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15回国会衆議院1953/02/07

建設委員会 第9号

発言数
51
登壇者
11
会派数
1
開催日
1953/02/07

会議録

田中角榮自由党

○田中(角)委員長代理 これより会議を開きます。  ただいま委員長がちよつと都合がありますので、私がかわつて暫時委員長の職務を行います。  建設行政に関する件、特に昭和二十八年度建設省関係予算について調査を進めることといたします。まず政府委員より予算に関する説明を聴取いたすことにいたします。三池政務次官。

三池信自由党建設政務次官

○三池政府委員 建設省関係の昭和二十八年度歳入歳出予算案について、概要を御説明申し上げます。  まず一般会計から申し上げます。建設省所管の昭和二十八年度歳入歳出予算は、歳入四十億八千二百余万円、歳出八百七十一億六千余万円でありますが、この歳出に、総理府所管に計上されており、予算執行の際建設省所管に移しかえになる予定の北海道開発のための経費を合算しますと、歳出合計額は、九百四十八億六千百余万円に相なるのでありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、歳出において二百十二億六千余万円の増加となつております。  本予算案は、一、道路交通網の整備、二、河川総合開発事業、三、住宅建設の促進に重点を置くとともに、その他の項目につきましても、それぞれ所要の経費を計上いたしておる次第でございます。以下、歳出予算案の各項目について御説明いたします。  河川等事業費内地分二百十八億八午五百余万円、北海道分二十九億五千八百余万円、計二百四十八億四千四百余万円を計上いたしております。前年度に比し、六十億七千八百余万円、約三割二分の増加となつております。これは河川改修事業、河川総合開発事業並びに海岸堤防の改良、補修等に必要な経費でありまして、前年度において実施いたしておりました諸事業を重点的に継続施行するほか、昭和二十八年度におきましては、直轄河川改修事業を新たに二河川、中小河川改修事業を新たに四十河川程度それぞれ追加施行するほか、河川総合開発事業として総合ダム十六を新規に建設しようとするものであります。  砂防事業費は、内地分四十七億五千八百余万円、北海道分五千四百余力円、計四十八億千二百余万円を計上いたしております。前年度に比し五億千八百余万円、約一割二分の増加となつております。これは河川上流の荒廃渓流における土砂の流失及び渓床の浸蝕防止または崩壊の拡大防止のため、堰堤、護岸、水利等の築造に必要な経費でありまして、前年度実施の事業を継続施行のほか、昭和二十八年度におきましては、特にダムの埋没防止に力をいたしたい所存でございます。  道路事業費は、内地分百三十三億七千余万円、北海道分三十三億九千八百余万円、計百六十七億六千八百余万円を計上いたしております。前年度に比し、七十九億四千三百余万円、約九割の増加となつております。これは道路の改良、補修、橋梁の整備に必要な経費でありまして、前年度実施の事業を継続施行いたしますほか、昭和二十八年度におきましては、自動車の増加及び大型バス等の重量車両の増加に対応して、幹線道路の鋪装並びに橋梁の整備を特に促進するとともに、産業開発道路の建設を実施いたす計画で、所要の経費を計上いたした次第でございます。なお本経費のうちには、特定道路整備事業特別会計への繰入金二十五億円を含んでおります。  都市計画事業費は、内地分四十七億三千五百余万円、北海道分七千二百余万円、計四十八億七百余万円を計上いたしております。前年度に比し五億五千百余万円、約一割三分の増加となつております。これは戦災及び火災復興、街路の鋪装、橋梁、立体交叉の整備並びに都市水利等の事業に必要な経費でありまして、昭和二十八年度におきましては、前年度におきまして実施いたしました事業を継続施行いたしますほか、街路の鋪装、橋梁及び立体交叉の整備並びに都市水利事業に重点を置き施行することにいたします。  建設機械整備事業費は、内地分十四億五千六百余万円、北海道分四億千余万円、計十八億六千七百余万円を計上いたしております。前年度に比し一億二千六百余万円、約七分の増加となつております。これは土木事業を機械化により合理化するため、大型機械の購入、修理及びモーター・プール、機械工場等の整備に必要な経費並びに地方公共団体の機械購入費の補助金であります。  住宅施設費は、内地分百一億七千六百余万円、北海道分八億千二百余万円、計百九億九千万円を計上いたしております。前年度に比し五十九億九千五百余万円、約十二割の増加となつております。これは終戦以来著しく不足している住宅の緩和のため、公営住宅法に基き低廉な賃貸住宅を建設するための経費でございまして、昭和二十八年度におきましては、比較的規格の高い一般向き賃貸住宅四万戸及び低利所得若向きの賃貸住宅一万戸、計五万戸を建設したい所存でございます。  次に、災害復旧事業について申し上げます。昭和二十七年度以前発生いたしました北海道を含む全地域における建設省関係災害復旧事業費を建設省所管に計上いたしております。災害復旧事業費合計額は二百五十六億六千八百余万円に相なりまして、これを前年度に比較いたしますと五億八千余万円の減額となります。本経費によりまして、直轄災害につきましては、全事業をほぼ完成、地方公共団体において実施いたします災害復旧につきましては、残事業の約三分の一を復旧いたす計画でございます。これを各項目別に申し上げますと、河川災害復旧事業費二百五十一億八千四百余万円、前年に比し四千万円増加となつております。都市災害復旧事業費三億九千余万円は、前年度に比し五千五百余万円の増加となつております。住宅施設災害復旧事業費一億九千二百余万円は、前年に比し六億七千六百余万円の減額になつております。  次に、雑件について御説明いたしますと、総額三十三億七千二百余万円、前年度に比し三億二千三百余万円の増加となつております。本経費のうち、おもなるものといたしましては、高速自動車道路調査費千八百余万円、国土総合開発調査費三千五百余万円、防火建築帯造成補助金二億二千万円、産業開発青年隊導入補助金千二百余万円、そのうち産業開発青年隊導入は、新規事業で国または都道府県の行う建設工事に青年隊を導入するための経費であります。  以上一般会計の概要でございます。  次に、特定道路整備事業特別会計につき御説明申し上げます。  歳入予定額は、一般会計より繰入金二十五億円、地方公共団体貸付金利子収入一億二千六百余万円、計二十六億二千六百余万円、歳出予定額と同額で二十六億二千六百余万円、これを前年度に比較いたしますと、四億二百余万円の増加となつております。この特別会計は、道路整備特別措置法に基き、国または地方公共団体の行う有料道路の建設に要する経費を経理するものでありまして、前年度において実施いたしておりました事業を継続施行するほか、昭和二十八年度におきましては、直轄分において松江国道、貸付分において立山登山道路外五路線を新規に計上いたしました。  終りに一言つけ加えますが、住宅金融公庫関係といたしまして一般会計出資金六十億円、資金運用部より借入金百二十億円、計百八十億円で前年度と同額であります。その貸付戸数は一般四万五千戸、産業労務者用六千五百戸でありまして、この産業労務者用住宅建設資金の貸付は、昭和二十八年度よりの新規事業であります。  以上簡単に御説明いたしましたが、詳細については政府委員より説明させます。よろしく御審議のほどをお願いいたします。

