法務・内閣・地方行政・労働連合委員会 第2号
- 発言数
- 247 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/05/28
会議録
○委員長(小野義夫君) 只今より法務、内閣、地方行政、労働連合委員会を開きます。 本日は破壞活動防止法案、公安調査庁設置法案、公安審査委員会設置法案の三案について質疑を行います。先般の委員長の申合せによりまして、大体本日の午前は内閣委員のかたがた、午後は地方行政委員のかたがたという予定で御質疑を願います。先ず中川君に発言を許します。
○中川幸平君 審議の参考にお聞きいたしたいのでありますが、昨日の新聞によりますると、朝鮮部落を急襲して五・一騒擾事件の主犯者を相当数捕縛したという報道がありまするが、地方におきましても密造酒の元は殆んど朝鮮人であり、これらを検挙するにも非常な騒擾をところどころで惹起いたしておるのであります。これら朝鮮人の破壊活動状況を、当局においてもそれぞれお調べになつておることと存じますが、この機会にそれらの点を一応お調べがありましたら御報告を頂きたいと思う次第であります。
○政府委員(吉橋敏雄君) お答えいたします。最近の我が国内における暴力主義的破壞活動の概況につきましては、去る四月の二十四日に衆議院法務委員会において特審局長から説明申上げましたので、本日は時間の都合もありますので、これは端折りまして、これをプリントにしたものをお手許に配付いたすことにしまして、只今御質問の最近における在日朝鮮人運動の概況についてお答え申上げる次第であります。なお以下御説明申上げる内容につきましては、従来三百二十五号或いはアカハタ類の停刊等に基く刑事手続によつて捜索押收した幾多の資料その他によりまして、客観的な資料に基いて御報告申上げたいと思う次第であります。 先ず在日朝鮮人運動の一般的動向についてでありますが、我が国に在留する朝鮮人は、最近の外国人登録令によりますれば約五十六万名を数えるのでありまして、このほかに相当数の未登録者或いは密入国者が算せられるのであります。これらの朝鮮人は、故国の政治的対立の姿をそのままに現わしまして、即ち南朝鮮を支持する者と北朝鮮を支持する者とに分れておりまして、互いに対立抗争を深めておる状況でございます。即ち前者は在日本大韓民国居留民団、即ち略称民団を組織いたしておりまするし、後者は在日本朝鮮統一民主戰線、即ち略称民戰を中心に、旧在日本朝鮮人連盟、略称朝連を系統とするところの各種団体を結成しておりまして、後者の影響力が極めて優勢であるのであります。北鮮系は民戰及びその行動隊的な役割を受持つております。在日本祖国防衛委員会、略称祖防と共に全国的組織を拡大強化いたしまして、韓国に対する国連軍の軍事援助を帝国主義的な祖国侵略であるといたしまして、これに対する妨害的な宣伝に出で、或いは強制送還反対、日韓会談粉砕、民族教育の確立等を問題に捉えまして大衆鬪争を繰返しておるのであります。特に最近は反権力鬪争と称しまして、警察、検察庁、特審局、税務署等の治安機関に対する暴力事犯を惹起いたしておりまして、去る三月一日の朝鮮革命記念日前後には広島、大阪等全国各地に亘つて四十数件に上る暴力事犯を続発せしめておるのであります。この傾向は一部共産主義者のいわゆる軍事方針に呼応いたしまして、武裝鬪争の戰術に出ているものと思われまして、実力行使の方法も火焔びん、催涙彈、爆薬、竹槍等が用いられている状況であります。このような最近の動向は一部在日朝鮮人の極端な破壞分子の指導に基くものと思われるのでありまして、ますます惡質化する虞れがありまして、そのために善良穏健な一部在日朝鮮人の立場を破壞し、日韓両民族の離間を来し、その親善協和に暗影を投ずるものと考えられるのであります。 次に在日朝鮮人運動の主流をなしております、いわゆる左翼団体の組織並びに活動について若干申述べたいと思うのであります。先ほど申上げました先づ民戰の組織活動についてでありますが、戰後結成されました旧朝連はいち早く在日共産主義者らによつてその指導権を握られましたために、しばしば占領政策違反や暴力主義的活動に出でたことによりまして、昭和二十四年九月八日団体等規正令によつて在日本朝鮮民主青年同盟と共に解散の指定を受けたことは御承知の通りであります。その後朝鮮の政情緊迫を告げますや、その再建に焦慮をしておりましたところ、当時の幾多の事実によりますれば、昭和二十五年の六月に旧朝連全国指導者グループが秘密会議を開きまして、在日本朝鮮統一民主戰線、即ち民戰の結成を決議いたしております。併せて在日本朝鮮祖国防衛委員会、即ち祖防委とそのほかに青年行動隊、青行隊と申しますが、これらを組織することに決定いたしたのであります。その頃から順次旧朝連の地方残在勢力を基盤といたしまして各都道府県に民戰の結成が行われ、その中央委員会は同年の七月結成準備会、続いて翌年一月には結成大会、続いて同年の十二月には全国大会をそれぞれ開きまして、宣言、綱領或いは当面の任務等を決定したものと伝えられているのであります。これらを通じて知ることができますことは、民戰は国際的にはソ連、中共、北鮮の主張する対日平和條約、日米安全保障條約に対する反対、北鮮による朝鮮の統一と外国軍隊を朝鮮から撤退させることを指示しておりまして、我が国におきましては強制送還反対、民族教育の確保といつたようなもの等を結局主たる目標に掲げて、在日朝鮮人の権利主張のための大衆鬪争を行なつて、更にこれに加えて治安立法反対、現内閣打倒の線を強く主張する等在北鮮祖国統一民主戰線の綱領とも軌を一にするものがありまして、両者は密接な関係にあることが窺われるのであります。 最近における民戰の活動の顯著なる事例といたしましては、三月一日の革命記念日を契機といたしまして全国各地において展開されました強制送還反対鬪争、反権力闘争、惡法反対鬪争等におきまして、その広汎にして大規模な組織的運動は曾つて見ないところがあるような大規模なものでありまして、それによつて民戰の統制力を示し、大衆鬪争のテスト・ケースとして局地的に行われたところの税務署、検察庁、警察署、市役所、民団事務所等に対する多衆襲撃暴行事件は三十七件を数えている状況であります。これに引続いて行われた三月八日の強制送還反対国会陳情鬪争におきましては、約一千五百名が東京に集合いたしまして、国会並びに関係機関に抗議陳情を行なつておりますが、その前後各地方機関に波状的に行われた陳情鬪争におきましては、多衆を動員して熾烈に陳情抗議を行い、中には暴行に出たり或いは脅迫的な言辞に出たものも少なからず見受けられたのであります。この民戰の組織は中央委員会、地方委員会、都道府県委員会、県準備委員会、地区委員会といつたように分れておりまして、在日朝鮮人の多数をこの構成員で占めておるのであります。 次に在日朝鮮祖国防衛委員会、略称祖防の組織並びに活動について申上げます。祖防の組織は、一昨年六月旧朝鮮全国指導者グループの、先ほど申しました会議における決議に基きまして行動隊的任務のために結成されたものでありまして、その下に青年行動隊、青行隊が設けられておるのであります。青行隊は全国六地方に本部を置きまして、以下都道府県に本部を置き、地方に小隊、地域に分隊という編成に従いまして、逐次各地に組織の強化を見るに至つたものでありますが、祖防中央委員会は一昨年七月左翼系有力分子によつて指導部が結成されまして、同年八月には規約綱領を決定いたしまして、即ち「東洋諸民族は帝国主義侵略の危機にさらされているから、われわれはここに祖国防衛の前衛隊として行動隊を組織する」ということを宣言いたしておることによりましても、その性格、任務が表明されているものと考えられるのであります。従つて祖国防衛委員会は企画推進機関であり、青年行動隊、祖防隊は大衆組織の中核的行動隊でありまして、祖防委の企画し準備する諸鬪争を実行し、将来人民軍の形成母体となるものとされておるのであります。祖防は現実の行動鬪争を通じまして民戰の勢力強化に貢献して、それによつて強化された民戰は、更に祖防の組織活動を援護するという、いわば表裏一体的な関係におかれているものと見られるのであります。祖防委及びその下部組織は、全く秘匿されたところの非公然組織であるために、その実態は明確に未だ把握しておりませんが、諸般の資料によりますると、組織といたしましては中央委員会、地方委員会、都道府県委員会、祖防隊員というものになつておりまして、祖防隊の編成は三人乃至五人という少数精鋭主義をとつております。その点から推察いたしまして、現在彼らの目標とする鬪争拠点には、ほぼその組織を完了し、諸般の準備が整えられているものと考えられるのであります。最近各地における朝鮮人の大衆鬪争は著しく尖鋭さを加えて、組織的、暴力的な様相を呈しておりますが、それらの鬪争はこれら民戰、祖防によつて計画指導され、実践に当つては常に群衆の指導に任じ、抵抗自衛鬪争を戰術的に推進しているところの分子の行動が顯著になつて来ておりますことは、祖防勢力の拡大強化の具現と思われるのであります。 次に最近における在日朝鮮人不法事件の状況について申上げますが、最近左翼系朝鮮人諸団体が極めて惡質な暴力的行動に出で、特に反権力鬪争を敢行するに至つたことは注目に価する現象と言わなければならないのであります。本年三月一日の革命記念日鬪争の前後から三月一ヵ月間における全国各地に発生した在日朝鮮人によつて敢行されたと思われる暴力事件は一ヵ月に総数八十件に上つているのでありまして、そのうち権力機関に対するものは四十七件に上つております。これらの事件のうち公務執行妨害或いは器物毀棄、暴行等の容疑によつて検挙された者は四十数名を数える状況であります。そのうち顯著な事例を挙げますと、先ず第一に今回のメーデー当日における騒擾事件において朝鮮人の参加した状況についてであります。当日の統一メーデーには東京民戰系の諸団体と朝鮮人学生生徒、女同等約五千名が参加したのであります。で撒布されましたビラの署名とかプラカード、旗、たすきなどの標識によりまして団体名の判明したものが二十六団体、そのうちには祖防、青行隊等実力行動を任務とするものも見受けられまして、而も多数の旗竿、竹槍、こん棒等を携え北鮮旗を翻して気勢を揚げていたのであります。そして神宮外苑の祝賀式場においては全学連、自由労連と呼応しまして人民広場を奪還しろ、人民広場を墓場とせよと叫びながらデモに移るや、全学連に続いて先頭を切り、險惡の空気を漲らせつつ行進いたしたのであります。当日は祖防隊及び青年行動隊員約二百名がデモ指導のために参加しているとの情報がありまして、これら尖鋭分子の指導によつてデモ隊が日比谷公園に到着いたしますや、警察の阻止を突破して皇居前広場に進入し、続いて南部デモ隊中にあつた主力も日比谷公園音楽堂附近でプラカードの柄、公園の柵を引拔いてこれを獲物として、石をポケツトに入れ、婦女子、年少者は日比谷公園に残留さして、約二千名が一団となつて皇居前広場に雪崩れ込んで、全労連、自由労連と一体となつて乱鬪を演じ、又附近にあつた自動車数十台を破壞、炎上させる等の暴行をいたしたのであります。この間に朝鮮人の行動は組織的に行われ、指揮者によつて指導され、巧みに群衆に混在して警察隊に投石し或いは側面から奇襲戰法に出るなど、いわゆる軍事方針の実行と見られるものがありまして、あらかじめ計画的に行われたものと考えられるのであります。そのほか三月一日の革命記念日前後全国に起きました暴力事件は三十七件、又三月四日、三月十二日、三月三十日等にも全国各地に同じような火焔びん、パンク板、その他の兇器を使用したところの暴力事犯が多数に起きておるのであります。このような暴力行為の攻撃手段にも催涙ガス彈、火焔びん、パンク板、それから人糞の投入等の襲撃が特に目立つのであります。神戸平和大会のデモに際しましては多数の竹槍があらかじめ準備され、その他各地において拳銃や火薬の製造、隠匿等の情報とか、或いは祖防隊員によるところのパルチザン戰法の訓練のために、静岡県下において相当長期の全国的訓練が行われた等の情報を初めといたしまして、各地にこの種の訓練教育が行われた形跡がありまして、日々現われる暴力事件の相貌と対照して考えますならば、誠に看過しがたいものがあるのであります。このような在日朝鮮人左翼分子の運動は、武裝革命のコースヘのテスト・ケースであり、一面権力機関に対する神経戰の効果と取締企図を牽制し、更に人民革命への勢力結集を狙つたものと考えられるのであります。そのほか在日朝鮮人団体は、機関紙活動を活発に全国的に打ち出して、現在において数百種類に上るこの種機関紙類が配付されている事実があります。これらの文書の内容は、特に強制送還並びに国籍強要反対鬪争等に関する扇動記事、或いは朝鮮戰線における各種事態に関する宣伝記事、或いは再軍備反対、反植民地鬪争、宣伝記事等が紙面の大部分を占める状況であります。 以上申上げました事実から推測いたしますと、在日朝鮮人左翼分子の一連の暴力主義的破壞活動は、内乱や武裝暴動の必要性を常に主張、強調し、その実現のための暴力行使を扇動するこれらの不穏文書並びに一部急進的な共産主義者らの提唱し、実践しつつあるところのいわゆる軍事方針とは深い関連性を持つておりまして、いずれも全国的に秘密に組織された団体によつて指導推進されているとの疑いを深めざるを得ないのであります。以上を以て御報告を終ります。
○楠見義男君 委員長にお伺いしますが、連合委員会で内閣委員としていろいろ御質疑申上げたいことがあるのでありますが、法務総裁は御出席になりますか。
○委員長(小野義夫君) 出ることになつております。法務総裁が来られる前に、事務的な今の例えば説明若しくはその他について御質問のあるかたは内閣委員のかたに限つて御自由に……。
○楠見義男君 内閣委員といたしましては、法律的な專門的な御検討は法務委員のがたがたが專門的な立場からおやりになつていると思いますので、主としてそういう立場を離れた内閣委員としての立場からいろいろ法務総裁に伺いたいと思いますので、若し法務総裁がお見えにならないとするならば、お見えになるまで内閣委員としては質疑を保留しておきたいと思います。
○委員長(小野義夫君) それでは法務総裁が見えましたから、楠見君に発言を願います。
○楠見義男君 破防法外二件につきましては法務委員会におかれましてそれぞれ法律的、專門的の立場から種々御検討になつておることでございまするし、従つてその立場からする質疑は法務委員のかたがたに今後更に十分の御検討をお願いすることにいたしまして、私は主として内閣委員としての立場から若干の質疑をいたしたいと思うのであります。従つて、その意味からいたしまして御質疑申上げますることは、主としてこの機構に関することでありますが、その機構に関する質疑に入りまする前に、ただ一点だけ破防法第三條に関連いたしまして、基本的な問題についてお伺いしておきたいのであります。 即ち第三條の第一項の一のロの文書図画の問題でありますが、この問題は、扇動の問題と共に言論の自由圧迫、権利の侵害の虞れあるものとして最も論議の対象になつておる問題の一つでありますが、いろいろの批判のうちの一つとして、いわゆる民主主義の下においては、且つ民主主義を伸ばして行くためには、言論の自由はでき得る限り尊重せられねばならず、又言論に対しては言論を以て対抗すべきであつて、直接それ自体には何らの危險性のない文書そのものを取締の対象とすることは、扇動及びこの條文における実現を容易ならしめるための認定が結局取締側に存することからいたしましても、濫用の危惧を生じ、延いて言論の自由圧迫侵害の慮れありとする批判があることは御承知の通りでありまして、この批判につきましては一面相当の理由あると考えられるのでありますが、この批判に対し政府の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 楠見委員の只今の御質問に対してお答えいたします。もとより言論の自由は最大限にこれは許すべきであろうと考えております。併しながら言論の自由といえどももとより無制限のものではないのであります。その言論によつて日本の基本的秩序が破壞されるようなことになりますれば、これはどうしても国家秩序の面からいたしまして、何とか考えざるを得ないのは、これは御同感であろうと考えます。そこでこの第三條についていろいろ御議論もありまするが、これは私は絶対に言論の自由を束縛するものではないと確信して疑わないのであります。と申しますのは、これらの規定によりまして何を目指しておるかということを十分にこれは考えなければならんのであります。この言論の絞り方と申しましようか、先ず以て刑法の七十七條内乱の罪、七十八條の内乱の予備、陰謀、七十九條の内乱の幇助、これは申すまでもなく国家の基本秩序を破壞し又破壞せんとする行為でありまして、かような行為の一日も許すことのできないのは当然であります。かような兇惡なる犯罪を教唆し扇動するというようなことは、これは国家治安の面から見まして規制しなければならんことは当然であります。文書にいたしましても、ただ徒らに言論を抑圧するというわけのものでもなく、かような行為の実現を容易ならしむるためにこの実現の正当性及び必要性を主張した文書を対象といたしておるのであります。正当に言論をなす者に対しては何ら規制の対象としておりません。ただ、今申上げまするように、国家の根本的の秩序を破壞するというようなことに関して、その実現性を容易ならしめるその目的でさような行為の正当性、必要性を記載する文書、これを対象にいたしておるのであります。普通に我々は行われておる文書その他言論について多少ともさような干渉するような危險というものは毛頭もないのであります。この点についてははつきりとその目的を絞りに絞つて、かような破壞的危險性のある行為についても、さようなことの実現を容易ならしめるために必要性を説いたり或いはその正当性を説いたりする、さような文書を取締りをする、こういうのでありまするから、言論の自由を抑圧すべき何らの危險性もなければ、又この破防法についてさようなものを対象とするものでもないということを申上げたいのであります。
○楠見義男君 多少これは余談に亘るようなことを申上げるかもわかりませんが、実はこの扇動というものの認定とか、或いはここに書いてある「実現を容易ならしめるため」というものの認定とか、こういうものは今申上げたように取締当局が最終的には認定することになる。そこで余談と申上げたのは、まあ法務総裁初め政府側のかたは、こういうものの対象になつたことは御経験はないわけなんですね。心配する向きは、例えば治安警察法とか治安維持法とか、そういう法律の対象になつたかたがたとか或いは機関において特にその危惧の念が深い。そこで一番心配するのは、今法務総裁のおつしやるようなことをそのまますらつと聞きますと、これは法務総裁の今お述べになつた、何人もこれについて心配しないし、又特に取締当局としての上層部のかたがたの円満に発達した常識からすればそういう心配はないが、そうじやなしに、取締の第一線に立つ、これはまあ本当か嘘か知りませんが、例えば早大事件でも五・一の復讐だとか或いは何だかだとかいうようなことが新聞にも出ておりましたが、そういうような非常識な第一線の連中の取締の対象になり、又濫用の危惧も非常に心配するわけなんですね。従つてそういう観点から今のこの濫用の虞れある向きに対する濫用せざる保障の方法というものはどういう方法をお考えになつておるのでしようか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今の御懸念は御尤もであろうと思います。私自身は治安維持法にひつかかつたわけもないし、又取締られたわけもありませんが、友人その他親戚の者にして不幸にしてそういうものにひつかかつた例をしばしば聞くのであります。そこで我々はこの法案を作成するについてそういうようないやしくも懸念を持つようなことがあり、又さようなことがあつてはならんというところに深き考慮を及ぼしたのであります。御承知の通り治安維持法におきましては全くこの法案と対象を異にしております。これは全然違うのであります。これはもう皆さん御存じのことであろうと思います。併しその運用においてどうするかということを我々も同様心配する。そこでこの法案の対象は、今申上げましたように極めて嚴格にきめておるのであります。これが第一点です。これを漠とすれば、そこに濫用の余地が多分にある。そういうことであつてはいかんというので、その対象を極めて嚴格にここに絞つておることが一つと、それから一つは今官憲が濫りにこれを認定しちや困る、御尤であります。そこでさようなことのないように考慮を払つておるのであります。御承知の通り治安維持法におきましてはいわゆるそのまま司法警察官が認定して検事局に持つて行くというようなやり方もやつておつた。そこに世間から大きな一つの疑惑を抱かれ、又実際の取締方について不信の点があつたのであります。そこでこの法案におきましては先ず第一に、勿論さようなことが行われたか行われなかつたかという捜査は調査官がやることは無論のことであります。併しながらそれに対してさようなことがあつたとして問題になつた場合において、先ずその本人について十分に弁解の余地を與えたい、これであります。この法案を御覽下されば極めて明瞭でありまするが、十三條に「当該団体の役職員、構成員及び代理人は、五人以内に限り、弁明の期日に出頭して公安調査庁長官の指定する公安調査庁の職員に対し、事実及び証拠につき意見を述べ」、これはいろいろ調査官が集めた資料がありまするから、その資料に対して十分な弁解を與えさせる。而もなおこれに対して反対に有利な証拠も提出させてやる。こういうことになつております。而もそれ以上に十四條におきまして、この目的の対象になりました団体において五名以内の立会人を選任することができる。これはこの取調について実際自分のほうから有利な証拠を出しましよう。その証拠について取調をやるのでありますが、その際に五人の立会人を自分で選任する。これは官選のものじやないのであります。次に対象となつた当該団体において五人の立会人を選定して、而もその弁明の期日には立会人のほかに新聞、通信、報道の事業の取材業務に従事する者は傍聽させる、この規定を置いたのであります。ここで十分な弁明の機会を與え、又自分に有利な証拠を提出させて、而もそれに対して任意の立会人を選んで、不都合のないようにこれは監視させる、こういう建前をとつておるのであります。而もここで手続が終りますると、更にこれはいゆる公安審査委員会というものに持つて参ります。公安審査委員会は、これは独立の何らの制限も受くることなく、公正な見解を以てこの事件について如何に処置するかということの最後の判断をさせるわけであります。かような建前をとつて、いやしくも行き過ぎのないようにという十分な考慮を払つております。而もこの最終的決定に対して異議があれば、これは普通の司法裁判所に提訴できる、こういうことにしておりまするから、濫用の点は極度に防止する建前になつております。
