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15回国会衆議院1952/12/06

決算委員会 第2号

発言数
33
登壇者
7
会派数
4
開催日
1952/12/06

会議録

田中彰治自由党

○田中委員長 これより決算委員会を開きます。  まず理事の補欠選任についてお諮りいたします。去る二日、理事中助松君、また四日、理事山田長司君がそれぞれ委員を辞任され、理事二名の欠員となつておりますので、その補欠選任をいたさねばなりません。この際先例により委員長より指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中彰治自由党

○田中委員長 御異議なしと認め、渡邊良夫君及び委員に再任の山田長司君に理事をお願いいたします。     —————————————

田中彰治自由党

○田中委員長 それでは決算審議に入るに先だち、本日の理事会で協議決定いたした事項について報告いたします。  まず国政調査に関する件でありますが、従来の承認申請して参つた調査事項が三項目ありますので、従来の通り調査を続けることに協議決定いたした次第でございます。それでは次にその調査事項を御紹介申しますれば、一、歳入歳出の実況に関する事項、二、国有財産に関する事項、三、政府関係機関の収支に関する事項であり、この調査目的は、決算の適正を期するため、調査の方法は関係各方面よりの意見の聴取、調査報告及び参考資料の要求等、調査期間は本会期中であります。以上に関して、右承認要求書を議長あて申請いたしたく思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中彰治自由党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よつて衆議院規則第九十四条による右要求書の作成並びに手続については、委員長に御一任を願いたいと存じます。  次に決算審査方針についでありますが、これは従来通りの運営方法で万事進めて参ることに協議いたしました。審査の日割の予定については、お手元に配付した予定表によることとし、大体一週に三回、月水金、この各曜日の午前中に開会いたしたく存じます。御承知の通り、昭和二十五年度の決算は第十三国会に提出され、すでに一応の説明を聴取いたしておるわけでありますが、本件は審議未了となつた次第でございますので、過般の総選争を経て、今期国会において新たに委員会が構成され、委員各位がほとんど新しくなられたので、この際は当局から総括説明を聴取し、審議を進めたく存じます。なお、第十三国会当時の議事については速記録に記載されてありますので、御参考にごらんになる方は、委員長の手元に用意してございますから、御遠慮なく御利用願います。  次に、審査の方法は、先例により会計検査院の検査報告を基礎とし、政府の説明書並びに提出資料等を参考とし、慎重に審議して参るわけですが、二十五年度決算の批難事項は千百十三件の多数に上る関係で、この際は重点的な審議の方法で進めたく、他の比較的類似した案件についてはその説明を省略したく存じます。従いまして質疑応答はできるだけ簡明に進めて参るように御努力を願いたく存じます。  以上の方法で、政府当局及び会計検査院の説明聴取の上、質疑に入り、順次各省庁所管並びに政府関係機関その他の団体の決算を検討し、終つたところで議決案をお諮りし、御決定を願う次第になつております。なお分科会については、第一回国会以来種々なる都合によりこれを設けずに審査しておりますので、お含みを願います。  次に、政府委員の出席要求及び参考資料の提出要求については、その都度委員長まで申出を切望いたします。  ただいま申し上げました通りの理事会の決定をここにお諮りいたします。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中彰治自由党

