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13回国会参議院1952/05/09

本会議 第37号

発言数
48
登壇者
15
会派数
7
開催日
1952/05/09

会議録

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  この際お諮りいたします。藤原道子君から海外旅行のため会期中、森崎隆君から病気のため九日間、それぞれ請暇の申出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつていずれも許可することに決しました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、簡易生命保險及び郵便年金積立金の運用の復元促進に関する決議案(千葉信君外六十二名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。本決議案につきましては千葉信君外六十二名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。柏木庫治君。    〔柏木庫治君登壇、拍手〕

柏木庫治緑風会

○柏木庫治君 只今上程されました簡易生命保險及び郵便年金積立金の運用の復元促進に関する決議案につきまして提案の趣旨を御説明申上げます。  先ず決議案文を朗読いたします。    簡易生命保險及び郵便年金積立金の運用の復元促進に関する決議   さきに第十回国会における本院の決議として、簡易保險郵便年金積立金の運用を復元するよう、政府に善処方を要望したにもかかわらず、未だその実現を見ていないことはまことに遺憾である。   政府は直ちに運用復元に関する所要の措置を講ずべきである。   右決議する。  簡易生命保險及び郵便年金積立金の運用は、両事業の創始以来、その本質に鑑み、資金の地方還元、加入者の幅利増進を第一義として事業経営主体たる郵政省によつて行われて来たのであります。然るに昭和十八年簡易生命保險積立金及び郵便年金関係資金預金部預入ニ関スル基本協定第五項の「本協定ハ大東亜戦争中ニ於ケル臨時的措置ナルコト」の條項に基きまして、戰時中における変則的措置としてその大部分を大蔵省預金部に預入れることになり、更に昨年四月からはこの臨時的措置が強化されまして今日に至つておるのでありますが、この運用方法は、簡易保險及び郵便年金両事業の円滑な自主的経営を阻害いたしますのみならず、更に今後における資本の蓄積増加に障害を與えるものでありまして、この積立金の事業経営主体による運用復元の要望は全国的に頗る切なるものがありますることは、すでに御承知の通りであります。本院におきましても、第五国会及び第十国会において、全会一致の決議を以て速かに運用を復元するよう政府の善処を要望して参つたのであります。これに対しまして政府は、現在の運用方法は飽くまでも臨時的の措置であつて、近い将来において右の決議に副うよう善処する旨の確約をされたのでありまするが、未だその実現を見ていないのでありまして、これは誠に遺憾とするところであります。今や講和條約の発効を見まして、我が国も独立国として自主権を回復いたしました今日におきましては、先の決議の趣旨に従つて、是非とも今国会中に必要な措置を講じて、本積立金の運用方式を本来の姿に復すべきものと痛感する次第であります。  これが私のここに提案をいたしました理由でございます。何とぞ御賛成あらんことをお願い申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は全会一致を以て可決せられました。  只今の決議に対し郵政大臣より発言を求められました。佐藤郵政大臣。    〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕

佐藤榮作自由党郵政大臣・電気通信大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 只今の御決議に対しましては、私どもも至極御尤もなことと存じます。もともと簡易保險並びに郵便年金積立金の運用につきましては、すでに第五回国会並びに第十回国会におきまして、本院におかれまして同趣旨の御決議がありまして、今日またまたこの御決議がありましたので、私といたしましては、この御決議の趣旨を尊重いたしまして、できるだけ速かにこれが実現を期したいと、かように存じております。(拍手、「大蔵大臣にしてやられるなよ」と呼ぶ者あり)      —————・—————    〔吉田法晴君発言の許可を求む〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 吉田法晴君。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 私はこの際治安維持に名を藉る政府の諸政策に関する緊急質問の動議を提出いたします。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 私は只今の吉田君の動議に賛成いたします。

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 吉田君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。吉田法晴君。    〔吉田法晴君登壇、拍手〕

