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15回国会衆議院1952/12/25

海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第3号

発言数
22
登壇者
7
会派数
4
開催日
1952/12/25

会議録

佐藤洋之助自由党

○佐藤委員長 これより会議を開きます。  まず、遺家族援護に関する件及び留守家族援護に関する件について議事を進めます。政府当局より遺家族援護並びに留守家族援護の現況について説明を聴取いたします。越智政務次官。

越智茂自由党厚生政務次官

○越智政府委員 御説明を申し上げます。遺家族の援護につきましては、国民の要望にこたえると同時に、政府におきましても、こういうお気の毒なる人々に対しましては、でき得る限りの援助をせなければならないと考えまして、皆さんの御熱意、御援助を得まして、四月三十日に御承知のような法律か制定されまして、爾来この方面につきましては懸命の努力を払いまして、これらの裁定につきましては、厚生省をあげまして鋭意努力を重ねて参つております。しかしながら、この裁定などが非常に遅れましたので、該当者に相当御迷惑を相かけておるのでありまするが、現在までに受付けたものは百三十万件で、裁定を了したものが百十か、通知を完了したものが九十八万、こういうような現状であるのでございます。留守家族などの問題につきましては、いろいろ皆さんのご意見を拝聴し、国民の輿論を喚起すると同時に、こういうような人々の援護をするために特別な法律を考えたらどうかというような段階に至つておるのであります。  その他につきましては、御質問にお答えをいたしたいと思います。

佐藤洋之助自由党

○佐藤委員長 この際、本件に関する質問を許します。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 委員長のお話では、まず遺家族に関する問題だというお話でしたが、私は引揚げの問題について質問をしたいと思います。

佐藤洋之助自由党

○佐藤委員長 飯塚君に申し上げますが、後刻外務省から政府委員が参りますから、引揚げの問題についてはその際御質問願いたいと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 今の越智次官の御説明の中で、遺家族援護法の対象となるべき見込数が幾らあるかが明らかにされていないようでありますが、それは幾らになつておりますか。

越智茂自由党厚生政務次官

○越智政府委員 大体百七十万を上まわるものではないかと目下のところ考えております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 百七十万を上まわる数字のうちで、年末までに通知が完了して、国家の援護の手が手元へ差延べられるものが百万に足りないということになると、当初政府が九月三十日までに予定された目標に相隔たることはなはだ遠きものがあるのです。それで、この年越しを非常に不安のままで過して行く人を残しておるわけです。これは政府に重大な責任があるわけですが、残り七十万の人のお手元に国家の保護の手が差延べられるのはいつごろであるか、現在の進行状況から言つての見通しをお聞かせ願いたいと思います。

越智茂自由党厚生政務次官

○越智政府委員 お答えいたします。御心配の点、ごもつともと存じます。われわれ厚生省あげて懸命の努力を払つておりますが、ただいまのような進行状況で、まことに申訳なく考えております。あとのものにつきましては、来年の三月までには大体完了するものと目下のところ考えております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 これをあわせて重大な問題として留守家族の援護の問題があるりでありますが、きようの新聞を見るご、援護庁におきましても、相当に中共地区からの引揚げが進捗するに伴つて、受入れ態勢を整えていらつしやるように発表されており、また先般の委員会でも、山縣厚相からごく荒筋のお研があつたようでありまするが、この中共地区の引揚げ問題が非常に具体的に進められようとする折からでありますので、厚生省としても、よほど進んと対策を考えておられると思うのですけれども、私が指摘申し上げたい点は、帰つて来られる人たちに対する配船の問題、あるいはこれに対する資金の問題というようなところは、一応手を打つておられるようでありますが、この人たちが帰つて来られて後に路頭に迷うようなことがあつてはならないことであるし、日本へ帰つて来て仕事もない、あちらにおつた方がよかつた、こういうふうな結果になつてはたいへんなことでありますから、故国の士を踏んで生活が安定できるという見通しで帰られる人たちに対する就職、住宅、こういう方面の問題はどういうふうに対策をお立てでありますか、御答弁いただきたいと思います。

