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13回国会参議院1952/06/18

本会議 第53号

発言数
47
登壇者
12
会派数
5
開催日
1952/06/18

会議録

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  この際、日程に追加して、国際労働條約批准促進に関する決議案(中村正雄君外十三名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とするととに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。本決議案につきましては中村正雄君ほか十三名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。波多野林一君。    〔波多野林一君登壇、拍手〕

波多野林一緑風会

○波多野林一君 只今上程されました国際労働條約批准促進に関する決議案の提案の趣旨について御説明申上げます。  先ず決議案を朗読いたします。    国際労働條約批准促進に関する決議   我が国は先に再び国際労働機関に加盟した。然るに同機関において採択されておる国際労働條約のうちには、我が国において未だ批准していないものが少くない。これら條約の早急な批准は、我が国の国際信用を高め、貿易の発展を促進し、経済の基盤を強化し、円滑な労使関係を維持することに貢献するものである。   よつて政府は速やかにこれら国際労働條約批准の手続をとるべきである。   右決議する。  講和條約の発効に伴い、我が国は独立し、再び国際社会に復帰するに至りました。従いまして、国際社会に伍して、その一員としての責務を果し、その実を示して信用を博し、それを維持して行くことが肝要なのであります。而うして国際機関にも種々ありますが、国際労働機関は重要なものの一つでありまして、すでに本年一月現在において世界の六十五カ国がこれに加盟しており、我が国も昨年十一月正式に加盟いたしたものであります。すでに各位が御承認せられました国際労働機関憲章は、その前文において、又附属書である国際労働機関の目的に関する宣言において、「世界恒久平和は社会正義を基礎とする場合においてのみこれを確立することができるものである」。「労働は商品ではない」。「表現及び結社の自由は不断の進歩のために欠くことができない」。「どこかでの貧困はどこでもの繁栄の脅威となる」。と謳い、その趣旨実現のため、同機関が一九一九年に創立されて以来、すでに百に及ぶ労働條約が採択されており、主要加盟国においては多くの批准を見て、世界における社会正義の確立に大きな貢献をしております。然るに我が国は未だ批准條約数十四の少数に示されるように、労働條約に対しては熱意が少かつた。これは我が国に対する国際不信を招く一にの原因になつたことは否まれないことでありましよう。  以上述べましたように、国際労働條約の批准は、その国の国際信用を高むる上に多大の貢献をなすものでありまするから、今や我が国が国際社会の一員として堂々と伍して行くためには、世界の文明諸国において常識的労働條件とも称すべき労働條約を速かに批准実施することは必要欠くべからざるものであります。よつてここに本決議案を提案いたしました次第であります。  何とぞ御賛成あらんことをお願い申上けます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本決議案は可決せられました。  只今の決議に対し、労働大臣より発言を求められました。吉武労働大臣。    〔国務大臣吉武惠市君登壇、拍手〕

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○国務大臣(吉武惠市君) 只今国際労働條約批准促進に関する決議がなされたのでございますが、終戰後における日本の労働立法は国際條約の水準に達しておるものも少くございませんので、御決議の御趣旨に副い、国際信用を高める上からも、できるだけ早い機会に、批准し得るものは批准の処置を講じたいと存じます。(拍手)      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第一、公営住宅法の一部を改正する法律案(田中一君外八名発議)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。建設委員長廣瀬與兵衞君。    〔廣瀬與兵衞君登壇、拍手〕

廣瀬與兵衞自由党

○廣瀬與兵衞君 只今議題となりました公営住宅法の一部を改正する法律案について、建設委員会の審議の経過並びに結果を御報告いたします。  公営住宅法は、昨年七月施行されまして、爾来約一カ年間、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄與して参つたのでありますが、この間の法施行の状況に鑑みまして、この際、二、三の点につき改正を施し、同法の更に適正な運営を図らんとするのが本法案の提案の理由であります。次に改正の主なる点について申上げます。第一点は、公営住宅が国及び地方公共団体の財政負担によつて建てられる公共の財産であり、又我が国住宅建設の指導的役割を演ずべきものでありますので、不燃住宅促進の観点から、公営住宅及び共同施設の主要構造部を耐火性能のある構造とするように努めなければならないこととしたのであります。第二点は家賃に関するものでありまして、物価の変動により、或いは公営住宅相互間の家賃の均衡上、又は改良を施した場合に、との法律で定められている限度を越えて家賃を定め又は変更する場合には、公聴会を開いて利害関係人及び学識経験者の意見を聞くこととし、適正妥当な家賃の実現を図つたことであります。又、疾病、失業等の特別の事情のある場合における家賃又は敷金の徴收猶予の規定を設けまして、実際の必要に応ずることといたしました。第三点は、事業主体の修繕義務の範囲を若干広くいたしまして、家屋の基礎、土台、家屋内部の附帶施設などを含ませることにいたしました。第四点は、公営住宅の讓渡、讓渡対価の使途及び用途廃止の事由などの範囲を拡張したことであります。  本法案は、六月十一日、本委員会に付託され、翌十二日提案者より提案理由並びに逐條説明を聴取、十六日質疑応答が行われたのであります。審議の詳細は会議録に讓りますが、主なる点は、建設基準の目標として耐火構造の定義を建築基準法の規定に限定することは、現在実施している公営住宅の簡易耐火構造、特殊耐火構造及び耐火構造等の運営に支障を来たさないかという点でありまして、これについて提案者並びに建設省当局よりそれぞれ答弁があつたのであります。かくて質疑を打切り、討論に入りましたところ、赤木委員から、建築基準法を準用する「耐火構造」の定義をやめて、公営住宅の建設基準の目標を「耐火性能を有する構造」に改める修正案が提出されました。次いで採決に入り、右の修正案並びに修正部分を除く原案についてそれぞれ全会一致可決すべきものと決定いたしました次第であります。  右御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第二、訴訟費用等臨時措置法等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。法務委員長小野義夫君。    〔小野義夫君登壇、拍手〕

