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13回国会参議院1952/05/29

法務・地方行政・労働連合委員会 第1号

発言数
117
登壇者
11
会派数
4
開催日
1952/05/29

会議録

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) 只今より法務・地方行政・労働連合委員会を開きます。  本日は破壊活動防止法案ほか関係二法案につきまして、地方行政委員のかたがたに質疑を願います。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 私は、今朝ほど総理大臣が国際書簡をもらつた問題について、その書簡が破壊活動防止法と労働三法に関係いたしますので、総理大臣の御出席、それが不可能でありますならば官房長官乃至岡崎外務大臣の御出席を要求いたしておいたわけでありますが、それはどういうふうになりますでしようか。それによりましては木村法務総裁に対する質問と順序を変えて行かなければならんと思いますから……。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) 只今交渉中でありまして、まだ外務大臣は外務委員会のほうに出席しており、こちらに来られないという御挨拶です。官房長官は只今連絡中でありますから、先ず質問の順序を御変更下さいまして、法務総裁に対する御質問から始めて頂きたいと思います。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 外務大臣は外務委員会に出られておりますが、それが時間的な関係でここに出られるか出られないか、この点をお確かめ願いたいと思います。外務大臣でなくても官房長官でもよろしいです。どちらも出られるか出られないかということをお確かめ願いたい。それから願わくば総理大臣の御出席があればよろしいのでありますが、昨日も労働委員会において出席があるとかないとかいつて、審議が非常に円滑に行かなかつたようでありますが、できれば総理の御都合を伺つて、十分でも二十分でも御出席があつて然るべきだと思いますが、これも重ねてお確かめを願いたいと思います。  続いて法務総裁にお伺いいたしますが、先般来衆議院、参議院におきまして本法案に対する公聽会が開かれました公述人の公述の内容を見ましても、又一般言論機関等の報道を見ましても、いわゆる本法案が主としまして、いわゆる共産党の破壊活動を取締る目的を持つておることは皆承知しておるわけであります。政府もいろいろ破壊活動の現状報告等の書類を出しておりますが、それを見ましても、そういう方面のもののみを出しておる。従いまして私はこの法案が取締る対象、現段階におきまして取締る対象をいわゆる共産党に置いておる。そうして政府はなぜスイスなんかがやつておりまするように、その取締の対象を明確にしないか。そこから来るいろいろな危惧、それから将来拡張取締をされる慮れがあるという点から、いろいろ問題ができておる。それから第二は、いわゆる共産党を取締るという美名に隠れて、威いは取締に便乗して、地の団体を取締る、或いは抑圧する意図があるから、この取締の対象を明確にしないのであるか。この点を一つお伺いしたいのであります。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) この法案の狙いは、共離党ばかりではないのであります。勿論現段階において、この法案の目的といたしまする暴力破壊活動を行わんとする一番危險のある団体は、申すまでもなく各人も見るように、共産党であります。併し必ずしも共産党ばかりではないのであります。極右においても、将来さような危險な行為に出ずる疑いがあることは、過去の歴史に徴しても明白であります。従いましていずれの団体たるを問わず、この第三條に明記してありまするような、国家の治安から見まして最も危険な行為に出ずるような団体を規制して行こうとするのであります。従いまして正常な団体を規制して行こうというようなものでないことは、この法案を通じて極めて明瞭でありまして、今、原委員の仰せになつたように、この法案の美名に隠れて各種の団体を規制するのではないかというようなことは、毛頭もさような意思もなし、又この法案の建て方から申しましても、さようなことができる筋合いのものでないということを申上げます。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 立案当初におきましては、法務総裁がそういう考えであるということは、仮に理解いたしましたとしても、法律がいよいよでき上つて、その活動を始めれば、その條文によつて拝せられるのであります。然らば今日私は一々條文の字句を取上げては申しませんけれども、先ほども申しますように、権威あるとされる公述人の公述の内容を見ましても、非常にこの法案が法律になりまして拡大解釈をされる結果、いわゆる他の団体、民主的団体或いは労働組合、宗教団体等に対しても取締の虞れがないと、どの箇條を以て実証されるのであるか。その拡大解釈による取締の慮れがあるから、非常な問題になつて、どの箇條を取上げてもその虞れがないと、総裁は確信を持つた御答弁ができますか。この点をお伺いいたしたいのです。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 今の御質問の点については、私は確信を持つて申上げることができると思います。それはよくこの條文を熟読玩味して頂けば、その懸念は毛頭ないということを申上げたいのであります。この三條によりまして、暴力主義的破壊活動の定義をはつきりさしておるのであります。これの定義におきまして対象となるものは、刑法第七十七條、第七十八條、第七十九條、かようないわゆる国家の基本秩序を紊すような行為について限定いたしております。その次に第二において、この刑法の法文を列挙いたしまして、そうしてかような危険極まる行為が、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対するために行われたもの、これに限定しておるのであります。従いましてこれ以上の行為については、この法案の規制の対象にならん。つまりはつきりした限度をきめて明らかにしておるのでありますから、この法案が拡張されて、普通の正常な団体が規制されようともされない。明白にこれは限定しておりますから、さような危險はないと、こう考えております。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 それでは一つ、殊に我々の経験からいたします労働組合運動、労働組合活動の点において、事実あり得る、又過去にあり得たことから実例を申上げて御判断をお聞きしたいのであります。労働組合の正当なる活動には適用しないということになつております。そこで私が次に申上げるようなことは、過去においてもありましたし、将来もあり得る、即ち労働組合が政府の施策に対して反対の決議をする、同時に総理の退陣を要求して、多衆が総理官邸に押しかけて、これを阻止する警官数名を押しのけて、総理官邸に入つたといたします。こういう行為に対して適用を受けるか受けないか、この点を御答弁願いたいのであります。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) その点についてははつきり申上げます。この法案の対象にはなりません。この法案の建て方といたしまして、第三條の末項に、団体が団体の意思としてかような兇悪な犯罪行為をしようとする、又した場合において対象になるのでありまして、今お話になりましたような政府の施策に反対するために労働組合がデモをやる、そうして一部の者がその場合に乱暴を働くというような場合は、決して団体そのものの意思として活動したのではない、ただその中の一部の人がさような犯罪行為をしたというに過ぎないのでありまするから、この法案の対象となるべきものでないということをはつきり申上げます。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 特審局長に関連してお伺いいたしますが、この第三條二号のリの適用を受ける虞れがあると思いますが、今総裁は、暴力行為を以て貧的を貫徹する決議をしていない、こうきめていないから、この法の適用を受けないと言われておりますが、我々はいわゆる拡大解釈をされる場合において、今申しました三條二号のリ号の適用を受ける虞れがある。この点は特審局長として如何なるお考えを持たれるか、御答弁頂きたい。

吉河光貞法務府特別審査局長

○政府委員(吉河光貞君) お答えいたします。只今法務総裁から御答弁がありました通り、団体がその団体の活動として三條に列記されましたような行為をしたのでなければ、団体を規制することができない。団体が団体の活動として行うという意味は、団体が意思決定をいたしまして、その役職員なり構成員がその意思の実現として行為を行う。その行つた行為が団体の活動と認められるということになるのでありまして、団体の役職員なり、構成員が団体の意思決定とは離れまして、個人として各種の犯罪行為をやりましても、それは団体の活動とは認められない。従いまして、団体に対して規制をかけることができないという建前になつておるのでありまして、本法案の各條項に「団体の活動として」ということを特に挿入いたしまして、その趣旨をなお明らかにしておる次第であります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 そこで予想できることは、今申しましたように、組合の決定を、これを総理大臣官邸において、総理大臣に談判交渉をするその場合において、警察官がこれを阻止するかも知れん。そういう警察官は押しのけて、総理に面会をすべきであるという決議をいたした場合においては、この法の適用を受けるかどうか、この点をお聞きするわけであります。

吉河光貞法務府特別審査局長

○政府委員(吉河光貞君) 特定の団体が、只今御質問のような決議をいたしました場合におきまして、毒劇物を携帯し、或いは凶器を持つて多衆で警官の公務執行を妨害するという点まで決議の内容に入りました場合には、団体の意思決定であるものと考える次第であります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 第三條二号のリ号によりますれば、そのリ号の二行目の終りのほう、「凶器又は毒劇物を携え、」点を入れまして、「多衆共同してなす刑法第九十五條」云々となつておるのであります。そうしますと、毒劇物を携えていなくても、多衆共同してそうして先ほど申しますような警官の阻止を押しのけても目的貫徹をすべしという決議は、明らかにこれは適用を受けるということになるわけでありますか。

吉河光貞法務府特別審査局長

○政府委員(吉河光貞君) リ号の書き方は、凶器を携え、多衆共同しておるか、毒劇物を携えて、多衆共同しなければならない、かように考えております。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 この場合におきまするところの凶器とは如何なるものでありますか。

關之法務府特別審査局次長

○政府委員(關之君) 凶器とは、すでに判例によりまして従来明確にされておるのであります。判例によりますると、凶器とは、人の身体に危険な器具を意味しておりまして、その構造又は性質上人の身体を傷害し得べきものは、これを包含するものであつて特に殺傷用に供せられるものと否とは問う必要はないというのが、従来大審院の判例になつておるところであります。この法案における凶器も、こういう意味に判例に従つて解釈されるべきものと考えておる次第であります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 この労働組合活動に殊にあるのでありますが、プラカードの柄を、その上部の図画若しくは文書の所を折つて柄だけを持つ、或いは野球のバットを持つ、そういうこと、或いは最も多くある場合は、組合旗、旗であります。旗を持つて総理官邸に来た。この警官の阻止を数十人で押破つて入つた。この旗は凶器とみなされて適用を受けるかどうか、この点を明らかにして頂きたいと思うのであります。

關之法務府特別審査局次長

○政府委員(關之君) その旗の構造その他におきまして、明白に人の身体に危險が與えられる可能性がある明白なものでありますならば、用法如何によつては凶器になるかと思うのであります。なお凶器とは、梶棒とか庖丁とかいうような、普通そういうようなふうに考えているものがこれに入つておるものであると考えておる次第であります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 おおむね旗の先は尖つております。併しこういうものを振廻して入つたとすれば、当然凶器とみなされるのか、その点を先ず伺いたい。

關之法務府特別審査局次長

○政府委員(關之君) 旗の先に黒いかねなどがついておるようでありますが、そういうものを振廻して入りますと、それは凶器になるかと思うのであります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 いま一つ、そういたしますと、旗を持つて多数が決議を総理官邸へ届けるために来た、これを阻止した警官を押しのけるということは、決議があるかないかということが問題でございます。決議はなくても、そういう警官を押しのけて我々は入るべきであるという一つの演説をしたとする、この人間はいわゆる扇動として、そういう行為がなされた場合、なされた場合に、如何なる判断が下されるのであるか。

