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13回国会参議院1952/06/20

本会議 第54号

発言数
31
登壇者
8
会派数
4
開催日
1952/06/20

会議録

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      ―――――・―――――

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、未復員者給與法等の一部を改正する法律案(大谷瑩潤君外七名発議)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長梅津錦一君。    〔梅津錦一君登壇、拍手〕

梅津錦一日本社会党(第四控室・左)

○梅津錦一君 只今議題となりました未復員者給與法等の一部を改正する法律案につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  この法案は本院議員大谷瑩潤君外七名の発議にかかる法案でありまして、その趣旨とするところは、御承知の通り未復員者給與法は、元の陸海軍に属している者が復員するまでの間、本人に俸給及び扶養手当を支給し、復員後においては帰郷旅費の支給及び療養の給付等を行うことを規定したものでありますが、従来、戰争犯罪人又は戰争犯罪人容疑者として、逮捕、抑留、処刑された者には、俸給、扶養手当及び帰郷旅費は支給されないことに相成つておるのであります。ところが本年四月二十八日に日本国との平和條約の効力発生に伴いまして、連合国軍最高司令官の権限が消滅いたしましたので、今後は新たな戰犯の発生は考えられず、且つ條約発効後においては、戰争犯罪人でありました者の取扱につきまして、他の法令、例えば恩給法におきましても、その権利の復活を認める方向に進んでおりますので、この際、未復員者の給與に関しても、戰争犯罪人に対する特例扱いを改めようとするものであります。現在拘禁中の内外地の戰争犯罪人は、その数、合せて千二百四十一名でありますが、これらの者に対しましては、その釈放に関する民間運動も展開されつつあり、又国会においても先日戦犯在所者の釈放等に関する決議がなされておりますので、その輿論に応える意味におきましてこの改正案の提出を見た次第であります。  この改正案の要点は極めて簡単であります。即ち第一点は、未復員者給與法中の戰犯関係條項を削除いたしまして、戰犯を理由とした差別扱をしないことといたしておるのであります。第二点は、戰争犯罪人の中に、元の陸海軍に属していない者があり、又内地において拘禁中の者がありますため、未復員者給與法の改正だけではすべてが救済されませんので、これらの者を特別未帰還者の中に包含させて、特別未帰還者給與法の適用を受けることができるようにいたしておるのであります。この二つの法律の改正によつて、戰犯者の以前における所属が旧軍関係であると否とを問わず同一の取扱を受けることと相成るのであります。  以上がこの法案の提案理由並びに改正の要点でありますが、厚生委員会は本月十八日に開会いたしまして、先ず提案者から本案の提案理由の説明並びに内容につきまして一応説明を聽取して後、慎重審議をいたし、政府側から、外務政務次官、引揚援護庁長官、同次長等の出席を求めて、本案に対する所見を聴取すると共に、熱心に質疑応答を交わしたのでありますが、その詳細は速記録によりまして御承知願いたいと存じます。かくて質疑を打切り、討論省略の上、直ちに採決いたしました結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  右御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 村上国務大臣から日暮里駅における旅客死傷事故に関して発言を求められております。この際、発言を許します。村上国務大臣。    〔国務大臣村上義一君登壇、拍手〕

村上義一緑風会運輸大臣

○国務大臣(村上義一君) 一昨十八日午前七時四十五分頃、日暮里駅の鶯谷駅寄りの跨線橋の山手線側の突当りの羽目板の下部が破損いたしまして、このため旅客十数名が線路上に転落されたその瞬間に、東神奈川発大宮行の第六五四C電車が進入いたしましたために、即死三名、入院後死亡四名、重傷五名、軽傷一名、合計十三名の死傷者を生じたという惨事を発生いたしましたことは、誠に遺憾に考えておるところでありまして、電車進入後、電車の屋根に墜落せられた数名の方々は無事なるを得たのでありまするが、不幸死亡されたかたに対しましては、直ちに御遺族に連絡をいたしまして、勿論丁重なる取扱をいたしたのであります。負傷されたかたは直ちに東大病院、下谷病院、淡路病院にお送りして、それぞれ手当をいたしておるような次第であります。  この悲惨事の原因につきましては、当日午前一時半頃に上野駅の地平信号取扱所におきまして電気信号関係機械から発火いたしまして、小火災が発生いたしたのでありまして、そのために上野駅の関係転轍器などはすべて電気機械力によつて動かし得ないことに相成りまして、従つて列車の運行が混乱を来たしまして、東北線、高崎線の通勤列車を直接上野駅に到着せしむることができず、一時日暮里駅に臨時停車させましたために、これらの乗換客と常磐線の乗換客と相互に競合しまして、平常に比べて跨線橋が甚だしく混雑いたしたのでありまして、又たまたま大宮行の電車が進入して来ましたので、乗客がこれに乗車すべく殺到せられたために、行き詰りの羽目板に異常な圧力が加わつて羽目板の下部を損傷したものと認められるのであります。このような不祥事故を惹起いたしましたことは誠に遺憾に堪えないところでありまして、特にお亡くなりになりました方々、御遺族の方々、又負傷されました方々に対しまして、真に申訳ないところであるのでありまして、国鉄におきましては勿論十分に敬弔慰藉の方途を講ずることに相成つております。なお将来この種の事故の再発しないよう十分の対策を講ずることにいたしている次第でありまするが、運輸大臣といたしましても、その対策を速かに実施いたしまするよう、最善を盡す所存でいる次第であります。  以上御報告を申上げます。(拍手)      ―――――・―――――

