予算委員会 第25号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/03/23
会議録
○委員長(和田博雄君) 委員会を開会いたします。 前日に引続きまして質問を続行いたします。吉田法晴君。
○吉田法晴君 最初に安本長官にお尋ねいたしたいと思います。予算の基礎としていろいろ御説明を頂いておりますし、なお又資料も頂いておりますが、頂いております貿易実績及び見透関係資料、これに現われております貿易関係、或いは特需にいたしましてもそうでありますが、この朝鮮停戰に伴います特需の減退、或いは米国の軍拡の停滞、ポンドの過剰その他から二十七年度予算の基礎になつておるこれらの点について、安本自体としてこの数字が動くのではないかと、こういうことで御検討になつておるということでありますが、この点について承わりたいと思います。
○国務大臣(周東英雄君) 昨日も申上げましたように、絶えず安本では研究をいたしております。朝鮮事変の見通し等からして、それが休戰になつた場合にどうだかというようなことは勿論勘定に入れて検討しておりまするし、最近におけるポンド過剰対策等によりまする輸出の調整というような立場から来る影響というようなことも検計いたしておりまするが、別途新らしい観点に立つて、日米経済協力に伴う問題も今後順次具体化して行くようであります。研究はいたしておりまするが、昨日申しましたように、今日からすぐ修正しようかということまではまだ行つておりませんが、研究をいたしていることは事実であります。
○吉田法晴君 研究しておられるその中途の模様も新聞等で拝見をするのでありますが、具体的に申しますと、例えば産業活動の指数が一四六という数字が出ておりますが、伝えられるところによりますると、安本自体でも二二六・二乃至は一三四・四と、少くとも一四六というものは、これは行かんのじやないか、こういう御意向が出ておるようでありますが、その点は如何でございますか。
○国務大臣(周東英雄君) 新聞に出ておるところは、まだ確定いたしたものとして発表しておるものではありません。いろいろな面から見て研究はいたしておりますが、まだ確定的な数字になつておりません。
○吉田法晴君 そうしますと、この輸出にしましても減退をするだろう。これは数字にしましても、中途で挙つておりますが、挙つておるものはまだ確定的なものじやない、こういうお話でありますが、併し貿易の減退、そしてその穴埋と申しますか、その代りに貿易尻が合うために、七億ドルの特需がある、こういう見通しをされておるようでありますが、七億ドルの特需は、これは希望ではあつても、従来の実績から考えましてその見通しは甚だ困難なように考えられますが、この特需の点についてはどういう工合に考えられておりますか。数字を挙げて一つ御説明を頂きたい。
○国務大臣(周東英雄君) 特需の点につきましては、従来朝鮮関係から見ましても、常に予想を上廻つておるわけであります。今度のいろいろ研究いたしておる対象は、朝鮮の問題は仮に希望すべき問題として、休戰になりましても、代りに先ほど申しました日米経済協力の線に沿うての新らしい具体的の注文、発注というようなものがございますので、そういう面から見て或いはもう少し殖えるのではないかというのが一つの予想であります。これは飽くまでも予想でありまして、これは御指摘の通り、予想でありまするから、今確定的に、それは然りということは申上げられません。併し従来の経過から見まして、常に予想より上廻つておる状況等を考え併わせまして、楽観もできませんが、併しこれは全然ない、こういうふうに断定して行くのはまだ少し早いと思います。
○吉田法晴君 朝鮮停戰に伴いますその面での作戰関係からする特需の減、或いはこれは朝鮮復興のための資材その他によつてカバーされるかも知れませんが、従来の実績から、最近の特需関係を見ましても、減少が見られますが、それが果して朝鮮復興関係で穴埋めができるかどうか、これは相当疑問が持たれるのでありますし、まあ一番確実なのは、国内での何と申しますか、率直に申しましてバンバンその他の二億程度のものは最も確実であるかのような感じがするのでありますが、そのほかに、この間から言われております、マーカツト声明による一億五千万ドルの新特需はどういう形で出て参りまするかお伺いします。
○国務大臣(周東英雄君) その点につきましては、まだ具体的に何をいつどこういうふうなことにははつきりきまつておりません。併し伝えられるところによりますと、米国が国外に求める品物については、でき得る限り日本の生産物を求めたい、こういう希望を言つておるのでありまして、その範囲に属するものと思います。
○吉田法晴君 新聞の伝えるところによりますと、マーカツト声明による一億五千万ドル、米国の東南アジアに対する十億ドルの総合安全保障費の中から物資調達として出されるんじやないか、こういう記事もございます。或いは一億五千万ドルの新特需は、兵器生産の再開許可と関連するのではないか、こういうことが言われておりますが、もう少し具体的な形について、言われておりますような関連があるのかどうか、承わりたい。
○国務大臣(周東英雄君) それは只今申しまするように、具体的に何をいつというふうに、はつきりいたしておりません。順次これから具体的な話があると思いますが、今日申上げられることは、国外からアメリカの求める品物について、できるだけ日本からこれを調達するようにいたしたい、こういうことだけははつきり言われております。
○吉田法晴君 この輸出関係で、或いは鋼材にいたしましても、それからアルミにいたしましても、国内生産価格と、それから海外の各国の生産価格との開きが非常に大きくつて、この点についての十分な伸びというものが、これは期待できないと考えられますが、これらの予想と、それから対策について承わりたいと思います。
○国務大臣(周東英雄君) 御尤もの御質問でありまして、国内価格と、向うの求める価格との出合いがうまくつかなければ、輸出はこれはなかなか困難だと思います。これは併し今具体的な発注でもあります場合における価格の問題については、相当に話合いができるのではないかと考えておりますが、一面アルミ等に関しましては、必ずしも今具体的になつておりませんけれども、その数量等に関しましては、日本における生産の能力も関係いたします。殊に電力を非常に食う産業でありますので、発注の数量によりましては、電気事情その他から考えまして、そのままにすぐに受けるというわけには行かんかも知れません。それらは常に国内における産業の実態と、ほかの産業に及ぼす影響等を考えつつ、数量等については処して行きたいと考えますが、まだ数量はどれだけということは来ておりません。
○吉田法晴君 予算の基礎になつております物価の点でありますが、河野主計局長がここでお述べになりました基礎の中に、石炭その他ございますが、一つ石炭の点をとつて申しましても、あのとき述べられました国鉄におきましては、石炭六千四百カロリーで五千五百八十一円、補正予算のときには五千百八円であつたが、それを四百七十円ばかり上げて組んであると、こういう御説明でありましたが、私の調べたところでは、現在すでにこの値段は五千五百八十一円では、ございませんけれども、その前後の価格になつております。なおこれは昨年末から今年の初めにかけまして人件費の値上り、或いは坑木の値上り等で、これは計算の仕方によりますけれども、或いは五百円強から七百円といつたような数字も出るわけであります。六百円前後の炭価の高騰、これは今後にも当然見込まなければならんところのものではないか。それから国鉄自体の石炭の買入れ関係から見ましても、五百円前後の価格を考慮しなければならんのじやないかといつたような点が伝えられておりますが、これは一つの例をとつたのでありますけれども、こういう物価とそれから予算の基礎、これについて考えられております予算の基礎としての物価というものは動くのじやないか、こういう工合に物価の高騰が考えられるのじやないか、その一つの例として石炭の例を挙げたわけでありますが、その点についてどういう工合にお考になりますか。
○国務大臣(周東英雄君) 予算に見込んだ物価の問題でありますが、たびたび申上げますように二十七年度予算の編成をいたします場合における物価は、大体昨日も申しましたように横這い……卸売価格において二十六年度と比較して約二%ぐらいの値上りということを考えております。
○吉田法晴君 一般的にお話になつたのでありますが、河野主計局長が出されましたものの中からレール、枕木等については、これは直ちに数字が出て参りませんので、石炭の例をとつたわけでありますが、これは日本経済の三月十一日国鉄炭の買付交渉始まるという記事の中で、国鉄の場合に「市価よりトン当り五百円以上安いので、今後は市価との値開きを三百円程度に縮めるよう希望しているが、四月以降は一般、市場での上級炭価格はトン二、三百円の値上りが予想されるためこれを含めれば業界側の四—九月分国鉄用炭価格の値上要求は事実上五百円前後となるわけで、今後の交渉は供給量、価格の両面からかなりの難航が予想されている」、こう書いてありまして、五百円前後の値上りというものは当然予想されるのではないかという点を挙げて来たのであります。これについてどうぞ御意見を承わりたい。
○国務大臣(周東英雄君) 個々の物資につきましてはものによつて只今のようなお話が出てるのもあります。併しそれとても石炭を直ちに予算の中で五百円アップして考えるということは私はまだきまつておらんと思う。個々のものについては、或いは電気料金の今後の問題について、或るものについては或る程度上るということもあると思いますが、全体的に物価をならして見て、先ほど申上げましたような趣旨で予算は算定しております。
○吉田法晴君 これは今年の上半期デフレ傾向で、インフレの要因は下半期に現われるだろうと一般的に見られておりますし、差当りは、或いは全体から見るならば横這であろうという見通しは一応頷かんことはないのでありますが、下半期におけるインフレ、それは昭和二十七年度予算の中にも当然出て来るわけであります。差当り石炭の例を挙げて、五百円前後のものが上るとするならば、この点についての炭価の補正の必要があるのじやないか。それから今安本長官を述べられましたけれども、電力問題にしましても三割八厘程度の今の値上げ要求がどの程度に実現するかということはこれからの問題でありますが、いずれにしましても、電力にしましても或いは二割強のものは上ると見なければならんと思うのであります。そうしますと、去年の電力値上げの際にも、或いは今年でも、これが一般物価に吸收されると次の生産過程で吸收されるという話でありましたが、実際はそうではありません。これはあとで触れますけれども、生計費の中にもやつぱりちやんと出ております。それから何よりも恐れられておりますように、電力の値上げを機会にして便乗値上げと言いますか、それが相当出て来るのじやないか、そうすると例えば電力が二割強であつたとして二割強値上がつたとして、ほかの物価も大体二割近く上るということを計算に入れなければならんのじやないかと、こうこれはまあ昨年の例からしましても考え得るのでありますが、そうすると予算の基礎というものが、その点から見ましても、数字にいたしまして、まあ電力料金その他から考えて二割前後という数字が出て参りますが、これらの物価騰貴に対して更にそれが下半期になつてインフレ傾向になつて来る。そうすると全体的に予算の基礎になります物価が変動するということが考えられるわけでありますが、これらの点についてどういう工合に対処されますか、その点を伺いたいと思います。
