決算委員会 第22号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1953/03/11
会議録
○迫水委員長代理 ただいまから決算委員会を開きます。 私が引続き、委嘱によりまして委員長の職務を代行いたしますから、御了承をお願い申し上げます。 前々会に引続きまして運輸省所管について審議いたします。まず決算検査報告二百六ページ港湾工事の項、報告番号六五八ないし六七一の十四件を便宜一括して議題とし、審議の促進上そのうち六六〇ないし六六八の九件について、特に詳細な説明を求めます。 なお申し添えますが、運輸大臣はただいま宮中だそうでありまして、この席には運輸政務次官が出席しておられますから、御了解を願います。会計検査院検査第三局長小峰説明員。
○小峰会計検査院説明員 六六〇号について御説明申し上げます。これは徳島の南の方にあります橘港の維持補修工事でありますが、三割の国庫補助を出して県が実施したのであります。その内容を見ますと、港の現在まだ船が着かない部分を水深マイナス三メートル、土量二万五千立方メートルを浚渫する計画で、運輸省の査定を受けて実施したのでありますが、現物を見ますと、この浚渫は港湾の維持補修のためには必要のない場所なのであります。この浚渫の方が主目的ではなくて、浚渫によつて上げる土量で埋め立てる。その埋め立てるところは昔塩田であつた場所でありますが、そこに土を上げる方がむしろ目的ではなかろうか、こういうふうに見られる工事なのであります。これは現場を見ますと、そういうふうに感じる仕事でありますが、こういうものに港湾の維持補修として国庫補助を交付するのはよろしくない、こういう批難であります。改修工事としてお取上げになるならば別問題でありますが、それも埋立てを主眼とした工事は補助の対象にしないというのが原則であります。埋立ては御承知のように経済的に価値ある埋立地を助成せられておりますので、こういうものは補助の対象にしないというのが一般の原則になつているわけであります。 それから六六一から六六八の災害復旧工事の原形超過工事に関する問題でありますが、これは二十五年に災害復旧の国庫負担に関する法律が改正になりまして、原形復旧というものは全額国庫負担、原形超過部分は工事費の三分の二を国庫が負担する、こういうことに特例の法律が出たのであります。御承知のように災害復旧というものは、建前はあくまでも原形復旧であります。しかしながら実際問題として原形に復旧したのではまた壊れてしまうというようなことも多い関係で、原形復旧という意味が従来相当広く解釈されていたわけでありますが、ところが二十五年になりまして今のように原形復旧分については全額国庫負担、それから原形を越えた部分に対しては三分の二を国庫が負担し、三分の一は地元に負担してもらう、こういうように法律がかわつたわけでありまして、従来は少々原形を越えたものがありましても、それを含めて一律に三分の二国庫負担だつたのであります。ところが二十五年度だけ特に全額国庫負担、こういうことになりましたのと、今の国庫負担率が違う、原形分と原形超過分については国庫負担率が違う、こういうわけで、特に原形とは何ぞや、どの範囲まで、どの線までを原形として取上げるかということが大きな問題になつて来たわけであります。運輸省の分につきましても、これはまた後ほど建設省につきまして大きな金額が掲載されておりますが、運輸省の分につきましても原形と原形を越えた部分というのを会計検査院といたしましては検討いたしまして、ここに掲げました八件というのは特に原形を越えた程度が相当ひどい、相当程度原形を超過しているにかかわらず原形復旧と同じように、全額国庫負担の対象として取上げたのはよくないという趣旨でここに掲げたわけであります。この分については決して国が何も負担しないというのじやないのでありまして、従来通り原形超過分に対しては三分の二は国庫が負担するが、しかしながら全額国庫負担の対象として取上げるのは法律の趣旨に反する、こういう意味であります。原形と原形超過というようなものの区別は相当実際問題にあたりますとむずかしい問題が多いのでありますが、ここにあげましたのは、たとえば石積みコンクリート張りの防波堤をブロック積みにした、方塊積、石積みの簡単な防波堤が壊れたというので、あとで復旧する新らしい方の工事はブロツク積みにした、あるいは防波堤とか捨石堤の延長を従来よりも長くした、こういうのはちよつと原形復旧とは何としても言えない。延長を延ばしたとかそれから護岸法線を原形に比べて動かして改良的な工事をした、こういうようなものをここに載せたわけであります。これも、繰返して申し上げますが、決して全部国庫負担の対象から除けというのではないのでありまして、三分の二は国庫負担でよろしいが、全額国庫負担するのはいかぬ、こういう趣旨で批難したわけであります。
○迫水委員長代理 本議題について運輸省当局から、すでに出された国会に対する説明書に記載せられたもの以外に、補充して説明せられるところがあればこれを許します。
○黒田政府委員 徳島県の橘港の浚渫土を埋立地に投入したという点でありますが、橘港は後方の那賀川電源開発が相当進展いたしておりますし、また産業道路も着工されて木材薪炭などが出ておりましたので、その地方の港湾としてそれらの取扱い貨物トン数が非常に急激に上昇する傾向にありましたので浚渫工事をやつたのでありまして、この浚渫工事の捨場として低い場所に埋立てしたような事情でございます。 次に超過工事を改良分に対してやつたことにつきましては、当時補助の率が二十四年から二十五年の切りかえどきでありまして、時間的の余裕が少なかつたものですから、俊工の後に清算いたしまして、超過分と認められるものについてはこれを国庫に返す方針で進んでおります。
○迫水委員長代理 質疑を許します。
○吉田(賢)委員 なお少し御説明を願いたいと思いますのは六六〇号の案件でありますが、これは検査院においては、同港における船舶の利用状況から見ると、浚渫の必要がないように思うということになつておるのですが、実情といたしましては、見解の相違というような程度のものですか。どちらとでも言い得る程度のものなのでしようか。記録にとるのが目的であつたというようになつてしまうおそれもあると思うのですが、その辺について、検査院は浚渫の必要がむしろない状況だという御見解のようですが、もう少しその辺について御説明を願いましたらはつきりすると思うのです。