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第二、伊東国際観光温泉文化都市建設法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とたいします。  先ず委員長の報告を求めます。建設委員長廣瀬與兵衞君。    〔廣瀬與兵衞君登壇、拍手〕

廣瀬與兵衞自由党

○廣瀬與兵衞君 只今議題となりました伊東国際観光温泉文化都市建設法の一部を改正する法律案について、建設委員会の審議の経過及ひ結果を報告いたします。  伊東市は先に特別都市建設法の施行を見たのでありますが、提案者の説明によりますると、最近内外の観光客は一カ年百六十万人に上り、外人観光客も年々増加して、観光保養地としての役割を十分発揮しておるのであります。然るに伊東市内における鉱物の埋蔵が注目されて、採掘の出願が今日までに二十七件に及んでおります。万一、採掘の結果、温泉の湧出が止まるときは、観光都市は一朝にして壊滅する虞れがありますので、観光温泉資源を保護するために、同市の区域内において、鉱物の採掘、土石の採取等を禁止し、又は制限する必要があるというのが、本案の提案理由であります。  委員会は、本案の内容が伊東特別都市建設法と鉱業法及び採石業法の両者に関連しますので、提案者のほか、土地調整委員会委員長及び資源庁鉱山局長の意見を徴し、愼重なる審議をいたし、又大野厚生委員の委員外発言がありましたが、詳細は会議録によつて御承知を願います。  審議の主なる事項は、一、土地調整委員会が伊東市内に鉱区禁止地域を指定した経緯及び指定区域外に対する処置、二、伊東市内における今日までの鉱業権出願の状況及び試掘の結果、三、伊東市内の鉱脈について、地下深い所ほど含有量を増すと言われる点について技術的な地質調査の判定、四、採掘の禁止制限による損害の補償の範囲、五、禁止制限に関し條例の定める内容等でありました。損失補償の範囲については、「通常生ずべき損害として将来得べかりし利益も含むか」との点について、参議院法制局長の意見も質されましたが、提案者からは「相当因果関係のある範囲で具体的な場合に常識的に解決される」との答弁がありました。條例の定める内容については、單に手続を規定するだけでなく、一定の基準区域を定めて禁止制限ができるかについて、多くの質疑応答がありましたが、條例で直接禁止制限することは法律の趣旨に反するとの法制局長の発言があり、鉱山局長からは、條例によつて直接禁止制限するばかりでなく、実質的に禁止制限するごとき規定を設けることは適当でないとの意見がありました。又提案者からは「本案の運用に当つては、伊東市当局と通産局長との緊密な連繋を保ち、條例の制定についても、関係当局との連絡、法制的な指導を受けることに努める」旨の発言がありました。かくて質疑が終了、討論を省略して採決の結果、全会一致、衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第三、たばこ専売法の一部を改正する法律案(衆議院提出)  日程第四、国有財産特別措置法案、  日程第五、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長平沼彌太郎君。    〔平沼彌太郎君登壇、拍手〕

