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15回国会衆議院1953/03/14

厚生委員会 第21号

発言数
53
登壇者
9
会派数
3
開催日
1953/03/14

会議録

平野三郎自由党

○平野委員長 これより会議を開きます。  まず小委員補欠選任の件についてお諮りいたします。癩に関する小委員の堤ツルヨ君が、小委員の辞任を申し出られておりますのでこれを許可し、その補欠には、新たに当委員となられた杉山元治郎君を選任するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平野三郎自由党

○平野委員長 御異議なしと認め、そのように決します。

平野三郎自由党

○平野委員長 次に、理容師、美容師に関する小委員長より発言を求められておりますのでこれを許可いたします。野澤清人君。

野澤清人自由党

○野澤委員 理容師美容師法の一部を改正する法律案につきまして、小委員会において四回にわたり審議をいたしました結果、現行法では六月三十日でもつて、一般の資格者が試験を受けられなくなつております。つまり、学校を卒業した者のみが理容師、美容師の試験を受けるようになつておりまして、それ以外の者はその資格を喪失することになつておるわけであります。この点に関しましては全国のあらゆる業者から、この条文を緩和してくれ、そうして見習いをしている者であつても、あるいは短期の講習等を受けた者であつても、受験資格を取得さしてもらいたい、こういうふうな陳情が非常に多うございます。その結果、本小委員会としましては、これらの者を中心として、さらにこの法律のできました当時、多くの学校経営者が、本年の六月三十日からは学校一本になるというので、大きな期待を持つており、学校経営者側としても、この際に一般に受験資格を与えることは非常に不利益である。こういうことで、かなり猛烈な反対もありましたが、現在の社会の実情に即した行き方をする方がよろしいというのが大半の意見であります。そうした根拠から、ようやくこの案がまとまつたのであります。お手元に差上げました理容師美容師法の一部を改正する法律案要綱をごらん願いたいと思います。  これを簡単に御説明申し上げます。  一、旧制度の義務教育修了者を本法においては中学卒業者と同様に取扱うこと。  二、厚生大臣の指定した理容師養成施設又は美容師養成施設(一年以上)を卒業した者は、都道府県知事の行う理容師、又は美容師試験の受験資格が与えられる。    (実地修練を削る)  第一の項におきます中学卒業者と同様に取扱うというのは、たとえば中共から引揚げるような者であつて、新しい中学を卒業してないために受験資格を喪失するということであつては困るというので、この条項を入れたわけであります。さらに第二番目のところでは、「実地修練を削る」ということになつておりますが、これは一年間の実地修練を経ることになつておりましたのを削除いたしたわけであります。  三、厚生大臣が特に認めた理容師又は美容師養成施設を卒業した者は、都道府県知事の行う理容師又は美容師試験を受けないで、理容師又は美容師免許を受けることができること。  四、理容業又は美容業の補助的業務に従事していた者であつて通信教育(一年六ケ月以上)を修了した者は都道府県知事の行う理容師又は美容師試験の受験資格が与えられる。  五、理容業又は美容業の補助的業務に従事していた者で厚生大臣が特に認めた通信教育(一年六ケ月以上)を修了した者は、都道府県知事の行う理容師又は美容師試験を受けないで、理容師又は美容師免許を受けることができること。  六、理容業又は美容業の補助的業務に二年以上従事した者は、都道府県知事が行う理容師又は美容師試験の受験資格が与えられる。  七、都道府県知事は、理容、美容の業に従事していた者が外地より引揚又はその他特別の事由ありと認めたときは(養成施設の修了、通信教育の修了、理容業又は美容業の補助業務従事の条件を要しないで)理容師又は美容師試験の受験資格を与えることができる。  八、厚生大臣は、不適当な養成施設の指定を取消すことができる旨の規定を明文化すること。  九、厚生大臣は、通信教育を認可し又は認可の取消しをすることができる。  一〇、理容所、美容所の衛生検査を行う環境衛生監視員の身分及び権限を明文化すること。(現在は省令に規定している) 十一、厚生大臣は、理容、美容に関する事項について調査審議する必要を認めたときは、臨時に理容、美容審議会を設置することができる。  十二、経過措置として従前の例による試験(養成施設修了、補助業務の条件を要しない)は昭和二十九年六月三十日までとすること。  以上のように一応案がまとまりまして、従来のように昭二十九年六月三十日までを、一年間経過措置としまして、だれでもその間は試験が受けられる。二十九年七月一日以降は全部今度の規定によつて行きたい、こういうふうにまとまつたのでございます。  さらに附帯の希望といたしまして、過般、学校一本の法律をつくつておきながら、政府の方におきましても、民間の方におきましても、学校の施設に対してきわめて冷淡であつたという結論に達しましたので、今後国家の方でも一応この学校を整備することに努力する、こういう建前で、小委員会としては本厚生委員会に対して次のような要求を提出したわけであります。    理容師又は美容師養成施設の起債に関する件   政府は、理容師又は美容師の公立養成施設の乏しい現状にかんがみ、都道府県市町村が理容師又は美容師の養成施設を設置するために必要な起債を申請する場合には、左記によりこれが実現につき十分善処すべきである。     記   理容師又は美容師養成施設に要する昭和二十八年度起債    一ケ所分        五、〇〇〇、〇〇〇円    九二ケ所分      四六〇、〇〇〇、〇〇〇円     但し、各都道府県に二ケ所 以上のような希望決議を添えまして、本委員会に提案する次第であります。どうぞ小委員会のこの案に対しては御決議あられんことを希望いたします。

