公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第1号
- 発言数
- 139 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/08/27
会議録
○押谷委員 これより会議を開きます。 私が年長者でありますので、衆議院規則第百一條によりまして、委員長が選任されるまで委員長の職務を行います。 これより委員長の互選を行います。
○鍛冶委員 動議を提出いたします。委員長の互選は投票を用いず、小澤佐重喜君を委員長に推薦いたしたいと思います。
○押谷委員 鍛冶君の御動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○押谷委員 御異議なきものと認めます。よつて小澤佐重喜君は委員長に当選せられました。末席を委員長小澤佐重喜君にお譲りいたします。 〔小澤佐重喜君委員長席に着く〕 小澤委員長 ただいま委員長の御推戴を受けまして感謝にたえません。何分よろしくお願いいたします。 引続いて理事の互選を行います。
○鍛冶委員 動議を提出いたします。理事はその数を五名とし、先例によりまして委員長において指名せられんことを望みます。
○小澤委員長 ただいまの鍛冶君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小澤委員長 御異議がないものと認めまして、ただちに御指名いたします。理事に、 井手 光治君 川本 末治君 中川 俊思君 並木 芳雄君 前田種男君以上御指名申し上げます。 —————————————
○小澤委員長 次に小委員会の設置の件についてお諮りいたします。従前通り公職選挙法改正調査小委員会を設置することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小澤委員長 御異議がないようでありますから、設置をいたすことに決定いたします。 次に同小委員会の小委員の数、小委員及び小委員長は、従来通りにしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小澤委員長 御異議がないようでありますから、前国会における小委員の諸君にお願いすることにいたします。 —————————————
○小澤委員長 実は二十五日の日に小委員会を開会いたしまして、先般決定いたしました本法の再修正と申しましようか、修正箇所について協議をいたしました。その結果各党のお考えのあるところを開陳いたしまして法制局の方へ成文にするようにお願いいたしてあつたのでありますが、その成文はお手元に配付してある通りであります。一応三浦法制部長から、この点に関する御説明をお願いすることにいたします。 —————————————
○三浦法制局参事 お手元に上げました「公職選挙法小研究事項」と申しますのは、先般国会を通過いたしました公職選挙法の改正につきまして、その後新聞等でいろいろ述べられております点、あるいはさらに新たに考慮を加えたらどうかというような点等を一応拾い上げまして、皆様の御参考に供したいと思いまして、この刷りものを差上げたわけであります。この中で新聞関係のものにつきまして、私から概略申し上げたいと思つておりますが、これは大部分私から申し上げますれば、法律の解釈の誤解に基くものでありますので、それらの点もあわせてつけ加えて申し上げたいと思つております。 第一は個人演説会の関係でありまして、次のような場合は禁止することとするか、個人演説会として取扱うこととするか、(イ)(ロ)(ハ)とわけてございまして、(イ)は「婦人会その他の集会において選挙運動のために演説を行う場合」(ロ)は「映画、芝居等の幕合を利用して選挙運動のために演説を行う場合」、(ハ)は「会社、工場等の休憩時間等を利用して選挙運動のために演説を行う場合」であります。(イ)と(ハ)につきましては大体同じような形態でありますが、これは御承知の通り、個人演説会につきまして回数を六十回に制限されまして、その場合に規定といたしまして直接候補者が主催して演説会を行う場合だけでなくて、選挙運動のために座談会が行われましたり、あるいはまた選挙のために一緒に演説を聞きたいというので、合同の演説会を行いましたり、あるいは候補者が共同して演説会を行うというような場合は、衆議院の原案では二百一條の三で、衆議院議員の選挙の特例に設けておりましたが、参議院の修正によりまして、新しい條文では百六十四條の二ということになつておりますが、その百六十四條の二の第二項に、「前項の規定の適用については、いかなる名義をもつてするを問わず、選挙運動のためにする座談会、候補者が共同して行う演説会及び候補者のために合同して行う演説会は、同項の個人演説会とみなす。この場合において同項の規定による回数の計算については、各候補者につき、それぞれ一回として計算する。」こういうことになつておるわけでございます。従いましてこの規定の適用から申し上げますれば、(イ)、(ハ)に該当いたしまする演説は、いわゆるここにいう個人演説会というものの中に包含されるものだと、私は考えておるのでありまして、従いまして回数も個人演説会の六十回の回数の中に通算される、こういうように考えております。 (ロ)につきましては、映画、芝居等の幕合いを利用して選挙運動のために演説を行う場合でありまして、この幕合いを利用して行いまするところの演説等につきましては、いわゆる演説会というようなことには、従来の取扱いとしましては考えていなかつたのでありますが、今回の改正によりまして、新しい條文で、百六十四條の三でありますが、衆議院議員、その他の選挙におきましては、「選挙運動のためにする演説会は、この法律の規定により行う立会演説会及び個人演説会を除く外、いかなる名義をもつてするを問わず、開催することができない。」という規定を置きましたわけでございます。 それともう一つは、御承知の通り放送の問題に関連いたしまして、條文は百五十一條の三でありまするが、「何人も、この法律に規定する場合を除く外、放送設備(有線電気通信設備を含む。)を使用して、選挙運動のために放送をし又は放送させることができない。」こういう規定があるわけでございます。この両方の規定の趣旨からいたしまして幕合い利用の演説会というものは、実際問題としてはできなくなる、こういうことに考えておるわけでございます。それは先ほどの立会演説会、個人演説会以外の演説会を、いかなる名義をもつてしてもやることはできないという、演説会という形態として考えるべきであると同時に、なおまた備えつけの拡声機を使用してやる場合におきましては、有線電気通信設備を含んだいわゆる放送設備を利用して、選挙運動のために放送するこの禁止條項にも、触れることになるわけでありまして、(ロ)の問題も一応今度の改正におきましては、禁止されておる事項である、かように原則的に考えておるわけでございます。なおあとでいろいろ御質問の点があると思いますが、一応説明だけを先に申し上げます。 (2)の個人演説会を五時間以内に限定するかどうか。これは新聞等に出ておつた問題とは全然別問題でありましてどなたかの御意見で、こういう問題を取上げたらということのようでございますが、御承知の通り現在公営施設を利用してやる演説会は、施設の使用時間が五時間ということに、施行令できまつておるわけであります。従いまして学校とかその他の公営施設を使用してやる場合におきましては、五時間以上その施設を使えない、こういうことになつております。ところが公営施設以外の施設を使用して演説会をやります場合におきましては、これは今度新しく個人演説会という、特殊な形態を認められるわけでありまして、従来ともこれは何も禁止しておつたわけでもないわけでありますが、この場合におきまして、さらに時間を制限することとするかどうかというような問題が起るわけであります。実際問題としまして私宅その他の場合におきまして、五時間以内でなければ演説できないといつたような場合、これを取締ることが実際上可能であるかどうかという点等は、この問題を考える場合においてあわせて考慮すべき問題であると思つております。 (3)は個人演説会告知用ポスターであります。個人演説会告知用ポスターを、二回以上使用することを禁止することとするかどうか。これは御承知の通り、衆議院の原案では演説会が四十回となつておりましたのが、参議院で六十回になりまして、ポスターの枚数も一回十枚程度を二十枚にいたしましたので、個人演説会告知用ポスターは千二百枚を使用できるということに、現行法の改正になつたわけであります。その場合におきまして、先の委員会におきましても、不動文字等を印刷して記入してあります以上に、候補者の名前を書いたり、会場の特定の名前を書き込んだりするようになつておるわけでありますが、その場合に、前に書き込みましたものを消してさらに書きかえるとか、あるいはそれに紙片を張りつけて新しく字を書き入れるというようなことはどうするかということが、新しく起つたわけでありますので、この前の委員会におきましては、そういうものはさらにもう一度使つてもいいのではないかというような御意見のように、了承しておつたわけでありますが、実は私もさように考えておつたわけであります。 