議院運営委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1952/08/31
会議録
○委員長(寺尾豊君) これより会議を開きます。
○事務総長(近藤英明君) 先ず最初に、この緊急集会の開かれます経緯につきまして、私から御説明申上げたいと存じます。 去る二十八日内閣から、「衆議院の解散に伴い、中央選挙管理会の委員の任命について緊急の必要があるので、憲法第五十四条及び国会法第四条により、昭和二十七年八月三十一日東京に、参議院の緊急集会を求める。」かような緊急集会を開くことを求めて参つたのであります。よつて議長は、直ちに公報を以つてこれを御通知申上げますと同時に、緊急なことでございますので電報並びにNHKの放送等をお願いいたしまして、周知方を取計らつた次第でございます。なおこの緊急集会の目的として書いてございます中央選挙管理委員の任命という件につきましては、これは御承知の通り十三国会において議決相成つております公職選挙法の規定によりまして、中央選挙管理会を設置することに相成つておつたのでございますが、この法律がすでに会期の末に成立いたしましたが、その際に大体のお話合いその他の準備ができておつたわけでございますが、或る会派におきましては、まだその指名の準備の整わないところがございましたために、十三国会の最終日においては、その指名を行うことができなかつたわけでございます。そこで今回これが必要となりまする理由は、御承知の通り衆議院の総選挙に際しましては、それと同時にそれまでに任命されました最高裁判所の裁判官の国民審査を同時に行わなければならないのでございます。そしてその国民審査を行いますための、その管理事務は、中央選挙管理会が行うことと相成つております。即ち今回の場合で申しますならば、裁判官につきまして、その国民審査を受けます順位の抽籤をいたし、そうして審査を受ける票を作りまして、これを各選挙の投票所に全部選挙の公示までに配付する。かような必要があるわけでございます。そして選挙の告示がありますと同時に、不在投票を行う人々は、その票によりまして裁判官の国民審査の投票を行なつて外に出て行くというような、かような措置がとられるわけでございますので、そのために緊急に中央選挙管理会の委員の任命が行われなければならない。かような理由で、この選挙管理会委員の任命のために参議院の閉会中で、同時に衆議院の解散中でございます関係から、今回参議院の緊急集会を求められた。よつて先刻申上げましたような手続によつて招集の手続をいたしましたということだけを御報告申上げます。 なお三十一日と決定して求められました経緯につきましては、この招集の要求を出されます際に、政府のほうといたしましては、さような、今申上げましたような関係から、速やかに、できれば招集を求めた翌日にでも開いて頂きたいという御要求もありましたが、参議院の立場といたしますならば、でき得る限り皆さんに周知するに十分な日数が欲しいということを、議長としては申されたわけでございます。そこで同時に、選挙の公示の日を考慮いたしますならば、それらの手続上の都合から申しますと、政府からの、これは一日も早くなければならないというこの御要望もよくわかるわけでございますが、又参議院といたしますならば、皆さんに御通知を申上げる日数が、できるだけ十分にあることが、これ又必要であるという点で、この両者の許し得る最大限度の線できめなければならんという点でございまして、そこでこの五日に選挙の告示を行いますといたしますと、それまでに国内の一番辺鄙な場所、離島の地域にまで、この国民審査の票を配付する。それに必要な日数を考慮し、又参議院におきましても、議員のかたに通知するに必要な日数を考慮するという必要から、今日三十一日に、日曜日でございますが招集するということになつたわけでございます。この日数を何日置かなければならんかという点につきましては、法律上、何らの規定はございません。ただできるだけ日数を見なければならんということが常識的であるということだけの問題でございまして、同時に、この日数を何日置くかということも、その緊急性の度合によつて深くこれは考慮ざれる場合があろうかと思います。この際におきましては、その許される最大限度の日数ということで、三十一日に招集されたわけでございます。
○相馬助治君 今の事務総長の説明、よくわかりました。従いましてこの中央選挙管理会の委員の候補者の氏名というものは、事務局において明示されたものがあると思います。これは当然配付してもらわなければならん。それからこの緊急集会が持たれたということを、私はラジオを聞いて極めて当然だと思つた。而も今度は、その議題が中央選挙管理会の委員だけの任命のために持たれたということを聞いて、実は唖然とした。私は別な目途を以てこの集会が或いは持たれたのじやないかと、こういうふうにすら思つたわけです。従つてこれはかなりデリケートな問題ですが、これらの点に関して、この際、政府の所信をつまびらかに承わつておかなければならない点が二、三あるので、私は正規の手続を以て内閣総理大臣の出席を要求しておきましたが、これについてはどういうことに相成つているか。委員長からこの際承わつておきたい。 それからなおそのほかに今日の議運に対して、政府が自発的に、何らか今の事務総長の報告以外に、責任者がここに出て、何かその間の事情なり何なり説明する意図を持つているかどうか。それらの点についても、この際、委員長から承わつておきたいと思います。
○委員長(寺尾豊君) 只今相馬君の御質問に対しましては、政府に、いわゆる内閣総理大臣に出席を求められた。同時に又、政府が自発的に当委員会において、何か発言をするという考えがあるかどうか。こういう御質問であつたようでありますが、総理は病気の故を以ちまして、出席不能ということを申出て参つております。従いまして政府の代理といたしましては保利官房長官、又当該責任大臣といたしましては岡野国務大臣、両君が出席を申上げて、皆さんのいろいろ御質疑に答えたい。政府自身が積極的に申上げるということは、まだ私の許へはそういつたような意図は何ら連絡して参つておりません。
○菊川孝夫君 今回のこの緊急集会は、これは新らしいこの憲法始まつて以来初めての緊急集会でございます。従つて我々といたしましては、この緊急集会というもののあり方というのですか、どういうふうに運営すべきであるかということについては、これは一つの前例にもなることと思います。この五十四条にあります「緊急の必要」ということは、これはどういう際を言うかというような解釈から言いましても、相当これは一つの大きな前例になりますので、私たちは党派を超越いたしまして、参議院としては緊急集会を政府から求められたというときに、どういうふうに運営して行くかという点について、私は一応原則は確立されなければならない。その上に立つて、これから今日の一日の緊急集会をどういうふうにやつて行くか。どの範囲でやつて行くかという点について私は協議しなければならないと思いますので、従つてここで問題になるのは、何と申しましても、政府の緊急集会を求めたところの意義と申しますか。真意について、やはり説明を求めることが私は必要である。 第二段といたしましては、緊急集会の運営について参議院が議員として、これに提案権があるのかどうか。法制局から、新聞には法制局の意見というふうなことでちよつと載つておりましたけれども、法制局の意見必ずしも絶対的なものではありませんので、我々としてはこの質問権或いは政府から出されました議案に対する修正権というようなことについても、私は一応しつかりしたものをきめて置かなければならない。そうして私はこの会議に入らなければならんと思うのであります。 従いましてここで御提案申上げたいのは、この第一番に、緊急集会を求めましたところの政府側から来て、ここに趣旨の説明を受ける。それから第二番としては、今後これをどういうふうに運営して行くか。こういうふうに、一応会議を切り離して運営されまして、それからいよいよ政府の求められた議案に入る。こういうふうにやつて行くのが順序ではないかと思いますので、さようにお取計いを願います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○矢嶋三義君 私は、只今の菊川君の提案に賛成いたします。早速官房長官、それから岡野国務大臣の出席を要求して頂きたい。
○赤木正雄君 只今のに関連いたしまして私もちよつと……、 先ほどの通りに、緊急集会は参議院といたしましては初回のことであります。これは例になりますから、その緊急集会というものの法的の根拠、法的の意義、それともう一つ私は、これもやはり菊川さんのお話に関連いたしますが、一体緊急集会に対して、いわゆる議案の発議をなし得るや否や。もう一つは緊急集会に、こういう場合に緊急質問をなし得るや。無論質疑は別です。そういうものをなし得るかどうか。この三つも私は関連して承わりたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○菊川孝夫君 これも、もう一つやはり政府から、今説明をしてもらうようにすると同時に、やはりこの憲法の趣旨ですね。これは一応、一遍何と言つても、国会関係の職員のうちでは法制局長と図書館長、これはやはり新憲法の制定当時に携つた人として国会職員になつている図書館長として、ここに出席を求めることは私はできると思うのです。参考人だとか何とかということになると、あれですが、国会職員であるならばいいと思いますので、この図書館長と法制局長の二人、あらかじめ連絡お手配願いたい。今言われました赤木さんの、この解釈ということになりますと、やはり研究する必要もあると思いますので。
○委員長(寺尾豊君) 只今の菊川君の御意見等に照しまして、先ずこの際、緊急集会が初めてのことでもあり、而も今後によき例を残さなければならない。こういう御意見、誠に御尤もだと思いますし、これに対する法的解釈を先ず当局、今の法制局並びに事務当局等から聞くということにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○矢嶋三義君 私はそれに異議がある。我々は先ず政府から緊急集会を求められたのであるから、どういう立場でどういうお考えで求められたか。それを直接政府責任者から先ず承ることが私は第一と思いますので、私はそういう提案をいたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○委員長(寺尾豊君) 矢嶋君に申上げますが、この緊急集会そのものを立派に運営をするということから、先ほどの菊川君並びに赤木君からの御意見がありましたが、先ずこれの法的解釈を十分聞いた上で、政府の説明を聞くということが順序ではなかろうかと私は考えますが、先ほど私提案いたしまして、多数賛成があつたように思います。
○矢嶋三義君 私はその緊急集会によき例を残すというような考えは、私は菊川君並びに赤木君と何ら異るところではない。私は委員長と討論しようというわけじやなくて、私は御提案申上げたわけなんです。緊急集会を求められているから、求めたところの政府側から直接先ず承つてから、それから私は話を進めて行くべきだと、こういうふうに私は考えますので、そういう御提案を申上げたわけでございますから、お諮り願います。(「賛成」と呼ぶ者あり) 〔委員外議員荒木正三郎君発言の許可を求む。〕
○委員長(寺尾豊君) 荒木さん、まだ入れ替えか終つておりませんので、御了承をお願いいたします。
○矢嶋三義君 荒木君がまた正式に加わられておられないわけなんですか、委員外の発言をお許しになるかどうか、一応諮つて頂きたい。 ―――――――――――――
○委員長(寺尾豊君) この際お諮りいたします。常任委員の辞任及び補欠に関する件の申入れがございますが、それをこの際、議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺尾豊君) では、常任委員の辞任及び補欠に関する件をお諮りいたします。
○参事(河野義克君) 只今議題になつたわけですから、お諮りを願うわけでありますが、只今お諮りを願いますことは、緊急集会においてどういうことかでき得るかという問題とも多少関連があるとも思いますが、お諮り申上げますのは、議院運営委員会が緊急集会において、そういうことを御論じになる前提として是非必要だということで申上げるので、その議院運営委員が、ほかの委員会の委員になつておられます関係もありますので、その委員との交替は、お認めを願われるという前提の下に申上げさして頂きたいと思います。自由党から、議院運営委員の石川榮一君が辞任せられて小林英三君を補欠にせられたいというお申出が出ております。それから緑風会から、懲罰委員の杉山昌作君、議院運営委員の高田寛君が、それぞれ辞任せられて、懲罰委員に高田寛君、議院運営委員に杉山昌作君を指名せられたいというお申出が出ております。それから日本社会党第四控室から、議院運営委員の小笠原二三男君、予算委員の荒木正三郎君が、それぞれ辞任せられて、議院運営委員に荒木正三郎君、予算委員に小笠原二三男君を指名せられたいというお申出が出ております。
○委員長(寺尾豊君) 以上の通り決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺尾豊君) さよう決定をいたしました。 ―――――――――――――
○三輪貞治君 先ほど矢嶋君から御提案のあつた問題は、前に委員長のお諮りになつたのは、政府並びに事務当局から意見を聞くことにしてお諮りになつたので、皆異議がなかつた。その次に、矢嶋君は、それでは先ず政府のほうから、前に政府からおいでになつて聞くことにして何も異議がなかつたのであるから、それを先にしてくれという動議であつた。それは賛成しているのですから論議は別にないと思います。
○委員長(寺尾豊君) この際、先ほど菊川君並びに赤木君からの御意見のありましたように、緊急集会に対して法的解釈を法制局並びに事務当局から聞きたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺尾豊君) それでは……。続いて政府の説明をいたさせます。(「おかしい」と呼ぶ者あり)
