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13回国会参議院1952/04/18

労働委員会 第9号

発言数
28
登壇者
5
会派数
2
開催日
1952/04/18

会議録

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) 只今から委員会を開会いたします。  冒頭にちよつとお諮りいたしますが、今後の本委員会の運営についてでありますが、前の委員会に破壊活動防止法が提案になりましたら、法務委員会と合同審査をするということを決定いたしまして、昨日提案になりましたので、法務委員会にその由を申入れまして、いろいろ協議をしたわけでありますが、現在法務委員会といたしまして、相当日切れの法案を持つておりますので、予備審査にかかるのも本月の末日ぐらいということでありまして、血もこの案件に対しましては、内閣委員会なり、地方行政委員会がそれぞれ合同を申込んでおりますので、合同委員会の開会の日取りなり、運営につきましては、関係委員長が協議してきめるというふうに話をきめましたので、今後の運営につきましては、一応委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) では、さよう決定いたします。  なお当委員会に付託を予定されております労働関係法の改正法案につきましては、今提出期日の見通しについてもまだはつきりいたしておりませんが、恐らく五月の初旬に出るのではないか、そういう見通し等も関連いたしまして、次の委員会の開会日等につきましても、一応委員長に一任願いまして、あらかじめ皆さんがたに御通知をするという方法をとりたいと思いますので、御了解を願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) では、本日は労働大臣がちよつと遅れて来るらしいので、政務次官なり、労政局長が見えておりますので、問題になつておりまする破壊活動防止法に対しまする労働組合の動き等について一応政府から説明を聞き、並びに政府の今後の方針につきましての意見の開陳を願いたいと思います。経過につきまして労政局長から……。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○政府委員(賀來才二郎君) かねて労働組合であるとか、労働組合に関係をいたしまする法令は、弾圧法的なものが出た場合には、これに対して断固鬪つて行かなければならないという立場からいたしまして、総評を中心といたしまして、労働法規改悪反対の協議会を作つておつたのであります。これを略しまして労鬪と言つておりました。その当時は団体等規正法が考えられておると伝えられ、或いはゼネラル・ストライキ禁止法が立案せられたというふうなことが伝えられ、更に労働関係の法律も又改正の問題が取上げられるというふうな情勢にあつたわけであります。ところがその後政府におきましては、労働関係の法律は労働関係法制審議会を作る、或いは基準法関係は基準審議会において民主的な審議によつて処置をしたい。又ゼネラル・ストライキの禁止法等につきましては、いろいろ考慮もして行きたいが、成るべくならばかような法律は作りたくないというような態度でありました。同時に団体等規正法につきましても、特に労働組合側の、或いはその他の言論或いは出版等の各界の意向もあつたので、これは非常に検討をされまして、破壊活動防止法案というふうな形になつた、これは労働省の所管ではありませんが、我々は所管当局から、さように聞いておつたのであります。この法案が次官会議を経て閣議に出ます際におきまして、労働省はどうだということを聞かれましたが、すでにこれは直接労働組合とは関係がないので、特別な連絡はしなかつたというふうな話もありまして、閣議決定をいたしたのであります。これに対しまして、労働組合側は非常に不安の念を持ちまして、いろいろなことを言つておりますので、治安維持法の再現になる虞れがあるというふうな(「その通り」と呼ぶ者あり)ことからいたしまして、この労鬪が中心となつて撤回を要求したいという決議をいたしまして、その労働組合の不満と言いますか、意向を表現をする、抗議をするという態度を表現をしたいというので、その意味合において十二日、十八日にストライキをやるというふうなことを決定をいたしました。同時に各方面に陳情し、或いは意見を表明して参つたのであります。