小野義夫自由党

○小野義夫君 只今上程の訴訟費用等臨時措置法等の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審議の経過及び結果を御報告いたします。本改正案は衆議院によつて提出せられたるものでありまして、第一に、民事刑事の訴訟費用及び執行吏の手数料等の増額を図り、第二に執行吏の恩給の増額を目的としたものであります。先ず第一の点につきましては、これらの費用、手数料等は、昭和二十三年十二月に訴訟費用等臨時措置法等の一部改正によりまして増額いたして以来、その後における国内諸物価の騰貴にもかかわらず、一度も増額することなく今日に至つておるのであります。従つて、今般昭和二十三年当時と現在との国内物価指数等をも比較検討した上、その増額率に応じて現在の額の大体二分の一乃至三分の一程度の増額を図ろうとするものであります。次に、第二の執行吏の恩給の増額につきましては、現在の執行吏については、昭和二十六年九月三十日以前に退職した者に対し、一般公務員のいわゆる七千九百八十一円の給與ベースに基く恩給が支給せられておるのでありますが、これと同じ時期に退職した一般公務員につきましては、前回の国会において成立いたしました恩給法の一部を改正する法律によつて、昭和二十六年十月分以降一万六十二円の新給與ベースに基く恩給が支給されておるのであります。そこで、この不均衡を是正するために、執行吏につきましても一般公務員の恩給と歩調を合せて、同月分以降の恩給年額を新給與ベースに基き算出した年額に改訂することといたしたものであります。委員会におきましては慎重に審議をいたしましたが、その詳細は速記録によつて御了承を願いたいと存じます。討論に入りまして、伊藤委員より、法の実現の第一線に立つ執行吏の職務遂行の適正化を図るため、最高裁判所において、これに関する規則を制定する等、直ちに適当なる措置をとることを要望して本法案に賛成する旨の発言がありました。かくて採決の結果、多数を以て本法案を可決すべきものと決定いたした次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第三、離島航路整備法案(衆議院提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長山縣勝見君。    〔山縣勝見君登壇、拍手〕