岡原昌男法務府検務局長

○政府委員(岡原昌男君) 只今までの政府委員の答弁は、おおむね行政処分の前提としての破壊活動の範囲にとどまつておるようでございますが、犯罪として見る場合の区別はどうかというようなお話のようでございますので、私のほうから御答弁申上げます。凶器は、只今關政府委員から御説明のありました通り、判例で大体確定した概念でございます。従いまして、その判例で用いられました言葉を具体的な場合に当てはめまして、例えば旗の先に槍がついておれば凶器になろうが、普通の旗の柄だつたらなるまいとか、いろいろ具体的な場合に異つて来る場合があるだろうと存じます。それから棍棒その他につきましても又同様な問題が出て来ると思います。ただ今度は問題を変えまして、具体的な場合にそれが組合の意思決定に基いてやつたものであるか、或いはそれが單純な数名ののが扇動的に行動をやつたのである、それに基いて、一つの犯罪が起きたものであるかということによつて、これが取扱が違つて来ることは、大体御質問の通りでございまして、第一これを規制処分の前提としての破壊活動と見ますれば、その点につきましては組合の意思決定が具体的にある行為と言いますか、意思決定の前提たる事実、これがありまして、それによつて組合の活動として見得る範囲においては、団体の規制がかかつて来る。併し若しもそれが、そういう事実がなくて、二、三の者が軍に何と言いますか、偶発的と言いますか、組合と関係なしに、ただ構成員である者がやつたというだけでございますると、組合員に対する規制処分というものはかかつて参らないのでございます。これが行政処分の関係であります。それから犯罪行為といたしますれば、それは個々別々の犯罪行為に、個人としての犯罪行為になりますので、これは個人の犯罪の形態、今おつしやいました扇動ならその扇動ということになりますと、この三條、二号のヌ号の「せん動」、これとリ号との関係で、そういう犯罪が成り立つ場合もあるかと存じます。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 今御答弁がありましたように、法務総裁は心配がないと言われております。拡大解釈において……。併しながら今の御答弁によつてもかなり心配が起つて来るということは、事実我々が経験した経験に基く質問によつておわかりになると思うのです。これでも心配のない法律だとまだお考えでございましようか。この点もう一遍お伺いしておきます。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 私は心配はないと考えております。と申しまするのは、団体の意思決定によつて、騒擾だとか或いは放火だとか、汽車の顛覆だとかいうようなことをやろうとする場合は、この法案の対象になることは勿論でありますが、今、原委員の例示されました点につきましては、そういうような、具体的な意思決定というものは団体にはないのであります。偶発的にそのうちの或る者がたまたまこの法案に該当するような行為をやつかというに過ぎないのでありまして、個個の人たちは別に刑罰の適用は受けるでありましよう。併しながら団体そのものについては、何ら意思決定に基かざるものでありますから、この法案の対象には毛頭ならないということを私は申上げておきます。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 法務総裁はこの法案を以て団体規制のみに重点を置かれておる。又そこが政府の狙いかと思うのです。併し個人の正常なる労働組合活動をも、今の程度の、私が仮定質問をいたしました程度でも適用を受ける虞れは多分にあるのであります。そこを私は申上げておるのであります。従つて総裁がお考えのように、他の労働組合等は心配のない法律だということは、決して我々は頷けないと思うのであります。そこに又労働組合は、いろいろの角度から検討して、ただ、今私が一つ挙げた今後労働組合活動においてあり得るものを申上げて仮定質問をいたしましたその御答弁によつてもあいまいであります。  次は、まあその問題はその程度にいたしまして、いわゆる先ほど総裁の御答弁がありましたように、ただ、いわゆる共産党の破壊活動を取締るのみでなくして、右翼、いわゆるフアツシヨの暴力行為に対しても取締るということはわかつております。ただ併しながら、その団体を坂締る、場合によればこれに解散を命ずるということが国内治安を確保するゆえんではないと思うのです。先ず私は戰争前後から日本におきますところの社会運動、労働運動等から戰後今日に至るまでのことを大まかに考え、満洲事変勃発から、いわゆる昭和六年から昭和十二年の北支事変、それから大東亜戰勃発までの当時におきましては、いわゆる全体主義思想が勃興して参りまして、労働組合というものを彈圧していた。そうして産報という全体主義による、労働者の自由を認めない、罷業権を認めないもので、あらゆる行政手段によつて、法律又は行政手段によつて、いわゆる民主的な運動というものを抑圧して来たのであります。それが敗戰の結果、いもゆる與えられたる労働組合法と言われますけれども、今日のごとく労働組合運動が放任化され、公認されたわけであります。併しその当時におきまする、戰後野坂參三君が北京から凱旋将軍のごとく帰つて来た、その当時経験のない労働組合は、共産党は如何なる考えで労働組合を指導しているかということを知らない。敗戰におけるところの失望とその生活苦によつて矯激な運動に加担したことは実際であつて、マツカーサー元帥による二十二年の二月一日のゼネスト禁止令、併しその後におきましてその共産党の誤れる戰艦は労働者みずからが体験によつて自覚し、これに正しい批判を加えるようになつたのであります。そうして今日民主的労働組合が総評或いは総同盟を中心として確立されつつあります。これは何も政府の援助や何かによつてなされていない。併しここにいわゆる国民の自覚による国内治安が盛り上りつつあるのであります。こういう歴史的事実に対して一体法務総裁は如何なる認識を以て今回の本法案の立案に当られたか、この点をお伺いしたいのであります。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 不肖私も多少労働組合運動発達について研究はいたしております。又実際についてもタッチした経験を持つているのであります。私は常々申上げるのでありまするが、日本の将来の発展は、大いにこの労働者の自覚と、そうしてその正しき道を進まれるということについて大いなる期待をかけなければならんと考えております。従いまして労働組合の発展向上については私は何よりも関心を狩つている次第であります。戰後いわゆる極左の指導下にあつたときにおいては甚だしき不法行為があつたことはこれは事実であります。只今原委員の仰せによりまして、さようななにはだんだん後退いたして正常なる組合活動に移行しているということは我々は大いに認めているのであります。併しながらこの労働組合の発達史上において、いやしくも労働組合が暴力を以て自己の主張を推進するということはあり得べからざることと私は考えております。又そういうことはあつてはならんのであります。ただ法の命ずるところによつて団体交渉権、この権利を十分に発揮して自己の団体の意思を推進するということが本来の私はあり方であろうと考えております。一たび暴力によつて自己の意思を推進するというようなことになりますと、これは民主主義に逆行するのであります。今後の労働組合は断じてさようにはならないと私は考えておるのであります。従いましてこの法案の狙いとするところは、決して労働組合運動を抑圧しようとか、又労働組合運動を規制しようとかいうような考えは毛頭もないのでありまして、ただただ日本の基本秩序を破壊し、日本の治安を破らんとするような兇惡なる行為に出ずる団体を規制の目的としておることは、この法案に、よつて極めて明瞭になつておるのであります。いささかも労働組合の運動を阻害するようなことはないと確信しておる次第であります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 私は労働組合を抑圧する意図を持つておられるということを詰問し、質問しておるわけではないのです。いわゆる国内治安の維持というものが取締法律一辺倒でなされるというところに危險があるということを指摘しておる。いわゆる戰前において満洲事変以来、全体主義による産報によつて労働者の自由を拘束した方法を以てやつて来た。その結果敗戰後自由が與えられたときに、経験のない労働組合、労働者はいわゆる矯激なる運動を快しとして、それに多く賛意を表した。即ちここに体験と判断力がなかつた、批判力がなかつた結果、二・一ストなんかが起きんとしたのであります。こういう歴史的事実に基いて政府は口内治安を総合的な立場から考え、その一つとしてこの破防法というものが出たものと我々は解釈したい。そうでありますならば、それ以外国民の自覚と協力による国内治安の維持、この精神を涵養して行くところの施策は何であるか。如何なることを政府はなさんとするのであるか。この点をお伺いしたいのであります。これは、従いまして私は法務総裁よりか官房長官乃至総理にお伺いしたい点でありますけれども、なかなかおいでにならんのであなたにお聞きするわけであります。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 労働組合のこれまでの運動をいろいろ観察して、その観察の下にこの法案の取入れ方があるのじやないかというようなことに受取られましたが、そのような御議論であれば、私はさような事実は毛頭ない、ただ現下の治安の情勢に鑑みまして、いわゆるこの三條にきめましたような日本の基本秩序を破壊し、又刑法にきめられた兇惡なる暴力行為を以てこの秩序を破壊せんとする団体を規制しようとするに過ぎないのでありまして、労働組合運動の従来の歴史に鑑みてかような法案を企図したものでは毛頭もないということを私は申上げておきます。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 私の質問の趣旨をはき違えております。或いは私の説明が足りない点があつたかも知れませんが、逆に申しますれば、国内治安の維持というものは取締法律一辺倒によつてなされるものではないということは、もう私が申すまでもなく法務総裁の十分お考えになつておるところであると私は理解しておる。それで労働組合の歴史、満洲事変以来の最近の歴史を申上げましたのは、労働組合活動の面を一例をとつて申上げたのであります。あらゆる社会運動、あらゆる民主的運動に対して彈圧を下しておいて、取締法律一辺倒でそれで国家の治安の維持がなされるものじやない。先ほども労働組合の正常なる発達を法務総裁も願つておるという御答弁であります。そういうことは労働組合ばかりでなしに、国民生活の正常なる発達、国民生活の安定、国民の生活に希望を與える政治を行い、国民が正しいと社会判断を下すような政府が施策をなされる、そのことをゆるがせにされておいて取締法律一辺倒であつてはならないのであるから、その国民生活の安定とか、国民生活に希望を與える施策、労働組合の活動を育成すると言うと語弊がありましようが、これらの活動を十分に発達させて行くところの道を政府は考えられる、そういう方面の問題は如何に政府はなさんとするのであるか、具体的施策をお聞きしたいと、こういう私は質問であります。これは少し法務総裁一人にお聞きするのは御無理かも知れない。従つて官房長官、総理の御出席をお願いしておいたのですけれども、御出席がないものですからあなたにお聞きする次第であります。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 原委員の御説明尤もであります。取締法規のみを以て全部日本の治安を維持して行こうというようなことは政府においても考えていないのであります。又さようなことはあつてはならん。取締法規は、これは治安の維持に必要なる一つの手段に過ぎないのであります。全面的に国民に不安なからしめるような政府において施策をとるべきは当然であります。従いまして政府におきましても予算の許す限りにおきましてあらゆる手を打つておる次第であります。公共事業の拡大強化、それから教育施設についての向上発展、生活保護法によりまする国民の救済、その他予算の許す範囲において相当の手を打つておるのであります。又将来とも国民の生活安定につきましては十分な手を打たなければならんと考えております。併しこれはいずれも予算その他においての制約を受けるのでありまするが、努めて国民の生活安定について将来とも努力をして行くべきであろう、又したいと考えておる次第であります。ただただこの法案は、今後の日本の治安、又現下の情勢に鑑みまして是非ともかような兇惡なる団体を規制して行かなければならんという必要最小限度のものとして提案いたした次第であります。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 関連して。原君の御質問に対する法務総裁の御答弁のお言葉に関連してこの機会にちよつとほかにお尋ねしたいことがありますが、これはあとの機会にしてお尋ねしたいのですが、法務総裁は原君の御質問に対しまして、この法律の対象としておる団体は主として共産党である。極右的なものもあるけれども、主として共産党が対象になつておるということを大体お話になつたと思うのであります。それは一昨日でありましたかの公聽会におきましても、馬場恒吾氏も大体そういうことを言われたところでありますが、私は事実その通りであると思うのであります。それで関連してお尋ねいたしたことは、政府当局、殊に所管国務大臣である法務総裁が共産党の本質というものをばどのようにお考えになつておるかということをこの機会にちよつとはつきり伺つておきたいと思います。それで御答弁を促しますきつかけとして多少私見を申述べますると、共産党は言うまでもなく共産主義に則るところの政党であります。又共産主義は、日本共産党の刊行物からいたしましても、マルクス主義、或いはマルクス・レーニン主義、或いはマルクス・レーニン・スターリン主義の党であるということを絶えず公々然と言つておるのでありますが、そのマルクス主義、マルクス・レーニン主義、或いはマルクス・レーニン・スターリン主義と言つているものと、この法案が対象としているところの暴力行為的なこととの関連性であります。それは私の見解によれば、マルクスが百年ほど前にああいう理論体系を発表いたしまして、結局マルクスはイギリスの資本主義の産業革命によるところの発達を見て、そうしてこの資本主義が発達して行くならば、だんだんと中産階級もプロレタリアに沒落して待つて、そうして大衆はいわゆる近代工業の従事者であるプロレタリアになる。そのプロレタリアは労働組合を組織して、そうして資本家に対抗するようになる。そうするとその団結の力によつて資本主義社会の資本家に対抗するために、ここに労働組合の団惰力によつて資本主義社会というものをば顛覆さして、そうして新らしい社会組織を作つて行くというようなのが、これが、極めて大ざつぱな言い方でありますが、そういうことが大体の考えの荒筋だと思うのでありますが、そうしたならば、学者がよくマルクス主義を批判して言うのでありますが、資本主義が漸進的に発達して行つて、即ちレヴオリユーシヨナルに発達して行つて、社会主義或いは共産主義になつて行くならばほつたらかして行つたらいいじやないが。併しそれにかかわらずマルクスは、万国の労働者団結せよということを共産党宣言に言つて、大いに革命運動をやらなければいかんということを激励しているが、革命運動なんか激励する必要がないじやないか。それがマルクス主義が持つているところの二律背反であるということをマルクス主義を批判する学者がよく言うのでありますが、レーニン及びスターリン等によるマルクス・レーニン主義及びマルクス・レーニン・スターリン主義というものは、ロシア革命を契機としてそれが実現されたのでありますが、特にそれが二律背反と言われておるととろのマルクス主義の革命的な方面、進化論的なレヴオリユーシヨンではなくて、レヴオリユーシヨナルなアスペクトに重点を置いて発達したものが私はマルクス・レーニン主義であり、そしてそれが今日の共産党がいわゆる社会民主主義の考えと違うところである。即ち目的意識ということを非常に言つて、共産主義社会を実現するという目的意識のために、大いにやらなくちやいかん、そのために貢献することであれば、それは極端な例を言えば、人殺しもやるし、嘘も言いまするし、即ち目的のために手段を選ばないような行動をとるということが、これが一つのセオリーで、私は大体そういう考えのものだと思うのであります。そうすると共産党がマルクス主義、殊にマルクス主義の持つている理論体系中の革命的な方面にウエイトを置いて発展しているところの理論体系の上に立つものでありまするならば、必然的にこれに暴力革命主義的なものを内包いたしておるわけなのであると私は考えるのであります。そういう点について第一に法務冷蔵はどう考えておられるかということ、それから関連質問で、私に許される時間もないのでありますから、まとめてそれについてお尋ねしておきたいと思いますが、馬場恒吾さんも言つておられたように、これは共産党を目標にしておる。その通りであります。