田中角榮自由党

○田中(角)委員長代理 以上の御説明につきまして、質疑を許します。  なお出席政府委員として、政務次官三池信君、官房長石破二朗君、道路局長富樫凱一君、河川局長米田正文君、計画局長澁江操一君、営繕局長木村恵一君、その他関係課長が出席せられております。念のため申し添えます。

西村英一自由党

○西村(英)委員 簡単に御質問申し上げます。第一番は道路のことでございますが、二十七年度の安全保障費に、当初は八十億の道路費が組まれておつたように御説明がありましたが、その後どういう経過になつておりますか。二十七年度の安全保障費のうち、道路・費として支出されるものはどのくらいあるか、またどういうところを主としてやつておられるか。また今後おそらく二十八年度の継続工事があると思いますが、その継続工事については、本年度は安全保障費がありませんから、保安庁の庁費でどういうふうに見ておられるか、それを御説明願います。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫(凱)政府委員 安全保障費関係の道路費についてお答えいたします。すでにきまりましたものが九十五億です。第一次、第三次、第三次とありまして、第三次までに五十億がきまりまして、第四次に四十五億にきまりまして、合せまして九十五億でございますが、なおさらに四十五億程度出そうという大蔵省の意向があるやに聞いております。これをもつて実施する道路は、演習場関係のもの、それからキヤンプ関係のもの、飛行場関係のもの等でございまして、これらを相互に連絡するという道路が主体になつております。  それから二十八年度に継続するものがあるかというお尋ねでございますが、二十八年度予算としては出してございません。二十七年度予算を二十八年度に繰越して実施するものが相当あります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 二十八年度の保安庁費の中には含まれていないという御答弁ですね。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫(凱)政府委員 さようでございます。

西村英一自由党

○西村(英)委員 そうしますと、今向うの軍の関係で相当道路を荒しているのです。私の県でも相当道路を荒しているところがあるのですが、そういうところは一般の道路費でやるのですか、あるいは保安庁の経費でやるのですか。今後維持補修を必要としなければならぬ道路があると思いますが、二十八年度以降に道路費が含まれていないということになると、そういうものは、一般の道路費で組むことになりますか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫(凱)政府委員 保安隊関係の道路につきましては、安全保障費から出しておりません。保安隊関係のために荒される道路の補修という問題につきましては、われわれといたしましては、保安隊から予算を出してもらうように折衝はしておりますが、これはまだきまつておりません。それから安全保障費関係の道路でありますが、これは当初百四十億ということで、われわれ要求したわけでございますが、九十五億ときまつております。これがさらに四十五億参りますと、大体その程度の金が出ると思いますが、一応安全保障費関係の道路は、これで完結するというかつこうになるわけであります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 そうすると、こういうふうに解釈していいわけですか。二十七年度のものは一応きまつたが、今後の軍のために荒された道路については、保安庁費である程度修理をする、こういうふうに解釈していいのですか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫(凱)政府委員 先ほども申し上げましたが、保安隊の費用で出すように折衝をしようと思つておりますが、そのために特にひどく荒されるというような道路がありましたら、こういうものについては、道路費を考えなければならぬと考えております。

西村英一自由党

○西村(英)委員 もう一点道路のことでお伺いしたいのは、特定道路の特別会計です。二十七年度は、その財源といたしまして資金運用部の金を借りましたのですが、本年度は、その財源として一般会計に繰入れてやるということになつたのであります。そうしますと、特別会計を設定したのに対して、一般会計に繰入れてやるというところにおいて、多少の疑義が起つて来るように私には思われるのですが、その辺、資金運用部の借入金でやつても、一般会計からやつても、何らの違いないのかどうか。もともと特別会計をつくつたというのは、一般会計から出せなかつたということにあつたと思うのですが、あらためてお聞きしたいのは、今後やろうという特定道路は、どういう種類の道路をやろうとするのか、一応その辺をお聞きしておきたいと思います。

石破二朗建設事務官(大臣官房長)

○石破政府委員 お答えいたします。西村委員のお話になります通り、昭和二十七年度におきまして新たに特別会計を設定しまして、有料道路の制度を開きました動機と申しますか、それは資金運用部資金を借り入れてやろうという計画だつたのでございますが、昭和二十八年度の予算案におきましては、全額二十五億を一般会計から繰入れるということに相なつております。これは特別会計に預金資金から入れるか、あるいは一般会計から繰入れるかは、特別会計の性質上から申しますと、どちらでもさしつかえないものと私どもは考えております。住宅金融公庫にいたしましても、一般財政質金から出資いたしますものと、資金運用部資金を借り入れるものと両方ございますが、その辺はさしつかえないものと考えております。ただこの特別会計制度をつくつて、有料道路の制度を開いたその当初の目的とは若干かわつて来ておるのであります。しかし昭和二十八年度一般の全体の予算を見てみますと、財政資金と預金部資金というものは、そうはつきり使いわけをせずに、こういう特別会計その他に出資する際には、どちらでも便宜の方から、あるいは借り入れたりあるいは出資したりというようなかつこうになつておりますので、その辺のあんばいでやられたと思いますが、私の方は別にどちらでもかまわぬと考えております。ただ一般財政資金から繰入れました金は、利息がつきませんことと、それからこれをすぐ返還しなくてもよろしい、二十五億出資しますと、これがずつと回転するような仕組になつておりますので、そういう点では特別会計としては非常に有利だ、かように考えております。

