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15回国会衆議院1953/02/23

決算委員会 第16号

発言数
89
登壇者
10
会派数
3
開催日
1953/02/23

会議録

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 これより決算委員会を開会いたします。  本日委員長が事故のため、理事の私がその職務の代行を依嘱されましたから御了承願います。  まず報告書百四十二ページ、厚生省一般会計未収金、報告番号五三〇ないし五三二を一括議題といたします。審議促進のために特に五三一の案件について詳細な説明を聴取いたします。会計検査院検査第二課長上村説明員。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 五三一号の病院収入の取扱いに関する件を御説明いたします。本件は、日向療養所で基金事務所から受けました診療収入三十三万七千八百四円と、それから分任収入官吏が窓口で受けました十万六千九百一円、合せて四十四万四千七百五円を、日本銀行に納めないで市中銀行に預託しまして、これを食糧費だとか旅費及び図書の購入費などに使い、また職員に貸しつけたという案件でありまして、前回の委員会におきまして、文部省の案件について御説明いたしましたと同様に、診療収入は日本銀行にただちに納むべきものを納めなかつたという事態と、これを歳出金でまかなうべきものの経費に充てた、こういうことでありまして、これの是正措置といたしましては、文部省の場合に説明いたしましたと同様に、二十七年の五月にこういうふうな扱いを是正するように厚生省の方に検査院から申しまして、その後診療収入は日本銀行に入れられるというふうなことになつたのであります。また歳出金でまかなうべき性質のものを収入金で扱われましたのは、当時この療養所に支出官なり、あるいは前渡官吏がいなかつたということも原因であつたと思いますが、この点については二十六年度から支出官が置かれまして、経理が是正されるような仕組みになつております。この流用金その他は二十六年四月二十五日までに全部日本銀行に収入になつております。

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 右について厚生省当局から説明があれば説明を許します。

太宰博邦厚生事務官(大臣官房会計課長)

○太宰政府委員 ただいま検査院の説明のありました五三一につきまして、一言おわびを申し上げておきたいと思います。この日向療養所と申しますのは、前に日本医療団の経営から厚生省に引継いだものでございます。本院であります宮崎療養所から約百七十キロほど遠隔の地にございます。患者は給与いたします食糧費その他日常の物品購入代などは、一々本院療養所で支払いをしておつたのでは間に合わないので、当然前渡金の制度を設けなければならなかつたのでありますが、手違いがありましてその辺が抜かつておりました。そのために金が行かないということから、やむを得ず収入金の一部を使つたという事態を引起したのでございます。これは会計法にふなれなためでありまして、本省といたしましてもその当時指導監督を十分にすればこういう間違いは起きなかつたと存ずるのであります。たいへん遺憾に思つております。  それから職員に対して貸しつけたというような問題はいろいろございますけれども、職員の生活費が非常に逼迫しておつた時代でありまして、そういう職員から何とか金を一時立てかえてくれないかということで、ついそういう方面に立てかえをしたということでございまして、これまた会計法規に違反しておることは明瞭でございます。まことに遺憾に存ずる次第であります。今後こういうことのないように十分に注意して参りたいと思います。なお当時の責任者に対しましては厳重なる注意を与えております。

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 質疑を許します。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 五三〇号について一、二お尋ねしておきたいのですが、これは北海道ほか二十四県に対する鼠族昆虫駆除実施費補助金の補助金超過五千二百七十八万余円が、いまだ精算されずに国庫へ返納されなかつたという事案でありますが、これは外二十四県とありますから、各府県に割当てますと少い金額かと思いますが、しかし厚生省全体の経理から考えてみますと、五千二百万円は集計してやはり相当大きな金額に上つておるのです。これが精算されず国庫に返納されておらぬというのですが、超過ということについては、ここ数年間わからずに経過したということになるのでしようか。ちよつと御説明を求めましよう。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 厚生省におきまして昭和二十一年度から二十四年度までの間に補助をいたした決算の場合でありますが、これはつまり決算の結果超過補助を発見いたしたのでありまして、その結果その後におきまして、超過補助金に対しまして国に返還を命じたわけであります。しかしながらただいま御指摘のように、すでに数年を経ていまだ皆済をしておらぬのでありまして、この点ははなはだ遺憾と存じますが、何分にも比較的多額な経費でもあり、すでに使いました経費を再び予算に計上いたしまして返還するということは、地方当局としてもきわめて困難な関係もありまして、返還が遅れていることははなはだ申訳なく思つておりますが、しかしながら五千二百万円のうち、すでに現在までに十三府県、一千四百万円が返還を終つております。なお二十七年度中に返還が決定いたしております分約六県、金額にいたしまして五百万円程度がすでに決定をいたしております。従いまして実際に現在残つておりますものは約二千五百万円に相なりまして、約半分が現在まで返還が済みあるいはすでに決定した分でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これは超過補助という費目はないのでございますね。つまり補助金が何らかの過誤によつて超過した、こういう意味なのですか。ちよつとその辺がはつきりしないのですが、超過補助という費目でもあるのですか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 この事業は府県が計上いたしました経費に対しまして、国が一定の率によりまして補助をする予算であります。内容を申し上げますと、主として府県費に対しましては人件費の二分の一を補助し、その他主として材料費あるいは事業費等につきましては一、三分の一を補助するという予算の組立てでありました。そこで厚生省といたしましては、それぞれ地方と一応連絡いたしまして、たとえば人件費に対する二分の一相当額、あるいは材料費に対する三分の一相当額を支出をいたしました。しかしながら支出をしたときには、いまだ地方議会において正式に予算が成立しておらない前でありました関係もありまして、その後実際に府県が県議会によりまして予算を成立しました金額は、国が支出した経費に対しましてむしろ過小であつた、こういう結果が出て参りました。従いまして国は不当超過の補助金を支出したということが後になつてわかつたわけであります。ただ一般には地方議会の予算議決書を見て補助するのが建前でありますが、何分にも鼠族昆虫駆除事業は夏場に急を要するという関係もありまして、その正式の手続をしない間に府県との内交渉だけで補助をした結果と考えておりまして、この点はまことに申訳なく考えておる次第であります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 どうも納得行きにくいのですが、国庫が補助する場合には地方議会においてそれぞれ事業の計画があり、人件費、物件費、事業費等の内容が確定して、それに対して補助するということが建前になつておるのだが、しかしまだそこが固まらない、確定を見ないうちに補助金を支出した、こういう御説明なんですね。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 御指摘のように、いまだ府県の地方議会におきまして予算を正式に成立させる前に補助指令を出した、こういうことに相なります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それならば、地方議会において事業内容、収支の予算の内容が確定したときに、ただちに過剰であるか、不足であるかが厚生省においては発見されるのではないのですか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 この点につきましては、あらかじめ事業計画を府県から聴取いたしまして、それに基きまして補助金を支出するのでありますが、この場合当初の事業計画が、その後府県の都合等によりまして若干変更が加えられまして、実際に決定いたしましたのは、若干当初の事業計画を下まわつた、こういうことに相なると思いますが、この点につきましては、もちろんただちに府県予算の内容を精細に調べればわかることであります。しかしながら実際に府県予算の内容を精細に知りますのには、どうしても若干の期間がかかります関係で、その発見が遅れたことと考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 しかし補助金を支出する支出官といたしましては、当初の計画に変更があれば、事業全体あるいは物件あるいは収支の予算面に何らかの変更があるので、変更があつたということは、ただちに本省である厚生省に遅滞なく通達か上申か何かされるのが行政の実情だと見るのですが、そういうようなことがされないのかどうか、されるとするならば、私は少くとも事業執行中には、ただちに何ほどの過剰があるのか、補助金の行き過ぎになるのか、不足するのかということは、どうしても発見されねばならぬと思うのですが、その点についてはつきりと御答弁を求めたい。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 お答え申し上げます。先ほども少しく申し上げましたように、何分にもこの事業はその性質上夏に集中せられるような関係もあります。従いまして、事業計画というものは、年度の当初に私どもといたしましては承知いたすわけであります。それから、一方この事業は、主として当時の連合軍総司令部の指導によつてやりました関係もありまして、この点につきましては、仕事の性質上やはり当初に大体事業を終つてしまうという関係で、実際の成立予算との間に若干の開きが出てしまつたわけでありまして、この点は御指摘のように、まことに申訳ないことでありまして、その点ははなはだ遺憾とは存じておりますが、なおこの発見が遅れますことは、ただいま申し上げましたように、府県の成立いたしました予算が、総体としてわかりますのはどうしてもあとになるわけで発見が遅れるわけであります。  なおもう一つ。御指摘のように、その都度変更があつた場合には連絡があるはずだということもごもつともでございまして、私どもといたしましては、今後当初の事業計画が変更いたしました場合には、ただちに連絡するよう今後も指導監督をいたして参りたいと考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私がこれを尋ねるゆえんは、やはり厚生省予算というものは、補助金が主体をなしておるものと思います。どのくらいになつておるか存じませんけれども、厚生省予算の全体の七割くらいは補助金でないかと思うのです。従つて補助金の使い方が適正であるかないかということは、厚生省全体として予算経理上生命的な問題ではないかと思うのです。そこで各府県も国の金を使つて、つまり国庫補助——人件費二分の一、物件費、事業費を三分の一をもらつて事業をやるのに、精算報告というものは、遅くても同年度中、もしくは事業執行が夏ならば秋に至るまでに、ただちに本省に向つて精算報告をするという手順はふまないのですか。もしそういうことをふまないということであれば、ふまないで漫然と数年経過する結果が、五千数百万円の返還金が遅れる事態を発生する一つの原因になるわけであります。各府県は国の金を補助金としてもらつて、それで事業をやるのですから、ただちに精算書を本省に報告し、ないしは同年度中の会計年度の終末までにはこれを明らかにして、そして計算上の結末をつけねばならぬと思うのです。今最初に御説明になりましたように、府県においても財政の手元が苦しいような事情もあるかのごとく推測される。従つてこの金の返還も遅れるというようなことでありますが、これはもつてのほかであります。もしこういうように過大な補助をとつて、それで数十億円の額の予算を都道府県は組んでおるのですから、国庫へ返還するものが数年間手元不如意で返還しないということがありましたならば、私は厚生省の補助金政策というものの根本を究明して、そのあり方についてはつきりとした方針、原則を考えて行かなければならぬ、こう思うのであります。そこで、そういう観点から伺うのでありますので、少くとも事業を執行した、補助金を受けた府県は、事業執行直後に、遅くとも年度内に精算して、返すものは返すというふうにしなければならぬ義務があると思うのですが、それをしないのは一体どういうわけなんです。その辺について御説明願います。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 当然ただたちに返済すべきものが、かように現在まで約半額が未済になつておりますことは、私どもも大いに督励をいたしておりますが、思うにまかせずはなはだ申訳ないと思つております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 一体国が補助金を出し過ぎた、出し過ぎたんじやなく、向うがとり過ぎたんでしようけれども、とり過ぎたことについて督励をした程度でいいのですか。われわれ国民が血税を払つた場合には、日歩もとられるし、利子税もとられるのです。そこで国が五千万円も補助金をとられ過ぎておいて、督励の程度で済むのでしようか。差押えしてでもとるというくらいな強硬な方針で向うの金庫から金を取上げて来るということはできないものなのですか。