そうすると第二に、……第一には私が今申上げましたような共産党のフアンダメンタル・プリンシプルについて、即ち、ルクス・レーニン主義、或いはマルクス・レーニン・スターリン主義というものについてどう考えておられるかということが第一点、第二点には、このような立場において馬場恒吾さんも言つたように、共産党を主ししてこの法律案の対象にしておるならば、この中に解散の條項があつたと思いますが、共産党を対象にしておるという点で、共産党を全滅さすというか、或いは共産党を解散さすというか、ともかく日本におけるところの日本共産党の活動というものをば休止してしまう、絶滅してしまうということを対象としてこの法案を国会に出されておるかどうかとこいうとなお尋ねしたい。これが御答弁を得たい第二点、それから第三点は、私はその通りだと思うのでありますが、それならばなぜはつきりと、共産党を我々はこの法案の対象にしておるのであるからというので、共産党はいけないのだという、共産党という名を出してこの法案をお作りにならないかということ、ほかにまだ大分お尋ねしたいことがありますが、今の原料の質問に対する答弁に関連して、この三つの点について法務総裁から御答弁を願いたい。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 只今吉川委員から、共産党の理論についてのお言葉がありましたが、誠に同感に考えます。申すまでもなくマルクスの唱えた理論は、要するに資本主義が高度に発展すれば、これは自然的に消滅してしまつて、そうしてプロレタリアの政治が行われるような段階になるのだ、これまてはいいのです。これは理論として私はよかろうと考えております。勿論これに対しては反駁の理論も成り立つわけであります。理論としては一応いいのです。併しプロレタリア支配の政治が行われるまでの段階において、今吉川委員の申されましたレーニズム或いはスターリニズムということになつて来まするというと、これは飛躍をして暴力を以て一挙にこのプロレタリアの社会を作り上げよう、これであります。ソヴイエトにおいて現実に今それが実行されて来た。我々は過去のことは考えないのであります。併しそれをこの日本に押付けられてどうなるかというと、これは全国民がさようなことであつてよろしいと言うならば、何をか言わんやであります。併し暴力を以て一拳にこの民主社会的国家な崩壊さしてやろうというところに我我は大いに関心を持たざるを得ないのであります。その意味において、無論さようなことを実行に移すとすれば、この法案は共産党が対象になるのであります。併しながらこの法案の狙いは、現段階においてかような破壊的活動をするというのは、多くは、個人としては共産党以外にもやつておるわけであります。併し団体の組織として行われることにおいて非常に影響力が多い。併しこれが現実にさようなことが実証が挙れば、この法案の対象になることは勿論であります。併しながらこの法案は必ずしも共産党だけを狙つているわけじやありません。いずれの団体においても、極右においても、一たび暴力を以て社会革命をやろう、テロリズムを実行しようということになりますれば、日本の治安の面から見て、これはそのまま放置することはできない、これであります。従つてこの法案におきましては、いずれの団体たるとを問わず、暴力を以てその団体の意思を遂行し、而してこの三條にきめられたような日本の基本秩序を破壊し、或いは刑法においての兇悪罪を犯そうとするようなことを意図することにおいては、この法案において規制して行きたい、こう考えております。共産党のみを対象とすれば、これは別問題であります。併し興産党だけを対象とするということは、日本の現行憲法から見ても如何かと考えられるのであります。それらの点から考えて見ますると、この法案は暴力的破壊活動を行い、又は行わんとする団体を規制して、こうというのが狙いでありまするから、さような限定した書き方はいたさないのであります。要するにその団体の種類の如何を問わず、この法案のような兇悪な行為を企図する団体を規制しようとする次第であります。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 原君の質問中ですから、簡單にお尋ねいたしはすが、御答弁によると、私が申上げましたように、共産党がマルクス・レーニン主義の党であると言つている以上は、私の申上げました暴力主義的な面をそのうちに包蔵して、そうしてそれを旗印として立つておるマルクス・レーニン主義の党であると言つておることについて、暴力主義を肯定しておる党であることを看板にしておる、それをお認めになつておるわけなんですが、それならばなぜあつさりと、私は共産党の解散に反対ですが、解散するとか何とかいうことをすぐにやつてしまわれた、ほうがいいのじやないかと思うのですが、持つて廻つたようなことを言つておられるよりも……。その点が非常に矛盾があると思いますが、その点をもう一つ……。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 私は矛盾とは考えておりません。今吉川委員の仰せによると、すぐ日本共産党を非合法化すればいいじやないかという御議論にも受取れるのであります。併しこれは只今はその段階に私は至つていないと思います。日本の共産党にして組織を以てこの暴力的破壊活動、これは大きく言えば暴力革命を実際にやろうという実証があれば、これは何をか言わんやであります。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 私は解散に反対ですが、あなたが解散に反対されるところの理由を一つ具体的に……。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 反対は私はしません。その実証を将来において見れば、私は相当この法案においての措置が講ぜられるべきものであると考えております。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 それにやはり関連して来ますが、いわゆるこれは現行刑法においては、団体を取締り、団体を解散するということはできない。この法律によりますと、解散をなし得るのであります、行政手段によつて……。そこが法務総裁の狙いである、特審局の狙いであるということは、これは言わず語らず、国民は、識者は皆知つておる。そこで私は先ほども申しましたように、共産党活動というものに対する国民。認識が足りないほど危險なことはないと思うのであります。この法案は共産党の公なる活動を禁止して、地下にもぐらせるために作られるような法律と言われても仕方がない。この見解が今吉川さんと法務総裁の間におけるところの質問の要点だと思う。私は共産党は法律によつて、特審局で、昔の特高によつて取締つて行けば、国民は安心だという安心感を與えることは、私は非常に危險であると思う。これは総裁は見解の相違と言われるかも知れないが、先ほど私はいろいろな近代の歴史的な事実から、国民の共産党活動、或いはフアツシヨ活動に対するやはり認識を深めて行くということがなくて、この法律によつて取締つて行けば足りるというお考えは、私には了解できない。反対である。ところが今法務総裁の御答弁は、それをなし得なければ困るのだ、治安が保たれないのだというお考え、私はこの点についてもう一度御答弁を願いたい。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 私は共産党の問題が出ましたから申上げるのでありまするが、この法案によつて共産党が対象となつた、そうして地下にもぐる、それほど危險なことはないじやないかという御議論でありますが、一体暴力破壊活動は個人によつて行われるのと、大きな組織体を以て行われるのと、およそその影響力に差異があるということは明らかであります。組織の力ほど恐しいものはないのであります。そこで、組織の力を以てかような暴力主義的破壊活動を行う、その危險を先ず防止しなければならん、これであります。そうして個人によつて行われるところのことは、これは勿論取締らなければならん、両々相待つて行くが、組織の力による暴力主義的破壊活動、これは十分に取締つて行かなければならないということを我々は考えておるのであります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 それはとんでもないことです。現に解散状態に置かれておる共産党が一体なぜつかまらんのですか。この点は私は理解できない。それからもう一つは、解散を命ずれば、共産党は組織活動をやらんというようにお考えになるところに甘いところがある。現にやつておるじやないか。現に解散状態にある共産党が、特審局が一生懸命になつても、メーデー、皇居前の問題すら防ぎ得なかつたではありませんか。そういうことをお考えにならないで、団体を解散して組織活動ができないものだと考える総裁の心情を私は疑うのであります。そうして団体を取締りさえすれば、治安は維持できる、複雑な而も高級な戰術を使うところの共産党或いはフアツシヨに対して、解散を命じておけば事足りる……、そこで私はこれは表面に現われておる個々の活動に対して、個々の行動を取締つて、国民に批判を與えるということがなされなければ本当の治安は、本当の意味におけるところの国内治安は保たれないのじやないかということを申上げて、いわゆる共産党の解散に我々は賛成はできない。取締らなければならんことは個々の行動で、それを解散を命じたからと言つて、地下においてかくのごとき活動をしておるのじやないか。国際共産党本部の解散を命ずることはできないのですから、その点は法務総裁のお考え、もう少し御研究を願いたいのであります。我々は失礼でありますけれども、国を憂えるから申上げておるのであります。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 誠に原委員の御忠告、有難く受取ります。併しこれば各方面から手を盡してやらなければならんのでありますから、私らも解散そのものによつて直ちに日本の治安が維持される、そんな甘い考えを持つておりません。この解散も一つの手段に過ぎないのであります。あらゆる手段を以て日本の治安を維持して行きたい、こう考えております。個人によつて行われるものは、又個人に対する相当な措置を考えてやらなければならん、両々相待つてその全きを期したいと考えております。くれぐれもこの法案一つで以て日本の治安を維持しようというような、そういうような甘い考えは持つておらないのであります。これは一つの現段階における必要欠くべからざる最小限度の法案であるという点は常に申しておるのであります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 そうお考えであろうとは思いますけれども、然らば私が先ほどからお話いたしましたところの、国民の意識を啓発し、国民生活の安定の施策というものは予算の範囲内でやる程度だ、それが私のほうは、非常に積極性を持つておるということを遺憾ながら考えられないことについて嘆かざるを得ないということを申上げまして、次はこれは総理も外務大臣もお見えになりませんが、法務総裁にも御関係がありますから、法務総裁から御答弁願えないところは、官房長官なり、これはむしろ総理から御答弁を願いたいと思います。お伝え願いたいとと思います。私は国際自由労連の書記長のオーデン・ブロツク氏が先般、日本政府が破壊活動防止法並びに労働法の改正をやる、これに対する質問書を去る十七日によこしたのであります。その回答をまだしない。回答をしないために督促が来ておる。そこで私はこういう手紙が総理に参つたということは、非常なこれは国際的な問題にこの法案がなつておる。従いまして総裁はこの手紙に対する回答を與えるために、総理から御相談を受けられたかどうか。なぜ又回答が遅れておるのかどうか。それからその質問書の内容を御存じならば御発表を願いたい。三つをお伺いしたいのであります。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) ちよつと総裁の御答弁に先立つて、官房長官その他との交渉の結果を御報告しますが、龍野次官を以てそれぞれ外務大臣、官房長官に交渉をいたしましたのでございますが、本問題は專ら労働大臣の所管に属することであるので、そこで今審議をしておるので、その結果によつて恐らく御返事を上るなり、答弁するということに相成るので、その真相については労働委員会のほうでお質しを願いたいという御返事でございます。むしろ深いことは我々も詳細についてまだ知らないから、今專ら労働大臣においてその内容その他について検討中であるという御返事でございますから。なお一つ法務総裁から御答弁を願います。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) オーデン・ブロツクからの書簡、それに対する回答、又催促が来たというような事実につきましては私は存じ上げておりません。又総理からそういう点について何らの話合いもありません。ただ私は、新聞紙上を通じてさような事実のあつたということを承知しただけであります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 これは、オーデン・ブロツク氏の書簡は、新聞報道によりますれば、破壊活動防止法に関する質問と、労働組合法改正に関する質問と、二つになつておるように私は存じ上げております。併し法務総裁が御存じなければいたし方がない。いずれ労働問題のみでなくして、本委員会にこれは重要な関係がある。私が又聞く範囲におけることが事実といたしますならば、この委員会においてその書簡の問題、これに回答の催促されるまで放任されておつた理由等を本委員会で糺明するのは当然なる義務であり、責任であろうと考えるからお聞きしたわけであります。併し総裁の御答弁によつて、今日聞くことのできないことは甚だ遺憾に思います。最後に法務総裁の心境をお伺いいたしたいのでありまするが、本案に対しましては、先ほど来申上げまするように、言論機関を挙げて、法曹界を挙げて、あなたが長年御関係なさつておりました法曹界を挙げて、或いは学者は勿論労働組合挙げて反対をいたしております。これは総裁も御存じの通りであります。ただ、衆議院は多数を以て押切りましたけれども、世論は反対であります。そこで私はこういう大きな問題、而も自由国際労連の書記長から質問書も来るような事態になつて、本年は秋に選挙が行われることは丸分九厘間違いないところでありますので、こういう大きな問題は、一応留保されまして、秋の選挙を済まして、その結果に徴して新らしく立案されるということが賢明な策ではなかろうかと思いますが、この点に対しては総裁如何でございますか。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) お答えいたします。御承知のようにいろいろ議論がありますが、必ずしも全面的に反対とは申すことができません。私はそう考えております。これをつぶさに検討いたしまして頂けば、修正意見については多少のなにがありましようが、全面的に、この法案に全部が全部反対しておるとは私は考えておりません。又今オーデン・ブロックからの書簡の話がありましたが、私はこういう問題は日本の国民がみずからやるべき事柄であると思う。何も外国から来たからといつて、それに驚くことは毛頭ないと思います。日本人は自主性を持つて、日本みづからのなにで、国会で十分審議されて然るべきであると私は考えております。さような手紙によつて左右されるべき問題では断じてないと私はこう考えております。而して、この法案は来たるべき選挙後の国会にしたらどうかということですが、私は是非ともこの法案は現下の治安情勢に鑑みまして、御審議の結果、これは一日も早く成立を期待いたしたいと、こう考えております。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 払の、国際問題になつたという意味に対して考え違いをされておると思います。勿論国内、殊に独立国家になつた以上は、よその国の言うことは、参考には聞いてもよろしいけれども、そんなものに左右される必要はありません。むしろ私は、政府が或る国に余り左右されることを遺憾とするものであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)そこで私申上げますが、敗戰国家だということは間違いありません。而もフイリピンその他の諸国が、第一に賠償を要求しておることも御存じの通りであります。日本が民主的に発達するかせんかは、これらの賠償の問題に対しても大きな影響があります。従いまして国際間におけるところの問題は、やはり国際信義を守つて、催促を受けないように、自信があるならば、なぜ総理は自信を持つて答弁なさらんのでありますか。その点をお伺いしておるのであります。余り間違つた考えで非難されてもらつては困ります。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 法務総裁に質問があるのですが、是非一つ、中田さんの御質問もありますけれども、よろしうございますか。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) 法務総裁は用事がありますので、又二時半から……。  それではこれで休憩いたします。午後は一時からやりますから……。    午前十一時五十九分休憩    —————・—————    午後一一時三十七分開会

