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15回国会衆議院1953/03/05

厚生委員会 第17号

発言数
123
登壇者
12
会派数
4
開催日
1953/03/05

会議録

平野三郎自由党

○平野委員長 これより会議を開きます。  まず理事及び小委員補欠選任の件についてお諮りいたします。委員の変動に伴いまして理事並びに多くの小委員会に欠員を生じておりますので、その補欠選任を行いたいと存じますが、これは辞任前についておられた職にそれぞれ再び選任すべく、委員長より指名いたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平野三郎自由党

○平野委員長 御異議なしと認めます。よつて理事には堤ツルヨ君、母子福祉対策に関する小委員には亘四郎君、戦争犠牲者補償に関する小委員には堤ツルヨ君、同和事業対策に関する小委員には堤ツルヨ君、医療体系に関する小委員には堤ツルヨ君、癩に関する小委員には亘四郎君及び堤ツルヨ君をそれぞれ補欠選任のため指名いたします。     —————————————

平野三郎自由党

○平野委員長 次に連合審査会開会の件についてお諮りいたします。現在当委員会に付託され、戦争犠牲者補償に関する小委員会の審査に付しておりまする未帰還者留守家族援護法案について、海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会より当委員会との連合審査会の開会の申入れがありましたが、開会の日時等に関しては双方の委員長に御一任願うこととして、一応その申入れを受諾することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平野三郎自由党

○平野委員長 御異議なしと認め、そのように決します。     —————————————

平野三郎自由党

○平野委員長 次に日雇労働者健康保険法案を議題とし、質疑を続行することにいたします。八木一男君。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 保険局長にお伺いしまして、さらにまた厚生大臣が来られましたら、厚生大臣から御答弁いただきたいと思います。日雇労働者健康保険法につきまして政府提案の理由書を拝見いたしますと「日雇労働者は、就労浮動、低賃金等のため、常に生活基盤が不安定であり、傷病によつて直ちに深刻な困窮におちいることの多い現状にかんがみ、これに健康保険制度を創設して、療養の給付及び家族療養費の支給を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」というふうになつております。これは当然のことでございまして、この点について、政府が今までになかつた点に気がつかれて、この健康保険法を提出なされた趣旨については、私どもも同感の意を表する次第でございますが、この理由書に書いてありますように、就労浮動で低賃金で生活基盤が不安定である人に対しましても、この健康保険法の内容を拝見いたしますと、三箇月の療養給付をやるだけで、そのほかに傷病手当金、その他健康保険法にありますような埋葬料、あるいは出産手当、あるいは保育手当金、そういうものの内容がない場合においては、こういう目的に沿う内容になつておらないわけでありますが、それについて保険局長の御意見を伺いたいと思います。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 お答えを申し上げます。お話の通り政府といたしましても、少くとも現在の健康保険でやつている程度の給付は、できるだけこの日雇労働者健康保険法についても実行いたしたいという考えで、いろいろ検討いたして参つたのでありますが、主として財政上の理由もございまして、またこの理由書にも書いてございますように、関係者の保険料負担能力から行きましても、そう多くを期待できない事情にございますので、提案理由の御説明に申し上げておりますように、将来諸種の条件の具備をまちまして、漸次その充実をはかりたいという所存で、とりあえず最小限ではございますけれども、この程度において疾病または負傷の八〇%余の者がこの保険給付によつて救われるというような見通しがつきましたので、最小限のことではありますけれども、制度を出発させたいと考えた次第でございます。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 社会保障制度審議会の意見書によりますと、本政府提出案の日雇労働者健康保険法の内容はほとんど意味をなしておらない。特に国庫負担が認められたので、このような内容になつたのであるという意見がございますが、もちろん保険局長はこの点については御承知だろうと思います。私は国民健康保険に一割五分の負担をすることは非常によいことだと思います。そういうことが一方において政府でやられておりますにかかわらず、それ以上に国庫負担を必要とするこの日雇い労働者の健康保険に対して、国庫負担が事務費を除いて、給付について一文も出ておらない、この点は非常に平衡を失している。少くとも五割くらいの負担を必要とすると思いますが、それについて保険局長の御意見を伺いたい。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 社会保障制度審議会に本法律案を付議いたしまして、答申を得ました内容は承知いたしております。実は厚生省だけの立場から申しますならば、社会保障制度審議会の意見と同様の考え方を持ちまして、政府部内にお冒していろいろと折衝を重ねたのでございます。結局国民健康保険あるいは日雇労働者健康保険のみならず、他の各種のいわゆる医療保険につきまして、国民健康保険にとられましたと同様の措置がとられますことを、厚生省の立場からは念願もし、また強く主張をして参つたのでございますけれども、結局政府全体の方針といたしましては、とりあえず国民健康保険について年来の主張が認められたにとどまつたのでございます。この点は私どもの立場から申しますならばはなはだ遺憾に思つているのでありますが、全体の財政上の事由もございまして、私ゼもとしては将来を期して、とりあえずこの制度はこの程度において出発する方が、日雇い労働者の方々の利便の点から申し上げましても適当であると考えまして、御提案申し上げているわけであります。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 今保険局長の言われたことについて、厚生省当局において日雇い労働者のために健康保険が必要である、また内容もよいものをつくることが必要であるという点で大いに努力されたことについては了解もし、またその態度には非常に好感を持つもので、さうご努力されることを要望するものでございますけれども、今の御答弁中に、国民健康保険と同様のというお言葉があつたのでございますが、私どもの見解では、この日雇労働者健康保険の被保険者に予想されている方々は、おそらく生活保護法の適用を受ける一歩手前である方々でありまして、一般の国民健康保険の適用を受けるべき人人よりは、経済的に非常に貧困な状態にある。そのために、国民健康保険の適用者に対する国庫負担程度よりは以上の国庫負担、そのような保護が必要だと思うのでありますが、それについての保険局長の御意見いかん。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 私が先ほど国民健康保険と同様のと申しましたのは、給付費に対する国庫の負担という意味で一般的に申し上げたのでございます。もちろん私どもも当初その制度を考えましたときに、日雇い労働者に対して保険料については多額の負担をかけることなく、しかも給付の面におきましては健康保険制度と同様な給付をいたしますためには、どうしても財源が不足でございまして、その財源を求めるところが結局国庫の負担に求めなければならないということで計算をいたしましたところ、給付費に対して三分の一程度の国庫負担がなければできないというような計算に相なつた次第でございます。この点はお話の通りでございまして、ただ結局政府全体の方針といたしましては、遺憾ながらこういうことが実現を見なかつたために、この制度自身をどうするかということについて、われわれも最後的に決意せざるを得なかつたのであります。その際にいろいろ検討いたしました結果、少くとも将来を期しまして、とにかく、この程度におきましてもこの制度を発足させる方が、日雇い労働者の利益に合するゆえんであると考えましたので、御提案を申し上げた次第であります。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 ただいまの局長の御答弁大体了承いたしましたが、私どもの考えでは、局長のお考えになつておられるように三分の一ではなお足りない、五割くらいの国庫負担を必要とするという意見を持つているのでございます。その点についてさらに御検討をお願いし、今の国民健康保険の一割五分よりもはるかに高度の国庫負担の制度ができ上るように、今後とも御努力を要望しておきます。  次に本案におきましては、一級と二級によりまして保険料がわかれておりまして、たとえば事業者負担は両方八円であり、そして被保険者の負担は一級八円、二級は五円というふうにかわつております。この点につきまして私どもは、二級の人は五円であり事業者負担が八円であるという点につきましては、その人々の生活の困窮を予想されてその差額をつけられたものと認識いたしまして、その考え方については全般的に賛成するものでございますけれども、一就労日に百六十円という給料は、現在においては非常に非常識のものになつている。たとえばニコヨンといわれる安定所の自由労働者の方々の一日の日当額から見ましても、百六十円というものに該当する人はほとんどおらないのではないか。その点につきまして、このような八円と五円というようにわけられた趣旨をさらに拡大せられまして、すべての点につきまして五円と八円、八円と十三円というふうに、事業者負担を増されまして、そうしてこの内容が非常にとぼしいものである三箇月の療養給付、たとえば結核等になつたときに、その人たちが全然この保険法によつて救われるという状況になつておらないという点を考えて、一般的に事業者負担と本人負担との差額を広げることによりまして、たとえばこれを結核のときには六箇月にすることができるというような財源を見出し得ると思うのでございますが、その点についてのお考えはどうでございますか。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 日雇い労働者の賃金の実態につきましては大体お話の通りであり、私どもも決して百六十円未満のものがあつてしかるべきものと考えたのではないのであります。ただ実態調査の結果、きわめて少数の六%ほどのものが百六十円未満という数字が出ておりますので、さようなことにいたしたのでありまして、結局これは、百六十円以上のものの平均が大体二百五、六十円になつておりますので、それに対しまして健康保険法で千分の六十の保険料をとり、その半額を労働者が負担しております。その比率を見ますと、大体十五円八十銭ほどになりますので、それを健康保険並に事業主、勤労者折半負担という考えで八円という形で出したのであります。百六十円未満のものにつきましては、同様の考え方でこれを五円といたしたのであります。事業主負担を増せということにつきましては、これは健康保険適用事業所に働きます場合に、この運用が出て参ります関係もありまして、この比率の折半負担の原則を大きくかえますことにつきましては、相当検討を要するのではないかと考えております。

