからお話を聞いておりますと、あなたは、私は八月一日からアメリカへ行つたので、この問題は理財局の手を離れて管財局に移つたから、よくわからないとおつしやつておるが、これは困ると思うのです。なぜかなれば、あなたは接収当時の担当局長であり、しかもこの接収解除になつたすべてのものを処理するにあたつて、すべての計画立案をされた人なのです。従つて端的に、管財局へまわつたので私わからぬから、管財局長に聞いてくれと言われましても、他の委員はいざ知らず、私は納得いたしません。阪田管財局長が後ほどここへ来ますが、そうして、その当時のことは私はわかりません、私はただ八月一日以来引継ぎまして、その事項に従つてやつておるだけです、というようなあいまい模糊のうちにこの問題を葬り去るには、あまりに大きな問題であります。当時も再々申し上げましたように、昭和十九年、戦争が熾烈をきわめたときに、必勝の体制を確立するため、政府みずからが強制的な法令を出して、生命に次ぐ財産の尤たるもの、すなわち金、銀、白金、ダイヤモンド等を、国家がこれを吸収して必勝体制確立の用に立てんとしたのであります。従つて、今日日本銀行の地下室にありますものは、なるほど見ようによれば単なる貴金属であるかは知りませんけれども、八千三百万人の国民の愛国の結晶が、日本銀行の地下室にたむろしておるのだと言つても私は過言ではないと思うのです。こういう観点から、私は、あなたが最初に携わられて計画、立案されて、すつかりおぜん立てをして行かれたのですから、ただ単に、管財局に移管されたか知らないという程度では、私は納得ができぬので、そのことをまず先入観としてお答えを願いたいと思います。 お聞きしようと思います点の中に、管財局と関係がたいへん深いものがあるのです。たとえば、九月三十日までに法律によつて出て参りました案件が四百五十何件あります。私のものだという証明をつけ、あるいは証拠物件はありませんけれども、それを立証すべき書類をつけ、こういうようなものは出して参りましたが、その後の経過は大体お聞き及びになつていらつしやるだろうと思うのです。しかしながら、あなたは理財局長だつたからとおつしやるから、あなたから御報告願おうとは思いません。私の方で四百五十件の報告をとりました。金の地金が百六十九トン、本邦金貨が百七十八万個、大判、小判が七十九万九千枚、外国の金貨が三百九十個、銀の地金が三千百十トン、本邦の銀貨が六百七十三万四千個、外国の銀貨が一万三千七百個、白金の地金が四千四百二十五キロ、白金が五十三キロ、金属合金地金が百三十一トン、工業用のダイヤが十一万三千六百四十九万カラツト、装飾用のダイヤが十六万七千九百七十五カラツト、ほかにダイヤの加工品が金銀三十トン、ダイヤが千三百四十カラツト。報告が来ておりますから、これはあなたが御承知の通りだろうと思うのです。 そこで私は、先ほどの丹羽さんや明禮さんに続いて伺いたいのですが、接収解除になつたときに、あなたの方ではそのメモランダムを受取つたと言われますが、ここに原本が来ております。先ほどから聞いておりますと、大蔵省関係でなくてはならない。大蔵委員会でもそうでしたけれども、ダイヤモンドは当然通産省の所管になるものだ。あなたは、当時、大蔵省の方ではなるべくこういうものはなぶりたくないから、通産省の方へやりたいとおつしやつておつた。しかし通産省と交渉した形跡は見えません。先ほどの証言で、速記を見ればわかりますが、大体大蔵省でなくてはならない、こういうようなことをおつしやつておられます。このメモランダムの内容を全部読んでもよろしいが、日本国政府に対しての覚書でありまして、どの条項の中にも大蔵省でなくてはならぬと書いてないのです。もしメモランダムになくして、単なる担当官とあなたとの話にしたならば、これは国と国とのいわゆる文書あるいはそういうものを根拠にしての交渉でなく、単なる石田局長あるいは担当官というものの間のやみ取引となるおそれがあるのです。これは私は重大だと思う。なぜ重大かといえばあなたの方で解除になつたからというので、お出しになつたのがこの接収貴金属等の数量等の報告に関する法律案です。なるほど、私は役人というものはうまい法律を書くものだと思います。当時私は数日にわたつてこの問題について質問をいたしましたが、勘どころははずすようにできておりました。なるほどこれは、接収貴金属等の数量等を報告するその貴金属としてありました。そしてそのほかにダイヤと書いてあります。貴金属の種類はここに書いてあります。イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリドスミンというような地金ということが書いてあるのです。ところがここに重大な問題が一つあるのです、たとえば、国民がダイヤモンドを松屋なり松坂屋で売ります場合、交易営団の代行機関として中央物資活用協会が全国から買い集める場合、ダイヤは裸でもつて売るわけはない。少くとも指輪であるとか、首飾りであるとか、帯どめであるとか、あるいは時計だとかいうようなほかの物品とともに、ダイヤはついておるものでありますから、これを解体してダイヤは幾ら、あるいは金は幾ら、白金は幾ら、他の封石は幾らと買い上げておるのです。当時の状況をわれわれが証人を喚問して調べました結果においては、この宝石、すなわち貴石というものは、全然価格がないような安い値段で買い上げて、交易営団が持つておつたのであります。その交易営団は、明らかにあなたの提案されました法律に基いて、接収をされた当時の状況を大蔵省に報告し、その報告の中には、全部の中に猫晴石とか——私は専門家でないから知りませんけれども、あまたの宝石が含まれておつたはずでありまするが、この接収貴金属等の数量等の報告に関する法律のときに、これだけをなぜはずしたか。これをまず第一点として伺いたいのです。もしこの貴石をばあなたの方ではずすからには、接収解除には何かもつとほかの物があつたはずだと思う。ただ金、銀、白金、ダイヤモンドだけでなく、貴石とかその他の物がなくちやならない。それを国会へ報告をしないで、そういうような大事な国家の財宝は、一体どういうふうにして受渡しをされたか、どういう措置をされたか、まず第一点として伺いたいのであります。
○石田証人 私先ほど申したのでございますが、金、銀、白金、それからダイヤモンドということで、司令部からその保管を命ぜられたわけであります。その保管を命ぜられたものについて、どう措置しようかと考えましたのは私どもでございまして、そのほかの貴石につきましては、私たちは司令部から引渡しを受けておらぬと思つておるのであります。
○中野(四)委員 そうなるとたいへんな問題が起つて来ますよ、石田さん。司令部からあなたの方で受けていらつしやらないという石を、何がゆえに管財局なり関東財務局がこれを持つておつて、そうして交易営団に、去る一月半ばごろ、二百四十数個という石をば鑑定人をつれさせて、接収解除を受けた品物ではあるが、お前の方のものであるから、鑑定をして、自分の物なら持つて行けといつて、持つて行けるわけがあるでしようか。解除を受けない品物が、どうして関東財務局なりあるいは管財局にあり、その前の理財局の所管にあるのでしようか。これは重大な問題だと思いますが、あなたはどうお思いになりますか。これは事実があるのです。宣誓をし、証言をした人間が、自発的にその状況を述べておるのです。営団の黒瀬という清算人が述べております。してみますと、この石はどこから出て来たのでしよう。どこかのポケツトからころがり出たわけではないと思うのです。当然国民から買い上げられた石であり、しかも進駐軍は明らかに接収したということが書いてある。ただ、たつた一つ残念なことに、あなたのところの手を経たときだけがわからない。国会へ報告して来ないから……。どうしても私はこれが納得が行かないのですが、あなたは当面の理財局長として担当局長として——日銀の金庫のあけ方がルーズであるかどうか知りませんが、とにかく砂利や石じやない、宝石です。しかも一個や五個のものじやない、相当数あるのです。御報告はあなたが当時受けられたのでありますから、八月一日におやめになりましても、横山管理課長もおるし、主任の係がおられるでしよう。当然これは知つてなければならぬ問題なのですが、どうしてこういう石が生れて来たか。まずこの経緯について概略を伺いたいと思うのです。知らぬとおつしやれば、これはどこから出て来たものとおぼしめすか。関東財務局や管財局が、あなたの方の理財局と、あなたの知らないうちに、内々で局長を抜きにして取引をするわけはあり得ないと思う。ふしぎでしかたがない。この点について伺いたいと思います。
○石田証人 今関東財務局その他におきまして、猫晴石でございますか……。
○中野(四)委員 その他の宝石です。
○石田証人 それを返されたということでございますが、私全然存じておりません。
○中野(四)委員 これは重大なるあなたの職務上の大問題なんです。買い上げたときにあつたのですよ。松屋でも全部買い上げて、営団へ持つて行つたと言うのです。営団では確かにあつた。あなだが推挙した久米鑑定人は、明らかにこの宝石を日本銀行の地下室で見ておるのです。鑑定をしておるのです。しかもここへ久米君が来て話をしておる。その品物をあなたが御存じないと言うに至つては、私は言語道断だと思う。日本銀行の地下室において金、銀、白金、ダイヤモンドというものが、昭和二十五年六月以降、どんなにルーズに取扱われておつたかということがわかるじやないか。久米君も見たと言つておる。自分が鑑定した、どのくらいあつたかその数はわからぬ、金額においてもわからないが、とにかく鑑定をいたしましたと言つておる。現に交易営団の清算人が、最も近い一月の半ばにおいて、その品物を無償でもらつておると言うのです。、こんなばかなことが一体ありましようか。国家国民の財宝が、一部官僚の迂遠なる行動によつて右左される、やみ取引されるようなことは、私は断じてないと思うけれども、この点は、あなたがもし、今日おれは理財局長で、管財局長の管轄だからわからないと言うならば、後ほど管財局長に私は質問しますが、しかしその管財局長がその前のことは存じません、全部石田さんの方ですから私はわかりませんと言われては、私はこのままでは治まらないのです。たいへんな問題です。とにかく交易営団へやつたというのですから、だれかまだほかにやつた者があるはずです。しかも、ルーズではありませんか。お前の方から鑑定人をつれて来い、この石の中に見覚えがあるか、これとこれが私のものだ、それじやこれを持つて行け、ということでもらつて来た。これは驚くべき事実です。そうすれば、これは他の者にもやつておるはずです。そこで問題になる一点があります。たとえば、先ほどあなたが証言なさいました欧米局長もここへ参りました。われわれは国際法上から言い、あるいはあらゆる民法、商法、憲法等の国内法から言つて、いろいろな見地から、この品物をいかに処理すをかということを、立法府においては研究しておる最中であります。そうしますると、あなたの先ほど御証言になりましたこの品物の所有権ということは、非常にむずかしい問題であります。大蔵委員会では、あなたは返還その他という言葉を使つております。必ずしも返還するのじやない。おもにその他という点に重点が置かれておることは、私よくわかります。問題は、今日の過程から行きますと、後ほど項を追つてお聞きいたしますけれども、交易営団なり中央物資活用協会というものが、自分の品物だから自分に返せと言うのです。国民は、戦争中、国家の要請に従つて法律に基いて、これを金銭を払つてもらつて、ものを渡しておりますから、所有権がありません。国家は、必要として命令はしたが、金はまだ払つておらないから所有権がない。すなわち接収された品物は、自分が銀行から金を借り、あるいは公債で得た金によつて、いわる自己資金によつて買い入れたものであるから、われわれのものだから、われわれに返せと言つて、今日中間のブローカーとも称すべき買上げ機関が、この千数百億に上るところのすべてのものに対して、集中攻撃をしております。このときにあたつて、まだ所有権も明確でないにもかかわらず、いかる処置をするか。立法措置によらなければできぬにもかかわらず、一関東財務局や、一管財局や、一大蔵省が、何がゆえに一体このような宝石をば、かつてに鑑定人をつれて来て、持たして返すというようなことができるか。私は学識では納得できません。あなたは今理財局長でいらつしやるけれども、あなたが当時から立案、計画をされた方でありますから、これを知らぬはずがない。これがどうしても私にはわかりません。当時あなたが解除を受けられたメモランダムの中にも、これは明らかにされておりません。どうしてそういうものが一体日本銀行の地下室にあるのか。接収されたのだから、あるのは当然ですが、その品物がどうして営団なんかに私して渡されたものか。この点が伺いたいと思いますが、あなたがこれに対して、どうも自分でわからぬとおつしやるなば、私は別な点からまず伺いたい。と申し上げますのは、昨年接収金属等の数量等の報告に関する法律案をお出しのときに、接収について私は伺おうといたしましたが、当時の大蔵委員会の状況は、いろいろな案件が山ほどありまして、深く伺う時間がなかつたので、本日伺うのですが、接収と没収という解釈の仕方です。言いかえればコンフイスケーシヨンというのが没収だそうであります。それからレクイジシヨンが接収だそうであります。あなたは少くとも当該局長でいらつしやるのですから、接収とはどういうものか、あるいは接収の解除とはどういうものかということを、公法上の見地からも、国内法でどう処理するかということを考えなければならぬ問題でありまするから、主管局長として、当然当時の大蔵大臣池田勇人君と相談をしておられるはずなんです。してみればレクイジシヨンの解釈はどういうふうにとつておられるのか、接収解除というものはどういうふうな意味を含んでおるかということを、まず伺いたいと思うのです。