労働省といたしましては、すでに御承知のように労働組合の健全な発達と申しますか、正常な活動によつて労働組合が発達して行くことを助成し、或いは協力をしなければならないのでありまして、殊に今度の態度から見ますると、政治的な目標のためのストライキ、いわゆる政治ストというふうな形で出ておりまして、従つて労働省の労働組合の保護のために所管いたしておりまする労働組合法というものを考えて見ますると、或いはこれをストライキに入れることによりまして、労働法上の保護を受けられないというような虞れもあると考えておりましたし、できればそういう法律問題でやつて行きますよりも、やはりさような状態にならんように、できるだけの努力をすべきではなかろうか。かような意味合からいたしまして、先ず労働組合側の破壊防止法に対しまする考え方につきまして意向を聞こう。で、その際に立案当局から労働組合に対しまして詳細な説明をいたしまして、でき得れば決してこれは正常な労働組合活動を弾圧するものではないという理解を求めて行くべきでなかろうかという意味から、労鬪の代表等に来てもらいまして、立案当局たる法務府からこの問題の内容或いは性質、目的等の説明をしてもらいました。それに対しまして、労働組合側の意向を詳細聞いたのであります。ところが労働組合側はなおこの説明に対しましても、どうしてもこれは理解ができない。やはり撤回してもらうべきであるという意見を変えないのであります。これではどうしても十二日のストライキに突入する以外にはないという情勢になつておるそこで労働省といたしましては、どうしても何とかしてさような状態を回避するというのが第一義であろうと考え、法律問題でかれこれあとで行なつた結果について問題にするよりも、やはり予防的な措置を講じ得たならば非常に結構であろうというので、労働省におきまして、法務総裁並びに労働大臣と労鬪との会見の結果、労働組合側が表明いたしました意向をいろいろ研究いたしまして、労働省の立場からいたしましても、成るほどかような点は尤もであろうというふうな点について、立案当局と交渉をしようということになつたのであります。いろいろ意見は言われておりましたが、根本的には撤回すべきだということを主張しつつも、然らばどの点が不安なのかという点になりますると、組合は第何条のこの点は理解ができない。この点は不安の因でないかというふうな意見を申しておりました。それを労働省の立場でいろいろ研究いたしまして、破壊活動防止法の性格それ自体に影響を與えるような修正ということは、これは不可能であるけれども、併しながらあの法律の目的は十分達せられて、而も労働組合の不安がなくなり、今後あの法律の運営に際しまして、労働組合、何百万の労働組合の協力を得る、治安政策の遂行に際しまして、労働者の協力を得られるということが最もいいのではなかろうかという意味から、大体労働組合側の不満に思つておりまする点を我々大体要約をいたしまして、これを法務府と交渉いたしました。その結果政府におきましても、さような点について、成るべく労働組合側の反対なくして目的を達したいというふうな結論に達せられたものと見えまして、十一日の閣議におきまして、一度閣議を通つたものであるけれども、次のような基本的な線において修正をしたいと思うという意向が表明せられたのであります。  その第一は、この法律は労働組合の正常な多数に基く行為を制限し、或いはこれに介入するものではないということをはつきり法文に限定しよう。なおこの法律による規正の対象となつておりまする事項で、必要以上に不適当に危惧の念を與えておるような点については検討しよう。第二点は、これは本法律に基いての措置に関連いたしましての救済方法についても十分検討をしよう、第三点は、公安審査委員会の委員の選任に際して、これは労働組合の代表をも加えよう、こういうふうな方針がきめられたのであります。これは労働組合側が言つておりましたことを要約いたしますと、この法律は、弾圧法でないということが明確に保障されておらないから、これは不安である、予防法的な性格を持つておるという点がどうも不安である。若しこれが濫用された場合の救済規定というものが不明確であるから不安である。かようなことを、要約いたしますと、主張いたしておつたわけであります。で、政府のこの修正に対しまする基本方針は、大体におきまして、労働組合の不安といたしておりまする点は、何とか政府で考えるということになつたわけでありますので、政府としては、これで一つ労働組合の協力を得たいという立場をとりますと共に、政府は自主的にこういう修正方針をとるのである。