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 私は日本社会党第四控室を代表して、政府が七日の閣議で決定したと報ぜられる治安維持に名を藉る反動諸政策に閉し、総理、法務総裁、労働大臣に質問をするのであります。  五月一日のメーデーのデモ行進後、宮城前広場において勃発した騒乱事件を好機として、政府はかねて提案の機会を狙つておつた警察法の改正、ゼネスト禁止法、集会デモ行進取締法等、治安立法の制定、労働関係法の改悪を一挙に国会に提出することを決定、その後戒厳令に代る立法まで考慮しつつあるようであります。昨夜又早大の学内における警官の暴行事件と新聞記者の殴打事件が起つております。断わるまでもなく、我が党は、暴力は左右いずれのものたることを問わずこれを絶対に排撃するものであることは申すまでもございません。共産党が社会革命の方法手段として暴力、武力を用いんとする態度に、我が党は反対であります。我が党は平和的な民主的な方法を飽くまで主張いたします。殊に、最近いわゆる五全協の決定以後、暴力的、武力的方法を強く主張し、それがメーデー後の宮城前の広場等において現われたものであるといたしまするならば、我が党は平和と民主主義を愛する国民、勤労者と共に、嚴重に抗議しなければなりません。併しこれを誘導し、挑発し、拳銃、催涙ガス、その他実力を行使し、逃ぐる者をその後ろより発砲して死に至らしむる等、暴に報ゆるに暴を以てし、国民の血を流し、朝鮮の三十八度線をめぐる悲劇を小さくとも日本の国内に作つた警察政治のやり方に対しても、(「そうだ」と呼ぶ者あり)国民の幸福と平和のために絶対に反対を唱えなければなりません。(「そういう煽動をするからいかんのだ」と呼ぶ者あり)共産党と自由党の政府があの方針と態度を強化推進するならば、国民が最も恐れ、我が党が極力阻止せんとする朝鮮の悲劇が日本において実現しないと誰が断言できます。(「そうだ」と呼ぶ者あり)  そこで第一に質問しなければならんことは、政府及び自由党が、六日の会議、七日の閣議で協議決定したことは、名は治安維持、共産党対策でありますが、実際には、民主主義、平和主義を放棄し、力の政治、国内戰争政策の採用ではないかという点であります。中央公論の四月号に記載せられた労働党の論客K・ジリアスは、ローマ教皇庁機関紙の記者ジユゼツペ・デルラ・トレス伯の、「文明国民は、キリスト教徒であろうとする限り、我々は力によつて、戰争の流血、苦悩、暴力、悲惨、蛮行によつて、共産主義を克服乃至修正できると想像することはできぬし、又想像してはいけない。」という結論を肯定し、世界の二大勢力の並存を主張いたしております。五月五日の新聞は、ワールド・テレグラム紙の「日本の警察は騒擾が起るのをあらかじめ知つておつたが、次の二つの理由からこれを未然に阻止しようとしなかつた。その一つは、警察が共産主義者たちに実力を行使させ、彼ら自身が共産主義暴圧の理由を作り出すよう仕向ける戰術をとつた」云々という言葉を引いております。(「そうだ」と呼ぶ者あり)あたかもこの記事を裏書きするかのごとく、五・一事件を理由に警察力の強化の鞭撻が自由党からなされ、七日の閣議でも東京警視総監及び国警長官の首相による任免及びその指示権付與の方針が決定したと言われております。首相或いは政府の関係大臣は、地方自治制、公安委員会という民主的警察行政組織を踏みにじつて、警察国家、昨夜早大における。ごとき無謀をあえてする警察国家を実現するつもりであるかどうか、承わりたいのであります。(「警察法の前文に何とある」と呼ぶ者あり)国際的な政治的態度は国内的な態度に繋がつております。力の真空状態に対処するためアメリカ軍の駐留を要請し、その間、自衛力の漸増を図らんとする吉田内閣が、国内政治においても、共産主義、共産党に対し弾圧を以て臨むのは当然であるかも知れませんが、民主主義と平和を守ろうとする国民は、力の対立が国内戰となり、民族の悲劇を招くことを慣れるのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)七日の閣議決定による治安立法、治安維持の観点からする労働二法の改善だけでなく、昨日の夕刊新聞は、戒厳令に代る立法を自由党国会対策委員会が政府に申入れたと言うし、「大橋国務大臣は、五月一日のごとき騒擾が生じた場合には、独自の判断の上で、総理の許可を得て出動鎭圧をする。この場合、予備隊の指揮官が警察隊をも指揮すると語つた」と報じております。こういう、敗戰前、軍国主義華やかなりし時代の大言壮語を聞くときに、我々はその法的の根拠を疑うと共に、まさに逆コースそのものであると寒心に堪えないのであります。(「そうだ」「その通り」と呼ぶ者あり)総理と関係閣僚は、この武力を以てする、目には目を、歯には歯を、暴には暴をというその治安政策が、国内対立を激化し、フイリピンの現状から仏印の現状に、更に朝鮮事変り悲惨事に日本を追い込むものではないと断言できるかどうか、承わりたいと思うのであります。(「断言できないね」と呼ぶ者あり)又、こういう方針は、民主憲法、平和憲法が夢想だもしなかつたところでありますが、総理及び政府は、民主主義を一擲し、弾圧政治、専制政治を採用する決意なのかどうか、承わりたいのであります。(「そうだそうだ」「しつかり答えよ」と呼ぶ者あり)  質問の第二点は、いわゆる治安立法についてであります。最初政府がいわゆる治安立法として考えたものは、破壊活動防止法のほか、ゼネスト禁止法、集会デモ取締法の三つであつたこどは周知の事実であります。ミリタント大橋国務相によつて考えられたこの治安三法の原案が、内外輿論の大きな反撃に会い、自由党内部、木村法務総裁の意見等もあつて、破防法は改訂に改訂を重ね、ゼネ禁法は、ゼネスト禁止後は労働関係の調整になるとしてその提案を取り止め、集会デモ取締法も影が薄くなつていたことは事実であります。この治安三法が、名前はとにかく、形と決意を新たにして登場して来たものは、政府が一日の騒乱事件をきつかけに、これら治安対策の全部も受入れるだけの情勢が熱したと判断したのか、或いはこの情勢を、特審局か、旧特高警察か、旧内務官僚によつて作られたものか知らんけれども、自由党も木村法務総裁も政府も踊らされておるとしか考えられないが、ゼネ禁法、集会デモ取締法の反動立法をなぜ再び提出することに決意したか。    〔「主人公の命令だ」と呼ぶ者あり)法務府刑政長官は、非公式ではありますが、私に、ゼネスト禁止法は提出しない方針であるとはつきり明言いたしました。公安條例が京都においても違憲の判決を受けたことは法務総裁も知つておる通りであります。この反動立法、違憲立法をなぜ今更提出するのか。五・一事件という口実ではない理由と経緯を法務総裁に承わりたいのであります。質問の第三は労働三法の改正に関してであります。閣議の決定は労働関係調整法等の一部を改正する法律案要綱として、一括してありますが、法律としては、公企労法、労調法、労組法、地方公企労法、労働基準法の多岐に亘つておりますか、私がここで問題にするのは、改悪労働関係法提出の機会を狙つておつた政府が、事件の勃発を好機至れりとして、治安維持に名を借り、反勤労働法として強行通過を図ろうとする点であります。即ち労調法中の緊急調整の制度がそれであります。閣議決定の法律案要綱によりますれば、「公益事業に関する事件、又は大規模若しくは特別の性質の事業に関するものであるため公益に著しい障害を及ぼす事件については、労働大臣はこれを放置すれば国民生活に重大なる損害を與えると認めるときは、緊急調整の決定をすることを得るものとすること」云々、「緊急調整の決定があつたときは、関係当事者は五十日間争議行為を禁止されるものとすること、」とありまして、この要綱を読んで参つておりますと、労働大臣の肚の中が余りに判然とわかつて参り、私は怒り心頭に発するのを禁ずることができなかつたのであります。治安維持に名を借るこれら諸反勤労働法規に反対する民主的労働組合は、昨年末来隠忍に隠忍を重ねて参りましたけれども、遂に四月十二自実力行使をなすことを決定いたしました。これを十一日夜に至つて労働省は卑劣な方法で切り崩しをいたしました。十二日のストが力を殺がれると、政府は治案立法の制定も労働法の改悪も易々たるものとし、政局の安定、自由党政府万々歳と安心し切つたのであります。然るに政府の期待を裏切つて、全国の勤労者の盛り上る力によつて十八日の大ストは整然と行われました。労働大臣は、炭労、私鉄、電産等、スト権を持つた民間大單産に、その従事する事業を公益事業として、この緊急調整権を発動し、スト権を奪わんとするものでありましよう。併し五・一の共産党指導による擾乱事件と、これら民主的労組と、何のかかわりがありますか。自己の卑劣な切崩し工作が奏功せず、自由党政府のフアツシヨ化に反対して民主主義を守ろうとする民主的労組があるからと、五・一事件を口実に、その憲法に保障された団体行動権、罷業権を全く奪い去らんとするのは、卑劣極まる企図であり、悪質な憲法違反である。労働大臣の所見を承わりたいのであります。  最後に、総理は御出席になつておりませんが、民主主義の唯一最後の力である民主的労組の骨抜きをやり、抑制をやつて参りますならば、敗戰前の暗黒政治が、フアツシヨ政治が実現するでありましよう。そして、戰争、敗戰へのコースは、曾つて我々が辿つたところでありますが、この失敗を再び吉田内閣は繰返そうとせられるのかどうか。はつきり承わりたいのであります。労組ば生活と民主主義を守るために立上らざるを得なくなつております。この民主主義の危機に対しては、私どもも国の内外の諸勢力と共に立上らざるを得ない事態が参りつつあるのでありますが、これらについての政府の所見をはつきりと承わりたいと思います。(拍手)    〔国務大臣木村篤太郎君登壇、拍手〕