西村英一自由党

○西村(英)委員 ただいまの御説明でも私わからぬのですが、その特定道路として選ぶ基準は、従来とまつたく同じなのですか、多少かわつたのですか。また特定道路として今後どういうものを取上げて行こうとされるのか。前の解釈ですと、一般会計ではまかなえないような、しかし特定な理由があるものというようなことを言つておつたのですが、この辺のあれは少しかわつたのですか、かわらないのですか。

三池信自由党建設政務次官

○三池政府委員 特定道路の法案ができるときに御審議を願つたあの当時の方針と、一向かわつていないのでありまして、どういう基準でその選定をやるかということと、特定道路の線の選定いわゆる道路行政の面と、経費が一般会計から繰入れられたということとは、何らの関連性はないのでありまして、路線の選定は、公共事業でやるにはあまりに多額の金がかかるから、これはなかなか公共事業費の方ではまかなえない、しかしながら国家的に見て必要な交通網を完成する重要な道路であつて、どうしてもやることが国家全体としては有利である、産業、交通あるいは観光のような重要な面から有利であるというものをやろうというような当初の方針によつて選定しておるのでありまして、その点との関連は何ら欠けていないと思います。

西村英一自由党

○西村(英)委員 一応政府の答弁は聞きおくということにいたします。  河川局長が見えておるから、ちよつとお伺いしたいと思います。二十八年度の予算は、皆様の御努力によつて、総合開発の予算が多額に獲得できましたことは、私は非常に喜ばしいのですが、この点について、今後これを国策上大いに進めて行きますにつきまして、多少考えてみなければならぬ点があるのではないかと思う。第一点は、現在は直轄事業と補助事業と二つにわかれておりますが、建設省がみずからやる直轄事業と府県でやる補助事業は、どういう基準によつてきめられておるのですか。過去のものによつて、規模の非常に大きいものでこれをきめておるのか、あるいは経済的効果できめておるのか、こういうことを調べてみましても、やはりはつきりしない。経済的効果といつても、府県がやつても経済的効果の非常に大きいものもある。あるいは規模においても、府県で相当大きい規模のものもあります。直轄事業と補助事業の区別は、ある河川は直轄事業でやり、ある河川は補助事業でやるのか、これはどういうことになつておるのかということが一つと、もう一つの点は、それに附帯します発電事業です。これは補助事業の方ですと、大体府県でやるのを慣例にしておりますが、直轄ダムの場合に附帯するところの発電事業は、希望するところへどこにでも話合いでやらせるのか。府県が希望すれば府県でやらせる、あるいは電源開発株式会社が希望すればその方でやらせる、あるいは既設業者が希望すればその方にやらせるというように、個々の場合についての交渉でやらせるのか、あるいは直轄ダムについては、一定の方針でやろうとするのかどうか、この二点をお聞きしたいと思います。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 ただいまお話のありました総合開発事業に関してでありますが、今国会に提出しております予算案では、二十七年度に比べて相当に増額しております。これは河川政策の転換期と申しましようか、今までの治水偏重の主義を、総合開発主義へ転換をいたす初期であります。そこで建設省としては、総合開発事業は今、治水、利水の両面を強調いたしておりますが、特に治水の面に関しましては、御承知のように直轄と府県補助の両建で、今日治水事業、河川事業を実施いたしております。そこで現在国の直轄事業として取上げているダム、いわゆる直轄河川なるものは、いろいろの条件がございます。その川が両府県にまたがり、あるいはその河川工事が規模が非常に大きい、経費が非考にかかるというような条件から、直轄と府県補助とにわけております。今度の総合開発の上から直轄ダムをやる場合と府県ダムをやる場合との基準は、そこにございます。そこで直轄河川として取上げておる河川の治水に重大な影響を持つものを中心として直轄ダムとして取上げる、こういうのを基本の線にする。ただ、直轄河川の水域であつても、本川の洪水、その他本川の流水に著しい影響のないものは、府県にやらせる場合も起り得ると思いますが、直轄河川の水流に重大な影響を及ぼす、特に治水上に重大な影響を及ぼすダムは直轄事業として行く、こういう方針をとつております。その他のものは府県事業にまかせる、こういうわけ方をいたしております。  そこで、それに伴います第二点の電源開発事業の問題は、私どもも、今、当初に申し上げましたように、河川を一元化して、治水、利水の面を一元化しようというのが一つのねらいでございます。ダムが完成いたしまして、その水のコントロールをやる場合に、一利水事業者がこのダムの管理をいたすということになると、ダムの完成後において水の処理の運営において、一利水業者がやることは好ましくない。ということは、治水の操作もやらなければならぬし、発電の水も出さなければならぬ、水道の水も出さなければならぬ、灌漑の水も出さなければならぬというダム管理をやりますために、国が直接管理するか、あるいは府県が管理するという体制で行きたい。できるだけ公的な性格のもので管理をいたしたい、こう考えております。従いまして、今言つております総合開発事業のダムは、できるだけ国または府県のダム発電を希望いたしております。そこで府県営のダムはもちろんですが、直轄でやつておるダムでも、なるべくならば公営電気、いわゆる府県営電気をわれわれとしては重いたしたい。それを方針といたしております。そういうのは、ダムの完成後における水の管理を公正にやりたい。ただそういう方針ではおりますけれども、それだけの方針でやらせるかというと、そのほかの諸制約がございます。たとえば、資金の問題等が主要なフアクターになつて参りますけれども、そのために府県は資金の調達が困難という場合もございますので、そういう場合はやむを得ず他のものにやらせるという方針をとりたいと思います。