平野三郎自由党

○平野委員長 委員諸君に申し上げますが、ただいま厚生大臣が出席いたしましたので、この際大臣に対する御質疑をお許しいたします。なお大臣はただいま参議院の予算委員会に出席中で、特に出ておりますので、時間がありませんからできるだけ簡潔にお願いいたします。八木君。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 先ほど保険局長から御答弁を得たのでございますけれども、厚生行政の最高の責任者である大臣からもう一度確実な御答弁を得たいと思いますので、ダブつて御質問申し上げます。  この健康保険法を御提出になつたゆえんとして、日雇い労働者が低賃金である、就労日が浮動である、そのために生活基盤が不安定であるからこういうものを出す必要があるという提案理由が出されておるわけでございますが、この趣旨は非常にけつこうなことでございまして、われわれも全面的に同感でございますが、その理由が非常に高く掲げられておりますにかかわりませず、この健康保険法の内容は実に貧弱なものでございます。療養給付三箇月のみでほかの給付は一切ございません。特に傷病手当金がありませんので、被保険者の病気の場合には、ほとんど生活の方は破綻してしまいます。たとえば結核の人たちなどは、薬をやつても生活の方が困る、子供や家族が食えないというような心配な状況においては、病気は決して直るものではございません。その内容が非常に乏しいという点につきまして、厚生大臣の御意見を承りたいと思います。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 ただいま日雇い労働者の健康保険法案の提出について、その基本的な考えについてお尋ねがございましたが、おそらく保険局長からも申し上げてあることと考えますが、仰せのごとく、本来から申しますれば、この日雇い労働者の健康保険を創設するにつきましては、給付費の国庫負担でもいたして、そして療養期間につきましても三箇月以上の給付の内容を持つたものにいたすとか、あるいはただいまお話のように、傷病手当金を支給するとか、もちろん考えたのであります。しかし実は日雇い労働者の健康保険法案を今回提案するについて、技術的にも、たとえば今回健康保険の適用事業所、常用五人以上のものについて一応算定をいたして五十万といたしましたが、日雇い労働者そのものの実態の把握については、たとえば国民健康保険と同じ程度、あるいは他の健康保険と同じ程度の確信が、事務的にも技術的にも持てない点も多少ありました。たとえば定住制の点につきましても、あるいは事業所が一定いたしておりません点につきましても、稼働日数につきましても、保険はやはり一つの技術の問題でありますから、そういう点につきましてもまだ確信が持てない点もある。しかし、何とかして日雇い労働者に対しても健康保険の道を開きたいということ、なおまたこれらの人人の負担能力も考え、いろいろ考えて、とりあえず本年度は、療養給付期間が、三箇月といえばお説の通りでありますけれども、これも従来の統計その他によりますと、大体結核性のごときものは相当長期にわたることもありましようけれども、単に普通の病気であれば、三箇月でいいのではないか、大体短期の疾病でありますれば八割二分というふうに私ども聞いておるのであります。そういうことでありますから、まずもつて一応この程度で発足いたしまして保険を実施いたしますれば、そのうちに日雇い労働者の実態調査もできましようし、—本来ならばかような保険を発足しないで、実態調査をもつと確といたして、そうして保険技術の点におきましても確信のあるものをやるべきでありますが、しかしこの際は多年の要望でもあり、この道を開いて、この保険をやつておりますうちにいろいろな実態調査もできましようし、なおまた国家財政の点においても、さらにできるだけの考慮を払つて完全なものにいたしたい、かようなことで、実は今回は、一応先ほど来御説明いたしたのでありまするけれども、労働者の方々の負担能力を考え、国家財政の見地からも、なおまた一応道を開くという意味でこの程度で発足しようということでございまして、不満足でありますことは私も認めるのであります。しかしこれも総合的にいろいろな点を考えて政策というものは立てなきやいけませんので、不十分でございますが本年は一応これで発足をいたして今後を期そう、こういうふうに考えたのであります。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 厚生省関係でこの問題に非常に御熱心であつた点につきましては、私ども非常に感謝をしておるのでありますが、今の厚生大臣のお話はちよつと食い違つておるんじやないかと思うのであります。非常に日雇いについては補促しにくいために内容の十分なものでなかつたと、—これは聞き違いかもしれませんが、承つたのでありますけれども、私どもの考え方では、そうでなくて、これは国家財政上の点でこの国庫負担を実施できなかつた、またその内容を豊富にすることができないかつた最大の原因ではないかと思うのでありますが、その点についてお伺いしたい。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 先ほど来申し上げております通り、これはただいま仰せのごとく、日雇い労働者の実態の点につきましても、まだ他の健康保険等と比較いたしまして確信のあるデータをつかめない点もあり、ことに本年度は国家財政の見地からもこれができませんでしたので、今後は実態調査も進め、なお国家財政の点からも、できるだけこの点に対して今後この健康保険が充実されますように考えて行きたい、かように申し上げたのであります。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 言葉にこだわるわけではございませんが、この健康保険法を実施されました以上は、この健康保険法に入つておる点については、相当捕捉の見通しも自信もあつておつくりになつたものだと思うわけでございます。ですから、捕捉ができないという理由は成り立たないと思うわけでございます。現在御提出になつた適用範囲の中におきましては、そういう捕捉ができないから国庫負担がたくさんできないという理由は成り立たないのではないかと思うわけでございます。そういう観点に立ちまして、国民健康保険においては一割五分の国庫負担をやつておられるが、日雇い労働者の場合には、この理由書にもありますように、一般の国民平均よりもずつと生活水準は低く、生活保護法の適用を受ける一歩手前にある人たちであります。そういう場合に、国民健康保険で一割五分の国庫負担をして、日雇い労働者の健康保険の療養給付、保険給付にだけ国庫負担を一文もしないということは、はなはだしく均衡を欠いておるのではないか、その点についての厚生大臣の御意見を伺いたい。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 主として国家財政の見地からかような内容のものを出したんじやないかというお説でありますが、もちろん国家財政の見地からもございますが、先ほど私が実態の把握について、他の健康保険に比してまだ確然としたものを持ち得なかつたということを申し上げましたのは、たとえば一応五十万人を対象といたしておりますが、五十万人は、現在九十九万人と想定されます日雇い労働者のうちから常用五人以上の健康保険法の適用の事業所、これを七七%と見て五十万人、なおまた日雇い労働者の失業保険の対象は四十八万人と見ておりますが、はたして五十万人にすることが適当であるかどうかということは、一応の数字としては出ますけれども、確然といたしておりません。なおまた受診率につきましても、たとえば健康保険に対してことしは一〇%のマージンを見て、受診率を算定いたしております。こういうことで実施をいたして初めて確固たるデーターがとれる、また従来の相当国庫の給付負担をいたしました国民健康保険にいたしましても、やはり相当の年月やつて、そしてそこに確とした保険財政に対するデーターが出て来て参つておるのであります。でありますから、とりあえず私はこの点につきましては、日雇い労働者の方々にも、実はかつて非公式ではありますけれどもお話をして、われわれはこれらの方々の味方になつてやつて行きたいという熱意でもつてやるけれども、国家財政ということになれば、これは財政全般の編成の問題であるから、われわれは最後まで努力をいたしたいと思つて今やつておるけれども、どうしてもそれが行けないときには、特に社会保障制度審議会の答申として、重点的にまずもつて国民健康保険の給付金は国庫負担をやれということを答申いたしております。そういう点から見ても、もしもこれがいろいろの点から行けなければ、やめた方がいいのか、あるいは一応この程度でやるかということを率直に申しましたところ、最後は国庫負担を希望するけれども、イエスかノーかということになれば、少くともごの程度やつてもらいたいという声も私は聞いたのであります。そういう点からいろいろ御不満もありましようし、やはり他の国民健康保険の例から見て、まず今申し上げたような程度の捕捉は必要であり、十分とは申せませんが、やはり国家財政の見地からということは、相当仰せのごとき点もございますことは認めますが、そういうことを彼比勘考いたしまして、かような結果に相なりました次第であります。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 私の質問しているほんとうの趣旨と、厚生大臣の今の御答弁とは何か食い違つているように思うのでございますけれども、時間の関係もありますからこの点はやめにしまして、私ども意見だけ厚生大臣に聞いておいていただきたいのですけれども、こういうような保険法をつくられる以上は、やはりその内容について自信を持つた立場でやつていただきたい。ですからそういう捕捉が少いから、捕捉をすることについて非常にあいまいであるからということで、国庫負担ができないというようなことでは理由が成り立たないと思うわけでございます。  それは別にいたしまして、国民健康保険で一割五分の国庫負担をいたしておりますときに、日雇い労働者の健康保険給付については国庫負担がないということは、平衡を失していると思いますが、その点に対してのみ答弁願いたいと思います。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 もちろん各保険にわたつて社会保障制度審議会の答申もございまして、必要な面に国庫負担をいたすことは、これはできればけつこうでありますけれども、これは今の国家財政全般にわたつて、単に保険だけではなくて、同じようなことが言える面がたくさんあります。でありますから、一応私といたしましては、皆さんが常にわれわれに対して仰せになる社会保障制度審議会の答申は、国家財政という見地から見て、他のものができなければ、国民健康保険の給付に対する国庫負担をまず実現せよということを言つておりますから、われわれとしては全保険にわたつてさような措置をとりたいけれども、国家財政の見地からどれだけを重点的にとるかということは、国民健康保険に対する国庫負担と比較して、その線に沿つて努力をいたして今後を期したい、かように考えた次第であります。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 厚生大臣に腹を割つてお伺いしたいのですけれども、国家財政が許せば、日雇い労働者の健康保険について三割なり五割なりの大幅の国庫負担をすべきであるという御意見をお持ちであるかどうか、それを承つておきたいと思います。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 国庫負担をどの程度にいたすかということについては、これは実施をいたして、そうして今後日雇い労働者の負担能力その他保険の技術の点を考えて決定すべきものでありまして、ただいま三割、四割ということを申し上げることはできません。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 三割とか四割という率をはつきりということはできないというお話でございますが、それは一応そのままにおきまして、少くともこの提出の理由にもありますように、生活保護法の適用を受ける一歩手前にあるような、一般の国民水準よりも生活の困窮しておる日雇い労働者の対象者が、一般の国民健康保険よりもより以上の大きな国庫負担を必要とするという御意見はあるのですか、ないですか。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 ただいまの御質問は、国民健康保険より以上の国庫負担をいたす意思ありやいなやという御質問でございますか。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 負担をする必要があるとお考えになるかどうか。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 これはただいま申した通り、私は今抽象的にはこれらの日雇い労働者の方々は、やはり就労日数も少いことであり、負担能力も少いのでありますからそれらを勘案いたしまして、今後国庫負担ということを考慮いたしたい。これはいわゆる国民健康保険の対象となつておられる一般国民と、日雇い労働者の置かれている立場を比較考量して決定すべきである、こう抽象的に申し上げる以上には申し上げようがございません。

平野三郎自由党

○平野委員長 ちよつと八木君に申し上げます。大臣が次の会議の時間が来ましたので、あとからお許しをいたしますけれども、大臣に対する質疑を先にいたしたいと思いますので、改進党の方にちよつとお譲りいたしますから……。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 大臣に対してあと簡単に一、二点。それでは時間の関係上質問を省きまして、生活保護法とこの日雇い労働者の関係でございまするが、あとでまた保険局長に十分に伺うことといたしまして、この日雇い労働者がいろいろな疾病にかかりましたときに、三箇月の療養期間を過ぎましてあと療養給付も何もなくて、生活が破綻をするというような状況に陥る危険が多分にあるわけであります。その場合に生活保護法の救済があるわけでありますが、生活保護法の適用については、事務的に非常に遅れることがある。それを事務的に遅れないような措置を厚生省としてとられて、療養給付が三月で打切られたときには、条件を備えておれば自動的にその次から生活保護法の医療給付が受けられるような行政的措置をしていただく必要があると思いますが、その点についての厚生大臣のお考えを伺いたい。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 生活保護法は、憲法二十五条によつて最低生活を保障するという建前でございまして、従つてこの日雇労働者健康保険法による三箇月の療養給付期間が過ぎまして、そうして非常に生活に困窮されている方には、この生活保護法の適用をできるだけ早くいたすような行政措置をとることが当然であります。但し事務的にはいろいろ手続がございましよう。しかしこれらに対しましては、私はさような手続上の煩項のために、困窮した人をいつまでも療養の対象にならないような期間を置かないように、最善の努力を払いたいと考えております。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 今の厚生大臣のお答えで、今の点に非常に満足をいたすわけでございますが、それを具体的に実行していただきたいと存じますので、その方法につきましては厚生省でお考えいただけると思いますけれども、たとえばこの治療に当つている医者が、何らか意見書を出したときは、いろいろの審査を始めて、生活保護法の適用を受ける条件を備えられたときにすぐ切りかえられるような、最も万全なことを考えていただきまして、具体的にこれが末端まで届くように、厚生大臣の救済策の措置をしていただくとともに、またしていただきました場合に、そういう関係の団体にも御通知願いまして、団体の方もそのことを知悉いたしまして、出先がもし厚生大臣のお考え方を了解しないで、なまけておるときに、こういうことがあるじやないか、早くしてくれということを言えるように、万全の方法をとつていただきたい。この点を特に要望いたしておきます。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 ただいまの御発言に対しましては、誠心誠意それに沿うようにいたしたいと考えております。

平野三郎自由党

○平野委員長 ただいま政府側から労働省の職業安定局長、並びに同失業対策課長が出席しております。なお職業安定局長は他の委員会からも呼ばれておりますので、職業安定局長に対しまする御質疑がありまするならば、この際先にお願いいたします。堤ツルヨ君。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 職業安定局長にお尋ねをいたしますが、出されました政府原案の中の受給要件の中に「被保険者又は被扶養者が疾病にかかり、又は負傷した日の属する月の前二箇月間に、通算して二十八日分以上の保険料が、その被保険者について、納付されていなければならない。」ということが要件になつておるのでございますが、これは私たち常識で考えまして、日雇い労働者の方々が二箇月間に二十八日の就労ということは、現状を分析してみますときに、非常に無理じやないかという気がするのでございますが、局長はこの点どういうふうにお考えになりますか。