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) お答えいたします。  只今古田君の暴力否定の御意見誠に御尤もであります。民主主義国家において何よりも先ず暴力は否定して(「君がやつておるじやないか」と呼ぶ者あり)政府は暴力を以て国内治安を紊さんとするものに対して(「しらじらしいぞ」と呼ぶ者あり)その責任を以てこれに対する処置をしなくてはならんのは当然な事理であります。  警察法の改正は政府においても計画しておることは事実であります。近く草案ができ次第御解離をお願いしたいと考えております。要するに(「あとから変更するんだろう」と呼ぶ者あり)現在の警察法においては、治安の保持に欠くるところがあると我々は考えておるのであります。そこで、極めて最小限度に、その必要限度をきめまして、近く成案を得まして、御審議をお願いしたいと考えておるのであります。(「全文を読め」と呼ぶ者あり)  又集団の秩序の保持に関しましては、これは政府においても大いに考えなくちやならん点があるのであります。(「何を考えるのだ」と呼ぶ者あり)集団示威運動等の秩序保持に関する法律案を近く又御審議をお願いしたいと考えております。いわゆる集団示威運動、公共の場所における集団行進、若しくは屋外の集合が、公共の秩序、生命、身体の自由又は財産に対して、直接の被害を及ぼさないように行われることが望ましいのであります。(「警官が邪魔しなければいいんだ」と呼ぶ者あり)そのようにするために、この法案を今研究中であるのであります。現在は、これら集団示威運動等につきましては、府県市町村の條例で各別にきめられておる所もあります。又定められない所もあります。定められない所が多数あるのであります。又その内容においても区々で、一定をしておらないのでおります。従つて、法律を以てこれを明確にして、その秩序の保特のために必要最小限度の規定を設けまして、独立後の民主国家にふさわしいものとしたいと考えておるのであります。(「民主主義が顔負けするよ」と呼ぶ者あり)  ゼネスト禁止につきましては、これは広汎且つ深刻に行われまして、国民生活や国民経済に重大なる影響を與えるような場合におきましては、只今の法規の下においては、これを取締る何らの規定がないのであります。(「そんなことがあるか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)かくのごとき広汎且つ深刻であつて、国民生活、国民経済に深刻な影響を及ぼすようなものにつきましては、相当我々としては考えざるを得ないのであります。近く成案を得まして御審議をお願いしたいと考えておる次第であります。(拍手)    〔国務大臣吉武惠市君登壇、拍手〕

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○国務大臣(吉武惠市君) 古田君の御質問にお答えいたします。  政府は今回労働三法の改正を提案をいたしますのでありますが、これにつきまして、先ほどの御質問をお聞きいたしますると、五月一日の事件に鑑みて出すのだろうとの御質問に見受けられましたが、私どもは断じてさようなつもりではございません。労働三法の改正につきましては、すでに本参議院の本会議におきましてもしばしば言明いたしましたごとく、独立いたしました日本の経済自立の上において必要なる改正を行うということでございまして、先ず第一に取上げましたのは、御承知でもございましようが、電通、郵政或いは印刷庁、造幣局、営林、アルコール専売等、これら現業官庁に従事いたしまする労務者につきましては、これに団体交渉権を附興しようとするものであります。又もう一つは、地方公労法を制定いたしまして、今地方庁における市電或いは水道等の現業に従事しておりまする労務者につきましても団体交渉権を附興しようとするための改正であります。(「それだけでよろしい」と呼ぶ者あり)ただ一点、御指摘になりました公共の福祉から来る(「あとのことはよろしい」と呼ぶ者あり)緊急調整でございます。これとても、公共の福祉に著しい障害を及ぼし、国民生活に重大なる損害を及ぼすような争議は、これはできるだけ避けて、公正なる機関で解決するということは、刻下当然であると私は考えるのであります。(拍手)従いまして私どもは、決して、今回の労働三法の改正は、五月一日の事件によつてやつておることではなく、すでに計画し、而もこれは労務法制審議会と労働基準審議会にかけ、労働基準法の改正は審議会で決定した通りが今度の法律案になるのであります。而もそのほかも労務法制審議会で決定された事項又は労務法制審議会において中立の委員が提案されました事項を提出しておるのであります。決して私どもは健全なる労働組合運動を抑圧する考えは毛頭ございません。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 内閣総理大臣の答弁は他日に留保されました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 運輸大臣から日航機遭難に関する調査の結果について発言を求められております。この際発言を許します。村上運輸大臣。    〔国務大臣村上義一君登壇、拍手〕