平野三郎自由党

○平野委員長 ただいまの野澤委員の御発言は、理容師又は美容師養成施設の起債に関する件について、本委員会で決議をし、政府関係方面に参考送付したいとの御意向と存じますが、野澤君の発言通り決議し、これに関する文書の作成等、諸般の手続に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、そのように決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平野三郎自由党

○平野委員長 御異議なしと認め、そのように決します。     —————————————

平野三郎自由党

○平野委員長 次に、と畜場法案を議題とし、審査に入ります。  まず政府より趣旨の説明を聴取いたしたいと思います。菅家政務次官。

菅家喜六自由党厚生政務次官

○菅家政府委員 ただいま議題となりましたと畜場法案につきまして、提案理由を御説明いたします。  屠畜は、食用に供するための獣畜の処理が行われる施設でありますので、食肉の衛生を確保いたしますためには、屠畜場に対しまして十分な衛生面の監督が必要でありますとともに、一方環境衛生の見地からも、屠畜場の経営が衛生的に行われることが必要と考えられるものであります。  このような意味におきまして、屠畜場及び食用の目的で行う獣畜の処理に関しましては、明治三十九年に制定されました屠場法によりまして今日まで必要な規整をして参つたのでありますが、この間屠場法の部分的な改正はありましたが、本質的な改正を見ておりませんので、今日の社会情勢に適合しない点が存するのであります。たとえば最近の農村の家畜の増産に伴いまして、屠畜場の適正な普及をはかることが必要と考えられるのであります。従いまして今回、現行の屠場法を廃止いたしまして、新たに屠畜場法を制定しようとするものであります。  現行の屠場法におきましては、屠畜場は公営の大屠畜場を原則的なものと考えておつたのでありますが、新たに簡易屠畜場の制度を設けますとともに、従来の公営主義の考え方を廃止しまして、衛生上支障のない限り屠畜場の設置の道をできるだけ広くしますことがまず第一に必要であると考えられるのであります。  次に屠畜場以外の場所で、食用の目的で獣畜を処理することができます場合を法律で明定いたしますとともに、この場合におきましても、都道府県知事が公衆衛生上必要な指示を与えることができるようにしまして、獣畜の処理が衛生上適正に行われるようにしたいと考えるものであります。  さらに、屠畜場において行われます屠畜検査員の検査を受けていない食肉等を販売の目的で譲り受けることを禁止しまして、食肉の安全をはかりたい所存であります。その他屠畜場の監督に関する規定の整備をはかる等、所要の改正を行う必要があると考える次第であります。  以上、この法律案を提案いたします理由を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。