○小峰会計検査院説明員 吉田さんの御質問にお答えいたします。この掘りました場所は、現在貨物の出し入れの阜頭、従つて航路か直線距離にして約三百五十メートルばかり離れておる所であります。全然船が着く所ではないのでありまして、まだ岸壁もございませんし、一部二十四年度にやりました埋立てがございますが、そこはまだ何も施設のない原つぱでありまして、船の着くような施設は全然ないのであります。問題は、この掘りました所から、今申し上げましたように、直線距離で約三百五十メートルの所を船が通つております。ここは航路が掘つてあるわけであります。先ほど船の碇泊のためというような御説明もありましたが、これは浅い所の奥を掘つたのでありまして、そこへ船が入つて行くことはできないのであります。船が入るためには、航路を深く浚渫しなければいかぬわけでありますが、そこまでは相当の船が入るだけの深さを持つておりません。従つて浅い所の奥を、ちようど埋立て予定地の前面を掘つてしまつた、こういう事実なのでありまして、私も現場へ参りましたが、どう考えましても、これが浚渫の方が主だ。港の維持なり航路の開鑿なり、港湾の維持の方の工事とはどう見ても見られないのでありまして、やはりねらいは塩田を埋立てるということがねらいであるように、現場を見れば見るほどその感じを強めたのであります。 それから先ほどこの港が非常にいい港で、貨物の出入りが多くなりそうだという御説明がありました。その点は私どもも異存はございません。それで徳島県は、南の方に港が比較的少いのでありますから、この港に非常に力を入れまして、那賀川の電源開発と相まつてこれを将来工業地帯にしたい。貨物の呑吐港にしたいという希望は非常に強いようであります。そういう点は私どもも十分に了解しておるのでありますが、そうだからと申しまして、とりあえずの仕事として港湾維持費ということで補助の対象に取上げるのはどうだろうか、こういうふうに考えておるわけであります。御参考に申し上げますが、これは港湾改修として計画が出まして、当時GHQが改修工事はやつては相ならぬ、こういうようなこともあつたように聞いております。それで改修の計画からはねられまして、やむを得ずと申しますか、修築の維持の方にまわした。こういうような経緯もあつたやに聞いておりますが、御参考までに申し上げておきます。
○吉田(賢)委員 今の点につきまして重ねて運輸省当局の御意見を伺いたい。私どもは現場を知らぬのでありまして、ただ文書を通して聞くのでありますので、ひとつ現場に行つたような印象を得られるように、御説明願えましたらたいへんけつこうであります。
○黒田政府委員 維持工事はたしか二十五年度、二十六年からだと思いますが、国の補助が出ないことになつております。二十五年度といたしましては、終戦後から維持工事を実施いたして、補助率が三割になつておるのでございますが、この問題となつております橘港が、多少奥を掘つたということはあるのでございますけれども、この地区は港勢の発展に伴いまして、先ほど申し上げましたように、電源開発も始まつておりますし、産業道路も着工しており、薪炭の相当な移出もございまして、港としてそこを利用することがすぐ間近に迫つておるものですから、そこを掘つたのでございます。多少現在のところと隣接してはおるのでございますが、検査院の方で御指摘になりましたように、多少離れてはおるかと存ずるのですが、その辺の将来将来と申しましても二、三年先にはそこを利用するということで泊地と航路を新設したのでございます。
○迫水委員長代理 現在の状況は一体どういうふうに使つておるのですか。当時の計画はわかつたけれども、現在当時の計画通りうまく使つておるかどうか。
○黒田政府委員 お答えいたします。この接続した部分につきましては、県が単独事業といたしまして、国の補助を受けることなしに、二千万円を投じて工事を続行して、そこが利用可能のようにいたしております。
○吉田(賢)委員 現場の状況が手にとるように頭に入らないのでありますから、はたして両方のお説についてどういうふうな事実であつたかということが判断をいたしかねるのであります。結局これは浚渫の必要なかりしという検査院の認定は酷なんですか、今の御説によりますとどうなんですか。
○壺井政府委員 多少酷ではないかと思いますが、しかし御指摘の面も相当あるのじやないかと思うのでございます。現在浚渫いたしましたところが船だまりになり、船が一番そこに集つておるかというと、必ずしもそうじやないという面があるのでございますが、しかし初めに検査院から御説明がございましたように、この港は、この方面の相当中心的な港であり、電源開発その他によつて、必ず近くここが中心になるということで、そこに力を入れて浚渫をしたのであります。しかしその当時占領軍から、浚渫以外は、改良に類することは絶対にいけないという強いお達しがあつた。そこで多少脱法的に浚渫と称して改良的な面を行つたということは、事実であると思うのでございます。
○吉田(賢)委員 この六六〇号は小さい問題のようでありますけれども、どうもはつきりしないままのんで行くのも良心的にいかがと思いますので、図面を書いたものとか、もう少し資料をお出し願いますようにおとりはからいを願つて、別の機会にこれはお尋ねしたいと思います。ひとつそのはからいをお許し願いたいと思います。
○迫水委員長代理 承知いたしました。さようとりはからいます。 それではひとつ運輸省の方から図面その他を添えた資料を提出していただきたいと思います。
○黒田政府委員 承知いたしました。
○吉田(賢)委員 それから六六一から八まででありますが、これにつきまして検査院の方になお御説明を求めたい点は、この八つの箇所でありますが、これはたまたまこの八つの箇所を実地検査された結果なのでしようか、あるいはこれ以上何十も実地検査したそのうちの八つがここへ上つたというのでしようか、その辺はどうなつておりましよう。
○小峰会計検査院説明員 ただいまの御質問でありますが、これは八箇所だけ検査したというわけではございません。ほかにも相当数検査いたしまして——何箇所検査したかはもし何でしたら調べますが、相当数検査いたしました結果、これだけが原形超過がはなはだしいという意味で批難したわけであります。
○吉田(賢)委員 運輸省の方にお尋ねしますが、この原形超過というのが、原形復旧と超過の区別が相当困難なような状況にあつたということも聞くのですが、何かその辺は、あまりたくさんこの種のものがあつて、なれてしまつているというような事情でもあつたのではないのでしようか。原形超過の工事というものは公共事業費のうちずいぶんだくさんあちらこちらに出て来るわけなんですが、その辺についてひとつ事情を聞かしてもらいたいと思います。
○黒田政府委員 原形復旧は、毀損しております施設が破壊されない前の図面等が残つておりまして、それを基準として災害の査定を行い、その査定に基いて災害の復旧工事が行われるのでございます。しかしながら原形の通り復旧いたしますと、同様な暴風雨等によつて再び災害を繰返すことになりますので、それにプラス何がしかをもつて改良の施設をいたすことがよくあるのでございます。その改良をする場合の国の補助率なり負担率が違つております関係でこれをわけるのでございますが、実際の施工にあたりましては、原形復旧と改良工事は同時になされる場合も相当あるのでございます。この場合に図面上なりあるいは今までのその設計に基いて、原形復旧ではこれだけの金がかかる、改良にはこれだけの金がかかるということにわけまして、それぞれの補助の率を出しているような現状でございまして、この場合におきましては、今までは災害は全額国費であつたのが、二十五年から負担率がかわつたものですから、時間的に切りかえる時期にあつたということを、復旧の箇所が非常に多いものですから、それらのことでいろいろ制約を受けまして、はつきり区分をすることがなかなか困難であつたのでございます。そういう関係がありますので、でき上つた後におきまして改良と認めらるる部分で超過がありました場合には、それを国庫へ返させる方針で進みたいと思つております。