それから(C)の印刷文字を書きかえた場合は、これは政令によつて定める告知用のポスターを使つたということになりませんので、規定の違反になる、かように考えております。それから(D)の裏面使用の場合であります。これも裏面を使用いたしまして新たに字を書き入れるということになりますれば、規正の印刷文字を使用したものに書き込んだということになりませんので、これももちろん違反になる、かように考えておるわけであります。(A)、(B)の場合に限りましては、それは何回使つてもいいというような立法趣旨であつたと了承しておりますし、私どもも立案の過程におきましては、さような考えによつて法案の作成に当つておつたわけであります。 それから(3)の(ロ)でありますが、個人演説会告知用ポスターの用紙を、他人に譲渡することを禁止することとするかどうか。これはそのときには実は考えておりませんでしたが、たとえば選挙用のはがきというものが、一定の枚数公営によつて交付されますが、その場合等におきましても譲渡の禁止等の規定がありますので、こういう問題を禁止することが妥当、あるといたしますならば、他に規定を設けた方がいいかとも考えております。 それから次に拡声機の使用の問題でありますが、これは衆議院議員の選挙に限り、選挙運動用拡声機の数を一そろえとするかどうか。これはもちろん衆議院の原案におきましては一そろえになつておりましたのを、参議院で二そろえにされたのでありますから、さらにこの点を前の国会における衆議院の原案通りにするということになれば一そろえにすることになるだろうと思いますけれども、立法の技術的な問題といたしましては、百四十一條の規定があるわけでありますが、これは衆議院の特例といたしませんで、あそこの中にあげております例の中で、特に衆議院議員の選挙というものを引出しまして、自動車一台。または船舶一隻、それから拡声機一そろえというように、そこに規定ではつきりいたしまして特例としないで、初めから衆議院の選挙はそのようにするということに改めた方が、もしやるとすればいいのではないかというように考えております。 それから三の連呼行為に使用する諸車でありますが、連呼行為に使用することができる自動車以外の諸車は、その台数を一台に制限する旨を明定することとするかどうか。これは法律の百六十四條の六でありまして、衆議院の原案におきましては、諸車の下に括弧をつけまして「一台に限る」となつておつたのを、参議院の修正の場合にそれが創られたのでありまして、これは参議院の方で、標旗等が、全国選出議員は別問題といたしまして地方選出議員等につきましては一つしか使えないということになりますので、実際は一つの標旗でなければ、連呼行為も街頭行為もできないというようなことになるわけでありまして旗も一本でありまするから、一本を掲げるためには、自動車以外の諸車も自然に一台ということに限定されるというような解釈から、参議院ではそういうふうに直されたように聞いておりますが、多少解釈上の疑義もないわけではありませんので、もしはつきりすることがよければ、衆議院案通り一台に限るというように、さらにかえた方がいいのではないかというふうに考えられるわけであります。 それから四の個人演説会に使用するポスターであります。これは法第百六十四條の二の第十項と法第二百一條の三との関係でありますが、これは多少技術的な問題になるわけでありますが、解釈上も多少の疑義がないわけでありませんで、この点は参議院の修正によりまして二百一條の三という規定等が新たに置かれたわけであります。それは御承知の通り百四十一條の五項に規定してございまする選挙運動用ポスターというものを、従来、この前の衆議院の案におきましては、全然削除いたしまして、いわゆる演説会告知用のポスター以外には、選挙運動用のポスターは一切やめようということに、われわれの案ではいたしておつたのであります。ところが参議院の修正におきまして、一応この規定の形式の上におきましては、衆議院の選挙につきましても、選挙運動用ポスター、いわゆるタブロイド版のポスターでありますが。それを従来通り規定の上では認める。ただ枚数が三千枚でありましたのを、ほかの場合と同じように二千枚に減らすということに、規定上はなつておつたのであります。第百六十一條の規定で、衆議院の選挙については一方の方で規定があるけれども、特例としまして選挙運動用ポスターは使えないのだというような規定を、二百一條の三に置いてあるわけであります。ところがこれは非常にこまかいことになるわけでありますが、御承知の通り個人演説会の会場外におきましては、演説会の告知用のポスターと立札を公営でやつてくれるものと、それからちようちんを個人負担で一箇だけ掲げる以外は、一切認めないということになるわけでありますが、規定上は多少二百一條の三のような形式でありますと、表の個人演説会の会場の外に、選挙運動用のポスターではありませんが、それ以外のポスターを告知用ポスター以外に張れるきらいがないでもないわけでありますので、この点の関係をこの際明らかにするかどうかという意味で、ここに掲げた次第であります。二百一條三の規定は「選挙運動のために使用するポスターは、第百四十三條第一項第一号から第四号まで及び第百六十四條の二第七項に規定するものの外は、掲示することができない。」こうなつておるのでございます。それで一号から四号までに規定するもののほかということで、五号のポスターを掲げてないことによりまして先ほど申しました二千枚のポスターは掲示できないということになるわけであります。四号までに規定するもののほかという四号の中には、実は百四十三條の四号は「演説会場においてその演説会の開催中及び街頭演説の場所においてその演説中使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類」こうなつておるわけでありまして、いわゆる選挙運動用ポスターは五号のポスターではありませんけれども、演説会の開催中使用するポスターというものが、四号の中には一応あるわけであります。これはある会場の中で張れるだけでなく、その問題をはつきりさせるかどうか、こういう問題でございます。 以上は御指示によりましてあげられました点。あるいは新聞等に出ておりました点の問題点を、ただ掲げたにすぎないのであります。
○小澤委員長 鍛冶君。
○鍛冶委員 この研究事項中、ただいまの説明を承つておりましたが、第一の(1)の(イ)、(ロ)、(ハ)、これは私の考えとしては、こういうものもやはり演説会の回数に認むべきだと思うのであります。でありまするが、ただ問題は、こういうものを回数に認めるときは前もつて届け出て、向うから許可を得るようなことをして、そうして立看板をもらつてでなければできないと思うのです。こういうものは行つたときちよつとあるのを利用してひよつとやる場合に、そういうことを何か実際上において取締るというか、それを区わけをする方法があるかどうか、これで私はきまると思うのです。そうでないならば、これはしかたないからやめることにしなければならぬが、これはたいてい行つてみて人が集まりておる。それじやちよつとやらしてくれぬかという場合です。そうすると、前もつて届け出て、回数に入れて、立看板を張つてからやるということは間に合わぬことです。そこでそういうことに何か便法があるかどうか、この点が一番問題になると思いますが、これはどうですか。一つずつそれに対する質疑をしましようか。これについての意見を当局からひとつ……。
○三浦法制局参事 なおほかの方の御意見を——取締り当局の方からお聞きになるのはけつこうでございますが、大体これはほかの便法がない、かように考えております。と申しますのは、御承知の通り前項の規定の適用については、こういう合同演説会なり、こういう形態の演説会につきましても、こういう個人演説会と同様とみなすということになりまして、個人演説会の開催期日二日前に届け出て、所定の手続をとつて、そうして表に立看板を出して個人がちようちんをつけるなり何なりしなければやれないということに考えておりましてこの点の立法の趣旨をさように私は了承しておりますから、便法はない。そういう手続を経ない限りは、事案問題としてこういう演説会に行つて演説が行えない。
○鍛冶委員 それはそうだが、実際問題として問題が起りませんかな。
○三浦法制局参事 それでなおつけ加えておきますが、今のかりにそれをやつたという場合におきましては、この法律に規定する先ほど私が読み上げました、ここにあります百六十四條の三でありまするが、「この法律の規定により行う立会演説会及び個人演説会を除く外、いかなる名義をもつてするを問わず、開催することができない。」ということになりますので、その違反、こういうことになります。
○鍛冶委員 開催するということは、こつちで開催して、そうして届け出て看板を張つてやる場合だが、向うでやつておるのにちよつと便乗するので、これはこつちの開催ではない。たまたまそこへ行つて演説をやるだけなんです。これはもう少し考えてみましよう。これは重大です。
○小澤委員長 鍛冶君、どうです。その考えてみましようというよりは、君はこうしたらいいじやないかという結論を言つてもらつた方が……。考えてみましようじや進まない。