○楠見義男君 只今お述べになりましたことの前提としての内乱罪における定義の問題について若干お伺いしたいのですが、それは朝憲紊乱という言葉の意味、内容であります。これは申上げるまでもないことなんですが、時代の推移によつてこの朝憲紊乱の内容というものはおのずから変つて来るわけで、従つて私ども学生時代に刑法で習つた、旧憲法当時においては、新兵、新らしい兵隊に告ぐという論文を出して、その中に、諸君は單純なる殺人兵器に化してはいかん、又自由を束縛された奴隷に化してはいかん、大いに羊なることをやめて積極的に自分たちの主張を通せと、こというようなことを書いた場合に、それは直ちに我が国憲において統治大権の活動上必要欠くべからざるものとして設けられた軍備の制度を破壞するものであるということで、朝憲紊乱に該当するというようなことを教わつたことがあるのでありますが、そういうふうに、勿論これは旧憲法当時であつて、今の憲法の下においてはこういうことは当然朝憲紊乱に当らんと思いますが、新憲法の下における国の基本的制度云々、破壞云々という、その朝憲紊乱として現に政府のほうでお考えになつておる具体的な内容といいますか、それはどういうことをお考えになつておりますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 御承知の通り旧憲法下と新外法下においてこの朝憲紊乱ということについての意義は変つて来べきものであると考えております。そこで旧憲法下におきましては、一番新らしい判例として御承知の通りあの神兵隊事件であります。あれに対して昭和十六年に大審院の判決がありました。あれも多少参考になると思います。あれを見ますと、いわゆるこの朝憲紊乱というのは国家の基本他秩序を破壞する行為である。具体的にあの事件に取上げられたのは、内閣の閣員を暗殺して、そうして代るべき内閣を作らせようと、こういうことなのであります。ところがそれは判例によりますと、朝憲紊乱にはならん。朝憲紊乱というのはいわゆる内閣制度そのものを破壞するのである。当該の内閣員を殺してほかの人をして内閣を組織せしめるということは、これは殺人罪にはなるだろうけれども、内閣自体の制度をこわすことではない。従つてこれは朝憲紊乱にはならんと、こういう判決になつております。これは私は尤もだろうと思います。新憲法下におきましても、この国家基本秩序ということについては変りはないと思います。先ず差当り考えられることは、いわゆる憲法に認められた基本制度、今申します内閣制度或いは裁判制度、議会制度、この憲法に認められた国家の基本制度を、これを破壞しようということが、これが朝憲紊乱に私はなると、そう考えております。
○楠見義男君 次に破防法の第二十四條第二項に関連してお伺いしたいのでありますが、破防法第四條又は第六條の処分は、これを司法権の決定に任して、行政権の決定に任すべきでないという議論が一部にございます。これも私は一応の論拠はあると思うのでありますが、政府の説明によりますと、先ず以てその治安の直接の責任者である行政府が処分をして、第二段として司法機関が最終的に訴えの提起を待つて決定するということは必ずしも三権分立の趣旨に反するものではないと、こういうふうにしておられます。一応このことを前提として考えました場合においても、行政事件訴訟特例法第十條の規定により、総理大臣の異議申立によつて裁判所の執行停止処分に対する介入はどういうものであろうか。即ち公安審査委員会というような特別の司法機関類似のものによつてされた決定に対する第二段階のものとしての最終的な司法機関たる裁判所の措置に対して、更にここで行政府が介入するということは、これこそ三権分立を昏迷に陷れるものではないかと思うのでありますが、その点に対する御意見は如何なものですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 申すまでもなく国家の秩序維持の任に当つておるのは行政府であります。行政府が全責任を負つてその任務をいたさなければならんと思います。そうして、かような危險な暴力的破壞的団体を規制するかどうかということは、行政府たる政府の責任において先ず以てやるべき問題であります。その規制に対して不服があつたときに初めてこの裁判所がこれに介入して行く。それは私は三権分立の建前を堅持する上において必要であろうと思いますので、いきなりこれが裁判権に行くということはむしろ三権分立を混淆するものであろうと考えておる次第であります。と申しますのは、申すまでもなく裁判所という機能は、先ず争いの事件を解決すべきことがその建前であることは当然のことなんであります。これは裁判所法にも規定されておるのであります。勿論特別の法律を以て定めた事項については、裁判所に属すべきことになつておりますが、裁判所本来の使命は、いわゆる事が起つた場合にその事件について裁判をする。こういう建前であります。 そこで規制処分をするしないということは、これは全く行政官庁の権限において又責任においてやるべきである。そのやつたことについて争いがあれば、初めて裁判所がこれに対して動き出すということが、これが三権分立上本来の私は姿だろうと、こう考える。そこで裁判所に訴え、事件となる。その場合にその処分に対して仮処分の決定を求める、そうして裁判所で仮処分の決定をした。ここにおいて行政事件訴訟特例法において総理大臣がそれに対して異議の申立をする。この異議の申立をすることは、これは裁判所に介入するのではないかという御議論であります。一応さように考え得ることであります。併しながらこの総理大臣の介入というものは、これは行政事件訴訟特例法にも明記してありますように、いわゆる国家の公共的福祉という大きな観点からこれを考察してその処分の取消を請求するのであります。で、やたらに総理大臣が介入するわけではない。いわゆる国家的見地から、これが果して公共の福祉に副うか副わないか、こういう仮処分の決定は公共の福祉に反するものであるという見地から判断してかような異議の申立をするのであります。やたらにすべきものではないのであります。私はその点について濫用の虞れはないと思います。而もこの法案におきまして、何といたしましても裁判を迅速にやるということは、その結末を早くつけるということであります。申すまでもなく非常に最近は遺憾のことでありますが、裁判所の審理は十分に進捗いたしておりません。こういう事件についても、成るたけ裁判所の審理を迅速にやらせて、そうして結末を早くつけさせるという考慮からしまして、百日以内に片付けなければならんというような規定まで設けたわけであります。
○楠見義男君 その前段の、先ず以て直接の責任者である行政府が取上げて行くということについての問題はいろいろ議論がありますが、一応その御説明つになつたことを是認したものとして、そうして私只今申上げたような質問をしておるのであります。そこで具体的に、その問題について問題が生じ、そうして裁判所に訴える。その場合になお且つ総理大臣が行政事件訴訟特例法第十條に基いて介入するということに、私はその場合には三権分立の問題について相当重大な問題があるのではないかと、こういう意味の質問であります。ということは、結局総理大臣が介入する場合も、この特例法で規定しておるように、「公共の福祉に重大な影響を及ぼす虞のあるとき」という場合、こういうことになつておるのでありますが、この公共の福祉に重大な影響があるかどうかということの認定は、裁判所自体もそれができる。従つて執行停止の命令は、この但書によつて裁判所自体も、公共の福祉に重大な影響を及ぼす慮れがあると認めた場合には執行停止の命令をしない、こういうことになつておるわけであります。そこで重ねて申上げますように、公安審査委員会というような特殊の司法機関的な機関によつて先ず以てそれができない。それによつて生じた紛議を最終的に司法裁判所がやる。こういうときに更に又行政府の長である総理大臣が介入するということは、いよいよこの三権分立がこの段階において紛訌を来たす虞れがありやしないか、こういうことなんでありますが、その点をもう一度お伺いしたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) そこでこの総理大臣の介入の点でありますが、総理大臣は裁判に介入するわけじやない。これはもう裁判に介入するというような事態は、これはとんでもないことです。裁判では、この裁判によつて果してその決定が正しいかどうかということを最終的に裁判所がきめるのであります。その裁判について総理大臣は毛頭も介入するわけじやありません。ただ一時の仮処分の事件について、総理大臣がこの停止決定が果して公共の福祉の見地から見て困るという場合に発動するのであります。而もその総理大臣の異議の申立について、裁判所において理由が欠けておるということであれば、裁判所では恐らくその総理大臣の異議の申立に対しても取消さないこともあり得るだろうと私は考えておるのであります。絶対的の介入ということにはならんと私は考えております。
○楠見義男君 この問題はこれ以上になりますと意見の相違になりますが、今の最後にお述べになつた、この総理大臣が理由を明示して異議を申立てる、この場合の理由について、その理由ありやなしやということについては、これは裁判所で更に決定をすると、こういうことになるのでございますか。
○政府委員(佐藤達夫君) その点に関しましては、現在の行政事件訴訟特例法の解釈問題にも関連いたしますけれども、この一つの考え方としては、執行停止の処分が裁判所で行われる前に、この異議の申立があります場合には完全に裁判所は拘束されてしまうということであります。その執行停止の行われましたあとに異議の申立がありました場合には、これは裁判所に対する法的の拘束力は持たないので、裁判所が今の取消権を持つておりますから、その取消権の発動を促すという作用を営むのであつて、それによつて裁判所は取消すのが適当であると考えればそれを取消すというようなふうな結論になるようなまあ考えが成り立つわけであります。今まで最高裁判所の判例は出ておりませんけれども、高等裁判所の判例あたりではそういうような態度をとつておるのがあります。それから学者の中には、これはもう事前たると事後たると問わず、例えば事後の場合におきまして執行停止の後に総理大臣が異議を申立た、その場合に異議の申立によつて執行停止の処分は当然に効力を失うのだというような解釈をとつておる人もあります。その点に今触れて総裁もお答えになつたわけでありますけれども、そうして裁判所の態度としては今ちよつと触れましたようなことで、事後の分は必ずしも拘束はされない、事前の分は拘束されるというところであろうと考えたわけであります。
○楠見義男君 そうすると法制意見長官にお伺いしますが、事前に申出た場合には裁判所を拘束する、こういうことになると、その点ではこれは司法権に対する行政権の介入ということの虞れはないのですか。
○政府委員(佐藤達夫君) この問題は御承知の通りに例の昭和二十三年の、当時の内閣は何内閣でありましたか、現に平野事件というのがありまして、平野事件のときに政府のやつた措置に対して、裁判所のほうで、あの当時はまだ行政事件訴訟特例法がございませんでしたから、民事訴訟法の原理を準用いたしまして、そうして仮処分をやつたわけです。それに対して政府としては御承知の通り、これは行政権を裁判所が簒奪するものだというような発表声明をいたしまして、憲法違反だというようなことを当時言つたわけです。そのとき我々の考えました理窟は、政府の恐らく態度と考えられるところは、この裁判が成規の手続を踏んで終局的に正式の裁判として判決が下つてそれによつて行政処分が覆えされるならばこれは止むを得ない。併しながらこの仮処分的な手続というものは、その本質においては成規の裁判手続ではないので、一種のこれは本質的な行政処分に近い処分じやないか、そういう行政処分的な裁判所の行動によつて、政府が責任を以てやつたこと、軽々しくという言葉を附加えますれば、軽々しく覆えされるということでは、政府の責任が全うし得ないのじやないか、そういうところに根本があつたわけだと思います。その後にこの行政事件訴訟特例法ができましたのですが、そのアイデアが堅持されて、この十條の但書というのが入つたわけであります。これは行政事件訴訟特例法を調べたら、参議院でも殆んど異議なしというようなことで、満場一致で通過しておるようであります。恐らくその趣旨が尊重されて今の制度ができておると思うわけであります。
○楠見義男君 その点はなお疑問がありますが、時間を取りますから、あとの問題に移りたいと思いますが、法務総裁に伺いたいのは、公安調査庁と公安審査委員会を同一大臣の下に置くことの可否についていろいろ議論のあることは御承知の通りであります。それは先般来申上げますように、法の濫用を懸念する向きから言えば、結局この調査庁と審査委員会を同一大臣の下に置くことについては、ややもすると戰時中の検察フアツシヨといいますか、ああいうような虞れがありとして、この問題に関して相当問題視し、重要視しておるわけなんであります。その当否は別として、お伺いいたしたいことは、逆にこの二つの機関を同一大臣の下に置かなければならん理由、今は別にしたほうがいいという理由がいろいろ述べられておるのですが、逆に同一大臣の下に置かなければならん理由をこの際お伺いしたいと思うのであります。 附加えてお伺いしたいのは、衆議院では、御承知のようにこの公安審査委員会委員の任免権者を法務総裁から総理大臣に修正しておるのであります。この修正の結果から、直接的にそういう結論が出るかどうかはわかりませんが、この修正とも関連して、従来はその委員の任免権者は法務総裁であり、そうして又公安審査委員会は法務府の外局であつた、ところが任免権者が総理大臣になつたという修正と関連して、これを法務府外局以外の、例えば総理府の外局にしたほうがいいじやないかというようなことに対する御意見は如何でしようか。
○政府委員(佐藤達夫君) 私から一応お答えをさして頂きます。この立法のやり方、政策の問題といたしましては、只今仰せられたようないろいろな考え方が私皆成立つことであると考えます。ただ率直に考えますというと、総理府と申しますか、そつちのほうの役所の仕事というものは実は成るべく純粋化して、余りほかの省に関係の深いものまでもそちらに持つて行くという行き方はどうであろうかという行政組織上の一般問題があるわけであります。そういう点から申しますと、今度の法務府或いは法務省となりますか、そういう関係でこのほうの仕事を取扱うということに一応建前をきめまするならば、その関係の役所というものは一応その大臣の所轄にまとめるということが、これは自然な考え方だろうと思います。而もその場合に、両方とも全くその大臣の指揮監督に属する役所であればこれは別でありますけれども、片つ方は独立性のある委員会制度でありますから、ただこれは図を引いたときの違いだけになるのじやないかというような気持もするので、我々としては別にこだわつているのではありませんけれども、そういう自然な考え方でかような案を立てたのであります。そこでこれは総理大臣の任免権というものとどういう関係を持つかということになりますと、これも細かいことを申上げて恐縮でございますけれども、この両院の同意を得て任命するこの委員ですね、そういう人の任命権というものについては普通の一般の職員の任命権の問題とは又別のことが考えられるのじやないか。と申しますのは御承知の通り憲法上から申しましても恐らく両院の同意を得るという当面の立場に立つのは飽くまでも内閣を担当する総理大臣であるということが言えると思うのです。そうすると同意を受ける手続は仮に法務総裁が任命権を持つておりましても、その手続はやはり総理大臣が両院に対する当面の責任者として説明する立場にあるということになりますと、恐らくついでに任命権も総理大臣に渡してしまつて、それの助言者として主務大臣が総理大臣に助言されればいいじやないかという考え方も成り立ちますので、そこは建立の問題として、衆議院の修正も十分成り立つ考え方である。ただそれによつて直ちに総理府の外局に持つて行くのがいいじやないか、それからはその結論は出ないと思いますけれども、要するにこれは便宜に従つて皆さんの適当とお考えになるところに従つて私はいい事柄であるというふうに考えます。
○楠見義男君 わかりました。最後にもう一つありますが、公安審査委員の政党所属の問題についてお伺いしたいのでありますが、この委員の問題については公安審査委員会設置法案の中で除外の規定が設けられておりますが、同一政党所属は二人まではいいということにされております。併し十一條の規定で、委員会は委員長とそれから二人以上の委員が出席すれば会議を開くことができる、こういうことになつている。且つ十一條の二項では、出席者の過半数を以て議事が決せられるということになつておりますから、委員長及び四名の委員合計五人の委員会におきましては二人という数字はときに非常に大きな力になると思うのであります。勿論第五條に規定されておりますように人格が高潔で団体の規制に関し公正な判断をすることができ且つ法律又は社会に関する学識経験を有する者というふうに非常に秀れた人々が選ばれることになるわけでありましようが、併し又一面破防法の第三條に規定がありますが、政治上の主義、施策を推進し、支持し、これに反対というようなふうの規定があつて、殊更政治的な問題が入り、而もこれは場合によつては政党的な立場から或いは政党間の相剋摩擦の場合をも想像されるのであります。従つてむしろ政党人は、できれば政党に関係したことのある既往の経歴をも含めて政党人は、この委員会の権威と中立性保持の観点からも政党人は除外したほうがいいのではないか、こういうふうな考え方も起るわけでありますが、その点についての御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 誠に御尤もな御意見であるとは考えるのであります。これは極めて公正に判断をしてやるべき仕事なんであります。事一たび政党の力によつて支配されるということがあつてもならんし、又さような危惧の念を抱かせることも又よくないことだと考えられるのであります。それで徹底した考えを持ちますれば、この委員には政党人を一切加わらせないということが理想的であろうと思われます。併しながら一面現下の情勢におきまして政党人をこれを除外する、今楠見委員の言われました、曾つて政党に属した者までもこれを委員に入れないということになりますると、極めて人選の範囲が狹きに失するのではないか、こう一回において考えられるのであります。そこでこの政党の支配を除外しつつあらゆる層から立派な人格者が入つて来るという建前から考えますると、これくらいの程度にするのがよかろうかと、こう考えておる次第であります。
○楠見義男君 最後にもう一点だけ、これは公安審査委員の身分の独立性及びこの安定保持という問題に関連してお伺いをいたしたいのでありますが、これは申すまでもなく、この委員会は恒久的なそして又特殊の独立行政機関のようなものであります。従つてこの公安審査委員会設置法の第三條に規定しておるように、これらの委員は「独立して職権を行う」ということになつておる。そこでこういう委員のかたがたはほかに重要な……今お述べになつたようないろいろな人を選ぶという場合に、このほかの重要な仕事を持つておつて、そして片手間にこの独立行政機関的なこの仕事をやるということについてはどうかという懸念もあるわけでありますが、特にこの事案がかかつて来たときに出て来て、そして委員補佐の補佐を受け、或いは調査庁の提出した書類を見て、そしてそのときにきめて行くという、こういうような片手間なことでは私は如何かと思うのでありますが、従つて独立性を保持し、又その身分の安定を保持して行くという上からいつても非常勤でなしに常動的に、そして又常に委員のかたがたは問題についての勉強も続けてやつておられると、普通の裁判所の裁判官のような立場に置くことがむしろこの審査委員会を公正に自主的に、委員補佐等或いはそれらの他の補佐機関に左右されることなしに、むしろ積極的な、自主的な決定が得られるのではないか、こういうふうに思うのでありますが、特にそれを非常勤にされたという理由はどういう点にあるのでしようか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 今楠見さんの仰せになつたようなことは一応考えたのであります。ところがこれは二つ考え方があつたんです。一つはこういう事件はそうたびたびあるべきものではない、従つてこれを常勤にして置くと、その人はこの事件のためにほかの職域につけんということであります。で、このためこういう人材を得られないという考え方であります。二つには、今のとこれは重複することになりますが、非常勤でありますると、相当広範囲に人材を求めることができる。常勤で置くということから申して、甚だ恐縮でありますが、従来の委員会制度を見ましても、全く常勤の委員会でありますると、そこへ入り込んで来たいという人が相当多いのですね。いわゆる平易な言葉で売り込みが随分あります。非常勤であれば、相当な職についておつて、何であれば立派な人が、それじやそういう何とか面倒を見ようというような希望者もあることと私は思つております。それで広い範囲から立派な人に来てもらうには非常勤にするのがいいじやないか、こう考えて立案した次第であります。
○楠見義男君 一つだけ、これは小さいことなんですが、政府委員のかたにお伺いしたいのですが、公安審査委員会設置法の第二條の二号に「收入金を徴收し」とあるのですが、この審査委員会はどういう面からどういう金を徴收するのでしようか。
○政府委員(關之君) お答えいたします。これは会計法上、例えば新聞紙のごときはその庁限りで、処分してやることができるというふうになつているようであります。そこで一般の局の権限の中にこういうことが全部挙げてやつておられることと存じます。今のような事例があるからといつて、一般の立法例に従いましてかような「收入金を徴收し」ということを書いたのであります。それだけの点であります。
○委員長(小野義夫君) ちよつと申上げますが、こういう午前中の予定ができておりますけれども、本日は内閣のかたがたに午後も御発言をして頂くことにしたいと思います。それで時間が余つた場合に地方行政の委員のかたの御発言を、若しなければ二十九日の朝から地方行政のかたの御意見を聞く、こういうふうにしたほうが審議が順調に行くと思いますから……。
○和田博雄君 それでは私は午後からにして頂きたい。午前中だと言いますから待つておつたんですが、若しも午後から発言が許されるならば私は午後から……。
○委員長(小野義夫君) それではこれにて休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 —————・————— 午後一時二十三分開会
○委員長(小野義夫君) 午前に引続き連合委員会を再開いたします。 先ず成瀬君に御発言を願います。
○成瀬幡治君 法務総裁にお伺いしますが、四月七日に「破壞活動防止法案の概要」というので法務府が出された資料に基いて若干お尋ねしたいと思います。これの三行目の終りの所に、「現在行われているわが国内の一部分子の団体組織による危險な暴力主義的破壞活動のためである。」というような点、或いは二頁の終りのほうに、「今日の行われている国家社会に対する破壞活動の最も特質であり、しかも又その故に危險性も大きいのは、いうまでもなくその活動が、団体組織の力によつて行われているということである。」、こういうふうにまあ断定的にここに書いてあるわけでありますが、ここでいうところの一部分子の団体組織による危險な暴力主義的破壞活動のためにこういうことがあるのだからこの法案を作るのだというようなことがここに書いてあるわけですが、具体的に断定しておられるわけですから、あなたのほうに具体的な名前がわかつておると思いますが、具体的な一つ団体名をここでお知らせを願いたい。