○吉田(賢)委員 これは何ですか。いずれ精密な図面とかあるいは設計などが添付されて、計画書が運輸省の方へ提出されるのだろうと思いますが、やはりそういう場合に、改良と原形復旧との利弊などは、これは専門的にも当然わかつておることでありますので、そこは厳密に調査をし、審査をして決定するというふうに、きちつとやるということになつておるのではないでしようか。それはどうなんですか。
○黒田政府委員 厳密に災害復旧工事と改良部分とはわけて精算いたしまして、もしそこに超過がありますれば国へ返すことになつております。
○吉田(賢)委員 ところで超過があつた場合に国へ返すということになれば、地元の負担関係も狂いが生じて来ると思いますが、工事進捗の途上におきましてその辺をはつきりしなければ、いずれにおいても予算のつじつまが合わぬことになるのではないでしようか。地方の地元におきましても相当額負担しておるわけでありますから、超過しておれば国庫の負担が減るのだからそれだけ返さしたらいいというのでは、これは結末はつかぬように思いますが、いかがでございます。
○黒田政府委員 この工事は災害と改良を含めて施工いたしても、事業費にはかわりないのでございます。災害の復旧と改良部分を合せて合併施工をいたしておりますから、その全事業費はかわりないのでございまして、中の負担区分にいろいろ精算の後に出入りが出て来ることに相なるのでございます。
○吉田(賢)委員 ちよつと私の理解が乏しいのでこういう御質問をするのかもわかりませんが、それはひとつお許し願いまして、国庫が全額を負担する場合は、ともかく工事の全事業費は国庫が支払うことになるのでございますね。それから何分の一、たとえば三分の二を国庫負担ということであれば、三分の一は国庫以外の事業主体もしくは受益者か何かが負担することになるのだろうと思います。そういう場合に、元来三分の二を負担すべき割合であるはずの事業計画であれば、三分の一は当然事業主体か受益者か何かが負担する予算がなければならぬはずです。ところがそれが全額国が負担してくれるものという建前で工事を進めて行つた場合に、実は三分の一は事業主体が持たねばならぬということに後になつて食い違いが生ずるといたしますれば、総額に狂いがないといたしましても、予定が狂つてしまうので、地元の予算に狂いが生ずることになるのではないか、こういうふうに私お尋ねしておるのです。
○黒田政府委員 お説の通りでございまして、事業費にかわりはございませんし、国の負担の率がきまつておりますので、もしその間に差額ができますと、地元なり、あるいは県なり、地方の公共団体が、その不足額を国庫に納付するようなことに相なりますので、県なりあるいは地元の市町村におきましては、何らかそれだけの財政的措置をとらなければならないものと考えます。
○吉田(賢)委員 そういうことは、結果においては国庫へ返せというだけでは済まぬ波紋を生ずることになるのです。府県なりあるいは地元のやり方が悪かつたので、事業主の方がそうしたというだけでは済まされぬように私は思うのです。当初の計画通りに工事が進められておらぬからそういうことになるのでありますから、監督省の立場といたしましては、地方公共団体がそういうことにならぬように、途中においても相当厳密に監督して行かなければならぬのじやないかと思うのです。返還すべきものが生じたから返還しようというだけでは、地元は困りはしないかと思いますが、そういうことは、注意とか監督とかいうことはしないものでございますか。
○黒田政府委員 災害復旧工事等につきましては、運輸省といたしましては中間検査をいたしておるのでございますが、その中間検査を始終やつておれば、地元に迷惑をかけることもなく、監督も十分行くと思うのですけれども、いろいろな関係もありまして、年一回とか二回程度でございますので、このような事態が出て参つたのでございまして、この点に関しましては、現地に人を派遣する以外に、文書なりの方法をもつて厳重に今後とも監督をして行きたいと存じておるのであります。
○吉田(賢)委員 運輸省としては、原形を復旧するという工事が相当だと認定して予算を組んだ、それが原形復旧じやなしに、ある、改良工事、超過工事が加えられたということであれば、最初に認定した趣旨、方針が破られたことになる。それはだまされたことになるのか何か知りませんが、それはそれでよいということになるのでしようか。金を返せばそれでよいということになるのか、どうなのでございましよう。
○黒田政府委員 原形復旧工事をやつておる段階で、地元が今までの経験によつて改良を施さねばならないということがありました場合には、当然地元の負担になるのでございます。その場合においても、地元としては本省に連絡をとることになつておるのでございますが、工事を急ぐ関係でそれらの報告があとになつたりするようなことがありまして、後に返納さすような事態も起きて参るのであります。
○吉田(賢)委員 私の伺いたい点は、予算を出して港を修築かあるいは復旧することになるのですから、その場合に、港はかくかくの状態である、従つてこれに対してはかくすることが必要であるという認定をして予算を組んで、そして予算を流した。ところが、あにはからんや、そうでなしに原形超過の工事がされてしまつた、その場合に、金を国庫に返せばよいじやないかというので済むというのであれば、最初の認定が誤つておつたことになるのじやないかとも思いますので、その点を聞くのでございます。
○黒田政府委員 地元から原形復旧でよいという要望があり、いろいろ設計の審査を求められるのでございます。それで、私ども適当と思つて原形復旧の仕事を進めるのでございますが、その途中において、今まで気がつかなかつたような事態ができて参りまして、改良工事をやつた方がよいのだということがわかる場合もございますし、また初めからこれは原形復旧にプラス改良工事をやつた方がよいのだというので、合併施行でいたす場合もあるのでございます。
○吉田(賢)委員 途中で気がついたというようなことでは私はいかがかと思います。私はしろうとですけれども、原形復旧がその港においては必要であり、適当であるという認定があつた場合には、なぜあくまでも原形復旧でやらないかということを一応は追究してしかるべきだと思う。それを超過して工事をする必要があるならば、なぜ最初からそれを言わなかつたかということを追究するのが本省の立場じやないかと思うのですが、それはどうでございますか。
○黒田政府委員 御説の通りでございまして、原形復旧でよいと思つたものが途中からかつてに改良工事をやつた場合には、それだけの金を国に納めさせておりますし、また途中で連絡がありましても、時間的に間に合わなかつた場合にも納付させておるのでございます。あくまで原形復旧が根本方針で、それを骨子とはいたしておりますけれども、そこに多少の改良が添加される場合はときたまあるのでございます。この点は、初め原形復旧がよいというふうに進んでおりましても、工事の中途で、やはり改良工事を追加した方がよいという場合がときどき出て参るので、こういう結果になるのでございます。
○迫水委員長代理 吉田委員にちよつと申し上げますが、政務次官はもう一つ委員会をお持ちだそうでありますから、もし政務次官に御質問があるならば、ただいまお願いいたましす。
