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15回国会衆議院1952/12/15

決算委員会 第5号

発言数
122
登壇者
12
会派数
3
開催日
1952/12/15

会議録

田中彰治自由党

○田中委員長 これより決算委員会を開きます。  まず理事の補欠選任についてお諮りいたします。本日理事渡邊良夫君が理事を辞任いたされましたので、その補欠選任をいたさねばなりません。この際先例によりまして、委員長から指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中彰治自由党

○田中委員長 御異議なしと認め、永田良吉君に理事をお願いいたします。     —————————————

田中彰治自由党

○田中委員長 次に本日の理事会で協議決定いたしました事項につきお諮りいたします。前回の委員会におきまして審議いたしました地方財政平衡交付金の交付基準額等に関しましては、重視すべき問題と思われれますので、参考人の意見を聴取してはいかがかと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中彰治自由党

○田中委員長 御異議なしと認め、参考人の意見を聴取することに決定いたします。  なお参考人招致の日時及び人選等は、連絡の都合もありますので、その手続を委員長に御一任願います。     —————————————

田中彰治自由党

○田中委員長 なお前回の委員会におきまして松本委員から質疑がありました付託事案以外に新たに生じました批難事項について、付託事案と並行して審議することを要望いたされました件についてお諮りいたします。すなわち新たに発生いたしました新規批難事項を審議いたしますことはあえてさしつかえないと考えますが、御承知の通り、目下付託され、審議いたしておりますものが昭和二十五年度決算に関するものでありまして、審議の期間の制限がないといたしましても、時期的に非常に遅れておりまして、新発事案と並行縫いたしますことは、ますます付託された事案の審議を遅らせることになりますので、この点を相愛する次第であります。従いまして、並行審議を行うといたしましても、現在の審議中の各項目に関連いたしますものを、原則的に調査することに一応限定いたしたいのであります。しかしながら二十六年度及び現年度におきましても、国政上非常に重大であり、早急に調査を要すると認められます事案がありました際は、随時委員長に申出願うことといたし、委員長はさらにその巽相を調査させました上、委員会の議に付するかどうかを決定させていた、だきたい、かように考えている次第であります。付託されました事案審議促進のため、以上の方法によりたいと思いますので、ここにおはかりいたす次第であります。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中彰治自由党

○田中委員長 御異議なしと認めまして、さようにとりはからいます。

田中彰治自由党

○田中委員長 本日の審議の予定は、前回質疑を保留いたしました裁判所、地方自治庁及び特別調達庁関係について審議をいたします。この際最高裁判所事務総局から五鬼上事務総長が出席いたしておりますので、吉田君の発言を許します。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 前々回の委員会におきまして、裁判所関係の事項につき、会計検査院から三十件前後の質問を出したという説明がありましたので、子の質問の趣旨に沿うように、最高裁判所において資料を提出方を要求しておいたのですが、きようは出ましたか、まずお尋ねしておきます。

岸上康夫地方裁判所判事(最高裁判所事務局経理局長)

○岸上最高裁判所説明員 お話の資料は検査院を通じて出す予定で、検査院の方に出してございます。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 最高裁判所から検査院が受取りましたのは、寄付関係の調書と、それから二十五年度に施行された営繕関係の調書がありますので、私の方で見まして、委員会の方まで差出してございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 最高裁判所の当局の方にお尋ねしたいのですが、会計検査院からあなたの方に質問照会したものが二十九件になつておりますが、この全体を通覧しますと、大体事件は庁舎もしくはその敷地、こういつた物件に関連する事実が大部分のようであります。裁判所は、国民から最も信頼と、公明性の高いものとして尊敬されておる官庁でありますが、二十五年度におきまして、北海道から九州、簡易裁判所から家庭裁判所、最高裁判所に至りますまで、ほとんどこの種の事件が起つております。これは批難事項として検査報告の文書には載つていないのでありますけれども、しかしながら幾つか例示されておる事件の内容を通覧いたしますと、相当これは問題になつた様子なのであります。何ゆえこの厳格と正確と法律を適用する官庁において、この種の事件がたくさんに起るのですか、ひとつ御説明願いたい。

岸上康夫地方裁判所判事(最高裁判所事務局経理局長)

○岸上最高裁判所説明員 お答えいたします。この検査院から照会のありました二十九件につきましては、その当時現地の裁判所あるいは最高裁判所の方からそれぞれ回答をいたしておりまして、裁判所といたしましては、それで検査院の方も御了解を得たものと思つておる次第でございます。そのうちに庁舎あるいは建物関係のことが大分ございますが、これは一般的に申しますと、新憲法施行後、機構、制度の改革によりまして、新しくできました簡易裁判所あるいは家庭裁判所というふうなものの庁舎の建設が、裁判所として重大な問題でありまして、それを一時にできるだけ早く各地にやろうということで、いろいろ努力をしておりました関係上、それからまた簡易裁判所等につきましては、地元の方から、ぜひ土地の発展、公衆の便利のために、裁判所の建物を設置してもらいたいというふうな、熱烈な要望のあるところもございまして、中には庁舎の敷地を寄付してもいいというのもございまして、裁判所といたしましては、その現地の要望にこたえるために、いろいろ慎重に調査いたしまして、寄付を受けてもさしつかえないと認めたものに限りまして、ある数の寄付を受けた箇所があるわけであります。そういうふうな関係から、その点について、検査院との間で説明の足らないところ、あるいは検査院の方で了解がつきかねるという点について、照会がございまして、私どもの方としては、事情を申し上げて、今申しましたように了解を得たものと存じております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私のお尋ねしておるのは、会計検査院の了解を得られたかどうかという点じやない。この三十件ほどのものが大半建築に関するものであります。なぜ裁判所は建築に関するものでこういうような事件が起るのかというその原因の御説明を願いたい。お尋ねしている要点はそれなんです。あなたで御説明できなければ説明できる人にしてもらつたらどうですか。——それではもう一つついでに聞いておきましよう。裁判所は建物が必要であれは国家の経費でつくるというのが原則であろうと思う。地元の寄付の申出があるからといつて一々それを取上げて行くというようなことは、これは最高裁判所の一つの方針にでもなつておつたんですか、あわせて御答弁願います。

五鬼上堅最高裁判所事務総長

○五鬼上最高裁判所説明員 私から御説明申し上げます。いろいろ建物の件等について会計検査院から照会を受けておる点に御疑問があるようですが、一々こまかい点については経理当局から説明を申しますが、ただいまおつしやられた何か寄付でも受けるような方針をとつておるのか、かような御質問でありますが、裁判所といたしましては決してさような方針はとつてございません。できるだけ国家の経費でまかなつて行きたいというつもりでおります。ただこれは多少裁判所の成立当時の事情を申し上げないと御了解しにくいと思いますが、何分新憲法が施行されまして、裁判司法制度というものを根本的に改革されまして、その結果として、たとえば六百近くの簡易裁判所をつくらなければならぬ、あるいはその後家庭裁判所と地方裁判所と同様につくらなければならぬというようなことになりましたので、いろいろ国家の財政という現状ともにらみ合せて、できるだけ完成いたしておきたいと思うのでありますけれども、何分そのほか焼失した庁舎の復旧いろいろな点がございますので、従つて十分手がまわりかねておる。そのまわりかねておるところに持つて来て、簡易裁判所の設立が非常に性急になされた関係がありまして、全国に六百幾つかの簡易裁判所をつくるということは、二十二年の憲法施行の前後にきまつたようなわけであります。従つて必ずしも簡易裁判所の所在地が全国的に適当であつたかどうかということは、当時とその後の情勢でいろいろ変化がありまして、当時ニ警察単位について一つの簡易裁判所をつくつておつたのでありますが、その後いろいろ警察組織もかわり、いろいろの点からしてかなり各地において簡易裁判所設置の要望がございまして、この要望にこたえるためには、われわれとしては予算によつてその要望にこたえて行きたいのでありますけれども、中にはその市あるいは町当局におかれて、いろいろの建物をお建てになるとか、あるいはまた古い建物を利用されるというようなことで、裁判所の方に、一時これを利用して簡易裁判所を置いてくれという要望があり、こちらの方でも現地の事情を調べまして、非常に簡易裁判所設置の緊要性があると認めたところに対しては、あるいは地方からの庁舎の寄付を受入れるというようなものもございますけれども、それはほとんどまれでありまして、大体方針といたしましては、民間の寄付は受けないという方針でやつております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 国民の生活、生命、その他あらゆる重要なことに関する仕事をなさる庁舎のことであり、またそれに関連する建物等のことでありますから、ほんとうに民衆が心から自発的に寄付したいというような申出があるというようなことであれば、これは美風であるとわれわれも実は考えるのであります。ところが一般の状況を見ますと、御承知の通りに、税務署の新築にはそれぞれ割当てて寄付が求められておる。警察署の新築がまたできる。自治警察と国警にわかれたのでまたできた。あるいは消防に関する建物、公会堂等の建物等々、いろいろと寄付が、そういう美風のおのずからなる結集ということよりも、何か一つの権威があるところは、しかたなくみんな寄付をさせられておるという風もないではない。こういうようなことは裁判所等におきましては、できるだけ避けてくれということが根本の方針でなければならぬと私ども思いますが、私が見ますと、この内訳の、たとえば一例をあげてみますと、赤湯簡易裁判所のごときは、地方から建設費の寄付の陳情があつた、それで計画をして、設計をして、百五十万円あまりで建物をさて建ててみたけれども、寄付は財政困難で、町からは出ない。やむを得ず裁判所はこれを買収せねばならなかつたというような実例もあります。あるいはまた、こういうような寄付と、それから建設とに便乗したためでありますか、裁判所の庁舎の一部を改造するというような名目によりまして、実は職員の庁舎がつくられておる。これは考え方によりますと、一つの便乗でありますが、便乗いたしまして、予算の機構を紊乱さしてしまつておる結果になるのでありますが、何十かの批難事項に近いようなものの案件の内容が、こういう物件、庁舎の購入、建築等にかかるものであるということに、あれこれにらみ合せて考えてみますと、やはりここに相当裁判所としましては、考えて行かなければならぬことがあるのじやないか、ただ根本的な方針として、寄付を受けないような方針があるとおつしやいますけれども、事実現われておるものは、ことごとくそういう問題であり、中にこういう悪質な便乗組すら裁判所のことで現われておりますので、最高裁判所は、全国の裁判に向つていろいろと指令なさるような立場におきまして、二十五年度に現われた多数の案件の一つの結論として、相当厳粛に、そういうことの絶滅するような方針でも立てるべきが至当ではないかと、われわれは批判したいのであります。これについてひとつ五鬼上さんの意見を聞いておきたいと思います。

五鬼上堅最高裁判所事務総長

○五鬼上最高裁判所説明員 御質問の御趣旨まことにごもつともでありますが、最高裁判所としては、先ほど申し上げた通り、決してこの寄付を受けるということは——なるべく受けない。いろいろな事情がありまして過去にはありましたけれども、その後いろいろな点から弊害にかんがみまして、仰せられるような厳重な通達を各地に流しておりまして、現に今日では寄付を受けておるようなことはございません。  この赤湯の点について御質疑がありましたから、これはちよつと事情を申し上げておきたいのですが、赤湯簡易裁判所の設置の件については、地元から非常な要望がありまして、国会の法務委員会においてもやはりお取上げになりまして、いろいろ最高裁判所で調査いたしたのでありますが、何分にも当時の予算の上から、どうしてもすぐに設置することができないというような状態であつたのを、地元の当局が——市ですか町ですか、とにかく庁舎を建てよう、寄付を集めて建てるからしてくれ、という話でしたものですから、われわれの方はこれを断つておつたのですが、いつの間にか発展してしまつてさような状態になつたのです。これは結局裁判所の方としてはその後それを買収をして解決いたしております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そうすると、この種の事件は——私は時間の関係もありますので一々について申し上げませんが、大体この建築関係について、相当な批難に値するような事件のあつたことは御了承のようでありますのと、それからそれに対しまして、相当将来を戒めるような措置はおとりになつたということにお聞きしていいのでございますか。

五鬼上堅最高裁判所事務総長

○五鬼上最高裁判所説明員 ええ、その処置は十分とつております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私はこの問題はこの程度に切り上げまして、次にお尋ねしたい点は、職員などが不正事件を起し、この二十九件の中にも不正事件も入つておりますが、いろいろ不正事件があり、またその他これに出ておりませんけれども、不正事件のあることも私ども知つておりますが、この職員などの使い込みとか、あるいは別の領得とかいうような不正事件が起るよつて来るところは、やはりこの裁判所全体を通じて、仕事の量と人間の能力といつたようなものについて、相当バランスを欠いたような面が事務の方面にあるのではないのでしようか。何かそういうことについて御説明願える御意見があれば承つておきたいのであります。