○政府委員(關之君) お答えいたします。法務府から出しました「破壞活動防止法案の概要」と申します説明書きの中にお尋ねのような記事を書いておるのであります。この事実につきましてはすでにお手許に提出いたしました各種の資料に基きましてそのような疑いを深めざるを得ないのでありまして、さような疑いを持つ事実をそこに認めまして、そのことをここにさような意味において書いた次第であります。
○成瀬幡治君 疑いを持つ事実の、私はその団体名を聞いておるのです。そういう団体があると書いてあるのですから、その団体の名前は何という名前かということを聞いておるのです。
○政府委員(關之君) この団体の実体、その内容の具体的な点につきましては、目下私どもにおきまして調査を進めておるのでありますが、お尋ねのような団体名、その他詳細の点まではまだ判明いたしていないような次第でございます。
○成瀬幡治君 そうするとこれは、ここに書いてある、断定的に表現されておるということは、お読みになければ私はわかると思うのですが、ここに書いてあることは嘘なんですか、今調査中なんですか。
○政府委員(吉河光貞君) お答えいたします。法務総裁の破壞活動防止法案に関する提案理由におきましても、かような団体が存在することを疑わざるを得ないというように申上げておる次第でありまして、どうぞさような意味を以ちまして御了承願いたいと思います。
○成瀬幡治君 私は法務総裁の提案理由は、そういうふうに書いてあることは了承いたしております。併しここに書いてあるこの概要は断定をしておられるからそこに食い違いがあるわけです。だから私はそれで伺つておるのです。
○政府委員(吉河光貞君) 具体的な証拠を以ちまして、団体の具体的な実体的な内容を実証し得るというような最終の結論にはまだ到達していないのでありますが、各般の客観的な資料によりまして、かような団体が存在して活動を続けておることを疑わざるを得ないという意味におきまして、御審議の資料に、各種の客観的資料の写しを差上げたわけであります。
○成瀬幡治君 わかりました。それでは疑いを持つておられるところの団体の名前をお聞きするのは私は如何かとは存じますけれども、若し差支えがなければ、ここで一つ御発表を私はお願いしたいと思います。
○政府委員(吉河光貞君) 御承知のようにこの団体は各種の文書によりますと、党という言葉を使つておるのでありますが、この党という名前を以ちまして第四回全国協議会を開催したと称せられ、又第二十回中央委員会を開催したと称せられ、更には昨年の十月第五回全国協議会を開催せられたと称せられ、さような会議において決定されたとする各種の運動方針は、極めて危險な運動方針が決議されたと称せられまして、広汎に非合法のうちに文書が配付されておるのでございまして、かような文書は個人が單独で配布するのではございませんので、一連全国的な配布組織を以てこれを配布しておる事実は、昨年十一月「内外評論」の全国一斉検挙並びに発刊停止処分におきましても明らかな事実になつておるのでありますが、その組織の全貌、具体的な内容等につきましてはまだ最後の結論を得ていないような次第であります。
○成瀬幡治君 ちよつとわからないのですが、「とう」というのは政党の党の字ですか、何々の等ですか、どういうのですか。
○政府委員(吉河光貞君) 文書によりますと、政党の党の字を使つております。
○成瀬幡治君 その名前がちよつと言えないというわけですか。
○政府委員(吉河光貞君) 具体的の名称、何々党いうようなごとき名称はまだ把握しておりません。
○成瀬幡治君 まあ大体あなたのおつしやることもわかりますし、これ以上お尋ねするのも如何かと思いますからやめますが、併しここで書かれておることは断定されておる。こういう表現なんですから、やはりそういう疑いの程度であるならば、疑いの程度のような表現をされたほうが穏当であろう、こう考えております。 次にお尋ねしたい点は、同じくこの本の五行目の所に、「遺憾ながら各種の文書により武裝暴動やゲリラ戰法によつて、憲法やその下に成立した政府を倒すことの正当性又は必要性を主張し、これを実行に移そうとする危險な活動が現認されている。」、こういうふうに書いてあるわけですが、そこで、これを仮に「武装暴動やゲリラ戰法によつて」ということを括弧で据つたり、或いは「憲法や」から以下「政府を倒す」ということを括つて見て、当然言論のことも取締られておるのですから、「遺憾ながら各種の文書により憲法を改正することの正当性又は必要性を主調し」云々というような、それが危險だというような意味にも私は取れないかということを心配しておるわけですが、憲法の改正に対する言論の私は自由があるのだと思いますが、それに対してはどういうふうに考えておるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) お答えいたします。憲法の改正を論議することは一向差支えないと我々は考えております。それは言論の自由で何ら束縛されることはありません。又この法案の対象とするところではないのでありまするが、いわゆるこの憲法に認められました基本組織、即ち内閣制度とか議院制度だとか、域いは裁判制度、そういう基本制度を暴力を以て破壞しようということになりますると、これが対象になるのであります。勿論その破壞活動は、団体組織によつて、その一体の意思を以て遂行するということになればこの法案の対象になるのであります。
○成瀬幡治君 そこで私は非常に心配することは、例えばこんなことが若しあつたとするならばどうなるかというのですが、例えば学校で憲法は一つ改正をかくかくにしなければならないのだというようなことを学生大会や何かでやつたとする。そこにこの間の早稻田みたように警官がめちやくちやに殴り込んで行つた。そうした場合に学生が、ああいうふうに暴力でやつて来るのだから、やはり暴力に対しては暴力でやらなくちやいかんというようなことを、学生の者がそこにおつて友だちに仮に囁いたとする、或いは発言においてそういう行動をとつたというような場合には、すぐそこへひつかけられて行く心配があると思う。そういう点についてはどういうふうに考えておられるか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 全然御心配はありません。初めから団体が団体の意思決定によつてこの憲法で認めらたところの、前申しました議院制度、内閣制度、裁判制度を破壞しようということを現実に何した場合にはこの対象になるのであります。
○成瀬幡治君 拡大解釈をせんということは私もよくわかつておりますし、相当この法案を作るときにも、初めからもつと小部分な、もつと基本的な人権を守るような法案を私は総裁以下作りたいと、こう思われたと思う。ところができ上つたものは、でき上つてしまつたものは、やはり作つたらすでに拡大されてしまつてこんなものができてしまつた。どんな人の公聽会などに現われた意見を聞いても、みん心配しておられる。皆心配する。だからあなたが今そんな心配ないんだとおつしやることは、この法でどこで守られているかということをお示し願いたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) 殊に第三條で暴力主義的破壞活動とはどういうものであるかということを明白に規定しております。刑法第七十七條、第七十八條、第七十九條、こういうようなつまり国家の基本組織を破壞に導こう、こういうような行為、これの実現を容易ならしめるためにその実現の正当性及び必要性を主張したような文書を印刷したり頒布したり、ここで嚴然と制約しておるのであります。而して次に団体、然らばこういう破壞活動団体というものはどんな団体かということを、第三條の二項によりまして「この法律で「団体」とは、特定の共同目的を達成するための多数人の継続的結合体又はその連合体をいう。」と、ここではつきり団体の定義を規定しておるのでありまして、今成瀬委員の仰せになりましたような事例は、これには毛頭も該当しないということを申上げます。
○成瀬幡治君 誠に御親切な御答弁でございますが、そういうことはもうわかり切つておつて、私は普通公聽会で言われる人たちが心配されるのはそんなことじやないと思うのです。それが拡大解釈をされつつあるのだから私は心配されるんだと思う。ですからそういう拡大解釈が行われてはいかんというような規制がどつかに謳つてないかということをお尋ねしているわけです。
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今申しましたことによつてちやんと対象が限定されておるのであります。それですから私は公述人がどういうお気持でそういうことを言われるか、私にはその意を解せない。而もこれは立派にこの事例に当るような団体があると仮定いたしますると、その証拠を挙げてこれは結局公安審査委員会の手によつてそういう事実があるかどうかということをここではつきりきめるのでありまするから、勝手にきめるわけでも何でもありません。一方においては限定し、一方においてそういう事実があつたかどうかということを愼重にこれを決定させるという、こういう二段がまえでやつているのでありまするから、御心配はないと思います。
○成瀬幡治君 そうすると、そうしたようなものは公安審査会でやつて行けるんだ、こういうように、公安調査会ですか、公安審査委員会でやつて行けるというようなふうにお聞きしたわけですが、まあ金森さんの言葉を借りて言えば、憲法がどういう趣旨で作られたかということは私も総裁は御存じだと思う。ところがあの当時の新憲法の精神と今相当解釈においてずれておるということを金森さんがここで遺憾であるということを言つておられることを私はお聞きしておるわけですが、そういうようなことについて時代の動きによつて、あなたが今言われるようなことは私たちも了承しますが、それについて解釈が変つて来るのだということは私たちは現実に認めるわけなんです。それに対して何かこの法案においてそういうことのないような一つ釘付けするような、或いは制限をするような、規制するようなことを考えて何かここにあるならそれが私は承わりたい、こういうふうにお願いしておるわけです。それはどうなんです。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私が今申上げましたように、この法案の運用におきましては、一方において十分にその団体の活動の対象を規制しておるのであります。一方において公安審査委員会において十分な調査をそこでやつて決定をさせる。こういうことになりますれば、両面からいつてこの法案の運用は先ず濫用される危險はない、こう考えておる次第であります。
○成瀬幡治君 まあそういうことがないのだから自分はそこはやつていなかつた、こういうふうに了承していいわけですね。
○国務大臣(木村篤太郎君) 申すまでもなく、その審査委員会において決定されますその決定についての当否は結局裁判所において判定されることになるのでありまするから、この法については私は十分の手当はできると、こう考えておるのであります。
○成瀬幡治君 これはやはり治安維持法が拡大解釈されて非常に遺憾であつたということはこの中にも私は認められておると思うのです。従つてこういうことがあつて、前にも苦い経験があり、実際先ほど申しましたように、憲法の解釈すら動いて来ておるというようなことついて何らの手配もなく、ただ公安審査会においてそういうものが行なわれるのだというのは、私は法務総裁は絶えず基本的人権を守ることについてはやぶさかでないということをおつしやるかたにしては少し不備じやないか、その点が心配であるから、公聽会の意見などもやはりそこに集約されていると思う。ですからこれは少し知惠がなかつたということを思うわけですが、何か法制局のほうでこういうものに対してやつて行きたいけれども、それを入れるとどうも工合が惡いのでできない、技術的にできないのだというのでこういうところに来たのか、そうじやなくて、そんなことは問題でなしに出されたのか、立法のほうの御意見を一つ承わりたいと思います。
○政府委員(佐藤達夫君) 御推測の通り、我々の立場といたしましては、法律を立案するについては、殊にかような性質のものにつきましては御懸念のような事態のないようにということを常に念頭において條文を作つているわけであります。従いまして過去において或いは測らずも新聞に出ましたようなものからお比べになりますれば、その努力のあとは十分お認め願えると思うのであります。殊に今御引例になりました治安維持法などとお比べになりますれば、これは一目全く体裁において違つており、如何に事細かにこの法案が規律を設けているかということは事実の問題として御認識願えると思うのであります。これは人間のやる業でございますからして、或いは我々がたまたま能力を持つておらないかも知れません。或いは人間の業として客観的に見てこれ以上のものができないという御判定が願えれば誠に幸いでありますけれども、少くとも我々自身としては最大の能力を盡して正確なる精密なる條文を作つたということだけは申上げ得るのであります。
○成瀬幡治君 私もいろいろな意見があるのです。例えば細かいところを言えば、証拠書類として出した、ところがそれは不必要のものは却下していいということを言えば、あなたのおつしやることと私は逆な方向がこの中に謳われているのじやないか。ですからそういうことは法務委員会のほうでいろいろ追及されると思いますからその点は議論にとどめまして、話が入り組みますが、例えばメーデー事件の問題について、あれは騒擾罪で取調べられているようであります。私はいろいろな意見もあると思いますが、こういう見方もできると思うのです。あそこヘデモ隊が入つて行つた。そうして歌いながらぐるぐる廻つていた。そこに警官がいたのでああなつたが、警官がいなかつたら騒擾事件にならなかつた。一役大きな主役を警官が買つている。それでいろいろな点においてそういうふうな場面がくり拡げられて来るが、そういうようなものに対してどういう見解をとつておられるか。その辺のところも一つ御意見として承わりたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私は只今の御意見とは多少そのメーデーについての見解を異にしております。これはいずれ事実によつて明白になるだろうと思います。あの場合に或る意図を持つてやられておつたということは私は言えるだろうと思う。殊に相当ないわゆる武器に類するものを携帶いたしましてやつているのでありますから、あの場合に若しも警官が防止しなかつたならば、どういう事態が起きるかということはおよそ想像できるだろうと私はこう考えております。これが普通の騒擾というふうな偶発的にできたものとはその本質を異にしているのじやないか、こう考えますので、その点につきましては今折角検察庁において事実を調べておりますから、どういう結果が出ますか知りませんが、およそこれは普通の偶発的なものではない、こう考えております。
○成瀬幡治君 このことについてはまだ機会があるだろうと思いますからやめます。 その次にこういうような場合はどういうことになるのですか、国鉄の諸君が賃上げを一つやろう。ところがストライキ権は実際與えられていない、そこで一つ汽車のよく見通しのきく所で組合員の人が十人ばかりレールの上で座り込むと、あとになつて機関車が行つてみたらわかるわけですが、そこで機関助手がそれを発見して汽車をとめた、そうするとここにいろいろな私はそこを退くとか退かないとかいう、レールにしがみつくとか何とかいうことがあつて、仮に汽車がとまつてしまつたというような問題になつたときに、これはどんなふうに取扱われるか。それは今言つたような目的は破防法に対してやるのではなくて、こういうようなに若し仮法律ができて、これはいかん、労働三法もいかんというと、賃金問題とからみ合つてレールにしがみついて動かなくなつたというような場合はどういうふうに解釈せられておるのか、承わりたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) さようなとが仮にあるといたしましても、この法案の対象にならんと考えております。これはもとより初めから団体の意思決定によつてあの汽車を転覆させろ、或いはあの工場に火をつけろというような明白な決定がありまして、その決定に基いて団体が動いた場合に初めてその対象になるのであります。今のような引用されました例は決してこの法案の対象にはならんと私は確言できるわけであります。
○成瀬幡治君 その場合に個人はそれではどういう名前で以て……、大体今のような場合はおわかりにならないかも知れませんが……、個人はその場合にどういう名前で処罰されるのですか、これはどういう対象になるのですか。
○政府委員(關之君) お尋ねのような設例は、十人くらいの者がそこにおつて今お尋ねのような行為をした、その個人につきましては刑法の百二十五條の往来危險の罪が成立するのではないかと思うのであります。個人的な責任をそこで負うということに相成るかと思うのであります。
○成瀬幡治君 次にこの法案の概要の十項の終りのほうに「公安調査庁の職員については、特別な施設を設けて、十分な教養訓練を與えるとともに、その職務の執行については、嚴格な準則を定め、特別な制度を設けて監察を行い、」ということが書いてあるわけですが、これは今後私は準則としていろいろなものをおきめになると思いますが、若しこれについてこういうことを出されておるわけですから、若し構想がありましたならば、私はこの際承わりたいと思うのであります。
○政府委員(關之君) お答えいたします。お尋ねの点につきましては、まだ具体的に條文的な形式を以て今考えておりませんのですが、この法案の施行に当りましては、一切この調査上或いは職務の執行についての嚴重な準則を作成いたしまして、それを職員に守らせたいと思うのであります。又同時に特別な部局を設けまして、監察もいたさせまして、職員の過がないようにいたしたいと、かように計画しておるところであります。
○成瀬幡治君 その監察、これは私の承わりたい点は、例えばあなたのほうの職員で、任命されておる人で会計の監察を行うようなことでなく、あなたのほうの任命権ではなくて、何かほかの人を雇うてその監察を行わせるような、例えば任命権をこの公安調査庁長官が握つておるとか、或いは部課長が握つて有る以外の人を依頼してそうした制度を設けられるのか、中の人でそういうことをやられようとしておるのか、その点を聞きたいのです。
○政府委員(關之君) ここの説明書に書きました私どもの考えは、私どもの公安調査庁の中にそのような特別の係を置きまして監察をいたしたい、かように考えておるわけであります。なおこのような制度は現在警察或いは経済関係の調査庁にもあるのであります。全く上長官直属の一つの係を設けまして、それ相当の権威を持たせて行わせたい、かように考えております。 なおそのほかにここで附加えて御説明いたしたい点は、全国に今回において約二千、任命が完了いたしますれば一万から二万程度の人権擁護委員というものが各村にまで置かれることに相成るわけであります。これに在野の弁護士のかたが主になつておりまして、その他教育界その地方々々における相当の有識多識のかたにお願いいたすわけになつておるわけであります。このかたがたに公安調査官の職務の執行について犯罪となり、或いは懲戒の事項に亘るようなことは申すまでもなく、それ以外の不当な措置或いは迷惑になるというようなことについても御注意を頂くような措置を講じまして、職員の行動について遺憾なきを期したいと、かように考えておる次第であります。
○成瀬幡治君 私もその人権擁護委員のことについては了承いたしましたのですが、その際お伺いいたしたい点はただ人権擁護委員がこういうことがあつたんだと言つて、併しこの法案に謳われておるように、証拠書類としてそういうものは不必要だといつて審査官のかたが否定すれば却下になつてしまうというような制度の人権擁護委員の監察制度を設けても無意味だと思いますが、その点についても具体的なものをお考えになつておればもう少しお聞かせ願いたいと思う。
○政府委員(關之君) 今人権擁護委員に関連してのお話でございましたから、それとの関連について私どもは次のように考えているわけであります。それが犯罪でありますれば、勿論私のほうでも然るべき措置をとる、或いは人権擁護委員のほうから告発されるようなこともあるかと思うのであります。又懲戒に値するような事項でありますれば私のほうで然るべき措置をとりましてそちらのほうに回答を申上げる、又それに当らない、もう少し軽微なことがあるかも知れないのであります。それにつきましても或いはその職員に対する訓戒とか或いはそのポストの変更であるとか、種々な適当な措置をとりまして、その委員のほうにも納得の行く御援助をいたしたいと、かように考えておる次第であります。
○成瀬幡治君 先ほど楠見委員も触れておられた問題でございますが、例の委員の政党所属の問題でございますが、例えば同一政党に云々と、二人になつておるのですが、私は木村法務総裁は自由党に属しておられないが、併し私はやはり自由党のかただと思う。そういうところで非常におかしいことになると思う。ですからこんなことを謳つたつておよそ無意味なことだと思うのです。そういうようなことについてはどんな見解をとつておられますか、私は承わりたいと思います。これをこういうふうに謳われた、政党というものを指しておられる以上は、中正な公平なものでなければならないのだという立場に立つておつて、而も今言つたように木村法務総裁を私は自由党だと思う。誰が見ても自由党人だとおつしやる。そういうような区切りの点で、若し委員を任命されるのに、大野さんは自由党、木村さんは自由党に所属しておらんから同一政党ではないのだというような観点に立つことも可能だと思う。併しよそから見れば同じだと思う。そういうような点についてどのような見解を持つておりますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 結局はその委員は公正に判断をする能力があり、又世間から見ても成るほどこの人ならば間違いないというような人を国会において選んで頂く、こういう建前をとつております。いやしくも公正な人であつてもこれが政党員であれば、仮に本人が正当なことをやつておつても色眼鏡を以て見られる。私は自由党員ではない、私は公正にやつておるつもりでも、あなたが自由党員だという疑いもあるかも知れない。従つて幾ら公正な人であつても党派に関係があれば色眼鏡を以て見られるという虞れがありますので、いろいろな観点からさような疑惑を抱かれないかたから選びたい。但しこの二名だけは政党員であつても差支えない。その根本は、公正に独自の見解を以て判断をして頂く有識者になつて頂く、こういう考え方であります。
○成瀬幡治君 その次に細かい点ですが、法の第十一條に「通知」ということがございますが、「期日の七日前までに、」ということがございますが、この七日前ということは、本人に到着したのを言うのか、官庁がその手紙をポストに出されたその日附を指すのか、その点を明確にして頂きたいと思います。