○吉田(賢)委員 政務次官にお尋ねしますが、ただいまの原形復旧超過の工事の問題でありますが、途中で改良を必要とするような部分を生じた場合はともかくといたしまして、最初から当然超過工事にすべきだという場合も多多あるだろうと思います。この八つの場合にどれがそれに該当するかわかりませんが、たとえば静岡県における千五百万円の事業費のうち五百余万円、三分の一が超過工事になつております。そういう場合には、超過工事の負担分の金額を返還さすというだけの問題でなしに、これは当初から許すべきかどうかという方針の問題であるのではないかと思うのであります。もし超過しておるからいけないので、国に金を返せばよいのだということになると、非常に放漫なことになる。そうじやなしに、途中でやむを得ず生じたものはやむを得ないとしても、根本方針としては、原形復旧なら原形復旧、超過工事なら超過工事と一貫してなさるのが首尾完結ということになるのじやないかと思うのですが、それはどうでございましようか。
○木村(公)政府委員 私は吉田委員の御意見に同感なんです。私もしろうとで詳しいことはわかりませんが、原則として復旧工事として査定を受け、予算を編成したものが、超過したらそれを返せばよいじやないかということは議論としては少しくおかしいのではないかと思います。やはり原形復旧工事費として捻出されたものは、あくまでその限りにおいてこれを解決さるべきものであつて、超過分に対しては、むしろ批難さるべきものではないかと思うのですが、往々末端においてはこういうようなことが起りがちでありましようけれども、今後は本省としてはそういうようなことにまでも目を配つて、みだりに超過分が出て、返せばよろしいといつたような安易な気持でなく、留意をすることが国家のためにも、会計検査の建前からいつてもよろしいのではないかと思う次第であります。
○吉田(賢)委員 超過工事をやつておるということに気がついたのは、事業主の各府県からの申達によるのか、あるいは会計検査院の発見によるのか、あるいは運輸省が発見されたのか、それはどうなんでございますか。
○黒田政府委員 ここに出ております六六一から六六八までにつきましては、会計検査院の方で御指摘、御批難になつたのでございますが、その他におきましては、運輸省自身がこれと類似の措置をとることがままあるのでございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、やはりこれはこのまま会計検査院が実地検査をせざりしならば、全額国庫負担ということで、ほおかむりして済んでしまう危険があつたということになる案件でないかと思いますので、なおさら当初の方針は方針として、厳にこれを実行して行くという線をとつて行かれて、今の政務次官の御答弁のように、ただ返金するという結末だけで行くというような考え方は、予算執行の建前からいたしましたら、妥当でない、こう思われます。そこで返還すべき金額というのは相当に上る様子でありますが、これはあなたの説明書によりますと、それぞれ国庫へ還付させる方針であるといつておりますが、還付はしたのでしようか。いつ何ほどできておりますか。それだけお聞きしておきたいと思います。
○黒田政府委員 今資料がございませんので、この点につきましてはさつそく調べましてお答えすることといたします。
○吉田(賢)委員 これは何ほどの金額か。超過交付額と下に載つておりますが、これが国庫へ還付すべき金額になるわけでございますか。検査院において御説明願つたらいいと思う。末段に並んでいます合計三百九十五万何がし、これが国庫へ還付すべき金額と了承してよろしゆうございますか。
○小峰会計検査院説明員 そうでございます。
○黒田政府委員 先ほど還付された額がどれほどかというお尋ねでございましたが、この還付すべき額は災害復旧工事が完了した後に精算いたしまして、納付することになつております。災害復旧工事は、御承知のように、そのときの災害復旧事業費の額によりまして、三年かかることもございますし、また四年かかることもあるので、ございまして、精算額は復旧工事が完了したときにその額を納付することになつておるのでございます。
○迫水委員長代理 ちよつと黒田政府委員に伺うが、今小峰説明員が三百九十五万何がしというものは還付すべまものであるということを説明したが、それについて運輸省は異存はないのですか。何か説明によると、このうちの幾らかについては異存があるようなことを書いておるようだが……。
○黒田政府委員 精算いたしまして、超過分がありました場合には、あつた額だけを納付する所存でございます。
○吉田(賢)委員 これはこの工事が完了しまして精算のあかつきに還付するということで、それは法律上そうなつておるのですか。
○黒田政府委員 さようでございます。
○吉田(賢)委員 しかし当初のこの工事の申請許可ですが、そうして予算が充てられて、これを厳密に言いますならば、予定されておらぬ予算に流用したことになるんだろうと思いますが、何も超過工事に使うべき金額じやなかつたはずでありますので、その中の一定割合は予算以外に流用されているというふうににも解釈される問題でありますが、そういうものでもなお工事が完了の後に、しかして精算のあとでないと国家は返還を請求することができないというのはどうもふに落ちないのですがいかがですか。
○黒田政府委員 ここにあげてありますのは、災害の箇所がいろいろあるのでございまして、その箇所を取上げられたんだろうと思うのですが、先ほど申しましたように、災害復旧はいろいろ国の財政の都合で長い年月にわたる場合がございまして、そういう場合には精算がいつも工事完了後になされますので、従つて国への納付も精算完了後になることと思います。
○吉田(賢)委員 この点はもう一つ前提がはつきりしないために、あるいは質問の趣旨が混乱しているかもわかりませんが、この原形復旧ということが当初の予算の使用すべき目的であつた。ところがそれが一分か何分か知りませんが、原形が超過する工事の方へまわされておつた。そういうことのために政府といたしましては、国庫負担の割合が当然かわるべきなんだから、一定の金額は国庫へ返納させねばならぬということになつて、そこで会計検査院もここに記載されてあります二百九ページの下の三百九十五万余円が国庫へ返還をされねばならぬもの、こういうふうになつているのでありますが、そういう場合でもなおかつ工事が完了して精算のあかつきでないと返付せしめ得ないというのは、どうも私理解しかねるのですが、それはいかがでございましようか。そこらは法律と予算と会計法規との関連をもちまして、検査院の方から明確にしていただきたいと思います。
