予算委員会 第3号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1952/02/06
会議録
○理事(小林政夫君) それでは只今より予算委員会を開きます。本日は和田委員長が差支えのため私が暫時代理を勤めます。 本日は先般来問題になつておりました財政法及び会計法の一部改正について当委員会として大蔵当局の見解を聞きたいということで開会をしたわけであります。
○内村清次君 そうしますると今日の日程は一応この予算委員会でもこれは日程承認をいたした問題ですが、今日は大蔵大臣の提案説明が……。
○左藤義詮君 それは違う、九日ですよ。
○内村清次君 そうすると大蔵大臣の提案説明は九日になつたわけですね。そうすればただ財政法及び会計法の問題についてが主議題になるわけですね。
○理事(小林政夫君) そうです。
○内村清次君 わかりました。
○波多野鼎君 日程についてですが、実は予算委員会で承認になりました日程のうち二月七日、明日の日本製鋼所赤羽作業所視察の件でありますが、これについて一応委員長から御報告願いたいと思います。
○理事(小林政夫君) それはお話したいと思つておりましたが大臣が見えたのでそのほうを先に進める予定になつておりましたが、御質問がありましたのでお答えいたします。ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(小林政夫君) 速記を始めて下さい。只今波多野委員から動議がありましたが、本日は定足数も足りておりませんし、一応理事会でこれ又検討さして頂きたいと思います。その上で協議したいと思います。今日は日程によつて財政法、会計法の議事について特に御質問のあるかたは……。
○内村清次君 先ほどの日程の工場見学の件ですが、波多野さんのおつしやるのはこれが若しできなかつた場合のことには一つその関係者をここに招致をして頂きたい。こういう動議ですが全然できないという結論は出ましたですか。困難だということはわかつておりますがこれはそういう証人喚問的なことだつたらば、相当日程の中にある時間をとると、理事会においても御決定なさつても、優に日程の中には時間があると思いますが、工場見学ということになりますともう九日は提案理由でほかにはちよつと得られないですな、見学の時間を。そうするとやはり努力をされてできないということが明確になればこれは別ですよ。これはやめますけれどもそういう結論が見通しが困難である、或いは見通しができないということですか。もうできないということは確定しているのですか。
○理事(小林政夫君) それはまだ確定しておりません。それで今波多野さんの言われた趣旨を体して一応理事会でよく検討をいたしたいと思います。今内村氏もあなたのほうからも出ているのですからよく意を体して相談をいたします。
○波多野鼎君 あしたは不可能ということはもう決定したのでしよう。
○理事(小林政夫君) 明日は不可能です。
○波多野鼎君 だから明日が不可能なのはわかつたのだからここで打切らないで、あとの日に工場見学ができればなおよし、できないでもそれを打切らないで証人喚問程度のことは是非やつて頂きたい。
○理事(小林政夫君) それはよくわかつておりますから理事会で検討いたしましよう。
○松永義雄君 今日議題になつております財政法の規定する継続費について一、二点簡単なことをお尋ねさせて頂きたい……。大蔵大臣から先に御説明があるのですか。
○理事(小林政夫君) いや別に、そういう説明を求めますか。
○内村清次君 議事進行ですが、これは今日財政法の問題で委員会を開く。委員会としてはこういう態勢は整えたけれども、私たちの考えとしては今回の政府の提出しておりまする予算書というものはこれは違法である。而も又憲法に背反するところがあるのだという一貫した考えを持つているのです。で予算委員会といたしましては、先ず委員長はこういう政府から提出された予算書をどういう意味で受取つておられるか。これを又予算審議の対象として、予算委員会において各委員のかたがたにこれによつて審議をさせて行かれる御方針であるかどうかということを先ず私は予算委員長に伺いたいのです。そういうようなことも一つありますがこれは政府がみずから立つて、そうしてこういう事情のためにという説明をやるべきじやないか。それくらい政府の態度を明確にした上において我々はそれに対するところの質疑をやつて行くという建前をとつてもらわんと、どうも政府はこの参議院の予算委員会をこれはしよつぱなから軽視しておるという態度ではないか、こういうふうに私は考えるのであります。
○理事(小林政夫君) 只今の内村君の御発言でありますが、理事会等においてはまだそういつた予算をどう扱うかということについて、一応決定した日程によつて九日に提案理由を聞くことになつております。先般の理事打合会においては当委員会としてはまだこの財政法の内容について十分承知しておらないのです。今内村君の言われたようなお気持のかたもおられて一応予算委員会において政府の見解を聞こう、こういうことになつたわけです。すでに先般参考人の意見等も委員会では聴取しておりますので、私は改めて政府の財政法、会計法の改正についての意見を聽取するまでもなく、大体各委員において問題の所在ということは御承知のことと思いましてすぐ質疑に入ろうとしたわけであります。
