両院法規委員会 第9号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/06/06
会議録
○会長(牧野寛索君) これより会議を開きます。 本日は衆議院の委員長が会長に当ることになりますので、私が会長の職務を行います。 本日は衆議院の解散に関する問題について御協議いたしたいと存ずるのでありますが、御承知の通り本問題につきましては、前国会におきまして参考人より意見を聽取いたすなど、種々研究を重ねましたにもかかわらず、結論を得ないままにこれまで保留いたしてあつたのであります。この際再びこれを取上げ、本委員会の議題といたすに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(牧野寛索君) 御異議ないものと認めましてさように決します。 それでは衆議院の解散に関する問題について御協議願いたいと思いますが、この際懇談にいたします。 〔速記中止〕
○会長(牧野寛索君) 懇談をとじます。 それでは解散の問題について入江法制局長から経過の御説明を願いたいと思います。
○衆議院法制局長(入江俊郎君) 解散権の所在につきまして、当委員会で従来数回研究いたしました結果、こういうふうな話合いにおちついたのではないかと考えますので、私の理解した限度において申し上げてみたいと思います。 すなわち、解散権が憲法七条の規定によつてのみ行使できるか、あるいは六十九条の不信任議決がなければ行使できないかということは、学者の間にも議論がわかれておりまして、必ずしも明確な結論が出ておりません。そこで当委員会におきましても、各方面から意見をお聞きいたしました結果、憲法の明文の上でかくのごとき重要なことが不明であるということは、はなはだ遺憾であるので、もし将来適当な機会があつたならば、次のような趣旨においてこれを明瞭にしたらどうかというふうなことが議論に出たように思います。すなわち六十九条の場合は、解散について最も主たる場合で、この場合は解散が行えるということは問題ないが、それ以外の場合におきまして、内閣が解散の助言と承認をする場合に、これを無制限になし得るということは、結局新憲法の精神にも沿わない結果を来すおそれがありますので、将来内閣がそのような意思決定をする場合に、これに適当な制限なり条件をつけるようなことを、憲法改正の機会がありとすれば考えてもらうというふうにしたらどうか、こういうわけであります。 なお、現行憲法の上におきましても、六十九条以外、すなわち七条で解散を行わなければならないというふうな場合があるとしても、これは決して無制限のものではないのでありまして、現在の憲法の運用上も、衆議院がみずから自主的に解散する決議を成立せしめた場合ならば、内閣はこれを尊重して、憲法七条によつて解散の助言を行うということが妥当であり、また七条の規定を働かせる場合にも、そのような場合にこれを行うのだという慣例をつくるように持つて行くことが穏当ではないか、そういつた趣旨の意味のことをまとめまして、両議院に対する勧告としてはどうであろうか、こういうふうにお話合いができたように思うのであります。御参考までにちよつとそれだけ申し上げておきます。
○委員(鍛冶良作君) 大体今入江局長の言われたことでけつこうだと存じまするが、ただつけ加えていただきたいのは、六十九条で解散ができるということよりか、六十九条は内閣総辞職に関する規定であるけれども、「衆議院が解散されない限り」と書いてあつて、総辞職をせなくても解散せらるると解してもいいんだから、そこでこの場合もいいのではないか、こういうふうに解釈していただいて、頭から六十九条でやれるとは今日明確に認められません。もう一つその前に、憲法第七条による内閣の助言と承認は、天皇の国事行為たる解散について認められたものであり、それ以上に及ぶことはできないと解釈するのが妥当である。こういうことを認めて、あなたのおつしやつたようなことでけつこうだと思います。
○委員(大野幸一君) 今入江さんが説明された言葉のうち、将来適当なる機会にこれを明らかにする必要があるではないかということについては、その言葉は非常に適当だと思います。しかしこういう問題を、憲法改正前でもそこいうふうにすでに運行ができるとするならば、これをことさらに憲法改正にからみ合せて論及する必要はないということが、この前参議院側の委員の間でも懇談的に申されておつたのでありますから、この点をひとつ十分に警戒しつつ、今の案には大体において賛成であります。
○会長(牧野寛索君) ほかに御意見ありませんか。
○委員(堀木鎌三君) 今入江局長から本委員会の経過の報告があつたのですが、大体その経過報告は委員会の意思をよく表現しておると思うのです。つきましては、せつかくここまで研究して来たことですから、今入江局長の報告のような趣旨に基いて勧告をおつくりになることが適当でなかろうか、こう私は考えるので、ちよつと意見を申し上げます。
○委員(鍛冶良作君) 次会までにこれをまとめ、勧告案として事務当局から出してもらつて、次会で決定することにしていただきたいと思います。
○会長(牧野寛索君) 鍛冶君の御意見に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(牧野寛索君) 御異議がないようですから、さよう決定いたします。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十一分散会