越智茂自由党厚生政務次官

○越智政府委員 非常にありがたいお言葉で、私どもも御趣旨に沿つていろいろ考えたいと思いますが、具体的にどういう考えを持つておるかというここにつきましては、目下検討中でございます。でき得る限り御期待に沿うようなことを考え、実現に移したいと思います。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 政務次官の今御考慮中ということは、ごもつともなことですけれども、二十八年度の予算編成に際して、それらに対する予算的措置と申しますか、そういうことはどういうふうになつておりますか。具体的に言えば、就職あつせんだとか、仕事だとか、資金だとか、そういうふうな、今文田君の質問されたような問題に対して、具体的に二十八年度予算でやらなければいけないでしようから、そういうことに関して、省内で直接おやりになつている方でよろしゆうございますが、そういう点に関してはどういうお気持で進めておられるかということを伺いたいのであります。たとえば、職場あつせんをするのにはどういう係りを設けなければならぬということになれは、それに対して予算的にどういうことを考えておられるのか、——今度の中共からの引揚げの問題が突如として起きて来て、日本としても大きなクリスマス・プレゼントだということで期待しておるようですけれども、その点から言つても、その程度で具体的に進んでいないとすれば、これは具体的に進めていただきたいという気持で申し上げているのであります。

越智茂自由党厚生政務次官

○越智政府委員 お答えします。いろいろ政府も考えまして、御質問のような点につきましては、各関係省とも目下連絡をとりまして、御期待に沿うようなことを考えておるのでありますが、現在のところでは、いまだ発表の段階ではございません。しかしながら、皆さんのお力を借りて、御期待に沿うように努力したいと考えております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 御答弁の内容については空白そのものでありますが、目下各省と連絡をして御研究されておるということでして、その筋書には、どういう場合にはどうする、どういう場合にはどうすると、大体具体案を持つて研究されておるはずですが、具体案をまだ発表する域には達しなくとも、こういうやり方があるというやり方をひとつ御発表いただきたいのであります。ほかに政府委員がいなければ、説明員でもけつこうです。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 一緒に御答弁してもらつた方がいいですから、今のに関連して、お伺いしたいことでありますが、大体のことは受田さんの質問でわかつたのでありますけれども、今受田さんからさらに質問されましたことについては、けさの朝日新聞にも、引揚援護庁なりその他が考えていることとして、旅費の問題、舞鶴における住宅、医療の問題、引揚げて来るであろう子供の就学の問題等について、かなり詳しく具体的に出ておるのです。しかもこの委員会において、研究中、考慮中、御親切な質問でありますからありがたいということだけでは、全然意味をなさない。けさの朝日新聞に出ている程度の具体的のことまでも答弁ができないということでは、全然この委員会が意味をなさないと思います。もう少しはつきり、腰をすえて、——先ほどからお話になつているように、あなたのところで具体的におわかりにならなければ、あなたの御決意でもここで言わなければ、委員会の質疑応答として意味をなさないじやありませんか。新聞に出ているのです。新聞に出ていることも答弁ができないということでは、委員会が意味をなさないと思う。ですから、もう一ぺん出直して、ここで答弁してください。  なお、加えて政務次官にお願いしておきますが、これは必ず予算の伴う問題ですから、二十八年度には厚生省としても特にその点御留意をなされて、あなたの政治力で、ぜひ間違いのないように、引揚者が気持よく祖国へ帰つて来たということが言えるように御努力を願いたいと思います。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 ちよつと関連して。ソ連からの引揚げの場合と中国からの引揚げの場合とは非常に事情が違うと思うのであります。私は、北京に二箇月おりまして、相当たくさんの日本人の方にお目にかかつたのですが、ソ連の場合は、大体において捕虜として、生業についているというよりも、むしろいろいろな工事に軍隊式に動員されていたわけでございます。ところが中国の場合は、比較的自由を与えられて、生業についているような形の方が多いわけです。従いまして、向うでは特に技術者の方などは優遇されておつて、向うで生活すれば生活できる。しかし何年も祖国を離れておつて、望郷の念やみがたしという実情であるが、それには三種類くらいあると思うのです。あのまま残つておりたいという方、それから、ときどき帰りたいという方、また帰つて奥さんをつれて帰つたり、お子さんを勉強につれて帰りたい、出入したいという方、それからまた永住的に日本に帰りたい、こういういろいろの種類の方があると思う。今中国の生活は、日本に比べますと、暮しは楽なんです。これは昔からそうですが、特に今は農産物が豊富で、暮しは楽です。従いまして、こちらの住宅面と職業面の受入れ態勢がないと、海外同胞の諸君が日本へ帰つて、さてどうしようかという具体問題になると、ソ連の捕虜の場合は、いや応なしに帰されるから、兵隊さんが帰つて来るような勢いで帰つて来ますが、中国の場合は、それぞれ適所適材に応じて生業について、普通の給料をもらつて、普通の市民生活をしている人が大部分ですから、従いまして、帰つてもどうにもならぬとすれば、帰らない。そうすると、御家族の方々としては、受入れ準備態勢はなくても、やはり早くお父さんの顔が見たい、兄さんに帰つてもらいたいという深刻な矛盾にぶつかると思う。これは南漢震中国銀行総裁にお目にかかりましたときに、二万数千だと思うが、大体において帰れるようになるよという話でありましたことは、申し上げた通りでありますが、そのときに、日本に帰つてからの生活が心配だということをやはり一言漏らしております。それから、先日天津から帰つて来たお方がこういうことを言つておりました。これは風評ですから、うそかほんとうかわかりませんが、とにかく、日本に帰つて路頭に迷うような人に対しては、確かな身元引受人等がなければ、今まで入国許可がなかなかおりなかつたということです。しかし今度はそれがずつと寛大な条件で帰れると思います。従いまして、次官はソ連の場合と同じようにお考えになつておるかもしれないが、この問題はもつと複雑であり、深刻であります。特に最近の経済景況は御承知の通りであり、終戦直後は何のかのと建設事業がありましたけれども、今は一わたり就職面がおちつきまして、どこへ参りましてもなかなか余地がないというときですから、ただいまの御答弁のようなことでは多少困るのでありまして、具体的に大きな予算を組んでやられるようにお願いしたいと思います。