○国務大臣(周東英雄君) 御尤もな御質問でありますが、昨年の電力、ガス、水道等の値上り以後において指数の上に現われた物価変動は殆んどないのであります。上つておりません。これはあの当時申しました通りすでに織込みですべての計画を立つておつたからかも知りません。従つて今後の問題といたしまして、まだ電力料金がどのくらい上るかということは具体的に協議を始めておりません。仮に何がしかしりましたといたしましても、そのままの姿がすべての価格に上る、一割上れば一割ほかのものも上るというような関係には電力料金等はならない、これで過去の実績から考えて言えることであります。併し私どもといたしましては、今後における問題は十分警戒して処して行くつもりでありまして、御指摘のように私どもは恐らく上半期までははつきりとまだ横這いを続けて行くだろう、その後においてもこれを値上りをしないように、先ほども申しましたように生産の過程においてもできるだけ注意を拂つて行くようにし、電力料金の値上げについてもできるだけこれを最小限度にとどめるように善処したいと、かように考えております。
○吉田法晴君 ちよつとはつきりしていなかつたのでありますが、すでに今までの物価については織込み済みだというお話でありますが、電力その他の値上りについてはこれはお認めになつたと思うのでありますが、そうすると電力の値上りがどの程度になるかもわからん。従つて一般物価の今後の傾向もわからん。従つてそれは最小限度にとどめることにして、今後の処置というものは考えておらん、こういう御答弁に承わつていいのですか。
○国務大臣(周東英雄君) これは今申しましたように、今後の問題としてもできるだけ価格の値上らんような方法を施策の上に現わして行きたいと、こういうことを申上げたのであります。現在、御指摘のようにややデフレ的な傾向になつておる現在において、その価格が上昇するとは思われませんですが、今後における施策如何によりまして、或いは金融的処置の如何によつては、或いは御指摘のようなインフレ的傾向が起るという虞れがあるかも知れません。併しそれは私どもとしては、いつも申しますように必要な部分においては積極的に金を出して、そうして生産の向上を図ると共に、それらの資金の出たものについては、再び資金蓄積の方法でこれを資金運用部なり銀行のほうに還えすべく、或いは預金部の郵便貯金の値上げを二分何厘から三分九厘まで引上げるとか、或いは償却の方法について、特殊な合理化法に基く償却、積立を奨励することによつて、資金を銀行或いは資金運用部に還元するというような、一面必要な個所については資金を出してやる。その資金を再び銀行資金に還元させるようにして、購買力の収縮ということを図つて行くということを考慮しつつ、できるだけ価格の値上りを抑えて行く、こういう形をとつて行かなければならんと考えております。物価問題については見通し或いは意見を異にしますけれども、その点については時間が過ぎますから先に進みたいと思うのでありますが、問題は賠償のために組んでございます百億程度のもので起るかどうかということでございます。昨日か一昨日か、大蔵大臣から何とかこれでやつて行けるであろうといつたような意味の御答弁があつたようでありますが、これは今年中に賠償に関します最後の締括りが出ないという意味でありましようか、或いは個々の賠償折衝が全体の賠償会議を開くというような手続をとつて今年中にはきまらない、こういう前提でお話になつたのでありましようか。若し今年中に何らかの、個々にしましても、結論が出て参りますならば、百億で足りないのではないか。こは要求の総額がどの程度に減るとしましてもこの点に想像せられるわけでありますが、この賠償の昭和二十七年度における総額、それと百億前後のものとの関係をどういう工合に見ておられますか。
○国務大臣(池田勇人君) 賠償並びに外債あるいは対日援助の支拂につきましては、御承知の通りにいつ如何なる金額を拂うようになるかきまつておりません。従いまして昭和二十七年度にお寺ましては、大体二百十億程度あれば足りるものと考えておるのであります。昭和二十八年度以降においてどれだけ拂うかは賠償の額並びに外債援助資金の安排方法がきまつてから確定すると思いますが、二十七年度中にこれがきまるのでございます。二十七年度中のきまるとききによりまして金額が動いて来るのであります。従いまして二十八年度においてどれだけになるかということは、今のところ賠償の額そのものがきまりませんので申上げるわけに参りません。
○吉田法晴君 お尋ねしたのは、二十七年度中にきまるでしよう、二十七年度中にきまるとして、二十七年度はそれじや殆んど出さなくてもよろしい、こういうことならば、或いは賠償関係だけで言いますと、多くても百億は出でないと思いますが、その中では足りないのでありますか。二十七年度中に出さなければならんということになるならば、それが二十七年度中にはきまつても出さなくてもいいのだ、二十八年度からということであればそれでいいでしようが、二十七年度にきまつたところから出して行くということになれば百億では足りないのではないか。こういうことをお尋ねしたいのです。
○国務大臣(池田勇人君) きまり次第出します。きまり次第出しまするが、一出す金額等は私が想像するところは二百十億で、全体で、大丈夫だと考えております。
○吉田法晴君 私申上げるまでもなく、或いはフィリピンで八十億ドル、一或いはインドネシア六十五億ドル、その他等々ありますが、勿論これは要求額で、これは日本が責任を持つ金額では、ございませんけれども、少くともその金額を合せただけでも日本の円に直して七兆以上になる。そうすると賠償が日本の財政経済に及ぼします影響、これは或いはその要求の数字だけから言いましても、曾つてのドイツが第一次欧州大戦後、一応命ぜられました賠償の金額にも匹敵する金額になる。そこでそれが実際の負担になる場合にどのくらいの金額になるか、それが財政経済に及ぼす影響というものは、非常に大きな関心とそれから危惧とを以て迎えられておるわけでありますが、二十七年度中においては外債或いはその他を加えまして二百十億は、これは出ることはない、或いはきまつた場合としても補正予算その他で追加をする必要はない、こういう工合に答えられるのでありますか。それとも或いは補正予算等で加えなければならんようになるかも知らん……。この点もう少しはつきり承わりたい。
○国務大臣(池田勇人君) 私はこの予算を組みます場合に、フィリピンの八十億ドルとかインドネシアの六十五億ドルということを頭に入れて計算したわけじやありません。あんな厖大な賠億金は平和條約の第十五條の精神に沿わん、こういう考えでこの予算を組んでいるのであります。そして賠償その他の問題で二百十億で、今年度は一切それより殖えないか、或いはそれまで、要らんかという問題につきましては、賠償自体、或いは外債の支拂方法等もきしまつておりませんので、確言はできません。補正予算も一切作らんとは言いませんが、只今のところ補正予算も必要ないと思います。
○吉田法晴君 それではその次に警察予備隊が現在借りております武器、これは貸與せられているということが一応現在無償でありますが、これは飽くまで無償で済むのかどうか。と申しますのは、対日援助資金というのは、これは私ども援助であり或いはギフトであると考えて来ました。例えばこれは地方税法の場合でありましも、その他の場合でもでありますが、外国の恵みを受けている国民には真の自由がないということが言われている。外国の惠みというのはギフトであると考えておつたのでありますが、それについて返済の義務があるということに、これは池田大蔵大臣その他、全権で行つて向うできめられて来たわけであります。、その点については私ども納得いたしかねますが、そういう例もございますので、現在貸與を受けているのだと言つてもあれは貸與ではない、それについて補償と言うか債務というか、こういう話が出るのではないかと、これは援助費に関連いたしまして心配をするのでありますが、大蔵大臣どういう工合に考えておられますか承わりたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 対日援助費は、私は講和会議に行く前、もう二、三年前からこれは債務と心得ているということをこの席上でもたびたび申上げたのであります。そして警察予備隊で借りて使用いたしております武器の使用料を拂うことは、私は対日援助費とは違つて債務と心得ておりません。拂う必要はないと思つております。
○吉田法晴君 それからこれは今後の問題でありますが、今後使つて参ります武器について、一応今のところ貸與でありますが、今後自分で、自分でと申しますか国内でこれを生産して使うということについては画然たる方針はないようでありますが、併し漸次自分で作つて使つて行くということが全く否定されているようではないようであります。この今後の問題につきましても、昭和二十七年度中援助であつて、援助と言いますか、貸與であつて、日本で作つて使うという予定、それから費用については全然見てないようでありますが、その点は二十七年度中今のままで、自分で国内の費用で作つて使うというということはないか、その点を念を押してお聞きしたい。
○国務大臣(池田勇人君) 警察予備隊の使用いたしまする小銃その他の武器を日本の政府の計算において作つて使うということは、予算で御覧の通りありません。小銃その他の武器を作つて、そうして警察予備隊に使わせるということは考えておりません。
○吉田法晴君 武器と申しますか、兵器の製造問題でありますが、これは戦力問題の場合に、日本でも武器を作つておるのではないか、こういうことをお尋ねしましたところが、安本長官はそのような事実はない、こう否定になつたのでありますが、併し事実はこれはもうおのずから明らかだと思うのであります。一億五千万ドルの新特需というものも武器の生産に関連をしておるようでありますが、兵器の製造禁止に関する指令の緩和、これに関連しま旧して現在これは修理、その他が中心であるとは思いますけれども、現に日本の工場で兵器の修理或いは部分品の製造がなされておることは明らかなようであります。そこで、今日は戦力問題ではないのですが、この面についての、これは相当の日本の経済の将来として期待をかけておる、これは間違いがないことだと思うのでありますが、この兵器製造問題について或いは航空機の製造についていろいろ打合せがなされ、或いは通産省ですか、政府の役人も外国に参つてこれの研究調査をしよう、こういう段階にありますので、兵器を生産しておらんと、こういう誰も信用しない嘘を言われてもこれは通らんと思うのでありますが、今後のこの兵器製造についての予定と申しますか或いは見通しについて承わりたいと思います。先ず安本長官に承わりたい。
○国務大臣(周東英雄君) 先ほどもお答えいたしましたように、航空機とか艦船の製造製限の撤廃と言いますか、その指令のあつたそのことと、一億五千万ドルとの関連があるかというお尋ねでありますが、それについては直接関連がないと、こう申上げたわけであります。従つて先ほどお答え申上げましたように、一億五千万ドルの、金額はいろいろ変る患いま芸、それらについては具体的に何もそういう話はありません。今後具体的になつた場合においていろいろと考えたいと思いますが、その間におきまして、あれは買うのか……、そういうものに限らないで、結局アメリカが国外に求めるものをできるだけ日本から買うということはわかるが、武器との関係において、この間の指令との関係はないのであります。
