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15回国会衆議院1953/03/14

運輸委員会 第27号

発言数
19
登壇者
5
会派数
3
開催日
1953/03/14

会議録

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 これより開会いたします。  外航船舶建造融資利子補給法の一部を改正する法律案を議題といたします。  先ほど関谷君より本案に対し修正案が提出されておりますので、その趣旨説明を求めます。関谷君。

關谷勝利自由党

○關谷委員 私は本案について修正の動議を提出いたしたいと存じます。まず修正の案文を朗読をいたします。  これにつきましての理由といたしまするところは、第十二条は利益配当の場合の納付金制度を規定しておるのでありまするが、せつかく政府が利子を補給しながら、一方においてかかる措置をとることは、この法案の目的である外航船舶の建造を促進するための助成策に反するものといわざるを得ないのであります。よつてかような不合理を是正するため、この条文の削除をしようとするものであります。以上の趣旨で動議を提出いたします。

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 これより本案及び修正案を一括して討論に入ります。通告があります。關谷勝利君。

關谷勝利自由党

○關谷委員 まずこの損失補償の趣旨につきましては、私はまつたく賛成の意を表するものであります。外航船の損失補償ということにつきましては、これは戦前にもその例があつたと思いまするし、将来日本が海外に発展する真の基礎になりますところの外航船舶でありますので、当然このような措置を講ずべきであると存じます。まず賛成の意を表します。  またこの際、附帯決議を付せられんことの動議を提出いたします。その附帯決議案を朗読いたします。     —————————————   外航船舶建造融資利子補給法の一部を改正する法律案に対する附帯決議  一、油槽船の建造に対する市中金融機関の融資を円滑ならしめるため、油槽船についても損失補償制度を適用すべきである。よつて政府は、速かな機会に必要な措置をとられることを望む。  二、本法案第十二条の政令で定める利益配当の限度は、海運会社の自己資金造成のため増資に支障がない程度にする必要がある。   よつて政府は、政令において右の限度を少くとも二割程度に規定せられることを望む。  三、油槽船の建造に対しては現在の運賃市況よりして船主採算及び市中金融機関よりの借入金返済を可能とならしめるため、油槽船についても利子補給制度並びに財政資金融資率の引き上げを貨物船並に実施すべきである。   よつて、政府は、速かな機会に必要な措置をとられることを望む。     —————————————  この附帯決議を付していただきたいと存じます。何とぞ御賛成を願います。

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 正木君。

正木清日本社会党(左)

○正木委員 私は本法律の一部を改正する法律案に対する修正案並びに關谷委員から動議として提出されました本法律案に対する附帯決議に賛成をいたすものでございます。  申し上げるまでもなく、日本の海運は日本民族の幸福を増進するための国家的事業でございまして、本日ここに可決されようといたしておりまするこの法律案の具体的な施策は、当然今日においてすでに実施されなければならなかつた重大な国策であろう、こういうように私はかたく信ずるものでございます。しかるに政府は資本主義の原則の上に立つて、一切の経済に野放し政策を実施して参りました。その結果こうした国家的な重要産業の面におきましても、その隘路が漸次露呈して参りまして、政府においてもこの損失を認め、利子の補給をもしなければならない段階に来たわけでございます。わが日本社会党は今日あることを予期いたしまして、わが党の政策においては、当然国家的な重要産業に対しては利子の補給はもちろんのこと、損失補償をも拡大強化しなければならないという政策を強く堅持して来たのでございます。従つて私はこの機会に強く政府に要望したいことは、今日以後においても、おそらくこうした船舶事業以外の重要国策と見られるべき重要産業に対しては、おそらく利子補給及び損失補償制度をも実施されると思うのでございまして、従つて政府におかれては、こうした損失補償法が逐次実施される段階においては、少くとも万全を期するために民主的な監督機関というようなものを設置するの必要を痛感する次第でございます。従つてこの点強く政府に要望いたしまして、この修正案及び附帯決議に賛成をいたすものでございます。