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 只今議題となりました離島航路整備法案につきまして、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  本法案の目的といたしますところは、離島航路事業が地方民の生活にとつて支配的な関係にありまするにかかわらず、その公共性のために、従来免許事業として種々の規制を受けております関係上、赤字経営を余儀なくされておるものが少くないのであります。かかる航路維持のために、適当な国の助成措置を講ぜんとするものであります。次に本法案の内容について申上げますと、第一は、予算の範囲内における航路補助金の交付をなさんとすることであります。この制度は従来海上運送法の規定によつてすでに実施中でありますが、本法案におきましては、こめ制度を本法案に移し入れまして、なお関係規定を整備せんとするものであります。第二は、離島航路用の船舶の建造又は改造、これらの資金の融通をいたします金融機関に対して、予算の範囲内において、年四分の利子補給をなしまして、以て低利資金の融通を図らんとするものであります。  以上が本法案の目的並びにその内容の主たるものでありまするが、委員会におきましては、本法案の内容の重要でありまする点に鑑みまして愼重な審議をいたしましたが、その中の質疑の主なものを申上げますると、第一は、離島航路とは如何なるものを言うのであるかという点、並びに如何なる航路に対してかかる補助金を支給するのであるかという点であつたのであります。これに対しまして、政府委員より、「当該の航路以外に交通機関がないか、又はありましても極めて不便な場合、又は郵便物或いは生活必需物資等を輸送しているもの、なお又損益計算及び原価計算等を詳細に検討いたしまして、妥当な経営を行なつてもなお且つ赤字を来たしておるような場合においては、これらの事情を考慮して補助を行うものである」という答弁があつたのであります。第二は、「当該の離島航路そのものは赤字であるけれども、他の航路経営によつて事業全体としては黒字を示しておる場合においては、かかる場合の離島航路に対する補助は妥当を欠くものではないか」という質疑があつたのでありまするが、これに対しまする提案者並びに運輸大臣の答弁を総合いたしますると、「本法における航路補助金の支給は離島航路の維持が目的であつて、事業者そのものに対する補助をするのが目的ではない。離島航路は交通機関としての性質以外に道路としての性格を有するので、その公共性に鑑み、経営が維持できないものであるならば、これに対して補助を與えるのが妥当であると考える」というふうな答弁がありました。なお又大蔵当局より「離島航路が公共的団体によつて経営されておつて、離島航路自体としては赤字であつても、他の収益によつて財政的に余裕のある場合においては、これに対する補助の可否はおのずから別個の問題であるけれども、私企業によつて経営される場合は、離島航路以外の收益によつて仮に黒字となる場合においても、その航路の維持そのものが国としても必要と考えられる場合において、而もその場合においてその経営が困難である場合においては、かかる航路に対して国が補助をいたすことは妥当である」というふうな答弁がありました。第三は、「かかる航路の補助をなす場合において、従来海上運送法においては、離島航路に対して補助を與えて参つたのであるけれども、その補助の対象である赤字の査定に当つては必ずしも公正を期していない。従つて、今後かくのごとき離島航路の補助をなす場合においては、これらの点に対して政府はどういうふうに考えておるか」という質問がありましたが、これに対しましては、政府当局より、「今後かような離島航路に対する補助を與える場合においては、適正な基準を設けて、できるだけその公正を期したい」という答弁がありました。第四は、「金融措置については、開発銀行等その他を十分に活用して、十分に期待に副うようにいたしたいという政府当局の言明を信頼いたして、衆議院におきましては、当初本法案において予定されておりました金融機関に対する損失補償の規定を削除いたしましたのでありますが、現在、外航船腹の整備或いは電源開発等によつて相当多額の財政資金を要する場合において、かような法案によつて折角離島航路に対する航路補助を規定いたしましても、果して目的通り金融措置が講じ得るかどうか」ということの質問に対しましては、大蔵及び安本当局より、「現在のところ、産業設備資金全体として考慮いたしておるので、離島航路整備のための具体的な融資額は言明いたしがたい。併しながら、融資の枠の設定等については、折角、政府としても考慮いたしたい。本法案によつて離島航路に対する助成施策を明確にすることによつて金融の目途も付き得る。」こういうふうな答弁がありましたのであります。第五は、「金融機関に対する利子補給についての本年度予算措置の腹案如何」という質問につきましては、大蔵当局より、「おおむね期待に副い得る」という答弁がありましたのであります。  これによつて、質疑を終りまして、討論に入りましたるところ、一委員より、「離島における地方民の生活を維持いたしまするために適当な助成策を講ずるのは国としても必要なものと認める。但し助成を目的とする法律が増加する傾向にあるので、これによつて必然的に国民生活の向上に差支えのあるような、いわゆる予算への圧迫を来たすようなことのないようにいたしたい。従つて、助成に伴う予算措置は国民生活の犠牲の下において行われないよう折角考慮さるべきである」という要望がありましたのであります。なお又「航路補助規定の運用に当つては、單なる書類行政によらないで、質的にも内容をよく検討いたして実施されたい」という要望があつたのであります。なお又一委員よりは、「本法案は離島航路の現状においては止むを得ないものであると認める。但し運用を最も愼重にして、航路補助金の減少に努められたい」という発言があつたのであります。なお又、一委員より、「本法案は、従来海上運送法の規定によつて実施いたして来た航路補助以外に、金融機関に対する利子補給を規定いたしたところに意義が認められるのであるが、これが運用に当つては、例えば、老朽船によつて運営されておる現在の離島航路そのものの危険性に鑑みて、今後離島航路を改善し、以て民生の安定に資するよう要望する」との趣旨の賛成意見が各委員よりとそれぞれ述べられまして、討論を終りまして、これによつて直ちに採決に入りましたところ、本法案は原案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。  以上御報告を申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以つて可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第四、耕土培養法案、(衆議院提出)、  日程第五、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案、(内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長羽生三七君。    〔羽生三七君登壇、拍手〕