○小峰会計検査院説明員 吉田さんの御質問にお答えいたします。この災害復旧の予算と申しますと、大体年災別に、ここにございますように、二十三年災とか二十四年災とかございますが、年度ごとに組みまして、予算は決して、吉田さん先ほどおつしやるように、原形分と原形超過分というようにわけてないのであります。両方が一本の予算であります。二十三年災の災害復旧に対しましては、原形復旧も原形超過分も一つの予算から出るのであります。従いまして流用という問題は、原形復旧と原形超過に関する限りないわけであります。それから年災ごとに全部まとめて整理する慣習であります。別にそうしなければいかぬというものではないのでありますが、二十三年災は二十三年災が全部復旧が完了いたしまして、——二十四年災も同じでありますが、日本中の復旧が完了いたしましてから精算をさせる、こういうのが長年の慣行であります。それで建設省などもそういう扱いをしておりますが、ちよつと考えようによりますと、こういうふうにこの静岡の、先ほど御指摘になりましたような、六百六十二というのは、まことによくない超過工事なのでありますが、こういうものは返すものがきまつたら早く返させたらいい思うのであります。大体一年に千五、六百災害復旧の工事がございます。その中から一つぽつんと抜き出してやるということが、実際問題としてはあるいは困難なのかもしれませんが、そういう扱いをいたしませんで、工事が全部完了いたしましてから精算をさせるというのが、従来の慣行であります。これは非常に遅れるのでありまして、一つの年災の復旧が完了するのに、大体三年から四年ぐらいはかかりますから、遅れるわけであります。それが三、四年たつてから精算するというのが、従来の取扱いなのであります。それでここに掲げました八件の三百九十五万七千円の超過交付額というのは、これは全部返還を要するはずの額というだけで、まだ一文も返つておりません。今のような事情でありまして、従来の慣行による精算の段階にまだ入つておらぬ、こういうことになつておるわけであります。
○吉田(賢)委員 慣行にたつてということでありますが、慣行もいろいろな面から改むべきものがあれば改めて行かねばならぬと私は思います。もしこの場合——これは三百九十万円であれば大した問題でないようでありますけれども、それならこの場合に、もつと大きな工事費が支出せられて、十億円になり、二十億円になつて、しかも返還すべき金額がきまつておるのに、なおかつ精算するまで数年間もそのままで待たなければ、国庫へ返るべきものが返つて来ないということは、私は非常に不合理だと思うのです。そういう点はいかがでございますか。どちら側の方でもけつこうでございますが……。
○有田説明員 先ほどのお話なのでございますが、返還の問題については今までいろいろお話がございました通り、取扱いといたしまして、まず災害復旧事業は、全事業費を毎年度に区分して補助金を支出しております。その点について会計検査院では、毎年度の分についてそれぞれ年度ごとに返納してほしいという御意見なのですが、私の方としては総事業を毎年度に区分をして支出をしておる関係上、最初の年に返還の金が三百五十万、あるいはそれぞれ相当な額になりましても、次の年度で交付すべきものが相当になつて来ることになりますと、結局相殺になつて来るわけであります。従つて最終年度に交付すべき国庫補助金が少くて済む。従いまして災害復旧事業全体から行けば、最後の年度においては交付しなくても済むという結果になります。その全部完了認定という最終精算をいたしました場合に、それぞれ箇所ごとに検討して行つて、そうしてそのときに初めて具体的に返納すべき金を定めるといつたぐあいになつております。
○吉田(賢)委員 これは慣習とはいえ、厳密に申すならば、やはり返すべき金額がきまつたら、そのときに国へ返すということが純理であろうと思います。もつともその場合に、あとの工事の進行途上、国の予算が来るのが遅れるということもあり得ると思いまするから、そういう点も考慮に入れねばなりませんが、それは一応別といたしますれば、ともかく返すべきものは返し、また渡すべきものは渡し、受取るべきものは受取るということを厳に履行するならば、それが一番理想的な姿でないかと思うのですが、いかがでございますか。
○有田説明員 ただいまのお尋ねなのでございますが、毎年度支出して行く金と、それから毎年度返納して行く金ということになりますが、返納する金というものはごくわずかな部分でありまして、結局これは会計法規の面から行きますれば、当然返納ということも起りますが、先ほど申し上げましたように、継続事業費的な性質を持つている関係で、どうしても次年度の補助金と一緒に含まさせるという形になつて来るのであります。従つて、次の年度の国庫補助金をある分量だけ交付したときに、同時に、過年度の返納金を含めて増額交付された形になるわけであります。従つて、その過年度の返納金に相当する分だけ事業量が、次の年度で多く施工できるという結果になつて参ります。中には、市町村公共団体のごときは一箇所しかない工事がありますので、その分についてはその年度限り返納の手続をとつております。
○吉田(賢)委員 これは具体的な例があれば、たいへん説明ないしは質問がはつきりするのであります。あるいは仮定になつて恐れ入りますが、災害復旧のごとき事業で、事業主体の方で、災害の復旧だから即刻着工せなければならぬという場合に、予算がない、金がないので、国庫から補助を受けるべき場合でも、予算の示達がないというので、地元で事業主が負債をしまして、そこで利息を払つて、やむを得ずそれで着工するということ、そしてあとから金を政府からもらうということも事実あり得ると思うのですが、そういう例もあるのでございますか。
○黒田政府委員 お説の通りでございます。非常に災害復旧を急ぎます場合に、仕越し工事と申しまして、先に地元が金を立てかえまして、工事を実施いたす場合がときどきあります。
○吉田(賢)委員 そういうようなことも、これは予算の執行の面から見てもまことに遺憾な状態であると思いますので、これは原因がどこにあつてどうということは、常に検討し、追究してみなければいかぬと思うのであります。いずれにいたしましても、返納すべきところの金額が、わずかにかりに一%であつても、また九〇%であつても、それにかかわらず、やはり日本の政府の会計制度といたしましては、これは会計検査院の主張のごとき行き方で、返納は返納で、その年度々々でして行くということを実行し、また今の仕越し工事のようなものがないように、予算は適当に、それぞれ流されて行くというふうにする、こういうふうに調節をせなければならぬだろうと思います。これは事務当局にのみお尋ねしても要領を得ないかもわからぬのでありますが、国の予算執行の大きな方針にかかる問題だろうと思いますが、一面だけを取上げて論議するようですけれども、返納は返納として、まず現にきまつた金額はどうするということの方が、会計上筋が通りますが、どうでございますか。
○迫水委員長代理 吉田委員にちよつと申し上げたいのですけれども、これは同じような問題が建設省の部類において、もつと大きな金額で必ず出て来ると思うのです。従つて、建設省のを審議するときに、その問題をさらに審議しまして、場合によつては決算委員会の意見として、その取扱いをこうすべきだという意見を出してもいいと思いますが、それは理事会等によつておはかりするとして、本日は御質問を一応留保していただきたいと思います。 —————————————
○迫水委員長代理 大体今の問題についてほかに御質疑がなければ、次に報告書の二百十ページ、不正行為、報告番号六七二及び六七三を議題といたします。 本件はそう重要な問題でもなさそうに思いまするので、まず会計検査院より簡単に御説明をお願いいたします。
○小峰会計検査院説明員 六七二でございますが、ここに書いてある通りの案件でありまして、このとられました金は前渡資金であります。それでこの前渡資金はここには出ておりませんが、とりました人間は出納係長であります。それから六七三も、八戸海上保安部の監理係長が前渡資金を横領したわけであります。両方とも懲戒免官になりまして刑事事件としても現在公判係属中になつております。
