決算委員会 第7号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/12/19
会議録
○田中委員長 これより決算委員会を開きます。 本日は前会に引続きまして、昭和二十五年度決算中総理府所管終戦処理関係の分を議題とし、審議を進めて参りますが、審議予定の関係もありますので、本日はなるべく予定の分を済ませるように各位の御協力を願つておきます。しかしながら検査院の御説明の際には、検査報告の批難事項には省かれていても、それに関係のある事実はなるべく詳細に、また問題の諸点は特に明瞭に説明を願います。また検査報告をつくられた後知られた新しい事項などがございましたならば、それもあわせて述べていただきたいのであります。特別調達庁側の御説明においても同じ要領で願います。 それでは報告書五十ページ、報告番号四〇ないし四五を一括議題に供し、そのうち審議の促進上、特に番号四 ○、四三、四四及び四五の四件について詳細な説明を伺います。その他の番号についての案件は、委員の御要求による質疑に従つて説明いたさせることにいたしますから御了承願います。会計検査院上村検査第二局長から説明を願います。
○上村会計検査院説明員 ただいま議題になつておる石炭の購入に関しまする件を御説明いたします。 調達庁におきます二十五年度の石炭の購入量は二百十万余トンであります。その支払い額は六十一億二千五百万円になつておりまして、二十五年度の全国の出炭量の約五%に当つております。そういう関係上、石炭の問題を取上げて検査して参つたのであります。石炭の関係でここに取上げておりますのは、六十一億に対しまして十一億八千百余万円の支出金額に該当するものを取上げております。 石炭の関係につきまして取上げておるただいま御指摘の案件を説明するために、一応全体を御説明したいと思います。取り上げておりまする案件は、たとえば中塊炭を購入することになつておるのに、実際納入されたものを見ますと、粉炭になつておる、規格が違うというものと、カロリーが五千あるいは五千五百カロリー以上となつておりますのに、実際納入されたものはそれ以下のものがあるというものと、それから納入時期が遅延したものというのと、さらに納入された数量が一部不足しておるというようなものを全体として取上げております。そこで石炭の検収に対しましては、二十五年の十月までは軍側でこれを掌握しておりましたが、十月末になりまして、特調側にもその権限が与えられたわけであります。軍と特調の方で検収をやつて行く、こういうふうに建前がかわつたわけであります。かわつた後におきましても今のような事態が生じておるわけであります。ここで取上げました中塊炭で納入さるべきものが粉炭で納入されておるというような事例は、業者の方につきまして調査しましたところが、中塊炭でなくて実際は粉炭が納入されておる。こういうふうな事実がわかつておるのであります。それから数量の不足も業者について調査したものであります。カロリーの不足の点については、調達局において促進監督の業務をやつておる関係上、調達庁においてわかつておつたもの、及び軍側から代金減額の措置は要求しておりませんが、カロリーが不足であるということの通知があつたものによつて調査したものであります。それから納入が遅延した事項については、やはり調達局において調査しておられた事実から、その事実を認定したものであります。それで中塊炭が入らないで、粉炭が入つたものが、そのまま契約通りのものが入つたとして処理された事由の一つは、日本の粉炭とアメリカの粉炭の規格が違うわけであります。アメリカにおいては粉炭といえば三ミリを基準にしております。それから日本においては二十二ミリが基準になつております。そういう関係上、軍では必ずしも中塊炭が必要でなく、日本側の粉炭でも間に合うというような事態があつたためであろうと思うのであります。それで、そういうものに対する代金の減額の措置でありますが、カロリーの不足の点につきまして軍側から通知のあつたもの、及び調達庁において調査されたものについては、軍側に連絡せられて、そうして軍側の同意を得て減額措置を講ずべきものであつたと思うのでありますが、当時軍の強いところがありましてその措置がとられておらず、さらに検査の結果、軍が認めて一部減額の措置をとられたような事態もあります。それから数量の不足の点についても、調達庁において促進監督の業務をやつておられるのでありますから、その事実を調査され、軍側に交渉されて減額の措置を講ぜられるべきものであつたと思うのでありますが、現在となりましては、業者の方々に対してただちに減額するということは、規格がそのままとして入つたということで検収されておりますので、無理であろうと思うのでありますが、業者に交渉して事実上減額できればということになると思うのであります。それでかような点で検査して参りまして、私の方の見解としましては、軍の強いところもありましたでしようが、できるだけ軍に交渉して規定通りの処置を講ずることが望ましい、こういうふうに考えておるのでありますが、その後に至りまして検査院側の指摘もあり、また調達庁においても合理化するというような機運になりまして、石炭のサイズにつきましては、粉炭で間に合うものは粉炭を購入するというような措置をとられております。とられた時期は二十六年九月ごろからであります。それからカロリーの点については、分析をどういう方法でやるというようなことをはつきりいたしまして、順次これを軌道に乗せております。それから数量の検量の点についても、調達庁の方で確認するというような処置が順次とられて参つたのであります。 それで、議案の四〇号について御説明申し上げますと、東京特別調達局で常磐石炭販売株式会社から五千三百トンを購入されたのでありますが、その石炭の規格は中塊炭ということで購入されたのでありますのに、実際入りましたのは、そのうち三千三百六十二トンが粉炭である。先ほど申し上げましたように、業者について調査したところがそういう事実が判明したのであります。また二十六年四月、同じ会社から中塊炭として五千七百八十五トンを買われましたものについても、同じように粉炭が二千九百八十一トンあつたわけであります。ところでこれはただいまも申し上げましたように、特調の方において適宜の措置をとらるべきものであつた、こういうふうに考えておりますが、粉炭と中塊炭の差が、ときによつてトン当り三百円ないし千円になつておるかと思いますが、大体そのときの粉炭と中塊炭との差額で計算してみますと、約三百万円くらいになろうかと思いますが、これも先ほど申し上げましたように、現在となつてはただちに業者から減額するという措置はできなかろうと思います。 次は四三号でありますが、これは横浜特別調達局におきまして、二十五年七月から二十六年三月までの間に、東海産業株式会社から、塊炭四千四十トン、それから中塊炭が十一万五千五百六十二トン、粉炭が千百トン、合計十二万七百二トンの購入計画に対しまして、実際入りましたのは、それを上まわる一万六千九百二十四トン入つております。それから中塊炭は、十一万五千何がしに対しまして六万四千百二十七トン入つております。それから粉炭は千百トンになつておりますのに、これが相当多くなつておりまして、三万九千六百六トン入つております。そういうふうに契約規格より違つたものが入つておる、こういう事態であります。それから今の実際入りました数量と契約数量と比べてみますと、四十五トンほど、実際に入つたものが少くなつておる、こういう事態であります。 それから四三号の次に書いてありますのは、二十六年四月と七月に、東海産業株式会社外一会社から一万五千九百四十トンを購入契約せられまして、うち中塊炭が契約上一万二千二百六十トンになつておりますのに、六千三百四十四トンの粉炭が入つておる、こういう事態であります。これも処理については、先ほど申し上げました四〇号の案件と大体同様に考えております。 次は四四号でありますが、これは名古屋特別調達局におきまして、二十五年六月及び十二月に株式会社太陽商社外二会社から、中塊炭を一万一千四百五十八トン、粉炭を四千四百六十一トン購入する契約に対しまして、中塊炭の一万一千四百五十八トンのうち、三千四百八十三トンが粉炭になつております。それからカロリーの点につきまして、三千百トン余りがカロリー不足、こういうふうになつております。 さらにその次に記載してあるのでありますが、二十六年四月及び五月に、やはり同じ会社と外一社から購入された中塊炭四千五百五十トンについても、契約とは異なつた粉炭が千八百八十七トンばかり入つておる、こういうことであります。 次は四五でありますが、これは福岡調達局におきまして二十五年五月から十月までに、九州石炭株式会社外五名から四万二千二百三十二トンの石炭を購入されまして、そのうち入りましたものについて調べてみますと、二千三百トンがカロリー不足、こういうふうになつておるのであります。いずれもごの措置については、先ほど一般的に申し上げましたことで御了承願いたいと思います。 四五の点をちよつと詳しく申し上げますと、この事案は二十五年五月から十月までの間でありまして、先ほど申し上げました十月末以降には調達局の方に検収権限があつたと申し上げておりますが、この事案は、カロリー不足の点が調達局において調べてわかつておつたものと、それから軍の方からカロリー不足だということが別個に通知があつてわかつておつたものとを含んでおりますが、検査に行きました当時、何ら減額の措置が講じておられなかつたわけであります。それで軍に交渉された結果、軍の承認した範囲におきまして二百五十九万何がしというものが減額されることになつたのであります。大体以上であります。
○田中委員長 次にただいまの説明に対して政府当局の説明があれば、この際発言を許します。
○山内政府委員 ただいまの検査院の御説明に対して、少しく調達庁の立場から申し上げてみたいと思います。一般論といたしましては、数日前の当委員会におきまして私大体申し上げたわけでありますが、結論だけを申します。 第一は、調達庁に多量の石炭が購入されたにもかかわらず、検収権がない。それからかりに自発的にお願いをして立ち会つてみたところで、その見たところについて意見を申し述べても、とる、とらぬはまつたく先方の権限にあつたというようなことで、ものによつては心ならずも軍の意向に従わざるを得なかつたというような場合もあるわけであります。 その次には、これも検査院から申し上げた通り、一番大きな間違いのもとは、軍の規格と日本の商慣習による規格と食い違いがあつた。これは中塊炭と粉炭の間に二十二ミリから二十五ミリの間というものが完全にだぶつている。その間のものは、日本側規格によれば粉炭として扱つている。向うの規格ではこれを中塊炭として扱つている。この違いがあることと、それに関連して、さらに地区によつてボイラーが違う。これは私どもわかりませんが、ボイラーによつて、同じ軍規格中塊炭でありましても、二十二ミリに近い、言いかえれば日本側の商慣習による規格で言うならば粉炭と見られるような、そういう向うの中塊炭のこまかいものが必要であるということで、これは調達要求書には粉炭とはむろん書いておりませんが、説明のときに、特に中塊炭の中で二十二ミリに近いこまかいものがこのボイラーでは必要だから、それを納めるようにという説明をつけて入札をするというような場合があちこちにあつたわけであります。以上の問題が、この石炭問題について非常に問題を惹起する原因となつたのでありまして、この点まことに残念でありますが、たくさんの問題を惹起していろいろ御批難をいただいたことは恐縮に思つております。 そこで個々のことについて特に二、三重点とすべき問題について申し上げてみたいと思います。四〇の東京局の常磐石炭株式会社から芝浦補給部倉庫に入れた石炭でありますが、ただいま検査院側からいろいろ御批評のありましたよ与な結果にはなつております。ただごの最後の始末といたしまして、局側としましては、軍に対して減額方の申入れをたびたびやつたけれどもいれられなかつた。そこでその価格差を高カロリーのものをもつて補填するという軍の指示に基きまして、三百ないし六百くらいのカロリー高の粉炭を納入して補填をしたというようなことに相なつた次第であります。 それから四三の横浜調達局の東海産業購入のものでありますが、これも今の粉炭規格の問題が主になつておるわけであります。この中で特に検査院が強く御指摘になつておるのは、全体として数量不足であるという点であります。これは調達庁の見るところでは、軍の方に検収権がありまして、こちらとして数量をはかることもできません。軍がこれは完全に入つたというので向うから受領書が出ましたので、それに基いて支払いを了したわけでありまして、はたして検査院の指摘せられるような四十五トンの不足があるかどうかということは、私どもとしても、これを否定する的確な材料を持つておるわけじやない、また調べて確認するという手段がなかつたわけでありますが、ただ少しく批評がましいことを申し上げるならば、契約書のトン数とそれから検査院の言う実際の納入トン数の間には、確かに四十五トンの開きがあるようであります。これは検査院の納入というものは、おそらく山元と業者の間の契約書の中の数量をおとりになつて御推量になつたのではないかと思われますが、山元と業者との契約のトン数をもつてただちにこれが納入のトン数というわけにも行かない事情があることが、いろいろ混炭として納める場合には多いわけでありますから、私どもはこれを不足として処理することができなかつたわけであります。 それから四五の福岡調達局の問題でありますが、このカロリー不足はいろいろの契約の中にあつたように見受けられますけれども、私どもの方で調べた結果によりますと、このうち九州石炭と衛藤商事の二会社の契約分で、四件のものについては、これはその不足を軍も認めておりますので、私どもはその不足に従つて処置したのであります。他の二十件につきましては、調達庁としても試験的の検査はありますけれども、これはどこまでも調達庁のただ監督上のことでありまして、軍の認むるところとなつておりませんし、これは特に保証金をとることを認められませんので、そのままに処理をいたしたのでありますが、他の四件につきましては、ただいま検査院側からお話がありましたが、少しく違つておるかと思います。私どもの方ではごの四社分としては合計四百九万七千百五十三円、これだけを減額して納入させたことになつております。