平野三郎自由党

○平野委員長 これにてと畜場法案に対する提案理由の説明を終りました。  これより質疑に入ります。金子與重郎君。

金子與重郎改進党

○金子委員 ただいま提案になりましたと畜場法案の提案理由の説明にありましたように、従来の古い屠場法は、長い間部分的の改正にとどまつておつたのでありますが、最近畜産の非常な増殖が行われたことと、もう一つには食肉を合理的に消化させる、こういう点から、簡易屠場の制度を設けたこと、それから一部自家用屠殺の点を認めたこと、その次には検査員の数を相当広げようとしたこと、これらの点は非常に時宜に適した法律改正であると存ずるのであります。ただ法律の性質上重要な点が政令にまかされておりますので、その政令の点につきまして、一応この際お伺いし、この法律がこの法律を施行します趣旨に沿つて施行されるように、前提として二、三の点を  お伺いいたしたいと思うのであります。  まず第一に第三条の問題でありますが、この法律の中で重要な点は、第三条の2にあります「構造設備その他厚生省令で定める事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。」ということだと思います。これ以下第四条にもありますが、第三条と第四条から見て、屠場を設置する環境に対してどういう制限を持つか。それから政令でお考えになつている内容ですが、もちろんこの法律は即日施行でありますから、政府でもこの政令の内容は全部関知しておると思うのであります。そこでその構造設備について具体的に、簡易屠場に対してどの程度に要求するつもりか、それをお伺いしたいと思います。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 お答え申し上げます。ただいま省令または政令の内容におきまして、簡易屠場をどの程度に規定をするかというお問いでございますが、簡易屠場におきましては、従来の一般屠場のように、たとえますれば病畜の隔離施設であるとか、あるいは病畜の屠殺場であるとか、緊留場であるとか、あるいは生体検査施設であるとかかような施設はこれを要求いたしませんで、単に屠室と検査室並びにこれに伴う若干の給水施計等に限る所存でございます。

金子與重郎改進党

○金子委員 環境に対する制限をどの程度に考えておりますか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 お答えいたします。これは法律の第四条に、環境の指定として一、二、三とあげてございますが、この第三号が知事の認める範囲になつております。この点につきましては、私どもとしては、たとえば排水の著しく悪い場所であるとか、あるいは隔離病舎、その他に近接しておる場所であるとか、かようなものをとつておりますが、やはりこの法律に規定しておりまする第一号並びに第二号に重点を置いて参りたいと考えます。

金子與重郎改進党

○金子委員 私どもがこの法律を施行しますときに期待するところは、大体千戸程度の農村におきましては、六、七百の家畜を持つておるわけであります。その程度といたしましたときに、大体において村の共同施設の一部分としてこれを取上げるという程度にして、なるべく経費をかけぬで屠殺できることを望んでおるわけでございます。ここに一部分、屠畜場以外で殺します自家用屠殺の制度を認めておりますけれども、これはなるべくならば少い方がいいのであります。それには結局簡易屠場をできるだけ名の通り簡易にして、これを許可してあげるということが、環境衛生、公衆衛生の立場から行きまして一番いいことだと思います。一村で一箇所——相当の大村に一箇所設けられるという程度になりますと、たくさんの経費のかかる施設ですと、法律上は生きておりましても実際上は不可能ということになりますので、これは非常に重要な点だと思います。そこで検査室、屠室ということになりますと、具体的に申しまして非常に重要な問題でありますので、この点だけを念を押しておきますが、たとえば六坪ないし十坪以内の程度で、下がコンクリートで、窓がかや張りになつておつて、排水流しのついた熱湯装置を有するもの、その程度のものを許可しようとしておるかどうかということを、もう一ぺん具体的にお答えをお願いします。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 ただいま御指摘のように、大体その程度で許可になる見込みであります。ただ、ただいま広さの点についてお問いがございましたが、広さは、大体通例として行われまする屠殺頭数と関連いたしますので、必ずしも一律には申されませんけれども、もちろん屠殺頭数のきわめて少いものにつきましては、六坪あるいは八坪という程度のものも当然あることと思います。しかしながらここに簡易屠場として規定いたす基準といたしましては、施設の規模でありまして、広さを意味しておるものではございません。その規模が、先ほど申し上げましたように、一般屠場と著しく違うところに簡易屠場の特徴があると考えております。

金子與重郎改進党

○金子委員 もう一点、検査室というのはどの程度の検査室を考えておられますか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 現在考えております検査室は、一坪程度のもので、顕微鏡を持つて行つて載せる台を置く程度のものを考えております。

金子與重郎改進党

○金子委員 そういう顕微鏡その他のものはやはり施設として含まれるものでありますか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 簡易屠場におきましては、おそらく専任の検査員は置かれないことになるだろうと思います。すなわち屠場をかけ持ちで担当しております検査員が担当することとなりますので、検査道具等はその都度持ち運んで行く仕組みにいたしたいと考えております。