村上義一緑風会運輸大臣

○国務大臣(村上義一君) 去る四月九日大島三原山の東側山腹におきまして遭難しました日本航空株式会社のチヤーター機もく星号の事故原因を調査いたしました結果につきまして、御報告申上げたいと存じます。  今般の事故は、我が国民間航空開始以来の最も悲惨なものであり、且つ民間航空再開早々の不詳事件でもありますので、これらの原因を調査するため、政府といたしましては直ちに航空事故調査会を設けまして、斯界の権威のかたがたに集まつて頂きまして、愼重に各方面から検討を重ねました結果、只今から申述べますような結論を得た次第であります。  先ず当時の状況から申しますと、この事故を起しましたもく星号は、九日の午前七時四十二分羽田飛行場を出発しまして以来、館山通過後通信が全く杜絶しましたので、直ちに各方面の御協力を得まして、八方捜索をいたしたのでありますが、不幸にして当日天候が悪く、視界が非常に狭い状況にありましたために、遂に発見するに至らなかつたのでありまして、翌十日午前八時三十二分に至りまして、捜索航空機によりまして、大島三原山の東側、東経百三十九度四十八分、北緯三十四度十二分の地点にこれが遭難しているのが発見されました次第であります。その通報を受けましたので、直ちに救難に努めまして、各方面に御連絡申上け、その御協力を得たのでありますが、遺憾ながら全員の死亡が確認された次第であります。政府といたしましては直ちに現場に調査員を派遣いたしまして、その調査に当つて、その調査の現場資料並びに各方面から提供を受けた資料によりまして、航空事故調査会は愼重な検討を重ねた次第であります。  遭難機はアメリカ国籍のN・九三〇四三号マーチン二—〇—二航空機でありまして、当日、乗員四名、乗客三十三名を乗せ、羽田を出発しました福岡行の定期便でありまして、途中大阪に寄航する予定でありました。同機の機長はE・G・スチユワート(三十六歳)でありまして、飛行時間七千六百九十八時間四十九分、副操縦士はR・クレベンヂヤー(三十一歳)で、四千九百五時間の経歴を有し、共にアメリカの定期航空運送操縦士としての資格を持つております。最近一ヵ月間に、機長は十回、剛操縦士は十四回、この航空路を飛行いたしておりましたのであります。地の二名の乗務員は日本航空の社員でありまして、出発当時の搭載物は、燃料二千七百二十キログラム、乗客、貨物、郵便物は四百八キログラムでありまして、離陸重量は一七・八トンで、許容敵陣最大重量の範囲内に勿論あるのでありまして、且つこれら搭載物の重量は航行の安全のため必要な平衡を保つていたことも確認されたのであります。で、離陸前に、羽田のコントロール・タワーは、館山、大鳥経由大阪行、飛行高度六千フイート、館山通過後十分間飛行高度二千フイートと交通指示な與えておりましたが、直ちにこれを羽田出発後十分間飛行高度二千フイートと訂正しましたので、機長はこれを復唱して離陸しておるのであります。で、通常は直ちに高度を羽田出発後上げて行くのでありますが、当時アメリカ空車の輸送機が一機羽田上空二千五百フイートの高度で空中待機中でありまして、なお十機が附近を航行中でありましたので、この措置がとられたものであります。併し館山通過時の航空機からジヨンソン・ベースの東京コントローラーへの通信は、午前七時五十七分館山上空通過、高度六千フイート、午前八時七分大島上空予定と記録されておるのでありまして、又東京モニターの記録によりますと、午前七時五十五分館山上空二千フイート、計器飛行、いわゆる盲目飛行、舘山南方十分間飛行高度二十フイートを保持し、次いで上昇するとありまして、いずれが真実であるか、その後の調査によりましても決定しかねておる次第であります。併しながら、航空交通管制官と機長との責任分野について申上げますと、管制官の責任は、計器飛行を行なつている、いわゆる盲目飛行を行なつている航空機相互間及び航空機と障碍物との衝突を防止するために、機長に交通許可を與えることが、アメリカの航空法において規定されておるのであります。一方、機長には、交通許可の訂正を要求する権限、又それを拒否する権限が與えられておりますので、これらの指示に対しまして適正に判断する責務が機長にあるわけであります。従いまして、もく星号の館山上空の通報に関するモニターの記録が正しく、且つ操縦者の錯誤に対して管制官が注意を喚起しなかつたとしても、この業務の性質上、このことは操縦士の航法上の錯誤を生ぜしめた間接原因とはなり得ましても、このことが事故の直接の原因とはなり得ないと判断せざるを得ないのであります。  次に、機体関係は、出発前の整備の状況並びに事故後の調査の結果から見ましても、運航に影響を及ぼすような故障を起したとは認められないのであります。即ち機体が三原山の東向き傾斜約十三度の斜面にやや上向き姿勢で激突した痕跡からも明瞭でありまして、この痕跡から見ましても、又破壊された機体の部分品を調査した結果から見ましても、室中分解をいたしたものではないことが明らかでありまして、又操縦性を失つて墜落したものとは考えられないのであります。発動機のほうは、両発動機とも、地面に残された痕跡及びそのピツチ、角度から見ましても、又発動機点検の結果からも、何らの故障を発見できないのでありましてこれらの一7ロペラの痕跡による推定速度は毎時二百マイル、三百二十キロと考えられますし、又プロペラのピツチから、当時、事故機は巡航速度で飛行していたものと認められます。次に、機体、発動機の焼けた部分の調査から、又消火器を全然使用していなかつた事実から、航空機の室中火災が発生したとは認められないのであります。  装備品につきましては、先ず無線通信機は、分解の結果、いずれも最後まで通信状態にあつたと考えられるのであります。又、方向探知機は、大島並びに燒津の航空無線標識に合わされていたのみならず、電源系統にも故障を一認められないのであります。又、計器類も、計器の指度に一部異状を認められるものがありましたが、それは分解の結果、衝撃によるものと思われるのでありまして、激突以前にはすべて正常の状態にあつたものと認められるのであります。  更に気象関係でありまするが、当日午前六時、中央気象台の観測結果によりますと、紀伊半島沖に千ミリバールの低気圧がありまして、東北東に毎時約五十キロメートルの速度で進行していたため、関東、中部、近畿の各地方並びに四国東部は雨となつておりまして、東京地方の下層雲底、雲の一瞬最下位でありまするが、下層雲底は千五百フイートでありまして、千五百フイートから一万五千フイートまでは密雲に閉ざされ、視界は僅かに両翼が見える程度であつたと判断されるのであります。又、上層の気象は、午前六時の初田の観測によりますと、五千フイート上空までは東南若しくは東南南、その風速は十ノツト内外でありまして、六千フイート以上の高度では南風で二十ノツトくらいとなつておつたのであります。当時大島附近には多少の気流擾乱或いは下向気流があつたとも考えられますが、乗客が殆んどバンドを締めていなかつたことからしても、これが直接原因になつたとは考えられません。又航空機の凍結問題でありますが、密田における上層観測の結果は一万二千フイート上空において撮氏零度線があることから、凍結により事故を起したとは考えられないのであります。  又、羽田、館山、大島、焼津の各航空無線標識もそれぞれ異状なく運転していたのであります。  以上述べましたことを総合いたしますと、機体が粉々に大破し、且つ乗客並びに乗員が全員死亡しましたために、直接原因を確認することは困難でありますが、詳細な調査の結果から、操縦者が航法上何らかの錯誤を起し、計器飛行のため、その航空路に規定されている最低高度以下を飛行したため、このような悲惨な事故を惹起したと推定するのが最も妥当であるとの結論に到達したのであります。今後この種の事故を防止するために、政府といたしましては、更に自主的な立場において、航空機の安全性の確保、運航従事者の技能の向上等につきまして、保安上の監督指導を強化し、航空交通管制の機能及び施設を強化し、更に安全な航空ができますよう万全の措置を講ずる所存であります。  最後に、不幸にして本事故により遭難されたかたがたの御遺族の御心中のほどは推察するに余りありますので、ここに謹んで哀悼の意を表する次第でありますが、今後この禍を転じて福となすべく、これを契機として、我が国民間航空がよりよき発展を遂げることこそ、犠牲者の霊を慰める唯一の途であることを信じ、一層の努力を重ねたいと存じます。(拍手)      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第一、罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案(衆議院提出)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。法務委員長小野義夫君。    〔小野義夫君登壇、拍手〕

小野義夫自由党

○小野義夫君 只今上程されました罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同僚の規定を適用する地区を定める法律案の委員会における審議の経過並びにその結果について御報告いたします。本法案は、去る四月十七日鳥取県鳥取市に起つた火災を本條による災害に、又鳥取市をその地区に指定せんとするものであります。鳥取市の火災は、家屋五千二百二十八戸を焼き、罹災世帶は旧市の五三%にも及ぶ大火でありまして、本法案による措置を急速に必要とすることは想像に難くないところであります。当委員会におきましては、かかる事情に鑑み、審議を急ぐと共に、熱心に事に当つたのであります。討論は省略いたしまして、採決いたしましたところ、全会一致にて可決すべきものと決定いたした次第であります。以上御報告を申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第二、当せん金附証票法の一部を改正する法律案、日程第三、塩専売法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長平沼彌太郎君。    〔平沼彌太郎君登壇、拍手〕