太宰博邦厚生事務官(大臣官房会計課長)

○太宰政府委員 ただいまじゆんじゆんとお話がございましたが、筋から申しますれば、当然御指摘の通り仕事が終りましたあと精算をすべき筋合いでございます。その時期はなるべく早い方がいいことは当然でございますが、従来の全般的な点で申し上げますると、年度半ばはみななかなか忙しいのでございまして、すぐにということが事実上行われません。それでこういうものにつきましては、年度末あるいは精算の期間中において精算をいたしまして、国に返すべきものは返すというのが従来の大体の実情でございます。しかして私どもの方におきましても、精算して来ないところについては、当然至急に精算するようにと申してやつておるのでありますが、やはり事務の方に追われるということがございまして、その点だけについて徹底的にやつて、しやにむに取上げるということにまでに従来行かなかつたのであります。なお御指摘の差押えするというふうなお話、これは非常に強くやれというお話だと存じますが、国と府県との間は、人格は異なりますが、やはり国の行政は国だけでできるものでもございませんし、府県と協力してやらなければできないのであります。府県が必ずしも徹底的に悪意を持ちまして、ずるをきめ込んでおるとも断定しかねる点もあります。まあこういう点は、国が指導をして極力早くさせるというふうにしてやるべき筋合いではなかろうか、また府県と国の関係は、一心同体のようなものでございますので、あまり無理なことをしないで、極力指導によつてやつて行きたい、これが大体全般の考え方でございます。この点に関しましてもその方針でやつております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これはたいへんな御発言であります。厚生省は、国会の議決を経た予算を執行する責任がある。厚生省は補助金をある費目に使うことの責任がある。従つて余つたものは、国庫へ返すとか何かすべき責任があると思う。しかるに地方の公共団体に対して金を五千万円も余分に渡したものが、一心同体の関係だから返還を請求できないということは、これは会計を乱すものになるのではないかと思います。五千二百数十万円というものは、そういう御議論で行きますと、厚生省自身は、国の予算を五千万円は任意にほつておいてもよし、地方の事情によつては十年かかつてもしかたがないという議論すら生ずるのであります。こういう会計観念は私はよほど危険でないかと思います。やはり国の会計というものは五千万円を小さしとせず、百万円といたしましても、理に合わないものは地方に置くべきでなく、地方も預金も持つておるし、いろいろと会計もあるわけでありますから、私はやはり国の金として持たすべきものは持たせ、また不足するものは出すということを厳格にやるということが会計の法則でないか、こう思うのであります。この点はやはりそういうお考えでありましたら、たいへんわれわれの見解とは違いますので、なおあとで大臣も見えますから、一ぺんよく聞いてみたいと思います。  しからば精算の報告は大体いつあつたかどうか、それから北海道ほか二十四県というのはどこの府県であるか、これは都合によつてはあとで文書にして出してもらいました方が時間を省略していいと思います。  それともう一つ、五千二百万円の行き過ぎの金を請求するのは、やはり公文書でも出して厳重になさつておるのかどうか、こういうことについて、厚生省として国庫の金がこういうふうに宙ぶらりんであるということは、やはり何らかの責任関係を生ずるのではないか、こういうこともありますので、ただいまこれらのことにつきまして、何か御意見があれば伺つておきたいものです。

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 吉田委員に申上げますが、ただいま御要求の資料は、本日お手元に配付してあります厚生省から出しました「昭和二十五年度決算検査報告説明資料」第一ページの表に若干出ております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私どもは厚生省が補助金という非常に困難な金の使い方について御苦心になつていることはよく存じております。従つてそういう点については、できるだけ御同情を申して、足りないものはふやすというようなことについての方針すら実は考えておるのであります。ただ濫用されましたり、あるいは金がいいかげんに考えられるということになりましたならば、批難件数というものになつてたくさん出て来る危険がありますので、会計を厳格にするという点から見て、国の金がこういうふうにされることははなはだ遺憾だというのがあなたへの質問の理由になつておるのであります。御意見があれば伺つておきます。

太宰博邦厚生事務官(大臣官房会計課長)

○太宰政府委員 ただいまありがたい御注意がございましたが、私先ほど申し上げましたのは、ちよつと誤解があるといけませんので、申しますが、厚生省としては別に府県に請求しいなというようなことではございません。先ほどお話の中に差押えというような、これは非常に荒つぽいことにもなるので、そういうようなことまでもすべきかどうかというようなお話だつたように思いますが、私どもの今までの気持をそれで申し上げたのであります。国の行政は府県を通じて実施されるのであります。府県の方が全然の悪意でやつおりましたならばともかく、手違い等のため遅れており、従つて国としても返納せしめるについて指導でもつてやれるのではないかという場合におきましては、なるべく指導によつてこれを解決して行きたいということで、従来は極力督促指導によつてやつて来ているわけでございます。この事案につきましては、二十一年からこういうような事案が出ておりますので、私の方といたしましても、従来のようなやり方ではさらにいかぬ、われわれでもっと注意しなければいかぬというので、最近においては、年度経過後予算が遅れているような部分については積極的に早く清算をしろ——やはり同じ指導ということになると存じますが、さらにひんぴんと度合いを多くいたしまして、こういう事故の起きないように努力しておるということだけ申し上げておきます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 もう一点だけで終ります。この問題は昭和二十一年からの問題でありますので、もう昭和二十八年になつておりますから、こう長いことほつたらかしておくということは、やはり国の予算上まことに遺憾なかつこうです。でありますので、この年度末までに一切それを取上げて来るというような方針を断固きめてやるということは、厚生省としてはできないのでしようか、どうでしようか。その点について見通し、お覚悟などを伺つておいて、この問題は終ります。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 御指摘のように、私どもといたしましては、努めて年度内決済が終りますよう努力をいたしたい考えであります。

永田良吉自由党

○永田(良)委員 私は癩病院のことについてお尋ねしておきたい。先般熊本に九州全体の癩患者を収容するために、大きな計画のもとに建築をなさつたと聞いております。私は寡聞にして実際の収容状態を知りませんが、巷間伝うるところによれば、熊本にはなるほど大きな計画のもとに建築をなさつた。ところが実際の患者の収容はその計画に満たない。しかるに南九州の敬愛園においては、これは熊本県より先に、かく申し上げる永田が命がけであそこをつくつた。そこにはもはや患者が入る病床もない。しかも厚生省は地方の患者の心理状態をきわめず、また家族に対する同情も考えずに、ただ図面の上でかつてに患者数を調べて、熊本が九州の中心だというので、あそこに大きな設備を設けて、一網打尽的にあそこに押し込める。これはあまりに厚生省の大臣やいろいろな方がほんとうの民意を尊重しなかつた結果ではないかと思う。熊本は今全部収容ができ、なお収容病床があるにかかわらず、そんな患者が欲せぬところを皆さんはますます拡張して、患者が希望するところの敬愛園のごときはそのままほつたらかされておく意向であるかどうか。まずこの点だけをお尋ねして、次に質問をいたします。これについて御答弁願います。

高田浩運厚生事務官(医務局次長)