○迫水委員長代理 運輸省においてもし特に御説明の要があるならば発言を許します。
○壺井政府委員 この二件につきましてはたいへん遺憾なことと存じておるのでございますが、監督の点においても非常に行き届かなかつた面もございまして、それぞれの当事者につきましては、十分に行政処分の手続をとつておりますことは、報告書にある通りでございまして、この両人につきましては、ただいま検察庁及び裁判所において十分に審査を続けている次第でございます。こういう事件の再び起らないように、私どもとしては十分に注意をいたしておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 そういう事件が今後起らないような、何か新たな具体的な対策、措置というものがございましようか。その点だけ伺つておきます。
○壺井政府委員 前会海上保安庁から御説明申し上げましたように、内部監察の制度を相当程度深くいたしまして、また十分に教育指導を徹底いたしておりますのは、御承知の通りでございますが、運輸省全体としましても、やはり心がけの問題が一番大切でございますので、主として心がけが十分に行き渡りますようにいたしますと同時に、会計その他一般の行政事務の監察方針につきまして、さらに徹底した方法を考えたいと今研究中でございます。
○吉田(賢)委員 これは一人で二百万円の金を横領したようなのでありますが、これは何に使つたのでございますか。
○辻政府委員 お答えいたします。東京管区気象台の総務課の出納係長の件でございますが、これは費消いたしましたのは主として遊興費でございます。それから先ほど官房長から御説明申し上げましたのに、私から補足して申し上げますが、東京管区の気象台関係は相当多額の金を扱いますのに、この事件発生当時におきましては、いわゆる前渡官という制度をとつておつたわけでありますが、この機会に会計制度を整備いたしますためにこれを支出官にいたしまして、監査関係の機構の整備をはかつております。
○迫水委員長代理 以上で運輸省所管に関する審議を一応終りました。 —————————————
○迫水委員長代理 次に郵政省所管に移ります。 まず検査報告二百十一ページにおきまして、郵政省所管に関する総括的説明に引続き、報告書二百十四ページ、郵政事業特別会計、未収金、報告番号六七四ないし六七六を一括議題といたします。そのうち六七五、六七六の二件につき、特に詳細な説明を求めます。会計検査院検査第四局長大沢説明員。
○大沢会計検査院説明員 御説明申し上げます。二百十一ページから二百一四ページの初行までに、郵政事業特別会計及び簡易生命保険及郵便年金特別会計の決算の概要を一応記述してあります。お読みくだされば大体おわかりになることでありますが、このうち特に申し上げたいことは、郵政事業特別会計におきましては、毎年欠損の状況になつておりまして、一般会計からの繰入れその他によつて操作されておるわけでありますが、これは郵便料金が法律で一定されている、それに対して給与ベース・アップとかその他のいわゆる諸経費の増加が多い。そうしたいわばやむを得ないところの損失がこの大部分を占めておると思います。しかしながらまたあとの方の検査報告に掲げておりますように、業務費の節減等によつてこの欠損は多少なりとも削減し得るのではなかろうか、また年度末におきまして、貯蔵品として持つております物品をいわゆる現場の方へ交付して、欠損に立てると言つておりますが、結局事業費の方に振りかえる。これも年度末になりますと、ややもすれば予算のあるのに乗じて——と言つては言葉は悪いかもしれませんが、予算額があればなるべく欠損品として保有する、いわゆる現場の方に事業品として立てて保有しようというような傾向があるので、その年度の事業費がふくらむということも多少ある。こうした面を抑制されれば、この欠損は多少は削減し得るのではなかろうかと考える次第であります。 なお簡易生命保険及郵便年金特別会計は、ずつと欠損であつたのでありますが、この二十五年度におきまして初めて利益勘定になりまして約十億の利益金を生じております。そうして繰越しの欠損金を控除しまして、年度末には約七億の繰越欠損をもつて二十六年度に継いでおります。二十六年度ではまた業績が上りまして八億五千万円の利益を得たために、二十六年度末においては、全体を通じての繰越しが剰余金、利益勘定になつている。こういうふうになりまして、この特別会計の運営は相当好転しつつあると考えられます。なおこれに関連いたしまして、超過保険の問題もありますが、それは後ほど各案件として出ておりますからそのときに譲りまして、一応総説的の点の御説明は簡略にいたします。 次の二百十四ページの六七四号は、物品の購入契約をいたしまして、相手方が納入困難だというので契約解除をいたしました。契約条項によりまして当然違約金をとるべきであつたのでありますが、この二百八十六万円の違約金をとることに、内部では二十五年九月に決済されたようでありますが、内部の事務連絡の不十分であつたということによりまして、二十六年の会計検査の際もまだ違約金が徴収されていなかつた。そこで注意いたしました結果、九月に徴収決定はされましたが、昨年の十月ごろの調査でありますが、そのときもまだ収納には至つていない状況であります。 次の六七五号、六七六号は同じような案件でありまして、簡易生命保険の募集をいたす場合に、募集員に対して一定の比率で募集の手当を交付しております。そしてそれが一回の掛捨てで解約になつてしまつたという場合には、募集手当は返納させるということになつております。その金額は相当になるのでありますが、この返納処置を見ますと、本来返納させるべきものでありますから、わかつたときに総額を返納させる、これが原則であります。ところが実際の処理は募集員のいわゆる毎月もらう手当を全額召し上げてしまうということになつて、募集員の生活も相当困難があるというので、差継ぎ計算ということにいたしまして、毎月渡す募集手当の中から、ある額を返納金に充てて、あとは毎月だんだんと繰越して行くという方法をとつておるわけでありますが、検査院といたしましては、原則としては募集手当を返納を要することを発見した場合に、当然総額返納すべきだ。それが先ほど申しましたように、募集員の家計上の困難から一時にできなくても、少くともその年度内においては回収すべきである。また回収のできないものは当然納入告知書を発行して、やむを得なければこれを収納未済として掲げるべきである、こう考えておる次第でありますが、実際の取扱いは、渡すべき募集手当の中からだんだんとなしくずしにして行くというような経理をとつておられる次第でありまして、この点は改善の必要があるのではなかろうかと感ずる次第であります。なお具体的に出ております六七五号の方は、最近の調べによりますと、返納を要する額は全額収納を済ませております。六七六号の方は昨年の十月ごろの調査では、十四万円ほどまだ返納を要する額があるという状態であります。
○迫水委員長代理 本件について郵政省当局がもし説明をする必要があれば—というのはこの国会に対する説明書に載つておることを言われるならその必要はない。そのほかにもしさらに説明を必要とする点があるならば発言を許します。
