決算委員会 第17号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1953/02/25
会議録
○迫水委員長代理 ただいまから決算委員会を開きます。 前会に引続いて、私が委員長代理として審議を進めますからさよう御了承を願います。 本日は農林省所管に移りまして、報告書第百五十五ページの予算経理、報告番号五六八を議題といたします。本件に対しましては特に詳細な説明を要望いたします。会計検査院検査第三局長小峰説明員。
○小峰会計検査院説明員 五六八号は、二十五年度の決算検査報告の大きな特徴をなしております官庁の架空経理者が約五億円余りに上つておりますが、そのうちの農林省の三件の事案をここにまとめたわけであります。全体から見ますと、ここにあげました青森、三重、和歌山、この三統計調査事務所の分合計で、ここにございます通り、九十二万五千円でありまして、金額といたしましては必ずしも大きいものではございませんが、事態としてはまことにおもしろくない事態でございます。ここに庁舎購入費、厚生費云々とございますが、庁舎購入費と申しますと、青森の統計事務所の分でございまして、そのほかは物品購入代とか、調査手当という名義によりまして、厚生費とか食糧費というものに使用していた、こういう事態になつております。
○迫水委員長代理 農林省当局の説明を求めます。統計調査部長安田説明員。
○安田説明員 ただいま会計検査院から御指摘がございましたように、私どもの統計調査部の系統におきまして、三事務所に、お言葉によりますとおもしろくないことがありまして、まことに恐縮に存じております。私初めてこういう委員会に出ましたので、系統的な御説明をいたすことができないかもしれませんが、青森の件につきましては、出張所の庁舎の購入費が予算面にありませんでしたものを、民家を借りまして、小さい出張所——十人くらいの職員のものでありますが、それが追い立てを食いまして、どうしてもおることができませんでしたので、他の経費を流用しまして、庁舎購入費に充てたことをおしかりを受けたものでありまして、その後この金額に間違いのないことを本省も確かめまして、国有財産に全部移しました。またその他の事項といたしましては、職員がいわゆる作報作成で時期的に非常に忙しく、労働ピークの時期には、職員の健康も相当こわすようなことがございますので、当時所長の判断で、厚生費が一人当り百五十円くらいしかありませんでしたのを、その約倍程度、他の旅費概算の立てかえをして他の経費で払つたものであります。その他の件といたしましては、県ごとに県庁のお方とか農業関係のお方とかを御参集願いまして、年々の作物統計数字の審議をいたしますために、出張者及び出席者の会議費が不足を来しました。と申しますのは、当時収量の調査及び供出問題で何回も開いて、予定より越えたそうでありますが、それに予算の範囲内で他の流用してはいけないものからまわしたものでございます。以上三つの事項はおもなものでございまして、この件につきましては、会計検査院の検査が終りましてから御通知をいただきまして、爾後他の事務所にもあわせて厳重なる警告等を発し、その後指導をいたしまして、当時の所長と庶務課長と経理主任の経理係長につきましては、降職の措置を講じまして、その後経理改善の成果を見るように指導をいたしておるつもりであります。今後も一層気をつけるつもりであります。 三重の統計事務所につきましては、これも出張所の件でございますが、一出張所が町村会の建物の一部を貸していただいていたのでありますが、内部から出火がございまして、町村会の建物が全部燃えてしまつた。一部には食糧公団などの事務室もあつたようであります。いかにも部内からのあやまちの出火でございましたので、周囲の慣行慣例に基きまして、予算には計上してないものでありますが、地方慣行程度の五万円ばかりの見舞金を、謝罪の意味で贈つたものでございます。その他は青森と同様な職員の勤労過重に応じまして、当時運動会その他に使います経費が、一人当り年百五十円くらいでありましたので、これを倍額くらいに謝金等を流用いたしたものでございます。その二件でございます。これに対しましても、青森に対しますると同様に、厳重に一般的経理改善と綱記粛正の訓告を発しまして、所長には公務員法に基きまする訓告、庶務課長には厳重に注意を与えまして、所長は長野の方へ転勤させて今後を戒めた次第でございます。 第三の和歌山統計調査事務所につきましては、職員が調査をいたします場合に自転車を使用しておるのでありますが、予算上に自転車の修理費が一つもなかつた当時でございますので、それに約二万円、それから作柄の変化が急激でありましたような場合に、願査上の事務資金が足りませんでしたので、事務資金に一万七千円、庁舎等の借損料の不足に応じまして一万二千円ばかりのもの、計四万九千円ばかりを他の謝金等から流用してまなかつたのでございます。これも同様に所長を訓告の上、三重の方へ転勤を命じまして、庶務課長にも厳重に注意をいたしました。 これを参考にいたしまして、二十六年度からは全統計調査事務所の所長、経理主任、経理係等については、経理上の講習、綱紀粛正上の訓戒を厳重に与えて、間違いないようにしております。まことに遺憾に存じておる次第でございます。
○迫水委員長代理 皆さんにお諮りしたいと思いますが、今までは大体毎回適当に区切つて議題にしておつたのですが、きようは農林大臣がここにお見えになつておられますし、農林大臣に対するいろいろな御質問もありましようから、本日の会議の予定である百七十五ページの五九九番まで一括してこの際議題に供して、そのうちで重要なものを今私が指摘いたしますから、その番号につきまして、会計検査院当局及び農林省当局から説明を聞いた後、全部について質疑をすることにしたいと思いますが、いかがでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○迫水委員長代理 それでは特に説明を聴取したきものの番号を申し上げます。五六九、五七一、五七三、五八二、五八三、五八四、五八九、五九二、五九六、五九八、以上であります。今私が指摘いたしました各号について、まず会計検査院当局のきわめて簡潔なる説明を求めます。小峰説明員。