従つて労働組合側においても、自主的に十二日のストを回避するかどうかはやはりきめてもらうように、十分愼重な態度で考慮をしてもらいたいというふうな態度をとつたのであります。その結果、十二日におきましては、一部の労働組合、約四万名前後の労働組合員が二十四時間ストに入りましたが、その他の組合は職場大会或いは一、二時間のまあストライキと申しますか、我々はこれはストライキとは考えられん程度のものであると思つておりますが、そういう程度で済ましました。二十四時間ストライキを明確に決定しておりました炭労と全鉱では、この政府の修正をするという方針が、どのくらい具体化されるか、それを見た上でやりたい。従つて十二日のストライキは一応延期するという態度に出たのであります。その後政府におきましては、この基本方針に基きまして、立案当局で法文を改められまして、そうして閣議に再度かけられたのであります。そのときの新聞には、法務総裁と労働大臣とが対立したかのごとく報道せられておりましたが、これは決して対立があつたわけではないのでありまして、いろいろ労働省と法務当局との間の交渉の際におきまして意見の交換がされておりました。最後的には、これは一つ閣議できめてもらうというふうな問題点があつたに過ぎないのであります。ところが組合側は、この政府の具体的な修正事項についてはなお不満である。で、政府は公約、即ちその前の閣議においてこういう基本方針で修正をやりたいといつた、その政府の声明の方針が十分に具現されていない。従つて十八日に延期されておりましたストライキを実行する以外にはないということになりまして、本日そのストライキが行われておるのであります。本日ストライキに入つておりますのは、主な組合を挙げますると、炭労は、参加人員はまだはつきりした統計が出て参りませんが、二十四乃至二十五万という程度だろう、これで炭労の約二百八十の組合のうち九〇%乃至九五%はストライキに入つておるものと思うのであります。現在判明いたしております主な参加の組合は約六組合であります。全国金属鉱山のほうは参加組合数が八十四組合で、参加人員は四万七千名、大体約七〇%が入つておるのであります。それから電産は、本日の午前八時から午後二時まで出力一〇%減の電源ストを行なつておるということになつておるのであります。それから全自動車の二万五千人の組合は大体本日三時から四時の間、約一時間の時限ストをやるということになつておるようであります。海員の組合は、本日午前零時から午前八時までの間に港におりまする船の停船を行う。これは夜中から八時にかけてでありますので、大体停船になつておるはずでありますが、この結果、併し出港を延ばさざるを得なくなつた船も若干あるようであります。その他の組合に入つておりますのが、少しずつあるようでありますが、全体といたしましては、かような状況でありまして、炭労、全鉱のストライキは一日ストライキでありまして、直ちにこれが国民経済を危殆に陷れるような結果にはならないと考えられるのであります。電産も一〇%の電源ストライキをやることになつておりますが、これも実際に工場、家庭等の停電に、或いは電気の供給に影響を及ぼすようなことはないというふうに我々は見ておりまするし、組合側におきましても、或いはサイクルが少し落ちるかも知れませんが、大したことはないものということのように言つておるのであります。ただなお電産は今度のストライキに入りました根拠は、冬営手当の問題でありましたのが、昨夜中労委の斡旋によりまして、斡旋案が出されました。本日晝頃までには大体妥結を見るであろうというふうに考えておるのであります。ただこれに関連いたしまして、問題になりますのは私鉄の争議でありまして、私鉄は先般の三月の日光大会におきましても、私鉄としては純経済争議であつて、今度の政治的ストライキに参加する意図はないということを明確に決定をいたしておつたのであります。これは中労委から調停案が出されまして、そうしてこの調停案を審議されておつたのでありまするが、たまたま私鉄は、若し最後的にこれが妥結が付かなければ、十八日、丁度今日労鬪が政治的なストライキをやりまする日と同じ日にストライキに入るというふうなことになつておりまして、組合も使用者側も何とか今日ストライキに入らないように、中労委も又それを避けるべく非常に努力をいたしまして、昨夜徹夜で最後的な斡旋が行われましたが、本日午前五時半に至りまして、斡旋不調になりました。