○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

田中彰治自由党

○田中委員長 それでは本日、政府及び会計検査院から概略の説明を聴取いたしたいと思いますので、ただいまから、昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十五年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十五年度政府関係機関収入支出決算を議題といたします。まず大蔵当局から説明を伺います。愛知大蔵政務次官。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算及び同特別会計歳入歳出決算並びに同政府関係機関決算報告書を、会計検査院の検査報告とともに、第十三回国会に提出いたし、その大要を御説明申し上げたのでありますが、未だ御審議を了しておりませんので、重ねてその大要を御説明申し上げます。  昭和二十五年度予算は、昭和二十五年四月三日に成立いたしました本予算と、昭和二十五年四月三日及び十二月九日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。昭和二十五年度の本予算は、前年度に引き続き、国民経済の安定を強化しつつ、さらにその再建復興のための諸施策を積極的に実施することを目標として、総合予算の均衡、財政規模の縮減、税制の合理化、教育文化及び社会政策関係経費の充実等、一連の構想のもとに編成されたのであります。なお、本予算成立後朝鮮動乱の勃発に伴い、特需及び輸出貿易の著しい伸長を見、経済界も活況を呈したのでありますが、一方海外物価の高騰による国内物価の動きは必ずしも楽観を許さぬ面もありましたので、補正予算編成にあたつても、引き続き経済安定の確保に意を用いたのであります。  なお、予算の施行にあたりましては、財政と金融との総合的、一体的な運営をはかるとともに、財政法その他の会計法令を改正いたしまして、その適正を期した次第であります。  以下決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。  一般会計の歳入の決算額は七千百六十七億円余、歳出の決算額は六千三百三十二億円余でありまして、歳入歳出を差引いたしますと、八百三十四億円余の剰余を生ずる計算であります。  この剰余金から、昭和二十六年度に繰越しました歳出の財源に充てなければならない金額三百七十億円余及び昭和二十四年度剰余金の使用残額百九十五億円余を差引きますと、二百六十八億円余が本年度新たに生じた純剰余金となるのであります。  なお、右の剰余金八百三十四億円余は財政法第四十一条の規定によりまして、一応翌年度の歳入に繰り入れるものでありますが、そのうち、本年度に新たに生じました純剰余金二百六十八億円余の二分の一を下らない金額は、同法第六条の規定によりまして、公債または借入金の償還財源に充てることとなるものであります。  以上の決算額と比較いたしますと、歳入におきましては、予算額六千六百四十五億円余に対して五百三十二億円余の増加となるのでありますが、このうちには、前年度剰余金の受入れが、予算額に比べて三百八十五億円余を増加しておりますので、これを差し引きますと、純歳入におきましては百三十七億円余の増加となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入における増加額百十三億円余、官業及び官有財産収入における増加額百六十六億円余、特別収入における増加額九億円余、雑収入における減少額百五十二億円余となつております。  一方、歳出におきましては、予算額六千六百四十五億円余に、前年からの繰越額百八十九億円余を加えました予算現額六千八百三十五億円余から、支出満額六千三百三十二億円余を差引きますと、その差額は五百二億円余でありまして、そのうち翌年度に繰越しました額は、前に申し上げました通り、三百七十億円余、不用額は百三十一億円余となつております。右の翌年度への繰越額のうち、財政法第四十二条旧書前段の規定によつて、あらかじめ国会の承認を得て翌年度へ繰越しました金額は二百六十四億円余でありまして、その内訳のおもなものは、終戦処理事業費におきまして、工事、需品、役務等の調達要求書の発出時期の関係から年度内に支出を終らなかつたもの、及び価格調整補給金におきまして、食糧、鉄鋼、肥料の各補給金の精算確定数量の確認が年度内にできなかつたために年度内に支出を終らなかつたもの等であります。  また、財政法第四十二条但書後段の規定によつて、避けがたい事故のため翌年度へ繰越しました金額は十三億円余でありまして、その大部分は、公共事業費、一般施設費等のうち、天候、資材その他の避けがたい事由によつて年度内に支出に至らなかつたものであります。  なお、ポツダム政令の規定に基く翌年度への繰越しでありますが、その一つは警察予備隊令附則第三項の規定に基くもので、その金額は六十七億円余でありまして、これは警察予備隊の発足に伴う物品及び施設費等の経費で年度内に支出を終らなかつたものであります。その二つは、海上保安庁法等の一部を改正する政令附則第三項の規定に基くもので、その金額は二十四億円余でありまして、これは朝鮮動乱の影響に伴い、造船関係の諸資材入手が困難となり、船舶新造費等の経費で年度内に支出を終らなかつたものであります。  次に、不用額でありますが、そのうち、おもなものは終戦処理費における六十億円余、産業経済費における十七億円余等でありまして、終戦処理費につきましては、主として事業費でありまして、連合国軍の調達要求が少かつたこと等によるものであり、また、産業経済費につきましては、主として運航船の民営還元算により商船管理委員会の事業が縮小されたこと、及び朝鮮動乱等により低性能船舶の買入れが少かつたこと等によるものであります。  次に、予備費でありますが、昭和二十五年度一般会計における予備費の予算額は四億五千万円でありますが、その使用総額は、二億八千三百万円余となつております。なおこれらに対しましては、第十回国会及び第十三回国会において、それぞれ御承諾をいただいておりますので、その費途及び金額につきましては、説明を省略させていただきます。  次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。  財政法第十五条第一項の規定に基く国庫債務負担行為の限度額は、三十一億円余でありましたが、実際に債務を負担いたしました額は、三十億円余でありまして、これに既往年度からの繰越額を加え、昭和二十五年度中に、支出その他の事由によつて債務の消滅いたしました額を差引きました金額四十九億円余が翌年度以降に繰越されたこととなります。  また財政法第十五条第二項の規定に基く国庫債務負担行為は、本年度はございませんので、既往年度から繰越額のうち、昭和二十五年度中に、支出その他の事由によつて債務の消滅いたしました額を差引きますと、翌年度以降へ繰り越した額は二千百万円余となります。  以上は昭和二十五年度一般会計の決算につきまして、その概略を申し上げた次第であります。  次に、昭和二十五年度特別会計の決算につきましては、それぞれの決算書によつて御了承願いたいと思いますが、同年度における特別会計の数は三十二でありまして、これら各特別会計の歳入の決算総額は二兆九百二十億円余、歳出の決算総額は一兆九千億余円であります。これを一般会計の決算額と合せ、相互の重複額等を控除調整いたしました決算の純計額は、歳入において二兆一千二十八億円余、歳出において一兆八千百二十八億円余となる計算であります。  次に、昭和二十五年度政府関係機関の決算でありますが、同年度における政府関係機関の数は二十三でありまして、その収入支出決算の内容につきましては、それぞれの決算書によつて御了承願いたいと思います。  最後に、昭和二十五年度財政の特色の一つであります政府関係債務償還の状況につきまして、その実績を申し上げます。  年度当初における政府及び政府関係機関の債務総額は、国債二千九百十六億円余、政府借入金及び一時借入金千二百六十八億円余、食糧証券その他の短期証券千三百三十七億円余、政府関係機関借入金千四百十六億円余、計六千九百三十七億余円でありまして、このうち、政府及び政府関係機関部内で保有しております分を控除いたしました、対民間純債務額は四千百八億円余でありましたが、各種債務の償還措置が講ぜられました結果、年度中における対民間債務の減少は千百六十四億円余に上つたのであります。  なお、年度末における国債の現在高は、二千四百二十一億円余、政府借入金及び一時借入金の現在高は九百四十四億円となつております。  以上昭和二十五年度一般会計及び特別会計並びに政府関係機関の決算につきまして、その概略を御説明申し上げたのでありますが、詳細につきましては、さらに御質問の都度説明申し上げたいと存じます。  何とぞ御審議のほどお願いいたしす。