○鍛冶委員 私は禁止した方がいいと思いますが、はたして禁止ができるかどうか。それから禁止ができないとするならば、取締りができるかどうか。なかなか私は禁止ができないのじやないかと思うのです。
○小澤委員長 お話し中だが、それは開催することができないという問題であるけれども、他人の開催したのに出席もできないことにすればいいでしよう。
○鍛冶委員 まあそういうことです。
○小澤委員長 演説を禁止するという趣旨ならば、脱法的にそういうことをやられては困るということなんでしよう。
○鍛冶委員 そういうことなんです。他人が開催したのにも出席することができない。
○三浦法制局参事 従つて百六十四條の二の二項の場合は、出席ということに実際はなるわけです。形式上はよそが開いたというような形になつて、自分が出る。しかしながら法律上は自分個人が開催したようになつていますけれども、事実上は出席なんです。
○鍛冶委員 それは禁止するよりほかないでしようが、はたして取締ることができるかどうかということになる。 次の(2)ですが、これは公営施設の場合は五時間にきまつているのですね。私は四時間もいらぬのじやないかと思う。そう五時間なんてめつたにやることはない。私はできたら三時間か四時間でいいと思う。しかし五時間の方がいいとおつしやるならそれでもいいが、もちろん制限すべきで、あとの(ロ)の場合も制限すべきものである、かように考えます。 それから、(3)ですが、これはかねて衆議院ではこういうものはなくなつたものを、参議院で挿入して来られたので、われわれは議院の真意はわからない。これはどこまでも廃止すべきもので、前の衆議院できめた通りの原案に復活してもらいたい。そうすればこれはすべて論ずる必要はありません。私の意見はそうです。 それから二の拡声機の使用も、衆議院の原案通りもとしていただきたい。 それから三はここに書いてある通り、疑義をなくすために一台ということをやつてもらいたい。 それから四は、これは個人演説会のポスターの使用を禁止してしまえば、論ずる必要はないことだと思いますから論じません。ぜひさようにお願いいたします。
○立花委員 一番ですが、やはりこれは個人演説会というものは、どういうものかということをはつきりしておかないと、問題が出て来るのじやないかと思います。現在行われております公安條例等によりましても、あるいは今度出すといつておられるデモ、集会制限法などによりましても、一般的な集会は取締りの対象になつておりますが、特定の団体の会合等に対しては、これは取締りの対象になつていないわけです。たとえば婦人会とかあるいは一定の団体の会合、特定の人が集まることについては、私取締りの対象になつていないと思うのですが、このように婦人会その他の集会ということになりますと、これは非常に漠然たる集会全体に対するところの何があつて、その区別が非常にあいまいである。こうなつて参りますと、人の集まつているところへは、ほとんど行つてあいさつができないということになりまして、これは個人演説会とは非常に性格の違つたものまで、個人演説会として六十回のわくの中へ入れてしまつて、制限するということになりまして、これは非常に私は無理だと思う。だから個人演説会とはやはり正式な演説会であつて、不特定多数を集めるというふうなものを個人演説会として、その他のこういうふうな特定の人が特定の場所に集まるというようなものに対してまで、選挙の言論を制限する必要はないと思う。その点を明確にしていただく必要があると思いますのと、もう一つは、個人演説会の問題で、映画、芝居等とありますが、これは必ずしも商業用の映画あるいは屋内の映画とは限られませんし、またその他におきましても、会社、工場等の休憩時間等を利用する場合におきましても、屋内とは限られておりませんので、街頭の形がとられると思います。そういう場合は個人演説会ではないと思うのですが、これだけでは非常に不明確だと思いますが、その点どうお考えになつておりますか。その二点を一つ一の問題についてお聞きしておきたい。
○小澤委員長 立花君。何か質問の形ですか。
○立花委員 そうです。
○小澤委員長 質問といつても、大体わかつているのだから、あなたの意見を、率直にこうした方がいいということを言つてもらえませんか。
○立花委員 だから聞かないとわからないのだ。どういうつもりで出して来たのか。その他の集会というその他にはどういうものを含めるのか。
○中川委員 これは婦人会その他、なるほど今立花君の言うようにややつこしいと思います。個人演説会というのは、候補者同人が主催するのですから、これはいかなる集会にもというように、何かそこを限定しないと、そうかもしれない。私もそう思う。
○三浦法制局参事 ここにあげてありますのは、これは新聞等に出ておりました言葉を、ただこういう問題が出ておるということをあげたのでありまして現在の法律の解釈は、先ほど私が申し上げました百六十四條の二の二項の問題と、百六十四條の三の規定に関係するわけであります。従いまして婦人会その他の集会、これはたとえば青年会がやりましようが、どういうあれがやりましようが、とにかくそういう集会で、だれか候補者の演説を聞きたいというようなことで、出かけて行つてやるという場合におきましては、百六十四條の二の規定の適用があることになつて、つまり候補者のために合同して行う演説会、こういうことになります。あるいは一人だけであればその形式はどうであろうとも、いかなる名義をもつてするを問わず、一人で出かけた場合には、それは座談会というような形になるだろうと思いますが、そういうようなことになつて個人演説会の形態として、そこで行つた演説は、演説の六十回の回数の中に通算される、こういうわけであります。ただこの点だけは別問題だと考えておりますのは、いわゆる個々面接行為と申しますか、大勢集まつております場合に出てあいさつをする、よろしく頼むということである場合においては、従来の取扱いにおきましても、それは演説というように見ておりませんので、そういう限度で簡単にとどまる場合におきましては、もちろんここに取上げておる問題にはならない、かように考えております。
○立花委員 それならなおさら、演説の内容まで、これは演説であるかあいさつであるか、それによつて区別があるのだとなつて来ると、ますます問題だと思う、どこまでが演説で、どこまでがあいさつだか、一体どうしてきめるか。それから会合を、いかなる名義をもつてするも個人演説会はできないということにしたら、個人演説会であつたら、いかなる名目をもつてもやることはできないことは一応了解できますが、実際に個人演説会でない婦人会の会合に出てあいさつするということも、個人演説会とみなすということはおかしいので、いかなる名目をもつてするにしても、個人演説会をやつてはいけないということに当てはめるのは無理だと思う。元来は別問題なんだから、実質は個人演説会をやりながら、それを変な名目をつけるということは、話の上ではわかるが、しかし元来は個人演説会でないものを、個人演説会に規定するということがおかしい。しかも演説会自体がそうである上に、今度はそれが演説であるか、あいさつであるか区別しなければならぬ、こうなつて参ると、この條文は、こんなものがあるがために、どうにでも取締りができて、非常に一方的な取締りができるわけでありまして、その点を明確にしておかないと、こういうものがあるために、私どもの民主陣営はかえつて弾圧を受けるおそれがあると思う。その点をはつきりしてもらいたい。
○三浦法制局参事 それは百六十四條の二の規定を、具体的にひとつあれしていただいたらいいと思つておりますが、百六十四條の二の一項は、衆議院議員の「候補者は、第百六十一條に規定する施設及びこれらの施設以外の施設を使用して、個人演説会を六十回以内開催することができる。」というようになつております。従いまして、こういう開催形態以外に、先ほど申し上げた婦人会その他の集会に出て行つてやるという場合は、本来の個人演説会でありませんが、しかしながら個人演説会の回数を制限した以上は、その回数の中に入れないと、脱法行為が行われますがゆえに、特に百六十四條の二の二項の規定を置きまして、「前項の規定の適用については、いかなる名義をもつてするを問わず、選挙運動のためにする座談会、候補者が共同して行う演説会及び候補者のために合同して行う演説会は、同項の個人演説会とみなす。」と書いてあるわけです。個人が初めから自分で主催するということでなくてほかが主催するのに自分が出かけて行つて演説するということは、もちろん個人演説会でないわけです。従いまして今言つたような規定を置きまして、適用については個人演説会とみなすと、そこまでもこれは規定しておるわけでありまして、これはこの前の小委員会のときに御承知になつておることだと、私は考えておつたわけなんであります。 それから第二の問題は、今度は演説の場合とそれからあいさつの場合とは、これは確かに法律の上でははつきりいたしていない点は事実ございます。それは御承知の通り戸別訪問と個個面接行為というものが、戸別訪問については禁止がございますけれども、個々面接については特別の規定がなくて、従来放任されておるというのと同じように、個々面接は演説というところまで行かなくて、どうぞよろしく頼むという簡單なそれだけのことで、道路上で人と会つてあいさつしようが、どこかへ行つてやろうが、個々面接だ、こういうことになる。演説のように政見なり何なりの内容が、その中に含まれていないわけですから、演説の態様をなさないわけです。従つてそういうものは個々面接行為として、従来長い間取扱つて来ておるわけでありますから、法律上に規定はありませんけれども、取扱い上は、一応はつきりしているという建前で、規定してあるわけであります。