その結果、組合の大部分は二十四時間ストライキというものに入つておるのでありますが、併しながら、このうち主要組合は目下企業別に団体交渉をやつておりまして、妥結したものからストライキを中止をいたしておるようでありまして、地下鉄は本日午前六時に妥結をいたしまして、ストを中止いたしておるのであります。これで本日のストライキの影響が現われて参つたのでありますが、なお労働省といたしましても、これの妥結が一時間でも早く行くようにというふうな意味におきまして努力を続けておるわけであります。  で、今後の見通しでありまするが、先ほど申しましたように、労鬪といたしましては、労働者の破壊活動防止法案に対しまする抗議の意思を表示するものである、従つて今後も長引いて、飽くまで撤回されるまでストライキを続けるのではないということを言つておるのでありまして、多分総評及び労鬪のことでありますから、正々堂々たる約束の通りに本日を以てこのストライキは打切るものだと、かように考えておるわけであります。炭労ではなお場合によつては第三波をやるという意向が一部にあるようでございますが、これはまだ未決定なように聞いておるのであります。我々労働省といたしましては、たびたび労働組合に対しまして自重を要望して参つたのでありますが、労働組合がこの十八日に遂に一部とは言いながらストライキに入りましたことは非常に遺憾に思つておるのでありますが、併しながら今日現在の態度におきましては、昨日の労働大臣の談にもありましたように、この際断固たる処置を以て彈圧するというふうな態度には出ていないのでありまして、一応これは最後までやはり飽くまで自重してもらう、趣旨はこういう趣旨であるということで反省を求めるという態度に出ておるわけであります。  以上で大体のストの経過を申上げた次第であります。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) 只今労政局長から説明がありましたが、本日のストライキが相当大規模になつたという大きな原因は、十三日のストライキに対しまして労働大臣が労鬪と懇談した、そのときに政府側から示しました破壊活動防止法案に対しまする修正の三点が、昨日提案になりました防止法案の中には実際全部入つておらなかつたということが大きな問題になつているように新聞には伝えておるわけなのですが、最初労鬪との会見のときに労働大臣が一応示しました修正点と、今度出されておりまする破壊活動防止法案の内容とにおいて、やはり入れられておらない点が二点ほどあると思うのですが、そのときの経過はどうなつておるか御説明願いたいと思います。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○政府委員(賀來才二郎君) 労働大臣といたしまして、あらかじめ労鬪側に対し修正案を示したという事実はないのであります。政府の声明いたしました十一日の閣議で、この三本の柱で修正を考えて行きたいということを政府といたしましては言つておるのであります。その声明に基きまして政府は、この三つの柱でやつて行きますならば、最大限の法文の修正点はかようになるということを決定をいたしまして、先日の閣議でこれをきめておるのであります。それに対しまして労働組合側は、この三本の柱というもので、一応かような方針でやるということについては見守つて行こうという態度でおつたわけでありまするが、その労働組合側が了解いたしまする三本の柱の性質なり、これが若し具体化したならばどうなるという点の期待等があつたと思うのでありますが、その考え方と今度国会に出されました法文の修正点との間に差があり、その差のある点が不満であると、かように言つておるものと了解をいたしておるのであります。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) それからもう一つ、昨日、一昨日等の新聞によりますると、経営者の連合体であります日経連等が、今度のストに対しまして相当強硬に出るということを声明もしておりますし、新聞にも載つております。又それに対して、あとで政府が相当尻押ししているというようなことも新聞に見受けられるわけでありますが、若しも本日のスト以後、このストに関係いたしまして、経営者と労働者との間に参おきまして相当問題が起きるだろうと思うのですが、そのときに経営者側の労働組合を挑発するような強硬手段に対しまして、政府はどういうふうな見解を持つているか、どういう措置をお考えになつておるか、きまつておれば御発表願いたい。