○田中委員長 それでは、御質疑をお願いする前に申し上げますが、根道長官が三時までに渉外の関係で行かなければなりませんので、長官にもし御質疑があれば、その時間をお含みの上御質疑をお願いいたします。
○鈴木(正)委員 今の御説明を聞いておつて私どもふに落ちないのですが、粉炭と中塊炭との規格がアメリカ軍と日本の商慣習が違い、アメリカ側では二十二ミリまでを中塊炭といい、日本側ではそういうものを粉炭と称しておる。そこに三ミリか五ミリの食い違いがあるようにぼくは聞いておつたのですが、そのことは契約の当初においておわかりになつておるはずだろうと思う。そこでこれによつて指摘せられたところを見ますと、日本の商慣習である粉炭で入札をしておつて、それを納めるときの価格は、アメリカの規格に従つて中塊炭で納めたというふうに考えられるわけですが、初めからその規格が違つておることがわかつておるのだから、中塊炭と粉炭との限界をはつきりつけてやれば、こういう問題はあまり起らないだろうと思うのです。規格の違いがわかつておるのに、日本の商慣習に従つて、向うの規格で納めておるというところからへんな問題が起ると思うのですけれども、そこのところをアメリカ側で二十二ミリまでを中塊炭と認めるなら、入札の場合に、その程度のものは中塊炭として納めるという方式をとることはできなかつたのですか。
○山内政府委員 非常にごもつともなお尋ねでございますが、契約の当初におきまして現場説明をいたしますが、そのときに、調達要求書にある、たとえば中塊炭と書いてある、それに対して特に補足的の説明をしない場合もあります。それから中塊炭とは書いてあるけれども、先ほど申し上げました、日本の商慣習の粉炭になる二十二ミリに近いこまかいところを納めるようにということの強い指示がありまして、これは調達庁にもむろん連絡もあり、現場における業者の全体に対しても説明がありますので、そういう場合には、調達庁としては中塊となつておりましても、中塊の時価じやなくて、日本の商慣習で言う粉炭、あるいは粉炭に近い中塊炭、それを前提として予定価格を立てるわけであります。従つて特にそういう説明のついた場合については、中塊炭として高いものを契約して支払つて、実際は粉炭に近い、安いものを入れて、非常に業者がもうかつておる、そういうことには、今のような説明をしたときにはならないと思うのです。ただ特にそういう説明じやなくて、中塊炭となつて入札する場合には、調達庁としてあるいは中塊炭としての普通の相場で価格を立てるということもあるわけであります。ただ多くの場合、最初は別として、だんだんわかつて来ますから、中塊炭となつておつて、あるいは特に説明がなくとも、それは粉炭に近いようなものを向うは要求するというので、予定価格の建て方において考慮を払うということは十分いたしておるはずであります。それから、そういう実情が起つた場合には、私どもとして、決して当初の契約と違つたものが入つて、業者は得しておる、しかたがないといつてほつておくことはいたしておりません。絶えず検査院からも御指示もありますし、私どももそれを妥当と思いますので、軍側に対しては調達要求書の公開を強く要求いたしておりますが、なかなか現地の監督官はそれを認めてくれない場合が多いのでございます。
○鈴木(正)委員 そこで疑問を持つことは、安い石炭を高く買つて、その間の値開きを、実際は石炭業者には普通の安い値段で払つてその値開きを、何か軍の管理者がごまかしておつたのではないかというような疑問を持たれるのですけれど、そういうような疑いは、当局で持たれたことはないのですか。
○山内政府委員 そういうような現場監督者とボイラー・マンあたりが非常に親しくしておつて、何かそこに向うで便宜を与えているのじやないかと思われることは、絶無ではないのですけれども、的確な証拠を握るということはとてもできませんし、また軍の監督者がかわりましても、ボイラーの性質上、やはり中塊となつておつても、こまかいのが必要だということを始終言われるところから見れば、やはりその場所においては、そういうのが必要であるのではないか。それならば粉炭としてなぜ出してくれぬかということであるのですが、なかなかそれが、おれの方では粉炭が入用じやないのだ、中塊のこまかいのがほしいのだ、こういうことを繰返して言われますものですから、それに対してさらに反駁するということもできませんで、従うほかはないというような実情になつております。
○鈴木(正)委員 粉炭が入用じやない、中塊炭が必要だと向うは言うが、事実は粉炭が入つておる。しかし日本側が金を出すのですから、向うの要求するのが粉炭に類する中塊炭なら、向うには中塊炭という名で納めて、こちらで金を支払うときには、粉炭の金で支払つてもいいと思うのです。向うが中塊炭を注文すれば、事実粉炭であつても、中塊炭の値段で業者に払わなければならぬという筋はないと思うのですが。
○山内政府委員 その点はまことにごもつともなことでありまして、私どももそうしたいと思つて、いろいろ研究したことがありますが、どうしても調達庁が調達要求書に基いて仕事をし、支払いをする場合には、その支払いというものは、必ず軍の領収書に基いて払う、これは絶対の原則となつておりまして、これを破るわけには行かないのです。そうすると、軍の領収書の中にそういうことが多少書いてでもあればけつこうなのですけれども、軍の方の領収書が契約通りの金額になつておる場合には、どうもいたし方がないのであります。その場合、あまり不審な場合には、いろいろ軍の方には交渉すると思うのですけれども、どうしても聞きいれられないというのが、今度の石炭の事情であつたわけであります。
○鈴木(正)委員 その点は、ぼくは今までの御説明によつて、大体アメリカ軍のこういう仕事を請負つておる連中が正しくなかつたというふうに了解して、この点に対しての私の質問はやめます。
○松本(七)委員 そもそもアメリカ軍側の規格と日本の規格が違うということが根本になつておるようですが、しかし、先ほどの局長の御説明では、向うからはつきりこまかいものをくれと指定して来た場合は問題ないが、そうでない場合に、そこに誤りが起るんだと言われたのですが、この規格の相違は初めからわかつておることなんです。先ほどから指摘されておるようにわかつておるのですから、契約するときに、軍側の方に、特に中塊炭の場合には、何ミリくらいのものが必要かということを明示してもらうということを、あらかじめこちらから要求しておきさえすればよい。その都度向うが特に明示しなくても、必ず中塊炭の場合には、日本との規格がこういう相違があるのだから、そこに齟齬を来すといかぬから、あらかじめどういう程度のものかを明示してもらうことにしておけば、契約の当初からその規格に合つた日本の値段でもつて契約することができるわけであります。そのくらいの念をあらかじめ入れる必要があると思うのです。その点と、それから規格の相違というものは、いつごろはつきりわかつて来たのか、進駐軍が来た当時からわかつておつたのか、あるいはその後納入を始めてからやつとわかつたのか、その二点を伺いたいと思います。
○鈴木説明員 実は石炭の調達を調達庁が始めましたのは、二十四年の第二・四半期からです。それまでの二十三年以前は、通産省が検査をやつております。二十五年からやや本格的に調達庁の調達が始まつた、こういう事情であります。そのとき、今問題になつております粉炭、それから中塊炭、小塊炭の区別でありますが、日本の粉炭は英語に訳しますと、やはりダストになります。向うの粉炭はダストでございます。その差が三ミリでございましたので、そこに発注者側の錯覚があるわけです。実際注文通り中塊炭を持つて参りますと、それでは大型ボイラー等のためには大き過ぎる、もう少しこまかいのを持つて来いというようなことから、この問題がだんだんはつきりして来たわけです。そういう経過がありまして、はつきりいつからということを今申し上げる材料を持つておりませんけれども、この規格の問題は、その後二十五年の終りごろになりましてから、さらに両者の調整をはかりまして、洗炭というような項目を一つ設けました。向うが一番ほしいのは、アメリカの言葉でいいますとナツトという、三十五から十五くらいの聞のものであります。大型ボイラーと小型ボイラーのある所が、スモール・ランプという中塊炭がほしい、こういう事情でありましたので、規格の統一をはかりますため、日本の中塊炭のスモール・ランプと、それからスクリーニングという種類を一つつくりまして、さらにその間にナツトというような規格でもつて両者の統制をはかつたわけです。それ以前は、持つて行きますと、向うではこれではいかぬといつて返されたというようないきさつがありました。さんざん手をやいた後において、こういう粉炭でよろしいのだ、粉炭を持つて来いというようなことで押し切られたような状態であります。これについては粉炭とあれは違うのだとはつきり意思表示もしているわけです。検収権の問題になりますが、向うは自分の必要の前にはなかなかこちらの純理論も通してくれませんので、修正が遅れた。それで実際は受領権限は自分の方にあるはずでありながら、一切ない次第です。しかも軍の方でもカロリー・テストの結果の通告というようなことは、時期的に用意不十分であつたためか、非常に遅れてなされるようになりました。また現物がとにかくよいか悪いかというようなことは、最終受領責任者にあるわけです。だからかりに軍の方でMTSと申しまして、マテリアル・テステイング・セクシヨンが第八軍にあつたわけですが、ここでテストいたしましても、これは最終受領官の判断の資料にすぎない。そこでこの機関はただむだがあつて困るから、アプルーヴアルが遅れれば出荷証明をするだけだというような権限でありまして、実に申し上げにくいのでありますけれども、最終受領の責任は、受領官にあるというところに一切の問題があつたわけでございます。それで現在の特需におきましても、この問題はしよつちゆうあるわけです。日本の商習慣でいいますと、政府の責任ある検査官が受取つたならば、そのときに責任の限界がわかれるわけであります。軍の方は最終受領のときまでの責任は業者にある。最終受領というものは、われわれが今確めようとしておるのは、受取りが出たときこれを確めるだけであります。その点まだはつきりしておらない。その期間においても調達機関におきましては、要するに受領書が出る、この期間がいわゆる最終受領のときである、こういうわけであります。たまたま今問題になつております二十五年の初期の問題は、ちようどカロリー・テスト等が始まりましたけれども、軍の方も人員機構の整備が遅かつたものですから、たいがい三、四箇月遅れて来たわけであります。それが漸次こちらからの積極的意見に基きまして、正確迅速に罰金をとりたい。こういうような意見に基いて、今度は受領書にようやく二十六年度からカロリー・テストの結果を入れてくれるようになりました。こんなようなわけであります。以上大体の経過を御説明申し上げました。
○松本(七)委員 二十五年十月から特調で納入品の検収をやるということになつたらしいのですが、それ以後特調でやられる検収と、アメリカの軍側でやられる検収に相違のできたような事例はございますか。
○山内政府委員 今の点検査院からの御指摘がありまして、私その点について申し上げようと思つて忘れまして恐縮でございますが、中央の方では石炭問題はいろいろ問題が多いので、それの改善について地方側の意見も聞いて、方針を立て軍と折衝して、かなりいろいろの点において是正するようにいたしたわけであります。今の検収権の問題も、大体中央としては承認をされたわけであります。やり方等もある程度きめたわけであります。ところが地方の末端におきますと、その中央できまつた方針が十分に徹底していないものか、まだまだ地方では中央でこういう方針になつたから、われわれも関与して検収その他をやるといいましても、なかなか受入れてくれない。また地方によつては加わつてやつてもよろしいが、決定は自分の方だというようなことで、どうも制度ができてまだ実行が行われなかつたというのが、福岡の例ではないかと思います。
○松本(七)委員 その点、地方で徹底しない場合に、中央においてはアメリカ軍当局にその徹底方を依頼しておつたというのは、どういうのですか。
○鈴木説明員 ただいまの部長の御説明につけ加えます。いかなる権限において日本政府がこれをやるようになつたかといいますと、実はこの調達要求書に一般契約条項と特殊契約条項と二つずつつくわけです。一般契約条項は軍のあらゆる調達の備品に共通する。特殊契約条項と申しますのは、石炭なら石炭、ある特定の題目について付加される条項でございます。あるいは備品全般に適用する場合もありますが、この場合はとにかく石炭の件でございます。そういうわけで、これはただいま部長から中央で方針が決定したと申し上げましたが、これは私ども調達庁で相手となつておりますところは旧第八軍、その後は日本管理軍、JLCの調達部でございます。調達部の担当官が日本政府との調整に当りまして、特殊契約条項の中にそのことをうたつております。しかし先ほども申し上げましたように、受領責任というのは、アメリカ軍においては調達部にあるのではないのであります。調達部は発注機関でありまして、調達の契約の履行そのものについての意見を述べますけれども、物を受取る、受取らないの責任というものはないものでありますから、それで実は調達部の威令が受領官の強大な権限をどこまでも排除してやることはできない。しかもこの条項が入る前に、実を申しますと、調達庁といたしましても相当の人の整備をしなければならぬ。その余裕さえない間にこれが入つてしまつた。観念としてそれは日本政府に責任があるべきである。なければ石炭の調達というものの円滑は期し得ない。なぜならば検査にも検収にも立会わないで、どうして業者から罰金がとれるだろうか、契約の当事者としてそういうことを言つております。それがたまたまそういう方法で実現したけれども、その実は用意がなかつた。われわれのコンデイシヨンの上に、軍側自身としてはとにかく受領官の方を徹底的に押えることができなかつた、こういうわけでございます。