○吉田法晴君 そうすると、もう少し今の点をお尋ねいたしますが、例えば自動車について五千万ドルの特需関係の注文があつたと申しますか、そういう新聞記事が出ておつて、その自動車に関連する六千万ドルは一億五千万ドルの特需の第一陣である。こういう新聞記事があります。そうすると、これは或いはアジア向けの十億ドルの相互安全保障費の中から自動車を先ず五千万ドル日本に作つてもらつて、これをアジアに向ける、こういう構想のように考えられますが、或いは自動車でなぐても、それが兵器が含まれるかどうかという問題になるのでありますが、そういう形で一億五千万ドルの特需が日本に入つて来るのであるか、こういう感じがするのでありますが、その点どうでしようか。
○国務大臣(周東英雄君) いろいろ新聞記事を御引用になつておられますか、はつきり申上げております通り、まだ何もどういうように買うということの品物別の話はないというのは事実であります。従つて今の自動車だけを五千万ドル、その中で注文があつたじやないかということは、私はまだ聞いておりません。
○岩間正男君 ちよつと関連して……。
○委員長(和田博雄君) 関連質問よろしうございますか。
○吉田法晴君 よろしうございます。
○委員長(和田博雄君) 簡單に。
○岩間正男君 ちよつとお伺いいたしますが、新特需の一億五千万ドル、こういうものは今後拡大される傾向にあるかどうか、なおこれは現在問題になつておりますアメリカの軍拡の行詰りと言いますか、中だるみと言いますか、こういうものと関連があるかどうか、こういう点について少くとも安本長官は一つの見通しを持たれるのが必要だと思うのでありますが、そういう点について御意見を承わりたいと思います。
○国務大臣(周東英雄君) たびたび申上げます通り、一億五千万ドルの内容についてはまだ具体的の話がないのであります。これが更に今後殖える見込かどうかということについてもまだわかつておりません。
○吉田法晴君 それでは……。
○委員長(和田博雄君) あと二十分ありますから。
○吉田法晴君 この兵器の製造に関する禁止指令の緩和をどういう工合に、それでは日本の場合にせられますか。今見ておりますとPDその他で修理、生産がなされておる。そうすると日本の法律は全然タッチしないで、向うからの注文で作つておるという恰好になるのでありますが、今後兵器の製造をやつて行くについては、何らかの法制的な措置を日本でとられるか、その点お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(高橋龍太郎君) 今の一億五千万ドルですか、それから兵器云々、これは私ども内容は全然聞いていない。あのマーカツト声明が新聞に出ました翌日ですが、私マーカツト氏に会いましたときに、その内容を私質問したのですが、ちよつと待つてくれ、内容は話するわけにはいかんということでありますし、その点私聞いておりますが、その後何も聞いておりません。それから今の兵器を国内でこしらえることは、御承知のように禁ぜられておつたのですが、先だつて政府が許可をすれば兵器の製造を許すことができるようになりましたのですが、実際の何は平和條約の発効後の問題だと私は考えておりますのです。今無論その前に何か法的の措置を講ずることは必要と考えております。
○吉田法晴君 通産大臣に関連してお尋ねいたしますが、それでは航空機或いは部品の製造のために通産省の役人と、それから民間工場の人たちを海外に派遣する、こういう構想がありますかどうか、関連して承わりたいと思います。
○国務大臣(高橋龍太郎君) ちよつとはつきりわからなかつたですが、航空機製造……。
○吉田法晴君 航空機生産に関する調査のために海外に通産省の役人を出すかどうか。
○国務大臣(高橋龍太郎君) これは私のほうは関係しておりません。
○吉田法晴君 これは岡崎国務相がおられませんが、安本長官かどなたかにお願いをしたいのですが、今の問題に関連しまして行政協定の十二條と関連をして特需、それから今の或いは東南アジア向けであるか国内向けであるかはわかりませんが、兵器の生産等はどういう関係になりまするか、行政協定十二條の一項と特需、それから東南アジア向けの生産か、或いは国内向けかの兵器生産との関連性、出ておるのは自動車その他でありますが、それに兵器の生産が関連あるのかどうか。
○国務大臣(周東英雄君) ちよつと質問の点がよくわかりませんが、行政協定と日本の自動車を作る工場との関係とかいうことでありますが、これは行政協定と差当つて関連がないように思いますが、若しも間違つておりましたら……。日本としては御承知のように工作機械であるとか、その他の自動車工業というようなものについては相当生産に余力があります。車両、自動車に対する製造修理工場については。このことは従来朝鮮事変等におきましてもその能力に応じまして自動車の製造又修理をいたして参つたわけであります。今後も独立後において東南アジア地方においての経済協力という意味において、自動車その他の製造の注文があればその能力を発揮して作るということについては別に何にも行政協定と直接関係がないように思いますが、或いは御質問と違えば……。
○吉田法晴君 質問の要点がはつきりしなかつたと思いますが、行政協定第十二條によつて物資の調達がなされ、その物資の調達の中には武器も入るのでしよう。そうすると今のお話ですと、如何なる形においても武器は生産することが、今のところ日本では問題でないような御答弁であつたように伺うのでありますが、行政協定に基いて武器の生産ということがなされるのではないか、そうするとそれから一億五千万ドルが或いは直接向うからの国防省なり、国務省からの注文になるということになるかも知れませんが、現実には生産しておるこれは日本の政府は通つておらないでしようが、現在作つている。そうすると行政協定との関係からすると、作るということが予想される。或いはそうすると今後日本で武器を製造するということが進んで参る。或いは今の武器兵器の生産の禁止指令が緩和される。そうすると今の高橋通産相のお言葉ですと、何らかの法的措置が必要になつて来るのではないか、法的な措置が講ぜられますと、それは講和発効の前後であるということは別問題といたしまして、日本では武器が生産されて行く、こういうことになるのではないか。その辺の具体的な姿、行政協定からするのか、或いは直接するのか、経済的に一億五千万ドルの関係はどういう形になるのか、こういう点をお尋ねしたい。
○国務大臣(周東英雄君) 行政協定の十二條によりましては或る種の駐留軍等の必要とする需品の製造に対しては日本は協定上義務を負つておると思います。併しその間において問題となるべきことは、結局能力の範囲において今の自動車或いはその他の需品というものに対する製造はいたしますが、常に日本の経済に影響を及ぼす虞れのあるような場合においては、日本の政府を通じ又は協議の上でやるということになつております。その間において連絡調整はできるものと考えております。
○吉田法晴君 もう少しそれに関連して質問ございますが、時間の関係で先に進めたいと思います。問題は今後の物価の上昇と、それから給與の問題でありますが、先般来木村委員との間に質疑を続けられましたが、防衛関係費それからその他平和回復善後処理費或いは連合国財産補償費等にしましても非生産的な支出が相当ございます。従つて或いは上半期においてはどうかと思われますが、明らかに後半期においては物価の上昇、インフレの危険性がするわけでありますが、その物価の上昇見込というものをどの程度に見込むかということはとにかくとして、電力値上げその他から考えましても二割或いは三割、或いは私はもつと非生産的な要素が二重、三重に加わり、或いは砂糖の価格、消費税の釣合等からいたしましても、三割或いは四割という物価騰貴を来たすのではないかという点を心配するのでありますが、将来のことは一応おきましても、昨年の給與引上の際に人事院勧告は二千八百円アップの勧告をされたのであります。それに対して実際には千五百円しか上げなかつた。そこで千三百円の差というものがすでに残つておるわけであります。その後、人事院勧告は昨年の五月の物価生計費を基礎にいたしておりますから、年末年始にかけての民間給與の引上げというものは、これは蔽うことのできない事実であります。そこで千三百円の差だけでなくして相当大きな開きが出て来ておるわけであります。こういうふうに民間給與と公務員給與の差がどんなに大きくなつて行つてもべース・アップはやらん、こういう今の政府の方針のようでありますが、この点について何ら措置を考えられておらんのかどうか、大蔵大臣と人事院に一つお伺いをしたい。
○国務大臣(池田勇人君) 先般の給與の引上げで今年はこのまま続けて行きたいと考えておりますが、物価その他の関係で引上げなければならん事情が発生いたしましたならば、それはそのときに考えることにいたしたいと思います。
○政府委員(滝本忠男君) 人事院のほうからお答え申上げます。人事院は昨年の五月の民間給與の水準並に生計費の状態に基きまして勧告をいたしたのであります。実際に給與が改訂いたされましたのはそれより下廻つておることは事実でございまするが、併しその場合に免税点の引上げ、それから減税の措置がございましたので、斜目的なこの金額の差を以て直ちにその差というふ、うに考えるわけには参らんであろうというふうに思つております。現在それでは民間給與がどういうふうになつておるか、それから標準生計費がどういうふうになつておるかということにつきまして、人事院は絶えず研究をいたしておるのでありますが、現在我我が計算の基礎にいたしまする標準生計費、給與をベース・アップいたす必要があるかどうかということを判断いたし、そうして俸給表の基礎になりまする標準生計費というものにつきましては、我々の現在までの計算によりますると、本年の一月ぐらいの数字はわかつておるわけでございまするが、それによりますると、税込みでほぼ昨年の五月の状況に比しまして二%ぐらいの上昇に相成つておるのであります。民間の給與のほうは、毎月勤労統計等を見ますると、これは相当に上昇になつております。併しながら我々は直ちに民間給與のそういつた毎月勤労統計の上り状況というようなものを直ちに以て上げるというようなことはいたさないのでありまして、これはこの政府におきまする職務と同様の職務と責任を持つておりまする民間給與におきまして、勤労條件というものも同一であるという、そういう状況において、どれだけ上つておるかということを十分検討いたしまして、その結果に基きまして民間給與に合せて行く、こういう操作をとるのであります。昨年五月以降におきまして、民間給與が毎月勤労統計等によりますると相当に上つております。併しながらそこにおきましては非常に、どう言いますか、労働時間が殖えておるとか、或いは労働内容が強化されておるというふうなことがあるのであります。直ちに以てその名目的な毎月勤労統計の上りを問題にするというわけには参りません。人事院におきましては、この正確な民間におきまする賃金の実態を把握いたしまするために調査をいたすということにつきまして万全の準備を備えておる次第でありまして、いろいろそういう直接の資料からベース・アップの必要があるというふうに判断いたしまするならば、直ちに勧告いたすという準備をいたしておる次第であります。