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) 午前に引続き連合委員会を再開いたします。  先ず中田君に質疑をお願い申します。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 木村法務総裁にお尋ねいたします。昨年の十二月に召集されました本国会を大観して見ますると、二つの流れがあるように存じます。その一つは、千八百余億円を含みますところの軍事予算を先ず前半において国会を通過させる。これが吉田内閣のとつた十王国会における基本的な態度であつつたと存じます。その後半におきましては、マツカーサー元帥、リツジウエイ総司令官が持つた占領下における広汎な権限を、いろいろな立法措置によつて吉田内閣の総理大臣の手に握るというふうな私は大きな流れがあると思います。前半においては千八百余億円の重事予算を、軍事的な性格を持つ予算を通過させ、そして後平においては総司令部の持つた広汎な占領下の権限を吉田内閣の一千に立法措置を通じて握る。私はこの破壊活動防止法案も、そのような多くの法案の中の一つの流れ、一環をなすものである、こういうふうな前提から先ずお尋ねいたしたいと存じます。私はこの法案は、国民が希いますところの平和は確保できずに、戰争準備法案である。そしてこの法案は、講和條約の発効によつて得られた不完全な独立から真に国民が待望する完全独立への努力をあらゆる方法でそぎまして、占領状態の継続を意図する、この二つを先ず包含すると私は考えるわけであります。そこで木村法務総裁にお尋ねいたしたいことは、私は昨日、個人的なことに亘りまして大変恐縮ですが、木村法務総裁は占領下に入りましてから追放されています。朝日年鑑の一九五二年版によつて調べますと、追放されました理由は、大日本翼賛壯年団澁谷の支部長としてD項によりまして戰争に協力されたという理由の下に追放されているわけであります。そこで私は光に申しました理由からいたしまして、この法案は平和への道でなしに、国民の意思から別な方向に、戰争への大きな危機を含むものだと思う。そういう観点からいたしまして、少くとも追放されてそして木村法務総裁が意図されようがされまいが、少くとも戰争遂行の一環を翼賛壯年団の支部長で担われた。そういう意味からいたしまして、私はこの法案、三つの関係法案の所管大臣とされてよりかも、されてと同時に、やはり吉田内閣の政治家、ステーツマンとされては、何としても戰争を防止する、そうして八千万同胞を再び誤つた方向に持つて行かないという点は、D項によつて追放されて、それが解除されて政界に復帰された木村法務総裁としてのステーツマンシップとして最も私は期待すべき点であると思う。そういう観点からいたしまして、この三つの法案に対してどういう心がまえをしておられますか。ステーツマンとしてのどういう心がまえを持つて四つに組んでおられるかという点と、私は講和條約、安全保障條約、行政協定、破防法と一貫いたしまして、アメリカの世界政策を担うものであつて、現在とられておる措置は戰争への道であると思うが、木村法務総裁はこれに対してどういう御所見をお持ちであるか。先ずこの二点についてお伺いいたしたいと存じます。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 只今の御質問はこの法案は戰争準備法案である、又この法案によつて戰争の危機を招く憂いがないのであるか、第三にはこの法案は日本の完全独立を阻止するものじやないだろうか、こういうふうに承わつたのであります。私は全然さようなことはないと存じますと申上げたい。これが何が故に戰争準備の法案であるか、その御議論の趣旨を私は理解できないのであります。又何が故にこれが戰争への危機を招来するものであるか、これも私は理解できない。又何が故にこれによつて日本の完全独立を阻害されるものであるか、この理由も私は了解に苦しむのであります。私は勿論この澁谷の翼賛壯年団長をやつておつた事実はあります。併しこのやつておつた事実については私は弁明はいたしません。確かにやつておつた事実はあります。これによつて追放されたという事実も争いのないことであります。併し私の根本理念は、決して民主政治に背かないようにする一つの理念を持つておるということははつきり申上げたい。これは私事に亘つて甚だ恐縮でありまするが、私は曾つて日本軍華やかなりし頃です、いわゆる国家総動員法なるものを提案されたのです。そのときに誰がそれに対して反対運動を展げたでありましようか。我々はそれに率先してやつたのであります。私はこの戰争について、その戰争開始前においての態度というものは、私は人後に恥かしくない態度をとつておると考えておる。戰争中においても決して私は戰争遂行についての役割をいたしたということは考えていない。そういうことは弁明をいたしません。私は信ずるところによつて態度をきめているのであります。私は民主主義政治下において、決してこの民主政治に背くような態度をとらないつもりであります。  この法案の狙いといたすところも私は元来は民主国家において何が一番考えなくちやならんことであるかと考えますと、これは結局暴力、これは一番考えなくちやならんことである。暴力を以て暴力に対抗する、暴力が横行すればここにおいて民主政治の破壊ということが招来するのであります。我々は民主平和国家を建設する途上において是非とも言論は言論、これによつてすべてのものを解決し得る。政治は国民の多数を以て選ばれた議員によつて組織されまする国会においてこれは論議すべきである。いやしくも暴力を以て自分の政治上の主義主張を遂行しようというような破壊的な行動というものは、これは民主政治において許すべからざるものという信念を持つております。そこでこの法案の狙いは、暴力を以て国家の基本秩序を破壊するような団体、或いは刑法に規定されております兇惡犯罪を遂行しようというような団体を規制し、それと同時に個々の刑罰法規を補整して行こうということがこの法案の狙いであります。この法案こそ本当に民主政治を私は維持するため必要最小限度のものであると考えております。この法案のどこによつて戰争を招来するのであるか、危機があるのか、又日本の完全独立をこの法案のどこによつて阻止するところがあるであろうか、この法案のどこによつて戰争準備の法案と言えよう、私はこの三点についての御議論について全く考え方を異にしている。この法案によつてこそ日本の民主政治は維持されるものである。これによつて日本の民主政治を維持しようという考え方であります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 木村法務総裁が戰時中になされました戰争防止に対する努力に対する謙虚な発言に対しては敬意を表するものであります。併し現在アメリカがとつていますところの世界政策というものは、木村法務総裁が意図されるとされないにかかわらず、我々は戰争への多くの危險を含むものであると思わざるを得ないわけであります。御存じのようにトルーマン大統領は一九四七年にソヴイエト封じ込み政策といういわゆるケナンの立てましたコンテインメント・ポリシーというものを打立てまして、ソヴイエトを東西から大きく包囲して締め上げる。こういう政策をとつているわけであります。この政策というものは、私はその大きな政策の一環として、はめられているのが講和條約であり、安全保障條約であり、行政協定である。このソヴイエト封じ込み政策が戰争への多くの危險を含むということは、世界の民主主義諸国の軍事評論家、国際政治家等が共通して持つ危惧であるわけであります。そういう点からいたしまして私はこの法案が多くの危險を含み、第一次大戰、第二次大戰と言わず、そういうときに武装を整えて平和を保つ、武装平和を言いながらそれは結局戰争になつて行つた。武装平和で千和が保たれたためしはないわけであります。そういう観点からいたしまして、ピース・オブ・ストレングス、力による平和政策というものは、結局私は戰争への道を歩むものであると考えるわけであります。特に私本会議でも申しましたが、アメリカが日本にはめましたABCDラインの包囲政策というものは、アメリカ、ブリナイツシユ、チヤイナ、タツチ、オランダという包囲政策をはめて、そうして日本は戰わずしてアメリカの陣営に降伏するか、一か八かやらざるを得ないような、包囲政策というもので日米戰争に遂にならざるを得なかつた。私は今ソヴイエトにはめられているところのABCDラインのコンテインメント・ポリシーという政策と、往年日本にはめられたところのABCDラインの包囲政策というものが殆んど同じことを、これはアメリカの善意にもかかわらず遂に力の赴くところ私は第三次世界大戰への道を歩むではないかということを危惧するわけであります。こういう特にビアード博士のごときは、亡くなりましたが、アメリカの有名な世界的な歴史家であるビアードは、近衞総理は太平洋の上でルーズヴエルトと会談して日米戰争を防ごうとしてあらゆる努力を試みた。併しアメリカはこれを拒絶してルーズヴエルトはABCDの包囲政策をはめて、最後に通商協定を破棄して油の一滴も売らない、のたれ死するか戰うか、一か八か、そういう羽目に持つて行つたのがルーズヴエルトである、だから多くの戰争責任はルーズヴエルトが負うべきであるということし言つておるわけであります。我が国におきましても多くの責任があるわけでありますが、この二つの政策、ソヴイエト封じ込み政策がずつと締め上げられて行つて、ソヴイエトが戰わずしてアメリカに宥和政策をとりまするなら私は過ちがないと思うわけでありますが、若し誤つて日本がとつたような政策をとるといたしましたら、辻に第三次世外大戰への破局的な段階になつて、米ソ両勢力の間に挾まれた日本はそういうような羽目に陷り、アメリカの世界政策の一環としてこの多くの民主団体の平和勢力の意見を、あとでも述べますが、抑えるようなこの政策というものが、私はABCDラインの曾つての日本に対する政策、そうして今アメリカがソヴイエトに対してとつておる政策とを比較して行きまするならば、勢いの赴くところ木村法務総裁の善意にもかかわらず、遂に我が国が重大な段階になるではないか、こういうふうに危惧するわけであります。我が日本社会党におきましても、明らかに共産党とは一線を画する政策をとつていますが、その立場では基本的な差があるわけであります。あとでも木村法務総裁にお尋ねしたいと思いますが、この両者を比較して曾つての日本にはめられた政策、今ソヴイエトにはめられつつある政策が、結局戰争になるではないかということを思つて、私としては木村法務総裁が自分の意思如何にかかわらず、D項で追放されたという観点からいたしますならば、再び国民に報ゆる立場からいいますならば、あらゆる努力を盡して再び国民をこのような惨禍に陷れないということがステーツマンとしての基本的な態度であると思うわけであります。コンテインメント、ポリシー、ソヴイエトはめ込み政策とか、ABCDライン政策との比較において、そうしてその申における破防法の歴史的な役割というものに鑑みて、戰争になる虞れがないかどうかという問題をお伺いいたしたい。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 只今の御意見を承わつておりますると、結局はこの法案はアメリカの世界政策の一環をなすものじやないかということに帰着するようでありますが、私は断じて然らずということを申上げておきます。勿論アメリカの世界政策、ソヴイエトの世界政策、この二大両国の世界政策についてはこの場で申上げることをお控えしたいと思うのであります。併し我々はこの世界勢というものを現実に見ます場合において、少くとも或る種の力を、国外的の力を以て日本の社会組織を脅さんとするような疑いは十分持ち得るのであります。中田君も御存じのように、一体朝鮮のあの悲惨な状況が何によつて引起されたか。我々は朝鮮民族に対して実に気の毒な感じを持つのであります。この因つて来るべき原因がどこにあるのかというようなことをつぶさに考えて見まするに、我々は十分な警戒を以て、日本を安全な平和な独立国家とするには相当の決意をここに懐かざるを得ないのであります。およそ世界民族において平和を愛さない民族がどこにありましようか。我々も平和の一日も早く来らんことを希うのであります。併しながら現実においてはさようになつておりません。如何にして世界の平和を招来することに我々は努力しなければならないか、これは日本国民がお互いに手をつないで、これに対処しなければいかんと考えております。我々はどこまでも日本の平和と独立を維持するように考えて行かなければならない。これがステイツマンのとるべき道であると考えております。我々も微力ながら祖国日本の平和と独立を祈願することにやぶさかでないのであります。それには先ず第一に、日本内地の治安をどこまでも維持しなければならない。一たび治安が乱れれば日本の国はどうなることか、産業も、経済も、政治も皆一朝にして崩壊に導かれます。何よりも先ず日本の治安を維持するということが急務であろうと考えております。然るに現実の問題といたしまして、不幸にして暴力を以て日本の根本組織を破壊しようというような団体があることを疑わざるを得ないのであります。我々はここにおいてかこれに対処すべきことを考えなくちやならん、この法案もその一環をなすものであります。繰返して申しまするが、この法案自体によつて日本の治安を全面的に維持できるとは考えておりません。あらゆる施策を以て日本の治安を維持すべきこれは一環をなすものと考えておるのであります。その意味においてこの法案は日本の平和、独立を招来すべき必要最小限度のものとして提案したのでありまして、決してアメリカの世界政策の一環をなすものとは我々は断じて考えていないのであります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 原君その他の質問に対しましていずれの体とを問わず、暴力主義的な活動をするものを取締る。併し取締の対象は共離党であるというふうに言われましたが、共産党対策の基本的な態度について我々の持つ考えを披瀝しながら法務総裁のお考えを承わりたいと存じます。先ず、私はなぜ中国が、遂に五億の民衆が共産党の毛沢東政権を選んで蒋介石政権を台湾におつぽり出したか、この歴史的な反省の上に立つて、今吉田内閣並びに法務総裁がとられている共産党対策というものが、却つて日本を共産化するものであるという立場を述べて質問いたしたいと思います。御承知のように中国は一八四一年ですか、阿片戰争をきつかけにいたしまして、イギリスが香港を取り、中国全土に亘りまして、治外法権、経済的な特権を持つて中国侵略の第一歩を踏み出したわけである。更に日本がいつですか、大正七年に第一次大戰が起きて三年目ですか、旧年目ですか、ヨーロツパ諸国が中国に対する手薄の隙を狙つて対支二十一ヵ條を引提げて中国を侵略し、そういう過程を経て、中国の蒋介石政権の基盤が非常に弱つて来ておる。そういう際に、日本が日露戰争、第一次大戰を通じて、巨大な勢力となつて、太平洋におきまして、アメリカと対立するようになつて来た。その際にアメリカのとつた政策は、蒋介石を扇動いたしまして、そうして猛烈な排日運動を起させ、遂に日本と中国とが戰火を交えなくてはならんようになつて行つて、このことが遂に蒋介石政権の力が弱つて来て、その隙を狙つて遂に中国共産党が中言全土に亘つて支配権を握つた。そういう観点から見ると、アメリカが今日本にとつています政策は、中ソ両国が非常に大きな力になつた、そこで今度は日本を再び蒋介石の役割を果たさせよう、こういう立場をとつていることは、紛れもない事実であります。日本は……ソヴイエトが不凍港を求めて旅順港に来るときは、日本を援助して、日本を通じてソヴイエトを牽制する、こういう太平洋政策をとつておる。そうして日本がそれをきつかけに強力になつた場合には、今度は蒋介石を教唆、扇動いたしまして、日本と相対立するようにして、そのことが遂に中国を今日の破局に導いた大きなものである。そういう観点からいたしまして、現在アメリカが日本にとつておる政策というものは、明らかに曾つて蒋介石に強いた立場をとつておるわけです。こういうような立場をとつて、今後強力に推し進められて行きますならば、私は遂に日本は第二の蒋介石の運命を担わざるを得ないようになる。破防法はまさにその先端をきるものである。木村法務総裁の善意にもかかわらず、私は遂にそういう歴史的な役割を担われるものである。こういうふうに思うのですが、アメリカの日露戰争にとつた太平洋政策、更に大正の末期からとつた蒋介石に対する政策、現在の日本にとつている政策等を睨み合せて、一つそういう慮れがないか。破防法はまさにそういうような歴史的な役割を担うものではないかという点についてお答え願いたいと思うわけであります。我が党は、共産党に対する最大の対策というものは、共産党は植民地、外国の勢力の支配するところの富の貧困、不平等、疾病、社会的疾患、こういうようなものこそ、共産党のはびこる基盤である。従つて漸進的な強力なる社会民主的な政策によつて共産党の新勢力を断つてしまう。これが私たちとしては、共産党に対する、或いは急進的な運動に対する最も効果的な対策であると思う。そういうような点からして、現在とられている政策というものは、私はそういうような方向になつて行く。中国の歴史に鑑みて、明らかに私はそうなると思う。今法務総裁並びに特審局長は、私はそういう役割を担つて一歩々々日本の運命を奈落の底に持つて行かれるものではないかと、ひそかに危惧するものである。この点では、世界観に対する相違もあると思いますが、アメリカの世界政策と、中国の遂に陷つた運命に鑑みて日本がそういうようなことになる虞れはないかということを、木村法務総裁にお伺いいたします。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) アメリカの世界政策並びに世界観このものについて我々はここで批判しようとは存じません。この世界政策、世界観について研発すると同時に、又ソヴィエト、中国の世界観、世界政策も又ひとしくこれは研究しなければならん。それらの対比研究については、私はここでは申上げることを差控えたい、こう考えます。ただこのアメリカの政策の一環として、破防法が制定され、提案されたものであるかということについては、私は明らかに申上げたい。私らは日本というものは、立派に今度は独立国家になつたものと考えております。又我々はこの独立国家をして日本独自の立場において、立派な平和民主国家を建設して行かなければならんと考えております。アメリカの政策が如何にあろうとも、我々は独自の見解を持つて日本の国家の政策を推進して行くべきものであろうと考えておるのであります。而してこの法案も我々は日本の今後のあり方、日本が将来民主平和国家として進むべき一つの過程において、この法案は必要欠くべからざるものとして立案し、提案したのであります。これは私は繰返して申すのでありまするが、日本の治安を維持することは、日本の将来の発展において緊急欠くべからざるものである。その意味において、我々はこの法案の必要性を強調いたしたいと考えておるのであります。