○政府委員(關之君) お尋ねの点は、第十一條の一項は通知の実体的なものを規定したのでありますが、それをどうして行うかというような問題は、二項に「前項の通知は、官報で公示して行う。この場合においては、公示した日から七日を経過した時に、通知があつたものとする。」ということで、官報に公示いたしますと、その公示した日から七日後に通知があつたものと、一項、二項ということでさようなことに相成るわけであります。
○成瀬幡治君 そうすると本人とかそういう者に対しては全然通知はしないわけですか、官報だけですか。
○政府委員(關之君) その点につきましては第三項におきまして、「当該団体の代表者又は主幹者の住所又は居所が知れているときは、前項の規定による公示の外、これに通知書を送付しなければならない。」ということで、両方で以てその当該団体にそういう処分をするからという通知が届くようにしておるわけであります。
○成瀬幡治君 そうすると七日という日にちは、通知書を送付しなければならないということと関係があると思うから、いつやるか、今お聞きすると発送の日附のようですね、そうですか。
○政府委員(關之君) 第一項の表現が或いは御疑問を抱くことも御尤もかと思うのでありますが、要するに一項の通知の手続は二項によりまして官報で公示して行う。手紙を出すのか或いは官報で公示するのか、この建前のうち官報で公示して行うという措置をとつておるわけであります。そしてその官報で公示した日から七日を経過したときに通知があつたものとする。この七日を経過したときに通知があるわけであります。そういたしますと第一項に副うて解釈いたしますと、七日までに当該団体に解散処分の理由のこれこれを通知しなければならない。従つて官報に一応公示いたしますと七日で切る。通知があつて七日から、今一週間たちましたときに第一項の問題が出て来るわけであります。
○成瀬幡治君 この間海野さんの公述を私は聞いておつたわけですが、あのときに海野さんが言われたのは、こういうような意味かと私は……、若し違えばあのときの速記録でやらなければならないと思うのですが、やはりよそへ行つてお見えになつたときに、海野さんが葬式に参列して弔詞を述べたというようなことが情報としてあつて、その警官、警部補が海野さんに対してじかに聞いた。そういうことをやつているんだと言われたんですが、こういうようなことを今実際問題として特審局や何かでそういうようなことをやつていられるのでございますか。
○政府委員(吉河光貞君) さようなことはやつておりません。私のほうの職員にはさようなことをやらせておりません。
○成瀬幡治君 そうすると警察のほうでやつているわけですか。
○政府委員(吉河光貞君) 私のほうはいろいろな情報を国民各界、各層から集めるのでありますが、この情報の角度を検討し、その真疑を、大体情報活動として判定する場合におきましては特別な技術上の問題がございまして、それに基いてやるわけであります。で、この情報で違反の容疑ありと疑うに足る理由がある場合には調査活動を開始するわけであります。それ以外にはさようなことはやつておりませんです。
○成瀬幡治君 そうするとこれは警察がやつているわけですね、法務総裁……、警察はこういうことをやらせておられるわけですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 海野君がいつのことを言われたのか私はわかりませんが、若しもさような事実がありとすれば恐らく警官だろうと思います。調査官はさようなことは絶対にやるべきものではない、又やらせておりません。
○成瀬幡治君 警察にはそういう情報を取つて歩くような、そういう仕事をやらせておられるのかどうか、その点はどうですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 我々はさような命令を出したこともない、又指示いたしたこともありません。
○成瀬幡治君 これはそういうふうにおつしやれば、これは私も警官が独自の立場においてやられたか、或いは恐らくこの前の東大事件のときなんかでも、署長云々ということがあつたように聞いておりましたが、この問題はそれとして、併し事実そういうことが行われているということは私も総裁は知つておいてもらわなくちやいかんと思う。そうしてこういうものに対しては私はやつぱり行過ぎた点もあると思いますから、私は早い機会においてそういうことのないような私は何らかの方途を講じて頂くことをここでお願いしておきます。 公安調査庁の法案のほうでの、この警官とこの公安調査官との関係なんですが、いろいろと出された資料を読みますと、調査官が強制的な執行権を或いは捜査権を持つことは非常に惡いことである。だからそういうことはとめてあるのだということは私も了解いたします。捜査をする場合に立会うんだとか何とかいうことが、防止法案の二十九條に「司法警察員が暴力主義的破壞活動からなる罪に関して行う押收、捜索及び検証に立ち会うことができる。」これを私はこういうふうにいろいろと資料で、そういうことはやらないのだということがありますが、併し実際には私は公安調査官のほうで、若しかするとやらせるというような立場が考えられると思うのです、裏を返せば……。そういうようなものに対しては何らかそういうようなことについて検討をされて、そういうことがないのだというようなことを言い切るあなたのほうに確信があるのかないのか。或いは確信があるとすれば、中に裏付的な法文というようなものがあるのかどうか、私これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(吉河光貞君) お答えいたします。公安調査官のほうで犯罪ありとするような端緒を握りました場合には、正々堂々警察官に告発いたしまして、所要の捜査を警察官の自主的責任において遂行して頂くというふうに考えております。警察官のみならず検察官におきましても告発いたします。そうして捜査を開始して頂くというふうに考えております。それ以上に警察や検察、検察官のおやりになる捜査につきまして指図がましいことを言つたり、或いは指揮命令をすることは絶対にやるべき立場でもなく、又でき得る建前でもないと考えております。これは飽くまで両者の協力によつてお互にその権限を侵さずにやつて行きたいと考えているわけであります。
○成瀬幡治君 その点については、又私は法務委員会でやることにして、次に公安調査庁研修所の問題についてお伺いしますが、大体どんな御予定でございましようか、例えば定員はこれくらいだとか、或いは研修の期間はこのくらいだとか、或いは教官はこんなことをする、或いは教科内容はこんなものだというようなことについて一応何か構想がございましたら承わりたいと思います。
○政府委員(吉河光貞君) お答えいたします。まだこの研修所の予算の金額が確定いたしておりませんですが、私どもとしては、希望といたしまして、研修につきましては極めて嚴格に充実した研修をやりたい、で、実務上の情報、技術、それから調査技術並びに所管法令の解説等につきましては幹部職員がみずからこれに当ると同時に、広く民間から各界の有識のかたを講師としてお迎えいたしまして、偏しない立場で基礎的な識見について十分な教養をして頂きたい。で、何よりも先ず民主主義というものについてはつきりとしたラインを打ち込みたいということを考えております。と同時に十分その取扱う対象について、相当しつかりした学識、経験と申しますか、識見を與えなければならん。めつたやたらに人を色眼鏡で見て行くというようなことでは相済まない、十分その点についての基礎的な知識も供與して行きたい、かように考えております。まだ具体的な構想としてきまつておりませんが、この研修を重点にしてやつて行きたい、かように考えております。
○成瀬幡治君 誠に結構な構想でおありのようですが、そういつた場合に、例えば学校の参観というようなことは許されるのかどうか、こういうことはもう絶対に秘密主義で閉ざされるのか、研修所の問題については、そんなことについてはどんなふうにお考えですか。
○政府委員(吉河光貞君) この研修資料で、まあよその例もいろいろあるようでありますけれども、資料によりましては御遠慮をお願いしたいのもありますが、原則としては研修につきましては別に秘密にする必要もないものと考えております。
○成瀬幡治君 そうすると、まあ重ねてお伺いしますが、ここで研修する人に渡される資料は、私は秘密のものがあるけれども、併し普通一般人がそこに行つて参観するという場合につきましては、何ら差支えなく、制限を設けずにやる、こういうような趣旨でありますか。
○政府委員(吉河光貞君) その通りであります。
○成瀬幡治君 最後に一言法務総裁の御殿意を飼うわけですが、例えば早大事件におけるところのああいう指揮者ですね、その捜査、或いは今申しましたように実際情報を集めてはいかん、こういうことを或いは法務総裁の知らんうちにやつたということは、少なくとも私は統率、指揮に命令に反したことをやつているのだ、そういうようなことが具体的に実際挙つた場合に、或いは実際証拠上出て来た場合、そういう者に対しては断固たる私は処置をとられる決意を持つべきだと思うのですが、そういう決意があるのかないのか。或いは今までもそうした者については相当な結論は出ておるだろうと思う。それに対しての御決意をこの際承わつて私の質問を終りたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 官吏が不当な行為をいたしまして、それが法に触れるということになりますれば、これは申すまでもなく我々は法規に従つて処罰するつもりでおります。
○和田博雄君 法務委員のかたやその他の同僚がいろいろ御質問いたしましたので、成るだけ重複を避けて御質問したいと思うのでありますが、便宜上……今の成瀬君が指摘されました際に、現に警官がやつている予備的ないろいろな思想の調査とかいつたような事柄ですが、それは法務総裁のほうは命じたことはないということでありまして、それは或いはそうであると思いますが、今度この法律が通ると二十八條で、この法律の実施に関しては警官と調査官とは情報を交換したり、それから資料を交換しなければならんようになつておるわけですが、そうすると調査官には本来そういつた強制的な何はなくても、情報交換のこの形で結局以心伝心、相通じて片一方で調査をやつて、そいつは資料としては調査庁に持つて来るという結果にどうしてもなると思うのです。そういう場合にはどういうような一体相互の連絡運営をとつて、いやしくも思想なり何なりの自由を奪わないようにして行くつもりなのか、どうなんですか。
○政府委員(吉河光貞君) 私から先ずお答えします。公安調査庁は団体を規制するために必要な調査をするにつきまして情報活動をいたします。そしてその情報に基いて所要の調査をいたします。又犯罪の嫌疑を持ちました場合におきましては、先ほど申しました通り、これを警察官に告発又は通報いたします。警察も又治安維持の第一線機関といたしまして、警備並びに犯罪捜査の職責を負い、その活動をしておるものでありますが、その職務の遂行上得られる情報なり資料なりにつきまして、関係のある必要なものにつきましては再び私どもでそういうことを新たにやるということも考えられるのでありますが、警察官がさようなものを得た場合におきましてはこれを頂戴する。そして私ども独自の立場でそれを検討して判断する。又私どもで得た情報、資料につきましても、これが只今申上げたような警察官の活動について必要なものと認めるものは、これを警察に提供して自主的に判断検討して頂くというような、相互協力の関係で行きたい。情報のことでございますから、これは具体的に証拠を以て立証されたものではございません。従いまして情報それ自体として如何ように確度を判断するとか、相反するような情報がありました場合にこれをどういうふうに取扱うかというような情報上の技術もございます。又資料につきましても、その実質的な証明力というものについてどういうふうに判断するかというような点もございます。これらは飽くまで警察の側におきましては自主的に自己判断願い、又頂戴する、私どもの側におきましても自主的にやつて行きたい。これは飽くまで相互の協力の関係で行きたい、かような気持でおる次第でございます。
○和田博雄君 例えばお互いに情報交換で、まあ関係の者が寄り集まつて情報の交換をしますね、そのときに犯罪の嫌疑があつたかないかはつきりしてなくても、そういう情報交換をやつたときに、警察官は今度は任意にこれはあやしいという自己の判断で尾行をしたり、変裝して家の中にやつて来たりして、いろいろ資料の收集に取りかかるということがあり得ると考えられるのですが、そういう点はどうなんですか。
○政府委員(吉河光貞君) 警察といたしましては、私まあ警察の部内者でないのでございますけれども、警備につきましては、これは事前情報なくしては警備活動は絶対に不可能であろうと考えている次第でございます。犯罪につきましても、従来から犯罪につきましては内偵聞込みというようなものがございまして犯罪者が検挙される、この場合に疑いのないような者にまで疑いをかけていろいろ内偵聞込みをするというようなことは行き過ぎではなかろうか。で、やはり捜査が始るためには、疑うべき理由がなければならないというふうに考えてる次第でございますが、これ以上は警察の部門になりますので……。
○和田博雄君 まあ話はあとで帰つて来ますが、大筋のことから一つ法務総裁に伺いたいと思います。この破壞活動防止法案を必要とする理由がいろいろここに書かれているわけですが、こういう法律が必要だという以上は、これはもう皆さんがそれぞれ疑問を持たれる点は、この法律で防止しようとしている危險が非常に緊迫しているのであるということをやはり政府としてははつきりわからせなければいかんのだろうと私は思いますね。ところが成瀬君のこの質問についての特審局長の答弁を聞いておつたわけですが、例えばいろいろな暴力行為が起るが、それが国際的に関連を持つた一つの組織によるもののごとく疑われるということで、断定が……、ここに確信がないというわけですね。確信がない、こういう状態であるわけです。そうすると、我々としてはこの法律が通つた場合にですね、この法律によつてこれを調査してそうして規制して行こう、こういうように思えて、その緊迫性ということについてちつとも私どもは納得ができないように感ずるのです。若しも政府がこういう法案を通すとされるならば、その点をこそ一番政府としては……今までのいろいろな事件その他がたくさんあつたわけですが、それについて実際はこうだということを、はつきりとした証拠を以てこれはお示しになるべきではないかと私は信じます。その点はどういうように法務総裁としてはお考えになつているのであるか、その点からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) さような破壞活動を行わんとする危險がある団体の現存性につきましては御説御尤もであります。我々のほうでは、現在集めました資料を提供いたしまして御判断を願いたいと、こう考える次第であります。
○和田博雄君 資料は、いろいろ伺つているわけですが、例えば今まででも、具体的に言つて、共産党が指導してこれをやつたのではないかといつて事件になつた例もあるわけですが、ところが判決を見ると必ずしもそうではない。全然否定されている部分もある。最近のいろいろな事件についても、その点についての確証というものについては、政府はただ疑いがあるといつて口を緘して答えられていない。併し私は、こういう広く人間の生活の基本に関係するような法律については、私はやはり事実は事実としてはつきりと現わして、そうして政府のほうでもこういう事実だ、これがはつきりとしたものであるということを、やつぱり納得の行くように証明をされない限りは、いつまでたつてもこの法律全体に対する疑いというものが残つて来るだろう。 それからもう一つ、政府のいろいろな資料を見てみますると、今朝の御説明でも、一方非常にその暴力活動というものについてのいろいろな事実を述べられて、而もそれが或る一つの組織と関連のあるという点については言葉を濁されておつて、一般の市民を恐怖へ恐怖へとこれは駆り立てていると思うのであります。非常に恐怖感というものを起させておる。だからこういう恐ろしいことがあるのだからこれを守らなければならない、こういう形で法案を進められて来ておるわけです。併し国民の心理的な恐怖というものを基礎にしてそうしていろいろな法律を作つて来るということになりますれば、どうしてもどんなに木村法務総裁が善意で言論の自由とか或いは結社の自由とか或いは憲法に規定された人権を侵害することはないのだと言われても、この法案の立案の基礎自体が恐怖に基いておる限り、私はそれは避け得ないものじやないかと思うのです。人権を彈圧したり、人権を蹂躙したりするというような形でこれが運営されて来ることは私は避けられないものだと思う。なぜならば、基本において確信がないからだ、恐怖心のみに訴えておるからだと、私はこういうように考えるのですが、そういう大きな政策については一体法務総裁としてはどういうふうなお考えでこの法案を立案されたのか、そこのところをお答え願いたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) 我々は單なる恐怖心によつてこういう法案を立案したわけではないのです。まだ資料が足らんと申されればいたし方ありませんが、現在の情勢において破壞活動が現実に行われていることは御承知の通りであります。その現実に行われたる破壞活動が一連の関係があり、そうしてそれが有力な団体組織に行われておる疑いがあるのでありまするが、当局といたしましてはまだその実証を握り得ない。これは遺憾でありますが、実証を握つていない。これは或いは捜査の不十分かも知れません。併しながら、今申上げましたように、各所において暴力的破壞活動に現に行われつつあるのであります。又将来も行われる危險が多分に包蔵されておるのであります。それを放置しておりますると、ますますこの活動は拡大して行く。而もそれが背後に大きな組織を以て行われるに至りましては、由々しき大事であろうと我々は考えております。繰返して申しますが、その破壞活動が如何なる組織によつて行われておるかということについては十分に今実証する段階には行つておりませんが、この点については我々は極力実態をつかみたいと考えておる次第であります。
○和田博雄君 組織による指導によつていろいろな破壞活動が行われておるという実証は当局としてはつかんでおられない、こういうことだと拜聽いたしますが、この法律は左のほうだけでなくて右のほうも恐らく取締られると思うのですが、右のほうに関係してもそういつた組織による破壞活動、それが非常に緊迫した情勢にあるのだということについては一体どういうようにお考えになつておるのでしようか。この資料はただ今まで解散を命じた事例だけであつて、事柄の緊迫性ということについてはなんにも実証されては私はいないと思うのですね。そうすると、この面については極左のほうと異つてなんにも実証されていないし、非常に影が薄い。そうして来ると、対象は自然に共産党と、まあはつきり言えば共産党ということにどうもなつて来るのだろうと思うのです。ところが憲法の下では言論、結社の自由が許されておりますから、共産党は天下の公党のわけです。それについて正面から破壞活動をそちらに集中して取締るというのであればあるだけに、この破壞活動が共産党の例えば組織によるところの指導によるのだという実証が実際なければ、この法律によつて、事実は憲法によつて結社が許されておるにかかわらず、それを結局解散とか何とかいう形で事実は許されないものにしてしまうという結論にこれはどうしてもなつて行くと思う。そういう点で憲法をうまくくぐつて先ず第一にそこで破壞活動を防止して行く。この点がこの法案が先ず最初に非常に濫用される危險をそこにもうすでにはらんでおるというように私どもは考えるのですが、右のほうについて一体果して然らば右翼団体でそうして憲法に規定したところのあなたの言葉を以てすれば基本的な制度というものを覆して行こう、こういうようなものが一体危險がそれほど緊迫したものがあるのかどうか、それについて一つ御説明を願いたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) 右翼の団体についても調査を進めております。併しながら今の段階において、この三條に並んだような内乱を企図したり或いは刑法で規定した騒擾を狙つたりするような破壞的の行動に移るというところまでは行つていないのであります。併しながらこの法案の狙いはどこまでも暴力的破壞活動をなす団体でありまして、それは極左たると極右たるとを問わないのであります。我々の一番心配しているのは、現段階におきましていろいろな破壞活動をしておることは事実であります。それに対して又暴を以て暴に報ゆるというようなことがあつてはならないのであります。極左が動けば又極右が動き、極右が動けば極左が動く、これが互いに力を以て争うというようなことになりますると、日本の治安というものは一日も保つことはできないのであります。従いましてこれは我々将来において必ずや又極右がそういうふうな動きをして来るんじやないかという懸念もなきにしもあらずであるのであります。その点から見ましてもこの法案はどこまでも必要であろうと、こう考えておるのであります。
○和田博雄君 質問を続ける上にちよつと必要だから聞いて置くんですが、第一條の「団体の活動として」ということはどういうふうな解釈なんですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 団体がその構成によりまして団体の意思をはつきりときめまして、その意思に基いて行動をすることを言います。
○和田博雄君 例えば政党で言えば中央執行委員会の決議というような形をとつたものを言うのでありますか、意思としてというのは……。
○政府委員(吉河光貞君) 団体によりましていろいろな立て方があると思うのであります。団体の具体的な内容も千差万別でございまして、機関構成のないような団体もあり得る。又非常に高度に発達いたしまして社団として機関構成を持つておるような団体もあり得ると思います。併しいやしくも共同目的を有する多数人の結合体とある以上は、そこにこれを構成する個人の意思とは独立な団体としての意思を決定する方法が構成員の意思に基いて定められている。それが規約に定められておるような場合もありますし、或いは黙示の合意によつてきめられておる場合もあると思いますが、かような意味でそういう団体が持つておる意思決定の方法に基いて団体意思が決定される、その意思を実現するために役職員なり構成員が行う行為が団体の活動と認められると、かように考えておる次第であります。
○和田博雄君 勿論これは政党のみに限らず、いろいろな構成の団体を含むものだということは承知しておるのですが、例えばここに進歩的な人が十人ばかり集まる。規約も何もない。併しそれは今の世の中を見て、どうしても何とかこれは世の中を改革しなきやならん。言葉は日本再建というか、革命というか、知りませんが、そこでいろいろと研究をして、そうしてこの革命などについていろいろな団体の意思決定ということに自然なるわけですが、寄つて教唆、扇動に該当するようないろいろな論文を書く。そうするとそれはこの法律でやはり適用になるわけですかねどうなんです。
