外務委員会 第11号
- 発言数
- 127 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1952/12/19
会議録
○栗山委員長 ただいまから外務委員会を開きます。 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案及び田中稔男君外二名提出の修正案を一括議題といたします。 両案に関する質疑は前会大体終了いたしておりますので、この際討論を省略して、ただちに採決に入りたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 御異議がなければさように決定いたします。 これより採決に入ります。まず田中稔男君外二名提出の修正案につきまして採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○栗山委員長 起立少数。よつて本修正案は否決せられました。 次に原案について採決をいたします。原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○栗山委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。 なお本件に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 御異議がなければさようとりはからいます。
○帆足委員 ちよつとただいまの問題につきまして、委員長報告の中で、台湾問題について修正案が出て、それで台湾に置くことに反対であつたという意見はお入れくださるわけですか。
○栗山委員長 さようにとりはからいます。 ―――――――――――――
○栗山委員長 次に国際情勢等に関する件について質疑を行うことといたします。並木芳雄君。
○並木委員 国際協力局長にお尋ねをしておきたいと思つたことがございます。それは安保条約の中で行政協定ができておりますが、その行政協定の第二十六条に合同委員会の項目がございます。この合同委員会は「日本国と合衆国との間の協議機関として、合同委員会を設置する。」となつておるのです。ところが日本の政府の方では協議機関であるから最終的決定機関ではない、こういう解釈を当然これからはとつておるわけでありますが、私どももそう考えております。アメリカの方ではそれを協議機関ではなくて決定機関である、こういう解釈をとつているやに伝えられるのですが、そうであるとこれはたいへんな問題になると思うのです。と申しますのは、区域にしても施設にしても、いろいろ国民の利益を侵害する問題が多いのに、合同委員会の委員長になつている伊関局長だけでやつているのでは、とうてい太刀打ちできないのです。私たちとしてはどうしてもこのまま協議機関としておいて、さらにこれを閣議にかけて最終決定をする、こういうふうに持つて行きたいと思うのですけれども、それの状況はどういうふうになつておりますか。
○伊関政府委員 施設等について決定いたします前には全部閣議にかけております。閣議にかけまして御了解、決裁を得ました上で先方との間できめております。施設等につきましては全部事前に閣議にかけております。
○並木委員 私は、日本政府としては合同委員会がどうしても立場が弱いのではないかということを心配しておるから、お尋ねをしておるわけなのです。そうすると、伊関さんが合同委員会に臨まれる場合には、それを閣議にかけて、了解をとつてから臨むことになつておるのですか、その点はどうなつておるのですか。
○伊関政府委員 大体合同委員会でこちらから要求することもあり、先方からも要求する、両方ございますが、まず合同委員会で相談いたしまして、それから日本側としましては関係各省と相談いたしまして、関係各省の協議がまとまりますと、それから閣議にかけまして、閣議の決定を経ました上で、正式に決定する、こういうふうになります。
○並木委員 それで今まで支障はないのですか。つまり相談した結果が合同委員会で話題になつた結論と違うような場合に、向うはそれをいさぎよく変更したり、撤回しているかどうか。向うとしてはそれを決定機関として扱つておるやに聞いておりますから、実際問題としてはこちらのそういう変更や取消しなどの要望というものは、いれられておらないのではないか、こう思うのですが……。
○伊関政府委員 先方は、数は覚えておりませんが、要求して参ります件数はたくさんございます。それに対しまして、こちらが変更さしたもの、あるいはこれは困るからといつて断つたものもたくさんございます。
○並木委員 つい一週間ほど前に決定された相当重要な区域、施設、その他に関する事項があると思いますが、それを明らかにしていただきたいと思います。それから今問題になつている重要な点、それから今後の重要な諸点、それから駐留軍の、前の進駐軍の移転などについては大分遅れておるようにも思われますけれども、そういう状況について御報告を願いたいと思います。
○伊関政府委員 非常に件数がたくさんございまして、私、今書類を持つて参りませんので、どれが一週間ぐらい前に決定したかよく覚えておりませんが、一週間ぐらい前に決定した中で大きいものは、内灘の試射場の問題、それからたしか北海道における不時着の飛行場の計根別、こういう大きいのがあつたと思います。そのほか小さいのがたくさんございまして、これは大体個人住宅の解除というのが大分入つていたと思います。
○並木委員 問題になつております武蔵野における米軍宿舎の点などは、どうなつておりますか。
○伊関政府委員 武蔵野市の米軍宿舎の問題は、これは合同委員会には正式にまだかかる段階でございません。これは国有財産でありまして、これを日本側の予算でアパートにかえるわけでありまして、でき上りました際に初めて米軍に引渡すのでありまして、米軍に使用させるときに、合同委員会で決定するわけであります。但し、この宿舎につきましては、事実問題としては米軍と十分相談いたしております。大体向うが使うのでありますから、向うの希望する設計図をとりまして、それを参考にして、こちらで設計をつくるというふうな点は十分連絡をいたしております。また、でき上りましてから、だれを入れるかというようなことが非常に問題になつておりますので、独身将校は入れないというようなことは話し合つておりますけれども、正式に施設として提供するのはでき上つたあとであります。
○並木委員 それでは私はこの際情報文化局長にお尋ねをしておきたいと思います。先ほども存外公館の名称等に関する件が可決されましたけれども、それについて問題になつた点がありますか。いわゆる共産圏と申しますか、ソ連圏と申しますか、その方面における在外公館ないしは情報を集めることの配備はどういうふうになつておりますか。これを私がお尋ねいたしますのは、先日来情報機関の設置ということが非常なセンセーシヨンを起しておりますので、私としては外務省の中に、りつぱな情報文化局というものができておつて、そこで十分機能を果しておるものとばかり思つておつたのでございます。しかるに、ああいう問題が起るところを見ると、非常に弱体であつて、実際に役を果しておらないではないかと思いますので、そういう状況について答弁願いたいのであります。
○柿坪政府委員 ソビエト圏及びその他の共産主義圏におきましては、日本はただいまのところ在外公館を置いておりません。ただ例外はユーゴスラビアにありますが、ユーゴスラビアは共産圏でありますが、ソ連圏といえないと思います。そういうわけで、共産圏の中には在外公館をまだ置くに至つておらないわけでございます。そこでそういう地域から、どうして情報をとつているかという問題でございますが、在外公館からの情報はとれない。そこでラジオの放送を聞いております。一つはモスクワからのロシヤ語放送をソ連ニユース社が聞いたやつを外務省が買い上げておる。それからハバロフスクからのロシヤ語放送を穗積事務所が聞いておりますが、そのロシヤ語放送を外務省で買い上げておる。それからソビエトの新聞雑誌でございますが、イズヴエスチヤとか、プラウダとか、ノヴエ・ヴレーミヤ、あるいはボルシエヴイーク、そういつたものを購読いたしております。それから日本は共産圏に在外公館を持つていないし、通信員を置いておりませんが、日本以外の自由主義国、たとえばアメリカとかイギリスとかその他の国々が在外公館を持ち、また特派員を持つております。そういう特派員が打つ電報、そういうものを外務省が買つております。たとえばUPとか、APとか、AFPとか、そういうところにもソ連関係のニユースが相当あるわけでございます。そういう径路で共産圏の情報を収集しておるといつた程度でございます。
○栗山委員長 ちよつと並木さんに御相談いたしますが、あなたの前の質問に関連して近藤委員から質問があるそうでありますから、この際これをお許ししたいと思います。
○並木委員 それではそれが終つてから続けます。
○近藤委員 伊関局長に一つお尋ねいたしたいと思います。御承知の通り聖路加病院及び聖路加女子専門学校の土地、建物そのほかの諸設備が、昭和二十年九月以来米軍が占領しているのでございますが、いろいろ行政協定の実施に伴いますところの規則に基きまして、講和発効後九十日間を超過したあと、さらに六箇月間、すなわち昭和二十八年一月二十七日まで、またその後の契約によつて昭和二十八年三月三十一日まで米軍が使用するというように定められてあるようでございます。最近聞くところによりますと、その期間を過ぎましても、なかなか返還ができないのではないかというような様子がうかがわれますので、この病院の経営者といたしまして非常に心痛いたしておるようでございますが、今日まで外務当局がいろいろごあつせん、交渉していただきましたその経過につきまして、一応様子を聞かせていただきたいと思います。
○伊関政府委員 聖路加病院につきましては、最初に行政協定ができまして、三月の半ばでございますが、施設をどう処理するかという原則をきめましたときに、病院については、現に朝鮮において戦争が行われておるので、病院に対する米軍の要求というものは十分考慮するというふうに原則がなつております。ところが、それに基きまして、聖路加病院は、永久でなくて一時使用ということにいたしております。永久使用と申しますのは、米軍が撤退するまで使う。一時使用と申しますのは、あるいは朝鮮事変が終れば返すとか、あるいはかわりの病院、かわりの施設ができれば返すというふうな二つの種類にわけて施設がきめてありますが、聖路加病院は一時使用というふうにしてあります。しかし大体は、朝鮮事変中は返すことはなかなかむずかしいのではないかというのが見通しでございますが、病院の方からは非常に強い要求がございまして、私の方も米軍とは常時折衝いたしております。ことにこの朝鮮の戦争は本年の十月ごろからまた非常にはげしくなりましたが、その前は朝鮮戦線において大した戦争がなかつたので、その当時におきましては、聖路加病院に入つております病人の数も非常に少かつた。そこで東京には、あのほかに築地の海軍病院、隅田川の向う側の同愛病院でございますか、この三つの大きな病院がありまして、海軍病院並びに同愛病院の方は国有財産になつておりますので、その三つあるうちの聖路加を返して、あとの二つに固まるわけに行かぬかという交渉をいたしておりましたところ、朝鮮で非常に激戦が行われ、今のところは病院は普通のベツト数以上に使つておるというふうな状況になつておりますので、このままでは朝鮮事変中は返すことは、なかなか困難だと考えられますけれども、日本政府の方で多少金を使いまして別の病院をつくるとか、また米軍の方でも病院をつくりつつありますし、座間にもつくつております。そういうふうな病院ができましたならば、あるいは日本政府が多少金を出すというふうな方法によつて、東京にあります三つの病院のうちでは、一番先に返そうという努力はいたしておりますし、向うもまたこれを一番先に返すということには、完全に同意いたしております。ただもう少し時期がかかるのではないかと思います。
○近藤委員 そういたしますと、いつまで使用するかということについての大体の見通しは、朝鮮事変が済むまでということになるのですか。
○伊関政府委員 今のままにいたしておきますと、朝鮮事変が済むまでということになりますが、病院としましては、あの近所に土地もありますので、そこにベット約百くらい入るものを建ててもらう。そうなりますと、約一億でできると申しておりますが、そうした一億くらいの金がどういうような方法で出せるかというような点も研究いたしております。朝鮮事変が済むまでといつてもいつ済むかわかりませんが、何とか早急に、あと半年か一年のうちに、何とか方法を講じたいと今せつかく研究いたしております。
○近藤委員 御承知の通り、聖路加病院は特殊な性格を持つておりますのに、そのような状態においては、今日聖路加病院としての機能を発揮するのは、わずかに二十ベツトしかないというようなことでは、どういたしましても不満であることは、わかり切つたことなのでございますが、ただいまの局長のお話によりますと、これに対して早急に日本側においてかわりのベツトをつくるというようなお話でございますが、二百ベツトくらいを至急に国費をもつて新たにつくつていただいて、聖路加病院としての機能を十分発揮できるように、なるべく早く着手していただきたいということをお願いいたしたいと存じます。