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 熊本君。

熊本虎三日本社会党(右)

○熊本委員 大体結論といたしましては、原案並びに先ほど關谷委員から提出されました修正案及び附帯決議につきまして賛成でございますが、運輸大臣もお見えになつておりますので、これが実施等につきましては、十分なる関心を持つて、より有効適切なる運用をしていただきたい、こういう意味において希望を申し上げておきたいと存じます。と申し上げますのは、原案におきましては、政令で定める利益配当率以上の配当をした場合においては、利子の補給を停止するということに相なつておつたわけであります。いまだ政府では、利益の配当をどこにするかという最終決定を見ておらないようでありますが、質問に答えたその内容から行きますれば、一割五分ないしは二割程度という腹案のようでございます。今度の附帯決議によりまして二割までということに相なります。そうなつて参りますと、結局政府が利子の補給をし、さらに損失補償をし、その上に二割以上の利益配当しても、なおかつ利子補給については制約をするな、ということに相なるわけでございます。従つてこの問題に相関連いたしまして、日本には多くの重要産業というものがあるわけでありまして、他の一切の基幹産業、重要産業に比較対照いたしまして、船舶運輸に関します限りは、特に格段の考慮を払うことに相なるわけでございます。昨日私資料の提出を求めましたところ、米英におきます船舶事業に関する補助政策は、今日の法案をもつていたしましても、より高度な育成をいたしておることは資料によつてわかりますが、しからばその育成を受けました米英の配当状況、経営実情はどうであるかということになりますならば、米国において平均利益配当五%程度、英国におきまして、いろいろ種類はあるようでありますが、平均いたしまして一〇%程度の配当をしておるにすぎないのであります。但し昨日も申し上げましたようにアメリカ、イギリスにおきますところの一般企業の利益配当率と、わが国の利益配当率とを比較対照いたしますのには、やはり日本の経済界の実情と米英の経済界の実情とを対照しなければ、単に利益配当率のみによつて律するわけには参りません。その中の一つの重要な資料となりますべきものは金利の問題でございますが、金利の関係から行きますならば、日本の開発銀行において一割五分ということであり、市中銀行は一割一分をなお突破しておるというようなものに対しまして、アメリカにおいて四%、それから英国において五%程度の利率でございます。こういう関連から行きまするならば、この一点から見まするならば、かりに米英の利益配当に対して倍額の配当があつても、均衡はとり得るということに相なるわけでございます。かようないろいろの諸情勢を勘案いたしまして、先ほど申しますように、結論といたしましてはこの修正案並びに附帯決議に賛成をいたしまして、特に重要なる日本再建のための船舶企業の保護育成に協力いたしたい、かように考えるわけでございます。  ただ大臣に特にお願いをいたしておきたいことは、かつてドツジ・プランなるものが日本に要請され、これが実施されなければならなかつたという理由を明記しておかなければならない、かように考えるわけであります。敗戦後の経済の動乱の中に、わが国は基幹産業その他国民生活のために、必要なる企業に対しましては、いわゆる復金の融資によりまして、国家資本を融通いたしましたことは、御承知の通りであります。この復金政策すなわち国家融資に対しまして、ドツジ氏が一切これを廃止せよと言つた、その理由はどこにあるかということであります。要するに国家の施策として、国民の涙の結晶たる国費をもつて融資を受けましたる重要産業に携わりますところの日本の経営者が、復金から金を借りたらば、これをもらつたような心構えを持つてこれを濫費し、国民の希望と期待に沿うがごとき情熱を傾倒し、その重要産業に携わることをもつて名誉と心得て、その産業のために終始するという情熱と誠意の片鱗だに見ることができなかつた。従つてドツジ氏は、かくのごとき日本の経済政策あるいは金融政策が、ほんとうの意味における日本の産業開発になるのではないという見通しの上に立つて、ドツジ・プランなるものを要請したことを見のがしてはならないと考える次第でございます。従つてお互いは、日本の海運事業は、かくのごとく重要にして将来のために及ぼす影響甚大でありますから、まげてこういう法案に賛成し、もつて海運事業の進展、開発をこいねがう次第でございまするから、これを受けましたる業者におきましては、十分国会の真意を勘案いたしまして、船舶業界の将来のためにますます精神を打込んで、もつて国家にこたえるの心がなくてはならない。これを監督育成せられますところの所管大臣たる石井大臣は、この心構えをもつてこれが実施に当つていただきたい。そこに初めて国会の熱意とその成果とが現われて来るものと確信いたす次第でございます。どうかその意味を十分おくみとりの上、これを実施していただくよう特にお願いいたしまして、この案に賛成をいたす次第であります。幸いにして、これが実施されまするならば、停頓いたしておりますところの今日の造船計画も目鼻がつきまして、さつそく予定の計画は軌道に乗ろうかと考えます。現在の十数万の造船関係の労働者諸君が、まつたくみずから直接の責任でもないにかかわらず、寝食を忘れて造船企業の推進のため、あるいはその着工が寸時も早からんことをこいねがいながら、まことに涙の出るような努力を傾倒して来られたのですが、これらの点につきましても、その熱意努力が、そのまま企業に反映する、そうしてこれら諸君の待遇等につきましても、十分なるしんしやくの上に、これらの企業の推進をはかつていただきたい、かように考える次第でございます。幸い大臣がお見えでございますから、私のこの希望に対して、何か御発言がありましたならば伺いたいと思います。