田中彰治自由党

○田中委員長 次に会計検査院より池田事務総長が出席されておりますので、一応会計検査院側の報告を聴取することにいたします。池田説明員。

池田直会計検査院事務総長

○池田会計検査院説明員 昭和二十五年度の決算検査報告に関しまする会計検査院の概要説明につきましては、先ほど委員長からお話がありました通りに、さきの第十三回国会におきまして、会計検査院長が説明を行われました次第でございます。その際決算額、国の決算額、政府関係機関の決算額、これに対しまする検査の結果の確認の状況並びに会計検査院の検査の結果不当と認めた事項、会計検査院が検査の結果不当な事項が多くて是正させた事項、それから会計検査院の検査の実施状況等につきまして説明がありましたわけであります。その内容はお手元に差上げておきましたので、それによつて御承知いただくように御了承を得たいと考える次第でありますが、私からは、会計検査院の検査報告の御審議の御便宜に多少でも資するという意味をもちまして、会計検査院の検査をやつておる方法とか検査院の、検査の権限の限界とか、そうした事柄につきまして、ふだん私どもが考えておる事項を簡単に申し上げまして、説明にかえたいと思う次第であります。  会計検査院も、御承知の通りに、新憲法の施行に伴いまして、昭和二十二年に会計検査院法がすつかりかわりまして、明治時代の会計検査院の面白を一新したような次第でございまして、その組織も従来の会計検査院では、院長、部長、検査官、そうした構成員から成り立つておつた次第でありますのを、今回の会計検査院法におきましては、組織の点におきまして、まず検査官会議ほか事務総局から成るというような、組織の点におきまして根本的な改正が加えられております。そして検査官会議は、御承知の通り、三人の検査官をもつて構成され、これが会計検査院の最高の意思決定機関ということになつております。その会計検査官会議の意思決定機関でありますのに対しまして、会計検査院事務総局を置かれた次第でございまして、会計検査院事務総局は、いわば執行機関ということになつております。事務総局ももちろん執行機関といたしましては、検査官会議の指揮監督を受けて、すべて会計検査院の所期の検査目的を上げるように、全力を尽して活動する、こういうふうな建前になつておる次第であります。検査の目標と申しますか、目的と申しますか、これも明治の会計検査院法におきましては、御承知の通り、会計検査院は国の歳入歳出の決算を検査確定して会計を監督するということになつておりました。この作用といたしましては、もちろん決算の確認ばかりでなく、常に国の会計の是正、改善ということも非常に力を注いでおつた次第でありますが、法文の上では、明らかにその点は出ていなかつたのでございます。新院法におきましては、国の歳入歳出の決算はもちろんこれを検査いたしまして確認いたすのではありますが、そのほかに常時会計検査を執行しまして、その改善を期し、是正をはかるということを、大きく目標を掲げたような次第でございます。従いましてわれわれ会計検査に従事しておりまする職員はその目標の顕現のためにあらゆる努力をいたしておるような次第であります。  次に検査の方法でございますが、検査の方法は、従来も書面検査と実地検査とありました。今回ももちろん検査の方法は書面検査と実地検査をあわせ行うものであります。ただ実際の面からいいますと、従来の会計検査院の運営におきましては、検査の方法といたしましては書面検査がむしろ主でありまして、実地検査が従たるの観を呈しておつたような次第であります。今度の新院法におきましては、いずれが主、いずれが従というわけではありません。時の情勢にも応じますが、書面検査、実地検査、これをうまく運用いたしまして、会計検査院の検査目的を十二分に発揮いたしたい、こういうように考えておる次第でございます。書面検査は、国その他の関係機関から歳入歳出等の経理を証明いたしまする計算書及びその証拠書類を常時会計検査院に提出いたさせまして、これによりまして経理の全面にわたつて検査を行つております。  その各官庁あるいは政府関係機関等、計算証明を行うべきものから徴しました計算書の数、証拠書類の数について御参考までに申し上げますと、昭和二十六年中には計算書は十七万七千余冊、証拠書類は七千四百余万枚ということになつております。しかしながら書面によります検査は、経理の実態を把握してその当否を判定するという点から考えてみますと、今日の各官庁あるいは政府関係機関の経理の実情等から考慮いたしますと、不十分な点がやはりありますので、一方また経理担当者に詳細な証拠書類等を徴しますことは、経理担当者に対しまして非常な負担ともなりまするので、現在会計検査院といたしましては、最小の負担をかけて最大の効果をはかる、最小の犠牲を払つて最大の効果をねらうという観点からいたしまして、できるだけ書面による計算証明のことなどを行う方針をもちまして、二十七年度以降はこの提出書類、証拠書類の数量も大幅に減少する見込みでおります。  