○松本(七)委員 先ほど調達庁の御説明の中で、納入トン数の問題で、山元業者問の契約数量だろうということでありました。検査院側でも指摘された数量はそれに間違いないですか。
○上村会計検査院説明員 ただいまの御質問の点でございますが、私の方で調べましたのは、会社から納入先に対する出荷伝票によつて調べたのであります。
○松本(七)委員 そうすると特別調達庁の考えられているのと違うようですが、いかがです。
○鈴木説明員 今の問題につきまして、先ほど部長の述べられましたことの意味をさらに補足しておきますと、事情は横浜調達局におきましてこの問題が起きたときに、一応業者についてただしたわけであります。そうしましたら、横浜調達局の質問に対しまして、業者はここに書いてございますように、全体の契約トン数のうち、約七十トンを余して山元から受取りまして、その段階で軍に納めているうちに軍の方は一ぱいになつた。山元の方は打切つたというような御報告でありましたので、横浜調達局におきましては——これははなはだ不正確のもので申訳ないのでありますけれども、要するに自分のはかり方の違いではないだろうか、ちようど大体全体の量の千分の四くらいに当るものであります。そんなふうに解釈しておりまして、その報告を受けておりましたので、部長はただいまそういうふうに申し上げたのであります。私の方で申し上げましたのは要するに推論でございます。
○松本(七)委員 ただいまの御説明があつて、そういう事情があつたならば、最初からその事情を説明されればいいのであつて、その事情を説明せずに、ただ契約は山元と業者間のものだろうというようなことじやまるで話が……。それを御存じなかつたのならいいのですけれども、どうでしよう。
○山内政府委員 部内の連絡不十分で今の事情までは存じなかつたので、申し上げなかつたのですが、恐縮でございます。
○田中委員長 ちよつと委員長から聞きますが、このトン数の減つた差額金とカロリーの差額金、それから銘柄の差額金はだれのふところに入つたのですか。これに差額金が出ましよう。たとえば中塊と粉炭の差額がありましようし、トン数の減つた差額がありましようし、カロリーの減つた差額がある。この差額金はだれのふところに最後には入つたのですか。業者のふところに入つたのか、それともあなた方のふところに入つたのか、今言う通り、占領軍のブローカーのふところに入つたのか、ちよつと委員長に説明してください。
○山内政府委員 表面上カロリー不足、数量不足等の出ましたものは、明らかに不足数量減というものを認めたものは、必ず私ども補償金で納めるようなことを要求しましても、軍の方の取扱いとしては、多くは先ほど申しました通り、高カロリーのものでもつて補填したとか、あるいはあとでその不足分はさらに増して入れさしたとか、また品質の悪い石炭は返送して、別にまたいいものを送つて入れたというようなことをいたしておりますので、全体的にカロリー不足のままで済ましたとか、あるいは数量不足のままで済ましたというもの、明確に不足のままで処理したというものは、私どもの方としてはないつもりでおります。
○根道政府委員 ただいまのカロリー不足の明白なもの、及びトン数の不足が明白なもの、そのままでおしまいになるものは、これは当然に日本政府にその金は払つたものならば戻入されなければならない、大体そういうふうにしてわかつたものについては処置しているわけであります。
○田中委員長 何か御質疑はありませんか。——なければ次に移ります。 —————————————
○田中委員長 次に報告書五十三ページ、報告書番号四六ないし五〇を一括して議題とし、そのうち番号四七の事項について特に詳細な説明を伺います。
○上村会計検査院説明員 四七号について御説明いたします。四七号は連合国軍に使用された資材の補償金の支払いに関するものでありまして、昭和二十年九月二日に連合国軍が昭和飛行機工業株式会社の東京製作所の土地、建物を接収しまして、それから二十四年十一月三十日まで軍が使用した間に、昭和飛行機工業株式会社の所有に属する鋼棒ほか二千三百七十一の資材について一億五千三百六十六万二千百二十円を同会社に補償しました案件であります。当初この資材は国有のものであるということで軍が使用していたものでありますが、その後会社のものであることがわかり、会社の方からも請求がありまして、軍に要求しまして支払われるに至つたのであります。それで一億五千三百万円を計算するにあたりまして、調達局側におきましては、二十三年三月三十一日までに払い出した分については同日現在の統制額によつて計算されております。その以後二十四年十一月二十三日までの分については、二十四年十一月二十三日現在の統制額、この二口の統制価格によつて計算されておるのであります。私の方では二十三年三月三十一日までに一本でなくて、払い出された時期別の数量が二十一年の二月以前と以後にわかつておるのであるから、その分については実際に使用せられた時期の資材の価格によつて補償すればよろしい、こういうふうに考えておるのであります。そういたしますと、一億五千三百万円から約八千九百万円を減額することができるのであります。この点につきましては、軍が当初使用いたしまして、あとで二十五年三月二十二日に確認調達要求書として出たわけでありますが、その確認調達要求書には、この調達要求は極東空軍部隊より会社の資材の先買いをカバーするため発出したもので、一億五千六百九万四千八百八十円を越えない額を補償する権限を与える、そうして受払い日は二十年九月二日から二十四年十一月、こういうふうになつておりまして、最高限度が一億五千六百万円に対して、調達局の方ではその以下の一億五千三百万円を支払つておるのでありますがこの確認調達要求書にも払い出し時期を二つにわけるということが記載してありません。ただいま申し上げましたように、いつからいつまでの間に使つた、こういうことがあるわけであります。そうして附属書によりますと、実は検査報告のうしろに書いてある二月八日というのが、ちよつと間違つておると申し上げた方がいいかと思いますが、二十一年二月十六日までに払い出されたものと、それから三月末日までに払い出されたものと、二十四年十一月までに払い出されたものとの区分が、附属書に明かになつておるのであります。それでそういう場合には従来ここに書いてあります松下飛行機株式会社の場合におきましても、実際使用した時期の価格によつて補償されておるというのでありますから、やはりこの場合にもわかる分はわかるようにして払う方がよろしい、こういうことを申しておるのであります。
○田中委員長 ただいまの説明について調達庁当局に説明があれば発言を許します。
○山内政府委員 今の四七の問題は、結局調達の時期というものはいつなのかということが問題の焦点じやないかと思うのです。これは終戦直後軍が不当専用したもので、その後に調査の結果昭和飛行機株式会社の財産であることを確認いたしまして、昭和二十五年三月になつて、ようやく確認のPDが発出されたような状態であります。それに対してしばしば申し上げるように、軍の支払いの基礎になります受領証はどうかと申しますと、受領証では昭和二十三年三月三十一日以前及びこれ以降の二期に区分して認証されておりますので、調達庁としては、ほかにこの価格を算定する基礎の時期が考えられない。やはり調達の時期は、ここにとるほかないと思いまして、この二期の末日を基礎として価格を査定したような次第であります。なお、これについて、いつをとるべきかという正式にきまつたものとしては、昭和二十三年の九月ごろでございますか、大蔵省の管財局長から通達で、確認PDに対する受領書によつてきめてあるその時期を言うというような解釈が下されておるわけでありまして、検査院の御指摘になつているスリツプが出ているが、その日でもいいのじやないかというお話もありますが、これは、ただ軍の内部のものであつて、場所を移動するとか、内部的な伝票のようなものでありますので、これに書いてある時期をもつて調達の時期と判定するということも困難かと思いまして、そこで今のような処置をとつたような次第であります。
○松本(七)委員 この付属書に書いてある時期を、調達の時期と判定するのは困難だと言われますが、しかし実際には付属書に書いてあるものは、調達の時期を示してあるものじやないでしようか。
○鈴木説明員 調達庁の見解はその通りなんでございます。検査院の御指摘を別に御解釈になつておるんじやないかと思います。
○上村会計検査院説明員 ただいまの点でありますが、ここに実はPR——プロキユアメント・レシートの写しを持つておりますが、これによりますと、受領した日付としまして、一九四五年の九月の二日から棒がひつぱつてありまして、一九四九年の十一月の二十三日まで、こういうふうな記載があるわけであります。これがあるだけで、あとはただいま申し上げましたように、付属書に時期が三つに区分してついておる、こういう次第でありますから、やはり時期がわからなければ別ですけれども、時期がわかる以上は、その時期によつてやつた方がよろしい、こういうふうに思うのです。
○松本(七)委員 調達庁の方でも、付属書の三つの時期を認められるならば、これを実際の徴収の時期として計算されることが可能じやないですか。
○山内政府委員 イツシユー・スリツプに書いてある日も、これに日付があると思いますけれども、これは内部の場所で移動するだけのものであつて、業者のものをいつ調達したという日付を判定する資料にはならぬと思います。
○松本(七)委員 そうすると、場所を移動する日付ということは、すでに調達を完了したものとして考えられるのでしようか。
○山内政府委員 私、実情に少し暗いので、当るかどうかわかりませんが、軍の内部の方で、ただ品物をどこに持つて行くというだけのものであつて、それは調達の時期を判定する資料にならぬ、こういうふうに私は解釈いたしております。そこで、レシートにある日付、これはたまたまはつきりした日付がなくて、二期にわかれておつたから、その最終日をとつた、こういう事情なんであります。
○鈴木(正)委員 この昭和飛行機株式会社の資材は、初め国家の資材というつもりで占用しておつた。ところが後に会社の資材ということがわかつたから補償したのだ、こういうケースだと思います。私は、戦争から敗戦に至る過渡期において、国家財産が、ある個人もしくは会社の財産として認定せられた過程において、国家が非常な不利益をこうむつておるということを常識的に考えておるものであります。この一億三千何百万円という補償をした昭和飛行機株式会社の資材と称するものが、はたして会社の資材なりやいなやということに非常な問題があると思うのですけれども、これは一つのケースであつて、これと類似のケースは、全国至るところに数多くあると思うのです。そこで当時の実情からいえば、軍の資材を会社に託しておいたが、軍がめちやくちやになつたから、軍から託された資材を、ただちに会社の持物として計算するというようなことが多かつたと思うのですが、この会社に補償を与えるにあたつて、国家の資材ではない、これは会社の資材であつたということを認定するに至つたこまかいいきさつ——どういうふうにして認定したのか、あるいは会社の持つておる全財産を会社のものと認定したのか、その中のどの部分だけが国家の財産であつて、どの部分だけが会社の資材であつたというふうな区分をせられたものか、そのいきさつを一つのケースとして、少しく詳細に、私聞いておきたいと思うのですが、おわかりになりますか。
○山内政府委員 今ここに十分な資料の持合せがないようでありますから、あとで調べてお答えしたいと思います。
○鈴木(正)委員 詳細にお調べ願います。これは戦争から敗戦後にかけて国家資材をごまかされておる。これは今からでも、はつきりわかれば、国家に回収すべきものだと私は思つておるのです。この一つのケースが出て来たから、ここではつきりさせたいと思うのですから、なるべく詳細に、どういう手続で、どの部分が会社の財産として承認せられたのであるか。大体軍需会社が持つておつた資材の大部分は、代金を払わずして製品として受取るという建前において会社にただ与えておつた。いくさに負けたから、それを全部会社のものにしてしまつたというものが多い、これは容易ならぬ問題だと思うのです。
○根道政府委員 ただいまの御質問はまことにごもつともだと思います。もちろん調達庁として処置いたしましたにつきましては、まさしく会社のものであるという認定があつたものと考えます。これにもし誤りがあれば、将来に向つて当然しかるべく是正の道もとられなければならぬと思います。
○松本(七)委員 先ほどの問題ですが、事実実務上からいつておかしいと思うのです。受領証の方は、いろいろ調達して来て、そしてある二つの時期にわけて受領証で時期を明記するということはわかるのですが、先ほどの御説明ですと、実際にそれを動かす計画書というか、動かす予定の日付をつけたものだと御説明になつたように理解したのですが、実際に調達しておらないものは動かす計画を立てるわけがないと思う。受領証の方は、二つに区分してそういう受領証を出しても、実際に徴収しておればこそ、そういう場所を動かす計画も出て来るわけです。もしそういうことが全然実行されておらないものならば、付属書の中にそういうものを書くはずがない。そういうことが明記してある以上は、念を入れて処置をする建前をとる限りは、すでに動かす計画ができておるのは、その以前に調達がされておると認定することが可能じやないかと思うのですが、この点はいかがですか。
○山内政府委員 非常に問題の点だろうと思うのですが、こういうこともあり得る思うのです。もともとこの資材は初めは軍が建物を不法占用したわけで、従つてその中にあるものが、はたして会社のものか、あるいはかつての日本の軍のものであつたかということすらも、初めはわからなかつた。だんだんと調査の結果は、あるものは会社のものであるということを確認したわけでありますから、相当後になつてからであります。従つて軍が建物を使う場合に、建物を接収しますと、使わずにじやまならば、調達する意思のあるものでなくとも移動するということは、当時はあり得たのではないかと思う。従つてただちに今のイシユー・スリツプによつてこれが調達の時期だと判定するのは、どうもそこに無理があるのではないか。ことに私どもが当時大蔵省の管財局時代に相当仕事に関与しておつた場合に、調達の時期というものはこういうものであるということを、はつきり局長名で下部機構に通達されておつたものですから、それに従つたままであります。