○高田(浩)政府委員 お答えいたします。お話のように癩の対策につきましては、近時療養所の増床というものが急速に進みまして、全般的にいえばこれに対する収容が、たとえば結核のごとく必ずしも円滑に行つているとは申せないような事情でございます。ただいまお話のありました鹿児島の南地区におきまして、収容を必要とするものが相当あるという点についても、十分承知をいたしておるのであります。二十七年度の増床につきまして、敬愛園につきましては八十床の増床をいたしたのでございますが、これでも不十分であることは重々承知いたしておるのであります。しかしながら建物の状況でありますとかあるいは地理的な関係でありますとか、そういつた点を同時に考えて、御承知のような措置にいたしたのでございまして、二十八年度においては、さらに全体として一千床の一増床を期待し得るような予算の状況になつておりますので、さらに二十八年度においては御希望に沿うよう十分考慮いたしたいと考える次第であります。

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 ちよつと申し上げておきますが、山縣厚生大臣が出席されましたが、大臣は予算委員会にも出席される予定だそうでありますので、この際大臣に対する御質疑があれば優先的にそれをしていただきたいと思います。

永田良吉自由党

○永田(良)委員 ただいま大臣がお見えになる前に、癩病院のことについてお尋ねをいたしておつたような次第であります。熊本に過去何年かの間に、癩病院ができて、これは救癩のためにけつこうなことであります。但し、九州には鹿児島県に私どもが微力ながら、救癩のために命がけで敬愛園をつくつておつた。その方には患者が殺到して来て、一つの病床の余裕もない。それなのに、熊本に九州全体の患者を入れるような大きな計画、——これはあなたではない、前の厚生大臣かだれか知らぬが、そういうことをなさつた。これは悪いことではない。癩を救済するためにはけつこうなことであるけれども、しかしこれは悪くいえば、役人の机上の空論であつて、患者自体は宮崎県や鹿児島県が多い。今や沖縄、大島の復帰もとなえられておる際、大島や沖縄、あの地方からの患者も入れるには、熊本よりも敬愛園の方がいいだろう。しかるに政府は、地方の実情に適さないような、国費を使つて患者が希望しない、家族も希望しないところにばかり病床を増す、しかもそれには空床があるということは、国費の空費であります。私はこの点について、賢明な今の厚生大臣は、そういうむちやなことをなさらぬで、実際に患者の希望し、家族も希望する、その実情を考察の上に今後病床の増加、建築等については十分御考慮を払つていただきたいことをお願いする次第ですが、新しい厚生大臣は、これに対していかなる所見を持つておられるか、たいへん御迷惑ですけれども、ひとつ御答弁をお願いしたいと思います。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 ただいま病院の配置等についてお尋ねがございましたが、ただいまお尋ねの事実については、私も検討いたしてみたいと思つております。ただこの際申し上げておきたいことは、政府といたしては、やはり医療機関の整備に関しましては、かねて万全を期して、いわゆるメデイカル・センター等を中心として、ただいまお話のように、実際に必要なところに病院あるいは病棟あるいは病床等を建設あるいは増設をいたして参つておるのであります。御指摘のような点がありますかどうか、ただいま私の手元に資料がございませんから、よく検討いたしますが、御趣旨は同感でございます。今後御趣旨に沿うよう努力いたしたいと思います。

永田良吉自由党

○永田(良)委員 大臣の前で、熊本の病床で、患者が入つておらぬ病床が幾つかあるか御明答願いたい。こういうことは黙つておられぬことですので、明らかにしておきたい。わかつているでしよう。

高田浩運厚生事務官(医務局次長)

○高田(浩)政府委員 現在二千床できておりまして、約千七百名入つております。

永田良吉自由党

○永田(良)委員 大臣よく聞いてください。これは田舎の人の言うことだからと、これをぞんざいにされますとたいへんなことになる。二千床の病床をつくつておいて、三百床遊んでおる。三百床の病床をつくるのには、一体幾ら金がかかりますか。明答していただきたい。

高田浩運厚生事務官(医務局次長)

○高田(浩)政府委員 金額にいたしますと、三百床としまして約四千万円になるわけでございます。お話のようにいまだ収容が完全に行つておりませんが、これは一面においては、収容を受ける方あるいは収容を督促する方の関係もございまして、十分に進んでいないことは、これはまことに遺憾でございますが、この点は今後とも癩患者の完全収容に全力を尽したいと思つております。それから先ほども申し上げましたように、癩の療養所につきましては、その建物の管理状況でありますとか、あるいは地理的な関係でありますとか、そういう点も私たちといたしましては考慮いたしまして、癩の増床ということを考えておる次第でございます。お話のように、鹿児島の敬愛園について、さらに増床が要求せられておる事情もよく承知いたしております。その辺は二十八年度の予算の執行につきまして、十分考慮いたしたいと考えておる次第でございます。

永田良吉自由党

○永田(良)委員 収容の関係について、その方の督励をする機関がある、それは私も知つております。しかし今日私も癩病院には行つて、家族や患者の心理状態も知つております。犬、ねこさえも欲せぬところには入らぬ。まして癩患者は——皆さん御承知の通り、結核患者と癩患者は、ずいぶん神経がとがつております。あなたたちが、熊本の病院に入れと、南九州や沖縄の人に言われても、喜んで入りはしません。しからばこの皆さんがおつくりになつた熊本の癩療養所は、ただいたずらにあそこに集中しようというのは、前の厚生大臣または首脳部の見込みはずれでありますが、そういうことをなさらないで、実際の国情に照して、患者の分布状態から将来のことも考えて、国家の建物は計画さるべきものであると考えるのであります。これは悪くいえば、前の厚生当局の失態でございます。私の地方はまだ満員で、入れようとしても一人も入れるところの余地がない。しかるにわずか六十里か百里離れている熊本には、三百の病床が現にあいておる。りつぱな国家の設備があいておるということは惜しいことではありませんか。東京ではどうですか。家がなくて困つておる。日本がみな建築難に困つておるときに、患者が収容できない病院を熊本につくつておる。このくらいむちやな国費の浪費がありますか。われわれが決算委員においていろいろ無理なことを申し上げるのは、国費の正当なる支出をわれわれは要求するために立ち上つておるのです。しかも最近は、不正あるいはいかがわしいところの歳出が千件にも千数百件にも達しておる。こういう状態から見て、建築をなさる場合、病床を増設されるときには、地方の実情をよく調査の上なされるべきものと思う。あるいは皆さんは、地方の病院等の言うことを信じて、こういう計画をお立てになるかもしれぬけれども、ひとり役人のみならず、地方の知事の意見であるとか、あるいは地方の市町村会議長の意見であるとか、こういう地方民の実情をもよく調査をされて、周到なる計画をなされぬと、かくのごとき錯誤を来すものと思うのです。これは近来における厚生当局の大失態ではないか。三つや四つはよろしいが、三百の病床を一年も二年も寝せておくという、こんな国費の浪費は、これは無論決算委員会としても見のがしてはならぬ問題と思う。今の大臣は、前任者がかかることをしたのですから、二十八年度の病床の配置については、ぜひ地方の実情に適した処置をとられんことをお願いして、私の質問を終ります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 五三〇号の鼠族昆虫駆除実施の補助金の点について、大臣に一点だけ伺つておきます。これは先刻来政府委員ならびにその他から御答弁があつたのですが、やはり予算経理の根本に触れる問題でありますので、ひとつ明確に大臣の方針を伺つておきたいのであります。案件は、御承知の通りに、昭和二十一年から二十四年まで、北海道外二十四県に対しまして、ねずみその他を駆除するのに補助金をやりました。人間には二分の一、その他には三分の一の補助金をやりましたのが、合計五千二百七十万円やり過ぎになつております。やり過ぎになつておつた理由をなぜかと尋ねましたところが、それは、最終事業計画がはつきりしないうちに内談の程度で支出しておつた。清算が遅れてずるずるになつておる。そして現在はなお二千五百万円あまりが昭和二十八年の二月に至りましても返納されておらぬのであります。七年も八年も経過しておりますので、これはやはり国庫の建前からいたしまして、非常に重要な性質のものであります。そこでやはりこれは何らか現に取立てができない事情があるのかどうか。もしないといたしますならば、地方、中央の差というような関係なしに、国の予算の執行上の問題でありますから、ここは明確に区別してもらわねばなりませんので、すみやかに回収をはからねばならぬと思います。地方から見れば、割当てれば大した金額じやないのです。しかし国から見て、今なお二千五百万円返してもらわねばならぬ金が残つておるのであります。これに対しまして厚生省全体といたしまして、大臣の責任ある御方針を御答弁願います。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 御指摘のようなことが起つておりますことは非常に遺憾であります。これは北海道外二十四県に対して交付いたしました超過補助金の問題でありますが、ただいま御指摘のような未収入金がまだありますので、こちらとしては鋭意督促をいたして早く国庫に納入するような措置をとる以外にはないのであります。私も実はその報告を聞きまして、担当の者にも、当該都道府県に対し、さような未収入金を一日も早く国庫返納の道を講ずるよう督促いたしておる次第でありまして、ただいま大臣といたして特別の方法というものを申し上げることは参できないのでありますが、但し遺憾な事実でありますから極力回収に努めるようにいたしたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これは政府委員の方にも申し上げたのでありますが、厚生省予算は補助金が大部分を占めておりますので、補助金の使い方については国会もこれを非常に重視いたしております。何千万円という当然国庫へ返納されなければならぬ補助金が数年間そのままになつて未済であります。そこで厳重督促するという御意向はわかりますけれども、しかしこれは厳重督促で済まされない案件ではないかと思います。やはり会計年度がありますから、本会計年度中に決済をして、国家に対して厚生省の予算執行の報告もなされてしかるべきものだと思うのであります。事務当局からは今後の御意向も聞いたのでありますけれども、しかし会計年度もだんだん迫つて参つておりますから、本年度中にやはり明確な結末をおつけになるということが、予算経理の厚生大臣の責任として当然であろうと思うのであります。いかがでございますか。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 まつたく御指摘の通りでございまして、私といたしましては先ほど申し述べた通り、本会計年度内に未収入金を回収いたしますよう、最善の努力をいたすと申し上げる以外には、別段新たなる方法ということも申し上げかねるのは非常に遺憾であります。あるいは何らかこういう方法でということをお知らせくださつて、その方法によることができますれば私としても最善の努力をいたしたいと思つております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 この問題について、大臣は事務当局から御報告をおとりになつて、どうお感じになつたでしようか。これは各府県に割当てますれば、あるいは百万円、二百万円程度のものかもしれません。そういう場合にはすみやかに処理できると思うのですが、なぜこういつた事務の結末がつかぬでしようか。何かそれについてお感じのことがあれば伺つておきたいと思います。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 率直に申し上げますと、私も官の会計事務等に対して、最近過年度の不当支出あるいはその他の不正支出について報告を受けまして、ことにただいま御指摘の通り、厚生省は補助金その他これに類するものが多いのであります。これらの正当な取扱いをいたしますことは当然であつて、昭和二十五年度の決算の結果の報告を先般受けたのでありまするが、これはまことに国民に対して相済まぬと、率直に申して私は感じたのであります。この補助金にいたしましても、厚生省は主として直接に厚生省関係の事務をいたしますというよりも、通例は都道府県等の地方自治団体を介して厚生事務あるいは衛生事務等をやつて参つておりますので、従つてそこに一応、直接ではなくして間接になりますことが多いわけであります。そこにいろいろな不注意の点なり、あるいはまた地方団体といたしては、手続の疎漏のためさような補助金の過払いがありましても、地方財政その他いろいろな点から、ただちに納付ができないというような事情が起つたのであろうと、一応私は推測をいたしておるのであります。しかし理由はいかようにあれ、御指摘の通りでありますから、今後はかようなことの起りませんよう、まずもつて事務上の禍根を断ち、なお監督上厳正を期してやつて行くということ以外に、ただいま私といたしましてはただ過去に対して遺憾の意を表して、今後は最善の措置をとり、現実にかような未収入に対しましては、即刻に厳正な措置をとるということを申し上げる以外には、返答のしようがないのであります。この点はなはだ遺憾でありますけれども、今後は最前を期したいと思つております。