○栗山委員長 並木さん、済みませんが、あと一問にまとめてくださいませんか。
○並木委員 それではまとめて、ちよつと重要な問題で柿坪情報文化局長に先ほどの質問を続けます。 先ほどの情報聴取の状況ですが、それでは政府としては非常に不安であるということで、今度の情報機関設置の話が出て来たのだろうと思うのです。今度の政府のねらいは、明らかに共産陣営方面の情報をとることを眼目にしておるようでございますが、今度の政府の情報機関設置について、情報文化局、要するに外務省方面に十分協議がなされておるかどうか。これが第一点。 これに対して情報文化局関係としてはどういうふうに答えておるか。実際今のままでは十分役に立つておらないということを言つておるのか。今の情報文化局を拡充してこれに十分の予算を注ぎ込めばやつて行けるのだ、二重、三重のよけいな機関をつくる必要はないという御意見であるのか。そういう点について聞きたいのが第二点であります。たとえば今度の鹿地亘氏の事件などについても、情報文化局としてはこの情報には当然通じておられると思うのです。今回ああいうふうに明るみに出て参りましたから、お尋ねしてもいいと思いますが、これなどについても、局長としてはどういう情報を今まで得ておつたか。この際明らかにしておいていただきたいと思う。実際に情報文化局というものが無能なものであるならば、私どもも、今政府が考えておる情報機関の設置というものに、一応耳を傾ける必要があると思いますが、今度のあの機関というものは、どうも言論の統一に堕するおそれが多分にありますので、私どもとしては情報文化局というものを強化拡充して行きたい。そしてこれで十分役に立つのだという答弁を得たいのですが、そういう見地から、ただいま申し上げましたような重要な諸点について、はつきりした答弁をいただいておきたいと思います。
○柿坪政府委員 いわゆる情報機関なるものの内容につきましては大分かわつたようでありますが、私どもといたしましては、その機関の内容について別に相談にもあずかつておりません。それからただいまソ連及び中共地区からの情報をもう少しとれないかというお話ですが、これは諜報――インテリジエンスとインフオーメーシヨンの二つに区別する必要があると思います。外務省といたしましてはインフオーメーシヨンの方はやつておりますが、いわゆる諜報――インテリジエンスの方はやつておりません。対外的にもそうでございますし、また鹿地事件のようなああいうケースにつきましても、外務省としては直接はやつておりません。これは警察とかその方面がやつておられるだろうと思います。
○並木委員 強化拡充計画の方はどうですか、それで十分間に合うかどうか。
○柿坪政府委員 外務省の情報のソースといたしましては、在外公館を通じて集める情報と、その他の一般的なものをコマーシャル・ルート――APとかUPとかいう通信社、それから新聞社を通じて得る方法と二つございます。公の機関を通ずる情報を拡充するためには、どういたしましても、在外公館を増設するという必要があると思います。ソヴエト周辺の地域において大公使館を増設するというようなことが必要になるわけでございまして、これは情報文化局だけの予算を増してもふえないわけでございます。それからただいま一番問題になつておると思われますのは、外国のラジオ放送を十分聞いていないのではないかという点だろうと思います。戦争が終るまでは、外務省の情報文化局の中に外国のラジオ放送を聞いておる者がおりました。ところが終戦後これが外務省から分離しまして財団法人になりました。そして別会計で外国の情報――主として英語の情報を聞いて、それを英文の文書にして販売するということになりましたが、外務省もその購買者の一人に相なりました。もう少し詳しく申し上げますと、大体外務省は一つの購買者として買つております。ラジオ通信社は月に二百八十万円くらいの売上げがあるのでありまして、そのうち外務省が払つているのは十七万円くらいですが、外務省その他の諸官庁及び新聞通信社に対してラジオ・プレス社はニユースを売つているという状態であります。これを民間の団体にまかせておくのはよろしくないから、役所で直接やつたらどうかというお話もあるのでございますが、私どもの経験からいたしますと、役所の仕事というものは、官吏の給与法とかその他いろいろきゆうくつな法律によりまして、官立大学を出て何年間勤務すれば何級の月給がもらえるというふうに大体きまつておりますので、そういう組織のもとでは必ずしも海外放送を聞く有能な人が集まらない。英語が非常に達者だけれども日本の大学を出ておらぬとか、勤務年限が足らぬというようなことで、適材が集まりにくいのではないか。民間でやればそういう規則もないですから、適材適所で有能な人にはよけい月給を払えるといつたようなことがある。それからもう一つは、外務省の中にそういう有能なラジオ聴取機関を設けますと、民間の会社がつぶれはせぬか。そして外務省が全部独占してしまうということになると、外務省から出るニュースはどうも外務省が選択して都合のいいやつだけ出しているのではないかという猜疑心も起るわけなのです。民間の会社として公平に聞いて、そのニユースを外務省にも売れば民間の人にも売る、各政党にも売るということをやれば、大体こういうものだということがはつきりわかりますから、これは役所で一々選択して自分の都合のいいものばかり出しているものではないということがわかります。そういう二つの観点から、現在のように民間の団体でやるのもいいのではないか。役所に予算と人員が与えられますれば、わが方におきましても海外情報を直接聴取するということは、もちろんいたします。
○並木委員 もう一点政務次官に聞いておきたい。今の情報文化局長の説明でもおわかりの通り、私は情報文化局を中心とした外務省がしつかりして行けば、十分円滑に目的を達することができるのではないかと思うのです。その点どう考えておられますか。来年度予算などにうんと計上して行つたらいいと思いますが、来年度の予算あるいは計画の内容について、この際所見とともに明らかにしてもらいたいと思います。
○中村(幸)政府委員 結局お尋ねの点は、ただいま内閣官房長官の方で研究されておる情報機関を、外務省としてはどう考えるかというお尋ねのように思われますが、外務省といたしましては、目下この問題は検討中の問題でありまして、新聞で御承知のように、再再案の内容もかわつて来ております。従つて今後どういうふうに話合いがおちつきますか、今日のところ予測はつかないのであります。他面外務省といたしましては、でき得る限り現在の情報文化局を拡充強化いたしまして、先ほど局長から御説明いたしましたように、在外公館等も御審議を願つておるように拡充強化いたして参つておるのでありまして、そういう方面からのニユースもできるだけ集めることにいたします。またさらに一般の情報につきましても、でき得る限り外務省の予算等も増額いたしまして、遺憾のないように期したいと考えておる次第であります。
○栗山委員長 今村忠助君。
○今村委員 条約局長にちよつとお尋ねしておきたいのでありますが、日華平和条約第三条に、将来特別とりきめによつて相互の財産請求権の問題が決することになつておるのでありますが、このとりきめによるかよらぬか、むしろその以前のものであるから別に考えるベきだと思う者に、つまり台湾人にして当時日本人であつて、軍人となつて戦闘に参加し、中には戦死しておる者さえあります。ところが実際軍隊に入つておるときの俸給も払つておらぬし、日本人として戦死しておるのに、それに対してのしかるべき待遇もしてない。実際日本人としての義務を果したのに、国はそれに対して何もしてないという者が残つておるのであります。これに対して条約局長はどう考えるか。
○下田政府委員 御指摘の問題も、まさに中国人の対日請求権の中に含まれると思います。日本の郵便局に預けておつた貯金をどうしてくれるとか、日本の銀行に預けておつた金をどうしてくれるとか、あるいは日本の官吏をやつておつた、その間の恩給をどうしてくれるという、そういうすべての中国人の対日請求権の問題は、この第三条によりまして将来折衝の対象になるものと考えます。
○今村委員 その場合、念のためにお聞きしておきたいのでありますが、これらの人は、生れたときから日本籍で、日本人であつたのです。それが敗戦の結果かようなことになつたのでありますが、たとえばアメリカにおつた日本人で、第一次欧州戦争に参加した日本人は、戦争中は別でありましたけれども、戦後においては、やはり恩給その他の待遇を受けておる例もあるのであります。ましてこれらの台湾人、すなわち日本人として生れ、日本人としての義務を果しておつた者は、やはり単なる財産とか請求権とかいう問題以上のものでなければならぬと思う。少くとも日本人としての義務を果した、それに対する日本国の待遇といいますか、反対給付というものがあつてしかるべきものだと私は思うのであります。これはどうしても特別に取扱う必要があると思うのであります。この特別とりきめはいつごろできるものかわかりませんが、その時期もお聞きしたいのですが、同時にそれに対する条約局長としてのお考えを一応承つておきたいと思います。
○下田政府委員 私ども実際問題にタッチしておりませんが、ただいまの御意見まことにごもつともと存じます。将来特別とりきめの折衝に際しましては、そういう台湾人こそ最も優先的に利益を考慮せらるべき部類に属する人だと思います。なお私実務にタツチしておりませんのでわかりませんが、韓国人の場合は、韓国側でなかなか送還を引受けてくれませんので、御指摘のような類似の韓国人がありまして、祖国にも帰れず、日本で困つておるという韓国人もおるわけでありますが、そういう者に対しましては、厚生省の方の関係で援護措置を――これは何も日本は義務があるわけではありませんが、便宜の措置としてとつておられるように聞いております。台湾人の場合は、台湾に帰ることを向うが拒否しておりませんので、そういう問題は起つていないように承知しておりますが、いずれにいたしましても、御指摘の人々は純日本人と申しますか、日本のために働き、日本のために犠牲をこうむつた人でありますので、将来の折衝におきましても、最も優先的な考慮がなされてしかるべきだ、そういうように考えております。
○今村委員 特別とりきめの結ばれるというか、とりきめられる時期はおよそいつごろと考えられますか。
○下田政府委員 政府の大体の方針といたしましては、平和条約にはこの種の財政的負担を伴う問題がたくさんございますが、大体の順序といたしまして、第一に取上ぐべきは、今般行われました外債処理の交渉、戦前の債務を第一順位に置き、第二順位は賠償問題、これも近々フイリピンその他と交渉いたすことになつております。第三順位として、連合国人のいろいろな請求権の処理の問題、これもまだ交渉というようには行きませんが、事実の確認をまずなすというための資料を整える意味で、各国の申出を相互に固めつつある段階でございます。従いまして日華平和条約はサンフランシスコの対日平和条約とは別問題であるという見地も成り立つかしれませんが、日本側としては対日平和条約及び日華平和条約、この請求権の問題は、含めて第三位の順位に置きたい、そういう大きな方針がすでに立つておるわけでございます。時期は今のところ申し上げかねるのでございます。
○松田(竹)委員 先刻並木委員からの質問に対して情報文化局長の御答弁がありましたが、その点について二、三お伺いいたしたい。 情報文化局の仕事について、局長の御答弁によると、どうもわれわれは自分の職域、予算、地位というようなものについておのずから限定されているから、何もあまりできぬように聞えたのでありますが、大体今日の日本の外務省は独立後間もないことであり、なるほどそういう点から考えますと、やるべきことが多々ありながら、第一予算に縛られ、また日本の今の立場としてあまり積極的にやることがむずかしいというふうに考えられることももつともであります。しかしそれなるがゆえに、外務省はもつと旺盛な気魂でもつてこれから日本の外交に従事してもらわなければならぬと思う。今の日本の外務省は、どこから見ても総すくみの観が濃厚である。これではどうする。どの点から考えても、外交の国内経済に直結する感を持たせること、今日よりはなはだしきはない。そのときにおいて外務省、特に文化情報の担当者である局長から、気の弱い話を聞くことは、まことに遺憾千万である。むろん局長は、最近海外に転出されるといううわさを聞きますが、まさか、おれは出て行くのだからあとは野となれ山となれという気持ではありますまい。私は主として外務大臣、いな総理大臣にお伺いしたいことがあるのでありますが、外務大臣はいかに弱い人であろうと、その省内の実際に仕事する人が、その自分の担当の業務について旺盛な気魂をもつて可能である事柄についてそれぞれ立案して、外務大臣を督励して、必要なる予算はどうしてもとつて仕事をやつて行くという考えは持つてもらいたいものです。特に今日の日本の外務省として一番やらなければならず、またやりやすいのは、情報文化局ではないかと私は考える。しからばその担当者に大いに活動してもらわなければならぬこと、今日より急なるはないと私は考える。これは情報文化局長みずから最もよく知つておられることである。何を今日日本の情報文化局長はやつておるか。きわめて微弱なる予算である。往年この方面の仕事は外務省の最も力の入つた時代がある。これは当然のことである。今日はその当時以上に私はやらなければならぬと思うのでありまして、今日はもう文化面を通じてやることが第一義である。日本で外国へ向つて働きかけることは、日本のよさを列国に知らしめるということが第一義である。条約を締結するにもいろいろな交渉をやるにも、日本のよさというものを外国に知らしめることが第一義でなければならない。この点がどうして敏活に運べないか、外務大臣が見えましたから、外務大臣に聞きたい。主権を回復した日本がこの難局にあたつて世界列強に向つて日本をよく知らしめ、日本は決して好戦国民でない、世界平和のために日本はどうしても協力して行きたいのである、貢献をして行きたいのであるという建前から、一体これからの外交をどういう構想でやつて行こうとされるのか、私は現在としては文化面のようなところから十二分に働きかけて行くということが最も適当であると思う。その文化情報の面が微弱であるという点に関して非常な遺憾の意を表せざるを得ない。これらの点について外務大臣から一応その構想をお伺いいたしたい。