○松本(七)委員 ただいまの御説明には、検査院側として当然何か意見があると思いますが、いかがでしようか。
○上村会計検査院説明員 ただいまイシユー・スリツプの庫出伝票と申しましようか、その点の話がありましたので、私の知つておる点を申し上げますと、本件は昭和二十四年の八月ごろから二箇月間にわたりまして、軍の命令によりまして、中央調査庁が一応これを調査したわけであります。その当時はおそらくあつた、たろうと思いますが、軍の使用するとき庫出伝票をつくつておつたわけです。おそらくその調査のときにはあつただろうと思いますが、私の方で検査に参りましたときには、その庫出伝票がなくなつたのかどうか。まあ軍が移動した関係でもありますが、ありませんので、正確にいついつということは、今の庫出伝票では、現在においてはわからない状況になつております。おそらく庫出伝票を出しておるのは、自動車の修理工場として使つておつたわけですから、そういう関係上、ものを使う場合に庫出伝票を出しておつたのだと思いますが、庫出伝票ではわかりませんが、私の方で申し上げますのは、今の庫出伝票でいうのではなくて、軍のこちらに出て来ておる書類に三つの期間がわかれておるから、それで三つの期間をとつたらまかろうということで、庫出伝票ではちよつと今補足することは困難なわけであります。
○松本(七)委員 そうすると、今検査院側で言われる三つの時期と庫出伝票との関係はそれでわかつたのですが、調達庁の方ではその三つの時期についてはどうでしようか。
○鈴木説明員 私どもの方ではそういう文書に解釈される。つまり昭和二十三年三月三十一日以前とそれ以後、こういうふうに解釈すべきだと考えております。
○松本(七)委員 それは解釈されるについて、ただ大蔵省からそういう受領証でやるという指示があつたから、それでやろうと言われたのか。大蔵省の通達にはそういうものがあるけれども、たとえば今検査院で言われるような、軍のそういう書類に三つの時期がわかるようなものがあれば、そつちに従つた方がいいではないかという意見が当然あるわけですから、かりにそういうものがあつても、大蔵省の通達に受領証によつてやるということが明記してあるから、これでやるのだという御意見かどうか、これをお伺いしている。
○鈴木説明員 これは実は内容の問題になりますが、時期を区分するのに、いつからいつまではどれだということをはつきり区別できる分は区別しなければならないと思うのでありますが、この三月三十一日以前の問題につきましては、イシユー・スリツプそのものの根拠が非常に影が薄いのでありまして、そういうことの手続なしに動いたものもその時期がわからない、こういうような事情でありまして、この問題につきましては、実は軍の方に相談したわけなんです。そうしますと、軍の方の考え方は、イシユー・スリツプとは何ら関係がないのだ、確認のできないものはこの文書の解釈によつてやつてよろしい、こういうような話でありまして、そういう処置をしたわけであります。それからこの内容につきましては、特別調達委員会が総司令部の中に設置されまして、そこで調べ上げられたものであります。このことを申し上げておきます。
○松本(七)委員 そうすると軍の方と話し合つて、もしももつと明確な時期を定めることができれば、それでやろうという努力はされたのですか。
○鈴木説明員 その根拠がはつきりしておりますれば、当然できたのでありますが、はつきりいたさなかつたわけであります。それで松下飛行機の例がありますが、これはハンド・レシートというのは仮受領証でありますが、はつきり日にちが書いてあつて、いついつ受取つたのだということを業者に渡してあるのです。でありますから、これをもとにして正式の手続をしていただいて払つた、こういうわけです。
○大矢委員 この報告書によりますと、八千九百万円からの節減ができたと書いてある。それに対して先ほど来の答弁を聞いておりますと、これは間違いないのだと言つている。それから松下の例も引いて、これと同一にやるならばこういう問題は起きなかつたのだという報告書が出ていて、ほかの案件に対してはたいてい遺憾であつたとか、今後注意しますとか言つているのに、これに限つて、九千八百万円もの節減ができたというのに、いや、そういうことはできぬと言つておるが、今なおそういうように考えておるか。そういうやむを得ざるものに対して検査官がこれたけの節減ができると認定したことと、どつちが正しいのか、われわれにはちよつとわかりかねる。たいていの説明書には遺憾であつたとか何とか書いてあるけれども、しかもこれは松下の例まであげて、こういうようにやればこういう損害はなかつたと書いてあるにかかわらず、それに対立していや間違いなかつたと言つている。片方はいや間違いだと言つている。この点は相当期間がたつておりますから、その後こういう報告書が出てから調べたのか。今なお両方ともそう考えておるのか。これは質疑応答を私どもが聞いておりますと、どつちも正しいと言つているので、どつちを信用していいかわからぬ。その点で相当期日もたつておるのですから、今なお双方そういうことを考えておるか。
○迫水委員 関連して……。これはおそらく専門員の手で責められたんじやないかと思うのです。決算委員会が専門員にこういう場合に発言をさせることが委員会としていいか悪いかわからぬのですけれども、おそらく何か研究されているんじやないかと思うのですが、もしそういうしきたりが許されるならば、専門員の方の御意見というものを一ぺん聞いてみたらどうです。
○田中委員長 迫水委員に申し上げますが、前の委員長がこういうことに対する調査を厳重にせよというような命令をしなかつたものだから、いわば雑な調査をしておるので、政府委員と会計検査院の程度を越えるようなことは、ちよつと知つておらないということであります。そこで委員長から命令すればこれに対する調査をしてもいい、そうして説明したい、こう言つておるのですが、いかがでしよう。
○迫水委員 私はさつきから話を聞いておりまして、もしこれが一々委員長の発言の許可を求めて、質問したり答えたりするようなかつこうでなかつたならば、この席で会計検査院と特別調達庁と議論してもらつて、われわれ傍聴しておつてどつちが正しいかを判断すれば一番簡単な気がするのです。そこでそういうことはこの委員会としては形式的に許されないとすれば、一応委員長から専門員に両方の言い分をよく聞いてもらつて、それで専門員からわれわれに対して意見を報告してもらつたら事柄は明瞭になるんじやないかと思いますが、もし私は皆さんの御同意を得られればそういうふうにしたいと思います。
○松本(七)委員 これは大矢委員の質問に対する答弁を一応してもらつてからのことにしたいと思うのですが、ただいまの御意見の専門員の意見を聞くという機会をなるべく私は多くすべきだと思うのです。しかしこの問題は今のところまだ十分な調査がないといわれるので、その点は今後調査していただいて、また発言していただいてけつこうですけれども、しかし今迫水委員の御指摘になつた程度のことは、これはすでに検査院側の説明あるいは特別調達庁側の説明あるいはわれわれの質疑応答の間に、ある程度の意見というものは専門員でもわかるだろうと思いますから、詳しい調査の上の説明はあとに譲るとしても、この問題に関する限り何らかの御意見を聞かしていただければ一層けつこうだと思います。
○田中委員長 それでは大矢委員のさつきの質問に対する答弁を要求します。これは重要な問題ですから……。
○迫水委員 要するに大矢委員の質問は一体会計検査院の言い分が正しいのか、調達庁の言い分が正しいか、どつちかということなんです。おそらく答弁は私の方が正しゆうございますと両方で言うだろうと思うのですけれども、そこでひとつ……。
○大矢委員 ぼくの質問ちよつと不徹底だつたかもしれませんが、ここには明らかに松下飛行機の事例をあげて、こうしたらばよかつたと書いてある、一方の方は松下と事例が違う、従つてこういうことになつた、こういつている。それからさつき申しましたように、ほかの各省の検査官の決定に対して、たいていは遺憾であるとか、今後注意するとか、必ず末尾には書いてある。ところがこれに限つて何も書いてない。しかも額面が八千九百万円から、一億円近い金が、これは間違いであつたとか、これは依然として正しいのだ。また専門的の人が大勢かかつてこういうことを調べて、これだけの数字は間違つておつたときめつけて、しかも松下通りやつておつたら、こんなことはないといつた事例まであげている、ところがそれは違うといつているが、松下と今度の事件がどう違うかはすぐわかるはずだ。しかもそれから期日がたつておるから、この説明書に対してさらに準備しているはずだ。一方はきめつけている、一方は違うんだといつている、両方ともこれを出すのに相当日にちがたつておるから、調査されて今後意見がかわつたかどうか、かわらぬというならばもう一ぺん私どもが調査する必要がある、こういうのです。
○山内政府委員 報告書の中に書いてある書き方につきましてですが、私ども非常に遺憾であるということを書いてあるのは、検査院の御指摘の通りの意味であります。ただ事情を御了解願う意味に多少書いてありますけれども、結論としては検査院の御指摘の通り、申訳ないという意味でございます。それから書いてないのは、金額に影響するところがいかに大きいか、私どものやつた取扱いが妥当であると解釈したものについては書いてないのであります。ただここに大きな問題について、特に松下飛行機の例まであげてあるのは、先ほど私どもが説明するのは、どこまでも受領証に書いてある日付によるのだということを強く申し上げたわけですが、これも実情によつて受領証に書いてある日付じやなく、もつと正しい何か判断の材料があれば従つてならぬことはないと私ども考えております。そこで何かの都合で正式の受領証じやなくて、ほんとうの権威ある人じやなく、現場の係官が仮受領証のような意味で出した文書があれば、その日の方がむしろ実際に合うわけですから、それによることもできると解釈しておる次第であります。たまたま松下飛行機についてはそういうものがありましたから、このハンド・レシートに書いてある日付によつて算出したという意味で、こういうのでもあればそれに従つていいのだけれども、それも何もない、そういう意味で例示した次第であります。
○松本(七)委員 これは松下の場合のごとくハンド・レシートがないから、従つて軍の受領証の示す期日によつて二期にわけたのだ、それでハンド・レシートがないからやむなくそういうことにしたというのならまあ事情はわかるわけです。はたして別な書類がはつきりした時期を知るものがない場合でやむなくそうしたということならわかるのですが、この説明によると、「これら資材の価格の算定については連合国軍がこれら物件を調達した時期を基準として行つた」こう書いて、その根拠として「軍の受領証に示す期日により、」云々としてある、だからこれだと漠然としたこの二つの時期を調達した時期だと積極的に認定しておることになる、そこのところがおかしいじやないかと私言うのです。このハンド・レシートがあればもちろんそういうことがはつきりするわけです。ないのですから調達の時期というものは実際にははつきりしないはずだと思う。受領証の時期をもつて調達の時期とすること自体に無理があるのじやないか。しかしハンド・レシートがあればその時期を明瞭にすることができるけれども、不確実だけれども、やむなくこれによつたというならば、もう少し別のものが基準として認められるかどうかという問題になつて来るわけですけれども、そうでなしに、この時期をもつて調達の時期と認定できるというふうに説明されると、私どもにはちよつと了解できない点があるのです。その点いかがでしようか。
○田中委員長 そこで、調査をさせる上にちよつと調達庁の意見を聞きたいのです。御承知のごとく、一億五千万くらいの金額のうちの八千万から減ずることができたというようなものを、よけいに民間の会社に渡しているということの意味ですが、これは社会的に見てもちよつとおかしなような感があるのです。あなたの方で、これに対してまつたく遺憾であるということならば別ですが、あくまで主張されるならば、今言つたように、迫水委員の御要求によつてこれを専門員に徹底的に調査させてみたいと思います。
○迫水委員 どうも調達庁の説明で私のふに落ちないのは、ハンド・レシートという仮受領証でもあればそれによるが、それがなかつたからそれによらなかつたのだということ。普通の考え方ならば、ハンド・レシートでもあつて、そういう有利な証拠があればそれによつてやつてもいいが、それがないのだから軍の出したレシートによつてやるのである。そして、ハンド・レシトーでもあれば——特別な材料でもあれば有利になるというならば話がわかるが、そういう特別な材料があると不利になる、何かそこのところが私にはふに落ちない。お金というものは、なるべく適正に安く払うというのが建前であるべきなのに、逆に言えば、そういうハンド・レシートというような特別の証拠がないから、それを奇貨おくべしとなして高く払つたというような印象を受けるのですけれども、まさかそういう気持があつたわけじやないでしよう。そこで私ちよつとうがつたような話を聞くのですが、この問題を調達庁に持つて来てひとつやつてくれと言つた人がおるのかおらないのか。これはまつたく会社との間で事務的にやつたのかどうか。だれか仲介をして——そういうことはよくあり得ることだけれども、その人があつせんをしてこういうことがあつたのか、もしそういう人がいたとすれば、それはだれなのか、それをひとつ聞いておきたい。
○鈴木説明員 この問題当時、私は担当方面が違いまして、具体的に存じませんので、はつきりと申し上げられませんけれども、当時自分は工事の方をやつておりまして、これは備品関係だと思いましたので、当時の同僚の話を聞きますと、業者はまず軍の方に話を持つて行つて、苦情を持ち込んだそうであります。それで、調達庁の方にもちようどサービス関係で関係がありましたので、駐在監督官等に、こういうむちやをやつているのだというような苦情を伝えたというわけでありますが、当時は何しろ向うからPDが来ませんと実際の行動はできない。そこで、事の展開はすべて会社の方で、まず事情を軍によく認識させるというふうにやつておりました。それで、そういう事柄のゆえに、実は軍の方でも調査委員会ができて、そこで厳重に調査された、そうして相当長い間かかつてこの問題が解決した、こういうふうに聞いております。