越智茂自由党厚生政務次官

○越智政府委員 いろいろ御意見を拝聴いたしまして、ごもつともと考えます。いろいろ皆さんから、具体的な方法を示して答弁をせよ、ごもつともだと考えます。しかしながら、政府におきましては、先ほど申しましたようなことで、御期待に沿うように努力をいたしておりますので、いましばらく御猶予を与えられんことをお願いします。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 私は、この問題がもう具体化しておるときに、厚生省がまだ発表の時期に達しないというようなことを言うのでは、まことに心もとない。いつのことかわからぬというのではなく、じきもどる可能性があるこの際、厚生省の最高責任者でいらつしやる越智さんが、まだそれに対してしばらく御猶予を願いたいということであつたら、たいへんなことです。いやしくも一国の行政府の最高責任者になられて、政務次官の地位を獲得された越智さんとしては、これは厚生省関係の中で最も重要な問題ですが、その最も重要な問題について、この席へおいでになるのに、どういう質問が出るかぐらのことは御見当がついておるでしようから、それに対しては、政府の決意のあるところをお示しいただきたい。これは私は日本の政治のために憂えます。少くともあなたは厚生省の最高責任者でいらつしやるという点で、最大責任をお感じになられて、大臣を補佐する立場から、大臣がいないときにはあなたが最高責任者ですから、勇敢にここで決意を表明し、厚生省はこういう案を立てて、大蔵省にこういうふうに折衝しておる、——もしそれが成功しなかつた場合には、大蔵省が悪いのですから、われわれがまた大蔵省をつけばいいわけです。結局厚生省は、他省との連絡ということを抜きにして、主管省として独自の立場でお考えになつていいわけです。この点は、これじや委員会は済まされないのです。われわれもこの点については相当真剣に討論しようという立場で出て来ておるのですから、これではのれんに腕押しになつて、はなはだ遺憾です。一応政府としての責任のある御答弁をいただくような措置をしていただきたいと思います。

玉置信一自由党

○玉置委員 先ほどから質疑応答の模様を拝聴いたしまして、考えられますことは、やはり事務上の最高責任者である援護庁長官がおいでになつていないということが今日の議事進行の上に支障を来しておると思うのです。従つて私は、援護庁長官等がきよう即刻出られなければ、次会に出ていただいて、この質疑を進めて行くという方向にとりはからつていただけばいいと思います。

佐藤洋之助自由党

○佐藤委員長 お諮りします。ただいまの状態では皆さんの満足は行きませんから、大臣の出席を要求いたしまして、一時休憩をいたしたいと思いますが……。

臼井莊一改進党

○臼井委員 ちよつとその前に希望を申し上げます。本委員会に関係のある、たとえば引揚げとか遺家族問題に関連してどういう法規があるか、それからさらに、この委員会に関係する資料——これは集めれば限りがないでしようけれども、さしあたり必要と思われるような資料を政府当局である程度おそろえ願つて、これらをわれわれの研究資料として御提出いただきたいと思います。われわれが引揚者とか遺家族等に何か聞かれた場合に、「わからぬ」ではどうも済まぬ場合が多いので、こちらで研究でき得るような、こういう問題についてはこれで調べたらわかるというようなものをお願いいたします。

佐藤洋之助自由党

○佐藤委員長 ただいまの臼井さんの資料要求については、政府においてすみやかに提出願います。  なお、本問題はきわめて重大でありますから、政府も明確な腹構えをもつて御答弁を願うようにお願いいたします。  暫時休憩いたします。     午後零時二十三分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕

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