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。まず第一に、修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 起立総員。よつて修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決いたしました修正案の修正部分を除く原案について採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 起立総員。よつて修正部分を除く原案は可決いたしました。従つて本案は修正議決すべきものと決しました。  次に関谷君の附帯決議を付すべしとの動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 起立総員。よつて関谷君の動議のごとく決しました。  この際大臣から発言がありましたら……。

石井光次郎自由党運輸大臣

○石井国務大臣 外航船舶建造融資利子補給法の一部を改正する法律案に全員の御賛同を得まして、提案者といたしましてありがたく存じます。ただいま熊本委員から御発言のありました政府が国会の同意を得まして、基本産業である海運の発展のためにこれだけのことを次々にやつておる。それを心に銘じて、海運業者はほんとうに国策の線に沿うての動きをしつかりやるべしということ、まことにその通りであります。政府の資金が出ますると、もらうまではいろいろ言いますが、もらつてからは当然のようなことに考え、借りた金も払えないとか、払わぬでもいいではないかというような心持にえてしてなりやすく、そういう前例が幾多あるように私ども承知いたしております。ただいまのお話の趣旨は全然同感でありまして、私からも業者に伝え、そうして日本の基本国策でありまする海運の発展のために、一生懸命業者が努力するようにお願いしたいと思います。  また今度の造船計画について、こういうものがきまつたら急いでやるべしという御発言であります。先日も予算委員会のときでありましたか、ほかの席で、同じ熊本君から促進方の御注意がありまして、私ども非常に気になつておりまして、開銀の方にいろいろと催促をいたしておつたのでありまするが、初めて開銀が主になつて海運業者の選択をすることになりましたので、調査に遅れておりまして、ようやく開銀としての調査方針に当てはめて、大体案ができかかつておるようであります。一日も早く各般の情勢を勘案いたしまして決定を急ぎたいと思つております。     —————————————

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 次に水先法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。

關谷勝利自由党

○關谷委員 この法案は、提案理由の説明にもありました通り、水先を強制せられる船舶の範囲を改めること、なお一部の水先区についてその区域を改めること、第三番目に水先の業務の現況を調査するため必要な規定を設けること等で、きわめて事務的なものでありますし、なお実施期日が四月一日に迫つておりますので、この際質疑、討論を省略して採決せられんことを望みます。

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 関谷君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。  これより採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なお本日議決いたしました二法案に対する委員会の報告書に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢澤寛自由党

○逢澤委員長 なければさよう決します。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十五分散会

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