○小峰会計検査院説明員 五六九、五七一につきまして、まず御説明申し上げます。ここに並べました三件は、表題にもございますように、予算がないのに契約をいたしまして——仮契約と言つておりますが、工事をさせる、そして翌年度になつてその代金を払うという案件であります。五六九は、仙台の農地事務局で、岩手県の山王海農業水利事業のため池の工事費につきまして、二千百四十八万八千円というものだけ予算がないのに工事をやらせた、そして翌年度に払つた。さらに二十五年度におきましても、予算が足りませんので四千六百万円余りの工事を先にやつてもらつて、翌年度予算から金を払つた、こういう案件であります。五七一は、金沢の農地事務局の阿賀野川の農業水利の仕事でありますが、これも今申し上げた仙台の山王海と同じように、予算がないのに先に工事をやらせて、翌年度に払うという事態を二年続けてやつている。こういう案件であります。 それから五七三でありますが、これは四国の燧灘の干拓工事についてであります。大体できかかつている工事の工事費を、まだ全然やつていない予算外の工事費に振り当てまして、海岸から三百メートル以上先の海の中に捨石をした。これは予算外の工事をやつたという案件であります。 五八二は、熊本の農地事務局でやりました災害復旧工事についての案件であります。これは八代市の付近に遥拝堰というのがございますが、これが二十四年八月の台風によりまして、堰そのものは別にこわれなかつたのでありますけれども、堰の前面、川の中ほどから水をとる、その水の取入口と、それからその水を水路に導く暗渠が砂に埋まつてしまつたわけであります。そこでこの砂を除くために百五十八万円ほど使つたのでありますが、洞の岸のところに予備水門がございまして、この予備水門も一緒にこわされてしまつたわけであります。ところが予備水門がありましたときは、河の水はまん中を流れてくれまして、ちようどその川の中央部にあります取水口から水が入つたのでありますが、予備水門がこわされたために、川の流れの中心が岸の方に寄つてしまいまして、せつかくまん中の災害で埋まりました土砂を掘つたのですが、そつちへ水が流れてくれないで、掘つたところがまた埋まつてしまつた。これは災害によつて工作物が倒された後の、河心の変化によく気をつけて工事をやつていただけば、せつかく掘つたものがまた埋まつてしまうというような事態は起きなかつたであろう、こういう案件であります。 五八三は、岡山農地事務局の工事についての案件であります。岡山農地事務局でやつております高梁川の干拓事業で、これはサスペンシヨン・ドレツジヤーを使つて土を上げるわけでありますが、この機械がこわれるまでの寿命とでも申しますか、その寿命なり、機械がこわれるまでに上げられる土量の計算が非常に少かつたために、請負単価が高くなつたという案件であります。盛土一立米百四十五円。機械を使つて土を盛る場合に百四十五円いとうのはいかにも高いのでありまして、これは当局者の計算を基礎としてやり直してみますと、どう高く見ても百三十二円ぐらいで済んだはずだ、結局五十万円ほど払い過ぎておる、こういう案件であります。 それから五八四号、これは仙台の農地事務局で、三本木の開拓建設事業のうちの用水幹線を請負に出したのでありますが、入札をいたしまして落した人が請負人になつたのでありますが、大した理由もないのに契約後に契約価格の変更をして、百九十九万五千円というものを値増しをしてやつた、こういう案件であります。千四百万円の請負額に対しまして百九十九万五千円、これだけふやしてしまつた。その理由は天候が不良だつたということで値増しをしたわけであります。天候が不良だつたというようなことで、入札によつてきまりました請負額を変更するというようなことは、あまり例がないのでありまして、しかも本件はよく調べてみますと、天候もそう悪くなかつた、こういう事態であります。 それから五八九号の忠別川の施設であります。北海道の忠別川は旭川の付近を流れておりますが、あの辺の気温というか、水温というか、それが稲作のいわば限界点ということになつております。それより北に参りますと、稲をつくることがむずかしいという地点であります。それで昔発電所をつくりまして、その水路に水を通すことにいたしました関係で、従来よりも水温が下り、稲作が非常にむずかしくなるということで、あそこでは特別の施設をつくりまして水温を三度か四度上げるわけでありますが、これが洪水で流されたのを、災害復旧ということで復旧したのであります。これはここにございます通りに、東和土功組合というのが工事主体になつておりまして、工事費が三千四百五十三万円かかるということで国庫補助をいたしたわけであります。これに対する国庫補助は二千二百四十四万円、補助率は六割五分でありますが、これは大部分がどろを運搬する仕事であります。ところがこの馬車賃が非常に高く積算してございましたし、ほかにも高いと思われるような点もございましたので、実地検査をいたしましたところが、これは実は非常に安くできてしまつた。先ほど申し上げましたように、三千四百五十三万円ということで補助金を出したのでありますが、実際には請負に出しまして、二千四百五十九万円という安い値段でできていた。そのために補助金が先ほど申し上げました二千二百四十四万円で六百四十五万円やり過ぎになつておつた、こういう事態であります。補助工事につきましてはいろいろ問題が多いのでありますが、ここに幾つか並んでおります中で、今申し上げた案件は特にきわだつた案件で、差額も大きくなつております。 それから五九二号、これは高知県で耕地の災害復旧として七町三反の荒廃地を復旧するということで、工事費バ二百二十六万円、それに対して——災害復旧というわけで補助率が高いのですが、百九十二万円の国庫補助を出す。実際として四万三千立米の客土を置く、こういう計画だつたのであります。ところが実際には四万三千なんという客土は必要でない。二万八千立米ほど置けばよろしい。そのために今申しました百九十二万三千円の補助金のうち、六十四万八千円はやらなくてもよかつた。こういう案件であります。これなどは補助金だけで、自分の負担はしないで、たしか全部災害復旧ができる、こういう事態であります。 