○木村禧八郎君 この財政法及び会計法の法案は大蔵委員会にかかつているわけで、われわれは大蔵委員として一応その質疑はしているわけです。併し予算委員会としてはこの財政法及び会計法と、この予算との関係について政府がここで説明すべきだと思うのです。それはあの法案が通つていれば問題はないのでありますけれどもまだ審議中なのでありますから、通らない法案をもとにして政府がこの予算書を作つておるのですから、従つて政府はどうして、まだあの法案は通らないけれども通らない法案に基いてあれが通つたものだとしてこの予算書を組んだかということが一つと、それからその根本に亘つてそれが憲法違反でないのだ、それだからああいう法案を出してこれに基いて予算を編成したのだ、そういう政府は見解をとつておると思うのですけれども、それに対して非常に又疑義があるのですから、その財政法の改正とこの予算との関係について一応政府は説明しなければ、今内村君が言われたような疑問が出るわけです。なぜ予算委員長がこういうものを出したかという疑問が出るわけです。そういう意味で先ず政府のほうから一応財政法と予算編成との関係を聞いてから質疑に入つたらどうでしよう。(「賛成」「その通り」と呼ぶ者あり)
○松永義雄君 私も予算書に関してちよつと質問いたしたいことがありますからどうか。
○国務大臣(池田勇人君) 予算が当委員会で審議になりますときに説明のうちにも入れておるのでありまするが、こと重大というので予算案の説明の以前に財政法、会計法の改正とからんで昭和二十七年度予算案提出の手続上の疑義の点についての説明を求められましたので、一応その問題について申上げます。 論点は現在の財政法の規定にないことを予定して予算案を編成して提出するのは手続上違法ではないか、こういうことであるとと思うのです。政府の考えるところでは、これが財政法の規定があつてそれに基いて予算を作成することが望ましいということにつきましては異論はございません。併し財政法の規定について国会の議決がなければ予算が組めないとも私は考えないので、予算書と同時に財政法が審議せられて財政法の規定と同時に予算が審議せられれば今までの慣例上から申しましても可能ではないか。この例を申上げますると昭和二十二年に財政法が新たに設けられたのでありまするが。昭和二十二年の予算は新たに設けられまする財政法を前提として組んで国会の審議を経ております。又昭和二十四年の予算におきましては財政法の部局別区分の廃止、移用の問題は、財政法の改正案を出しますと同時にそういうことを予定した予算案を出しまして審議を経ておるのであります。いつも問題になりまする税法の改正とそうしてそれに基きまする歳入予算とは同時に審議せられておるということは皆様御承知の通りであります。又予算におきましても特別会計を設置します場合におきましては、特別会計法の審議と特別会計の予算とは同時に出ておるのであります。こういう点から申しますると同時に御審議願えればこれは違法ではないのである。又実体面から申しましても、財政法の改正がなければ予算が組めないということになりますと、前年において財政法を改正しておかんといかんということにもなります。又特別会計法も前年においてやつておかなければいかんということになりまして、非常に運営上困るのではないか。私はそういう実質論からも、又今までの例から形式論から申しましても財政法の改正案と予算の改正案とは同時に進んで行つても止むを得ないのではないか、こういう考えで言つておるのであります。早く財政法がきまつて、そののちに予算をそれによつて組むのが望ましいということは私も考えております。従いまして先の第十二国会におきまして財政法の改正案を議会に提案いたし、衆議院は通過して参議院で審議されてこれは継続審議になつておる、こういう事情であるのであります。
○内村清次君 大蔵大臣のお話によりますると先例が併行的に国会のほうに提出されて審議されるという前例があるから今回もそういう前例をとつたのだ、こういうように要約した結論のようでありましたが、問題は税制の改正をするというようなことは、従来にもそういう前例もあつたわけですが、これは私たちがこの国会になりましたときにもそういう経験をした。併しながらこういうようなことはやはり私たちとしては余り好ましくない。而も又どうも大蔵大臣のお考えはこの国会の勢力分野というようなことの予想の下に、そうして国会をこういう好ましからざる、大蔵大臣自体でも好ましからざるところのことをあえてやつておる。