建設委員会 第11号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1953/02/17
会議録
○高木(松)委員長代理 これより会議を開きます。 ただいま委員長が不在でありますので、私がかわつて暫時委員長の職務を行います。 産業労働者住宅資金融通法案(内閣提出第五七号)を議題といたします。まず政府より提出理由の説明を聴取いたします。戸塚建設大臣。
○戸塚国務大臣 産業労働者住宅資金融通法案につきまして、その提案の趣旨及び法案の概要を御説明申し上げます。 申し上げるまでもなく、現下の住宅難はきわめて深刻でありまして、これが解決は、わが国の当面する内政上の大きな問題の一つとなつているのでございます。特にこの住宅難は、わが国経済再建の原動力をなしている勤労者において最もはなはだしく、これらの人々の生活安定はもちろん、勤労能率に対しても、重大なる影響を与えていることは、御承知の通りであります。政府におきましては、このような住宅事情に対処し、従来より各般の施策を講じて参りましたが、過般内閣成立の際にも、新政策の一つとして、勤労者の福祉増進、特に勤労庶民住宅建設の促進を取上げたのであります。 御承知のように、政府の住宅対策といたしましては、低家賃公営住宅及び住宅金融公庫融資住宅の二方策が最も重要なものであつたのでありますが、この際さらに住宅対策を積極的に推進するために、産業労働者住宅の建設促進策を実施いたすこととしたのであります。すなわち国と事業者が協力によつて、産業に従事する労働者に対し、低家賃の住宅を供給するために、労働者のための住宅を建設しようとする事業者等に対し、住宅金融公庫を通じ、長期低利資金を融通することを目的とする本法案を提案いたすこととした次第であります。 本法案により、資金の融通を受ける者は、その使用する産業労働者に対して住宅を建設しようとする事業者及びこれらの事業者にかわつて労働者のために住宅を建設しようとする会社その他の法人でありまして資金貸付の限度は、建築費の五割以内、貸付利率は年六分五厘、償還期間は、耐火構造住宅及び簡易耐火構造住宅については二十五年以内、木造住宅については十五年以内といたしております。 この法案に基きまして昭和二十八年度におきましては、住宅六千五百戸分二十億円の貸付を予定いたしておりすす。特に住宅の質の向上をはかる意味におきまして、融資にあたりましては、耐火構造アパートの建設に重点を置きたいと考えております。 以上本法案の提案理由と法案の骨子につきまして、その概要を申し上げました。 なお、この法案の施行に伴い、住宅金融公庫法の一部を改正する必要をも生じましたので、これにつきましても改正いたしたいと存じております。何とぞ各位におかれましては、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○高木(松)委員長代理 次に、政府より逐条説明を聴取することといたします。師岡政府委員。
○師岡政府委員 産業労働者住宅資金融通法案の提案の趣旨と法案の概要について、ただいま大臣から御説明がございましたので、私から同法案の各条中、主要なものにつきまして、御説明申し上げたいと思います。 第一条におきましては、この法律の目的を述べておるのでありまして、最も住宅不足のはなはだしい産業労働者に対しまして、健康で文化的な生活を営むに足る産業労働者住宅を建設しようとする事業者に対しまして、長期かつ低利の資金を融通することによりまして、産業労働者住宅の建設の促進をはかり、産業労働者の福祉を増進し、労働能率の向上によつて産業発展の一助といたしたいということを目的として掲げてございます。 第二条におきましては、この法律の適用の範囲を明らかにするために、主要な用語につきまして、次のように規定いたしております。すなわち、事業者とは、国、国に準ずるもの及び地方公共団体を除いた一般産業に従事する事業者で、常時五人以上の従業員を使用する者といたし、産業労働者とは、このような事業者に使用されている者と規定いたしております。 第三条におきましては、資金の融通に関する業務は、住宅金融公庫において行うものといたしております。 第四条におきましては、資金融通の原則を掲げまして、この法律による資金は、事業所等におきまして、住宅に困つている従業員が多い場合、このような従業員のために住宅を建設しようとする事業者であつて、住宅建設資金の全額を調達することが困難な者に対しまして、その不足額を補足するために資金を融通するようにいたしたいと考えております。 