○岡崎国務大臣 途中で来ましたので、しまいの方しか伺えないのですが、今おつしやつた文化面の方は私も非常に力を入れておるのであります。フランスとも話をするし、スペインとも話をするし、イタリアとも話をするし、インドとも話をしております。これは単に文化協定というだけでなくして、文化協定とは別にまた、たとえば工芸品を送るとかあるいは美術品を送るとか留学生の問題とか、いろいろな問題があると思います。現に二、三具体的に今計画を立ててやつておるのもあります。決しておろそかにしておるわけではないのでありますが、これも予算の制限がありますし、そうわれわれの希望するように完全には行つていないことは、これは私も認めざるを得ない。しかしこの方面はできるだけ努力をいたしますから、当委員会の各位におかれてもぜひひとつ御援助を願いたい、こう考えるのであります。
○栗山委員長 松田君、ちよつと一分だけ御猶予を願いたい。 外務大臣も御出席になりましたので、委員会として外務省に申入れをいたします。先ほど来行政協定実施状況についての質疑が継続いたしておりました。行政協定の実施状況に関する調査は、この委員会の重要なる調査事項の一つになつております。聞くところによれば、伊関局長は近く海外に出張なさるとかいう話でありますが、当局者の出張等によりまして、行政協定の実施に関する事項が粗略になりませんよう、さらに充実されますように、当委員会から外務省に申入れをいたします。
○松田(竹)委員 外務大臣の今のお話にも、私は非常に不満です。私は先ほどから申し上げますように、これからいろいろの交渉をなさるについても、まずその交渉の下地をこしらえることが一番大事であると思う。敗戦後いまなお列国の対日感情が必ずしも芳ばしくない現状においては、まずほんとうに日本のよさというものを知らしめるという仕事が第一義であると考える。これなくしては、どういう交渉をなさるについてもうまく行かない。戦争前から戦争中、今日まで、日本と外国との交流というものは非常に欠けておる。特に文化面においてはなはだしく欠けておる。今列国と大分文化面においてお話合いを進められておるということでありますが、そういうことだけではきわめて微弱である。たとえば今アメリカの大使館が東京にあるが、聞くと、文化面の人員だけでも数百名、二百何名のスタッフがある。いかにこの面に力を入れておるかということがわかる。わが国の今の情報文化局のごとき状態では――この面に対する日本のただに宣伝だけではない、何とかして列国の国民の日本に対する認識を改め、そうして感情をやわらげしめるためには、この文化の仕事が列国に先行して、フオアランナーとして進むのでなければ、あなたの仕事はうまく行きませんよ。特に占領政策によつて、外務省の外郭団体がほとんど影を没して、その外郭団体を通じてするところの文化情報の面が、ことごとくなくなつておる始末ではないか。私は約二十年も前に、国際文化振興会ができたときにも質問をいたしたのでありますが、日本のよさというものは、列国の人々の感情の表面をスクラツチしたところもまだできておらない。こういうことでは、どうして日本のよさを知らしめることができるか。これができないために、どれくらいいろいろの面で日本は損をしているかわからない。つい最近もビルマからいろいろバイヤーや政府の代表者も来たのですが、現にビジネスを逃しているではないか。リバー・ボートを二百五十隻も買おうとしている人を逃している。そのほか三回もやつて来ておる。それに対する適切なる――彼らは日本の事情を知らぬ、日本も彼らのほんとうの習慣や伝統やその他の国民性なんということをよく知らないために、みすみす大きな商売を逃して来ておるというような状態であります。日本の外務省として、役所としてできないようなこともたくさんありましようが、役所としてもやり得ることもある。役所としてやるためには、大いに必要なる予算を強力に外務大臣は大蔵省に迫つてとつてやらなければならぬ。これは外交の前提ではないか。そのために必要なる金は、今日出されないはずはない。外郭団体もやつておらない。日本の外務省もきわめて貧弱なる予算でもつて、文化情報のような金を食う仕事をどうしてやつて行くか、これをこのままにして外務大臣はこれからの外交をやつて行こうとなさるのですか。もつと私は雄大な構想に基いて、これからの外交を推進して行くのでなければ、単に外交の事務をとつて行くというだけにすぎないのでありまして、それも完全にできないと私は思う。さらにひとつ外務大臣の御決心のほどを承りたい。
○岡崎国務大臣 松田さんのおつしやることは私まつたく同感でありまして、私も言葉を覚えておりませんが、外交演説の中にいろいろ東南アジアその他の各国との施策を述べまして、これらの施策を行う基礎となるものは、まず各国の間の理解を深めることであります。その意味で文化の交流ということを特に力強くやるというふうに述べております。述べておつたつて、方針であつて実際にできないではないかとおつしやられればその通りでありますが、実は今の予算は、私が外務大臣になる前にすでにきまつておつた予算であります。すでに予算が一ぺんきまりますと、なかなかそれを動かすことはむずかしいのでありますが、来年度の予算には、さらにいろいろな点で必要なる経費を要求するつもりで今相談をいたしております。できるだけ努力をいたすつもりでおります。
○松田(竹)委員 まだ満足できないのですが、私はたとえば国際文化事業協会の仕事だけにしても、あれに最初日本は二十年近く前になりますが、百万円の金を出した。当時の金の百万円で日本の外交のフオアランナーとしての仕事をするには、これくらいの金でどうするのだということを言つたくらいでありますが、それでも外務省の外郭団体でもない純民間団体でありますけれども、相当の仕事ができかかつておつた。ところが戦争その他でもつて今日は実に見るも哀れな姿になつて、わずかに同情者の寄附金によつて息をつないでいるというような状態でありますが、日本は敗戦の結果、世界である意味においては日本ここにありという、日本というものがはつきりわかつた。偉かつた日本、三大国の一つであつた当時の日本よりは、今日の敗戦国の哀れな日本の方が、世界の人間にはよく知られておる。そうして日本に対するインタレストというものが非常に盛んになつて来ておるということが、いろいろな点から明らかにわかつておる。従つてこれら文化振興会その他いろいろな国際団体に対する照会その他の点から行きましても、日本に対するインフオーメーシヨンの要求というものはきわめて熱心である。なるほど戦後いろいろの人事の交流やいろいろのものの交流もぼつぼつ民間で始まつているようでありますが、やはりほんとうのよいものを向うへ持つて行くというようなことには、どうしても国家の補助がなければいかぬ。たとえば歌舞伎一つにしても、これも採算の点から、行くという話があつたけれども行かない。これは必ずしもヨーロツパやアメリカなどを目標にせぬでもよい。この間も私はインドの有力者と話をしておつて歌舞伎を見せたところが非常な感激である。これは言葉も何にもわからぬけれども、ひとしく東洋人であるがために、東洋人の感情が流れてよくわかるのである。だからこうした日本の芸術、日本の文化のいろいろの粋を外国へ輸出するということに対しては、政府はこれに相当の補助を与えてしかるべしと私は思うのであります。こういう点に対しても外務大臣は自分らの仕事の非常な手助けになるものである、のみならず日本としては今最もやりやすいことである。そうして列国の国民の望んでいることである。こういう機会をとらえて、これらの仕事のために力を注ぐということは、外交上最も必要なることであると私は考えるのであるが、ただにそればかりではない、私は多くのGIに接触する機会が二、三年来ございまして、しばしば話をするのでありますが、そういうGIの感激を非常に深くしたことであるから私は申し上げるのであるが、ところは山梨県です。山梨県の人には耳ざわりかもしれませんが、きわめて貧弱であの寒いところで家は鶏小屋のような小さなもので、壁のある家が少い、板張りです。それが古びて来ると見る影もない、少しばかりの庭があつて花が咲いている、そういうところへその貧弱なる貧農の一家族が住んでおる。おじいさんあり、おばあさんあり、お父さんあり、お母さんあり、孫子あり、それが表へ出で来てアメリカのGIのジープや何かを見て集まつている。いずれも子供は赤いほおをしている、ひげのおじいさんが欣々然としてその一家団欒の光景に満足しておる。そのありさまを見て、――若い二十前後のGIならばそういうことを見ない。われわれ日本としては、ともすれば日本の国情のほんとうの姿を見られるとはずかしいような感じのする面もなきにしもあらずであるが、日本国民生活のありのままの姿を見て、これあるかなと、相当の年輩の人、結婚生活をやり、家庭を持つた人々がそう感ずるのです。しみじみ私に答える。これだな、と。物ばかりではないのだ、人間生活はこの幸福がなければだめだ、おれたちアメリカには必ずしもこれがない。おれは自動車のいいのを買つてやる。ネックレスのいいのを買つてやる。自動車のいいのを毎年買つてやる。押入れをあければ数十着のパリ・モードのフアッシヨナルなドレスがある。これで女房は満足しない。それは君たちは女房教育が悪いのだといつて笑つたのでありますが、この日本の、物はなくても、金はなくても、家は貧弱でも、そういうところの日本人のよさというものが彼らの心を打つのです。こういうものを天然色ムーヴイーであるとか、そういつたものによつて、日本の国民生活の貧弱ながらも平和にいそしむ生活、乏しきに耐えて、しかも愉快にやつておるというような光景、また日本のうるわしい景色などを天然色にとつて、これらの映画を外国へ輸出する、それを肉眼で見ることによつて、いかに日本のよさというものを知らしめることができるか。こういうことのために金を使つたらいいではないか。これを彼らは求めておるのではないか。「羅生門」の一映画があれだけ世界的の関心を呼んだというところはどこにあるか。それは日本に対するインタレストがそれがために高まつておるということが一つの大理由。だから外務大臣や情報文化局長の言うような、そんな弱いことではいかぬので、これこそはほんとうに今必要なことであり、やりやすいことであり、やり得ることであり、世界に求められておることであるがゆえに、この方面に相当の金を使うということが絶対必要であると思うのだが、ひとつ外務大臣の御決意のほどをお伺いしたい。
○岡崎国務大臣 それはごもつともに思います。ただ私は今言われたのは、一例をあげられたのだと思いますが、私どもはそういう方面のいわゆる文学、芸術ということと同時に、たとえば科学であるとか、あるいはスポーツ、運動の方ですか、いろいろの面で文化の交流ということを考えております。そしてできるだけこれを実行するつもりでおりますが、これもなかなか実際になりますと、御承知のように予算の取方がむずかしいものでして、思うようには行きませんけれども、考え方はまつたく御同感であります。できるだけそういう方面で努力するつもりでやつております。
○松田(竹)委員 私はこの問題については、いろいろな面からもつと徹底して話をしたいと思いますけれども、委員長が時間がないというようなことを言われますので……。予算のとりにくいくらいのことは私もよく承知している。そんな考えは初めから持つておつてはだめだ。大蔵省はきんちやくのひもを締めることばかり考えていることはあたりまえだ。これは大蔵省としては当然でありますけれども、外務省としては、国家のためにどうしてもこれだけはやらなければならないのだという非常な熱意を持つておれば、私は相当の金をとるのはむずかしくないと思う。外務省打つて一丸として非常な熱意を持つて当るならば、必要な金はとれると私は考える。外務大臣のそんな心細い話では、ほんとに外務大臣を不信任したいような気持になつて来る。(笑声)そんなことならば私は満足できない、これはもつと真剣になつて、熱意をもつて当つてもらわなければだめである、どこの国でも今日は、アメリカのごときはパブリック・リレーシヨンの仕事というものが――アメリカで一番大きな産業は、御承知の通りにアドヴアタイジングであつた。今度アドヴアタイジングと併立して、パブリツク・リレーシヨンの仕事が旺盛になつて、どんな民間の団体でもこれをもつてやつておる。現にアメリカ大使館がそのスタッフ六百名のうち、三分の一以上をこの方面に使つておるということにおいても、いかに今日の世界情勢下においてこの仕事が必要であるかということは――アメリカ人というのは御承知の通りペイしないことには金を使わぬ。この方面に使う金は十倍、二十倍、三十倍になつて返つて来る。これを強力に主張して予算がとれないような大臣であるならば、それならば私はよう信任しない。もつと強い気魄を持つてこのことに真に当つていただきたいと私は考えるのであります。非常に急ぐそうですが、私はまだありますけれども、これはひとつ徹底的に外務大臣に承服してもらわないと私は承知ができない。お急ぎであるそうでありますからあとに譲りますが、あらためてまたお伺いします。