○小澤委員長 三浦君の意見では、芝居の幕合いで、私は小澤佐重喜であります。よろしくお願いしますというのはよろしいということですか。
○三浦法制局参事 それだけはあいさつ行為でいい……。
○立花委員 今幕合いのことを委員長から出されましたが、本来の会合の場合、これは懇談会でも何でもない場合の会合へ出てあいさつすることまで、これで禁止しようとされるのかどうか。一体どういう意味でこれをお出しになつたのか。そういうものまでさらに拡張して、本来のあらゆる会合であいさつすることまで拘束されようというのか。これをお出しになつた意図を御説明願いたい。
○小澤委員長 この委員会の審議している事項は、三浦君は原案提出者じやないので、ただ法制上のことを聞くのだから、あなたと意見が違つたからといつたつて、それは委員会の意見が通るのだから、ここで討論してもしようがない。
○中村(寅)委員 ぼくの地方では、最近公民館等で、各党の代表というような形で演説会が行われております。そうすると、その出て行つた代表者というのは、個人の演説会でなくて、やはり党の代表というような形でやるのか、そこの限界が私はつかぬと思うのです。それはやはり先ほどのように、個人演説会の中に入るのか入らないのかということも明確にしておかなければ、最近非常にそれがふえて来た。出て行く者は党の代表として出るけれども、結局自分の選挙区であるから、やはり自分の演説のような形でやつておるというのが非常に多いのです。そういうものも、やはり個人演説会の回数に入れるかどうか。
○小澤委員長 それは期間中ですか、選挙期間が来ないうちのことですか、あなたの言うのは。
○中村(寅)委員 今もやつていますが、選挙が始まつてからもやると思うのです。
○小澤委員長 選挙が始まれば、立会い演説、この法律では合同演説ということになると思うね。
○中村(寅)委員 これは各候補者を出すのとは違つて、特定の党から代表者として出させる場合は、立候補しているのかいないのかわからない。おそらく立候補している者もあれば立候補していない者もある。
○小澤委員長 していない者は、たとえば五人で演説会をやつて、三人が立候補しておれば、その三人の合同演説会とこの法律ではみなすことになる。これは選挙中のことで、今やるのは別です。
○中村(寅)委員 みなせますかね。
○小澤委員長 それはそうだろう、三浦君。当然だろうな。
○三浦法制局参事 それともう一つは、百六十四條の三で、「この法律の規定により行う立会演説会及び個人演説会を除く外、いかなる名義をもつてするを問わず、開催することができない。」というような規定がほかにありますから、それとこの前からきまつております通り、政党がやります演説会は一定の制限のもとに一選挙区一回、それから今のように立会演説会と個人演説会以外は、一切開くことができないということで制限されて、ほかの演説会は今後は開けないことになりますから、もし開いた場合において、それに出れば、さつきの百六十四條の二の二項の個人演説会の開催とみなされる規定の適用がある、こういうことになるだろうと思います。
○並木委員 そこで今までのお話を伺つておつて、やはり自分の考えが間違いでないと思うのですけれども、個人演説会という趣旨は、自分で主催をしてやる演説会だ。人が催しているところへ便乗して、そこに行つて演説をやるということは、われわれは考えておらなかつたわけです。今の立会演説会も、これは禁止でございます。ところがさつきからのお話を考えてみると、たとえばある団体で会合を催して、そこにたまたま個人演説会と称して私が呼ばれる。その次に私が終つたあと、別の候補者が出て来てその人の個人演説会の一回分として演説をやる。立会演説と同じようなことができるわけになるのです。そういう矛盾もありますので、やはりこの演説会というものは、候補者が主催をする演説会に限る。ほかの者は一切できないのだというふうにしませんといけないのじやないか。映画会の幕合いにちよつと行つてあいさつするといつたつて、そのときは堂々たる演説に相当する。ただ短かい、長いの違いがあるだけだと思うのです。もちろんそういうものも禁止する建前でなければ、私は公明選挙、公職選挙法の趣旨に合わないと思う。また取締りの方からいつても、実際問題として取締りができないと思う。
○小澤委員長 それは鍛冶君の意見と同じだと思う。
○鍛冶委員 私は取締り当局の意見を聞いたのですが、やはり今並木君の言われるように、個人演説会は自分で開催する場合で、これは人の開催する場合に便乗するのであるから、個人演説会に入らないのだ。言いかえれば取締りの対象にならぬのだ。そうなると、この間朝日新聞の言つておる通りの非難が起る。取締りは困難だけれども、やはりこういうことはやれぬことにして、他人の開催する集会を利用する場合もこれをしてはいかぬ、こういうことをひとつ載せておかなければいかぬと思う。他人の開催したる集会を利用する場合もいかぬ。これを明確にしておかぬといかぬ、こう考える。ただしこの取締りは容易じやありませんよ。これはひとつ考えてもらわなければならぬ。
○小澤委員長 それじや国警の中川君の今の質問に対する見解をひとつ。
○中川説明員 この間の朝日新聞は全然存じないのですけれども、この法律につきましては、いろいろ私たち直接第一線で研究する関係もありますので、現在勉強しているのですが、ただいまお話の事案につきましても、三浦法制部長のおつしやつた解釈も、一つのりつぱな御意見だと思うのですが、最後の有罪の判決のその前の諸般の手読取締りの段階につきましては、文字等につきまして非常に研究する事項があるのじやなかろうかと思うのです。と申しますのは、まず第一にお話になりました第百六十四條の二の第二項に、こういうものはいかなる名義をもつてするを問わず、みなされるということなんですが、そのみなされる実体は座談会であり、演説会である。だから座談会か演説会でなければみなされない、こういうことになりますので、座談会、演説会というためには、話される方と聞く方とに共通の目的がなくてはならぬ。だから幕合い等による場合におきましては、消極に解すべきじやなかろうか、会という文字をとつておりますときに、どういたしましても、話をされる方と聞かれる方とに共通の目的があるということは、沿革上の理由がございまして、前に臨時特例法のときに、街頭演説会という文字を法律は使つておつたのですが、国会でおつくりになりました公職選挙法には、街頭演説会ということをおつしやらずに、街頭演説会ということで、あれは聞く方は路上を歩くのが目的である。話す方はその路上を歩く人に対して話しかけるのである。従つて街頭演説会という文字を改正されまして、演説と直された沿革上の理由もございますので、会というて、話す方と聞く方と両方の共通の目的がない限りは、一項の個人演説会とみなされない、こう理解する方が、検事さんが起訴されるにいたしましても、裁判の判決をするにいたしましても、明瞭でなかろうか、こういうふうに理解しておるのです。 それからその次にお話になりました百六十四條の三でありますが、これは候補者以外の者が開催されますのは、その本文は、選挙運動のためにする演説会をすることができないのである。演説会でない演説は合法である。但し街頭演説につきましては、別の條文がありますから、別の規制を受けますけれども、街頭演説でもなく演説会でもない選挙運動のためにする演説は、禁止されていない行為である。罪刑法定主義の建前から行つて、そう読むのが一つの読み方ではなかろうか。私どもはどういたしましても、裁判ということを予定いたしますので、そういう研究をいたしておりますが、これは内輪の研究であります。
○小澤委員長 そこで聞きますが、それではあなた方が今言つたような解釈をするについて、現在鍛冶君なり並木君の考え通りに適用して、解釈してもらうのには、どう直せばいいかという意見を、参考に言つてもらいたい。
○中川説明員 これは立法の文字の使い方でありますが、私はまだ練つておりませんけれども、根こそぎやろうとすれば、まず最後の百六十四條の三につきましては、ずつと原案通りで、選挙運動のためにする演説は、これを主語にいたしまして、これこれを除くのほかこれをすることはできない、こういうふうに会という文字を削らなければいけないと思う。それから前のみなす方も、いかなる名義をもつてするを問わず、演説会、座談会、その他演説による選挙運動は、前項のようにみなす。そうすると幕合いも全部入る、こういうことになるが、立法の方は国会が御自由にきめることと思います。
○小澤委員長 それは参考に承つておきます。
