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15回国会衆議院1953/03/13

建設委員会 第17号

発言数
31
登壇者
7
会派数
2
開催日
1953/03/13

会議録

西村英一自由党

○西村委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。今回私は、篠田前委員長のあとを受けて、はからずも当委員会の委員長の重責を汚すことになりました。浅学非才、また議事の運営につきましても、きわめてふなれでありますが、委員各位の御協力と御支援とによりまして、大過なくこの職を果すことができますよう、念願している次第であります。何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)     —————————————

西村英一自由党

○西村委員長 これより本日の日程に入ります。まず建築基準法の一部を改正する法律案(田中角榮君外九名提出、衆法第五一号)を議題とします。まず提出者より提案理由の説明を聴取いたします。田中角榮君。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 ただいま議題になりました建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を簡単に御説明申し上げます。  建築基準法は、昭和二十五年五月二十四日、法律第二百一号で制定せられたのでありますが、従来府県で取扱つていました建築行政を市町村にも行い得るようにする等、きわめて進歩的な立法であつたことは、当時の国会における審議の経過を見ましても明らかなところであります。しかしながら法律施行後二年半を経過しました今日、その実績を顧みますと、いろいろと実情に即しない点がありますので、その中から特に急を要すると思われるものを取上げ、この改正案を提案いたした次第であります。  改正の第一点は、建築行政の市町村への移管に関する問題であります。現行法第四条第一項におきましては、すベての市町村は建築主事を置き、建築行政を担当し得ることになつているのでありますが、第四条第二項及び第三項によりますと、市町村が建築主事を置こうとするときは、事前に都道府県知事と協議しなければならないことになつており、両者の協議がととのつた場合にのみ建築主事を置くことができるようになつております。しかしながら現実には従来府県の権限として持つて来たものを、両者の話合いで移管するということになれば、どうしても手離したくないのが人情であり、また両者の協議がととのわなかつた場合にどうするかという明確な規定がないために、現に事務的な折衝に時間を空費し、あるいは府県と市との間の政治的な問題などに災いされて、建築行政の移管がうまく行つていない事例が多いのであります。この点を是正するため、本案は、建築行政を担当する能力が十分あると認められる人口三十万以上の市に限り、この両者間の協議を義務づけることをとりやめ、そのかわりに相当の期間を置いて事前に通知することといたしたのであります。  第二点は、手数料に関する問題であります。すなわち、現在建築基準法第六条第六項において確認申請手数料の最高限が定められておりますが、物価の変動に伴い、最近各種手数料の増額が行われましたので、これらとの均衡上、本手数料を改訂する必要が認められるのであります。現在本手数料は、建物の規模別に数段階にわかれて徴収されておりますが、本法制定当時、すなわち昭和二十五年五月と現在とを比較いたしますと、物価水準は約三割、給与水準は約九割の上昇が認められ、両者を平均すれば、約六割の値上げが至当と考えられます。従つて現行法における最高限の規定五百円及び三千円を、それぞれ八百円及び五千円に改めんとするものであります。  以上二点の改正により、建築行政の円滑なる運営に資せんとするものであります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。  以上をもつて提案理由の御説明を終ります。

西村英一自由党

○西村委員長 これより質疑に入ります。質疑は通告順によつて発言を許します。山下榮二君。

山下榮二日本社会党(右)

○山下(榮)委員 ちよつと伺いますが、この一部改正案には三十万以上としてあるのですが、今ここにもらつた資料によると、三十万以下でも建築主事を置いておるところも相当あるようであります。現に広島、金沢、函館、塩釜等は、従来の法律に照し合せて検査を実施いたしておるところもあるようですが、これらに対しては一体どういう調整をされるのか、既得権は既得権として認めて行くことになるのであるか、その辺のところを伺いたいと思うわけであります。三十万という規定をされたのは、どういう根拠で三十万と規定されたのか、ここに理由として三十万以上の市は云々と書いてありますが、そのほかに何か三十万以上の市には特別の措置をしなければならないという理由がありますならば伺いたいと思います。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 山下君にお答えいたします。建築基準法を審議いたしました当時、原則的に市町村に建築主事を置いてはどうかというような議論があつたのでありますが、当委員会においていろいろ研究した結果、現行法通りになつたわけであります。しかるにただいま申されたように、人口三十万以下の都市であつても、建築基準法制定当時の法の精神を生かして、府県知事の好意ある取扱いによつて協議がととのつて、建築主事を置いてある都心があることは、ただいま申された通りであります。その意味におきまして、大体この法実施の結果にかんがみまして——三十万以上と申しますと、この法律でもつて無条件に入るのは、今までの主事を置いてあるところ以外は仙台市が一つあるだけだと思います。このような状況から見て、当然三十万以上の都市には協議がなくとも原則的に置くことが妥当であると考えたわけであります。なお三十万以下の現在建築主事を置いております都市に対しては、経過措置として規定しなくとも、当然府県知事と協議がととのつておるのでありますから、これはそのまま建築主事を置いて行くわけであります。なお、この法律施行後でも、建築基準法に規定しております通り、三十万以下の都市で府県知事と協議がととのう都市につきましては、現在建築主事を置いております都市と同じように建築主事が新たに置かれるわけであります。