平沼彌太郎自由党

○平沼彌太郎君 只今上程されました当せん金附証票法の一部を改正する法律案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず本案の内容について申上げます。第一は、政府の発行する宝くじは、これまでその資金の用途に制限が附されておらなかつたのでありますが、今回は、政府の宝くじは社会福祉を対象とする事業の費用の財源に充てる場合に限り発行し得ることといたそうとするものであります。第二は、政府の発行する宝くじについては、年度間の発行限度を法律に規定いたそうとするものでありまして、その額は現在の発行額を勘案して三十五億円といたそうとするものであります。第三は、宝くじ発売行予算の経理についての方法を、現行の総計予算の方式から純計予算の方式に改めようとするものであります。第四は、宝くじの発売事務を申請銀行に委託せしめ、これに伴う諸規定を整備いたそうとするものであります。そのほか都道府県等の宝くじ発行についてそれぞれ規定を整備しようとするものであります。本案審議の詳細は速記録によつて御承知願います。  かくて質疑を終了し、討論に入り、小林委員より、「いわゆる宝くじは国民の射倖心をそそる意味において好ましくないので、本年度限り廃止すべきであると思うが、すでに予算も成立しておる等の関係もあり、止むを得ないが、第三條の改正規定中「社会福祉の増進のために要する費用の財源に充てるため必要があると認めるときは、」の字句を削除すべきである」旨の修正意見が述べられ、下條委員より、「本法制定当時と現在では経済事情が相当変化しており、この法律は本年度限り廃止せられたい」との希望條件を附して賛成意見が述べられ、木村委員より、「政府発行のいわゆる宝くじは、毎会計年度三十五億円の金額の範囲内において発行し得ることになつているが、その先行限度は毎会計年度国会の議決を要さないこととなるので改惡である。第二点は、この制度を認めると、いわゆる宝くじの発売收入金を警察予備隊の増設等の再軍備の費用に濫用せられる慮れがある旨の反対意見が述べられ、菊川委員より、「いわゆる宝くじ等の発売は国民に射倖心を持たせるので好ましくない。浮動購買力の吸収等は正常なる制度の下に行わるべきである。又宝くじはすでに国民の魅力を失つており、二十五億円程度の発売ではインフレ防止に役立たない。社会福祉の増進のために政府宝くじを発売することは石目的である。更に地方宝くじの発売をやめることによつて地方財政に及ぼす影響は少い等の理由によつて、この際いわゆる宝くじの発行を廃止すべきである」旨の反対意見が述べられました。かくて討論を終了し、採決の結果、小林委員の修正案は多数を以て可決せられ、次いで修正部分を除く原案についても多数を以て可決せられ、本案を修正議決いたした次第であります。  次に塩専売法の一部を改正する法律案の御報告を申します。本案は、くじら、にしん、さけ、ます、たら等の漁獲物の塩蔵の費用を引き下げて、塩蔵関係食品を低廉な価格で供給するため、これらの漁獲物の塩蔵用塩を特別価格で売り渡すことができることとしようとするものであります。  本案は質疑の後、討論に入り、森委員及び大野委員からそれぞれ希望を付して賛成の意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  右御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  先ず当せん金附証票法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○議案佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 次に塩専売法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第四、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。建設委員会理事小川久義君。    〔小川久義君登壇、拍手〕

小川久義民主クラブ

○小川久義君 只今議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案について、建設委員会の審議の経過及び結果を報告いたします。  法案は、日米両国間の安全保障條約に基く行政協定を実施するため、駐留軍の用に供する土地建物等の使用又は収用に関し必要な規定を設けて條約の遵守と私有財産権との調整を図ることを目的とするものであります。政府当局の説明によりますると、駐留軍の必要とする土地建物等が私有に属するときは、政府は、その権利者との間の合意に基く契約によつて使用権又は処分権を取得して駐留軍に提供することを建前として、これにあらゆる努力をいたすのでありますが、それにもかかわらず、契約の締結が不可能の場合は、止むを得ずこの法律によつて使用又は収用して條約上の義務を履行するというのであります。  法案はこの使用又は収用に関して原則として土地収用法を適用することとしておりますが、これに若干の特例を設けており、その主なる点は、一、土地収用は土地等の収用を主としておるのに対して、本法は使用を建前としておる。二、事業認定については他の多くの特別法同様これを特例とする。三、土地等を返還する場合は原状回復を建前とするのでありますが、これに特例を設け、この場合の損失補償、利得の納付を規定しておる。四、引渡調書を作製して後日の紛争を防止し、なお附則において従来連合国軍の要求に基き使用中の土地等で、平和條約発行後九十日を経過してなお引続き駐留軍が使用する必要があるときは、六ヵ月を超えない期間一時使用することができることといたしております。  委員会における質疑応答の主なる事項は、一、駐留軍が必要とする土地建物の全貌、従来接収された土地建物の解除と今後新たに接収を要するものの見込、二、本法による損失補償の基準、従来の使用料、補償料等の是正及びこれらに関する予算措置等でありました。これらに対して特別調達庁、外務省及び大蔵省当局から、現在進行中の予備作業班の実地調査と作業進行の状況、大体において今後新たに接収を要するものは少いこと、補償は適正なる基準を設け、近傍地の時価を参酌する二と、防衛支出金中に計上されておる不動産の借料等の九十二億円の説明と共に、補償費の不足する場合の予算措置等についてそれぞれ答弁がありました。又農林委員会を代表して、池田、飯島両議員から、委員外発言として適正なる補償基準、関係農民の生計維持困難な場合の収用の請求、本法の運用について関係行政機関特に農林省との緊密な連絡について質疑があり、当局からそれぞれ答弁がありましたが、詳細は会議録によつて御承知を願います。  かくて質疑を終了、討論に入りましたところ、深水委員から、お手許に配付してあります修正案のように、「附則第一項を次のように改める、「1、この法律は、公布の日から施行する。」、附則第二項中「要求に基いて現に使用している土地等」を「要求に基く使用を現に継続している土地等」に、「この法律施行の日」を「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約の効力発生の日」に改める」旨の一部修正提案があり、その他の部分については原案に賛成する旨の発言がありました。これに対して田中委員から、「本案に全面的に反対する。我々は安保條約並びに行政協定に反対するものであり、本案は土地の使用、収用について特別法を設けて簡単に処理する便法とするものである。法案は、一、収用又は使用に期限が明示されていない。二、事業の限界が示されていない。従つて我が国の大半を収用又は使用し得る権限を示しているものであつて、国土を基地化する虞れが多分に含まれている。本法施行によつて国民の権利を侵害し又は国の独立を失う危険を包蔵しておる」旨の反対討論があり、松浦、門田両委員からも、土地使用の形について政府の説明では了承できぬ。又耕作農民に不安を與え、本案の内容においてもはつきりしないものがある」として反対の発言がありました。小川、石川両委員からは「国の安全保障のためには若干の犠牲は止むを得ぬ。本法の運用には十分に留意するよう」との修正を含む賛成討論がありました。東、赤木両委員からは「本案は重大な問題である。時価買収を原則とすること、換地については十分に考慮し、又現実的に措置することを條件とし、又は強く要望して賛成する」旨の発言がありました。  次いで採決の結果、多数を以て深水委員提案の通りの修正とその他の部分については原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 本案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。門田定藏君。    〔門田定藏君登壇、拍手〕

門田定藏日本社会党(第四控室・左)