中西実労働事務官(職業安定局長)

○中西政府委員 失業保険の場合も二箇月に二十八日の就労がございませんと、失業保険がもらえないということになつております。月にしますと十四日でございますが、大体全国の稼働状況を見ておりますと、月二十日は大体確保しているのでございまして、病気でもしますれば別でございますけれども、そうでなければ、二十八日ですと大体該当者になるのではなかろうかと考えております。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 もちろん失業保険との関連もありますから、保険局においてはその辺の均衡をお考えになつただろうと思いますけれども、しかし今の手業保険の場合も、就労一箇月十四日というものは、労働者自身にとつては非常にお気の毒なように私たちは拝見しております。従つてこれはたとえば就労日数において、この対象要件になります場合に、二十七日であればその対象にならないというようなきわどい問題が起つて来る。せつかく法律をつくりながらも、就労日数がお互いにどうしても足りないものだから、これの対象になり得ないということになつて、ほとんどが落されてしまうのではないか、こういう問題を私は考えるのでございまして、同時にこれは失業保険の要件とも関連があるわけでございますが、実情に照して、やはり十四日働けたらけつこうな方であつて、ほとんどは十日前後というのが多いのではないか、従つて保険の方もひとつこの際お考えくだすつて、少上下げてもらう、そうしてそれにスライドしてこの日雇いの要件も月十四日をもつと下げてもらうように何とかしてもらいたいと思つて、私実はこういう質問をするわけですが、どうでしよう、もう少しまけられませんか。

中西実労働事務官(職業安定局長)

○中西政府委員 今の健康保険の問題は別といたしまして、私の方の失業保険から申しますと、どこかで日を切らなければなりませんので、初めは月十五日、二箇月で三十日ぐらいの話もあつたようでありますけれども、十四日なら、—先ほど申しましたように、今の稼働の実績は二十日ちよつと越えておるのでございまして、まず普通にやつておりますれば、大体要件を満し得るということで、失業保険の方では、過去においては二箇月二十八日ということでやつております。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 その稼働の平均ですが、平均よりも非常に上まわるというのは、あらゆる場合の統計によつてみましても、平均以上のものは、ほんとうにその人個人の立場に立つてみれば非常にいい場合でありまして、実際の場合に、文化国家といわれて、—われわれ一応文化国家のつもりでおるのですが、月火水木と数えて行きまして、月のうち日曜日が四日ある。そういういろいろなことを考えてみまするときに、何やかやで、日雇い労働者の方の職安の窓口における就労状態は、地方に参りましても、月平均二十日とおつしやいますけれども、十四、五日、月に半分働けたらいい方だろう。それから三分の一の十日仕事があれば、それは普通じやないかというようなことになつておるように私たちはどうも拝見いたしますので、この際職安局長におきましては、ここ三年来ぐらいの窓口の統一計をひとつお示し願いたいと思います。  それからこれは職安局長に申し上げても話が違いますけれども、こういう保険の要件などをきめますときには、できるならば三箇月三十日、一箇月十日ぐらいのところへ持つて行きたいというつもりでおるのでございますから、失業保険の場合にも、地方の実情を見ますときに、もう少しこの通算日数が少なければという声は相当あるようでございますから、その点お考えを願いたいと思います。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 関連して……。ただいまの堤委員の保険通用の要件日数を下げることには、われわれも賛成なのでございます。そこで一つの考え方といたしまして、たとえば二箇月に何日という要件で出されておりまするけれども、それと同時に、並行して六箇月に何日というのと二つつくつて、六箇月の場合には一月平均あたりを少くするということによつて、この問題が相当よく運営されるのじやないか。徹底的に下げることは、おそらく保険の逆選択を考えて、ある程度までにしか下げられないというお考えをお持ちかと思いますけれども、六箇月という場合には、長期間続いて平均的に働いておる場合には、逆選択という場合が少いのじやないかということを考えまして二段構えにされまして、今堤君の言われましたように、可能な最少限度に下げるという措置をとられるのが適当な策ではないかと思うわけでございますが、御意見を承りたい。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 ただいま日雇労働者健康保険法が議題になつておりますので、私の方からお答え申し上げます。私どもは、基本的には先ほど職業安定局長から申し上げておりますように、労働省とも御相談をいたしまして、受給の資格といたしましては、失業保険と同様に二箇月二十八日ということをとつたのでございます。しかしながら審議の途中におきまして、私どもとしても今御引例のような、若干緩和をした条件を設けることをずいぶん検討いたしたのでございます。しかしながらこれは失業保険と違いまして、病気に対する保険でもありますので、そういう意味合いにおいて私どもはそういうことを設けるのが適当であろうということに考えたの募ります。いろいろ検討し、相談をいたしたのでありまするが、二箇月に何日とか、三箇月に何日とか、六箇月に何日とかいうその日のきめ方等々、実は的確な資料もなく、明確なる結論を得るに至らなかつたのでございます。この点は私どもの立場から申しますれば、保険制度の影響も多少はございますけれども、それよりも健康保険であるという特殊の事情から、その点につきましては、実施の上でさらに実情を検討してみたいと思つております。そうしてあまりにも結果において不合理な結果が生ずることが多いようでございますならば、この点は将来の改正を期したいと思つておる次第でございます。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 関連して職安局長に伺いたいのですが、ただいま職安局長は平均稼動日数一箇月二十日を越えておるというお話でしたが、この二十日を越えておるという数字自体に対しても私どもは若干疑問を持つております。特に大都市と地方小都市との間には、ずいぶんとはなはだしいアンバランスがある。おそらく地方小都市においては一箇月十四日稼働できないようなところが相当あるのじやないかと思うのですが、その地方都市の稼働日数の少い所の統計あるいは実例等がございましたら、それをお聞かせ願いたい。

中西実労働事務官(職業安定局長)

○中西政府委員 私の方でやつております失業対策事業は全額国庫負担ではございませんで、労務費の三分の二の補助、そこで三分の一の金額はそれぞれの事業施行主体で負担します。従つて、先ほど申しましたように、全国平均しまして二十一日稼働くらいに現在なつておりますけれども、負担能力のないところはおつしやるように若干それを下まわるところがございます。ただ、都会地と農村とを見ますと、農村は何としてもやはり環境的に弾力性がございまして、地方の財政の都合とそれから実体から見まして、おつしやるやうに若干日数の落ちておるところがございます。それにいたしましても、悪いところでも十六、七日はやつておりまして、保険にひつかかる。保険にひつかからないほどのものはまずほとんどないのじやないかと思われます。当初二、三年前までは稼働日数月十六日くらいだつたのですけれども、だんだん上つて参りまして、現在では二十日を少し越えております。それから来年度におきましては、この予算も約二割ふえまして、全国平均として二十一日稼働を確保するということであります。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 それから地方小都市の場合には季節的な変動があるように思うのですが、もし季節的な変動があつて、二箇月に二十八日しか就労をしていないということになりますれば、その季節的な変動によつて受給資格を失うという結果になるわけですが、その点をお聞かせ願いたい。

中西実労働事務官(職業安定局長)

○中西政府委員 私の方で常に相当の調節の余裕を持つておりまして、季節変動に応じまして調節をはかつております。たとえば東北とか北海道あたりは相当季節的な変動があるのであります。これにつきましては各季ごとにそれぞれ実情に応じて調節をとつております。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 私はこの際職安局長に、職安の行政面についてお尋ねをしておきたいと思います。私は社会党の代議士ですから、こういうことを言うのはおかしいかもしれませんけれども、職安の窓口を通しての失対の方たの就労状態について非常に世間に非難が多い。これはあなた御存じでしようか。東京のおひざ元などを視察なさつたことがございますか。それを一度聞いてみたいと思います。

中西実労働事務官(職業安定局長)

○中西政府委員 ございます。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 これは東京都だとかどこどこ市だとか、そこの市長の顔もございますから、私は場所は申し上げませんけれども、職安の窓口を通して、働かれる方が、普通の汗水流して働かれる方の就労能率の何分の一しかしげ得ないということは、私は問題だと用う。少くともこれは国民の血税であります。職安の窓口において、日雇い学務者の方を一時間でも多くこの法の目的に沿つて救つていただきたいことは事実でありますけれども、しかしその就労されました場合には、忠実に仕事の能率を上げていただくということも、また私は大切なことだと思うのです。はなはだしきに至つては、列を組んで作業場へ来て、十時に腰をあげて一時間半ほど働いて、十一時半に、昼弁当を広げて、そして一時に仕事をして、二時半ごろろにはもう帰つて行くということをたびたび見るという声が、国民の口から私たちの耳に入つて参ります。そういたしますと、これも私たちの責任でございまして、一体労働者の職安局は何をしておるのだろうというようなことになつて、政治に対する不信の声が、汗水をたらして働く人々の方から出て来るわけであります。今日の社会情勢は、お互いに特定資本家でない以上は汗水たらして働くのでありますから、こういう職安の窓口を通して就労された方々が、ほんとうに能率を上げてくださるということも、一つの国家への奉仕であると思うのであります。どうも私は、職安局は怠慢であつてまあ窓口で就労さしていただくということももちろんけつこうでございまして、第一に望むところでございますけれども、監督は確かに不行届きであるということを私は局長に申し上げたいのですが、御反省はどうでしよう。

中西実労働事務官(職業安定局長)

○中西政府委員 おつしやるように、どうも、日雇い労働者の労働能率が非常に悪いという非難が相当あつたわけでございます。今でもおつしやるような御非難があるわけでありますが、これにつきましては、なるほど数年前は相当目にあまるような状況もございました。しかしだんだん改善されて参りまして、これはもちろん職安の責任がないとは言いませんけれども、結局は仕事をやられる府県なり市町村なりその使われるところが十分な監督なり指導をしていただかなければいけない。しかしわれわれの方としましても、補助金を出しております建前上、十分に能率を上げるように、監督といいますか、現場の秩序というものを確立いたしまして、相当高率の仕事をするようにということは、活にお願いいたしておりまして、最近6は相当改善されておるというふに、われわれとしては考えております。

平野三郎自由党

○平野委員長 堤君、簡潔に願います。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 この問題についてたとえばあなたが今おつしやいました都道府県知事とが市町村長の仕事に対する監督の目が足りないのだということも確かにそうでありましようけれども、そうすれば職安の方から県知事なり市町村長なりに十分御連絡をおとりになつて、能率を上げ得るように、世論の悪評に対して善処するような処置をしばしばおとりになつておるのでございましようか、その点をひとつ伺いたい。

中西実労働事務官(職業安定局長)

○中西政府委員 その点は十分にやつておりまして、なお今後ともそういう点がございますれば十分に注意をいたしまして、能率が上るようにいたしたいと思います。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 ただいまの問題に関連いたしますが、日雇い労働者の能率が非常に悪いというような非難の声も私ども聞いております。私は昨日もある職安へ行つて参りましたが、局長も視察されて御承知だと思いますが、日雇いの諸君は朝六時半に職安へ行かなければならぬ。六時半に行くためには、早い者は五時半、遅くも六時には家を出て行く。そして仕事につくのは九時です。かりに九時だといたしますれば、その間に相当の長い時間何のすることもなく待つていなければならぬ。この待つているというのは、特に冬季の寒いときなどはたいへんなものです。みんなたき火をして固まつています。あのたき火をする燃料などどこから持つて来るのか、私どもいろいろ考えていますが、こういうようなことも職安のやり方によつては改善する余地があると思うのです。朝やつて来て戦争のような騒ぎをして—職安の職員の人手が足りないということも一つの原因だと思いますが、職員の人手が足りなくて長時間待たせるというようなことが、ひいては能率に影響するということになるのではないか。そういう点に対して改善するということをお考えになつているかどうか、お伺いしたい。