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○政府委員(賀來才二郎君) 労働省といたしましては、かねて労働大臣は新聞或いは国会におきまする答弁におきまして、今度の労働組合が純然たる政治ストの態勢をとり、これを実行いたしました場合には、これは労働法上の保護を受けられない行為とせざるを得ないという意味の答弁をされておるのであります。で、この点につきまして、我々は解釈といたしましては、さような解釈は成立し得るものと考えておるのであります。と申しますと、具体的には御承知のように労働組合法によりまする刑法上、民法上の免責規定の適用がなくなる、場合によりましては、それに従いまして暴力の行使という形に現われましたときには、これは刑法上の措置を受けるようになる、かように考えておるのであります。で、さようなことになりますると、経営者側は場合によりましては、その関係者を馘首いたしましても、或いは労働組合法によりまする不当労働行為としての保護を受けられないかも知れないし場合によりましては民法上の損害賠償の請求もできるということが、それから出て参るのであります。これは経営者がやるかやらんかはきめるのでありまして、政府側からかかる処置をとれというふうなことを支持すべき限りではないと考えておるのであります。なお又さような解釈はとつておりますけれども、それによつて措置されましたときに、経営者側によつて措置がとられました場合、不当労働行為として中労委に提訴することそれ自体を阻止しておるわけではないのでありまして、恐らくさような場合中労委に阻止提訴するかとも思うのであります。その中労委かそれに対しまして、審査の結果の判定をやりましたとき、それを使用者又は労働組合が不満といたしまして裁判所に提起することも、これは何ら只今申しましたような法の解釈からいたしまして阻止すべき限りでもないし、又できるものとも思つていないのであります。いずれ最後的には、さようなことは今度の政治的なストライキがさような保護を受けられないものかどうかという判定を下すものと考えるのであります。これは法律上の問題でありまするが、我々労働省といたしましは、いずれさようないろいろな問題がありましても、使用者側が労働組合と政府との間の紛争議に関連をいたしまして、直接使用者と労働者との間にいろいろな紛議が起るということは、これは適当ではない、かように考えまして、経営者側に対してできるだけ労働組合の今後の行動に対しまする処置については、自重し、愼重な態度であつてもらいたいという意向は非公式に伝えておるのでありますと共に、使用者側におきましても、いろいろ議論があつたようでありまするが、今日現在のところの状況を見ますると、さような具体的な態度に出るものとは考えていないのでありまして、一応静観的な態度をとつておるのではないか、かように考えておる次第であります。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) 只今労働省側から、ストの経過なり、今後の見通し並びに今後予想されるでありましよう労使間の紛争等に関しまする見解の発表があつたわけでありまするが、これに対しまして御質疑があれば発言を願います……。では一応今御説明があつたわけでありまするが、これに関連いたしまして、先ほどちよつとお諮りいたしました破壊活動防止法案に対しまする法務委員会との合同の件に関しまして、先般法務府のほうから、この法案の審査について必要な書類その他の要求があれば事前に話してもらいたい、こういうことが事務局を通じて私の手許に来ておりますので、一応いろいろ考えて見まして、私の手許で今参考書類の要求をいたしたいと考えておるものが二点あるわけでありまして、一応お諮りいたしたいと思います。一つは治安維持法並びに暴力行為等処罰に関する法律、この二つの法律が過去相当適用になつておつたわけでありますが、この二つの法律が、特に労働組合並びに政治活動に関しまして発動になりました犯罪の統計をもらいたいというのが一つであります。もう一つは、昭和六年、七年、八年、大体この頃が一番特高なりその他の暗躍した時代でありますので、当時の特高警察官の地方的な人数等を一つもらいたい。大体二つの資料を要求しようと思つているわけでありますが、それ以外に要求する資料があれば、ここで発言願つて一括して要求したいと思います。