○委員長(和田博雄君) 吉田君あと五分しかありませんから……。
○吉田法晴君 時間がないのは遺憾ですが、民間給與との差は十二月でもこれは全産業の平均をとりましても二千円ぐらいの開きがある。東京都の数字を見ましても、これは公務員を含んだ給料生活者との間に四千円以上の開きがあるのでありますが、それだけではこの給與の改訂勧告をしないということでありますが、こういう大きな民間給與との差、それからこの生計費の調査だけで今やるというお話でありますけれども、生計費の調査、成るほど一月については二%の上昇ということになると思いますが、過去においてずつと毎月の標準生計費をとつておられますが、それらのものを見ましても、これは一月は成るほど二%で、ございましようが、過失においてもつと開いておると思います。時間があれば毎月の分をお示しを願つて論議を進めたいのでありますが、或るときには五%に達しておつても、一月だけが二%ならば云云というまあお話であります。これは今後又出て参ると思うのでありますが、民間給與との歴然たる差それから一月はとにかくでありますが、趨勢としての五%の差というものができたら、当然これは勧告がなさるべきだと思うのでありますが、勧告の時間はそういう意味においてすでに来ておると思いますが、次の勧告の見通しと時期と、それから五%程度のものが開きましても、なお勧告をしないのかどうか、その点を重ねて伺いたいと思います。
○政府委員(滝本忠男君) 一月だけを問題にいたしているのではないので、ございまして、我々が勧告をいたすということになりますれば、これは相当期間それによりまして給與が遡つて行くというものでございますから、趨勢は見ている次第でございます。ただ十二月というふうな異例な月におきまして、なかなかその数字をこの根拠として使うわけに参りませんので、例えば十二月というような月に仮に異例な数字が出たとしても、それはやはりそれを異例であるということを考えに入れまして見なければならないというふうに考えるのであります。現在のところ標準生計費は二%程度の上昇率になつておりまするが、CPI等から見ましても、漸騰傾向にあるという事実はこれは否定し得ないのであります。ただ人事院といたしましては、五%以上げ下げをするというふうに必要があると判断いたします時期には、直ちにそれをできるように万全の準備を進めているという状況であります。
○吉田法晴君 次は法務総裁に治安立法と、それから行政機構の改革についてお尋ねいたしたいと思います。特別保安法の上程も間近く、この特別保安法については之の治安維持法の復活であるとして大きな問題になつているわけでありますが、これは刑法にもございません企て、助け、唆かし、或いは共謀若しくは企てることを助け云々、こういう未遂の封助或いは教唆等についても処罰をする、或いは暴力主義的破壊活動云々と言われておりますけれども、それが正当な労働行為の結果においても、重要設備の破壊が行われるならば、これは破壊活動として処罰されるという点に、明らかに曾つての治安維持法的な運用がなされるのではないかというふうに心配されるのでありますが、この治安維持法を再現するのではないというもつと具体的な一つ方策について承わりたいのであります。それからそれに関連いたしまして、特高警察の復活が、これは東大事件簿を通じても明らかにせられたのでありまするが、或いは国警、自治警とそれから特別保安法によります調査官の連繋等によつて、更にこれが公然と法制化せられるのじやないかと、こういう心配が持たれるのでありますが、この点について御意見を承わりたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今のお尋ねは、治安維持法のような法案の復活を企てているのじやないかという御質問、私は断じて然からずということを言つておるのであります。目下考えております法案の趣旨とするところは、団体組織による暴力的破壊行為の取締りを対象にしているのであります。従つて組合運動とか、或いは一般言論なんとかいうものを対象にしているものではないのであります。この法案につきましての組立については我々は十分なる注意を抑い、いやしくも思想を取締つたり、或いは言論を取締つたり、人権を無視したりするというようなことはあつてはいけないのでありますから、ただ団体組織によります暴力的破壊活動を取締りの対象としているのであります。そういう御懸念は毛頭ないと考えております。先日毎日新聞に法案の内容として一部載つた事実がありますが、あれは全然今我々の考えているところと内容において相違しているということをここに申上げたいのであります。近く法案を作成いたしまして御審議を願いたいと考えております。それから特高警察の復活云々というお話が出ましたが、勿論この特高警察というものは復活相成らんのであります。御承知の通りに、戰時中の特高警察或いはいわゆる特定の思想を取締の対象といたしたり、或いは国民思想の統制を企てたりする目的を以て捜査をした事実はありません。かようなことは最も愼しむべきことと我々は考えておるのであります。このいわゆる治安立法作成にいたしましても、そういうような点については十分の注意を拂いまして、いやしくも戰時中にありました特高警察のような復活はいたさないつもりであります。
○委員長(和田博雄君) 時間がもう大分過ぎておりますから……。
○吉田法晴君 問題は時間が、ございませんので簡單に伺いますが、労働法の改正に関連しまして、これは労働法改正特別審議会の結論は出ておりますけれども、大事な点は抜けております。そこでその点について、これは労働省として今後どういう工合に考えておられますのか、承わりたいのでありますが、これは占領中のポ政令その他の撤廃に関連いたしまして、現業公務員、或いは公共企業体職員に争議権、団体交渉権を與えるかどうか、これは当然憲法の精神に顧みますならば與えらるべきだと思うのであります。それから行政機構の改革に関連して人事院が廃止されるようでありますが、人事院が廃止されると、これに関連して公務員の団体交渉権の制限は撤廃せらるべきだと思うのであります。この現業公務員或いは公共企業体職員の争議権或いは団体交渉権を與えるかどうか。それから争議の調整について心配されておりますのは、ゼネスト禁止法或いは同様な措置が講ぜられるのではないか、或いは公益事業の指定等によつて仲裁手続中、或いは調査中その他で以て争議行為を停止することはないかという心配があるのでありますが、その点について労働大臣としてどういう工合に考えておられるか、どうか。それから労働基準法の改正について、これは若干の企図があるようでありますが、これについてお伺いしたい。それからなおこれは法務総裁、労働大臣両方に関連いたしますが、こういう労働組合の基本的な性格或いは動向について、労働法の改悪について労働組合の争議がなされるのは当然これは正当な労働行為であると考えられますが、それについて正当な労働行為についての抑圧的な意図があるやに考えられます。それについてどういう工合に考えられておるのか。それからもう一つ、これは併せて労働大臣としてでなく、厚生大臣にお伺いするのでありますが、国立病院の地方委譲につきまして、これは昨日も山下さん、木村さんからお尋ねもあつたようでありますが、厚生大臣として国立病院の地方委譲は職員が一部反対をしておるだけだと、こういうお話であつたのであります。各府県がその財政の実情から或いは悪い病院をよつて地方に押付けるのではないかということで殆んど反対をしておる組合が多いのであります。恐らく地方委譲は地方の側から言いますならば、実現困難だと思うのでありますが、そうすると、九カ月予算では進めない、これは委讓行政を国が保護するかどうかという点にも関連いたしますので、当然こういう地方委譲というものはこれは行わるべきではないと考えます。そうして九カ月予算でなくて、一年分の予算が当然計上せられるべきだと思うのでありますが、それからの点についてどういう工合に考えられておりますか。
○国務大臣(吉武惠市君) お答えをいたします。第一の御質問の点は、目下労務法制審議会で審議されておりまする労働法改正の問題でございますが、これは御指摘のように、遂に最後案は重要な点が骨抜きになりまして余り問題にならない点だけが答申されたのであります。従いまして政府といたしましては、労務法制審議会の審議過程において取上げられました事項を十分参考にいたしまして、政府の手において立案をしようということで、目下検討いたしておるわけでございます。そこで第二に御指摘になりました現業公務員の争議権の問題でありますが、これは私といたしましては、公務員及び現業公務員につきましての争議権は、現在のところ與えるべきでないじやないか、併しながらこれらの現業員の労働條件につきましては、合理的な機関にかけて合理的な解決を図るの途を講ずることが必要であろうと存じておるわけであります。次に第三に御指摘になりましたゼネスト禁止法の問題でありますが、これは私といたしましては、ゼネストであるから禁止ずるということは考えなきやならんだろう、併しながら国家、国民の生活を危殆に陷れるような争議がありましてその場合に国家としての手の打ちようがないのだということもできないわけでありますからかようなものにつきましては、争議というものを避けまして合理的な機関によつて解決を図る、こういう方途が必要であろうと存じております。次に第四に御指摘になりましたのは、労働基準法でございますが、これらは労働基準審議会で検討されまして、すでに答申が出ております。これらは労使及び中立の意見が一致いたしまして公正なる答申がございまするので、できるだけこれを尊重いたしまして立法化する考えであります。次に第五に御指摘になりましたこれら労働法等に関しまして、組合が争議をすることは認むべきではないかというような御意味であつたかと思いますが、元来組合の争議権というものは、労働者の労働條件の維持改善というものを目的としてできておりますものでありますから、こういう政治的目的のために争議を行われることは、これは認むべきものでないと私は信じます。次に最後の国立病院移管の問題についての御質問でございますが、これは昨日も申しましたように、目下のところ地方には反対の機運は多うございます。併しながらその主要な原因を調べて見ますると、一番熱心に反対いたしておりますのは、国立病院に勤めておりまする職員諸君でございます。地方からも、地方では委譲されると困るという自治体の責任者からの御意見も十分聞いております。併し昨日も申しましたように、今度の委譲は時価の三割で委讓をする、土地建物、それから医療器具は時価の半額で委讓をするという説明をいたしますと、それならばもう一遍一つ考え直して見ようといつて帰られておる向もあるのであります。実際現状といたしましては、地方の自治体でも病院を建てたいという機運はほうぼうにございまして、そのために金融の斡旋をしてくれろというような希望もあるわけでございます。そこで新らしく病院を建てるということになれば相当の経費がかかるのであります。それを現在持つております国の病院を三割で拂下ずるということであれば、多少不備の点がございましても、そのほうがいい場合もあるのでありましてこれは今後一年の間に私は話合の上で付けて行きたい、決して強制をする意思はございません。従つて若し万一話合が付きませんで、政府が予定しておる委讓が行えないということになりますれば、勿論九カ月予算で足りない場合に補正という問題が起ると思いますが、私はできるだけ既定方針で、而も強制せず、話合の上でやりたい、かように存じております。