中西実労働事務官(職業安定局長)

○中西政府委員 おつしやるように、相当朝早くから集まつて来られるのでありまして、これは非常に数多く来られますので、結局人手が足りないというのが一番大きな原因だろうと思うのですが、やはり多い所は一時間程度は、さばくのに時間を要するのであります。ただ割当てますればどんどん職場へ行かれますので、そう何時間も待つということは今のところはないのじやなかろうかと思います。この点につきましては、できるだけそういつた労力の消耗を来たさないような方策を、今後もひとつ研究して参りたいと思います。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 それから職安へ行つてみますと、事務補助員という臨時の—これは職員ではないのですね。職安の労働者と同じ待遇でもつて事務補助員と称する者が少い所でも四、五名、多い所は十名以上もおる所がある。そして仕事は職安の職員とまつたく同じ仕事をしておる。これなんかは、定員か何かで押えられている関係だと思いますが、実際に即して、職員と同じ仕事をしている者は職員と同じ待遇をするというふうに改善すべきだと思いますが、この点に対するお考えを承りたいと思います。

中西実労働事務官(職業安定局長)

○中西政府委員 確かに定員、で押えられている関係もございます。今の常勤の職員につきましては、たとい定員的にはそうなつておりましても、一応人事院の規則で常勤の扱いができるということになつております。予算額の制限がございますけれども、一応勤めている間は一般とかわらない待遇をするというふうに取扱つております。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 ちよつと関連して……ただいま島上委員からございましたが、局長も御存じでしようが、あの寒風吹きすさぶ中で、炎天のもとで、日雇い労働者の方が、今日職にありつけるかどうかわからないのに、三時間も四時間も行列をつくつておるということについて、実際私たちは政治の貧困を感ずると同時に、何だか気の毒でしかたがない。だからあなたの方でお考えになつて三時間、四時間、お前たちは職がきようあろうがなかろうが、そこに行列をつくつておれと言わんばかりに行列をつくらせないで、窓口で何か方法がないのか。私はもつと御研究になれば何か方法がありそうなものだと思う。私はほんとうに、いかに官庁とは言え、あれが一番見づらい官吏の横暴ぶりだと思うのです。職業のない人たちに何時間も行列をつくらせておるのに対して、何か方法があるだろうと思いますので、研究してもらいたいと思いますが、何か御研究になつたことがありますか。

中西実労働事務官(職業安定局長)

○中西政府委員 今の問題、施設も確かに不完全でありまして、げた箱その他設備の方からも改善の余地がありますが、予算面で制約がありまして、完全に行つておりません。長い問待つというお話でございますが、大体、非常にそういうおそれのあるところは輪番制をやつておりまして、従いまして今の手不足の関係で待たなければならない事情がございますけれども、まずそういうひどい待たせ方はしないで済評ようになつておるというふうに考えでおりますが、なおこの点はさらに十分に研究いたしたいと思います。

平野三郎自由党

○平野委員長 柳田君。簡単に願います。

柳田秀一日本社会党(左)

○柳田委員 これは本論に入つてお尋ねするのですが、この日雇労働者健康保険法案が政府提案で出されましたことは、内容はともかくといたしまして、日雇、労働者に健康保険を提供しようというその政府の御着意並びに御熱意には、私は満腔の敬意と讃辞を表するのであります。おそらくこれは社会保障制度……。

平野三郎自由党

○平野委員長 ちよつと途中ですが、中西君に対する御質問じやありませんね。

柳田秀一日本社会党(左)

○柳田委員 そうです。

平野三郎自由党

○平野委員長 それじやちよつとあとまわしにしてください。島上君。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 職安行政に関連することで一つお伺いしたいのですが、最近あの職業安定所に警察官を派遣しておる。私は現に—名前を言つてもいいのですが、足立職安の荒川分室、これは労働者が四、五百人程度の小さなものです。そこに制服巡査が、毎朝三人、私服が一人来ておる。それでその職安の分室において何か問題が起つているかというと、何も問題は起つていないのです。おそらく他の方もそうではないかと思う。大体こういうふうなことは、いたずらに労働者を刺激する結果を生んでおる。これは当局で警察官に依頼をして、来てもらつているかどうか伺いたい。それからまたそうでないとするならば、こういうことをやめる御意思があるかどうか。

平野三郎自由党

○平野委員長 ちよつと島上君に申し上げますが、ただいまの御質疑に対して答弁はさせますけれども、労働行政一般に関する御質問は、労働委員会あるいはその他の機会に詳細にお願いすることにして、本日は日雇労働者健康保険法を議題としておりますから、その点お含みおきを願います。

中西実労働事務官(職業安定局長)

○中西政府委員 何も問題が起つておりませんのにそういう警察官が、しかも制服で来ておるということ、これはわれわれの方からもちろん指示はいたしておりませんし、おそらく安定所におきましても、そういうことを積極的に依頼しておるとは思わないのです。ただ、ときに非常に秩序を乱すような事態が起る。きようも三重あたりから、相当乱暴な事態が起きたという報告が来ております。そういう関係もありまして、ときに必要あつて治安方面の応援を求めることがございますけれども、そうでない何も問題のないときには、そういうことはもちろんやるべきじやないし、もしそういうことが何もないのにありますれば、われわれの方から注意をいたしまして、やめさせるようにいたします。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 労働関係で一つだけ……先ほど失業保険の要件について労働省に伺つたところが、厚生省からの御答弁があつて、労働省側の御答弁がないのですが、この点について労働省側の御答弁をはつきり伺つておきたい。今の失業保険の要件を下げる意思がありやなしや、それからもう一つは、二段構えの要件をつくる意思がありやなしや、その点を伺いたい。

中西実労働事務官(職業安定局長)

○中西政府委員 現在のところは、かえる意思は持つておらないのであります。と言いますのは、これは結局保険経済の問題でございまして、現在でも月々二千万円程度の赤が出ております。これ以上条件を緩和いたしましては、とても保険経済が持たないという状況でございますので、研究はいたしておりますけれども、今ただちには変更の意思はございません。

平野三郎自由党

○平野委員長 柳田君、さつきの質疑の継続を願います。

柳田秀一日本社会党(左)

○柳田委員 それでは本論に入ります。先ほど申しましたように、内容はともかくといたしましても、日雇い労働者に健康保険法を適用するこのお考えは、日本の社会保険制度からも、また大きく社会保障制度からも、一つの大きな前進をなさつておるという点では、政府の御着意なり、御熱意に非常に私は讃辞を呈するのであります。ただ私が非常に憂えるのは、こういう点を憂えるのであります。今の大臣の御算なり局長の御答弁では、われわれとしてはやはり予算措置の関係もあつて、財源に制約されて、まずこれをもつて一応足がかり、橋頭堡を一つ打込んでおいて、そうして今後改善したい。これは政府側からの御見解が、そういうふうに言われるのもよくわかります。わかりますが、私が一番憂えるのは、このように名前は確かに日雇労働者健康保険法でけつこうでありまするが、実体はもう健康保険法の精神にほとんど該当しておらぬ。そういうような制度で発足されることは、これが橋頭堡になつて将来さらにこれを充実したものにせられるという意図よりも、このことが日本の社会保障の確立にも、さらには社会保険という制度そのものも、むしろ否定することになりはせぬかという点を私は非常に憂えるのであります。従つて私は、この点に関して久下局長の御見解を承りたいのでありますが、もとより私はよく存じております。厚生省当局が最初にお出しになりました二十九億の案は現在われわれ両社会党から提出しましてお手元にお配りしてありますところのこの修正案の方に、本案よりもさらに近かつたことをよく知つております。しかしながらこの案では、今申しましたように、またこれが逆効果を来すおそれがあるので、こういう点に関してひとつ政府当局としても—久下局長の御意向はよくわかつておるのですから、えらい苦しい御答弁をしいるようでありまするが、率直な御見解を承りたいのであります。ことに社会保障制度に対しては非常な御熱意を持つておられ、社会保険に対しても非常に堪能な久下局長の、ひとつ私案でもよろしゆうございますから、率直な御見解を承りたいと思うのであります。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 この程度の案で御提案を申し上げるようになりました気持については、先ほど申し上げておるのでございますが、私どもはお言葉と少し感じが違うのでございまして、橋頭堡というような気持ではございませんので、この程度の制度におきましても、私は社会保障制度への前進の足がかりであると信じておるものでございます。むしろこれをやめることの方が、その線からは逆行いたしまするし、またこの程度のことでも実施をいたしますことが、日雇い労働者の利益に合致するゆえんであると信じまして申し上げている次第でございます。