○荒木正三郎君 先ほど菊川君から御提案になつて、大体御了承の御意見が多かつた思といますが、それは政府の緊急集会を求めた先ず説明を聞いて、それから緊急集会の運営について、いろいろ協議をして行きたい。こういうまあ菊川君の御提案であつたと思います。ですから、私は先ず政府の緊急集会を求めた考えについて、一応御説明を願つて、それから運営の段に入りまして、いろいろと各派の御意見を聞きたい。こういうような順序にして頂きたい。菊川さんの先ほどの提案は、こういう提案であつたと思います。
○矢嶋三義君 私がさつき提案したのも、今荒木君の発言の通りであります。そういうふうにお諮り願つてやつて頂きたい。
○菊川孝夫君 別に、これは大してこだわらなくてもいいが、そういう意見があれば、政府に一応説明願つて、次にそれでは、こういう趣旨で招集されたが、どういうふうに今後運営するかということの法的根拠についてお聞きするということにしたらいいと思います。
○委員長(寺尾豊君) 赤木君よろしうございますか。
○赤木正雄君 よろしうございます。
○委員長(寺尾豊君) 只今保利官房長官が見えられました。 保利官房長官に申上げます。只今各委員から、今回政府において参議院に緊急集会を求められたその理由、こういつたようなことについて、政府の御説明が欲しい。こういうことであります。よろしくお願いいたします。
○説明員(保利茂君) 来る十月一日に衆議院の総選挙が行われまするについて、衆議院の総選挙と同日に最高裁判所の判事の国民審査が行われることは御存じの通りでございます。然るところ、この国民審査の管理機関でございまする中央選挙管理会の委員の御指名をまだ頂いておりませんので、政府といたしまして委員の任命をいたすことができないのでございますが、至急この任命をいたしたいという関係から、当院の緊急集会をお願をいたしたような次第でございます。
○相馬助治君 今官房長官から、極めて簡単ですけれどもはつきりした今度の緊急集会を求めた理由が開陳ざれたわけで、そのお話は、全部極めて明快ですから、よくわかるのでありますが、ただこれに関連して私どもが承つておきたいと思いますことは、憲法が予想していた参議院の緊急集会というものは、かくのごとき中央選挙管理会の委員を任命するという、こういうふうなものの必要というようなもので開くのだというようなことは、恐らく憲法が畫定された時にも、予想していなかつた問題だつたろうと私は思うのであります。これは実は自由党の幹事長にでも出て来て頂いて、その間の釈明なり説明をお聞きしたいのですが、官房長官は明らかに自由党員で自由党の幹部ですから、第一点に承つておきたいことは、この中央選挙管理会の委員が任命されなかつた経緯は、自由党の内部において候補者が決定しなかつたために、十三国会において任命できなかつたのであると、我々の知つておる限りでは了解しておるのですが、これらの点については、官房長官はどういうふうにお考えになるか、なおこれに対して答弁することを潔しとしないならば、それは、答弁を拒否されても結構でございます。 それから第二の問題は、他に何か政府としては緊急な問題をかかえて、この緊急集会以外に総選挙前に又緊急集会等を求める意図があるかどうか。こういうふうに聞く理由は、この中央選挙管理会というものも、全く手落ちのために、任命するためには緊急集会というようなものを開かざるを得ない状態に追い詰められて開くというところから言えば、これは極めて、やはり緊急な問題だと思う。これと同じように、我々のやはり伝え聞いておるところによれば、教育委員会等の問題についても、相当自由党の中においても議論が分れてはおりますけれども、政府が提案して、そうしてこの問題は、何とか選挙前に解決するということが、自由党の良識としての問題になつていたと思う。政府としても、そういう意図を持つていたと思う。これらに連関して、この緊急集会にその教育委員会の問題を積極的に政府が議題に供することを要求しなかつたことが、我々にはちよつと不思議なくらいなのですが、それらについての政府の見解、それから並びに今後の予定、こういうものをこの際承わつておきたいと思うのです。 それから、先ほども申しまするように、第一の質問は官房長官に聞くべき筋のものでないという御見解ならば、御答弁を拒否されても結構でございます。私は他の適当なかたの出席を求めて聞く用意があるのだということを附け加えて、以上二点を質問しておきます。
○説明員(保利茂君) 今回のこの緊急集会は、憲法の精神から言つてどうであるかという、大変御尤もだと存じます。私どもも、この緊急集会の制度が設けられておりますのは、衆議院が解散せられましたそのあとで、不慮の事態が発生いたしました場合に、緊急に措置を講ずるというためにこの制度が設けられていると思うのであります。ただ本日お願いいたしておりまするこの選挙管理会の委員の指名をお願いしたいと申しますのは、これは又憲法上の重大な事務の執行上、どうしてもその指名を煩わさなければならない。この指名、続いて政府の任命が遅れております事情については、これは今日までこれができなかつたということは、私ども非常に遺憾に存じておりますが、これは私は、これ以上申上げません。その他今日予想して、緊急集会を要請する予定のものを政府は考えておるかということにつきましては、解散後の事態に、特別の新らしい事態を今日は考えられないのでございますから、今日においては、相馬さんのお尋ねのような考えは持つておりません。
○三輪貞治君 只今承わりますと、このたびの緊急集会は、ただ中央選挙管理会の委員及び予備委員の指名のためのみに開かれたと、こういうふうに了解されるわけです。そうなるとこの臨時会が召集された。これはもうすでに解散になつた。今月の二十八日にすでにそういうことになつているわけですが、そうならば、その当日は第十四国会がすでに開かれておつたので、当然これは自由党内、或いは政府内で解散についての統一した意見がはつきりしておれば、それは当然十四国会の会期中において、それだけのことであれば開かれたわけです。それをわざわざここに再び緊急集会を開いて、余計な経費を使わなければならん。又わざわざ遠くに帰つている議員が出て来なければならない。こういう事態が出て来たのは、これは一に政府の解散の意図というものが、与党並びに政府間において統一されておらなかつたという、このことを明かに露呈したものであつて、政府の責任だと思う。この点については、一言も官房長官は触れられなかつたのですが、その点の御意見を一つ開陳を願いたいと思います。
○説明員(保利茂君) 解散に関連いたしまして、政府内の統一を欠いておつたということでございますけれども、その点は絶対にそういうことはございません。(「嘘だ嘘だ」と呼ぶ者あり)。その点は、そういうふうに御了解願います。
○相馬助治君 私の先ほどの質問も、今三輪君によつて代弁せられたような意思を含んでおる。私が尋ねておることは、解散してしまつた。ところが中央選挙管理会というものの委員が成立をしていない。これは大変なことになつたというので、この緊急集会を求めたか。それともそういうことは知つていたけれども、政府としては緊急にあの場合に、いわゆる新聞で報ぜられておる表現は妥当であるかどうか知りませんが、抜打解散をすることがよろしい。そうして中央選挙管理会の委員についての手当は、憲法に定められた方法によつて参議院に緊急集会を求めてやるのだ。こういう明快な立場に立つていたのか。どちらなのですかということを尋ねておるのであつて、これは賢明な官房長官においては、勿論私の質問の意図を酌まれて、そうして、何ともどうも恐縮だつたとか、実はこうだつたというくらいのことが、ざつくばらんにあることを期待していたのですが、私はそういうことを述べろというのじやなしに、そういつた点を一つ明快にして頂きたいと思うのですが、解散のときに、こういう事態を予想していたのか。こういうことなんです。私の聞いていたのは。
○説明員(保利茂君) この解散を決定いたします場合に、かような事態を予想、問題があるということを承知しておつたか。承知していなかつたかと。これは明らかに承知をいたしておつたわけであります。
○加藤武徳君 どうも誤解が多いようですから、私一言申上げたいのでありますが、三輪君等から政府に対する、政府の態度等について御質問がございましたが、これは今までの通常の委員の承認と性格が違うのであるという点を、私は誤解なさつておられるのじやないか。こういう工合に考えられるのであります。というのは、中央選挙管理会の委員の任命は、勿論これは政府が任命するのでありまするが、政府が国会に承認を求めて来る案件ではない。我々が指名をするのであります。指名をしたものに対して政府が任命する。こういう形式でありまして、政府が積極的に承認を求めて来る案件じやないのですよ。(「それならやめたらいい」と呼ぶ者あり)従つて我々の指名が前提であつて、今までの一般の承認を求むる案件と混同しておられる点があるのじやないかと思いますので、申上げて置きます。
○三輪貞治君 そうしますと、今の官房長官の御答弁とちよつとくるつておるようであります。というのは官房長官、あなたのお話では、解散という事態が起つたので、必然的にこういうふうになつたのだ。だからこれは、第十四国会ではできないのが当然なんだ。こういうふうな御回答のように聞えますが、官房長官は、すでにこの事態は承知しておつたわけです。解散の前に……。そうすれば、きまつたときに当然開かれておる第十四国会にこれは御提案されれば、(「提案ではない」と呼ぶ者あり)提案でなくても、そういうことを求められれば、(「求めるのじやない」と呼ぶ者あり)求めておるじやないか。そうすれば、こういう問題は起きなくてよかつた。
○相馬助治君 この緊急集会の議題について、私並びに三輪君の質問に対して、官房長官はまともに受けて、まじめに答えておる。これは即ち政府の責任において、参議院議長にこの集会を要求しておる。ところが加藤さんは、そういうことを言つて、この議運を混乱に導くものである。私は自由党に向つて、そういうことを言つて、話を大げさにして横道に行きたくないか、幹事長その他の出席を求めていなかつたのだが、それなら加藤君に聞きたい。こういう事態に追い詰めたのは、私は政府というよりむしろ自由党なんだ。第一は。それから第二には、大体新聞でもはつきりしておるように、自由党がこのたび変更して推薦したこの山浦君の、前の候補者があつたはずです。このことについても、私はその楽屋裏を知つておる。併しこういうことは言うべき筋ではないから、あなたの口から聞きたい。即ちこの自由党の内部事情というものが、はつきりこういう事態に政府を追い詰めた。我々をして言わしめれば……。併し参議院の議運としては、それは自由党がああだこうだというべきでないから、我々は政府の責任者に物を聞いておる。官房長官は賢明にもこれをまともにて受けて、真面目に答えているじやないか。それを質問の筋が違うというのは言語道断だ。一つ私の言うたことに答えたさい。
○加藤武徳君 これは第十三国会の最後に、各会派から推薦されました委員の指名ができる直前まで来ておつたことは、これは相馬君も御承知の通りであります。その際には、私のほうは候補者を挙げて指名を要求していたのであつて、この間に自由党内のことで遅れたということはあり得ない。このことだけを申しておきます。
○相馬助治君 あなたのほうが一番遅れたのだ。
○加藤武徳君 そうでないのだ。
○相馬助治君 あなた、そういうことを強弁するが、新聞でも報ぜられておる通り、候補者が変つたのは自由党だけじやないですか。それからあなたが前言を取消して、私の言つたことは非常に間違いでしたから御免なさいと言えば、私はこれで取やめます。(「そうだ」「その通り」と呼ぶ者あり)
○加藤武徳君 御免なさいということを申上げるのは、私は何ら躊躇しませんが、少くも自由党のみの責任で前国会に承認ができなかつたということは、これは相馬君の誤解であつて、私のほうは明らかに成規の手続を経て承認できる段階に持つて行つておつた。先ほど事務総長から一、二の会派という発言がありましたが、これは全部、私のほうの責任ではない。こういうことを申上げたわけです。従つてこの点は相馬君の、賢明な相馬君としては、誤解である。こういうふうに私は了解しておるものです。
○相馬助治君 そういう表現上の、賢明だとか愚鈍だとかいうことを抜きにして、現実は雄弁なんです。あなたのほうだけが候補者が変つておる。それから事務総長が言つた一、二の会派ということは、私は事務総長に尋ねて知つておるのです。併し事務当局に聞いて、その党派がああだとか、こうだとかいうのではなくて、この種の問題については、自由党が全部ということが言えなかつたならば、事ここに至らしめた原因の非常に多くのものを負担してもらわなくちやならんと思つておるのです。従つて我々はそのことで政府をいじめているのじやないのだ。初めてのケースだから、真面目に聞いて見ようと思つたからで、幸いに賢明なる官房長官も真面目に答えているのだ。そこへもつて来て、筋が違つておるの、誤解しておるのということになると、もう議論に議論の花が咲いて、あなたは委員長の議事進行を妨害しているようなものだ。
○加藤武徳君 私この議論を、余り脇道のほうへ導きたいとは勿論考えず、本筋に戻したい。こういう点では、他の委員にちつとも変らないわけですから、相馬君の御発言のように、私はご免なさいということで、本筋に帰ることなら、ご免なさい。(笑声)
○三輪貞治君 加藤君は、第十三回国会のことだけを言われるけれども、第十四国会の会期末に、二十八日の朝の状態はどうだつたか。こういうことはなかつたですか。その点はどうでしようか。解散以前だ。
○加藤武徳君 これはやや党内事情に亙りますが、私のほうは選考の段階において、いろいろの候補者はあつたと了解いたしております。併しながら事務的に手続きを行うことに支障のあるようなところの方向ではなかつたということを言つておきます。
○菊川孝夫君 ここで私、官房長官にお尋ねしますが、この委員の任命についての国会の指名を、加藤君が指名と言われますが、指名を要求する政府のほうからの提案というものは、第十三国会末に準備ができておつたというのだが、諸般の事情でできなかつたというのだが、十四国会になつてから、それではその手続きをしておられたか、この点をお伺いしたい。それが解散になつたためにできなかつたか、国会の議決ができなかつたのかどうか。この点をお伺いしたい。