五鬼上堅最高裁判所事務総長

○五鬼上最高裁判所説明員 この職員と事務の関係については、これは具体的の数字を今持合せないのでありますが、いろいろこの議裁判所新たに附随されるとかいうような関係で、相当事務量がふえておるにもかかわらず、職員の数はそれに従つては増しておりません。でありますが、まあ、何と申しましても、やはり乏しい国の財政の中から、乏しい裁判所の予算から、いろいろの事務を切りまわして行かなければならない、かような立場におきまして、いろいろくふういたしておるのでありますが、先ほどお尋ねの中で、裁判所にも不正事件があるじやないかということをおつしやられました。まことにごもつともなお話で、私どもといたしましては、いやしくも裁判所として、どんな職員であつても不正事件を起されるようなことは、実に嘆かわしい次第でありまして、あらゆる機会において、実はかような点を戒めているのでありますが、その職員の不正事件を起した結果をながめてみますと、多くはやはりこの終戦後、いわゆる裁判所が新しい機構になつてから募集した職員の中には、間々さような不正事件を起すような者もあるのでありまして、今日ではさような点にわれわれは最も力を入れて、不正事件等の起らないように、また起つた場合には、それぞれ公務員法等に照して、厳重な処置をしております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 近時最高裁判所におきましても、訴訟事件が受理されるのと完結するのとのバランスがとれず、だんだんと渋滞して、せつかく国民が裁判を受ける権利がありましても、裁判所の手続の進展がおそいので、経済的にまつたく利益を失つてしまつたり、あるいは無辜の民が長らく拘禁されるような結果になつたり、等々、いろいろと非常に不祥な事件が起るのを見るのでありますが、裁判所の民刑その他あらゆる訴訟事件が停滞しておるということは、ことに最高裁判所においてそうであるということは、これは常識になつておるものと思います。従つて在野法曹におきましても、あるいは最高裁判所当局におきましても、それぞれとそうい問題についてしばしば意見の交換もあつたと、私も承知しておるのでありますが、こういうふうに重大な国民の生命なり財産を預かり処理する最高裁判所におきまして、訴訟が停滞するという事実、それは一体どこに原因があるのか、またそれならばどうすればよいのかという対策、こういうようなことについては相当はつきりしたものがなければならぬと思うのですが、いかがでしよう。

五鬼上堅最高裁判所事務総長

○五鬼上最高裁判所説明員 決算と関連する範囲であるかどうかちよつとむずかしいのですが、私どもお答えいたしてよろしいかどうかと思いますが、訴訟の遅延ということは、これは昔から問題でありまして、申し上げますのに、下級裁判所と最高裁判所の方を区別して申し上げた方がよろしいと思いますが、下級裁判所の方におきましては、現在においては大体訴訟の遅延というのは統計上から見ますとないんじやないか、一応受付けられた新受の事件が、大体その年に既済になつております。ことに二十五年に、旧法事件の処理というて、当時約二万件に余る旧刑事訴訟法事件があつたのを、二十六年六月を期して規則の改正をその他訴訟促進のいろいろな手を打ちまして、大体二万件の旧法事件を片づけてしまいまして、現在においては、下級裁判所と高等裁判所の既済事件の方が新受を上まわつておる。簡単に申し上げますれば、黒字になつておる、かように申し上げていいのじやないかと思います。  最高裁判所の訴訟遅延につきましては、これは新聞紙上その他雑誌等にもいろいろ論ぜられておるのでありまして、もとよりご質問の通り、われわれといたしましても、現在の事務の取扱い方及び最高裁判所のほんとうのあり方ということについて、いろいろの面から検討いたしております。いたしておりますが、何と申しましても、とにかくようやく独立してまだ一年にもならない。占領中にはいろいろな占領中の特殊な犯罪があり、経済統制に基く刑事事件がありまして、終戦後の裁判所の刑事事件というのは、まつたく平常状態と異なり、非常に多かつたのであります。ところがその結果はだんだん最高裁判所の方に上つて来まして、昨二十六年度あたりは相当の件数がございまして、約一万件の事件が最高裁判所に受入れられたのであります。この一万件に対して、どの程度の処理をしたかと申しますと、大体二十六年度で六千五百件の処理をしておるのであります。従つて三十六年度だけから申しましても、まだ三千五、六百件赤字になつておるのであります。かようなわけでありますが、その後最高裁判所の訴訟の促進に関する委員会というようなものも設けまして、最高裁判所の内部でも検討するとともは、あるいは在野法曹との懇談その他いろいろな方面等から検討いたしまして、大体これは推定件数になりますが、二十七年度においては約九千五百件ぐらいの処理はできるんじやないか、かように思つておるのであります。一方終戦後の事件の統計が二十六年度を最高といたしまして、二十七年度からはだんだん数字が下になつて来ておるのであります。二十七年一月から、刑事事件等は、新受事件よりも既済事件の方が上まわつております。一時七千件といつて大分騒がれたのですが、最近になりますと、すでに民刑合せて七千件を割つておるのであります。しかしながら、確かに御指摘の通り、国民の権利を守る最高裁判所で、かように事件が遅延しておつては、まことに国民に対して申訳ない次第であるし、従つていろいろの点から検討はいたしおりますが、何と申しましても、いろいろな悪条件がありましたが、最高裁判別についてはようやく今年一月ごろかり大体平静になつて来たんじやないか、かようなわずかの期間だけで見て、いやしくも憲法上の機関である最局裁判所の機構を根本的に改革するとか、いろいろするようなことは、私どもとしてはいささか躊躇する考えを持つておるのであります。特に最近においては、調査官の活用、その他いろいろの面から事件の促進をはかつておりまして、少くとも来年三月ごろに至りましたならば、今日とは非常に異なつて、訴訟の遅延の状態が大体征服されて行くのじやないか、かように私どもとしては見通しをつけております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 五鬼上さんにちよつと申し上げますが、決算委員会は、やはり厖大な国家予算の使用されたあとを検討して行くのでありますから、従つて予算をいかに使われたかということをここで十分に論議するのが、この委員会の一つの使命だと思つております。従つて最高裁判所を中心とした訴訟渋滞の問題をここで論議することは、当年における予算がほんとうに目的を達するように有効適切に使われたかいなやの一つの重要な資料にもなるわけであります。こういう意味におきましてわれわれは質問をしたい思うのであります。そこでなお尋ねてみたいと思うのですが、非常に順調になつて来るかのような今のお見通しですが、一体最高裁判所で古い事件というのは、いつごろの分があるのですか。

五鬼上堅最高裁判所事務総長

○五鬼上最高裁判所説明員 ちよつと今はつきりした数字は持ち合せませんが、古い事件というのは、ごくわずかで、二十三年の刑事事件が数件残つておると思います。これはいろいろな問題のある事件でありまして、これはちよつと私たちの触れるところじやないのですが、非常にいろいろ法律城の問題があつて、ただいま数十回の会議を一重ねておるような事件もあるやに私たちは聞いておるのです。二十四年の事件で残つておるのもございますが、大体において順調に、特に問題として残らない限りははけていると思います。二十五年、二十六年になりますと、やはりこれは遅延しておると申されてもやむを得ないことであると思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 昭和三十三年の刑事事件が数件残つておるということになると、これは五箇年経過しておることになるのです。そうすると、その被告人は、刈るいは無罪になる人かもわからぬ。日本人が罪になるかならないかをきめられないでおることは、監獄に行く院よりもつらい状態にあることは御一承知だろうと思うのです。だから数件一であるからといつて、断じて軽視すべきではないのでありまして、国民の名誉、国民の権利、そういつたものをほんとうに守らなくてはならぬ最高裁判所において五年も経過してなお解決しない事件があるということはわれわれは了承しがたい。何回も協議したけれどもそれは結論を得ないという御説でありますが、何回も協議して結論を得ないというような、そんなことがあり得るのでしようか。それともそれはどこか機構に欠陥でもあるのでしようか。あるいは予算が足らぬので人手がないのですか、どこに一体原因があるのでしようか。

五鬼上堅最高裁判所事務総長

○五鬼上最高裁判所説明員 古い事件と申しますが、大体原審で死刑とかあるいは無期懲役とかいうような事件でありまして——もとより最高裁判所でそれからひつくり返れば別でありますが、そう長い期間未決におるというのは、主として今のような死刑とかあるいは無期とかあるいは懲役十五年とか長期の懲役とかいうような事件でありまして、その数もそうたくさんございません。数字の内容は今ちよつと持合せておりませんが、そういうように延びるのは予算が足りないのじやないか、人が足りないのじやないかと申されますが、むろん予算は十分でございまん。非常に乏しい予算でありますが、ただ、最高裁判所の裁判官——御承知の通り国務大臣の待遇をする十五人の裁判官というのは、各方面の法曹としての最も優れた人を入れておるものと思うのであります。それで、最高裁判所の裁判官を増したらといつても、しかも国民審査というような非常に費用がかかるような制度のもとにおいて、裁判官の増員という点については、われわれとしてはそう軽々に考えられないのじやないか、かように考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 この問題をきよう御質問する予定であつたことは、あらかじめ御承知のことと思うのですが、どうも準備十分でなしにここへ御出席になつたかのような感を受けるのでありまして、われわれはやはりその点につきましては、相当批判をし得る資料を、結論的に出してもらえるものと思つておつたのであります。私の申したい点は、五年も六年も、何回も裁判官が協議しなければ解決しないという御説明は、何か個人的な私情によつて、裁判をあめのように伸はしたり縮めたりする余地があるかのような疑惑を、国民は受けるわけです。あるいは無期だとか死刑の判決を受けたものが多いというような今の御説でありましたけれども、最高裁判所はそれが有罪か無罪かわからぬのですから、何べんも協議してなお結論を得ないという場合、五年も七年も刑事被告人が拘禁せられまして未決に呻吟させるということは、これは国民の立場からしましたら重大なことなのであります。三件でも五件でもこれはきわめて重視せねばならぬのであります。通産大臣の五人や十人目殺してもというような放言が、事端を巻き起したことがあるように、三人、五人の事件でありましても、やはり国家最高の権威のある裁判所といたしましては、そこは公正厳正にお扱いになるべきが至当だろうと思うのです。あなたはその立場でない人だから、あなたに対して責めるような意味の質問は少し、どうかと思いますけれども、しかし、最高裁判所を代表してあなたは質問に管えておられるのですから、私どもにはどうも合点が行かぬ。やはりここは何かこういうふうにやつたから停滞するという原因があるのじやないだろうか、停沸するという原因がどこにあるのだろうか、それがわれわれの政治批判の対象なのです。でありますから、死刑になつておつたのだから、あるいは無期の懲役を受けておつたのだから、情をもつて延ばしてやつておるのだというような印象を受ける御答弁は、われわれは、了解しにくいのですが、いかがでしよう。

五鬼上堅最高裁判所事務総長

○五鬼上最高裁判所説明員 私の答弁が、もしただいまおつしやられるような印象を与えたとするならば、私の答弁のまずかつたことにあると思いますが、さような意味において申し上げたのじやございません。先ほども申しましたように、とにかく二十六年度において約一万件という事件が上つて来た。これよ大審院当時と比較いたしますと非常な相違でありまして、大審院の昭和十一年から昭和十六年ごろまでの平均が大体年六千件くらいであります。それが多いときは四十五人、あるいは四十人内外の裁判官によつて処理されて来た。それが今日十五人の裁判官によつて、しかも一万件を突破する事件を処理して行くということについては、やはり人間の能力というものに限りがあるのだから、処理の方法についていろいろ考えなければならぬのじやないかという意見がございます。決して検討はいたしておらないのではなくして、あるいは上告裁判所を設けるとか、あるいは上告事件の審査をする所を設けるとか、あるいは最高裁判所の判事の増員をするとか、または調査官の増員をせよというようにいろいろ御意見がありまして、その御意見に対してわれわれ一々検討いたしておるのであります。でありますが、先ほど申しましたように、少なくとも、憲法上の重要聞かんたる最高裁判所の組織の改革というようなことについては、いま少し余裕を持つて見て行つていいのではないかと、実はわれわれとしては、二十七年度の処理件数が九千五百件の処理ができるというところまで、裁判官以下書記官あるいは雇に至るまでいろいろのくふうをいたしまして、あらゆる点をあげてかかつておるのでありまして、いろいろな方面の事務官に至るまで、裁判所の訟廷事務及び訴訟事務の方に振り向けて、目下やつておる次第であります。従つて、いましばらく検討して結論を出したらいいのじやないかというのが、私どものただいま見ておるところであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 もう一、二点でやめましよう。私が明らかにしたいと思いますのは、二十三年の事件を五年も経過して解決しない原因がどこにあるかということです。それはいかがですか。