○石田証人 接収という問題について、どういうふうにこれを法律解釈するかというお話でございますが、私が接収という言葉を使いましたのは、法律的にこういう内容であるという意味で用いたのではなく、法律論といたしまするならば非常にむずかしい問題があろうかと考えまして、接収という言葉がまあ適当ではないかと思つた次第であります。さらに申しますならば、中野委員の御質問は、コンフイスケートというのと同じであるかどうかという意味であろうかと思いますが、私たちは、一番初めにそういう行為が現われたときに、その後時期的にもはつきりしておりませんけれども、この金、銀、白金等をもつて占領下輸出入改善基金というものをつくつて、綿花その他を入れるクレジツトの担保にするということも、ある程度知つておるのでありまして、それからあとどうなるという問題については、私は日本人といたしまして、こういう貴金属というものは、いろいろな意味において県側に返してもらわなければ困るというのが、日本の立場であろうと思いますので、これを没収というふうなぐあいに解釈することは、その意味において好ましいことではないと思いまして、司令部その他にいろいろな機会がありました場合に、そういうぐあいにならないように希望し、そういう意味でいろいろ話をするように扱うことが妥当であろうと思いまして、やつておるのであります。従いまして、占領下でございまするので、司令部がやりましたことを不当であると言つて、ただちに返すとかなんとかいうことは、とてもできなかつた状況でございますけれども、これがどういう法律的な性質のものであるか、またやりました行為が国際法上妥当な行為であるかどうかにつきましては、日本側としては疑問があるのではないかと考えておりました。そういう意味におきまして、私、法案をつくりまする場合にも、そういうことは申した次第でございます。 それから、接収が今度解除されるということはいかなる意味かというお尋ねでございますけれども、これは先ほど申したようなぐあいの二段階になりまして、第一段階は保管をこちらにまかす、それから、講和条約発効と同時に、日本側がこれを処置するということになつたわけであります。処置します場合にどうするかということは、そのもとにさかのぼつての法律問題を慎重に考慮すると同時に、また国家的見地からどうするのが妥当であろうかということをとくと考えねばならなかつた。かようにいたしまして、それからやりたいのでありますが、事実につきましても、遺憾ながら不明の点もございますし、またこちらだけでわかつておるというようなぐあいに専断するのも何かと思いまして、こういう法律を提案いたしまして御審議を願いました次第でございます。
○中野(四)委員 私の伺つておりますのは、接収というものの解釈でありまして、接収と接収解除は公法上からはどういうふうに解釈するかということは、立案計画をするにあたつてはまず第一に考えなければならぬものです。私があなたに伺おうとするのは、すなわち一九〇七年十月十八日に調印され、そして一九一二年一月十三日公布になつておりますへーグの陸戦法規による、そしてこの陸戦法規の内容を含んだ接収であるのか、ポツダム宣言受諾に基いての接収であるのか、こういうことをまず輪郭から考えなければならない。つまり、日本で接収するからにおいては、これを一般の陸戦法規からいえば没収です。たとい国民が持つておつても、それに指定されておるところの物品はことごとく国家のものという見解に基いて、これを没収します。ポツダム宣言はもとより無条件で調印をしておりますから、従つて、出て来る結論は、平和条約の条章に従つて処理すべきものです。すなわち日本は一切の請求権を放棄しておりますから、歯舞にしても樺太にしても、台湾、朝鮮にしても、小さい例で言えば小笠原にいたしましても、その請求権を一切放棄しております。この場合においても、国民の一切の請求権を放棄したと見られるのが当然なんです。平和条約の条章のいかんにもよりますが、私があなたに聞きたいのは、接収は陸戦法規によつて接収されたものと思うか、ポツダム宣言の条章に従つて接収されたものと思うかということなんです。あなたが先ほどおつしやつた通り、これはあらゆる実証をもつて律することができますが、最初米軍は賠償として持つて行こうとした事実があります。たとえば、あなたが管理中に、日本銀行ヘワシントンの博物館の館長ともう一人の人と、米国における鑑定の専門家が二名来まして、これを鑑定し、しかも格付を行い、値段はニユーヨーク相場、ロンドン相場、すなわち世界の標準相場一カラツト四百五十ドルとちやんとつけている。そしてあなたの方はそれを認めている。その後国際情勢の変革に基く日米間の事態の推移にかんがみて、これが解除されたのですから、その解除の解釈と接収の解釈をあなたに伺つているのです。大蔵省は、当時陸戦法規によつて接収されたと断定したか、ポツダム宣言の条章に従つて接収されたと断定したか、解除は平和条約の何条によつて、いかなる理由に基いて解除されたかということは、大蔵省の省議において決定をしなければ、いやしくも法案としてこれを国会に提案して来る理由はないのであります。だから私は、接収解際の貴金属のすべてを使う上において、この二点を伺いたいと思うのです。
○石田証人 おしかりを受けてまことに恐縮でありますが、接収をどう解釈するかにつきましては、私たち研究を命じまたいろいろ話も聞いたのでありますが、非常にむずかしいのであります。当時の慣行として、占領軍が日本においていろいろなことを行いますには、大体日本で国内法をつくつて、それに従つてやることが多かつたのであります。日本政府に対して、こういうことを命じた場合におきましても、直接やらずに日本政府を通じてやるというのが常識だつたのであります。これはその異例でありまして、来るとただちにやつてしまつた。こういうことは一体法律的にどう解釈するかということはつきましては、むしろこれはいわれのないことではないかということが当時の感じでございまして、いわゆる事実行為としてやつたものだ。法律的な行為ではないのではないかというふうなぐあいに、われわれは考えたわけであります。しかしその事実的な行為に近いものが、今度はその時日が延びたということが、いわゆる接収解除ということではないだろうかというふうに一応考えたわけでございます。この点は、もしこういう処置をするからということに相なりますれば、相当固めなければならぬ点がございまするし、これは大蔵省だけでこういうものだというふうにきめるわけにも行きませんので、よほど慎重を要するのではないかと思います。ただ、それを考えておる場合におきましては、国会に対しまして法案の提出方も相当遅れるであろうと思うので、この二つにわけて出しまして、その点きわめて未熟であるというようなおしかりを受けたのは、これはもうまことに申訳ない次第でございますが、当時の事情といたしましては、見きわめがつかないけれども、しかしなるべく早く国会におきまても御審議願い、そうしてまた措置その他を考えまする場合につきましては、さらに一層データがそろうということが必要であろう、こう思つておつた次第でございます。
○中野(四)委員 あなたの結論を要約しますと、昨年報告に関する法律を立案計画されまして、国会へ提案するにあたりまして、つまり目的が返還その他でありまするから、明らかになつておるのでありまするが、この場合にあなた方は、接収あるいは接収解除というものを、省議を開いて、日本政府の責任のある態度をきめるために——移管された大蔵省としましては、接収は陸戦法規によつたか、ポツダム宣言の条章に従つたかということはわからないというのですね。はつきりきめなかつた。それから接収解除というものは、講和条約の条章に従つて、これが請求権を放棄しておるということは知らないでやつたのですか。知つてやつたのですか。このところは大事な点ですから——一体あなたがやつたとおつしやるならば、だれとだれに相談して、つまりあなたの方には会議の日記がありましようが、どういう結論を出したか。接収はすなわち陸戦法規の何条でやつたものであるか、あるいはポツダム宣言の何条でやつたものであるかということをおきめの上で、接収という感覚のもとにすべての立案計画をなすつたのか。そういうことはしなかつたのか。そこまで行かずに漠たる考えでやつたのですか。今要約して聞いておりますと、国会へお願いするつもりで——それでは困るのです。これは国会の方で議員提出で出した法律ではない。あなたの方から政府提出で出したものですから、あなたの方でそれだけの責任がなくちやならないと思う。これを伺つておるのです。
○石田証人 大蔵省におきまして、いろいろ省議その他をするにあたりまして、一々日誌をつけて、だれが出席したかという御質問でございますが、これはそういうような出席者その他の名前を一々つけるということはないと思います。毎日非常な回数、何回かございまして、おそらく次官室でやつたり大臣室でやりますけれども、一々その名前を日誌につけてはおりません。しかし、この問題につきましては、中野委員がおしかりのごとく、本来から申しましてこういう事態で、こうである、そうして法律的解釈はこうである、それから大局的立場からこう処理するのが適当である、よつてこの法案をつくる、こういうことが常識であります。大体法律はそういうふうに行くわけであります。ところが、この問題につきましては、何と申しましても、今お話のような点につきまして、これは一体どういう根拠でやつたものであろうかという問題につきまして、いろいろと研究をいたしておりますと、あのときの国会に間に合わないというような問題もあるいはあるのではないかと思いまして、私は理財局長といたしまして、その結論を出すのはむずかしいので、とりあえずこの事実関係につきまして、さらに一層はつきりさせるという点だけ出しまして、御審議願つたらどうか、それから委員会のときにも申し上げたのでございますが、この措置につきましては、相当慎重に調べ、それから慎重に考慮いたした上で、結論を出すべきものであるということを申し上げたように記憶しておる次第でございます。
○中野(四)委員 わかりました。それを当時大蔵省では、はつきり接収というものはいかなる根拠に基いたものであるか、接収解除というものはどういうような国際法あるいは国内法に基いたものであるかということははつきりしない。しかしながら、要するに時日をただちにやりたいというお考えでやつた、こういうふうに了解してよろしいですね。何もこんなものには因縁をつけませんが、大事な問題ですから聞いておきたい。
○石田証人 要するに、私が申し上げましたような事情で提案いたしました。なお、そのときにはつきり私申し上げましたのは、これは大体司令部の方の感じとしましては、お前の方に返すから適当にやれというような気持でありますので、普通の常識から言えば、返されたものは元の人間に返すのが常識だということから、返還ということが出て参るわけでありますが、これは相当複雑な問題であるというので、私は特に「その他」ということを入れた。「その他」を入れるために何をするのかわけがわからない、そういうことでは法案の体をなさぬではないか、こういう議論も一部あり得たわけでありますけれども、しかし、事柄の実体を考えるならば、この報告に関する法案をつくるにつきましては、「その他」ということを入れる方が適当であろうと私は考えた次第でございます。
○中野(四)委員 次に移ります。あなたがアメリカへ行かれたのは、私は非常に敬意を表しておりましたので、よく存じておりますが、あなたがアメリカへ行つた留守に、どういうわけでダイヤモンドや貴金属だけが理財局から管財局へ移らなければならないか。これは大事な問題なのです。あなたと次に来る管財局長との間にはさまつて、いや理財局の方だ、管財局の方だというようなことでは困る。責任のなすり合いは私は断じて許さないのです。従つて、少くともあなたがアメリカへ行く前には、この問題に関する限り、昭和二十六年六月以降あなたが一切を引継いで立案計画をし、返還その他の措置を講じようとして来たのでありますから、当然事務の引継ぎをなさなければならない。特に莫大なる金額に相当するものであり、ダイヤモンドの事件というものは、今日日本国内でかなり国民に関心を持たれている問題であります。従つて、単なる事務の引継ぎでなく、この問題に対してはどうする、この場合に対してはこう、従来はこう、将来はこうというように打合せがなくてはならぬ。そうしませんと、責任の所在が明確になりません。阪田さんに、私はわかりません、私は八月一日から引継いで、さつぱりわかりませんが、その方のことは理財局長の方でしようなんというような食言をもつて逃げられたのでは、この問題の焦点を押えるわけに参らない。従つて私は、当然事務の引継ぎに対しては、相当明確なるいろいろな腹案計画が従来の経過等からされたと思いますが、それをあなたにここで述べていただきたい。これと理財局から管財局へどう移つたか。これはあなたが知らぬと言われては困る。そうじやない。ただ、途中で理財局から管財局へこの問題を委譲するためには、これはまた後ほど申し上げて参りますが、いろいろと問題が出て参ります。従つて、おれは知らない、アメリカへ行つて全然知らないと言われては——近ごろ証人に証言を求めますと、勘どころへ行けば、死んでしまつた人間を出す、勘どころへ行けば、行方不明の人間を出す、あるいはおれはアメリカヘ、あるいはフランスへ行つておつたと逃げられて、困る。この点だけは、石田さんと私とは昨年来の因縁で、これはもう長い間やり合つている仲なのですから、ほかの委員諸君のようにそうかなあというだけでは、私は納得できない。これはあなた御承知のはずなのだから、ここはひとつはつきりと御答弁願いたいと思います。理財局からどうして管財局へこれを移したか、その経緯があるはずです。理財局から管財局への引継ぎに対しては、理財局長として管財局長に対して、従来の経緯、将来におけるところの処置、こういう問題について相当深い引継ぎがなくてはならぬと思いますから、その点について御答弁を願いたい。