○説明員(保利茂君) 或いは私の申上げることが誤解されるかとも思いますけれども、これは新らしい機構に伴つて、この委員の指名は、国会で御指名を頂いてそうして政府が任命することになつておりますから、この委員任命ついての問題は、十三国会においてはいたしておつた。十四国会においては、或いは手続きをいたしておりますか……、私の承知いたしておりますところでは承知しております限りでは改めて十四国会に対して手続きをとつたという記憶はございませんから、或いは事務的にどういうことになつておりますか、違つておりましたら又訂正いたしますけれども、一応御了承頂きたいと思います。……なお今事務官に伺いますと、この点は、政府のほうから国会に対して、文書或いはその他を以て積極的にお願いを事務的にいたすべき筋合いのものではないという扱いに解釈をいたしておるようでございます。先ほどのお答えに、或いは牴触しておるかも知れませんが、今伺いましたので、お答えいたしておきます。
○菊川孝夫君 そうすると事務総長に伺いますが、事務的に政府から来ない。そうしますると、事務当局としてこれがこちらからきめなければならん。指名の向きは、政府から来なければ、どちらがやるのか。あなたのほうでは、国会からこれを提案するという議題のうちにきめておつたかどうか。冒頭やらなければならん問題だと思うから、その点について……。
○事務総長(近藤英明君) お答え申上げます。これは十三国会の末におきましては、すでに御準備が整いまして、そういう手配になつておつたわけでございます。十四国会になつてからは、未だこれをやるという手続が、いずれからも進められておらなかつたためでして、まだその程度の段階に至つていなかつたというだけのことであります。 それからなお、ちよつと申上げますが、例えば解散を予測して、これは速かにいたさるべきでございましようというようなことを事務当局が申上げることは如何かと存じます。解散々々と新聞にありましても、解散を予測して、これは速かにお出し願うことが適当でありましようということを事務当局が申すことは、適当でないのでないかと思つております。
○菊川孝夫君 そういたしますと、この委員の任命については、或いは故意に政争の具に供しようと思いますると、今回のような場合に、単に参議院でこれが任命についての指名を緊急集会でできればいいけれども、仮に偶然の場合に、こんなことはないといたしましても、故意に指名をできない。緊急集会を求めても、一日でできないということになつたら、選挙がやれないということになつたら、重大な支障を及ぼすことになると思うのでありますが、こういうものが任命せられてない場合に解散するということは、問題だろう。そこに問題点があるだろうと思う。 もう一つは、衆議院はこの人選問題に、同意をしないであろう。ところが参議院だけであつたらば、同意をするだろうというような場合に解散をしてから、あとで緊急総会できめるというようなこともやらないこともないことになつて、非常に法律上むずかしい問題が生じて来ると思うのでありますが、その点について、政府側は一体どういうふうな、今回の解散をする場合に考え方を持つて処費せられたのか。あらかじめこの問題が起ることを承知の上で、緊急集会は招集するのだと、そこまで考えて解散をしたのか。せめてこれだけは任命せられる手続は必要でなかつたのですか。この点について伺いたい。非常な手落ちだと思うのだが。
○説明員(保利茂君) 新憲法の、殊に独立後の新憲法の運用ということは、まだすべてが新例々々になつているわけでありまして、政府といたしましても後日に悪例を残すことのないように、(「聞えません。大きな声でやつて下さい。」と呼ぶ者あり)ただ、この只今お願いをいたしております案件につきましては、今菊川さんの御意見のような点も、私は十分考えたのでございますけれども、併しながらこれが決して運用上、いい前例として残さるべきものでないということも十分考えはいたしましたけれども、ともかくこの委員任命については、緊急集会を煩わすという、甚だ御迷惑なことでありますけれども、そういう手段も残されていることであるから、解散後においてこれは緊急の処置を以て対処して参りたい。こういうふうに考えたのであります。併しこれの是非については、いろいろ御議論があろうと存じまするけれども、事情はこういうことでございまするから、御了解を頂きたいと思います。
○三輪貞治君 その点については、私は簡単直截にお聞きしたいのですが、先ほど官房長官のお話では、こういう事態はすでに解散前に予測をしておつたということでございますから、若しおやりになるということであるならば、何分かで実は済んだと、それもできないで、あの時間にどうしても解散をしなきやならなかつたというその理由があれば、これは何も、我々は別にこれを問題にする必要はない。その点、はつきりわからずに解散になつた。あとで気が付いたということでなしに、前からそれを予測されたとするならば、なお且つそれでも、緊急集会をやらなければならないあの解散の必要性が私はあつたと思うが、その点について官房長官から、もう少しはつきりと一つ御答弁を得たい。
○説明員(保利茂君) 私は、先ほど菊川さんの御質問に対しましてお答えいたしましたところで御了承頂けると思うわけであります。(「了承できん」と呼ぶ者あり)それ以上、私は何も附加えることはございません。
○菊川孝夫君 そういう官房長官も、僕の質問に答えられて、非常にこれはいい処置、いい慣例を残すものではないということを漏して、暗にこれは、どうもあんまりよくなかつたということを認めておる。これはたしかにそうだと思う。というのは、開会式の日程もきめて、式辞もこしらえ、そうして三十日には開会式をやると言つて、宮内庁とも打合せをし……、これは昔ではないから問題ではないけれども、昔だつたら大変なことなんです。今の新らしい憲法下においては、そんなことをとやかく言う必要はないけれども、余りにも……、せめて開会式でもやつて、そうしてまあ選挙に臨む態勢をとつて、政府も選挙の管理委員ぐらいは任命して、それからやればよかつたけれども、政府の今回とつた処置は、何と申しますか、言語道断、非民主的の、論議の余地なしと我々は思うのですが、これ以上追及したつて、官房長官は逃げるだけでありますけれども、我々としては、こういうやりかたは、本当に……。任命の当然の処置をやれば、而も参議院としては、我々としても、今日はひよつくら解散になるかも知れないから、せめてやるだけはやろうとする時間を取ろうじやないかと言つて、まあ自由党の与党の人とも相談して……。それもなしにやるというのはこれはもう話にならんと思うのであつて、これは選挙において争う以外はないと思います。
○矢嶋三義君 保利官房長官に対する質問は、一応済んだようですから、私は岡野自治庁長官に関連してお伺いいたします。 保利官房長官のお言葉によりますというと、内閣の閣議決定に基いて衆議院を解散の肚をきめたときには、十分承知しておつた。こういう御発言でございます。憲法第五十四条の緊急集会がこういう形で開かれることが妥当かどうかということについては、あとで論議されるでありましようけれども、又法制当局の意見を聞く必要もあると思うのですが、自治庁長官としては、こういうことを承知していたということになりますというと、一体憲法第五十四条の緊急集会との関連、更にあなたの所管の事務という立場から、長官としてどういうふうにお考えになつておるか。ちよつと所見を承わりたい。
○相馬助治君 その点に関連して……。
○矢嶋三義君 ちよつと待つて下さいよ。
○相馬助治君 ちよつと矢嶋君の質問にお答えになるときに、これを附加してお答えを願いたい。というのは、私の先ほど官房長官に、他に緊急性を認めて、何か緊急集会を求める用意があるかと、こういうことを聞いた際に、今のところ政府ではそういうことは考えていないと、こういうことなんです。そのときに私は、教育委員会の問題を附言して尋ねたのですが、さような返答はないのです。それに対して文部大臣として、どういうふうに考えておるかということも附加して答えて下さい。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申します。只今の御質問は、恐らく教育委員会の問題だろうと、私はそうお察しいたします。この教育委員会の問題は、御承知の通り大分世間で問題になつておりますし、又いろいろいきさつもございましたが、私といたしましては解散のときに、まあこれで教育委員会の問題をどうしようかということを考えたこともございます。その当時まだ党と私どもと連絡が十分に、策が講ぜられておりません。これを講ずるには、相当の時間がかかる。そうしますと、いずれにいたしましても、九月十日には間に合わない。そういうことになりまして、教育委員会というものに対して緊急集会をやるということは考えていなかつたのであります。
○矢嶋三義君 どうも声が小さくて、半分ぐらいしか聞えないのですが、それでは突込んでお伺いいたしますが、この中央選挙管理会の委員の国会の承認を受けるために緊急集会を閣議によつて求められた。そのときに、今度文部大臣ですが、文部大臣としては、教育委員会法の問題を緊急案件として閣議で要求されたかされなかつたかですね。ということは、文部大臣としてのあなたは、解散になる直前までは、もうこれは緊急な問題である。従つて解散の声があるけれども、解散の前に、必ずこの教育委員会法の問題は処理しなければならん問題であるということを、事あるごとにあなたは信念を以て主張せられておつたわけです。そういう立場から、私はあなたの所管の選挙管理会の委員を官房長官が申されるような立場において緊急集会を閣議において求められたときに、文部大臣の所管としての教育委員会法について、どういうような対策をとられたかということを承わりたい。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。私は教育委員会の問題は、非常に重大なる問題であるということが一点、それからよく両院の納得の行つた上ですべきであるということがその第二点でございます。この点におきまして、衆議院は解散になつてしまいまして、そうして参議院だけで緊急集会を開いて、それでおきめを願うということは、私は公明なる措置でないと、こう考えまして、緊急集会をこの問題で開くという問題が起きましたとき、教育委員会の問題を、私自身として緊急集会でお願いするという考えは持つていなかつたわけでございます。
○矢嶋三義君 それでは大臣にお伺いいたしますが、あなたがやはり閣僚の一人として賛成されて、憲法第七条によつて衆議院を解散して、そうして教育委員の選挙ということが発生して来たわけでございますが、自治庁長官としての選挙に関するところの事務というものは、十分準備態勢ができていない。更におなたの文部大臣としての方面からの教育委員の選挙並びに設置に対する準備というものは、ここで申上げるまでもなく、一切の準備ができていない。こういうことについて、これを緊急とあなたはお考えになられないのかどうか。どういうふうにお考えになつていられるか伺いたい。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。解散の点につきましては、先ほどお答え申上げた通りでございます。これは非常に大きな政治問題でございまして解散が行われた以上は、国の法律に従つた通りにやらなければなりませんが、そうして教育委員会の問題も起り、今までもう現行法で行く。こういうようなことになつておりますから、自治庁長官といたしましては、それぞれ準備はいたしておる次第でございます。
○矢嶋三義君 岡野さんに私が伺つておることは、自治庁長官、更に文部大臣としても、現在の教育委員会の設置並びにこの選挙に伴う諸事態というものは、緊急の事態だ。こういうようにお考えになつておられるかおられないかということを私は伺いたいんです。ということは、それによつてもたらされるところの結果、それらについての責任というものとの関連性もありますので、私はその点を伺つておきたいと思う。
○国務大臣(岡野清豪君) 御質問の趣旨が、ちよつと私にはつきり掴めませんが、もう一度私からお問い申しますが、緊急の事態ということは何を緊急の事態と申すかということでございますが、教育委員会に関して緊急の事態と認めるか認めないかということはどの点でございましようか。私自身として、ちよつと御質問の趣旨をよく承わりたいと思いまして……。
○矢嶋三義君 先ず自治庁長官としてですよ、選挙をやる以上は、十分投票率が高く、国民の本当に信頼する委員が投票率高く選出されるような状況下に、教育委員の選挙は行われなければならない。これが若しそのように行かない場合には、この経緯から考えて、相当に政府、殊に自治庁長官としての、私は責任があると思う。又この教育委員を文部省関係から考えるならば、少くとも教育委員会法による設置に伴うところのこれらの経緯も、簡単に言うならば、そういうものが所管省、文部省の手を通じて、十分下部に滲透して、そうしてやられるということでなければならない。若しそれが十分滲透することなくして多額の費用と労力を使つてなされて、その結果まずいということになりますと、これは私は文部大臣としての責任も又私は生じて来ると思う。こういう事柄を総合して考える場合に、ああいう形であなたは解散になる前は、御承知のような見解を主張されておられたけれども、ああいう形で解散があつて、国民を十月五日の選挙に追込むということは、これは行政府が、更に立法府が、国民に対して、国民を相手によりよい政治をやるというような角度から考えるならば、私は緊急事態だ。こう考える。その点を私はお伺いしておるわけです。
○国務大臣(岡野清豪君) わかりました。御承知の通り十三国会で、いよいよ十三国会が閉会になりますというと、教育委員会というものは、全国にこれは施行しなければならないということに法的にきまつたわけでございます。でございますから十三国会が終りまして以来は、自治庁の選挙事務につきましても、又文部省におきましても、私は教育委員会は置かれるものとして、いろいろ準備をしておるわけです。ただ誤解が起きます点は、私が文部大臣に就任いたしまして、私の個人の意見といたしましては、一年延期したほうがいいのではないかという考えがありましたものですが、若し国会にきいて頂けますならば、私は一年延期してもらつたらどうかということをよりより協議中であつたのでございます。併しこれはとにかくできるかできないか未知数のことでございまして、むしろそのほうが例外でございまして、原則は十月五日にやる。設置する。同時に選挙をやるということでやつておつたものですから、自治庁といたしましても、文部省といたしましても、その準備の下にそれを進めておつた次第でございます。ほかに緊急の問題ということは起きて来ないように考えます。