○政府委員(吉河光貞君) 只今御質問の団体が果して研究団体であるか、研究を目的とする団体であるか或いは現実に政治的に日本の再建を目的とするために諸般の社会運動なり政治運動をやることを内容とする団体でありますか、はつきりいたしませんが、ともあれさような一つの団体が一つの共同の目的の下に結成されまして、その団体の目的を実現するために構成員のかたがたが、こういうことをやろう、ああいうことをやろうと団体意思を決定されまして、その意思に基いて御活動になるとすれば、その御活動は団体の活動と認めざるを得ない、かように考えております。
○和田博雄君 研究団体であるか、行動の団体であるかということは、目的が如何に研究と書いてあつても、事柄によつては、殊にこの認定は調査庁であるとか調査官、なんなりでやるということになつておれば、いつでもそれはすり変えられるのですね。ですから、そういうところで非常にあいまい模糊としておるし、殊に文書の所持なんかに至つて来ると、これは限界の引きようがないのじやないかという感じが非常に私は強いのです。例えばいろいろな限定はあつても、その実現の正当性必要性を主張した文書、こういうものは今日政府のほうから配つて、朝鮮人の活動に関する中でいろいろ書いてある文書があるのですが、これを持つておるということは当然それに入つて来ると私も考えますが、そうするとそうではなくて、例えばラスキーなんかの本に、「現代革命の考察」なんかの中に、若しも今の資本家が今のような反動的な政策を続けて行つてそうしてちつとも反省しなければ、暴力革命というものも必然だろうということを書いてある、暴力革命にならざるを得ないのじやないか、自分は暴力革命を否定しておるのだけれども、暴力革命にならざるを得ないのじやないか、こういうことをまあ書いておるのですね。こういう文書を読んで非常にシヨツクを受けて、非常に扇動的な行為に文書の言つていることがなる場合もあり得る。そういつたようなものもどんどん拡げて行けば、当然これはひつかかつて来ると思う。持つておるということすら当然ひつかかつて来るということにすらなり得ると思うのでありますが、そういう点はこれはどういうようになるのですかね。
○政府委員(吉河光貞君) お答え申上げます。実はそういう点につきまして第三條の概念構成は非常に嚴格に絞つであるつもりなんであります。いろいろ御批判もあることと思いますが、政府といたしましては單に内乱の必然性を説くというものは絶対に入らないと考えております。ここでは日本において現実に内乱が行われること、或いは行うことの必要なこと、又は正当なことを執筆者の意見として主張するということが文書の内容になつておりまして、これを現実に日本において内乱が行われたり、行うことを容易ならしめる目的をもつて印刷したり、頒布したり、公然掲示をするという行為が該当すると考えております。
○和田博雄君 勿論日本においてそういう目的をもつて書いた、こう書いてあるのですが、併し客観的な一つの研究のテーマとして革命の問題を取上げてそして非常に客観的に書く、目的はそういう意図はなくても書くということでも、その文書の與える結果というもの、効果は、それが客観的であればあるだけ、又その書いた人が高邁な識見を持つておればおるほどこれは効果というものは非常に大きなものと言わざるを得ない。目的の如何ということはこれは一応検察のほうで一応判定しちやうわけなんでありますから、とにかく一度引張つて調べることは、いつでも疑いがあれば引張つちやうということまでは、やつぱりそこまでは行くでしようね。
○政府委員(吉河光貞君) 実はこの「目的をもつて」というところが大きな絞りになつておりまして、これはやはり主観的な捜査官の認定ではいけないのでございます。やはり証拠を以てそういう「目的をもつて」活動した、こういうことをしたということが認定されなければならないと考えておるわけであります。
○和田博雄君 それが認定されなければ、例えば調査も捜査もされないとこう解釈してよいのでございますか。
○政府委員(吉河光貞君) 御承知の通り捜査は容疑を以て出発して捜査をいたしますが、かような目的の下に只今御質問のような行為がなされたという十分な容疑がなければならないものと考えております。
○和田博雄君 そこが問題なんですよ、実は僕も被害者の一人なんですがね。何もそういう目的をもつて行為をやつておらなくても、引張られて調べられれば、これはその目的はもう検察官のほうでは前提にしておるのです。一つの殻に当てはめてしまうのです。だからこそ非常な危險があるのです。これはもうそういう目的じやないということは引張られてからわかるんです。間々そうであるんです。併し調べるほうは目的のあるということを前提として調べちやうから、これは結局人権というものは蹂躙されて来るのです。具体的問題として考えると、あなたのおつしやるように、証拠だとか何とかいうものとか、証拠自体が一つの目的のために利用され得るものですから、だからここに非常に広汎な危險なところがあるのだろう、そこでお聞きしておるわけなんです。
○政府委員(吉河光貞君) お答えいたします。現在の刑事訴訟法の建前になりますと、これは警察官や検察官が勝手に自分で令状を出すわけに行きませんので、これはやはり判事の判断を受けまして令状をもらいまして逮捕をいたします。かような刑事訴訟法の建前が昔の国防保安法、治安維持法のように検察官がどしどし令状を出してこれを警察をして執行させるというような建前にもなつておりません。飽くまで判事にお願いいたしまして、その判定によつて令状をもらうというような建前になつておるものと考えております。又治安維持法とこの法律の立て方は非常に概念の構成が違いまして、昔のような拡張解釈とか或いは濫用の慮れは先ずないのではないかと考えておる次第であります。
○和田博雄君 特審局長はそういう説明をまあ一応形式にはされますけれども、法の運用というものはこれはやはり末端がやるのでして、そういう点はただ善意でそういうことを言われても、それが世の中にはそう通用はしないと私は思うのです。それから現にこの刑事訴訟法だつて、終戰後立派な刑事訴訟法ができても、それが或る点からいろいろ改正が叫ばれて来ているような、そういう時勢なんですから、都合が惡くなれば刑事訴訟法でもこれはいつときの権力者が改正するかわからない。ですからそういうような事柄はあまり抗弁にはならんと私は思うのですが、その点はまだいろいろ聞きたいことがありますが、次にこの三條の二項に「政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対するため、」「これに反対するため、」ということはどういう場合を一体予想されておるのですか。
○政府委員(關之君) 最後のお尋ねの「反対する」ということは、ここにあるすでに成立しているところの政治上の主義であるとか、或いは施策があるわけであります。その主義或いは政治上の施策の実現を反対する、そういうものを拒否する、そういうような具体的な活動と、こういうものがこれに当るかと思います。
○和田博雄君 そうするとちよつとお聞きしたくなるのですが、まあここに大政党が政権を取る、それは非常に右の反動的な政府だと、その政府が自分のかねての主義主張から言つて、どうしてもこれは戰争をやらなければならんのだ、戰争をやるためには軍備をして行かなければならんという政策をどんどん推し進めて行きます。それに対して労働組合なら労働組合が戰争をやられたのではたまらん。一般国民も国もめちやくちやになつてしまう、これはよろしくゼネストでこれに対して抗議を申込むべきだと決定をして、ゼネストに入つたとすると、破壞活動防止法でそれが対象になつて、労働組合幹部その他全部これは引張られることになりますか。
○政府委員(吉河光貞君) 御質問のような場合は入らない、該当しないと考えております。それはここに謳つてありまする政治上の目的の絞りは主観的要件の絞りでありまして、客観的にはやはりここに列挙いたしておりまするような前述の行為を行わなければならないというふうに立てておりますので、主観的要件だけでは該当しないのであります。
○和田博雄君 まあそうだろうと思う。ところがストライキをやる、そうすると或る職場でここに該当するような事柄が例えば一部スパイが入つておつた、そのスパイが行なつた行為の結果非常に大きくなる、でき上るということになつて来ると、これはかかつて来ることになりますか。
○政府委員(吉河光貞君) 団体の規制をいたしますためには、只今申上げました通りその団体が団体としての意思決定をいたしまして、その意思決定に基いて構成員、役職員が行う行為が問題になります。それで一つの団体に異分子が混入して来まして、団体の意思決定とは関係なくいろいろな活動をやりましても、それは団体を規制する原因にはならないものと考えております。
○和田博雄君 表面的に見れば団体の行為として如何にもやられていないようであるが、実際は捲込まれてしまつて、何が何だかわからんような形で大きな事件になつたというような場合には、どういう判定を下すのですか。
○政府委員(吉河光貞君) 団体の意思決定が認められない場合には、団体の規制はかけられない建前になつております。
○和田博雄君 ということは、団体が形式的にそういうことはやらん、そういうことの例えばそういつたここに列挙されておるような事柄、殊に職務執行妨害をする、初めから執行妨害をやるつもりでストライキをやるものはありはしない。これは誰だつて表面はこういうことをやらんということの建前の意思決定ですね。そうでなければおかしいのです。併し事態はそういう意思決定が含まれていないが、併し意思決定があらかじめ含まれていたかのごとき事態がやはり出て来るのです。その解釈というものは、やはり解釈する人がこれによれば一方的に人は解釈をすることになつているのですから最初は……。だからどうしても一応この法案が全然適用されないと、こういうこの保障はどうもこの法案から出て来ないように私は思うのですけれども、その点は確かにそういう場合には、問題には全然ならんとこういうふうに一体解していいんですか。
○政府委員(吉河光貞君) 労働組合その他今日公然と活動されておられる大衆団体がかような意思決定をすることは考えられないというような御趣旨も含まれておつたと思いますが、これにつきましては私どもも全く同感でございます。併し事態はいろいろ混乱して来まして、その団体に属している構成員が偶発的にいろいろな活動行為をされる、かような行為が団体の活動と認められる危險がありはしないかというような点は御指摘になつた通りと思うのでありますが、これこそ公安調査官が証拠を收集いたしまして委員会の御判定を受ける一番大事な点の一つであろうと考えておる次第でございます。
○国務大臣(木村篤太郎君) その点の御懸念は誠に御尤もだと思います。併しどこまでもこの法案の対象になるのは団体の意思決定によつてやるわけであります。結局これはこの意思決定があつたかどうかということの問題でありまするが、この意思決定ありとするこの証拠はこれは調査庁でやらなければならん。これはちよつと法律上專門になりまするが、この訴訟上一番むずかしいのは立証責任なんです。この立証責任を負わされておるほうはなかなか事件についてむずかしい立場にあるもので、果して団体の意思決定に基いてそういう行動を起されたかどうか、その立証責任は当該団体にあるのではなしに調査庁にあるわけです。ここが非常にこの慎重な点である。そして御承知の通り法の建前としては証拠が十分でないとすれば、いずれの場合においても証拠を提出するほうの側に不利益な取扱いを受けるのであります。先ず五分々々であればさような証拠なしということにされるのが普通の例であります。どこまでもそこに証拠の立証の責任問題が起つて来るわけであります。今和田委員の仰せになるような心配はなかろうかと考えます。
○和田博雄君 私はこれは訴訟手続とかいろいろなことが非常に重大だと思いますが、それは法務委員のかたがたがいろいろ御研究になつて質問されておると思いますから、その点はこつちも省いておるわけでありますが、例えば政党で言えば、政党で綱領があり政策がある、その綱領、政策は暴力主義的なまあ共産党が暴力主義的な団体としましても、政策、綱領においてはここに言うような行為をはつきりと書かない、何も書かない。堂々たる綱領を書く、ところが地方の支部なり何なりで中央部の意思決定はそういう政策、綱領の意思決定であるが、戰略戰術という形で地方の支部でそれぞれ暴力的な行動が出るという、こういつたような場合には、これは一体支部の人だけが罰せられて行くのか、共産主義というものは暴力革命を唱える政党であるから、主義であるから、それを主義にしている政党というものは全部解散を命ぜられるということになるのか、そういう点はどういうふうになるのですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 今の御質問の要旨は、団体の支部が本部と関係なく本部の意思に基かずして、支部だけの意思決定に基いてやつた場合とこう考えております。その場合には本部には関係なくして支部だけがこの法案の対象になるのです。この法案の第三條末項において明らかにしております。
○和田博雄君 いろいろ陰謀とか教唆、扇動について聞きたいことがあるのですが、この罰則のところで第六章の第三十七條の3ですが、「前二項の罪を犯し、未だ暴動にならない前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。」とあるのですが、これは一体惡く解釈すると、これはスパイを奬励するものだと思うのですがどうなのでしよう。
○政府委員(岡原昌男君) この規定は刑法の自首の規定をそのまま受けて参りました規定でございまして、もともと刑法の内乱罪につきまして自首の特別扱いをいたしましたのは、この犯罪が大きいだけにこれを未前に防止しようというのが一つと、その自首した者に対してその主観的要件を考慮してやろうという二点にあろうかと思います。その考え方をここに受け継いで参つたものでございます。
○和田博雄君 私はこの法律的な解釈はそう聞きたくないのです。なぜならばこの刑法を私も知つておりまするからその通りだと思います。ところが権力政治の場面において、殊に政治警察というようなものの片鱗ができればそれはあらゆる面で私は惡用されるものだと思うのです。これは歴史が証明しているのですが、政治警察を正当に使つたものは今までないのですよ。そうなつて来れば仮にヒツトラーみたいに自分が勢力を得るためには、国会まで燒くようなことをやつたのですから、そういうことまで行かなくとも、何かの政党を一つ彈圧してやろう、或いは労働組合を彈圧してやろうといつたような場合にスパイ政策を行なつて、それでこういうことをやらせる。そうしてスパイは自首する。こういうことになつて来れば、罪はもともと原動力であつたものが何ら罰せられずに、そうでない人たちが罰せられたり、団体が解散されたりするような結果もないと私は断言できないと思います。政府が非常に善意だということを前提にされて、これはもう木村法務総裁は絶対にそういうことはないと、絶対を非常に使われているのですが、併し権力政治のただ中において、非常に国際関係が急迫して来て、それから国内の政治情勢というのですか、不穏になつて来たときに、一つの権力者がこの法案を惡用しないという保障はこれは私はないと思うのです。その点について一体どういうようにお考えになつているか。すべてがこううまくぐるぐると廻つて行くようにお考えになつてこの法律を作られているとすると却つて非常な拔け穴があつて、法の目的が達せられないと思うのですが、如何ですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私は一つの勢力、一つの政府ということは念頭に置いておりません。私の心境といたしましては、今日のこの国内情勢から見て、本当にこういう法案を作つておかなければ日本の国家はどうなるかと、そういう私は熱情から立案したのであります。決してさような一つの政府、一つの党派にとらわれてかような法案を立案いたしたわけではありません。従いまして運用の点については私はできる限り濫用されないように、あらゆる点から絞つてこの法案を作成したわけであります。で今の御指摘の点は、私も今和田委員のお言葉を聞いて、そういうことがあるのかなと疑いを抱いたのであります。私は正直に考えております。こういうものはやはり未然に何して、自白をすれば、これは当然ほかの刑罰法規においてもあるのだから入れておけばいいだろう、こういう考えでありました。これをスパイに使おうというような考えは私は想像もしなかつた。そういうことが従来あつたかどうか知りませんが、私の気持ではさようなことは毛頭も考えていない。従来の刑罰法規に照し合せて、かような規定が入れるのが当然じやないかということで、他意はないのであります。
○和田博雄君 私は過去における我々の経験から言つて、スパイ政治が行われたと思うのです。これも行われる可能性というのは大いにあるし、むしろ必然性さえ私はあると思うのです。法務総裁が個人的な善意ということはこれは私も疑いません。併し私は個人的な善意では私は済まないのであつて、やはり法案の上にいろいろの国民の基本的な権利が、それから又保護され、そうして社会秩序もやはり維持されて行く保障が必要になつて来るのはそういう点から出て来ると私は思うのです。これはもう何と言つたつて昔はやはりスパイがおつて、スパイにおどらされた面が相当あつたと思う。殊にこういう法案ができれば、成るほど治安維持法と違つて、国体の変革とかと言つきたよなことはもうなくなつてしまつたかも知れませんが、それに変るべきものはやはり出て来ているのです。例えば反共ということが国際情勢といつたようなことでこれは出て来ていると思うのです。殊にこういう法案が必要だということは、やはりこれは必要だということでこれが出されたのは、これは何と言つたつて今度の講和條約というものを結んで、そのあとにおける治安ということを考えられたのだと思う。講和條約というものが一つの大きな路線に沿つた條約なんです。アメリカとソ連との間の二つの対立というものを前提にして結ばれた條約です。成るほど和解と信頼とうまいことを言つて見ても、それが事実であることは世界各国が認めているのです。その一つの自由国家群の中に編入された日本が、そうして殊にアメリカにおいては、御承知のように、最近殆んどヒステリーのようにウイツチ・ハントをやつている。破壞活動の防止ということについては、いわば神経質我々が見ても神経質過ぎるくらいにやつているのです。その一つの流れが私は日本の場合にもこういう形で出ているように考えられるのです。破壞的な暴力行動というのは、我々は否定します。併し否定しますけれども、それはこういう形でこの法案が出されることは却つて非常な仲裁、却つて右翼的の暴力主義というのはどつちかというと暗に保護するような形になるのじやないかという気がしますのが、私はあのさつき三條の二において指摘しましたように、これは一つの政府の性格が民主的政府でなくて、反動的な政府というものができ上つて来る、政府のやろうとしている主義、或いは施策に反対するということは今特審局長がいろいろ説明されましたが、非常に困難になるということだけは認めざるを得ないと思つております。そうすると批判というものがなくなつて来れば、少しくあぶないものを書いてすぐ嫌疑の目を以て見られる。今みたいに、こんなときに、平和を叫び戰争に反対することは一種のタブーみたいになろうとしているときに、こういうものができてしまえばますます私はその不平は激化して来るというようにこれは心配するのです。そういう点についてこれは法務総裁とされてももう少しこれは深くお考えを私は願いたいということをまあ切に思うわけでありますが、そういつたような点について法務総裁は一体どういうようにお考えになつているか。
○国務大臣(木村篤太郎君) これはもう繰返して申上げます通りに、現下のいろいろな情勢から見て、かような破壞的暴力団体は、これは国家の治安の面から見て許すことのできない問題であると考えているのであります。これはいずれの国においてもさような暴力については十分なる取締り規定があるのであります。ソビエツトにおいても然り、これは反革命法というものにおいてはつきり書いてある。一つの政府を顛覆させるというような場合においては嚴罰に処せられる。併し我々は一つの政府を顛するということは狙つていないのであります。憲法の基本原則、これを破壞しようとするような暴力団体を規制して行こう。非常に我々としては絞りに絞つてやつているのでありまして、決してこの法案の施行において却つて治安が紊れるのじやないかというような御懸念がある向きもありまするが、私はそうじやないと考えております。これはもう差当つての必要最小限度の私は法案であると考えております。かような暴力行為を許す場合においては、これはどうしても今後の民主的平和国家を建設することはできない。深く私はそういう考えからこの法案の立案に当つたのであります。
○和田博雄君 あと意見の論争になつてもこれは何ですから質問を何しますが、続行しますが、どこの国でもこういう法案があるということはこれは私も知つております。併しそれはそれとして、やはり一つのその国のいろんな理由があると思うのですが、これはこういうように感ずるのです。これがまあ各言論界がみんな心配しておりますように、そうして或いはあらゆる人たちが又公述人の意見を聞いて見ても、みんなが思想言論の圧迫になる。そういう権利というものが非常になくなつちまうくらいのみんな心配しているわけですね。で憲法に規定した基本的な制度というものは何かと言えば、これはやはりその一つは言論結社のこれは自由だと思う。これはやはり日本の憲法が規定した基本的なこれは制度だと思うのですね。今まで自由国家群の諸君の言つて来た、アメリカなんかの言つて来たのは、独裁には反対だ、これは私も反対である。自由ではないからだ、こういうわけです。リバテイだということは盛んに言つた時代、フリーダムということは、そのフリーダムを独裁を否定するところの人たちが……。自由というものを暴力破壞活動防止という名の下に自由というものを非常に制限して無にひとしいようなものにした場合に、一体独裁は駄目だと、共産主義は駄目だという一番大きな論拠を自分で失つてしまうのではないかと思うのです。自分で自分の墓穴を掘るものではないかと私は思う。自由があるからこそ共産主義というものはいかんのだということを今までいつて来た、リベラリストは。自由というものは非常に貴いものだと思う。それがこういう形で言論、結社の自由を形式的にはうまく述べておるようでありますが、その慮れが多分にあるのです。それで当局を除いて皆心配しておる。それで自由がなくなりみんながおびえて正当な言論もしないということになつたとき、一体それは直接に、この法案の説明によれば、それほど緊迫していないところの破壞活動を防止するという目的以上に、もつと例えば角をためて牛を殺すように非常に国家に惡影響があるのではないでしようか。今まで治安維持法があつて人間が自由にものを考えることができなくて、あるところまで行くとこれが国体、私有財産というものにぶつかつて来る。それで思想、頭の中で考えていることまでも自由がなくなつて来たとき検閲制度なりがあつて引張られて来て、今までどれだけ若い優秀な人が人格的に破産し無駄になつてついえ去つてしまつたかということを考えると、私はその弊害のほうが出てくる、この法案が出て惡用されればそれこそ又もう一ぺん日本がフアツシズムの途をとぼとぼと歩んで行くことにならざるを得ないと思うのです。再軍備の問題をめぐり、或いは日本の経済の発展の上にいろいろ横たわつている障害を思つたときに、政府の意図されていることよりももつと惡いことに対して意図されていることが達成されずに逆の効果が多いと思うのです。だから私は最初にこういう法案を出すなら、緊迫しておつて現実に関連しておつてこういう程度に取締られるのだということがはつきりしなければ、今日推定だけによつて大きなマイナスを持つておる法案をこのまま出されることは、私は木村君の善意は疑いませんが社会的なやはり影響という点から見ればもつと考慮する点があると思います。併しこれは意見になりますからこれ以上お答えしなくてもよろしうございます。私はそういうことを非常に心配しながら今日の質問をしたということを一つ御了承願います。