○委員長(和田博雄君) この際昨日の関連質問で左藤君に発言を許します。
○左藤義詮君 昨日岡田、堀木両委員から世界経済のスランプについての質問に大蔵大臣非常に楽観的なお見通しであつたのですが中小企業が非常た苦しみをして倒れるものが五人や七人でない。又貿易商社が今整理の搾木にかけられて毛穴から血の出るような苦しみをしておる。こういう実情はよく御承知と思うのでありますが十九日に私が貿易の見通しについて訂正の必要がないかと申上げたら、その必要がないというお話だつたが、もうその翌日にはすぐ安本において改訂計画をやつておられるということが新聞に伝えられておるのであります。大蔵大臣はストックが殖えるということは経済力の涵養だと、こうおつしやるのですが、紡績のごときは操短を四割しておるのでも大変なことですが、それを更に五割にしなければならん、これは通産大臣も認めておられるのでありますが、これは非常な事態でありまして而も僅かに三、四十万梱のストツクのためにダンピングをしたり、非常に市価が混沌としておる。こういう点についてストックを非常に御奨励になるのなら、どうしてもこれに対する金融ということについてもう少し具体的な処理をなさる必要があると思うのですが、一方では通貨が空前の収縮をしておりまするし、現在納税その他非常に税の引揚げ超になつております。こういうときに先ほど申しました問題に対して、大蔵大臣も風邪が治つて、これから一つ非常に何か思切つたことをやろうということが新聞には伝えられておりますが、一つこの際国会を通じてどういうふうの処理をなさるか。これは私は非常に時期の早いことを要すると思うのですが、例えば日銀の公定歩合を引下げられるとか、或いは特別滞貨融資をなさるとか、併しこういうことだけでは従来から財政の皺が金融に寄せ過ぎるということもございまするし、日銀必ずしも政府の思う通りにけ行かんと思うのです。結局は財政資金の産業投資、例えば国庫の余裕金を中小企業の金融機関に預託なさるとか、或いは金融債を引受けられるとか、こういうことについて百億程度とかいうことも洩れ承わつておるのでありまするが、この際一つ国会を通じて、今非常な苦しみをしておりますものに希望を與えるといいますか、早く財界に活を入れる意味で大蔵大臣の構想をこの際承わりたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 従来この問題につきましては断片的にお話を申上げておるのであります。私は只今想を練つております。貿易関係につきまして輸出入計画を再検討するとかいうことを安本のほうで言つておるようでありますが、私はそれを再検討じやない、拡大再検討くらいなら応じますが、まだ私のほうにはそういうものは来ておりません。それから日銀のほうも今考えておりまして、先般一万田君も新聞記者会見で言つております。私といたしましてはお話の通り通貨が相当縮小いたしております。それから又預金が殖えても貸出が余り殖えない。これは市中銀行が少し引つ込み思案になつておるのじやないかという嫌いもありますので、片方政府の国庫の状況は揚超になつておる。その揚超もここ一、ニカ月続く見通しがついておりますので、先般百億と言つておりましたが、これは実は三月いつぱいに百五十億ぐらい、百億は大体指定預金並びに金融債即ち金融債を今すぐ引受けると申しましても、御承知の通り金融債というものは資金運用部の引受ける割合と市中銀行で引受ける割合があります。資金運用部だけで全額を引受ける山わけには参りません。そういう関係もら、百億を将来の金融債を見越して指定預金をしてあとの五十億は商工中金とか相互銀行とか中小企業方面への合で、これは昨日一昨日から準備いたしております。そうして明日から作業に引かかり、三月いつぱいにもできることを期待いたしております。それにいたしましても四月の初めにはそれはできると思います。又四月、五月の情勢に応じましては、まだ指定預金その他の方法で財政資金を廻してくれ、これは大体財政資金をこういうものに廻すことは理論としてはよくないのでありまして、今国庫の状況は非常によい、即ち自然増收もまだ年度中と申しますか、締切つて見なければわかりませんが、私の見通しでは三百億を超えるのではないかと思います。租税の自然増收が……。それから一般会計におきまする不用額としての剩余金が百億近くになるのではないかと思います。それから資金運用部につきましても、各特別会計から預金が殖えまして、大体昭和二十六年度の計画から申しますと、資金運用部の金繰りが百億ばかり殖える見通しであります。一方では地方債も五百四十七億の地方債の引受けを見込んでおり、又地方のほうでは地方債が足りない足りないといつて非常な陳情でありますが、十八日現在では五百四十七億のうちで三百三、四十億しか出ていない。これが年末になつたらずつと出ると思いますが、五百四十七億の地方債の枠を作つても、三月十八日にまだ三百三、四十億、まだ約二百億くらい余つておるというような状況であるのであります。まあ年末の三十一日までには相当出ると思いますが、それにいたしましても、その枠なかなか使えない。陳情は非常に多いのでありますが……。それから資金運用部のいわゆる短期資金、これも実はピークでは百七、八十億出ておつたのでありますが、ずつと二月、三月にかけて回收になつて、四十億余りしか今ございません。従いまして取りあえず百五十億の指定預金を或いは中小企業に出しますと同時に、他の手を逐次打つて行こう、こういう考えでおります。而して又日銀或いは市中銀行に対しましても、こういう私の考えを今後主張して行こう。こういうのでこの沈滯せんとしておる経済界に、或る程度の活を入れ得るという見通しであります。 それから滯貨金融の問題は、今滯貨金融ということの状態にはなつておりません。ただ産業界の人が将来の見込みで相談をされるのであります。私はいつも言つておるように、余り相談をするということはよくないと思いますが、金を貸してやるからうんと作れとも言われません。この点は我々の心がまえがだんだん浸透して行けば、おのずから変つて来ると思います。而して又滯貨金融、こういうものは私の知つておる範囲ではございません。滯貨金融ができるようなのが、私、経済が強くなると、こういうふうに考えております。
○小野哲君 まず地方行政、財政に関しまして、関係大臣並びに地方財政委員会に私は質問したいと思います。 御承知のように新らしい憲法ができましてから、地方制度の画期的な改革が行われましたことは、私の申上げるまでもないところでございますが、最近各種の論議が行われておる。即ち地方行政、狹い意味の地方行政でありますが、更に財政、税制制度に関しまして非常な論議が行われるに至つたということにつきましては、これは十分注目をいたさなければならないかと思つております。私考えてみますのに、本来地方自治制度というものと地方行政というものには、概念の上ではこれは区別さるべきものである、かように思つておるわけであります。で新らしく仕立て上げられました地方自治制度の下に発展して参りました自治行政、この二つの間には現実に遊離したものを生じて参りまして、地方自治制度の制度的機構が自治行政に対して或る種の制約と化しまして、いろいろの問題を生じて行くのではないかと想像されるわけであります。特に我が国の置かれておる現下の状態から考えまして、防衛力の漸増の方向に進んで行こうとするこの際において、地方制度の問題は新たなる観点から又新らしい事態に臨んでおるということを前提として処理して参らなければならないのではないかと思うわけであります。 先ず第一に伺いたいことは、地方団体の赤字の処理についてであります。政府の説明によりますと、昭和二十五年度におきましてはその形式的な赤字というものが相当各種の広汎な団体に起つておるということが示されておるわけでありますが、これは單に形式的な赤字決算という面からの赤字でありまして、実質的には恐らくこれに数倍するものに上つておると私も想像されるわけであります。従いましてこれらの原因については、いろいろ意見もあろうかと思いますが、要は地方団体が財政的に異常の窮迫状態に置かれておるという事実については、何人もこれを否定することはできなかろうと考えておるのであります。二十五年度の赤字決算は相当の各地方公共団体に及んでおるということでございますが、二十七年度の今回の地方財政計画を拜見いたしますと、その財政規模が七千五億余円と相成つておりまして、而もそのうちの税收見込額が二千九百二十四億円となつておるわけであります。で、政府の説明によりますと、地方歳入見込額の総額が只今申上げました七千五億円において、税收見込額は四二%弱である。又地方財政平衡交付金や各種国庫負担金、補助金を含む国庫支出金は三九%強である。こういうふうに言つておるのであります。併しこれは府県、市町村をおしなべて平均してとりましたパーセンテージでありまして府県だけについて見ますると、その税收見込額は恐らく国庫支出金に比較いたしまして相当少いものになつておるのではないか、かように考えるわけであります。これに対して国の一般会計を見ますると、専專益金を含む租税收入が一般会計において八九%強を占めておる、こういうふうな状態であることを示されておるわけでありますが、従つてこれらの点を考えますると、地方財政の自主性というものに対しまして我々は多大の懸念を持たなければならない。又その事実を指摘せざるを得ないと思うのであります。 さて昭和二十六年度の地方財政の状況を見ますると、政府の資料によりますると大体二百二十一億円余の赤字が出る計算になつておるわけであります。これに対しまして一体どういう措置をおとりになつたか、実は昨日の朝日新聞の夕刊を見ますと、政府はこれに対して八十億の融資の措置をとる、こういうことが報道されておるわけでございますが、この点に関しまして、この新聞の報道につきまして、政府からその内容について御説明をまず承わりたいと思うのであります。