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○羽生三七君 只今議題となりました耕土培養法案につきまして、農林委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  報告に先立ちまして、本法案が提出せられるに至りました経緯について簡單に申述べておきたいと存じます。我が国の農耕地の土壌の生産力は、自然的並びに人為的諸條件によつて減耗が甚だしく、特に戰時戰後を通じ、久しきに亘つて略奪的な農業が営まれました結果、その衰退は著しいものがありまして、これをこのまま放任するにおいては、やがては荒廃を招くこととなり、我が国農業上看過することのできない重大問題であるとの見解を以て、参議院農林委員会におきましては、夙にここに関心を拂い、過ぐる昨年五月末、農耕地土壌生産力増進対策の確立に関し政府に申入れ、その実現を推進して参りましたところ、甚だ不十分ではありますが、本年度予算に必要な経費が計上せらるるに至つたのであります。ところが、この事業を強力且つ計画的に実施するため、併せて立法措置をも講ずべきであるとし、かねて研究が進められておりましたところ、漸く成案が得られ、その取扱について話合いの結果、衆議院に提出することとなり、衆議院を全会一致を以て通過して、本院に送付せられたのであります。  本法律案の内容は大要次のようであります。第一は、耕土培養地域の指定でありまして、都道府県知事は、農林大臣の指示に従つて、管内の農地について調査を行い、耕土培養を実施するに必要があると認められた地域について、都道府県農業委員会の意見を聞き、農林大臣の承認を受けて、耕土培養地域として指定し、これを公示して、耕土培養事業を集中的且つ効果的に遂行しようとするものであります。第二は、対策調査、即ち耕土培養の具体的な方法等を明らかにするために行う細密な調査のことでありまして、耕土培養区域をその区域内に含む市町村の長は、市町村農業委員会の意見を聞いて、都道府県に対策調査の実施を請求するのであります。第三は耕土培養事業計画の樹立でありまして、市町村長は、対策調査の結果に基く勧告に従い、市町村農業委員会の意見を聞き、且つ関係者の同意を得て、その市町村の耕土培養事業の総合的計画を定めて、都道府県知事の承認を受けるのであります。而して耕土培養事業はこの計画に準拠して行われることとなり、事業の施行者は、市町村、耕土培養地を耕作する農業者又は農業団体となるのであります。第四は、国の補助奨励措置及び指導監督でありまして、国は、耕土培養地域指定のための調査、対策調査及び耕土培養事業の指導に要する経費並びに事業施行者が耕土培養のため施用する資材の購入費に対して補助金を交付すると共に、耕土培養事業の施行者及び耕土培養において施用する資材又は肥料の供給を行う者に対し、資金の融通等の奨励措置を講じ、併せて事業施行に関し必要な指導を行うのであります。第五は、開拓地に対する特例でありまして、開拓地の特殊性に鑑みまして、開拓地に対しては政令によつて特例を設けることができることといたしてあるのであります。  委員会におきましては、国内における不良耕土の分布並びにこれが消長、政府における耕土培養事業計画及びその計費予算並びにこれが拡大、本法律案がその狙いとする不良耕土の改良と共に堆肥の増産及び施肥の合理化等による地力の増進、耕土培養のため供用する肥料その他の資材の供給の確保、すでに成立した各種特殊地帯振興に関する法律と本法律案との関係並びにこれが調整、耕土培養事業の施行主体及び実施方法、その他の問題に関して、提案者及び政府当局との間に質疑が行われたのでありますが、これが詳細については会議録に讓ることをお許し願いたいと存じます。  かくして質疑を終り、討論に入りましたところ、小林亦治委員から、立法と行政並びに立法と財政の観点において、国政全般から見て基本的な法律の実現を期待して賛成があり、岡村委員から、今日に至つてかかる立法を必要とするような農業政策の貧困を遺憾とし、本法に甘んずることなく、進んで地方培養の根本対策の確立を要望し、更に農業委員会の経費を増額し、これが活動の促進を希望して賛成があり、続いて採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に開拓者資金融通法の一部を改正する法律案について御報告申上げます。  昭和二十一年度に成立いたしました開拓者資金融通法に基き、政府は、毎年度開拓者又はその組織する法人に対して、営農資金、住宅資金及び共同施設資金を貸付けて来ているのでありますが、昭和二十三年度以前の入植者については、当時は物価の変動が激しく、従つて予算に基いて貸付けた資金では当初予想した営農資材を取得することができなかつたため、当時の入植者のうちには未だ営農安定を得ていない者がある現状でありますので、この際これらの入植者の営農の安定を促進するため、これらの入植者に対しては特別に重ねて営農資金を貸付ける機会を與えることとなさんとするのが、本法律案が提出されるに至りました理由であります。而して開拓者営農資金は、一般には、据置期間五カ年を含めて償還期間が二十年以内、年利三分六厘五毛の均等年賦償還方法によるものと規定せられでおるのでありますが、今回の改正規定による特別資金は、二度目のことでありますので、据置期間二カ年を含めて償還期間五年以内、年利五分五厘の均等年賦償還の方法によることとなさんとするのであります。  委員会におきましては、農林当局との間に、開拓者の入植、離脱及び営農等の状況並びに入植者の指導及び助成、開拓農業協同組合の指導及び検査、今回計画せられた特別資金の融資計画、特別資金の償還期間及び金利について、特に従来行われて来ている一般資金との比較において、その適否並びに償還の能否、並びに一般資金及び特別資金のコスト及びこれが貸付方法、開拓審議会の在り方、増反開墾の助成等の問題について、質疑が交わされたのでありまして、特に今回計画せられた特別資金の貸付計画、金利及び償還期間に関心が拂われ、これに関する質問に対し、政府当局からは、「本資金は一般資金に追加して融通せられるものであつて、昭和二十三年度以前の入植者の大家畜の購入資金に充当し、資金の他に転用を防ぐため原則として現物融資の取扱をしたい。金利はできるだけ低きを望むのであるが、併し中期資金制度を確立する意味合から年五分五厘とした。これは別途本年度から実施せられることになつた家畜導入資金の最終金利七分五厘に比べては高くない。資金の回転率を高めて資金能率の向上を図るため、償還期間は二カ年据置き三カ年均等年賦とした。家畜の増殖を前提として考えるとき、資金の償還は可能と認められる」等の趣旨の答弁があり、これに対して更に、資金の枠の拡大、金利の引下げ、及び農林中央金庫によつて一般貸付を行い、これに対する利子補給制度に関する検討等に関して、要望或いは意見の開陳が行われたのでありますが、これら審議の内容の詳細は会議録で御承知を願いたいと存じます。  かくして質疑を終り、討論に入りましたどころ、片柳委員から、「政府において今後金利の引下げに努力し、若し金利の引下げが困難であれば、中期資金確保のため、政府資金よりむしろ農林中央金庫の機構を活用して一般融資を行い、これに対し利子の補給を研究することを要望」して賛成があり、小林亦治委員から、「開拓事業は国の責任と国の負担において断行すべきであつて、引揚者、農家の次三男及び貧農の犠牲において政府がふところ手をしているような措置は排除せらるべきであり、従つて、従来の枠を超えて必要な資金を長期且つ無利子で融通すべきであつて、今後政府の努力を信頼する」として賛成があり、岡村委員から「開拓者に対しては国において必要な條件を整備して入植せしめるべきであつて、資金は無利子で融資すべきであり、且つ開拓民の指導に万全を期すべきである」と要望せられて賛成があり、続いて採決の結果、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。  右御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 開拓者資金融通法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。小林亦治君。    〔小林亦治君登壇、拍手〕