五鬼上堅最高裁判所事務総長

○五鬼上最高裁判所説明員 先ほども申しましたように、実はこれは結局裁判のことになるのでありまして、会議の問題に入つて来ると思います。会議ばかりじやなく、訴訟の記録が上告されてから来るまでの期間と、いずれの点も含まれるのでありますが、最高裁判所としては、来る事件を順転で各裁判官に配当しております。決してこの事件はどこ、あるいはこの事件はどう考慮するということなく、すべて順転で配当いたしておりますが、会議やいろいろな検討の結果遅れておる事件があるのだろうと思いますが、これは裁判の内容になりますので、私からはちよつと申し上げかねると思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 しかし今聞けば、対策について上告部を設けるとか、あるいはまた憲法上の、重要機関であるけれども、諸般の対策についていいろいろと検討しつつあるというような、御説明があつたのでありますが、裁判の内容を聞くというのではないのでありまして、そういうような対策の重要な資料になる事実としまして、こういうようにおくれるのはなぜだろうというようなことについては、何らかの欠陥があるのではないだろうか。漫然と、鉄のとびらの向うの物事ではなし、大体あなたの方の専門的お立場からすれば、そういうことの欠陥は——われわれはあえて欠陥と申しまするが、こういう渋滞はどこに原因があるかということはおわかりだろうと思うのでありますが、説明は願えませんでしようか。

五鬼上堅最高裁判所事務総長

○五鬼上最高裁判所説明員 私が申し上げました、この二十三年の事件というのは、きわめてわずかでありますが、これはおそらく特別の事情がない限りは、今年一ぱいをもつて大体解決してしまうのじやないか、かように私ども考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ことし解決するとか、十一月に済みますとか、十二月に済みますとか、そういうことを聞いておるのではないので、五年間も経過して今日まで解決せざりし原因はどこにあるか、それを聞くのです。だからお尋ねする趣旨に対してお答え願えばいいのでありまして、ただちに事務処理をなさるような御努力、そういう努力については、それは多といたします。いたしますけれども、その原因がどこにあるか、その原因によりまして、われわれ自身も、国政運営上対策を講じなければいけません。そういうことです。

五鬼上堅最高裁判所事務総長

○五鬼上最高裁判所説明員 これは先ほど来申し上げた通り、やはり事件の件数が非常に多かつたということが、原因をしておるのだろうと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これはぐるぐるまわりで、どうも私は適切に御答弁が行われておらぬものと思われますので、こういう問答を繰返しておつてもしかたがありませんから、この程度で一応おいておきます。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員 裁判所、特に家庭裁判所、簡易裁判所の庁舎新築のことについてお伺いしたいのですが、二十五年度にこれだけの庁舎が完成されておるのであります。二十六、七年度は相当数に上つておると思うのであります。特に戦災都市においては、非常にいい場所に新築を見るときには、必ずそれは税務署か裁判所なんです。私は裁判所の重要性は認めておりますけれども、いまだ復興ならず、一般の住宅が遅々として進まない今日におきまして、庁舎が目抜きの場所に、しかも次次にどんどん建つておるということは、国民感情の上に、あるいはまた一般の思想の上に、私は非常な悪影響を及ぼすのではないかと思う。文字通り、家庭裁判所、簡易裁判所とかいうようなものは、そんなりつぱな庁舎を必要としないと思う。たとえば大阪について申しますならば、区役所とかあるいはまた地方の相当大きな建物があいておりますから、そこへ簡単に関係者が行けばいいと思う。文字通り、家庭、簡易ということでありますならば、いい土地や建物は、私は必要がないのじやないかと思う。もちろんあるに越したことはないが、今申しましたように、いまだ住宅の完成しない今日において、そういう国民の血税によるところの税務署であるとか、あるいは裁判所であるとか、至るところに建つて、大きな建物だが何かと思つて見ますと、必ず裁判所だ。その次には今言つた県の税務署、あるいは町村の税務署、国の税務署と三つずらつと並んでおる。こういうことは、私ははなはだ復興途上においてよくないことだと思う。それから裁判を簡単にする上にも、そういうりつぱな建物は必要ないのじやないかと思いますが、この点は何か簡単に行かないという理由がありますか。またそうしなければならぬ何か大きな理由があるのかどうか、この機会にお聞かせ願いたい。

五鬼上堅最高裁判所事務総長

○五鬼上最高裁判所説明員 詳細は経理局長から御答弁申し上げたいと思いますが、裁判所の庁舎は特にりつばに建てなければならぬ、特にりつぱであるというようなことは、私どもそうは考えておりません。しかしながら、いろいろ建築方面のこと、あるいはやはり場所として相当国民の利便のある場所を選択するということは、前からやつておる次第であります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員 特にりつぱであるとかいうのじやないのです。そういう庁舎ができなければ、簡易並びに家庭裁判が非常に不都合があるのか。もつと節約して実際上やれると思つておりますが、やれるのかやれないのか、このことであります。それからりつぱでないと言つておりますが、最近目抜きの場所に営利会社のコンクリートのビルなど建ちますが、これは別として、少くとも国民の税金によつて建てられるところの、こういう税務署であるとか裁判所というようなものは、復興の一番あとでいいと思う。もちろん裁判は必要であるから、そういう庁舎も必要でありましようが、それならば、そのほかの方面で私はできると思つておる。現に登記所のごときは、民間の小さな所で、どんどんりつぱにそれをやつておる。従つて私は簡易裁判所というのは、りつばな建物で威嚇してやろうというような昔の考え方は、古くさいと思う。だから、できるだけ簡易にやり、家庭のことのほんとうに相談相手になる裁判所ならば、りつぱな庁舎など必要がないど思う。もし必要があつても、今すべきではない。もつとあとにまわしてもいい。今ちよつと数字を見ましても、普通の裁判所から、簡易、家庭その他戦災による新築、そういうものは厖大なものになつておる。これだけの金を使つてしなければならぬ理由はおそらくないと思う。そういうものは一番あとまわしにしていい。そうして国民の住宅の問題に力を入れるべきであると考えます。それはあなた方の所管でないから、また別の機会に伺いますが、こういうものは必要なのか。もつと節約して簡易にどこか利用してできると思いますが、そういうことは考えたことがあるか、そういうことはできないと考えるのか、あわせてもう一度お伺いしたいと思うのであります。

岸上康夫地方裁判所判事(最高裁判所事務局経理局長)

○岸上最高裁判所説明員 ただいまのお話の点は、簡易裁判所について申しますと、終戦後新しく設置されました五百六十箇所の中で、現在のところ、まだ半数以上は、地元の方で、たとえば役場の一室をお借りしたり、あるいはどこか公共の建物の一部屋をお借りしてやつておる、こういう状況でございます。そこで簡易裁判所を建てますのは、大体そういう借りておる庁舎が非常に狭いとか、あるいは場所が不便だとかいうことで、現地の方からこれではどうもならぬ、公衆の裁判を受けるに非常に不便であるという所が数々ございますが、そのうちで最もその程度の高いと思われるものの中から、数箇所ないし本数箇所を、一年間に大体選びまして、予算の許す範囲内で建てております。簡易裁判所を新しく建てますときには、大体百坪前後の木造でやるということに、現在のところいたしております。それから家庭裁判所の方は、これも制度上は各地方裁判所に設置されておりますが、現在のところは、大多数元の地方裁判所の中に同居いたしまして、事務をとつておりますが、これも家庭裁判所の新しい使命によりまして、人員の増加等がございます関係上、どこもここも大体非常に狭い。それからまた地方裁判所の刑事事件というようなものと、家庭事件というものとは、性質がずいぶん違うので、やはり別の建物の方がいいという要望が相当強いのでございますが、私の方といたしましては、予算の関係上なかなか新しく建てるということはできませんので、これも非常に要望の高いところからわずかずつ、全国的にいいますと、一箇所あるいは二箇所ぐらいずつ、予算の範囲内で新しく建てるということで参つております。

田中彰治自由党

○田中委員長 それでは裁判所の件はこのくらいにしておきます。     —————————————

田中彰治自由党

○田中委員長 それでは前会に引続きまして報告書三十四ページ、「その他」の報告番号、一五について質疑を許します。平衡交付金のことで質疑がございましたら……。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 議事進行につきまして発言したいと思います。理事会でおきめになつておりました知事を二名ばかり参考人に呼んで、それでその説明も聞きつつ、政府委員の説明を聞き、あわせて質問するという順序の方が運びやすいのではないかと思いますが、いかがでございましようか。

田中彰治自由党

○田中委員長 それではそういうふうにいたしましよう。知事を呼びましてから、平衡交付金の質疑に入りたいと思いますが、いかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中彰治自由党

○田中委員長 それではそういたします。

田中彰治自由党

○田中委員長 次は報告書三十五ページ、終戦処理関係の分、不当事項、未収金、番号一六と一七、予算経理、番号一八につき審議いたします。一八については特に詳細に説明を願います。調達庁総務部長山内政府委員。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 特に一八の問題として、一応全般的についてごく簡単に申し上げて御了解を得たいと思います。  調達庁の二十五年度の決算批難事項は、全部で五十幾つに達しておりまして、検査院から非常にたくさんの御指摘をいただきましたことは、まことに申訳ないことでありまして、その点深くお詫びをいたしたいと思います。その後の取扱いについては、検査院の御指摘の次第もありますから、でき得る限りの改善をはかつたつもりでありますが、何としてもたくさんの問題を出したことは恐縮に存じ上げます。  なぜ調達庁の仕事がこんなにたくさんになるかということでありますが、二十五年度は調達庁の仕事の最も最高潮に達した年でありまして、非常に仕事も多く、取急いでやらなければならないようなものがたくさんでありました関係も影響いたしております。ただ、しかしそれよりももつと大きな影響は、調達庁の仕事が連合国軍の要求に基いて執行するということでありますので、連合国軍の方からのいろいろのやり方についての先方の法律、あるいは慣習、その他実際上の事項についてのいろいろの指示等と、日本官庁として調達庁が日本の法規に従つて厳正にやるということとの間にかなりの食い違いがある。そのためにその中に入つてかなり苦しい事情のもとに、この仕事を執行しなければならぬということも、かなり問題になる理由であろうと思います。  それから自然その中で大きな問題としては、いろいろの仕事執行についての先方の要求する規格と日本側に従来あるなれた規格との間の違いから、つい仕様書等の不十分の点から解釈を間違つたとか、あるいはこちら式の考え方でやつたとかいうようなこと、それからなお仕様書の簡単なことから、その後に連合国軍の方の現場監督官からいろいろの設計変更とか、あるいは執行上についてのこういう指示がたくさん出ますので、これの処理についてやはりそこに齟齬が起る、こういうことも原因だろうと思います。  それから今度御審議になります中に、解除物件の取扱いについての問題がかなり多く載つておりますが、これも問題はいろいろありますけれども、せんじ詰めて申しますと、解除物件の中に二つの種類がありまして、二十五年度はその中の大部分は建築資材の余り、それを軍から大量に放出を受けまして処分に当つたわけであります。そこで保管料との関係もありまして、きわめて急速な処分を迫られたことと、公定価格その他の関係もありますけれども、古いもの、長年たつているもの、いたんでいるというようなことから、適正価格の算定にあたつて、やはり当を得なかつたというようなことで、御指摘を受けました点が非常に多いのでございます。  それからもう一つ石炭問題も大分ごの中に載つておりますが、個々の問題を離れて、全体を通じて考えますと、一番大きな問題は石炭の大量の納入について、調達庁側に、いわば日本政府機関の方に検収受領についての権限が与えられていないということ、かりにある程度立会つて見ましても、その見るところによつて処置しようとしても、一々受領書等に入れてもらわなければならぬ、その訂正と、あるいは先方の考えていることと違つたような場合には承認がなければ、こちらが妥当と思われる処置がとれないという事情があつたこと、これがかなり大きな原因であろうと思います。  もう一つの原因は、石炭については先方の言う規格と、日本の商慣習による石炭の規格が少し食い違つているということ、これを数字で申し上げるならば、大体商慣習の上からいつても、塊炭、中塊炭、粉炭とわけております。この点は連合国軍のわけ方も同じでありますが、その中塊炭のわけ方、あるいは粉炭のわけ方でございますが、粉炭の方から見るならば、日本側の商慣習、これも非常に確定的のものではございませんけれども、商慣習でいうならば、二十五ミリ以下は粉炭として扱つておる。ところが連合国軍の方の調達要求書にある粉炭というのは、二十二ミリ以下である。従つて中塊炭は、日本の商慣習では二十五ミリ以上五十ミリ、調達要求書の方では二十二ミリから五十ミリ、それ以上は塊炭、そこでかまのいかんによりまして、向うの要求は中塊炭、小塊炭、そういう要求になつておりまして、その地方によつてかまに適、不適があるわけで、中塊炭というふうに要求はしてあるが、二十二ミリに近い。言いかえれば、日本の商慣習からいえば完全に粉炭に入る、その部分をねらつて入れてくれ、こういうふうに現場説明の場合に強く要求される。まれにはわれわれの考えておる中塊炭を入れましても、大き過ぎるからひとつ粉砕して持つて来いというようなものがあつたようなところもあります。こんなような関係から、石炭もについては非常にそこに食い違いがあつて、いろいろの御指摘を受けたというようなことになつております。  それから不正事件が相当の数、調達庁の関係あるいは委任を受けておる府県知事の側に、ありましたことは、まことに申訳なく恐縮に存じておりますが、これなんかの比較的共通の理由は、保管しておる金を業務上横領した、あるいはまた知つておつてそれを窃取したというような場合が相当多いようであります。御指摘を受けましてから、さつそくそれぞれ地方によつてやり方を十分改めて、将来間違いのないように尽したつもりでありますが、完全に絶滅を期するということができないことをまことに残念に思つております。大体これが全体に通じた限界、という意味ではありませんが、そういう事情がありますことをお含みおきを願いたいと思います。  そこで今委員長から検査番号一八についてというお話がありました。一八は福岡局の関係のものでありまして、これは接収不動産の賃借料の支払いにあたつて、あるいは支払い用としての金から窃取したという事件でありまして、総額が百五十万円になつております。そのうちで結局今残つておりますのが一応終戦処理費の上からいえば解決はつけたのでありますが、不正事件としての本人に対する二十五万円の回収すべきものが、そのまま残つております。これにつきましては、分割払いの約束で納めさせることにいたした次第であります。なお本人に対しましては、福岡の高等裁判所において懲役一年六箇月に処せられております。さつそくこの問題についての福岡局の地代、家賃の支払い方法を十分調べまして、将来間違いの起らないように指示し、監督しておる次第でありますが、かような事件を起しましたことについてはまことに申訳ない次第であります。くれぐれもお詫びを申し上げます。