平沼彌太郎自由党

○平沼彌太郎君 只今上程されましたたばこ専売法の一部を改正する法律案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  本案は、たばこの品質向上と生産確保を図るため、たばこ耕作資金として葉たばこ収納代金の一部を前渡しすることができることとしようとするものであります。本案は、質疑の後、討論に入り、田村委員及び油井委員からそれぞれ希望を付して賛成意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に国有財産特別措置法案について御報告申上げます。  先ず本案の提案の理由を申上げますれば、平和條約の発効に伴いまして、賠償指定国有財産の解除、連合国軍接収財産の返還などが予想されますので、これに対処して国有財産の有効適切なる処理の促進を図るために、譲與、貸付、売拂い、交換、管理委託などに関する国有財産法の特別措置を整備いたし、教育、文化、社会事業、保健及び住宅施設の充実、産業の振興などに資せしめようとするものであります。  本案の内容の主な点について申上げますれば、第一に、国有財産の無償貸付は、旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例に関する法律の規定によりますと、地方公共団体等が水道施設及び臨港施設の用に供する場合に限つて認められておりましたが、今回これを拡張いたしまして、普通財産一般についても認めようというのであります。第二は、国有財産を地方公共団体等に減額譲渡又は減額貸付をすることができる場合を拡張いたそうとするものでありまして、地方公共団体が、医療、社会福祉事業、電源開発事業、学校、公民館、博物館、職業補導所の用に供するとき、国の試験所等の用途を廃止した施設を公共団体が引続き同種の目的に供するとき、学校法人又は社会福祉法人が学校又は社会福祉事業施設の用に供する場合、公営住宅などの用に供する場合等につきましては、時価からその五割以内を減額した対価で譲渡又は貸付けることができるようにいたそうとするものであります。又戦災その他災害を受けた地方公共団体が設置義務を負う学校の用に供する場合には、時価からその七割以内を減額した対価で譲渡し又は貸付けることができることといたそうとするのであります。第三は、国有財産を地方公共団体に讓與できる場合の拡張をいたそうとするものでありまして、地方公共団体が寄附した財産で国がその用途を廃止したとき、地方自治法施行の際都道府県が使用していた公用財産を引続き同一用途に供するとき、及びこの法律施行の際地方公共団体が戦災者等の収容施設の用に供している財産等についても、これを地方公共団体に譲與することができるようにいたそうとするのであります。第四は、国有財産を條件付きで売拂い及び貸付の制度を新設いたそうとするものでありまして、災害予防、電源開発、その他の天然資源の開発を行う事業者に対し、その事業の成功を條件として売拂い又は貸付の契約をした上で一定期間無償使用を許すことができることといたし、なお、電源開発事業の事業主体が地方公共団体である場合には、五割を減額して国有財産の譲渡又は貸付をすることができることといたそうとするものであります。第五は、国有財産である機械器具の交換制度を新設いたそうとするものでありまして、旧軍用財産である機械器具について、企業合理化促進のため、中小企業等の事業者に対し、その所有老朽機械と交換することができることといたそうとするものであります。第六は、国有財産の管理の委託制度を新設いたそうとするものでありまして、旧軍用財産の管理費用の負担を條件として管理を委託し、その無償使用を許そうとするものであります。第七は、延納の範囲を拡張いたそうとするものでありはして、旧軍用財産及び物納財産の売拂いの場合にだけ認められていた延納制度を普通財産一般に拡張するとともに、最長十年の延納を認めることといたそうとするものであります。  本案は衆議院において修正議決されたのでありますが、その要旨は、機械器具の処理について、その評価方法に関する事項を政令で定めることとし、交換差金の延納を認めることとしようとするものであります。その他、原案第二條、第二條及び施行期日を公布の日に改める等の若干の修正をなしたのであります。  本案の審議の詳細は速記録によつて御承知願います。かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、下條委員より反対意見、油井委員より賛成意見が述べられ、採決の結果、多数を以て衆議院修正送付の原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案を御報告申上げます。  本案は、最近の外国為替等の保有高の増加に鑑みまして、従来対外支拂手段及び外貨債権並びに対外支拂の決済上必要な金銀地金の売買等に運用されております外国為替資金を、有利確実な外貨証券にも運用し得るよう、所要の改正を行うほか、銀の統制額がなくなりますに伴いまして、外国為替資金に属する銀地金については大蔵大臣の指定する価額によつて評価いたそうとするものであります。本案は、質疑の後、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  右御報告申上げます。

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。  先ずたばこ専売法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 次に国有財産特別措置法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 次に外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第六、南方連絡事務局設置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。    〔河井彌八君登壇、拍手〕