第五条におきましては、この法律によりまして、資金の融通を受けて建設する住宅の敷地の選定基準及び住宅の規模構造等につきまして規定いたしております。すなわち住宅の敷地は、一般的に安全上、また衛生上良好な土地にあることが必要であることは言うまでもありませんが、このほかに、産業労働者住宅は、産業労働者の日常生活の利便というものを考慮するとともに、交通その他の点におきましても、労働能率を向上させることができるような地点に選定さるべきであるということを規定いたしております。また住宅につきましては、安全上、衛生上及び耐久上必要な規模構造等を有するとともに、できるだけ集団的に建設さるべきことを規定いたしております。 次に第七条におきましては、貸付の対象を次のように規定いたしております。第一に、その使用する産業労働者のために住宅を建設して貸し付ける事業者、第二には、使用する産業労働者のために住宅を建設して貸し付けさせるために、一事業者または数事業者が共同して出資または融資する法人といたしております。 第八条におきましては、貸付を受けるべき者を選定するにあたりまして、審査の基準となる事項を示しまして、申込者については、住宅を必要とする事由、それから償還能力、その他の事項を考慮して、公正に選ばねばならないものといたしております。なお産業労働者の住宅事情等につきましては、都道府県労働基準局の意見をも参酌いたしまして公庫の貸付決定を慎重に行うように規定いたしております。 第九条におきましては、貸付条件等を掲げております。すなわち貸付条件につきましては、第一に貸付の限度でありますが、土地取得資金を合せまして住宅建設費の五割、それから貸付利率は年六分五厘といたし、償還期間につきましては、耐火構造住宅及び簡易耐火構造住宅は二十五年以内、木造住宅は十五年内といたしまして割賦償還の方法によることといたしております。また貸付の対象となる住宅の床面積につきましては、公庫の従来の貸付と同様に三十坪を越えないものといたしております。その次に融資の坪数の限度につきましては、二十坪を越える場合におきましてはその二十坪として計算することといたしております。その他公庫法の準用でございますが、資金の貸付をする住宅の標準建設費、土地の標準価額、契約条項違反等の場合におきまする一時償還及び貸付条件の変更並びに受託者に対する手数料の支払等につきましては、住宅金融公庫の例によることといたしております。 第十三条におきましては、家賃その他の賃貸の条件を規定しております。すなわちこの法律による貸付金にかかる住宅の入居者は、産業労働者に限るものといたし、家賃その他の賃貸条件は、入居者の住居費の負担能力を主として考慮いたしまして、適正に定められるように規定しております。 次に、この法律におきまするところの主務大臣は、建設大臣及び大蔵大臣でありまして、事業計画その他業務運営上重要な事項につきましては、労働大臣に協議することといたしております。 以上が産業労働者住宅資金融通法の概略でございますが、この法律に伴いまして、住宅金融公庫法等の関係法律の一部を改正する必要が生じましたので、これらの事項につきましては附則に規定いたしました。その重要なものにつきまして申し上げます。 この法律によりまして、公庫の業務が拡大せられることになりましたので、公庫法の第一条及び第十七条に、新たにおのおの一項を加えまして、産業労働者住宅に関する資金融通業務を住宅金融公庫が行うことといたしました。 次に住宅金融公庫法第十六条を改正いたしまして、住宅金融公庫の役職員の給与に関する規定を設けまして公庫総裁が主務大臣の承認を受けて特別手当を支給することができるものといたしております。 次に、住宅金融公庫法第二十八条の改正でございますが、公庫の資金を郵便振替貯金とする道を開きまして、公庫利用者に償還金支払いの便宜を与えようとするものでございます。 なお郵便振替貯金法の一部を改正しまして、住宅金融公庫の貸付にかかる償還金を納付するための払い込みの料金等につきまして、一般の料金よりも低くするため特例を規定いたしております。 以上主要なる条文につきまして、逐条的にその概要を後説明いたしましたが、何とぞ慎重御審議の上御可決のほどをお願いいたす次第でございます。
○高木(松)委員長代理 それでは次会は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこの程度で散会いたします。 午後一時五十五分散会