○委員長(寺尾豊君) ちよつとお諮りいたしますが、官房長官は、ほかに緊急の御用事があるそうでありますが、退席をして差支えございませんか。
○菊川孝夫君 今日は緊急集会を総理大臣から求められましたが、総理は今まで、とにかく問題のありそうなときには病気を起されて、出席をされなかつた。今日も恐らく我々の、これは想像が余りにすぎるかも知れませんが、箱根で御静養になつておると思うのでありますが、そこで官房長官に、最後に退席をする前に答えてもらいたいのは、本日総理大臣の代理は、どなたがおつとめになつておるのか。その点についてお伺いしたいと思います。
○説明員(保利茂君) 総理大臣は、お説のように二、三日来御不快でございますから、今日は出席は、非常に恐縮でございますけれども、困難であると存じます。この点はお許しを頂きたいと思います。本日の政府からお願をいたしておりました主任の担当は岡野大臣でございますから、岡野大臣が代つておるということを御了承願いたいと思います。
○矢嶋三義君 新憲法において緊急集会ということが今度初めて適用される。この重要な緊急集会は、内閣からその緊急集会を求めておきながら、如何なる事情か知れませんが、総理は出席しないで、而も総理の代理を所管大臣であるところの岡野自治庁長官がなすというような官房長官の発言に対して、私はもう最大級の不満の意を表明します。これは吉田総理の国会軽視の最大のものである。
○委員長(寺尾豊君) 只今官房長官から、吉田総理大臣の病気診断書が手許に提出をされております。(「朗読して下さい」と呼ぶ者あり) 一、病名胆石症 附記 頭書の疾病により向後数日間安静加療を要するものと認める。 右之通診断する 〔「医師は誰です」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺尾豊君) 武見太郎という人です。(「了承、了承」と呼ぶ者あり)
○兼岩傳一君 今官房長官は、この緊急集会に提出されている中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名については、岡野国務相が総理に代つて、その責任ある答弁をするだろうということを答えられましたが、私はそれはそれとして又我々としても総理に質さなければならない問題が残つております。それでどうしても総理が出られないと、今まあ医者の診断書が提出されておりますが、その場合に、国政の重要な問題について質さなければならないということに対しては、総理の誰が代理をするのか、答え頂きたいと思います。
○説明員(保利茂君) 本日の緊急集会をお願いしております関連においては、岡野国務大臣が当られると思います。
○兼岩傳一君 私は、この緊急集会に対する政府の一方的解釈というものは、まだ今後十分委員会並びに参議院全体において決定さるべきもので、一官房長官が、そういうことを決定されるべき、なんらの権限もないと考えておるのです。そこでこれは、私は又あとで出そうと思つておつたけれども、退場されるというならば、やはりその点は今この会議の順序としては、多少順序不同であるかも知れんけれども、お尋ねしたいのは、今あなたの答えられたような、そういう意味の質問じやなくて、我々が国政の重要問題について総理に質さなければならない。然るに総理が今あなた方が提出されたような病気診断書によつて病気であるというならば、そういう国政の重大案件で、本来ならば総理に答弁を求めなければならないことに、誰がそれに代つて答えられるか。これをお答え願いたいのであります。
○説明員(保利茂君) 総理大臣は、本日はこういうことで出られないから、岡野国務大臣によろしくお願いをしてくれということでございますから、これによつて一つ御了承頂きたいと思います。
○兼岩傳一君 そんな答弁で了承できません。あなたが緊急集会という枠を、自分で勝手に設定して、その範囲内において岡野国務大臣一人で片付くじやないか。こういう態度の答弁では納得できんのであります。我々はもつと、この民主国会においては、当然あらゆる角度から、問題を明らかにする考えを持つておる。併しながら、そのことは私が決定する権利はないのであつて、同僚、全議員の多数において決定されて行く問題であり、参議院自体がこれを決定する問題であるから、そのことのできるできないということを私は論議はしていないのですけれども、本来ならば、緊急集会に当然総理が出て来なければいけないし、従来総理は嘘を言つておる。現に……。だけれども、この場合は百歩を譲つて、その診断書なるものを仮に、非常にこれは遺憾だ。一国の総理大臣が嘘を従来言つて、病気だといつて病気でなかつた例がある。だから我々は十分これに対して、そのような一片の紙切れに対しては信頼できんと言う権利を持つておる。併しこの場合百歩を譲つて、併しながらこの緊急集会の政府側が議題としておられるところのこの管理会委員等の問題以外の、もつとこれよりも比較にならん重要な案件について、若干質さなければならないと我が党は考えておる。その場合に、総理に代るべき人が何人であるかということをあなたは、官房長官として答える義務があるし、あなたで答えられなければ、後刻答えられる人を代理に出してもらいたい。どういたしますか。
○木村守江君 只今の兼岩君の発言等があると我々は考えまして、先ほども政府の説明を聞く前に、緊急集会の神格等について法制局並びに事務局の智見を聞きたいというようなことを申上げたのでしたが、多数の御意見が矢嶋君等の発言によつて、政府の話を聞くことになつたんですが、今の兼岩君と官房長官との話は、何か兼岩君は、官房長官の自分で考えている緊急集会の性格だというようなことになりますれば、(「その通り」と呼ぶ者あり)そういうふうではわかりませんから、知はこの際、先ず法制局並びに事務局の緊急集会の性格を話してもらうということにいたしたいと思います。(「その点は明確にしなきやいけない」「議事進行」と呼ぶ者あり)
○矢嶋三義君 官房長官がおられるところで最後にもう一件、岡崎大臣にお伺いいたします。それは岡野自治庁長官並びに文部大臣は、それぞれの所管省において十月五日の選挙を目標にして、十分の準備を進めて来た。こういう答弁でありますが、果して両省とも準備が十分あるかないかということについては、ここで論議しません。私は準備していないと、こういうふうに申上げます。それは意見でありますから、お伺いいたしませんが、次にお伺いいたしたいのは二点。その一つは、重ねてお伺いしますが、岡野文部大臣としては、閣議においても教育委員会法の改正について緊急集会を改めて求めるような主張をなされる御意思があるかないかということが一つと、それからもう一点は、本日は総理大臣の代理としておいでになつているそうでありますから、その立場からお伺いいたしますが、若しも我々が、明日にも緊急集会を教育委員会法の件について国会に求めよというような要望がありましたならば、総理大臣の代理としての岡野国務相はそれを受入れるところの御用意があるかどうか。この二点について答弁頂きたい。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。実は昨日教育委員会法について、これは又緊急集会を開いて、三ヵ月でもいいから延期してはどうかというような申入れがございました。若しこの議院運営委員会において、皆様がたがやはりそういうことをしてもらつたほうがいいというような御意思がございますならば、私は微力でございますけれども、もともと個人といたしまして延期したほうがいいという考えであつたものでございますから、改めて閣議にこれを提案しまして、閣議の一つ御審議を願う。できますならば、緊急集会でも間に合いますならば、やつて行きたいという熱意は持つております。でございますから、第二の点は、自然解消したと存じますが。
○相馬助治君 私は劈頭に、官房長官にそのことについて尋ねたときに、官房長官としては、政府自体としてはさようなことを考えていないと。こうおつしやつている。今の岡野文部大臣のお答えが、主管大臣の立場からそういう意思を持つているんだ。こういうことになりますれば、その意思はわかりまして、もう一回、今度は官房長官と話が食い違つたから、官房長官にも、今の岡野さんの意見について、どうお考えですかと私は尋ねなくちやならん。ところがあなたの今の立場は、内閣総理大臣の権限において又その義務において答えられるということを、明確に、先程官房長官が規定されたということになれば、何も私は官房長官に尋ねる必要がないのである。(「その通り」と呼ぶ者あり)今は、内閣総理大臣の立場としてそのことを発言した。かように了承しますか差支ございませんですね。
○国務大臣(岡野清豪君) 言葉が足りませんで、恐縮でございます。御承知の通りに、こちらで事務局のほう、若しくは法制局長のほうから、今度の緊急集会の性格は御説明があつたことと存じます。そういたしますれば、この際はたとえ総理大臣の代理として出ておりましても、この選挙管理委員会の委員の選任をして頂きたいということに限られては総理大臣の代理ができますけれども、しかしそれ以外の教育委員会の問題になりますると、問題が外れまして、この集会には関連がないということになるわけです。
○相馬助治君 私も、岡野大臣としてはそうだと思うのです。主管大臣の立場から今答えられたと思うのです。それならばもう一回聞くのです。というのは、内閣総理大臣を代理しては、二重人格になりまするが、その岡野文相の発言に対して、どういうふうにあなた自身はお考えであるか、(笑声)私は皮肉を言つておるのでも何でもない。それが第一点。それがあなたに対する質問。 次に、先程主管大臣としてあのような発言を岡野さんがされておりますが官房長官としては、当然岡野さんの善意の意思に基いて早急に閣議を招集して、これらの問題を議すると思うのであつて、当初に答弁されたことと、いささか内容的に食い違つたというよりは進展しておると思うのですがくどいようですが、改めて、明敏な官房長官から納得の行くような答弁をこの際承つて、安心の行くようにしたいので、一つお願いしておきます。
○国務大臣(岡野清豪君) 話が、どうも私の口下手で、こんがらがりますが、今日の集会は、管理会の委員に関するだけで、所管大臣であり、同時に総理大臣の代理といたして御返事申上げます。併しながら昨日申上げました通りに、昨日からそういうような申入れがございますから、この際この席上で、そういう御意思が、ついでに私の耳に入つたので、それならば私はこの会議の本来の筋ではございませんけれども、そういう御意思が聞えたということは現実の事実でございますから、その事実を、個人の岡野といたしまして、そうして閣議に諮つてみましようということでございます。ですからこの議論は、決してこの集会における正式の議論ではございませんが、耳に十分入つたという事実を認めまして、それに対して閣議に一つお願いしてみようという、私の個人的の意見でございます。誤解のないように。
○説明員(保利茂君) 先ほど、相馬さんにお答えいたしました考えはその通りでございますけれども、主管大臣である岡野大臣から閣議の議題としてこれを求められれば、私も閣議で御相談するように取運ぶことには十分努力をいたすつもりでおります。
○菊川孝夫君 今質問の過程におきまして、相当岡野国務大臣が今約束されましたような含みのある、こういうことについて善処されたいという含みを持つた質問が多かつたということを私は認めたのであります。従つて昨日、各会派の御意見、個人的に話した際に、これも、大体そういう意向があるわけでありまして、非公式ではあるが表明されており、従つて議院運営委員会としては、この辺で一応政府に対する私は質問を打切つて、今岡野国務大臣並びに保利官房長官が、ここで言明されましたことについて、最善の努力を要請して、この辺で政府に対する質問を打切つて、次の緊急集会の運営についての、今後、最初から申上げましたようにこれを政争の具にしたり……、政争は五日から、堂々と全国民監視の下でやれるのですから、この善処をあくまでも強く、議院運営委員会としては努力を要望して、次の緊急集会の運営に入るごとにいたしたい。こういう動議を提出いたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(寺尾豊君) 皆さんここで拝見をいたしておりますと、大多数が菊川君の御発言に、賛成のように認めましたから、さよう取計らいたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。 ではこの際法制局と事務当局との打合せの関係もございますので、先ず、議事部長から説明をさせます。