○迫水委員 専門員に調査を頼まれるときは、委員長からそういうことまでも含めて頼まれることを希望いたしておきます。
○田中委員長 私調達庁の方にちよつとお聞きしたいのですが、何か品物を入れるにも——調達庁に何か入れるには、ブローカーといいますか、権力機関といいましようか、一応そういうような手を通さないとちよつと入らないというようなことを、われわれも実際において見、また聞いておるのです。しかも、今迫水委員の言われるように、何のあれもない一会社が、すぐに軍に行つたり調達庁に行つたりして、一億からのものが、会社対調達庁において直接できまるということは、今までの役所の関系をいろいろ見ますと、一応常識上考えられない。そこであなたの方はどうですか、ここで何も隠す必要はないから、だれに頼み、だれが中へ入つたと言われたらどうですか。調査が済んでからそういうものが出て来ると大きな問題になりますから、むしろここで迫水委員の質問にお答えになつたらどうですか。
○迫水委員 おそらく山内君は当時いなかつたと思うのです。だからこれはよく調べてもらつてからでいいのです。ただ私は官僚の出身として、今委員長が、役所はブローカーを通さなければ動かないのだと言われたことについては、若干の異議があります。そうでないものが正当であるという抗議を申し上げておきます。
○松本(七)委員 私のさつきの質問にまだ答えていただいてないので、もう一度お聞きいたします。この説明によると、「連合国軍がこれら物件を調達した時期を基準にして行つたもので、」ということですが、それはハンド・レシートでもあれば、その調達した時期ははつきりわかるはずだけれども、ここにはそれがないという。だいから後に軍の出した受領証に示す期日によつて云々としてある。ハンド・レシートがなければ調達した時期というものがはつきりしない、それなのに、この後の軍の受領証に示した期日をもつて調達の時期と断定したところに無理があるのではないかと私は言うのです。ですから、何らかほかに、実際に調達がいつごろ行われたかということをもつと調査する必要があつたのではないかということと、また、いろいろ調査をするなり調べるなりを何かそこにやられたのかどうかということ、そういうことをお聞きしているわけです。
○山内政府委員 これは後になつて正式受領証が発行されておりますが、相当さかのぼつておりますし、迫水委員から言われた通り、私実は地方にばかりおりまして、中央の全体の事情は全然わからないのであります。こちらへ来てから相当勉強はしたつもりでおりますけれども、なかなか件数が多いので当時の状態はよくわかりません。ただ非常にさかのぼつて出ておるということと、それから今鈴木説明員の話にありましたように、調査委員会をつくつていろいろ慎重に調査したということから言いまして、ほんとうの時期はいつかということをかなり苦心した跡が見えるような気がするのです。でありますが、結局当時の状態では、個々の品物についていつ調達したかという時期が具体的にわからないものだから、そこで抽象的にきめて、調達の日時は書いておりませんけれども、受領証には二期に区分して出たということじやないかと思います。ハンド・レシートのようなものがあれば、結果においてはあるいはハンド・レシートがあるために損をして、そうして、ないことによつて得をするというようなこともありますが、これは結果において損になるか得になるかということは、必ずしもそう重点を置くことはできないのではないか、要は調達の時期はいつかというとをきわめるということが一番大切なことであつたろうと思うのでありますけれども、遂に明確にわかり得なかつた。従つて、正式にレシートの日付が書いてないきわめて例外的なレシートだと思いますが、やむを得ず末期をとらえて計算した、こういう次第であります。
○迫水委員 今の御説明は大体一通りのことだと思うのでありますけれども、調達の明確な時期がわからなかつたからやむを得ずやつたとすると、もう一つの材料というものは会計検査院が持つておられるわけなんですね。ですから、どつちでやつたら国のお金がよけいかからずに済むかということが、調達庁としては考えらるべき一つのポイントではないかと思うが、お金というものは、払わないで済ませるものならば払わないでいいという、りくつというか何というか、そこら辺に何か割切れないものがあるので、ひとつよく調べていただきたい。
○鈴木説明員 実はこの問題、非常に申訳ないのですが、あまり疑いを持つておりませんので、別段特別の用意をして参りませんで、十分お答えできません。私当時の担当官でもありませんので、あまり立ち入つた御説明は、全然今まで申し上げた以上に、何も存じ上げないわけであります。それでこれはさらに事情等をもし御調査のあるときは、協力させていただきまして、お答えいたしますし、また日をあらためて御説明申し上げさせていただきたいと思います。
○田中委員長 それではどうでしよう、委員諸君、調査させますか。 〔「させた方がいいな」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 それではこの事件について、決算委員会の職権によつて、委員長が皆さんの代理をさせていただきまして、専門員に厳重な、詳細な調査をいたさせて、御報告いたすことにいたします。
○鈴木(正)委員 私はこの問題について、先ほどちよつと言つたが、会社の財産と認めて、これだけの金額を補償した、その認め方が問題だと思う。これはあちこちにあつた例と思いますけれども、私どもの知る限りでは、また大きな会社ではないけれども、小さい工場で海軍の洋服を縫つておつた。ミシンも海軍から借りて、洋服の生地もみな海軍から借りて、縫つて納めるという仕事をしておつた。終戦後ごたごたになつたものだから、その生地も、ミシンも全部自分の財産のようにしてしまつたというようなもの、があるのです。私はこの軍需工場というものにある資材というものは、大体は国家の資材であり、軍の資材である。その軍の資材を何かどさくさまぎれにこういうふうに認めたという、その認め方が問題だと思うので、その詳細な報告を調達庁の方からも得たいと思つたのですが、今その後に考えますと、会計検査院の方では、こういうケースは今まで、たくさんお調べになつたものがあるのじやないかと思うのです。ここで出たのはこれだけですけれども、今までの会計検査の上からいつて、国家財産か私有財産かということについての検査は、なかつたことがあると思うのです。あつたならば、その過去の記録でもけつこうだから示していただきたい。今まで全然こういうことについて検査の目を向けたことがないのか。もし全然目を向けたことがないとすれば、会計検査院というものは、ほんのわずかな役所の出入りのことだけを考えて、こういう大きな点についてはまるで抜けておるということになると思うのですけれども、こういう国家財産か、私有物かということについての調査を、一体なすつたことがあるのですか。あつたならばその事例のお示しを願いたい。
○上村会計検査院説明員 調達庁の方の補償の関係としましては……。
○鈴木(正)委員 私の言うのは、それに関係なしに、今まで長い間終戦以来の会計検査の中に、これに類似したようなケースで、国家財産か、私有財産か、その私有財産と認めて補償したとかいうような検査のケースがありますかどうかということなんです。
○上村会計検査院説明員 終戦後、ただいまお話のように、会社にあつたものが国のものというような場合も相当あるだろうと思います。それについては私担当して検査しておりませんので、よくわかりませんが、その分について国のものかどうかというような点は、検査しておるはずだと思つております。 それから補償の方の関係から申しますと、これは補償が相当遅れておるとかいろいろな関係がありまして、これくらいの例しか現在のところは出ておりません。
○鈴木(正)委員 あなたが直接お調べになつておらなくとも、会計検査院には私はあると思います。あれば、どういう事件でどういう処置をとつておるかということを、詳細になるべく書類で出していただきたい。
○上村会計検査院説明員 ただいまの点は、帰つて調べることにいたします。古いこともありまして、どの程度書類がそろつておるかということはちよつとわかりませんが、できるだけ調べまして、書類がありますれば、納得の行くようにお出ししたいと考えております。
○松本(七)委員 もう一点伺つておきたいのですが、はつきり調達の期日のわかつたものならば問題ないわけですが、それがわからない。ハンド・レシートもない。そういう場合に、なぜこれを無理に払わなければならぬかということが、最後の問題になる。できるだけこういうことはきちんと、いやしくも国の金を払うのですから、はつきりした調達の時期を突きとめて、そしてそれにそのときの適正価格を適用するということでなければならない。そういう証拠書類なり、ハンド・レシートがないにかかわらず、漠然とした時期を基準にして、払う必要がどこにあるか。むしろこういう場合はそれをはつきり調査して、突きとめるまでこれは払うべきものではないのじやないかというような気がするのですが、そういう点についての調達庁側の御意見を伺いたい。
○山内政府委員 今のお尋ねの前の問題で、こういうようなものを何とか中央なりあるいは検査院の方で調査したものがないかということでありますが、中央経済調査庁で、こういう軍のものか会社のものか不明のような事態が非常に多かつたので、相当大がかりで調査したように聞いております。従つてその資料は、おそらく調査庁、そのあとを引継いだ役所で持つておると考えております。 それから今のお尋ねでありますが、先ほどから申し上げる通り、これは非常に権威ある調査の結果、軍も立ち会つて長い間調査の結果、これは会社のものであると判定されましたために、調達庁としては、むろんそういう権威ある官庁なり、あるいは軍も入つた委員会等で調査したものでありますから、それを会社の私有として認めたようなわけであります。そこで問題は元に返つて、会社のものであるということがわかつても、軍がいつ調達したかという時期が、先ほどから申し上げる通りはつきりしない、そこで軍のレシートに従つた、こういうわけでございます。
○松本(七)委員 私の聞きたいのは、はつきりしないのに払う必要があるかということなんです。払うことを前提にして、そうして時期がはつきりしたいから、あとで出した軍の受領書でやるということよりも、はつきりしないならば、それをはつきりするまで、支払いしないということの方が当然な措置じやないか。この点についての御意見を伺つておるのであります。
○山内政府委員 非常に微妙な問題でありますが、そういう場合には軍のレシートに基いてやる、こういう一種の至上命令のようなものが調達庁に対してはありましたので、それに従つた、こういう事情であります。
○松本(七)委員 その至上命令というものは、どこから来たのですか。
○山内政府委員 それは軍のそういう方面を担当しておる責任者の方から出るものであります。
○松本(七)委員 それは命令の趣旨というものは、この前も問題になりましたように、なるべく日本の経済建直しに役立つものはどんどん処分し、あるいは処置を早めるというような趣旨でおそらくあつたものだろうと思います。しかしそれをやるにしても、適正な価格でやるということがあくまでも建前でなければならぬ。国の財産あるいは金を預かる者としては、当然その建前に立つのがほんとうだと思います。ただそういう命令があつたからといつて、明確な調達の時期もはつきりしないにかかわらず、それをやるということは、これは行過ぎではないかと思います。
○鈴木説明員 調達にあたりましては、実は二十三年の九月六日付で総司令部の覚書一八七二というものが出まして、これで一切の終戦処理費の支払いはPD、PRの二つの要件を備えたものでなければ払つてはいけない。また逆にいいますと、PD、PRによるものは払つてよろしい、こういうような大方針がきめられたわけであります。これ以前におきましては、いろいろの軍の命令は、ある場合には口頭で、ある場合にはまつたく正式でないメモ等によつて調達の払渡しがあるのでありますが、このときから軍の方の方針は、正式の手続によるものでなければできない、こういうふうにきめたわけであります。従つてこういう方針によりまして、われわれの支払いというものが一切規制されておりましたので、この書類の上で明確でないものを払つたと言われますけれども、形式的に見ますと、これに示された時期、あるいはきわめてルーズに考えましたならば、これに示された一番最後の時期があるいは調達の時期という解釈ができるかもしれないと思うのであります。私担当官でありませんのでわかりませんが、おそらく二期にわけたということは、あとう限りの正確さにおいて、その当時において判定できる資料に基いて、国の予算を節減しようとする方針に出たのではないかと考えられるのであります。これ以上のことにつきましては用意がございませんので、この次調査して参りまして、お答え申し上げます。
○松本(七)委員 軍の方から払つてよろしいということと、そういう条件をそろえたものは一刻も早く払えということは大分違うので、こういう条件が備わつていないものは払つてはいけない、条件が備わつておるものは払つてよろしいというのですから、その中で確実なものを払つて行くのが担当者の責任だろうと思うのであります。そこで依然として問題は残るので、何か軍の方からこの事件について、そういう場合に——これはたとえですが、こういう調達の時期が不明確だから払わずにいる場合に、こういう事件については早く払えという具体的な個々の命令でも来たものかどうか、その点を明らかにしてもらいたい。