○中村(俊)政府委員 特に委員長から六七五号、六七六号を詳細にということでございましたので、前段につきましてはこれを省略しまして、この両件につきまして少し詳しく御説明をさせていただきます。この両件は簡易生命保険の募集員が普通郵便局におきましては、第一回保険料の百分の六十、それから特定郵便局におきましては、第一回保険料の百分の百十という募集手当を政令に基きまして支給されるのでございます。この募集手当は、募集いたします保険契約の堅実という建前からいたしまして、短期に掛け捨てに相なつては契約者に対しましても困りますし、また事業経営上からいたしましてもたいへん支障を来しますので、この募集手当は、一回掛け捨てになりましたような契約につきましては、これを返納せしめるという措置を講じておるのでございまして、そういう結果から出て参りました要返納額というものが、昭和二十四年度から二十六年の九月までに、全国におきまして一億八千九百二十余万円というものが発生いたしたのであります。もちろんこれは従業員といたしましても、返納しなければならぬということははつきり知つておりますし、また監督の側にあるものといたしましても、極力これを返納せしめるよう努力をいたしたのでございますが、先ほどの検査院御当局からも話がありましたように、何しろ多額の契約募集を従業員にやらせております建前上、募集意欲を削減するということは、二十四年までは保険会計が非常に赤字で苦しんでおつたときでもありますし、ある一定額の募集目標を達成しなければ、独立採算でやつております保険事業というものを維持して行くことができないというので、募集目標というものをどうしても達成しなければならぬというので、徹底的にその要返納額を一時に返納させることができませんので、差継ぎ計算といつたようなこともとつたわけであります。その後いろいろと募集院も、また監督の衝にありますものも一致協力いたしまして、昭和二十七年の三月末におきましては、六百二十五万円に減少いたしております。しかしこの六百二十五万円も引続きこれを返納せしめるように努力をいたしておる次第でございます。 六七五号、松山郵政局管内の返納問題につきましては、先ほどお話がありましたように、全額返納をいたしましたが、札幌郵政局におきましては、要返納額三百一万四百六十五円というものがあつたのでございますが、二十七年の十月末におきましては、十四万八千六百十円に減少いたしまして、この十四万八千六百十円というものも、それぞれ個人の経済状態、あるいはまた募集成績等を勘案いたしまして、一時に返納できないものは、これを分割して返納せしめるということで、できれば本年度内にでもこれを完結いたしたいということで進んでおる次第でございます。以上補足して御説明を申し上げます。
○迫水委員長代理 質疑を許します。吉田君。
○吉田(賢)委員 簡易保険の保険契約の総額、並びに保険料受領額の方と保険加入募集従事員の人数、大体そういうものが何か表になつてありませんですか。できましたらここ三年来、二十五、六、七年くらいがあればたいへんいいと思いますが……。
○中村(喜)説明員 お答えいたします。簡易保険は、昭和二十八年の二月末におきましては、大体件数にいたしまして四千八百万件であります。保険金額といたしまして約六千七百億円くらいであります。それから收入保険料は、昭和二十七年の決算はまだ完了しておりませんが、大体見込みといたしまして約五百二十三億であります。従事員数は、大体全従事員数が四万七千人でありまして、そのうち集金並びに外務に従事している者が二万五千人であります。
○吉田(賢)委員 二十七年度中というのは、二十七年の一月一日から十二月末日までということでございますね。
○中村(喜)説明員 いや、二十七年の四月一日から二十八年の三月末日までの予定收入でございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、現在もしくは最近までの、政府で持つている保険收入の総額は何ぼになりますか。
○中村(喜)説明員 現在簡易保険の積立金として資金運用部資金に預託しているもの、あるいは国債その他地方債として持つているものを全部合せますと、郵便年金、簡易保険を合計しまして約九百億円くらいになります。
○吉田(賢)委員 それからこの募集する者あるいは集金する者は専務者ですか、もしくは何かの兼業者なのですか。またその人々が普通はどのくらいの所得であるのか、大体わかれば説明していただきたいと思います。
○中村(喜)説明員 募集外務員の中には、募集専務というのと、それから集金をやる人、集金と募集を両方やる人とありまして、すなわち募集専務は募集だけやる、収金専務の人は集金専務、それから募集と集金を両方やる人がおります。募集をやる人の收入額は今ちよつと記憶にありませんから、あとから御報告いたします。
○迫水委員長代理 大体どのくらい収入があるか、だれかわかりませんか。
○中村(俊)政府委員 お尋ねの保険関係の従業員は、これは専務者でありましても、兼務者でありましても、いずれも国家公務員といたしまして普通の公務員の給与ベースの給与を受けているわけでございます。従つて各級別及び号俸別に、それぞれ一般の郵便あるいは貯金そのほかの従業員と同様の給与の基礎に基きまして、支給を受けております。そのほかに募集手当というものを、政令に基きまして特別の特殊勤務手当として、支給を受けている。こういう関係でございます。
○吉田(賢)委員 その国家公務員として受けておるのは大体どれほどになつておるのか、それを聞いておきたいのです。大体でよろしいです。
○中村(俊)政府委員 平均いたしますと、この前の給与ベースの引上げによりまして一万円をちよつと越えるという程度であります。しかしながらこれは国家公務員全体の平均でございますので、保険だけを引抜いてみますと、一万円にはなつておらないと思います。
○吉田(賢)委員 それから募集手当というのは普通には月どのくらいになるのですか。
○中村(喜)説明員 契約の成績のいい人、成績の今ちよつと記憶がございませんから、あとから御報告申し上げます。
○吉田(賢)委員 これは六七五号によりますと、徳島郵便局におきましては二十四年十月から十二月までの二箇月間に三千五百四十七件という架空の保険契約を成立さした、こういうことになつておるようであります。そして手当のうち百十一万円ほどを返還させなければならぬという事案が発生いたしておるようであります。こういうものはやはり募集をしているとか、そういうような事情が相当伴つているのではないでしようか。普通の生命保険におきましても、この種の問題がよく生ずるようでありますが、責任額というものが内規にあつてすることもあろうかと思いますけれども、何かそこにしいられるのでやむを得ずというようなことが、直接原因になるということではないのでしようか。
○中村(喜)説明員 終戦後簡易保険の契約は、御承知のように、平均保険料が一円何十銭という小さなものでありました。その半面五万人の従業員を擁しておりまして、この費用が非常にかかりまして、どうしてもこれは收入保険料を上げて、新規契約の募集をやらなければならぬというような事態に立ち至りましたので、昭和二十四年度におきまして、相当大きな目標を第一線に課したわけであります。これも郵便局並びに第一線の方々の納得の上において決定したのでありまして、とてもできないような無理を課しておるというわけではないのであります。しかしながらああいう経済情勢でしたから、相当第一線の人の募集が困難だつたということは言われるのであります。