○門田定藏君 私は日本社会党第四控室を代表いたしまして、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案に対して反対の意を表明するものであります。  先ず反対の理由の第一は、この法案が国会において何ら審議承認を経なかつた行政協定に基くものであり、その基礎からして不法なるものと認めざるを得ないという点であります。而もその内容は行政協定そのものの性格を露骨に現わしておるものでありまして、米軍の軍事基地を強硬に日本国民に強いるものであります。  第二に、その手続につきましても、同法案の第三條、第五條におきまして、総理大臣が適正且つ合理的であると認定いたしました場合には、農地や建物を勝手に使用し又は収用し得ると規定とておるのであります。かくのごとき農民を一方的に圧迫したやり方は、実に不法極まるものであると言わざるを得ません。憲法第二十九條に保障されておる財産権の不法極まる侵害であります。特に農民にとつては、土地はただ単なる財産ではなく、実に生命の糧としておるのであります。それを一方的な認定で断定し、正当なる異議申立を許さずに強制收用をなすがごときことは、断じて許されるべきではありません。土地収用法には正当なる異議申立ができるのでありますが、これにはそれすら許されておりません。ただ補償についてだけの不服の申立が許されるだけであります。このことは実に農民の人権を侵害することこれより大なるものはありません。  反対理由の第三は、法案第十一條に、米軍が不用となつたとき、その土地建物の返還につき規定がありますが、その場合、農地をコンクリートにしたり、又は建物をアメリカ式に変更してしまつた場合においても、それを原状に回復しないで返すことができるとされておるのであります。これは全く一方的な横暴を許すものであります。この損失補償につきましても、行政協定によると日本側の負担となつておるのでありますから、結局それは国民の税金から支拂わねばならん結果になるのであります。これでは全く日本国民の生存権を無視する、而も屈辱的な行政協定の結果と言わざるを得ません。更にその補償の額にいたしましても、不服の申立があつた場合には、総理大臣は中央調達不動産審議会の意見を聞くというのみでありまして、それ以外に何ら確実な補償の根拠がないのであります。  以上のような全く一方的な強制収用のために窮地に追い込まれる農民は、北は北海道各地において数十町歩を初め、南は大分県の玖珠町の一万五千町歩に至るまで、全国三十数カ所で、その数は数万戸に及ぶのであります。而もこのように收用された土地が全国到る所原爆の基地その他軍事基地と化されることは、世界平和と日本独立の点からも、農民生活の重大性からも、更に又その周辺における風紀の悪化、子女の教育に対する障害等のあらゆる点において、私はこの法案に断固反対するものであります。  最後に、極めて簡單にして意を盡さなかつたと存じますが、議員各位におかれましては、日本の独立と再建、又食糧問題等の重要性に鑑み、善処されんことを切望する次第であります。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 松浦定義君。    〔松浦定義君登壇、拍手〕

松浦定義改進党

○松浦定義君 私は只今議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案に対し、改進党を代表いたしまして反対の意見を明らかにせんとするものであります。  先ず本法律案の示すところによりますと、駐留軍の必要とする土地建物等の使用又は収用手続につき特例を設けて、それらの使用又は所有権を政府に取得し、これをアメリカ合衆国軍隊に提供せんとする目的を以て立案せられたものであることは、今更申上げるまでもないと思うのであります。我々は、吉田内閣の専断と総理の独裁によりまして国会の承認を得ずして締結された行政協定そのものは、国家の主権と国民の権利を制限し、独立国の威信を失墜するの虞れありといたしまして、国民の声に応え、峻烈なる批判を加えて参つたのであります。果せるかな、今日に至りましてなお占領臭紛々たるかくのごとき法案を提出し、国民に多大の不安と恐怖戦慄を與えるに至つた政府の責任たるや、極めて重大であることを指摘せざるを得ないのであります。(拍手)連合国による日本の占領は去る四月二十八日を以て平和條約の発効と同時にすでに終了いたしているのであります。従つて徴発に基く施設及び区域の合衆国軍隊による使用も又同時に終了しておるのであつて、今後米軍の施設及び区域等の使用は、日米両国政府が、平和、安保両條約及び行政協定に基く権利を條件として、両政府間の合意により新らしく発足すべきであることは周知の通りであります。日米安全保障條約は、集団安全保障という両国間における共通の利益のために、互いに相手方を信頼して、その基礎の上に立つて締結されている以上、この安全保障條約を実施するところの行政協定も当然日米両国民の間における融和と信頼とを助長するものでなければならないにもかかわらず、本法案はこれらの前提を全く無視いたしまして作られたものであつて、これは封建制の遺物たる伝家の宝刀的効果を期待して立案せられたものであつて、その意図するところは、駐留軍の威圧によつて土地及び建物等の使用又は收用を暗黙のうちに強制せんとする結果にほかならないのであります。この点我々が断じて無視し得ざるところでありまして、政府並びに與党、これに又追従的同調をなさんとする諸氏の一大反省を促さんとするものであります。  以下反対の主なる理由の二、三を申しまするならば、  第一に、土地に関する限り、殊更農民をして不安と恐怖とを與えられるごとき農業破壊の助長法的かかる法案によらずとも、現行の土地収用法を以て十分目的を達し得るにもかかわらず、何が故にかかる反独立的意識に立つて今日なお国民の権利を制限しようとするのか、全くその意図するところの判断に苦しむものであります。絶対多数を以て誇りとしておる吉田内閣が主権回復の本然の姿に立つて事をなさんとするならば、かかる法案がたとえ駐留軍の強い要請があろうとも断固排除し得るにもかかわらず、却つて多数に名を借りて自己陶酔から悪法を作り関係者を泣き寝入りさせるがごときは、みずから信頼と融和とを助長するという行政協定の本旨を無視するも甚だしいものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)政府は、駐留軍の存在が暫定的一時的のものであるから、その前提に立つて本法案を立案したというのでありまするが、勿論我々といたしましても、我が国の国力の充実と共に、自衛態勢を確立いたしまして、一日も早く駐留軍の引揚を促進し、名実ともに独立を完成したいという念願はいたしておるものであります。政府の施策は、国策の根本方針に対しても無為無策、無定見であつて、かかる状態であつては、いつの日だ駐留軍を必要としない時期が来るのか、全く前途は危ぶまれるのであります。従つて、本法案第九條、第十條等において土地等の使用期間を一年ごとに契約するがごときは実情に即せざる規定であつて、政府が勝手に一年ときめておきながら、使用期間更新の結果三年以上にならなければ所有者から収用の請求があつてもこれを受付けないというがごとき状態では、所有者又は使用者に対し不当なる権利の侵害と言わなければなりません。殊に一時的又は臨時的と称しながら、本法案を臨時措置法としないで特別措置法と打ち出しておる限りにおいては、恐らく本法の適用期間が相当長期に亘ることを是認しておるものと考えられるのであります。更に政府は、土地収用法においては土地の収用を主とし使用を従として規定しておるのでありまするが、駐留車の要請は使用を主とし収用を従とするが故に本法制定の必要があるというのでありまするが、駐留が何年続くかわからない現状においては、土地所有者又は使用者にとりましては使用も収用も大差なく、政府の言い分は全く詭弁にひとしい結果となるのであります。  又第三條によりますれば、「土地等を駐留軍の用に供することが適正且つ合理的であるときは、この法律の定めるところにより、これを使用し、又は収用することができる。」と規定いたしておるのでありまするが、「適正且つ合理的」であることを一体誰が決定するのであるか。如何なる事情によつて現在合衆国軍隊に施設及び区域が提供されておるのかを知るならば、この規定はおよそ空文にひとしいことがわかるのであります。発動前に予備作業班をして検討せしめ、作業班で解決できないものは合同委員会に引き継いで九十日以内に完了させることとし、この合同委員会は日米両国政府代表各一名で組織され、各代表者が代表者の下部機関として一名又は二名以上の代理及び職員団が設けられ、更に所要の補助機関及び事務機関を置くこととなつておりまするが、これらの予備作業班又は合同委員会の取極がなされたときに、これを覆えすことは極めて困難なるのみならず、仮にこれが可能といたしましても、これを決定するものは終局において総理大臣であつて、駐留軍のために土地建物等を使用又は収用する者と、それが適正且つ合理的であると判定する者とが同一人であるという結果より見まして、全く矛盾も甚だしいと言わざるを得ないのであります。  更に最も重要な点は、本法と農地との関係であります。現在駐留軍の使用している民有地は一億四千五百万坪に及んでおりますが、更に今後合衆国軍隊の移動や新兵器の出現によつて新たなる演習地や射撃場の要求がなされるものと予想され、これがため農地又は開拓地が次々と収用され、終戦以来莫大なる国費と血のにじむ労力を注ぎ込んだ、粒々辛苦の汗の結晶たる開拓地並びに父祖伝来の墳墓の地として黙々として食糧増産にいそしんでいる農民に対しては、本法案の成立は、多大なる不安と少なからざる不平不信を助長する以外、何らの効果は望み得ないのであります。特に駐留軍並びに警察予備隊の射撃場附近においては特殊の恐怖を住民に與えているものであつて、曾つての日本軍の一発必中主義とは違い、今日の米軍は物量本位で、一定の時間にできるだけ多くの弾丸を発射するという方法であり、自然流弾の被害も甚だ多く、接収地以外においても、近くの農家又は放牧中の牛馬並びに牧夫、農民等がその危険にさらされている事実を見聞する現在、一日も放任することができない重大な問題であります。なお建物等の使用収用に当りましても、民家並びに公共建物が本法案成立後におきましては半強制的な措置が講ぜられるものと考えられる現在、予定地におけるこれら関係者の不安も又少くないのでありまして、本法の意図する点については全然承服し得がたいものであります。  最後に、本法案最大の欠陷は、附則第二項の、現に駐留軍の使用している土地建物等で、この法律施行の日より九十日を経過した後なお必要あるときは、更に六カ月間の長い間に亘り使用できるという規定でありまして、その意図するところは、一方的な見解によつて国民の私有権を勝手に六カ月侵害せんとするものであります。要するに、かかる法律案の出現することは、行政協定の不手際であつて、他の国内法との関連におきましても、全く木に竹をついだような支離滅裂の法文が多く、かくては国民に、日本は依然として占領の延長であるかのごとき感を與えるばかりでなく、徒らに対米感情を悪化せんとする煽動の好餌を與える結果になりはしまいかと憂慮する一人であることを、この際強く申上げておく次第であります。  なお原案賛成の諸君におきましては、換地等については十分考慮するよう意見を附されましたが、これが最上の適地であると決定し強要されても、それ以上何を以て不当を正し得る方法があるや。私は過去における経過からいたしまして、如何なる意見や條件を附しましても、法案成立の場合は当然その法律に基いて行われ、意見や條件が何ら考慮されていない事実を考えるとき、この重要な法案に対し賛成せられる諸君の意見には全く納得できないのであります。故に、私は、條約上の義務を履行する上には、土地については現行の土地収用法によることとする、建物その他の施設に対しては簡單なる便法を講ずることが、日米両国民の和解と信頼を深める唯一の方法であるばかりでなく、独立日本の国内法を民主的に運用することこそ国民の信頼の上に立つ政府としてのとるべき最高且つ最大の責任であることを強調いたしまして、本法案に対し断固反対するものであります。  以上を以て私の反対討論を終ります。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 田中一君。    〔田中一君登壇、拍手〕