即ち日本の治安を維持する面において、現在の段階においては、必要欠くべからざるものとして、独自の見解で立案したのでありまして決してアメリカの世界政策の一環を担つてやつたものでは決してないということを私は申上げたいのであります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 だから見解の相違だという立場で逃げられるかも知れませんが、私はこの政策が推し進められて行くならば、やはり第三次世界大戦への多くの危険を含むものだと思うわけであります。例えばその例として、今年の昭和二十七年の三月十八日にウィリアム・ヒルマンという人が、ミスター・プレジデントという大統領の日記を公表しています。その中に世界の米ソ相対立勢力の一方の指導者であるミスター・プレジデントが第三次世界戰争は遂に避けることができないと思うということをはつきり書いています。私は非常に日本に対する大きな影響のある、アメリカの大統領の言といたしまして、誠に感慨深く読んだわけでありますが、そういうように言つておりまして、更に最近フランスのル・モンドに出されたところのフエクテラーの機密報告にいたしましても、一九六〇年までには、第三次世界大戰が不可避であるということを言つておる。更にアメリカの政策に、最近協調の色を示しておりますチヤーチルの日記を見ましても同じようなことを言つておるわけであります。従つて私はどんどん再軍備を強力に推し進めて行きますならば、曾つての歴史が示しましたように、遂に蓄積した武器で国際的な紛争を力で解決するというようなことになつて来ると思うわけであります。そういうことは木村法務総裁は強く否定されていますが、日本の国内には明らかにそういうふうになるという意見が総評を中心にした労働組合、或いは総同盟、或いは学識経験者その他の進歩的勢力には強くその点が過去の体験を通じて実感を以て身に迫つて、強くこの吉田内閣のとつておられる政策に対する批判が起きているわけであります。そこでどういたしましても外国に対する軍事基地の提供反対、再軍備反対、平和憲法擁護というような澎湃とした国民の世論が巻き起ることは明らかであります。そういう点からいたしまして私はこの法案がそのような日本の健全な、アメリカの行き過ぎた政策に対しまして自制と反省を求めるところの運動が、破壊活動防止法案という名目によつて抑えられてそうして遂に我々はアメリカや木村法務総裁の善意にもかかわりませず、遂に不幸な事態になるのではないかということを憂慮するわけであります。そこでこの法案によつては絶対にそういうような運動、例えば再軍備反対、警察予備隊の募集反対運動というような運動に対しても適用されることはないかどうかというような点についてお伺いいたしたいと思います。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 只今の御議論の要点は戰争反対、再軍備反対というようなことがこの法案によつて阻止されるようなことがないかという御議論のようであつたと考えます。私は政策の面については、国民は内閣の現にとつておる政策その他についての批判はこれは十分すべきであると思います。従つて戰争反対、或いは再軍備反対、これについての議論は堂々とやるべしです。戰争賛成の議論もやるべし、反対の議論もやるべし、これはお互いに言論を以てお互いに議論を盡し合つて、そうして結論を出すべきだと考えております。要はそういう議論は議論として行う。又政策面については国民を代表する国会において論議すべきである、これを実行に移すべきである、こう我々は考えるのです。併しながらいやしくも暴力を以てさような主張を貫徹せしめようということに至つては、これは治安上捨てて置くことはできない。民主、平和国家においては私は暴力の許すべからざることは皆さん御賛成であろうと思うのです。議論を以て互いに納得し合うということに、ここに初めて民主政治の運営が円滑に行われるものと確信して疑いません。従いましてこの法案においてはさような議論をなされ、又それがために一種のデモをやるというようなことについては何も対象になるものではないのであります。ただただその主張を暴力を以てやろうということにおいてはこれは私は民主政治下においては許すことができない、こう考えております。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 次にお伺いいたしますが、アメリカのAP電報の三月二十六日のワシントン電によりますと、アメリカは日本に一大外交団を設置する、そうして情報センターというものを作る、そうして一九五三年の会計年度において五百三十万ドルの費用を以て一つの日本の啓蒙教育宣伝活動をやる、そうして日本に二十三カ所の情報センターを作つて米人百三十五名と日本人六百名を擁して一大キヤンペインをやる、そうしてその中心は中ソ両国に対する反感をいやが上にも増大せしめて、反共感情を徹底的に植えつける。そうして第二番目には再軍備の必要を痛感さして行く、そうして憲法を改正して再軍備に持つて行く。この二つが情報センターの主たる任務であるということを言つているわけであります。これは明らかに行政協定の第十六條ですか、日本国において日本国の法令を尊重し、及びその協定に反する活動、特に政治活動を愼しむことは、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の義務であるというふうに規定してあるわけでありますが、そういうふうにアメリカは厖大な一大外交団を以て豊富な資金を以て、そうして日本に一方的な情報活動をやつて、そうして日本を反共宣伝のアジアにおける最も危険な前線配置としての役割を果させる。こういうようなことは先ほど申しましたようにアメリカの諸政策はアメリカの善意にもかかわらず私は遂に戰争になつて行く。そういう意味から言つて最大の教唆扇動と思う、内政干渉と思うが、先に木村法務総裁は原君の質問に対して、そういう外国の要請に対しては独立国になつたのだから日本の国民として主体的な立場を以て対処するということを言われたが、この情報活動に対してどういう御意見を持たれておるか。私はこの運動こそ日本を破局に持つて行くところの最大の教唆扇動であると思う。最大の日本における破壊活動であると思う。この点は行政協定の十六條に鑑みても明らかに一つの政治活動である。更はそういうようなことは我々が国際的なあらゆる情報を集めまして、それらの判断に基いておのずから国民的に形成されて行くべきものである。破壊活動の防止法案によつて一方の民主団体の意見はどのような御主張をなされようとも抑えて置いて、そういう一方的な活動を許して、このようなことになつて行きますと曾つて日本が反共の防共協定を結んだことが赴いた運命に又再び行かないということを保証することはできないと思うわけです。木村法務総裁は情報センターに対して法の権威を守る総裁としてどういう態度をお持ちであるか。勿論私たちといたしましても決してアメリカと敵対しようという考えは持ちません。日本の主体的な立場を打ち立てまして、そうして相互の独立した国として最大公約数の提携できる線で世界政策を進めて行く、こういう立場をとる意味において私は情報センターの持つ役割というものは、破壊活動防止法案とからんで、極めて重大なる問題を含むものだと存じますが、どういうお考えですか。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 只今の外国通信によつてのアメリカ情報センターと申しまするか、そういうようなことは何ら私は関知しておりません。或いは私はそれは虚構ではないかと考えます。万一若しも今お述べになつたようなことが事実でありといたしますならば、我々は日本は御承知の通り独立国家になつたのであります。何らアメリカの指示を受ける必要はないのであります。又指示に従う必要はないのであります。アメリカがどういうことをやろうとすることか私は存じません。存じませんが、我々は独立国家として今後こういうような問題が仮にありといたしましても、これは対処して行くべきであろう、又して行かなくちやならんと、こう考えております。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 それを知らないと言われることは非常に教唆、扇動というような問題を大きく取上げられて国民の権利、義務に重大な掣肘を加えようとする……法務総裁としては甚だ勉強が足らんと思います。例えば三月二十九日の京都新聞或いは三月二十八日の日本経済、朝日その他各新聞に連載されてこれが非常に大きな、何とかして日本国民にそういうことを感ずかせないようにしながら反共の感情を植えつけて、そうして再軍備まで持つて行く、これが今後設置される日本外交団の最大の使命だということを堂々と日本の諸新聞に書いてあるわけなのです。そういうことで頗るお多忙な法務総裁でありますから御存じないといたしますれば、とやかく言つてもいけませんが、若し設置されましたら私はやはりこれは最大の教唆、扇動である、そしてこれは最大の破壊活動にならないという保証が、どこにもないと思うわけであります。これに対してどういうふうにお考えになりますか。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 私の関知しないということはこれは事実かどうか知らんということです。新聞の記事は読んでおります。併し果してそんなことが実際あるのかどうか、我々何らの交渉がありません、そういうものは……。それだから私は関知しないと、こう申上げたのです。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 若しできたら……。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) できたといつても日本の政府がやるわけではありません。又アメリカが独自でそういうことを日本の民間の人に対して啓蒙、宣伝をやることがあるかも知れません。それが若しも日本の法規に触れるようなことがあれば断然処置して行くのが当然と思います。それが教唆、宣伝じやないかという、こういうことの御議論でありますが、何を教唆、宣伝するかわかりません。内容は、それをよくその行動を取調べなければ、若しも仮にありとして、そういう前提の下にありとして何をやるのか、何を教唆、宣伝するのかということは、その具体的事象を捉えなければここで軽々しく判断はできません。併し仮にそういう団体ができたといたしまして、日本で暴力行為を以てこの法案に規定してあるようなことを宣伝するということになれば、これは日本の法規によつて処断すべきが当然であろうと考えております。何を宣伝するか、それは具体的の事象がはつきりわかつた上でなければ何とも申上げることはできないのであります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 日本の曾つての治安維持法の成立に鑑みまして、この法案がよし参議院において修正されましようとも、私は再び治安維持法が辿つたような過ちを侵す一つの橋頭堡になるのではないかということを心配するものであります。そこで木村法務総裁にお尋ねいたしますが、御存じのように大正十四年に治安維持法ができまして、昭和三年に現在の吉田内閣の前身である政友会におきまして田中義一が総理大臣であられます際に治安維持法に死刑と無期懲役を追加するという世界最悪の画期的な法案が出たわけであります。誠に現在の政友会の後継内閣である自由党内閣において治安維持法に匹敵するこの法案が出たということも歴史の因縁と存じますが、誠に感慨深く思うわけでありますが、この法案が漸次改正されてそういうようなものに変つて行く心配はないかどうか。特に私はなぜ質問をいたすかと申しますると、だんだんと米ソの対立が激しくなりまして、国際的な危機が高まるに従つて治安維持法がああいうふうに改悪されたと同じケースをとるのではないかと思うわけであります。先ず御存じのようにアメリカが一九四七年にソヴイエト封じ込み政策をとつて、最初にとつたことはトルコに対する厖大な軍事援助であります。そしてトルコが現在ソヴィエトと陸続きでありますが、トルコは再軍備の費用のために国民生活が非常に困窮いたしまして、そして却つてソヴイエトの脅威よりも国民生活の破壊の脅威のほうが大であるとさえ言われているわけであります。そこでトルコにおきましては非常に重大な法案が現在トルコの国会にかけられているわけであります。私はそういうような例えばこの五月四日のイスタンブールの特電のAP電報によりますと、メンデレストルコ首相は現内閣に対しまして批判を行なつた場合をこれを一年乃至六年の投獄の刑に処する旨の法案をこの国会に提出している。そしてこれは明らかに政府反対及び中立系の新聞を対象としたもので與党の人民共和党はこれを新聞の自由に対する非民主的な挑戰であるとして非難して現内閣においてすら非常に批判されている。アメリカがとつている世界政策をずつと推し進めて行きますならば、トルコが現在置かれているような地位に日本も行くことは、これはもはや世界の動きを見るならば明らかであります。そういう点で私はそういうふうに変えられて行くのではないかというふうに心配するものであります。同じように、日本と同じような政策が更に強く進められているのは南鮮であります。李承晩大統領におきましても最近のうちに政府反対の議員を数名逮捕したり、そうして非常な強圧政策をとつているが、南鮮の議会は遂にこの李承晩内閣に対して非常な異議を申出でて行つているわけですが、私はそういうふうに漸次治安維持法が辿つたような終過を辿つて行くのではないかというふうに心配し、この法案が修正され、どこのような形でも一度生れましたならば遂にそういう方向に行く慮れがある。アメリカの世界政策を最も強く押し出されたトルコ並びに南鮮の状況を見まして、そういうふうになるのではないかというふうに心配するものでありますが、その関係についてどういう法務総裁はお考えであるか。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) これは十分にその治安維持法と本法案とを御対照を私は願いたいと思います。この治安維持法というのは結社をしたり結社に加入することを禁止し、そうしてこれを刑罰の対象にしているのであります。ここが非常にこの治安維持法の悪用された一つの重点であります。而もこれに対して予防拘禁、保護検束なんということを濫用されたのであります。而も刑罰については非常な大きな刑罰を考えておるということであります。而もその目的とするところは国体の変革とか、私有財産制の否認という漠然たるものであります。そういうことを目的として結社をしたり結社に加入したりする者までも何しているのであります。ところが本法案においてはどんな結社を作ろうと、どんな結社に加入しようと自由勝手であります。これは憲法に認められた原則に基いて一歩—もこれは侵させることはない。従つて昔の治安維持法について非常な心配を持たれるかたは十分この点を御検討願いたいと私は考えております。この現在の法案におきましては高度の凶悪犯罪をやろうとする、やつた団体、若しくはそういうことをなした者を処罰しようというのである。およそこの法案の立て方が違つておるのであります。私はもう前々から繰返して言うのですが、この法案においては第三條においてちやんと明らかにこの対象となるべき破壊活動の定義をはつきりさせ、而もその団体とはどういうことをする団体であるかということを明確にして、いやしくも濫用の慮れのないように十分の我々は考慮を払つたと思うのです。およそこの治安維持法の立て方と本質を異に……根本的に立て方を異にしているのであります。この法案によつて昔の治安つ維持法に代るべきものじやないかというような御疑念は、十分法案を対照研究されますると、私は一掃されるものであろうかと、こう考えております。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 この三つの法案の全体を見ますると、木村法務総裁の御説明にもかかわらず、基本的な人権、集会、結社、その他の自由に対する非常に多くの制約が起ると思います。然もそれを犯した者に対する罰則規定は極めて峻厳だと思いますが、それに比べてこの規制の基準は第二條を見ましても非常に訓示的な状態で、一方に対しての、そういうことをやつた者に対する刑罰の規定が峻嚴であるにもかかわらず、行き過ぎた行動をとつた者に対する規制の基準が非常に漠といたしていまして、これでは職権の濫用の慮れが非常に強いと思いますが、木村法務総裁はそういうふうなことがこれで十分防ぎ得ると思われますか、その点についてお伺いいたしたい。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) これは念のために申上げておくのでありますが、私はこの法案によつて憲法に定めておるところの基本的人権は守られるように十分処置したつもりであります。集会、結社も何もこれは対象にならないのであります。これはよく熟読玩味して頂きたい。そうして今御議論の第二條の濫用の点についてはどうか、こういうことでありますが、これは私は非常に考慮を払いまして、いわゆる調査官に対して強制調査権を持たせないのであります。任意調査であります。そこで私は申上げたいのは、いずれの法律におきましても、行き過ぎた行為をなす者がないとは限りません。そこでこの法案におきましても、仮に行き過さた点があるといたしますると、これは刑法第百九十三條の規定によつてもこれは処罰し得るのであります。又場合によつては懲戒処分もできるのであります。それらの点から見まして、行き過ぎの点があれば十分な手当は私はできると考えております。ただこの行き過ぎの点があつてはならないから、十分の考慮を払うべく第二号によつてその準則を定めて、いやしくも行き過ぎのないようにということをこれに明示しておるのであります。この運用についてはこの法規と共に我我は十分の考慮を払つて慎重に事を処置して参りたいと考えておるわけであります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 なぜそういう質問をしたかと申しますと、私は先般地方行政委員会の他の委員のかたと一緒に、京都のメーデー事件の調査に参りました。明らかに労働組合でも問わるべき行動があります。併し京都の市警の警察官のとつた行動についても、木村法務総裁の監督下にある警察官のとつた行動について、明らかに法律違反する行為をとつているわけである。それは他の調査団のかたはどういう御見解をとられたか存じませんが、島津の労働組合の組合員がメーデーに参加いたしまして、疲れてラムネ屋に入つてラムネを飲んでいるところに、うしろから来て、警棒で乱打をいたしまして、重傷を負わしているわけであります。そしてこれに対して、極めて島津労働組合は、穏健な組合である、そのために警察と、そういう民主的な労組とが完全に意見が対立して、国民から遊離するような憂うべき結果になつているわけであります。