西村英一自由党

○西村(英)委員 そうすると、直轄事業のダムの場合の発電事業は、府県でやることを希望する、こういうことですね。     〔田中(角)委員長代理退席、高木   (松)委員長代理着席〕 現在かかつております直轄ダムで、継続費が上つておるのが六箇所ありますが、その六箇所、たとえば鬼怒川外二河川、利根川外二河川の六箇所にダムがあるが、どういうような計画でどこにやらせようとしておるか、それをひとつ具体的にお話願いたい。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 今のお話の六箇所のダムというのは、すでに継続事業として実施に移されており、かつ移されようとしておる事業でありますが、今すでに実施いたしております北上川水域の猿ケ石、鬼怒川水域の五十里のダム、それから物部のダムというのが現在第一の継続事業となつております。それらのうち北上については二箇所ございますが、これは電源開発会社に電気部門を担当させております。それから五十里のダム、これは鬼怒川のダムですが、これはまだ決定をいたしておりませんが、今の予想を申し上げますと、大体栃木県県営で実施をするということになると考えております。それから物部のダム、これも大体県営として実施をしよう、こういう考え方をいたして大体その方向に現在動いております。物部はすでに高知県で実施をいたしております。こういうふうに大体今確定した三箇所の中では二箇所が県営でございますが、一箇所は電源開発株式会社がやる、こういうことにいたしております。電源開発会社は、御承知のように特殊会社でございます。一般の電力会社とはややその趣を異にいたしております。猿ヶ石関係については、電源開発会社がやる、こういうことに考えております。それからあとの胆沢は、実は今申し上げましたもののほかでありますけれども、その三箇所以外に前にも一つ完成いたしておりますので、本予算に上らないのですけれども、あれは関連しておりますから、これを電源開発会社にやらせる。今年新しく江合川と十津川と藤原と三箇所を継続事業にいたす予定であります。これらの電気関係はまだ未定で、これからでございますが、そのうちの十津川の関係は、電源開発会社にやらせる予定で、すでに準備をいたしております。それから藤原は、これは今東京電力関係の話が出まして、話を進めておるところであります。江合の方は現在まだ話をきめておりません、これからのことであります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 大体箇所別についてはわかりましたがそういうことになりますと、やはり私が言いましたように、直轄ダムは便宜主義だ、つまりその箇所々々できめるのだということになるように私は承るのですが、たとえば北上川、水系の胆沢、猿ケ石は電源開発会社にやらせる。これは実は岩手県が希望しないからでありますか、あるいは電源開発会社にやらせた方が県にやらせるよりもいいのであるか、その辺がわれわれにはつきりわからない。私あらためてお聞きしたいのは、こういう多目的ダムに付随しました電源開発の箇所をきめる場合は、これは電源開発促進法の調整審議会にかけるのでありますか、あるいはこれは建設大臣がかつてに相手方と交渉してきめるのでありますか、その辺を承りたい。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 今の電源開発調整審議会できめるものは、電源開発会社に実施をさせるものを調整審議会できめるのであります。その他のものは建設大臣として水利権の認可をいたし、電源開発調整審議会できめるものは、すべて電源開発株式会社にやらせるものでありますから、審議会できまれば、その方針に従つて、建設大臣としては水利権の認可をいたすということになります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 それはあなたの誤解です。電源開発調整審議会は、電源開発株式会社にやらせるものではなくして、国全体の水利権をどこにやらせるかということをきめる。従つて直轄ダムに付随した水力発電をどこでやらせるかということを調整審議会にかけてきめておるのか、建設大臣単独で相手方を選んでおるのかどうかということを、私は聞いておるのであります。電源開発株式会社にやらせる、やらせぬのいかんにかかわらず、どこにやらせるかということを調整審議会できめることになつておる。具体的に言いますと、猿ケ石を電源開発株式会社においてやらせるということをきめたのは、建設大体単独できめたのか、あるいは調整審議会にかけてきめたのか、こういうことを聞きたい。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 電源開発促進法に規定しておりますものは、電源開発調整審議会というものが設置されておりまして、これは一般電源開発の基本計画をきめますけれども、建設省のやつておるものをきめるというものではございません。そこで電源開発調整審議会は、今後の電源開発を、総括的に基本方針として幾らやるか、五箇年にかりに五百万キロやる、こういう計画を立て、その年次計画を立てる。その中に水力あり、火力あり、いろいろあるのですが、その基本を立てて、その箇所というものは、調整審議会で全体をきめるわけではございません。そこでその箇所のうち、電源開発株式会社に実施せしめるものは箇所をきめる、こういう運営をいたしております。またそういう規定にもなつております。そこで建設省のやつておるダム、かりに今の六箇所にいたしましても、これは電源調整審議会が決定するのは、そのうちの電源開発株式会社にやらせるものだけという建前になつております。