田中彰治自由党

○田中委員長 この説明に対して会計検査院側の発言を求めます。上村説明員。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 一八号の案件は書いてあります通りで、結局こういう事態が発生しましたのは借料を一括して払い出した。これを前渡官吏に一応渡しまして、逐次払つて行くという扱いがとられなかつたというところに、間違いのもとが起つたものと思います。  一八号はそういうことにいたしまして、終戦処理費関係の検査院で検査しました概略を申し上げますと、ただいま調達庁側からお話がありましたように、全体で件数が五十一件載つております。検査につきましては役務関係、需品関係あるいは工事労務賃の支払いというようになりますが、特に役務関係の役務、需品につきましては、検査の特別班というものをつくりまして、綿密に見て参つたのであります。検査報告に掲載しました案件としましては、昨年とほぼ同数で数も非常に多くて、これでは経理が非常に悪いのではないかという印象を受けるのてありますが、経理といたしましては、ただいま調達庁の方から申されたように、なかなかむずかしい問題もあります。二十五年度に比べてみまして、必ずしも経理が実態的に悪くなつておるというふうにも考えません。逐次改善されつつある状況だということを御報告申しておきます。

田中彰治自由党

○田中委員長 この際質疑を願います。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 一六号の未回収の問題ですが、二十六年十月末現在は三百九十九万何がし、その説明の方で、二十七年二月八日現在で二十七万七千何がし回収して、残額は三百万余りになつておりますが、これの残額は、現在の回収はどうなつておりますか。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 お答えいたします。二十七年の十月末現在で総額三百十四万九千、二百四十円残つております。  なおこれはたくさんな社が関係いたしておりますが、十一社は全部回収いたしております。あと残つておるのは、四社分が今の金額になるわけであります。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 二十七年の二月八日現在で、残額が三百七十一万円、十月末で三百十四万円余、まだそれだけ残つておるということは、検査院側としてはどうでしようか、やはりこれは非常におそいような気がするのですが、回収状況どうですか。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 十月末で三百十四万九千円残つておるということは間違いございません。今とるようには努力されておりますが、会社のいわゆる経済状況とか、そういうふうな関係で、今残つております三百十四万というのが一番大きいのでありますが、そういう経済状況の関係から分割納入する、こういうことになつておりまして、実際の問題としてはとるのに相当期間がかかる場合もあるかと思います。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 検査院の申された通りでありますが、四つの社についてもうちよつと……。このうち平安電機という会社が二万六千百八十八円残つておりますが、今厳重に督促をいたしております。これは大体の見通しとしてはとれはせぬかと思つておりますが、かなり困難な点もあります。それから次に興民建設九千百二十六円、これは督促しておりますが、これはとれると思います。それから沼崎製作所、これは今検査院の方のお話の分であります。これはほとんど大部分分割納入の公正証書を作成いたしまして、抵当権を設定いたしてあります。私もよく存じませんが、抵当権の価値、執行上の点からいつて、この沼崎製作所の分が最も困難視されております。それからもう一人森建吉、これは千三百九十七円で本人の給料から毎月引くようなことをいたしておりまして、今年末までに回収する見込みでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 特別調達庁は他の官庁と違つて、むしろ臨時特別な官庁であるので、勢い不なれな、あるいは素質のあまりよくない人が、たくさんに入つて来たというようなことの原因はなかつたのでございますか。この問題がたくさんに起りました原因として……。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 ただいまの御不審の点ごもつともかと思いますが、特に調達庁に悪い人が多かつたかということになると、私ども非常に特別に多いということを申し上げる自信がありませんが、ただ短期間にいろいろの方票らたくさん人を集めた関係がありますのと、それから従来多少でも仕事になれた関係方面から入れ、なお不足の点は新規採用を相当たくさんいたしておりますので、あるいはそういう関係から幾分質の悪い者が入つたために、この批難事項に相当するようなものがたくさん起つたのではないかと思われる点もあるかと存じます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 人の採用につきましては、もちろん公務員でありますから適当に規則に基いての採用でありましようが、とかく地方におきまして進駐軍に関連した仕事になりますと、外国語ができるとか、外国の事情に若干通じておるとか、進駐軍に何か縁故があるとか、そういつたような人がたくさんおりまして、それらの人々によつてかなり民間人は苦しめられた実例があるのでございます。この点はもうすでに連合軍が現在は違つた形になつておるのですから、直接今日の問題ではないと思います。けれども、そういう面が相当有力にこの原因をなしておるのじやないかと思われるのでございますが、いかがでございましよう。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 その点につきましては、そういうような傾向が起つてはならぬと思いまして、監督者としては絶えず注意はいたしておつた次第でありますが、あるいは中に不心得の者がありまして、進駐軍をかさに着て、やり方を粗雑にするとか、あるいは一般の業者などを苦しめたというようなことがないとは言えないかと思います。ただ私ども監督者の立場として申し上げるならば、そういうことが予想されておりましたものですから、たえず注意を与えておりまして、官庁といつても、初めは御承知のように、官民のちようど両方の性質を持つたような公団でありました関係と、それから調達庁の仕事の性質から、一般の行政官庁という頭ではいかんというようなことから、始終——これはすべての官庁に必要なことですが、特別に調達庁については懇切丁寧に一般の人に当る必要があるというようなことを、絶えず指導しておりました関係で、あるいはまた  一部の人から見ると、あまり普通の役所らしくないというような批評を受けたということもございます。いずれにしましても、性質上お尋ねのような点が若干あつたことをまことに遺憾に思つております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 この表によりましても、特別調達庁関係は全部で何件になつておりますか、数十件に達しておりますが、二十五年だけでも、結局国家の受けた損害は相当なものになつて、その後若干の回収はしてはおるようですけれども、相当の金額になつておると思いますが、これについては実は過日来別の面でありますけれども、保安庁関係の事件の審査をしておりましたときに、とかくアメリカの関係があること、それから物資を扱うこと、それから臨時的な面に接触があること、こういうようなところには、必ずこの種の批難事項がどうもたくさんに起つておるように思うのであります。じつと恒常的な仕事をしておる面には割に少い、臨時的な面には割合に多い、特殊の物資を扱うところには必ずついて来る。私どもきようまでわずかの審査でありますけれども、そういう傾向が顕著に現われておると思うのであります。もうきようはその日の仕事はあなたの方ではなくなつておるのでありますけれども、従つてそういう観点からいたしますと、こういうた事項の結末につきましても、やはり地方まかせじやなしに、中央から適切に措置をして行かなければ、いつまでもだらだらとしりが結ばれないままに済んで行くのじやないか、こういうことも考えるのであります。たくさんにあるようでありますが、こういう計算を今求めようとするのではございませんけれども、概算しましてもなお莫大な金額が、債権というか、そういうものになつて残つておることと思いますが、何かそういう面について御説明願える事項があれば伺つておきたいと思います。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 二十五年度の批難事項全体をながめて、検査院の御指摘の通りに考えて計算すると、非常に大きな金額になると思います。私どもその点はまことに恐縮に存じておりますが、ただここで一々申し上げることは省略しますけれども……。(「略さないで、そこが大事だ。総括してどのくらいになるかを聞きたい。)」と呼ぶ者あり)計算をいたしておりませんので……。実は個々の内容に入つてみますと、私どもの立場から見れば、検査院の御指摘とは違つた考え方を持つているものもありますし、もう一つ、この中に大きな金額に影響するものが数一件あります。たとえば、朝鮮事変が起つてからのいろいろな海上輸送の問題、油の輸送というような問題は、検査院の御指摘の点もありましたので、その後十分検討して、契約の更改をやつて、数千万円、何件か納めさせたということにもなつておりますので、全部計数整理をしておりません点は申訳ありませんが、そういうこともありますので、ここに表面に出ておる金額そのままではないと思います。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 会計検査院が調達庁に関して指摘した、国家に与えた損害と思うものがどのくらいあるか、それが回収せられ、もしくは未回収で残つておるものがどのくらいあるかということは、今すぐにはわからぬかもしれないが、お調べになればすぐわかると思うので、次の機会までにお調べ願いたい。それから調達庁の万からは、今おつしやつたように、会計検査院はこう指摘してあるけれども、われわれの方では承知しがたい点があるということであるが、あなたの方で会計検査院の報告通りと認めた事件、金額がどのくらいあるか、それから現に回収進行中の金額がどのくらいあるか、それを次の機会までに書類にして出していただきたい。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 民間におきましては、会社が清算に入りまして、清算人がいつまでたつても清算の完了をせずに、その清算会社の取立て、それから所有財産の処分、そういうもので何年も何年も食いつぶしてしまうという事例がずいぶんあるのであります。われわれもこれはにがにがしく思つておるけれども、法律上どうにもならぬのです。取立てができない。それには毎月経費がいる。経費がいるのは、物件の処分によつて代金をそれに充当するというようなことで、何年もそれに当つておりまして、結局株主は一銭の残余財産の配当も受けない。道草に全部使つてしまう十こういうことがずいぶんある。そこでこんなにたくさんな不始末ですが、今年はもう十日余りしましたら昭和二十八年になりますが、いつまでもこういうものがだらだらして行くというようなことでは、おそらく陰に隠れた経費は莫大なものだろうと思う。これはそういう経費がいるのだと思つて国家に要求すれば、予算を組む。予算を組んだらそれが使われて行く。何のことはない、そういうことに死金を使つて行くという面が生じないとは保しがたいと思う。たとえばさきの十六号でありましたか、によりましても、会社によつては支払い能力がない、あるものはあるらしいとかいうような鑑別をしておられるようであるが、そういつたものについても、やはり国家の財政処理の結末ですから、相当敏速的確に、効率的に、適当に処理して行くことが必要でないかと思う。起つてしもうたものをわれわれは何もそれを責めようというのではありませんが、これまた長い間だらだらと行くべき案件でないものがずいぶんあると思うのですが、そういうことについてはいかがでございますか、御所見を聞きたい。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 ただいまの御意見ごもつともでありまして、この中にも、そういう会社から回収すべき金あるいは物、そういうものを督促はしておりましても、会社の方がもうつぶれて清算に入つて、その清算が非常に長引ぐためにらちが明かないというものも相当件数あるやに思つております。調達庁としてはそういうふうになつては困るので、できるだけ早く解決したいと思つて、いろいろの事務の処理確めておつたわけでありますが、どうも最後の結末の清算そのものがとかく長くなるものが非常に多いのでありまして、たとえば工事をやつて——工事の場合は金そのものに大きな間違いということはあり得ませんが、当時二十五年度時分はかなり官給資材で仕事をやりまして、資材を渡すときに、大量に買い込んでいる中から出してやりますので、その資材の中にはどうしても悪いものもある。いたんでいるものもある。それから見方によつて、こちらは大丈夫だと思いましても、軍の現地の監督官がいかぬといつてはねるものもある。そんなふうな事情も予想されますので、完全にその工事をやるための必要資材としての割当は、普通技術者が絶対必要な数量として計算するものに対しで、若干割増しをつけて配給するわけであります。そうすると、工事をやつたあとに、今度はむろん金、物の清算をやるのでありますが、それがどうしても長引くわけです。いよいよその資材が少しよけいに渡してあつたということにきまりましてから、返納を命ずるわけでありますが、大分工事の実際のでき上りと最後の清算のときとは、時・間のへだたりもあつたりしまして、今のような結果になる場合もありまして、非常に残念に思つておりますが、そういう事件が相当多かつたかと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 二十五年のこの審査を遂げる上に参考にしたいと思いますので、二十六年度に特別調達庁として大蔵・省に向つて要求した予算の総額、それから最終通過した額、二十七年度には何ぼ要求して何ぼ通つたのか、それは今すぐにわかりますか。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 今すぐはわかりません。あとで調べてお知らせいたします。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それでは鈴木君から要求しました資料と一緒に出してもらいたい。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 十八号のうち当然国庫に納入すべき利子の中に、会議費に使つたものが七万七千円余ありますが、これは国庫に納入すべきものであるということは明瞭なんだと思うのです。これは悪意をもつて会議費に使つたとしか思われないのですが、この点いかがでしようか。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 今のお尋ねの点は、一八号に関係したものだと思いますが、この中に、保管をしている間の利子が十三万五千四百七十六円ありまして、そのうち七万円いろいろの会合等に使つたものがあつたわけであります。こういう主要な会合はどちらにしても経費がかかるから、むろん節約を旨としなければなりませんけれども、必要なものであるから、これは一般の国費の方から支出さしていただいてさしつかえないものであるという解釈のもとに、それだけを差引きまして、あと残つた五万七千七百四十一円を不正を働いた者から二十六年八月十六日に納入さした次第であります。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 そこに問題があるのです。残額は納入したことはここで明らかになつておるのですが、会議費に必要だからといつて、そういう国庫に納入すべき利子の中から支払うことは、はたして許されるものかどうか。これは会計検査院にお伺いいたしたい。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 りくつから申し上げますと、ただいまの御意見のように、利子が生じたならば当然これは国庫に入れるべきものだと考えます。ただ使途が、予算に正式に計上したものではございませんけれども、いわゆる不動産関係の会議の費用に使われておるということで、個人的のものでないから、まあ歳入の部に入れられることも無理だろうかというふうに考えております。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 そうなると、これは予算に計上してないものでも、私的なものでなければ幾ら使つてもいいということになりますか。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 御説明いたします。実は予算がありまして、これを交際費とかあるいは会議費が足りない場合に、二十五年度の他の決算報告にも出て参つておりますが、役所で往住別の予算をやりくりしまして、会議費に使つておるという事態がございます。会議費に使うということは、予算がなければもちろん使つてはいかぬものであると思いますが、実際上役所のために使われたものを出すという場合に、そこまで個人的に責任を負わせるということも、役所で使われたのだから——そのこと自身は将来ないようにしなければならぬと思いますが、使われた金をすぐ個人責任で返せというような点まで見切つていいかどうかというふうな点がちよつと疑問に思いますので、個人の経費に使われておるものならば当然負担さすべきものだと思いますけれども、公的なものに使われておりますので一応やむを得ないと思います。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 そうすると、検査院側としてはそういうものに便つたことは不当だ、しかし個人責任は追究できない、こういうことになると思います。そうすると特別調達庁の方で私が先ほどお伺いしたのは、これは明らかに不当な使い方だということは、意識しながら使われたものであるかどうかを聞いておるわけであります。これは当然なこととして使われたものか、しかしこれは間違つたやり方であるが、まあやむを得ないとしてこれを使われたものか、そこのところを聞いておるわけです。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 この点は私どもとしても非常に申訳ない事件でありますので、今の点もりくつになると、お説のようにすべきであつたかとも思われるのですが、検査院の方からもお話がありました通り、不動産の関係はなかなかややこしい問題が多くて、よく会議をやりますのですが、会議の予算がないからといつて、それでは不当なことをやつていいということには毛頭なりませんけれども、まあ元金の別途保管しておる利子があつたので、公のためならはそれを使つてもさしつかえないとこういうふうに考えて、当時必要な会議費に使つたものと思われます。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 私が確認したいのは、検査院側では使つたことは不当だ、しかし個人の責任追究まではできないという考え方で、あくまでもそういうものを会議に流用することは不当だと認められておるわけです。それで官庁側としてやはりこれは不当だと認められるものならば、今後は十分そういうことを気をつけていただかなければなりませんけれども、今後もそういう場合はまあやむを得ないというような気持ならば、これはなかなか限度をきめることはむずかしいと思います。その点の御意向を伺つておきたい。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 ごもつともでありまして、このことは当時の使つた者の気持を私申し上げたのでありますが、こういう使い方は間違つておると私も考えております。そこで当時そういうことをやつた責任者は局長以下それぞれ処分をいたしておりますし、将来そういうことのないようにさつそく取扱い方法も改めまして、そういう不正を働く余地のないような手続を定めて、監督をいたしておるような次第でありますので、御了承願いたいと思います。