○鈴木説明員 そのことにつきましては、先ほども申し上げましたように、この問題をいかにするかという際に、東京局においては調達部の派遣担当官が相談しているわけであります。それで向うの意見も、きわめて不完全なものを根拠にする調達上の理由は全然ないのだ、こういう意見でありまして、この扱いにつきましては、軍側も調査がいるという。それからPDの支払いというのは——一応PDというものは当時におきましては、軍の要求であり、その要求が充足されたという軍の意思表示を、よほど明確な根拠なしには、われわれとしては否定できなかつた、こういうわけであります。この場合は要するにきめ手がない。きめ手がないままに一応最も国の支出を少くする場合において決定した、こういう考えでおるわけであります。 —————————————
○田中委員長 次に報告書五十八ページ、役務、報告番号五一ないし五八を一括議題に供し、そのうち五二、五三及び五八の事項について、特に詳細に説明を願います。
○上村会計検査院説明員 五二号の案件から御説明いたします。五二号の案件は、味入ドラムカン等の海上輸送代金の支払いにあたつて処置が当を得ない、こういう案件でございます。この案件は非常に複雑でありますが、二十五年の五月に随意契約によつて日新運輸倉庫株式会社に請負わせまして、味入ドラムカン及びばら石油等の管理、保管及び海上輸送その他役務の代金として、六億三千二百十二万五千四百三十四円を支払つております。ここで取上げておりますのは、そのうち四億四百六万三千七百五円の分について、問題を取上げておるのであります。その差額の二億二千八百万何がしは、これは海上輸送ではありませんで、陸上輸送及び管理、保管関係の経費であります。この分は一応除外して、取上げておりません。四億四百万円は海上輸送の関係でありまして、この経費をわけて御説明いたしますと、四億四百万円のうち味入ドラムカンの輸送代金が二億三千四百三十九万七千余円であります。それからあきドラムカンの輸送経費が千百六十三万六千余円であります。それからばら石油の輸送費が一億五千八百三万余円でありまして、これを合計しましたのが四億四百万円になるのであります。それでここのうちの第一のところで取上げておりますのは、味入ドラムカンとあきドラムカンの輸送費を足しました二億四千六百余万円について取上げておるのであります。この経費は海上輸送につきまして、各方面別に単価契約をいたしまして、実績に応じて請負代金を払うという仕組であります。 それでここに書いてありますことは、ちよつと書いてあるところがおわかりにくいかと思いますが、代金のきめ方はただいま申し上げましたように、方面別にきまつておりまして、実績によつて払うわけであります。そのうち例をとりまして御説明いたしたいと思います。これは横浜の松方というところから横浜港内各地に運送する分であります。その契約単価が二百二十三円二十七銭になつております。それの出し方は、二十四年八月の統制額、これは廃止されておりますが、この基本料金から一級品の海上運賃の二割引、すなわち三百八十三円というものに、海から川に乗り込む経費を足しまして、これが危険品であるからというので、危険品の割増しを一一〇%ほどやつておるわけであります。それに代行手数料というものを足しまして、大体において松方から横浜の各基地——軍の基地でありますが、軍の基地までは平均四マイルあるということで、四マイルで割りまして、ただいま申し上げました二百二十三円二十七銭というもので契約しておるのであります。そこでここに取上げておりますのは、基本料金が三百八十三円というふうに廃止された統制価格の二割引きにしておりますが、この二割引きをしましたものについて、二十五年の三月——本件の契約以前でありますが、別に機帆船役務提供に関して二十の業者を集めまして、基本料金に対する——この三百八十三円に対して、どれくらいに請負つてくれるかということを見積り合せをさせましたところが、この統制価格から二割引いたものの、最高は七五%、最低は三〇%で、本件の請負人は七二%引きでよろしい、こういうことにしておるわけであります。それで調達局の方でとられるように、廃止された統制価格の二割引きを基本にされておるけれども、雑貨について見積り合せをされたものについては、本件業者は七二%引きでよろしい、こういうふうに言つておるのでありますから、その点を参酌して契約をきめるべきである、こういうことを申しておるのであります。 それから次には、次の二のところに書いてあるのでありますが、これは代行手数料としまして、千百八十二万余円ほど払つたことになつております。ところが本件と同じような同種の機帆船の役務提供については、代行手数料というものは支払わないことになつております。だからこれは除いた方がよろしい、こういうことを申しておるのであります。 それからその次には三のところでありますが、この味入ドラムカンについて危険割増しというものを、総額では一億八百万円、運賃に対しまして一一〇%から九三・五%、九三・五%といいますのは、後ほど数量がふえたために多少味入ドラムカンについては単価を改訂されております。それで安くなつておるのでありますが、一一〇%どいうことを見ておられるわけでありますが、これも二十五年の五月に調達局で一般雑貨類の運賃減価率の見積り合せをされた場合に、味入ドラムカン及び弾薬の取扱いについては、危険割増しを運賃の四六%というふうに見積つておる状況であります。それだから一一〇%も多く危険割増しを見る必要がなかつた、こういうことを申しておるのであります。それでちよつと申し上げましたが、この輸送は、当初の予想よりは、朝鮮事変の関係で量が相当ふえましたので、味入ドラムカンについてのみは、当初の単価二百二十三円を百九十円三十銭に減額されております。そのほかのものについては減額されておりません。それで私の方で大体計算をとつてみたのでありますが、運賃の基本料金を、この請負人は別の方で七二%の減価率を認めておりますが、一応他の業者が七五%から三〇%となつておりますので、約五〇%くらい減額してよろしいという計算をとつております。それから代行手数料は全然いらないという計算をとつております。さらに危険割増しは四六%程度をとつて、全体の計算をとつてみますと、約四億四百万円に対して一億三千万円くらいは高いのじやないか、一応こういうふうな計算になります。 それから本件は、海上関係につきましてはあとの方に書いてございますが、実際の業務は請負会社がやりませんで、日新機帆船株式会社と昭和油槽船株式会社に下請さしておるのであります。そして下請に払つておりまする金が調達庁から四億四百余万円を受取りまして、二億八千三百余万円を払つております。その差額が約一億二千万円くらいになつております。以上申し上げましたように、契約をきめる場合に、当時の機帆船の運賃状況を考えて、もう少し安くやつたらよかつたろう、こういうふうな考えでございます。
○田中委員長 政府当局の補足的説明があれば、発言を許します。
○山内政府委員 本件、特に五二番の横浜の海上輸送の問題についてでありますが、この問題については大体の考え方としては、結論としては、検査院の意向も非常に妥当な点があるとごう考えまして、十分検討の結果、業者と協議して、契約当初にさかのぼつて単価の切下げを行つた次第であります。ただ今お話のように、非常に大きな、検査院から見て差額のあるような御説明でありますが、私どもの方の見方では、必ずしもそこまでは行つておりません。ただいずれにしても少し額が高過ぎたというのはなぜかという問題——これは当時この仕事がまことに実例の乏しい、というよりはほとんどこういうもののない、きわめて特殊な役務であつたために、ほかに比較の対象もなし、また非常に複雑であつて、現状の把握も困難なために、十分な調査ができなかつた。自然公定価格を基準にして、今もお話のありましたように、ある金額をこの割合で差引くというようなことで、見積り合せによつて契約したわけであります。そういう事情から、自然若干高くなつたということと、それからもう一つは…(「若干じやないよ、一億数千万円じやないか」と呼ぶ者あり)あとで申し上げます。それからもう一つは、当初の契約をするときに予想し得なかつた、朝鮮事変関係で、非常に取扱い数量がふえたために、そういう点からも、当初契約の単価が少し高くなつた、こういう事情があつたのであります。そこで調達庁におきましては、一部契約単価が過大になつておるということがわかりましたので、業者に対してその旨を申し入れたわけであります。その申入れを業者においても認めまして、それから後のいろいろな請求書提出にあたつては、とりあえず暫定的に単価を切り下げたものによつて請求を行い、調達庁においても全面的単価の改訂を行うまで、やむを得ない措置として、一応暫定的の自発的に切下げたものを認めて、それから業者の請求によつてその単価で翌年二月までの支払いを行つたようなわけであります。二十六年の三月に調達局の新単価の査定がきまりましたので、二十六年の三月付をもちまして、二十五年四月一日にさかのぼつて、全面的に単価の改訂を締結いたし、取扱い数量を調査して、新旧単価による差額が三千七百二万七百二十九円六十八銭、こういう数字を算出いたしたわけであります。しかし単価改訂の前に暫定的に値引きした額が合せて二千六百九十八万一千八百六円六十一銭となつておりましたので、これを先ほどの三千七百余万円との差額、一千三万八千九百二十三円七銭、これを最後の受領書の支払い額から差引いて二十六年四月二十四日に支払つた次第であります。従つて全体として三千七百二万七百九十九円八銭を減額したような次第であります。
○田中委員長 本項について質疑はありませんか。
○松本(七)委員 単価の問題もいろいろあると思うのですが、こういう大きな支出をする場合に、機帆船もなければ油槽船もないようなところにやらせなければならない特別の事情があつたのですか。
○鈴木説明員 御説明申し上げます。大体機帆船、これはバージはしけといわれておりますが、自力で動くはしけの場合であります。これの分布がどうなつておるかと申しますと、これは大体一人の船主が一ぱいあるいは二はい船を持つて、そして一つの会社を構成しておるわけであります。こういうことのサービスの提供の場合は、そうした各会社の船を雇い上げて、そしてサービスを提供するということが実情だそうでございます。これは実はこの問題がありまして一年後、さらに二十六年度の契約の当初に、従来の業者の顔ぶれを調べて見ましたところ、そのうちの約七〇%くらいはもう名前がかわつておる、こういうようにはげしい仕事だそうでございます。
○大矢委員 今、日新運輸倉庫株式会社とか、こういう会社はあるのですか。
○鈴木説明員 ございます。
○大矢委員 それからここ一年ばかりの最近の輸送賃とこれと比較して、どういうことになつておりますか。
○鈴木説明員 実は二十六年の六月二十日から港湾運送事業法というのが適用されまして、これは各事業主が、基本料率というのがございまして、その上下テン・パーセントの範囲内において、自分の店はこれでやりますという届出をして、その届けた額を割つて仕事をする場合は罰せられる、こういうことになりました。結果から申しますと、この契約のありました当時は、そうした機帆船の輸送業務等は相当ダンピングもできるし、競争もできるというような状態にあつたのですが、現存の港湾運送事業法が発布されてから後というものは、認可された業者はこの事業法の適用によつてあまりダンピングせずとも仕事をとり得る、とらねばならない、そういう状態になつております。それで具体的にその料率がどうなつておるかということは、今資料を持つておりませんが、この場合は基本料金が相当上つておるわけであります。それ以外の危険割増し率そのものは非常に小さくなつておる、そういうふうになつております。
○大矢委員 この会社に支払つた金額と、それから他の昭和とか日新とかいう会社に下請負させて運搬させておりますが、その差額がこれによると一億二千万円からあるが、こういうものを請負つて、もちろん危険も負担しなければならないし、いろいろな費用もかかるだろうから、そのままというわけには参りませんが、これだけの費用で、一億二千万円も契約した人がもうかるという商売は、ほかにはないと思う。これについてふしぎに感じませんか。
○鈴木説明員 われわれはもうかるもうからないの問題は、ここではつきり数字を申し上げにくいのであります。ただこれをどういうふうに考えてやつたか、それから検査院の一億何千万円もうかるはずだと言われることも、ある前提に立つておるということをひとつお考え願いたい。そのことがはたして現在の取引の社会通念からいつて、正しいことであるかどうかということもお考え願いたい。また帳面を調べてみてもうかつておるからといつて、それを全部政府が甘いというようにお考えにならなければならないかということもお考え願いたい。業者の努力、創意くふうということもありましよう。一番先に部長からお答えしましたように、朝鮮事変の影響によつて、当初はあまり前年度と違わない仕事の量だろうというふうに考えておつたという事情があつたわけでありまして、最初からすべてを承知の上で甘いことをやつたわけではございません。この問題について検査院の御調査になりましたことを間違いとは絶対に申し上げません。またおつしやることを御無理とも申し上げかねると思いますけれども、ただ一応自分どものこれに対する考え方だけ、実際この仕事を担当して苦労した者たちのために言わせていただきたいと思います。実は検査院では、この業者がよその機帆船役務、これは雑貨輸送でありますが、その場合も入札をもつてこれと大して時期の違わないうちにやつておる。これより前にやつておると言われておりますが、私どもの調査では、実は検査院の方で安いと言つておられる見積り合せば三月二十四日でありまして、この契約の場合は三月八日にすでに実施しております。それから三月二十四日に安い方の見積り合せをされたのですが、その場合は軍の方から注意がありまして、五月十五日に御決定になつておる。これは非常に安いのでありまして、私どもから考えますとダンピングではなかつたかというふうに考えております。その証拠には、朝鮮事変の勃発以後そうした機帆船の仕事がどんどんありますと、よそのうまい仕事の方へ行つてしまいまして、軍の方では実際は機帆船ではなくして、いわゆるレツド・パージ、ひつばつてもらうはしけを使わなければならない。かつてPDの方でも、われわれの仕事の方でも、これではありませんが、はしけをどんどん使つたことがありますが、これはいろいろな事情がありまして、案外ダンピングではなかつたか、こういうふうに考えております。