○国務大臣(岡野清豪君) お答えを申上げます。地方財政が窮乏に立至つておるということは、これはお説の通り事実でございます。これにつきまして今御指摘のように地方の財政の自主性がないじやないか、これも或る意味においてその通りでございます。只今お述べになりましたように、七千五億円の財政計画につきまして僅か四二%だけ、即ち二千九百二十四億円しか税收がないのでございます。これを国家財政に比較いたしますと、国家財政は税收が八九%に上つております。地方の自治を確立いたします点におきましては、いろいろのこともございましようが、財政の基礎を確立する、即ち財政に自主性を與えるということが必要なことは、これは勿論でございます。その点におきまして我々といたしましては、今までのように平衡交付金並びに国庫の補助金、負担金というようなものが、税收は二千九百二十四億円ございますが、平衡交付金なんかのように、国庫から出ます金が三千七百億以上になりますということは、これは地方の自治を自主的にやつて行くという上には私は理想ではないと考えます。政府といたしましてはこの点につきましてすでに考うるところにあり、この国会で御承認を得ましたならば、地方制度調査会というものを作りまして、今まで過去六年の間に地方の自治確立のためにいろいろの法律を出しまして、ほぼ自治の完成の程度まで至つておりますが、併し法律がばらばらに時期を異にしてできておりますものですから、これを調査いたしましてそうしていろいろな点において改革も施し、同時に最も重点的な点は財政の確立ということに重きを置こうということでございますから、国税と地方税との割振りにつきましてもこれを調整しまして、例えて申しますれば、專売益金なんかの地方還付というような制度も考えまして、もう少し地方の財政が自分自身でやつて行ける、国家の御厄介にならずにやつて行けるという方向に進んで行こうと思つております。 それから二十六年度の赤字の問題でございますが、これは地方財政委員会でいろいろ検討しました結果、二百二十億くらいな欠損が出ておるというような一応の査定になつておりますが、財政委員会といたしまして八十億の繋ぎ融資によつてとにかくこの急場を凌いで行こう、こういうことになつております。この内容につきましては地方財政委員会の当務者から御答弁を申上げます。
○政府委員(青木得三君) 只今の二百二十一億という数字は、先般の臨時国会におきまして平衡交付金の百億の増額に関する決議を頂きまして、その平衡交付金百億増額ということが困難でありますので、その代りといたしまして、大蔵省のほうから何らかの措置をして下さるということになりましたので、それで全国の府県市に対しまして二十六年度の赤字はどれくらいある見込みであるかということを照会をいたしまして、その団体別の赤字の金額に対しまして地方財政委員会が更にいろいろ査定、検討を加えました数字が二百二十一億ということに相成りましたのであります。併しながら只今岡野国務大臣の御答弁にございましたように、この二百二十一億の赤字の全部を何らかの方法によつて補説填するということは、目下の情勢上、大蔵省の御同意を得る二ともできない事情でありましたので、今大臣の御答弁にありましたように、この際八十億だけ二十六年度の地方債の枠を拡大をいたしまして、それによつてこの急場の年度末の困難を切り抜けて行こう、こういうことであるのであります。
○小野哲君 新聞の報道によりますと、今回の八十億円の融資につきましては、その内容が二通りあるように見受けられるわけでありまして、一つは大蔵省資金運用部資金による長期債、これは五十億、残りの三十億は市中銀行などの引受による公募債によるのだ、こういうふうなことを言つているわけでありますが、この点につきまして只今の青木委員御答弁によりますと、昭和二十六年度の地方債の枠を拡張することによつて賄つて行くということであるわけでありますが、内容的に申しまして、公募債を認めるということであるのかどうか、公募債を認めるということになりますと、地方債の制度の上に一つの新しい方向を持つことになるわけでありますので、この点に関しまして岡野国務大臣並びに大蔵大臣から公募債に関する御所見を承わりたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。地方公共団体が財政を運用して参りますにつきましては、我々といたしましては先ほど申上げましたように、できるだけ税収によつて基礎を確立して行きたい、こう考えております。併しながら地方公共団体はいわゆるサービス行政でございまして、長年かからなければ償却もできないというような事業をたくさんやつておりますから、自然起債をしなければならん。その起債は当然普通の平和状態又平常状態のときにおきましては、どこから金を借りても一向差支えないのが本当でございますが、併しながら過去四、五年以来非常なインフレ的傾向を起しまして、どうしても財政並びに金融の基礎を確立し、インフレをとどめるという意味におきましては資金統制をしなければならん、その意味におきまして国家資金だけでやつて行くという方向に進んで来たのでございますが、独立も間近に来たし、経済の安定も大体落着いて参りましたものでございますから、やはり常道に戻つて、地方において若し事業をする場合には公募公債、即ち市中から金を集めて、そうして自分の事業を遂行するという常道に帰つてもいいんじやないかというような我々の考えに落着きまして、今回八十億を出しますにつきましては、五十億は預金部資金、あとの三十億は公募で行こう、こういうことになりましたから、お説の通りに今までの金融政策が一応進展をした、こう御了承下さつて結構でございます。
○小野哲君 政府が公募公債を認める措置をおとりになるということは、私も極めて妥当なやり方であろうと思うのであります。その場合におきまして、昭和二十七年度の地方財政計画を拝見いたしますると、赤字と申しますか、収支過不足が二百億ばかりあることが計上されてあるわけでございますが、その補填方法といたしまして、平衡交付金の増額分が五十億と地方債の増額が百五十億、これによつて賄つて行こう、こういうふうに私どもは見るわけでございますが、その財政計画に附帶いたしました地方債に関する説明を見ますると、電気、水道その他の公益企業につきましてはなお二百億円程度地方債が必要であるこういうことが書いてあるわけでありまして、即ち別に二百億円のいわゆる公益企業に必要な資金としての起債が必要であるということであろうと思うのであります。只今岡野国務大臣からの御答弁によりまして、事業の経営に当つて必要な場合におきましては市中銀行等より公募するの途を開くということに相成りますると、これらの公益企業の資金調達に必要なものにつきましては公募公債によることが妥当ではないかと思うのでありますが、この点に対して御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。御説の通りそういうような企業につきましては、公募公債によることが妥当だと私も考えます。併しながら御承知の通りに地方におきまして過去の非常にこわれた所を直すとか何とかというようなことで地方が起債を請求し、同時に中央各省におきまして、成るほどこれはいずれは手を着けなければならないものだというふうにこれを承認しております額が千七百六十八億くらいございます。併しながらこれを一時に出しますことは、これはやはりインフレを懸念する点におきましても、又国家財政の確保から行きましても、そうやすやすとできることではございませんので、来年度の起債の枠は六百五十億というものにとどめておるわけでございます。一例を申上げますれば、水道のごときは二百五十億くらいの起債を欲しいという切なる全国の要求がございますけれども、これに対して六十三億くらいの程度の割当しかできない情勢でございます。先ほど申上げましたように今回公募公債をしてもよろしい、こういうような方向に進みましたけれども、併しまだまだこれを手放しに幾らでも公募公債をしていいということは、私は金融政策上許されないことと思いますから、公募公債を出すにつきましても、やはり国家全体の金融財政政策から割出して、このくらいの資金を供給することがいわゆる金融財政の安定を期するためには必要じやないかというようなことを考えまして、手放しに公募公債をさせるというところまでは私は考えておりません。
○小野哲君 御説明によつて了承するわけでありますが、大体公募公債を認めるということに相成りました場合におきましては、勿論国全体としての資金計画と睨合わせをして考えなければならぬと思いますが、地方公共団体として特に住民の福祉を増進するというふうな事業につきましては、できるだけこれが資金調達の措置を講ずることが必要であろうと思うのでありまして、只今例としてお挙げになりました上水道のごときは最もよい例であろうと思うのでありまして、二百五十数億の希望に対して僅か六十数億の起債しか認められないということは、誠に遺憾の次第に思うのであります。昭和二十七年度の起債の枠を大体六百五十億とおきめになつておるようでありますが、そのうちで只今仰せになりましたのは、二十六年度の実績でございますか、それとも昭和二十七年度の債起の枠の中における上水道の枠の御説明でございますか、この点を念を押しておきたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。二十六年度は上水道に対しては五十数億で、ございましたけれども、二十七年度六十三億に増している次第でございまして十億程度増加したことになつております。併しながら地方からいろいろ要請もございますから、又考えなければならぬとは考えておりますけれども、併し一応来年度六百五十億の中では上水道については六十三億を割当てる、こういうことにしております。
○小野哲君 それでは次に進みまして、先ほど地方財政が自主性に欠けておるということを私も申上げ、又岡野国務大臣もこれを是認されたわけでありますが、然らば一体今後の地方財政を運営して参ります場合に、その財源をどこに求めるのが一番よいかという問題になるわけであります。地方財政の運営が、住民と直接繋りましてやつて参らなければならぬことは当然でございまして、従つて地方行政の運営に必要な経費、財源も又住民と直接の関係において調達されなければならないということは申すまでもないと思うのであります。従つて地方財政は地方税を主体として運営されて行くということが本筋ではなかろうかと思うのでありますが、併し地方財政の現実はそうではないのでありまして、地方財政収入の占める割合が極めて少い、国庫支出金に相当依存しなければやつて行けない、ところが地方財政の運営は、理想としては地方税を主体としてやつて行くべきであるというところに現実と理想の大きな食い違いがあるものと私は思うのであります。岡野国務大臣が新らしい地方自治を確立して行きたいという極めて熱意を持つてやつておらるることは承知するのでございますが、私は地方税を主体として運営して行くという場合に、現実的に如何なる手段をとることがよいかということを我々は考えて行かなければならないと思うのであります。国の一般会計の歳入が専売益金を含みまして租税收入が八九%を占めておるというところと比較いたしますると、誠に雲泥の相違が発見されるのでありまして、従つて税の問題につきましてこれを確保して行きますためには、徴税の強化とかいろいろの問題もございましようが、若し現行の地方税制の建前を存続して行くとするならば、地方税収入を確保して行きますために、将来地方税の更に増税を行なつて行かなければならないのではないか、さような懸念を持つわけでございますが、若し増税を行うとか或いは法定外普通税を新たに設けるということになりますと、これは極めて地方住民の負担が重くなるわけでありまして、その担税力の限度から申しましても愼重に考えなければならないし、恐らくこれは到底堪え得ないではないかと思うのであります。然るに国税におきましては、防衛費その他の諸経費が新たに漸増して参りましても、国税については増税をしない、かように大蔵大臣はしばしば言明をされておるわけでありますが、国税を増税しないということの織寄せは、結局地方税の何らかの方法による増税を図るというところに落着いて来るのではないか。従つて国家財政と地方財政とが不均衡な状態になり、同じポケツトから金を出す国民といたしましては誠に迷惑なことになるのではないかという心配を持つものであります。従いましてこの際政府におきましては地方自治を確立して行く、地方公共団体の財政運営の主体を地方税收入に置くという方向に進んで行かれる御意思があるとするならば、専売益金の一部を地方に與えるような措置を考えるとか、その他国税と地方税とを通じましてその調整、合理化を図つて行く手段をお講じになることが妥当ではないか。従来からしばしば御研究になつておることであろうとは思うのでありますが、これらの点につきまして岡野国務大臣並びに大蔵大臣のお考えを承わりたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。お説至極御尤もでございまして、これ以上国民に増税を強いるということは我々としては反対でございます。でございますから、只今お説のように地方の税収を、即ち税源を確立するという意味におきましては国税と地方税とを合せて、そうして如何に調整するかというようなことを考えて行きたいと考えております。今ちよつとお触れになりました専売益金の地方移管というようなことも、大蔵大臣ともよく相談しまして、そういうことも若しこの次に国税、地方税の調整をいたします場合には当然問題になつて来、又その方向に進んだらどうかというような考えにもなつておる次第でございます。