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○村尾重雄君 当然法務委員会のほうからも要求されると思いますが、政府の提案説明の一番重要視しての説明は、最近破壊活動行動が頻々として行われている。それに対処してのこの法案であり、その予防であるという提案説明をなされているのであります。そういうような点から眺めて、我々特に最近そういう事犯が起つているとは思わないのですが、新聞紙の報ずるところによれば、かなり幼稚なとは思うのだが、相当険悪な行動を行う団体があるやの報道を盛んにされている。政府が言うそういう事例を一つ挙げてもらいたい。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) 只今村尾君から話のありました、最近におきまする政府が破壊活動だというふうに見ておりまする状況の資料、以上三つで如何ですか。

椿繁夫日本社会党(第四控室・左)

○椿繁夫君 それに附加えて頂きたいのは、暴力行為等処罰に関する法律の違反件数の統計の提出を要求されたのでありますから、労働組合活動、政治活動等のほかの犯罪それに該当いたしましたそういうものを比率を一緒に出してもらいたい。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) 椿君の御要求は、第一の治安維持法並びに暴力行為等処罰に関する法律の適用状況のうち、労働組合運動なり政治活動以外のものも一緒に出してもらいたい、こういう御要求でございますね……。では以上大体三項目に関しまする資料を法務府に要求することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶものあり〕

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) ではさよう決定いたします。ほかに何か御発言があれば……。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) 速記を始めて下さい。御発言ありませんか。

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 別な話ですが、実は今の問題の経過報告をよく聞かなかつたので、少し質問が外れるかも知れませんが、その点一点だけ賀來さんにお聞きして置きたいのだが、修正の一番重要な問題の煽動という言葉をとらざるを得なかつたという点は一体どこに難関があつたのか、簡單に一つ承わりたい。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○政府委員(賀來才二郎君) この点は我々労働省の事務局といたしましては、政府が声明におきまして、労働組合が必要以上に危惧の念を持つている点を検討するという柱が出たわけでありますから、それに対して労働省事務局といたしまして、およそ労働組合が言つていることは大体我々わかつておりますので、多分やはりこの三条の「せん動」という言葉がこれが不安なんだろう。成るほど労働組合は内乱を起すための煽動すること自体をいいと言つているのでないと我々は一応了解いたしましたが、併しながらあの三条を適用いたすにつきましては、この煽動という言葉から労働組合が大衆を集めて演説をいたしますと、場合によりましては誤解を起すことがあるかと思う。従つてその場合には労働者或いは労働組合が危惧の念を持つているのですから、この点は一つ法務府で研究をしてもらいたいということを労働省からは申入れておつたのであります。ところが法務府側におきましては、実はすでに各国の立法例を見ましても、内乱の煽動というものを治安立法から外したものはないのであつて、これを除外いたしますと、この法律の本体に外れることになると思うので承服できない。これで労働省と法務府と相当議論をいたしましたが、閣議提出前にはきまらなかつたのであります。閣議の中においてどういうふうに案がきまつたかは新聞記事以外には存じておりません。

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 そうすると、この問題は勿論今言つた労働委員会と法務委員会と合同審査になりますね。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) そうです。

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 それでお聞きしたいのだが、労働省としては、労政局長のお考えではやはりとつたほうがいいというお考えに立つて今まで進んで来たということで差支えないのですね。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○政府委員(賀來才二郎君) 先ほど申しましたように、内乱を煽動するということまでとつていいという意見を持つたのではないのであります。この法案の書き方から行きますると、労働者に対して必要以上に、或いは不必要に危惧の念を與えるのではないか。従つてこれを與えないように、これを何とか改められないかということを言つたのであります。

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 それは別な審議において伺うことにして、もう一つ伺いたいことは、地方公営企業法ができて、それに関連する地方公営労働組合法案というものができるやに聞いておりますが、その法案がどういう程度のものであるかということ、それからどういうような大体構想を持つているか。いつ頃委員会のほうに提出する御予定になつているか、その点を伺いたい。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○政府委員(賀來才二郎君) まだ最後的な案について省議を決定して、これを労働大臣といたしまして、各省折衝に移しておるという段階に立至つていないのでありますが、併し御承知のように、これは地方公務員法の附則の二十項に関連しての法律でありますので、これは地方公務員法が成立後、以後我々事務局の手許で研究をいたしておるわけであります。大体の構想は公共企業体労働関係法の趣旨に従いまして立案をいたしておるのであります。ただ違いまする主な点は、公共企業体労働関係法におきましては、特別の調整機関を設けておりまするが、地方公務員の現業の諸君の取扱につきましては、労働組合法によりまする労働委員会によつて調整制度をやりたいという点が違いまする最も大きな点であります。その他の点は大体公共企業体労働関係法の趣旨に従つておるわけであります。現在なお問題となつておりまする点は、最後的にきまつておりません点は、これはこの地方公営企業労働関係法の適用の範囲をどの程度にするかという点、具体的に申しますると、地方公務員法の附則の二十項の範囲にするか、二十一項の範囲にするか、即ち特別会計の趣旨を持つておりまする現業企業の範囲にとどめるか、或いは単純労務の範囲までこれを拡げるかという点が国家公務員の取扱と関連をいたしまして、なお最後的にきまつていないのであります。なお従いまして、提出の時期につきましては、さような状態でございますので、いつになるかわかりませんが、成るべく早い機会に提出の方法をとらなければならないであろうということは事務当局としては考えておりますが、只今のところは我々の手を一応離れまして、そうしてそれらの問題点が各省の政治的な折衝に移つておる、こういうふうに御了解を願いたいと思います。