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 五三〇、五三一、五三二についてあるいはまだ御質疑があるかもしれませんが、大臣もおられることでありますから、さらに先に進行しまして大臣に対する質問の幅を広くする方が適当かと思いますので、進行いたしたいと思います。     —————————————

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 報告書百四十四ページ、予算経理、報告番号五三三ないし五三九を一括議題といたします。そのうち特に五三三及び五三四、五三五の三つにつきまして、詳細な説明を聴取したいと思います。上村説明員。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 五三三と五三四は、事態としては大体同じ事態でありまして、五三三の方は厚生省の統計調査部で、支出官が厚生省の方にあるわけでありますが、統計調査部で、二十五年十一月から二十六年の二月までに賃金の名義で事実にない支払いを百九十六万五千四十円されまして、これを超過勤務手当、会議費あるいは接待費などに使用されたものであります。それから五三四号も、同じように架空の名義で支払われ、あるいは物品の購入の場合に付掛け等をして、百一万七千八百五十円を浮かしまして、これを修繕費、接待費、職員の慰安費等に使つたものであります。これは予算から申しますれば、当然事実に対して妥当の経費を支出しなければなりませんのに、うそのことを言つて出したということでありまして、予算経理上おもしろくないと思います。こういうことを防ぐためには、予算に計上されたものでやつて行くということと、それから修繕費その他で必要な場合には、認められております大蔵大臣の承認を経て、必要最小限度の流用を認めてもらつて、経理を適正にして行くということが妥当であろうかと考えます。  それから五三五は、補助金の交付に関するものであります。これは宮城県で、公共団体である県に対しまして、二十四年度の児童保護費が足りなかつたというわけで、八十万円を追加交付されたわけでありますが、その内容を調査してみますと、補助の基本になります金額に八十三万円ばかりの全然架空の経費が入つておるということと、そのほかに計算の誤りなどがありまして、実際は補助金が不足ではなくて、結局三十万四千四百四十二円が補助超過となつておつたという事態であります。なお大阪の分につきましては、収入が実際より少く見込んで精算してあつたために、四十五万四千円ばかり、それから岩手県では、実際国庫補助をもらつた金額よりも少くもらつたような形で精算がしてありましたために、四十一万二千円余りが補助超過という事態になつておつたのであります。  それから五三六から五三九は、年度内に工事ができておらないのに補助金を出されたが、これは予算の繰越しをさるべきものである、こういう案件でありまして、このうち五三八号のうちの兵庫県神崎郡寺前村に出されました診療所の補助の六十万四千円は、結局工事を行わないので、その後返納になつております。

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 厚生当局から、何か本件について特に説明をしたいという点がありまするならば伺います。

太宰博邦厚生事務官(大臣官房会計課長)

○太宰政府委員 ただいまの会計検査院の指摘いたしましたのは、結論においてその通りでございます。まことに遺憾に存じます。ただ当時の事情を簡単につけ加えさせていただきます。五三三の統計調査部で架空の賃金の名義で支出して、それを超勤とか会議費、接待費等に充てた。当時統計調査部では、GHQの統計係などとの間に非常に臨時の事務が多かつた。特に世界保健機関と申しまして、国連の保健衛生関係担当の機関に日本は加入を申し込んでおりました。それが向うから許可になりますまでの間に、いろいろ資料の提出、その他の折衝が多かつたのであります。そういう当時でありますので、職員にその資料を整えさせますために超過勤務をさせたというようなこと、あるいはGHQの係官との折衝、会議というようなものその他がございますが、さようなことで経費が余分にいつたのであります。もちろんそういう場合には、それぞれの手続を経て経費の支出をすべきでございますが、ただ遺憾ながら当時の実情といたしまして、大蔵省としてもそう簡単には了承してもらえないであろうということをその係の方がかつてに推測いたしまして、それでかような脱法の手続をとつたのであります。  それから大湊病院の五三四の点も、ほぼ同じように、病棟などが非常に腐朽しておる、あるいはボイラー、炊事がまなどがいたんでおつて、至急に修理しなければならないというようなこと、あるいは御承知のように、非常に辺鄙な土地でありますので、お医者さんがなかなか来てくれない、欠員の医者がありますので、それを青森あたりから臨時に雇い上げて来る、そういうような経費などが足りなくなつたという場合に、それをやはり架空の名義によつてやつておつたというような事態で、いずれも会計法規に違反しておることは明瞭でありますが、ただその当時の係の者が、これはやむを得ないものだからかんべんしてもらえるというような間違つた考えでこういうことをしたのであります。  それから五三五号でありますが、これは要するに、精算書が出て参りました際に、こちらの方が十二分にこれを審査確認することができませんでしたために、こういつた結果になつたのであります。その点申訳なく存じております。  なお五三六から五三九までのものは工事関係でございまして、年度内に完成する見込みがないのに補助金を出したというのが大体の筋でございますが、大体こういう厚生関係の施設につきましては、何分にも戦前においてはさほど関心が持たれていなかつた、終戦後平和国家として、あるいは福祉国家として再建いたします際に、こういう方面の施設の充実をせねばならないという空気が高まつて参りまして、当然予算もふえるわけでございますが、同時に地方の方でも設置の要望が強いのでございます。そういう際に、たまたまある場所に設置したい、よろしかろうということで概算補助をする、ところがそれが土地の鑑定ににいろいろ問題があるとか、あるいは資材の値が上つたとかなんとかいうことで、簡単に行かなくなつて手間取りまして、年度内に完成しなくなつたというような場合におきまして、本来の趣旨から行くならば、そこで繰越しの措置をとるとか、あるいは取消してしまうわけでありますが、先ほど申しましたように、非常にこれを充実せねばならない情勢下にあり、また非常にその要望も強い段階でございますので、つい年度内にとるべき措置を忘れた、こういうようなことが出ましたことは、まことに遺憾に存じます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 五三一号について大臣にお尋ねいたします。大臣は経済人だから、民間の事情につきましては一般官僚よりも精通しておられるのですが、ただしかし官吏の出納につきましては、御承知の通りに、出納官吏の事務規程もありまして、当然これは日本銀行へ払い込まねばならぬ義務があります。しかるに市中銀行に預けるということは、何かおとといも文部省に同種の件があり、また厚生省にこの件が出ておりますが、他の省においてあまり見ないのであります。これは何かこういう面について共通した事情があるのじやないだろうかということが一つであります。  それから予算の執行についてでありますが、やはり国の予算の執行でありますので、現地末端に至りますまで、予算の執行という限りにおいては、相当厳格に、越ゆるべからざる面について法律の趣旨を徹底さしておかねばいかぬと思うのでありますが、何かそういうことについて欠けた点があるのじやないだろうか、こういうふうな感じを持つのであります。大臣も厚生省にお入りになりまして、そういうことをお感じになつただろうと思うのであります。これは国に直接損をかけたというのじやありませんけれども、しかし予算経理面を乱しておるということは事実で、この乱すということは、やはりいろいろと不正が起るわけであります。のみならず、これとても食費、旅費、図書購入費などに流用いたしておりますので、これは厳に戒むべきことなのであります。これについて大臣は相当お感じになつておることがなければならぬと思うのでありますが、いかがでございましようか。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 御指摘のような点がこの予算の執行上に事実ありますことは、私ももろもろ報告を聞いて感じましたのですが、ただ五三一については、おそらく政府委員から御説明申したと思うのですが、この日向療養所は、御承知のように医療団から返還を受けたといいますか、返つて来た療養所であつて、そういうものはまま会計事務の面における整備にかけておるものがあります。本来この日向療養所なるものは、前渡金の官吏を置くとか、あるいはまた支出官等を置いて、そうしてたとえば食糧とか何かの支出がありますならば、そこから前渡金を渡してその購入に充てしめるということが当然であつて、そうすればかようなことはなかつたのでありますが、ただいま申しましたような次第で、事務機構的に支障があつて——別にこれは私自身詳細な調査をいたしたわけではありませんが、一応担当の者から聞きましたところでは、悪意があつて自分が使い込んだということにあらずして、たとえば前渡金等についての道がなかつたものだから、一応そういうものを流用した。しかし、これは予算の執行その他において非常に遺憾なことでありますから、十分に注意をいたして、その後日向の療養所については、前渡令の担当の官吏を置き、現在支出官も置いてやつておるようであります。私もこの報告を聞きまして以来、この事案はさようなことであるかもしれないが、少くとも予算の執行上遺憾なことであるから、今後はそういうような官吏を置いて事務機構の整備をはかり、なおまたその事務の執行にあたつては、万全を期するように厳に注意をいたしておるような次第であります。今後とも十分に注意をいたしたいと考えます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それから五三三号並びに五三四号についてでありますが、架空名義によつて五三三号の分は百九十六万、五三四号の分は百一万、こういうことになつております。ところでさきの御説明によりますと、統計調査部等において、GHQとの間に何か渉外的関係があるので、それにやむを得ず使つたというようなことに終つておるのでありますが、こういう場合はやはり当然予算を請求しなければいけないと思うのですが、予算を請求した事実でもあるでしようか。もしくはGHQによつてそういうことについての予算がけられたならば、これでは困るというようなことを申し入れたことがあるのだろうか。言いかえますと、予算措置を講ずることあたわざりしがゆえにこういう結果になつたというのか、全然そういう事実はなかつたというのか、どちらなんでありましようか。これは事務当局の御説明でけつこうです。