事この財政法の改正というものは財政法自体においても、特に予算関係において重要な一国の收支、歳入歳出の面を明確にすべきところのこの計画を一挙にしてその性格を変えて行くというようなこういう重要なことは、私はやはり愼重な考え方の下に又愼重な手続の下にやるべきではなかろうか、それをやはり政治的に考えてこれを押し切つて行こうというようなことは、根本の思想においてどうしても私は納得できない点が第一点。 それから第二点は今回の財政法の改正に見られまするような内容は、今後の行政協定或いは又自由党としての、或いは内閣としての方針に基いたこういう今後の政治、行政をその方針で引きずつて行こうというような、こういう重大なことが織り込まれての改正である。これは明確に憲法の第八十六條からいつてこういう継続費の設定問題はこれに相反するような精神を持つておりやしないか、これに対する大蔵大臣の一つお考えを伺いたいのが一つ。 それから第三点につきましては先ほど波多野委員からも言われました通りに、論理的にこの講和関係費の今回の政府の提出というものは、財政法におきましても明確に手続上においてもこれは相反しておる。現在の財政法の規定に対しましても相反しておる。即ち財政法の第二十八條に相反したところの手続がとられておるのであつて、その内容の点におきましても、これは政府といえども現在の段階において予算明細書というような問題をとてもこの国会にお出しになるようなことはできないであろう。こういうようなことを、而も又金額的には厖大な金額をこの予算書の一章の中に持込んでおられるというようなことは、明らかに政府みずからがこの法律を無視するような御態度ではないか。こういうことを私たちは考えておるのですが、この点に対するお考えを承わりたい。
○国務大臣(池田勇人君) 御質問の三点のうち一点と二点ははつきりいたしませんが、私が国会の政治的分野その他ということによつて法案を出すとか何とかという問題ではない。飽くまで政府の正当であるという改正を見たので国会の御審議を願いたいのであります。 第三の御質問の点につきましては、財政法二十八條にいろいろ明細書を出すことになつており、我々といたしましてもできるだけ早くそういうものを出すように努力をいたしておるのであります。十分準備ができなくて遅れたのは誠に遺憾でございます。極力急ぎまして関係書類は出すことにいたしたいと思います。
○木村禧八郎君 大蔵大臣は先例によつてやられたと言いますけれども、憲法上相当疑義がある問題が懸案になつているままこういうものを組まれた先例があるのですか。例えば税法とかああいうものの税制改革の場合は憲法違反でないのですけれども、この継続費の問題は憲法八十六條違反の疑義があるのです。これは大蔵大臣もよく御存じの通りなんです。ですから今まで継続費というものはなかつたのでこれは先例と言えないと思う。今までの大蔵大臣が列挙された事例と今度の場合とは違うと思うのです。憲法上相当疑義があるような問題が懸案になつてこれがまだはつきりしないままにおいて、そうしてそれをもとにしてこういうものを組まれたということは、私は先例にならつたとは言えないと思う。従つてそういう憲法上相当疑義がある問題が懸案になつていた場合に、それがはつきりしないままこういう予算を組んだことがあるかどうか、そういう先例をやられたか聞きたい。
○国務大臣(池田勇人君) 財政法の改正について憲法上疑義があるかないかという問題と、財政法の改正とそれに基く予算案が同時に出ることが違法なりや否やとの問題は別個の問題と思います。私は今の御質問の点は、財政法の改正を予定して予算案を組むということが違法なりや否やという問題につきまして先例を申上げたのであります。然るところ木村さんのお話では財政法の改正について憲法上疑義があるからだから手続の問題についても変えなければならぬのじやないか、こういうことにはならんと思うのであります。而して財政法の改正が憲法上疑義があるかどうかという問題については、いろいろ説はありますが私は憲法上可能である、こう考えておりますので、財政法の改正が憲法上可能である、そうすれば先例によつて同時にやるということは違法ではない、こう考ええております。
○木村禧八郎君 それは大蔵大臣は私は非常に詭弁だと思うのですが、それならばなぜ前国会に早くこの法案を出して問題をはつきりしておかなかつたということなんです。会期末にちよこちよこと出してそうして衆議院は通りましたけれども参議院は通らんということになつて、そういうところにも私は非常に怠慢があると思う。それで大蔵大臣はその財政法の改正を予定してこの予算を組むという問題と財政法の改正に憲法上の疑義がある問題とは別であると言われますけれども、そういう疑義がある問題を前提として来るということ自体にそこに問題があるのであつて、それでこの財政法の民主化の精神を本当にこれを大蔵大臣が守つて行こう。こういう精神が本当にあるならば私はそういう御答弁をするのはこれは詭弁じやないかと思うのです。従つて非常な政府の失態であつたと思うのです。これはこの結果が多数を以て押切られるかも知れませんけれども、併しながらこういうような状態において組んだということはまだほかにもいろいろ疑点があるのでありますけれども、そういう点だけでも私はむしろ政府がこれを強弁しないで率直に実はこれは手落ちであつた。