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 私は、只今上程の開拓者資金融通法の一部を改正する法律案に対し、止むを得ず賛成する理由を、只今委員長の御報告に加えまして、討論を以て述べてみたいと存じます。  食糧の自給は国の独立にとつて最小限度の要件であると同時に、軍備よりも何よりも真つ先に取上げられなければならぬことは、殆んど常識であるにもかかわらず、政府にその熱意が足らぬために、私はしばしば本壇上より警鐘を乱打して参つております。年間食糧が今日なお二千万石程度の不足を告げておるのに、領土の狭い日本におきましては、食糧自給対策としては土地改良と開拓以外に途はないのであります。極く最近に、政府は食糧増産五カ年計画をして、これに二、三千億円の予算を投ずる旨を仄めかしておるが、若しこれが選挙目当ての空念仏でないといたしましたならば、政府は今後二千万石程度の増産のためにみずから開拓に当らなければなりますまい。従つて、開拓を希望する者あらば、これを遇するに全額国庫負担をなすべきは当然であります。にもかかわらず、困窮せる昭和二十三年度以前の入植開拓者に僅かに目薬ほどの二億一千七百万円の融資をなすに当つて、従来の金利三分六厘五毛を逆に引上げて、これを五分五厘に高くしたことは、入植者の足下を見すかした金貸し根性であると申上ぐるのほかないことは、誠に遺憾に存ずる次第であります。若し今日の日本に、求めて職なき幾百万の引揚者がおらなかつたならば、又農村に溢れておるところの次三男がおらなかつたならば、更に又農家に転業せんとする困窮労働者がおらなかつたならば、政府は既成農家に頭を下げて、而も高額の報酬を拂つて、みずから開拓をせねばならんことになりましよう。不幸にして敗戰日本に数百万の引揚者、次三男、失業労働者が溢れているという悲惨なる状態を、政府はこれ幸いとして、あたかもこれらの犠牲を目当てに開拓をなさんとするがごときは、再び奴隷農業を復活するものとはならないであろうか。その余りにも中世的であり、封建的にして、資本家的ではありますまいか。開拓殊に入植者に対しては、殆んど全額助成が当然であるのに、その福利厚生までも手の届かないところのぎりぎりの営農資金は、たかだか長期無利息であつてよいはずであります。私は開拓者に対する融資を図るこの法案には、原則的には賛成するものの、従来よりも高い利息を取らんとする本法案の第二條の、いわゆる融資條件には、納得の行きかねるものがあるのでありまするが、政府は農林委員会における以上の私の所論を承認されまして、近き将来にこの要請に応える旨の誓約をなされましたので、私はこれを公約として受取つた上で、本法案は無きに優る程度の飽き足らざる感のままに、止むを得ず賛成するものであります。(「大臣はおらんぞ」と呼ぶ者あり、拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより両案の採決をいたします。  先ず耕土培養法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 次に開拓者資金融通法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第六、漁船乗組員給與保険法案(衆議院提出)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。    〔木下辰雄君登壇、拍手〕