○国務大臣(池田勇人君) 先ほどの岡野国務大臣のお答えの通りでございます。国税、地方税を通じて増税をすることは極力避けたいと思います。殊に国税につきましては絶対増税いたしません。而して地方財政の確立の問題でございますが、今お話のように税収入が地方では四、五%になるかならんか、こういうことはそれだけでは行かないのでございまして、平衡交付金の千二百五十億のうちに教育費が入つておる、この教育費の問題も今後検討しなければならん。又生活保護の二百十数億も平衡交付金のうちに入れるということになると三%程度上がる。そこでこの税收入のパーセンテージだけでとやかく言えません。私は地方と国との事務の調整その他を図りますと同時に、地方におきましても税収を確保し、そうして確保せられた税収につきまして、その使途をよく考えてもらわなければならん。これは府県によつて違いまするが、都府県において相当潤沢の府県もありますし、非常に窮迫した府県もあるのであります。そこで国税を減税してそうして地方税を増す、こう申しましても、例えば所得税を減税して、そうして地方税のほうの住民税とか何とか殖すと申しましても、所得税は今十分財源のあるところに所得税がかかつておる、そうして財源のないところは所得税を納める人が少いので、所得税を軽減して住民税を殖すというわけに行かん。そこに地方税組織のむずかしいところがあるのであります。そういうことを調整するためにいわゆる配付税的の案が立てられないか、それからたばこ、酒の収入を地方で取るという場合は所得税のようなことにならないか、こういう心配があるのであります。 そこで私は配付税的の消費税で行くべきものではないかと思いますが、先ず税の調整よりも、地方財政自体について相当大きな検討を加えるべき点があるのではないか。国の制度につきましては年々歳々経費の節減に極力努力しております。地方のほうも努力せられておるあとが見えるのでありますが、もつとできないかというような気がいたしておるのであります。併しお説のように今後これくらいに平衡交付金を殖すとか或いは地方債の枠を殖すことにのみ汲々して、支出の方面或いは機構の問題に触れないということはこれはよくないことでございます。財源確保に努力すると同時に財政の引締めということについても地方として大いに考えてもらわなければならん。そうして配付税的のものにつきましても、又事務の調整につきましても十分検討して行かなければならん問題だと思います。
○小野哲君 單に国税と地方税との比較のみによつて云々するということは十分でないということは、私も承知しているわけでありますが、平衡交付金その他の問題等とも関連いたしまして、勿論財政の規模を考え、又その運用につきましてもやり方を検討して行かなければならないと思うのであります。問題は地方財政の現況から申しましても、どうしても先行條件として行政機構をどうするかということがやはり重大な問題になつておるのではなかいと思うのでございます。近来いろいろの地方制度に関する論議があるわけでございますが、それらのものにつきましては相当愼重に扱わなければならないものもあるので、ございまして、これは具体的の検討につきましては、又然るべき機会に譲りたいと思うのでありますが、例えて申しますると、平衡交付制度のものを一体今後どうするかというような問題もあり、これについては配付税的な方法を加味してはどうかというような意見も出ておるようでありますが、恐らくこれらの点につきましては政府でも十分御検討とは思いますが、今回単位費用を法定することに、その考えを以て改正法律案を御提案になることになつておると聞いておるわけでありますが、二十七年度におきましては、すでに千二百五十億という枠が、総額がきまつているわけでありまして、若し二十七年度から単位費用を法定するという場合におきまして、例えばその平衡交付金の算定について、教育費であるとか、或いは土木費であるとかというふうな関係におきまして、どう調整して行くか。特に教育費の問題が相当重要視されているようであるわけでありますが、これらの点について、総額の決定と、單位費用を法定をして行くことにつきましての地方財政委員会の取扱方につきまして、一応御意見を承わつておきたいと思います。
○政府委員(青木得三君) 平衡交付金の配分につきまして、単位費用を法定をいたしますことは、この平衡交付金制度実施以来予定されておつたことでありますことは、小野委員もよく御承知のことと思います。千二百五十億という枠をきめられておつて、そうして電位費用を法定した場合においては、非常な困つたことを起すのではないかという御懸念もあるやに伺いましたのでありますが、このたびは單位費用を法定いたすだけにとどめまして、補正係数のほうを法定することは暫らく後日に讓つておりますので、その辺のところで何とか按配をいたしたいと思つております。
○小野哲君 もいろいろ伺いたいことがございますが、時間の関係もありますので、この程度に終ることにいたしまして、先ほど岡野国務大臣が、政府としては地方制度を審議、検討するために、地方制度調査会というふうな特別な機関を設ける意思がある、こういうふうな御答弁に伺つたのでありますが、この地方制度調査会は法律によつて設置することに相成りますか、又その対象とするものは、地方行政、税制、財政に亘ることに相成りますか、これらの点につきまして、若し御構想を伺えるならば、結構だと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。地方制度調査会は間もなく国会に設置法を提案しまして、皆様がたの御審議を受けたいと、こう考えております。又その制度調査会がいたします仕事につきましては、地方自治拡充のために、あらゆる点を諮問したい、こう考えておりますから、無論税制の点もその中に含まれるわけでございます。
○小野哲君 地方制度の再検討と申しますか、調査審議はできるだけ各方面の知識経験によりまして、意見を徴して行われることが適当であろうと思われます。単に政府のみが一方的に結論を出すということは、よほど愼重に扱われることがよいのではないか。行政機構の問題についても私は同様であろうと思うのでありますが、これは又別の機会に研究をいたしたいと思つております。 次に伺いたいことは、地方財政の現況から考えまして、地方行政の運営の合理化若しくは能率化を図つて行く必要があるわけでございますが、それがためには、どうしても各地方団体の能力を充実するということが前提でなければならないと思います。充実された能力を持つておる団体が、能率的に行政運営をやつて行く、こういう方向に進めて行くことが必要であろうかと思うのでありますが、これにつきまして町村の合併につきましては、すでに政府もこれをお奨めになつておるわけでありますが、何らかこれに対して法的措置をおとりになる御意思がないか、最も積極的にこれをお奨めになりまして、行政規模の再検討の目的をできるだけ達成することを推進する、こういう方向に持つて行かれることが必要でございましようし、更に又地方行政の簡素化の問題に関連いたしましてこれは恐らく簡素化本部において検討され、更に将来地方制度調査会等において、審議の対象になるかと考えられるわけでありますが、町村の合併即ち規模の合理化、こういう点について積極的に法的措置をおとりになつて、これを何らかの方法によつて推進されて行くというお考えを持つておられるかどうか。なお又地方行政の簡素化につきましては、その実現なかなかむずかしいようにも受取つておるわけでありますが、このお見通しについては、どういうことに相成つておるか、この二点について伺つておきたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。町村の規模が、只今ありますような情勢では、地方が本当にいいサービスができるような実力を持つた基礎団体でないということは、仰せの通りでございます。我々といたしましては、できるだけ町村に対して勧奨しまして、勧奨というのは、お奬めいたしまして、そうして合併をして頂くようになつております。又合併も相当できておる次第であります。併しながら地方自治の建前上、中央政府から合併を強制するというような法的措置をするということは、私は只今のところ考えておりません。併しながらこういう問題も必要だから何らか手段を講じなければならんというような必要がありますならば、これは地方制度調査会に一任しまして、そうして地方制度調査会の御意見を徴したいと思つております。それから地方制度調査会は、我々といたしましては、政府自身で独善的な考えを地方制度に対して及ぼすということはよくないために、そのために学識経験妻或いはいろいろの各方面各層の有識者を集めまして、そうして諮問したいと思つております。でございますから、地方制度調査会はまあ四、五十人くらいの者を集めまして、そうして検討して頂きたいと、こう考えております。 それから地方の行政簡素化も、私、本部長としていろいろやつておりますが、何を申しましても、随分たくさんの各省に分れておりますこの法律を改廃しなければならない次第で、ございまして、各省で今丹念に研究をして、法律の改廃を検討しておる次第でございます。ただ自治庁に関する限り、即ち地方自治法の改正をいたしまして簡素化をいたしたい、こういうことは、これはすでに具体案もできまして、閣議も通りましたから、最近の機会におきまして国会に提出し、皆様がたの御審議を得たいと思います。この地方自治法の改正によりまして、地方の行政の簡素化は相当促進されることと私は信じております。
○小野哲君 大体地方行政に関する質問をこの程度にいたしまして……。
○委員長(和田博雄君) あと八分くらい……。