○石田証人 この問題についてどういうことをするかという腹案ということがまず第一点。その引継ぎは行われたか、行われないかということでございますが、これは先ほど来私が申し上げましたように、この接収貴金属等の数量等の報告に関する法律というものを出しましたときには、まだ、こういう法律関係はかくのごとく相なつておる、こう断定すべきである、それからまた実態の問題はこういうふうになつておる、天下国家の立場から言つて、こう処置すべきだというような腹案がございませんからこそ、こういうものを出さざるを得なかつたような状況にあるわけでございます。私は、この問題につきまして、腹案を持つてこの法律案を出したわけではないのでございます。それからまた、その事務の移管がございましたときにおきまして、私遺憾ながらこちらにおりませんで、どういう理由でもつて引継いだかということにつきましては、私率直に申しましてこれはうそでも何でもございません。その事情は知らないのでございます。それから腹案は、そういうふうなぐあいで、ございませんけれども、あらゆる書類その他につきましては、みな引継ぎが行われておりますし、それから所管課長から詳しい引継ぎが当然行われたものと私は考える次第でございます。
○中野(四)委員 これを処理するにあたつて一番重大なときに、あなたの方はもはや法律案をつくていらつしやる。接収解除の金、銀、白金、ダイヤモンド処理法というものをつくつて、国会に出しておるじやありませんか。国会に正式な提案はしておりませんが、先月の二十五日ちやんと国会へ持つて来たが、行政監察委員会でこの問題が問題になるや、この法案だけはしばらく待つてくれと引込めておるじやありませんか。処理の方法がわかつておらぬわけはない。処理の方法がわからぬものが、このような法律案件をつくつて国会に提案の準備をするわけはない。この事実を見てもわかる。もう一旦提案するばかりに来たのです。この行政監察委員会で問題になりまして引込めておるのです。しばらく待つてくれというので待つております。少くとも今月中には出したいが待つてくれと言つておる。これは私はよく承知しておるのです。そのことよりも、処理をする一番大事なときにあたつて、理財局から管財局に移したということがどうしても納得できない。それなら、初めから管財局でやればいいじやないか。元来国有財産を持ち、処理するということが管財局であつたら、管財局へまわしたらどうですか。理財局からこの問題だけを切り離して管財局へまわすということは納得できない。あなたが知らないとおつしやるならしかたがありませんけれども、こういう所管がえをするのは局長間においてやるのではないのですか。あなたがアメリカへ行つたりフランスへ行くということは、大蔵省の理財局長として御出張になつていらつしやるのですから、あなたがお帰りになれば、あなたに対して一応報告があるはずだ。いかなる理由に基いて、この接収解除によるところの貴金属、ダイヤモンドを管財局に移管したか。これを知らぬということはない。管財局長と理財局、長の間で所管がえをする。しかも千数百億に相当する金、銀、白金を扱うについて、私は知らないでは通らないと思う。それでは職責怠慢じやないか。何のためにあなたは局長をして高い月給をもらつておるのですか。あなたと管財局長との間に話がないとは絶対に思いません。どうしてやつたかということを部下から報告を聞いていらつしやるでしよう。所管がえをするときは、局長は知らないのですか。所管課長だけでこういうことはやるのですか。あなたは判を押さないのですか。ふしぎでしようがないのですが、どうなんです、石田さん。
○石田証人 私おりますれば、もちろん、それに関与いたしまして、そうして大蔵省の機構をかえますならば判を押します。ただ向うにおります場合には、代理がおりますから、代理がするということになります。あるいはこういう問題につきましては、官房におきまして、御承知の通り八月一日におきましては、大蔵省の機構が相当かわりまして、仕事の分量を考えて再配分が行われたわけでございます。そういう点につきましては、いろいろの方面の意見を聞き、結局官房においてとりまとめて、話がきまつたというふうに思つております。
○中野(四)委員 その所管がえをした当該課長は横山君ですか。あるいはだれがこの所管がえをするように発案をして、だれがこういう処置をとつたか。名前をお知らせくだされば、即刻証人に喚問して聞きたいと思いますから、おつしやつていただきたい。自然の間に移管することはない。天勝の手品で場はない。りつぱに人間と人間、所管と所管の間において、文書の上において明らかに所管がえをしたはずですから、その責任者、その関係した者はだれであるかをお知らせ願いたい。
○石田証人 そういう所管がえをするにつきまして、管財局に対しまして、理財局の方から申入れを行いましたかどうか、その点私よく調べましてから御報告申し上げたい。架空なことを申し上げる場所ではないと思いますので……。
○中野(四)委員 これはひとつ速記によつて、委員長は調査員に命じまして明かにしていただきたい。もし大蔵大臣が、そういう所管がえを自分みずからの意思で発意したのならば、大蔵大臣をここへ喚問します。それから管財局の方でほしいからくれと言つたならば、管財局長が後ほど来ますから、これにも問いただします。あなたの方から所管がえしてくれと言つたのなら、あなたの方にだれかおらなければならぬが、終局の責任者は理財局長だから、当然あなたが責任をとるべきだ。けれども、これは責任の云々ではない。いかにも私ら納得が行かないから伺つたのです。だから、後ほど調査員をして明確にしておいていただきたいと思います。 さらに伺います。あなたは理財局長としていらつしやるうちに、今度所管がえになつたといいましても、あなたは鑑定人の久米君初め、松井あるいは城谷、古川、こういうような鑑定者を日本銀行の再調査に当らしめた当面の人なんです。従つていくら所管がえになりましても、この問題に無関心とは言えないはずです。現在日本銀行の地下室にあつたものが、再調査を完了いたしました。この再調査を完了したのは近来のことであつて、昭和二十六年六日二十九日以降われわれ大蔵委員会にかかりますまでの間、あなたの方で再調査をせしめた金、銀、白金本日はおもにダイヤモンドを取扱つておりますから、金、銀、白金等のことについてはなるべく省きたいと思いますが、そういうようなものの報告を受けておられるはずであります。従つて、あなたの方から出て参りました法律の内容の最後に、金が一〇二・七七六トン、合金二六・四〇三トンと金、銀、白金、ダイヤモンド等の数字を出していらつしやる。ところが、その後あなたの方で調査の結果は、大体お聞きになつたのだろうと思います。むずかしいことはいりません。たとえて言えば、買上品は今交易営団あるいは中央物資活用協会、その他四百五十何件の人々が集めた品物であつたのか。 (高木(松)委員長代理退席、内藤委員長着席〕 私らはまだ他に聞かなければならぬ問題があるのです。どうしてかと申しますと、海軍の所有ダイヤモンドであつたものが、黒磯の駅の近所にあります加島幸吉という材木屋の鳥小屋から、約三万カラツト摘発されております。陸軍航空本部からは、一万八千カラツト摘発をされております。特に白金の棒が七本、吹玉が十二個、これが二千百四十三グラム、金の棒が十二本、時計が一個、タバコのケースが一個、計五千九百四十五グラム、別に二方四千八百五十八グラム三十四という白金が接収されておるのであります。こういうようなものは日本銀行の地下室になくてはならぬわけです。ところが、私がどうしても納得できないのは、交易営団や中央物資活用協会から出て参ります書類を見ますと、そうして先ほど前提として申し上げたような数字と、あなたの提案されました九月三十日の報告に基きますものとは、恐ろしく数字の食い違いがある。接収されたものが日本銀行の地下室に完全に納まつておるものならば、日本銀行の地下室にある数字と、接収された数字がマツチをしなければならぬ。にもかかわらず、接収されたものは莫大なる数字になりますが、日本銀行の地下室にあるところの大蔵省から報告して来た数字とは、恐ろしく格段の数字の食い違いがあることが納得できない。これは物的証拠をあげて後ほど御質問をしますが、この接収されたという内容において、われわれの納得できない点が多々ありますけれども、とにかくあの法律の裏づけには、うそをついて報告をしたものには罰則があつたはずであります。その罰則をあえて承知の上で、全国から証拠物件を整えて出して来た数字と、日本銀行の地下室にあるものとが恐ろしく食い違いを生じて曲るということは、買い上げた当時のものが日本銀行に納まつておつて、それが少いというなら、戦争に利用されたという言い方も言えます。しかしながら、接収をされて日本銀行の地下室に持つて行つたものなんですから、現存していなければならぬのですが、私が今申し上げましたような金、白金あるいは金の棒、吹玉というようなものをば、あなたの方で受取つておられる証拠、あるいはそういうような覚えがありますか。再調査の結果をお聞きにならないでしようか。あなたが昭和二十六年六月二十九日以来八月一日かわられるまで、とにかくあなたの方にあるかもしれない。当時日本銀行の地下室に接収をされてあつたたくさんのダイヤがあります。あなたの方から御報告になつた略奪物資として返したものもあります。十二万七千カラツトないしは日本国内に三万数千カラツトのものを、三十数箇所の各航空会社とかあるいは時計の会社とか東芝という方面に配給あるいは払下げになつたのも知つております。しかしながら、それとこれと違う数字がたくさん出ております。こういうものはあなたの管理中において聞かれたことがあるかどうか、あるいはこれを確認されたことがあるかどうか伺つておきたい。
○石田証人 御質問の数字等におきまして、私よくのみ込めない点があるのでありますが、御質問の趣旨は、接収されたときの数量が、実際日本銀行にあつて引出しを受けたものよりもはるかに多いということを知つておるかということかと思うのです。
○中野(四)委員 その内容を見たかどうか。私の言うのは、金、銀、白金は大蔵省の命資金特別会計令によつてあなたの方の所管であつて、しかもそれを調べて、あなたが当時引継いだのですから、当然日本銀行との間にいろいろそういうものに対する処置があるはずなんです。たとい日本銀行の地下室の倉庫を借りて入れてあつたにしても、あなたの方が所管なんだから、そういうようなものがあつたとか、こういうものがあつたとかいうようなこと考えなければいかぬ。しかしながら、それは別にいたしましてもいいです。総合してもけつこうです。接収されたものと解除を受けたものの数字がうんと食い違つておる。どういうところから出て来たものか知らないが、あなたはその調査過程においてどう感ぜられたか、あるいはそれを見られたかどうか教えていただきたい。
○石田証人 今お話がありますのは、数量が接収されたものよりも非常に少くなつておるではないかということと、それから具体的な、吹玉でありますか、そういうふうなものをおあげになりまして、そういうものを管理中に見たかどうか、こういう御質問のように了解いたしますが、それでよろしゆうございましようか。
○中野(四)委員 それは後ほどまた管財局長に聞いて、さらにあなたにおいでを願つて聞きます。 もう一点大事な点を伺いますが、これは管財局、長の責任ではありません。あなたの責任なんです。十三国会において、大蔵委員会の要求に基いて提出されました資料に、重大なる記載漏れがあつたのであります。これは本件の審議に重大な関係があるから、特にお尋ねをします。昭和二十七年六月二十四日あなたの方から大蔵委員会に提出された書類中、占領軍の要求によつて政府の外郭団体の一つである中央物資活用協会から提出した書類なんです。あなたの方は、むろん国会の要求に基いて、その正確なる資料に基いて、国会にこの資料を昭和二十七年六月二十四日に御提出になつたかどうかをまず伺いたい。
○石田証人 その詳しいことは今ちよつと記憶がございませんけれども……。
○中野(四)委員 差上げましよう。ごらんになればいい。私が要求してあなたがお出しになつた書類なんだから間違いない。 〔中野(四)委員書類を証人に示す〕
○石田証人 これは出しました。
○中野(四)委員 それは原簿に従つてお出しになりましたか。どういう資料によつてお出しになりましたか。
○石田証人 大蔵省が保管しておりました資料によつてつくつて出したものと考えております。
○中野(四)委員 むろんそうでしようと思います。ところがどうしたのでようかね。国会から要求した資料と進駐軍に提出の資料とにえらい食い違いがありますが、これはどういう意味でしようか。あなたの方は、当時はアメリカさんが大事で、国会なんかどうでもよかつたのですか。国会の要求した資料と進駐軍の要求した資料と、提出が二通りになつて提出されておるのはどういうわけですか。その内容をまず申し上げましよう。あなたの方で中央物資活用協会に関する書類原簿に基いてお出しになりました。ところがこの原簿の中に、右のほか戦災により熔合せる金、白金の合金五十キログラム、五箱分、一箱推定十キログラム、及び未処理のものダイヤモンド、白金の混入せる箱約百四十キログラム、十四箱分、推定一箱が十キログラムありという。当時中央物資活用協会の買上げ物資、等の行方について、大蔵委員会で私らが非常に真剣に論議をしてお尋ねをしておつた。ところが、あなた方で大蔵委員会に出した書類を見ますると、このような莫大な白金や金やダイヤモンドがどこかに行つてしまつておる。大蔵省にあるところのあなたの原簿は公文書でありましようが、一切の公文書は大蔵大臣なり所管局長なりそれぞれの人の印がなくては、かつてにこれは削除抹殺はできぬはずであります。私はあなたのところに行きまして、横山管理課長からこの原簿を拝見した。どうしても納得ができぬから、進駐軍の方から取寄せてマツチしないから、お宅に行つた。あなたは覚えていらつしやる。私が原簿を調べおる最中に、あなたは横山管理課長ところに電話をかけて、中野四郎にその原簿を見せるじやないと命令したじやないですか。私は現にこの耳で聞いた。横山課長はあわててこの原簿をしまおうとしたから、私は待て——私の方で進駐軍から取寄せた調査資料と、国会に提出されたところの調査資料が、まつたく食い違つておる。しかも、われわれが大きな疑いを持つておるところのこの中央物資活用協会の原簿の中から、大蔵大臣の判もなく、または管所局長の判もなく、端的に赤い字で抹殺して、このような品物が抹殺されておる。どこへ行つてしまつたかわからない。中央物資活用協会はそんなものは出した覚えはない。あなたの方はこれを抹殺しておるのだが、どういうわけなんですか。あるいは中央物資活用協会が大蔵省に出して、理財局長、管理課長のもとにあるならば、管理課長が当然これは管理しておるのですから、そのようにかつてに抹殺することはできぬはずじやありませんか。どうしてこの公文書を抹殺し、しかも国会にはうその報告を出し、そうして進駐軍にはそのような——英文がここにありますが、なぜほんとうの報告をしたのですか。この点がどうしても私は納得ができない。行政上あなたが適なるところの処置をされたかどうかという問題については、一番大きな問題ではありませんか。管財局長じやないのです。あなたが理財局長でいらつしやり、現にあなたは管課長に電話をかけて、私に見せてはいかぬとおつしやつた。私はずいぶん不愉快に思つたけれども、管理課長をこれ以上苦しめることはよくないと思い、ただあくまでも——原簿は見てしまつておる。進駐軍からちやんと取寄せたのだから、英文を翻訳すれば明らかになつておる。食い違いはこんな大きなものになつておる。どうしてこんなに大きく食い違つておるか。だれがこれを抹殺したか。何がゆえに国会に真実の報告をしなかつたか。この三点について石田さんに伺いたい。