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 只今議題となりました漁船乗組員給與保険法案の委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。  本法案は衆議院側から提案されたものであります。先ず提案の理由を申上げます。日本の漁船の拿捕事件は、昭和二十一年十月以来現在までに、支那東海、黄海域いは北海道近海等の海域におきまして、実に四百九隻の多数に上つております。これに伴う乗組員の抑留も総数四千三百二十五名に達しまして、現在なお四百三十一名は未帰還の状態にあるのであります。かような拿捕抑留事件が漁業経営者及び漁船乗組員に與える影響は誠に深刻なるものがあるのでありまして、事業主といたしましては、一瞬にしてその唯一の生産手段を失い、乗組員に対する給與の支拂も遅延し或いは不能に陷ることもしばしばあるのであります。従つて抑留中の留守家族の生活に非常な不安を與えておるのであります。もとより、かような不法拿捕事件は、国家として当然これが防止に万全を期すべきは言うまでもありませんが、現下の国際情勢から見まして、その絶滅を期することはなかなか容易ではないと考えられるのであります。ところが一方、漁船に対しましては、拿捕抑留を事故とした特殊保險の制度がありまして、漁船の喪失に対し、この補償の途が講ぜられておりまするが、漁船乗組員及びその家族のこうむるかような損失につきましては、何らの救済の途がないのであります。甚だ片手落ちと言わざるを得ないのであります。かような意味から本案が提案された次第であります。  次に法案の内容の主なる点を申上げます。その骨子とするところは、漁船乗組員及びその家族に対する救済を保険の制度によつて行おうとするのであります。そもそも乗組員及びその家族のこうむる損害の直接の原因は、事業主が拿捕抑留事件によりまして経営が困難に陷り、そのために給與の支拂が遅延いたし又は欠配を起すわけでありますから、経営者に、保險という手段によりまして、かような際の抑留船員の家族への支拂を保証させようとするものであります。即ち、あらかじめ、事業主が乗組員に対して抑留期間中支拂うべき一カ月分の給與の額を基準といたしまして一漁船單位に保険契約を結び、抑留された場合は、毎月その額に相当する保險金を、乗組員が指定した保險金受取人に支拂う構成になつております。又この事業は、現在の漁船保險組合が行うことといたしまして、政府がこれを再保険するような建前になつております。次に契約金額は、漁船ごとにその乗組員の給與月額の合計額を越えてはならず、又その百分の六十を下つてはならないことになつております。保險料は事業主の負担でありまして、乗組員に負担させてはならないのであります。而して保険期間は四カ月ということにいたしております。又保險契約は任意加入となつておりまするが、漁船ごとにその乗組員の二分の一以上の者が加入を申出たときは、事業主は、正当の事由がなければこれを拒むことができないことになつております。以上が本法律案の要点であります。  委員会におきましては、愼重に検討を加えまして、いろいろ質疑応答を重ねられたのでありますが、その主なる点を二、三申上げますと、その第一点は、「本法案の第十一條に、乗組員の二分の一以上の者から保險加入の申出があつたとき、事業主は正当の事由がある場合のほかは加入しなければならない、こうなつておりますが、正当な事由とは何か。又これが濫用される虞れはないか」という質問に対しまして、「その正当な事由とは、その操業区域が明らかに危險区域外であつて、常識的に拿捕の心配がないと考えられる場合とか、或いは給與を銀行その他に預託いたしまして、如何なる場合でも給與の支拂に支障を與えないということを事業主が示すような場合でありまして、決してこれを濫用させるようなことはない」との答弁がありました。第二の点は、「保險期間四カ月の間に漁船の持主が変つた場合、保險契約は後の持主に継続されるか」との質問に対しまして、「これは当然権利義務を継承する」との見解でありました。第三点は、「組合の免責事由の中に、抑留が、国際法規、法令又は法令に基く命令に違反して航行し、又は操業したために生じたときは、保險金支拂の責任を免れることができるとあるが、国際法規違反とは何を言うか。法令又は法令に基く命令とはどういうことか」という質問に対しまして、「国際法規違反とは領海侵犯の場合で、法令とは漁業上の取締を規定している国内法規である」との答弁がありましたが、更に「領海の範囲を明確にしておく必要がありはしないか」との問いに対し、提案者から、「領海の範囲は、国際法上明確になつていないが、国際通念として三浬となつているので、一応三浬を以て限界と考えている」との答弁がありました。なお、その他の質疑応答につきましては速記録で御覧を願いたいと存じます。  かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、松浦委員より、「條文の中に、契約金額、内訳保險金額、給與月額等、非常にまぎらわしい用語があるが、省令を作る際は混乱を生じないよう明確にされたい。又保險金支拂の責を免れる場合の規定もできるだけ明瞭にしておかないと、あとで問題を起す虞れがあるから、この点は特に注意されたい。なお本法案は一日も速かに実施されるよう希望する」との意見を附して賛意を表し、千田、秋山両委員からも、「一日も速かに実施して、漁船乗組員の窮状を救済されたい」との賛成の意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。以上御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第七、簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。郵政委員長岩崎正三郎君。    〔岩崎正三郎君登壇、拍手〕