併しこうこうこういうわけで間に合わなかつたんだ、例えば司令部との折衝に手間取つて司令部なかなか継続費を許さなかつたのだと、実はそれでなかなか折衝に手間取つてしまつて、そうして非常に衆議院のほうでも会期終りに迫つてから出した次第でございまして、この点は甚だその自主性のない恰好でその相済まんわけであると、(笑声)こういうようなことを率直に言われるのならば私は了承するのです。ところがこれでよろしいのだ、これで正当なんだという、そういう態度は反省されなければならんと思う。そこで大蔵大臣は率直になぜこんなに重大な問題をもつと早く前の国会に出して審議を求めなかつたか、そのいきさつについてお差支なかつたらお伺いしたいのです。どうもそこが納得が行かないのです。
○国務大臣(池田勇人君) 私は理論的な問題として答弁……、木村さんは飽くまで理論家でございまするから理論はこうだとこう言つておる。で私といたしましても財政法の重大問題は先の国会に出して御審議願つておくことが適当だというので出しておつたのでございます。然るところなぜそれじやその出し方が遅くなつたか、そう泥繩式にこういう重大問題をやつてはいかんじやないか、こういうお話のようでおりますが、我々は継続費ということは今の実際問題、殊に日本の経済が大体安定の度を高めましてダムとか或いは何と申しますかトンネル工事のようなものは継続費でやつたほうがいい、又そういう情勢になつて来た、こういうので昨年の春頃から実は考えておつたのであります。而して法案を議会へ提出します場合におきましては関係方面の承認がなければならんということはご承知の通りであります。その際予算関係の係官が急にアメリカへ参りましてナぐ一週間くらいで帰つて来るだろうと思つておつたところが相当長引きまして、我々としてはずつと前に出しておつたのがOKをとるのが遅れた、こういう関係であるのであります。私は個々の法律案の向うとの折衝には余り当つておりませんが、聞くところによると事務当局にそういう事情があつたのであります。
○岩間正男君 関連してちよつとお伺いしますが、この問題はまあ形式論とか理論家であるとか何とかいうことを今話されましたが、やはり筋の通ることはあくまで筋を通すということが国会の任務だと思います。そういう点から大体これは通ることを予定してこういうことをなされておるのでありますが、仮に財政法が否決された場合にはどうなるか、一とう手取り早い話はどうしますか、仮定の問題には答えられないですか。
○国務大臣(池田勇人君) その場合には適当な措置を講じます。
○岩間正男君 それではつきりしておるわけですね。適当な措置を講じなければならん欠陷を持つているものをここに提案されたということが確認されていいのか、これが第一点。 第二点は先ほど蔵相は前例があるということを言われておるそうでありますが、不幸にしてあなたの言われている前例は非常に自分に都合のいいように解釈されておる、我々は実際その前例なるものを速記録で調べてみた。第五国会昭和二十四年三月三十日衆議院予算委員会におきまして、我が党の志賀義雄君がこの問題とほぼ似たような問題でありますが質問をしておる。予算総則の第五條に関しまして、「財政法第三十三條第一項但書の規定により」ということで予算が組まれておるわけであります。ところが三十三條の但書ということは財政法の改正問題として現に衆議院のこれは委員会にかかつておつた、ところがそれが通過するという前提において、これは予算流用の問題であるのでありますがこの流用を認めるというような形で、そういう仮定の上に立つて予算書が提出されておるのであります。これに対しまして志賀君はこれを追及したのであります。その「例を念のためにこの速記録の一節を読みますと、「予算総則の第五條に、財政法第三十三條第一項但書の規定により、とありまして、総則に基いてこれが全体仕組まれているのであります。ところがその財政法は今日十時半から大蔵委員会にかかるべきものでありまして、法律になるにはまだ本会議にかけ、参議院を通過しなければできないのであります。そうなつて来ますと、ただにこれの実行に関するのみならず、審議の基準になるべき法律がないということになります。」この点をかなり追及しまして更に志賀君はこれに対しまして、「結局この暫定予算とし発表された予算書が、現行法によらずに、政正を予定されているもので組まれておりますから、審議の基準となるべき法律がはつきりしないということであります。」更にこの点を強調しておるのであります。これに対しまして西村委員がまあ妥協的な案を出してその中でこれを前例としないということ、このことをここで再確認してそうしてこの説明を求める、こういうことを提案した。これに対しまして植原委員長が、「かようなことは私は決して先例になることであるとは思いませんが、政府においてこれを先例としないというお話があれば、それで西村君の言う通り審議が円満に進行できるということならば、この場合大蔵当局に私は御意見をただしたいと思います。」