これに対しまして、実地検査はできるだけこれを充実いたしまして、経理の実態の把握に努めておるような次第でございまして、ことに終戦後御承知の通り不当経理が非常に増加いたしております。その是正をはかるためには、何といたしましても実地検査にまつてこれをつまびらかにするということが必要でありますので、現在は実地検査に非常に主力を注いでおります。特に特別の事項、たとえば、かりに公共事業費等につきまして不当の経理が多いということにつきましては、その公共事業費のある面の不当経理だけを特別に全国一様に詳細に見て、検査の徹底を期するという観点から、特別検査という名のもとに実地検査の実施をいたしておるような次第でございます。  それから検査の権限の点並びに現在私どもが従事いたしております職員の数等につきまして簡単に御説明をいたしたいと思います。  まず職員の数でございますが、昭和二十二年の五月会計検査院法が改正され、機構も権限も拡充されたのであります。そのときの職員数でございますが、改正直前は三百九十名、改正後の二十二年の十月は千百七十一名、現在は千百三十七名、これはいずれも雇員を含めての数でありますが、定数はそういうふうになつております。現在の職員定数千百三十七名のうち、実際に検査実務を担当する者は雇員等の補助職員、官房事務担当の職員を除きますと、約七百名程度であります。これをもちまして先ほど申し上げました書面の検査並びに実地の検査を行つておるような次第でございます。昭和二十六年度中に実地検査を施行しました箇所について申し上げますと、大体一割、総検査箇所数に対しまして約一割程度、昨年で申しまして、私どもが総検査場所のうち、これはやはり検査を要するという箇所に比較しまして二割前後ということになつておるような次第でございます。今申し上げましたように、二十二年の院法改正以降職員の定数が非常に増加いたしましたため、研修その他職員の検査能力の増進につきましては特に努力をいたしておりまして、その成果は毎年の検査報告にもその一班をうかがい知ることができる、こう考えておるような次第でございます。私どもといたしましては今後さらに検査の実績の伸張をはかり、不当経理の摘発、是正を行うために、職員の一層の素質の向上ももちろんでありまするが、右のような事情から、ある程度の職員はできれば増員をいたして、なおこれに研修を加えまして、皆様方の御期待に少しでも多く沿うようにいたしたいと考えておるような次第でございます。  次に検査上の権限の点について少し触れてみたいと思います。会計検査の効果的な実施と関連いたしまして問題になります点は、会計検査院が検査を行い得ますのは、国その他政府関係機関等の経理ということに一応限定されておりまして、これらの経費の当否につきまして、その取引先につきましては、これを調査する権限は有しないという建前になつております。たとえて申しますならば、検査報告にもたくさん現われております租税の徴収過不足に関する事項の検査につきましても、納税義務者の経理につきましては検査することはできません。また従来の復興金融金庫とか、今度の開発銀行とか、そうした機関が資金を融通いたしておりますが、融通先の経理につきましても、同様検査をすることができない。また国の財産売渡しに関する事項につきましては、買受人がこれを転売して不当にもうけたかどうかというようなことにつきましての検査も、買受入の経理につきましては、会計検査院といたしましては検査はできないことになつております。ただ国の工事及び物品納入につきましては、請負人や納入者の、納入あるいは工事に関します会計につきましては、制限的に検査することができることになつております。この点は検査の実施上少からぬ制約ということになるわけであります。ことに以前公団の経理につきまして、非常に経理が紊乱し、不正が非常に多かつたのでありますが、会計検査院といたしましても、公団の取引先である銀行、あるいは商人の帳簿を検査する権限がなかつたような関係で、世間で問題になりました公団の不正事業等の摘発につきましては、非常に不便を感じたような次第でございます。そうした関係から、会計検査院といたしましては、摘発という使命につきましては、必ずしも十二分の権限は持つていないというような次第であります。