西村英一自由党

○西村(英)委員 直轄ダムは、今後建設省としても相当に身を入れなければならぬ、国としても力を入れなければならぬと思いますが、現在の状況において、その附帯した発電事業が個々別別に、箇所々々でもつて考えられておる。これも一つの行き方かもしれませんが、やはり直轄ダムを今後推進して行く上におきましては、それに付随いたしますところの発電事業は、これはせつかく電源開発株式会社もあるのですから、電源開発会社でやらせるという方針を立ててもいいし、あるいはこれは府県でやらせるという方針を立ててもいいのですが、個々別々なことは、とかくのうわさになると私は思うのであります。従いまして、その点については今後の問題といたしましても、建設省が轟ダムをますます進める以上は、ある一定の方針のもとにやらないと、現在のように地方が好むから地方でやらせる、あるいは会社が好むから会社でやらせるというような方法でやりますと、これは間違いを起すもとになると思うのであります。その点将来の問題として御考慮願いたいと思うのであります。もう一つの問題は、このでき上りましたところの直轄ダムの運営の点であります。これは、たとえば胆沢あるいは猿ヶ石のごときは、電力の開発を電源会社にやらせますと、ダムの維持その他そういうものは電源開発株式会社にまかせることになるのですか、あるいは国で特別な管理をやるのですか、その運営の点をひとつお伺いしたいと思います。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 運営の問題につきましては、私ちよつと先ほど触れたのでありますが、われわれとしては、建設省の建前が総合開発であり、このダムの完成後の運営は、計画通りに水の操作をいたしたい、いわゆるダムのゲートを計画通りに多目的に操作をいたすということを確実に実行いたすことが念願であり、目的であります。そこで発電、灌漑、水道というような所要の水をそのダムから流し出す、その操作が管理の一番重要な問題になつて来るのでありますが、それを当初の計画通りに確実に実行させる、これが最も必要なことだと存じております。そこで、これは公的な管理をする必要がある。国なり県なりというような、公的な性格のものがこの管理をする。もしそれが電力会社がその総合目的を有するゲートを、水道業者が操作したり、あるいは灌漑の利用者が操作するということになると、他の目的の水を正確に流さないという危険がありますので、そういうことはさせない。どこまでも今直轄でやつているのは、主として国が管理する。そして厳正にその水の配分を行うということを私どもは考えております。  なお管理については、まだ明確にその管理規定は決定をいたしておりませんけれども、今後すぐでき上るものもございますので、そういう方針を貫いて、できるだけ直轄で完成したものは国の管理で行く、いわゆる建設省の管理で行く、こういう体制を確立いたしたいと考えております。

淺利三朗自由党

○淺利委員 ちよつと関連質問を……。  今西村君の質疑に対して、河川局長の説明がありました。建設省直轄で工事をしたダムについても、電源の水利権の問題は県営でやらせたい、こういうふうに承つたのでありますが、これは単に建設省の意見でありますか、政府としての意見でありますか、その点をはつきり承りたいと思います。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 それは建設省としての意見であります。

淺利三朗自由党

○淺利委員 では、胆沢川のダムは二十七年度に完成するのでありますが、この問題について、さきに東北興業が猿ケ石とともに水利権を得たいということで盛んに主張して、県も一時はこれを主張したのでありますが、逐に水利権は許可にならなかつた。その当時一方においてダムの工事は非常に進む。しかしながら水利関係の権利がわからぬから電源開発のための工事の企業主体がわからない。そこでどうするかという問題が起つた際に、前の建設大臣は、政府がとりあえず立てかえて水門その他の工事をやつておく、こういう説明をここでされた。ところが、それに対して予算の裏づけがなかつた。われわれはその点について、そういう意思表示をしても、予算の裏づけがなくてどうしてやるかという疑問を持つておつたのであります。そのうちに電源開発株式会社にやらせるという方針が決定したけれども、会社がまだ整備して工事に着手ができないということで、逐にこの水利権の問題は県に話して、県をして許可をせしめる。県に対して資金を融通して、県に着手せしめて、中ごろになつてこれを県から取上げて、電源開発会社に行わせる、こういう変則の方法をとつたのであります。これに対して、県はむしろ県営でやりたい。ことに担当川の農業関係のダムは、県営発電とする。こういう計画でありますから、あわせてこれでやりたいということであつたけれども、逐にこれを電源開発の方に返してしまつた。そこで県としては、もし工事完成の後においては、再び県営に譲つてもらいたい、こういう希望を出しておるのでありますが、これは建設省の意見としては、今の原則論からいえば、県営に復元することが当然だと思うのでありますが、その点についてはどういうふううなお考えを持つておられるか。   (高木(松)委員長代理退席、委員   長着席〕

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 私は先ほど建設の河川総合開発のあり方から、その一般論的方針として申し上げたのであります。胆沢、猿ケ石の北上川水系のものは、大分長い間の問題の経緯がございまして、今日のような状態で電源開発会社が担当することになつたのであります。私の今申し上げました一般論的方針とやや違つておるという御意見のようでございますが、これには大分経過がございまして、今日のような情勢になつたのでございます、それは今日の方針で貫いて行きたいと考えております。資金等の問題もありますし、電源開発会社ならば資金の獲得等に有利な点もございますので、今日の方針でやりたいと思います。

淺利三朗自由党

○淺利委員 その問題が始終起つております。電源開発促進法制定の当時においても、実は河川の洪水調節というような公共性の面が多いのであるから、電力供給という点からも、特殊の公的性格を持つた電源開発会社にやらせる、こういう趣旨で法律ができたと私どもは記憶しております。その当時、私どもも提案者の一人でありましたが、そうすると、今局長の言われるように、国でやつたダムについては、県営でやるということと、この電源開発会社にやらせるということとの間には、わずかに五十歩、百歩の差しかないのであります。そこで県としても、あるいは資金面において、県でやるよりも電源開発会社でやつた方がいいという問題が起つて来るのであります。その際において、今の建設省の府県営をしてやらせるという方針を貫こうとすれば、電源開発会社との関係は、将来どういうふうに調節してその御希望を実現されるお見込みなのか。現在の電源開発会社をしてやらせても洪水の調節その他には支障のない方法を講ぜられておるのかどうか、その点もお見通しがついておるならばお伺いしたい。またその際に、県営にするか、あるいは電源開発会社にやらせるかということを決定するには、先刻西村君の言われた審議会が中心になるのか、あるいは建設大臣が水利の許可権を持つているのであるから、大臣の方でやられるのか、その点の調節はどういうふうにやるのか、お見通しを伺いたい。