山下榮二日本社会党(右)

○山下(榮)委員 別に討論する意味じやないのですが、きようも、こういう法律案が提出されるだろうということを聞いてだろうと思うのですが、大阪、兵庫、その他の府県の建築部長というような方々から反対の陳情を受けております。特に今三十万というような規定をして、法律の一部修正を行うということをやりますと、せつかく三十万以下の都市で主事を置いて建築法の運用を行おうと思つておるところに、知事等がつむじを曲げて行わしめないというような、ここに逆効果を来すおそれがあるのではなかろうかということが予想されるのであります。その辺に対して提案者の方ではどういうようにお考えになつておりますか。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 お答えいたします。建築基準法制定当時の精神を見ますと、いわゆる中央集権政治であり、しかも府県中心の政治であつて、一つの建物の場認可申請を行うのに、県庁所在地まで出かけなければならない、こういうようなここに不合理がありましたので、この種の軽い行政は、できるだけ下部にまかせた方がよろしいという根本原則に立つて立法せられたわけであります。その意味におきましては、法四条に協議ととのわざる場合の処置が書いてないのが法律上欠陥があつたわけでありまして、当然協議をしなければならない。協議をしなければならないと規定した以上には、協議ととのわざる場合には建設大臣が裁定するとか、なお別な仲裁規定を設けなければならなかつたわけでありますが、法の精神そのものがいわゆる地方に委譲するという根本精神に立つておりますので、これを規定しなかつたわけであります。その意味において大阪府及び大阪市、東京都の話などは、法の精神からいえば当然人口三十万以下の都市でも協議ととのつておるのでありますから、これは協議がととのうべきであつて、これがととのわず現在まで紛糾しておるような問題は法の精神を誤るものである、そう申し上げたのであります。その意味において、相亙において円満なる協調を願うわけでありますが、立法当時の精神から申しますと、先ほど申しましたように、軽い行政はなるべく地方に委譲をする、またそれが地方分権の制度なるものである、こういう考えに立つておりますので、ととのわない地区が多少ありますから、それを是正するためにも本法律案の提案を必要といたした、こういうわけであります。但し、その結果、知事が人口二十万以下の都市に対して、この法律が出たので特に協議をしなければならないのであるといつて専断横暴に流れるようなことは、それは絶対ない。というのは、現在すでに三十万以下の都市については、実情これを許すものに対しては主事を置いておるのでありますし、知事がよほど政治的な謀略でも使わない以上、平たく物を考えて割り切つて行つたら、実情これに合えば、法律の精神通り協議がととのうことが前提であると考えております。