永田良吉自由党

○永田(良)委員 関連して——終戦処理費の中で、私は年度関係はよく記憶しておりません、これは事実あつたことでありますが、お尋ねさせていただきます。私は鹿児島県の大隅海軍航空隊の飛行場に関係いたしておりませんが、厚木と鹿屋の飛行場に米軍が最初に進駐して来た。約一年半ぐらい三千五百の空軍とか海兵隊が駐屯しておつた。当時海軍の航空隊並びに工廠の所有物であつた飛行場から建物、倉庫、格納庫、一切米軍が占領しておつた。ところが一年半ぐらいしてから、米軍が一応鹿屋の駐屯地を引揚げて、その後鹿児島とか福岡方面、各地にアメリカの進駐軍は駐屯したわけですが、その駐屯をしたあとにしばらくだれもいなかつた。その間に国有財産が略奪されたり、不正な領有によつて失われておるのを、私は当時鹿屋市長であつて、目撃しておる。今回代議士になつて来たのですけれども、たいへん残念に思つたことが多々あるのであります。その後占領軍の方から日本の国有財産として返還された土地とか建物も相当あるのであります。なおまた承れば、現在もアメリカ軍が、進駐しておつた飛行場の滑走路などは、まだ使つておるようであります。その後は予備隊、今の保安隊が四千人ぐらい入つておる。そうしてその庁舎いろいろなものを使つておる。その間に、終戦から今までの間でありますから、六、七年の間に略奪をされた国有財産の額も大したものです。その中で検挙されたのが二、三件あります。それは皆さん御承知かと思いますが、財務局の鹿児島の出張所長が検挙されて、これは何箇年かの懲役になつて、たしか何十万円かの罰金の徴収も新聞に出ておつたようですが、金額は明らかに覚えておりません。けれどもそれらははたしてとつた金をあとで本人から徴収できておるかどうか、なお現に私の鹿屋市で、これは皆さんの関係であるかどうか知らぬけれども、財務局の出張所長が不正なことをして、いろいろな者と話合つて国有財産をかつてに処分して賄賂なんかとつていた。その未徴収額がたしか七、八十万円と私は記憶しておりましたが、これらは本人が今まで政府の方に何年か継続をして納めているかどうか。こういうことについて、もし調達庁の方でこの事件を御承知であれば、そのことをここで説明を願えればけつこうと思う。おれらは大蔵省の財務局関係であるから、それはおれらには一切関係ないと言われれば、私は久しぶりにいなかから出て来たから、調達庁関係のことになつているかどうか知らぬが、終戦処理費となれば多少皆さんも御関係がおありと思う。また会計検査院の方でも、こういう事実について何かお聞き及びかあるいは調査されたことがあるか。これは少し古びたことで、二十五年度の決算と限つたことではありませんけれども、確かに徴収関係からいえば二十五年にも若干関係があると思う。これはちえて政府の非とか役人の非をあばくというわけではないけれども、ああいう終戦後にしおける国有の財産を不当にかつてにしたというようなことは、相当厳重に取締つておかぬと、今でもあそこはまだ進駐軍が入つていて、財産の未処分もあります。ことに数日前から私どもが審議しているのは、保安庁関係が多いようですが、現在あそこに保安隊がいる関係上、将来の戒めにもなると思います。そのことについて御説明をしていただく項目があつたらひとつ説明していただければけつこうです。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 今のお話は今初めて伺うことでありまして、その事件としての結末がどうかということは申し上げかねますが、国有財産である飛行場に連合国軍が入つて使つておつたということになりますと、かりにその間に国有財産に被害がありましても、民間の場合ならそれに対する補償の措置はありますけれども、国有財産に対する損失は結局国家の損失として特にそれを補填するということはないわけなんですが、ただ個人の犯罪にかかる場合には、これはどこまでも個人の犯罪で、個人的に処罰するだけでなしに、財産上の問題についても追究するはずと思いますが、この事件自体を存じませんからはつきり申し上げかねます。  それから前に進駐軍が入つておつて、今保安隊が使つているということでありますと、調達庁が土地建物を提供いたしておりますのはどこまでも旧連合軍、講和後は駐留軍に対して提供する仕事であります。従つて軍の必要がなくなつてしまえば、おのずから解除されるはずだと思うのですが、解除になれば今度は管財局の方で担当されまして、国有財産としての処置をする。それから解除にならないでいるとすれば、むろん管財局というのではなくて調達庁の関係でありますから、今の問題は国有財産に関する限りは特に補償という問題は考えられないと思います。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 この特別調達庁に関する会計検査院の不正もしくは不当なりとして指摘している部分、非常にたくさんある。これを一体所轄大臣が知つているかどうかということに疑問を持つ。それはこの間警察予備隊の問題で起つたこの書類の会計検査院指摘の一二号の問題について、政府委員はこの指摘に対して倉庫を移転させることが必要で金を出したので、その金がどう使われようと使われまいとそんなことまでわれわれは知らぬ、こう言つている。つまり金を出したことは間違いじやない、こういう弁明を政府委員はしている。ところが所轄大臣の木村さんが来て、そのことを聞いてびつくりして、私は知らなかつたけれども、そういうことは悪いにきまつていると、はつきりと政府委員と大臣との答弁が間違つているという事実もあります。そこで私が願うことは、おそらく所管大臣はこの指摘せられた事実を知らず、ただここに政府の弁明と説明として出ているものは、属僚の方々がこういう言訳を書いてお出しになつて、そうして会計検査院の、不当と認めた部分に対しては、紋切型に、はなはだ遺憾であり、将来十分注意するというだけのことです。こんなことで国家会計がほんとうに厳正に、国民の血税が十分効果的に使われるとは思えない。そこで今出ている調達庁の係の方がよくここの会議に出た空気を大臣に伝えて、これだけの指摘があるが、これに対して、これを改めるためにいかに善処するかという、つまりこれを指摘せられたことを、大臣を呼んだ上で、大臣の感想及びこういうことが将来起らないようにという大臣の信念をこの決算委員会でひとつ発表してもらいたい。これを私は要求しておきたいのです。委員長を通じてお願いしておきます。

田中彰治自由党

○田中委員長 次の委員会に長官を呼ぶことにいたします。  それから調達庁の方に私委員長として次会までに書類を出してもらいたいのですが、会議を開くときにどういうところで開くのか。この間、会議を開いてこの金を使つたということですね。何人ぐらいで何回ぐらい会議を開いてこの金を使つたのか。あとで書類でいいですから……。  それでは一六、一七、一八までで御質問があるならば……。