金子與重郎改進党

○金子委員 次に検査員の問題でありますが、この簡易屠場の法律の精神を安全に生かすために、一番問題になりますのは、第十五条の屠畜検査員の問題であります。屠畜検査員が、従前一般屠場におきましては、ほとんど専属の場合もありますし、また専属でない場合もありますが、とにかく非常に数が少い、もしも一村に一つ、ないし二箇村に一つ程度の簡易屠場ができましたあかつきに、県の職員をもつてこれをやらせるということになりましても、実際上そういうものがない場合にどのくらいの人数が置けるか置けないか、これを具体的に説明してもらいたいと思います。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 屠畜検査員はかなり重大な権限行使をいたしますので、いつの場合にも、これは官公吏でなければならぬと考えております。しかしながらただいま御指摘のように、簡易屠場が将来ふえますれば、当然現在の範囲におきまする屠畜検査員では手不足を感じます。そこでこの方面の増員をはかりますことは申すまでもありません。しかしながら地方財政の観点等もありますので、必ずしも十分なる屠畜検査員を新たに増員することは、きわめて困難となる場合もあろうと考えております。そこで今回は特に、たとえば家畜防疫担当官のように、獣医師の資格を持つて経済部等に勤務をいたしております府県の職員という者も、同時に屠畜検査員として任命をいたしたいという考えであります。

金子與重郎改進党

○金子委員 屠畜検査員として県の経済部におる獣医師、こういう者も任命したいという御希望でありますが、もう一歩広げて農業改良普及員、いわゆるエージエントの獣医師、これは比較的普遍的に、しかも資格も持つて、各ブロックに配置されております。これは身分は一応県の公務員でありますが、これを任命しますか、しませんか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 これはもちろん県の職員で獣医師の資格を持つております者は、積極的に検査員に任命いたしたい考えであります。

平野三郎自由党

○平野委員長 他に本案についての御質疑はありませんか。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 私はかわつたばかりなので十分法案を読んでいないので、あるいは多少重複したりする点があるかと思いますが、ともかくこの説明のように、農村において非常に家畜の増産を行いますので、それに対して屠場の増設も必要だ、これは当然だと存じます。しかしその屠場が簡単になつたということによつて、かんじんの目的としておる衛生という問題が、かえつて阻害されやしないか、こういう点が心配されるのです。簡易屠場でも厳重な衛生施設というものの必要なことはもちろんだと思いますが、そういうことについて十分な施設をする点があるのか。  もう一点お伺いいたしたい点は、第九条のところで、いわゆる農家などで自家屠殺と申しますか、小家畜などを屠殺いたします場合に、これは法律では許されておるようであります。これは農家が、これでは主として自分及び自己の家族ということを書いておりますけれども、従来ではやはり一戸の家で小家畜にいたしましても一頭ではちよつと多過ぎるというきらいもありますので、大体は数家族、あるいは一部落で屠殺をするということが多いと思います。そういう場合もこれは許されておるのか、この問題をちよつとお伺いしておきたい。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 第一点の簡易屠場の衛生措置の問題でありますが、言葉はなるほど簡易屠場と申しますが、これはあくまでも施設の面が簡易であるという意味でありまして、衛生上の検査その他につきましては、これは間違いない方法をとつて参りたいと考えております。ただ、たとえば病畜屠殺場がなくていいのかということになりますと、これはもちろんあつた方がいいのですけれども、この点は現段階におきましては、この程度でまず危険はないという範囲で考えておるわけであります。  第二点の自家用屠殺の問題でありますが、現行法におきましては、もつぱら自家の用に供するという趣旨に相なつておりますが、今回の改正案におきましては、主として自家用ということに相なつておりまして、若干の幅を拡げまして近所隣等にわけ合う余裕を残したわけであります。この点御了承願いたいと思います。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 もう一点お伺いしたいのは、今の検査員である獣医の資格及びその他の問題は、政令で定めると、ここに相なつておるのですが、大体政令で定めます規定と申しますか、それはどういうことかということと、こういうように屠場がふえますと、獣医師が不足して来るのじやないか、こういう点が考えられます。それで現在の獣医師の養成のいわゆる学校の機関とこれとの関係はどういうふうな見通しを持つておるかというような問題を一応伺つておきたいと思います。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 検査員に関する政令の内容といたしましては、これは獣医師であることを第一条件といたしております。またもう一つは、どの程度の数が必要かという点でありまして、私どもは少くとも一般屠場一箇所に対して一人以上の獣医師たる検査員を置くということを政令の内容に考えております。  次に今後簡易屠場等が普及して参りますと、勢い屠畜検査員に不足を来しはせぬか、特に獣医師の関係において不足がありはしないかというお話でありますが、医師その他と違いまして、現在獣医師は最も余裕のある一つの分野でありますので、その心配は毛頭ないと考えております。