平野三郎自由党

○平野委員長 ただいま八木委員外五名より委員長のもとに、本案に対する修正案が提出されておりますので、その審査を進めます。まず提出者より提案理由の説明を聴取することにいたします。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 私ども六名の提出いたしました日層労働者健康保険法の修正案についての趣旨弁明をいたします。  社会保障が必要であることは、この厚生委員各位は十分御承知の通りでございまして、その点について現在の日本において非常に不満足な状態にあるということも、御同感くださると思うわけであります。その場合にそういう問題についてある程度効果を上げております健康保険を方々に拡大いたしまして、その適用を見ない人にこの恩典を均霑させるという方向を打ち出す必要があると思うわけでございますが、特にこの日雇い労働者については、この必要が最も多いと思うわけでございます。この点につきましては政府も御同感でございましてこのような案を出されたわけでございますが、御承知のようにこの案の内容は非常に不十分なものでございまして、ほとんど健康保険の内容を含んでおらないということが非常に遺憾なのでございます。その点でわれわれとしてはこの修正案を提出するわけでございすま。  まず第一に、この日雇い労働者健康保険法の適用を受けるべき該当者が、この政府案の提出理由にもありますように、非常に就労が不安定でありまして、また賃金も少く、生活も困窮しておるわけでございます。その中の相当の部分は、生活保護法の適用を受ける一歩手前にあるわけでございます。生活保護法の適用を受けた場合には、完全な内容ではありませんが、自己負担なしに医療給付が受けられるという点がございますので、それに比較いたしました場合に、この日雇労働者保険法の適用者には相当の国庫負担をして内容をカバーする必要があると私どもは確信しているわけでございます。その意味におきまして、私どもの提出しました修正案は、保険でございますから、全額国庫負担というわけには行きませんが、当然その意味を含めて二分の一の国庫負担を必要とするという観点で提出しておるわけでございます。一方私どもはそのような状況でございますから、一般の労働者の健康保険と同じように完璧な内容を盛りたいのでございますが、この国庫負担以外の保険料の負担がやはりございます。それが現在の日雇労働者健康保険法の適用の対象の方方は、非常に生活が困窮されておりまして、たとえば十円を越えるような保険料を徴収することが不可能でございます。またそのような法案をつくりました場合には、それに保険料を納められないということがございましてこれが完璧な内容まで引上げられないのを非常に遺憾とするものでございます。私どもはその点について、私どもの案ですらも不十分だと思うわけでございますが、現在の情勢におきまして最も適当な案として、これを提出したわけでございます。  給付の内容といたしましては本案の第十一条にございます通りに一から十までございます。全部の内容を含んでおります。健康保険等と内容のの違います点は、療養の給付が六箇月で打切られる点でございます。この点は先ほど申し上げました通りはなはだ遺憾なのでございますが、現状でまず最大限度ということで、私どももこの内容をつくつたわけでございます。それでその内容を個別に申し上げますと、政府原案は療養給付について三箇月で打切られる。ところが本案では六箇月になつておる。そのほか傷病手当金が出まして、一日百五十円の割合で出す。また埋葬料、本人が死亡しましたときに七千五百円の埋葬料を出す。また本人が分娩いたしましたときには三千七百五十円の分娩費を出す。また出産手当金は本人が就労できない場合には、前後四十二日間にわたりまして、一日につき百五十円の出産手当金を支給する。また哺育手当金は六箇月にわたりまして一箇月二百円の割で支給する。また家族の給付につきましては、家族療養費は百分の五十でございますが、やはり六箇月間に限りましてこれをすることができる。埋葬料は家族の死亡しましたときには、二千円、分娩費は一千円、哺育手当金は本人の場合と同じというような、政府案に比しまして非常に充実した内容を含んでいるわけでございます。  その次にこれの給付の要件は政府案と大いに違いまして、給付を受ける要件は政府案におきましては二箇月間に二十八日の保険料の納入がなければ、これが給付を受けることができないということになつているわけでございます。しかしながらわれわれの提出したこの修正案におきましては、これを二段構えの要件にいたしまして、二箇月間に二十四日間あるいは六箇月間において六十日間のいずれか一方の要件を満せば、この保険給付を受けられるという内容を含んでいるものでございます。これに該当の労働者諸君の要望といたしましては、二箇月間に二十日間くらいという要望が非常に圧倒的なのでございますが、私どももこれが保険であります以上、保険経済を破壊することを恐れまして、いろいろ計算しました結果、二十四日間が適当であるという概念に達したわけでございます。なお六箇月間引続き保険料を納めました場合には、そのようなまじめな就労者であり、まじめな被保険者である場合には、逆選択のおそれなしと見て、こういう二段構えの要件を設定する必要を痛感しまして、この法をつくつたわけでございます。失業保険の例にありますように、二箇月間に二十八日という場合に、こういうような適用を受けたくても受けられないような不運な人ができるということは現状をもつてしても明らかでございます。特に健康保険の場合におきまして、前の二箇月間において四十五日とか五十日、六十日とか、そのような保険料を払いながら偶然に病気になつた直前の二箇月間において、運悪く二十七日の保険料しか払つていないために、いろいろの給付を受けられないということになりましたならば、非常にこれは気の毒なわけでございますので、少くとも二十四日間に下げる必要があるという確信を持つものでございます。また本案の政府案と違います点は、適用範囲でございますが、適用範囲につきましては、政府案は常雇い五名以上の事業所に働く日雇い労働者に適用することになつておるわけでございますが、本案におきましては、常雇いと日雇いを含めまして、五人以上の事業所にはこれを適用できるという内容になつているわけでございます。これについてはい  ろいろと御意見があろうかと思います。たとえば現在五名以下の常雇いの人に対して不均衡であるというような御意見をお持ちの方もあるかと存じますけれども、健康保険法の適用を拡大するということは、積極的によいことでございまして、よい方に部分的に前進することは決して悪いことではないと思うわけでございます。特にこの日雇い労働者と称せられる人々は、一般の常雇いの、事業者が確定している労働者諸君よりも生活が不安定でございまして、この健康保険を必要とする度合いは実に普通の労働者諸君よりもずつと多いわけでございます。その意味におきまして、このようなことが起りましても当然かと思うわけでございます。  なおもう一つこのような政府案によりましたならば、あのような常雇い五人以上という要件がございます関係上、たとえばいろいろと患者に頼まれてそこに働きに行く看護婦、付添婦というような今、あるいはいろいろの焼物を焼く労働者、そういうような五名以上じやないところに雇われている人々は、この適用範囲からはずれるわけでございますが、その方々が、この健康保険を必要とする度合いは、一般の日雇い労働者と同等、あるいは同等以上の状態でございます。こういうことでございますから、この人々が、もし先ほど厚生大臣が言われましたように、捕捉ができないという条件をなくしまして、捕捉ができるようになりました場合には、この日雇い労働者健康保険法を適用する必要があろうかと思うわけでございます。その場合を考えまして、本案におきましては第六章にございますように、その人々が労働組合を結成いたしまして、厚生大臣の認可を得ました場合でございますから、御想像になるようないろいろの不合理という点はないと思います。厚生大臣が認可をされましたときに、その労働組合が事務的には事業者と同じような立場になりまして、その日雇い労働者健康保険法の、そのような五名以下の事業場に働く労働者諸君も、適用を受けられる道を開いておるわけでございます。  まとめて申し上げますと、政府案では国庫負担は事務費のみとなつておりますが、事業費のほかに保険給付の二分の一を国庫負担をするというような国庫負担の点における相違、またはここに掲げられます給付内容の大いなる相違、それから適用される要件の相違、それから、もう一つ適用の対象の範囲の相違、この四点が政府案と本案の相違の最も重大なる点でございます。  最後に結論として申しまするが、この日雇い労働者の諸君が非常に生活が不安定であるという点を十分に委員各位においては認識、御同情いただきまして、そうしてその方々がもし病気になつた場合の悲惨なる状態を想像していただきまして、不十分なる政府案でなく、十分とは言えないけれども、現状において最大限度十分であるこの内容を含んだこれらの修正案に、大乗的な見地から御同情くださいまして、該当者の諸君の生活、あるいはそういう傷病のごときの不幸な人を助けるために御同情願いたいと思うわけであります。看護婦の諸君におかれましては、未亡人の方が多く、そうして一生懸命に子供を養うために働いている方々が多分におられるわけであります。もしこの修正の保険法の内容でありましたならば、子供さんが病気になられても、ある程度子供を救うことができる。ところが政府案の場合においては、これを救うことができない。その場合に、現在病人をなおすという積極的な清い労働をしておられる方が、子供を助けるために身を売らなければならぬというような不幸な事態も起つているわけでございます。また日雇い労働者で、十分な保険があれば一家心中というようなことはしないで済む立場にある方が、この保険法の制定が遅れたために、また十分な内容を含んだ保険法ができないために、おそらくこの一年間あるいは二年間において、相当の一家心中というような犠牲者が出ると思うわけであります。どうか賢明なる委員各位におきましては、その該当する人の非常なめじめな立場、非常な苦しい気持言のあたりいろいろ思い浮べていただきまして、政治的ないろいろな立場もございますが、そのような立場にある方々の生活を救い、積極的な労働意欲を出していただいて、日本再建のために働いていただくように、大乗的な立場から全員こぞつて御賛成くださるように要望いたしまして、趣旨弁明にかえる次第であります。

平野三郎自由党

○平野委員長 これにて八木委員外五名より提出の修正案に対する説明は終りました。他に本案及び修正案についての御質疑はありませんか。島上君。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 先ほど大臣にお伺いしたいと思いましたが、お帰りになりましたので、他の適当な方にお伺いしたのであります。  大臣の答弁にもありましたように、日雇い労務者の健康保険は多年の要望であり、かつ懸案であります。しかるに今日日雇い労働者の実態を十分に把握していないという御答弁がありまして、私ども非常に意外に思つた。これは多年の要望であるということを認めておりながら、日雇い労働者の健康保険実施に対する熱意が欠けているのではないか、また日雇い労働者の生活実態に対する理解があまりにも不十分ではないかと考えます。そういう熱意の欠如、あるいは生活に対する理解の不十分から来た当然の帰結だと思いますが、今度の政府案は非常に不十分である。先ほどは将来を朝して充実したい、あるいは前進の足がかりとしたいというお話でしたけれども、私どもはそれは単なる一時的な口実あるいは気休めであつて、来年度に行つてはたして前進的な改革が政府に期待し得るかどうかに対しては、非常に悲観的な見方をしております。今私どもの方から出された修正案については、御説明の通りでありますが、少くとも今出された健康保険法は、政府案では非常に不十分であるということをお認めになるかどうか、それとも近い将来、—近い将来ということは、この次の機会ということですが、相当思い切つた改革をしようとする御熱意を持つておるか、御意思を持つておるかということをまずお伺いしたいのであります。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 まず最初に、先ほど大臣から申し上げました点につきまして、私から補足して申し上げておきたいと思います。実は健康保険制度を発足いたさせますためには、保険技術上必要といたします資料がどうしても必要であります。具体的に申しますれば、たとえば一人当りの受診率がどうでありますとか、本人と家族との差がどうでありますとか、あるいは一件当りの費用がどうでありますとか、一般と歯科にわけるとどういうふうになりますとか、いろいろ正確な技術的な資料が必要でございます。そういう点につきまして、実際問題としては保険を発足いたしませんとつかめない数字も相当にあるのでございます。そういう意味合いにおきまして、私どもはこの制度を発足いたさせます資料としたそうした技術的な資料につきましては、すでに健康保険において二十五年の経験を持つておりますので、この健康保険の各種の資料に一〇鬼の安全率を見まして発足をすることにいたした次第でございます。大臣が申し上げましたのもさような意味合いにおいて申し上げておるのでございまして、私どもは実際に日雇い労働者の方々から直接何回もお話を伺つておつたのでございます。一般の労働者よりもわれわれの方が病気をする率も高いし、けがをする可能性も多いのであるということをたびたび伺つておつたのであります。そういう意味合いから、健康保険の資料に一〇%の安全率を見た数字を取上げたという意味で申し上げておるのでございまして、私どもといたしましては、この程度におきまして財政的には心配なく運用できるという推定で発足したのでございます。大臣が申しましたのはそういう意味の的確な資料がつかめていないということを申し上げた次第でございます。内容的に不完会であることはただいま修正案の御説明にございました通りで、私どももこの点は同感でございます。決してこれで満足しているものではないのでござい永して、ただ先ほど来ると申し上げでいるような結論から、この程度において出発せざるを得なかつたのでございまして、厚生省当局といたしましては、ただいま島上先生御指摘の通りに改善をする熱意においては、人後に落ちない所存でございます。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 少しこまかいことですが、日雇い労働者は、普通の労働者と生活保護法を受けている人々との中間的存在だと思うのです。そして現在は日雇い労働者が病気になつた場合に、相当数医療保護を受けていると思うのです。どれくらい医療保護を受けて、その金額がどれくらいになつているものか承りたい。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 お話のように、日雇い労働省の多くの方々が、従来は病気にかかりますと生活保護法の適用を受けておつたと想像されるのでございます。ただ、私どもその点について的確な資料を得ようと思いまして、ずいぶん長い間各種の資料を渉漁してみたのでありますが、日雇い労働者という分類で生活保護法の適用を受けている数字がつかめないのであります。この点はなはだ申訳ないのでございますが、むしろこれはこの制度を実施してみた影響によつてつかむ方が的確ではないかと思つている次第であります。財政的に一応見込んでいるのは、平年度四億円くらいは、少くとも生活保護法の医療給付費は節約になるのであろうと見ているのであります。これはもちろんそれを上まわるものとは思つております。ただそれが何億ぐらいになるかについては的確な数字がございませんために、遺憾ながらお答えを申し上げかねる次第であります。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 的確な数字をつかんでいないと、しかしおよそ四億円あるいはそれを上まわるであろうというお答えですが、そういたしますと、この日雇労働者健康保険法を実施することに要する今度の予算は三億足らずだと思いますが、そうするとこの日雇労働者健康保険法を実施することによつて、生活保護法から四億あるいはそれ以上の経費が減額されるということになれば、ただどころか政府が若干得することになるのではないかと思う。その点はどうでしようか。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 今四億程度になるだろうという見通しをつけていたというのは、平年度の計算でございます。昭和二十八年度におきましては日雇労働者健康保険の制度は半年実施されることになりますので、実際は二億程度にとどまると見るのが至当だろうと思います。ところが一方におきまして、この制度自体に一般会計から出している経費が二億八千六百万円、そのほかに失業対策事業の補助として、つまり事業主負担分として計上している分が昭和二十八年度一億七千万円、合計いたしまして二十八年度にこの事業を実施するために一般会計から支出している総額は、四億五千六百万円になつているのでございます。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 そういたしますと、生活保護法の医療保護を受けている金額と、この日雇労働者健康保険法実施に要する金額とを考えてみますと、政府は結局幾らも金を出さぬでも済む。ほんのすずめの涙程度の費用で、日雇労働者健康保険法を実施するということになるわけですね。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 これは御見解の相違かもしれませんが、大体の推定でありますので、的確に申し上げることはできませんが、節約されるものが二十八年度分としては二億程度、それから二十八年度に一般会計からこの制度のために出ます金が四億五千六百万円でございます。その差額を僅少と見るかどうかは見解の問題であると思います。