しかし会計検査院としましては、そうした権限をただちに得るということにつきましては、いろいろ広い観点からこれは考慮すべき問題で、私どもといたしましては、今ただちにこうした権限がほしい、もつて不正行為の一掃を期したいという結論にまでは到達していないような次第でございます。  最後に、私どもがいたしました検査の効果を十二分に将来に向つて発揮する、将来の行政官庁等の経理において不正、不経済なことなどが再発しないようにという観点からの考察でありますが、いかにいたしたらいいであろうかということにつきまして、一、二の意見を申し上げておきたいと思います。  終戦後の先ほど申し上げましたような一般的に経理が非常に混乱していたという事実は、その後社会経済事情の安定等と相まちまして、逐次是正改善のあとが認められておりますことは、私どももそのように信ずる次第であります。そうした改善のあとは認めておりますが、御承知のように、なお不当事項、掲載事項、要望事項がその跡を断たないような次第でございますが、こうして不当事項等の防止対策につきましていかがいたすべきかということにつきましては、よくこれまでに決算委員会におかれましても取上げられまして、私どももいろいろ御意見を拝聴したような次第でございますが、私どもといたしましても、あとの処理の追究、たとえば一応検査報告に上つたことでも、あとどうなつておるかということを追究することが一番必要だと思います。あとの処理の追究をやらぬで、一応検査報告に掲載しただけでそのまま放棄しておくということになりますと、やはりすべてのことがその場限りになるということに堕しやすいので、検査報告には既往の年度の検査報告事項のその後の処理事項も、つとめてこれを詳細に御報告するようにいたしております。なお本委員会におきましても、よく責任者の処分追究の点が問題になるようでございますが、会計検査院といたしましても、その点は将来の是正改善をはかるという点から、責任者の処分という点は非常に重大である。ことに会計検査院といたしまして、会計検査院法なり、あるいは予算執行職員等の責任に関する法律などに照しまして、一定の違法事項等につきましては、重きものは損害賠償の責任を迫究することができる。またそうでなくても、行政上の懲戒処分等を本属長官に対して要求できるという建前になつておりますので、この処分のことにつきましては非常に関心を持つておるのであります。しかし実際行政庁等において行われております処分の状況について見ますと、各省権衡の点等から私どもが考えてみまして、ある省は非常にきつい、ある省は比較的寛大であるというふうに考えられる節がないでもないのであります。しかし会計検査院といたしましては、不当な事項につきましてはただ本属長官に対して処分してほしいという要求の権限しか与えられておらない。これを戒告にしろ、あるいは懲戒免職にしろ、あるいは減俸幾らにしろという具体的なことまでは要求できない建前になつております。従いまして今申し上げました多少の各省間における権衡上の問題等が、将来の経理の是正改善等につきまして幾らか障害になるようなことがありましても、会計検査院としてはその処分の点まではあくまで追究できない次第でございます。この点はやはり私どもの考えといたしましては、国会におかれまして従来以上に関心をお持ちいただいて、その面から行政庁の処分の適正を期していただいて、会計経理の不当がうんと減るように、できれば一掃されるようにいたしたいものと、こういうような考えを持つておる次第でございます。  なお最後に申し上げておきたいと思いますが、はなはだおこがましいということになるかもわかりませんが、会計検査院といたしましても、従来の会計検査院法の例ではなおさらそうでありましたが、いかにも事後検査、事後検査という、ただその感のみ強く浮き出まして、会計検査院の検査報告も、すべては事後の処理であつて、あとの祭りで、将来の是正改善には役立つことが非常に少い。検査の結果をただちに行政面に反映させるということこそ望ましいのに、その観点からは、はなはだ会計検査院の検査は効果が薄いということをよく世間で痛感され、私どももまたその点を痛感しておつた次第でございまするが、幸い今の新憲法におきましては、常時会計検査を行つて、しかも会計経理の改善を期し、是正をはかるという目標を大きく掲げておりまするので、私どもといたしましても、できるだけ私どもの検査の結果がただちに行政面に反映して、将来違法事項、不当事項等がうんと減少し、犠牲者も少くて済むようにして参りたい、そういうふうに考えておるような次第であります。二十六年度の検査報告につきましては、現在年内には内閣へ送付できるように勉強いたしておるような次第でございます。  以上のようなことを申し上げまして、特に国会の御支援、御鞭撻をお願いいたしたい、こう考えておる次第でございます。