平野三郎自由党

○平野委員長 他に本案についての御質疑はありませんか。——他に本案についての質疑もないようですが、本案についての質疑は終了したものと認めるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平野三郎自由党

○平野委員長 御異議もないようですから、本案についての質疑は終了したものと認めます。  次に本案の討論に入るのでありますが、本案の討論につきましては別に通告もありませんので、これを省略し、ただちに採決に入るに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平野三郎自由党

○平野委員長 御異議なしと認め、そのように決します。よつて、本案の討論は省略し、これよりと畜法法案の採決に入ります。  本案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平野三郎自由党

○平野委員長 御異議なしと認めます。よつて本案は原案の通り可決いたされました。  なお、本案に関する委員会の報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますから、そのように御了承願います。     —————————————

平野三郎自由党

○平野委員長 この際、医療体系に関する小委員長より発言を求められておりますので、これを許可いたします。医療体系に関する小委員長野澤清人君。

野澤清人自由党

○野澤委員 医療体系小委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  かねてから療術師の身分を明らかにするために、療術師法の単行法の要求がありましたのですが、これにつきまして、過去五回にわたり慎重に審議をいたしました。その結果、療術師法として単行法を出すことは時期尚早でもあり、不適当であるという全部の委員の御意向でありまして、その結果、法律二百十七号のあん摩師、はり師、きゆ師及び柔道整復師法の一部を改正いたしまして、その中に挿入しようということになつたのでありますが、現在のところ、療術師の身分といたしまして、いろいろと伝えられおります手技、電技、電気、光熱、温熱、器具等による五種目を指定いたしまして、これにつきましても慎重に討議をいたしましたが、その内容がきわめて広汎複雑でありますために、小委員会としては結論に到達いたしません。しかも政府の方といたしましても、医師法の関係と現在の器具を使います、あるいは電気を使います等の療術行為について、多少疑義も生ずるというような議論が起きまして、その結果、小委員会としては、現在の二百十七号の法律の中で、昭和三十年十二月三十一日までという制限規定を削りまして、いわゆる療術師は当分の間当該医療類似行為を業とすることができることをする、こういう結論に到達いたしたわけであります。該法の第十九条の修正でありますが、さように修正をいたすように決定いたしたわけであります。  さらにこれに対しましては、附帯決議といたしまして、政府は急速に(二箇年以内)調査を行い、積極的にいわゆる療術の内適当なるものを法に取り入れ、これを業とする者に対し、免許を与えるとともに、危険有害のおそれがあるものは、速かにこれを禁止するよう努めること。こういう附帯決議をつけて、この第十九条の一部を改正してほしい。こういう結論に到達いたしました。  さらに本日局長も見えておりますので、その決意のほども一応聞かしていただきまして、私の報告にかえる次第であります。

平野三郎自由党

○平野委員長 この際政府より発言を求められておりますので、これを許します。曾田医務局長。

曾田長宗厚生技官(医務局長)

○曾田政府委員 ただいま小委員長から御報告がございましたように、現在の医療類似行為と申しますもののうちにも、医療と抵触いたします部分があると考えられますこと、またそれ以外のものといたしましても、一つの体系をなしておるかどうかというような点に疑問があるものもございますので、一定の資格を認めまして、ことに具体的な問題として出ましたいわゆるあん摩師、はり師きゆう師及び柔道整復師法の中に含めるべきものとしては、いかようなものが適当であるかということにつきまして、残念ながらただちにお答え申すことができませんでしたので、この点につきましては、急速に私どもも責任をもちまして検討いたして、この御趣旨に沿うような解決に到達いたしたいというように考えております。     —————————————