柳田秀一日本社会党(左)

○柳田委員 生活保護法と医療保護との関係について質問したいのですが、島上委員の質問で明らかになりましたように、生活保護法の医療保護というものがこちらへはねかえつて来るということで、ほとんどとんとんである。これはわれわれ今政府委員からのお答えで知つたのじやないので、ただそれを確認しただけのことでありますが、実はそういうことで今日は主計局長に来ていただいて、十分に大蔵省の考え方を聞きたいと思つていたのでありますが、主計局長が来ておられませんので、代理の方でけつこうですが、こういうような社会保障に対して、また社会保険に対して、厚生省から要求しておりますが、大蔵省からはほとんどそれに対して御理解を示されない。国民健康保険の一割五分の負担の問題にしましても、大臣あるいは平野委員長その他皆様方の御尽力で、ようやくにして最後に、大蔵省側からして言わしめるならば、涙をのんだという表現が当つているかもしらぬというくらいに強硬なんです。この日雇い労働者の健康保険でも、こういうことをすることによつて、今言うとんとんになる。そのことは財政的にとんとんになるというだけでなしに、非常に私ども重大なことだと思う。ということは、このような法案を出すとするならば、おそらくは私はむしろ選ぶのは、この法律によつて医療給付を受けるよりも、生活保護法の医療保護の給付を選ぶだろうと思う。せつかくの勤労意欲というものをこの法律は阻害することになりはしないかということを心配する。でありますから、最初に私は申したのであつて、申した意味は、その意味が多分に含まれている。そのことを非常に私は懸念するのでありますが、大蔵省はどういうふうにお考えになつているのでありますか、伺いたい。

大村筆雄大蔵事務官(主計官)

○大村説明員 私どもといたしましても、できるだけ社会保障制度の推進につきましては考慮を払いたい、そういう考えで参つているのでございますが、今回の日雇い保険制度につきましても、従来の日雇い労働者のこういう実態が、的確な資料がございませんので、その実態不明のままではなかなか出発しがたい。そのために非常に不十分な制度でございますが、本案の程度におきまして来年度一応スタートいたしまして、その間において的確なる実態をつかんだ上でそれをよく検討の上御要望の点についても考慮を払いたいと考えております。

柳田秀一日本社会党(左)

○柳田委員 ただいま御答弁がありましたが、大蔵当局の、少くとも主計局長くらいの御答弁で速記録に残しておきたかつたのでありますが、しかし今の答弁は速記録にちやんと残しまして、またわれわれが大蔵省に御無理を言うときには、言を左右にせぬように今からくぎを一本さしておきます。  そこでまた本論にもどりまして、こういう法律で日雇い労働者の適用を受けずして、むしろ生活保護法の適用で医療給付を受ける方が有利であるから、その方にかわるというようなことになる懸念が多分にあると思うのですが、大蔵省の今の御見解はどうなんですか。それに対する局長の御見解をお伺いいたしたい。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 この点は実は私どもも懸念いたてしおる点ですが、ただ先ほど大臣からお答え申し、また私もお答えいたしましたように、この制度の三箇月の療養給付によりまして、全疾病の八二%程度のものは療養給付が受けられる、と私どもは見込んでおるのであります。そういう数字を出しましたのは、健康保険実施の経験から出ておるのでございます。それ以外のものは生活保護になるのではないかとおつしやれば、その通りであります。その点がこの制度として不完全だとおつしやれば、またその通りであります。なお療養の給付だけで傷病手当金がないということについても、また御指摘の通りでありまして、そういう点は、私ども自身としても、この制度が完全であるということは最初から申し上げておらないのであります。ただその程度であるならば、この制度はやめた方がいいと考えるかどうかというところに問題があるのでありまして、先ほど申し上げた通り、私はこの程度でありましても、実行に移す方がよろしいので、生活保護法にまかしておけばいいという考にならないのでありまして、御了承いただきたいと思います。

柳田秀一日本社会党(左)

○柳田委員 それはもう当然の話でありましてなるたけ生活保護法の適用岳を少くすること、これが政治の要諦であります。大体社会保障制度というものは救貧の制度であつてはならない、これはあくまでも防貧の精神にのつとつて行かなければならぬということけ当然の話でありまして、その点はあえて局長の御答弁をまつまでもなしに、当然のことであると思います。私はそれを憂えるがゆえに、くどく念を押したのであります。なおほかの点は八大委員に譲ることにいたします。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 保険局長に伺います。先ほど質問の途中で打切つたわけでございますが、国庫負担がないために、このような内容でがまんせざるを得なかつたということでございますが、保険料に八円と五円という差額を設けて、百六十円以下の人は、被保険者が五円であり、事業主が八円であるそして百六十円を越えている人は八円と八円である。この百六十円以下の人は五円しか負担能力がないから、事業主には八円出させるべきであるという御趣旨を全部に生かして、たとえば百六十円以上の人であつた場合に、被保険者は八円を負担できるけれども、この事業者は十二円とか十三円を負担させるというように、負担能力を勘案して、差額の趣旨を拡大して、そのことによつて財源を得て、たとえば、肺結核に限り、療養給付を六箇月に延ばすとか、たとえば一部傷病手当金を出すというような内容にかえられる意図があるかどうか。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 御質問の御趣旨が、あるいは私に正確に把握できなかつたかもしれませんが、ただいま了解いたしました限度でお答え申し上げます。私どもが百六十円未満を五円とし、百六十円以上を八円といたしましたのは、先ほども申し上げました通り、百六十円以上の場合が九三・八%を占めておるという数字が出ておりまして、その全体の平均日額は二百五十円から二百六十円の間と見ておるのでございます。それを健康保険の料率並に負担をしていただくと、八円という数字が出て参るのでございます。百六十円未満はきわめて少数でありますが、同様の考え方で五円という数字を出したのでございますが、ただいまの御趣旨は、それぞれの被保険者の日額に応じて一定の料率をかけてやつたらというお話かと思うのでありますが、もしそうでありますと、きわめて事務が煩瑣であります。これは本法で御了解いただけますように、失業保険と同様スタンプ制を採用いたしますために、個人々々に保険料額が違うということになりますと、きわめて煩瑣な手数になりますので、高い者に対しては割合に負担が軽く、低い者に対しては割合に負担が重いという結論にはなりますけれども、全体としてこの程度でありますれば、御負担を願えるではないかと考えたのであります。  なお事業主の負担に差等を設けようという御趣旨でありますが、これまた別の理由によりまして、健康保険を適用されております事業場の事業主に、保険料負担の義務を負わしております関係上、健康保険並の考え方以上のことをやりますことは、これまた適当な方法でないと考えまして、結局技術的、事務的な問題と、健康保険制度との関連におきまして、財源としてはこれ以上のことは期待できないと思うのでございます。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 今私の質問とはポイントのはずれた御答弁を伺つたわけでございますけれども、大体において、被保険者と事業主とは同じであるというようなことに健康保険の方でなつておりますので、そういうふうな常識になつておるところを、厚生省の事務局といたされましては非常に英断をされまして、しかしながらそれでは百六十円未満の労働者諸君は保険料の負担に耐えないという意味で、この百六十円未満のときに事業主に八円、被保険者に五円という制度をおとりになつたわけでございます。その非常に英断されました点については敬服するわけでございますけれども、今おつしやつたように、百六十円以下が、九三・八%の逆でございますから六・二%しかないのでございましたならば、その英断もほとんど問題にならない。そのような英断をするほど今の被保険者の実情を十分に把握しておられるのでございましたならば、その趣旨を全部生かしまして、金額をこのような差額にしろとは申しませんけれども、八円の被保険者の場合におきましても、事業主を十円にするとか十五円にするとか、そういうことを考えて、そうして保険給付の内容をもつと多くするというふうになさいませんと、せつかくの英断もごくわずかの六・二%にしか適用を受けないということでは、意味をなさないと思うわけであります。これは今申し上げましても、政府案が出ておりますので、そういう意思があるかどうかといつても、御答弁に苦しまれると思いますので、後にいろいろと修正を政府当局として考えられるときに、そういう点も十分に考えに入れていただいて、そういう点を活用するようにしていただきたいと要望をしておきます。  次に質問に移ります。先ほどこの健康保険法の三箇月の療養給付を越えた場合に、非常に療養生活に困ることがある、その場合に、要件を満たすならば、ほとんど事務のために遅れるということなしに生活保護法の医療給付を受けられ、生活保護を全般的に受けられるようにしていただきたいということを厚生大臣に申し上げ、またそれについては、具体的にはつきりとした措置をとられまして、そのとられた措置を、このような被保険者に関係のある各団体に御通知くだすつて、出先において厚生省のその意思を曲げて、それが遅れるということのないようにしていただきたいと申し上げて、厚生大臣としては、それをその通りやるということを確実に御約束になりまして、その点非常に感謝しておるわけでございますけれども、事務当局としては、この適用を見たときに、至急に具体的にその案を立案される決心をお持ちになつておるかどうか、もう一ぺんお伺いいたします。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 ただいまの問題は生活保護法の運用の問題でございまして私の所管外でございます。先ほど大臣がお答えを申し上げた通りでございますので、ただいまの御趣旨は主管の社会局長に私から伝えさしていただくことで御了承を願いたいと思います。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 今の点については了承いたしました。  次に本法の適用にあたりまして、非常に適用がうまく行かない点があるのではないかということを、本員は心配するわけでございます。たとえば何々組と称せられるような土建の事業所に働く日雇い労働者につきまして、事業主が自己の保険料負担をいやがりまして、いろいろのボス的な威力をもちましてこれをしない、そしていろいろの義務を果さないで、これに対する不平不満を、いろいろの威力で押えるという場合があり得ると思うわけでございます。それについて強制適用でありますとか、厳重な監視が必要であると思います。その点についての厚生省の御覚悟を伺つておきたいと思います。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 ただいまの問題は、この制度を運営して行きます上の財政的な最も根本的の問題でございまして、御指摘までもなく私どもは心配しておりますし、厳重に監督もいたすつもりでございます。その問題につきましては、事業主が保険料負担の義務を怠りましたような場合には、強い罰則をもつて臨んでおります関係もありますし、また平素の業務、保険料の義務の監督につきましても、極力実地調査をいたしまして、完璧を期したいと思つております。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 今の答弁通り実行していただくことを要望いたしておきます。  次に社会保険審議会におきまして、この日雇い労働者の健康保険について、委員がどのくらい入ることになつておるか、この点について伺つておきます。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 ただいまのところ事業主側から一名、労働者側から一名入つていただくことになつております。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 一名々々というのは非常に不十分なんでございますが、これを拡大できれば拡大する措置をとつていただきたい、それからまた拡大できない場合におきましては、部会その他で実質上にこの適用を受ける人たちの声がこの審議会に反映するような運営をしていただきたいと思うのでございますが、その点についての御意見はどうですか。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 御要望通りとりはからいたいと思います。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 同様のことでございまして、地方におきましてこの適用にいろいろの不都合が起ることがある、また被保険者について非常に不満なことが起る可能性がございますので、さつきゆうに民主的にそういう問題が運営できるような機関をつくるような考え方を持つていただきたいことと、それがなくとも、実質上にそういうようなことをやるような方向で進んでいただきたいと考えるわけでございますが、この点についていかがですか。