○栗山委員長 委員長から一言申し添えます。ただいま松田竹千代君が御提唱になりました件につきましては、当委員会の委員各位におかれましても関心を深く寄せられることと存じます。委員会におきましても、しかるべき機会にこれが調査研究をいたしたく存じます。帆足計君。
○帆足委員 外務大臣に二点お尋ねしたいのでありますが、第一点は国連協力という言葉を政府当局は始終お使いになります。今日は国際連盟時代と違つて――、あのころはまた戦車、機関銃の時代でありますから、国と国との連合というものの力は非常に弱かつたのですが、今の世界は飛行機の発達によりまして、明治の御一新のころの四国よりも小さく、佐渡ヶ島ぐらいの大きさになりました。従いまして人類が相互に理性と有愛とをもつて語り合い、手を携えなければ、原爆の脅威、水爆の脅威を前にしまして、自殺的行為にまで陥るという憂慮すべき時代であります。ある意味においてはイデオロギーを越えて、世界の平和を確保することが、人類みずからを救うための最高の課題になつておることは、皆さんこれはだれも異存のないことであろうと思います。従つて国際連合の創立の精神には私ども満腔の賛意を表し、その健全なる進展を望むものですけれども、しかし現実の国際連合の過程におきましては、よい点もあり、悪い点もあり、従いましてその決議に対しては賛成するものもあり、不賛成を唱えるものもあり、棄権するものもある、非常に各国の利害と見解によつて異なつておることは御承知の通りでございます。しかるに日本が国際連合に対してまだ発言権もなく、投票権も棄権する権利もない、ただ私ども新日本憲法と相照合して国際連合の創立の趣旨に賛成するという、一般的国民的雰囲気があるだけであるにもかかわらず、政府は何かというと、国連協力という言葉のもとで、今日の国際連合のささたる決議に対して、しかも相当大国が横暴をきわめておることが歴然たる状況に対して、無条件にこれに対して協力というような印象を国民に与えておる。現に朝鮮事変に対しましても、私どもは一日も早くあの不幸が解決することを望んでおつて、その解決のできない理由については北の方の側にも不満があり、同時にアメリカの政策に対しても多くの不満を持つておる。日本の国内においてもたくさんの人が不満を持つておるし、同時にアジア諸国においても、西ヨーロッパにおいても、アメリカと親類つき合いをしておる英国においても、幾多不満のあることは皆さんの御承知の通りでございます。またインドにおきましても、インドは国連に協力しておりますけれども、朝鮮戦争に対しては、実際上兵隊を出すことを断りまして、看護婦さんとか薬を送る程度にとどめておるというような限界をつけております。従いまして国際連合協力という意味を政府当局は一体どのようにお考えになつておられるか、ただ機械的に、無批判的に協力々々というのでは、国民が迷惑をする。やはり国際連合に対しましても、それからアメリカに対しましても、批判的精神と自主的態度を持ち、日本が自主並びに平和を維持するという限界においてのみ協力し、国際連合のそもそもの趣旨に沿うという点において協力するということには異存はないのでありますけれども、相当堕落した国際連合の今のやり方に対して、無条件の協力が妥当であるかどうか、まずその一点について外務大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○岡崎国務大臣 国際連合が今日堕落しておるとかいうような御意見に対しては、私はさようには考えておりません。法律的にいえば、当然これは平和条約の第五条において、国連憲章に基いて行われた各種の決定についてはできるだけ協力する、こういうことになつておりまして、この平和条約は国会の非常な多数をもつて承認されたものであります。従いまして国連のとるあらゆる措置について、できるだけ協力するというのは、法律的には当然であります。しかし実際上はもちろん日本の経済上、あるいは財政上、あるいは国民感情その他すべての点を考慮して、そのあとうる範囲内の協力をするのであつて、その場合に日本の方の協力も、これは日本の自主的な考えによつて定められるのは当然であります。しかしながら何となく、今帆足君のおつしやるような、今の国連はソ連とほかの国と対応しているのだ、そして堕落しているのだ、こういうような御意見にも聞えますが、私はそうは考えておりません。国連側の行為というものは、たとえば安保理事会の決議なら、これはヴイトーがありますから、決定されたものはソ連も賛成したということになりますし、総会の決議であつても、総会の多数によつて決定されたものでありますから、われわれは一応国連の考えであるととるべきは当然だと思います。ただそれに対しての協力の程度は、日本側の自主的にきめることである、こう申し得ると思います。
○帆足委員 今日日本は国際連合協力と言つておりますけれども、それに出席して発言するわけでなし、そして国際連合というものは、結局二つの世界を乗り越えるということが最初の理想であつて、いわば、国内的にいえば、経済復興会議みたいに、労使双方おり、そして相互に互譲の精神をもつて平和の問題を乗り越えるというところに本質があつたと思うのです。それを一方の世界を度外視して、ただ大きな叫びをあげるならば、その叫びがいかに主観的に善意に基いていたところで、平和に貢献するところは何ものもない。しかるに今日モスクワには各国の公使館がありまして、不十分ながらも意思の疏通ができておりますのに、日本は何ら在外情報を持たない。せめて新聞記者の諸君でもかの地に滞在せしめれば、少しは実情がわかるであろうのに、今日外務省当局の文化部あたりで出されておるソ連、中国に関する情報というものは、私は実地で自分の目で見て来たのですが、その目で見たことと照合してみますと、非常に間違いが多い。敵を知り、おのれを知れば百戦危うからずといいますので、好むと好まざるとにかかわらず、私は事実を知る必要があると思う。しかし今日、幕末鎖国のような状況で、海外との疎通を欠き、鉄のカーテンのかなたに対しては旅行を禁止されておるというような行き方は、私は日本のために危ういと思うのです。事業を知つて害せず害されざる方法を講ぜねばならぬ。今日日本の貿易は、御承知のように戦前の水準の三〇%にも満たない状況である。ヨーロツパ諸国はみな一五〇にもなり、一七〇にもなる国がたくさんあるのに、この国は三〇%にもなつていない。明年度は一体どういうように日本経済を切り抜けるかというと、まつたく見通しもつかない。私はこの点において外務省当局は、経済に関する知識が前から欠如しておるのではなかろうかと思つております。というのは、戦争中におきましても、日本の鉄の自給力は三百万トン、アメリカの鉄は開戦当初は六千四、五百万トン、昭和十九年には実に九千八百万トン、当時日本の鉄は二百五十万トン程度だつた。もし外務省当局がこういうような数字をしつかり腹に入れておつたならば、軍に対してもつと早く政治と外交の力によつて、問題を転換するということについての多少の力にもなつたであろうと当時も思いましたが、今日において日本の貿易は三〇%になつていない。そして領土は戦前より四〇%も減り、一年に二百三十万ほども幼子が生れる。こういうことで一体来年をどうしてやつて行けるか、ちようど今日の状況は昭和五年のような状況で、来年は昭和六年を迎えるでしよう。従いまして私は中国との貿易という問題は、これはやはり国民的な課題であつて、外務大臣も虚心坦懐にもう少し深くこの問題を考えていただきたい。現にインド、パキスタン、ビルマ、インドネシア等の国々は、新中国に対してイデオロギーも異なり、国内においては共産党に対して相当の取締りをしておるにもかかわらず、国際的には新中国とやはり親善関係を結んでおるのです。従いまして新中国の人が旅行したり、また親善関係に対して努力したりすることをただちに赤であると言い、容共と言つて弾圧するというようなことは、私はインドやパキスタンやインドネシアやビルマやその他の実例から……。(「新中国とは何だ」と呼ぶ者あり)新しい中国です。すなわち世間でいわゆる中共と言つておる。そういうような普通の常識から考えてもみなそのように努力しておる。イギリスはアメリカにあれほど協力し、アメリカの親類筋であると言いながら、南朝鮮で戦つておりながら、なお新中国の承認は取消してはいない。そして私は北京で見たのですけれども、代理公使みたいな大きな在外公館を非公式に持つて、厖大な調査をしております。日本だけがつんぼさじきに置かれていて、外務省情報文化局の新中国に対する情報などというものは、まつたく盲のかきのぞきと言われてもしかたがない。私はこの目で見て来たのですから……。この問題については「ソ連中国紀行」という本を書きましたから、どうか御参考のためにお目通しを願いたいと思います。従いましてどうしても中国との貿易なしにはやつて行けません。もし中国との貿易をせずに、政府がやつて行こうとするならば、今年度から赤ん坊は一人も産んではならぬ。結婚は禁止する。結婚禁止令ぐらい出したらよかろうと私は思う。一方では子供を産みほうだい産みながら、他方では島国日本の行くべき道はどこにも与えられていない。御承知の通り、日本は島国といいますけれども、海の国、船の国、貿易の国である。世界を理解し、世界から理解されなければ生きて行けない国である。しかも貿易の上で西ヨーロツパはすでにあまりにも遠い。残されたものは北アジアとか東南アジアとかアメリカだけである。アメリカの貿易については軍需等によつて一時的に多少望むことはできますけれども、本格的に日本の冷蔵庫や電動機やまたは農機具や紡織機械や化学薬品などをアメリカにたくさん輸出するということを望むことは、富士山にアイスクリームを売りに行くのと同じことであつて、それに多くを望むことは不可能なことである。一定の地理的経済段階的な限界がアメリカの貿易にはある。結局残されたものは東南アジアと北アジアの貿易であります。合理的に考えるならば、アメリカとの貿易が三〇%とすれば、北アジアとの貿易は三〇%、東南アジアの貿易も三〇%、三、三、三ぐらいの比率が合理的、立地的、宿命的比率だと思うのです。それが一時的にアメリカとの貿易が四〇になろうと五〇になろうと、それは一時的であつて、その間はやむを得ないとしても、北アジアとの貿易をゼロにして日本が生きて行くことは、絶対に不可能であると思います。従いましてせめて三〇%にならずとも、二〇%なり一〇%は確保したいというのが私どもの誠意であつて、今般私はたまたまデンマークから帰途を東方にとつて北京に寄る機会を持ちましたので、貿易について個人の資格で話し合つて、多少の貿易の道をつけようと努力しました。その金額はわずかに日本の貿易額の〇・八%にすぎません。その程度のものですら、それは全部平和物資であるのに、なぜ政府はそれをすら禁止しようとなさるのか。しかもワシントン会議を開き、パリの輸出制限委員会にも参加しておる。私どもが今考えており、政府にお願いしておるのは、ごとごとく平和物資であつて、戦争に何らの影響もないような物資だけである。DDTとか、染料とか、紡織機械とか、毛布とか、百姓の使う日常の生活物資とか、そういうようなものを政府に許可をお願いしておるような次第です。これらのものは日本が輸出しなくても、結局はフランスやイギリスが輸出しておる。北京に参りましたときに、宮腰喜助君がごちそうを食べ過ぎて糖尿病になりまして、インシユリンはないかといつて探しましたところ、インシユリンは御承知のように三共の特効薬です。三共のインシユリンを探しましたけれども――日本の薬品工業というものは中国市場を相手にしておりましたけれども、それがまつたく杜絶しております。仁丹の広告はまた至るところに残つておりますけれども、インシユリンはどこにもありません。しかたなくなくイギリス製のインシユリンを宮腰君は注射して、そうしてため息をついておりました。それからまたDDTにしましても、あそこは南京虫やはえの多いところであります。今は上海、北京にははえは一匹もおりません。しかし、いなかに行けば、まだのみや、しらみや、南京虫がうじやうじやするほどいるのです。上海では化学工業が発達して、ストレプトマイシンもペニシリンもできるようになつたということで、大いに驚いてその工場を見せてもらいましたけれども、いかに拡張したところで、中国の人口は四億七千万であります。