平野三郎自由党

○平野委員長 次に日程に追加し、らい予防法案を議題とし審査に入ります。まず政府より趣旨の説明を聴取することにいたします。菅家政務次官。

菅家喜六自由党厚生政務次官

○菅家政府委員 ただいま上程されましたらい予防法案の提案理由について御説明いたします。  癩は慢性の伝染性疾患であり、一度かかりますと根治することはきわめて困難な疾患でありまして、患者はもちろん患者の一家親族がこうむります社会的不幸ははかり知れないものがあります。  この癩の予防をはかるために、明治四十年に癩予防法が制定され、爾来この法律によつて、癩の予防対策が実施されて来たのであります。しかしながら、現行法は約五十年前の制定にかかるものであり、その後数次の改正を加えてはおりますが、今日の段階においては、その表現が簡潔に過ぎるきらいがありますとともに、患者ないしその家族の福祉に関する規定は十分とは申せませんので、時代に即応したらい予防法を制定しようとするのが本案の趣旨でございます。  この法案の骨子を簡単に申し上げますと、第一に、都道府県知事は、癩を伝染させるおそれがある患者については、次の措置により療養所に入所させる旨の規定を置いております。すなわち、まず患者に対し国立療養所への入所を勧奨し、この勧奨に応応じない患者については、入所を命じ、さらに命令に従わないとき、または公衆衛生上入所させる必要がある患者について、右の勧奨または命令の措置をとるいとまがないときは、都道府県知事が当該患者を直接国立療養所に入所させ得ることとしているのであります。  さらに、国立療養所に入所した患者であつて、当該国立療養所の長が癩を伝染させるおそれがあると認める患者は、法令により出頭を要する場合及び所長が許可した場合を除いては、療養所の区域外に出ることを禁ずる規定を設けております。  第二に、国立療養所に入所しました患者につきましては、すべて国が必要な療養を行うこととし、さらに入所患者の福祉のために、患者が義務教育ないし高等普通教育あるいは、更生指導を受けるために必要な措置を講じることといたしております。  なお、国立療養所内の秩序の維持のため、秩序を乱す者に対しては、所長は戒告または謹慎の処分を行い得ることとしております。  第三に、患者及び家族の福祉に関しまして、さきに述べました国立療養所の入所思者の福祉措置のほか、入所時における一時救護を規定するとともに療養所長は、患家の福祉のため所要の援助を行うことができることとし、入所患者の親族で癩にかかつていない児童を療養所に附置した施設で養育する等その福祉の措置をとることができる旨の規定を設けております。  第四に、費用に関しては、この法律の施行について都道府県が要する費用については、その二分の一を国が負担することとし、罰則に関しては、秘密漏洩の罰則を強化し、また療養所の区域外に出ることを禁じられた患者がゆえなく療養所の外に出た場合は、所定の罰を加えることといたしております。  以上が、この法律案の骨子でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決せられますようお願いいたします。

平野三郎自由党

○平野委員長 これにて提案理由の説明を終りました。  次に質疑に入るのでありますが、本案につきましては、すでに癩に関する小委員会において、十分検討しておると存じますので、ぜひ速記にとどめておきたい点だけを御質疑されるよう、時間の都合もありますから、あらかじめお願いしておきます。  本案に対する御質疑はありませんか。——ないようでありますから、お諮りいたします。本案につきましては、すでに小委員会で十分御検討願つておりますので、本案についての質疑は終了したものと認めるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平野三郎自由党

○平野委員長 御異議もないようでありますから、本案の質疑は終了したものと認めます。  次に本案の討論に入るのでありますが、本案の討論につきましては、別に通告もありませんので、これを省略し、ただちに採決に入ることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平野三郎自由党

○平野委員長 御異議なしと認め、さように決します。よつて本案の討論は省略し、これよりらい予防法案の採決に入ります。  本案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平野三郎自由党

○平野委員長 御異議なしと認めます。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なお本案に関する委員会の報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますから、そのように御了承願います。     —————————————

平野三郎自由党

○平野委員長 次に日程に追加して、財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律案を議題として、審査に入ります。  まず本案について政府の説明を聴取いたします。菅家政務次官。