田中彰治自由党

○田中委員長 それでは次に、三十八ページ、工事、報告番号一九ないし二四、四十一ページ、物件、報告番号二五ないし五〇につき審議いたします。右のうち報告番号三一、三二、三三、四〇、四三、四四、四五及び四七の批難事項については、政府及び会計検査院両当局から特に詳細な説明を願います。調達庁協力課長鈴木説明員の説明を求めます。

鈴木直美総理府事務官(調達庁総務部調達協力課長)

○鈴木説明員 三一でございますが、これは解除物件でございます。解除物件のうちラジエーターバルブその他排水金物等を福井県機械金属工業協同組合に随意契約をした。その場合の単価につきまして、売払う側の京都局においては、その品物を新品としては使用することができないと認めまして、素材としての値段で取扱つた。会計検査院の御批難は、当該の品物は新品であつた、だから当然生かして使うべきだ、こういう御意見でございますが、調査いたしましたところ、一応その品物は進駐軍の住宅工事の不合格品、こういつたような資料もございまして、私どもの今持つておりますデータでは、これらの品物は事実福井の工事に使つておらないというようなことがわかつておりますので、一応見方の相違というような点で御了承を願いたいと存じます。三一についてはよろしゆうございましようか。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 九五%、九六%というような減額を認めたということはどうも常識では考えられぬ。

鈴木直美総理府事務官(調達庁総務部調達協力課長)

○鈴木説明員 九五%、九六%と申しますのは、解除物件を売払うときは、すべて時価標準でございますので……。  一九の「工事費過払金等の徴収処置当を得ないもの」でございますが、これは実はボイラーのための給炭機のすえつけが最初の予定から減りまして、最初の予定は十二基で断つたものが、しまいに四基になつてしまつた。しかし変更の手続をせずにおりますうちに、部分払いをしてしまつた。しかも最後の受領までにおいては、そのうちの八基がやはり過払いの状態になつてしまつたという次第でありますが、途中において、軍の方でも一応はこれをすえつけなければならぬというようなことを考えまして、考え直したというような事態もありまして、そのためにこれを計画通りすえつけるというような考慮の時期が相当あつたわけなんです。その間において一方出来高払いがされてしまつて、最終的にまた軍の方でこれを拒絶して来た。そういうようなことで、これを生かすか生かさないかというようなことが非常に長い期間不明瞭になつておりました。結果的においては、こちらの希望といたしましても、非常にむずかしい問題になりますので、必要と認められるので計画通り使つていただきたいというのが、拒絶になつて、そのためにこういうふうになつたのであります。これは本年の七月十九日に和解が成立いたしまして、百六十二万三千百三十四円という徴収金額でございます。これに対しまして、工事打切りに伴う補償金額が百二十一万一千六百三十八円で、この補償金の範囲は相殺いたしまして、それ以外の残余の金額を分割納入の方法に協議整つております。この相手が今非常に経営に困つておりますので、その促進速度が相当困難である。回収ということは困難であるという状態であります。  二〇は、大阪の局の工事の処置当を得ないものということになつておりますが、この結果だけ申し上げさせていただきますと、この金額の百三十六万七千九百九円というものは本年の一月三十日に収納してございます。詳しく申し上げますと非常に長くなりますので、結末のついた分だけ申し上げると、そういうふうになつております。  次に二一でございますが、これは福岡調達局で、契約の相手は三建工業でございます。三十万六千八百八十五円、これは二十七年の二月五日にたまたまこの業者が小倉地区で工事をいたしたことがありますので、その際に相殺して収納済みでございます。  二二でございますが、東京調達局におきまして、義合祥外十二社との間で起つた問題でございます。十二社は完結いたしまして義合祥一社だけ残つております。金額で全部申し上げますと、五百十六万三千三百四十三円中、義合祥一社の分が百九十五万円ですが、これは義合祥との間に分割納入公正証書を作成いたしまして、大体来年度の終りごろまでに完納すること、こういうふうになつております。  二三は、仙台調達局におきまして、大林組外五社との関係でございますが、これは本年の七月末に二十三万六百二十三円、残余の分は現品でもらつたのがございまして、収納関係は一切済んでおります。  二四は名古屋調達局の件でございますが、竹脇組外一社、全部の金額が二十万三千百六十三円でございます。竹脇組につきましては、二十七年の七月二十六日に分割納入和解が成立いたしまして、竹脇組の分が十八万四千二百十七円でございますが、分割納入の取運びになつております。明楽組の分がもう一つありますが、一万八千九百四十七円、これは東京局に移管いたしまして、東京局の方で回収してもらうような運びになつております。  これが大体工事関係のうち問題のところでございまして、二〇から二四までの事情はこういうふうになつております。

田中彰治自由党

○田中委員長 どうも調達庁の説明にぴんと来ないところがあるのですが、もう少し懇切にやつてください。国民の金を使つてめちやめちやになつているのだから、責任を持つて願います。

鈴木直美総理府事務官(調達庁総務部調達協力課長)

○鈴木説明員 では三一でございますが、これは先ほど申し上げたことでございます。  三二は、呉調達局で、昭和二十五年の七月に高知市の小川某という方に、随意契約によつてケーブル類一万九千三十五メートルを百十七万円で売り渡しておりますが、これの予定価格の立て方について調達庁の価格が非常に安いという御批難でございます。この場合調達庁の考えましたことは、これらのケーブル類は戦時規格でありましたために、市場性があまりなかつたものでありまして、三月の入札にあたつては一応ケーブルとして入札しておりました。そのために不調に終つてしまつた。その後緊急に処分しなければならないような事態が起きましたし、前に不調に終つているというような事実がございましたので、一応素材市価と比較いたしまして、当初の予定価格で売却したわけでございまして、一応こちらの考え方も、そう安くはない、こういうふうに考えておるわけであります。  次は三三でございます。これはやはり呉局で起きた問題でございますが、鋼板製貯水タンク三百八十三個を、予定価格は八十六万一千百八十三円でございますが、随意契約によつて、八十六万五千円で売り渡しておる。これに対しまして、生材料である鋼板の価格は、二十四年四月の価格、トン当り一万六千四百三十円ないし一万七千七十円によつて計算して、これに加工費を加えた新品価格から、品質の低下等を考慮して、八五%値引きして、予定価格を決定したものであります。それに対しまして、鋼板の統制価格は、二十五年の一月で二万一千三百円ないし三万二千三百円に改訂されたにかかわらず、旧統制価格により、かつ著しく高率の値引きをしたために、トン当り三千円程度となつて、当時のくず鉄の統制価格トン当り四千五百円を下まわる結果となつている状況である、こういう御批難でございます。この場合呉局の態度といたしましては、この積算にあたりましてはこれを屑鉄と考えたわけでありまして、トン当り五千円として積算し、予定価格調書はこれにより逆算したもので、特殊濶大品であるために、解体、輸送等のいろいろの仕事の量を考慮いたしまして、トン当り四千五百円の統制価格を下まわつた次第でございます。こういう考え方で、若干これをこわしてはというようなことも考えて安くなつたという次第であります。  次は三四でございます。これは福岡特別調律局に起りましたことでございまして、昭和二十五年の六月に広島市の宮本某に建築金具及び管工事部品、木ネジ等十一品目を予定価格十七万二千百八十五円として、随意契約によつて同額で売り渡しております。これは二十四年の十二月、予定価格を時価評価四百八十一万一千九百八十四円から、需要度、損耗度等による減額を行つて百三十万二千三百四十九円といたしまして、一般競争入札に付した次第でありますが、入札希望者がなかつた次第であります。二十五年六月に至りまして、さらにこれを多額に減額いたしまして、予定価格を前記のように一三%程度に引下げて売り渡したものであります。この場合検査院の御批難は当初の入札をしたときから六箇月を経て、本件契約当時において、あるいは右物品の主材料である非鉄金属二次製品は約三〇%の値上りをしている状況であり、またこの間本件物品の損耗が増大したものとは認められないばかりでなく、本件物品はそのままくずとして売つても二十一トン余、時価四十六万円を下らないものと認められる。本件売却価格は著しく低価に失するものであるという御批難でございます。この場合非常に長たらしい御説明になりますが、それぞれの場合の解体費というようなものを考えまして、こういうような値段になつたわけでございまして、一応この中の内容につきまして数量の考え方の違いというのが検査院との間にございまして、その調整に努力したわけでございますが、これはここに私どもの方の回答に書いてございますように、トン当り五千円と一応積算いたしまして、解体その他の費用を考慮いたしましたためとはいえ、この価格を下まわつてしまつたということをおわび申し上げなければならないと思います。

田中彰治自由党

○田中委員長 調達庁の方に委員長として申し上げますが、私たちが考えるのに、皆さんがこういう事件に対する研究をやつているわけですが、あなたの説明は良心というものが欠けているように思うのです。これをここへ来てお読みになるのでなくて、委員会へ出れば、ここで説明をしなければならぬのだ。もう少しあなた方のところで簡単明瞭に委員の方に説明がわかるようにやつてもらいたい。ただ決算委員会は、ここへ来て遺憾であると言えば済むという考えではいけない。今までの各官庁の事件を調べた中で、どうも調達庁の説明といいましようか、その態度といいましようか、そのすべてが一番納得行かないものがあるのです。御承知のごとく、八千数百万の国民の血税をとつて、これだけの事件を起して、しかも二十六年度もそうでしようが、この二十五年度の中に出ているので一番多いのは、調達庁ですから、あなたのこういうような説明では、委員の方もだれも納得できますまい。きようは時間もありませんからこの程度にいたしますが、この次にはこの説明をもう一ぺんやり直してください。こんな不誠意な説明というものはありません。もう少し決算委員会というものを重視されないと、ただあなた方が下の者を処分されたのでは済みませんよ。これは長官のところへ行くのか、次長のところへ行くのか、総務部長のところに行くのか知りませんが、われわれは警察や検事局ではありません。ただ部下を処分したというだけでは済みません。政治的な責任を負わして、あくまでもそれを処理し、今後こういうことのないように防止するのがこの委員会ですから、このことをよくのみ込まれて、ただこの決算委員会でいいかげんな説明をして、むにやむにや言えば済むなどというようなことでは、今委員の皆さんも御熱心に討議されているのですから、委員長としてこういう説明では不謹慎だと思います。こういう説明を聞いても、おそらく委員の方はわからぬと思いますから、もう少しはつきり説明ができるように、この次には材料と原稿を持つて来て説明をしていただきたいと思います。あなたがここでそうして拾い読みをしておるのでは問題になりませんよ。そんなにあなた方がこういうことを簡単に考えておられるということになれば、われわれ国民の代表として考えなければならぬ。あなた方がこれを重視しておられて、やつた過去について誠意があるならば、それを責めてどうするというような考えはわれわれは持つていない。平衡付金などにしても、知事まで呼んでいるのですから、決算委員会は今までのようにぐうたらなことはやつておりません。きようは委員の方もお疲れでありましようからこのくらいにしますが、この次のときに、もう一回説明のできるように、よく用意して来てください。委員の皆さんに申訳ありませんが、この説明では委員の皆さんもわかりませんし、委員長もわかりませんから、きようはこのくらいにして……。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 いずれ検査院側の御意見も聞かなければならぬと思うのですが、この際にちよつと検査院の方の御意見を聞きたいのです。売渡しの問題は、ただ後になつて不当事項を列挙し、それの弁明を聞くというようなことでは、いつまでたつても問題の解決はできないと思う。特に事の性質からいつて、特別調達庁あたりの売渡しの問題は、何らか制度の上でもつと検討を要するものがあるのではないかと思う。売渡しについて特別の何か機関にかけて、不当な損害をこうむらないように、事前に防止する制度を設ける。そういうことについての積極的な改善策というものを、検査院あたりで考えられたことがあるかどうか、もし考えられておるならば、そういう案がおありならば、ひとつお知らせ願いたいと思います。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 お答えいたします。特別調達庁の処分が緊急にやられるというようなことで、そういう事態が非常に多く出たと思いますが、さてどこでやるかという場合に、もちろん進駐軍の関係がありますが、相当処分を急がれた関係がありますので、よその適当な機関をしてこれを売却するということにいたしましても、結局は特調でやるよりほかにしかたがない。やられます場合に、一応本庁からいろいろの基準を示されまして、大体どういうものがどうというようなことで一応地方に流れて、それによつてやられておつたわけでありますが、その際もう少し検討されれば、相当こういうものは防げたのではないかと考えておりまして、特に別の機関にやらせるということは今まで考えておりません。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 資料のことでこの機会にも特調の問題を引続いて審査されて行くのですが、適当と思われる案件につきましては、あなたの方で審査になりまして得た参考事項を記入の上、次会までに御用意配付してもらいたいと思います。特調の各事項につきまして、いろいろと検査院として審査された。その途上いろいろ得た資料、参考になるような意見、そういう事項を書いたものを出していただきたい。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 ちよつと今考えつきませんが……。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ちよつと私の要求の仕方が悪いのかもしれませんが、各事項につきまして、原因、結果、措置、ないしは見解というようなことについて、あなたの方の批難事項として決定されたのだから、その資料として出たはずです。それでそのどれか適当なものを一つ取上げて、さような事項を書面に記載したものを出していただきたい。あなたの方で調査した書類をみんな借りるわけには行きませんから……。それでそういうものから適当と思われる原因、結果、それに対する措置、そういうことについての事実と意見、こういうものを書いて出してくださいませんか。全部でなくても、三つでも四つでもいいのですから、適・当と思われる件について出してください。それは資料としてわれわれは見たいのです。裁判所の事項についてお書きになつておりますね。この種のものでよろしゆうございますから、これをあらかじめもらつておけば非常に参考になります。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 はあ。