これに行き渡るには前途遼遠である。上海の化学工業ぐらいでは行き渡るはずはないから、結局日本から買つてもらいたいと言いましたところが、買う必要はないといいますので、それではよそから買つているのでしようとつつ込んで聞きますと、結局西ドイツとイギリスから買つている。これはたるの底が抜けておるといわなければならぬと思います。外務大臣は、日本とイギリスとの関係は違うといわれるが、確かに違うと思います。しかし違うという意味は、日本の方がイギリスよりもはるかに中国と宿命的に深い関係にあるという点で違うのであつて、その逆ではあり得ないと思います。英国の大蔵大臣は八月に、ワシントン会議の前夜でありましたか、ラジオ放送をいたしまして、英国とアメリカとは親戚関係であるから、戦略物資の輸出禁止についてはアメリカに協力する、しかしながら平和物資、すなわち木材並びに食糧輸入、並びにそれに見返りとしての平和的な機械類と化学薬品の鉄のカーテンヘの輸出についてはあえてアメリカの干渉を拒絶する。何となれば、これはイギリス市民の生活の安定と国内治安のために必要であるから、従つてアメリカの干渉といえどもこれはお断りする。もしそれイギリスがアメリカの親類筋であるということを強調されるならば、むしろアメリカはイギリスの三倍くらいの生活水準を持つているから、アメリカは関税を引下げて、イギリスの商品を倍くらい輸入したらよかろうというラジオ放送をしております。これは社会党左派の鈴木委員長の演説でなくて、イギリスの保守党の大蔵大臣の演説であるということを外務大臣はよく心得られて、もう一ぺんそのときのラジオ演説をよく読んでいただきたいと思います。英国や西ドイツやフランスに許されていることを、日本がアメリカの出先の官憲に追随してそれすら遠慮するということは遠慮のし過ぎであつて、それは結局大局から見るならば日本経済を萎縮せしめ、国民生活を不安ならしめ、そうして大きな目で見たところの合理主義的なアメリカ国務省の世界平和政策にかえつて欠陥を生ぜしめるような結果になるのでありますから、やはり公正妥当な見地から、イギリスやフランスまたは西ドイツがやつている程度の貿易は、ぜひひとつ認めていただきたい。外務大臣は講和条約の任に当られて、そうして長い間進駐軍の管理していた時代の交渉に当られていましたから、そのときの惰性もあり、そのとき以来のいきさつもおありでしようけれども、もはや一応の独立国の体面を維持するようになつた以上は、この点政策を切りかえられて、イギリスや西ドイツがやつている程度のことは、中国との貿易を許してもらいたいということを明確にして、それに必要な事務的措置をやりやすからしめるような措置をとつていただきたい。これにつきまして外務大臣のお答えを伺つて、なお納得行かぬ点がありましたならば、私は一言だけさらに御質問したいと思います。
○岡崎国務大臣 まずソ連や中共との間の外交関係の問題についての私の基本的な考えを申し上げます。日本は民主国家といつておりますが、民主主義、つまり自由国家群の一員であるからといつて、共産国家と国交を回復していかぬという理由はないのであります。現にアメリカでも、イギリスでも、ソ連とは大使を交換しているし、また中共とも数多くの国が国交を回復しておるのですから、われわれも国交を回復していかぬという理由は一つもない。ただ現在これはいろいろ議論がありましようけれども、ソ連との間には多数の未帰還者の問題が解決しておらない。一体捕虜をとつたり、あるいは抑留したりした場合には、国際法からいいましても、その捕虜がどういう人間であり、どこにいるとか、病気であるとか死んだとかいうことは、当然所属の国に知らせるべきがあたりまえであります。何べん要求してもそれを知らせない。そして現にもうほとんど間違いないと思われるくらい違つた数を出しておる。また北海道方面におきましては、ソ連によつて抑留される船、漁夫等が多数にあります。また中共においてま抑留者の問題はいろいろあります。今回はそれはうまく行くかもしれませんが、しかし北京放送を帆足君はお聞きになつたでしようが、毎日のように北京からの放送は、日本に対する暴力的な革命行為を扇動する方向に放送を続けております。また国内の秩序を破壊するようなことを奨励するようなことも言つております。そしてまた漁夫や漁船の問題も中共との間にもある。われわれはこういう態度をとつている国に対して国交を回復するわけに行かない、こう思つております。民主国家としても、原則としては中共やソ連と、今申す通り国交を開いても一向さしつかえないわけであります。われわれは、しいて言えば、言葉は妥当でないかもしれませんけれども、無言の抗議をしているつもりなのです。従つて先方の態度が改まり、たとえば中ソ同盟条約というようなことも、日本を仮想敵国のように取扱つている事態を改めて来るならば、それは普通の原則に従つて話合いもできないことはないと思いますけれども、このままにしてあなたがいくらおつしやつても、先方の方をちつとも改めずして、日本に国交を回復しろ、それは無理であります。あなたがたとえば中共やソ連においでになつたならば、そのときに先方に対してそういうことをおつしやつていただきたい。一体北京放送はどうしているのだ、何のためにやつているのだ。――旅券法に罰則もないからおいでになつたとおつしやるのかもしれませんが、せつかくおいでになつたならば、一体北京放送の話でもなさつたのかどうか、これをむしろ伺いたいくらいであります。要するに、そういうことでありますから、私はただいまのところ国交を回復する気はない、こう言つているのであります。なおイギリスやその他の国々が中共等と貿易をしている。それはただいま国際機構にわれわれも参加いたしまして、列国とも足並をそろえよう、イギリスがやるものは日本もやろう、日本が禁ずるものはイギリスも禁ずるようにしよう、こういう話を今いたしておるのであります。
○帆足委員 イギリスに許されている程度のことはやれるように外務大臣は努力されると申されましたが、今日英国、西ドイツその他は相当金額の貿易をしております。従いまして、それがパリ会議なりその他で承認されましたら、技術的にもやり得るようにする、たとえば貿易をしますためには貿易の用務について北京に人が行くというようなことも必要になつて来るのでありますが、そういうことを技術的に可能ならしめるように努力されるということも含めて、とにかく貿易がやれるように御努力なさるという意味に理解していいでしようか。ただやれるようにと申しましても、実際いろいろな条件が技術的にも政府ができるだけ円滑に行くようにお骨折りくださらなければ、できることも私はできなくなるのではないかと思います。ソ連、中国側が日本に対して敵対的行動をとつておるのではないかという先ほどの外務大臣のお話でありましたが、確かに御指摘の通りだと思うのです。しかしながらまた御承知のように、アメリカの放送を聞きましても、中国の内部にわざわざゲリラ戦を展開させるというようなことを有力な人が公然と言つておる。双方ともにやりあつておるような不幸な状況でありますから、それは私は双方が話合いで解決するという態度をとらなければ、お前の方だけ悪いというだけでは、それは外交の役に立たないのであつて、現にインドやイギリスなどはやはりそれを乗り越えて、何とか国交を調整しておるわけでありますから、やはり私はそういう努力は必要であろうと思います。ただ単に嘆くだけでは何にもならぬのであります。一歩前進してそれを踏み越えるということが必要であります。キリスト教と回教との争いのように、ただお互いをののしりあつておつたのでは問題は解決しないと思いますが、この問題を論議すると時間が長くなりますので、また委員長から御注意もありましたので、ただいまの中共貿易ができるように具体的措置をとつていただきたいということについて、お答えを願いたいと思います。
○岡崎国務大臣 これはいろいろ旅券等を出します場合の副産物が出て参りますので、この点は慎重に考えなければなりません。また通産省その他とも相談しなければなりません。さしつかえない範囲のことは、これは当然今でも認めておるわけであります。旅券を出せとおつしやると、これは副産物の関係がありますから、ここではただちにお答えはできません。
○栗山委員長 黒田寿男君。
○黒田委員 私の目的としております質問には時間が足りないと思いますけれども、私はたびたび質問の機会を逸して来ておりましたから、きようはやれるだけやつてみたいと思います。それ以前にちよつと一問だけこの前の質問に関連してお伺いしておきたいことがあります。それはきようすぐお答えくださらなくてもけつこうでありますが、フリゲートの本来軍艦としての性能を詳細にお知らせしていただきたいと思います。前会でありましたか、前々会でありましたか、これを希望しておきましたが、それに対する御答弁がまだございませんので、適当な機会にぜひお願いいたしたいと思います。これは単にトン数が幾らだとか、航続力が幾らだとか、速力が幾らとかいうような問題でなくて、軍艦としての本来の性能をフリゲートはどのような内容において持つておるかということであります。それをひとつお願いしておきます。 それから次に質問してみたいのは、保安隊及び警備隊がアメリカ合衆国から借り受けて使用しており、または将来使用しようとしております武器と同じ種類、同じ性能の武器、すなわち戦車であるとか、大砲であるとか、武装船舶、これは単に商船が武装したという意味でなくて、本来戦争用として構造及び装備が武装船であるという意味の武装船舶のことでありますが、こういう武器は、私は武器であると同時に兵器であると考えます。こういう兵器は、同じ武器でありましてもピストルのような単なる武器ではなくて、本来の兵器と称すべきものである。こういうような兵器をわが国で製造し、かつわが国が保有するということは、私は憲法の禁ずるところであると考えます。そのようなものを製造し所持すれば戦力を保有することになつて、憲法の違反になるとこう思うのでありますが、これについて政府の御所見を承つてみたいと思います。これは先般軍用航空機を製造することは、日本では禁ぜられていないというようなある政府委員のお話もあつたりいたしましたので、こういうことに関連いたしまして、まずお聞きしてみたいと思います。これらの武器は現在保安隊が現実に使用しておるものでありますが、そのような兵器のことを今問題にしておるのであります。
○木村国務大臣 何が兵器なりや、何が武器なりや、これはいろいろ解釈のしようがあると思います。しかし大体の概念といたしましては、兵器というのは戦争を目的として使用さるべきものであります。武器というのは戦争目的に至らざるものとわれわれはこう解している。しかしながら私個人の意見でありますが、武器というものの概念は非常に広いであろう。武器の中にもあるいは兵器が入るのではないかと私はこう考えている。しかし兵器とあればその概念が非常に狭いので、いわゆる戦争目的に使用するものであろう、私はこう解釈しております。 そこで今黒田委員の御質問にかかりまする、日本でいわゆる大砲とかあるいは小銃とかいうようなものをつくる、進んで飛行機をつくるというようなことに至れば、これはいわゆる憲法違反になるではないかという御質問のように解釈いたしました。しかし私は前国会におきましてもしばしば申し上げました通り、いわゆる憲法第九条第二項の「戦力は、これを保持しない。」これは御承知の通り「陸海空軍その他の戦力」ということであります。いわゆる一つの大きな組織された総合力、いわゆる近代戦を遂行し得る能力を持つた総合兵力、こう解釈した武器あるいは兵器を製造することそれ自体は決して憲法違反ではないと、私はこう考えている。
○黒田委員 私がお尋ねしておりますのは、具体的にはつきりと兵器の種類をあげてお尋ねしているのであります。現実に保安隊及び警備隊が使用しまた使用しようとしているそれらの兵器と同種類、同性能の兵器のことを問題にしているのであります。現に保安隊は戦車を持ち、大砲を持ち――私は小銃のことなど問題にしているのではありません。私のただいま問題にしておりますのは戦車あるいは大砲、それから現実に製造されるかどうかということは別問題といたしまして、とにかくフリゲートというような軍艦、これは現実に使用しようとしておるのであります。現在そういう軍艦を日本において製造される意図を政府は持つておられるかどうかという問題とは、これは別問題であります。現実にそういう本来の兵器たるべき軍艦を使用しようとしておる、だからこういうものを使用することが憲法上許されるという見地からすれば、外国のものを借りて使用しておることが、政府は憲法違反にならぬというようにお考えになつております上は、私どもはそれを日本で製造して、日本国の所有物としてこれを保安隊に使わせるということも、憲法違反にならないというりくつにならなければならぬと思います。しかし私どもはそれに承服することはできませんから、ただいまお尋ねしているのであります。結論から申しますと、これは理論の問題になると思いますけれども、保安庁長官はフリゲート、戦車、大砲というような、常識上武器たると同時に兵器の域に達しておりますものを、わが国で製造することは憲法違反にならぬという御見解でございますか、はつきりその点を承りたい。
○木村国務大臣 御説の通り、私はただつくるだけでは憲法違反にならぬと解釈いたします。