一億何千万円のうちにはそうしたダンピングをされた場合の標準をおとりになつて——検査院のお考えはごもつともでありますけれども、いきなりそれをもつて結論づけられますと、担当官がかわいそうじやないかと考えます。 それから代行手数料の問題でありますが、代行手数料も、実は一般雑貨の場合の入札の場合におきましては、入れないと言つたわけではありませんで、今回からは別扱いをしないぞということを仕様書で言つておるわけであります。ということは、入れないということじやないのであります。そういうふうにおとりになつたかと思いますし、また入札結果から見て入つていないというふうにお考えになつたと思いますが、少しくその辺の事情を御同情願いたいと思います。この代行手数料必要のゆえんというものは、すでに検査院にも御報告申し上げておりますけれども、これはやはりいろいろ事情がありまして、旧マル公の場合は、積込みの場合二十円、積みおろしの場合は十円、合計トン当り三十円、こういうのがきまつておりまして、それをわれわれはそつくりいただくのではなくて、これを各輸送距離の単価の中にこういう考え方を入れているというわけです。 それからもう一つ、危険割増しの問題でありますが、危険割増しというものはちよつとむずかしい問題でございます。ただここで一言申し上げさせていただきたいと思いますことは、従来こういう場合の旧物告におきましては、ガソリン等は一等運賃の三倍、こういうふうになつております。私どもの扱つておりますのは一・一倍と〇・九三五、こういうふうになつておるわけでありまして、必ずしも放漫政策一点張りでやつたわけではないのであります。これは一応業界の慣習というようなものを考えなければならないじやないかと考えたわけであります。危険負担は、事態が起きないからといつて必ずしも見てはいかぬ、こういうことにも行かないと思つて考えたと思うのであります。ただ私ども担当官のために、検査院の御批判を決してどうこう申し上げるのではありません。結果をお調べくださつたのであつて、非常にありがたい御教示と存じますけれども、担当官が決して最初からでたらめをやつたのではなく相当苦労しておる。最後にまたこの問題の契約公開をいたしまして、総計で三千七百万ばかり歩引きをさせるというような際におきましても、実はこの契約は、その年度におきまして——あとに続くもの全部そうでありますが、二十五年度におきましては、こういう契約は、軍の方でも予算計画が苦しくなつたものでありますから、なるべく単価契約にしよう、一番はつきりわかりやすいエンド・アイテムという単価契約にする、実費精算はいかぬ、もう一つは全部総括契約にしろ、こういうような方針であります。その中で実費精算的なものは司令部が特に許可したものに限る。で、単価契約は、その年間はかえないのだというような方針をかえない。なぜなればかわれば予算が足りなくなる。軍の予算のとりようがないというわけで、単価契約を主張し、単価契約の場合はかえないことを目的とするというような年度当初の方針があつたわけでございます。それでありますから、ある局におきましては、もう年間どうしてもかえられないような条件をわざわざうたつてしまつた局もあるわけであります。この場合も、実は軍の方では、その年度におきましては、単価をかえないという考え方でスタートしたのに、はからずも朝鮮事変が始まつて、ここにあげております一連の役務関係の問題は、次の五三の福岡の問題も、それから五四の横浜の日本石油の問題も、そうしたような思いがけない事情によつてかわつたために非常に不当にもうけさせることになつた。しかし最初の約束が約束であり、軍側はコントラクトはかけの始まりである、契約は契約であるという、こういうアメリカ流の解釈で、もう一回かえたいということをなかなか承知してくれなかつた。こんなような事情もあるわけでありまして、若干私どもの仕事のむずかしさ、勉強の不十分ということもありますが、そういう条件、状況の変化と重なりまして、それから軍内部の手続、契約上、われわれは強制的にかえさせることができない、こういう弱い立場でありましたために起きて来た一連の問題であります。
○鈴木(正)委員 担当官のやり方を弁護せられるお気持はよくわかるのであります。私は詳しいことはよくのみ込めませんけれども、会計検査院の指摘した、つまり危険率の負担、それが運賃の一一〇%または九三・五%これでやつた。ところが当時の実際は、味入りドラムカン及び弾薬の取扱いに関する危険割増しを運賃の四六%と見積つておる状況であると数字がはつきりしておるのでありますが、この当時のドラムカン及び弾薬の取扱いに対する危険割増しは、運賃の四六%というのがその当時の通り相場であつたということは、調達庁の方はお認めになるのですか。
○鈴木説明員 この問題は雑貨の機帆船の運賃であると考えております。それからこの場合は雑貨でありまして、その方にはこういうドラムカン等の輸送はない。弾薬は別の輸送業者がありますし、雑貨の輸送でありますと、せいぜいマツチくらいのものが危険品じやないだろうかと考えられます。業者自身もそう書いてあつても、事故はないんじやないかという想定のもとにやつておるんじやないかと考えておるのであります。
○鈴木(正)委員 そうだとすると、会計検査院の報告は、何かわれわれに錯覚を起させるような書き方だと思うのです。会計検査院の指摘の「一般雑貨類運賃減価率の見積合せにおいて味入ドラムかん及び弾薬の取扱に対する危険割増を運賃の四六%と見積つている状況である」というのは、その当時のドラムカンや弾薬の取扱いは、これが一般の相場だとわれわれに思わせるような書きぶりなのです。ところが今調達庁の方のお話だと、それは雑貨の問題で、味入ドラムカンとか弾薬の取扱いはそうじやなかつた、こういうふうにおつしやるようなのですが、一体どつちを信用していいのですか。
○上村会計検査院説明員 ただいまの点でありますが、ここに四六%と書いておりますのは、本件の請負業者が入れたのが四六%ということを書いておるのでありまして、このとき見積り合せたのは約二十名くらいでやつておるわけでありますが、その平均は四二%になつております。そういう関係から、大体その程度ならよかろう、こういうふうに考えております。
○迫水委員 今の鈴木委員の質問に対して、調達庁の説明は、一般の雑貨の運賃契約の見積り合せの場合には、マツチくらいなものか危険品であつて、味人ドラムカンとか弾薬は含まれておらないんだという御説明をされた。ところがこの会計検査院の報告では、明瞭にその見積り合せにおいて味入ドラムカン及び弾薬の取扱いに関する危険割増しを書いてあるが、一体どつちがほんとうなんだ、こういうお話なんです。
○上村会計検査院説明員 その点は当初御説明いたしましたように、書類によつて見まして約四六%、平均四二%は味入ドラムカン及び弾薬であります。それから今の点、調達庁の御説明の関係であろうかと思いますが、前の方の(1)のところに書いてあるのは、一般雑貨で、危険割増しが入つておりませんから、この点は一般雑貨の見積り合せになつております。
○鈴木(正)委員 調達庁の方は今の会計検査院の言明を御承認になりますかどうですか。
○鈴木説明員 これは六十一ページの五二の(3)に「一般雑貨類運賃減価率の見積合せにおいて味入ドラムかん及び弾薬の取扱に対する危険割増」というのですから、この入札の場合にこういうアイテムがあつてこういう入札がなされたと思うのです。その場合、弾薬とかドラムカンの扱いは実際ないということを業者が承知の上で入札したんじやないか、その結果四六%になつたんじやないだろうか、こう申し上げておるのであります。
○鈴木(正)委員 それは会計検査院の言うことと違うのです。会計検査院は、このドラムカンなどの運搬にあたつての入札が四六%だ、こう言つておると思うのです。
○上村会計検査院説明員 入札の場合には危険品が入つておることは間違いありませんが、今調達庁の方から御説明のように、業者が危険品の割増しだが、実際は一般雑貨だけだろうということでやつたということならば、私ちよつとわかりませんが、見積り合せの場合には、危険品が入つておるということだけは申し上げて間違いないと思います。
○鈴木(正)委員 本件に関して業者が危険率をどう計算——さつきの会計検査院の説明では、この運搬に関しての危険率の見積りを四六%とか四三%にしたと、私はそうあなたの説明を聞いておるのです。それは入札のときに何かにちやんと書いてあるはずだろうと思う。
○上村会計検査院説明員 これは調達庁で扱います場合に、本件以外にやはり同じようなことがいろいろあるわけであります。この見積り合せの四六%は危険品が入つておることは間違いありませんが、本件についてやつたのではございません。
○松本(七)委員 特別調達庁の方で言われるのは、結局一般雑貨とともに味入ドラムカンや弾薬などというものは取扱わない、こういう実情であるという前提に立つているわけなんです。ところが検査院側の御指摘によれば、この請負人の見積り合せにはそれが書いてあるということで指摘されておるわけですが、検査院側としては、実際に一般雑貨とともに味入ドラムカンや弾薬の輸送を取扱つておるという事実を突きとめられたのかどうか、ただ見積り合せに出ておるから指摘されたのか、その点をお聞きしたい。
○上村会計検査院説明員 この点は、実は私のところで申しておるのは、基本料金の方では雑貨で一応見るわけです。そうして雑貨と見ましても、これは危険品ですから、危険割増しで足していけばよろしい。もともと二十四年八月に廃止された統制額も、一応雑貨類全般としまして一級、二級というふうに統制額はきまつておるわけです。それで先ほど三倍とおつしやつておりましたのですが、それは結局一の運賃に対して二の危険割増しを、廃止された当時には見ておつたわけであります。それで基本の分については雑貨で一応見て行く、そして危険割増しは三のところで見て行くということで危険割増しを見る場合に、危険割増しが多かつた、こういうことを言つておるのであります。
○鈴木(正)委員 今の会計検査院の説明によりますと、何か会計検査院が故意にわれわれに錯覚を起さしむるような書き方だとぼくは思う。これは大体雑貨じやないんですからね。そこで初めから危険物であることはわかり切つていることなんです。その危険物であるがわかり切つているものを扱うときに、一般雑貨の中にこういうものが含まれておるというような形でこのパーセンテージを出すということは、四六%で済むのを一一〇%で見積つたことは不当じやないか、これは常識的に考えて明らかに不当だと判定しなければならぬと思うのですけれども、今のあなたの御説明は、だんだん怪しくなつて来て、これは一般雑貨の運賃減価率の見積り合せにおいてそうなつておる。この中には一般雑貨としてドラムカンというようなものも、弾薬も入つておる、こう言うけれども、それはパーセンテージの上から一般雑貨が九〇%であつて、ドラムカンとか、こういう危険物が一〇%しかないような場合を予想してこういうことになつたのか、あるいは全部がドラムカンとか弾薬とかいうような危険物の場合にこういう。パーセンテージが出ておるのか。もし後者だとすれば、この調達庁のやり方は不当だと判定しなければなりません。もし弾薬とかそういう危険物を専門に取扱つた場合の危険率の見積りが、四六%で済まなかつたとすれば、これは調達庁のやつたことがそう非難の材料にはならぬ、こう思うのです。そこで何としてもその四六%の根拠がいずれにありやということをはつきりとわれわれ察してもらいたい。
○上村会計検査院説明員 私の説明がまずかつたと思います。それからまた非常に事態が複雑なのをいろいろ書きわけている関係上、誤解を招く点もあろうかと思いますが、私の申し上げますのは、結局あとに書いてありますのは、弾薬なり危険品を積んだという場合——雑貨と込みでという意味ではございません。積んだ場合の危険割増しについて、見積り合せは四六%にしておる。これは時期は本件を契約したのちではありますが、当時の状況がそうであつたであろうから、相当注意すれば何か考えられる余地はなかつたか、こういうことを言つておるわけであります。それから誤解を招きましたのは、危険品の場合には、一般雑貨の運賃を出しまして、それに対する危険割増しを加えますれば、大体危険品を運送する運賃としては適正かと思います。それであとの四六%の点は、その危険割増しとしては四六%というふうに見積つておるから、大体当時の状況から判断して二〇%も認めなくとも済んだのではなかろうか、こういうふうに考えております。
○鈴木(正)委員 さつき調達庁の鈴木さんの御説明によると、危険物の危険割増しの運賃は三〇〇%ないし二〇〇%というような非常に大きなものであつたが、一一〇%ぐらいで行けば、これはこつちの方でよく見積つたんだというふうにも聞えた点があるのですが、その三〇〇%というのはどういう場合を言うのです。
○鈴木説明員 これは旧マル公の場合であります。マル公の場合のガソリン、揮発性にして爆発するおそれのあるような薬品、それから——今表を持つておりませんが、そういうものは一等料金の三〇〇%という規定になつております。しかし実は私この問題、とんでもないことを申し上げて火をつけておるようになつて申訳ないのですが、検査院のおつしやるのはそういう実例があるとおつしやつた。私はこの問題は旧物告においてもそういう慣例になつている。ただ検査院の方から四六%が正しいと断定されるのはつらい、こう申し上げておるのです。それは実際担当しておる者のために申し上げたのでありまして私の申し上げたことについても、非常にあやふやな——これはないという仮定のもとに入つたものでないから、私はダンピングではない、こういうふうにごらん願いたい、こう申し上げたわけでありまして、どうかこの問題はひとつ、私の少し言い過ぎだと思いますから——そういうわけであります。
○鈴木(正)委員 鈴木説明員は言い過ぎだと言うてうおられるのだけれども、言い過ぎだということは、会計検査院のここに書いてあることを認めるということなんですか、どつちかにきめてもらわなければ困る。
○鈴木説明員 会計検査院のおつしやるのもごもつともだと思います。それは一つの事実なんです。事実を事実としておつしやたのですから……。私はその事実に対する批判をしておるわけなんです。ですから私の説明も間違つていない、全部間違いではない、こう考えます。