というので蔵相は意見を求められておる。でそのとき池田蔵相はなんと答えておるか、「この事態は、先例になつては困る事態でございます。われわれはこういうことはいたしたくないと考えております。」こうはつきりこれは答弁しておるのであります。従いまして今まで衆議院、参議院の両院を通じまして先例があります、ありますと言い拔けて来たということは明らかにかくのごとき国会の速記録の事実そのものに反する言いかたである。これに対して政府はなんとか言い逃れて来て審議を急ごう、かくのごとき態度をとつておるのでありますが、これに対してどういう言い逃れをするか、明快な大蔵大臣の見解並びに責任を伺いたい。
○国務大臣(池田勇人君) 先例は今申上げました財政法制定の際におきましても、財政法がまだ生れていなかつたという場合におきまして、生れてなかつた財政法をもとといたしまして両方進行してやつた経緯があるのであります。私が先ほど来申上げましたように財政法というものが先に通過して然るのちに予算を組むことが望ましい、成るべく先例にしたくないということは速記録にあるそうでありますが、そういう気持は持つておるのであります。実際問題として先ほど申上げましたように継続費というものが実質上必要であるというときになりましたならば、私はこうしたことをやるのも止むを得ないことだと思つております。
○岩間正男君 私がお聞きしておることに答弁されたとは思わないのであります。問題がずれておる、それは私の質問に対する答弁になつていない、私はこのようなことは先も申しましたように、「先例になつては困る事態でございます。「われわれはこういうことはいたしたくないと考えております。」というのはその場の言葉であつたと解釈していいのでございますか。これは甚だ私は少くとも一国の国務大臣が委員会におきましてはつきり言明したその言明がこれは効力あるものだと思います。その場逃れであとは野となれ山となれという形でいつでも事態が切抜けられておる。単にこの財政法だけの問題でありませんが、国会のすべての問題がこういう形で現われて来ておる事実を見る。だから私は現在でもこの議院の中で行われておるのは詭弁である、詭弁を以て全く切抜けておるのが今の政府の態度じやないかということをこの前も本会議においても追求しておるのでありますが、その一端の現われがまさにここに現われておる。あなたが曾つて第五国会の二十四年三月三十日にはつきり一つ確約をしましてそれを前提として予算審議がなされた。それに対するその責任というものは今日までやはり継続されるべき問題だと私は思うのでありまして、然るにその事態を全然別なような説明をしまして、いわばごまかし答弁で「先例がございます」、そういう形で切抜ける。併しその先例には今申しましたような附帶條件がはつきりしておる、再びこれを繰返さないというところの附帶條件におきましてはつきりそれは審議に入ることが了承されたのであります。それを再び繰返しておいて而も「先例がございます」というようなことはこれは許されないと私は思うのでありますけれども、如何でありますか。
○国務大臣(池田勇人君) 速記録を調べましてお答え申上げますが、私の気持としては先ほど来申上げておるように財政法が先に通過することが望ましいというので先に国会に出しておるのであります。而して継続費という問題はできるだけ早く施行したいという考えの下に御審議を願つておるのであります。
○岩間正男君 それではこの点は保留しますけれども、やつぱり私は少くとも今度の両院の審議を進めるために言い逃れが実際は先の言葉になされておるという事実はこれは否定できないと思います。これは調べて頂きたい。委員長においてもこれを確認しておいてこの問題はやはり一国の国務大臣の政治責任というような問題において、かるがるしくその場逃れで問題を過ぎて行つてあとはほほかむり、こうしたことが果して真に国政に與かる者の態度であるか、政治的良心であるか。こういう点において依然として疑義が残つておるのでありましてこの点は委員長において飽くまで問題を明らかにされ、この参議院の予算委員会の見識にかけてこれを明らかにされることを切望して私は今のを保留しておきます。
○木村禧八郎君 継続費について大蔵大臣は今度はまあ対象になつておるのは関門トンネルとか、利根川ほか三川、北海道幾春別のダム、この三つでありますが、これは若し財政法において継続費の規定が認められない場合は一応一カ年だけ組んで、はつきりとこれが認められてから継続費予算に組んだつてその工事ができないはずはないと思います。従来これまで継続的事業はやはり今までの国庫債務負担行為の便法によつて一応切拔けて来ておるわけですからできないことはないと思います。それを大蔵大臣はどうしても今度この予算においてこの継続費を認めなければその工事ができないかの。ことく言われておる。そういうような印象を受けるんですが、何も若し財政法で認められなければ、それがはつきりしなければ本年は一応一カ年だけ組んで、あとこれがはつきりしてから継続事業予算というものを組んだつてその工事はできないことはないと思います。これまで継続的なそういう工事というものはあつたと思いますがそれはどういう形でやつて来られたか、そのこれまでの先例を伺つておきたいんです。