○黒田委員 それではお尋ねいたしますが、たとえば戦車にいたしましても、フリゲートにいたしましても、大砲にいたしましても、その製造ということだけを切り離して考えることは私どもにはできません。これを用いる主体がなければならぬと思うのです。こういう兵器を製造して、ただいたずらに倉庫にしまつておくというようなことは常識上考えられませんから。こういう兵器の製造が憲法上可能であるということになつて参りますれば、その兵器を用いる主体が何であるかということと結びつけて考えなければならぬ。これを日本で何らかの制度が用いるか、あるいは外国に売るためにその武器を製造するのであるか、どちらかであると思います。私は今は外国に売るために武器を製造する問題をお尋ねしているのではなくて、わが国がこのような武器を製造しかつ保有する、そのことは同時に保有し、かつ使用する主体と結びつく問題として考えなければならぬ。そういう主体を、ここで具体的に申しますれば、保安隊、警備隊です。こういうものと結びつけて、これらの常識上兵器と考えなければならぬものが用いられる。そういうような目的で用いられる本来兵器であるものをわが国において製造し、かつ保有することが憲法違反にならぬのであるか。私は保安庁長官のお話を承つておりますと、保安隊が使うものであるならば、保安隊は軍隊ではないのだから、本来は兵器であるべきものでも、保安隊という制度に結びつければ兵器にはならぬ、戦力にはならぬ、こういうような御意見のように承れるのです。それであれば私はなお次に質問してみなければならぬのでありますが、どうもそういうふうに受取れるのであります。そうでありましようか。
○佐藤(達)政府委員 私から付言させていただきますが、しばしば政府が説明しておりますこの戦力という趣旨は、今木村大臣も申しましたように、憲法の条文の趣旨からいつて、かつまた「陸海空軍その他の戦力」とある文字の上から申しまして、これは戦争目的をもつてそのために装備編成された一つの総合的の力というものと読まなければならないと考えております。そこで今の製造段階の問題ということになりますと、製造されてでき上つて使われるようになつたものが、今の装備編成として組織化された総合力の中に入つて来るその段階においては、総合力を計算する場合の一つの要素になると思いますけれども、製造段階におきましてはその意味でまだ人づて来ないと考えております。 それからもう一つは、これは現在の問題でありますけれども、この憲法の趣旨は、国が保持することを禁止しているものと読むことは当然でありますから、民間における工場の問題になりますれば、憲法の第九条にまだ乗つて来ない問題になると考えているわけであります。
○黒田委員 私は、ただいまの佐藤法制局長官のお話はどうも理解できません。民間で製造する過程であれば、憲法の問題にならぬと言われたのですけれども、私は先ほどその点にも触れて申したのです。製造するものが国営工場であろうと民間の軍需産業であろうと、とにかくわれわれが常識上兵器と考えられる段階に達したその武器を製造いたしますときに、その製造者はこれを外国に売るか、それとも日本の何らかの制度がこれを使用するか、そのどちらかでなければ製造するものはないでしよう。何らかの製造目的なくして、ただ漠然と兵器を製造するということは考えられません。そこで私が問題としておりますのは、いくら民間の工場で製造する段階では憲法違反が起らぬとおつしやいましても、私どもは民間の工場がこういう兵器を製造して、ただそのまま保存しておるということは考えられないから、それに問題が起るのです。それは必ず何らかの制度に結びつくのです。だから民間の工場で製造する段階だけをとつてみれば、これは別に憲法の問題とならぬという議論は、きわめて中途半端な議論で、その兵器を用いるものとの結びつきにおいて考えなければ、私はこの問題をほんとうに取組んだ話にはならぬと思います。中途半端な話は、私はこれ以上お話願わないようにお願いしたいと思います。こしらえた以上は、これを使うものがなければならぬではないか。その使うものが外国の軍隊であれば、私はこれを別な議論にしようと思つておりますが、日本における何らかの制度がこの兵器を使うというような目的において製造され、かつそういう制度とこの兵器が結びつくというときには、私はそれは憲法違反の戦力になると思います。そこで私はこういう質問をしてみましよう。先ほどもこれは質問したのですが、それでは長官はこうおつしやられるのでしようか。保安隊は軍隊ではないのだ、だから日本の保安隊が用いるのであるならば、本来兵器たるべきこれらのたとえば戦車というようなものを日本で製造して、この兵器を保安隊に保有させても、これは憲法違反にならぬのだ、戦力保有にはならぬのだ、こういう御見解でありましようか。そうであるかどうかちよつとお伺いして、それから次の質問に移ります。
○木村国務大臣 保安隊は御承知の通り、わが国の平和と秩序とを維持し、人命財産を保護するために特別の必要がある場合に使用する部隊であります。ここが特にはつきり軍隊と性格を異にしております。その内地の治安確保に当る保安隊は、あなたの仰せになります各武器を持つていたにいたしましても、これは決してその性格が一変して軍隊となるわけではありません。従いましてかりに保安隊に使用すべき、あなたの仰せになります兵器を製造いたすにいたしましても、それをもつてただちに憲法第九条に違反するものとは思いません。
○栗山委員長 時間も大分過ぎておりますし、あとは御議論で見解の相違のように存じますので、他の同僚の諸君のことも、お考えいただきまして、午後は一時から再開をいたすことにいたしまして、これで休憩……。
○黒田委員 委員長、そういう横暴なことはいけません。ただいまの御説明だけで切つておくわけに行かぬ。もう一言言わしていただきたい。それで次の問題に移りたいと思いますけれども、それは時間の関係上延期していいと思います。
○栗山委員長 それでは非公式にやつてください。
○黒田委員 いや、記録をとつていただきたい。五分ぐらいしかかからぬと思いますから……。
○栗山委員長 あと五分間だけ速記をとつてください。
○黒田委員 今の政府の御答弁に対する私の見解だけをそれでは申し上げまして、なお次の議論を発展さして行きたいと思いますが、それはまた……。 私はただいまの政府の御見解が非常に間違つていると思う。そこで本来の戦争用具すなわち兵器は、それを使用する部隊が治安目的の制度であることによつて、その武器が戦力たる性質を失うことになる、こう政府は言われるのであります。それで私にははつきりした。けれどもこのような主張が許されますならば、理論からいえば、巡洋艦を使用しても戦闘艦を使用しても、警備隊が使用すれば戦力ではなくなるというような主張が、理論上成立しなければならぬということになるのでありまして、そういう乱暴な主張は私ども断じて許すことはできません。だから、保安隊が用いるのであるからというだけの理由で、本来戦争用の武器でも戦力ではなくなるという主張は、転倒した理論であると思う。さような主張は許さるべきではないと思うのであります。ほんとうはこういうことではないでしようか、私はこう思う。本来の戦争用の兵器を用いることによつて、これを用いる部隊がよし表面上は治安目的を持つた部隊だとされておつても、実質上は戦力になるのだ、この武器は総合せられた人的物的の力の中に入つて、私どもの考える戦力の構成要素となるのだ、その保持は憲法で禁ぜられておる、私はこう考えるのであります。使用する兵器の性質によつて、部隊そのものの性質が変化すると見るのが正しいと私は思うが、あなたの考えはそうでなく、部隊の性質によつて、用いられる兵器の性質が変化するというのだから、私の考えとちようど逆です。私は用いられる兵器によつて、部隊の性質が変化するという考え方を持つておりますから、こういうところに政府と私の意見の大きな相違があるわけであります。きようは時間がありませんから私はこれだけを申し上げておきますが、政府の御解釈には私は断じて承服することができません。なお、この私の主張を進めて参りますために、いろいろともつとつつ込んでお話を承りたいし、私も申し上げたいと思うことがありますけれども、委員長から厳重な時間上の御注意がございまして、きようは時間がありませんから、残念ながらこれで終えておきまして、また次の機会に申し上げます。
○栗山委員長 暫時休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十三分開議
○栗山委員長 休憩前に引続き、会議を開きます。 日本国とアメリカ合衆国との間の船舶貸借協定の締結についで承認を求めるの件を議題といたします。本件に関し吉田総理大臣に対する質疑を許します。安東義良君。
○安東委員 船舶貸借協定は、首相の外相の時代に、リッジウェイ大将に送られました書簡に端を発したものでありまして、事自衛力の強化に関する重要問題でありますので、これに関連する総理の基本的なお考えを明瞭に承ることは、この際必要と考えます。従つてこれから述べます諸点につきまして、率直な御答弁をお願い申し上げます。 国の平和と安全を守ることは、広い意味の国防であります。独立国家の政府として、広義の国防に遺憾なきを期することは当然な責任でございます。しかるに今日まで首相のしばしば国会において言明せられたことから判断いたしますと、首相は、内外の情勢から日本としては自衛力を強化しなければならないから、自衛のための再軍備はやらねばならないが、目下のところは、経済力においても国民の精神においてもこれを許さないから、再軍備はいたさないというようなふうにも解せられますし、またあるときは、いかなる再軍備もやるつもりはない、国内の平和と安全、すなわち治安と秩序維持に必要な警察力を限度とする自衛力を持つにとどめるというようにも解されるのであります。従つて国民は今なお政府の真意を明確につかむことができず、ひいては国民の健全な国家防衛の観念の発露を妨げ、国内における思想の混乱を増大させております。首相は今申し上げましたいずれのお考えでありますのか、あるいはまたそうではございませんのか、この点を明瞭にしていただきたいと存じます。
○吉田国務大臣 私の考えははなはだ明瞭であると私は思うのであります。何となれば、しばしば同じことを繰返しておるからであります。にもかかわらず、国民を混迷に陥らしむるとか言われますが、混迷に陥らしむるのはわれわれではなくて、反対党の諸君ではないかと思います。しかしそれは議論でありますが、とにかく日本の現状においては、国力からいいましても、国民の気構えからいつてみましても、それから在来の関係から申しても、外国の日本に対する疑惑といいますか、恐怖心というような関係から申しても、日本が再軍備をするということになれば、その影響するところは大であります。いずれにしても今日は再軍備いたすべきときではない、こう言つておるのであります。
○安東委員 なおあいまいな点は残りましたが、次の点に及びます。 私の解する限り、首相の国防の構想は、集団安全保障の一変形である日米安全保障条約により、駐留米軍によつて外部よりの侵略を防ぎ、保安隊と警備隊により、国内の治安と秩序を維持し、さらに国連による集団安全保障によらんとするものと考えるのでありますが、独立の国家として、外部よりの侵略を外国軍の手にのみたよるような方式は、非武装の日本としてはやむを得なかつた一時的措置にすぎないのでございまして、自主独立の完成と東亜の平和の確保のためには、将来自国の防衛は自国民の手によることを原則とし、この基礎において集団安全保障制度を強化活用すべきものと思いますが、首相の御見解はいかがでございましようか。
○吉田国務大臣 そういう時期に到達すれば、まことにけつこうだと思います。
○安東委員 首相は自衛力漸増の方式をとり、自衛の武力を保有しようとしておられますが、日米安全保障条約の前文で、米国に期待させられた内外よりする侵略に対する自衛力ということは、常識的に解釈いたしますれば、自衛の軍備を含むものと思われるのでありますが、首相の御見解はいかがでありますか。
○吉田国務大臣 必ずしも自衛の軍備ということに限らないと思うのであります。構想としては、外国の侵入に対しては集団的に考える、国内の治安は日本みずからが負うという構想でもつて、安全保障条約はできておるのであります。但し米国軍としては、長く米国軍を日本に駐留せしむることは希望いたさない。漸次減少せしめたい、それだけ日本の自衛力を増加してもらいたいというのであります。しかし今お話のように、はつきり日本に軍隊を置けとかなんとかいう要求はしておらないのであります。日本が軍備を持つ持たないは、日本の自由である、こういうわけであります。
○安東委員 あの前文には、もちろん内外よりする侵略に対する自衛力とあるのでございまして、ただいまの首相の御答弁にはまだ割切れないものが残るように感じます。もちろんこれは条約の前文でございますから、明確に再軍備を約束せられたものでないことは言うまでもないのでありますが、しかしながら、これに関連いたしまして、首相は日本の憲法との関係において、アメリカ側と何かお話になつたことがあるのでございますか。
○吉田国務大臣 ちよつと質問の趣旨が……。どういうのですか。憲法を改正すれば、軍備でもすると、こういう約束をしたかというような御質問ですか。