そういうことに対して、労働組合が警察署長のところに行つて、破壊的な行動をとつた者に対して取締りをされると共に、警察官のかかる職権の濫用に対して、捜査して、直ちに処罰するようにということを言つても、絶対言を左右にして、殆んど不問に附して、労働組合と鋭く警察が対立した。そういうものに対して、刑法の第百九十四條の特別公務員の職権の濫用罪、或いは特別公務員の暴行、凌虐に対する罪というものが何ら適用されていない。調査もしていない。それが只今濫用の慮れは絶対ないと言われる木村法務総裁の指揮下にある警察官であります。自治警、国警が来て応援に来たりしてやつている。そういうことがある場合に、我々といたしましては、只今のような説明ではなかなか問題があると思うわけであります。それらを考えて、どういうふうに防止できるか。職権濫用が防げるのか、その点が私京都に参りまして、非常に穏健な労働組合と、検察庁、特審局というようなものとが対立して、非常に今後の捜査活動も好ましくない傾向が出ているわけであります。そういう京都のメーデー事件に鑑みて、どういうふうにお考えになりますか。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 一言お断り申しておきます。私は警察に対して何の指揮権もありません。この法規の建前上何らの権限もありません。事実上監督権はありません。それだけお断りしておきます。どうぞ警察法改正については御賛成を願います。(笑声)そこで今具体的な問題でありますが、どういうことが行われたか、その具体的の事情を十分調査しなければわかりませんが、若しも今言われましたような嫌疑について、不穏、不当な行動がありますると、刑法の公務員の規定、それによつて処分することは、当然であります。公正な検察庁において私は調べれば、問題は解決するのじやないかと考えておりますから、若しもそういうことの事実がありますれば、告発でもされれば、十分に検察庁において取調べるべきものであろうと、こう考えております。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 時間が過ぎましたのでやめて、吉川さんがやられて、それから若木さんの時間がありますから、それを私が頂いて……。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) あなたの持時間以上にはなつております。けれどもそれはあとで時間が余れば、幾らでも差上げます。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 若木さんの時間をもらうことにしますから、さよう御了承願います。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) はい。それでは吉川さん。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 私は病気で半カ月ばかり療養しておりましたので、皆さんが御質問になつたようなことを十分に承わつておりませんので、重複するような点がありましたら、お許しを願いたいと思うのでありますが、今中田君が世界政策について大演説をせられましたが、そういうことを私はしようとは今思つておりませんので、中田君の説には賛成のところもあり、反対のところもあるのでありますが、極く一つか二つの点についてこの機会に木村法務総裁に御答弁を願いたいと思います。それはこれも実は私病気のために退席いたしまして、昨日聞かなかつたのでありますが、今朝の日本経済新聞を見まするというと、昨日この委員会におきまして、地方行政委員の岡本愛祐君が、本法案に関連いたしまして、天皇制の廃止について、これは今後は本法案に規定するところの内乱罪に該当するものとして、やはり本法案規定の処罰の対象になるのであるかどうかというような、まあ御質問があつたように新聞紙面では拜見いたすのであります。ところがそれに対する答弁として、佐藤意見長官が、天皇制の廃止は刑法第七十七條に規定するところの内乱、朝憲を紊乱するところの内乱に関する罪であると、こういうような御答弁が新聞に出ておるのであります。新聞紙を通じての私の了解でありまするから、誤つているところがあれば御訂正を願いたいと思うのでありますが、それについての……これは重大な問題であると考えますので、意見長官は私は直接的に政府を代表している立場にあるかたではないかと思います。政府に対する法制上の意見を具申せられるのが第一の職務であるかと思いますので、つ法務総裁のこれに対する御意見をこの際明確に承わつておきたいと思うのでありますが、私が引用いたしました新聞記事の文言でありますが、誤つているならば御訂正を願いたいと思うのでありますが、左のようなことについて法務総裁は私が引用いたしました通り、佐藤意見長官の答弁を肯定せられるものであるかどうか。即ち天皇制を廃止するということの主張であります。これは私は終戦後今日に至りましても、恐らくは本月出版の雑誌、新聞、その他の定期刊行物等にも、そのようなことを、この法案の言葉を以ていたしまするというと、その正当性と必要性を主張しているというような議論は相当に散見せられるのではないかと思うのでありますが、どうお考えになつておるか。私は天皇制に対する自分の意見をこの機会に申そうとは思いませんが、法務総裁としてはどういう見解を持つておいでになるかということを先ずお伺いいたしたいのであります。で、なおそれに関連いたしまして、單に天皇制の廃止ということを、文書、或いは図画、又は演説等によつて主張することは、内乱罪を構成するところのことになるのであるかどうか。或いは又もう少し進んで、よく労働組合、その他の示威行列にプラカードを立てて行きますが、そのプラカードに天皇制の廃止を主張するような文言を書いて、それを持つてねり歩くというようなことをしたときには、どう考えたらばいいのであるか。先ずそうしたことについて法務総裁の御意見、御答弁を得たいと思います。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) あとに詳しいことは意見長官その他政府委員より申上げることにいたしますが、先ず第一にこの内乱、これはどういうことを申すのであるか、これから出発しなければならんと思います。それは御承知の通りやはり刑法において規定されておるのであります。これは申すまでもなく、国家の基本制度を暴動、暴力を以て破壊せんとすることなのであります。これは昨日も申上げたのでありまするが、昭和十六年に、時の大審院において有名な神兵隊事件について下されたものがあります。これにも国家基本制度を暴動を以て破壊したのか……。国家の基本制度は何であるか。これに当る。我々の意見といたしましてはこの憲法に規定されておる基本制度であります内閣制度、或いは議院制度、或いは裁判制度……。天皇制度はそこに入るか入らんか、我々は入る、こう考えます。と申しまするのは、憲法第一條によつて、明確に天皇は日本国の象徴であり、日本国民の統合の象徴であると、ここに天皇制度というものは確立されているわけです。又あとの條文によつても、天皇によつて行わるべき認証制度、その他のものは、憲法によつて確立されているのであります。これは議院制度、或いは内閣制度と同一に見た一つの憲法に定められた基本制度と考えております。この制度を暴力を以て破壊しようとするなれば、まさにこれは内乱罪を構成するものであります。従つてこの内乱を目的として組織され、そうしてそれを実行に移し、又移す危険のあるとするような団体であれば、それの規制をするべきことは当然であろう、こう思うのであります。ほかの詳しいことは政府委員のほうよりお答えいたさせます。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 もう少し割つて、更に御答弁をお願いしたいと思うのでありますが、新聞の記事によりますというと、佐藤意見長官は、朝憲を紊乱するものである、従つて国会制度を否認すると同じように内乱罪である、こういうような御答弁があつたと思うのでありますが、朝憲という言葉が、この刑法は旧憲法時代の明治四十四年の刑法がそのまま継承されておるのでありますから、朝憲という言葉が果して新憲法に副うところの言葉であるかどうか。私は朝憲という刑法のこれは、まあそういう文言が現実的に存在しているのでありますが、これはやはり旧憲法の精神に基くところの言葉であつて、今日では甚だ新憲法の精神と照応して不適当な言葉ではないか、改訂し得るならばこういう言葉それ自身も改訂しなければならんのじやないかと思うのでありますが、それについての木村法務総裁の御所見をお聞きしたいのが第一点。それから第二に、七十七條によりまするというと、暴動という言葉があるのでありますから、そうした現実的な暴動化した……、まあ暴動の意義でありますが、そういうことでなくして、先ほど引例いたしましたような雑誌、新聞等に天皇制の廃止を主張するところの論文を記載するということは、本法案の内乱罪の対象にならないのかどうか。それからお答えがなかつたのでありますが、更にもう少し行為化したものとして、天皇制の廃止というようなことを書いたプラカードを担いで、東京ならば東京の市中をねり歩くような行動をしたときには、それは内乱罪を構成することにならないのかどうか。今日天皇制の廃止を主張する人は……私の意見は申しませんが、先ほど申しましたように、私非常な数があると思われるのであります。又民主主義という言葉がデモクラシーという言葉の訳語であるといたしまするというと、その言葉それ自身がアンテイ・モナーキという言葉から私はスタートいたしておるのではないかと考えるのでありますが、歴史的にも非常に何と言いますか、非常に広汎な人が内乱罪に問われなければならないというようなことに現在でもなるのではないかと思われるのでありますが、今申しましたような点についてもう一度はつきり御答弁を願いたいと思います。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) この刑法内乱罪に規定されております朝憲紊乱、これは旧憲法下においての法條であつて、これを何か明確化する必要があるのではないかという御議論であります。私もその点について同感であります。いずれ来るべき機会においてもう少し明確にすべきであろうと考えております。併しこの朝憲紊乱の意義については、我々は新憲法下においては、旧憲法下において解釈されたよりかもつと進んだ考えを以て解釈すべきであろうと、こう考えております。そこで大体の基本線は、今申上げました昭和十六年の判例によつて朝憲紊乱とは何であるかということになりますると、いわゆる国家の基本制度、組織、これは新憲法下においても取入れられていい一つの観念であろうと思います。いわゆる基本組織、この基本組織は今申上げましたように、新憲法において認められた基本制度、こう解釈しております。そこで憲法に規定された基本制度とは何ぞやということでありますが、議院制度、或いは内閣制度、裁判制度、憲法に規定された天皇制度ということであるのであります。この政治的基本組織を、基本制度を、これを暴力によつて破壊せんとすることは、即ち刑法の七十七條に該当するものと、こう解釈いたすべきものであろうと考えます。そこでプラカードの問題が出ましたが、単純にプラカードを掲げて天皇制反対というだけではこの規定の対象とはならんと申上げたいのであります。これを十分に御熟読下さいますれば、その点のことは明瞭になろうと思うのであります。第三條の一のロにおいて、この法規に規定する行為の教唆若しくは扇動、これは一種の内乱です。いわゆる暴動を起そうというのですから。又はこの法に規定する行為の表現を容易ならしめるため、いわゆる暴力を以てかような基本組織を破壊させることの実現を図るためにやろう、文書で以てやろうというのであります。これが一番危険なのである。ただ批判したりするようなことは、まださような暴動を容易ならしむるような行為をとるというような程度に至つていないのであります。その点においては私はこの規定の対象にならん、こう考えております。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 重複のようでくどいようでありますが、私はこれは極めて重要な問題であると思いますから、もう一度お尋ねいたしたいのでありますが、法務総裁は昭和十六年の大審院でありますかの判例を、判決をお引きになつたのでありますが、これは明治憲法と新憲法とは全然基本的精神が違う。殊にそうした問題について、基本的な観念が全然対照的であると言つてもいいほど私は違うと考えるのであります。新憲法が民主主義の基本的精神の上に立つておるものでありますならば、昭和十六年における明治憲法即ち国家主権、或いは国家を代表するものとしての君主王権の観念でそうしたお答えをなさるのは、それは主権は人民にあるという新憲法の考え方が一切の法律の基本法であるという見解からいたしまするというと、過去における時代錯誤的な裁判所の判決を盾にとつてお考えになつているように思われますので、もう一度、くどいようであるが、それについての観念を明確にして頂きたい。それから大体プラカードに天皇制廃止というようなことを書いて持つてねり歩いても、それは罪にはならんというお答えでありましたが、まあ結構でありますが、然らばそうしたことの限界についてもう少し違つた例か何かを引いて、これはもう一度明確にして頂きたい。こういうことを一つお願い申上げておきたいと思うのであります。それからなおそれに関連して、これは滑薦なような話でありますが、戦後熊澤天皇というのが出て来まして、この間も家来を五人ばかり連れて参議院の各控室を歴訪して、陳情に来まして、私もその陳情を受けたのであります。天皇の陳情を受けるほど私も偉くなつたと思つて喜んでおるのでありますが、(笑声)彼の言うところによりますというと、現在の天皇は足利義満の落胤であつて、いわゆる万世一系の血筋ではないということを言つておるわけであります。で、まあそういういろいろな宣伝をし、又国会の近くへ……三宅坂に行く途中の電信柱にも、そうしたポスターが貼つてあつたと思うのでありますが、熊澤天皇がやつておりまするような行動、それはどう考えたらいいのでありますか、それについての一つ御見解を併せてこの機会にお話を願いたい。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) お答えいたします。いわゆる朝憲の紊乱の意義であります。私の引用した大審院の判例は旧憲法下においての議論である、これは考える必要があるのじやないかという御議論であります。私の今申上げましたのは、新憲法下においてこれを如何に解釈すべきか、こういう観点から申したのであります。この旧憲法において朝憲紊乱というものはいろいろに解釈されておりまするが、これは新憲法—下においても国家の基本秩序、これを守るのだということは、私は間違いなかろうかと思います。殊に我々の考えといたしましては、憲法をどこまでも国は擁護して行かなくちやならん。これは、憲法は日本の基本法であります。この基本法において認められた制度、これはいわゆる社会秩序の基盤になているのであります。その制度を暴動を以て破壊するものは、これは七十七條の規定の対象となる、こう考えているのであります。決して旧憲法下の思想に捉われた議論ではないのであります。どこまでも新憲法を基本にして解釈したいろいろな議論である、こう考えております。今熊澤天皇の話が出ましたが、熊澤天皇が何を言おうと、そんなことは一向問題にする限りではないのであります。この法案なんかによると、そんなものは決して対象となるべきものではありません。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 天皇制が新憲法の基本的なものであるというお答えについては、多少私は見解を異にいたしておるのでありまして、新憲法の基本的な精神は民主主義であり、又平和主義である。日本が文化国家として再生するということこそが、この新憲法の前文に書かれていることが、私は基本的な観念であつて、第一條以下の、第一章に書かれておりますることは、それに対する廃止というようなことを仮に唱えるものがありましても、私は賛成とも反対とも申しませんが、それは、例えば憲法の第八章の地方自治については、第九十五條の地方公共団体に適用される特別法というものは、その地方公共団体の住民の投票の過半数の同意によつてこれをきめるのであるというようなことをば改正するのと同じような、單なる憲法の基本的な問題でないところの一部分の條章を私は改正しようとする憲法改正意見に過ぎないものである。私はこのように考えるのでありますが、併しまあ、こういうことを議論をしておりましても、意見の相違でありますからそれ以上はお答えを求めませんが……。  それからもう一つほかの問題で、もう一つだけお聞きしたいことがあります。これも或いはほかのかたがすでにお聞きになつているかと思うのでありますが、本法案の第四條その他に関連いたしまして、暴力主義的破壊活動に關與したところの団体の特定の役職員というようなもの、又は構成員というようなものについての行動を禁止する規定、或いはその第五條に、団体の役職員又は構成員は如何なる名義においても同條第二項の規定により、禁止を免れる行為をしてはならない、こういうようなこの団体の代表役員等についてのいろいろな禁止條項や、或いは処罰條項がこの法案の中に規定されておるのでありますが、これは今中田君がお話になりました京都のメーデー事件の調査で、私も中田君と一緒に参つたのでありますが、向うで地方的な共産党の幹部の、昔私の同志であつた男といろいろ話をしたのでありますが、同君の言うところによりますというと、京都地方におきましての共産党の登録されているところの党員は、一時は三千名ぐらいあつた。現在はまあ七、八百名ぐらいである。これはまあ警察当局が話しておるのでありますが、そういう名を出して、登録しているところの党員以外に、実際上の共産党の党員というものはどれだけあるか、自分にもわからないと……。警察当局は或いは十倍くらいであるかも知れないと言つておるのであります。五月一日に、東京のメーデー事件よりスケールの小さいか、或いは同様なくらいの暴動事件が起されたのでありますが、そういうことの計画等についても、明確なる京都の共産党の幹部の一員でありまする同君の言葉によりまするというと、そういう謀議等には少しも自分たちが加えられておらん、名を出しておるものは、言葉が悪いですが結局木偶の坊に使われておるのである。この法案が所期していらつしやるところの暴動を企らむというようなものは、むしろ名を出していないところの共産党についてならばそういうことが言えることになると思うのであります。従つてそうした名を出している、悪く言うならば木偶の坊に過ぎないところの国会議員であるとか、地方議員になつているとか、或いは名士になつているというような共産党の党員を対象にして、いろいろな罰則規定や、或いは改正規定をお作りになつても、結果においてその所期の目的というものを達成することができないようになるということが現実の事態ではないかと考えるのでありますが、これについての御見解を一つ承わりたい。