○参事(河野義克君) それでは、緊急集会のことについて申上げますが、緊急集会につきましては、憲法に一ヵ条、国会法に三ヵ条ございますが、あと参議院緊急集会規則というものがございまして、そこに四ヵ条の規定がございます。併し法が多少尽してないと思われる点もありますので、その憲法上の本質から、若干法制局と打合した点について、申上げたいと存じます。 御承知のように、国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関でありまして、広汎な権能を持つておると思いますが、その国会の議決に基いて多くの国政がなされるわけであります。又制度上国会の常会のほか臨時会というものがあつて、臨時の必要に応ずることになつておりますし、選挙後は、必らず特別会というものが召集されることは、憲法上保障されておりまして、国政の運行に支障のないようになつておるわけであります。ところが衆議院が解散せられまして、特別会が召集せられますまでは最長期間で申しますと七十日間、国会が欠ける日があることが考えられますが、その間に国に緊急の必要がありまして、而もその必要に応ずるための措置は、国会の権能となつておる場合、つまり国会がなければ、その緊急の措置を講ずることができないという場合に、国政の運行に支障を来たしはせんかという問題があるわけであります。それに備えて置かれました制度が、この参議院の緊急集会の制度でございます。従いまして参議院の緊急集会の制度は、応急的な、臨時的なものであり、且つ両院制度の本質から言いますと、例外的なものであろうと存じます。又その時期は衆議院が解散されて、次の特別国会を召集される間の時期でありますから、まさに衆議院議員の総選挙を通じて、主権者たる国民の意思が表明せられ、形式されようとしておるときでありますから、多くの事柄は、新たなる衆議院議員ができ、衆議院が構成された後に議せられるべきことが民主的であるということは当然であろうと思います。ただそういうことを待ついとまがないときに行われるのが本制度でございますから、だんだん申上げましたような次第で、その運用は努めて厳正にすることが真の意味で民主的であり、且つ例外的なことは、厳格に解釈すべきであるという法の精神、法理にもかなうものと思います。 それで運営の実際の関係でございますので、なお若干申上げて見るわけでありますが、第一に緊急集会を求める条件でございますが、これは憲法に明記されてございますように、国に緊急の必要があるときに限られております。国に緊急の必要ありや否やということを誰が認定するかは、これは緊急集会を求める内閣の責任でありまして、内閣の全責任において、緊急性の有無を認定し、参議院の緊急集会を求むべきものと存じます。従いまして緊急集会を求める文書の中にも、緊急の問題が明示されていなければならんと存じますし、現実に申上げましても、二十八日の内閣から参議院議長宛ての文書の中には、この緊急の問題が挙げられておるわけであります。この問題が、具体的な何々法案とか補正予算案とか、そういう件名を挙げる必要はないと思いますが、どこそこに災害があるから善後処置をするためにとか、中央選挙管理委員を任命するためにという問題が明示されてなければならんと存ずるわけであります。 次に緊急集会を求めるものは、憲法五十四条二項によりまして内閣であります。御承知のように、国会の召集は、内閣の助言と承認に基いて天皇がされるわけでありますが、緊急集会は、内閣がこれを求めるわけであります。内閣から求められますと、参議院議長が議員各位に通知する責任を負われるわけであります。この場合に、国会との比較を申上げますと、国会に対しましては、臨時国会の召集を要求する権限を各議院の議員の四分の一以上の連署があつた場合には、そういう臨時国会の召集を要求する権限を各議院側で持つておられますが、緊急集会においては、緊急集会を求めるということを請求する権限は、議院側、参議院にはございません。この点が国会の場合と非常に違うのでありまして、後に緊急集会における発議の権限が議員にありや否やというようなことについても関連のある問題であろうと存じます。 以上、憲法の規定のほか国会法及び参議院緊急集会規則というものがありますが、先ほど申上げましたように、国会法の規定にもやや不備のものがありますし、参議院緊急集会規則も参議院規則の特定の章を概括的に準用しておりますし、具体的に検討しますと、その準用されている章の中の規定も、本質から言つて、又条理上、緊急集会と相容れないものがある。つまり準用すべからざるものもありまして、解釈上、緊急集会の運営はこれこれだということが、非常に明確だとは言いがたいのであります。思うに緊急集会のごとき制度は、憲法上の慣習として、いわばこれから育つて行くべきものでありまして、その運用の態様はこうであるということを、一概に断定することは慎しむべきものであると思うわけでありますが、何分初めての緊急集会でもありますので、緊急集会の本質から来る原則的な考え方を骨子として、慎重に運用をお願いすることが、将来の先例ともなるわけでありますから、先ほど議員各位の御発言にもありましたように、そうせられることが、願わしいことではないかと思うわけであります。 以上が、総論的に申上げました次第でありまして、これに基きまして、緊急集会において法案その他の議案の発議権があるかどうか、或いはさつき赤木さんの御発言にもありましたように、緊急質問と或いは一般的に言つて質問ということが、認められるかどうかというようないろいろな問題が論ぜられなければならないのでありますが、それについての我々と法制局との見解を申上げたいと思います。 緊急集会は今申上げましたように、内閣がその国に緊急の必要あるとき、その緊急性を認定して、参議院にこれを求めるのでありますし、緊急集会において審議せられることは、ことごとく緊急の案件でなければならず、その緊急の案件の認定性は内閣にあるわけでありますから、それが第一点と、第二点から言いまして、先ほどちよつと申上げましたように、臨時国会の召集につきましては、議員側からこれを求め得る途が開かれておりますのに対して、緊急集会においてはそういう途が開かれておりません。つまり飽くまで内閣の全責任においてこれを行う形になつておりますこと等から申しまして、その他いろいろな事由はございますが、緊急集会において一般的に議案を発議するということは困難ではないかと存ずるわけであります。参議院規則を準用しております緊急集会規則の第四条におきまして、参議院規則の議案の発議及び撤回に関する章が準用されておりますが、これは先ほど申上げましたようにその具体的に挙げられている章の中で、緊急集会の本質に鑑みて当然準用せられるべきものと準用すべからざるものがあることは、具体的に吟味して来ると、はつきりして来るわけでありまして、あの章におきましても、例えば議案が出た場合には、それを常任委員会に付託するというような規定の準用があることは当然でありまして、そういう意味から、あの五章を準用して行かなければならないわけでありますが、さりながら、一般的にそういうことがあるからといつて、議案の発議権があるかどうかということについては、にわかに断定ができないと思います。それで併しこの場合は、政府から案件を出して来ておるわけではないわけでありますが、一般的に言えば緊急集会に政府から法律案を提出して来る。或いは予算案を提出して来るということは大いにあり得るわけでありまして、その場合に、議院が修正権ありや否やということになりますれば、これは通常の議案の形式に従つてその審議に認められていることは、緊急集会の本質に反しない限り、すべて認められると思いますので、修正権があることは当然であろうと存じます。尤も発議のところで申上げましたように、本来的には政府から緊急の案件なりとして出された案件以外のことを発議することは慎しむべきではないかと考えられますから、修正権の作用の名の下に、実質的には全然異ることを修正するというようなことは如何であろうかと思いますが、当然普通その法案に対する修正、その予算に対する修正という問題であれば、それは当然でき得ることであり、且つ関連のある、密接且つ必然的に関連のある多くのことは、修正という修正権の作用で、議院の意思を加えることが十分できると存じます。特定の場合に、例えばどこそこに非常な災害があつて、どうしても災害の応急措置をするためということで緊急集会が認められて来た場合に、政府としては予算を出して来た。補正予算を出して来た。そういう場合に、その補正予算の使用方法等について災害の応急措置としては特段のことをしなければならないというようなことで法律を改正する必要がある等のことで政府から出して来た議案と密接不可分のものであり、且つ必然的な関係のあるものがありました場合に、通常同じ形式のものであれば、修正という恰好で行き得るわけでありますが、その議案形式が異つた場合には、例えば予算が出て来た場合に、これに密接不可分のものとして、どうしても法案を出さなければならないというような場合がありましたときには、これはその法案をそういう場合においても、なおその法案を発議できないかどうかというようなことについてはこれは十分考慮して、そういう場合におきめを願わなければならんかと思いますが、仮にそういう場合を除いて考えますれば、一般的に緊急集会において発議するということは、緊急集会の本質上如何であろうかというふうに存ぜられるわけであります。 それから次に緊急質問のことでありますが、この緊急質問というのは、これは広く言えば質問でありまして、質問の本則は文書質問が建前でございます。それで質問主意書というものを出して、内閣に質問しておる。あれが本則でありまして、その緊急を要するものを特に緊急質問として国会法が認めており、議院の議決によつてこれを行うことになつているわけであります。そういう質問即ち文書質問なり、緊急質問をできるかどうかということについては、緊急集会規則がその質問の章を準用しております。従いまして、その緊急集会規則によつて質問の章を準用していることから見れば、何がしかの質問ができることは言い得ることであろうと存じます。 それでは緊急集会の本質からいつて如何なる緊急質問が認めらるべきかということにつきましては、これはやはり本質論から言いまして、提出せられた案件と密接不可分のものに限つて緊急質問が認めらるべきであるということに大体なるのではないかと存ずるわけであります。 ところが、ちよつと講釈めいて恐縮でありますが、或る案件に対してそれに即して発言すること、質すことは、国会法、規則の上では、質疑と言つております。それで質問というのは、案件が何もない場合に、動議等によつて、案件をそこへ出しまして、それが可決されたときに、それが議題になつてそれでやり得る。それが質問でありまして、質問というのは、一定の議題がなくても、それが可決されればできるわけでありますが、今申上げましたように、政府から出された緊急の案件と密接に関係のある問題については、質問ができると、観念上考えられると存じますが、その場合には、議事の通則といたしましては、そういうふうに密接に関係のある問題であるならば、通常は、ことごとく質疑という形で出るべきものだと思うわけであります。例えば何か騒擾事件があつて、刑法の臨時特例というものが出ますれば、それに対する質疑という形での発言が許さるべきであることは、これは当然であると思いますから、そういう形でなされるのが普通であろうと思いますので、質問或いは緊急質問ということは、観念的には、その案件と密接な関係のある問題についてはなされるべきであるけれども、議事の通則から言えば、それが必ずや質疑という形で出されることが多いであろう。そういう緊急の案件と全然関連のない問題については、緊急質問乃至質問は、緊急集会の本質に照らして困難であろうと、かように考えるわけであります。 以上は、法制局と事務局と打合せた結果の中で、先ほど御指摘のある点について申上げたわけでありますが、要するに私どもといたしましては、先ほども申上げましたように、こういう制度は、憲法慣習として、これから育てて行くべきものでありますから、濫りに妥当でない先例を開くこともおかしうございますし、また現在において、濫りに将来どうなるかわからんわけでありますから、一定不変の拘束を加えてしまうことも如何であろうかと存ずるわけでありまして、慎重に御考慮を願いたいと思うわけであります。
○相馬助治君 いま議事部長が発言されて、速記に残つたことは、将来に亙つて非常に重要な内容をもつていると思う。賢明にも部長が、先例を誤まつて開くこともいけないが、濫りに拘束することもこれもいけない。こういうことを申しておりますが、その通りだと思う。以下私は部長に対して質問があります。と申しますのは、わからないから御指導して下さいというて聞くのではありません。私は私なりの考えをもつており、それとそぐわないから、以下議論を展開するために、前提として質すべきものは質すのであります。 まず第一点は、国民各層の間で参議院の良識ということが、前国会等から問題になつております。従つてこの緊急集会において、いわゆる野党攻勢というような印象を与える意味で緊急質問が行われる、或いは議案の発議が行われるということは、参議院の良識において厳に慎しむべきであろうと私も確認しております。併し例えば議案の発議の問題につきましても、そういう発議権はあるけれども、参議院の、この際良識において、発議しないという場合と、そういう権限が、すでに憲法その他関係規則において無いから、発議はできないというのでは、結果的にはしないのですけれども、これは非常に違つて来ると思う。そこで私は尋ねる。これはあなたは発議は困難でないかと思うとか、それから、このことについては俄かに断定できないというような、極めて揚げ足をとられない表現をしておられますけれども、一貫して説明していることは、発議はできない。緊急質問もだめだ。こういうことだと思う。 暫く緊急質問のことは問題外として、一体参議院緊急集会規則の第四条において積極的に、「第一章、第五章から第十一章まで、第十三章、第十四章及び第十六章から第二十章まで」と、こういうことを準用するということを、積極的に規定していることは、やはり議案の発議が行い得ることを私は予想していると思う。その場合に部長の説明によれば、緊急性の認定は政府自身の責任においてやつたのであるから、その建前から、これは政府のみが議案を発議することが至当であるという見解を申しておりますが、それはその通りだ。併しそのことは議員の発議をいけないということを積極的に私は何ら規定していないと思うのです。この点に関して、部長としてはどういうふうに考えているかということ、それからその他ありますけれども、そのことが根本であるから、それをお尋ねした上で、一つ次に移りたいと思います。