岩崎正三郎日本社会党(第二控室・右)

○岩崎正三郎君 只今議題となりました簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用に関する法律案について、郵政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。そもそもこの簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用については、本院においても第五国会以来すでに三回に亘り全会一致の決議を以て、これを両事業の経営主体たる郵政省に復元すべきものであるとして、政府の善処方を要望して参つたのでありますが、今回、政府も右決議の趣旨に従い、郵政省に復元すべく、本法律案の提出と相成つたのであります。先ず本法案の提案の理由でありますが、簡易生命保險及び郵便年金特別会計の積立金は、両事業創始以来、一貫して簡易生命保險事業及び郵便年金事業の所管大臣が管理運用して来たのでありますが、昭和十八年戰時中の臨時的措置として、その大半の運用を大蔵省に移管せられ、終戰後は更にこれが強化せられまして、契約者に対する貸付を除き、積立金の全額を資金運用部に預託することとなり、これで事業経営主体における自主的運用は実質的に失われてしまつたのであります。今回講和成立を機会として、政府は両積立金の運用を郵政省に復元し、積立金を確実で有利な方法により且つ公共の利益になるように運用することによつて、簡易生命保險事業及び郵便年金事業の経営を健全ならしめるため、その管理及び運用の基本法として、この法律案の提出となつたのであります。次にこの法律案の要旨についてでありますが、先ずこの両積立金は郵政大臣が管理し及び運用するが、この運用は、保險契約者等に対する貸付、地方債及び地方公共団体その他政令で定める公共団体に対する貸付とし、現実に運用するまでの積立金は資金運用部に預託することができることとなつております。なお右の貸付の枠を決定する積立金の運用計画及びこの変更計画は、あらかじめ資金運用部運用審議会に諮問して決定することとし、その他、郵政大臣は積立金の運用に関する重要事項について同審議会の意見を聞くこととなつております。  郵政委員会におきましては、五月二十四日当委員会に付託せられて以来、慎重審議を重ねたのでありますが、その質疑応答の二、三を申述べますと、先ず「今回の運用復元に対する反対理由として挙げられている貸付窓口の重複、その他、従来の運用方法よりも複雑になるのではないか」との質問に対しましては、「関係官庁が大蔵省、地方財政委員会、郵政省と三つとなるが、これは起債総額の枠を決定する等、大きな点にのみ考えられることであつて、郵政省による運用は主として地方の市町村へ重点を置きますので、この窓口も郵便局を利用する等の方法をとれば却つて地方団体の利便となるであろう」との答弁があり、又「現に資金運用部によつて運用せられている積立金の今後の運用については、その範囲を政令で定めるということになつているが、その意味如何」との問いに対しましては、「すでに資金運用部によつて運用せられているものを本法律案によつて直ちに一挙に郵政省に復元することは、現実の問題としてそう簡單には行かぬので、その返還せられた積立金の運用については、更に郵政省及び大蔵省において協議決定の上これを政令で定めることとした」との答弁がありました。最後に、本法律案の実施期日を昭和二十八年四月一日とした理由についての質問に対しましては、「起債の許可は毎年六月下旬から七月上旬に行われる例になつているので、本年はすでに日時において郵政省側の準備日数小く、かねて本法案の重要性に鑑み、本件運用復元により、いやしくも地方公共団体等に不便を與えることのないよう、十分慎重な準備期間を持ちたいからである」との答弁がありました。  かくて質疑を終り、討論に入りましたところ、各委員より、「本法の施行期日が昭和二十八年四月一日となつていることに対しては不満足ではあるが、これは止むを得ないところとしても、現に資金運用部において運用中の積立金については、本法の趣旨に全面的に合致するよう、郵政当局の善処方を要望する」旨の希望條件を附して、賛成の討論があり、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしたのであります。  以上を以て御報告を終ります。