椿繁夫日本社会党(第四控室・左)

○椿繁夫君 これは今公務員法の附則二十項の問題が出ましたので、二十一項の単純労務に特例法を作るということになつております分の進捗の状況、お考えをついでに一つお聞かせ願いたいと思います。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○政府委員(賀來才二郎君) 労働省といたしまして、単純労務特例法というものは研究をいたしておりませんし、考えてもおりません。若しやつておるといたしますならば、地方自治庁でやつておることと思うのでありますが、まだ地方自治庁から、さような具体的な方針なり、内容なりについて協議を受けておりませんので、詳細は私のほうではわからんのであります。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) 一応御発言ももうないようでありますが、最後に法案の提出につきまして改めて労働省にお聞きしたいわけであります。と申しますのは、すでにこの国会も五月七日で終るという予定になつておりまして、而もこの国会の冒頭に出すということで準備さた、当委員会もその審議の態勢を整えておつたわけでありますが、御承知の労働関係法、これの改正は今どういう状態になつておるか、いつ頃提出の見込みか、一応正確に御答弁願いたいと思います。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○政府委員(賀來才二郎君) 会期が五月七日までであるが、それに関連してどうかという御質問につきましては、これは一つ労働大臣のほうからお聞き願いたいと思うのでありますが、我々事務当局といたしましては、一応労働関係法制審議会の答申を基礎といたしまして、この審議会におきまする審議の経過を参考にいたしまして、事務的に立案は一応終つておると申しても差支えないと思うのであります。併しながらこれに関連をいたしまして、やはり法制審議会におきまして問題になりました二点、即ち国家公務員、地方公務員の労働関係の権利、即ち団体交渉権、団体協約権、罷業権、これらの取扱いをどうするかという点。第二点は調整制度につきまして政令諮問委員会の意見或いは法制審議会の意見等、いろいろ各方面から意見が出ているのでありまするが、これは法制審議会におきましては一致した意見がまだ前の問題と併せて出ていないのでありまして、これをどういうふうにするかということは、やはり政治的な考慮も必要だと見えまして、現在労働大臣の手許にこれが研究される立場においてまだあるようであります。従いまして、この基本方針がきまりませんと、いつになるかということは我々予測いたしかねるのでありまするが、若し早急にその基本方針がきまりますならば、立法技術上の事務的な操作におきましては、そう大した日数は要しないつもりであります。ただ問題は労働組合、使用者その他各方面におきまして、この法案については、もう一度公聴会を開いてもらいたいという希望が強いのでありまして、若し会期の関係でできますならば、是非とも公聴会を国会提出前に開きまして、その意見を聞いて最後的な案に持つて行きたい、かように考えているのでありまして、形式的に東京と大阪等で開いたということにいたしますならば、これは二日で済みまするが、全国労働委員会協議会の希望は、ブロツクごとに開くというような希望が又非常に強いのでありまして、これらの諸点を併せまして大臣の御決定に従つて措置をいたしたい、かように考えておりますので、これがいつ頃になりまするか、事務的な状況から申しまするならば、仮にここ二、三日のうちにきまりましても、法制局との打合せ、或いは関係省との事務折衝、公聴会の開催等併せて考えましても、やはりどうしても二週間以上は、最小限度二週間はかかるのではなかろうか、かように感じている次第でございます。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(中村正雄君) それではほかに御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十七分散会

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