田中彰治自由党

○田中委員長 ただいま池田事務総長からの説明がありましたが、先刻配付いたしました会計検査院の概要説明書は、本日の会議録の末尾に参照して掲載いたしますから、この点御了承願います。  それから委員の皆様にお願いいたしたいのでありますが、今まで決算委員会というものが非常に軽視されておつて、大したものではないというように各役所から、特に不正のある役所から軽視されておつたのであります。そこで国民から血税をしぼつて来て、その大切な金を各役所が濫費しておる。ここにも出ております通り、ちよつと今見ましても、六十三億から、約六十四億ばかりのものが出ております。雑件を加えますと百四十九億円の、こういうような不明朗なものが出ておりますから、これを全部やるわけには参りませんが、この中から会計検査院の方に命じまして、重点主義に三つ四つとりまして、これは役所がつぶれようと、どんな犠牲者が出ようと、徹底的にやつてみたいと考えておりますから、今は初めでございますが、だんだんそういうふうにこの委員会を持つて行く考えでございますから、どうか御出席と御研究と、どんどん遠慮なく皆さんからもお気づきの点がありましたら言つていただきたいと考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ちよつと資料のことですが、資料につきまして、散会までにこの二十五年度の「国の予算」、大蔵省の発行じやないようですけれども、あれは非常にまとまりがいいのでありまして、参考にしやすいのであります。それでできればそれを各委員に配付するように要求したいのであります。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 ちよつと補足的な説明を願いたいのですが、会計検査院からの今の御説明に、常時検査をやるという建前をとつておられる。非常にけつこうだと思います。たとえば二十五年度の予算執行について検査院側として常時検査をされておる時期、二十五年度の予算執行面はどういう時期に常時検査をされて来たか、その点をちよつとお伺いします。