菅家喜六自由党厚生政務次官

○菅家政府委員 ただいま提案になりました財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。  御承知のように、元の軍人軍属で公務により死亡した者の遺族に対しまして、過去における戦争の犠牲者として国が援護の手を差延べることは、元来、国としての当然の責務であると考えられるにもかかわらず、終戦後においては、諸種の事情のため、ほとんど援護の道がとざされていたのであります。ところが、昨年、講和独立の機会に際しまして、戦傷病者戦没者遺族等援護法が制定され、戦没者の遺族に対しても、大巾な援護が初めて実施されたのであります。しかしながらこれによる処遇をもつても、いまだ十分のものとは考えられないのでありまして、これらの者の前途にはなお幾多の問題が横たわつているのであります。たまたま旧財団法人軍人会館が所有していた国有財産たる建物が近く、わが国に返還される見通しになりましたので、その財産を、遺族の福祉を目的とする事業の用に供することによつて、幾分たりとも遺族援護に役立たせたいと考えた次第であります。これがこの法律案を提出しようとする根本的趣旨であります。  次にこの法律案の概要について説明申し上げます。  第一に、財団法人日本遺族会に対し、旧軍人軍属で公務により死亡した者の遺族の福祉をはかるため、旧財団法人軍人会館が所有していた国有財産たる建物を、その建物の使用に必要な敷地とともに、無償で貸し付けることができることとしたことであります。  第二に、貸付財産の用途を宿泊所、集会所等の利用、生活相談、育英事業等遺族の福祉をはかるため必要な事業の用に供することに制限したことであります。  第三に、貸付契約の解除、役員の解職等必要な監督規定を設けたことであります。  以上がこの法律案の概要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願い申し上げる次第であります。

平野三郎自由党

○平野委員長 本案についての御質疑はありませんか。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 ちよつと政府にお尋ねいたしますが、非常に御趣旨はけつこうでございまして、私どもも遺族にこれが無償で貸与されるということは御賛同申し上げる次第でございますけれども、しかし今御説明になりました通りに、「貸付財産の用途を宿泊所、集会所等の利用、生活相談、育英事業等遺族の福祉をはかるため必要な事業の用に供する」とございます。私は特に政府にお尋ねいたしたいのは、こういうふうに一応うたわれておりますけれども、遺族会の組織は、今日では非常に強固になつて参りまして、遺族援護等の目的に活動して参りました。今日までの遺族会は遺族福祉のために、また援護のために相当な成績を上げて来ましたけれども、反面またその中にはいかがかと思われるような分子なきにもあらずであります。これは遺族全体をさすのではございませんから、決して誤解のないようにお聞きを願いたいのでありますが、遺族の中にも、また役員などの中にも芳ばしからぬ人もあるということを考慮に入れなければならぬと存じます。そういう問題をも考えましたときに、これが運営なりその都度におけるたとえば集会の目的などもある程度はつきりしないと、とんでもない集会が遺族の名をかりてこの中で行われるということがあり、また極端な営利事業がこの中で行われて、遺族の福祉、遺族会の資金調達のために、第三者の目から見ればいかがかと思われるような集会やいろいろな宿泊が行われます場合には、政府の意図に反したゆゆしき問題が生れて来るということを予想しなければならないと思いますが、こうした面に関しまして、何か政府は処置をお考えになつてるか、またこれに対してどうお考えになつておるか、ちよつと承りたいと存じます。

安田巖厚生事務官(社会局長)

○安田政府委員 今お尋ねのような問題が起りますといけませんので、法案の第三条に特に監督を厳重にいたすような規定を設けたのであります。そういうことが起らないように私ども十分指導いたして参りたいと存じます。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 まだここに配られて間がございませんので、とくと読んでおりませんけれども、これは私たちが考えますと、やはり公正妥当と思われる人たちを委員とする審議会か委員会を置いて、そうして運営よろしきを得なければいけないのではないか、かように思いますが、そういう点をも勘案されておるのでございましようか。

安田巖厚生事務官(社会局長)