○参事(河野義克君) お答えいたします。いま御指摘のございました通り、参議院規則の議案の発議及び撤回に関する第五章が、緊急集会規則に準用せられております。併しながら第五章は、議案が発議せられたならばどうするという手続が規定されているわけでありまして、発議できるということは、国会法の五十六条が規定しているところであります。で、私がいろいろ申上げましたが、それは緊急集会の本質に照して、一般的に発議権を、政府が出して来た緊急案件とは関連のない問題について発議権を持つておるかどうかは非常に疑問の存するところであるということを申上げておるわけでございまして、発議権は全然無いというふうには申上げていないわけです。 さつき例をちよつと申上げましたようにどこそこに災害がありまして、そこの災害に関する予算を、例えば緊急集会に政府が出して来たような場合に、その予算の執行或いは災害の救助という題目と密接不可分の関係のあることについて、そういう場合に、予算のほかに法律案を参議院としては出す必要があると、つまり普通は会計法なり、いろいろ拘束されておるけれども、こういう非常の場合には、もつと応急の措置をとらなければいかんという若し仮りに、そういつた法律案をこの際出して、罹災者を一刻も早く救わなければならないということが仮りにあつたといたしまして、又その他密接不可分の関係のある法律案を必要とした場合において、そういう法律案をも出し得ないかどうかということについては、十分慎重に考慮しなければならない。そういうような場合には、そういう場合の発議権すらも無いとは言えないのではないかというふうな気持でおるわけでございます。 併し、従つて一般的に、緊急集会において発議権は無いというふうには決して思わないわけでございますが、そういう普通の場合は、つまり政府が出した緊急案件と密接不可分の関係にある問題については、参議院の意思を表明し得る。併しそういうものについては、通常は予算を出して来たならば、予算の修正、法案を出して来たならば法案の修正という形で、参議院が正しいと考えられる態度がそこに表明をして行けると思いますが、さつき申上げましたちよつと専門的になりますが、議案形式が異つておつて、例えば予算を、法律で修正するわけに行きませんので、そういう場合に、先ほどの設例のようなことがあつて、その場合には法律案を発議できるかも知れない。要するにそういうことについてはこれから育てて行く制度であるから、慎重に御考察を願いたい。そういうこともあるから、一般的に言つて発議権の問題等についても、慎重に御考察を願いたい。こういう気持でございます。
○相馬助治君 私の尋ねていることに対して明快に答えておられないので、そういうときに例を引くことは、いよいよ議論を複雑にさせるだけです。私はやむを得ず例を以て答えられるので、例を以てお尋ねしたい。今非常なる災害、天災があつた。でそれに関して政府が補正予算を出して来た。その補正予算を審議するために緊急集会を求められた。ところがこの議運その他において、且又政党において研究したところが、この補正予算についてとつ組んで審議することは勿論だが、公正なる観点において、従来の法律案を直すとか、或いは新たなる発議をしなければならんという、こういう問題が起きたと。こういう場合には、今の部長の説明であれば、関連法案であるから差支ないと。こういうふうに聞くわけである。ところが関連しているかいないかということは次のような問題になつて来ると、大分問題が複雑になつて来る。即ち破防法のような問題を、この際もう少し締め上げて、思想的な問題やなんかで、非常災害に対応して、もうちよつと団体的な動き等を踏み潰すような法律案を作らなくちやならない。これは明らかに関連しておる。そういうことを発議したならば、恐らく政府自身は関連ないと言うでしよう。ところがこのハウスそのものとしてこれは関連あるという、ここに議論が非常に分れて来るわけなんです。従つてこの緊急集会において、今問題になつておるこの緊急集会において一体議案の発議があるかないかを私は論じているのではなくて、今の議事部長の発言は、将来に亙つて、この議案の発議その他を拘束する言なのであります。我々が承認すれば……。従つて私としては、原則的には、やはり積極的に議案の発議権がないと規定してないのであるから、このことは法理論的に言えば、やはり私は議案の発議は、議員の良識においてあり得ると認める。そうしてその発議し、而も議決されたことが非常にまずかつたならば、救済規定がある。即ち新たに設けられた衆議院の会議において、これを否決することが可能である。そういう意味から、基本的には私は、議員において発議権ありと認めている。ただ同僚各議員の御了解を願つておきたいことは、だからこの緊急集会に、何々の議案を発律するのだというような下心あつて私は聞いているのではなくて、最初のケースであるから、これらのことを厳粛に規定しておかないというと、将来に向つて自縄自縛のようなことになつて来るので、これらの、併し濫りに我々を拘束をすべきじやないというので、基本的な問題として聞いているのであつて、議事部長においては、それらの点を明察されて、例を引くことなくして、基本的にはどうだというような建前から、御答弁を一つ願つておきたい。
○参事(河野義克君) 法理論やなにかの場合に、一般的に言いまして、特定した場合であつても、限定した場合においても、こういう場合には、発議権があるのではないかということは、その背後の、一般的に発議権が禁ぜられているならば、そういうこともあり得ないのでありますから、限定された場合に発議権があるのではないかということは、一般的に発議権が無いということを決して言つているのではないということを御了察願いたい。
○相馬助治君 そうすると非常に微妙な答弁ですが、部長の立場から止むを得ないと思う。それで私は止むなく次の質問をします。 そうすると本性を出したなとおつしやるかも知れないが、敢て何と言われても聞きますが、今度解散によつて総選挙が行われる。時あたかも教育委員会の選挙をやらなくちやならん。そうすると、この教育委員会の選挙については、手続的にも、それから又啓蒙という点から考えても、それから国家が当初予算において持つている予算の面から見ても、非常にこれは連関を持ち、いろいろ支障を来たすことは明白なんです。従つてこの解散によつて、この緊急集会が要求されて、中央の選挙管理委員会の委員が任命されなくちやならん。これと連関して、当然予想される困難を防ぐために、国民の選良たる我々として議決されるかされないかは知らないけれども、民衆の満足するような意味で、これと連関を持つて教育委員会の、例えば一年延期の法案を出したと。こうすると、これは一体、部長の見解を以てすると、先ほど説明の、関連事項であるか、或いはそれは相馬個人が関連あると言つているだけで、法理論的な関連のないことであるとおつしやるか。
○参事(河野義克君) 私どもの立場としましては、一般的に、さつき説明で申上げたような場合には、法案が発議できるかも知れない。それ以外の場合においては、密接不可分の問題については、修正権の作用で大抵は賄えるであろうということを申上げたわけでありまして、今おつしやられた、それの具体的な例として今おつしやつたようなことが、今度の案件に関連あるかどうかというようなことについては、皆様の御判断を待たなければならんと思いますが……。
○相馬助治君 極めて明答であつて、賢明なる判断です。それから先は我々が一つ先例を開く意味においても、慎重にこれは考えなくてはならないと思うので、以上のことを、大いに研究された事務局の労を多として、今の御答弁で、よくわかりました。
○矢嶋三義君 私は議事部並びに法制局で検討された結果を、今議事部長から説明されましたが、議事部長の説明せんとするところの内容は、賛否はともかく別として、言われんとするところはわかりました。ただ私はこの際、議事部長に二点ほどお伺いいたしたい。それは議事部長の発言の中には、盛んに緊急集会の本質々々という言葉が出て来たわけであります。緊急集会というものは、解散という事態によつて生じて来るわけでございます。そこであなたがたが、議事部並びに法制局において、先ほど述べられたような結論を出されるに当つては、私は次のようなことも論じられたと思いますので、あなたがたの論じられた経過並びに結果はどうなつておるかということを、次の二点についてお伺いいたします。 それはこのたび緊急集会が求められた前提となつた解散は、憲法第七条に基いて行われたのでございますが、この解散の問題については、両院法規委員会の結論もあつたことは御承知だと思うのでありますが、従つてあなたがた、法制局並びに議事部が、この問題を検討するに当つて、このたびの解散のやりかたについては、どういう見解を持たれたのか、この点。こういうことを論じなくて、緊急集会を論じたつてはつきりしないから、お尋ねいたしたい。 第二点にお尋ねしたい点は、緊急集会の運営を慎重にやりたい。一つのモデルとなるからということも、あなたの発言の中に再三あるわけでございますが、緊急集会の運営を慎重に立派にやるためには、その前提として、又緊急集会の求めかたということも、問題であると思うのであります。あなたがたが先ほどの結論を出された過程において論じられたであろうと思いますから、第二点としてお伺いいたすのでございますが、先ほど官房長官の発言の中には、二十八日解散をやつた。その解散するときには、管理委員会の委員の問題は頭にあつた。それを承知で、憲法七條で解散した。解散をやつた直後に、我々に緊急集会を求められて来た。この求めかたをあなたがたはどういうふうに議論し、どういう決論を得られたか。この前提となる二点を、私は参考に是非とも承わつておきたい。あとは我々、ここであなたがたが開陳された意見も一応参考として、あとでデイスカツシヨンいたしたいと思います。 この二点だけ承わつておきたい。
○参事(河野義克君) 法制局とは、二日に亙つていろいろの問題について相談いたしたわけでありますが、その問題の協議の席上、直接、今度の解散が違憲であるかどうかという問題は出ませんでした。併しながら若し解散が違憲でありますれば、当然国会があるわけで緊急集会の問題は生じないわけですから、皆が熱心に緊急集会の問題を論じたのは、違憲であるという建前には立つていなかつたと思います。そういうものが仮ありますれば、最高裁判所の問題によつて処理せられることであつて、こちらとしては緊急集会を求めて来た事態に応じて協議をするほかなかつたろうと存じます。 それから第二の緊急集会の求めかたが当を得ていたかどうかということについての御意見であつたわけでありますが、その求めかたがよかつたかどうか。法規的には別として、その手続的に或いは実際的に妥当であつたかどうかという問題は、これは政治的な問題であつて、私どもからお答えする筋合ではないと存ずるわけであります。
○矢嶋三義君 では、もう一点お伺いいたします。只今の質問については、そういう答弁をするであろうということは予想しておりましたが、念のためにもう一点お伺いいたしたい点は、あなたがたが研究された結果の開陳を承わつていると、全く当然ではありますけれども、緊急集会の本質という立場から、非常に狭義に解釈されておられると思うのですが、これらを論議するに当つて、或る問題がある場合に、その現実的な立場から、更にもう少し詳しく言うならば、国民の輿論、そういうものを現実的に十分把握して、この事態に処しては、参議院は参議院の責任において、かくかくの議題をやつてよろしいというような意思が参議院にあれば、あなたがさつき申されたような、狭い意味の発議権でなくて、国会法、参議院規則を準用するとあるのだから、私が今申上げました現実的な立場から、もう少し幅の広いところの発議権というものも、又許されるのではないかというような、そういう立場の議論というものはなされなかつたのかどうか。なされたならば、それに対して、どういうような反駁的結論に到達したのか。その経過を承わりたい。
○参事(河野義克君) 私どもが皆さんに参考として申上げる意見は、憲法、国会法、参議院規則、緊急集会規則を通じて、法規的にこれが然るべきであろうというところを申上げるわけでありまして、実際の国内情勢その他から言つてどうということは、慎むべきであろうと存じます。仮にそういう問題がありまして、それが全国民の一致した輿論となり、又何かするような場合においては、それは政府がその与えられた権能に基いて特段に方途を講ずべきであつて、こういう問題があるから、緊急集会の本質としてはこうであるけれども、この際はこうであるというふうに、私どもは申上げる立場にはないと存じます。
○菊川孝夫君 次にお尋ねいたしますが、憲法第五十四条の前項但書の、十日以内に衆議院の同意が得られない場合には、その効力を失うとありますが、若しもこの同意を得られなかつた。参議院において議決したけれども、十日以内に衆議院の同意を得られなかつたという場合には、効力を失うわけでありますから、政治的責任というものは相当生じて来ると思いますが、これは憲法並びに法律を考えても、その政治的責任が全然ないのでありますが、この点をどういうふうにお考えですか。
○参事(河野義克君) 憲法五十四条第三項によりますれば、今御指摘の通り、新らしい国会の際に、衆議院において十日以内に同意がないときはその効力を失うわけでありますが、その場合も、衆議院が否決した場合、或いは十日の期間が満了した場合に、一応効力を失効するわけでありまして、それまでは効力があることは当然であろうと思います。 それで衆議院が否決した。衆議院がこれに同意しなかつた場合においては、政治的責任があるや否や。若しあるとすれば、そういうことを提案した内閣、及びそういうことを可決した参議院ということになつて来るかと思いますが、御指摘のように、それについて政治的責任に関連しての規定は何らございませんし、そこをどういうふうに解釈すべきであるかは、まだ十分に考察いたしておりません。
○菊川孝夫君 私は、これは参議院は解散もされないし何であるから、政府の責任のある緊急の場合の措置として止むを得ない。ところが衆議院においては、十日以内に同意を得られないような場合があつても、これは政府が一応責任を負う。それによつて責任が起るというような、緊急措置としてとつたわけでありますから、これはいろいろ慌てた場合に、多少の行き過ぎもあり、行き足らん場合もあろうけれども、政治的責任を政府は負うべきではないという意味から、参議院の議決をこれで得るのだと。こういうふうに私は解釈しておるのでありますが、この点について重ねて御答弁を願いたい。これが一つ。 もう一つは、今あなたが言われました憲法上の慣習として、将来育つて行くべきであつて、慎重に考慮されなければならない。これは非常に私はこの言葉だけは同感だと思う。ただ余りに、これで固く考えてしまつてはいけないと思いまして、特に例を挙げてお尋ねしたいのでありますが、少くとも今の国民輿論から行きましても或い、は政府諸機関の準備その他から考えましても、又参議院においても、少くとも殆んど全会一致というくらいで、この際これだけはやつたほうがよかろう。これだけの最小、而も衆議院の意向と余りに真正面から対立するのでなくて、暫らく緩和する、時期を待つというような意味のものであつた場合には、これは徒らな混乱を起させないで、暫らく再検討の余地を残すというような意味で、臨時的に発議するというようなことは、当然そのくらいな余裕までも押えてしまつて、ただ政府が出したやつをイエスかノーかをきめるものであるというように、固く解釈したのでは、これは国の最高機関としての権威が何らなくなつてしまうと思うので、これが非常に幅を持たしてあるけれども、併しただ問題は、十日以内に議決されない。向うで同意を得られないというようなことのないように、少くともこれくらいなことは同意するだろうという自信を持つてやらなければならん。これだけは十分考えて、向うのほうも、衆議院の意向も考えなければならんが、それだけの良識を加えて、最小限度の処置くらいは当然直接それに関係がなくても、発議しても差支えない。こういうような幅を持ちたいと思います。これについて重ねて伺いたい。それは何ら法律的に、そういうことをやつちやいかんという制限規定というものは全然ないと思うのですが、あるか、ないか。その点を承わりたい。