西村英一自由党

○西村委員長 前田榮之助君。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田(榮)委員 この改正案によりますと、建築確認の申請手数料というものを最高限度五百円を八百円に、三千円を五千円となつておるわけでありますが、この値上げをする理由は、もつとはつきり何のために値上げをしなければならぬのか、こういう点をもう少し明確にしていただきたいと思います。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 前田君にお答えいたします。先ほども申し上げました通り昭和三十五年に法律が制定されましたので、当時の事情によつて五百円及び三千円の規定が制定せられたわけであります。しかるにその後物価は三割以上上つております。特に給与の面においては九割上つておりますので、これが法律改正にあたつて、その中間をとつて、六割程度の値上げは至当ではないか、こういうふうに考えたわけであります。なおこの種各種の手数料は、地方公共団体手数料規則の改正を本年一月一日付でもつて施行しておるのでありますが、大体手数料の増額改訂を行つておりますので、足並をそろえる意味において上げてもいいのではないか、こう考えておつたわけでありまして、この第二の増額の問題は、本改正案の趣旨といたしましては従に属する問題であります。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田(榮)委員 ただいま提案者の説明によりますと、手数料の値上げは従に属すると言つておられるのであります。この提案者も常に主張されている通り、住宅及びその他の建築は、日本の現段階において非常にその必要性を迫られておるのであります。固定資産税その他についても、建築奨励の意味において、税金さえとつてはならぬというような法律改正等も行おうとしている現段階において、かかる手数料というものは、結局建築王の負担を増大するものであつて、ただ単に物価がどうとかいうようなことでなしに、従前の五百円及び三千円というもので地方財政にいかなる影響があつたか、こういうことをもう少し具体的に明確にしてもらわなければ、われわれはこの審議が困難なのでありますが、そういう点をもう少し明確にしていただきたいと思います。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 お答えいたします。先ほど申し上げました通り、いわゆる地方公共団体手数料規則の改正がありますが、本法律案に制定しておりますのは、法律でもつて明記してありますので、この地方公共団体の手数料と同じような同率の値上げが行われなかつたわけであります。その意味におきましては、この種のものは跛行状態にありますので、これをひとつ規正をいたしたいということが提案者の考えでありまして、大体現行の二百円を三百円、五百円を八百円、千円を千五百円、千五百円を二千円、三千円を三千円、三千円を五千円にということを、まず考えているわけでございます。特に前田さんから、地方財政逼迫という御意見がありました通り、日本の住宅その他建築物に対しましては、これから水準を上げて行くためにも、建築主事の合理的な指導が望まれるわけでありますし、特に親切丁寧にこれが行政を行わしめるというためにも、今までのようなただ一片の対策だけではなく、できるだけ建築指導もやつて行かなければならないということを考えておるわけであります。なおそういう重要な事務が市町村に移るわけでありますので、少しでもこれを値上げすることによつて地方財政の負担の分が軽減されることが非常に望ましいというので、このような値上げを考えたわけであります。但し、率直に申し上げますと、私はこの種のものを値上げしなければならないぞという強い意思は持つておりません。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田(榮)委員 この値上げは、ただ単に物価その他の関係、たとえば他の手数料等との均衡上、こういうことがおもな値上げの理由のようでありますが、むしろ進んで申請手続等の簡素化等町において地方財政を圧迫しないようにすることが、行政全般の喫緊の要務であろうと思うのであります。従つて、こういう値上げをすることをみずから率先して行うような態度に出ることは、建築を奨励し、日本の住宅問題等を緩和しようという提案者の平素からの熱意とは、逆なことになつているように思いますが、この点だけを撤回をなさる御意思はないのでありますか。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 少し私も前提を持つて申し上げたのであります。前田さんからきびしく御発言があつたようでありますが、単純に申し上げますと、先ほど申し上げました二十八年一月一日からの手数料料金金額改正は、大体こんなことになつておるようであります。飲食店営業許可手数料が千円のものが二千円になつております。喫茶店常業許可手数料が五百円が千円になつております。それから乳製品製造業許可というのが千円が三千円になつております。それから病院開設許可手数料の千円が二千円、こういうふうにみんな上つておりますが、法律で明記してあるものは、そのまま実情に即さなくとも、法律明示の率でもつて徴収する以外にないというような状況でありますので、右へならえをしたいという考えだけであります。私は、この法律案の提案理由にも申し上げました通り、まずこの第一番目の立法の精神に関する面の改正を行おうとするのが主眼でありまして、この手数料そのものを値上げすることによつて——私はこの程度のものの値上げが、そう建築の障害になるとは思つておりませんが、幾分でもそういう危惧があるならば、しいて私はこの料金改訂という問題に対して固執するものではない、こういうことを申し上げるわけであります。しかし、修正の意思があるかどうかと申されましても、どうもただいま提案したばかりで、ねこの目のようにただいますぐ修正に応ずるというわけにも参りませんので、大方の御賢慮を願いたいと思うわけでございます。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田(榮)委員 この手数料の最高限度をきめられて、おるのであつて、実際に行われておる手数料は幾らであるかということについては、各都市とも同一ではないと存ずるわけでありますが、これは提案者の御答弁でなくても、住宅局長でもよろしいのでありますが、現在各都市で実施されておるものが最高限度にほとんどしわ寄せされて実行されておるのじやないかと想像するのでありますが、どういう都市では最高限度より少いもので行われておるか、現在の実情をひとつお聞かせ願いたいと思います。

師岡健四郎建設事務官(住宅局長)