吉河光貞法務府特別審査局長

○政府委員(吉河光貞君) お答えいたします。いろいろ団体は千差万別の態様を持つておりまして、或る種の団体におきましては、確かに御質問のように一方におきましては公然組織を持ち、又その裏面におきまして非公然の地下組織を結成しておるというような場合もあり得るかと考えるのであります。この場合におきまして、公然組織が非公然地下組織と一体をなして一つの団体を構成しているものと実質上認められるものか、或いは両者の団体が全然別個の団体であるかということは、具体的に当該団体の実態につきましてこれを調査して、改正すべき問題ではなかろうかと考えるのであります。この法案におきましては、いやしくもこの一つの団体が暴力主義的破壊活動を団体の活動として行い、将来継続又は反復して、更に暴力主義的破壊活動をなす虞れありと認められまする場合には、その団体が公然団体たると非公然団体たると一様にこれを規制する建前になつておるのであります。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 それは団体というような構成になつていないのじやないかな。

吉河光貞法務府特別審査局長

○政府委員(吉河光貞君) お答えします。団体につきましては、第三條の二項に定義が置かれております。單なる群衆或いは一種の集会と異なりまして、少くとも共同の目的を達成するために多数人が継続的に結合したものでなければならない、かような建前から、この団体におきましては個人の意思とは離れた団体意思というものが結成される。その団体意思に基いて、役職員なり構成員がその意思の実現のために活動をするという建前になつておるのであります。かような実態が認められる以上、それは現実の問題といたしまして、第三條第二項に該当する団体である、かように考えております。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 やはり京都で聞いたことでありますが、あなたの部下である地方の特審局の人が言つておるわけであります。要するに非登録の共産党員は京都基方においても幾らあるか自分にはわからん。従いましてそれらの労働組合の中にオルグととして入つて、そして共産党的な方向に、今までの成熟していないところの労働者をばリードすることに努力しておる。併し数もどれだけあるかわからない。何もわからん。ただ推測は、或いは十倍くらいもあるのじやないかと思いますというような話でありましたが、あなたはそうした立派な外形的な形式を整えたところの団体でないものも、この対象になるということをお言いになつた。勿論そうであるべきでありましようが、それがあなたのほうでわかつているかどうか。若しよくわかつているならば、徳田君や野坂君なんかも、地下にもぐつておつても、いつまでも捕われないはずはないと思うのでありますが、今のお話について相当な確信を持つて言つていらつしやるのですか、どうですか。

吉河光貞法務府特別審査局長

○政府委員(吉河光貞君) お答えいたします。先般この法案御審査の便宜のために、いろいろな客観的な文書の資料を委員に提出いたしました。又この資料に基く概括的な説明もいたしました。現在或る種の団体がかような暴力主義的な破壊活動を行なつているという疑いを深めざるを得ない。その団体の実態につきましては、目下私どもにおきまして、関係機関と協力して調査中であります。出先の京都支局の一調査官が何かこの点につきまして申上げたようでありますが、大変恐縮であります。私どもといたしましては只今申上げた通り、この実態把握のために全力を挙げて調査を進めているわけであります。まだその全貌を証拠を以て立証し得るような段階には到達しておりません。

吉川末次郎日本社会党(第二控室・右)

○吉川末次郎君 木偶の坊ばかり追い廻さないように、追い廻していても何にもなりませんから、はつきりそういうことはわかるたろうと私は思いますがね。私はこれで終ります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 木村法務総裁に、先に警察の問題、私誤解しておりましたが、それとは別にああいう京都のメーデー事件におけるように、全然暴力主義活動をやらないで、善良な極めて穏健な民主団体の諸君がラムネを飲んでおるところを、うしろから行つて乱打して出血さして、そうして京都市の市警に対しても、巌軍に組合の代表が抗議して、検察庁にも行つている。そういうのを一方のほうはどしどし取締り、捜査権を発動してやりながら、警察は法務総裁の所管ではないのでありますが、検察庁はあなたのほうの管轄であります、そういたしますと刑法の何條ですか、百九十一條ですか、それによつて当然そういうような輿論がありますれば、善良な組合員が被害を受けまして、そういうことをこれによりますと、捜査官は必要と認めるときはみずから犯罪を捜査することができる。必要を認めないというふうに放つて置くことが正しいと思われますか。私としてはやはりそういう破壊活動をやるものを峻厳に取締ると共に、そういう誤つた行動をした者に対しては、やはり同様な措置をとることが、検察官としても適当だと思いますが、それは東京のメーデー事件にもあるわけです。ところがそういうものに対しては、我々は捜査権が発動されたことも知らない。それは法務総裁は警察官のそのような行動を妥当だとお思いになりますか。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 只今のような実例がありますれば、これは検察庁では恐らく行使していないだろうと思つております。こういうことを明白に立証ができますれば、検察庁で正式に告発つの手続をおとりになる。又他方には、ここにおられる伊藤委員なんか、非常に熱心におやり下すつておると思いますが、人権擁護委員というのがあります、それらのほうへ連絡をおとり下すつて処置をされれば、恐らくそのまま放置しておくというようなことはなかろうと思います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 その問題はこの程度にしましてこのあと、京都のメーデー事件の調査に行きまして、私、特審局のかた、国警、自警、二つの公安委員、労働組合、その他の代表と会つて、特に警察、検察官並びに特審、その他の人が、非常に現在とられている吉田内閣の政策について、確信を持つて捜査活動をやつていない。これは非常に私は重大なことだと思うわけであります。それはやはり曾つての治安維持法を強力に推し進め、或いは思想検事なんかとしてやつて、日本が破局にまで行つて、そうして戰後そういうことをやつた人が追放された体験を持つている。そういうことが、今とられておる政策というものを、曾つての体験に照し合わせて、非常に躊躇逡巡して、私京都市で聞きましたところ、もはや取締の活動によつては、捜査活動によつては、検察活動によつては、このような問題は処理することができない。二つの相対立する国際情勢のそういう大きな世界観の問題と取組んで、政治的に解決してもらわなくてはどうにもできないと言つて、私たちは、異口、同音にそういうことは政治家の責任ではないかと言つて逆襲されると言いますか、それほどやはり成長しておると言いますか、曾つての誤つた体験から、こういう貴重な体験から、そういうふうになつておるわけですが、私はこの点について法務総裁並びに特審局の指導部のかたがお考えになりませんと、非常にこれはよほど蛮勇のある人でないと、こういう法律を作つても、なかなか多くの問題がある。私はそういう体験をしたわけでありますが、直接検察当局の関係を担当しておられます木村法務総裁としては、そういうお感じはありませんか。その点について……。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 二つの世界観、世界政策をとつておる国の間に挾まれて、将来日本がどういう態度をとり、どういう世界観を持ち、政策を持つて行くかということは、これはなかなか重大なことであります。これは国民諸君と共に大いに考慮すべき問題であろうと考えております。併しこれは現実の問題といたしまして、勿論この破壊活動については、国際的に繋がりがないとは申しません。あることの実証は挙がりつつあるのであります。少くともこの法案におきまして、差当りかような破壊的活動を行わんとする団体を規制する必要ありと認めておるのであります。繰返して申すようでありまするが、我々はこの法案によつて、全面的に日本の治安を維持できる、そういうことは考えておりません。これはどこまでもその一環をなすに過ぎないものでありまして、少くともこの法案によつて差当りの措置はとり得るものである、こう考えております。政策には政策を以てする、これは当然のことでありまして、我々はこの民主主義国家において、何よりも先ず納得の行くような政治をとり、そうしてこれに対して批判があれば批判をする。併し事は平和裡に行わなければ、日本の民主国会というものは建設できないのである。どこまでも言論は言論を以てし、政策は政策を以てするということでなければいかん。一たび暴力を以て自己の政策を遂行する、或いは自己の主義主張を貫かんとするに至つては、日本の治安の面から言つて、これは捨てて置くことができない。かるが故に、この法案はさような場合に対処して最小限度のものである、こう我々は見ておるのであります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 どうも木村法務総裁とは国際情勢に対する見方が非常に違つておるので、意見の交叉点がないので無理ですが、私はこの点をお伺いして見たいと思います。日本の多数党内閣の、圧倒的多数を持つた内閣は殆んど兇刃に倒れている。治安維持法があつたにもかかわらず全部兇刃に倒れている。それと、大正十年原内閣が二百八十四名政友会で持つていて倒れでいる、その後進である現在の自由党が丁度二百八十四名で、かような運命を担うとは申しませんが、原内閣はやはり(「後進じやないか」と呼ぶ者あり)後進である自由党内閣がそういう轍を踏むとは申しませんが、とにかく大正十年に二百八十四名を持ちながらあえない最後を遂げている。更に昭和五年に濱口内閣が二百七十名という多数党の内閣を持ちながら濱口雄幸氏もあえない最後を遂げて、更に自由党の前身である政友会で犬養氏も昭和七年三百三名という憲政史始まつて以来ない多数党の内閣を組織しながら殆んど倒れている。而も治安維持法があつた。そういうような点から考えまして、私は自由党の現在とつている強力な政策を推し進めて行きますならば、どのように言われようとも戰争への道を一歩々々行くしこういうような関係からいたしまして国内の対立は極めて激化して行く。私はむしろこの破壊活動防止法案こそ破壊活動を起させる最たるものである。何と言つても日本の多数党内閣が議会政治において大きな過ちを犯したのはやはり議会において言論の自由が十分確保されない。少数派の意見に対して寛容でない、先ず十分討論をやる。少数液の意見に対して寛容である。多数決の意見に従う。民主主義の議会政治のルールを守らんことによつて、そして資本主義が激化して来るにもかかわらず、それに対して社会主義的な漸進的な改革もとらずに対外侵略の方向をとつて行くような政策をとることによつて遂にそうなつて行く。私は自由党の現在とつている、木村法務総裁が主観的にとのように考えられようが、私はそういう轍を踏まざるを得ないと思う。この法案こそ、自由党が現在とる政策に対して非常に強力なる非難がある。そこで自由党の内閣も余命幾ばくもない。そういうようなことからいたしましてこれは自由党の安全保障法案、自由党の安全を保障する。国民の健全なる輿論を澎湃として高めて、そして多数党を以て自由党に反省を求めて国民の輿論を強力に国策に反映する。そういう健全な運動を到る所で、現在ですら我々が労働組合の諸君に接して見ますると、どんなに弾圧が到る所にあるか、この破防法が修正されようが、相当大幅な改正をされようが、これをきつかけとして私はそのようなことはずつと起きて、そうしてやはり日本が治安維持法の下に踏んだ過ちを犯すと思う。現在の自由党の内閣が私は曾つての三つの内閣、その内閣がとつたようなことになると思うが、木村法務総裁はそれに対してどういうふうにお考えですか。

木村篤太郎法務総裁

○国務大臣(木村篤太郎君) 只今中田君から意外なことをお聞きしたのであります。私らはこの民主国家途上において是非とも暴力を否定して行きたいという考えであります。暴力政治であつてはならん。如何なることがあつても政策には政策を以て、言論には言論を以て相対処すべきである。暴力はどこまでも否定して行かなければならんという観念を持つております。中田委員の仰せによりますると、原内閣、濱口内閣、犬養内閣は結局その当時のあの兇刃によつて倒れたのである、或いは自由党内閣においてもさようなことがあるかも知れん。私はさようなことがあつては日本はどうするのであるか。これを憂えるのであります。ただその点を憂うるのであります。そうするといたしますと必ずしも自由党内閣だけじやありません。或いは時の内閣はどういう内閣ができるかわかりません、そういうときにおいて又暴力を以てその内閣を倒そうというようなことであつたら、日本はどうなりましよう。これは世界の歴史においてもしばしば見るところであります。これは遺憾至極なことであります。さようなことになつては相成らんから、我々はこの法案を以てさようなことのないように、いわゆる政策には政策を以て、言論には言論を以て民主主義国家を維持して行きたい。民主主義政策がどこまでも実行ができるように、こういう念願から我々は法案を作成しているのであります。他意ありません。この法案によつて戰争へ導く、私は全くその点において中田委員と見解を異にしております。我々はこの法案によつて何が故に戦争へ導くか、こういうようなことは私は想像だに苦しむのであります。ただただ我々は正しき民主政治を行いたい。暴力はどこまでも否定しなければならん。民主国家において一番肝要なことは暴力の否定であります。これが国会において一つの政党が横暴を極めれば、国民の輿論に訴えてそうしてこれは滅する。我々は例えば憲法において国会議員の任期は四年に限定されておる、ここに含みがあるのであります。四年来れば国会は自然的に解散され、このときに改めて国民の輿論に問うて、自分の政策を遂行せんとする同志を集めて、同志と共に政権をおとりになればよろしい。その途に出でずして、そういうような暴力行為を是認するような言葉を言われたことは、実に中田委員としては遺憾だと思います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 暴力を肯定しているというようなことは絶対にない。歴史的なそういう三つのことがあつたということを言つておるものであります。私は自由党の現在とられている政策というものは、例えば個人の身体に例えて言えば非常に不攝生をやつておる。そうして例えば大きな腫物ができる、それは膿を出してしまわなければならんのに、破防法というようなもので繃帯して、そうして膿をむしろ内攻さして、我々が社会革命をずつと、フランス革命にしても、イギリスの改革にしても、アメリカの独立戰争の歴史を見たつて、我々が革命をせずに漸進的な改革をするためには、ジョン・スチユアート・ミルが言つておるように、やはり革命の月賦払い、漸進的な改革をやりまして、そうしてそういうふうになくすることこそが、これはそういうふうにするものであるというふうに考えるわけであります。私がこのような三つの例を述べたことが暴力を肯定しているものではいささかもない。その点は念のために申上げておきます。今日日本が、吉田内閣がとつている政策が戰争に通ずるものでないという見解については、我々はここにただ記録にとどめる程度にしか出ないのは誠に遺憾であるし、多くの世界の識者は例えば社会党の左右両派が入つております社会主義インターナショナル、これは力による平和ということを或る程度是認しておる社会民主的な党であります、団体でありますが、それにおいてすら、最近アメリカのとつている力による均衡という政策を、これ以上更に世界的に推し進めて行くなら、遂に先に申しましたような蓄積した武器で国際的な矛盾を解決するということになるから、この政策は改めなくてはいけないということを、はつきり言つておるわけであります。そうして例えばウオールター・ヒツプマンにいたしましてもその他多くの国際政治家が、共通して言つている。我々といたしましては、どうしてもそういうようにならざるを得ないと思う。私は特にこの際最後に、木村法務総裁の御答弁は求めませんが、何といつても昭和三年に田中義一内閣におきまして治安維持法を改正いたしまして、死刑にまで引上げ、協議示唆というようなものまで含めて行く、これに対しましてはさすがの政友会ですら反対があつたので緊急勅令で改正されている、そうしてそのことがその当時資本主義の矛盾に対しまして漸進的な改革を謳つて戰つた健全な労働組合を抑えて、そうしてそのことが国内を低賃金にし、日本の資本主義の生産でできたものが国内に売れないようになるから、対外市場を求めて行くということで、それが戰争になつて行く。現在の政策がとられて行くならばアメリカは関税障壁がかけられる、中国の市場には手を出していけない、南方においてはイギリスがポンドブロツクでは日本と対決するというふうになつて、こういうような政策をとつて、そうしてこの破壊正活動防止法案というものは労働三法の改正と睨み合つて賃金を適当の水準まで上げることを拒むものである。そうしてそのことは低賃金への道である。国内市場はますます狭くなつて、日本の工場で生産したものが売れないということになつて、これは力によつて国際市場を獲得しようということに転嫁することは日本の資本主義の発展を見てもこれは否定することができない。国内市場の狭隘こそ日本を帝国主義的にならしたものである。そういうことをやらせずに置かなかつた。労働組合の言論を抑えてそういうことができなかつたのは実にやはり私は治安維持法である。この法案が通りましたならば、どのように言われましても健全な労働組合が、適正な賃金を獲得するための連動はどうしてもこれは抑制される。そのために低賃金にされる。国内市場がますます狹隘になる。そこで外国と手を結んで日本の国内市場の狹隘さを対外的な侵略によつて獲得する。これは日本の資本主義の曾つて踏んだ道を私はとると思う。そういう点から言つて何と言つてもこの法案というものは私はそういう意味において国内市場を狹隘化して、日本の資本主義か踏んだ過ちを犯させるものである。この点については十分経済学的な考慮をお願いしたいと思うわけであります。木村法務総裁とされては戦時中に日本の戰争への過失を防がれようとされた善意は十分認めます。併し戦争というようなものは單に意思なんかだけで起るものでなしに、強力な経済的な背景によつて起きている。国内市場の狹隘こそ戰争に導く大きな元である。例えば現在名古屋その他に行つて経済が不況になつて行きますると、どうにもやれんから武器の生産によつてこの経済の不況を補つて行こうというような運動と結び付いて、私は日本を誤らしめる法案にならざるを得ないと思うわけです。何とぞ法務総裁におかれては、日本が過去に犯した賢才主義の発展の過程において治安維持法がそのような役割を持つております。私はやはり今度の労働三法の改正にしてもやはり賃金を適当に上げる、そういう賃金を適当な水準に上げる運動を抑圧する運動が国内市場を狭隘にする運動である。このものが必然的に戦争に結び付く。これは資本主義の発達史を見れば明らかなところなんです。我々はそういう意味において言論はできるだけ自由にし、そうして適正な賃金を與えて国内市場を広くいたしまして、そうして過度に対外的な経済進出をしなくてもいいような経済基盤を作ることが最も大切なところである。何とぞ木村法務総裁におかれてはこの日本資本主義が曾つて治安維持法によつて犯した過失をこの法案によつて再び犯さないようにくれぐれも希望いたしまして、私は木村法務総裁に対する質問は終ります。  吉河特審局長にお尋ねいたします。私は個人的なことを申上げましては大変恐縮ですが、曾つての東京帝大、今の東京大学で新人会というものができまして、日本の進歩的な運動を担われる団体に属された吉河さんが、現在全くそれとは逆な、日本を誤まらしめるこういう法案の指導的な地位についておられるということについて、私は非常に遺憾に思うわけであります。木村法務総裁のような非常に古くなつた頭とは別に、もつと柔軟性のある吉河さんに対しましては、私は非常にこれは問題だと思う。特に私はあのときに新人会によつて指導されたやはり健全な民主主義の運動、そうしてあのものが強力に発達しますならば、先に申しましたような国内市場を広く用いて行くということによつて日本が急速に対外市場を獲得せんでもよかつたのです。ところが吉河さんの今やつておられる行動というものは、やはり全く逆に、国内市場を狹隘化し、戰争にならざるを得ないような、中心的な、指導的な役割を果しておられる。一人の人間にいたしましても、国家にいたしましても、誤謬はあるものです。偉大な民族、或いは聰明な個人というものは、同じ過ちを再び犯さないということが大切なわけなんです。ところが性こりもなしに再びそういうようなことをされようとする。私は非常に吉河氏のために遺憾に思うわけでありますが、新人会当時に顧みて、現在あなたがとつておられる行動というものは、治安維持法の果したようなものと、この法は通じないというふうにお考えである。先ずその点をお伺いしてそのあとに吉河氏と資本主義の論争をやりたい。