○石田証人 もしお話のような事実がありますれば、これは私の責任でございまして、不明を謝するほかはないかと思います。
○中野(四)委員 不明だけでは困る。この責任はどうしますか。責任をとらなければいけない。原簿を抹殺しておるのです。少しの数字ではないのです。先ほど申し上げましたように、少しやそつとの数字ではない。莫大な数字です。その責任はだれがこれをとるべきなんですか。理財局長の石田さん、責任をおとりになりますか。あるいは管理課長の横山君を適当なる処分をしますか。あるいはこれを扱つた人間と思わしき者をあなたの方で捜査して、国会に明確に報告をして、その人間を処置しますか。この三つのいずれをおとりになるか、お伺いをしたい。
○石田証人 原簿の抹殺を命令したようなことはございませんけれども、その点につきましては私何とも今申し上げかねます。
○中野(四)委員 すると、この帳簿をなぶつたのはあなたでなく、あなたは、ほかにその帳簿をかつてに抹殺した者の官職氏名を知らぬとおつしやるのですね。私し方では大体わかつておるのです。大体においてだれがこの問題を扱つておつたかということが、私がこれからお話をして行く過程においておわかりになります。だから私は言つておる。そういう人をばどう処置をするか、どういう責任を管理課長をして負わしめるか、理財局長はいかなる責任をとるか、この三点の一つを伺つておるのです。だれかやつたに違いないのですから、いずれわかつて来る。文書をかつてに抹殺することはできない。もし中央物資活用協会が実際上初めから抹殺して、大蔵省にかりに届けたと善意に解釈いたしますと、なぜ国会が資料を要求したときには、このような重大なる問題をそこから除いて、進駐軍だけにありのままの報告をするか。明らかに国会軽視の責めはまぬがれないと思う。あわせてこの責任をいかなる処置をもつてとるか、これを理財局長に伺つておるのです。
○石田証人 何と申しますか、どういう処置をとるか、どういう責任をとるかというお話でございますけれども、即答いたしかねます。
○中野(四)委員 責任をとることには間違いありませんか。
○石田証人 よく研究いたしてみたいと思つております。
○中野(四)委員 場合によればわれわれは法的処置をとります。すなわち、国会議員として告発の処置あるいは告訴の処置をとるかもしれません。それはそのような公文書をかつてに変造し、あるいは抹殺するというような行動が、綱紀粛正のやかましい吉田内閣の中で行われておるというようなことがあるならば、ひとり自由党の内閣ばかりではない。全日本公務員の不祥事です。だから私は、こういうものはあなたの方でとれぬといえば、私の方にはとる処置があることをまずお伝えいたしておきます。 続いてお伺いいたします。あなたは先ほど、丹羽君の質問に対して、営団に対する政府の出資や、中央物資活用協会に対する補助金等のことはよくわからないとおつしやつていらつしやる。交易営団が営団法に基いて三億円の出資をし、政府出資が一億五千万円で、民間出資が五千万円くらいのことは、この前の大蔵委員会であなたはおつしやつていらつしやる。これはまずいいが、私が聞き捨てならぬことは、あなたは中央物資活用協会に対して補助をしておるかどうかはわからぬとおつしやつていらつしやる。あなたの方の資料をまず読み上げて、それからあなたの方のあれを伺いましよう。 昭和二七年四月一日 石田理財局長 中央物資活用協会松原久人殿 貴金属の集中事務の調査委託について 政府は将来の貴金属集中方策の資料とするため戦前、戦時中貴協会が実施した貴金属の民間回収につきその事務の実施状況及び実績を調査する必要がある ついては貴協会において貴職員中田玉市氏に上記調査を委嘱するから宜しく取計はれたい なお本件については別途請書を提出されたいこういうような、あなたは自分の名前でお出しになりました文書に基いて、現在十二万円ずつ昭和二十五、六、七と引続いて中央物資活用協会に対して補助金を出していらつしやるが、これについては確かでありましようか。ちよつとそれについてその担当官もついでに聞きます。
○石田証人 中央物資活用協会、それから金銀運営会でございますか、この二つのものにつきましては、大蔵省が金銀の回収事務その他につきまして、終戦前から関与いたしておるのであります。それにつきまして接収がございまして、そうしてその接収されたということが、どういうことに将来なるかということが未確定でございます。そのために、そういう一記録だとか、あるいは経緯ということがわからなくなつては困るのではないかという意味におきまして、その記録等も保持する意味におきまして、何らかの措置が行われなければならないだろう。 ————— いわゆる自前でやつておればそれにお願いするのでありますが、大体窮乏しておりまして、あとで調べて何もわからなくなつてしまつたということがあつては困るということで、いよいよ金がなくなりまして、最小限度そういうものを残す意味におきまして、何と申しますか、資金を与えてそういうものを残しておくということでいたしたと記憶いたしております。これはいまだに終つていないのではないかと考えております。
○中野(四)委員 昭和二十四年十二万円、二十五年十二万円、三十六年十二万円、二十七年上半期だけ六万円、予算は十二万円はすでに計上しておられることは、おわかりの通りであります。そこでお伺いいたしたいのは、今証人の陳述されたような理由に基く調査をし、国費を出しておられるのでありますから、調査の報告は明細にとつておかなければならぬはずでありますが、大蔵省のどこに一体いかなる調査報告書があるのか伺いたい。もしあるならば、原文をすみやかに出していただきたい。
○石田証人 これは書類その他記憶を持つているとか、そういうような意味におきまして、そういうふうな人たちを残しておこうという意味におきまして、最小限度——私はつきり記憶はいたしませんが、一人か二人くらいの人を考えて、いわゆる給与的な意味において渡したいというふうに思つておるのでありまして、一々その調査を毎月毎月出すという意味で出しているものではないので、特別な調査というものを毎月々々出すようなことはないのではないかと思つております。
○中野(四)委員 どういうわけで中央物資活用協会の清算人である中田玉市という人間を残しておかなければならないのか。特別に十二万円という国費を補助として出す必要がある、のか。そんなものを残しておく必要はないではないか。国費として支出する以上は、調査報告をとらなければならない。なぜとつていないのですか。この案件に関する限り、補助金をもらいつぱなしでいいというならば、私にもください。大いに大蔵省からいただきます。少くとも年十三万円の国費をば一定の人間に対して出して、報告書はとらないわ、もらいつぱなしで、どうしてこういう者を残しておかなければならぬのか。しかもこの人間が、日本銀行の地下室にあるどころのダイヤモンドや資金属をば、自分のものだからくれということは、原文にしてこの通り明らかに大蔵省へ申請しているではありませんか。一体大蔵省と中央物資活用協会とはなれ合いで仕事をやつているのですか。やみ取引をやつているのですか。どういうわけでこういう人間に十二万円の補助金を与えて残しておかなければならぬのか。その理由を明らかにしていただきたい。その報告書というものがないというならば、なぜとらなかつたか。だれがとらなかつたのか。あなたの命令でとらなかつたのか。この点を明らかにしていただきたい。この中には介在した事務官がいるはずです。
○石田証人 私ほんとうに正確に覚えておりませんので、即座に申し上げるのも何ですが、金銀運営会とか、中央物資活用協会とかいうのは、金、銀を扱つておりましたのが接収されておる。それででわれわれの方におきましては、接収された金、銀が日本側に返されて、返還その他の問題が起つて来ることを期待しておつたわけであります。そのときにまた、適正に行われるというふうなことを希望しておつたわけでありますが、そういう場合にはつきりしなくなつては困るということと、それから、それらの金、銀、白金を解除されます場合を想定いたしますれば、その中から出したところの金も、あるいは回収できるのではないかというふうな気持ではなかつたかと思うのでございます。
○中野(四)委員 何を言つておられるんだか、ちつともわからない。あなたの出した公文書は、「将来の貴金属集中方策の資料とするため」というのですから、資料がなければならぬ。資料とするために戦前、戦時中貴協会が実施しておつた貴金属の民間回収について、その事務の実施状況及び実績を調査する必要があるから、これだけの国費をさいて補助金をやろうというのでしよう。それだけの補助金をやる限りにおいては、あなたの方は当然に調査報告をとつていなければならぬはずでありますが、どうしたと言つているのです。私が調べた範囲においては、本人が出しておらぬから行つているはずはないのです。国会の要求したのに対して、お宅の方で隠しておつた、あつても出さぬということになれば、これは国会無視です。こういう観点において私は聞いておるのです。特に予算執行権を持つているところの大蔵省は、各省の模範とならなければならないじやありませんか。そういう大蔵省において、こういうルーズな、ばかな金の使い方をしておつたら、予算委員会においてもどこででもつつ込まれるところができて来るじやありませんか。大蔵省自体がこういうばかなことをやつている。私がばかなことと言つて、あなたが腹が立つならば、なぜこういう目的のために調査させながら調査の資料を集めないか、報告をさせないか。先ほどのお話のように、ただこういう人間を置いておきたかつた、こういう人間をばできるだけ現存させたかつたとしても、残してどうするのですか。一体この人間はどういう人間だか御存じですか。私らはあらゆる資料をもつてお尋ねしておるのです。この人間が、はたして大蔵省が年額十二万円の補助金を出して、あなたのおつしやるような目的のために置いておく妥当な人間であるかどうか、それをあなたは御調査になつたか。局長みずからが中田玉市君と何か特別な関係があるのですか。あるいはあなたの部下や職員の中に、この人聞と特別の関係を持つた人間があるのですか。どうしてこういうルーズな行政措置をしておるのですか、私にはわかりません。お宅の方には報告書はあるのですか。
○石田証人 金銀運営会、中央物資活用協会としましては、従来からそういうことをやつておる、申請のときに折衝になつた、その知つておる人がずつと続いてやつておるということが望ましいと思い、おそらくそういう人たちは、その関係で昔から知つておるというだけのことだと思います。私自身はよく知りませんし、そういう人たちを残しておかないと、あとで処理をする場合に資料を散逸してしまつて、もうこのことは知らないというのでは困るという意味において残しただけでありまして、私は率直に申しまして、個人的にどういう方であつたか、妥当であるかどうかということはない。役所といたしましても、いい人だから残すとか、特別な間柄だから残すというのではなくて、前から仕事をやつておるというだけでお願いでしおるもの、こういうふうに考えております。
○中野(四)委員 別な観点から伺いましよう。中田君が中央物資活用協会において一番衝に当つておるのですから、善意に解釈しまして、その場合に今の目的と同じように、いろいろな人がおりますが、そういう人間にも補助をやつておりますか。金銀運営会というのは時計屋じやありませんか。日本中の、特に東京、大阪を中心とする時計屋の仲間で、それが僅少な業者を仲間に入れて設立したのが金銀運営会なのです。特にあなたが金銀運画会、中央物資活用協会というような特定のものにおやりになれば、そういう目的ならば、他のものにもそういう補助金をおやりになつていらつしやいますか。これを伺いましよう。
○石田証人 私はつきりした数字は覚えておりませんが、金銀運営会、中央物資活用協会につきましては、これは大蔵省の所管といたしまして、金などを集めて大蔵省が買い取りますまでの間の機関として、そういうふうなものを利用いたしたわけでございます。それにつきまして資金的にあつせんしたものがあるものもあるように、——私は記憶が間違つておるかもしれないのでありまして、その金を政府に売るとか、売らぬとかいうような問題がいろいろ未調査のままに接収されてしまつた、こういう状況がありますために、そういう特別の金銀の回収をやつておりますところの機関として、特にそういうものを設けております。そういうゆえをもつてそれだけやつておつた、かように考えております。