○河野(金)委員 私は愛知県なんですが、愛知県というのはばかに仏教の盛んな所で、説教というのがしよつちゆうある。そこである候補者に好意を持つた坊主は、必ず説教の話の中に、何何さんはいい人だから頼むと言つてやるし、また候補者もそういう者と連絡をとつておいて、その時間にちよつと行つて、説教の途中でも出てやるのです。それが非常に効果を発揮しておるわけなんです。最近は坊主も金次第でありまして、金を使うやつの言うことをよく聞くわけなんです。こういうことを禁止しないと、せつかくほかの方だけ一生懸命やつていても、大きく抜けてしまうから、今並木君や何かの言うように、個人の意思で個人演説会をやるのは、これは当然届けてやるからいいが、そのほかのものも、いろいろな集会に行つて、あいさつをしたり何かすることができないようにしないと、こまかい二つや三つを制限してみたつて、全然無意味になるから、どうせ制限するならそういうものまでできないようにする。やらないなら共産党の喜ぶようにしたらいいが、私は個人としては賛成できないから、そういうところまで制限できるようにしてもらいたい。
○小澤委員長 今の問題は大体その線で……。そうすると大体一の問題は御意見なり考え方が共通になつて来たと思います。 今度は(2)の問題、演説会の時間の問題ですね。この問題について意見を承りましよう。これは五時間以内でいいですか。(「一つ所で五時間やつているばかはいないよ」と呼ぶ者あり)この問題はどこかで議論があつた。参議院と思いましたが、たとえば繁華な土地に持つて来て都合のいい演説会をやる。立看板を立てて、朝の六時から晩の九時まで演説会と称して、拡声機二台を備えてやられたらかなわないという意見があつたので、これは時間は大体大まかでかまわぬから、制限する方がいいという意味だと思いますから、大体五時間以内でいいですね。
○前田(種)委員 晩の十二時過ぎてもやられるという場合が、町ではないが、やつているとこもある。そういうことがいいのかどうか。いなかに行くと十二時過ぎてもまだ演説会をやる。そういうところが地区によつてあるらしい。そういう場合の制限はしなくてもいいかどうか。
○小澤委員長 また五時間以上許してしまつたら、これは制限しないと同じことだね。十時間を認めてしまつたら、二十四時間やることになる。五時間ぐらいでいいのじやないか。
○前田(種)委員 六時から演説会をやりますと言つたその時間で押えるか、開会した時間で押えるか、その点はどうですか。一時間ぐらいずれる場合が往々にしてありますから……。
○小澤委員長 それは開会してから五時間でいいですね。
○中川委員 それは取締り官憲が立ち会うのですか。それは問題を起すですね。選挙管理委員会がどこまでも立ち会うのならばいいが……。
○三浦法制局参事 とにかく今度は私宅でやりますから、取締りがむずかしいのです。
○小澤委員長 しかし五時間以内と規定して、五時間半ぐらいやつたところが、大した問題ではない。ただ問題は、時間がないために、朝の六時から晩の九時までやつておられたのでは、かなわぬという意味だから、三十分、四十分で何もこれを取締らなくてもいいのじやないか。それでは五時間以内ということにいたしましよう。
○鍛冶委員 今のお話で、これは立看板を立ててもらうのですから、それに何時から何時までと書いてもらつたらいい。そうすると、そういう問題は起つて来ないと思う。
○小澤委員長 公営の設備をする場合に、何時から何時までと……。
○鍛冶委員 その立看板に書くのです。だれそれの演説会は何時から何時までと……。
○三浦法制局参事 個人がお書きになるのでしよう。立看板は公営ですから……。
○小澤委員長 それはそうするように法律を考えてください。條文をつくるときに、政令でも何でもいいから入れなければならぬ。
○金丸説明員 もつともその点は罰則がありませんから、五時間ということはただ政令上皆さんのお約束ということになります。だから法律に書きませんければ、罰則をもつて五時間以上越える場合を制限するということは……。
○小澤委員長 立看板に書くということは法律上どうかということで、むしろそれは政令でやつたらどうかという意味です。
○中村(寅)委員 看板に書いた時間をもつて限定して行かなければならぬ。
○小澤委員長 それでは(3)の個人演説会告知用ポスター、まず(イ)の個人演説会告知用ポスターを二回以上使用することを禁止することとするかどうか。これは私の記憶では、三浦君と違うが、二回以上使わぬということに前回きめたように思つております。それは過ぎたことだからどうにもしようがないから、元通りに二回以上使えないことに、法律がそうなつていなければそう直してもらう。どうです皆さん。
○鍛冶委員 それよりポスターをやめたらどうですか。参議院が何のためにこういうふうにやつて来たか。衆議院では告知用ポスターはなかつたでしようね。
○小澤委員長 四百枚あつたのです。演説会の回数をふやして倍にしたのです。つまりこちらでは四十回の制限で一回十枚というのを向うでは六十回にして二十枚、こういうことにしたのです。
○石原(登)委員 つくるのは選挙管理委員会がつくつて、張るやつはわれわれが張るのですか。
○小澤委員長 そうです。二回以上使用しない。しかし枚数や何かは参議院の案で行く。
○鍛冶委員 私は枚数はよろしいが、公営ならなぜ向うで張つてくれないのか。
○小澤委員長 実際上は張れないよ。
○前田(種)委員 これはこれでよろしいですが、政党の政治活動のときのポスターの千枚の口、これは千枚でよろしいが、かりに棄権防止自由党、棄権防止社会党というようなポスターを張ることはどうなるか。それも禁止されておるのかどうか。政党の政治活動は千枚のポスターが許されているが、棄権防止は選挙運動じやないが、公明選挙とかいうことを党の名前を書いて張ることはいかぬと思う。その点はどうか。
○小澤委員長 ここはぼくも疑問に思つていた。そればかりでなしに、たとえば標語等を張ることがいいか悪いかという問題も疑問だ。
○金丸説明員 現行法の百四十六條に「何人も、選挙運動の期間中は、著述、演芸等の広告その他いかなる名義をもつてするを問わず、第百四十二條又は第百四十三條の禁止を免れる行為として、公職の候補者の氏名、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し又は掲示することができない。」という規定がありますので、できないと解釈できるのじやないかと思います。
○中川説明員 と申しますのは、百四十二條、百四十三條というのは選挙運動のための禁止なんです。棄権防止とか、公明選挙のための行為はよいのだ。選挙運動のために候補者の名前を書いて、あつちこつちへ持つて行くのはよくないが、当選を得る目的でなしに、公明なる選挙を施行する目的で棄権しないことにいたしましようというのは、そこはちよつと疑問だと思います。必ずしも反対しませんが……。
○小澤委員長 それは君の意見として聞いておきますが、目的が公明ならば政党の名前を出してもかまわぬという解釈だが、一歩進んで政党の政策を浸透する意味において、標語等を出した場合にはどうなるか。これは別な見解で三浦部長からちよつと……。
○三浦法制局参事 先ほど金丸君からお話がありましたのは、私も中川君からお話がありましたと同じように、百四十六條は「百四十二條又は百四十三條の禁止を免かれる行為として、」とありまして、これは選挙運動のための文書図画でありまして、今の政党の活動の場合におきましては、ことにさつきのように棄権防止のような選挙運動には当りませんから、この問題には触れないと思つておりまして、私は今度改正されました二百一條の五の規定によつて、それを禁止しておると、かように実は了解しておりますし、さように考えております。二百一條の五は、「衆議院議員の総選挙においては、政党その他の政治団体は、その政治活動のうち、政談演説会及び街頭演説(連呼行為を含む。)の開催並びに宣伝告知のための自動車の使用及びポスターの掲示については、その選挙運動の期間中に限り、これをすることができない。」とあつて、「但し、」云々で「二十五人以上」とありまして、そのポスターの掲示については、選挙運動の期間中に限つてすることはできるが、そのポスターは同項の第四号に「ポスターの掲示については、政策の普及宣伝用及び演説の告知用として一選挙区につき千枚以内」ということで、ポスターの使用の枚数を限定しておりますので、この範囲内において千枚以内でやるならばよろしい。従いまして棄権防止ということを書こうが、政党の主義を書こうが、それは少くとも衆議院議員の総選挙期間中はだめだと、かように考えているわけであります。
○前田(種)委員 今の項目は罰則規定がありますか。
○三浦法制局参事 一、百五十二條の二に、「政党その他の政治団体が」——今読上げましたのは二百一條の五ですが、「二百一條の五第一項の規定に違反して政治活動をしたときは、その政党その他の政治団体の役職員又は構成員として当該違反行為をした者は、五千円以上十万円以下の罰金に処する。」それですからポスター等につきましては、今のやつにひつかかるわけであります。
○小澤委員長 そこで大体解釈はわかりましたが、今度は皆さんの御意見を伺うのですが、今前田さんの言われました、あるいは私の言いましたポスターのようなものは、禁止した方がいいということにきめますか。それとも緩和する方がいいということにしますか。