それから五九六でありますが、これはこの前の五九五と同じように、国から補助金をもらつて工事をいたすその事業主体の工事のやり方がまずかつた、そのためにせつかく補助金を出して工事をしてもらつたのでありますが、またすぐにこわれてしまつた、こういう案件であります。熊本県阿蘇郡でありますが、延長二十三間の野づら石張りの練積み堰堤を災害復旧によつてつくる、こういうことでやつたのでありますが、二十四年の十二月にそれができた。ところが一年半ばかりたつた二十六年の七月に、また水で流されてしまつた。地方を歩きますと、前の五九五も同じでありますが、できたばかりでまたすぐこわされるという案件が相当多いのであります。これなどもその一例であります。よく検査してみますと、中詰めの、今の練石積みの堰堤でありますが、中に玉石コンクリートをしつかりと詰める設計になつているのでありますが、実際にはあります十分なコンクリート工事が行われていなかつた。当局者にお尋ねしますと、水を締め切る仮締切工事が十分にできなかつたために、工事中にセメントが流れてしまつた、こういう説明であつたのでありますが、セメントが工事中に流れてしまうような締切りをやるというのは、ちよつとどうかと思うのでありまして、こういうぞんざいな工事をやりますために、災害を受けてひどい目にあうわけであります。せつかく国庫補助によつて復旧したのがまた流されてしまう、こういう事態になつたわけであります。 それから五九八でありますが、これは千葉県の印旛沼手賀沼干拓事業に必要だということで、発電機船を一隻九百八十万円で買つたのでありますが、これは二十五年十二月に来たわけであります。ところが、そのころになりますと、わざわざ発電機船を買つて自家発電をしなくても、近所から一般の電力が大体自由に入る。こういう見通しが立つていたわけでありまして、こういうものを買わぬでもよかつたのじやないか。現にこの発電機船は二十六年度にも問題になつておりますが、使つた形跡がないのでありまして、まつたく無用のものを買つた、こういう結果になつておるように見受けられるのであります。
○迫水委員長代理 以上の会計検査院の説明に対して、もし農林省の方で説明をせられる点が特にありますならば——というわけは、一応農林省では国会に対する説明書という書類を出しておられますが、これに書いてあることにつけ加え、あるいはこれに書いてないことで、特におつしやる必要があるならば、この際農林省の説明を求めます。 ————— なければ、質疑に応じて御答弁願います。
○吉田(賢)委員 この五九七は説明がなかつたのですが、これは重点事項じやないのですか。
○迫水委員長代理 一応重点事項じやないと考えておりますが、説明させてもよろしゆうございます。会計検査院、五九七について説明願います。
○小峰会計検査院説明員 五九七は先ほどおつしやつた中に入つておりませんが、御説明いたします。 これは先ほど申し上げました印旛沼、手賀沼の建設事業に関連いたしまして、ここにございますようにドラグラインという機械を五台買いまして、二千六十五万四千円を払つたのであります。ところが買つて持つて来てみますと、印旛沼、手賀沼というところは、御承知のような湿地帯でありまして、地盤の支持力が非常に少く、平米当り二、三トンであります。ところがこの機械は非常に重い機械でありまして、今の地盤の支持力が五、六トンないと使えない機械だということがわかつたわけであります。二、三トンのところに五、六トンも必要とするような重い機械を買いましても、使いものにならぬわけであります。その後この機械は五台のうち一台売つて、地盤のよいところで使つておる、こういう状況であります。
○迫水委員長代理 農林省の説明はどうですか。
○櫻井説明員 特に今補足はございません。
○迫水委員長代理 それでは質疑に入ります。
○吉田(賢)委員 五六八、架空名義による支払いの点でありますが、主として会計責任者及び監督者に対する責任の関係が重要であろうと思うのであります。従つてその他にも相当関連いたしておりますので、少しこの問題を掘り下げてみたいと思います。これは農林省におきましては、金額は九十二万円余りでありますので、大したものでないようでありますけれども、こういうことに至りました原因は、御説明もあり、またきようは資料をいただいておりますけれども、よつて来るところは、予算の会計法規、会計の規律というものをまつたく無視しておつたことに胚胎しておると思うのです。御説明によりますと、会計法規等について、その後いろいろ教育的な対策措置をとつたというような御説明もあつたのですが、統計事務なんかをやつておる人がこの責任者でありますので、それは少し方角違いのことでないだろうか。もとより会計については相当の知識がなければなるまいと思うのですが、予算の執行に対する考え方が非常に放漫であつたというふうに私どもは考えるのですが、これについて御説明を願いたい。
○安田説明員 統計調査事務所関係につきまして、会計法規の濫用と申しますか、よく理解しないところがあつたのではないかという御疑点でございますが、そのようなものが教育足らずであつたと思います。その後専門の財政法、会計法その他の会計法規の訓練をいたしておるわけでございます。私どもの統計調査事務所は、昭和二十二年に創設されまして、日が浅くて、特に二十四年には、職員が大量に一挙に入りましたこともございまして、古くから訓練されておつた官庁職員と、間々違つた人もおりました事情もあるのでございます。
○吉田(賢)委員 この種の業務に従事する人には、財政法について予算の流用の禁止規定というものがあるということについて、あらかじめ知識を与えるということはしないのでございますか。
○安田説明員 創立当初から、経理部内には比較的経理事務に堪能な者を当てておりますことはもちろんでございますが、終戦直後にいろいろな事情で、引揚者その他が入りましたことも間々あつたと思います。その間々の職員たちについて、特にその後痛感をいたした次第でございます。