○中野(四)委員 それ以上申し上げても、——これは後に責任者が出て参りますから明らかになります。さらに伺います。特にダイヤの整理の状況をお尋ねしたいのです。先ほど丹羽委員から聞いておりましたが、浸透していない感がありますから重ねて伺います。 占領軍から引継いだ後の管理の状況については大体伺いました。そして局長もルーズな点については遺憾の意を表しておられました。ただ、私の疑わしい点、自分が聞かなければならぬ点が多々生じて参りますのは、ダイヤ整理のために久米参考人がしばしばダイヤをいじつておるようだが、久米君はいかなる資格で金庫に出入りせしめたか、すなわち久米君の資格は大蔵省のいかなるものに該当するのか、そしてどういう辞令を出したか、伺いたい。
○石田証人 久米さんのことにつきましては、これは司令部におきましてダイヤモンドを鑑定をいたしましたときに使つておられた方であつて、それから、ダイヤモンドの非常なエキスパートであるということを聞いております。なお、先ほど丹羽委員の御質問でございましたが、私お答えしましたときに、要するに再調査と申しますか、そういうことをこちらが強く言いまして、再調査という問題が出て来たわけでございますが、その場合に、司令部の方に係官が参りまして、いろいろ話を聞いて、久米さんが適当であるというふうに考えましたことと、それからまた、向うの方でも、再インヴエントリーをするのにつきまして前にやつたこともある久米さんに立ち会つてもらいたいという話があり、こちらといたしましても、そういう人をのけものにするのもいけないので、久米さんと、こちらからもだれかいい人がありますればあれして、両方で見るということも一つのいい方法ではないかと考えたわけです。久米さんの名前が出て参りましたのは、そういうふうな経緯から出て参つたことでございます。
○中野(四)委員 そこで久米君をあなたが委嘱をされた資格は何でしたか。
○石田証人 これは別に嘱託とかなんとかいう辞令を出したというのではなく、ただ実際問題としてお願いをし、それに対して謝礼を払うといいますか、実際の必要によつて立ち会つてもらうのに、日当といいますか、そういうものを払う意味でお金を出しておつたかと思います。
○中野(四)委員 そんなばかなことはないではないですか。日当を払うのはあたりまえですよ。けれども、大蔵省と日本銀行の間には、先ほどもあなたは、厳重にかぎをかけ、厳格にこれを管理するように努力したと言つておられる。事実結果においてはルーズであつたけれども、その厳重に監査をし、保管をし、そしてこれを再調査をしなければならぬという理由は、それほど国家的に貴重なものなんです。このものを扱わせる久米鑑定人というものの資格はなくてはならぬ。あなたの方からただ、頼むぞ、ようございますよといつて彼が行つたならば、月給をもらうのはあたりまえです。日当をもらうのはあたりまえです。労働に対する報酬は当然のことなんです。しかしながら、問題はそうではないのです。久米君がもし悪意があつて、何らあなたの方から辞令も出していない、資格も何もないといつたら、あの人は悪意のある人ではないでしようが、もし万が一悪意があつたら、この十六万一千カラツトのダイヤの中で、とにかく彼は日本でエキスパートです。天勝の手品じやないが、この中ヘガラス玉か何か悪いやつを持つて行つて、十個くらいいいやつを持つて来ることは、カラツトさえ合つておればいいじやありませんか。人を疑つては申訳ないが、これに対する責任というものを明らかにしなければならぬ。あなたの方で、頼んだぞ、ようございますといつて資格なしで入ることはできない。これに対する資格を与えていなければならぬ。嘱託だとかあるいは何らかの一つのわくをはめて、万一のときの責任を明らかにしなければならぬ。どうしてそれをやらなかつたのですか。石田さん、どうも私はわかりませんがね。ただ、その場合にはそうした方がいいと思つたというだけでは、それは石田さん個人の場合にはよろしゆうございましようけれども、いやしくも理財局長という大蔵省の重要なる職にいらつしやる、この局長の職におる者が、そういうような簡単な程度で認めることが妥当でありましようか。行政処置として、あなたは妥当な処置をとつたとおぼしめすかどうか、この点を伺いたいと思います。
○石田証人 ダイヤモンドにつきましては、私はできるだけ、これは軽々にタツチすべきものではないというふうに思つておつたのでありまして、要するに再鑑定するといいますか、現物に当りましてその秤量なり、区わけをするということは、よほど慎重にしなければならぬ。というふうに考えておつたわけであります。もしそういう実際的な調査をいたしまするならば、これは相当慎重に研究いたしました結果やらなければならないものとわれわれは考えておつたのです。理財局当時におきましてやりましたことは、要するに現物を全部見ますといいますか、査するというふうなことでなくして、向うが、箱がいるから急いでやれというような機会におきまして、その数字を表書きにより調査するというふうな程度をやるにつきまして、その場合に久米さんに行つてもらつた方が、いろいろなことをそのそばでもつて質問したりするのにいいだろうし、それからまたそれをやつた場合に、もし久米さんが、たとえば、わたしが司令部でやつたときはこういう状況になつておつたけれども、それを移しかえた場合におかしいというようなことでもありますれば、非常に参考になると思いましたので、お願いした方がいいだろうと思つたのであります。なお久米さんが一人でかつてに日本銀行の地下室に入つてやるということは、私はなかつたと思うのであります。これは大蔵省の役人がそういう場合には必ずついて行つた、かように私は了解しておつたのでございます。
○中野(四)委員 そこで私は伺いたい。先ほど丹羽君がデータを示して、委員長から質問がありました、鉛筆書で一々理由を書いておりますね。地下室で、判を押しております。一体なぜこのデータはうそを言うんでしよう。日本銀行の地下室に出入りしたこの人人のデータは、なぜこれをうそを言うんでしよう。我妻幸平という人が、昭和二十七年九月に一回、あるいはあと十月に二回入つて、わずか三回としてあります、ところが久米鑑定人がここへ証人に来まして、我妻君はほとんど毎日、欠けるという日はおそらくない、ほとんど毎日御一緒におつたというのだが、どうしてこういう人が入るときは判を押さぬでもいいのですか。日本銀行の封印をしたりするのには、何もせぬでもいいですか。係員が入つておつたとすれば、一体こういう係員はどういうあなたの方の特命を受けてお行きになつたのでしよう。判を押さぬでもよろしい、あるいはデータもつけなくてよろしい。これは日本銀行のデータですから間違いない。三回しか入つておらない。ところが、鑑定人はひとしくここへ証言に来まして、ことごとくほとんど毎日だと言つております。速記録をどうぞ御遠慮なく後ほどお読みくださいまして、間違つておる点があるならば、私はいかなる責任でもとります。お互いに責任のない質疑応答を長時間にわたつてすることは正しくありませんから——ここで証言しておるのです。どういう特命を帯びて行つておつたんでしよう、我妻という人は。この人だけが何べんでも入れる。データ、すべてのものは全然つけなくてもいい。先ほど委員長の指摘した、全然それをしるして来ぬでもいいような特命があつたのですか。何か理財局長の特命全権大使ででもあつたのですか。これをひとつ伺いたい。
○石田証人 我妻幸平君という人の名前は、私はよく記憶いたしておりませんので、私は、その我妻幸平という人に、特に私のために立入り自由というふうなことを言つた記憶は私は全然ございませんので、ひとつ取調べましてお答えすることにいたします。
○中野(四)委員 さらに伺いますが、もう二、三点伺つてあとの方にかわります。 この再調査の鑑定人ですね。久米君一人ではいかぬというので、五、六人推挙されたわけです。この推挙された人は、当時久米君は、あなたに対して、どうも私の方から推挙するのは困るから、従来の三人はよろしい、しかしながらあとは困るからと言つたら、まあそう言わずに、というので、久米君が参考のために名前を出した。その名前の五人の人間をあなたの方で依嘱をされたわけですね。私はこの人の経歴や、特に言わなければならぬことは、大蔵委員会等において、この、ダイヤモンドの事件が大きく取上げられておるときでもありましたし、一体この鑑定人の推挙にあたつて身元調査をし、周囲の環境等を調査してあなたは依嘱をされましたか。端的に久米君を信用して、これを依嘱したのですか。どちらでございましようか。
○石田証人 私どうも今のお話の点については、記憶がようはつきりいたしておりませんので、はつきりさしてお答えいたしたいと思つております。私は中野先生とお話をいたしておりまして、いなくなりました時分におきましては、鑑定人につきましては慎重にするということを申しておりまして、今のお話のようなお名前の方も、私よく存じませんものでございますから、私が特に……。
○中野(四)委員 だれがやつたのでしようか。だれがこの依嘱をしたのでしようか。
○石田証人 その依嘱の日等につきまして……。
○中野(四)委員 いや、当面の責任者……。
○内藤委員長 局長が知らなければ、だれか。あなたの方でしよう。
○石田証人 私多少……。今お尋ねになつております点は、二十七年の八月前であつたか、後であつたか……。
○中野(四)委員 前であります。
○石田証人 ちよつと私記憶がございませんので、取調べましてお答えするようにしたいと思いますが……。
○中野(四)委員 先ほどから大分あなたのところでわからぬ点がある。それは御記憶でありましようし、御記憶がなかつたら速記録に従つて、あなたのおつしやつた、後ほど報告するということを間違いなく報告をしていただきたい。なぜ私がこういうことを聞いたかといいますと、これは本件処理にあたつて重大な問題があるのです。お聞き及びかどうかは知りませんけれども、今度日本銀行の地下室で、ダイヤモンドの再調査をしました。そうしてあなたの方で評価をされました。あなたは知らぬとおつしやるか知らぬが、とにかく評価したのです。値段をつけたのです。よろしゆうございますか。今日本中の貴金属商が、どういう処置をされるにしましても、十六万カラツトからのダイヤが、国の財産として払い下げられても、あるいは営団、中央物資活用協会あるいは一般民間にこれが払い下げられましても、さような多量のダイヤが流るれば、自由経済の原則で、自然の要求に従つて物は上り下りするのですから、十六万カラツトも出て来れば、自分の持つておりまするところの手持ち財産、手持ちダイヤが値下りをいたします。まず第一にこの財産擁護をすることが、だれしも考えることであります。同時に、何とかしてこの際この莫大なるダイヤによつて利益を得たいというのも、商人の当然の常識です。従つて、この受入れ態勢をいかにするかというので、貴金属商というものは、今までに横の連絡というものはなかなかとれなかつたのです一部業者の間においてはなかなかとれなかつたにもかかわらず、本年一月十三日、全国の貴金属商が、このことを中心にして、表面のりくつは、全国の貴金属商が、今まで縦の連絡はあつたが横の連絡はなかつたから、縦横の連絡を緊密にするために組合をつくろうじやないかというので、東美会という連合会を結成したのであります。この東美会は、その目標とするところは、大蔵省所管にかかるところの、保管にかかるところの、日本銀行ダイヤ払下げの受入れ態勢なんです。従つてこの値段を評価する人間は一体だれですか。あなたが鑑定人として依嘱したあの鑑定人たちが、全部この東美会をつくるところの全部の役員ですよ。しかも会長ですよ。顧問ですよ。こんなばかな話が一体世の中にありますか。物を将来買うというやつが、売らるべき品物に対して値段をつければ、高くつけるわけはないじやありませんか。そのくらいの実情を知らなくて、大蔵省の局長たる者が一体役が勤まりますか。考えてみたつても、あなた非常識ではありませんか。将来これらが買うべく、陰においては十分受入れ態勢の全国組合をつくりつつ、自分は日本銀行の地下室の中で、その売らるべき品物について値をつけているというような、どろぼうと故買商が一緒になつてやるようなばかげたことが一体許されますか。そういう人間をば委嘱して、そういう人間にまかしておるというのは、大蔵省とこういう業者と何か一脈の関連があると言われたつて、一言もないじやありませんか。あなたが、いや、おれの方に全然責任がない、そう一いう関係がないとおつしやるなれば、なぜそういう関係の最も密接な者を鑑定人として再調査させたか。しかも値段は何ですか。ロンドン、ニユーヨーク、日本——現在国内において一カラツト三十五万円、悪い方でも二十二万円という大体の相場が出ておるにもかかわらず、先日来ここへ鑑定人を証人として呼んで聞きますれば、一番最低値であるところのロンドン相場の十六万二千円の値段をもつて、これを律し標準をつけておると言う。一体こんなばかなことが大蔵省で許されておるのですか。あなたの方でおやりになつても、国会はこれを許しませんよ。大蔵省の怠慢、あるいは意図するところがあつておやりになつたかどうか知りませんけれども、このような不正な行動と言つても過言でない評価をし、目方をはからしめ、そしてこれらの連中が、うちへ帰つてはただちに全国の受入れ態勢の組合をつくつて、その役員、リーダーとして働いておる。しかも先日ここへ証人を喚問いたしましたときには、業者のうち鑑定者の連中は、重大なる関心を払つて、某所に集まつて、この結果を非常に待ちこがれているじやありませんか。石田さんが直接に御関係でないかもしれないけれども、あなたが委嘱した当面の責任者なんです。私の申し上げることが悪意であつて——善意に解釈してもけつこうだが、貴金属商で鑑定にはまだまだ練達の士がたくさんあります。しかも人格識見、資産においても、過去の経歴においても、日本的な鑑定人が多々あるはずであります。にもかかわらず、近ごろの新興財閥と言われるような——貴金属商の中でいえば納得ができないような業者を、なぜ一体鑑定人にあなたが御推挙なすつたかを伺いたい。そしてその責任はだれがとるかということを伺いたい。