○国務大臣(木村篤太郎君) その点について、甚だ私も自由を愛する点においては和田委員に劣らんと思つております。私は常にパンよりも自由を欲するという気持であります。自由なきところにおいてパンがあつても仕方がない。自由の人間であつてこそ初めて人間といわれるのでありまして、自由のない社会においては私はパンがあつてもこれは人間でないと考えておるのであります。そこでこの法案を戒々が作成したときにおいては自由を守らんがためと考えております。今緊迫しておらないではないかという話でありますが、成るほど如何なる団体が大きな組織をもつてかような破壞活動を行なつておるかという立証の点においては、不十分ながらまだ我々は申上げることはできないのでありまするが、併し現実の事実として破壞活動が日々行われておるということは、これは目をおおうことはできません、現実にあるのであります。これが一度国際関係を持ち国際的つながりを持つて行われたときにおいて果して日本の国がどうなるであろうか、それこそ我々は自由は喪失するのではないか、これを憂うるのであります。これが我々は自由を欲するがためにこの法案を作成したゆえんであります。いろいろこれによつて人権が蹂躪される、殊に言論は圧迫されるんじやないか、こういう仰せでありまするが、これは無論我々も言論は言論に対し、出版は出版に対処すべきであるということは毛頭も疑いはないのであります。共産主義に対しては又思想を通じての考え方もありましようがそれは学者に委ねてよかろうと考えております。併し我々の狙うところはいわゆる共産主義そのものを対象にしておるわけでは何もありません。共産主義大いに研究してよろしい。我々も甚だ失礼の話でありまするが唯物史観については相当教えられるところがあります。実に論理整然たるところにおいては頭が下るのであります。併しその裏においての暴力を以てこの社会を破壞しようとすることにおいては我々は断固としてこれは対処しなければいかん、そこであります。そこで言論におきましても、この暴力行為を現実に起そうという意図を持つてやろうということについて我々は対処して行かなければなりません。その点を我々は憂うるのでありまして、それ以外のことにつきましては我々はどこまでも言論の自由、これは守るべきであり又守つて行きたいと、こう考えておる次第であります。
○和田博雄君 それは議論は私はもう今日はやりませんが、木村総裁は個人的には善意であるということに解釈しておきます。 小さいことですが、ちよつと聞きたいのですが、三十二條の四項です。この公安調査官が持つて行つた物件の中で「価値のない物件は、」というのがあるのですが、その価値というのは、誰が判定するのですか。どういう意味ですか。
○政府委員(關之君) これは判定はもとより公安調査官におきまして判定いたしまして、廃棄し、保管に不便の物は公売して代価を保管するということに相成るのであります。そこで実は新しい刑事訴訟法に同様な規定がありまして検察庁において然るべき措置をいたしておるのであります。それらの関係からかようなことをいたしたのであります。これにおいてはさような判定をいたしまして、勿論行政的な訴訟を以て争う途は残されておるのであります。勿論これらにつきましても価値のない物をやたらに判定することは勿論不可でありまするから準則を設けまして愼重を期したい、かように考えておる次第であります。
○和田博雄君 これは実際この公安調査庁は一つの目的をもつてこれは持つて来ているわけですから、だからその調査の目的の上からいつては、価値のない物ということになるでしようが、そうでなくて、これは調査庁にとつては価値がなくても、個人にとつては非常に価値のある物というのがたくさんあると思うのです。殊に今までの例を見ても相当価値のある物が実はどつかに行つてなくなつてしまうのですよ。例えば僕らなんかでも実にちやんとノートに書いたものを持つて行かれてどこに行つたかわからない。ところが研究とか何とか個人の生活にとつては非常に重要なものだ、それがただ価値がないといつて廃棄されたり何かして、法律にこういう規定があればもう救いようがないですよ。そういう点で一体どういうふうにやられるのか、これはその点はどういうふうな解釈になるのですか。価値論というのは、私有財産権をこれは不当に制限するものだと思うのですが。
○政府委員(關之君) お尋ねの点は誠に御尤もな御疑問であります。このただ価値のないということは、今お尋ねのように社会的に見ましてどうもどうにも利用のしようのないものだ、全く二束三文のものだという意味の価値のないという考えでありまして、勿論ことは二項、三項におきまして還付することが原則でありますから、所有権の侵害という問題に関連いたしますことでありますが、決してかりそめにも独断に利用の価値あるものを勝手にそれを解釈することはいたさない、又いたすべからざることであると考えておる次第であります。(「書かなければいい」と呼ぶ者あり)
○和田博雄君 結局そうすると、捜査をして証拠書類を持つて行くときのやり方が惡いと思うのであります。何でもかんでも一応持つて来てその中から選ぶということになると思うのです。そうすると、これは非常におかしなことになるのでありまして、こういうところに、この法律は言葉のほうでは非常に立派なことをいわれておるけれども、いろいろやはり我々は細かく調べてみるとぼろが相当あると思うのです。こういうふうにむしろどつちかといえばやはり返すということについて、これは嚴密に守るということにしてもらいたいと思うのです。
○政府委員(關之君) この法案におきましては強制的に提出せしめると言つておるわけではありません。すべて三十二條の物件につきましては三十條から以下に書いてありますが、すべて相手方が任意に提出したものに限定されているわけてあります。それでさような物件は三十二條の一項、二項、三項によりまして返すことが原則になつておるのであります。全部返すことが原則でありまして、その返す場合におきまして、これは刑訴にもある用語例でございますけれども、今申上げたような意味合によつて二束三文で殆んど住所が知れないとかいろいろなことで還付ができないというような事態におきまして第四項が働いて来るわけでありまして、できるだけ住所が知れますれば全部返すということが原則になるわけであります。
○和田博雄君 住所が知れない場合というようなものが相当あるのですか。
○政府委員(關之君) それはそういう場合があり得ると考えられるのであります。
○政府委員(岡原昌男君) なお刑訴における証拠品の取扱につきましての実情を申上げますと大体おわかり願えると思うのでありますが、刑訴におきましては押收捜索いたしまして領置いたしました場合に、それが証拠的にはいろいろ価値ある場合と、それから客観的な価格の面からいいまして価値のある場合と、こうございます。そこでここにある「価値のない物件」と申しまするのは、客観的に見まして経済的な価値のないというふうな意味合でございまして、原則として検察庁におきましても裁判所におきましても沒收以外の物は返すという建前になつております。ただ例えばよく本のメモ式に書いた秘密のレポ、二つか三つの文字が書いてあつたといつたような紙きれ、或いは刑事訴訟の関係でございますが、手拭のきれはし、下駄のはなおといつたようなものが現実にございます。そのような場合も一応還付の手続というので、社会的に価値があるという場合には全部はがきを出しまして受取りに来いということをいたしますけれども、実際には受取りに参りませんのでさような場合には全部廃棄処分をいたします。そのような取扱にこの場合も全部なろうかと考えております。
○委員長(小野義夫君) それでは内閣委員の各位の御質疑は通告のかたがたが終りましたから只今委員長とも御相談申上げましたが、内閣委員との連合は本日を以て打切ることにいたしたいと思いますからさよう御了承を願いたいと思います。 次に地方行政委員のかたの御発言を願います。
○岡本愛祐君 私が初めに法務総裁にお尋ねしたいと思つたことは只今和田君から同様のことをお尋ねになりましたので省略してもいいのですが、少し角度を変えてお尋ねしてみたいと思います。 一昨日の法務委員会の公聽会で、公述人の一人である海野普吉君が、政府は我が国の治安の現況を故意に又不当に過大視しているのであつて、共産主義の破壞行動については政府の発表を額面通りにはどうも受取りにくい。一連の暴行破壞事件があつたことは否定はしないけれども、かかる行為が共産党の指令に基くものであるかどうか非常に疑わしい。まあ政府は非常に共産党の暴力革命というようなことを声を大にして言つているのだ、そうしてこういうような破壞活動防止法案といつたようなものを出すのだと、こういうふうに公述をされております。そこで和田君も質問されて、政府は果してこういう緊急な事態がある、それでこの法案を出すというふうに考えているのかどうかという質問であつたのであります。法務総裁の御答弁は、そういう疑いはあるけれどもこれは疑いの程度だというふうにお答えになつているのですが、果してそうでありますか、それを先ず伺いたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) 御承知のように各地に暴力的破壊活動が行われていることはこれは現実の事実であります。それらの点につきましては今総力を挙げまして検察庁において取り調べております。ことにメーデーのときのあの様相から考えまして、必ずや背後にこれを指導している者があるのじやないかというような観点からそれを今捜査中であります。私は疑いは十分にあるということは申上げるのでありまするが、併し政府の要路者として、はつきりした実証をつかまずしてさような組織を以て行われているのであるというような断言はこれは愼まなければならんと考えております。併しながら今申上げましたように、全国各所に行われている暴力破壊活動については十分に組織を以て行われているという疑いはかけられるわけであります。さような意味におきまして組織を以てかようなことが行われているということにおいては、将来日本のありかたといたして、これは是非とも何とか対処しなければならん、こう考えているのであります。法案の狙いは全くそこにあろうと、こう考えております。
○岡本愛祐君 そういたしますと、政府がこの法案を提出される理由は危険をひしひし感じているから今直ぐ出すというのではなくて、そういう万一の危険に備えて、そうしてそういうものが起つたときに治安を混乱状態に陥れしめないために予防的にこの法案を出すのだということでおありになるのですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私は必ずしも将来だけを考えてとは申しません。現実にさような組織を以て破壊活動をする団体がある疑いがある、こう申上げるのであります。
○岡本愛祐君 予防的というふうにもお考えになつているのじやないかと思うのですが、それはこの第一條や又この全体を短して見ますとこの法案の狙いは二つある。一つはそういう破壊活動を団体の活動としてするものを解散してしまう、それが一つの狙い、又停止をする、取消をすることもあります。もう一つは今の刑法では、内乱罪を例にとりますと、暴動の予備、陰謀の程度にならなければ取締をすることができません。だからそれでは危険であり、足らないからこの教唆、扇動というものを入れるのだ、又そのほかにいろいろの文書等の制限もするのだということになつていると思うのであります。その点が国民の非常に危険に感ずる点でありまして、立法の目的は団体の規制ということ、それのみならず刑法の足らないところを補う面、これを出しているということになるのだろうと思うのであります。そこでこの刑法を補う部分の構成ですが、これは刑法のほうに補つたらいいんじやないか、こういう特別立法でやらなくても、刑法の改正ということにしたほうがいいんじやないか、こういうふうに思うのですが、その点はどうですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 申すまでもなく刑法はこの刑罰の基本法であります。この基本法を容易に手をつけるということは、これはいろいろな観点からよくない。而も本法案におきまして団体を規制して行こう、その団体の規制のもとになる一つの活動がある、今岡本委員の仰せになりました教唆、扇動、こういうことになつております。この面から考えましても一つの法案においてこれを織込むのが極めて妥当じやないか、こういう観点から刑罰の補正をこの法案においてしたわけであります。
○岡本愛祐君 刑法がこれは個人を罰するといいますか、収締る法規である、団体を対象とするものではない、それでこの破壊活動防止法案によつて団体の規制をするのだということはよくわかつておりますが、併しもう一つの狙いとして、この法案が今申した刑法の補足で、つまり刑法は個人の処罰を対象とする面を持つておる、で刑法は基本法だから変えないのだとおつしやいますが、刑法といえども法律なんであつて、憲法ですら今変えたらいいんじやないかという議論が起つておる際でありますから、刑法も変えられないことはないけれども、殊に国家の存立に関する大事な問題を刑法では足りないということであればやはりそれを改正をして、そして刑法の基本法たる補いをつければいいんじやないか、こういうふうに思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 今申上げましたようにこの法案は主として団体を規制すると共に、その団体について行われた刑罰、処刑を補正して行こうということにあるのであります。而もこの法案は刑法から比べますると暫定的な法律であります。私はかような法案の必要のない時期の一日も早く至らんことをこいねがうのであります。日本のこの行政が本当に民主的に文化的に平和的に行われておりますればこの法案の必要はありません。何人がこんな法案を作りましようか。私はこの法案を作りますことについて深く思いをいたし、いわゆる日本の将来のあり方、現在の日本の治安の混乱を見て是非とも必要であろうという観点からこの法案を作成したのであります。この法案の必要のない時期の一日も早く至らんことをこいねがうのであります。いわゆる刑法に比べますとこの法案は一種の暫定的と申しましても私はよかろうかと考えております。その点今繰返して申しますが、この刑罰補正ということは団体を規制するに伴つての一つのこの刑罰補正でありますから、この法案にこれをさし入れるということは極めて妥当であろう、こう考えております。
○岡本愛祐君 その点がまだその御答弁じや納得できない。もう団体の規制をするのに、つまり解散を命ずるのに刑法の規定では団体が規制できない、その点はわかつているのです。併し刑法の内乱罪とか騒擾罪とか殺人罪とかいろいろのものを拾つて来ましてまだそれでも足らない、それが足りないもので今度はその教唆罪の教唆及び扇動というものを持出して来た、又文書、図画の印刷、頒布、公然掲示というようなものも持出している。これは勿論頭にいろいろなことをかぶつておりますが、やはりそれは刑法の足らない部分を補うものじやないか。現在その範囲のことを団体としてやればこれは団体が解散させられる、個人は勿論その刑法に該当して処罰される。こう行くべきではないかと思うのですが、この解散をするのに伴つてこういうふうな破壊活動防止法案のなかにそういう刑法の実体規定のような個人的処罰の規定を設けて行くのだというお答えじやどうも私は納得ができない、もう少し詳細に法律的に御説明願いたい。
○政府委員(佐藤達夫君) 技術的なその角度から考えますならば、お示しの通りに刑法の一部を改正することも勿論考えられることでありますし、かような形も勿論考えられるのであります。而もその同じくいずれも法律てございまするからしてその効果においては何ら通いはないわけです。従いまして技術的に結局なぜ刑法の改正をしなかつたかという理由ということになるわけであろうと存じます。まあこの従来の例を見ましても、御承知の暴力行為等の処罰に関する法律その他必ず中に組込まれるような事柄を刑の法律できめたような例もございます。公選における罪などのごときも現在は公職選挙法の中に入つておりますが、昔は刑法の中にそういうふうなことは入つておりました。結局今法務総裁からお答え申しましたような、これがその国家百年に亘る基本的の刑罰法規として今この際きめるということでありますれば、これは刑法の改正という問題が出て参りましようけれども、それは只今のような趣旨で総裁が述べましたような趣旨から立案されておりますので、事実上の便宜としてこの法案のほうに組入れたということになろうかと存じます。
○岡本愛祐君 この立法は臨時的なものである、恒久的なものじやない、こうおつしやるのですが、まあ団体の解散というようなことはそう思われるのですが、片一方のほうは必ずしもそうは思えないと私は思うわけであります。これは併し議論になりますからこの点はそういうふうにお聞きいたしておきます。 それからもう一つこれに関連してお尋ねいたしますが、若しこの法案のように決定をいたすことになりますと、今までの騒擾事件、例えば皇居前のメーデーのときのあの騒擾、そういうようなものが刑法では個人的に考えて予備、陰謀というようなことまでは行かないが、教唆、扇動の程度であるというようなことによつて、その団体の解散の範囲が広くなつて来るということがあり得るのですが、これができたときに直ぐその成る団体の解散というようなことが起るかどうか、その点をお尋ねしておきたいと思います。で、それはまた団体活動としてという第一條のそれに当てはまらないからそれはできないということになりますか。
○政府委員(吉河光貞君) お答え申上げます。例えば政治目的を以ちまして騒擾を行う、かようなことが或る特定の団体の団体活動として行われたといたしますと、その団体はこの法案におきましては破壊的団体であると認められるわけであります。この団体が継続文は反復して将来更に暴力主義的な破壊活動を行う明白な危険が立証されまするならば、その団体について規制がかけられるわけでございます。又この本案の実際の運用といたしまして、第三條に刑法に規定していないような予備、陰謀、教唆、扇動等の行為を補正いたしましてこれに所定の罰則をかけております。で、これはこういう行為が個人として行うのでありましても、現下の事態におきましてはこれを取締らなければならない十分なる社会的違法性と危険性があるという建前に立つているわけでありますが、実際になりますると或る団体が団体活動として騒擾をやろうということを決定いたしましてすでに武器を集める、予備をやるというような場合につきましては、その段階において若し事態が把握されまするならばその団体につきまして規制をかけることができる、破壊団体として認定することもできるわけであります。又刑事上の板締の面におきましても、皇居前広場事件の前夜においてすでに武器が成る地点に集積されておる、明らかにこれは騒擾に使う武器であるということが発覚いたしますれば、その段階においてこれを検挙することができる、かような運用になるものと考えるのであります。 そしてこの法案を立てました根本の理由は、先ほど来法務総裁からも御説明いたしました通り、現下の段階におきまして内乱ということを実践課題としてすでに提唱した団体の存在を疑うに十分なる理由がある。すでに過去数年前におきましてはなかつたような問題、日本において現実に将来において内乱を実現しよう、このための準備を進めようということを実践課題としてすでに提唱いたしまして、この準備のために活動している団体の存在を疑う理由が十分にあるというところがこの法案を立案いたしました根拠ではなかろうかと考えております。
○岡本愛祐君 少し質問の仕方がまずかつたのですが、私の言いますことはこの法案が成立したときにおきまして、今までの或る団体の行動その他としてこの法律にかかつて直ちに解散を命ぜられるというふうな事態になるか。それ今までいろいろの不法行為が出ております。それは個人として処罰されるのはこれはわかつておりますけれども、個人のほかに団体の解散というものが、この法律案が通ることによつて、更に大きな事件が起らなくても解散がなし得るようなことになるか。それは団体の活動としてということか実証がまだできないからそういうことはできないのか、それをお尋ねするわけです。
○政府委員(吉河光貞君) お答えいたします。現在又は過去におきましてこの法案に規定されておりまするような暴力主義的破壊活動を団体の活動として団体が行なつたという事実が実証されまするならば、この法案が成立した後におきまして、これに継続文は反復して将来更に暴力主義的破壊活動を行う慮れがあるということが認められればこれを規制することができるものと考えております。この点につきましてはどういう団体がそれでは現在又は過去におきまして暴力主義的破壊活動を行なつたかという点につきましては、目下鋭意調査中でございます。