永田良吉自由党

○永田(良)委員 私は会計検査院の方にひとつお尋ねしたい。皆さんが各政府の支出とかいろいろなことについては、全部会計検査をなさると思うのです。私はまだいなか者でよくわからぬのですが、会計検査院の方はたいへん人も増員されたというようなことも聞いた。われわれ昔は非常に少いもののように承つておつたけれども、そういうふうに会計検査院の人がふえれば、従つて会計検査院全体の旅費とか俸給とかいうようないろいろな支出が、相当な金額に上つておると思う。そのみずからの会計検査院内の自分の会計検査は、どういうふうにしておやりになるのか。それをひとつ教えていただきたい。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 会計検査院検査もやはり各省と同じようにやるわけでありますが、機関としましては、会計検査院の局が四つばかりございます。そのうちの第一局——私の担当ではございませんが、第一局で担当いたしまして、書面による検査はもちろん、近いところでありますから、疑問な点は口頭によつて呼びつけて聞く。そしてただすべきものはただすという方法で、検査院の中で担任してやつております。

永田良吉自由党

○永田(良)委員 四局あるとおつしやいましたが、その一つで検査をしておるということでありますが、私はどうもそれについてそういう習慣になつているかもしれぬけれども、会計検査院内の検査は、私から見ると何かそれを交代にやらせるか、もう少し徹底した——今まで検査されたことの中に、不正なんか一つもなかつたものでしようか、ここ数年の間に……。そういう事例があるならばお示しいただきたい。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 私担当しておりませんので、結論だけ申し上げましてお答えいたします。今までのところは、批難事項としてはございません。検査の途中でどういう事項があつたかということはちよつと私わかりませんので、お答え申し上げかねます。

永田良吉自由党

○永田(良)委員 四つの局があつて、自分の検査を自分でされるということは、どうもわれわれ民間人の代表としてはいかにもふかしぎに考えます。やはりこれは会計検査院法において——むろん内閣としても政府の役人としても相当お考えにならなければならぬことだと思います。自分の家の会計の不始末を自分で検査するということは、悪く言うとずるいことではないかと思う。その結果において、ないということは、皆さんは会計検査院だから何もそんな悪いことはないとおつしやるかもしれぬが、私どもは今日の世上から見て、皆さんのうちに、何千人かの検査員のいらつしやるところの支出の中に、何箇年間のうちに一つも不正がないということは、常識上判断ができぬと私は思う。あなたのうちの四局ある一局の人が始終検査するのだから、近いし、早くできるでしようが、会計検査院の検査は、特に臨時的に、あるいは検査員のような者を任命して、不時の検査をするというような、検査院法に多少厳粛な、自分のことは自分で取締りにくいから、他の方面からこれをやるというような御研究はいかがなものでしようか。これは私ども伺いたいけれども、これらについて会計検査院法に改正の必要なしと考えるか、このままでいいとお考えですか、これをはつきりおつしやつていただきたい。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 お話のように、検査院の検査を検査院がやつておるということは、ちよつとおかしいということは、確かにそういう点もあるかと思いますが、御承知のように、今法律でやるということになつておりまして、やりました結果も、これは院内でいろいろ話をしおる存でありますが、会計経理については、各省の模範にならなければならぬということで大体やつておりますので、特に現在の法律を改正して、検査院以外の機関がやらねばならぬというほどには、実は強く考えておりません。

永田良吉自由党

○永田(良)委員 私は、こういうことについては、ひとり日本のみならず、世界各国のうちにはみなこういう制度があると思う。私はたいへん失礼なことをお尋ねするのですが、現在欧米各国の官庁方面や行政の部面から見て、みんなの国がそういうふうに会計検査院の出納検査については、会計検査院のみがやつておるのか、世界各国ともどうしておるのか、あるいは臨時的に何か、私が今お尋ねしたような特別な措置法によつて、会計検査をなしておる実例か何かありや。もしなければ、今委員長が言われた通り、われわれはどうも近ごろ日本の官庁の出納が紊乱しておるように見える。これらについては、どうしてもこれを取締る関係から、もしそういう法律がなければ、われわれは委員会でこれを研究して、これを建議なりあるいは何かの形で議会に提出して、会計検査院法の改正法律案を立案する準備をしたい、研究をしたい。この点について、委員長においても、特にわれわれの意見を研究調査していただきたいことを希望する次第であります。これはきようただちにやらねばならぬ問題でもないのですが、この問題は、自分の検査を自分ですることは、常識から判断して、よろしからぬ問題だと思う。しかもそれは、私は予習しますが、皆さんはそういうことをおつしやるけれども、日本の現在の情勢、また世界の情勢から見て、会計検査院の出納だからといつて、一年に一件や二件くらい、何か不正がないはずはない。こういうことは、弊害を伴うから、改正すべきことは改正した方がよろしくはないかと考えましたから、お尋ねしたわけであります。またこれは後日進言したいと思います。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 この委員会で私どもが、会計検査院と指摘せられた当局との間の問題を、明らかにしたいという意味においては、今のような答弁や説明ではよくわからぬ、というのは、たとえば今問題になつておつた三二号の問題ですけれども、この価格が高過ぎたか、安過ぎたかということは、つまりこの品物の需要度、損耗、変質等による減額を九五%もしくは九八%にきめたことが安過ぎたという結果になつておる。会計検査院はそれを批難しておるのだけれども、政府の当局者の方ではそうきめることを当然のように考えておる。その意見の違いというものについて、これがこれがどつちが正しいかということをわれわれは聞いて判断しなければならぬ。それからもう一つ会計検査院の指摘の中には、「買受人において使用する目的も定まつているのであるから」、こういう項目がある。つまりスクラップとして扱うのじやない、買受人がそれを仕事の上に、水道か何かの排水とか何とか、水道工事の資材として買受ける目的で買つたんだから、スクラップとして扱うことは不合理だ、こういうふうに会計検査院は指摘しておる。ところが今政府委員の御説明では、水道工事に直接には使つておらぬのだと言つておられたように私は聞いた。そこに食い違いがある。そういうところを明らかにして、値段が高かつたか、適当であつたかどうかを判断しなければならぬが、そういうことにしてもわれわれを了解せしむる答弁は何もないということなんです。私どももただ政府の弁明書を読んで弁明せられるだけならば、こんなものは読んでしまつておる。同じようなことを私が聞く必要がない。だから会計検査院の指摘は間違つておるのだ——需要者においてすでに使用目的の明らかなものでもるから、スクラップとしてこういう高率な減額をしたことは不当であると会計検査院は言つておる。使つてないと言う。一体どつちが異相なのかということなんです。そういうようなことをわれわれは知りたいのであつて、大ざつぱにこの会計検査院の指摘を、一通り読んだわれわれの感じは、政府当局は、どの省の関係でもそうですけれども、物を買うときには一般の世間の相場にとんちやくなしにずいぶん高く思い切つて買つておる。売るときにはめちやくちやに安く売つておる。その売り買いの間に国家に対する損害を与え、売り買いの当事者の間に不正が刈りはしないか、どうしても常識的にそういう疑いが出て来る。それを明らかにするのが決算委員の使命であると私は思つておる。そこでわれわれが希望する答弁は、そういうところにあるのだということを頭に置いて御返答が願いたいと思つておる。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 ただいま私の方の説明員の説明は、声の小さいことと、それから十分要点をだかんだ説明があるいはできなかつたうらみがありまして、非常に恐縮に存じております。委員長からの御注意もありますので、十分よく研究し、調べまして、次会からは要点をだかんで、そして簡単明瞭に、わかりやすいように説明することに努めますが、きようの非常に不明瞭でお聞きにくかつた点はおわびをいたします。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 いずれ次会にまた問題にすることでしようが、検査院の側にもう一だ伺つておきたいのです。特別調達庁関係の批難事項にだいては、この批難の中を読みますと、数箇用だだた後には高くなつておるというようなことも書いてあるわけなのですが、先ほどの御答弁では非常に急ぐために、そういうゆつくりした、適正な価格を調べるというような別な機関を設けることはできない、こういう御答弁であつたのです。そうすると結局これは急ぐ状態にある以上、ユの当該官庁にまかせなければならないし、そうすれば当該の官庁としては急ぐ事情にあれば、どうしてもそこに多少の無理が生ずるだろうと思う。そうすると結局これは程度の問題であつて、もう少し注意したら、まだ高く売れたじやないかというような、漠然とした批難ということになる。いやしくも批難される以上は、やはりそういう状態においては、これだけの価格で売るべきであるというようなことが出て来て、初めて批難に値する。もう少し注意すればまだ高く売れただろうというようなことでは、検査院としての責任は尽せないと思う。この批難事項を通じた批難の中心点というものは、今私が感じましたように、もう少し注意を要するじやないかという程度にとどまるものかどうか、そこのところをお伺いしておきたい。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 御答弁いたします。急ぐことは急ぐわけでふりますが、いやしくも売る場合には、検討は相当やだて売らなければならぬ、こういうことでおります。それからただいまの点にだいて三一号が例に出ましたので、これで一応今の説明にかえたいと思うのでありますが、三一号は結局時価を一応考えまして、それから需要度、損耗度、そういうものを引いてとにかく売つた、こういうことであります。そして売る場合に、随意契約で売つておりますが、随意契約で売る場合には、役所の規則がありまして、これらを水道関係に使うというような場合には、随意契約はできるわけです。そういうふうな面から見ても——しかも当局ではそういうふうな形で随意契約をやつておられる。だから新品に近いものだ、こういうふうに一応考えておるわけであります。その裏づけといたしましては、これを買つて福井県下の水道、工事に使つておるわけでありますが、使つておるのを見ますと、実は調査が十分行き届きませんので、正確な点はわかりませんが、七十万円ばかりで買いまして、多少鋳だふしてやつたものもあるようであります。そして工事費の方に入つておるのは、約二百万円ぐらいで入つておる。それから一部分とつてみますと、そのまま使つたものの価格が福井県下の水道に使つた工事費に相当高く入つておる、こういうような事実になつておるわけであります。それでもう少し考えたらいいということは、結局物の見方1もちろん物がなくなつておりますので、検査院が行つたときには実はよく物がわからぬ場合があるのでありますが、いろいろの条件から見まして、たとえば廃用になつたような物を保管させておるわけでありますが、保管させておく場合に、A級、B級というふうに一応階級をつけられる。それは売るときの価格が大体Aであるならば新品同様に行けるということで、保管させて、保管料を払う、こういうような建前でやつておるわけであります。そういうふうな関係から、十分気をだけられるということは、物そのものを見られればわかる。私の方が行つた場合には、物がないので非常にわかりにくい面がありますけれども、当局者としては、検査院が見るよりももつとはつきりわかるだろう、こういうふうな考え方でおるのであります。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 今の検査院のお話は、あの任意契約で払い下げた物資は福井県の水道工事に、使用に耐える品物として使用せられておる、しかも相当高い単価をもだて使用せられておるというお話のように承りましたが、そうでありましようか。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 全部ではありません。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 全部ではないけれども、その中のある部分はそういうふうになつておる、これは間違いないでしようか。——そうすると先ほどあれは使つてはおらぬのだ、だまり払い下げた人たちがもう使つてはおらぬのだ、こういう政府の答弁とは大分食い違つて来るわけであります。そこのところはどうなんですか。あなたが使つてはいないと言われたのを確かに私は聞いておる。それからスクラップだと、こういうふうに言うておられた……。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 ちようど具体的の問題が出ましたから、この際に私どもの知つておる限りのことを申し上げたいと思います。この品物は福井県庁の証明書もだいて参りまして、福井県下の水道工事と下水工事用の資材を製作するにあたつての、非鉄金属素材として利用する。しかしその品物そのままでは向うも役に立たないと見ておつたのじやないかと思われる節があるのです。そこで調速庁としても、この品物はむろん戦時規格品であつて、もう他の方にそのまま利用することが困難であつたことがあつたと、もう一つは工事用として配給したけれども、現場監督官が、これは悪い品物だからだめだといつて、不合格品としてはねだけられた品物を保管しておつて、それを売るというような事情に立だたわけであります。従つてその品物を、調達庁は予定価格を作成するにあたつて、全然そのままで使用する場合はないものとしての予定価格を立てた次第であります。そして結果においても、私どもの知つておる限りでは、そのままは使つていない、こんなふうに聞いておるわけであります。  それから当時の状況は、最初ちよつと申し上げたのでありますが、非常に急がれたというのは、なぜ非常に急がれたかということの問題になりますが、当時軍の方では、軍の保管にかかるこういう建築資材を全部調べまして、分類をして、自分の方で依然として持つておつて将来に使うものと、全然日本政府の方に放出してしまつて、自由に処置させる。自由ということは日本の経済あるいは仕事の援助の意味で、また財政的にも幾分協力する意味もあつて、これを早く処置するようにというわけで放出した分と、それからもう一つは、一応日本側には出すけれども、あるいは工事用として将来必要が起つた場合には、工事用に使うことあるべし、なるべく使うようにという、そういう三つの分類をして、そうしてあとの三つだけが調達庁にまかせられたわけであります。そんな事情があつて、急いで処分することと、もう一つは保管料が非常にかさむので、保管料と、それから多少値段が安くとも早く処分することによつて保管料の軽減をはかることと、どつちが得かというような問題に追いつめられまして、非常に当時政府の方からも売却を急がれますが、いかに急がれたとしても、やはり十分に調査して相当な適正価格で売らなければならぬというので臨んだのでありますが、最後には保管料との関係もあつて、投売りもかまわぬから早く処分するようにという非常なきつい指示がたびたび出ましたような事情がありましたことと、元来この品物はある建物に使うために特に発注したわけではなしに、抽象的に——これは全部ではありませんが、当時大部分、一万個の住宅を建設する目的があり、そのために必要とするような資料を、非常に大量なものを購入するようにという指令に基きまして集めた品物で、その後戸数が非常に減つたというような関係で、発注自体に十分の検討を加えた結果とも思われない。非常に急いで購入した、そうして最後になつて使い方が少なかつた。そんな関係で長く保管して行く間に品物が悪くなり、保管料がかさむというような事情がありまして、特に急がれたものと私ども考えております。そういう当時の客観情勢あるいは政府からの強い指令等がありまして、処分いたしましたので、つい——処分をするにふたつてはもちろん十分調査をして、適正価格にしなければならぬわけでありますが、今のような事情から急いだためと、もう一つは非常な十分な——先ほどからもいろいろな御意見がありましたようですが、積算基準というものの立て方が、まだまだ当時不十分であつたということも原因しているかと思います。そんなようなことで、この品物につきましては、結果においては非常に安くなつておりますけれども、その当時のこの品物の用途なり、ふるいは客観情勢から見てやむを得ない値段であつたかと思つております。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 今のお話一通りわかつたようですけれども、つまり福井県知事の証明か何かあつて、これは現物でそのまま使わないで、つまり素材として使うのだという名目で安く払い下げてもらうように願い出た。こつちも調べてみたけれども、現物としてそのままで役たぬと思つて、素材として払い下げたところが会計検査院の方の調査によれば、それを使用に耐える品物として使つておつた。全部じやないけれども、どのくらいの部分か知らぬが使つておつた。だからこの値段で払い下げたのが不当だ。こういう行き違いというか、見解の違いが生じているわけであります。先ほどの政府委員の弁明では、実際工事に使つていなかつた。いないのだから、つまり先の工事に直接使えるような品物でないという見解を保持せられたけれども、現に使つておるという事実を会計検査院の方でおつしやる。そこで使える品物を使えないと認定したということが間違いなのでありますね。何かそこに当局としての手落ちがあるのじやないか。だからこの弁明書だけの言い訳じやちよつと納得ができぬという気持なんです。だからわれわれの納得の行くようにひとつこの問題の——条文を読み上げて言うだけならこんなものは政府に聞く必要はありはしない。そういうふうな点をもつとはつきりと、私はここで会計検査院と当局との間の見解の違いをはつきりしておいてもらえればいいと思うのでありますが、会計検査院ではどのくらいの部分を検査になつておるか知らぬが、使つておると言う。片方は使つてはいない。こう言うのですが、われわれは一体どつちを信用していいのか、はつきりしていただきたいと思います。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 御説明いたしました払下げのときスクラップとして使うのだという関係は、私の方で検査に行きました場合には、そういう書類を見ておらぬと言つております。それから今のそのまま使つておるというのは、どういう調べ方で調べましたかといいますと、福井県に照会しまして、県に調査を依頼しました結果、県の方から今申し上げましたように、使つたものがある、それから鋳つふして使つたものもあるということで、私どもの方へ調査の結果回答が来ております。その回答によつてただいまの点は申し上げておりますので、回答通り間違いない、こういうふうに考えております。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 それに対する政府側の見解はどうですか。