太宰博邦厚生事務官(大臣官房会計課長)

○太宰政府委員 これは予算要求をしておらないのでございます。先ほど申し上げました通り、それだけかかりますれば、当然事情を付して予算要求すべき筋合いのものであります。ただそのときの係の者が、当時の一般的な空気として、なかなか大蔵省においてもこれは認めてもらえないだろう、既定経費でまかなえと言つてつつぱねられるだろうということをかつてに推測いたしまして、それでやむを得ずかような措置をとつたのであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そこで大臣に伺いたいのですが、個人の民間会社の経費におきましても、予算に要求することなく、しかるべき責任者が他の架空の経費を使用したような場合は、これは普通首になります。その使い道のいかんにかかわらず、この内容を読みますれば、接待費や会議費に、五三三号だけでも四十万円以上使つております。五三四号に至りましては八十万円以上使つておるのでございます。そこでこれの処置、というよりも、経理責任者の処分は、いずれも単に訓告を与えたにすぎない。あるいは実質的に有効な用途であつたかもしれませんけれども、しかし当時の二百万円の会計、百万円の予算を乱したという点においては、私は相当大きな責任がなければならぬと思うのであります。過日来当委員会におきまして、会計を乱し、予算を不当に執行し、国家に損害を与えましたようなものに対しましては、その責任者に対する処断があまりに軽きに失する、どうもそれでは効果がない、かえるに水をかけるようなことになつて行くのじやないかということに議論が集中したのであります。内部の部下に対して責任を問うということは情においては忍びないかもしれませんが、これは相当に厳重にせねければならぬのは当然だと思う。のみならず、こういうような場合にはやはり次官とか事務の最高の者か、あるいは政府の方針よろしきを得ざりし場合には、大臣までしかるべき責任を負うということをしなければ、国家予算の経理というものは公明正大に行われないおそれがあると思うのであります。どうしてもこれはできるだけ上の人が責任を負うという制度を確立するのでなければ、跡を絶たぬと思います。これはどの案件を通してみましても、まつたく軽きに失するという感じがするのであります。のみならず、末端の人だけをしかりつけて終つております。どうしてもこれは上の方ヘもつと進めねばならぬと思うのであります。この二つの五三三号、五三四号につきまして、私は必ずしも国に損害を与えたとは、使い道から見て、思いません。しかし予算経理の面におきまして重大なあやまちをやつたという事実は、これは見のがすことはできない。やはり相当責任を負つてしかるべきである。こう思うのですが、大臣の予算執行上のこの不当に対する責任感についての御所見を伺つておきたい。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 予算執行に関しては厳正を期すべきであり、従つてそれに対しては、単に担当の現場の者だけでなく、上級監督者さらに大臣が責任をとるべきではないかというお話であります。私は精神的にはそうであろうと思うのです。しかし実際の国の行政事務の執行に当つて、もちろん大臣が責任をとるのはよろしいであろうとは思いますが、大臣というものは各般にわたつて重大な国家行政を執行する責任を負うわけであります。この事犯が軽微なものであつても等閑に付すべきものであるとは思いません。なおまたこういうものは今後絶滅を期すべく、最善の努力を払うべきであることも、私はまつたく御同感でありますが、たとえば五三三号及び五三四号につきまして、五三三号は今政府委員が申した通り、当時の占領下における日本の実情から申しますれば、たとえばGHQとの関係において、一々予算の補正をして、そしてその経費を出すのが適当でありましようが、あるいはそのいとまがないとか、なおまた五三四の場合には、病棟が不足して病院の修理を非常に急いだという事情もあつたと思うのでありますが、そういうことに対して、別に自分が私腹をこやすということではなく、よかれと思つて——もちろん国家予算の使用に適切でないということは知つておつたかもしれぬが、一応当該官吏としてこうせざるを得ない事情におつてやつたことである。しかしそれは予算執行という重大な面から見て適切でありませんから、今後こういうものに対する是正については最善の努力を払うが、しかしそのこと自体に対して、一々大臣が責任をとりますれば、他の面におけるより重大な国家行政の責任を果すことがあるいはできないということになるかもしれませんので、責任をとるということについては、精神的にはまつたく同感でありますけれども、実際上どういうふうにその責任をとるべきかということについては、今後さらに検討いたしたいと思います。ただかように申しましても、私は決してこの五三三号、五三四号に対するただいまのお話に対して、言葉を返すような意味で申し上げているのでは毛頭ありません。十分今後とも注意をいたして、かりに理由がどうありましようとも、こういうことのないように、末端までよくわれわれの趣旨が届きますように、最善の努力を払いますが、ただ上級官吏の責任をいかなる程度までとるべきかということに対しましては、なお今後検討いたして行きたいと思います。すぐに大臣等がこれに対して一々責任をとるということはいかがであろうか。ただこういうものの根絶をはかつて、予算執行に万全を期して行きたいと思つております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私のお尋ねする趣旨は、事が省の方針に出るような場合には、大臣まで責任をとるべきでないか、しからずして事務上のあやまちであれば、事務当局だけでよい、こういうような立場から御質問申し上げましたのであります。そこでこの五三三号の案件を見てみましても、これは渉外関係として、時間的にもあらゆる事務におきまして相当継続いたしております。またGHQに対する交渉でありますから、当時おそらくは局長以上も一々報告を受け、また一々相談をしたはずであります。こういうことでありますので、単に末端の事務当局だけということで済まさるべき筋じやない。やはり省の上にまで相談をし、上もそれぞれ知つて認めているというような場合、もしくは上の方針が下へ伝わつて行つたような場合には、やはり何らかの責任を負うことが、国家の予算を執行する機構ないしは組立の建前上当然の事理であろうと思います。これはもし一万円の事でありましても、やはり厳に戒むべきだろうと思います。百億円でありましても、末端の事務上の手違いであれば、これは事務上のことで処理していいかもわかりません。やはりここは、どうやら金額の少い場合にはさほど問題にせず、二百万円くらいであるからという、そういう頭が支配しているのではないかとも思うのであります。大臣に一層御注意を喚起したい点は、事が省の方針とか、大臣の知つているような場合には、何らかの形で責任を負う、そういう建前で行くのでないと、予算の厳格公正なる執行はなかなかできない、こういう観点から御質問申し上げたのであります。その点についてさらに明確にお答えくだされば、喜んで受けたいと思います。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 ただいまのお話は、要するに当該の事犯について、たとえば当人が責任ある地位においてその事実を知つて、そうして事が起りました際における責任の問題であろうと承知いたしますが、私の受けております報告の範囲におきましては、当該の一番末端の一人だけでなく、上級官吏に対しましても適当な注意なりあるいは戒告を与えております。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 超過勤務手当というものが、大分ここにたくさん出ております。一体実際にこれだけの超過勤務というものがあつたかどうかということについて、私どもは疑問を持ちます。もしこの超過勤務の時間だけは事実あつたとしたところで、役所の仕事はそれだけのことをしなければ始末がつかなかつたかどうかということについて、われわれは疑問を持ちます。この超過勤務手当というものは、多くの場合を聞いてみないとわかりませんが、役人が月給の足らぬところを、その名目において補うというのが大分あるように、私ども聞いておるわけです。ある役所で私現に見たのですけれども、昼から役所のすみで麻雀をやつておつた。これは今のことじやない、三年ほど前のことですが、そういうところでも、やはり昼間遊んでおつて超過勤務手当をとるという場合もあるのです。こういうものは不都合だ、申訳ないと口では言うておるけれども、大体お役所の方ではこういうことは事実やむを得ない、今の状態では、こういうふうにして経費を出して、役人の月給不足を補うのがあたりまえだというような気持があるのじやないでしようか。率直に私はそれを聞きたいのです。もしそういう気持があるとすれば、いくらこれをやつてみたつて改まることではない。たとえばここに宴会費とか会議費とかいうものがありますけれども、会議費が五十五件、接待費が九件、お役所でどういうふうな接待をする必要があるのか私どもは知りませんけれども、そういう名目で金を使うことは実はやむを得ないんだという気持が、根本にあるのではないでしようか。もしそれがあるとすれば、いくら申訳ないとか、厳重に戒告するとかいつたところで、これはやはり改まらない。役人の給与ベースをもつと上げるかどうかして、こういうことに言葉をかりて月給をとる必要のないように、役人の給与を十分にするということが根本問題である。国の経理を厳正にやろうとすれば、私はやはりそういうところまで気を使つて行かなければできないことじやないかと思うのです。これは事実足りないから——超過勤務があるかないかわからぬが、年度末に行くと超過勤務手当というものが大分出て来るのが例年の例であります。それなども余つた金をみんな使つてしまう必要があるので、事実は超過勤務をしておるかおらぬかわからぬけれども、そういう名目で金を出す。それがあたりまえだという考え方にお役所がなつておる限りは、私はなかなか国家の経理を厳正にやるということは困難であろうと思うのですけれども、そういう点について、率直に大臣などはそんなことはないというふうに確信を持つて言い切ることができる御心境でいらつしやるかどうか、それを私は聞いてみたい。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 主として、超過勤務というものに関して、むしろ給与ベースの中に入れるとか、あるいはもつと給与の適正をはかつて、そういう誤解があり、あるいはいろいろ問題のあるものを是正したらどうかということを中心にしての御質問でございますが、私はまたその逆の場合を、最近私が厚生大臣に就任以来、承知しておるのであります。この一例をあげますと、私が厚生大臣に就任いたしまして、最初に目につきましたのは、例の遺族の方方に対する遺族国債交付に対してのことですが、これが非常に遅れておりました。それで私はすぐに大蔵大臣に話をいたしまして、土曜、日曜を返上してでも、何とかして超勤をするようにして——私が就任したときにはたしか十二、三万件であつた。これをどうしても年末までにほとんどの人に渡したいと思う。遺族の方々もお気の毒だから、超勤をさせて、土曜、日曜を返上させて、省内の諸君も総力をあげてやろうじやないかというので、私も現場に行つて督励をいたして、皆もその気になつてやつてくださつた。さてやろうと思つたら超勤が出ない。いろいろ問題もあるという想定のもとに超勤をいたしても、超勤が出ない。これは大蔵省で一定の目標を立てて、それ以上超勤をいたしても出さぬ。そんなはずはない、そんなことをしてはならぬ、実際に超勤がこの問題についてはいるのだということで話をいたしてやりましたようなことがあつた。最近におきましては、国債の交付についても現在百数十万件になりますが、私は実際省内の諸君に済まないという気持で実は推進いたして参つた。これだけは済まぬ済まぬと思いながら実は来ているのであります。御指摘のように、超勤をいつも職員の給与べースの是正のために使つているという面は、私不敏にして知りませんけれども、かりにあるにいたしましても逆の面が非常に多い。ことに最近の国会になりまして、法令の国会提出を非常に急いでおりますいろいろの関係で、実に過度労働をしてもらつている。それもなかなか超勤が出ないということであります。でありますから御指摘の超勤につきましては、そういうような弊害のないように今後努力しつつ、なおまた正当な超勤を出すようにいたさなければならない。要するに正当な予算編成、予算執行をすべきである、かように私は考えております。御質問の点等がありとすれば、今後そういうものを是正いたし、なおまた相当過重な労働をいたしている者には、大蔵省も予算上、超勤を出してもらうようにいたしたいと私どもは考えております。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 私は特に厚生省の超過勤務のことがそうだというのではなく、国全体として、あなたは閣僚の一員でありますから、その点に触れて見たのですけれども、実際去年の年末に厚生省のお役人が非常に骨を折つたことは私自身もよく知つておりますから、それをかれこれ申すつもりは毛頭ない。ただ役所によつては、非常に忙しい役所と、非常にのんきな役所があることは事実なのであります。そこでやはり私は行政改革ということが必要になつて来ると思う。仕事の分量に相応する人員を擁することが必要になつて来ると思うのですけれども、とにもかくにも超過勤務とか、宴会とかいうことをやるのはあたりまえだというような感じが根本にあつたのでは、いくら悪かつたといつても改まらない。国家経理を厳正にするという建前からいえば、そういうところを考慮するにあらずんば、改まることはないと私は思います。そこで国務大臣としてのあなたの御意見を承りたい。厚生省が昨年末軍人遺家族に早く手渡ししようという熱意から、非常な御努力をなさつたことは私はよく承知いたしております。ありがたいと思つております。ただここに出ておりますような超過勤務手当が、はたして去年の年末におけるような状態において行われたかどうか、私存じませんから、そのことをここにある数字を取上げて言うわけではないのですけれども、そういうことによつて役人の実際の給与ベースの低いことを補填するというようなことが、当然のことと認められる状態のもとにおいては、国家経理の厳正ということはできないだろう、そういうことをひとつ考えていただきたいというのが私の趣旨でございます。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 ただいまのお話につきましては、私は鈴木先生とまつたく同感であります。     —————————————