○岡本愛祐君 それでは次に移りまして、この法案が文筆人、学者等に非常に恐れられておるのは、先ほど言つた二つの目的のうちの一つのほう、つまり個人がこの刑法以外に第三條に規定せられることによつて処罰を受けるという点であろうと思います。それでこぞつて反対をしておるのでありますが、この法案によつて幾分破壊活動を防止ができると思います。併しそれと言論、思想に対する制約の害とがどちらが大きいか、この点を我々としては十分考慮をしなければならないのであります。それでその考慮はこの第二條を法務総裁が考えられて入れたからいいじやないかとこういうふうなお話でありますが、それは第二條はおきまり文句のようなものでありまして、当然のことが書いてあるのに過ぎません。注意短足であります。そこでそういうような腐れを具体的に除く考慮がどういうふうに払われておるかという点をお尋ねしたいのであります。必要欠くべからざる範囲を超えてそういう基本的人権である言論、思想に対する制約というような支障を他に及ぼすことがないようにどういう保障がつけてあるか。第二條じやないのです、第二條以外におきまして、そうして又言論、文筆家の恐怖を濃くし、この間も誰かが公述されましたが、恐怖からの自由を奪うというようなことがないようにどういうふうにしてあるか、その点を具体的に法文上についてお示しを願いたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) 一応概論だけ私は申上げておきたいと思います。前回申上げました通りに、いろいろ公述人は申されたようでありまするが、私はこれで言論が抑圧されるものなんというようなことをどうして考えられるか、むしろ私は疑問に思つております。余ほど負けて考えられない限り。申すまでもなく我々はどこまでも言論の自由を認めなくてはならん、これはもう当然のことであります。併し言論といえどもこれは無制限なものじやありません。何を育つてもいいのだということじやありません。おのずから言論といえども成る種の制限を受けるのは当然であります。これはいつも申上げるのでありますが、憲法第十二條において如何なる権利といえどもこれを濫用してはならない、公共のためにこれを利用する義務を負うということを規定されておる。この大原則の下に言論の自由があるものと考えております。無制限に言論の自由があるのじやありません。そうしてこの法案で規制するのは、言論といえども国家の基本秩序を乱すことを意図してやるそういう言論は、これは国家の治安の上から規制すべきのが当然であると私は考えておるのであります。学者は往々にしてこのようにして言論が抑圧されると言う。それでは学者が自分で内乱を扇動したりするような言論をしようとするであろうか、そういう自由を欲するのであるか、私はこう言いたいのであります。とんでもないことであります。幾ら自由人であり、学者であるといえども、国家の基本秩序を乱すような言論をしていいとお考えになるであろうか。どこまでも私は国家の基本秩序を維持する上においてさような危険な言論というものは或る種の制限を受けるのは当然であろうと考えております。何としてもこの法案の基くところは只今申上げました通り、国家の基本秩序を乱さんとするような暴力行為を扇動したりするような言論を規制して行くことにあるのであります。普道の正常な言論はこういう法案の対象となるべきものではない。又そういうことを規制しようというような意図は毫もないということをここで申上げたいのであります。面して第二條の「必要且つ相当な限度」と、こういう文字を使いましたのは、この法案の目的とするところは全く他意はない、全く公共の安全の確保というところが狙いでありますから、その確保の必要な限度においてこれを行うということを原則として設けたのであります。「必要且つ相当な」、必要であつても客観的に見て妥当な線を越えては相成らん。必要だからといつて妥当な線を越えてはならない。必要にして且つ相当な限度においてこの法律を施行して行く。この準則をここに定めてあるのであります。さような意味でありまして。
○岡本愛祐君 今の法務総裁の御答弁は答弁にならないのでありまして、二條のことはもうこれはわかつておる。二條以外において三條で私は用意が足りないと思うのです。三條のロ又は二号なんかについて言葉に用意が足りない。もつとそういう慮れがないようにしなければならないのじやなかろうかというので質問したのでありまして、法務総裁がおつしやるように文筆家なんかで内乱を扇動するというような意思を持つている人は極く少数であろうと思います。それなのに挙つて恐れておるというのは、政府のほうから他意はないと言うが文筆、文章にその人が内乱を扇動しておると言つてひつくくられる虞れがあるからでありまして、だからそういう必要はないのだとこうおつしやつても恐れるほうは恐れるだけの理由があります。だから第三條第一号のロなんかについては僕は衆議院の修正でロとハとできまして、この修正はわかりやすくて結構だと思います。併しそれでもなお足りない。これにもつともつとそういう虞れのないように工夫をして基本的人権を保障しなければならないのではなかろうか、こう言うのであります。このロ、ハでは表現が足りない、もつと周密にその虞れを除かなければならんとこう思うのです。その点はどうですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) ここでこの法案においては正当なる言論はどこまでも自由に任せよう、ただこの国家の基本的秩序を破壊するというような「行為の実現を容易ならしめるため、」これで一つしぼつてあるのであります。そうして「その実現の正当性若しくは必要性を主張した」、そこで又一つしぼつておる。この二つのしぼり方において相当のこの法案の実施面において慎重性を私は打つておると考えておるのであります、この二つのしぼりにおいて。いやしくも言倫は抑圧してはいかん。言論は規制すべきでない。ただこういう破壊活動について実現を容易ならしむるような目的をもつて、面してその正当性、必要性を主張して直接危險に陥るような言論はこれは規制して行く、こういう考えでこの法案を作成しております。
○岡本愛祐君 それで少し字句に入つて参りますが、今おつしやつた正当性とか、必然性とか、又第二條に返りますけれども、「必要且つ相当な限度」とか、不当に正当な活動を制限するとか、又「これに介入する」とか、そういうふうな認定は誰がするのか、誰がこれが正当であるか、これが必要且つ相当かということはこれを認定するか。
○政府委員(關之君) お答えいたします。各條文に亘つておるお尋ねでございますが、先ずこれを通じての問題といたしまして、例えば第二條におきましても、その「正当な活動」であるとか、或いは第三條の「正当性」「必要性」というような言葉はやはり基本的には健全な社会の通念によりましてこれを解釈するということが一つの基礎的な問題であろうと思うのであります。社会的制約としての言葉の意味するもの、それが先ず基礎に相成るかと思うのであります。それを逸脱して解釈いたしますれば、裁判所におきましてさような解釈はいけないということになつて違法と相成ろうと思うのでありまして、さような社会的な制約としての言葉の持つ正しき意味、健全なる社会通念が解釈の基礎となるのでありまして、例えば第三條の「正当性」「必要性」これは第一段階におきましてはもとより公安調査官が一応さような疑いを以て調査いたしましてやるわけであります。そうしてそれを長官におきましてこれをそれに当るものであると認定いたしますならばこれを委員会に請求するわけであります。そうして委員会におきまして又独自の立場におきまして、果してその事実がこの正当性、必要性に当るものであるか否かということを認定するわけであります。その認定につきまして不服のある団体につきましては裁判所に訴えることができるわけであります。結局これは裁判所の司法的な解釈に統一される。結局におきまして、最高裁判所におきまして認定されるそのものが国家の公権的な解釈の決定的なものになる、かようなふうに考えているわけであります。
○政府委員(吉河光貞君) この三條につきまして只今御質問があつたのでありますが、御承知でもございましようが、内乱というような重大な国家の運命にもかかわるような犯罪が行われ、これが相当大規模な長期の期間を以て推進されるというような非常に近代におきましては世界の歴史が証明しておりまする通り、非常に大規模な形態を以て行われるものと考えておるのであります。この内乱がいよいよ準備され、内乱勃発の前夜に至るいろいろな行為がそこに現われて参りまするが、これを意識的に内乱を推進して行く行為につきましてはいろいろな準備行為があると思うのであります。そういうような行為につきましてもすべてこれを取締の対象とするというような立て方をいたしますると、非常に広汎な規定を設けなければならんような立場にもなるのであります。この立案に当りましては飽くまでそういうような点につきましては濫用の危険、或いは拡張解釈の危険ということを警戒いたしまして、刑法の基本的な内乱に関する諸行為を基礎といたしまして、これに刑法上従来使われている教唆或いは扇動、或いは実現を容易ならしめ、その実現の正当性、必要性を主張した文書の印刷頒布とかいうような、最も悪質な、最も危險な行為に限つてこれを規定したわけでございます。この実現の正当性又は必要性を主張した文書の印刷頒布というのは、いろいろな形で行われる革命実現のための各種の宣伝行為のうちの最も典型的な、最も危險なものを取上げて規定いたしたような次第でございまして、この法條の面につきましては恐らくそれ自体としては濫用の危険は極めて少いのではなかろうか。実際の問題といたしまして調査官なり捜査官なりがこの規定を運用する場合に、この概念を理解しないで不当に解釈して該当しない者までも疑いをかけてひつかけるというような実際の面における濫用があるのではなかろうかというような点が先般来公述人の御説明にもありました。この点につきましては、この法案に規定されておるような第三條の概念につきましては法務総裁におかれましても検事総長を通じ、或いは検務局を通じまして検察官に十分に御了解を願うのみならず、警察官に対しましても検事を通じ、又私どものほうからも十分にこの普及徹底をさせるというようなラインで濫用は十分に戒めて行きたい、かように考えておる次第でございます。
○委員長(小野義夫君) ちよつと岡本委員に申上げますが、法務総裁は四時から約束がありまして今退場したいと申出でられておりますが、総裁に対する何かございますか。
○岡本愛祐君 それでは総裁にお尋ねいたしますが、私は法務総裁の善意を疑いませんが、この総則ではまだ用意が足りないのじやないか、それで皆が非常に恐れを抱くということになるのでありまして、まだいい字句は思い当りませんが、今吉河局長が言われたことで、言つてみれば、この法律の字句は最小限度に解釈をし、決して拡張解釈をしてはならないというような積極的な文句が足りないのじやないですか。そう思うのでありまして、これは一例ですが、もつともつと用意を十分にすべきじやないか、これを申上げておきます。法務総裁の御意見を伺つておきます。
○国務大臣(木村篤太郎君) この二條の規定は、これは私からいたしましては言わずもがなの規定でありまして、いやしくもこういう法律を施行するについて係官が濫用してはならん、これは当然の事理であります。併しながらこの法案の実施につきましては、特に注意を與え、特に愼重な態度を以て臨むべき、これは充足規定として入れたのであります。従いまして、これに基いてこの法案の実施の任に当る者は、御心配のようなことは昔の時代と違いますから十分に私は防ぎ得るのではないか、こう考えております。特にこの法案について私がしばしば申しましたように、昔の治安維持法のように警察官吏が自分の独断で以てすぐこれを逮捕したりするようなそんな建前はとつていないのであります。どこまでも慎重に、最後の線においては委員会でこれを決定する、面してその委員会に対して不服があれば、地方裁判所に申出、事件の審理をさせる建前から申しまして、十二分に濫用の点は防ぎ得ているものと、こう私は考えているのであります。
○岡本愛祐君 実は今申しましたように、この総則におきまして、もつと以上のようなおきまり文句でなくてこの法律は特に濫用を禁ずる、拡張解釈はしていかんというような積極的な規定をすべきである。それは先ほどお尋ねしましたように、「正当」とか「必要且つ相当」とかいうのは結局裁判を待つてきまるのでありまして、その突差の決定をいたしますのは調査官、又審査委員会でもいたしますが、そういうところでも拡張解釈をしてはいかんという新たな規定があれば、最小限度に解釈しなければいかんというような規定があればそれだけの心がまえを持つてやります。そういうことがどうしても必要ではないかと私は思うのであります。で、万一この二條の規定に違反をして「必要且つ相当な限度」以上に越えてこれを濫用した場合、憲法の保障する国民の自由と権利を不当に制限した場合、労働組合その他の団体の正当な活動を制限して又これに介入した場合、こういうときには措置はどうするのか、その他の措置をなぜここに明らかにしておかれないのであるか。これも積極的の規定が要りやしないか、こう思うのであります。それに対するお答えを。
○国務大臣(木村篤太郎君) これはひとしく国家公務員でありまするから、公務員にしていやしくも職権を濫用した者については、刑法において百九十三條の処罰規定を設けてあります。又これは行政に関する問題でありまするならば懲戒処分の規定もあります。その方面において私は手当はできるのではないか、こう考えます。
○岡本愛祐君 それではこれから少し字句になりますから、法務総裁は私は今日は……又別の機会にお伺いいたします。じや続けて字句に移ります。 先ず問題になつております第三條の扇動というのであります。これも公聴会におきまして牧野さんは、扇動は教唆の一種ではないかと言つておられます。瀧川幸辰君は扇動、誘惑その他の行為を以て教唆したものと、こういうふうに教唆若しくは扇動ということを書き替えたほうがいいのじやないかというふうに言つておられるのであります。で扇動はその結果として実行したことを必要としないのだというふうに御解釈したように思います。牧野さんとか瀧川さんの御意見、これはどういうふうにお考えになるのか、又それでは不足であるか、これについて御答弁を願います。
○政府委員(岡原昌男君) お尋ねの扇動と教唆の問題でございますが、扇動という言葉は従来法律用語としては使い慣れた言葉でございまして、判例法的にもほぼ確定した概念でございます。簡單に申上げますると、その定義は不特定又は多数人に対して中正の判断を失わしめるような手段方法を以て、その他人に対して刺激を與え、その刺激を與えて或る者には犯罪の実行を決意せしめ又は成る者に対してはすでに決意したその決意を助長せしめるというふうな意味を有する刺激を與える、かように定義しているようでございます。それで、教唆との関係でございまするが、教唆は御承知の通り大体特定人に対しまして犯罪行為の決意を生ぜしむるという点に意味があるのでございます。ただこれが独立罪として規定されましたことに並べて規定されました場合におきましては、これは国防保安法或いは戰時刑事特別法において見たのでございまするが、そういつた場合にこの両者の概念が若干ダブる面が出て参ることは御指摘の通りであります。そこでただ実際問題として只今申上げました通りその手段方法において違つたものがございます。それからその與える影響におきましても或る意味におきまして、すでに判決をしましたものに対しては刑法上の従犯的な幇助的の関係に立つわけでございます。そしてまだ判決の確定しないものに対しては教唆的な影響力を及ぼす、つまりその二つを包含しておるわけでございます。そしてこの扇動と教唆と区別しておく理由は、さような中正な判断を失わしめるというような手段方法が、現下の情勢に鑑みまして非常に人の心を不適当に刺激いたしまして、容易に犯行に駆り立てるというふうな点に意味かあるわけでございます。それで牧野先生或いは瀧川先生等がこの点についていろいろ公聴会でお話された要旨も、私承わつておりまするが、大体昭和五年頃から約十年かかりまして昭和十五年に発表になりました刑法の改正案におきましても、かような年月を通じて在朝在野の学者それから法曹人が慎重に審議を重ねた末の結論でございますが、それにも教唆と扇動を並べて規定してあるような次第でありますので、いずれも独立罪として規定してあるようなわけでございまして、概念的には別個のものと理解しておるわけであります。
○岡本愛祐君 そういう実例は知つておりますが、併しそういうこれまでの書き方とか何とかということにかかわらず、扇動ということは非常に恐れられておるのでありますから、こういう法律を作るときには、例えば瀧川さんの言つた扇動、誘惑その他の行為を以て教唆したものということにすることで足りやしないかと私は考えるのであります。それではなぜ悪いか、それではどういうものが実際的に漏れるか、それでは困るかということを一つ例示して頂きたい。
○政府委員(岡原昌男君) 大変議論か抽象的になりますのですが、つまり扇動の與える影響力というものが一只今申上げました通り或る岩に対しては犯意を生ぜしめるもの、或る者に対しては犯意を助長せしめる程度のもの、その後段の助長せしめる程度のものというものについての概念のダブリがないわけでございます。そこに外れる面が出て参るわけでございます。 それからもう一つは相手方の特定、不特定の一つの大きな要素と考えられておるのでございますが、さような点において扇動で賄わなければならん面が出て来るのではないだろうか。この概念が簡單に、或いは完全に合致しておりますれば、或いは完全に一方が他を包構しておりますれば、これは問題がないわけでございます。ところが或る点において外れ、成る点においてダブルという点でこの存在理由があるわけでございます。
○岡本愛祐君 多少そういうふうにずれができますが、そのずれのできた分ぐらいどうでもいいのではないかと私は言うのです。でその扇動、誘惑その他の行為において教唆したものと、こう言えば、その程度のことを取上げれば、そのずれのできた分はどうでもいいじやないかと、そういうふうに思いますか、その点でどうしても困るという意見を言つてもらいたい。
○政府委員(岡原昌男君) もう少し具体的に申上げますると、例えば成る文書、内容的にはこの三條の一号のハに該当するような文書を、すこぶる広範囲にまいたというふうな場合におきましては、その相手方に徹底しない、併しその影響力たるやすこぶる大きい、面も悪質の影響を及ぼすというふうな場合があり得るわけでございます。さような扇動行為につきましては教唆を以て律することができませんので、これをここに拾つておく次第であります。
○岡本愛祐君 併しそのハの例を引かれますがハは別なんです。ハは別になつておるのであつて例にならない。これはハのほうは「この号イに規定する行為の実現を容易ならしめるため、」というのが頭にかぶせてありますから、それは例にならない。
○政府委員(岡原昌男君) 申訳ありません。今のはちよつとロとハと私のほうの議案が修正になりましたのであれですが、この今のロのはうにおいて、その内容的にイに規定する行為、そういうふうなものの扇動行為を文書においてやつた場合と、これが先ほど申しておつたものでございます。
○岡本愛祐君 それでは先へ進みましてこれも問題になつたのですが、内乱の予備、陰謀を扇動するというのはどういうことであるか、又内乱の予備、陰謀を教唆というのはどういうことであるか、これは殊に教唆にすれば、單なる予備、陰謀も中に入るのではないかという疑問があるわけですが、それはどうですか。
○政府委員(吉河光貞君) お答えします。この現実に大きな武装反乱が全国的に行われるという事態を想定いたしますと、いよいよ武装蹶起して反乱が勃発するという前には、これをやるための各種の準備が相当規模に亘つて行われるのであります。この準備が熟さなければ決してそう指導的団体は手を挙げません。十分なる準備を盡したときにいよいよ掛声をかけるというような次第でありまして、いよいよ蹶起する前段階におきましてはこの準備のために武器を収集する、或いは資金を集めるとか、各種の態勢を建てるとかいたしまして万般の準備が行われる。又陰謀にしましても、これはロシア革命の例を引くのではございませんが、職場、工場において内乱のためのミーチングを開けということが全土に亘つて広汎に宣伝、扇動されます。そうして多くの勤労大衆をわき立たせてああいうような事態に捲き込んで行つた。ここでそういう時代の社会的な移行性とか危險性に着眠いたしまして、これを独立罪として刑法においては規定いたしているわけでございます。従いましてこの内容は実行行為でございます。従いまして当然に刑法一般の共犯例の適用はあるのであります。これを教唆すれば当然予備罪の教唆が成立する、予備罪という実行行為を実行すれば、それを教唆した者に当為予備罪に従えば処断されなければならない立場になるのでありますが、その行為の危険性に着眠いたしまして特にこれを独立罪として教唆を規定したと同じような建前から共犯例にはございませんが、扇動という行為の内容危険性に着眼いたしまして、これをやはり独立罪と規定いたしたのであります。極めて大きな規模に亘りまして相当な期間に亘つて多種多様の形態がこの場合においては行われるのではないかと考えるような次第でございます。
○岡本愛祐君 次にハに移りますが、「イに規定する行為の実現を容易ならしめるため」と頭にかぶせてあるが、これはロにはかぶせる必要は何故ないか、かぶせることが教唆とか扇動ではおかしいのか、又それでは困るのか、それをお伺いしたい。
○政府委員(吉河光貞君) お答え申上げます。この刑法上の用語として教唆、扇動をここへ使つておるのでありますが、これは行為でございまして、教唆行為をする者や扇動行為をする者は当然その教唆又は扇動することにつきまして十分なる意思を持たなければ刑法上の行為にはならない、こういう建前から教唆する者は他人をして犯罪実行の決意を生ぜしめるに足る行為をするんだという意思がありましてそういう行為をする、或いは例えば扇動行為につきましても、只今検務局長から御説明申上げました通りのような行為をするんだという意思があるわけでございます。ところがハのほうはこれは立てかたが文書の印刷、頒布、公然掲示というような立てかたをしております。でこれを若し頭をしぼらずに書きますと、商売でやる印刷屋さんまでが引つかかる、或いは全然そういう意思のない学究的なかたがたまでがかかるというようなこと、研究資料にこういうようなものを印刷した場合、というようなものが刑法の正当行為とか職務行為の適用を受けない場合におきましてはかかる慮れがある、あくまで主観的に内乱の実現を容易ならしめる目的を以てやるしぼりはどうしても必要だというわけでこのことを規定いたしたわけでございます。
○岡本愛祐君 私はハの「容易ならしめるため、」というのを取れというのではないのであつてこれでも言葉は足らんと思うんです。もつと言葉をかぶせなければいかんだろうと思うんですが、それと同様に教唆、扇動には、その「行為の実現を容易ならしめる」ということは当然含んであるのだということはわかりますが、その頭にそれをかぶせるとかかぶせないとでは世人に與える不安、感じというものは非常に違う、だから無駄でも二條におきまり文句かあつてそうして緩和してあると同じ調子にそこにも非常に緩和に当然のものをかぶせたほうがいいいのじやないか、こういうふうに思うのであります。その点を伺つておきたいと思います。
○政府委員(吉河光貞君) 立法技術上の問題として大変御参考になる御意見を拝聴いたしました。よく研究することにいたします。
○岡本愛祐君 次にこのハのほうは扇動の程度でなくても「その実現の正当性又は必要性を主張した文書又は図画を印刷し、頒布し、公然掲示し、又は」云々とこういうふうにあるのですが。これに限つて扇動の程度でなくても罰するというのは、どういう理由であるか。扇動というのは、文書によつて扇動ということもあるのですが、なぜ扇動の程度にならなくてもこれを罰するのであるか、それを承わりたい。余り酷じやないかというのであります。で思想、学問を非常に取締るということになりやしないか。
○政府委員(吉河光貞君) ロとハの関係についての御質問でありますが、先ほど御説明いたしました通り、ハは宣伝行為の最も極端な類型をとらえて規定いたしました。普通に宣伝、扇動というような活動が、大衆運動の有力な手段として行われることは御承知の通りと思うのでありますが、ここで法律的にこれを規定いたしまして、ロにおきましては、教唆、扇動、それからハにおきましては、その宣伝行為のうちに最も極端な類型をとらえて規定したような次第でございます。これは決して一般の研究とかいうようなものに触れる概念ではないと考えておる次第でございます。