○吉田(賢)委員 これは半面から見ますと、募集する第一線の人は下級の公務員で、われわれのところ来る人の姿を見ましても、人生の半ば過ぎて生活に疲労を感じておるような人が多いように見受けられるのであります。あるいは弊害を生ずるかもしれませんけれども、何ら募集人の責任によらずに、第一回で解約になつたようなものを、それまでも手当を返納させるということは酷ではないかという感じも一面するのでありますがその点はいかがなものでありますか。
○中村(喜)説明員 簡易保険は月掛でございます、先ほど政府委員から御説明申し上げましたように、第一回保険料の百分の六十、それから特定局は百分の百十の募集手当を支給するのであります。もし一回掛捨てで募集手当を返納しないとすれば、事業経営上大きな損害を生じますのでどうしても返納させなければならないことになります。契約の奨励の意味におきまして、そういうことのないようにそういう罰則が設けられてあるのであります。
○吉田(賢)委員 もし、保険契約の契約者でありますか、被保険者ですか、加入者みずからの恣意によつて、かつてな理由で一回掛捨てにしてしまつたような場合に募集人がその罰則の適用を受けて、みずからの労力、努力の結果を失つてしまうということは、これは公平妥当でないと思うが、いかがですか。
○中村(喜)説明員 何しろ簡易保険は相当たくさんの新契約を募集いたしますので、一々これが加入者の恣意によつて解約したのかあるいはどうとかいうことは判定が困難であります。また募集するときに、相当継続する良質契約を奨励するという建前をとつておりますために、加入者が継続できないようなものは最初からとらないように奨励しております。
○吉田(賢)委員 その点は、百万、千万の募集をしても、しなくても、厳密に調査をする手段方法を講じるならば、責任がいずれにありやという判定は必ずしも至難でないと思います。しかし、一律に責めを募集人に負わすということがこの種の案件の発生する原因ではないかと思いますので、多数の募集を必要とする政府の建前はこれは了承しますが同時に、これに従事する人の立場についても、また一段とくふうがなければならぬと思うのです。あなたの立場でなしに、政府の一つの方針として考慮しなければならぬと問題が伏在しておると思いますので、これについて御意見を述べていただく方があればひとつ伺いたいと思います。
○迫水委員長代理 ちよつと私が言いますけれども要するに、一回掛捨てになつてしまう保険契約は相当多数あるがあなたの方のお見込みの中では、それが、いわゆる募集がインチキであつたのか、あるいは、契約した人がほんとにかけられなくて、募集人の方は善意であつて加入者の方の責めに帰すべきものであるか。あるいは初めからそういうことでとつたのか、あなたの方の観測ではどつちの契約が多いか、それから大体どのくらいの割合かということを説明されれば、吉田委員の質問に対する一応の答弁になるのじやないかと思います。
○中村(喜)説明員 第一回掛捨ての多いのは、どうしても募集をするときに無理な募集をするためにそういう結果が起るのでありまして、第一線の勧誘員に対しましては、この契約者の経済能力というものを十分勘案してそうしてその家庭経済にマッチするような保険を勧めるようにということを、厳重に注意しておるのでございます。一回掛捨ての多いのは、加入者の経済情勢を考えずに無理に募集するという傾向の方が多いと考えるのであります。
○吉田(賢)委員 どうもはつきりしませんね。それならば伺いますが、通常の保険契約の金額、それから一箇月ですか、二箇月ですか、一回のかける金額ですが、大体どこの社会の階層がそういう契約をしておるか、その辺の御説明をちよつと聞いておきましよう。
○中村(喜)説明員 この新契約の一箇月の平均保険料は約三百二、三十円でありまして、あまり高額の新契約、家庭経済にマッチしないような高い保険料の契約が一回掛捨てになつてしまう傾向が多いのであります。
○吉田(賢)委員 普通一箇月の保険料が三百二、三十円、それはわかりました。それで、もつと高額のもが一回掛捨てになるのは、大体どういうような階層の人が普通であり、また掛捨てになるのだろうか、その辺の御説明を願えましたらなおはつきりして来るのですが……。
○迫水委員長代理 一回掛捨てになるものは、毎月平均どのくらいの掛金になつておるかということです。
○中村(喜)説明員 新契約のうち、その年度中に失効解約するものが大体七分程度ですが、最近はそういう無理な契約はとらないように注意しております結果、だんだんと逓減いたしまして、本年の末期ごろは六分ぐらいに低下しております。そのうちの大体半分以上は一回掛捨てになるわけであります。
○吉田(賢)委員 その一回掛捨てで解約になつているのは、大体何ぼくらいの保険料のものが多いのですか。
○中村(喜)説明員 その点については今資料を持つて来ておりませんので、あとから御報告申し上げます。大体今までの傾向では、全体の平均保険料とそう大した差はないと思います。
○吉田(賢)委員 私の経験によりますと、普通の生命保険なんかの勧誘と簡易保険の勧誘とは、まつたく本質的に違うくらいに、勧誘の態度も、勧誘の仕方も、またそれを受ける側においても違うと思うのでございます。前者のごとき生命保険なんかでありますと、話術とか称しまして、あらゆる手段を用いて獲得に狂奔しておりますが、簡易保険になりますとそうでもないと思いますので、そういう点から私ども考えて参りまして、一回掛捨て契約というのが、相当そこに了とすべき事情がある場合が多いのではないか、これを全部募集人の責めに帰せしめるということは少し行き過ぎではないかというように感ぜられるのであります。そこで、そういう点にむしろこの問題のよつて来るところの原因の一つがありはしないかと思われますので、今いろいろと数字をお尋ねしたわけなのでありますが、あなたの方においても、国会に対する説明書を起案なさる前に、こういつた方面に対する検討、考究も相当なさつただろうと思うのですが、それはいかがでありましよう。要するに、募集する募集人の責任として少し過酷な処罰をしているような感がありますが、どうですか。
○迫水委員長代理 郵政省に申し上げますが、今吉田委員の発言せられた趣旨はあなた方はおわかりになつたことと思う。そこで郵政省の分は次会にもまだ残つておりますから、それまでによく相談をされて、そうして一回掛捨ての分についてはやはり返納させるという方針を、今後においても維持されるならば、吉田委員が納得されるように十分な勉強をして、御説明を用意していらつしやい。もし吉田委員の御意見のように、今後方針をかえるならば、かえるようにまた相談をして来て、ここで説明をしてもらう。きようは次官も大臣も実はおられません。大臣は宮中、次官は旅行中であるそうでありまして、本日はこの程度といたしまして、次会は三月十三日、金曜日、午後一時から、郵政省所管の残部を審議いたしたいと思います。なおもしその際時間のゆとりがございましたならば、通商産業省所管の分で先般吉田委員からお申出のありました昭和二十六年度検査報告番号八三五を審議いたしたいと思います。 本日はこれにて散会をいたします。 午後三時二十二分散会