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 私は日本社会党第二控室を代表いたしまして、本法案に絶対反対をするものでございます。  我々は元来先に締結されましたところの日米安全保障條約並びに行政協定に対しまして根本的に反対するものでありまして、従つてその関係においても本法に異論なきを得ないのであります。この点は暫らく別といたしましても、本法案の内容そのものに対しては絶対に承認し得ないものが多々ございます。本法案は、土地建物等を進駐軍の使用に供するために使用収用に関する特別法を設けて、條約上の義務の履行と私有財産権の調整を図ることを目的とするものでありまして、その内容を検討しますと、第一に、土地等を使用する事業認定について内閣総理大臣が決定することになつておりますが、それは表面上のことでありまして、実際においてはその前段における日米両国の合同委員会の決定があるのであります。合同委員会が決定したものを内閣総理大臣が実際上動かし得る余地は考えられないのであります。然りとすれば合同委員会の性格は何でありますか。ここには力による決定以外の何ものもないのであります。内閣総理大臣の事業認定に属する処置は全くの形式にとどまるものであります。第二には、土地等を使用する事業の範囲が全然きめられておりません。單に駐留軍が必要とするならば、如何なる種類の事業用途に対してもこれを適用するということになるのでございます。第三には、本法によるところの使用の期限が明示されておりません。駐留軍が我が国に駐留する期間中という趣意でありましようが、その期限の制限のないことは、従つて九十九カ年の使用権限もあり得ることでございます。その期限の不定と、使用する事業の範囲に限界がないことは、我が国土の大半、又如何なる所でも使用収用する権能を政府に付與することになるのだという恐ろしい非民主的な立法でございます。第四には補償についてでありまして、これが又本法の中心問題の一つでありますが、この点に関しまして、一言にして言えば、これまでのいわゆる接収に対する補償が如何に不当に安かつたかということは広く知られておるところでありますが、本法におきましてもこの点に関する特別の補償は何らなされておらないのでございます。これまでの接收に対する補償もすべて合法的な随意契約の形式で行われておつたのでありまして、それが誠に不当のものであつたことは占領下の特殊事情によるものであると言いましても、本法はこの点については何らの特別の規定を設けておりません。  以上のような内容の本法は、現行土地収用法の特別法として制定せられるものでありますが、元来現行土地収用法は、昨年旧収用法を全面的に改正いたしましたので、今回の特別法制定の理由に関する政府の説明は我々を到底納得させるものではなかつたのでございます。我々は、本法案の審議に当つては、駐留軍が今後使用を必要とする土地建物の全貌を知りたいということについて資料の提出を求めたのでございましたが、政府は当時予備作業班の実地調査中のもので、且つ進行中であり、資料の提出ができないと言つて、少しの資料のみで、全貌を知ることができなかつたのでございます。従つて今後新たに接収を要するものの的確なる見通しを得ることも全くできなかつたのであります。然るに、一方、各地に伝えられるところの大きな接収は相当な面積に亘つておりまして、而もその多くは、旧軍用地を地元農民が多年汗と涙の結晶の上に築き上げたところの土地でありまして、実際農民の生活は根本から脅かされておる状態でございます。  本法は土地建物等の使用を建前としておるのでありますが、又政府は再軍備はしないと言明しております。私はこの政府の声明を一応額面通りにとつておきますが、今後使用される土地等は実際上再び関係者の手に戻る日があるかどうか。それは到底期待できないのでございます。従つて、この使用によつての補償は十分に関係者の権利を償うものでなければならぬことは多言を要しないのでございますが、この点に関しまして、本法は何ら特別の考慮を拂つておらぬことは前に申述べた通りであります。  以上のように、本法はこれを制定する根本の見通しがはつきりしないのでありますから、何によつて国民の重大な財産権の擁護を保障することができましようか。  これを要するに、本法はその運用如何によつては国土を全部軍事基地化するという危険が多分にあり、国の独立を失い、又一面においては、合法の仮面の下に、関係農民の生活権を奪う虞れが多分にあるのでございます。我々はこの法案に対しては絶対に反対するものでございます。  以上簡単でございますが私の反対討論を終ります。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) これにて計論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。(拍手)よつて本案は委員会修正通り議決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第五より第十九までの請願及び日程第二十より第二十九までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事菊川孝夫君。    〔菊川孝夫君登壇、拍手〕