○岡本愛祐君 お考え方はわかりました。そういう考え方を文字にはつきり現わすように私書かなければいかん、こういう主張をしておるのであります。 さて次に移りますが、ラジオ放送でいろいろなことを言う、それは非常に極端だという場合は口のほうにも当るでしようし、又ハのほうにも当るように思うのですが、どう考えたらいいんですか。
○政府委員(吉河光貞君) お答え申上げます。抽象的な理論の問題といたしましては、それが扇動行為の内容をなす場合には扇動になるものと思います。だが電波法ではもうすでに禁止しておりまして、暴力を以て日本国憲法又はその下に成立した政府を顛覆するようなラジオ放送をいたすと懲役になることになつておりまして、すでにこの規定を待たずに非常に重い刑を受けることになつております。
○岡本愛祐君 併しそういうふうな団体があつたときには、この二号のほうに……。
○政府委員(吉河光貞君) 勿論団体がありまして、私設の電波などでいろいろやる場合もあると思うのでありますが、電波法百七條によりますと、御承知と思いますが、「無線設備又は第百條第一項第一号の通信設備によつて日本国憲法文はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する通信を発した者は、五年以下の懲役又は禁こに処する。」かように規定してあるのでありますが、団体として扇動行為としてかようなことをやりました場合には、当然その団体が規制の対象になるものと考えております。
○岡本愛祐君 そうすると、二のほうにそれを挙げないとひようそくが合わない、二号のほうで挙げないとひようそくが合わないということはありませんか、電波法の伺候に規定する行為というものを挙げないと。この「政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対する」、電波法のその條項に触れた中で、これは二号のほうへ入れなければならんということになりませんか。
○政府委員(關之君) お尋ねの御疑問の点は御尤もと思うのでありまするが、私どもとしましては、このハの今の問題は、文書だけの形において一応とどめるのが現下の事態上妥当ではないか、かように考えておる次第であります。
○岡本愛祐君 どうもその点納得できませんが、又私も研究することにいたします。 それから次にこの二号の書き方ですが、この書き方は非常に人を誤ると思うのです。我々研究しておりますときに、誤る人のほうが多いのです。私どもはよくわかつておるのですが非常に誤るかたが多い。この規定によつて、政治上の主義、施策を推進し支持する行為のほうへずつと伸びて行くというふうに解釈する人が多いのでありまして、不安が多いのでありまして、これはむしろ字句の問題ですが、「左記に掲げる行為の一によつて政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対すること」というふうに書いたほうが、はつきりすると思うのですが、どうですか、法制意見長官。
○政府委員(佐藤達夫君) これはお言葉ではございますけれども、実は政治上の主義、施策を推進する手段と申しますと、これはたくさんあるわけでございまして、ここに挙つておるイロハのものもその手段でございましようけれどもほかにもあるわけであります。従いましてまあ自然な考え方からいたしますならば、こういう推進の手段として、このたくさんある中で悪い行為をやつたというような形のほうが自然じやないかと考えただけであります。
○岡本愛祐君 どうもその結果非常に誤る人が多いのです。私は反対に書いたほうがはつきりする、この行為の中でこれだけのもの、こう書けば誤るかたが少いと思うのです。これは私の議論ですからそれくらいにとめておきます。牧野先生は「これに反対するため」とか又ハの「実現を容易ならしめるため」というのは「する目的をもつて」「ならしめる目的をもつて」としたほうがいいのじやないかと言われるのですが、私もそのほうがいいと思うのです。ただロ号はあとに目的が出て来ますから書きにくくてこうなつたと思うのですが、この点は「目的をもつて」という意味であるかどうか、承わつておきます。
○政府委員(佐藤達夫君) 全く御推測で恐れ入りますが、その通りでございます。
○岡本愛祐君 それでは次に移ります。第三條の第二号のリでありますがこれもなかなか問題の多い條文であります。それで「検察若しくは警察の職務を行い、若しくはこれを補助する者」これはどういう者を予定されておるか承わつておきたい。
○政府委員(關之君) この「検察若しくは警察の職務を行い、若しくはこれを補助する者」は何かというお尋ねでありますが、これは検察につきましては検察事務官、そうして又警察につきましては、応援のために出動した警察学の生徒で新任の警察職員となつた者、かような者がこの「補助する者」に該当するものであると考えておるわけであります。
○岡本愛祐君 その二つだけですか。 それからついでに承わりますが、「凶器又は毒劇物を携え」とありますが、凶器の範囲、毒劇物の範囲、これを明確にしておいて頂きたい。それからこの携えておることがこのリ号の必須條件であるか、携えていなければこれにかからないのか、その点を承わつておきたい。
○政府委員(關之君) 先ず凶器でありますが、凶器とはこれもすでに判例がたびたび判示しておるところでありまして、それによりますと、人の身体に危険な器具を意味し、その構造又は性質上人の身体を傷害すべき器物はすべてこれに包含するのであつて、特に殺傷用に供せられると否とはこれを問う必要はない、こういうふうに判例がなつておるわけであります。この判例は申すまでもなく今日までも一応大審院の判例、又従つて最高裁判所の判例となつておるわけでありまするから、この本法にいう凶器もこの意味に解釈すべきものだと考えているのであります。そうして毒劇物とは硫酸であるとか塩酸であるとか硝酸であるとか或いは黄燐のごときものがまあ具体的な例でありますが、要するに人の身体に接触又は吸飲をされることによつて人の身体に障害を與える物というようなものがこれに当るのであります。なおこれは毒劇物という一つの観念でありましてこれにつきましては昭和二十五年法律三百三号、毒物及び劇物取締法というものがありましてその別表があるのでありますが、これはその別表がすべてこれに当るとも考えられませんが、要するにその概念の意味するところは接触又は吸飲等によつて人の身体に障害を與えるものと考えているわけであります。 お尋ねの第三点でありまするが、「携え」でありますが、これは携えていることが要件であるわけでありますが、携えておらなければこれに当らないのであります。特にこの「携え」ということを要件にいたしましたのは、同じいろいろの形体の公務執行妨害がありまするが、かような凶器又は毒劇物を携える公務執行の妨害は極めて危険な行為であるから、特にここにかような要件を加重いたしまして規定いたした次第であります。
○岡本愛祐君 それではプラカードの柄が、プラカードを抜いてそしてとがつておる、やりみたいになつているというのは凶器の中に入りますか。それからこん棒はどうですか。
○政府委員(吉河光貞君) 両方とも入るものと考えます。殊にプラカードの中に竹やりを仕込んで、この上にふたをかぶせて仕込まれたのは極めて危険である。仕込刀みたいなものは非常に危険です。こん棒は判例から入るものと考えております。
○岡本愛祐君 メーデー事件で自動車を焼払つた、それも組織的に焼払つたというのは、この二号のどれにも当てはまらないと思うのですがそうですが。
○政府委員(關之君) 自動車に対する暴行は百八條、百九條にも当りませんから、こういう事態はこの中においては掲げていないのであります。
○岡本愛祐君 それから三條の第二項に移りますが、この団体の定義ですが、これは非常に広すぎやしないかという非難も公聴会で非常に多い。なんかこれももう少し限定したいような気がするのですが限定はできないものであるか、あなたがたの考え方としては非常に差支えが起るのであるか、それを伺いたい。
○政府委員(關之君) お尋ねのこの団体の定義でありまするが、これはここにかような団体の定義を挙げましたのは單なる群衆と区別するため、人の單純なる集合から区別するという意味合におきまして、かように個人を離れてそこに特定の共同目的を達成するための多数人の継続的な結合体、かような意味合の結合体をこの法律にいう団体と考えたのであります。そこでこの団体の内容のしぼり方でありまするが、これにつきましては、この法案の考うるかかる暴力的破壊活動というこれは事実上の活動なのでありまして、その活動をなすといういろいろの実体的な問題を考慮いたしまして……これ以外に方法がないというふうに考えていたした次第であります。
○岡本愛祐君 これは私ども非常に何とかしなければいかんだろうと考えておるのでありまして、まだ私も考えがつかないのでありますが御意見だけ承わつておきます。 それからこの法律は日本におる外国人の団体にも適用があると思うのですが、その点を明らかにして頂きたい。
○政府委員(吉河光貞君) お答え申上げます。この団体規制は日本国内における外国人の団体にも当然適用あるものと考えております。
○岡本愛祐君 その法律上の理由はどうですか。
○政府委員(吉河光貞君) 日本の国内におきまする外国人の団体といえども行政権の作用といたしまして、その危険を事前に防止することは妥当であると考えております。
○岡本愛祐君 その点は法制上の疑問は私まだ消えていないのですが、大丈夫ですね。
○政府委員(佐藤達夫君) 今お答え申した通りと考えております。
○岡本愛祐君 最近に蒲田の事件とか、メーデー事件とか、東大事件、早大事件いろいろ起りましたが、これは第三條の二項にまあ該当するものと該当しないものがありますが、どれが該当してどれが該当しないかそれを承わつておきたい。
○政府委員(吉河光貞君) 御質問は現実に起きた事件についてでありまして、目下東京地方検察庁並びに警視庁で調査中でありますが、御質問の点を検討いたしまして後日お答えしたいと思つております。
○岡本愛祐君 共産党の掲示板というのが所々方々にあります。人のよく目につくところに大きいのがある。あそこでいろいろ我々から見れば過激なことが書いてある。あれはこの三條の第一号の口に該当するものがあると思うのですが、どうでしようか。
○政府委員(吉河光貞君) 内容は別といたしまして、形の上におきましては文書、図画の公然掲示に該当する場合があると考えております。
○岡本愛祐君 これは前に法務委員会でもここにおられる吉田さんがいろいろ御質問になつたようですが、私もはつきりしておいて頂きたいのですが、その結論を聞いておりませんから。天皇制の廃止とかそれを主張することは朝憲紊乱、即ち国家組織を破壊するものであつて、従つて暴力的破壊活動となるのであるかどうかというその点を伺つておきたい。どういうふうにお答えになつたか。
○政府委員(吉河光貞君) 憲法改正の方向によりまして天皇制の廃止を唱えるということは勿論この法案とは関係のないことであると考えております。併し天皇制は国会制度それから内閣制度と並びましてやはり国家統治の基本組織の一つである、これは日本国憲法の定めているところである、かように考えております。従いましてこれを不法に破壊せんとして暴動を起す場合におきましては内乱罪に該当すると考えております。
○岡本愛祐君 この二十六條、二十七條、二十八條、二十九條、そこの問題で、地方行政のほうとして承わつておきたいのですが、この公安調査官と司法警察官、それから検察官との関係であります。ここにいろいろ書いてあるのですが、結局公安調査官は調査はできる、強制的調査はできないが、つまり拒まれれば入れないということに、これでなるというふうにたしか説明に書いてあつたと思います。そこでそれじや調査ができないのですが、どうするのですか、大体拒むでしよう、誰でも。
○政府委員(吉河光貞君) 全部が全部拒絶するとも限らないかと考えます。飽くまでも任意の調査を基礎といたしまして所定の証拠の収集に進みたい。で更に検察官、司法警察官が、その職務行為によつて収集されました証拠品、その他の資料につきましては、これを拝見さして頂くという建前をとつております。
○岡本愛祐君 二十九條で、「司法警察員が暴力主義的破壊活動からなる罪に関して行う押牧、捜索及び検証に立ち会うことができる。」というふうになつておりますが、恐らく調査ができなければ公安調査官は、司法警察官とか検察庁のほうに行つて、そうして押収、捜索、検証というようなことになつて来るだろうと思うのですが、そういうような関係を若し調査ができなければどうする、どういうような手続をすればできるか、その点を御説明して頂きたい。
○政府委員(關之君) この法案の建前といたしましては、公安調査官はすべて任意の調査によつて行くと、こういうことに相成つておるわけであります。それでこれは刑事訴訟法によりましてすでに御承知のことと思うのでありますが、公安調査官が一応任意に皆様の御協力によりまして得た任意の調査によつて、そこに暴力主義的破壊活動なる犯罪があると、かように思料いたしますれば検察官或いは警察官職員に対しまして告発をいたすわけであります。告発をいたしますと、検察官又は警察官職員におきましては、その自主的な判断によりまして、或いは任意の調査又は強制の調査を実施して行くと思うのであります。で、さような場合にこの二十九條が動いて参りまして、警察職員との了解の下にその警察職員のなす押収、捜索、検証等に立ち会うことに相成るのであります。そこで、これは例えば、お尋ねの中に公安調査官のほうで強制調査をなすことをやらせるとかいうような気持がそこにあるかというような問題があるかと思うのでありますが、公安調査官としてはもとよりさようなことを請求することはできないのでありまして、その事件につきまして強制調査をなすや否やは、一に警察官の独自の判断とその責任において行わるべきであると思うのであります。これに対しましてその了解の下に立ち会うということに相成ると思うのであります。
○岡本愛祐君 そこでこの司法警察官が行う押収とか捜索、これはもとより憲法三十五條に基くものですか。つまり「正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。」と書いてありますがこの規定で簡單にやれるんじやないですか、その点はどうですか。
○政府委員(關之君) この司法警察官がなす押収、捜索及び検証はもとより刑事訴訟法に基く裁判所の令状に基いて行うものであります。それに対して立ち会う。特に二十九條によりまして「立ち会う」というような規定を設けましたのは、公安調査官は要するに団体規制に対する証拠資料を収集しなければならないのであります、それで証拠資料は要するにそれをどういうふうに価値判断するかということが問題になるわけであります、そこで実際その証拠がどうあつたか或いは収集する現状がどうあつたかというような点について調査官が実感を持つということが非常に必要なことになると思うのであります、そこでこの立ち会いの趣旨とするところは專ら調査官がその証拠品はどこにあつて、捜索した場所、検証した場所がどういう実状にあつたかということを調査庁として一人或いは二人の者がそれだけの実感を持つて価値判断をするということが証拠資料収集上必要であると増えまして、かような規定を置いている次第であります。
○岡本愛祐君 その公安調査庁に対しては証拠を提供してこの関係人がいろいろ異議の申立とかいろいろなすことができるようでありますが、公安審査委員会に対してはそれができないように規定をしたのはどういう理由ですか。公安審査委員会に対しても利害関係人が出頭して証拠でいろいろやるという途を開くのが当然であると思いますが、なぜそうしていないのですか。
○政府委員(關之君) お尋ねの点につきましてはこれはこの団体規制という行政処分に対する一つの基本的な考え方に関連する問題と存ずるのであります。この法案の立て方におきましては団体規制という処分は政府が責任をもつて行う一つの行政処分である。それはこの法案におきましては公安調査庁長官が全責任をもつて一切の証拠を集めて立証をする、そういう責任を調査庁長官が持つわけであります。一切の証拠を自分が集めてそうしてそれによつて立証して、団体の規制を行う、かような立て方をとつているわけであります。そこでこの十條以下の手続におきまして、その規制というような行政的な処分を行うに当りましては、相手方団体に十分な弁解意見を述べる機会を與えること、而も弁解意見を述べる機会が公正に行われる、かようなことが憲法上行政処分を行う上に要件かと存ずるのでありますので、十條以下におきまして相手方団体に期日を通知し、出頭して意見弁解をなす機会を與え、更に立会人を選任させ、更に手許の証拠を全部相手方に渡しましてそれに対する意見弁解を十分にいたさせる、かように手を盡しまして一切調査庁長官において手の内を向うに見せるわけであります。さような慎重さをもちましてこの手続を進めているわけであります。そうしてさつき申しましたごとくに、この処分は行政処分であつて公安調査庁長官が全部責任を持つて一切の証拠を集めて立証する。こういう立て方をとつているわけでありまして、かような第十條以下の規定によつて十分慎重な手続をとつて証拠をそこに集めて相手方の利益の擁護に対しましては殆んど遺憾なき程度の手を盡しているわけであります。 そこでかようにしてこれを委員会に送り込むのでありますが、この行政処分が公正迅速に行われなければならない、而も委員会の組織といたしまして行政機構簡素化の趣旨に副いまして余り尨大な組織は作れないというような各種の條件を勘案しまして、公正迅速に事を行うにはすでにそれらの十分なる証拠がそこに提出されて長官が全責任を持つてやつて行くのでありますからそれだけの手当で十分ではないか。特に委員会におきましてはこの衆議院の改正によりまして審査の結果に基いて事件を審査いたすのでありますが、その審査のため必要な取調をすることができるように相成つておりまして、調査庁長官及び当該団体から提出した各種の文書につきましてその審査を十分にすると、その真相の調査にあやまちなきを期するために、十分な措置をとり調べをなし得るという余地ができたのでありまして、その点は十分かと思うのであります。 なおこれらの調査庁長官の立証にして不十分でありますならば委員会は当然これはもう却下する。そういう調査庁長官の請求は認められないというて却下いたすことに相成るわけであります。そこでさようなことでありますからして相手方が不利益を受けるというようなことはなかろうかと思うのであります。かような趣旨によりまして委員会の調査の範囲につきましてはこの程度の規定を設けた次第であります。
○岡本愛祐君 まだ承りたいことがございますが、時間がたちましたし大体このくらいにしておきたいと思います。 最後に意見局長官が見えましたから、先ほどお尋ねしたこの天皇制の廃止の主張と、第三條第一号ロとの関係、つまり朝憲紊乱即ち国家組織を破壊する者、又は憲法に認められた基本制度の破壊をする者ということになるかならないか、それを承つておきたいと思います。
○政府委員(佐藤達夫君) 問題の要点は、結局内乱罪における朝憲紊乱云々ということにそれが該当するかということできまることであると存じます。私どもといたしましては、判例等にもございますように、国家統治の基本組織の変更ということが朝憲紊乱と考えておりまするからして、憲法自体で統治関係の機関として上つております天皇制度というようなものを破壊しようということは、国会制度を破壊しようというのと同じくこの内乱罪の朝憲紊乱に該当すると考えております。
○内村清次君 ちよつと一点。先ほど岡本委員の御質問に吉河特審局長官が答えられました内乱企図の疑いが十分あると、こういう答弁がありましたですね。私はこの点は相当重要だと思うのですが、それからその後の御答弁に内乱というものは、これはその相当準備もいるだろうと、その組織の準備や或いは又それに要するところのいろいろの問題について相当準備が要るだろうからして、そういう準備に対してこれが或いは濫用になるようなことがあつてはいかないから、その点は十分運用の面において注意しなくてはならないというような答弁が又あつているのですね。これはもう速記録にはつきり出ている。まだ内乱の企図の疑いということでそこは濁しているのですけれども、この内乱の範囲と、私がまあ聞かうとする内乱のいわゆる範囲ですね。内乱といえば即ち朝憲紊乱的な或いは政府を顛覆するのだとか、或いは又暴力行為を以て、而もその暴力行為というものが全国一斉に起るような、大規模の問題であるかどうかのその内乱の範囲、これと、それからその後まあ今日提示されておりまする、又御説明がありましたこの暴力事件の頻発というようなこの資料に基く説明というものは、これはやはり要するに内乱の疑いがあるということに関連した唯一の資料としての委員会に対する認識を新たにするためのそういう企図によるところの資料であるか、或いは説明であるか、この点の二つを一つ説明しておいて頂きたい。
○委員長(小野義夫君) ちよつと失礼ですが、これはよほど重要でもありちよつと答弁も長いと思うのですが、これは法務委員会によくもう一遍今の御質問をして、法務委員会で御答弁願うようにして、今日は一応この辺で……。
○内村清次君 これは実は今日は折角地方行政のかたがたが合同で審査するわけですね。そうするとあの点に再質問がないとすれば、やはり特番局長の答弁そのものを認識されて、もう恐らくお帰りになるだろう、こういう機会が又あるかということは疑わしいのですから明確にしておかんとどうもと私たちは思つたわけですが、そのときに直ぐ関連質問でお尋ねしたいと思いましたけれども、やはりそこは質問の終了後として待つておつたわけですから、さようなことで時が変つて来ると、その感度というものがどうも薄らいで来ちやいかないと、こう思つて答弁したような次第ですけれども、併し委員長の御配慮もありますから、この答弁は又後刻一つ。
○伊藤修君 これはそういう意味で行きますと、各連合委員会の委員諸君がお尋ねになつたことに対して、政府委員の御答弁は我々として満足いかないものがたくさんあるのです。それでその結論を明らかにしておかなければならんものが多々あると思うのです。それはやはり法務委員会において質すことにして、この場合においてはやはり各委員の御質問を述べられ、或いは本来ならばお立ち会いなつて結論を明らかにして行きたいと思いますけれども、そうする非常に長くなると思うのですが、で岡本さんの御質問の場合でも二、三点は多少私控えておりますので、重ねて質問があつて岡本さん御自身御満足になつていると思いませんけれども、仮に御満足になつているとすれば間違つた点が多いと思うのです。
○岡本愛祐君 一時間という約束だつたものですから、時間がないものですから突込めなかつた。
○伊藤修君 御無理はないです。
○岡本愛祐君 気がせいちやつたわけです。突込めなかつたわけです。
○伊藤修君 我々が質問いたしましたらその速記録を御覧下さつて十分御配慮願いたいと思います。
○委員長(小野義夫君) それじや伊藤委員の提案もありましたからこの程度にて本日は散会いたします。 午後四時四十九分散会