○吉田(賢)委員 終戦直後の一般の官公吏について、素質が落ちておるというようなことについても御同意できないではないのですが、しかしながら国家の予算につきまして、謝礼金とか見舞金とか、そういつたものにまでこれが流用されておりますので、非常に重大なやり違いといいますか、過失といいますか、大きな流用の事犯だろう、こう考えるのであります。これはひとつあとでその他一括いたしまして大臣の根本的な所見も伺つてみたいと思いますので、次に進めることにいたします。 五六九号でありますが、予算がないのに事業を施行するというときには、これは本省との間に相当連絡でもあつてしかるべきだと思うのですが、その辺についてはあらかじめ了解するとか、途中で了解するとか、何かの手続がなければなるまいと思うのですが、どういうわけでございましようか。
○櫻井説明員 この点につきましてはまことに遺憾でございます。予算がなければ直営工事ができませんことも御指摘の通りでございます。ただ現地の事情からいたしまして、できないことを承知しながら、ため池工事であり、相当の機械設備を持つており、相当の労務者を使つておるといういろいろな事情からいたしまして、やむを得ず継続してやつたという実情でございます。もちろん御指摘の通り、できないことは言うまでもございません。
○吉田(賢)委員 私の伺いたい点は予算がない、しかしながら二千百万円相当の工事を施行しなければならぬという事態に立至つておりますので、本省の方に向つても何らかの稟議の措置等があつて、連絡がなければいけまいと思うのです。こういうことについて、何の連絡もなしにかつてにやつたということになるのでしようか、こういう点を承つておるのであります。
○櫻井説明員 本省には連絡がございませんでした。あるいは当時のことを突き詰めて言いますと、農林省の出先であります農地事務局には連絡があつたかと推定はいたしますが、本省には連絡ございませんでした。
○吉田(賢)委員 農地事務局は、これは事業を直接施行する官署であつただろうと思うのですから、もちろん知らずに現場の者が工事を進めるということはあろうはずはないと思います。農地局は全国にたくさんあるわけではないのでありまして、仙台から東京へ連絡するというようなことは、しよつちゆう連絡方法、便もあろうし、その他電話でも電報でも何でもできるのですが、二千万円以上のものが、全然知らぬ間に行われておるということは実に奇怪なんです。何かはかに原因があつたのではないかと思うのですが、その原因について深く究明をなさるという手配をなさつたのでしようか、いかがでしようか。
○櫻井説明員 本省にこうした問題を連絡すれば、やつてはいけないということを言いますので、現地では仕事を継続した方が、翌年度のつながりがいいというので、本省に断らずにやつたという実情でございます。そうしたことをやつたという実情につきましては、先ほどもちよつと触れましたが、相当の機械設備、相当の労務者、そして各期間相当の降雪があります等のために、せつかく集めた労務者で、できるだけの工事はやつておきたいという事情からやつたことでございます。
○吉田(賢)委員 では農地局の方は飛ばします。 次に五九七と五九八について伺いたいのです。五九七と五九八につきましては、これは二十六年度にも多数出て来るのでありまして、印旛沼の干拓建設事業というものに、十項目くらいに現われて来るはずであります。そこで便宜この際委員長からおはからい願いまして、二十六年の印旛沼、同じくいろいろな名義不当整理が行われておる問題がたくさん出て参りますので、これをこの際便宜あわせて御審議願えるようにおはからいを願いたいと思うのでございますが、これは直轄工事の経理紊乱の適例でございますので——二十六年の五〇八ないし五一三であります。同じく農林省の直轄工事、千葉県の印旛沼の干拓建設事業でありますので、この概要をなお承りまして一括して質疑してみたいと思います。よろしくおはからいを願いたいと思うのであります。
○迫水委員長代理 二十六年度分を議題にするわけには行きませんが、関連して質問があるならば……。
○吉田(賢)委員 これは二十五年のただいまの五九七と五九八を審議する上に非常に参考になるので、あわせて御説明を願います。
○迫水委員長代理 この際お諮りいたしますが、ただいま吉田委員からお申出の件、すなわち本件と関連のある二十六年度の同じような問題について、参考的に農林当局にただしたいとの申出がありました。これを取上げるに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○迫水委員長代理 それでは二十六年の、会計検査院報告の百五十ページの五〇八から五一三までの、千葉県の印旛沼手賀沼干拓建設事業所の問題について農林省から御説明を願います。
○櫻井説明員 印旛沼手賀沼の問題でございますが、昭和二十六年の七月一日に不正事件として所長以下相当所員が逮捕されました。不正事件の内容は、一部の収賄と、予算の不当支出のための公文書偽造行使及び用地補償費の支払金として保管中のものを他に流用した等のことでございます。関係者の一部はすでに重罪の判決を受けており、また一部の者はまだ未判決という状態でございます。判決を受けました者はすでに免官をし、その他の者はまだ現在休職処分中である、こういう状態であります。全般を通じまして、何とも申訳のない事態でございます。従いまして、その個々の問題として二十五年度、二十六年度でいろいろ批難事項が出ておる状態でございます。
○吉田(賢)委員 これは私はもつと事実を詳しく聞きたかつたのですけれども、きようはその程度にしておきましよう。追つてまたこれにつきましては、詳しく伺うことにしたいと思います。 そこでこの印旛沼の件でありますが、これは工事用の物件が、非常に無計画に不要のものが多大の国費を費して購入せられ、使用もせられないほどの状態で放置されておる、こういうような案件であります。まことに乱雑きわまりない経理の仕方であると思います。農林省の直営だと思いますが、この直轄工事にこういうような乱雑なことが起ります原因はどこにあるのでしようか。原因につきまして、いま少しく突きとめられた点、ことに刑事事件になりまして公判にも移されたことでもありますし、翌年度の検査院の批難事項にも上つておるくらいでありますから、相当詳細にお調べになつておりますので、できるだけその原因について詳細な御説明を願いたい。