山内隆一総理府事務官(調達庁総務部長)

○山内政府委員 ただいま検査院からの話で、その後福井の方へ照会して回答をとつたというところまでおつしやるならば、私どもそこまでは存じません。ただ当時申しましたような事情で、これはそのまま使えない品物であるというふうに考えて、先方もまたそのまま使うということでなしに、その水道などの工事の素材としてほしいというような意向もはつきりしたものでありますから、そこで予定価格の作成にあたつては、そのまま使用できないものであるという前提に立つてやつたわけでありまして、あるいは結果において若干そのまま使つたものがあると、こういうことを会計検査院がおつしやつておりますれば、それは私今否定する材料は持つておりません。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 使えるものであるかないかということは、これは品物を扱つておる人ならそのくらいのことはわかりそうなものだと思いますが、わからぬのですか。一体この品物が実際の水道工事か何かに使える品物であるか使えないものかというようなことを、しろうと考えからいえば、簡単にわかりそうな問題だと思いますが、もしそれが事実ならば政府が一ぱい食わされた、ごまかされたという結果になる。ごまかした者は得をし、ごまかされた者はしようがないといえばそれまででありますが、簡単な問題であろうと思います。使用に耐えるか耐えぬかというような判定ができなければ、国家財産を処分することは困難だと思います。

鈴木直美総理府事務官(調達庁総務部調達協力課長)

○鈴木説明員 ごもつともな御意見でありますが、当時の判断といたしましては、あの工事に使う場合には全部不合格品であるということで、材質も悪く機能も不十分なものである、こういう考え方で、実はスクラップというふうに考えたのであります。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 検査院側の言われるのは、結局当時もつと注意してやれば——全部は使えないでも、素材としてしか使えないものか、あるいは一部分使えるものかの判断はできるはずだ、こういうことをおそらくつかれておるのだと思います。おそらく鈴木委員の言われるのもそれで、そういう点わからぬはずではないじやないかというので、当時は不合格品であつても、結果においては一部分そういうふうに使われておる。その当時注意が足りなかつたという点は当局は認められますか。  この点をお伺いしたい。

鈴木直美総理府事務官(調達庁総務部調達協力課長)

○鈴木説明員 事実が何よりも有力な証拠でございます。実現に使われておるという姿があればわれわれの判断が間違いであつたということを肯定せざるを得ません。その点は判断が悪かつたということを感じます。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 この委員会はこういうふうに念を押して行きたい。わかればよいのです。これから注意してもらえばよいが、ただちよつと言つてごまかして通ろうというのでは承知しないぞということを政府委員諸君に念を押しておけばよろしい。

永田良吉自由党

○永田(良)委員 私はこの委員会でいろいろ政府当局からの御説明を聞いてみると、どうもわれわれ議員の立場から考えても、現在の決算委員の機能あるいは機構の点から見ても、権限から見ても、また会計検査院のやり方から見ても、今後多少改廃すべき点があるのではないかと思います。またそうしなければ、これはただ形式に流れて、われわれが議会できめた何千億万円の支払いについて、年々百億以上の不正な点があるということを委員長さんからこの間承つたのでありますが、こういうことは年々件数もふえるし、金額もふえておるのですから、現在の機構、現在のこのやり方はますます弊害が伴う一方だと思う。こういう点から、さつき私が申し上げました通りに、会計検査院の検査法においても、自分の検査を自分がやるというようなことは、常識としていかぬ。これらも諸外国の例をよく御研究になつて、改廃すべきものはこれを改廃されたならばいいと思う。またわれわれ議会の制度から見ても、決算委員が、年中三年前一のしりぬぐいばかり研究しておつて、現在の政府の出納について、われわれ議員かいつでも監督する、あるいは検査する機能がないということは、非常に不備だと思う、その証拠には、私はいなかの者ですけれども、今から十数年前鹿児島県の県会議員をしたことがある。今はないかもしれぬが、県会議員の中に参事会員というものがあつた。この参事会員が県の支出について警察とか、県の出先の至るところに行つて会計検査をしたものである。すなわち地方制度の県会議員さえ出納については検査権があつた。そのために、地方の財政の支出については議員が参事会員として、検査したものですから、実に厳粛で、その当時は今のような不始末は少かつた。今はどうなつているか知りません。しかるに国のこういう何千億という大きな支出の検査において、いかに会計検査院の人ばかりたくさん増しても、私は効果は薄いと思う。われわれ議員が予算をきめるが、きめた金の使い方について、国民代表の衆議院議員がそれをいつ何時でも、各官庁の出納検査に立会いができぬということはないと思う。これらはよく今後研究すべきものではないかと思う。もしそこに不備があれば、われわれ今後研究して改廃さるべきものであると思います。またこのことについて私は一応委員長のお耳に達して、議会事務局の方も、政府の方も、これは研究して、お互いに日本の政治がよく行われるようにということが正しい行き方ではないか。責任をのがれさえすればいいということは亡国の兆だと思う。私の申し上げることは、少し僭越かもしれませんが、私は今後出納上において年々不正なできごとが少くなるためには、もつと今の機構の改廃の必要がありはせぬかということを考えましたから、今こういうことを申し上げる次第であります。

古井喜實改進党

○古井委員 特調関係のここに掲げられた批難事項に関連して、刑事事件になつたものがどういう状況になつているか、どれどれが刑事事件になつて、どういう結末になつたか。もう一つ、あれに関連して官紀上の処分を当該公務員が受けた状況がどうなつておるか。この二つのことの資料をお願いしたいと思います

田中彰治自由党

○田中委員長 皆さんにお諮りいたしますが、永田委員から申出の検査院の機構改革については、理事会及び委員の皆さんとよく御相談いたしまして、その方向に進んで行きたいと思つております。それから松本委員から二十五年度、六年度の古いものばかりでなく、重大な問題については何時でも調べられるようにしたいという申込みがございましたが、いろいろ研究しました結果、法律の改正に至るようなものもございますし、今の状態では、国会法百四条にあります通り、必要に応じて書類の提出を求めることが許されておりますから、どんな新しい事項でも、もし委員諸君の御希望によつて書類の提出を求められるようなことがあるならば、委員長まで申し出てくだされば、書類の提出を求めまして、その上でその書類によつての質疑ならばさしつかえない、こういうぐあいに委員長は考えておりますから、そういうふうにやつて行きたいと思います。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 それでは二十七年度分の常時継続検査をやられておるもののうち、重要なものについての提出をできるだけ早くしていただきたいと思います。

田中彰治自由党

○田中委員長 ちよつと申し上げておきます。十九日に静岡県の知事と茨城県の知事を、ここに午後一時に呼んで、参考人として説明を聞くことになつおります。わざわざ知事呼ぶのでありますから、どうかその目は特に御出席を願つて、平衡交付金その他補助金などについて皆さんの心行くまでの御質疑をしていただきたいと考えております。  本日はこの程度といたしまして、次会は来る十七日水曜日午後一時より開きたいと思います。そのときは調達庁の長官を呼びますから、長官に心行く事の御質疑をお願いいたします。  それでは本日はこれにて散会いたします。     午後四時四十八分散会

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