池田直会計検査院事務総長

○池田会計検査院説明員 二十五年度の予算執行につきましての常時検査を、どういうふうにいたしておるかという御質問と存じますが、検査の方法につきましては、先ほど申し上げましたように、書面検査と実地検査をやるわけであります。書面検査につきましては、計算証明規則をつくつておりまして、それによつて歳入あるいは歳出、その他物品等につきましては多少違つて参りますが、大体二十五年の四月分は特別のものを除きましては、二十五年の五月一ぱい、翌月一ぱいには会計検査院に到達するように出してくれということになつておりますので、計算証明の迅速に行われるところは二十五年は翌月中には参りまするので、参つたらすぐ書面検査を行うようにいたしております。なお実地検査につきましては全部の検査箇所をまわることは不可能なことでございますが、まわつて実地検査を施行しました箇所につきましては、書面検査当時の分までよく見るようにいたしておるような次第でございます。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 その場合に、これは国会の決算委員会の方との関係ですが、常時検査でその都度国会の方に、国会から報告を求められたというような例が今までありますか。

池田直会計検査院事務総長

○池田会計検査院説明員 国会との関係につきましては、従来も今も、大体におきまして国の会計なり、あるいは政府関係機関の決算の検査報告が、国の決算並びに政府関係機関の収支計算に添附されまして、国会に政府から提案される建前になつておりますので、決算審議の場合にすべてが大体審議されております。但し昭和二十五年のいつの国会でありましたか、公団の事件が非常にやかましかつたころ、特に国会の決算委員会からの要求もありましたので、アップ・ツー・デートの公団の会計の検査報告、それにつきまして私どもがわかつております程度を速急にとりまとめまして、これを決算委員会に報告いたしました事例はございますので、かりに会計検査院に決算委員会から、こうした特殊の事項について検査の結果どうなつておるかというような御質問がありますれば、非常に新しい事項は必ずしも私どもの方の検査も十分行われていないわけでありますが、わかつておる範囲内において、また多少の時日をかしていただくならば、できるだけ早く調査を完了いたしまして御報告するようになるんじやないか、そういうふうに私どもも従来努力いたして来ておりますので、そうしたことになるのじやないか、こういうふうに考えております。別に法律上には私どもの方にはその規定はありません。

石野久男労働者農民党

○石野委員 一言だけお尋ねしておきますが、ただいまの御説明の中に決算後の処分の追求が非常に大切であるという意味のことを申しておられました。その処分の追究は会計検査院としてはできないから、国会の方でできる限り十分の注意をもつて行政機構に対して引締めをしてもらいたいというような意味のことを、今お話になられたと思います。そのことは私どもここでなかなかすぐにぴんと来にくい面もあるのですが、大体どういうようなことを意味しておるのか、ちよつとお話願いたい。

池田直会計検査院事務総長

○池田会計検査院説明員 ただいまの点でございますが、私どもといたしましては、人間の問題で一定の事項につきましては処分の要求はできますが、それの処分は私どもの要求によつてその通り処分するかあるいは処分しないかは、これは各省大臣の自由でございます。だからその点までは私どもは何とも言えない、しかし国会は広い観点からそうした面に直接どうしろという命令はできないかもわかりませんが、そうした点が権衡を失しておる点あるいは簡に失する点等を相当関心を持つていただいて、御詮議いただければ相当効果があるんじやないか、こういうふうな意味であります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 その場合に、会計検査院とそれから国会の、特に決算委員会というものとの連繋の時期的な関係について、従来決算委員会というのは大体皆さんの方で決算書ができて、いろいろ報告を受けたり何かしてからここで審議に入りますのは、時期的にも非常に遅れて来ているかに見受けられるのであります。そういたしますと、今池田さんのおつしやいましたことの効果が、非常に薄れるのではないか、こういうふうに今私思うのであります。そういうような効果をもう少し十分出させるためには、やはりおのずから国会の従来の決算委員会等の持ち方等について、あなたの方で何かの構想かお考えなどがありはしないかというふうに考えるのですが、その点お気づきの点があつたらちよつとお聞かせ願いたいと思います。

池田直会計検査院事務総長

○池田会計検査院説明員 ただいまの御質問でございますが、事柄が非常に重大でございますし、私の個人的な見解等をあまり申し上げても、かえつて意味ないことと存じますし、その点はあとでよく会計検査院といたしましても考えまして、後の機会にでもまた要求があれば意見を開陳させていただきたい、こういうふうに御了承願いたいのでございます。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 ちよつとそれに関連して確認しておきたいのですが、現行制度のもとでは、たとえば検査院の方で責任の処分を必要の際要求される、それだけはできるが、あとの具体的な処分方法についてはまつたく各省にまかせられておるということだろうと思うのですが、その場合に、たとえば検査院の方から見て、この処分は非常に不当だと思われた場合に、ただ泣寝入りしておるだけで、その後具体的な要求はできないでしようか。何らかそれの是正方について再要求するとかいう事例はあるのでしようか。