河井彌八緑風会

○河井彌八君 南方連絡事務局設置法案につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  この法律案の提出の理由と法案の内容の概略を説明いたします。北緯二十九度以南諸島及び小笠原群島その他の南方諸島は、平和條約の規定によりまして、信託統治協定が結ばれるまでの間はアメリカ合衆国の管理下に置かれることになつておるのであります。これらの地域は元来我が国土の一部でありまして、戦争のときにその戰禍の最も甚だしかつた地域であります。政府は一日も早くこれらの地域との緊密な関係を回復すると共に、その復興に対し、できる限りの力をいたすべきであると考えて、その準備を進めて来ておつたというのであります。去る四月十四日にアメリカ合衆国側から日本政府に招請状が参りまして、渡航、貿易、恩給の支拂、戰沒者遺骨の処理等に当るために、早急に現地機関を設置してはどうかという提案があつたのでありますが、政府はこの以上の情勢に鑑みまして、今回これらの地域に関する事務を処理する機関といたしまして、中央に南方連絡事務局を設け、現地機関として日本政府南方連絡事務所を設けるために、この法律案を提出いたしたのであります。  この案に規定いたしておりまする主な点は、総理府の附属機関として南方連絡事務局を設け、渡航、貿易、その他、南方地域に関する事務に関して関係行政官庁の事務の総合調整連絡等の事務を所掌させることといたし、現地機関といたしましては、日本政府南方連絡事務所を差当り那覇に一カ所設けまして、その出張所を奄美大島の名瀬に置くことにいたしておるのであります。なお現地の職員の給與につきましては、その現地の特殊の事情を考慮いしたまして、在勤手当を支給することといたし、又現地における円滑な事務処理を図るために、現地の連絡事務所長は、主管事務に関しましては各省大臣の指揮監督を受けることとなつておるのであります。而してこの法律は本年七月一日から施行することになつておるのであります。  委員会は二回に亘つて慎重に本案を審議いたしました。その結果明らかになつたことを概略申上げます。この法律に言うところの南方地域には、沖繩、奄美大島、宮古、八重山、小笠原の諸群島、硫黄列島等が含まれておるのでありまして、今日内地からこれらの地域へ渡航いたすためには、旅券の代りに身分証明書の発給を受けることが必要となつておるのであります。元小笠原住民であつて、現在内地に居留しておる約七千名の人々は、終戦以来郷里へ帰還する熱情が抑えがたく、従来アメリカ側へその衷情を熱心に訴え出ておつたのでありますが、政府委員の説明によりますれば、この希望の申出に対しましてアメリカ側からはまだ何らの回答に接しておらないということでありました。で、この政府委員の答弁に対しまして、松原委員を初めといたしまして、他の委員諸君からも、「この七千名に及ぶところの元小笠原住民の希望の実現方を、政府は今日まで十分にアメリカ側に対して主張いたさずに放つておいたかのごとき印象を與えるのであるが、それは極めて遺憾である。なお今後政府の一層の努力を望む。それと同時に、これらの人々に対しましては今後十分な援護の措置をとることが必要である」ということを強く述べられたのであります。で、これに関連いたしまして、小笠原島に現在おりまするところの百三十五名、これは昔この島に渡来いたしましたヨーロツパ人との混血の住民でありますが、それらの人は現在そこにおるのである。然るに終戰直後に日本人系の七千人が内地に送還せられて、それがまだ帰ることができなくて、そのままにあるということは、実に不合理なことである。ソ連に対して帰還者を要求するというその見地から考えましても、どうしてもこの島民が速かにその故郷の地に帰れることを取計らわなければならんという強い意見でありました。又ソ連その他におりまするところの未帰還者の家族に対しましても手当を支給するというようなこともあるけれども、これらの人々は現在の生活状況が悲惨を極めておるのに、何ら適当な手段が講ぜられておらぬということは甚だ不合理なことであるということでありました。こういうことにつきまして各委員から熱心な要望を申し出たのであります。  かようなことでありまして、もう一点申上げますれば、この連絡事務局の設置に伴いまして二十七名の定員が置かれることとなつておるりのでありまするが、そのうち六名は外務省からの移し替えによるものでありますから、結局定員の純増加は二十一名となるのであります。  一昨日の内閣委員会におきましては、本案についての質疑終了の後に、討論の段階に入りましたところ、鈴木委員から修正案が発議せられたのであります。その修正案を便宜ここで朗読いたします。    南方連絡事務局設置法案に対する修正案   南方連絡事務局設置法案の一部を次のように修正する。   附則第二項を削り、第四項を第三項とする。  これであります。この修正の理由といたしまするのは、この法律案附則第三項は、先に説明いたしました通り、南方連絡事務局設置に伴う所要の定員につきまして行政機関職員定員法の一部を改正する規定でありまするが、この第三項によつて改正せんとする定員法は、本委員会において目下審議中の行政機関職員定員法の一部を改正する法律案であるのでありまして、    〔議長退席、副議長着席〕  この法律案で定めんとしておるところの定員数を基準にいたしまして定員を改正するのは失当であるから、この項を削りまして、南方連絡事務局所要の定員の改正は、只今申上げましたところの行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の一部に修正を加えてこれをなすことが適当であると認めたのであります。かようにいたしまして、楠見委員から修正案を含めて本案に賛成するという発言がありました。  最後にこの案につきまして採決をいたしましたところが、只今申しました鈴木委員の修正を入れまして全会一致を以て可決すべきものと議決いたした次第であります。(拍手)