○前田(種)委員 ぼくはやはり千枚に限定したのは、それを許せば町はポスターで氾濫するのだ。だからそれをやめるために、一選挙区に千枚ということに大体各党ともそれぞれ制限すれば、町もきれいだし、やはり禁止した方がいい。
○小澤委員長 それでいいですね。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小澤委員長 そうすると、今度はこつちの解釈ですが、今中川君と金丸君と三浦君との意見が違うが、今三浦君の解釈通りであなた方も進めるかどうかという問題で、そう解釈を違われては何にもならぬ。それでそういう解釈ができなかつた場合には、こういう改正をしてもらいたいということをこちらまで出してください。現行法でよければこのままで進みますし、それで納得が行かなければ、あなた方の方で、こつちの解釈に従うのには、こういう條文の訂正をしてもらいたいということを、至急に申し出てください。
○立花委員 問題はポスターですね。これはここに二回以上使つてはいけない。それの具体的な場合として(A)、(B)、(C)、(D)と四つあげてあります。
○三浦法制局参事 これは例示だけなんです。條文に書きます場合には、こういうふうに書くわけではございません。こういう場合にはこういうふうにするのだということで、二回以上使つてはいけないという禁止規定です。
○立花委員 條文はどうなるのですか。
○小澤委員長 これはこの次に準備してもらつて最後の仕上げが済みましたら……。一回しか使えないということにしようということですから、御賛成を願います。 それから(ロ)の問題ですが、これは当然のことで他人に譲渡することはできないのですから、これがもしできるような規定になつたら禁止してもらうということは当然だと思います。 それから二へ移りまして、拡声機の使用です。これは先般の本委員会の通り一台ということで……。
○立花委員 これは街頭演説と個人演説とはどうなるのですか。
○小澤委員長 それは一台で、街頭演説の許可証を屋内屋外へ持つて行こうと自由であります。
○立花委員 それは両方同時にやれるわけでしよう。 〔「できないじやないか」と呼ぶ者あり〕
○前田(種)委員 参議院の修正案ではできるんです。
○小澤委員長 だから衆議院の案で……。
○鍛冶委員 それはとりかえるのがめんどうだからというのですが、とんでもないことです。これはただ許可証を持つて行けばいいわけです。
○立花委員 法の建前からいつて両方同時にやれるのだから、マイクが一台というばかなことはない。
○小澤委員長 この問題は前回においても共産党は反対したのですから、ただいまのような立花君の御意見は論理一貫しておると思う。ですから、けつこうなことですが、他の人々は全部賛成されておるはずです。
○立花委員 論理一貫じやなしに、法の建前からいつても、同時に街頭演説会と屋内演説会がやれるのに、マイクが一台ではいかなる場合でも無理で、不合理です。両方なければやれない。街頭演説会もいりますし、屋内演説会でも、千名以上の場合はマイクがなければやれません。
○前田(種)委員 問題は一台にした場合に、日比谷の公会堂とか、大阪の中央公会堂のような備えつけのマイクの設備がある会場を借りる場合に、鑑札がなければ使えないということになると、マイクだけ別に負担せなければならぬが、そういう場合にどうするかという点を、もう少しはつきりしていただきたいと思う。
○小澤委員長 そういう備えつけのあるところはいいようにしてもらつたらどうですか。 〔「それはいかぬ」と呼ぶ者あり〕
○井手委員 立花君の説を引用するとこういうふうになるのです。演説会場を何箇所もやつている場合に、六十回の範囲内では一日に五回演説会をやつてもいいのですから、各演説会場にマイクがあつてもいいということになる。だからわれわれは二台以上はいかぬと言つているのです。つまり二台も使えるということになると、五回の演説会場では十台も使えることになるから、それはいかぬと言つているのです。もしどうしても必要があるなら、本人が演説をするのだから、本人の鑑札を使つて、一台あれば活用できるのですから、その範囲でやるべきだと思う。それを許したならば、一日、五回やれば十台のマイクを使えるという解釈になると思う。
○小澤委員長 立花君の意見も井手君の意見もわかりました。問題は、マイクの備えつけのある会場の場合にどうかという問題が残つている。
○並木委員 それは解決つくと思います。今井手委員からもお話がありましたように、特定のマイクを一台しか使えないという建前にもしなつておつたら、それを訂正して許可証主義、標識主義にして、たれが見てもわかるようにして、その標識のあるマイクを一台使うことができるようにする。こういうふうにすれば、その標識を日比谷の公会堂へ持つて行つてそのマイクヘつければ使える。建前は常に一つのマイクしか使えない。そういうことはできるだろうと私は思う。
○小澤委員長 そうすると、今の並木君の御意見を具体的に表わしてみますと、こちらで屋内演説会をやつており、こちらで同時に街頭演説会をやつております。その場合に、そこに拡声機が備えつけてあつても、許可証がなければそれは使用できぬ。こつちの演説会場では使えるが、こつちは使えないというのが並木君の御意見ですが、その通りでいいですか。 〔「その通り」と呼ぶ者あり〕
○立花委員 だから、一定の時間に二箇所やれるのだから、二台なければいけないと言つておるので、一日に五回もやる場合には五台なければいかぬとそんなことを言つておるのではない。それは一定のときに必ず二回やれますよ。その場合に二つなければならない。しかも一台で、鑑札一枚にすると、街頭演説をやれば屋内演説はやめなければならぬ。それでは不合理です。
○小澤委員長 それではこれはそういうことにします。 次は三の連呼行為に使用する諸車、これは鍛冶君覚えているだろう。参議院の修正をのむかのまぬかというときに、参議院のをのんだのだろう。
○鍛冶委員 のんだ。それでこういう疑いがあるということを言つたが、これはやはり一台の意味であるということを、速記録に残しておくということで疑いなかつた。三浦君のごときは制限なくやれることになつたと言つておられるから、一台としておいた方が間違いはない。
○小澤委員長 それではこの問題は一台ということにはつきりしておきます。 次は四の個人演説会に使用するポスター、これは立法技術の用語の問題らしいから、具体的に立法が出ましてから、皆さんの御意見を承ります。 この問題は、大体皆さんの空気がわかりましたから、三浦君の方で法文化をしてもらいまして、明日あたり正式の採決をすることにしてよろしゆうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小澤委員長 そういうことに決定いたします。 今の問題とは別に、中川君の方から委員会に陳情したいことがあるそうです。
○中川説明員 まず一つは、法律の二百三十五條の二の第二号でありますが、要するに定義せられた新聞雑誌以外のものが、選挙運動期間中にこの選挙に関する報道をしたことが、非合法になるという点でありますが、そうするとこの選挙に関しということを、何月何日選挙が行われるということだけを公示することも、非合法になるというふうに解しますと、たとえば公明選挙連盟等の機関紙が出まして、それが棄権防止をしたらこれも非合法になつてしまう。そういう解釈をとるということが第一……。
○小澤委員長 これは中川君まことに済みませんが、今ちよつと言われても判断ができないから、この次に成案を持つて来て、あなたの方で何か資料をこしらえて来てやつてもらつた方が、なお徹底すると思いますがね。
○中川説明員 よろしゆうございます。
○小澤委員長 それからもう一つ、これは急なもので与党の人に相談していなかつたんだが、実は自由党なら自由党、改進党なら改進党に所属する人は、証明書を出して立候補届をするわけです。ところが現在の政令によると、たとえば県連支部で出した者も町村支部で出した者でも、自由党にしてしまうのです。ところが衆議院とか参議院とかいう大きな選挙のときには、ほんとうは入党されていない方でも、町村の支部の証明書をもつて自由党あるいは社会党として出してしまわれると、非常に統制上困るので、衆議院とか参議院とかの国会議員は、本部の主宰者の証明がなければ、所属を受付けないということに政令をかえてもらいたいと思うのですけれども、どうでしようか。そうでないと統制がとれないので、国会議員の場合は、党本部の主宰者の証明がなければ、所属の証明書はできないというふうに、政府に要求しようと思うんですが……。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小澤委員長 ではそういうふうにあなた方の議決によつて要望することにいたします。
○鍛冶委員 これは参議院のあれをのむかのまぬかというときに、ずいぶん議論した問題ですが、百四十八條の三項の二号、これは要するに前に制限したものを、一年とあるのを六箇月に直した。これまではわれわれは賛成なんです。その次に「前号に該当する新聞紙又は雑誌を発行する者が発行する新聞紙又は雑誌で同号イ及びロの條件を具備するもの。」、こうした。要するに古いときにこういう條件があれば、その選挙目当に新しいものを出していいのだ、こうなつたのです。これはまことにとんでもないものが出て来る憂いがある。これは創ろうと言つたのですが、今度修正するときにはどうあつてもやろうと言つたので、これはやつてもらわなければならぬ。まつたくこれは選挙目当に出してもいいということになるのですよ。前に制限した新聞社であれば、選挙目当に出してもいいのだということになる。