○石田証人 もちろんこのダイヤモンドの鑑定、それからまた評価の問題は、それが処分されます場合に不当であつてはいけないのでありまして、その点は大いに注意しなければならぬところであろうと存じます。今中野委員から、非常にその選が悪かつた——非常に変なというと語弊があるかもしれませんが、適当でない人を選任したということでございますが、これは前段の点と合せて、もう一ぺん確めましてから御返事するようにいたしたいと思います。
○中野(四)委員 私は、管財局長をここへ喚問しまして、管財局長に聞いて、しかる後にもう一回石田さんに来てもらわなければならぬ場面ができるかもしれません。それは管財局と理財局とが責任の中心として保管しているからであります。私はこれ以上質問をすることを避けまして、自分のお尋ねを終ります。
○内藤委員長 横路節雄君。
○横路委員 証人にお尋ねしますが、この日銀の地下のダイヤモンド、貴金属がしまわれてあつた金庫に対して、昭和二十六年六月から入られました大蔵省の職員について表が出ているわけですが、この表を見てみると、鈴木という人——この人は審査係長ですが、七月にこれが四十五回入つている。それからその次に大久保という職員、これは会計係長、それから吉永という職員、これは会計係ですが、こうやつて一覧表を見ますと、鈴木審査係長が担当の責任者であつたように思うのですが、そうでございますか。
○石田証人 これは再調査その他のことがありまして、日銀の地下室へ大蔵省の係官がどうしても行かなければならぬことがございまして、私といたしましては、課長以下係長及び課員を、そのために入り得るところの権限あるものとして指名したわけでございます。その中に、その鈴木とか大久保とかいうふうな名前があるのでございまして、これは要するに、このときの仕事というものは、特別に急に起りました問題でございまして、従来貴金属関係をやつておつた者は、ほとんど全部動員してやることも必要であつたわけでありまして、だれが主任者、彼が主任者ということはなく、課長は責任者として入るのでありますから、課長がいない場合には課長補佐、課長補佐がいない場合には係長というように、そのときの状況に応じてやつておつたものと思います。
○横路委員 証人は直接の責任者であつたろうと思うのですが、昭和二十七年の五月まで、この点については一ぺんも立ち会つていないわけですな。資料を見ると、昭和二十七年の五月に、あなたは初めて日銀の地下へ行つたようになつているのですが、そうするとこの点は、二十六年の六月の幾日かに司令部の方から保管を委託されたけれども、あなた自身は直接にはこの当時一ぺんも見たことがない。出された資料を見るとそういうことになるのですが、それでさしつかえございませんでしようか。
○石田証人 先ほど申し上げましたような事情で、その通りでございます。
○横路委員 そうしますと、私もう一ぺんお聞きしたいのですが、鈴木という方は当時審査係長で、現在もそうかもしれませんが、七月に入つた回数が四十五回です。そうすると日曜日を除くと一月二十五日間くらいですから、四十五回というと、おそらくこの人だけは午前と午後と二回くらいずつ入つているのではないかと思うので、回数から見ると、あなたはこの人に責任者として仕事をまかせておつたのではないかと思いますが、その点はどうですか。
○石田証人 課長以下の者がやつたのでありまして、実際の地下室に参ります場合には、本省におきますところの仕事の事情を見まして、そして課長に適当に采配を振つてやつてもらうということになつておつたので、私は特定の人に対して責任をまかせるというふうなことを明驚いたしたことはございません。
○横路委員 そうすると、証人にお尋ねしますが、そういう職員について、ああせい、こうせいということは、当面の責任者である横山という管理課長に一任したのだ、こういうわけでございますか。
○石田証人 大体大蔵省の仕事のやり方としましては、局の中に課がわかれておりまして、大体課の方で責任をある程度持つていろいろやつていただかなければならぬと思うのですが、この問題につきましても、方針をどうするとかこうするとかいうことにつきましては、私が一々あれしておりますが、実際の地下室に入つて仕事をいたすことにつきましては、私みずから行くのではなく、課の方でやつてもらうということになつておつたのであります。
○横路委員 私は証人にお尋ねしますが、あなた自身司令部の方から保管の委託をされた場合に、やはりこれは重大な責任であるというふうにお感じになつただろうと思います。それが昭和二十七年の五月というと、ちようどまる一年間あなたは部下の者にまかせきりであつたということになれば、当然あなたは当面の責任者として、こういうようにひん。ぴんとして調査をしている下僚から、一々本日の調査の内容はこういうものであるというように、もちろん口頭で言わなければ、役所のしきたりとしては復命書か何かおとりになるとかして、あなたの方で、司令部から委託されたものについてどういうふうに進捗しているかということについて、大体一月に一ぺんか二月に一ぺん、やはり自分で責任を感じていれば、おやりになつていたと思うのです。やつていなければしようがないのですが、やつていたのですか、やつていないのですか。
○石田証人 これは金、銀、白金、ダイヤモンドいろいろございまして、そうして再調査のためにそういう人たちに仕事の立会いをやつてもらつたわけでございますが、金、銀と、金銀の塊につきましては、数量的にあまり多くないものでございますから、どういう順序でどういうふうにやるかという手順をつくらして、その手順に従つてやつてもらうということにいたしておりました。ダイヤモンドにつきましては、先ほど申し上げましたように、なるたけ手をつけないようにということで、中身をあけるとかなんとかいうことはしないようにしておつたわけであります。一番長くかかりましたのは銀でありまして、銀が数量が非常に多い。しかしこれはいつまでもほつたらかしておけないので、ほとんど連日やりましても相当の期間を要するというような実情であつたわけであります。金、銀、金銀の合金につきましては、今申しましたような事情で、どういうふうにやるかということ、それからまたいつ始めて、いつ終るかということにつきましては、大体その当時、きようから始めます、またきよう終りましたというようなことは私は聞いております。それで、私の記憶がもし間違つておりませんければ、大体昭和二十六年の九月末以後は、ほとんど銀だけになつたのではないだろうかというふうに考えておる次第であります。
○横路委員 そうすると、今の証人のお話では、昭和二十七年の十月再鑑定するまでは、ダイヤモンドの入つているところについては全然手をつけなかつた。今あなたはそういうふうにお話なさいましたが、それで間違いございませんか。 ————— ただ私どもがお聞きしておりますのは、やはり私どもとしては、あなたの方で連合軍から引渡しを受けた明細書十一冊に基いてやるということになれば、それらについては、せめて箱とか袋とかいうものについてやつたのではないかと思いますが、今あなたのお話では、ダイヤモンドについてはかぎをかけたまま全然出しもしなかつた、こういうふうにあなたはお話しておりますが、それでさしつかえございませんか。
○石田証人 これは先ほどもほかの委員の方から御質問がありまして申し上げたのでありますが、ダイヤモンドの調査については相当慎重を要するというふうに思つておりました。特に占領下においてやりますことについては、相当慎重を要するのではないかと思つて心配しておつたのでありますが では全然手をつけなかつたかという問題につきましては、ダイヤモンドは向うの箱に入つておりまして、それを返してもらいたいということで、それをどうしても返さなければなりませんのでて、そのために箱の入れかえを行つたわけであります。その向うの箱の中には小さい封筒に入れて区わけがしてあつたのですが、その箱の入れかえをいたしました。その入れかえをします場合に、その封筒の上に書いてある数量を一々書きとつて、その集計と、それから進駐軍の方から六月の二十八日に書いてありました数量とのチエツク程度のことはいたしましたが、それ以上のことは、いわゆる最後の再調査が行われるまではいたさなかつた次第であります。
○横路委員 今あなたのお話で、あなたはそれで十分調査したことになる。向うの箱からこちらの方の箱に移しかえる場合に、その封筒にある個数と明細書にある個数とを比較したということは、やはり重要な調査だと私は思う。その調査をあなたはおやりになつている。今あなたはそういうふうにお話になつたのだから、その日にちも相当はつきりしておりましよう。
○石田証人 これは二十六年の九月中旬に、数日の間にその移しかえを行つたというふうに思つております。
○横路委員 そのときの責任者はだれですか、実際に立ち会つてやつたのは。
○石田証人 そのとき実際に立ち会つた者の氏名は、私はつきり記憶いたしておりませんので、これは後ほど確かめてから、正確なところを御報告させていた、だきたいと思います。
○横路委員 今証人が話をしています昭和二十七年九月の中旬ごろと思われるときに、ダイヤの入箱のれかえをして、その個数と帳簿と照し合せてやつたということは、私はやはり重要だと思う。そのときの責任者については、今記憶がないそうですから、調べてあとで出すというので、従つてこれは書面で出していただいて、必要によつては、あとで証人として喚問していただきたいと思います。
○内藤委員長 関連しておりますからお聞きします。が、当委員会で日本銀行の地下室べ行つたときに、そこに立ち、会つておつたのは久米鑑定人ですが、その鑑定人に、君は一体何をしているのかと聞くと、その鑑定人の話では、毎日箱から出して、封筒のものと照し合せたり、品質を調べたりしておりますと言つているが、あなたの証言と大分食い違つております。それは昨年の八月です。
○石田証人 私が申しておりますのは、二十六年、すなわち一昨年の九月のお話を、今御質問によつていたしているわけであります。
○内藤委員長 二十六年の九月はそうであつたというわけですね。
○石田証人 そうです。
○横路委員 あなたの方で横山、藤本、小野、小松、鈴木、大久保、吉永、大熊、野田、宮城、上坂、これらの人人が立ち会つたことになつているわけですが、これらの職員は今もあなたの理財局に勤務しておりますか。
○石田証人 管理課長は今銀行局の方にかわつております。それから藤本君も転出いたしております。そのほか小野、鈴木、大久保、これはみな理財局の方におります。それから小松もたしかおつたと思いますが、あと……。
○横路委員 あと吉永、大熊、野田、宮城、上坂。
○石田証人 そのあとの下の方のあれははつきりしたことは覚えておりませんが、一、二を除きまして大体理財局にいると思います。
○横路委員 この出入した立会者の中で、その後いわゆるあなたの方から他に転出というばかりでなしに、本人の都合か何かでやめたものはおりませんか。
○石田証人 そういう者はないと私は思つております。
○横路委員 それからもう一つ、あなたは二十六年の六月に司令部の方から保管を委託された場合には、数量その他について明細な受取書というか、そういうものをあなたは預かつたわけですな。
○石田証人 IDMマシンというような相当部厚い書類で、どこの部隊からどう受取つたというようなことが書いてある書類、帳簿を受取りますと同時に、各部屋ごとに置いてある金塊なり銀塊なりがブツク・ナンバーで書いてある。これを引き渡したから、それに対してサインをしろということで、向うからサインをすると同時に、こちらもサインした。数量の方は、その受取書にはダイヤモンドの十六万ということが書いてあるだけで、ほかのものは金とも銀とも白金とも書いてありません。それと対照する大きな帳簿の資料の中に数字があつて、それを集計するとどれだけの数字になる、こういうことでございます。
○横路委員 証人にもう一度お尋ねいたしますが、昭和二十八年一月二十八日付で、日本銀行の出納局長から行政監察特別委員会の委員長あてに資料が出ておるわけです。その資料に基いて私先ほどお尋ねしたわけです。あなたも、これはごらんになつていなければ、あとで見ていただきたいのですが、まず先ほど私が申し上げました横山、藤本、小野、小松、鈴木、大久保、吉永、大熊、野田、宮城、上坂、こういう人々の中で、あなたは他に転出した——理財局から管財の方へ行つたというのでなくて、他に転出した者は一名もないということでしたが、重ねてお尋ねいたしますが、転出した者がなかつたかどうかという点が一つ。それからこの点はわかりませんから私が聞くわけですが、篠原弘、北村二郎、加藤耕一、橋本吉一、我妻幸平、枝元長雄、菊池、関井、地口、伊予田、秋山、こういう人々はあなたの局か局でないか、こういう人々の中でも一体他に転出した者がないのか、この点をひとつ明らかにしていただきたいのです。
○石田証人 私今前段の御質問にお答えするのですが、全然他に転出した者がないかどうか、大蔵省をやめて民間に行つた者がないかという意味ですか。
○横路委員 そうです。
○石田証人 その点につきましては、私は横山以下野田までは大体大蔵省におると思いますが、上坂、宮城につきましては、今どこにどうしておるか、大体これは大蔵省の中におるものと思つております。ただ万一間違いがありますといけませんので、その点につきましては、正確なことはもう少し取調べまして返事をさしていただけるならば、ありがたいと思つております。
○横路委員 それはひとつ証人の方で調べて出していただきたい。やはり出された資料を見ると、どうも責任者といいますか、初めは鈴木という方がほとんど責任者のようです。二十六年の七月に四十五回を行つておるのです。ところが今度は二十七年の一月ごろになると、吉永という人が二十四回も行つており、二十七年一月、二月、三月、四月というころは、この吉永という人がほとんど差者のようなかつこ出うになつておる。それから今お話の上坂という人はどうなつておるかわからぬというお話ですが、この人は二十七年の一月、二月、三月しか行つていないで、あとは全然行つてないということであります。他に転出した者があるかないか、もしもあればいつ転出してどこへ行つたか、その場合に本人の方から願い出て行つたのであれば、何か事情もございましようし、またあなたの方から何かやめろと言つたのであれば、やめさせるには適当な理由もあつたでしようから、その点について、ひとつ早急に出していただきたい。以上です。