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 それでは報告書の百四十六ページの厚生保険特別会計の分及び百四十八ページの船員保険特別会計に関する分、すなわち報告番号五四〇及び五四一並びに五四二、この三件を一括議題にいたしまして会計検査院の説明を求めます。上村説明員。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 厚生保険特別会計の方でありますが、百四十六ページに厚生保険特別会計の一応全体の概観を申し述べているのでありますが、厚生保険特別会計については、財務諸表を歳入歳出決算に添付してございません。これは一応特別会計として保険事業を営む以上は財務諸表がくつつけられるのが望ましいのではないかということを考えているのであります。この点については、二十六年度からは財務諸表が添付されることに改まりました。さらに二十五年度におきまして歳入歳出決算には添付されておりませんが、各官庁の財務諸表を厚生省でつくられたものを見てみますと、厚生保険特別会計は健康勘定、業務勘定、年金勘定にわかれておりまして、そのうち健康勘定では前年度の繰越し利益と二十五年度の利益を合せまして七億三千余万円の利益になつておりますが、この計算の基礎には、被保険者資格を喪失した者で翌年度以降に支払う保険給付費約十五億ぐらいでありますがこれが計上してありませんので、これを入れて考えますと七億三千万円と差引き相当赤になるというふうになつております。それから年金勘定におきましては前年度からの繰越し利益と合せて三百八十四億の利益になつておりますが、本勘定は、年金で相当長期のものでありますから、責任準備金の点を考えなければならない。一応利益にはなつておりますが、そういう関係で責任準備金を一応計算して考える必要があるのではないかというふうに考えます。その次は健康勘定の年間の経理状況でありますが、健康勘定においては支払い元受高というものがございまして、これはその年の収入と借入金をもつて支払い元受高、これを超過しては支出ができないというふうな仕組みになつておりますが、これを超過して支出しましたのが五月、六月に五億二千万円または一億一千万円というふうになつております。それからまた他の勘定の金を使います場合には、大蔵大臣の承認を経まして一時使用することになつておりますが、これも承認を経ないで金繰りをされた事実がございます。また金繰りの関係上、五四〇号に書いてある案件に関係いたしますが、二十六年度の歳入になるものを二十五年度の歳入に繰上げられて金繰りをつけられたものもあるような状況であります。なおまた本会計におきましては二十五年度末において保険給付の未払いになつているのが十二億七千余万円ありまして、そういう点から見ますと、金繰りあるいは収支の状況について見まして、何らか相当の措置を講ぜられる必要があるのじやないか、こういうふうに全体を考えているわけであります。  次に船員保険特別会計の分でありますが、本会計におきます利益は一億二千五百万円になつておりますが、これにはその基礎になつております財務諸表には未収保険料と未払い保険給付費がありませんので、これを差引きいたしますと、大体利益が三百余万円くらいになる計算になつております。それからまた船員保険の年金関係については、これも前の厚生保険と同様に長期給付になりますので、責任準備金を考えなければならないというように考えております。それからまた本会計の積立金が四億七千二百余万円でありますが、これを部門別にわけてみますと、長期給付において八億七千万円の積立金になつて、失業給付部門において一億百余万円の積立金になつておりますが、一方疾病給付の方では五億七百余万円の収入不足という計算になつておつて、合せて積立金は四億七千余万円、こういうふうになつております。従いましてこの疾病給付部門におきましては非常に収支の均衡がとれておらぬというように考えるのであります。この点については保険給付費の増大したという点も原因でありましようが、保険料の算定であります標準報酬月額が低かつたということにも原因があるのじやないか、こういうように考えております。また本会計においては前の厚生保険と同じように一億七千余万円の保険給付費が未払いになつている状況でありまして、この点を考慮する必要がある、こういうように考えている次第であります。