○師岡政府委員 ただいまのお尋ねでありますが、政令で最高限これだけとれるということが、建築の面積に従つて規定されておりまして各都市とも一律となつております。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田(榮)委員 それでは各都市とも最高限度をとつておる、こう解釈してもよろしいわけですか。

師岡健四郎建設事務官(住宅局長)

○師岡政府委員 詳しく申し上げます。二十平米以内のものは二百円、それから二十平米を越えて百平米以内のものは五百円というふうに、二百円から三千円以内で八段階にきまつております。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田(榮)委員 私がお尋ねしておるのは、各都市で多少の差異があるか、たとえば二十平米のもので、甲の都市は幾ら、乙の都市は幾らというふうに差異があるかどうか。坪数に差異のあるものは別ですが、全国で手数料において実質的な差異があるかないか、こういう点をお尋ねしておる。

師岡健四郎建設事務官(住宅局長)

○師岡政府委員 各都市による差異はございません。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 先ほどお答えがちよつと不備でありましたので、補足して御説明申し上げておきますと、地方財政の負担は幾らかでも軽くしたいという気持がありましたのは、現行でもつて大体全国でこの種の事務を行つて行くための所要経費の総額は、四十三億九千余万円を数えておるわけであります。ところがこの法律で規定します手数料によつて入るものはわずか四億三千二百万円、つまり一割という状態でありますので、これが倍額に上げても二割しか負担できないというような状態でありますから、そう大した問題ではないのではないか、こう考えるわけであります。

淺利三朗自由党

○淺利委員 関連して。今住宅局長の御答弁によつて、この料金は政令によつて一律にきまつておるということでありましたが、各府県の事情はそれぞれ異なつておりますから、必ずしも中央において全国画一的に政令できめるという必要はないように思うのですが、何か特に政令で画一的にきめなければならぬという理由があつたのかどうか、これが第一。それから第二は今提案者——私も提案者になつておりますけれども、田中君からの御説明によつて、これに要する経費は全国四十何億、こう申しておりますけれども、これは建築確認だけの費用じやなくて、府県の実情から見れば、府県自体の公営住宅とか、あるいはまた公庫住宅に対する査定などのために建築主事を置くのであつて、それがたまたま建築確認という仕事をやるのでありますから、仕事の分量から見れば、四十四億というものが、全部建築確認だけの事務には当つておらぬように思います。そこで今田中君は、必ずしも最高限は固執しないと言つておるが、建設省の住宅当局においては、今日の実情から見て、どうしてもこれだけの費用を上げなければならぬのかどうか。また実費というものも、今私が申し上げましたように、建築確認事務だけに対する実費の調べができておるのか、あるいは府県全体の建築行政の事務費なりその他を含めたものの調べができておるのか。そういうことを明確にしていただければ、この審議の過程においてたいへん参考になると思いますので、わかる程度にまで、ひとつお知らせ願いたいと思います。

師岡健四郎建設事務官(住宅局長)

○師岡政府委員 お尋ねの第一点でございますが、手数料の最高限をきめておりまして、その範囲内で政令で一律にきめておるわけであります。これは手数料は普通大体こういうふうになつておりまして、お話の通り地方財政の事情が異なりますので、場合によつてはそういう立て方もありますが大体の手数料の立て方がそういうふうになつておりますので、一応そういうことにしたわけであります。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 前田さんの御了解を得たいのですが、今数字を読み違えましたので、訂正さしていただきます。建築基準法施行に関する経費でありますので、この総収入額が一億七千七百万円であります。これに対して総経費が四億三千九百余万円でありますので、現行手数料によりますと、差引二億六千百余万円というものが欠損になつておるわけでありますので、この法律のように改正をした場合は、そのマイナスが一億程度になるのではないかということに訂正をいたしておきます。

淺利三朗自由党

○淺利委員 私の質問に対して、建築確認だけの費用であるか、あるいは一般建築行政の費用も含めたものか、その点についてはつきりした御答弁を願いたい。

師岡健四郎建設事務官(住宅局長)

○師岡政府委員 これは建築基準法の施行に要する費用でございます。

西村英一自由党

○西村委員長 他に御質疑はありませんか。

松本一郎自由党

○松本(一)委員 本案は建築政策推進の上に妥当の案と存じます。ついては質疑をこれで打切りまして、討論採決は次会に譲りたい、かように考えます。右動議を提出いたします。

西村英一自由党

○西村委員長 松本君より本案に関しまして、質疑を打切つて、討論採決は次会にという動議が提出されましたが、これに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村英一自由党

○西村委員長 さよう決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時五十一分散会

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