○櫻井説明員 原因でございますが、一般に政府職員の質が戦後低下しているという問題がございます。また正義感が薄れておるということもございます。これは一般論でございます。そのほか印旛沼の特質的なものを申し上げますと、用地買収に非常に困難をした、その用地買収にからんでの不正事件であるという問題が一つ特質的な問題でございます。それからいま一つは、二十五年度に見返り資金をここにあてがつておりまして、二十六年度以降もそうした見返り資金が放出されるであろうという、所長のかつてな推定が一つ前提にあるわけでございます。見返り資金が放出されるとすると、事業を相当速度を上げて行くことができるであろう、そうすれば相当の機械を購入しても、それを妥当に使用して行くことができるであろう、こうした観念的な推察のもとに、いろいろ批難事項として出ておりますはなはだ使用に適しない機械を購入した。また会計の紊乱でございますが、これはその衝に当つておつた人間の本質的なものといいましようか、その人の特質からいいまして、会計をできるだけ正確にしなければならぬのを、そうした根底的な考えを持つていなかつたということもございます。原因を要約して申し上げると以上でございます。
○吉田(賢)委員 単に質が悪い、正義感が薄い、あるいは二十六年度以降も見返り資金が来るだろうというような面からだけでなくて、これは物を売る相手との間にも相当な関係があつたのではないだろうか。もし将来資金が豊富になるだろうという想定のもとにこういう機械を買い入れたといたしますならば、そういうような将来をおもんばかる考え方ならば、機械の性能であるとか、あるいは時とか、物の質とかいうことについて、もつと精密な考え方が現われておると思うのでございます。これにはやはり経済的に売り買いの関係の方面に何らかの原因がさらにあつたというようなことは、農林省としてはわかつておらぬのですか。
○櫻井説明員 農林省といたしましても、御指摘の点につきましては相当調査をいたしましたが、今日まで私どもはその点をまだつかんでおりません。また検察当局でも、そうした点につきましていまなおたしか検討を続けておるはずでございます。
○吉田(賢)委員 要するに、この案件は二十五年から六年、七年にわたり、さらに八年にまでわたりまして、不正刑事事件としてまで発展しまして捜査が続けられておる、こういうふうな御説明になつております。そういたしますと、結局これは総計いたしますと、一億円を越えると思います。二十六年の報告におきましても、五〇八号から五一三号までは六千七百万円でありますから、かれこれ一億円にもなるようであります。要するに、これは国の予算が非常に濫費されたということが御説明の要点に帰するものであります。そういたしますと、こういうことに対しましては、農林省当局といたしましては、まずどういう対策を講ぜられたのでしようか。事業そのものを完全に行うということが必要でありましよう。また人あるいは物に対しまして、善後の措置が相当厳格に講ぜられなければならぬと思いますが、その点はいかがでしようか。
○櫻井説明員 二十五、六年にわたつて、当時の所長以下の幹部がはなはだしく会計を紊乱したことは、今お話の通りでございますが、所長以下幹部が二十六年七月に逮捕されまして、その後幹部職員を必然的にかえました。なお二十六年度に、ここに三億円の予算を割当てておつたのでございますが、そのうち四千何百万円返還させることにいたしまして、当初の予算額三億を二億五千百九十万八千円にして減額措置をまずとりました。そうして新しい所長以下の幹部で、まず紊乱された会計を洗い直すということにし、工事等について再検討をすることにした。なおこうした不当なる国費の支出をしたということにつきましての是正につきましては本省並びに事務局として万全の措置をとつたわけでございます。二十七年度は予算額二億七千四百万円で、前年度よりも減額をいたしまして、できるだけ自粛しつつ、かつ工事の内容を洗い直す、こういう措置をとつたわけであります。
○吉田(賢)委員 これは実に伏魔殿といいますか、どろ沼のような底知れぬ不正事件の連続でありますが、こういつた大きな事件を起しまして、結局国家に対しましてはどれだけの損害が当時生じたというふうに計算されたのですか。
○櫻井説明員 結論的に申しますと、どれだけ国損を与えたかという計数を出すべく今日努力を続けておりますけれども、まだ結論が出ないのでございます。しかし一応出ております数字がありますので、ちよつと今計算させていただくために時間を与えていただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 それではその数字はもう少しあとで伺うことにいたしまして、ひとつ大臣にお尋ねいたします。私ども直営工事、本省もしくは本省の出先機関の工事というものが、事実上相当乱脈があるということは、農林省のみならず各省におきましても見聞するところであります。特に本件、ただいま議題になつております印旛沼の事件というものは、これは有名な問題でありますが、こういうような非常に大きな乱雑な予算の執行が繰返されて参りました場合には、私どもは相当監督の問題というものが、善後措置について論議されてしかるべきだと思うのであります。どこまで監督の責任が生ずるかということは、これは議論のあるところでありましようが、やはり直営の工事について厳格な一つの方針がなかつたというか、あるいは方針があつたといたしましても、監督が適切に行われていなかつたといいまするか、やはりそういう面にこんな大きな失態を生ずる一つの原因があつたものと思われます。今説明員の御説明によりますと、所長以下免官その他の処分をしたことであり、また刑事事件になつておりますから、それはそれとして発展すると思いますが、政治的に予算執行の責任の首長としましての農林省当局、大臣以下につきましては、相当これは監督の責任を負われるべき筋合いではないかと思うのですが、その辺についての御所見はどうでございましようか。
○廣川国務大臣 多数出先のあることでありまして、この出先機関で失態をし、あるいはまた過失をし、不当な支出をした場合に、その監督について農林大臣からまたその局長までこれは自責をすることが当然であります。むろんわれわれは責任を感じております。そういつたような場合に、工事の悪かつたような場合には農地事務局長あたりまで実は責任をとらしたような例もあるわけで、厳重に、悪いところは悪いで直して行きたいと考えております。