○国務大臣(池田勇人君) 第一の御質問は私は望ましいことならば早く施行したほうがいい、こういう考えであるわけであります。 それから従来は継続費ということはございませんから、一応その都度その都度そのときどきの予算で行つておつたわけであります。
○木村禧八郎君 その都度その都度でやつて重大な支障はなかつたはずじやないのですか。それは多少の能率は落ちるところはあつたかも知れない。併しそれでこれまで一応やつて来ていたと思いますがそうではないんですか。
○国務大臣(池田勇人君) 今まではそれでやつておりましたが継続費を設けてやるほうが一層いい、効果的だと、こう考えるのであります。
○木村禧八郎君 それだつたら今までとにかくやつて来たことでありますから、この継続費の問題ははつきりしない場合には一応今までやつて来た通りでこの予算を組んで、そうしてそれをはつきりしてから継続費予算を組むのが本当じやないんですか。大蔵大臣はどうしても止むを得なかつた。こういうことを言つておるんですけれども、事実問題として予算を組むときに止むを得なかつたと言いますけれども、それは止むを得なかつた問題じやないじやなかつたんですか、どうしても止むを得ないんですか。
○国務大臣(池田勇人君) 両院の議決を待つてやるのが望ましいのでありまするが、実際問題としてその必要を感じましたから止むを得ず両方を並行して御審議願うというわけであります。
○木村禧八郎君 この問題はこういうようなことで時間を空費するのも遺憾ですから私はこういう点については一応打切りたいと思います。どうも政府は継続費の問題についてはこれまで余り軽率に軽く考え過ぎていたんじやないかと思います。どうも大蔵委員会なんかの答弁を伺つても旧憲法的な継続費を回復するような簡単な考えで、これほど重大な質問は一体政府は予想していなかつたと思います。この点もう少し継続費というものについて政府は真剣に私は考えるべきだと思いますが、余りにこれを軽く財政法と会計法の改正の問題を考え過ぎていたんじやないかと思いますが、こういう問題については私は十分政府が財政の民主化という精神を忘れてはいけないと思いますが、この点をこれは警告を発しなければならないと思います。あとこれから内容の問題に入つて行きますから一応私はこの程度でこの問題はとどめておきます。
○松永義雄君 議事進行についてでありますが、目下継続費の観念及び財政法、憲法の関係を審議されておつて、予算案の審議にまだ入つておらないと存ずるのであります。 ところで配付されました予算書を見ますと、継続費に関する項目についてその内容に入るということでなくして、継続費の意義を定めるための字句が予算書に掲載されておるのであります。例えば堰堤の問題、どういう意味で継続費に上げたかというその継続費の意義について説明があるのであります。ところでどうしても予算書に記載してあるその字句に入つて行かなければ継続費の意義も又はつきりしないのであります。然るにまだここに昭和二十七年度一般会計、特別会計及び政府関係機関の各予算について、予算委員会におけ大蔵大臣の説明要旨というものは配付されておりますが、併し未だ大蔵大臣の当委員会における要旨による説明ができておらないのであります。従つて継続費の意義を定める憲法を参照し、或いは財政法或いはこの予算書に出ております堰堤その他についての継続費の意義、これ又参照しなければならないことになる。然らばこの大蔵大臣の予算書に関する説明がないと、継続費の意義についても又審議に入れないという結果になると存ずる。一口に言えばまだ予算案というものは当委員会は受取つておらないわけであります。大蔵大臣の説明がありませんから受取つておらないわけであります。委員長においてその取扱いについてどう考えられますか、議事進行について。
○理事(小林政夫君) 予算の提案理由の説明は九日に承わることになつております。財政法及び会計法の改正は大蔵委員会にかかつておりまして、大蔵委員会においては今松永委員のおつしやつたような現在提案されておる予算等に照し合わせてていろいろ検討もいたしております。そういうようなことで本委員会といたしましては、この財政法、会計法を審議する当面責任の委員会でないが併し勿論密接な関係があるので、よく内容等を知悉するについて万一大蔵委員会に申入れる事項等があればそういう意見の一致したところで申入れるでありましよう。本日はそういつた意味において財政法、会計法の現在政府提案になつておる改正案について当委員会で御検討願うという意味であります。その提案の理由の説明は一応九日に聞きましてそれからずつと各事項別に予備審査をやることになつております。