池田直会計検査院事務総長

○池田会計検査院説明員 ただいま私どもの会計検査院の懲戒処分の要求につきまして、各省大臣の方で検査院の要求によつて処置した事項が、はなはだ不当であるとかりに会計検査院が考えた場合に、あとそれに対する何らの措置もできないか、泣寝入りする以外に方法がないかという御質問と思いますが、現在の会計検査院の権限におきましては、まあある点でいえば泣寝入りする以外に方法がありません。

石野久男労働者農民党

○石野委員 この問題は、ただいま池田事務総長からのお話もありまして、後刻またいろいろと研究したあとで御返事したいということでありますので、この際には一応私はこれで質問をおいておきますが、しかし委員会といたしましては、この事務総長からの要望されておることは非常に重大であると思うであります。先ほど委員長からのお話もありまして、いろいろと不正な事項等については徹底的にこれを究明したいということもありましたので、このことの関連性におきまして、委員会は十分この問題を掘り下げて対処方を考えるようにして行きたい、こういうふうに私は希望を申しておきます。

田中彰治自由党

○田中委員長 ただいま吉田委員からお申出の「国の予算」大蔵省主計局発行のものが、昭和二十五年度版は全部ないそうであります。そこで二十六年度版はよく調べまして善処したいと考えております。これも全部渡らないかもしれませんが、できる限り皆さんの手に渡るようにとりはからいたいと思つております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 なお今石野委員、松本委員から御質問になりました点に関連しておりますので、これは適当な機会に適当な問題ないしは情勢等にあわせて委員長のおはからいで、会計検査院の今御質問になりましたような点に関する忌憚のない意見なり、事例なり、希望なり、そういつたものを一度聞くという秘密会でもお開き願うということを御考慮に入れておいていただきたいと思います。

田中彰治自由党

○田中委員長 御要求によりますればいつでもいたします。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 それに関連してこの委員会の運営についてお願いしておきたいと思います。ただいまの問題は非常に重要な問題ですから、いずれ各委員でも各党でも十分今後研究を続けられることと思います。委員会を開いてそういう問題を一挙に解決しようとしてもなかなかできない、各党別あるいは各委員でそれぞれ研究する機関をある程度置いて、その上でいずれ各党の意見というものが具体的に出て来るでしようから、そこで理事会等を開いて過去の決算の報告に基いた審議をやるのと別に、そういう根本問題に対する検査院のあり方あるいは国会の委員会の運営の仕方、そういう点についての協議をひとつ別個に開いていただきたいと思います。

田中彰治自由党

○田中委員長 承知いたしました。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 過去二、三年会計検査院が指摘した不正もしくは不当というようなことについて、そのことをやつた役人がどう処分せられたかということを、この委員会に資料として提出してもらうというようなことは困難なことでしようか。そのままになつておるか、あるいはどう処分したかということを——会計検査院が指摘した不正行為に対する官吏を、各省がどう処分したかということの資料——最近二年間くらいの報告について、そういう資料は提出してもらえませんか。

田中彰治自由党

○田中委員長 昭和二十五年度決算の報告書に記載した批難事項に対する関係責任者の処分の調べというのはございますが、その都度お手元に差上げるようにいたします。二年間はちよつと無理なんです。昭和二十五年度決算分しかないのです。非常に今までもこの決算委員会というのは軽視されておつて、何でも持つて来ればそのまま黙認して通したという傾向になつている。ですから今皆さんの御熱心なこういうような御質問によつて、ようやく活気を呈したというようなことで、非常に今まで軽視されておつたものですから。……二十五年度分のはございます。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 それじや二十四年度についても、こういうものはあるのですか。

田中彰治自由党

○田中委員長 二十四年度も残部があるそうですから、その都度お手元に差上げてけつこうであります。

鈴木正吾改進党

○鈴木(正)委員 二十五年度のがここにあれば、この二、三年さきの二十四年度、二十三年度というのもあれば私拝見したいと思います。

田中彰治自由党

○田中委員長 何とか調べさして御希望に沿うようにいたします。  それでは本日はこの程度にいたしまして、次回は十二月八日午前十時より開会いたします。   これにて散会いたします。     午後零時二十三分散会

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