○吉田(賢)委員 これはやはり今後この種の批難事項を根絶するという大きな目的と建前からいたしまして、適切なる責任処分といいますか、そういつた方面に対する措置が新たに立てられて行くべき今日は段階に来ておると思います。そこで大臣の御説明で、出先の機関の失態で特に局長に責を負わすということまではよく了承いたしますが、但しもう少し、やはり監督の責というところまで、あるいは責任を負うという新たなる方針でも立てるとか、制度でも設けるとか、何かそういうことをしないと、批難事項にあるような事件が真になくなるという目的を達することはできないのじやないだろうか。年々これを繰返して、しかも案件はふえて行くというのが現況であります。それから注意とか訓戒とか減俸とか免職とかいうこともよく聞くのですが、この委員会に現れて来るその免職などの顔ぶれといつたら、下僚末輩ばかりなんであります。そこで何千億、何百億円に上る国家の損害が年々論議されて行くということは、実に嘆かわしいことでありますので、いつそこれは相当上のところまで責任を負わすという行き方にすれば、一般、下がびしやつと粛正されて来ることになりはしないか、それこそ抜本的な対策ではないかと思います。万事非常に斬新的な行き方をなさる大臣のことでありますので、この際に何かこういつた面にひとつ新しい御覚悟を持つてもらいたい、こう思いますので、重ねて御所見を伺つてみたいと思います。
○廣川国務大臣 去年も今年も、予算の編成について大蔵省と交渉する場合に、いつもこういう問題が問題になるのであります。そこで農林省の仕事の上に信用をなくするということは、これは農民にとつて非常に迷惑な話でありますので、われわれといたしましては、特に今年はそういうようなことが強く予算編成の上に反映いたしたので残念に考えておりますから、省内において何かそういつたようなことができる強い考えを持たなければならぬと考えておるのでありまして、今実は相談をいたしておるようなわけであります。
○吉田(賢)委員 農林省は食糧増産の本家本元でありまして、大きな食糧増産計画をもさらに樹立されて行くのでありますが、この種の案件が繰返されて行きますと、末端の現場へ予算が流れて行くということがなしに、どこか途中で何十パーセントかはなくなつてしまうということが、これは食糧増産の結果を期待することができないということにもなりますので、われわれも非常に遺憾に思うのであります。しかしただいまそういうようなお考えが具体的にありますならば、ぜひともその実現はすみやかにされんことを望んでやみません。私は一応大臣に対する御質問はこの程度にしておきます。
○大矢委員 大臣にこの際にお聞きしておきますが、この報告書を見ますと、補助金を出した工事に対して相当不当支出がある、これはきわめて残念なことでありますが、この不当支出の相当額に上る件数と、それから不正行為、使い込み、ことに遊興費の使い込みが多いのですが、この不正不当の支出はいずれも結果として国に大きな損害を与えたことには違いないのですが、不正行為に対しては現に六年というような懲役を課せられたり、あるいはそれぞれ弁償もしておりますが、不当支出は——特に災害復旧のごときは、いろいろ短期間において計画もされることでありますから、それぞれ完全な計算というものは不可能な場合もあるかもしれません。しかしそのためにちやんと検査官がおつて厳重に審査の結果、この不当の支出があるのですから、これらに対しては不正行為と同様に厳重にやつてほしい。不正行為と、いわゆる使い込みといいますか、事業の不当の支出というものと、いずれを重要に扱つているのか。金額の点については非常な問題ではない、ことに私の知つている範囲ではこういうことがしばしばある。先ほど同僚が指摘されたように、工事に必ず必要なトラクターとか自家発電機とかポンプであるとか、それから今の必要のないところの船を買うということですが、これにまた必要のない重油をたくさん支給してやつている、これらのごときは必ず上の人と連絡があると思います。現に農林省の補助金をもらつた工事に対しては、最近の電力不足によるところの、すなわちデイーゼル・エンジンを買うためにはどこそこのものを買えといつて農林省から指定がある。これを聞いて私はびつくりした。そういう一つの補助金を出すという名目のもとに、これこれの業者と結託して、これを買わなければというので、農林省の上から地方にひもつきでそういうことをやつている。これは出先の人たちの関係もあつて、必ずしも本省から来たということもないかもしれない。私は詳しく調べませんからわかりませんが、そういう補助金に関していろいろ本庁に向つて無理を頼むと、やはり本庁の言うことを聞かなければならぬ。しかも不必要なものを買う——私がこの機会にお聞きしておきますことは、はなはだ事務的な問題で、大臣に迷惑かもしれませんが、一体にその買つた品物は国が補助金を出して買つたのでありますから、モーターであるとか、ポンプであるとか、あるいはトラクターというものも、事業がなくなつて必要がなくなれば、これは所属する県も大半のところは補助金を出しておるのでありますから、全国のいずれの土地にもただちに使えるように、地方出先か、あるいは農林省が統一して保管する義務があるのじやないか、それは一体どうしているがということ。 それからこれははなはだくどいようでありますから、簡単に申しますが、不正不当いずれを重要視してこれを取扱いますか。ことに昨年の不正行為による金が二百九十一万円、これは大した金でないようでありますが、また見ようによつては非常に大きな額になります。これはどこの省を見ましても、この不正行為に対しては保証人もしくは本人から必ず返還している、一部弁償している。ところが農林省関係のは去年は一厘も弁償しておらぬ。二十五年度もそうです。それだけではない、そんなことをするからさらに今度は、二十六年度の報告書によりますと七百八十四万円、五百五十一件という、件数もふえておれば、金も二倍半くらいになつております。