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 只今上程せられました大蔵委員会付託の請願並びに陳情につきまして、本委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。  大蔵委員会におきましては、特に小委員会を設けまして審議に当つたのでありますが、小委員会におきましては、政府の説明も十分に聽取し、且つ種々の角度から質疑応答を重ね、愼重に審議をいたしたのでありますが、その結果は次の通りであります。  請願第二百四十号、第二百七十四号、第二百七土五号、第二百七十六号、第二百七十七号、第三百四十五号、第三百七十二号、第四百十五号、第四百二十九号、第五百六十九号、第五百七十号、第六百四十号、第六百七十九号、第九百十一号、第千二百九十四号の各件は、いずれも、原油並びに石油製品全般の輸入税を免除せられたいとの趣旨であり、漸次軽減の方向に措置することが適当と考えられます。  請願第二百五十六号は旧軍用土地及び建造物を戦災都市に無償で拂下げられたいとの趣旨であり、その使用目的により具体的に考慮するのが適当と考えられ、請願第五百四十一号は米軍飛行機による被害見舞金の支給方法につき、実情に即して支給せられたいとの趣旨であり、請願第九百九十五号は、進駐軍による被害はその全額を補償せられたいとの趣旨であります。以上各件は今後研究を要するものと考えられます。  請願第八百八十四号は、勤労所得者の税負担は過重であるから、現行税法の欠陥を是正し、公平なる負担とせられたいとの趣旨であり、将来財政事情の許す限り、その趣旨に副うよう善処することが妥当と考えられます。  請願第九百十二号、第九百六十四号、第九百七十二号、第千七十三号、第千八十三号、第千八十四号、第千百四十九号、第千百五十号、第千三百五十四号、第千四百二十八号の各件は、いずれも、旧陸軍共済組合の甲組合員について終戰時の年齢如何にかかわらず、加入満二十年以上経過している者についての年金受給資格を附興せられたいとの趣旨であり、請願第九百三十三号は、現行税法では農業共済保険による保険金に総合合算して課税せられるため、農家負担を増加しているから、所得税の課税対象から除外せられたいとの趣旨であり、願意は妥当と思われます。  請願第九百四十五号、第千九十二号、第千百二十三号、第千二百五号、第千二百八十五号、第千三百十六号の各件は、いずれも、銀行従業員給與に対して現在大蔵省が干渉統制していることは不当であるから、これらの排除方策を講ぜられたいとの趣旨であり、そのような傾向は一応考えられますので、何らかの措置をすることが適当と考えられます。  請願第千十六号及び第千二百四十八号は、金の地金の自由販売制が実現されますと価格が上昇し、輸出陶磁器関係業者は甚大な影響を受けるから自由販売制を取上げないか、価格に一定の制限を設けられたいとの趣旨であり、請願第千二百六十八号は、労働力の再生産に必要欠くべからざる社会保険料を課税対象とすることは不合理であるから、所得税の課税対象から除外せられたいとの趣旨であり、その願意は妥当と考えられます。  請願第千三百十号は、東京都北区にある旧軍用財産を基本的公共施設に利用せしめるため、地方公共団体に無償譲渡及び貸付の特例に関する法律を制定せられたいとの趣旨であり、請願第千四百十一号は鉱工業労務者に対して労務加配酒制度を存続せしめられたいとの趣旨であります。  請願第千四百三十二号及び第千四百五十九号は、在外資産が価値不明のまま賠償に充てられることは関係者の忍びがたいところであり、連合国との賠償交渉の際にも詳細な資料が必要であるから、政府は在外資産の調査をこの際行われたいとの趣旨であり、請願第千五百三十九号は昭和二十六年産米の超過供出分に対し免税せられたいとの趣旨であり、いずれも妥当であると考えられます。  請願第千六百七十一号は、理容、美容業収入は勤労の対価であるから、勤労所得者に準じた取扱をせられたいとの趣旨であり、研究を要するものと考えられます。よつて以上の各件は、これを議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  陳情第五十号は、米軍飛行機による東京都砂川村の罹災者に国家補償措置を講ぜられたいとの趣旨であり、研究を要するものと考えられます。陳情第百五号は、輸出促進のため日本輸出銀行業務方法書を改正し、利率の引下げ、融資金額の増額等の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、願意は妥当と考えられます。陳情第四百四十三号は、宮崎県の特殊事情を考慮して、行政改革の際にも南九州財務局宮崎財務部を存置せられたいとの趣旨であり、陳情第四百五十五号は、合理化資金、設備資金の調達のために、不動産担保を目的とする専門銀行を再開せられたいとの趣旨であり、陳情第五百六号ほ、綿スフ織物工業者の金融難打開のため、市中銀行の門戸開放、商工中金の資金源増加等の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、いずれも願意は妥当と思われます。陳情第五百三十九号は、理容、美容業收入は勤労の対価によるものであるから、勤労所得者に準じた取扱をせられたいとの趣旨であり、研究を要するものと考えられ、陳情第五百四十二号は、超過供出米の奨励金に対して免税せられたいとの趣旨であり、陳情第五百九十号は、政府が、今直ちに金の価格が引上げられると、歯科医学、医業の前進を阻止し、国民保健向上の努力を失わしめるから、金の価格引上げについては十分考慮せられたいとの趣旨であり、いずれも妥当であると考えられます。陳情第七百六十一号は、岡山県佐山開拓地は現在もなお占領軍の接収下にあり、又予備隊等の演習候補地に挙げられているが、講和発効を機会に開拓者に拂下げられたいとの趣旨であり、この趣旨に副うよう善処することが妥当と考えられます。陳情第七百八十五号は、関税法改正に当り、港湾管理者の自主性と責任、行政の簡素化、税関と管理者との業務調整等を考慮せられたいとの趣旨であり、関税法改正の際考慮すべきものと考えられます。以上の各件は、いずれもその願意は妥当と考えられますので、これを議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  以上御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) この際お諮りいたします。佐多忠隆君から海外旅行のため、工藤鐵男君から病気のため、それぞれ会期中請暇の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつていずれも許可するごとに決しました。  本日の議事日程はこれにて終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十五分散会      —————・————— ○本日の会議に付した事件  一、議員の請暇  一、簡易生命保險及び郵便年金積立金の運用の復元促進に関する決議案  一、治安維持に名を籍る政府の諸政策に関する緊急質問  一、日航機遭難に関する調査の結果についての運輸大臣の報告  一、日程第一 罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案  一、日程第二 当せん金附証票法の一部を改正する法律案  一、日程第三 塩専売法の一部を改正する法律案  一、日程第四 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案  一、日程第五乃至第十九の請願  一、日程第二十乃至第二十九の陳情

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