○小澤委員長 この問題は新聞協会あたりの意見もあつて参議院でも相当苦慮したのだと思うのです。そこでこの問題はこの次まで各党で研究してもらうことにしたらどうでしよう。自由党内でもまた相談したいと思いますから、この次までの宿題にして、ペンデイングにして……。
○並木委員 それでは私は中川国警刑事部長に質問しておきたいのですけれども、最近の情勢を見ると、実際事前運動に該当するものが熾烈をきわめておるのです。ことに事前運動の取締りの期間たる六箇月以内に、期間的にもすべり込んでおります。当局としては、当然これに対して十分の取締りをやつておることと考えておりますけれども、この実況についてお尋ねしておきたいと思います。ああいうような実際悪質な事前運動というものが行われるのだつたら、われわれは正当防衛の意味で、対抗して行かなければならないような感じがしますけれども、何にいたしても、われわれは公明を標榜する公職選挙法委員会の委員でもありますし、忍ぶべからざることを忍んでいるのです。どうしてもこれは公平なる、かつ嚴重なる取締りをしてもらわなければ、今後正直者がばかを見、まじめな者が敗者になるという不公平が出るのでありまして、この際中川刑事部長にその点をとくとお尋ねしておきたいと思います。
○中川説明員 事前運動の取締りにつきましては、警察におきましては、検察庁、管理委員会等の関係機関と密接な連絡のもとに、非合法の点につきましては十分視察いたしまして、犯罪がありました面はどしどし検挙する、こういう態勢で行つているわけです。同時に公明選挙の一つの役割をする警告、それと検挙、こういう二つの段階でやつているわけですが、犯罪状況等につきましては、関係事案等が各地にありまして、証拠の固まりましたものについては、これを検挙する方針でございます。現在すでに警告を受けております件数は、全国を通じまして三十六件くらいございます。本日現在三十六件、それぞれ警告をいたしておるわけですが、また今後ももちろん警告もいたしますし、警告のみならず、犯罪の部分につきましては、証拠の上り次第ただちにこれを検挙して行きたい。それから選挙運動期間中に入つて、はつきりしたものは、もちろんその期間中といえども検挙する、こういうように、公明選挙運動の明るい面が展開されるように、われわれ取締りの面としての努力は全面的にこれをやつて行く、こういう状況でございますので、御了承願いたいと思います。
○並木委員 今聞いておりますと、警告件数はわれわれが考えたよりもはるかに少な過ぎる。こんなものかどうかということは非常に疑問であります。そこでその内容をちよつと聞いておきたい。警告を発しまたは検挙したものはどういうものであつたか。その内容を具体的に、ここで説明しておいていただきたいと思います。検挙数はないのですか。
○中川説明員 警告の内容につきましては種々さまざまでありますが、選挙投票を得る目的のためにいろいろやつた行為が三十六件、いろいろとあるのですが、暑中見舞あるいは追放解除のあいさつ、あるいは自己の経歴、政見を記載したこれこれの印刷物を頒布しておつた文書による事案、その他講演会の名目で、一種の饗応等が行われておつた事案であつて、この際警告によつてやめなければ次には検挙する、こういう事案、または戸別に歩きまして、大体投票を得る目的で歩いたと推定される事件がありましたので、これを検挙して参る。また図書等によつて投票を得る目的のためと推理できますもの等がございまして、そういう種類のものが現在まで三十六件であります。ただいま私が申しましたように、現在行われておる行為につきましては、この警告を聞いていただくことによつて、大体解決できると思いますものにつきましては警告をやる。もつとひどいものについては内偵を進めまして、検挙によつて防犯的役割を果して参りたい、こう思つております。検挙事案については、証拠というものがしつかり固まらなければいけませんので、その証拠の関係によつて若干ずれておりますけれども、検挙する方針でございますので、総選挙の告示のある以前におきましても検挙いたしますし、以後におきましても検挙いたして参るつもりでございます。
○田渕委員 地区的にはどうか。
○中川説明員 県別に申しますと、警告を受けた事案のある県は、北から申しますと、山形県、岩手県、山梨県、千葉県、福井県、兵庫県、和歌山県、広島県、宮崎県、熊本県、鹿兒島県、佐賀県。
○中川委員 あなたは刑事部長ですか。この前の刑事部長と違いますか。
○中川説明員 同じです。 〔委員長退席、鍛冶委員長代理着席〕
○中川委員 私ちよつとお伺いしておきたいのですが、今の警告です。警告もけつこうですが、この前あなたは選挙違反はかりにあつても、選挙運動期間中は公正なる選挙を害するという意味で、なるべく検挙しない、選挙後にするということをこの席でおつしやつた。私はそれを聞いた。私はそのとき悪質なものは、選挙中でも検挙すべきではないかと言つた。それは悪質なものは、選挙中といえども検挙すべきでありますが、ただここで一つ、そのとき井手君も発言されたと思いますが、あなた方中央におられる方はそういう観念はないけれども、地方におる警察では件数かせぎのためにむちやくちやをやる。いま一つは大臣をやつておつたものは、日本人というのは官尊民卑で、偉いように思いますが、私はばかだから大臣になれぬと思つておるけれども、そういうものに対してはむちやくちやなことをやつておつても検挙しない。全然傍観しておる。また警察官上りの候補者に対しては、警友会というものをつくつて、警察官が率先して動いておる例が現にある。そういうようなことは警察だからというので、警察は全然傍観的態度をとつておる。そういうようなことに対しては、法律は申すまでもなく、何人に対しても公平に扱われるべきでしよう。ところが実際問題として日本人は官尊民卑である。ことにあれは大臣をしておるのだから、大臣のきげんをそこねたら、おれらの将来の出世に関するというように、私は人間だから考えるだろうと思うのです。そういうことによつて法の適用を左右するという事例が、かなりあるのです。私の方にかなりあるのです。だから検挙されることはけつこう。公正に検挙してもらわなければならぬということ。 もう一つは警友会なんてものをつくつて、警察が出先になつて運動をやつておる事例が現にある。そういうようなものに対して、十分にあなたの方からやつてもらわないと、くだらぬことを探してほじくり出しておるような点もあるのですから、そういうようなことは、よほど注意してもらわなければいかぬと思うのです。 それから井手君の言われたように、地方の警察あたりでは、確かに点数かせぎということがあります。それはあなた方でも、そういうようなよけい検挙率を上げたような者を抜擢して栄進させるでしよう。現にそうでしよう。だから確かにあなた方中央におられる方は、そういうような観念はないのですが、地方におる者は必ずそれをやるのです。だから悪いことをした者は、どんな者であろうと検挙してもらつてけつこうですが、ただ点数かせぎで何でもかんでもくだらぬものをあげたり、人によつて法の適用を左右するということは、嚴に戒めてもらわなければならぬと思います。私の方の地方の管轄でそんなことをやつたら承知しないが、とにかく選挙中にやられたら、けんかはあとに残されるのです。選挙中にそういうことをやられると、非常な選挙妨害になります。この点を嚴に—あなたは私と同姓の刑事部長さんだから、私は公正なことを主張しておるのですから、そういう点は特に具体的に注意してくださらんですか。