金額といい、件数といい、こういう不正行為、使い込みがどんどん多くなるということは、いくら大臣が厳重にやりたいはなはだ遺憾で申訳ないと言い、事務官、また監督官もそういうことを言つておりますが、それでは血の出るような税金を納めた農民はたまらない。だからこれは何らかの形においてこれを防止する。これは人間のすることであつて、なかなか大勢の人ですから困難ではありましようが、長い期間にわたつて使い込みをやつておる。短期間ならばわからないということもありましようが、長期間で、しかも工事のごときは、どういうものを使つて、どこからどのくらいで入れたかということはただちにわかる。これはどこかに大きな欠陥があると思います。先ほど大臣から、是正する方法については熱意のある答弁がありましたが、こういうふうに気をつけながら事件が多くなる理由と、それから今申しましたように、金額においてはもう数十倍にも及ぶいわゆる不当支出に対して、いずれを重要視してこれを今後扱うか、いずれも重要なことは間違いないが、案外不当支出の方は、はなはだ遺憾であつた、申訳ない、今後は注意します、こういうことで平気が片ずけておる、これは毎年です。従つてこれを何とか処理しなければいかぬと思いますが、これらについてこの機会に率直な大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○廣川国務大臣 不正といい、不当といい、どつちも国に迷惑をかけることでありますので、いずれを重くするというようなことではなくて、これはほんとうに直さなければならぬことだろうと思います。 それから災害復旧等の御指摘でありますが、これは急を要するときで、非常に現場が乱れておるその間隙にいろいろなことがあると思いますが、これも私たちは許してはおけないことだと思います。それからまた工事をやる場合において、事業主体に対して助成した機材等がどうなるかということでありますが、これは事業主体において保管をいたしておくと思いますが、これについてもやはり補助金を出した手前、そういつたようなものがまたただちに他の工事で使えるような場合は、多分活用しておると思いますが、何にいたせ、小正もあり、また不当な支出があることについては、われわれは単に口だけではなく、省内において機関をつくつて、そうして根絶するように努力いたしたいと思います。
○田口委員 印旛沼で不適当な機械器具を購入されたのは別でございますが、全国的に干拓地その他を見てみますと、初め着手されるときに相当大じかけな計画で、レールを敷いてみたり、あるいは大きな機械を購入してみたり、こういうようなことで、実際に工事に当りますと、これらの設備が十分に活用されていない、こういうような例が相当あると思うのでございますが、結局最初計画される場合におきましては、この工事は何箇年間に完成をするこういうような計画で進まれるのでございますが、実際に予算をとつてみられると、予算がこの計画に伴わない、こういうようなことで、さようなことが非常に多く起るのではないか、こういうふうにも考えますが、この点いかがでございましようか。
○櫻井説明員 ただいま御指摘のようなことが、率直に申し上げまして、現場にございます。これはいろいろ原因もございますが、特に今の予算は継続予算でないということが一つの問題でございます。継続予算でないから、来年度幾らの予算になるかわからないという場合に、現場の所長なり、あるいは農地事務局なりは、やはり希望的に、どの程度ここに予算があつてほしいのだということで、今おつしやいました機械設備を考える。そういう段取りからいたしまして、やや過大な機械設備をすることがございます。この問題は今私どもも大蔵省と話をしておるのですが、特に国営事業のうちで大規模なものはぜひ継続予算にしてもらいたい。継続予算ということになりますならば、たとえば現在発電等がやつておりますように、何年で完成するということじやなしに、何年何箇月で完成するという、これまでの見通しが技術的につくわけでございます。そうしますならば、初めからどういう機械設備がいいかということがはつきり出まして、御指摘の点は消えるわけであります。現在の段階といたしましては、間間そうしたことがあります。
○田口委員 第二に熊本県阿蘇郡長陽村なんかの例でございますが、例を干拓問題にとつてお伺いいたしたいと思います。干拓を五十町歩以上と以下とにわけておられますかどうか。その場合代行干拓なんかで、基礎工事は国で三分の二持つ、それから農道その他の公共施設は二分の一、整地は地元負担、こういうようなことでやつておられますが、五十町歩以下の干拓になると、基礎工事は国で二分の一持つ、あとは全都地元負担だ。こういうような補助金の率の問題が地元に非常に無理になりまして、そして念の入つた理想的な工事ができない、こういうような面が非常に多いのではないか、かようにも考える次第であります。これもおそらく予算の関係からさようなことになつておると思いますが、どうもそこにいろいろな無理ができまして、町村なんかが事業主になつてやるような小さい工事は、えてして工事が不完全なために、あとで破壊をするというような例が、多分にあるように考えられるのであります。この町村なんかが事業主になるような小規模の工事に対する農林省の補助金の率がはなはだ低い、こういうふうに私らからすると考えられるのでありますが、その点はいかようにお考えになつておりますか。
○櫻井説明員 原則といたしまして、五十町歩以下の干拓を補助干拓として、基本的な建設工事も、今お話になりましたような補助率でやつております。ただ補助率が低いために工事がまずくなり、従つて将来災害等を受ける可能性があるために、私どもは当初から計画なり設計なりを厳重に事務局でさしておるわけであります。ただ負担率の問題につきましては、戦前開墾助成法でこうした小さな干拓をやつておりましたが、いわゆる開墾助成法で五町歩以上のものを、整地工事も全部を通じて四割を補助しておつた時代から見ますと、確かに補助率は低うございます。今のところは建設工事だけに補助しておつて、あと整地工事等は補助いたしておりません。全般をならしてみると非常に低率の補助率であるという御指摘の点は、御同感でありますが、ただ国の財政上、今のところはこれ以上やむを得ないというふうに考えております。