○内藤委員長 中野君と丹羽君に申し上げます。再質問の通告ですからこれを許しますが、簡単ですか。
○中野(四)委員 丹羽君に一任します。
○内藤委員長 中野君はよろしゆうございますね。 ————— それじや丹羽喬四郎君。
○丹羽委員 先ほどのことにつきまして、聞き漏らした点がありますので、簡単に二、三お伺いしたいと思うのです。 先ほどの具体的の問題でございますけれども、日銀で再調査を命ぜられておる間におきまして、大蔵省の石田さんの部下が日銀の地下室に参りまして、一々封印をし、あるいは封印を破りましてあけまして、そこに立ち会つおるいろいろの者に命じまして、再調査をさせておるというときでございますが、そのときの実際上の保管責任者というものは、その大蔵省の役人の方が責任者になるわけでございますか、そう了解してよろしうゆうございますね。
○石田証人 お話の点は、金庫の中へ大蔵省の人間が入つて行つて、そして日本銀行の立会人と一緒に封印を破つたり何かする、こういう場合に一体たれが管理者なのか、こういう御質問と思います。私先ほども丹羽さんのお話に対して申し上げましたように、これは法律的に申しまして、司令部から保管の責任を受けたのは大蔵省でございますので、どこまでも大蔵省が保管の責任者だと思います。それから日本銀行にお願いいたしますという場合は、これは主として他に対するいわゆる保管責任になるのでありますが、指名いたしましたような人間が入つて行くという場合におきましては、これはわれわれの方で保管を依頼しておる人間が入つて行くような場合でございますので、そういう人間が入りましてやりました結果につきましては、日本銀行が責任を負うべきでなく、大蔵省が責任を負うべきであると思います。但しその場合に、これは仮定の話でありますが、一緒に入りました日本銀行の人が、何か適当でないことをしたということがございますれば、それはまた別問題であろうと思います。
○丹羽委員 その点なんでありますけれども、大蔵省の方が地下室へ封印を破つて入られた。大蔵省の方が行かない場合には、日銀の人がかつてに封印を破つて、かぎをあけて中へ入るわけには行かないのでありますから、従つて大蔵省の役人が来たときにのみかぎをあけて、内部のダイヤモンドを調べて、配置がえしたりすることができる、こういうことになると思う。そうなつて参りますと、もし日銀の人がそのところで——そういうことは絶対ないと確信しておる次第でございますが、先ほど中野委員からお話がございましたように、あるいは中にふとしたあやまちからいたしまして、ガラス玉をダイヤモンドにかえるという不正な心を起しましたときに、これも仮定でございますが、その日銀の銀行員がやつた行為に対する監督責任、保管者としての責任はやはり大蔵省の役人が負うのが当然じやないか、保管者としてはあくまでも大蔵省の役人ではないか、こう思うわけでございますが、その点の御見解はいかがでございますか。
○石田証人 今の御質問の御趣旨を私多少取違えておる点があるかもしれませんが、かりに大蔵省の人間が全然入りません場合に、日本銀行の方がかつてにおあけになつて何か間違いが起つたということになれば、これは当然日本銀行の責任だと思うのでございます。と申しますのは、司令部から大蔵省が保管の責任を受けた、それからあとの内部の関係で、大蔵省が日本銀行に依頼する、こういう形でございます。それだけでありますれば事は簡単でございますが、最終調査等の関係がございまして、保管者としてみずから入つて見なければならぬということがありますのでその入りましたときに、それに伴つていろいろのことが起きて参れば、大蔵省は責任を免れないのじやないか、こういうことを申し上げておるのであります。
○丹羽委員 私と少し意味が違うのでございまして、日銀の保管場所を提供したものの責任といたしましては、外部から賊が入るとか、あるいは故意に封印を破るという場合に、これは日銀の責任であることは当然であります。しかしながら、局長が御命じになつたところの官吏がそこへ参りまして調べをする、その間に、あるいは先ほど問題になつております鑑定人であるとか、あるいはまた日銀の協力を得るといいましても、その日銀の行員とかが、万が一見ている前でごまかして不正行為を起した場合においては、その保管著たる大蔵省の役人が、現実の問題として全部の責任者になるのではないかということを伺つているわけです。
○石田証人 これはそういう間違いがないために——大蔵省の役人というのは、別に金銀等につきまして専門家でも何でもないわけでありますが、これを出すということは、立ち会いまして間違いがないようにという意味で出すわけでございますので、そのときに間違いがありますれば、これは当然無責任であり得ないのではないかと思います。
○丹羽委員 そういたしますと、大蔵省のその衝におりました役人が保管責任者である、こう断定してよろしゆうございますか。
○石田証人 これは何と申しますか、法律論と事実論とありまして、もしそこに間違いが起りますれば、たとえば日本政府に保管が移つたという場合に、だれがこれの最終責任者かという問題もあろうかと思いますが、これは大蔵省でありますから、大蔵大臣が最高責任者だろうと思います。しかし所管局長として私がやりますれば、私の責任になります。また今申しましたようなぐあいに、現場に人が行きましてやりました場合には、これは私は監視をする意味で、間違いのないような意味で行つてもらつたのでありますが、これが現実にその場を監視しておるのでありまして、これが事実上の保管者である、こういうことであろうかと思います。
○横路委員 関連して。私、証人にお尋ねしますが、そうすると、昭和二十六年六月司令部から管理を委託されてから管財の方に移るまでの最高責任者はあなたですか。このダイヤモンドその他に関する保管の大蔵省における最高の責任者はあなたですか。この点をひとつ……。
○石田証人 私の名前でサインいたしたのでございますから、私の責任だろうと思います。
○横路委員 先ほど私が名前を読み上げました中で転出した者が入つていないというあなたのお話でした。私どもの方では転出した者がいる、こういうように調べてあるわけですが、その転出した者が、もしも転出した後においても、引続き何べんかの機会において行つたようなことがかりに出ておつたとすれば、あなたは、今署名したから、あなたが責任者だというから、それはあなたの方で日銀に対して、本人は他に転出したんだから前の通りの権限はないということを通知してなかつたあなたの落度になつて、そういうために何かそこに不正行為が起きれば、一切の責任はあなたが負うわけですね。
○石田証人 これは私の名前で保管の責めを負つておりますから、間違いが起りますれば、私がまるつきり無関係であるというわけには行かないと思つております。なお、お話の点では率直に申した方がいいのではないかと思いますが、御質問の点は、課長補佐の藤本というのが、理財局から、大蔵省の部内ではありますが、ほかに転出いたしましたので、その通知が漏れておつたのではないかという問題ではないかと思うのでございますが、もしそれでございますならば、これは率直に申しまして、その通知が日本銀行に行くのが漏れておつたという問題はあるかと思つております。
○横路委員 先ほど私が要求しました通り、あそこにあげました人名で、あとお調べをして出していただきたい。 もう一つ私はあなたにお尋ねしたいのですが、あなたは署名したんだから、形式上はおれの責任だろうというようなことをよく言いますが、あなたは、その当時連合軍の司令部から、お前にこれは引渡す、保管を命ずるぞ、こう言つておられたはずで、そういう意味でこれはあなたはどう思うか知らないけれども、あなたは、昭和二十七年五月まで、あなたの部下にまかせ切りで、一ぺんもこれに立ち会つていない。しかも二十六年九月中旬ごろに、司令部から預かつておる箱を返すために、中のダイヤモンドを全部出して、台帳に合わして、あたの方でつくられた箱に納められたという点についても、あなたはそれこそ重大な責任がある。そこで、もしも間違いがあれば、 ————— 国民から強制的に預かつたものです。その点について、どうもあなたは通り一ぺんの署名をしたからおれの責任らしいというような物の考え方だから、二十七年の五月までにあなたは一ぺんも実際に調査をしてないのじやないかと思う。この点は、署名したからおれの責任だろうということでなくて、司令部から、お前保管者として預かれ、お前責任者としてやれというのだから、本来から見れば、二十七年五月まであなたが実際にタツチしないというのは、私からすればおかしい。しかし大蔵省の局長からすればおかしくないのかもしれぬ。この点はただ、署名をしたからあるでしようとか、あると思いますというのでなしに、もう少し責任があるならあるとはつきりしなければならぬ。従つてダイヤモンドのときなどは、何個あつたか、どうなつたかという復命書をあなたは当然とらなければならぬはずでです。そういう点について私にはちよつと了解のできない点があります。しかしこれは、大蔵省の役人というのはそういう官僚になつておるのかもしれませんし、その点どうも私どもちよつと解せないのです。この点証人としての心境というか、心構えをひとつ話してください。
○石田証人 理財局長といたしまして、これは引渡しを受けに参りまして、署名したわけであります。そのときには私みずから参つたのでありまして、そのときの責任は当然負うべきであろうと思つております。それからあとの問題につきましては、これはそういうものを引受けるについて、いろいろ配慮する点において欠けておるところがあつたのじやないかと思います。その点は当然責任を負うべきだと思います。ただ、先ほど来申し上げておりますが、再調査をするために一々中に入つておつて、表のところに立ち会うということは、これは理財局長としては当然不可能であるということは常識ではないかと思います。そういう場合におきましては、やはりそれは課長ができるだけ行く。課長のできないことは——課長としてほかに仕事もございますから、課長補佐が行く、あるいは課長補佐が都合が悪いときは係長が行くということにならざるを得ない態勢だろうと思います。その場合に、具体的に不始末を起したということになりますれば、これは役人といたしまして、不始末を起した人がまた第一の責任者だろうと思います。その不始末なことが見えすいておるにもかかわらず、そういうことをやつておつたということでありますれば、当然これはそのときの事情に応じて責任を負わなければならないのじやなかろうか、かように考えております。
○横路委員 あなたは司令部からその保管の委託を命ぜられた。そうすると自分の責任から言つて、二十七年の五月をまたないで、二十六年の七月に、少くともあなたは、第一回目に局長として、課長に、こういうようにやれ、課長補佐にやれ、係長にやれと命ずる前に、まずあなた自身は、二十六年七月に一番最初あけてみるときに、見られるくらいの責任をあなたは感ぜられてもよかつたのじやないでしようか。もちろん、あなたは局長でお忙しいでしようから、毎日行つて立ち会うということはできないでしよう。しかし二十七年五月まで全然触れておらない。もしもあなたがそういうようにお考えになるのであれば、二十六年七月第一回にあけられたとき、あるいはその月に一ぺんくらいはあなたも見得られたわけでしよう。そうではなかつたですか。
○石田証人 これはこの機会に、私記憶が違つておるかもしれませんが、私がサインいたしました経緯を、私の記憶が間違つておりましたら後で訂正いたしますが、私の記憶している限りのことを申し上げますと、これを日本政府に保管を命ずるという場合に、だれがサインをするかという問題につきましては、必ずだれがサインするということがきまつたような状態でないと思う。だれが行つて引渡しを受けるサインをするか、現場に立ち会う人間でございますが、これについては、全体の引渡しを受けてサインをするときには、大蔵省としては理財局長が適当であろうということで、あるいは決裁書類があるかもしれません。あるべきだと思います。その点ははつきり申し上げますが、そういう意味で私が行つてサインした、こういうことであります。その場合におきまして、私が理財局長でありますから、従つて課長や職員の協力を得て万遺憾なくやるべきだと思うのであります。その意味におきまして、日本銀行の人とよく話合いをして、先ほど申しましたように、かぎの扱い方については間違いがないということと、とつさの場合に数量の確認ができませんから、一応受取つておくけれども、あとで調べた場合に、その当時受取つたお前の方の責任だというようなことが言えないようにという配慮をいたしまして、かぎの方はよい、片一方のインヴエントリーの問題はそういうふうになつているというので、私がサインいたしたのであります。そういうハンドリングのやり方について不適当だということになりますれば、それは私が責任を負うべきだと思うのであります。それから、今度引渡しを受けてインヴエン十リーの実施という実行の段階になります場合に、私個人として行くわけに行かない。それから、ダイヤモンド等につきましても、これは非常に重要な問題でありますから、毎日一々実物検査をする場合に立ち会うのが望ましいと思いますが、率直に申しまして、理財局長は毎日そういうところに出ておれないと思います。ただ、今のような数日で終つたようなときには、毎日行つているべきではないかということでございますが、これも知を開くにしましても相当時間のかかることでございます。私といたしまして開いてみるということでもありませんので、これは行かなかつたようなわけであります。
○内藤委員長 横路さんに申しますが、責任の問題は、いずれ結論に達するときに理事会を開いて慎重な協議をしたいと存じます。