三池信自由党建設政務次官

○三池政府委員 総合ダムの問題で、いろいろ御質疑いただいておるのでありますが、御承知のように電源のいわゆる多目的ダムという問題は、新しく取上げられた利水の方針の一環でありまして、従つて建設省といたしましては、まず主眼点にどうしても利水という点が強く出て来るわけであります。利水の方面からの電源開発という問題になると、関係する方面がたくさん出て参るのであります。従つて、先ほど西村委員からの御質問のように、直轄ダムの場合はこれを電源開発会社にやらせるとか、あるいは県にやらせるとかいうような一定の方針を立てておいた方が、いろいろの臆測、デマが飛ばないで、かえつていいじやないかという御心配もごもつともだと思います。またそのダムの操作についても、電気の方の関係も県営でやらせた方がいいじやないか、あるいは電源開発会社にやらせた方がいいじやないかということも御意見があつて、これに対する政府の方針いかんということでありますが、西村委員のお話のように、電気は早くきめておけ、一定の方針を立てろという意見ももつともであります。これには地域的な電力の需用、またその河川が開発されるに至る今日までの長い経過というようないろいろの事情もありまして、一定の方針をきめてそれに準拠する方がいい場合もありますし、そうでなく、むしろその箇所箇所について最も効率的なやり方をする方がいいというような箇所もあるのじやないかと思うのであります。またこれを開発会社にまかせろ、あるいは電気は県営にした方がいいじやないかということも、そういういろいろな関係を考慮し、各方面との折衝をした上できめたい。おつしやるように、審議会でこれを決定することが一番いいというようなことになれば、その方できめてもいいと思います。何分にもまだ新しい行き方でありますので、その根本的な方針は今後各委員の方のお知恵も拝借いたしまして、検討研究した上でやつて行きたいと思つております。さよう御了承願います。

淺利三朗自由党

○淺利委員 関連質問ですから、この程度にとどめます。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 明禮輝三郎君。

明禮輝三郎自由党

○明禮委員 この本年度予算で、たとえば河川で言いますれば、直轄でダムをやるというような問題はあまりないと思うのでありますが、県の補助でやるというような場合に、その補助費の問題については、いろいろな面から研究されておるのでありましようけれども、これはダムだけでなく、道路のようなものでも同じで、よく聞くのですが天狗橋事件みたいなものがないとはいえない。そういつた面に対して補助費を出される基準とか、あるいはそれについての監督がうまく行われているか。その面に金が使われているならいいけれども、金が余つているとか、あるいは余つたものをほかの方へ持つて行つて使うというようなことが、今まで具体的にあつたことがあるようであります。その点についての建設省当局の御方針といいますか、考え方を承りたいのであります。

三池信自由党建設政務次官

○三池政府委員 天狗橋事件が、今お話に出て来ましたが、こういう問題は、まことに不祥きわまる事件でありまして、こういうことが再び起らないように、建設省としては十分な注意をして行かなければならぬ問題であります。いろいろの都合で、補助費をもらつて手をつけた工事ができなくて、補助費が余つた場合に、それを他に転用して使うというようなことがありはしないかということでありますが、実際上そういうことはあり得ないのでありまして、これは会計検査院の方からも建設方面の厳重な監督を受けております。箇所はもちろんのこと、その数量その他単価に至るまで、実に詳細な検査を受けるのでありまして、もしそれが最初の方針通り行つていないということになりますと、会計検査の方からのきびしい問題が出て来るのでありますから、他に転用するというようなことはないと思います。しかしながら、建設行政のいわゆる工事事業というものは、非常に広範囲にわたりまして、しばしば妙なうわさが飛ぶようなことが実際問題としては起つておるのであります。その点につきましては監督を十分にいたさせまして、事前にそういうことのないようにいたして行きたい考えでありますが、しかしまた各皆さん方におきましても、そういうようなおそれのあることでもありましたら、ひとつ建設行政の健全な運営のためにも、十分な御注意をいただきたいと思います。

明禮輝三郎自由党

○明禮委員 大体そういうことはわかつて参つたのでありますけれども、しかし、なかなか会計検査院の目といいしまても、大きなところにもぬかりがあるのと同様に、小さいところにはとうてい及ばないのでありまして、地方ではなかなか具体的な問題が現われておるのであります。これは各地の県でそうだと思うのですけれども、そういつたような補助を出されたものに対して、その県においていろいろ使つて行つておる内容あるいは具体的な現われについての監督は、ただ会計検査院だけであるのか、ほかにまた建設省の中で何かやつておられるのか、それを伺いたい。

三池信自由党建設政務次官

○三池政府委員 むろん監督官庁としての建設省では随所に係官が出向きまして、計画当時の事情その他については深甚な注意を払うとともに、できる限り現地に出張つて、その実施についての調査をしているわけでございます。会計検査院の方は、それ以外に、そういう監督の会計検査院の立場から、毎年々々定期的な厳重な検査をやるというようなことで、両者相まつてこういうような金の正しからざる方向への流れを防いでいるわけでございます。

明禮輝三郎自由党

○明禮委員 よくわかりました。得てしていろいろの問題が起るのは土木事業建設面に起ることが多いと存じますので一言申したのでありますが、さらにもう一つ御考慮を願いたいと思うことは、たとえば河川であります。これは道路にもございますが、県の方から補助を求めております河川あるいは道路について、県の方の土木課あるいは道路課長というような人々のところでできました案がこちらへ来る。それで建設省は県の申出を尊重する。これは当然で、それでよろしいと思うのです。そうしなければならぬと思うのですが、ただ、ところによりましては、道路課長が一、二の県会議員とか、一、二のある者の言うことを聞いて、一方に偏してよけい予算を出させるようにやるが、一方他の方面の河川とか、道路については少くして、何年もかかるというような実情のところがある。これはいろいろな面でやむを得ないところもあろうと思いますが、こういう面についての申出について、建設省はそれをうのみにされるのかどうか、あるいはどういうふうな検討をされてその配分ができて行つておるのか、それをちよつとお伺いしておきます。