○小野哲君 あと時間の関係が大変迫つて来たのでありますが、運輸大臣に二、三の点を簡單に伺つておきたいと思います。御承知のように運輸大臣が御就任になつて、大陸に亘る総合的な交通行政の必要を主張されておるのでありますが、要は交通事業が公正な競争をするという建前をとつて行きますためには、どうしも秩序を維持して行くということが必要であろうと思います。ところがややもすると一部におきましては、交通事業を自由事業にしてしまつて免許制等の法的規制はやめてしまつていいではないか、こういうふうな意見もあるように聞いておるわけでありますが、私どもの聞いておるところによりますと、例えば機帆船のような木船事業におきましても、現在非常に濫立して、業界の秩序が索乱しておるから、適当な、例えば登録制を布くとか、そういうような方法によつて秩序を維持して欲しい、こういうふうな要望もあるわけであります。又自動車運送事業の問題から考えましても、免許も受けないで営業行為をやつておるというふうな、違法的な行動に出ておる者もあるように見受けられろのであります。これらの例を見ましても、この輸送秩序を確立して行くということが、結局において自由にして公正な競争の上に立つた交通事業の運営が期待できるのではないかと思うのでありますが、運輸大臣におかれまししは、この点に対してどういうお考えを持つておられるか、伺いたいと思うのであります。
○国務大臣(村上義一君) 運輸事業は海陸室いずれの分野を問わず、いずれも一般公共の要請に基きまして、貴重なる生命、財産を輸送する事業であるのであります。従いましてその公共性は非常に高度である、高度な事業であると言い得るのでありまして、従いましてその企業体の資力信用というものを十分に審査いたしまして、不適格者の侵入を排除するということが必要であると思うのであります。一面におきまして、事業者の事業経営の権利を保障すると同時に、他面においてそれぞれ関係法が課しておりまする種々の義務の励行を図るということが必要であると信ずるのであります。この意味から免許制度は絶対に必要なものであると思うのであります。政府は今後も免許制度を存続して行く考えでおるのであります。
○小野哲君 それでは次の問題に移りたいと思いますが、港湾の問題でございますが、港湾行政は海運、陸運、この両者の接讓地点として一体的に考えて行かなければならんことは申すまでもないのでありますが、港湾施設の状況によりましては、海運事業の敏活な運営、更に申上げれば、船舶の稼働率の向上等につきまして、重要な影響があることは申すまでもないわけであります。然るに現在におきましては終戦以来主要港の港湾施設が未だ接收されておるような状況にあるのでありますが、一体接収状況はどうなつておるか、又その返還の見通しはどういうふうになつておるか、こういう点につきまして伺いたいのでありまして、港湾能力が未だ決して十分ではない、かように考えておりますために、増強整備対策を一面考えますど同時に、現在接收されておりまするような事態に対処いたしまして、政府は如何なる方法をおとりになつているかというような点につきましての運輸大臣の御所見を承わりたいと思います。
○国務大臣(村上義一君) 只今お話の港湾施設の接收状況から先ず申述べたいと思うのでありますが、現在我が国の主要港であります東京、横浜、神戸、関門、博多というような五港におきましては、港湾接岸施設の大体能力の七〇%、或いは八〇%は接收されておる次第であります。従いまして港湾能力の減殺は著しいものがあると言い得るのでありまして、でこれらの接収港湾の接岸施設は、横浜港のサウス・ピア、又は門司港の外浜岩壁など目下返還されつつあるものもあります。現にこの予備作業班の分科会におきまして、各港別に返還の問題を具体的に協議しつつあるのでありまして、行政協定に基きまして、駐留軍の使用の場合、即ち一部分を除きましては全部返還される見込であるのであります。なお返還後におきましても一方国連軍が講和の効力発生後九十日間使用に対応せんければならんという実情にありまするので、これらの国連軍が使用するという施設につきましては、別の予備作業班で現に検討しつつあるような次第であります。で、只今申述べましたごとく港湾の施設が返還されました後におきましても、港湾取扱貨物が年々歳歳著しく増加いたしておりまするので、施設能力は依然として不足する次第でありまして、これらの諸港を初めとしまして、名古屋、四日市その他の一般に今後庭に施設の増強を図る必要があると考えておるのであります。そのため神戸港、横浜港、東京港等におきましては、すでに埠頭設備の新設に着手しておりましてその促進を図りつつあるような次第であります。
○委員長(和田博雄君) もう時間がありませんから簡単に一つ……。
○小野哲君 最後に一点だけ時間を拝借して誠に恐縮でございますが、なお海運関係につきましては同僚議員から他の機会に御質問があろうと予想いたしますので、私は極めて概略的な問題につきまして、運輸大臣から簡単に一応の御答弁を頂いておきたいと思うのでありますが、外航船の問題についてでありますが、貿易の振興と相待ちまして、同時に、又対外競争力を培養して行くという点から考えましても、又或いは我が国の国家経済の関係から申しましても、外航船の建造が極めて重要な問題となつておるわけでありますが、この外航船の建造、及びその資金計画につきまして、一応総論的な御説明を伺つておきたいと思う次第であります。
○国務大臣(村上義一君) 外航適格船は二十六年度末、現在とまあ言い得ると思いますが、貨物船は二百七十三隻、百五十万総トンに及んでおります。又油槽船は三十四万トン、三十三、四杯でありまするが、合計しまして百八十四万トン、現在クラス・ボートを持つておるのでありまして、で貨物関係につきましては日本の商船界としまして輸入物資の三二%を最近において日本船で積み取つておる、油槽船は五三%を積み取つておるという力しか現在ないのであります。自然二十七年度以降新造第一主義をとりまして、今後の三年間に毎年貨物船二十五万総トン、油槽船五万総トン、合計少くとも三十万総トンの建造をいたしまして、なおそのほかにできるならば外資の協力によりまして油槽船の建造を若干し、更に優秀な外国船が手に入るならば、又そういう希望を船主が具体化せられるならば、若干の優秀な外国船の輸入を認めるということにして行きたいと考えておるのであります。かくのごとくしまして三十年度におきましては、貿易の伸びを考慮に入れまして、日本商船隊の整備目標であります輸入貨物の五・〇%、又石油類の九〇%を積み取りするということを期待いたしておる次第であります。 なお第二点として、資金計画について総論的な話をしろということでありましたが、二十七年度におきましては、御承知の通り政府融資としましては、見返資金百四十億円を計上して、現に御審議を願いつつある次第であります。併しすでに二十六年度におきまして計画造船に着工しました紐付きのものが五十一億円あるのでありまして、今二十七年度の新造計画に活用できるものは八十九億円であるのであります。一方におきまして油漕船の新造は最近その採算が非常に良好でありまするために、政府からの融資がなくとも建造できるのじやないか、極力市中銀行の金融に期待いたしまして油槽船は政府資金を用いないという方法をとり得ないかと思つて、目下考究いたしておる次第であります。自然政府資金は挙げて貨物船の新造に充当いたしたいという考えを持つておる次第であります。 なお貨物船につきましても、船会社の自己資金を極力活用いたしますると同時に、見返資金の今後の先細り状況にも鑑みまして、一総トン当りの融資額を、二十六年度におきましては一トン七万円でありましたものを若干引下げたい、又引下げ得るのじやないかという考えで、目下考究いたしておる次第であります。併しながらいずれにしましても、只今申述べましたような政府資金の額でありまするが故に、予定の貨物船二十五万トン、これで償い得るとは考えられないのであります。どうしても若干は政府資金の追加調達を必要といたす次第であります。一面におきまして自己資金でありまするが、船会社の増資又は社債の発行を極力懲憩いたしておるのでありまして、大体年度内に五十億円程度は造成できるのじやないかと思うのであります。なお船舶の償却、船価償却のいわゆる耐用年数を短縮する処置を講じましたため、これによつて十億乃至十五億の資金が捻出せられることを期待いたしておるのであります。かく政府資金及び自己資金をできる限り活用するとしましても、市中銀行の資金は相当高額にならざるを得ないのであります。貨物船二十五万総トンを建造する場合には、一総トン当り仮に六万円融資するといたしますれば、市中資金は約二百三十億円を要する次第であります。これに前刻申述べました、ごとく、二十六年度において建造しました紐付きの支拂金額が約八十億あるのでありまして、更に外資協力による油槽船の建造に対して一部を市中銀行の融資に仰ぐ、又優秀な外国船の購入費の一部をも仰ぐというふうにしますれば、約三十億を要するのじやないか。結局三百四十億程度を市中銀行の融資に仰ぐ必要があると思うのであります。一方におきまして二十七年度の海運の市況は好況を持続するということは勿論期待できると思うのでありまして相当船会社は純益を挙げ得ると思いますので……。
○委員長(和田博雄君) 答弁を簡單に願います。
○国務大臣(村上義一君) 市中金融機関に返還する金額、返還を予定されておる金額二百三十億というものは、勿論一旦返還の上、再貸出を願う。それからそれ以外に船会社の自己資金が、前刻申しましたごとく約六十億を計上し得ると思います。従いましてあと若干の漸増貸出を市中金融機関に期待すれば、予定の方法を、建造計画を達成し得ると考えておる次第であります。
○委員長(和田博雄君) この際小委員設置に関してお諮りいたします。 昨日の委員長及び理事打合会におきまして、戦力及び行政協定の問題をより詳細に審査するため小委員を設けることに決定いたしたのでありますが、この決定の通り小委員を設けることに御異議、ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田博雄君) 御異議ないと認めます。 次に小委員の数は十三名とし、小委員の選定は各会派の推薦により委員長において指名することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田博雄君) 御異議ないと認め、私より愛知揆一君、山本米治君、杉原荒太君、鈴木直人君、岡本愛祐君、楠見義男君、吉田法晴君、吉川末次郎君、西田隆男君、堀木鎌三君、東隆君、木村禧八郎君、岩間正男君を小委員に指名いたします。 なお小委員のかたに申上げますが、本日午後小委員会を開き、速かに審議されることを希望いたします。 なおこのついでに一言御報告申上げておきますが、先般当委員会より政府に対して防衛力の漸増計画を出すように書面を以て要求しておいたのでありまするが、委員長から政府に質しましたところ、明日の午前中には出す計らいで、今総理の許可を求めに行つておるということでありますので、附加えて報告申上げておきます。
○内村清次君 議事進行について……。只今戦力及び行政協定に対しまする小委員会が設置されたのでありまするが、この小委員会の任務は、すでに予算委員会にも当初におきました重要な事項に対しまするところの問題を審査されることでございまするが、この審査の過程及び又その結論につきましては、是非この本委員会の討論の前に結論を一つ出して、そうしてこの委員会に諮るというような方法をとつて頂きますることを私は附加えてここに強く希望しておきます。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(和田博雄君) 本日はこれで散会します。 午後零時五十二分散会