○安東委員 つまりこの自衛権というのは、内外よりする侵略に対する自衛力の漸増ということをおつしやつておるわけなのでありますから、それはもちろん条約の前文でございまして、これは国際約束ではございません。これはよくわかりますが、しかしその際日本の憲法との関係について、この問題に関連いたしまして、お話になつたことがありますか。
○吉田国務大臣 お答えします。話したことはありません。しかし相手国としては日本の憲法にどう規定してあるか、日本の精神はどこにあるかということは、当然了解しておるはずであります。特に憲法について話したことはありません。
○安東委員 今日問題になつております日米船舶貸与協定につきましても、フリゲートなどが戦力に該当するかどうかは、本委員会においても、しばしば論議の中心になつております。今保安隊は漸次重装備をアメリカから借りており、今までの政府の戦力についての解釈に従つても、ある限度が参りますれば、保安隊は戦力となり得るものであることは明らかであります。かくして保安隊が増強せられ、警備隊が充実するにつれ、絶えず戦力かいなか、憲法違反かどうかという議論が繰返され、あるいは政府はごまかしの軍備をやつているのではないかと邪推されることも起つて参ります。そして国民の間の国防観念が動揺しておる間に、国民が知らぬ間に軍備ができ上るというようなことでは、政府及び国会といたしましては、その責任を十分に果すものとは申されないでありましよう。今後保安隊が、武器を米国から借りるときは、単に保安庁の調達契約のごとき形式をとらず、国際約束として国会の承認を求めるよう、すでに本委員会において、保安庁長官に要求し、保安庁長官も考慮せられるとのお話でありましたが、首相はこれについていかがお考えでございましようか。
○吉田国務大臣 木村法務大臣の答弁をもつて私の答弁といたします。
○安東委員 それでございましたら、どうかその方法等につきまして後日でもけつこうであります、保安庁長官を通じまして本委員会に結果をお知らせ願いたいと存じます。
○栗山委員長 並木芳雄君。
○並木委員 吉田総理大臣は、このフリゲート艦というものをごらんになつておられますか。
○栗山委員長 並木君、重ねて御質問願います。
○並木委員 総理はこのフリゲート艦を見ておられますか。
○吉田国務大臣 お答えをいたします。まだ見ておりません。
○並木委員 それは総理としては私は怠慢ではないかと思います。今非常にこれが戦力なりや、いなやという大問題を起しているときに、これを見なかつたということは私は無責任だと思います。見ないでおいて、どうしてこれが戦力でない、どうしてこれが憲法に違反してないのだという判断をなさいましたか。
○吉田国務大臣 それは資料によりまして、また関係大臣の報告によつてそう了解します。
○栗山委員長 加藤勘十君。
○加藤(勘)委員 私は時間の約束を守つて率直にお問いいたしますから、率直にお考えを願いたいと思います。 第一には、吉田さんが外務大臣当時に出された書簡によつて、こういう協定が結ばれることになつたのでありますが、この書簡をお出しになつた当時の考え方ですが、書簡の趣旨によりますれば、沿岸警備のためということでありますが、この沿岸警備という観念の中には、吉田総理がしばしば口癖のように言うておられます防衛力の漸増ということが意味されておるのではないかどうか、それをお尋ねしたい。
○吉田国務大臣 それは意味されておりません。意味しておりません。
○加藤(勘)委員 ことしの十月十五日から警察予備隊が保安隊に編成がえされておるのでありますが、警察予備隊の当時には、明らかに国内治安維持のための警察力的な性格が強く打出されておつたと思う。ところが保安隊に編成がえされましてから、警察的な性格がなくなつて、明らかに軍隊的な性格が表面に押し出されて来ておるのでありますが、これは防衛力の漸増を意味するものではないかどうか。そしてまた先般来本委員会で木村長官が示された、保安隊の保有する兵器の種類とか性能とかいうものから見ますと、防衛力の漸増ということについては、ほとんど疑いの余地がないと思う。それからまたフリゲートは、これを借り入れるということになりますれば、陸上における保安隊と同じ性格の軍隊的なものを、海上警備の名によつて海上に拡充強化されようとするものではないかどうか。それについては、関係当局がどんなにからすをさぎと言いくるめようとされましても、フリゲートの持つておる兵器、装備、たとい三インチ砲にしましても、三門持つておる、爆雷の発射管も持つておる、対空レーダーも持つておる、こういう点から見て、これがもう軍艦であるということは、おそらくどんな者でも、間違いない点であると思うのであります。もちろんこれが近代戦に耐え得るような強力なものであるということは言いません。その点は当局がしばしば言われるように、きわめて微力である。微力であるということは、当局の言明をそのままわれわれも承認します。けれども、たとい微力であつても、すでに軍艦としての十分な内容を持つておるとしますれば、戦力であるということについては間違いないと思うのです。このことは、保安隊がりつぱな軍隊でありながら、軍隊と言わないだけであると同様に、フリゲートも軍艦ではあるが、軍艦でないと言うことは、もし保安隊を軍隊と言い、フリゲートを軍艦と言えば、明らかに憲法に抵触することになる。であるから、憲法に抵触することを恐れて実質をくらまして、そして形式だけを保安隊と称し、船舶と称しておるのであると思うのですが、この点について、一体総理はどのようにお考えになるか。しかももう一つ、この使用目的からいいましても、手紙にも沿岸警備のためということが言われておりますけれども、この委員会における当局の言明によりますと、警備から一歩前進して海洋上において、あるいは第三国の船が商船を不当に拿捕したり、あるいはその他海賊的な行為があつた場合においては、これに攻撃を加える、こういうことを言明しておられるのであります。そうすると、これは明らかに国際紛争にみずから巻き込まれる、没入することになるのではないか、もしそういうことになりますれば、国際紛争の解決のために武力を用いないという憲法の精神に、明らかに反するものであると言わなければならぬのでありますが、吉田総理の御見解はどうでしよう。
○吉田国務大臣 フリゲートが戦力でないということは、関係大臣その他から始終絶えず十分に説明せられたはずであります。また私もそうは考えておりません。またお話のように、もし外国船、第三国の船舶をつかまえて、それが国際紛争に巻き込まれる原因をなすのではないかというお話でありますが、しかしながら、そういう仮定の問題について、私は今日これはこうであるというお答えはできません。
○加藤(勘)委員 非常に不満足ですけれども、やむを得ません。それからこの委員会において明らかにされましたことは、アメリカがフリゲート、それから上陸用舟艇を日本に貸すについては、アメリカの負担で八千万ドルの巨額の費用を投じて修理をした上で、しかも無償で貸してくれる、こういうことであります。この点にはどうしても日本国民としては多少の疑問を持たないわけに行かないのです。おそらくこのことから考えられる点は、一つは日米安全保障条約によつて、アメリカは日本防衛の義務を負つておる。その自分の防衛義務を日本側に分担せしめるという考え方であるとしますれば、明らかに、日本を防衛するというアメリカの防衛力は、言うまでもなく戦力である。その戦力の一部を日本にさいて貸すというのでありますから、これを借り受けた以上は、当然アメリカの戦力の一部を借りたということにならざるを得ないと思うのです。もしそうであるとしますれば、私はたとい借りたものであつたにしても、日本がこれを保有するということになれば、明らかに憲法違反であると思うのです。この点に対して吉田さんはどのようにお考えになりましようか。
○吉田国務大臣 お答えをいたしますが、八千万ドル云々ということは存じませんから、わかりません。
○加藤(勘)委員 私は、アメリカが、たとい老朽微力なものであつたにしても、自分の戦力の一部をさいて、新たに数千万ドルの巨費を投じて、修理までして日本に貸してくれるということになりますれば、その防衛の義務を、今申しましたように日本に一部分担せしめるということ以外には考えられないのでありますが、もし今吉田総理のお答えになりましたように、この点がはつきりしませんと、一体アメリカは何でこういう協定を結ぶに至つたなどういうアメリカ側の心持であるか。そこで私どもは、もしこういうことが――先般の委員会においても質問したのですが、何らの反対給付なしといたしますれば、アメリカの態度をどうしても国民としては疑わずにおられない。そこで何か、この反対給付というほどでないにしても、吉田さんが文書によるか、あるいは口頭によるかは知りませんが、日本の国内に設けられておるアメリカの軍事基地の使用その他について、便益を供与されるというようなお約束でもなさつておるのではないか、この点は将来日本国家としては大きな義務を負わなければならぬということになるわけでありますから、明らかにしておいていただきたいと思うのです。
○吉田国務大臣 何らそういう約束はいたしてありません。
○加藤(勘)委員 それでは私お尋ねいたしますが、アメリカの考え方は、お約束当時、公式の文書だけが出されて、それについて黙つて文書に調印されたのでしようか。どうでしようか。
○吉田国務大臣 調印する場合には口もききますし、黙つて調印をするはずはないのであります。しかし、これは全然アメリカ政府の好意によるのであります。日本が防備のない状態に置かれて、沿岸から始終脅威を受ける、そういうことは、日本のために好ましくないのみならず、東洋の平和にも好ましくないから、日本の安全独立を守るために、アメリカ側としては十分の力を尽したいという好意から出たのであります。従つて、それに対して反対給付はないかとおつしやつても、そういう話合いはないのであります。
○加藤(勘)委員 最後に一点お聞きしておきますが、それならば、さつき私がお尋ねしたように、アメリカの日本防衛の義務を一部日本に分担せしめる、そういう意味で向うの戦力の一部をさいて日本に貸してくれた、こういうことにならざるを得ないのですね。もしそれであるならば、吉田さんが何と弁明をされようとも、明らかにアメリカの戦力の一部を借りて日本が保有する、こういうことになりますならば、私は憲法に抵触するといわざるを得ないのです。
○吉田国務大臣 いろいろ御苦心になつて、憲法違反の方に連れておいでになろうという御苦心のようでありますが、今申した通り、アメリカは日本のために貸してくれたので、貸したものが戦力になるかならないか、それは存じません。またアメリカにおいて戦力を構成しておつたかどうか知りませんが、日本に持つて来た以上は、日本の目的は書簡に書いてある通り、国内治安の維持のためであります。
○栗山委員長 帆足計君。
○帆足委員 総理にお尋ねいたしたいのですが、日本の平和と安全は国民だれ一人として望まぬ者はありません。しかしながら、敗戦国として軍事的に日本の安全を保障することになると、かつて生命線といわれたような防禦基地を全部失つた日本といたしましては、軍事的防禦の方法はないと思つております。日本社会党がただいま無軍備を主張しておりますのは、軍備をもつて守る手だてがないという物理的状況に置かれておりますから、平和外交その他の方法によつて、守る以外に道がないということを主張しておるのででございます。アメリカが日本の防衛の保護に当ると申しますけれども、日本の平和は平和外交で努力して、それによつて、憲法に書いてありますように、諸国民の信頼と外交調整によつて平和を守る以外に道がないのでありまして、もし軍事的に守るといいましても、抽象的にいえば、それも可能のように思いますけれども、具体的に検討いたしますと、日本の置かれておる立地的条件、戦略的条件、食糧の不足、原材料の不足、アメリカとの距離等の関係で、実際に軍事的に保護してもらうということになると、戦争の火中のくりを拾つた場合に、三箇月の諸戦基地、六箇月の犠牲基地、十箇月後には廃墟というような結論になるのでありますが、総理はこれらの問題につきまして、今日原爆と航空機の性能について御研究なさつたか。 第二には、日本の戦略的、宿命的、地理的位置について、多少はお考えなさつたか。またアメリカが日本を防衛するといいますけれども、それはどういう戦略でもつて日本を防衛するのであるか。そういうことについてお考えになつたことがあるか。またアメリカと御相談なさつたことがあるか。また朝鮮の戦争がアジアの平和のために早く終結することは、だれしも願うことでありますが、この朝鮮の状況は一歩誤りますと累が及ぶ。従いまして朝鮮の戦争の情報について、始終アメリカから情報をお聞きになつて、日本のためにいろいろ考慮なされおられるか。その見通しをどのようにお考えになつておられるかということを、まず伺いたいと思います。