三木治朗日本社会党(第二控室・右)副議長

○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

三木治朗日本社会党(第二控室・右)副議長

○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。      ―――――・―――――

三木治朗日本社会党(第二控室・右)副議長

○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を変更して、日程第七より第十四までの請願及び日程百九十一より第百九十五までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木治朗日本社会党(第二控室・右)副議長

○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長山縣勝見君。    〔山縣勝見君登壇、拍手〕

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 只今上程されました日程第七より日程第十四までの請願及び日程第百九十一より日程第百九十五までの陳情につきまして、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  日程第七より日程第十までの請願及び日程第百九十一の陳情は鉄道敷設に関するものであります。このうち日程第百九十一の陳情は、三陸鉄道の気仙沼――前谷地間の建設を年度内に速かに着手して欲しいということであります。本区間は鉄道敷設法の建設線に該当するものでありまして、本区間中の気仙沼――津谷間は、今回鉄道建設審議会より運輸大臣宛、年度内予算の補正によつて速かに建設に着手することを適当と認める旨答申がなされたものであります。委員会におきましては、審議の結果、資源の開発、政治文化の向上発展、民生の安定並びに交通網の完成等の見地より、いずれも願意を妥当と認めた次第であります。  日程第十一の請願は門司――熊本間の準急を都城まで延長運転して欲しいというのであります。日程第十二の請願は福島市に鉄道管理局を設置されたいという願意であります。日程第十三の請願は、戦時中に政府の強い勧奨によりまして鉄道施設を撤収されたのでありまするが、その際、供出代金並びに休止中撤収に対する補助金を交付することになつておつたにもかかわらず、補助金は終戰と同時に停止され、供出代金は戦時補償特別税の名称の下に沒收され、殆んど公約が果されていないから、これが救済の一策として補助金の交付をして欲しいということであります。日程第十四の請願は秋田県横手市に気象測候所設置の請願でありまして、その要旨は、秋田県は地勢上天候の変化が甚だしく、農作物の被害が多いので、横手市に測候所を設置して欲しいということであります。日程第百九十二の陳情は、大阪市のトロリーバス路線特許を促進されたいということであります。日程第百九十二の陳情は大宮――仙台間の鉄道電化を促進されたいという趣旨であります。日程第百九十四の陳情は社団法人東海貨物検数協会等の設立に関するものであります。その趣旨は、社団法人東海貨物検数協会及び近畿貨物検数協会において、おのおのその設立申請書を運輸省に提出いたしてあるのであるが、運輸省においてその受理以後すでに六十日を経過いたしているが、速かにその許可をされるよう善処されたいというのであります。本件に関しましては、政府当局より、検数を業として行う検数業者と検数を行う検数人との関係を法的に明確にすると共に、本件の申請が公益法人たる体裁を整えているかどうかについて現在検討中であるという答弁がありましたのであります。日程第百九十五の陳情は兵庫県沼島に航路標識設置の陳情でありまして、その要旨は、沼島は四国――阪神間の重要航路に位置いたしておるので、燈台を設置されたいというのであります。  以上の各件につきましては、委員会におきまして愼重に審議をいたしました結果、いずれも願意を妥当と認め、委員会におきましては、以上の請願九件、陳情五件は、議院の会議に付するを要し、内閣に送付するを要するものと全会一致を以て決定した次第であります。  以上御報告を申上げます。

三木治朗日本社会党(第二控室・右)副議長

○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

三木治朗日本社会党(第二控室・右)副議長

○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。    午後一時五十七分休憩      ―――――・―――――    午後十一時五十九分開議

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 休憩前に引続き、会議を開きます。(議場騒然)  会期延長の件を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 正十二時になりました。  散会いたします。    午後十二時散会      ―――――・――――― ○本日の会議に付した事件  一、日程第一 未復員者給與法等の一部を改正する法律案  一、日暮里駅における旅客死傷事故に関する村上運輸大臣の報告  一、日程第二 伊東国際観光温泉文化都市建設法の一部を改正する法律案  一、日程第三 たばこ専売法の一部を改正する法律案  一、日程第四 国有財産特別措置法案  一、日程第五 外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案  一、日程第六 南方連絡事務局設置法案  一、日程第七乃至第十四の請願  一、日程第百九十一乃至第百九十五の陳情  一、会期延長の件

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