久下勝次厚生事務官(保険局長)

○久下政府委員 政府として何か協議会というようなものを設けるということについては、ただいま予算の裏づけもございませんので、そこまでは考えなかつたのでありますが、申すまでもなく新しい制度でございまして、地方の保険関係の職員もまだふなれであります。当然準備期間は、二、三箇月はいりましようが、本案が通過いたしますれば、さつそくにも関係者のお集まりを願いまして、実情を把握すると同時に、趣旨の徹底あるいは御協力等について随時協議会、懇談会等の開催は必要であろうと存じますし、さような趣旨も勘案いたすつもりでございます。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 私の厚生省関係に対する質疑を打切ります。  先ほど大蔵大臣の御出席を要望したわけでありますが、その点はいかがでありますか。

平野三郎自由党

○平野委員長 大蔵大臣ただいま予算委員会に出席中でございまして、先ほど柳田委員からも、代理の者でもけつこうですからと、こういう御発言で御質疑がありまして、すでに大蔵大臣の答弁があつたわけでございますから、御了承願います。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 大蔵大臣がだめな場合には河野主計局長、政務次官、次官、どなたか一人御出席を願いたい。

平野三郎自由党

○平野委員長 ただいま申し上げましたように、柳田君から代理の者でよろしいという前提ですでに御答弁がありましたから、御了承願います。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 どんなことがあるかしれませんけれど、大臣、政務次官、次官、局長、一人も出て来られないというようなことはないと思う。本委員会は大蔵省からばかにされていることになる。

平野三郎自由党

○平野委員長 ただいま大石武一君より議事進行について発言を求められております。これを許します。

大石武一自由党

○大石(武)委員 この日雇労働者保険法案に対しましては相当な論議が尽されました。従いましてわれわれはこの際質疑を打切つて、討論に入りたいと思うのでございますが、この点動議を提出いたします。

平野三郎自由党

○平野委員長 大石君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕

平野三郎自由党

○平野委員長 御異議もあるようでありますから起立によつて採決いたします。大石君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

平野三郎自由党

○平野委員長 念のため反対の諸君の起立を求めます。     〔反対者起立〕

平野三郎自由党

○平野委員長 起立少数。よつて大石君の動議は可決いたしました。  これより討論に入ります。

柳田秀一日本社会党(左)

○柳田委員 討論、採決の前に五分間休憩してください。

平野三郎自由党

○平野委員長 それでは暫時休憩いた  します。     午後三時四十七分休憩      ————◇—————     午後三時五十九分開議

平野三郎自由党

○平野委員長 これより休憩前に引続き会議を開きます。  これより日雇労働者健康保険法案及び同案に対する修正案を一括して討論に付します。永山忠則君。

永山忠則自由党

○永山委員 自由党を代表いたしまして、ただいま議題となつております日雇労働者健康保険法案の政府提出案に賛成の意を表するものでございます。  この場合政府に二点ほど要望いたしたい。政府はすみやかに医療給付費に対して国庫補助を出すような措置を講じてもらいたい。なお給付内容の向上並びに適用条件、その範囲等につきましても適正を期せられて、本案が将来真に日雇い労働者の医療問題の解決に向うように格段の努力を願いたい、これが第一であります。  第二には長らく日雇い労働者の健康保険問題は論議されましたが、解決しない点はただ単に財政的理由だけではないと思うのであります。いわゆる医療保険の全体の問題と総合いたしまして、政府はこれが実施に躊躇をいたしたのではないかと思われるのであります。しかし本案が出ました以上は。どこまでも本案が真に日雇い労働者の医療問題を解決するような万全の処置を講ぜられるようにわれわれは期待いたすものでありますが、これと併行して当局にお考え願いたいことは国民健康保険との関連性であります。国民健康保険法の第二条を修正されまして、強制設立に向かわれて、そして日雇い労働者の健康保険は将来これに発展的な統合をするということが、社会保障制度の一環をになう医療保険のあり方から見て、行くべき道ではないかという点に対しても、ひとつ御研究を願つておきたいと思うのであります。ということは、病気になつたときに、恵まれざる層が現在なお実に三千万人を越えておるのであります。政府は今回日雇い労働者五十万人を対象としてようやくその緒につかれましたが、なお農村、漁村、山村民及び都会の中小工業者、五人以下の工場あるいは徒弟に行つておる者、このほんとうにかわいそうな層は、三千二百万人から救われていないのであります。政府は今回八十万人の日雇い労働者を救うために給付費の三分の一の補助は必要であるとして、厚生省が大蔵当局に申請をして、二十九億円の予算折衝に努力されたことには敬意を払うものでありますが、八十万人の日雇い労働者の健康保険の問題に対して政府は二十九億円を出す。しかしこれは給付費の補助である。現在国民健康保険の対象は五千七百万人で、この真に気の毒な生活をしている農漁村民、中小工業者、健康保険で救われざるところの一般庶民大衆層、これに対する給付に対して政府の補助は一文もない。八十万人の労働者に対して二十九億の金を出すというようなことを考えると同時に、また五千七百万人の健康保険の対象者に対しても給付補助をしなければならぬ。これらを一時にやるということは財政的に非常に困難だ。あるいは国民健康保険の範疇に日雇い労働者の健康保険を入れるということで、広く国民大衆の医療問題を解決したいというような考え方を持つ人が当局の一部にありますれば、この問題が進行していなかつたのではないかと思うのであります。しかし何といつても一歩前進し、そして一つずつ解決して行かねばならぬという考え方で、不完先ではあるがまず本案を実施するのだという態度を厚生当局がとられたことには敬意を払うものでありますが、国民健康保険の対象でありながら少しも救われていないところの三千二百万人の対象を含む国民健康保険の強制設立を政府は進められて、医療給付費の一割五分をお出しになれば、現在修正案でお出しになつておるところの政府補助は二分の一給付を要求されておりますから四十億円。しかして現在国民健康保険で二十九億六千万円の給付の一割補助が考えられておる、合せて七十億円だから、もう三十億出して合計百億出すという考え方で、国民健康保険の二割給付補助を勇敢に実行されまして、一般庶民大衆の医療に対する問題だけは何とかして解決してやろうという熱意は政府になくてはならない。今日庶民大衆は失業保もなければ厚生年金もない。保険税もしくは保険料は、全部自分の金を出す自家保険である。一方健康保険の関係者には事業主が半分出しており国家並びに地方公務員に対しては政府及び地方が半分保険料を出しておるのに、何らの恵みもなく、しかも病気になつたときには医者にさえもかかることができない庶民大衆層がまだ何千万人もおります。これらの者をすみやかに救済するという考え方とあわせて、この問題の解決を最も合理的に、しかも医療給付の負担あるいは給付内容の向上、適用条件及び適用範囲の規整というような修正案の趣旨を十分に取入れられまして、万全を期せられんことを希望として申し上げておきます。  さらに私は政府原案に賛成し、ただいま提出になりました修正案に対しましては反対いたすものであります。修正案の内容その他の考え方に対しましては全幅の敬意を払つておりまして、政府はすみやかにその趣旨を取入れられんことを期待いたしますが、今日予算はすでに衆議院を通過いたし、参議院で審議いたしておりまして、現実の面におきまして予算的措置等をすることも困難なる諸般の事情を考慮いたしまして、私は遺憾ながら修正案に反対いたし、政府原案に賛成の意を表するものでございます。(拍手)

平野三郎自由党

○平野委員長 山下春江君。

山下春江改進党

○山下(春)委員 ただいま上程になつております日雇労働者健康保健法案に対しまして、改進党を代表いたしまして、社会党から提案になりました修正案に反対し、政府原案に賛成をするものであります。  ただいま与党である自由党の永山委員からるる述べられました点は、ことごとく私どもの賛成するところであります。自由党内閣には、さようなお考えがあるかないかをわれわれは今日まで危惧をいたしておつたのでありますが、さようなお考えのもとにすべてのこういつた厚生行政が考えられているということに対しては、あらためて見直した次第であります。  永山さんのお話にもありましたように、日雇い労働者の中の、たとえば付添看護婦などは戦争未亡人などが多い。その仕事は雇用主が患者でありますために、あるいは伝染病があり、あるいは結核その他非常に危険な病気、あるいは重病で二十四時間離れられないような患者、それらに付添つております付添看護婦などはまつたく疲労困憊いたしまして、見る目も気の毒な状態であります。これらが何ら救済されていないということに対しては心から同情し、何とかいたさなければならないということは私も同感であります。先ほどからいろいろ質疑の中にもありましたことく、今日日雇い労働者が、特に私のような東北に住みます者として、あの雪深い中で毎日火をいぶしながら苦しんでおる姿は、まつたく何とかしなければならぬという気持になる点におきましては、私も人後に落ちないものであります。しかしながら永山委員の仰せにもありましたことくたとえば戦争未亡人でも、この付添看護婦にでも出られる人はまだしも、子供がたくさんあつてうちを離れられないような人たちは、薄暗いあばら家でわずかな手内職に一日を働き疲れております。それらの人々が病気になり、あるいはけがをすると、これはだれも救済してくれません。それらの状態を考え、あるいは農民におきましても修正案には中農あるいは富農と仰せられますけれども、実際はそうではございません。たとえば山にすぎの木を植えております農夫が木の下枝を打ちに行きまして、雨降りのあげくに足をすべらして下に落ちて、誤つて石に頭をぶつつけて死にましても、近所の人がほんとうにお気の毒でございましたと言う以外にだれも補償してくれませんが、その同じすぎの木を木を切りまして電信柱を立てて、電信柱の上から落ちました電線工夫は、国家が厚くこれを補償するというこの世の中の不公平を見ましたときに、私どもはこういうことを見逃すわけに参りません。社会党の理事である堤委員からも、あるいは船員保険、健康保険、国民健康保険あるいは共済保険、これらのいろいろな保健が林のごとく立つておつて、ある者には厚く、ある者に薄い、こういうことはけしからぬという御意見でございました。まつたく同感でありまして、このことに対しましては、新たにこの日雇労働者健康保険法というものを考えられた政府の意図が私にはわからないのであります。政府原案をもつてしますればたつた三億円でありますが、この三億円をも、今の気の毒な人たちの救済に充てる国民健康保険の拡充資金に充てるべきだと思います。  なおこの修正案によりますれば二分の一の給付でございます。二分の一の国庫の給付を受けております者は、永山委員のお話にありました通りこれは国家公務員の方々だけでございまして、国民はさような給付は国家から受けておらないのであります。従つてこの自由労働者だけがこういう恩恵に浴することは、お気の毒ではありますけれどもこれは不公平であると思います。従つて今日すでに予算は衆議院を通過いたしました。皆様方がこの修正案を提案になりまして、もし真に国会を通過させようとなさる御意図であるならば—ともすれば世の中にはおもねた考え方がございますが、ほんとうにこれを通過させようとなさるならば、少くとも衆議院を予算が通過しない前でなければならぬ。この予算措置をいかがなされるおつもりで御提案になりましたのでございましようか、私にはその点が納得が行かないのであります。しかもその三十二億という修正案に盛られております予算を、かりに国会が認めましてこれが一応通つたといたしますならば、少くとも私はこの三十二億を国民健康保険に加えまして、そして日雇労働者もともに国民の一人であることに間違いございませんので、国民健康保険によつて救済を及ぼされてほしいのであります。今日いろいろ発生いたして来ました現象をつかまえてはいろいろな保険法などをおつくりになることは、厚生当局においても保険法をつくるマニアのように見えまして、私にはその信念のほども疑われるのであります。こういう考えを政府当局がお持ちになりましたとい)その心根には、ある程度敬意を表す点もございますけれども、そういうものでなく、政府は常に占領政策の行き過ぎなどを是正しなければならないということに立つておられます。これは占領政策とは考えませんけれども、しかしこれらの問題に対しましても、もう少し信念を持つて、ほんとうに社会保障制度がどういう姿であらねばならないかということの根本に立つて、苦しくともそこを突き抜くという信念が、政府にぜひ望ましいと私は思うのであります。  政府原案の三億の事務費というのは、仕事を始めますときには調査費がいります。おそらくこの三億というのは健康保険法としては何らの役に立たないものでありまして、事業を始めるときの調査費ぐらいなものであろうと思います。従つて、日雇い労働者の方方の健康状態を調査するという程度のものにしかならないものでありましよう。まことに不完備なものであることは、私もまつたく同感であります。これは社会保障制度、いわゆる国民健康保険が完全な発達を遂げますまでの段階の、ないよりはましの法案といたしまして、政府原案に賛成し、以上申し述べましたような理由によりまして、遺憾ながら修正案には反対をいたすものであります。