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 この会計検査院の説明に対して、厚生省側で特に、この説明書に書いてあること以外に、何か説明することがあるならば、発言を許します。

太宰博邦厚生事務官(大臣官房会計課長)

○太宰政府委員 一言だけ申し上げます。財務諸表などの点につきましては、昭和二十六年度からこれを添付するということにいたしてございます。なおその他の責任準備金等につきましても目下鋭意研究中でございますから、その旨をちよつと……。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 議事進行についてお諮り願いたいのですが、大臣が長時間おられるのはお困りのようならば、厚生省の分を引続いて御説明願つて、そうして大臣に質問を集中した方がいいのだろうと思いますが、適当におはからい願いたいと思います。     —————————————

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 それでは次に報告書百五十ページの国立病院特別会計、報告番号五四三及び五四四の二件を議題としまして上村説明員の説明を求めます。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 五四三号は先ほどの病院と同じでありまして、ここに書いてありますのは特別会計の分であります。これも病院の収入の二百三十五万円を日本銀行に払い込まないで、市中銀行に預金して、そのうち百七十二万五千円余りを医療機械の購入費、営繕費、接待費等に使用したという案件でございまして、説明は前と同でございます。  それから五四四号はやはり病院の経理でありまして、同じように病院収入の二十一万五千円余りを収入に入れないで、接待費、自動車の修繕等に使つたという事実と、もう一つは、歳出金で振り出したものを債権者に渡さないで、市中銀行に三千八百余万円を預けておりまして、そのうち三千六百八十一万余円を債権者にその後に払つておりますが、差額百六十九万八千円を、これは当初から架空の名義で出しまして、これを同じように接待費その他に使つた、こういう案件で、先ほど出ておつた案件と大体同じような性質のものでございます。

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 この点について厚生省が特に説明をしたい点があるならば、それを許します。  委員の各位にお諮りいたしますが、本会議が始まつたのですが、当委員会は本会議と並行して進行いたしましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 それでは、次に報告書百五十一ページ、一般会計、厚生保険特別会計、船員保険特別会計、国立病院特別会計、不正行為五四五ないし五五二及び百五十三ページ、未収金、五五三ないし五六四並びに五六五ないし五六七を一括して、要するに厚生省の終りの分までを議題にいたしまして、上村説明員の説明を求めます。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 五四五から五五二までは犯罪の案件でありまして、概括して申し上げますと、初めの五四五と、あとに出て来ます五五〇から二件、これは歳出金に関する犯罪であります。そのほかの五件は歳入金に関するものであります。  歳入金に関しますものは、医療費を受取りまして、それを使つたという案件でありまして、いずれも同じ人が全部の仕事をやつておつたというところから来ているように思われます。  それから歳出金の方は、最初の五四五号は、職員俸給等を銀行にとりに行つた者が持ち逃げしたという案件であります。  それから後の方の五五〇号は、資金前渡官吏が小切手に水増しをして、金を自分でとつた、こういう案件であります。  それから次の五五一号は、保険金の請求についてうその事実を書いて、詐取したという案件であります。  最後の五五二号は、実際入つた保険料よりも少く入つたように書類をつくりまして、とつた、こういう案件であります。  ただいま申し上げましたように、事務関係の組織をわけて行く、監督面を厳重にして行くということで、ある程度防ぎ得るものと思います。  なお二十五年度ではありませんが、二十六年度に実は佐賀県の民生部で約一千万円くらいの健康保険関係の犯罪が起きております。これは同じ課のほとんどの十五名が関係しておりまして相当大がかりに犯罪が行われたものでありまして、私どもの方といたしましても今後犯罪防止に対しては相当考えると同時に、監督官庁の方でも十分考慮していただきたい、こういうふうに考えております。  五五三号以下の案件は、保険料の徴収不足の案件でありまして、実際とるべき保険料より少くとつておられた事実があるので、これは是正していただいた、かようなものであります。

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 右について厚生省において特に説明される点があれば、この際発言を許します。——説明はないそうでありますから、質疑をお願いいたします。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 五三六から九まででありますが、これは児童福祉法、生活保護法などによるいろいろな事業の施設費のようであります。少しきようの質問の趣旨とは違つた角度からお尋ねしてみたいと思います。  きのうの東京新聞の夕刊でありましたかに、「社会事業の窮状」と書いてありまして「赤い羽根の共同募金は二十七年度全国で十三億円であつたが、東京都の八千五百万円もやつと目標に達した程度であり、現状は頭打ちの形で今後伸びる見込みもない。施設からの要求はその三倍といわれるが、実際には都内八百余の施設に対して平均十万円しか配分できず、しかも年末の窮状打開のために分配を急がれ、二十八年度分であるべき金を二十七年度内に費消し終るという結果ともなつている。それ以外の篤志家による寄付金も終戦後は多くを期待し得ない状態であり、国民一般の生活がまだまだ苦しい今日、急にふえるというようなことも想像もできないことである。」こういつたようなことからハイアライのごとき公共賭博開設を望むものが出て来る、こういう趣旨の新聞の社説があるわけであります。この五三六から五三九までは、要するに補助金が遅れたというのが、こういう原因になるのでございますか、ちよつとその点事務当局から御説明願いたいと思います。

太宰博邦厚生事務官(大臣官房会計課長)