○井手委員 私も中川さんにちよつと申し上げます。先般私は英国の選挙の実態を調査に行つたのですが、あまりにも公明な選挙が行われておるので、それをちよつと申し上げたわけです。それはあまり取締り第一主義をとつて、選挙の実態をそこなうような取締りに入ることはどうかと思う。なるべくその辺のところは常識的に運営してもらいたいということを申し上げた。これは公明なるべき選挙だということを前提としての意見です。ところが実態は、今中川代議士からもお話がありましたように、相当悪質です。最近は、たとえば三台も四台ものバスに特定の人を乗せて温泉へ連れて行つて、盛んにやつておるという実例がたくさんあります。東京のまん中でもたくさん行われておる。毎日のように行われておるのをわれわれは目撃しておる。あるいはまた中元だとか暑中見舞だとかいうようなことで、政治家でありますから交際の広いことは、これは申し上げるまでもない。しかしいくら交際が広いからといつても、何方という寒暖計を各戸に配布してみたり、五万も六万もという名入りのうちわを配布してみたり、これは常識を逸脱していると思う。われわれも中元、暑中見舞を配らないとは申し上げません。三百や五百は文句を言わぬ。しかし限度がある。知人や友人の間でもらつたりもらわれたりという間で、判断すべきものである。そこまで取締れとは申さない。ところがだれもが認めておる、万人が知悉しておる、現に行われておることも、これが何らの警告の対象にもならず、今言つたように文書の中に少し変な文字があつたということが警告の対象になつておるが、最も悪質であるべき現在行われておることが、公々然と大衆の前に見のがされておるというような事実がないように、これはひとつ中川部長さん、大いに現実に行われておりますから、そういう点は重点的に御監察をしてもらいたい。これがやまないと、われわれも対抗上やらざるを得ないと思つております。しかし今言つたように、われわれは特別委員ですから、多少考えて運ばないといかぬ。われわれも対抗上やむを得ぬと考えておりますけれども、しかし現に東京にはそういう事例があります。しかも最近中小企業が一番困つているのは金融です。金融が一番困つておる。ところがこの金融をバツクにして、金融金庫とか信用組合とか、そういうものの責任者が、最も零細な中小企業の零細な資金を集めて責任者がその金庫をバツクにどんどん金を貸し付けることを理由に、選挙運動を展開しております。こういうことがたくさんの大衆の眼前に展開されていることを知つております。でありますから、こういう悪質なものは、よほど具体的に、大きな問題にならないうちに芽をつまないと、本質的に選挙を悪化させる。選挙の本質を誤らせてからでは、私はおそいと思う。そういう点は出ばなをひとつたたけば納まる。そういうふうな悪質きわまる——金融をバツクにして金を貸せば、今は飛びつきます。金を貸すといえば一も二もない。そういう選挙運動が眼前に展開されております。たとえば今言つたように寒暖計を何万も配つている。私は三百箇や五百箇のものを配ることには文句を言わぬが、二万も三万もの寒暖計を配つている。そういうところは出ばなをひとつやつてもらつてそれで公明選挙を当局においてやる意図がある、当局はこういう点に厳重な関心を持つて臨んでいるということを示すことが、この次に行われんとする選挙に大きな寄与をなすのじやないか。これは事前に一本くぎをさすことが効果的だ。あとから名刺を配つた者をひつぱり上げてもおそい。そのときの選挙の結果はきまつている。このことこそ事前にあなた方が少し緩嚴よろしきを得た方法をとれば、このことは日本の公明選挙をなす道を開きはせぬかと考えますから、私はこの間の話に敷衍してお願いを申し上げておきます。
○中川委員 中川さん、私お願いしておきますが、もう大臣だとか何とか遠慮してくださるな。私はその問題ですが、たとえば今北鮮系の朝鮮人がずいぶんあがつている。これは強制送還してくれという声がかなりある。先般行政監察委員会で大阪の方に出かけたときにも、そのうち悪質なやつを何人か強制送還してもらえば、あとは相当おとなしくなる、こういうような例を大阪の人が漏らした。私は事案そうなるだろうと思う。そこで大物のやつを一つぱつとやるのです。悪質なやつをやつてもらえば、ほかのものはおとなしくなります。今のままではいかぬ。悪質な例が非常に多い。警友会なんというものは、警察上りの者がメンバーになつている。そうして現職の警官とみなコネクシヨンがある。あれはおれの部下だ、あそこの署長はおれがどこの署にいるときに、おれの部下だつたというので、それが行つてやつている事例があるのですから、そういう点もひとつ法の適用を、人によつて左右しないということを、私は重ねて——あなた方はそういうお気持はないでしようが、地方ではあります。私はあるのを見ている。ですからそれをひとつ御注意願いたいと思います。
○石原(登)委員 今の事前運動ですが、この取締りと、今の公明選挙運動に各大新聞社が協力してくれておりますが、この間の関連がちつともないのじやないかと思う。今例示された三十数件に及ぶ警告の問題がある。ですからあなたたちも、こういうような事前運動にひつかかるのだというような問題が現われたら、これは一々新聞社に連絡していただいて、新聞で取上げてもらう、こういうことをしているものは、必ずある時期に至つてつかまるのだぞということを言つてもらえば、今日こう悪化している事前運動は、ある程度是正できると思う。私はかように考えますから、その面についてぜひ善処をお願いいたしたいと思います。そのことだけ申し上げておきます。 〔鍛冶委員長代理退席、井手委員長代理着席〕
○田渕委員 大体各委員から警告的なお言葉があつたのですが、こういうことを私は中川部長に聞きたい。最も悪質なものだと思うのはこういうのがある。地方の新聞と結びまして、追放解除者あるいは事前運動者、これがたとえばミス東京とかいつてカフエーや喫茶店の女どもに投票しますね。ああいうぐあいに新聞社が人気投票をやる場合に、追放解除者が裏から新聞社に金を持つて行つて二円か三円で買いつけて、それを五千票、六千票新聞社へ持つて行く。正しく支持された者は百票か二百票しかない。政治知識のない愚民を——愚民と申しては非常に失礼だけれども、要するにそういうものがあります。ないとは言えない。そういう愚か者をまどわすというようなことを現実にやつておるが、これをあなたは違反と思いなさるかどうかはつきり伺いたい。金を渡して新聞社から毎日二千票、三千票買つて来る。そして買わない、正しい者は百票か二百票しかないが、これがほんとうの支持者である。こういうような、つまり地方新聞を利用して、事前投票に似たような低劣な選挙運動をやつておる。最も私は選挙民をまどわすものと思うが、これをあなた方はどう思い、どう取締るかを聞いておきたい。
○井手委員長代理 大体事前運動についての答弁はどうか……。
○中川説明員 いろいろ実情に基く御意見を承りましたが、この前の委員会におきましても私申したつもりなんですが、この選挙の取締り、とりわけ事前運動の違反行為の取締りにつきましては、件数主義ではいけない。犯罪行為の実態を中心にいたしまして、犯罪者の身分その他にもちろん関係なく、ほんとうに事案の性質のみを中心にいたしまして、公平な取締りをやつて行く。但し検挙主義はとらない。それでこの前も話がありましたように、検挙主義、検挙によつてこれをやつて行くということでなしに、他面公明選挙運動を期待しながら、法律違反行為の検挙という面についても、件数主義はとらないけれども、これを検挙して行く。検挙して行くためには証拠を必要とする。それで事前運動の他の犯罪と違つてむずかしい点は、正当な政治活動と正当な社会活動というものがだれにでもある。普通の社会活動、普通の政治活動というものがあるのだが、その活動と、違反になるような選挙運動との限界がむずかしいということが、困難な点であるということをひとつ御了承願いたい。これはどう作文いたしましても困難だという一つの宿命を持つているということも、御承知を願いたい。それから事柄が事前にこれを検挙することになると、実質上ある人に対しまして、政治的に非常にハンデイキヤツプをつけることになりますから、事の処理につきまして個人的怨恨とか、言葉を露骨に申しますと、ねらい撃ちとか、そういうことはやるべきではない。犯罪行為の実態の善悪の差、悪い程度によりましてこれこそ公平にやつて参る必要がある。従いましてほんとうに検挙に携わり、内偵に携わるところの警察官が真に公正にやるためには、第一線の関係者の、極端に申しますと巡査の諸君だけでなしに、全部の幹部も含めて、ほんとうに正しく事案というものを研究してこれを処理する。但し事柄がむずかしいのゆえをもつて研究をいたずらに長くやつておりますと、だんだんそうい運動が非常にはげしくなりまして、ちよつと手がつけられなくなるという状態に至りますので、そこは若干勇気をもつて、ある程度証拠がまとまればこれを検挙する方向でやつて行く。こういう方向でやるのだけれども、ただいま申しましたようなむずかしさがあるということは事実なんです。そういう関係でいろいろ皆さんからお話があつたような御批判をいただいたのでありますが、この前も申したつもりでありますが、そういう気持ちでほんとうに第一線の警察官に十分この処置を徹底するように、会議も開きましたし、打合せもいたしましたほかに、私どもの関係者が現実に第一線に出かけまして、現在内偵中の事案につきましても、公正な角度から、この点につきましてもう少し証拠を探せ、こういうふうにやるべきであるということを、個々に公正に指導しておりますので、その点は御了承願いたいと思うのであります。 最後に例をあげてのお話がございましたが、ただいま人気投票に関連する犯罪というものは、従来の公職選挙法におきましては、非常に取締りがしにくい。少くとも人気投票そのものは非合法になりません。その関係で、九月一日から施行になります改正法につきましては、人気投票そのものを非合法にして参る、こういうふうに相なりまして、この新法施行後は明確に犯罪になるのでありますが、今月中、本月末日までの間におきましては、金をやつた買収行為の関係が、証拠がきわめて明らかになり、その目的が投票を得る目的だということが実証されることに相なりますれば、犯罪を構成するということを申し上げます。
○井手委員長代理 ようございますか。—本月はこの程度にとどめ、次会は明二十八日午後一時より開会し、法制局に依頼した案及び国警当局の意見等について、御協議を願うことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十六分散会