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。(拍手)      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第八、千九百四十八年の海上における人命の安全のための国際條約の受諾について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。外務委員長有馬英二君。    〔有馬英二君登壇、拍手〕

有馬英二改進党

○有馬英二君 只今議題となりました千九百四十八年の海上における人命の安全のための国際條約の受諾について承認を求めるの件につき、外務委員会における審議の経過と結果を御報告申上げます。  この條約は、政府間の合意に基いて画一的な原則及び規則を設定することによりまして、海上における人命の安全を増進することを目的とするものでありまして、一九二九年の同名の條約を改正して作成されたものであります。即ち一九四八年の條約は、一九二九年の條約成立後の航海学の進歩及び第二次大戰中の著しい技術の発達が釀し出した機運によつて作成されたものでありまして、その趣旨においては一九二九年の條約と差異あるものではございません。我が国は一九二九年の條約作成のための会議に参加いたし、一九三五年これを批准してその当事国となりまして以来、第二次大戰の勃発まで、この條約の規定を遵守いたして参りました。戦時中及び戰後の占領期間中は、一時この條約の適用を停止いたしておりましたが、昨年八月我が国は改めて同條約の履行を宣言し、條約に基く証書の発行を行なつて今日に至つておりますので、現在では同僚約の加盟国としてその地位が保たれているものと考えてよいのであります。  一九四八年の條約は、十五條の條約本文と百四十六の規則から成つております。條約本文は主として條約上の手続事項を定めており、規則において海上における人命の安全を確保するためにとるべき実際的な措置を定めております。海上における人命とは、墜落飛行機に乗つていた者、救命艇で脱出した者等をも含みますが、主として乗船している者について考えております。而して條約は次のようにしてこの人命を保護しようと試みております。  (一) 船舶の運航環境を安全なものとすること。  (二) 船舶自体で執るべき安全措置を定めること。  (三) 危險な積荷の種類、積付方法を制限すること。  (四) 遭難の場合に救助を求める手段を備えさせること。  (五) 船舶を放棄する場合に安全に脱出して救助を待つための措置を講じさせること。  (六) 以上の各項目を励行するための手段として、国家の責任において検査を行い、証書を発行すること。  かくして、この條約においては、主として国際航海に従事する船舶に対して相当高度な要求がなされておるわけであります。我が国といたしましても、自国の船舶に対し、人命の安全を確保するための措置をとらせることは、條約の締結を待たずとも当然のことでありますが、この條約に加入することによつて、外国の港において不当な検査を受けて船舶の運航に支障を来たすことのないようにすることは極めて重要でありまして、又我が国は昨年九月八日サンフランシスコにおいてこの條約に加入することを宣言いたしておる次第でございます。  外務委員会は、六月六日及び十七日の両日に亘つて審議を行いましたが、質疑応答の詳細は議事録に讓ることにいたしまして、一点、この條約の要求を満たすために我が国内法はすでに整備されている旨が明らかとなりましたことを申添えたいと存じます。  かくして十七日、討論を経て採決を行いましたところ、全会一致を以て原案通り承認すべきものと決定いたした次第であります。  右御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。本件を問題に供します。委員長報告の通り本件に承認を與えることに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本件は全会一致を以て承認することに決しました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第九より第二十四までの請願及び日程第二百より第二百五までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長梅津錦一君。    〔梅津錦一君登壇、拍手〕

梅津錦一日本社会党(第四控室・左)

○梅津錦一君 只今上程せられました請願陳情に関しまする厚生委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  これらの請願陳情はいずれも医療に関するものでありまして、厚生委員会におきましては、医療に関する小委員会に付託し、愼重審議し、なお委員会においても小委員長の報告を求め、審議を重ねたのでありますが、内容は結核病床の増設、病院整備費、国庫補助増額等に関するものでありまして、請願五十四件、陳情十一件は、いずれも議院の会議に付して内閣に送付を要すべきものと決定いたした次第であります。   以上御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  議事の都合により、本日はこれにて延会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれを以て散会いたします。    午前十一時五十八分散会      —————・————— ○本日の会議に付した事件  一、国際條約批准促進に関する決議案  一、日程第一 公営住宅法の一部を改正する法律案  一、日程第二 訴訟費用等臨時措置法等の一部を改正する法律案  一、日程第三 離島航路整備法案  一、日程第四 耕土培養法案  一、日程第五 開拓者資金融通法の一部を改正する法律案  一、日程第六 漁船乗組員給與保險法案  一、日程第七 簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用に関する法律案  一、日程第八 千九百四十八年の海上における人命の安全のための国際條約の受諾について承認を求めるの件  一、日程第九乃至第二十四の請願  一、日程第二百乃至第二百五の陳情

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