○丹羽委員 今途中から横路委員から御発言がございましたが、その点は私も横路委員と同感でございまして、もとより今理財局長がおつしやつたように、毎日とても理財局長の要職で行かれるものではありません。しかしながら管理の責任は、御自身がおつしやつたように、これは直接の最高の責任は理財局長にあるのですから、おれの責任なんだ、これを一つなくしたら、おれは国家国民に対して申訳ないから、課長、おれのかわりにお前行つてくれ、課員、おれのかわりに行つてくれということで、やはり局長のかわりに行つてやらしているのだと思う。具体的の責任どいうものは、今おつしやつたように、日銀に行つて指揮をし封印を破り、封印をしたところの大蔵省のあなたの部下であろうと私は思う。そのことはすでに局長も御了解でございますから、再び私は追究いたしませんが、その点におきまして、先ほど来横路委員から問題になつております十一名の直接保管責任者であつた人々が ————— 調査員をして調査せしめました結果によりますと、一人で参りまして、一人が数人に命じてと申しますか、数人の間にありましてか、あるいは監督をし、あるいは監視をし、あるいはまた調査を見まわつておつたという事例が非常に多いわけでありますが、この事実は局長はお認めになりますか。もしこれは今すぐに御返答ができませんでしたら、後刻お調べをなさいまして ————— 従来の証人の証言と食い違つた点がございますから、その点をお調べの上、御返答願いたいと思うのであります。
○石田証人 私は、なるたけ二人なり三人なり行つた方がいいと思うのでございますが、しかしこれは、皆様の御指摘のごとく、現場のことは私率直に申してよく知らなかつたものでございますから、一人で行つたようなことがあるいはあつたかもしれないと思つております。その場合の事情といたしまして、こういうことを私聞いておりました。引渡しを受けましたのは六月の終り、七月であります。これをできるだけ早く再調査すべきであるということをやかましく言つたのでございますが、とにかく量が多い、ことに銀が非常に多くて、まごまごすると一年ぐらいかかつてしまうという話でございました。そのときに、日本銀行の地下室というのは特別な装置がありまして、冷房装置等がございまして、何かからだの調子が悪くなるというような話があつて、とても毎月行つておつてはたまらぬとかいうふうな、健康上の問題につきまして相当苦しいものであるというふうな話がございましたので、そういう事情から申しまして、たとえば銀をはかるというようなときは、大きなものでございますので、いくら持ち出そうと思つても持ち出せないというような状況であるので、きようは銀をやるのだから一人でいいだろうというようなことがあり得たかと思つております。しかし詳しいことは私存じませんし、日本銀行の調べの中にありましても、行つた当人自身が、非常にたびたび行つておつて、こういうふうにやつたことがありますかどうか、それらのことは、確かめました上でお答えをいたしたいと思います。
○丹羽委員 最後に一つだけお伺いしたいのでありますが、先般通りました接収貿金属等の数量等の報告に関する法律——中野委員からも御質問がございましたが、返還その他の措置を講ずるに資、するためにこの方法をとるということでございまして、この目的の一番重要なる「返還その他の措置」ということでございますが、返還についてはそう重く考えてないというお話でございます。しからば、その他の措置ということは、大体の見当はどういうことをなさるおつもりでございますか、伺いたいと思います。
○石田証人 これは返還に重きを置かず、その他に重きを置いたという意味で申し上げたのではないのでありまして、要するに返還だけというふうなことを言うのは、場合によつてはどうであろうかと思う、こういう気持でございます。なお、率直に申しまして、これは当時の私の心境でございます。大蔵省の意見であるとおとり願いますといけないかと思いますが、その当時といたしまして、交易営団のダイヤモンドがおそらく大部分であろうというふうに考えまして、そういたしますると、交易営団にこれを返す、交易営団がしかるべく、——こういうふうなことが、法律論もございましようし、実体諭もございましようし、はたしていいか悪いかということは相当研究を要するのではないか。交易営団に返しました場合に、交易営団が前に買つた人を調べて、それに返し得るかどうか、なかなかむずかしい事情があるのではないか。そうすると、特別の考慮をしなくちやならぬのかもしれない、そういうふうに思いましたので、大きな交易営団という問題を考えた場合にそうでありますが、そのほかにもいろいろなケースが起つて来るかもしれない。それで返還自体がいいか悪いかという問題と、返還できるかできないかという問題と、いろいろな問題が起つて来るのではないか。そこで、「その他」というのを入れて、もつと慎重に考えるべきだというのが、私の当時の心境でございました。実情も、そういう点の法律論も、またどれが一番よろしいかということもわからぬので、そういう言葉を使つたわけでございます。
○中野(四)委員 ちよつと石田さん違うですね。大蔵委員会の速記をごらんなさい。あなたは「返還その他」の「その他」に重ききを置くと言つております。私がこのダイヤモンド事件をこれほど掘り下げて調査をするのは、あなたのあの当時の答弁に納得することができなかつたからだ。今丹羽委員の質問を聞いておりますれば、あなたは、「その他」に重点を置いていないとおつしやつた。しかしながら大蔵委員会の速記を見てください。「返還その他」の「その他」に重きを置いております。それから、交易営団のことをおつしやつたのですけれども、交易営団に一体その当時どうして返還しなければならないのでしようか。営団法というものはごらんの通りなんです。なるほど営団法の中で、民間出資は五千万円あります。しかしながら、営団の返還処置を講ずるのでも、その他の返還処置を講ずるのでも、問題はあなたが営団というものを対象にしてお考えになれば、根本的な間違いです。だからこういう間違つた書類が出て来るのですが、一体営団のものと認定する何かありますか。あの九月三十日の法律によりまして集められたところの報告は、あなたの方の大蔵省からは、証拠物件ありとして国会に報告をしておられまするが、われわれが調査した限りにおいては、大蔵省は国会にうそをついておる。どこに一体証拠物件がありますか。管財局長が来たら私から言いますけれども、一体営団の物的証拠はどこにあるか。大蔵省は、国会議員は横文字が読めなくて盲だと思つておるのでしようが、あなたが今ちよつとおつしやつたから——私は管財局長に質問するつもりでありましたが、あなたの大蔵委員会における答弁は、「返還その他」というのは、「その他」に重点を置いておるということを言うておられるのです。あなたが食言をされてはなりませんから、私が一応丹羽さんをして聞いていただきましたのは、「返還その他」の「その他」というのは、いかなるところにあなたが観点を置いて立案計画を立てられたのか。重大問題なんです。「その他」とは何か。ただ漠然たるあなたの今の説明では得納いたさないのです。この「その他」の中に含まれておる意味を明らかにしていただきたいというので、今丹羽さんも説明を求めたのですが、あなたの今の御答弁では私は納得いたしませんので、ちよつと質問をしたのです。いま一回、「返還その他」の「その他」はいかなるものを意味するものか、明確に速一記に残しておいていただきたいのです。
○石田証人 これは私の言葉使いが非常に悪くて、誤解を生ずる点も多々あろうかと思うのでございまするが、丹羽先生からのお話は、「返還」はどうでもいいのだ、「その他」だけというふうにとるというふうなお話でございました。私は今法律論として「返還その他」というのを考えたわけでございます。これは法律論といたしまして非常にむずかしい問題がございます。実体論としてもむずかしい問題がございます。私たちが関与しておりますときに、金、銀というものと、それからしろうとでありますために、非常にまずかつたところのダイヤモンドの問題と、大分偉うところが実際に出て来やしないか。金、銀につきましては、大部分が日本銀行の金でございますので、割合いに操作がわかつておる。そういうものにつきましては、あるいは「返還」ということが重きをなすかもしれないのですが、それらの点を考えまして、私は率直に申したつもりでありますけれども、言葉の行き違いで非常に誤解を招くといけないと思いまして申した次第でございまして、決して他意あつて申したことでないということだけ御了承願いたいと思います。
○丹羽委員 ただいまのお話で、「仮還その他の処置を講ずる」、やはり「返還」に一応は重点を置く、「返還、に重点を置くけれども、交易営団として、はたしてその返還が適当に行くかどうかわからない、従つて別の機関をつくつて返還に充てよう、こういう意味でございますか。
○石田証人 これを最終的にどういたしたらいいかということは、私は当時において思いあぐんだのでございます。そこで、そういう点については、ここでこうするつもりでございますということは言えませんけれども、しかしいろいろなことが考えられますので、「返還」その他という言葉を使つたということを申し上げたのであります。その後の、これをあとどうされますかということにつきましては、これは非常に重大な問題でありまして、相当慎重にやるべきものだと私は個人的に考えております。また、先ほど私から申し上げましようなぐあいに、こうするのだということを申し上げる自信も今のところございませんし、またそう申し上げるのもどうかと思いますので、その点ひとつ御了承願いたいと思うのです。
○内藤委員長 委員長から証人に特に申しておきまするが、中野委員「横路委員、その他の委員諸君より要求された書類、並びに今ここで答弁しにくいというような問題、そういうことにつきましては、すみやかに書類を、また答弁等を委員長あてに御提出になるように、特に要求しておきます。 他に御発言がなければ……。
○明禮委員 先ほど、こういう証人の陳述があつた。連合軍から引渡しを受けるときに、理財局長として判こを押した、責任者だということで押した。普通ならば、判こを押すときには、どれだけの数量があり、どういうものがあるかということを一応見てやるわけだが、そのときにどういう状態で判こを押されたでしようか。全部調べられた後に判こを押したのだろうと思いますが、どうでしよう。
○石田証人 これは普通常識から申しますと、あれだけ厖大な金、銀、白金、ダイヤモンド等を継ぐにつきましては、全部調べて、その上で、これだけのものを引取りますというのが常識であろうと思います。ところがその当時の状況といたしまして、引受けるならば早く受取れというお話でありますので、その受取るにつきましては、数量等は後刻確認いたしますということで受取つたわけでございます。
○明禮委員 そういうことはちよつと考えられないのだが、証人の言われることが一応その通りだとここで聞きましても、それじやあとで調べましたか。あとで確認を得たかどうか。はつきりと、これだけの品物があつて、自分のサインしたものと違わないということの確認を得てるかどうかということをお尋ねする。
○石田証人 これは私は、当時から、数量等につきましては、多少の誤差は少くともあるのじやないかということを心配はいたしておりましたので、金、銀、白金等につきましては、そういうことを早くやりたいと思つたわけでございます。その後秤量いたしました結果につきましては、金につきましても、銀につきましても、白金につきましても、先ほど申しました私の受取りに書いてある数量でなく、その付属帳簿から推定いたしましたものとの間に、若干の相違があるというふうに思つております。
○明禮委員 若干の相違といつても、とにかくあなたが責任者でサインされた以上は、そのときにできなかつたら、その直後において遅滞なく——法律語でいえば遅滞なくだが——遅滞なくこれを調査して、ちやんとメモなり何なりとつて、そうしてほかの者の出入りに関しても十分、先ほど皆さんから聞かれた通り、倉庫に入る人についても注意しなければならなかつたわけですが、品物が足りないというような問題もたくさんあります。いろいろな問題について、あなたに責任があるかどうかということを、われわれは今後考えなければならぬからお尋ねするのでありますが、その後においてお調べになつたのか、ただもう多少の誤差があるというので、ただそのまま今日になつておるのか、そのことを伺いたいのであります。
○石田証人 これは、先ほど申し上げましたようなぐあいに、金、銀、白金等につきまして、そういうふうな再調査の手はその後やつておるのでございまして、金、白金、それから金銀の合金につきましては、数量も少いので私がおワましたときに数量の違いというものを明らかにいたしております。銀につきましても、先ほど申しましたように非常に大量のものでございますが、管財局におきましてもずつと行われまして、これは昨年中に完了いたしておるわけでございます。
○明禮委員 これはあなたが立会いの上でやられたのでございますか。
○内藤委員長 立ち会わないのだ。もう何回も言つておる。 他に御発言もなければ、石田証人に対する尋問は一応これにて終了いたします。証人には長時間御苦労さまでありました。 なお再出頭を求めることがあるかもしれませんから、さよう御了承を願つておきます。 —————————————
○内藤委員長 この際お諮りいたしますが、次の阪田証人にはお聞きしたいことが多々ございますから、本日はこの程度にいたしまして、阪田証人には後日日を改めて尋問を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内藤委員長 御異議なければさようにとりはからいます。 阪田証人に申し上げますが、後日日を改めて御出頭を願うことに決定いたしましたので、さようあしからず御了承を願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十一分散会