三池信自由党建設政務次官

○三池政府委員 県のいわゆる補助工事についての補助金の配分という問題と思いますが、ただいまのお話のように、県の課長あたりが県会議員あたりとの話合いで、ある部面にのみ偏した工事をするような案を建設省へ持つて来た場合に、建設省としてはそれをうのみにするのかということでありますが、そういうものをうのみにするなどということは、建設省としては絶対いたしていないのであります。県なら県の建設行政あるいは道路行政というものに対しては、深甚な注意を払い、また今日までの調査も行き届いておるのであります。ただ県の事情によりましては、県全体の方針として、ある一定の道路あるいは河川を早く進行する方が、県の行政として有利であるという場合も起り得ると思います。そういう諸般の事情は、県当局の意見をよく聴取いたしまして、必要ありと認める場合は、建設省からも係官を派遣いたしまして現地を調査して、その上で、必要であれば補助金を出す、そうでない場合はそれを出さないというようなことでやつております。

明禮輝三郎自由党

○明禮委員 よくわかりました。それで私どもが考えるのは、これはきよう御出席の他の県の議員の方も同じだろうと思うのでありますが、県の方針あるいは県の申出についての配分もありましようが、各県から出ておりますわれわれ代議士の意見は、相当尊重して、県の申出にかかわらず、代議士の意見も参考にしてやつていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

仲川房次郎自由党

○仲川委員 この機会にお尋ねしたいと思います。今問題になつておる二級路線でありますが、われわれ建設委員としてこれの改修に非常な期待と関心を持つております。この二級路線につきましては、佐藤建設大臣だつたと思いますが、いずれ道路の整備計画を建設委員会に提出するとおつしやいましたが、いつごろ御提出になるか伺いた  ただいま二十八年度の建設予算を拝見いたしましたが、私は非常に遺憾に思つております。と申しますのは、以前の建設委員会では、建設省の案として二千八百億とかいうことを聞いて、それでも足りないと考えておりましたが、これを拝見すると九百四十八億でありまして、前年に比べて二割九分の増であります。しかし物価の暴騰を考えてみると、これでは実効が上らぬのじやないかと考えます。わが国の道路は、一級路線が約九千二五百十キロ、二級が一万キロ、重要道路が十三万五千キロに上つておると承つております。この一級道路を五箇年、二級道路を十箇年、重要道路を十五箇年で整備するというように承りましたが、こういう計画で進みますと、こんな小さな金ではとうてい実行できないと私は思います。なんぼ少くても五百億以上の金を出さなければ、これは実行ができないということを深く信ずるのであります。昨年の十二月二十五日に、衆議院は満場一致で可決いたしましたところの、ガソリンの税を道路に利用するという法案が、衆議院を通過して一箇月を経過いたしまして、なおただいま参議院において審議中でありますが、その審議状態はいかになつておるか伺いたいと思います。  それから戦争をいたしまして、日本の領土は非常に減りました。残つた領土をどうして保全するかということは、わが国家再建のために非常な急務であると考えます。年々見ますると、河川の災害のために耕地が五十万町歩浸水し、そのために米が二百五十万石ほど不作し、さらにまた家屋が八十万戸ほど浸水する。そうした問題があるために、年々一千五百億ほど損失をすると承つております。この問題をいかにするかということについて、いつぞや河川局長から、直轄河川が九十四、中小河川が千八十、局部改良が一千五百ということを伺いました。北海道においては、北海道費において百三十二箇所、北海道地方道費において八十箇所の河川を改修いたしますれば年々一千五百億の災害が除去されるということを承つております。年々千五百億の損害を出すにおいては、相当な金をかけても早く実行することが、わが国の自主独立を達成するもの考えておりますが、かような大きな問題を控えて、わずかの金で満足することはよくないと思う。従いまして建設省の方々は、この点についていろいろ御努力はなさることでありましようが、これで満足されることなく、この予算において強く要求していただくことを、重ねてお願いしたいと思います。

三池信自由党建設政務次官

○三池政府委員 お答えいたします。先ほど明禮委員からも御質問があつたのでありますが、県の予算をつけるにしても、建設委員会の委員の意見は尊重すべきことは、ごもつとものお話であります。建設委員会委員として御精励いただいている方々は、建設行政に対して最も熱心な、またその道の権威の方々と思うのでありますから、そういう方の御意見は十分尊重いたしまして、建設省としても善処いたしたいと思つております。  仲川委員の御質問でありますが、第一点の二級国道はいつごろきまるかというお話でありますか、審議会も三回にわたつて開催されて、その決定に愼重を期して審議している次第であります。大体二月中くらいには決定を見るように進めるつもりであります。これは御承知のように、なかなか各地方の事情がございまして、早急な決定がだんだん遅延されているような現状であります。しかし今の方針では、そのころまでには決定いたしたい。決定いたします場合には、前にもお約束申し上げておりますように、当建設委員会にも提示いたしまして、一応審議をお願いしたいと考えております。  また今度の二十八年度の予算が、当初の建設省の要求から非常に減つたじやないか、こんなことでは困るというおしかりでございます。私たちもまことにその点は残念千万に思つておるのであります。災害復旧もむろんであります。また住宅の面でも、はなはだ遺憾な点が多いのであります。各方面でそういうような不満な点をたくさん持つております。しかし国家財政の都合で、建設省だけがその希望を達成するというわけには行かない状態でありまして、皆さんの非常な御尽力を得たにもかかわらず、この程度に決定したことは、まことに恐縮に存じておるのであります。しかし追加予算などのありました場合には、極力方針実現に向つて努力するつもりでおります。  道路に関するガソリン税の問題でありますが、先般満場一致で衆議院の方は可決していただいて、参議院の方は、まだ委員会にもかかつていないというような状況でありまして、法律化していない、法律によつて道路の予算を決定することができないような状態であります。しかし大蔵当局でもこの根本趣旨は十分に了解していたのが今度の道路予算の総額になつたのではないかというふうに考えておるのであります。参議の方も、いろいろ問題がありましたが、私の得ております情報では、あの法案は参議院の建設委員会で取上げるということにほぼ決定を見たように思つております。そうなりますと、大蔵常任委員会で取上げるよりも審議が円滑に行くのではないかと思いますし、今国会において必ず両院を通過するものと見ております。そうなりますと、これは当然法律でありますから、追加予算を計上するような場合には、その法律によつての道路費がさらに追加されて来るものと考えております。