○参事(河野義克君) 菊川さんのおつしやいました第一点は、ちよつと聞き漏らしたのでありますが、さつきの御質問のことは、ちよつと補足しなければならん必要を感じましたので、大体そのことじやないかと思いますので申上げますが、さつき責任を負うことに関する規定はないと申しましたが、そのことに責任を負つてどうするということじやなくて、もつと大きな本質上の問題として、特別国会が召集されますと、すぐ内閣は総辞職しなければなりませんから、内閣がそこで緊急集会において非常に妥当でない案件を出したという政治的責任を仮にとつて追及するとすれば、今度の新らしい首相指名の際に、そういうことも考察して、新らしい議員の下に構成された衆議院において考えられるわけであろうと思うのでございまして、つまり内閣は特別国会が開かれれば、必ず総辞職しなければならん。そうすれば新らしい首班を選はなければならん。それはもつと大きいところの原則から来るわけでありますが、今、緊急集会の案件を出した。その責任という問題に関連さして考えますと、その首班を選ぶときに、そういう点も一つの問題になることもあるかも知れませんが、それを除いては、責任の問題は何ら規定しておるところはございません。 それから第二の問題につきましては、そういう発議ができないということを法規上明らかに規定しておるところは、どこもございません。ひとえに緊急集会というのはどういうものであろうかという解釈論から、こういうことはいいだろう。こういうことは悪いだろうというように、いろいろ論じたわけでありまして、無論緊急集会規則、その他憲法、国会法、いろいろな規定があつて、その規定に合うところは、その通りされるわけでありますが、お尋ねのような点については、それを禁止した規定はありません。
○三輪貞治君 ちよつとそれに関連し て……。私は法律の専門家ではありませんから、特に頭が単純で、余り入り組んだことはわかりませんが、併しこの条文を見れば、できるかできないかという単純な答えを出すときには、私はできるという答えが出ると思います。それはできないという答えが出ませんから。それは論議が非常に複雑を極めてもいいわけでありますが、結論は、統一のある単純でなければいけない。参議院緊急集会規則第四条を見ますと、緊急の議題に関連して、或いはそれに関連してのみという条件がない。ただ参議院規則中に準用しないものを、むしろこれをきめてあると思うのであります。準用できないものとしては、内閣総理大臣の指名であるとか、開会式、会期の決定、会期の延長及び国会の休会、衆議院との関係、或いは資格訴訟、こういうことは、これは参議院規則は準用できない。それ以外はできるのだと、はつきり書いてある。そうすればこれはできると。こういうふうに解釈したほうがいいのであつて、余り細かく、重箱の隅をつつくように、いろいろやると、一体できるかできないかという本筋がわからんことになりますから、この点で、できるという解釈をはつきり、これは明らかに、どなたにもできないということは言い得ないのでありますから、結局これはできることなんです。こういう解釈でよろしゆうございますか。
○参事(河野義克君) 今三輪さんがおつしやいましたように、そういうことはできないという規定はございません。又参議院緊急集会規則に準用されていない参議院規則の各章の規定は、準用されないと思います。但し参議院緊急集会規則に準用されている、挙げられている特定の章の中の規定は、全部が準用されるかということにつきましては、先ほど申上げましたように、それは性質上当然準用されないものが多々ある。例えば委員会という章の規定は準用されることになつておりますが、そこで合同審査会とか、衆議院の関係とか、いろいろなことがございますが、そういうことは条理上準用はされない。そういう個々の条文を抑えて準用しないということをきめておりませんので、概括的に章だけを挙げてありますから、その章の規定の中では準用されるものもあるが、準用されないものもあるというわけであります。
○三輪貞治君 ただ細かく言えば、例えば第五章は、準用できるわけです。これは第五章の中を見ると、この五章はできると言つたつて、準用できないものもあるのです。予備審査のために送付すると、こういうことは衆議院が開かれていないのであるから、できないのであつて、そういうことを除けば、第五章は十分準用できるのだと、私はこういうふうに考えたい。又それは何らその考えを、その解釈を妨げる一字も、この条文の中から見出せないわけであつて、そういうふうに私は解釈をいたしたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)大体こういう第四条がなくても、憲法の国会の章において、国会は常会と臨時会と緊急集会とすると、こういうふうに単純に言えばあるわけです。だからそれについて、以下の議員の権利或いは義務というものは生じて来るわけであつて、併しながらその中で、できないものがあるから、この四条でできないものを規定してある。だから残つたものは、国会については区別をつけないのですから、国会は常会、臨時会、緊急集会とすると。そういう条文はありませんが、結論は、そういうわけだから、それ以外のものはできるものだと解釈して何ら差支えない。又今までの御意見は御意見として、我々は議員として、一つの考え方で動けばいいわけなんです。(「その通り」と呼ぶ者あり)
○石川清一君 逆にお尋ねをしたい点があるのですが、若し政府の緊急案件が、否決をされた場合には、現在の政府は次の選挙の終るまで存命はしますけれども、総辞職をしなければならんのでありまして、これを否決された場合には、いわゆる行政が行えない。従つて政府は、否定をされても、辞職をしないのか。若し政府が、否決されて辞職をしないとすれば、これはもう、同意を与えられなければならん宿命的なものに私はなると思う。それで、「十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失う。」この「衆議院の同意」ということは、参議院が、これにもう同意をするのだ。せなければならんのだと。こういうような解釈も成り立つので、この緊急集会は、解散という事態の中で閉会されておるときに行われるのでありまして、従つて両院の機能を喪失しております。その場合に、否決した場合には、政府は総辞職をできるのかできないのか。この点も研究されたかどうか、お尋ねをいたします。
○参事(河野義克君) 参議院には審議の自由がありますし、緊急集会規則第二条には、「議決されたとき、」と書いてある。議決には、当然可決、否決、正しく言えば可決の中には修正議決ということも入るでありましようが、そういうことがあるわけでありますから、政府から出された案件が、否決されたことは当然あり得ると思うわけであります。それで、その場合、政府の責任ということでありますが、そういうことも含めて、もつと大きい何年間かの政府の施策というものが、各党の政策と共に、選挙の真最中で、国民の批判に晒されておるわけでありまして、国民の意思が、衆議院議員の総選挙を通じて表明されるわけでありますから、緊急案件が否決されたからといつて、すぐに政府が責任をとつてやめるという必要は、実際的にはないだらうと思います。 又参議院緊急集会規則の中に、内閣総理大臣の指名という章が、準用されてないことを言いましても、後継内閣の成立は、特別国会に待たなければならない筋合と思いますから、内閣が無責任に投げ出す。総辞職をその段階においてするということは、実際的ではなかろうと、かように存ずるわけであります。
○石川清一君 それでは、それは想像になりますけれども、仮定になりますけれども、否決をされた場合に、この案件に対する活かす救済措置が考えられる点がありますか。ありませんか。どうですか。
○参事(河野義克君) 通常国会と次の国会との問には、一事不再理の原則というものはないわけであります。それで、Aの緊急集会において否決されたので、次のBの緊急集会において、それと同じ問題を出せるかどうか、この点だけから言えば、疑義がありますが、恐らくそういう実際的でないことは考えられないと存ずるわけでありまして、緊急集会において政府から出された緊急の案件が否決された場合には、それに対する救済というものは特段にはないと思われます。緊急集会自体が、両院制度を前提としてしかも衆議院がないときに処する非常に例外的な制度でありますから、その際において同意を得られなかつたことについて、更に又別の救済方法があるというふうには考えられないと思います。
○菊川孝夫君 議事進行について……、ちよつと速記をとめて懇談に願いたいと思います。
○委員長(寺尾豊君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(寺尾豊君) それでは一応、懇談を終りまして速記をつけて頂いて、会議を続行いたします。
○高橋道男君 事務総長か議事部長にお伺いしたいのですが、緊急集会の規則ができるときの原案にですね。議員からは議案を提出することができないというような条文があつたのだが、先ほど議事部長の説明にもあつた通り、政府から求められた案件に関連しての、例えば修正案というようなものも出されないというようなことでは困るから、そういうようなことはできるのだけれども、一般的にはできないのだ。こういう了解のもとに、その原案が削られたということを聞いたのでありますが、そういう事実があつたのかどうか。それだけお伺いしておきたい。
○事務総長(近藤英明君) その点についてお答え申上げます。これは昭和二十二年でございまして、当時原案といたしましては、緊急集会において議員は法律案を発議することができないと、原案にあつたわけでございます。ところがその際、この議院運営委員会でいろいろ御審議になりまして、その他の点も多少違つておりますが、御質問の点は、その点でございますが、ここで原則的に緊急集会において、法律案を、緊急集会の必要があるからと言つて求めて来るのは政府なんたから、こちらで、あれもこれもと発議することは考えられない。併し発議権がないのだということをはつきり、今まだ予測されないときに、この規則に明示することは穏当であるまいというたしか下條さんの御意見だつたと存じますが、そういう御意見がございまして、それではその条文はとにかく削つておこう。そのことは将来の慣行によつて、はつきりと最も妥当なる線が出て来るわけだし、いろいろな細かな点もあることだから、先ずこれを明示することだけは値もうというようなことで、お削りになつたことは事実でございます。
○委員長(寺尾豊君) それでは、一時間休憩いたします。 午後一時十六分休憩 ―――――・――――― 午後四時一分開会
○委員長(寺尾豊君) 再開いたします。 休憩前に皆様から御要望のありました件につきまして、岡野国務相と相談をいたしまして、教育委員会法のこの問題については、先ほど岡野君としては、委員会に誠意のある、延期に努力する。こういう答弁があつたんだが、これを具体的にどういうふうに運んで行くつもりであるかというのが、議運各位のそういうことについての大臣から、方法について質してくれ。こういうことであつたということを申しましたところが、次の閣議にこれを提案する。まあそうして党本部にも十分交渉をして、自分としては最善を尽して緊急集会を求めるように努力をいたしたい。これは自分の本当の気持であるから委員各位に申し伝えてもらいたいということでございましたので、以上御報告いたします。
○相馬助治君 政府の態度はわかりましたが、念を入れて一点だけお尋ねして置きたいことは、この教育委員会の問題は、前に参議院としては、自由党の諸君を含めて全会一致で通つている。従つてこれに対する参議院の意思というものは一応きまつておるわけです。そういうことも含みとして、一体自由党は、これに対してどう考えておられるか。特に委員長から、この点だけは言えると思うことは、休憩後参議院の自由党の議員総会が当然持たれたと私は推察する。それらにおいて、何かこのことが議論され、何か結論が出ているか。それを参考に承わりたい。
○委員長(寺尾豊君) 相馬君に御了解を頂きたいのは、私は議運の不肖、委員長といたしまして、極めて公正にやりたいというつもりでおりまして、重責を汚しております。従いまして自由党に関しますることは、私が申上げるよりも、自由党の国会対策委員長であられる草葉さんが出席をいたしておりますから、草葉君にお願いをいたしたいと思います。
○相馬助治君 よろしうございます。
○草葉隆圓君 只今相馬君のお尋ねの件に関しましては、実は参議院自由党といたしましては、各党と同じ態度で教育委員会法の取扱いについては参つておりましたことは、御承知の通りであります。その後いろいろな事情で、現在のような情勢になつておりまするが、現在の段階におきましても、本日も更に総会を開いて、これは各党の御趣旨のような線に沿つて、当然参議院自由党も進んで行きたい。こういう申合せを更にいたしたのであります。この点は念のために、よろしく御了承を頂きたいと思います。
○相馬助治君 従つて、それらの点がはつきりしますと、午前に引続いてこの議運を持つて行く場合に、一つ議事進行上、その二つに分れると思うので、それぞれ一つ委員長において整理して進めて頂きたいと思います。 第一点は、緊急集会の基本的問題として、例えば議案の発議権ありや否やとか、或いは緊急質問の権限ありや否やということを含めての緊急集会についての問題を、ここで結論的なものを出すとするならば、これを出す。出さないとするならば、それはいずれの日に、どういう方法でこれらを出すべきであるというのか、一つの基本的な問題、それからその基本問題を問題にしていたときに出て来た具体的な問題として、政府は議案として要求したものは、中央選挙管理会の委員の問題ですが、これに連関して、教育委員会の問題が問題となつたわけでして、これらに対して政府の今の答弁を了承するか、しないかという問題と、なおこの緊急集会において取扱えるか、取扱えないかというふうな問題になつて行くと思うので、従つて筋を立てて一つ、議事進行上二つの問題に分れると思うので、明確にその点をされて進められるように私は希望いたします。