○安田政府委員 先ほどお尋ねの中の、集会などに会場を貸すような場合に、その集会が本来の遺族の福祉の目的のために使われるものであるかどうか、その都度一つ一つ審査するということは実際問題としては行われないだろうと思います。結局はやはり日本遺族会の役員と申しますか、そういつた実際の仕事に当る人を実は信用しなければならぬという問題が起きて来ると思います。今度新しくできました日本遺族会というのは、従来の遺族厚生連盟が解消いたしまして、そうしてさらに大きくなつて日本遺族会というものがつくられることになつたのであります。そうしてまた各府県にありますところの遺族会が全部新しくできます団体の支部になる、こういうことでございまして、現在ありますところの各県の遺族会は、一応新しい法人の支部になるという承諾書を集めております。遺族会としては全国的な規模であり、また同時にそういう意味において唯一の団体になると考えております。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 この法律案が提出されますまでには、皆様御存じの通り、生きておられるところの旧軍人、傷痍者それから遺族との間に、やはり私たちの目から見ても、いかがかと思われるような争いが、政府を囲んであつたことは事実でございまして、私は今後の運営をはなはだ心配するものでございます。従つて、ここで特に政府に申し上げておきたいのは、大蔵省は国有財産を法人だとかあらゆる機関に払い下げるということは、なかなかなさいません。これは簡単に旧軍人会館だけを対象にして、財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律案とうたつてありますけれども、終戦後解散を命ぜられまして、その団体の所有物が国に没収されてしまつた、その内容をよく検討してみますと、国が当然やるべきところの義務教育を、その機関において、父兄が自分たちの私財を投じて代行しておるところであるとか、極端に申しますれば、民間の社会福祉事業、それも日本人がやつておるのならまだましでございますけれども、日本の士となる覚悟をして、日本の国有財産の中で、私財を投じて一生懸命にやつた人が、解散団体の対象となつたがゆえに没収されてしまつた。そうして今度国有財産として大蔵省の手にもどつても、こういう軍人会館のようにうまくは行かない。だれの目から見ても、無償で貸付するか、譲渡してもよい、むしろ損害賠償してもいいというようなものが、逆に税金をとられたり、国に借り賃をとられておる病院などがたくさんある。だから遺族会などを対象としてこういう法律がつくられることは、遺族のためには特典であります。その特典が事志に反して、生きておる旧軍人並びに遺族、傷痍軍人の争いの巣窟になつてはつまらない、かように存ずるのであります。遺族会あたりの内部の運営を見ておりましても私は遺族会の顧問でございますけれども決して感心いたしません。たとえば大臣以下はどう考えておいでになるか知りませんけれども、去年独立いたしました直後に新宿御苑で英霊の追悼会をやりました。そのときに全国から集まつて来たところの遺族代表を各都道府県ごとに見てごらんなさい。遺族会のボスともいうべき人々が遺児や未亡人や年寄りの母をさしおいて、しよつちう遺族の運動で東京に出て来る人たちががんばつて、真の追悼会とならなかつたということを私は現実に見たのでございます。そうすれば、この軍人会館の使用にいたしましても、生きておられるところの実力を持つた軍人であるとかその他によつて、真に守らなければならない遺児とか未亡人とか年寄りなどの、英霊を中心としたところの行事にあらずして、そういう美名のもとに違つた目的にこれが使われるということになるならば、ゆゆしき問題である。従つて私はあくまでもこの法律が出されるならば、公正妥当な運営に関する委員会を設置して、これが監視指揮のもとになされるのでなければ、断じてこの法案には賛成できないという態度をわが党はとつておるのであります。この委員会の諸公はどうお考えになるか知りませんけれども、私は遺族会の幹部全体の悪口を言うのではありませんが、一部にそうしたことがあるということを過去において見せつけられておりますから、私はそうしたボスともいわれる人たちの食いものにしてはならないと思うのでありまして、厚生大臣、法務大臣がおいでになりましたならばよく御相談いたしまして、運営に関する監査、監督、指揮機関を必ず設けるということがこの条文の中にうたわれなければならないと存じます。私まだよく見ておりませんけれども、たしかうたわれておらないと思いますが、それについてしかとした御所見を承りたいと思います。

安田巖厚生事務官(社会局長)

○安田政府委員 御心配のようなことがありますと、はなはだ申訳ない次第でございますので、私どももこの監督につきましては、十分気をつけて参りたいと思つております。そういう意味におきまして、第三条にも普通の法人とは違つた厳重な監督規定がございます。それからなお遺族と傷痍軍人、軍人との間に問題があつて、そういうことが将来禍根にならないかという点でございますが、なるほど軍人の方々にも御関係がありますし、また傷痍軍人の方々も同じような意味で関係があるのであります。私どもはそういう点につきましては、なるべくそういう方々の福祉もある程度はかられるというようなことも、指導の上には考えて行きまして、争いの起ることのないようにいたしたい、こういう考えでございます。それからここに掲げてありますところの用途の制限でございますが、ごらんのように一々列挙いたしまして書き上げられておりまして、今の御心配になるような点はあまりないのではないか。さらにこれでも何か問題があるというならば、第三条で行く、こういうやり方で私どもは一応目的が達せられるのではないか、こういう考えでございます。しかしながら、今のお話の点につきましては、今後十分気をつけて参りたいと思います。

平野三郎自由党

○平野委員長 ちよつと速記をとめて。     〔速記中止)

平野三郎自由党

○平野委員長 速記を始めて……。  それでは本案に対する質疑は次会に続行いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十一分散会

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