○太宰政府委員 御承知の通り生活保護施設とか児童福祉施設につきましては、予算が国会を通りますと、その予算額と地方からの申請、要望等がございますが、そういうものとにらみ合せまして、どこそこの県にはどことどこを認めよう、どこそこの県はどことどこを認めよう、こういうことを決定いたしまして、地方に通達いたします。そういたしますと、地方といたしましては、本省の承認を得たわけでございますので、いよいよその施設について本格的に仕事を始めるわけでございます。ところがたまたま県はここの土地でやろうという計画でやりましたが、さて具体的にそこの地主などと話合つてみますと、地主の方はこういうわけで困る、あるいは市町村あたりの方が、あそこにやつてもらわないでこちらでやつてもらつてくれとか、そういういろいろな希望などが出て参ります。当初予定いたしておりましたものが変更せざるを得なくなつて来るというような事態が、まま起るのでございます。そういうような事態が起きますことと、もう一つは、この年度におきましては、資材の高騰がございまして、業者などが予定した資材がなかなか手に入らなかつたというようなことで、工期が遅延したというような問題が重なつております。おもなものは大体そんなことでございますが、さようなわけでもつて、地方といたしましては、当然その年度内に仕事が完成するという予定のもとに申請し、本省といたしましても、地方からの申請書を見れば、当然年度内に工期が完成するという見通しのついたものでやつたわけでございますが、今のような事態がその後に起きますと、その結果その年度内に完成ができなくなる、そういつたようなことでございます。当然その場合におきましては、事故繰越しという方法がございます。その方法がとれません場合においては、それは返還を命じなければならないわけでございます。ところがその当時といたしまして、全般的なことでございますから特に申し上げるのはいかがかと思いますが、なかなか事故繰越しというものも簡単には認められないというような一般的事情もちよつとあつたと存じますが、地方としては、何としてもやりたいのだ、もしこれを今年度だめにしてしまいますと、明年度にはたしてくれるかどうかわからない。そこで多少工期がおそくなつても、これは悪いことではないからやつてしまえというようなことから、年度内に完成することが不可能になつておりましても、それを秘しておりまして、こちらの方に知らせない。それからこちらの方でも、多少どうも延びそうだと気がつきましても、やはり当局といたしましては、予算を不用に立てるということは、この際においてはかえつていかぬことであるというようなことから、まあ少し延びる程度なら、この際ひとつ目をつぶつて、ぜひ促進してもらおうかというようなこともございまして、つい検査院の指摘を受けるような事態を惹起したわけでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私はこの五三六号ないし五三九号につきましては、この種事業の施設をなす上におきまして、日本の経済の事情などの変動等から来まして、こういうような事態になつたものと思いまして、これは私自身としては、あえて多く非難をしたくない、むしろ同情したいような気持を持ちますので、その点についての質疑はしないことにいたします。  そこで病院収入を日本銀行に預けるべきものを、市内の普通銀行の預金とされたという意見が五四三、五四四に出て参つております。これはさつきも別の案件につきましてお尋ね申し上げたのですが、もうその後は全国的に跡を絶つておるということになるのでしようか、それを簡単でよろしゆうございますから伺いたい。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 こういう扱いについては、二十五年の七月に検査院から改善の要求を厚生省にいたしております。その後順次改善せられて来ておりますが、相当延び延びになつておりまして、二十六年度の検査報告に九件くらいの病院があがつておるかと思いますが、相当の金額になつております。現在においては順次こういう扱いは少くなつて、ほとんどないのではないか。ただ犯罪関係においては、これに全然ないということはちよつと申し上げかねますが、そういうおそれのあるものは、解消して来ておる、こういうことは申し上げられます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 大臣にお尋ね申しておきますが、文部省の関係の病院におきましても、この種の批難事項が出ましたことは先刻申し上げた通りで、きよう御質問申す中にも、これで合計三件ですが、やはり病院関係におきまして、当然出納官吏の責任において日本銀行に払い込まなければならぬ規定があるにもかかわらず、それをしないで市中銀行に預金しておる、こういうことになつておりますので、これはやはり抜本的に、全国的に一つの厳格なる通達をなして、跡を絶つということにしておきませんと、私は不正の温床になる、犯罪の温床になると考えるのであります。この中には詳しく出ておりませんけれども、架空の名義によつて接待費などが使われております。また市中銀行との預金の契約になりますので、そこに相当な請託とかあるいは贈収賄関係もたやすく想像し得るのであります。そういう危険を想像し得るのであります。でありますので、これはやはり厳に、規定に基きまして、全国的にこの跡を絶つ処置を講ずるのでないと、私は幾多の不正事件を発生せしめる危険もあるし、従つてこれはまた経理を乱してしまい、国に損害をかけると思うのですが、その点いいがでございましようか。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 ただいまのお話の点は、私もまつたく同感であります。全国的に、将来ともさようなことの跡を絶ちまするように、逐次また累次その通達をいたしておりますが、今後特に厳重に、その点を全国の国立病院その他厚生省所管の病院に通達を出します。なお検査院とも連絡をとつて、御説のように万全を期したいと思つております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それから不正事件でありますが、職員の不正によるものが、五四五ないし五五二まで合計八件、国にかけました損害が五百六十二万円こういうことになつております。これまた不正問題でありますので、責任の範囲ということがやはり問題になつて来るわけであります。戦後非常に思想も混乱し、社会秩序も乱れまして、経済もインフレその他によりまして、混乱しておりましたときから起つたようでありますけれども、これもなかなか跡を絶たぬらしいのであります。こういうことにつきましても非常に良心的に国政を担当しておられる大臣でありますので、やはり根絶するという厳とした何らかの手を打つておく御方針をお持ちになつてはどうか、これをお尋ねしておきたいのです。といいますのは、厚生省におけるあらゆる事業は、生産的な事業がほとんどないのでありますから、一たび金を扱うという面におきましてルーズになり、続続犯罪が起るというような情勢になつて来ますと、これはきつとその予算の執行面におきましてもその目的を達しないで、いたずらに金が流れてしまうということになることは当然だろうと思う。生産する事業でありますと、いろいろな苦労が伴つて生産するのですけれども、極端にいえば使うだけでありますので、つい使いつぱなしということになつて、ただちに生産の上に効果が現われない場合が多いのでありますから、よほどその点は厳格に考えて行かぬといけない、こう思うのであります。厚生省における、ことに補助が大部分でありますことは申し上げるまでもないので、特にこの種の案件につきましては、跡を絶つ、抜本的な対策を、これもやはりあなたの時代においてぜひとも実現するようにしていただきたいのですが、御所信はいかがですか。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 厚生省所管の予算の執行に関して、ただいまの吉田先生の御注意十分拝承いたしました。ことに厚生省といたしましては、補助金によつて、先ほど申しました通り、地方公共団体を通じて厚生行政をいたしておる面が多いのであります。なおまた直轄のものといたしましても、病院のごときは、経理上いろいろ問題の起ります形態のものであります。なおまた厚生省が所管いたしております国民健康保険、あるいはその他の保険勘定におきましても、いろいろ問題の起りますものでありますから、ただいま御指摘の通り、これらの点につきましては、十分に厳正な事務取扱いをいたし、なおまたそれに対して厳正な監督をいたし、今後誤りのないよう期したいと思います。ことに申し上げておきたいと思いますことは、今回各位の御協賛を得まして、国民健康保険の給付費国庫負担も、おそらく予算が通りますれば実現することに相なりますが、私がこの国民健康保険の給付費に対する国庫負担、これを予算的に大蔵省と折衝いたしました際においても、これらの保険の運営にあたつては、これはいわゆる国民の膏血をしぼつた税金で補助をいたすのであるから、その運営にあたつては最も適正を期すべきである。従来、ここにもありますように、国民健康保険その他の運営にあたつて、不正事実がありますことは最も遺憾でありますので、今後これらの点に対しても十分手を打つて万全を期したい。先ほど来先生の御指摘、重々拝聴いたしまして、今後万全の措置をとりたいと思つております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ちよつとあとへもどりますが、五三五号、これは前に大臣がここへ見えた当初御質問した点と同じような問題でありますが、補助超過がこれまたあります。宮城県、それから大阪府、岩手県。大阪府のごときは金額にして四十五万円、大阪の大県から見ればまことに問題にならぬほど少額であります。こういうようなものも、やはり補助超過というような取過ぎるというようなものは、翌年を待たずに年度内にきちんと精算をして、返還をしてしまうということをぜひせられて、どうしてもしないときには、やはり国会に何ゆえしないかという理由を、詳細に報告するということにしなければいかぬと思うのであります。ここにも三件出ておりますので、この三件も金額は大したことじやございませんから、すみやかにこれは返還をせしむべきでないかと思いますが、いかがでございますか。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 ただいま五三五号の案件について、御注意のありましたところは拝承いたしましたが、ただ年度内に発見いたすこともあり得ると思いますけれども、たいてい当該の府県において決算を了して、そうしてたとえば児童福祉関係の補助費でありますと、その年度を終えて決算をいたして初めて超過であるかどうかということがわかる場合もあります。しかし御趣旨の点は重々——さような趣旨によつて処理をいたします。決算を終えて初めて補助超過かどうかということが判明いたす場合には、できるだけ早くそれを解消するように努力いたしたい、かように考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これは大臣、こういうこともお考え願いたいと思う。私も戦時中厚生省委員などしておりましたが、地方をあちらこちらまわりましたときにもいろいろ感じたことですが、今もおそらくそうじやないかと思うのですが、補助金をもらつて厚生省の仕事をしておる人に、鋭い経済観念が少し足りない、こういう面がどうもありはしないか。言いかえますとそろばん高くない、こういう面がありはしないかと思います。非常に人情の厚い敦厚純朴な感じは受けますけれども、数字というものをあまりお考えにならぬ面があるのじやないか、こういうことが、今申し上げたような精算が遅れたり、決算報告が遅れたりする一つの原因じやないか、こう思いますので、やはり経理は経理、事業は事業ときちつとして行くことによつて、所期の目的が達し得ると思いますから、特に御希望を申し上げます。その点についても御留意をお願いしたい、こう思います。  それから先を急ぎますので、厚生保険特別会計の問題でありますが、この点につきまして、年金勘定あるいは保険勘定の、会計法に基く例の剰余金の総額は、現在何ぼでありますか、これはお尋ねする前提になりますのでおわかりでありましたらお答え願つておきたいと思います。

久下勝次厚生省保險局長

○久下政府委員 現在約六百五十億円くらいあります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 内訳はどうなりますか、年金勘定のみですか。

久下勝次厚生省保險局長

○久下政府委員 今日までの年金による積立金総額であります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 健康保険勘定はどうなりますか。

久下勝次厚生省保險局長

○久下政府委員 健康保険勘定においては積立金はございません。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 大臣にお尋ねしたいのですが、年金は、年金を給付する年度がまだ来ないらしいのでありますが、年々累増して行くように思われます。この種の金は、一般の公共事業費なんかに使うということもあるいは大事かもしれませんけれども、できるだけ被保険者あるいは保険契約者、保険の対象になつておるような事業、そういつた方面へなるべく優先的に予算を組むという方へ、予算編成の一つの方針を持つということはできぬものでしようか。たとえて申しますと、あるいは一般の屋外の労働者とあるいはその他の労働者に対する貸付とか、あるいは住宅とかあるいはその他の生計の補助だとか、あるいは厚生省全体の各種の補助金を必要とするところの各種の事業に対する経費だとか、そういうような方向へ予算の歳出の方針を持つというようなことはできないものでしようか。そういう方面へ閣議で御努力になつてはいかがかと思うのですが、どんなものでしようか。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 年金勘定の方の積立金を、主として厚生行政の面に使つたらどうかという御質問と考えますが、これはお説の通りに考えられるふしもあります。またさように、現に昭和二十七年度におきましては、住宅あるいは病院等に十六億予算上使つております。昭和二十八年度においても二十五億を予定いたしております。しかしこの厚生年金積立金全部をさような面に使つたらどうかということにつきましては、これは国家財政全体の見地から考慮すべき点もありますので、今後検討いたしたいと考えておりますが、ただいまのところでは、これらの被保険者の住宅でありますとか、あるいは病院等に対して、その基金から融資をいたすこと等によつて、その目的を達したいと考えております。申し添えますが、現在その基金に対して五分五厘の利息を国庫から付しております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私はこれで質問を終ります。

迫水久常自由党

○迫水委員長代理 それでは以上で厚生省所管に対する審査を一応終ります。  次会は二月二十五日水曜日午後一時から農林省所管について審議いたします。  本日はこれで散会いたします。     午後三時五十二分散会

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