○吉田国務大臣 私も軍事専門家ではありませんから、原爆の性質は何とか、あるいは日本の軍事上の地位とかいう専門的のことについては、人の話は聞きますが、みずから進んで大いに研究した事実は毛頭ないのであります。しかしながら、今日日本の独立を守り、あるいは治安の維持をはかるためには、現在の警察組織、あるいはまた保安隊、集団的攻撃に対しては安全保障で行ければ、国の独立安全は守るに足るという確信を持つております。 そこで朝鮮の問題でありますが、この朝鮮の問題は非常に国際的に微妙な状態になつておりますから、現在危険が迫つて来てどうということなら別でありますけれども、とにかく三十八度線以北において戦線は膠着しておるのでありますから、将来どうとか、あるいは見通しはどうとか、あるいは国連の戦略を批評するというようなことになることは、差控えたいと思います。
○帆足委員 戦争前の総理大臣は、おおむね経済の実情にうといことと、それから戦略戦術は大本営のすることであるとお考えになつて、軍人まかせであつたと思うのです。しかし今後の総理は、やはり一国の安全に対しても責任を持つために、基本戦略または少くとも原爆、航空機の最近の状況、数年後の見通し等については、一応の専門的知識を持つていただくことを、われわれは要望したいのであります。同時に経済の状況を知つていただきたい。三千万石近くも食糧が不足で、安全保障と申しますけれども、これはよほどの外交の裏づけがない限り、すなわち平和外交が先行しない限り、私は軍事にたよるということは不可能な状況にあると思います。しかしそれはそれといたしまして、今日新憲法下にありまして、新憲法の第十章の最高法規という条章には、国務大臣、国会議員、または裁判官、公務員は憲法を尊重し、憲法を擁護する義務を負うとございますが、最近いわゆる逆コースというような風潮に便乗いたしまして、憲法が無視され、軽視される傾向があるのでございます。これは時勢の転換期でございますから、多少やむなき事情があるかも存じませんけれども、たとえば小学校で教育に当る学校の教師たちが、憲法の序章及び第二章の平和のところ、あの最も理想主義的なところを生徒に説明いたすことは、控えようというようなことを校長さんから言われるということをよく聞くのであります。すなわち平和憲法を守れということを申しますと、いろいろな思想的な誤解を受けるというようなことがありますが、今日憲法が健在である以上は、新憲法を守ることは、学校の教師においても、公務員におきましても、義務であり、当然これは主張さるべき、強調さるべきことではないかと思いますが、総理大臣はその点についてどのようにお考えでございましようか。
○吉田国務大臣 ただいまの小学校における話は存じません。しかしながら政府としては憲法を守ることは当然であります。政府のみならず、国民として日本の現憲法を守ることは当然であり、またいたさなければならぬことであります。もし憲法違反、もしくは憲法を軽視するとか。あるいは憲法に対して今お話のようなことがあれば、これは政府といたしましても取締ります。
○帆足委員 ただいまの御答弁は満足でございまして、特にこの答弁を小学校の教師たちが読みました場合は、非常に喜ぶことと思います。ところで今日ややもすれば憲法軽視の風潮があるのに対して、総理がただいま明確に御答弁をくださつたことは満足とするものでありますが、アメリカの政界において、日本の憲法を無視するようなことを前提とした議論が行われて圧力がかかつておるような感じがいたし、また最近国内におきましてはまことに不愉快な事件がありました。いわゆる鹿地亘君の事件でありますが、毎日の新聞を見ることすら不愉快な思いがするのであります。しかし私は公正合理の見地から事の真相を明らかにいたしまして、一旦事柄が明らかになりまして、不当なる監禁、暴行、拉致等のことがありましたならば、日本の自由、人権のために確固たる態度を表明して、二度とかくのごときことのないような保障をアメリカに要求せねばならぬと思いますが、それに対して総理はかたい態度をお持ちであるかどうか。国民は総理の硬骨なところに期待されておると思いますが、その骨をもつてこれに対して確固たる態度をおとりになる御決意であるかどうか、伺いたいと思います。
○吉田国務大臣 鹿地事件については私はあまり詳細承知いたしておりません。現在警察において取調べておるそうであります。いずれ事態の真相は明らかになろうと思いますが、その結果、お話のように人権の蹂躙したとか無視したとかいうことがあれば、これは明らかに憲法違反であります。その場合における処置は政府としては当然いたします。
○栗山委員長 黒田寿男君。
○黒田委員 最近の外国電報の報ずるところによりますと、アイゼンハウアー次期大統領の計画としまして、二十六項目の計画なるものが報ぜられております。そのうちに日本の再軍備を急ぐことによつて、米国軍を自由にするという項目が含まれておりますが、これに関連いたしまして二、三質問してみたいと思います。 第一は、吉田首相はわが国の総理大臣の政治的感覚として、アメリカ合衆国の政策に、近い将来わが国に再軍備を急がせるという具体的方針が現われて来るという見通しを持つておいでになりますでしようか。これは総理の再軍備に関する御意見を聞くのではありません。米国政府の政策の動向についての総理のお見通しを聞くのであります。総理は米国政府に最大の信頼を置いておられ、かつわが国の安全について、米国軍隊の力に最大の依頼心を持つておられるのでありますから、米国の政治の動向、ことに日本再軍備政策につきましては、首相の御意思自身は別といたしまして、これに敏感でなければならぬと私は思うのであります。そこでアメリカ合衆国の政策の中から、日本の再軍備を急がせるためにどのような政策が近く現われて来るであろうか、このことに対してどういうお見通しを持つておいでになるか、これをお聞きしてみたいと思います。 第二は、もしそうした政策が現われるといたしますならば、総理の従来の御方針、すなわち国民の愛国心が高まつたときとか、あるいは国力が充実したときとかいう、再軍備実現の時期に関する総理のしばしば言明せられました御方針とは別個の理由で、わが国の再軍備ということを政府は近い将来に考えなければならぬということになるのではなかろうかと思います。米国から近い将来に再軍備促進を要請されました場合に――また愛国心は高まつていない、まだ経済力も充実していないという間に米国からの要請がありました場合に、総理はこれに応ぜられるか、それともこれを拒否せられるか。これは今からその御覚悟と申しますか、御方針といいますか、総理は重大決心をもつて対処されなければならぬ問題であると思いますので、お聞きしてみたいと思います。 それから第三は、米国の再軍備促進政策は、米国軍隊を自由にするという政策、すなわち日本領域から合衆国軍隊を引揚げるという政策とうらはらをなしておるのであります。日本の防衛には軍隊が必要であると第一に政府は考えておいでになる。現在はその防衛力の働きをアメリカ軍隊に依頼しておる、こういう考えを第二に持つておいでになる。そこでこれを引揚げるということになると、アメリカ合衆国以外の軍隊にたよるか。しかしそれが常識上不可能であるとしますならば、わが国の軍備が必要である、こういう結論に政府の考え方からはならなければならぬと予想されるのであります。しからばアメリカ合衆国の軍隊を引揚げることを目的とする日本再軍備政策が、アイゼンハウアー次期大統領の政策として近く現われようとする予想を、私どもが十分いたさなければならぬときに、アメリカの要求によりまして、日本はみずから軍備を持たなければならぬということを、政府の考え方からすれば、考えなければならぬ時期がそろそろ来ておるのではないか、こう私は考えるのであります。今日は時間がございませんので、この三つの点につきまして総理の御意見を承りますことができればけつこうであります。
○吉田国務大臣 今日アメリカの事情は存じません。またアメリカの将来の新政権の考え方も存じません。しかし見通しいかん、これは考え方だけの話であります。考え方だけから申せば、米国政府あるいは新大統領が、日本に対して再軍備を強要するというようなことは万々ないと信じます。 それから、はたしてそういう場合にはどうするか、仮定の問題についてはお答えしないというのが原則でありますが、原則を破つてお答えをいたします。(笑声)私としては応じられません。 駐留軍が引揚げるかというお話ですか――今日まだ駐留軍を引揚げるという話は出ておりません。しかしながら条約にも書いてあります通り、日本の自衛力の漸増を希望しておるので、米国軍としては長く駐屯したくない、せしめたくないという前提のもとに、日本の自衛力の漸増ということを言つておるのであります。従つて、りくつから申せば、漸減ということもありましようし、引揚げるということにもなるでありましようが、現在まだそういう交渉は受けておりません。
○栗山委員長 これにてお打合せに基く質疑応答を打切ります。 休憩をいたします。午後三時に再開をいたします。 午後二時十二分休憩 ――――◇――――― 午後三時二十四分開議
○栗山委員長 会議を再開いたします。 本日の日程に追加して請願の審査を行います。 武蔵野市に駐留軍宿舎設置反対に関する請願、三木武夫君外十名紹介第二四一号、同じく第三〇三号、同じく第三二七号、同じく第三二八号、同じく第四四七号、同じく第四九一号を一括議題といたします。 ただいまの各請願につきましては、すでに質疑応答がありましたので、これを省略し、内閣に送付すべきものとして採択するかいなかをお諮りいたします。採択するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 御異議がなければさようにとりはからいます。 ―――――――――――――
○栗山委員長 次に小笠郡下に駐留軍試射場設置反対の請願、西村直己君紹介、第一四三号、同じく第一八八号、遠江地区に駐留軍試射場設置反対に関する請願、高見三郎君外六名紹介、第四四八号を一括議題といたします。 ただいまの各請願を、採択の上、内閣に送付すべきものとして議決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 御異議がございませんければ、さようにとりはからいます。 ―――――――――――――
○栗山委員長 次に海外抑留同胞引揚促進等に関する請願、櫻内義雄君紹介、第四二六号同じく第四四九号、第四九九号、第五四三号、第七一〇号、第七一一号、第七一二号を一括議題といたします。 ただいまの各請願を内閣に送付すべきものとして採択することに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 御異議がなければさように決定、とりはからいます。 ―――――――――――――
○栗山委員長 次に旧焼津飛行場の開放に関する請願、西村直己君紹介、第七一五号、姫子島周辺の駐留軍砲爆撃演習に伴う禁止区域の解除等に関する請願、西村茂生君紹介、第八一〇号、駐留軍徳山貯油所沿岸海面禁止区域の解除等に関する請願、西村茂生君紹介、第八一一号を一括議題といたします。 ただいまの各請願を内閣に送付すべきものとして採択することに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 御異議がなければさように決定、とりはからいます。 なお、ただいま採択と決しました各請願に関する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。 ―――――――――――――
○栗山委員長 本委員会に対する多数の陳情が参つております。そのうち、以下読み上げますものについて特に御考慮を願いたいと存じます。 陳情文書表番号第三号、武蔵野市に駐留軍宿舎建設反対に関する陳情、第七七三号、韓国の海洋主権宣言線と国連軍の海上封鎖措置に関する陳情、第四五九号及び第六二四号、クラーク・ライン内日本漁船の操業制限緩和の陳情、第六二〇号、金沢市近郊の軍事施設設置反対に関する陳情、第一三二号、千島列島復帰に関する陳情、第一三三号、歯舞諸島及び色丹島占領解除に関する陳情、第四二二号、千島列島復帰並びに歯舞諸島及び色丹島占領解除の陳情、第二七号及び第二〇六号、抑留同胞引揚促進並びに戦犯者の減刑、釈放に関する陳情、第二一三号、第六二二号、第六二三号、抑留同胞の完全送還等に関する陳情、第四二〇号、海外抑留同胞帰還促進の陳情、第七一七号、操業漁船の沖縄近海諸島寄港に関する陳情、第六二七号、鹿児島県大島郡行政権回復に関する陳情、第六二五号、済州島近海の漁船に対する韓国艦船による不法発砲並びにだ捕に関する陳情外一件、第二一四号、鹿児島県大島郡南部二島復帰に関する陳情、第四二三号、奄美大島復帰促進に関する陳情、第六二六号、奄美大島及び沖繩諸島の日本復帰に関する陳情、第三八号及び第三一九号、沼津海上演習場の計画撤回に関する陳情、第三二〇号、九十九里浜における駐留軍の射撃演習に関する陳情、第五九九号、駐留軍による旧遠江試射場の接収反対に関する陳情、第六一九号、日米行政協定に基く特権撤廃の陳情、第五七号、アツツ島戦没者の遺骨遺留品調査並びに早期還送に関する陳情。 以上は本委員会に対する委員長あての陳情でございますが、これを本委員会として一応受理し、内閣に取次ぎ、政府の考慮を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 御異議がなければさようにとりはからいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十九分散会