○波多野鼎君 議事進行について、実は理事会でどういうふうにきめられたか私ども存じませんからこのきめられた日程に従つて動いておりますが、この予算委員会としては財政法、会計法等というものは審議を委託されておりませんから、そのもの予算書と離して審議することはどうかと思うのです。この点理事会はどう考えられたか知りませんが、私としては予算委員会で坂上げる場合は、予算書がこの委員会で正式に取上げられる、即ち大蔵大臣の提案理由の説明を聞いて、そのあとでこの予算編成の問題について予算書に即して議論することはこれは正しいと思うけれども、予算書から離れてそれだけを議論することはどうかと思うのです。委員長どうお考えになりますか。
○理事(小林政夫君) 御尤もな点もございます。大体本日私も委員長といたしましても、提案理由の説明の際に只今いろいろ各委員から御質問のような点も出るかと思つておりましたが、本日はそういつた、当委員会としては予算と関連をして、この財政法、会計法の改正の点に触れるという予備的段階でございます。その法自体の内容について、予算委員会として検討をいたしておる。それから委員会において問題になりましたのは一応こういつた問題について政府側から予算委員会に対して何ら事前の了解を得ておらない、こういうことについて遺憾であるという意見が強くありまして、そういうこととも関連をして本日開くことになつたのであります。
○木村禧八郎君 波多野委員の御発言ですが、結局余り窮屈にとられないで、如何なる議論でもその財政法中心、或いは会計法の問題を中心とする議論は皆これに直接間接の関係があると思うのです。抽象的な議論でも憲法上の議論でも、やはりこれに関係があると思いますから、これに即してやらなければならぬというふうに窮屈に考えないで、もう全面的にここは自由な形で質疑するようにされたら如何でしようか。
○波多野鼎君 僕が今そういうことを先ほど言うたのは、予算を予算委員会で正式に受取つて、審議過程に入つてその段階においてやるべきだというような非常な形式論を申上げましたのは、先ほど内村委員のお言葉にもあつたように、まだこの予算書は委員会として受取つておるかおらんかということについても問題があるという意見があつたから、それに関連してのことなんです。
○内村清次君 私も先ほど申しましたように、又今日大蔵大臣の御説明を聞きましても、まだこの財政法の改正というような、こういう直ちに二十七年度の予算と関係するような、これを又或る程度変えるような、そういう根本的な法律というものはよくその提出をされたところの関係委員会において御検討をされて、そうしてその上の結論を待つて、政府はやはり行政機関としては国会のその意思に従つて法律の下においてやはり国会に対する予算委員会の審議を要請すべきである。こういう結論の上に立つて行くと、この政府の提出されたところの予算書というものは違法であるからどうしてもまだ今日の説明では納得行かない、やはり違法である。そこで予算委員会の委員長としては、どうこれを今後取扱つて行かれるかということが第一点。 それから第二点は、九日には一応大蔵大臣の提案理由を聞こうという日程は聞いたのですが、私はその九日までのうちにこの問題は解決する問題であろう、同時に又大蔵大臣もここに誠意を披瀝して、そうして予算委員の各位の納得するような状態において、或いは又その手続上においては、二、三日は大蔵委員会とダブるようなことがあつてもやはりこの国家予算として重要であるから、予算委員会としては予備審査なり、或いはそういう形に持つて行くというようなことも或いは考える余地はあるかも知れませんが、そういうようなことも今日の御説明では何ら誠意のある点も認めない。こうなつて来ると、この予算提案理由の説明ということは、いま一つ大きな問題は先ほど波多野委員も触れられましたように、財政法に、もとるような予算の提出がなされておる。それは講和関係費において然り、而も先ほど大蔵大臣はこれに対しては手続上においてまだ遺憾の点は認めたような発言があつたようでありますが、併しながらこういう大きな問題がその使途が明確になつておらない、明細書も出ておらない。而も又その行政協定というものは今継続中であつて、これはいつ国会に提出されるか、その結論がいつ提出されるかまだ分明もしておらない。或いはこの国会中に提出される問題か、或いはこの予算審議の期間全体の期間中から外れてこれが明確になるものであるか、それさえも見通しが出ておらないときに、これは政府のほうで一応今回の予算の編成の仕方については大きな、歳出面においてその費用の金額というものが二二%もあるようなものがそういう形において出されておる以上は、これは説明を聞いても無駄ではないか。こういう考えさえも私たちは持つておるわけでありますから、できれば一つ委員長及び理事会においてそういう点を再検討されて、そうして予算委員会の今後の運営をもう一度考えてもらいたいということを私は要求するわけです。