○鈴木(正)委員 どうもぼくにはちよつと納得が行かぬのですが、それでは聞きますが、危険割増しは一一〇%ないし九三・五%、こういうふうに見た見積り方は妥当であると調達庁の当局はお認めになつておるのですか。これは調達庁の当局のお見込みなんですか、それをどうお考えですか。
○山内政府委員 今の危険割増料金の四六%の検査院の見方は少し低過ぎる、かように思つております。
○鈴木(正)委員 少し低過ぎるというのは、一一〇%、九三・五%は妥当であるとお認めになるのですか。これが七〇%で済むのならば、これは運賃の上に非常な差額がやはり生じて来ると思うのですが……。
○鈴木説明員 この予定価格をつくります当時の状態においては、やむを得なかつた結論だろうと思います。ということは、状況が、あまり仕事もよけいにふえていない、輸送の見込みもない、そういう事態でありましたので、前年の実績から考えましても、そういう物の考え方をしなければならないだろう、そういうふうに考えております。
○鈴木(正)委員 先ほど当局の御説明の中に、その後いろいろ苦心をなさつて、結局三千七百万円というものを節約したというようなお話があつたのですが、その節約額の中には、この危険率に対するパーセンテージをもつと安く見積つて払つた分も含まれておるのですか、このパーセンテージは変更なしに、三千七百万円を浮かすことができたとおつしやるのですか、そこをひとつ伺いたい。
○鈴木説明員 実はこの三千七百万円をはじき出しましたところの説明は、とうてい簡単に申し上げることのできないような複雑なものでございます。その考え方は今度はこの危険割増率の可否の問題ではありませんで、最初の想定した役務料が厖大にふえた、こういう事態でございますので、契約した基本契約の線も尊重しなければならない、しかしふえたものも見のがすわけに行かない、そこでどういうふうにきめたら適当な単価が出るだろうかというふうな考え方から、従来のマル公の何%引くといつたような考え方ではなしに、原価計算的に少し分析いたしまして、ある線まではこれでいいじやないか、これから上はこれくらいでいいじやないかというふうに、二段にわけまして、従来の考え方をすつかり放棄せざるを得ない事態に直面した、そういうふうに考えております。
○鈴木(正)委員 もつと率直に答えることができそうなものたとぼくは思うのです。いろいろ複雑怪奇かもしらぬけれども、いろいろの計算で三千七百万円を節約した、これはなかなか大きな節約だろうと思うのです。その節約の場合にいろいろ複雑しているけれども、その複雑の中には必ずこの問題も計算の中に入つているに通いない。私の聞くのはほかの複雑のことではない。この問題をこのままで置いたのか、あるいはいろいろのものとのにらみ合せの上でこの率をもつと下げて考えて、その三千七百万円をはじき出したのか、そこを聞くだけなんです。もつと率直に答えてもらいたい。
○鈴木説明員 はつきりした数字は申し上げられませんが、もつとぐつと低く考えました。
○鈴木(正)委員 そのぐつと低く考えたというぐつと低い数字がわからぬのです。大体四六%とかなんとかいう数字が出ているのです。
○鈴木説明員 その私の考えましたということは、これも下げなければあまりどうも甘くなりはしないかという考え方です。そういう意味で低く考えたと申し上げたのでありまして、計算の方法はあくまでも原価計算的に一応分析して考えてみたということで、アイデアをすつかりかえたわけです。
○鈴木(正)委員 どうも鈴木君の説明の仕方がややこしくなつて、わからなくなるのですけれども、ぼくの聞いているのはそんなアイデア全部捨てたとかなんとかいうのでなしに、これを切り下げたことが三千七百万円が浮び上つた一つの原因になつておることは間違いはない。しかもこれは重要な要素であつたろうと思う。この危険率を低く見ることは、三千七百万円を浮び上らせる大きな一つの要素であつたろうと思う。そこでどのくらい下げたのか。かりにこれを四六%に下げて見積つたとすれば、四六%という数字は根拠のない数字ではない。むろんあなた方が計算する場合に、根拠のある数字によらなければならぬと思う。そこでこの下げた率がどこまで下つて来るのか。もし四六%に下げたとすれば、それが根拠のある数字である。もしその根拠のある数字であるとすれば、一一〇%で見積つたということは不当である、こう見なければならぬ。そこで私の聞きたいのは、どこまで下げたかということです。
○鈴木説明員 実は決して私言いのがれをしているわけではございませんで、けさこの積算をやりました人間を呼びまして、その点をとくと問いただしたのであります。私が申し上げましたように、やはりアイデアをすつかりかえているわけです。これをどの程度まで下げるように君は考えたのだと、私も問い詰めているのです。しかし本人は私が申しました通りにしか説明してくれません。書類の上で私が見ましても、そのフアクターは見つからないのです。正真正銘私は申し上げているわけでありまして、決して韜晦しているわけではありません。危険割増率というものは、一般の通念といいますか、取引通念の問題だと思うのでありまして、これはどこまで正しいかということは、アクシデントがどの程度に起きるか、いろいろのこともありましようが、しかしいつどういう危険が起きるかわからないような状態でありますので、どこが一番いい線だということは言えないが、旧物告等の線はそうであつた、こう申し上げまして御了承いただきたいと思います。
○鈴木(正)委員 アクシデントがいつ起るかということは計算の中に入れてこういうパーセンテージというものは計算せられる、それが私は通念だと思うのです。それを予想しないで、危険率を計算するということのあろう道理はない。そこで私はあなたにこれ以上問うつもりはないが、あなたがきよう呼んで突き詰めて聞いた人が、どうして危険率のパーセンテージを明示することができないのか、私にはそれが納得が行かない。
○迫水委員 鈴木さんは非常に勉強しておられることはわかるのですが、こういうことを鈴木委員は聞いておられるのだろうと思う。この輸送の役務料というものは、三つの要素からなつている。第一は一般雑貨としての基本料金、第二は外交手数料、それに危険割増し、この三つの要素からできて、そうして一ぺん見積り直しをしてつくつた。ところがそれがいかにも厖大な利益を業者に与え過ぎるというので、それを改訂しようということを考え、そのときにまた阿じ方法でやつたのか。つまり基準料金は幾らにする、外交手数料を幾らに改訂する、危険割増率は幾らに改訂すると、同じ考え方で改訂のものをつくつたのか。そうでなしに、大体この業者には幾らぐらいもうけさせればいい、総額の支払いをどのくらいにすればいい、こういうような全然別な観点から、その一定の答えを先に出して、それをどうして調節するかというので、だんだんに減らして行つたのか。つまり改訂するときの考え方は、もとの価格が出た三つの要素それぞれについて改訂して行つたのか、それとも何か総わくを幾らに下げる、中を一、二、三と分析しないで総わくを幾らに下げる、こういう考え方で行つたのか。それがどつちかということを説明されれば鈴木委員は一応納得されるのじやないか。鈴木委員の前提は、三つの要素をそれぞれの立場において改訂して、新しい役務料が算定されたという前提のもとに、この第三の危険割増しは一体幾らにしたのだということを聞いておる。あなたの御説明によるとそうではなしに、全体の金額、あるいはこの三つの要素で構成されている一つの単価それ自身を一定に切り下げる、あるいは総わくを幾らもうけさしてやろうという考えでやつたのではないか、そういうことで改訂する場合には、三つの要素に分析上ないでやつておるのではないかという感じがするが、その点を説明されれば鈴木さんも納得するだろうし、私もそれを伺いたい。
○鈴木説明員 おつしやることも実はよくわかるのです。ただどれだけもうけさせるかということを元にして積算はしておらないのです。むしろ利潤を制限しようということ、それから相当の思わざる変動があつたのだ、それから従来の契約の基本線は、こういうふうな、昨年の実績くらいまでは、従来の契約単価を尊重してやらなければいけないのではないか、それを越えたものについては極度に利益を制限しよう。大体少くとも一〇%以上の利益を与えてはならないという考え方で積算の総体の検討をしているのではないかと思います。 なおそれ以上ちよつと私今用意を持つておりませんので、数字的の御説明は申し上げかねます。
○鈴木(正)委員 迫水君があの明敏な頭でぼくの言葉を翻訳してくれたのですが、私から言えばたとい頭を切りかえて計算の根拠をかえたにしても、こういう数字の出て来る根拠は——すべての今の三つの要素を離れて総括的数字の出て来るはずはないのですから、どうしてもやはり危険率の見積り——ぼくがこんなにしつこく言うのは、もしその危険率の見積り方が、四六%という程度に切り下げられて見積もられたものならば、会計検査院が指摘したことが当然だとぼくはこう思うのです。今までの一一〇%、九三%というこの見積りは正しいというならば、そこの数字が言えないはずはない。ことにそのことを現在担当している人に答弁ができぬということは、われわれの納得いかないところなんです。あなたに聞いてもそれはわからないと言われれば、あなたに聞くのではない、さらにその担当者を問いつめて、この点をはつきりさしていただけばけつこうです。私はその答えを聞いた上で、なおふに落ちぬ点があれば、この質問を継続して行きたいと思います。
○田中委員長 今鈴木委員の聞いておられるのは、危険率をあなた方は一一〇%が当然だ、会計検査院は四六%が普通だ、そこであなたの方で切り下げられた。その切り下げられたのは、やはり一一〇%が多いと思つたから切り下げられたのか。その切り下げた三千何百万という金額は、何十パーセントくらいに当るのかということを、鈴木委員はお聞きになつているのでしよう。
○鈴木(正)委員 そうです。
○山内政府委員 おそらくこれ以上聞いても私の方の鈴木説明員は満足するお答えができないかと思いますので、私帰りましてから、御質問の御趣旨はよくわかりますから、よく担当者に聞いて、お答えいたしたいと思います。
○鈴木(正)委員 けつこうです。それから議事進行について委員長にお願いしたいことがあります。それは今この書類に載つておる決算とは全然関係のないことですけれども、先だつての予算委員会においても、私どもの仲間の北村君が陳情政治を何とか改めなければいかぬということを言われました。これはもつともなことだと思います。そこで今日陳情のために地方から出て来る人は、御承知のように、毎日議会に山をなしておる。この陳情団のために東京温泉もにぎわい、歌舞伎もにぎわい、待合も、料理屋も繁昌するというくらいの盛況です。しかもこの連中が来るのは、みんな地方の血の出るような市町村の税金を使つて来るのです。そこで私は自治庁の長官である本多国務大臣にここに出てもらつて、今全国の市町村で陳情政治のために上京する人々の使つておる金、つまり市町村県費などが総額どのくらいあるものかということを、数字をあげられるものなら数字をあげて、説明してもらいたい。もし数字があがらぬというなら、あがらぬ理由はどこにあるかということを大臣から説明してもらいたい。そこでぜひ本多国務大臣の御出席を願つて、この点をひとつ徹底的にただしてみたいと思います。 もう一つは今日の補助金による工事というものは非常にロスが多い。われわれの耳に入つたところによりますれば、たとえば一千万円の補助金をもらえばその中の一割、多きは一三割、五割というものは、その補助金をもらうために上京した陳情とか、その間にはさまつている代議士の饗応とか、運動費というようなものに使われて、実際補助金の効率のある使い方というものは少くとも一割はだめになる、多きは半分がだめになるというような状況と聞いております。会計検査院はすでにそういう公費によつて行われた工事に、はたして公費が完全に使われているかということについての御調査もあろうと思います。そういう資料を出していただくとともに、はなはだしい不正工事というか、国費が濫費せられたというような工事がありますならば、われわれ決算委員が現地に出張して、そういう工事を調べて来る。国費の濫費はおびただしいものがあります。いくら減税々々といつても、これを改めなければ私は日本国は建て直らぬ、こう思います。この工費を補助金として与える省の建設大臣にも私は出てもらいたいと思います。そうして当面のこの検査院の指摘したところとは違つておりますけれども、われわれはこの決算の調査を至急に進めて、できるならばこの会期中に何らかの結論に達するように努力してみたいと思います。もし委員長が御賛同くださるならば、委員案通じてわれわれの質問の趣意も向うに通じた上で、御出席を願うようおとりはからいを願いたいと思います。
○永田委員 関連して……。私も今鈴木さんの質問通り特に人事院に関係のある地域給の引上げの問題、これが全国一万有余の市町村の市町村長、それから議長、議員から毎日のように電報も来ますし、それから書類も出します。その上はるばる鹿児島県からもここに押し寄せて来ております。この事実は鈴木さんのおつしやるように、ほかの補助と同じように、中央の官庁から末端の市町村に関係した少額の金額の補助まであまりに複雑になつた結果、今こういうふうに末端から始終東京を目がけて上京せられる陳情の関係が多いのです。これはたいへん悪く言えば、かえつて市町村を助けはしないで、鈴木さんのおつしやるように、市町村の行政自体を麻痺せしめるおそろしい悪法だと思います。私はこの地域給の引上げのごとき悪法は、この際検討して廃止さるべきであると思いますが、この機会に、鈴木さんのお説の通りに、人事院の総裁にもここに来てもらつて、それが事実であるかどうかを参考としてひとつ説明していただきたいと思います。
○田中委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○田中委員長 速記を始めて。 お諮りいたします。五三及び五八の案件はまだいま議題にいたしてありますが、この際保留して次会に審査いたすようにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、この程度にいたします。 本日はこれで散会いたします。 午後四時四十四分散会