法務委員会 第62号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/07/08
会議録
○委員長(小野義夫君) 委員会を開会いたします。 最初に理事の補欠選挙についてお諮りいたしますが、理事松浦定義君が委員を辞任せられましたので、理事が一名欠員となりました。つきましては、この際補欠選挙を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野義夫君) 御異議ないと認めます。互選は成規の手続を省略して便宜その指名を委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野義夫君) 御異議がないと認めます。 理事に一松定吉君を指名いたします。 —————————————
○委員長(小野義夫君) 次に議員派遣についてお諮りいたします。伊藤委員より派遣についてお申出がございました。便宜伊藤委員より御説明を願います。
○伊藤修君 広島県の呉における英濠軍が、事実上呉地区に駐留しているにもかかわらず、今日に至るも日英間の協定が成立せず、無条約状態にあるため、呉においては独立後六月二十五日までの間に八十八件、強盗四件、強姦四件、同未遂二件、窃盗二十四件、詐欺七件、暴行十二件、傷害十件、器物毀棄二十三件の日本人に対する犯罪が発生した。これがため呉市民は非常な恐怖に陥つている。かような状態でありまして、呉市及び呉市附近におきましては、今日は恐怖の街と化しておるような次第であります。これらに対する国内法と、又これら駐留軍との関係における属地主義、属人主義に対する法的措置、それらについて当委員会においては重大な関心を持たなければならんと思います。又かねがね当委員会におきましては、検察及び裁判の運営に関する調査として、基本人権の擁護ということに全力を尽しておる次第でありますから、この際委員を派遣いたしまして、この実情を調査する必要があると存じますので、よろしくこれを採上げて調査せられたいことを希望いたします。 なお、その際、岐阜県の海津郡の海西村の長良川の堤防がダイナ台風のために決壊いたしたのでありますが、この決壊が自然現象としての、不可抗力としての決壊であるならば、問題はないと存じます。併し長良川のこの海西村におけるところの農業用水の取入品の工事の瑕疵に基きまして、この度の風水害を契機として決壊いたしたのでありまして、この瑕疵は当時農林省においてこれを主管して施工したのであつて、その現場官吏の不正行為によるものであるということが今日検察の対象となつておる次第であります。およそこうした官吏の汚職が国民に対し、若しくは国家に対して蒙らしめるところの損害につきましては、今日まで多くの事例を認めておるのでありますが、かような一官吏の不正行為が多くの住民、多くの財産、国民の財産を毀損せしめるような大洪水に至らしめたということは、以て他に例がないのであります。一般の汚職行為とはその本質を異にする次第です。元来この長良川堤防というものは、御承知の通り奈良朝時代以来の水利問題のやかましい所でありまして、殊に宝暦年間におきましては、薩摩義士が多くの犠牲を払つて築き上げた三大河川の堤防であつて、その後明治維新以来今日に至るまでこの三大河川の治水工事というものは国家事業として成し遂げられて、このほど漸く完成したものであつて、これによつて濃尾平野におけるあの米穀産地というものは築き上げられた。かような長い歴史を持つところの治水工事の中において、たまたまこうした一官吏の汚職行為によつてこれらの現実に築き上げたところの堤防が決壊され、それによつて海西一円が洪水になり、水稲においても何百町歩が壊滅するに至つたのでございます。又道路、建物及び橋梁、その他の損失を合算いたしますれば、数百億に達する。或いは建物の面におきましても、六億何がしかの損害に達しておるというような次第でありまして、これらに伴う国家賠償に関する措置をも国家としては考えられなければならんと思います。殊に国家賠償法に対しましては、当委員会において非常に熱心に検討せられ、憲法第十七条の附属法規として制定された当時、国家の、若しくは地方自治体の工事に対する瑕疵によつて国民が蒙る損害に対しましては、当然責任を負わしむべき規定を設けておるような次第で、当委員会においてその点は原案を修正してまでも強く打出したのである。こういうような点を考えまして、この際この国家賠償、並びに汚職行為に基くところのかような大きな損害に対する原因、その他について調査せられんことを要望してやまないのであります。以上二点に対しまして、議員派遣を要望するものであります。
○委員長(小野義夫君) 只今の御趣旨で議員派遣を行うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野義夫君) 御異議ないと認めます。なお派遣議員の人選、期間等は便宜委員長及び理事に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野義夫君) 御異議ないと認めます。さよう取計います。 —————————————
○委員長(小野義夫君) 次に当委員会におきましては、かねて法務府設置法案の一部を改正する法律案につきまして、去る六月三日内閣委員会と連合委員会を開いたのでありますが、本案につきまして当委員会といたしまして、次の申入を委員会の決議としていたしたいと思うのであります。
○伊藤修君 この際、当委員会は内閣委員会に対しまして、次の決議をいたして、これを委員長において適当に交付され、委員会の意思を伝達されんことを要望してやまないのであります。即ち 人権擁護の重要性と必要性が、今後益々増大することに鑑み、人権擁護局は、現行法通り存続すべきである。 右決議書に基きまして、内閣委員会において法務府設置法の一部改正につきましては、人権擁護局存置の方向に御努力あらんことを委員長においてお願いします。
○委員長(小野義夫君) 只今お読みになりました通り決議いたし、内閣委員長に申入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野義夫君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時五十九分散会