○理事(小林政夫君) 先般の理事会においてこういう日程を組みましたについては、今言われたように大体九日くらいまでには財政法、会計法の改正案はどうにか結論が出る、こういう含みがあつたように私といたしては記憶しております。で、本来財政法、会計法の改正については予算委員会としても大蔵委員会に付託されておるが、連合審査等を申出でて審議すべきであり、又大蔵委員会としてもそういつた意味の連絡も当委員会にあつたのでありますが、年末というか皆さんのおそろいでないというようなことでその機会が持てなかつた。そこで先般来は参考人等も呼び本日は大蔵大臣も出席を求めて、主として財政法、会計法の内容について予算委員会において十分検討をするという趣旨でありますから、いろいろ予算の提案と関連した問題について御意見はあろうと思いますが、そういつた問題については理事会において十分検討いたしたいと思います。で大蔵大臣も衆議院の予算委員会において出席を要求されておるようであります。時間も余りないかと思いますので、この財政法、会計法の改正案の内容に触れて御質疑を願いたいと思います。
○岩間正男君 私も理事会に出ておつたが、予算を受取るかどうか、これはやはり会計法、財政法と関連があるか、この関連において明らかにするという態度であつた。私はこの前理事会六おいて発言したのであるが、参議院が少くとも財政法が通らないうちに予算の説明を受けるという違法的なものは、これは衆議院で行われたか知らんが、参議院はない、又そういうことをやる必要はない。従つて大体の見通しは九月あたり或いはその前あたり通りそうだからと一応目安を立つておるが、従つてこれは委員会の運営如何によつて今後どうなるかわからないが、我々はなるべくそういうような不合理なことは避けたほうがいい。而もそれが予算審議にそんなに差支えがあるかというと殆どない。こういう点は理事会には一応確認されてあると思うからここでも確認しておいて頂きたい。九日というのは一応の目安であつて、その前提條件としてはあくまでも我々はこの不合理を繰返さない、こういう立場に立つておるのであるからこの点は是非確認しておいて頂きたいと思います。
○理事(小林政夫君) 御趣旨はよくわかりました。先ほど申上げたように当委員会としての運営の問題については、理事会において十分皆さんの御意見によつて御相談の上運びたいと思います。で、本日は大蔵大臣も衆議院の予算委員会のほうで出席を求められておるようでありますから、特に財政法、会計法の改正の問題に限つて御審議というか御質疑を願いたいと思います。
○波多野鼎君 先ほど私の発言にちよつと誤解があつたように思うので釈明しておきますが、私はこの予算案をこの委員会に受取るかどうかについてまだ問題が残つておる。でまだ受取るとはきまつていない。で、そうしますと各委員会の秩序の問題から考えてこの財政法の問題は大蔵委員会が付託されてやつておりますので、予算委員会が改めてとり上げてやるということはどうかと思う。で、この問題は憲法に関する問題であるからできるだけ方々で議論するということはいいということ、これは私は賛成なんです。賛成なんですがごの議会の構成の上からいつて各委員会の職分或いは区分の問題からいつて、どうだろうかという疑義があるというだけの話であつて、論議をするなという意味では絶対にございませんから誤解のないようにして下さい。
○木村禧八郎君 只今の波多野委員の釈明で了承がつきましたが、我々この財政法の内容について質問するのも結局結論はやはりこの予算案を正式に受取つていいかどうかということを判定する一つの基礎にもなると、こういう意味で我々も内容についてやはり質問をすべきであると考えているわけでありますが、併し私は大蔵委員会で質疑をやつて来ておりますのでほかの予算委員のかたに多く質疑して頂くとして、私は簡単にこの際二点だけ大蔵大臣にお伺いしておきたいと思います。 この継続費の場合に決算の点についてはどう考えるか。例えば継続費を五ヵ年認められておる、そのときに五ヵ年を一会計年度として決算をやるのか、それとも毎年決算をやるのかどうか。前の臨軍費関係は非常に長い間に一会計年度としてやつたがそういう形になるのかどうか。会計年度と決算の問題。 それから会計検査はどうなるか。継続費になつた場合に、前に会計検査院長に意見を聞いたときにどうしても会計検査がルーズになる、だから会計検査の上から継続費は余り好ましくないというお答えがあつたのですが、これを若しルーズになるような場合にはどういう対策を考えておられるのか。この二点を伺つておきます。
○国務大臣(池田勇人君) 決算の問題につきましては、やはり毎年やりましてその継続費が終つたときに全体の報告書を出す、こういうことになつております。それから会計検査のほうはあの費目と同様にいたしたいと思います。
○理事(小林政夫君) ほかに御質疑がありますか……。それでは大蔵大臣は衆議院の予算委員会に御出席を求められておるようでありますからよろしうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(小林政夫君) それでは本日はこれにて散会いたします。 午後三時八分散会