平野三郎自由党

○平野委員長 堤ツルヨ君。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案されておりますところの日雇労働者健康保険法案に対しまして、政府の原案に反対をいたし、私たちが提出いたしました修正案に賛成の意を表するものでございます。  ただいま皆様方もお聞きの通り、与党である自由党の永山委員、並びに御賛成になりました改進党の山下委員の御討論を承つてもはつきりいたしておりますが、乱脈きわまる保険行政でまつたく遺憾でございます。思いつきの場当りの保険行政を、こうやくを張つたように当てもなく続けて行くというところの現自由党内閣の保険行政に対しましては、まつたく遺憾の意を表せざるを得ないのでございます。泣く子と地頭には勝てませんので、日雇い労働者の健康保険を何とかしなければならないというところに追い込まれましたところの、恵まれざるこの人々の階層を対象といたしまして、政府がこの法案を思いつきましたことに対しましては、思いつかないよりも、まだましであるというところの敬意を表したいと存ずるのでございますけれども、しかし、乱脈きわまるところの保険行政をもう一つ乱れさす元になることは、ただいま山下委員が御指摘の通りで以ることは、私は論をまたないと思うのでございます。しかし私たちは、資本主義が生みました階級その階級でも最も恵まれざるところの、月に十日さえも働くことのできない日雇い労働者の方々の保険の問題につきましては、なおざりにできません。従つてこの方々にどうしても現自由党内閣の手において保険制度ができないのならば、もつと上の階層の人よりは厚いものを何とかして保護して差上げなければならないと腐心しておつたものでございますが、政府のこの原案が出るに及んで、まつたく驚き入つたことには、事務費だけを負担せしめて、そして医療給付の一部さえも国庫が負担しないということであります。このような粗案ではその目的を達しないのでございまして、御厚意は多といたしますけれども、私たちはこれに賛成することができないのでございます。  私たちが修正案にその内容を盛つておりますように、本法案の適用者は、政府案におきましては五十万人となつておきますけれども、せめて八十五万人までを対象とし、五人以上を雇用するところの事業所は、適用事業所とする案をも含めまして、私たちはこの三箇月を六箇月に給付期間を延長し、また政府が事務費だけといたしますものを、この保険診療給付費の二分の一を国庫支弁に織り込んで、これを提案いたしました。そして近き将来におきましては、ただいま山下委員並びに永山委員が御提唱になり、かねてから私どもが提唱いたしております通り、国民健康保険制度というもの一本の中にこれらのでこぼこを修正いたしまして織り込み、国民健康保険制度というものを各市町村に義務づけまして、そして国庫補助の形において、日本国民たる者ひとしく一旦病気にかかつたときには健康保険制度の恩典によつて守られる制度に統合されなければならないのでございます。その統合の前提といたしましても、あまりにもでこぼこの差のひどい、事務費のみにしか負担されないというところの政府原案は、私たちも賛成することができないのでございまして、ここに医療給付の二分の一国庫負担を織り込んだわけでございます。  この私たちの修正案が、もしや皆様方与野党を別にいたしまして、御同意を得ることがありましたとしても、永山委員が御指摘になりました通り、農山漁村の組織を持たない方々は、町内や村に健康保険制度をしいておらない限り、何らの制度の恩典に浴しません。また日雇い労働者に近いところの、ことにかよわい女性におきましては、旅館の女中に住み込み、深夜まで仲居をいたし、また消費面ではございますけれども、芸者となつて収入を得ておる者、ダンサーといわれる者、また零細な給仕といわれる者などがこの対象に入つておらないのでございまして、何とかして、一旦病にかかつた弱きこれらの働く女性たちの立場を守りたいと思う日ごろの私の念願なども、この法案の中においては救われないのでございまして、国民健康保険制度が、全八千五百万の大衆を対象として義務づけられない限り、どうしても万全は期せられないのでございます。幾多問題は残つておりますけれども、私たちは将来の国民健康保険制度への各種保険制度統合をその頭の中に織り込みまして、政府案よりも進歩し、やや他の保険制度と均衡のとれた私たちの修正案を提出したゆえんでございます。  ないよりはましのこの日雇労働者健康保険法に、山下委員は、改進党は賛成するとお述べになりましたけれども、私たちは事務費のみでわずかに調査ぐらいができそうだというような自信のないこの法案に対しましては、徹底的に賛成をすることができないのでございまして貧しい政府の原案に対しまして猛省を促して反対し、私たちのこの日雇労働者健康保険法の修正案に、心から賛成されんことを望みまして、討論にかえておきたいと存じます。

平野三郎自由党

○平野委員長 八木一男君。

八木一男日本社会党(左)

○八木委員 私は日本社会党を代表いたしまして、左右両社会党から共同提案になりましたこの修正案に賛成し、政府原案に反対の討論を行おうとするものでございます。内容につきましては、今まで質疑中にいろいろと鮮明にされたわけでございますが、自由党の永山委員が言われました通り、この修正案の方が内容がよいものであり、政府案がほとんど実際の目的を果し得ないものであることは歴然としたものがございます。たとえば要件におきましては、二十八日という要件を定めておりますために、零細な収入の中から保険料を孜々として払込みながら、偶然にして事故の起つた直前においてそういう適用が受けられないという気の毒な人がある。たとえば給付内容が全然問題にならないので、長期の三箇月以上の病気になつた場合には、一家離散の立場に陥らなければならない。あるいはその他死亡とか、出産のときには非常に困つた状況になるというようなこと、あるいはまた先ほど山下委員からも、また堤委員から言われましたように、適用範囲をのがれております看護婦とか芸者、そういう人たちがこの修正案におきましては適用を受けられる道を開いてございますが、政府原案においてはほとんどそういう道がないという点におきまして、原案が修正案に比べて内容が乏しいものであることは明らかでございます。この点におきまして私どもは政府原案に反対し、また修正案に賛成をするものでございます。  先ほど討論の過程中におきまして、いろいろと国民健康保険との関係が述べられたわけでございます。私どもの考え方では、国民健康保険の健全な発達につきまして非常に要望しておることは、各委員並びにただいまの発言者と同じでございます。しかしながら国民健康保険の対象になる一般の大衆と、日雇い労働者の健康保険の対象となるべき人の生活の実態には、大いに差がございますので、この点におきまして、現状におきましては日雇労働者健康保険法をどうしてもこのような高度の国庫負担において実施する必要があると思うのでございます。国民健康保険に統合するという御意見につきましてはいろいろと考え方がございまして、労働者は労働者の健康保険において二分の一の事業者負担があるということは、労働者の賃金の一部とも考えられますので、この既得権の問題を考えなくして、一概にそのままに国民健康保険に適用するということは、現在の労働者の立場をさらに悪い立場に押し込むというような結果も考えられるわけでございまして、その点については慎重に考える必要があると思うわけでございますが、たとえば国民健康保険のいろいろの国庫負担が五割を増し、あるいは七割、八割、九割、あるいは保険の範囲を逸脱してこういう医療については、全国民に対して国家から医療給付ができるというようになりましたときにおきましては、全部統合をすることにわれわれは賛成なのでございますが、はなはだ遺憾ながらそういうことがなかなか急速に実施されない現状から、どうしても生活の困窮の度を強度に加えております日雇い労働者諸君に対しまして、その内容の完璧な健康保険を実施する必要があると思うわけでございます。先ほど永山委員が言われましたように、内容が修正案の方がよいことは、十分に自由党の厚生委員の賢明なる諸君も御承知でございますので、いろいろの予算の関係もありますが、どうかひとつ大衆のお立場を考えていただきまして、御考慮を願いたいと存じます。たとえば二十九年度からこれを実施し、本年度においては政府の予算関係があるからできないという党もあると存じますが、そういうお考えに立つていただきたいということを、討論の途中でございますが、意見として申すわけでございます。今山下委員から言われましたように、予算の関係がございますが、わが日本社会党におきましては、この前の予算案におきまして、一般会計予算の修正案を出した。その中に明らかに日雇労働者健康保険に必要な経費を計上してあるわけでございます。ところがこの法案を審議しない間に予算案を通すという非常に本末転倒なことが行われましたために、このようなことになつたわけでございます。このような、法案がいいか、悪いか、よくてももう予算が通つたからだめだというような扱いが、審議上起るような状況に陥りましたこの衆議院の本委員会におけるやり方の欠陥を、第二院である参議院においてはおそらく非難いたしまして、法案がよければその法案を決定して、それに従つて予算を修正するという態度をとられるということを、われわれは期待いたしておるわけであります。でございますので、各委員諸君におきましても、この法案がよいとお思いくださいましたならば、これを本委員会において全員で可決していただきまして、予算の措置についてはその後において参議院で修正されて、ほかの点については言及いたしませんが、少くともこの点においては四十二億の増額が必要である。その差繰りについては、政府が賢明なるお考えで増額するとか、ほかの費用を軽減するとかいうような措置をとられると思いますので、この点におきまして、大乗的に日雇い労働者諸君の生活やすべての点をお救いになるために、皆さん方の全会一致の修正案に対する御同意をお願いしたいわけであります。  このような意見を申し上げまして、わが両社会党の提出いたしました修正案に賛成し、政府原案に反対いたすものでございます。

平野三郎自由党

○平野委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。まず修正案につき採決いたします。八木委員外五君より提出されました修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

平野三郎自由党

○平野委員長 起立少数。よつて本案は否決せられました。  これより日雇労働者健康保険法案の政府原案につき採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

平野三郎自由党

○平野委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。なお本案に関する委員会の報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存じますから、そのように御了承ください。  本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後四時三十三分散会

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