○菊川孝夫君 今、相馬君の言われました点について、私、意見を述べたいと思うのですが、第一の緊急集会の運営についてでありますが、これはここで質問或いは発議、修正等の参議院の権限についてこうだという結論を出すよりも、先程も論議の、質疑の過程においても出ましたように、私は憲法上の慣習として育てて行くべきである。従つて現実の問題と取組んで処理されて、確立されて、除々に確立されて行くべきであるというところから、結論はここでは今直ちに出すということは危険であるということを感じておりますので、それは今後のだんだん運営して行くときに、具体的な問題にぶつかつて一々解決して行つたらどうかと考えますので、そういう方法をとるべきである。 第二の、当面やはり問題になつておるのは、私は緊急な問題と思うのでありますが、教育委員会法の一部改正、即ち選挙にぶつかつて混乱しておる。これは従いまして緊急だと思います。この点については、先程自由党の草葉君からも、自由党としての御見解を表明になりました。これについて私は申上げたいのは、これは議運として決定することもできませんので、これは各派の代表が出ておりますので、後で懇談、後と言いますか。この議運のきめなければならん案件が終りました後で、懇談に入りまして、各派の申合せ、代表の申合せとして、各派やはりこういう事態であるから、速かに政府のほうではこれが処置として、態度を、緊急集会を求めて、何等か研究するような処置をとるようにすべきであるというように、各派の申合せとして、各派一致して、この方向に政府が向うようにする。こういうように各派がして頂きたいと思います。
○矢嶋三義君 私は只今の菊川君の意見に大体賛成でありますが、ただですね、違う点は、私は別に触れなくても、この速記のついておる議運ででなく、速記を止めて懇談にして、先程提出して懇談会を持たれたそのときに話のあつたように、即ち自由党さんはさつき表明されたが、ここで他会派は意思表示をしておりませんが、その懇談会では、参議院は従来教育委員会法の問題については、全会一致で来たのである。従つて現在なお、これは一カ年延長して、今直ちに十月五日選挙するのは妥当でないという各会派の意向、それを確認すると同時に、先ほど委員長が岡野国務相と打合せをした結果も、それを確認して、そういう申合せをして、それで私は速記を起して、そして次の話を進めて行つたらいいだろう。で、菊川君が言われたように、発議権があるとかないとかいうのは、これはやはりまだまだ両論があると思うのです。現在。併しながら午前中、草葉君の発言によつて、教育委員会法の当面の問題に絞つて問題を解決しようじやないかという方向に行つておるわけですから、発議権とか緊急質問云々というのは、本日菊川君の発言のように、結論を出さないで、今私が申上げましたように、暫く速記を止めて教育委員会法の問題を懇談会でけりを付けて、そして運んで頂きたい。こういうふうに私は議事進行についての提案をいたします。
○相馬助治君 私は今の意見に全く賛成です。それで議運として、教育委員会法をどうせい、こうせいということを政府に申入れるというようなことについては、筋から言つても、これは疑義が多分に存しております。そこで参議院としては先に意思決定はしてありまするから、このことについては多くの議論がないと思うので、これを懇談会に移して、大体の基本的なものはここでその点がきまれば、あとは疑心暗鬼がなくすぐに今日要求されておる議題に取り掛かれると思うのです。殆んど十分くらいでそれは完了すると思うので、今の矢嶋君のようにされることを私は希望いたします。基本線だけきめましよう。
○小林英三君 先ほど、菊川君から話がありましたが、大体ああいう方針がいいのじやないかと私は思います。今こちらのほうもおつしやつたけれども、教育委員会法の問題につきまして、今一年とか何ヵ月とか、いろいろありましたが、そういう延ばすとしても、どこまで延ばすということは、我我はそういう期限のことまで今はつきり言つておりません。ですから、若しこれが、今日の緊急集会が皆さんの御協力によつてスムースに行くのであるならば、私どもは先ほどわざわざ自由党としては総務会を開いて、それによつて皆さんに御協力を申上げるということまでやつておるのですから、菊川君のおつしやるように今日のこの緊急集会の問題はスムースにやつて頂いて、そしてあとで皆さんと御相談を申上げてみたい。こういうことのほうがいいのじやないかと思います。
○相馬助治君 私は小林さんと同じように思うのですが、現実の問題として矢嶋君からああいう意見が出ておるのです。若しも小林君がそれに固執されるならば、その精神を吐露されて、矢嶋君からその提案されたことをひつ込めてもらうべきだと思うのです。私はああいう議論が出た上からは、全会一致で何とかそれを処理したいから、矢嶋君のに賛成しておるので、矢嶋君に反対意見だというのでなく、小林さん、から一つ、矢嶋君のほうに諮つて頂きたい。
○矢嶋三義君 いろいろ意見はあるけれども、午前中から教育委員会法の問題が、本議運委員会の言葉の表面に出る出ないにかかわらず、やはり問題の底流になつていると思うのです。従つてさつきも、この議運の途中において懇談会を別室でやられたのです。お互に腹もわかつておるのだし、疑心暗鬼の問題もないのだから、だから別に会を開かなくても、ここで速記をちよつと止めて、さつき委員長も報告したのだから、それを確認するのだから、それで行きましようよ。
○赤木正雄君 大体一致しておりますが、つまり今日の緊急集会といたしまして、ここに掲げた問題を先ず決めて、それからその次に、私は議運として、教育委員会の問題云々のことを決するということは、ちよつと疑義があります。そうでなく、やはり皆さんが懇談という意味においてなさることは、同調いたします。
○矢嶋三義君 そういうことを言つておるのです。だから、ここで懇談会を一つやつてですよ、速記をちよつと止めればいいのだから。
○小林英三君 今も赤木さんもおつしやつたし、菊川さんもおつしやつたように、議運としてはこの問題を片付けてしまつて、今度は議運というのではなしに、各派の代表という意味でスムースにやつたほうがいいということが一番いいのじやないかと思います。
○水橋藤作君 只今の小林さんの御意見に、私は反対するわけじやありませんけれども、この議運がスムースに進むためには、懇談に進んで各派が了解の上でならば、この議運はスムースに進むかも知れない。それをやらずに、それを放つておいて議運だけで緊急集会の問題をきめておいて、それからあとやるということになると、まあいろいろ問題が出て来ると思います。その点が僕はあと先になると思うので、私は矢嶋さんの意見のように、各派で話合つて、その了解がついた後に、この議運で緊急集会の問題をきめればスムースに行くと私は考えます。(「同感」と呼ぶ者あり)
○小林英三君 いざこざが起るという御心配があるようですが、自由党の代表として今対策委員長の草葉君も先ほどああいうことを御答弁申上げておるわけでありますし、今日は緊急集会の問題を議運として先ず決定すべきことでありまして、今の教育委員会の問題は、やはり我々協力いたしますが、議運という立場でなしにやりたいというのです。先ずこれを上げて、後で各派代表として誠意を持つてやつて行きたい。こういう意味ですから、どうか一つ御協力を願いたい。
○矢嶋三義君 小林さん、あなたの言われることはわかるのですが、ただ議運でやるべきでない云々ということを非常に強く押し出しますと、緊急集会の第四条のあの適用の解釈について、やはり発議権があるとかないとかという根本問題に戻つて来るわけです。先ほど別室で話した場合に、自由党として、野党のほうで本日の議事をスムースに運ぶならば、我々としてもかくかくだと、さつき草葉対策委員長が発言になつたようなことがあつたわけです。従つて我々もそれを容れたような形になつておるのだから、ここで速記をやめて話をまとめましよう。
○菊川孝夫君 これはどちらにしても同じなのです。自由党もあれだけ言つておられるのだから、後、先にこだわらなくてもいい。若しもやつて本会議に入つても、そのままスムースに行けない。だから、私は先ほど申上げましたように、これだけ話がついたら後で結構だと思う。矢嶋さんどうですか。それから小林さんは、盛んに我々に協力するとおつしやるけれども、これは我々の必要から言つておるのでなく、国のために、そうしたほうがいいという見地からで、僕等が協力を頼んでおるのでない。その点だけは……(笑声)言葉尻を掴えるわけじやないのですが。
○兼岩傳一君 大臣や自由党は、従来そういう甘いことを言われますけれども、実行がしばしば伴つておらない、やはりその辺十分に、こういう総選挙を控えた国民の審判の前ですから、やはり各党ともそういう空手形のないように、やはり十分懇談されて、すべてを話をする。こういうふうに持つて行かなければならんと思います。
○水橋藤作君 私は先ほど、一応各派で懇談をして、それから議運をスムースにしたほうがいいだろうと申上げたのですが、今聞くところによると、先ほど各会派でお集りになつて、この議運を円滑にするには、教育委員会の問題を後刻お互いに何らか善処しようという申合せの上で、その問題が出たと今聞いたわけです。我々はそれを知らないのです。知らんから、この議運をスムースに運営するためには、そういう申合せを各派でやつて、それから議運をやるべしというのです。あなたがたは、小会派といえども我々をその中に入れないから、こういう問題が出て来る。私は知らなかつた。今矢嶋君から聞いて初めてわかつた。そういうことを知つておつたら、小林さんの先ほどの案に我々同調したかも知れない。私はこういうことを固執したくないが、私は知らなかつたので、それを解決しておいて、それから議運をスムースにしようと私は申上げたわけです。
○荒木正三郎君 時間的に申しましても、スムースに運ぶために矢嶋さんの御意見を採用して行けば、私は十分か十五分で済むと、こう思うのですが、又これにこだわつて二十分も三十分も時間を取ることは、私はどうかと思う。
○相馬助治君 小林さん、あとでやるというのは、本会議が終つてからやることには反対なんですが、というのは、議員の総会に我々は報告しなければならない。従つてどうですか、短時間にやるためには、私は今すぐに速記を止めて、大体の線を決めて、そうしてそれに入つたほうが早いと思うのですが。
○委員長(寺尾豊君) それでは、議運で決定する前に懇談会をやるという御意見に皆さん御了承があつたようですから、しばらく速記をとめて懇談会に移りたいと思います。 午後四時二十二分速記中止 ―――――・――――― 午後四時四十一分速記開始
○委員長(寺尾豊君) 速記をつけて下さい。 では本日の議題であります中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名に関する件をお諮りいたします。
○参事(河野義克君) 中央選挙管理会は、公職選挙法によつて委員五人を以て組織することになつております。それでその委員は国会議院以外の者で参議院議員の被選挙権を有する者の中から、国会の議決による指名に基いて、内閣総理大臣が任命することになつておりますが、その指名に当りましては、同一の政党その他の団体に属する者が、二人以上とならないようにしなければならないということになつております。そういうことから十三国会の終り頃におきまして、衆議院の議院運営委員会におきましても、本院の議院運営委員会におきましても、これは当時の国会の各党、各会派の所属議員の多いほうから一名ずつ五名を出すというふうに御了解がととのつておつたわけであります。それでお手許にお配りいたしましたような正委員五名、予備委員五名のかたについて、各党各派からお申出があつたのでありますので、この方式でやろうということをお認め頂ければいいと存ずるわけであります。
○委員長(寺尾豊君) 只今議事部長が御報告を申上げましたように、中央選挙管理会委員及び同予備委員の各五名ずつを指名することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。さよう決定をいたします。
○参事(河野義克君) それに関してちよつと申上げたいことがございますが、この委員と予備委員の関係でありますが、委員の何某の予備委員として何某がなるということが、具体的には、今度の法律にはないわけでありますが、各党から事実上推薦して来たものに基いて議決するという性質から言いまして、当然或る党から出て来た人が、正委員が欠けるとその党から出て来た人がなるというように法律を解釈するのが妥当でありまして、それは念のため自治庁に意見を聞いてみましたが、全然同感だということでございますので、本会議の議決の様態といたしましては、予備委員の場合は、何某の予備委員として何某を、何某の予備委員として何某をというふうに議決して頂きたいと思いますが、その点、ちよつと申上げます。
○委員長(寺尾豊君) 只今、議事部長の説明通り決するに、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺尾豊君) さよう決定をいたします。
○事務総長(近藤英明君) つきましては、本日はこの運営小委員会等も形式的にはないわけでございますから、ここでお諮りいたしますが、この指名を議長に一任するの動議並びに賛成者等も、この機会にここでお決め願いたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相馬助治君 それは自由党で言い出して、それからその賛成は野党第一党の左のほうから……。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○事務総長(近藤英明君) それでは動議は木村さんがお出しになつて、賛成は菊川さんがお出しになるというふうにして如何ですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺尾豊君) それではこれにて散会いたします。 午後四時四十五分散会