○田口委員 前の大規模の機械器具を設備した問題にいたしましても、あるいは小工事などのいろいろな問題、この二つを考えまして、農林省の批難事項に対する抜本的な解決といたしましては、先ほど吉田委員その他からお話がありましたが、その方から締められることも一つの方法でありますけれども、工事自体が無理になつておる。言いかえますと、予算が少いために無理にせざるを得ないというような点から来ておる批難事項も相当あるように考えるのでございます。大臣が農林予算について非常に努力をしておられることも十分承知しておりますが、犯人を処罰する、あるいは抜本的な方法を講ずるという点と相並行して、予算の問題がこの批難事項の重大なる原因の一部になつておるので、こういう点もお考えになつて、国会も責任がありましようが、特に大臣におきまして、予算を十分おとりくださるような努力をもう一段とお願して、この方面からする批難事項を消滅させるように考えていただきたいと思うのでございますが、この点について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○廣川国務大臣 悪いものをよく正して行くという一つの方向もそれでありますが、特に災害復旧等については、その災害復旧に便乗するというような考え方があることも私承知しております。また災害復旧等について地元が負担し得ないというようなことも、私承知いたしておるところであります。それについての予算を十分にとつて、そして迷惑のかからないようにということも考えなければなりませんが、しかしどんなにその金が少くとも、悪いことはやつぱり悪いので、これは直して行かなければならぬと思います。しかし予算の点についても十分考えたいと思います。
○吉田(賢)委員 大臣に、さきの私の質疑の継続のようなことになるのですが、私は側面から見まして、国が補助をした工事あるいは国が直営しております工事におきましても、地方へ出て工事の状態など見聞します場合によく感ずることでありますが、いろいろな名前でとりました予算が、いわゆる架空の名義ということになる場合が多いのであります。そこで地方におきましていろいろな名目で国の予算を流用するというような場合には、省自身縦の関係で、たとえば農地局関係でありますれば、農地局の建設部長なんかおいでになつておりますが、農地局とか、あるいは水産庁関係でありますれば水産庁とか、何かもつと縦の関係において、末端に至るまで予算の執行に目を届かせるという方法を何とかとるくふうがないものだろうか。そうして予算の、たとえば二十七年度の何々の補助、何々の予算をとつて、それの執行がどういう状態かということについて、随時中央へその状態が知れるような方法をとることはできないものだろうか。それと同時に、補助を受ける側は補助をもらうためにいろいろ無用な浪費をしておりますことは、今日陳情の状態によつて見ましても、あるいは中央から地方へ出張いたしましたときに、いろいろ歓待至らざるなき状態によつて見ましても、よくわかりますので、その方面からも何かお互いに監査するというような方法はないものだろうか。他から指摘せられまして、あるいは会計検査院から指摘せられ、あるいは検察庁から指摘せられるというようなことで、初めて事態の容易ならざることがわかり、予算執行の乱脈がわかるというのではなしに、予算執行というものは、生きた姿で中心部へある実情が常時反映して来るというような方法を、講じられないといかぬのでないだろうか。あとで処罰することによつて将来を戒める、一般を戒めるということはもつともなことでありますけれども、実はこの間の会計検査院長の御説明によつてみましても、もつと徹底的に現地調査をやつたら、この不当、批難事項が三倍ぐらい出ないだろうか、こういうようなお説すら出たのでありますので、そこは縦の関係において省内において適切に予算執行の状態を知り得ること、横の関係におきましても何らかこれを常時知り得ること、あるいはまた受ける方と出す方の関係において、絶えずお互いに監査——というと語弊がありますけれども、実情を十分に認識して、ガラス張りの中で授受して行けるようなことに、これは特段のくふうを講じて行くのでなければなるまいというふうに痛感するのであります。ことに農林省、建設省、郵政省あたりにつきましてはいろいろなものが動き、いろいろな工事に予算が組まれて行きますので、私はそういうことを痛感している一人であるのでありますが、ひとつ大臣のこれに対する御所見を伺いたいと思います。
○廣川国務大臣 そういうこともあるかと思いまして、私は地方へ出て、現場あるいは農民等とも接触するのが好きでありまして、ほとんど時間のあるときは地方に出ておりますが、地方のもてなしとか宴会とかそういつたものは一切お断りしてやつておるようなわけであります。それからまた工事の現場へ行くと、やれ会計検査院であるとか、やれ事務局の監督であるとか、あるいは国会であるとか、そういうところから来られてどうにもならぬというようなことを言つておるのでありますが、やはりこれは表のみたたいても、実際私は効果はあがらないのではないかと思うのです。徳川時代にあつたような隠密制度といいましようか、だれだかわからぬようにして調べて行くことが、私は一番いいのではないかと思うのです。単に帳面をひつくり返してあとでわかるということでは、まつたくおそいことで、工事をやつている間にそういうような制度でもできればいいのではないかと実は考えているのです。今でも行政監察があり、会計検査があり、どつちも大分程度が低くなつておるという国会の御批評でありますが、省内でやつて、なかなかまだつかめないのです。実際に進行しているうちつかまなければ、実害を国に与えてしまうことになりますので、何かああいう隠密制度みたいなものがいいのじやないかなくらいまでに、実は心配して考えているようなわけであります。
○迫水委員長代理 ただいま議題になつておる分について、ほかに御質疑はございませんか。 ————— ございませんければ本日はこの程度にいたしまして、次会は二月二十七日金曜日午後一時から、引続き農林省所管の残余について審議をいたす予定であります。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時六分散会