仲川房次郎自由党

○仲川委員 詳しく御意見を拝聴しまして感謝いたします。  なお重ねてお願いいたしたい問題は、あのガソリン税を道路に使いますところの法案を提出したのは、われわれ建設委員会全員としては、道路の国家的重要性から考えて当然である。ガソリン税というものは、その道路に使うためにつくられたものであるという点をお忘れにならないようお願いいたしたい。  それから二級道路の問題でありますが、審議会が済んででからわれわれに報告するのではなくて、原案ができたときに初めにわれわれに示すべきであるということの御承認を願いたい、この点重ねてお願いしておきます。

三池信自由党建設政務次官

○三池政府委員 御意見の通りいたすことにします。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 内海安吉君。

内海安吉自由党

○内海委員 きわめて簡単にお伺い申し上げますが、ちようどこの委員会で一昨年来問題でありました河川法の改正については、どうあつても明治二十九年の古い法律ではいかぬから、今後においては時代に即した河川法によつて運営して行きたい、こういうふうなねらいのもとに、われわれ十五名の小委員によつて前々国会において一つの案を得まして、百四十何箇条よりなる案をちようど当時の野田建設大臣に示しておつたのであります。そこで今国会におきましても、この問題は何といつても日本の治山治水の計画から見て基本法であり、治水の問題も灌漑排水の問題も、この基本法のないところへいろいろな施策をされるということは、あたかも砂上の楼閣のようなものであつて、建設直はまず問題を取上げて大いにわれわれと協力してやつてもらいたいと思つておりましたところ、幸いにも佐藤建設大臣の手元において、新しい道路法によつて国道一級線及び二級線というようなものが着々審議会で審議を進められることになり、一方河川法につきましては、われわれはこの委員会においてその草案を一日も早く確定案として議員提出をもつてやりたいという考えで進んで参りましたところ、昨年の暮れ、たしか朝日新聞だと思つておりますが、建設大臣の名をもつて、政府においてはいかなる万難を排してもこの法案を提出するというようなことが、われわれに何らの交渉もなくして発表になつておるようであります。そうすると、われわれ委員会の苦心しているところと、政府当局がこの法案を扱う点において、非常な食い違いが出て来るような考えを持つておりますが、はたしてどういうお考えでこの法案を取扱つておられるかということを承つておきたいと思うのであります。

三池信自由党建設政務次官

○三池政府委員 内海委員の御質問の、昨年末の大臣の御意見というものは、私関係しておりませんので存じませんが、おそらく大臣の気持をそんたくいたしますと、政府はと言つた意味は、政府が必ずしもこの法案を提出して通すというような意味ではなく、政府の方針としてはぜひ河川法を制定したいというような意味ではなかつたかと思うのでありまして、法案の提出が議員提出になるとか、あるいは当建設委員会が中心になつてこれを推進するというような、その方法的なことは考えないで、建設大臣として河川法の制定をぜひやりたい、やるんだという希望ではなかつたかと思うのであります。これは私の推測であります。私の考えから申しましても、この重大な河川法の制定というものは、わが国国土建設の根幹をなすものの一つでありまして、当委員会でひとつ何とかしてこの法案が制定になるように御尽力、御努力をくれぐれもお願いしたい。わが国河川の整備につきましては、河川議員連盟その他で今日までいろいろ御努力を願つておることは存じますが、その根幹、基本をなす法律の制定に向つて、さらに御尽力のほどをお願いしたいと思います。

内海安吉自由党

○内海委員 それはごもつともなことでございます。そこで往々にして何かこの建設委員会に少くとも審議なり立案なりを一任されたような形になつておるにかかわらず、建設省という独自の行政機関が、かつてにいろいろな意見を吐かれるということになりますと、非常に審議上において、いろいろな齟齬を来しますから、この点十分御注意を願つておきたいと思います。  同時に、参議院からこちらにまわつて来て予備審査をやつておりますところの例の海岸保全法であります。先般農林当局と当委員会との間において懇談的な意見の交換をしたのでありますけれども、また本日参議院の委員の人人と会つてみますと、やはり今国会においてぜひともやつてもらいたいということであります。これらの問題について、その後建設省において運輸省なり、あるいは農林省なりとどういう折衝を進めておられるか、その内容を具体的にひとつ示してもらいたいと思うのであります。またこれもひとり海岸保全法だけでなく、一方における河川法につきましても、まことに大きな関心を持つておるのが農林省であります。さらにまた運輸省は、港湾等の関係から、いろいろな干渉をしておられるようにも聞いておるのでありますが、この間における折衝の経過なり、あるいは見通しなりをこの際説明していただけば、まことにけつこうだと思います。

三池信自由党建設政務次官

○三池政府委員 海岸保全法につきましては、その後私は、個人的に農林省の事務当局の衝に当る数人と、ほんとうの私的な会合を持つ機会がありまして、そこでいろいろと意見の交換をやつたのでありますが、結論としましては、両者の意見がまつたく背馳しておりまして、妥結の模様もない、対立のままでわかれるのやむなきに至つたような状態であります。この問題も、ぜひひとつ本国会中に結末を見たいと存じております。当委員会の方々にも、ぜひひとつ御尽力のほどをお願いしたいと思うのであります。今後建設省といたしまして、その問題につきましてもできるだけしばしば懇談的な機会でも農林省と持ちまして、この問題の解決に力をいたしたいと考えております。

内海安吉自由党

○内海委員 それでは次の小委員会なりを開いた機会におきまして、もつと率直に、いけないことはいけないというようなことを答えていただいて、そうして運営をほんとうに円滑に進めて行きたい、こう考えておりますから、なるべく審議しいいように資料を提供してもらいたい、これを望んでおきます。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 他に御質問はございませんか。         ————— なければ本日はこれに散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後零時三分散会

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