吉河光貞法務府特別審査局長

○政府委員(吉河光貞君) お答えいたします。中田委員の仰せられまする資本主義論争と申しますか、政治問題につきましては、私がかれこれ御答弁する立場ではないのであります。すでに法務総裁との御質疑で十分盡きているのではないか。私といたしましては、先ほど法務総裁がお答えいたした通り、この法案の建て方は、治安維持法とは根本的に異なる建て方をしておるものである。絶対に思想統制のごとき慮れのないものであると考えておる次第であります。併しながら現実にこの法案が将来法律となつて運用されまする場合におきまして、絶対に濫用の危険はないかと申しますと、これは私としても、絶対とまでは保証をつけかねるのでありますが、少くとも過去の治安維持法が犯したような行き過ぎは絶対にこの法案の運用としてはしないつもりであります。そのためにはあらゆる努力を払つても濫用の防止に努めたいと、かように考えておる次第であります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 私は若し日本が完全な主権を回復しているのでありましたならば、或いは局長の申されたようなこともあり得るかも知れない。併し現在日本は極めて不完全な独立である。それは平和取極が先般結ばれたドイツの置かれた立場と殆んど同じである。そういう点で、今後日本が進まねばならぬ途は国民の意思とは関係なしに、国民の意思に反して強力にアメリカの世界政策の一環としての政策が推し進められる。そういうことになりますと、どうしたつて私はやはりそういう政策を批判する者が取締られて、日本の軍部が誤らしめたものが、他国のそういう軍部によつて再び過ちが犯される、こういうふうに思うわけである。特にそういうこの法案は技術的ないろいろな面の、例えば伊藤委員が適切に指摘されたようなこの法体系からの研究と、やはりこの背後に潜むところの、これを組立てられたところの、やはり世界の外交政策との関連において先ず検討いたしませんとり、如何に條文の解釈をいたしましても、私はこの法案の全き理解にならないと思う。どうしても私はこの法案というものは先に申しましたような点から、労働組合の運動を抑圧する、そうして低賃金に伸吟をせざるを得ないというふうにならざるを得ないと思うわけであります。現在においてすら……。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) ちよつと中田君に注意しますが、ここにおられるかたは政治家ではないのですから、政治論でなく限局を、この破防法に、ここに限局して、もうあなたの時間も一時間以上に前後を通じてなつておると思うのです。ですから、余り広汎な御議論は一つ差控えて頂きたい。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 併しそういう広汎な……、委員長にお伺いしますが、そういう広汎な連関において先ず考えて、問題の枠を締めてそれからやはり……。それでは委員長の切なる(笑声)要請もありますので、意見長官に質問いたします。この法律というものは私が木村法務総裁と一問一答しましたような、国際的な背景を持つものであると考えるわけであります。更にこの法案によりまては、いろいろそれぞれの條項は指摘いたしませんが、暴力主義的な破壊活動を防止するという名目で、憲法第二十二條に言つておるような集会、結社、或いは二十三條にあるいわゆる字間の自由というようなものを、これは明らかに私は拘束いたしまして、日本が戦争によつて多大な犠牲を払つて獲得いたしましたあの憲法に違反する條項が極めて多いと思う。更にこの団体を罰するということは、現行刑法の体系からいたしましても、法体系を乱すものである。更に公安調査庁、或いは公安審査委員会等によつて行政処分によつて、裁判権を、憲法の二十三條に言われている裁判権を奪われることのないという権利、そういうものと多くの牴触をする点を含んでおると思うわけであります。佐藤長官とされて、進歩的な、法律に関しておられる長官とされて、こういうような点でただ現在の吉田内閣におるのだからというので、こういう法案に対して現在とつておられるような点が、法律家としての良心に恥じるところはないか、そういう点についてお伺いしたい。

佐藤達夫法制意見長官

○政府委員(佐藤達夫君) 私は法律家と言いますか、法律屋と申しますか、屋のほうに近いと存じますが、いずれにいたしましても法律に携わる者といたしましては、今御推測の通りに良心に従つてこの立案にまあ参画いたしたと申しますか、お手伝いをいたしたわけであります。今只御指摘のようないろいろな憲法上の御疑念ということについては、これは先日来しばしばこの委員会においても出ておるのでございますが、申上げるまでもなくこの憲法の基本的自由というものは、要するに限界のあるものと言わざるを得ない。例えば御承知のフランスの人権宣言におきましても、自由とは他のものを害せざるすべてをなし得るものを言うというふうに定義しておるわけであります。その限界線というものは、これは止むを得ないことと考えるわけであります。従いまして先刻来法務総裁の申しておりますような、必要止むを得ざる要請、限度、今日の治安を維持する上において必要止むを得ざる限度というところにおきまして、この限界線をそこに引いたわけでございます。又学問の自由というお言葉がございましたけれども、学問の自由については一切これは関係のないことで全然触れておりません。それから団体を処罰するということのお言葉がございましたけれども、この法律できまつております規制の処分というものは、明白なる将来の危険というものを防ぎますためのいわば行政上の処分でございまして、処罰というものでは全然ございません。その点御了解を願いたいと思います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 年若い長官で自由党内閣の下であろうとももう少し気骨のある御答弁が頂けると思つておりましたが、非常に自由党色に染んでおられますので、もうこれ以上言つても余り意味がない。  そこでお尋ねいたしますが、余り時間をとつても恐縮でございますので、これは特審局長ですか……公安審査委員会の設置法案の第四條についてお伺いいたします。この三つの法案に対して我が党は基本的に対立するものでありますが、この法案を是認するといたしましても、私は第四條の、「委員会は、委員長及び委員四名をもつて」、合計五人で構成するという点は、私はこの団体を解散するような措置をとる重大な委員会としては人数が非常に少いのではないかということを考えるわけであります。それは私が地方行政に所属いたしまして、これと同じような国家公安委員、或いは自治体の公安委員等の運営を見ましても、これは三名ですか、非常に少くて、そうして委員会が本当に強力な運営管理ができない。このことが自治体警察、現行の公安委員制度に対する不信を招いている大きな原因であると思うわけであります。そこで特にこの委員会の運用を見ますと、この委員は九條におきましては「委員長及び委員のうち三人以上が同一の政党に属することとなつたときは、同一の政党に属する者が二人になるように、両議院の同意を得て、委員を罷免するものとする。」ということになつて、まあとにかく二人までは同一政党に属するということになるわけであります。そこでそれと関連いたしまして、この第十一條の「委員会は、委員長及び二人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。」、こういう規定になつて、私はこういうふうになりますと、同一の政党に属する二人の委員が出て、そうしてもう一人それとは反対の人が出て三人でやれる。仮に委員長がAの党に属し、もう一人の委員がAの党に、二人属する、そういうような形態で委員会が運ばれますなら殆んど一方的にやられまして、この委員会というものが、非常に公正な運営に対して、三人で委員会が開けることになつております。Aの党に属する者が委員長と他の委員と二人おつて、そういうときに、そういたしますと非常にこれは私は問題になると思うわけであります。そういう点で、それとからんで第十三條に委員会は、その所掌事務について、法律若しくは政令を実施するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基いて、公安審査委員会規則を制定することができる。こういうふうになつて、この委員会の招集規定、その他と伏せて考えないと必ずそういう構成になつて、一つの環の人が二人いるときでないと若し委員会は招集しないというようなことができるといたしますならば、非常に五名の委員では少な過ぎやしないかということを、私は警察の公安委員会制度の多くの調査をいたしまして問題になるのではないかというふうに考えますが、現在公安審査委員会の規則等もいずれ準備されていると思いますが、そういうこととからんで、この五人制度、それから一つの党に二人、そういうときばかり開くというようなことがこの会議規則でできるというようなことになつたら、非常に公平を欠くことになりますが、その点についてお考えを伺いたいと思います。

吉河光貞法務府特別審査局長

○政府委員(吉河光貞君) お答え申上げます。公安審査委員会設置法案第四條の委員会の構成について御質問がごさいました。この委員の数を、委員長及び委員を何名にしたらば最も適切安当であろうかということにつきましては、いろいろな御議論も立ち得ると考えるのであります。只今中田委員の御蔵論も極めて御尤もな点の数々もあるように拝承するのであります。私どもといたしましては、一応は人材を広く集めるために、各政党所属のかたがたからも人材をお迎えしたい。でお迎えした委員長なり委員は、出身の政党政派にかかわらず公正な御判断を願いたいというふうに考えて、一応委員会は会員長及び委員四名を以て組織するというような立案の形にいたしたのでありますが、なおこの点につきましては、更によく御質問の趣旨を体しまして検討したいと考えております。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 とにかく先に申しましたように、三名で開けることになつているのですから、そうして五名で開けるということと、一つの党に属する人が二人おつてもいいという、この点から考えまして、非常に不公正な運用がなされる慮れが極めて私は大だと思うのです。そこで委員会規則ができていますれば、誰が招集権を持つているかというようなこととからんで御質問すればいいわけでありますが、そういうものはまだ試案もできていないのですか。

吉河光貞法務府特別審査局長

○政府委員(吉河光貞君) まだ委員会規則の試案或いは草案というようなものはできておりません。

羽仁五郎第一クラブ

○羽仁五郎君 関連して意見長官に伺いますが、今中田君が指摘された同一政党からの二名の委員と委員長と二名で委員会が開会されることについて、あなたはそれで良心に恥じないというふうにお考えでしようか。

佐藤達夫法制意見長官

○政府委員(佐藤達夫君) 大体委員会の委員の人数をどういうふうにきめるかということは、これはいろいろ考え方がございますけれども、大きなメドから申しますというと、この審議機関と言いますか、そういうものは数が多いほうがよいということは言えるわけであります。それから外局的のいわゆる行政委員会と申しますか、審議じやない、むしろ決定をやるというような機関は、責任の集中ということ等から言いまして、数が少いほうがいいじやないかという大きな点からの原理と言いますか、そういうものがあるのだろうと思います。併しながら、少いと申しましても、やはり三人寄れば云々というようなこともございますし、更にもう一人加わつたらもつとよいだろうというようなことで、三人にするがいいのか、これは会計検分院も人事院本三人でございますが、それにもう二人加えて五人がよいのか、或いは九人がよいのかというようなところは、これはいろいろ考え方がございますが、十人以上ということは私はどうかと思いますけれども、三、五、七というような辺のところは、これはどれでなければならんというような鉄則は私はないと思います。併しただ、今の前置が非常に長くなりましたが、同一政党云々ということは、まあ政党関係のおかたは全部これから排除して入つて頂かないということにすれば、これは問題ないわけであります。併しながら、それは又門戸を挾くするゆえんであつて、適材であらせられるならばどういう部門からでもお入り願うということが当然の原則だろうと思います。それで御承知のように、委員会の関係の設置法の五條で、委員長及び委員は、人格が高潔であつて、団体の規則に関し公正な判断をすることができる人、これは国会の両議院のちやんと御認定を得て任命するわけであります。公正な判断をすることができる人ということになつております以上は、仮に同じ政党の人が多数あつたつてそれは或いはよいかも知れないというような考え方も成り立ちますけれども、それでは又万一の場合の懸念もございますから、念を入れて今の同一政党に属するものが三人以上になつては困るという、ここで制限を加えたわけであります。そこで今時は定足数の問題になるわけであります。定足数と申しますと、本来ならば全員がお集まりになつて全会一致でおきめになる、或いは全員で多数決でおきめになるというのが原則でございますけれども、それができませんから、便宜上定足数という制度が今までできておるわけであります。その結果今の御指摘のような場面が出て参る、これは止むを得ないことであろうと存じます。併しこれはまあ理詰めで言えば、無理にでも御出席願つてやつて頂くのが原則なのでありますから、これは止むを得ない場合の限定というふうに考えざるを得ないと思います。そもそもの根本は、公正な判断のできる人ということで根本が構成されておると、委員が任命されておるのだという点にお考えをつけて頂けば、まあそこは程度問題であるというところまでは行くと、ただ私個人として別に五人でなければならんというような固執した頑固な考えは持つておりません。

羽仁五郎第一クラブ

○羽仁五郎君 今の問題非常に重大でして、私は法務委員会でこれを取上げる機会を持ちたいと思つておりましたのですが、今中田委員から話が出ましたから伺うのですが、極く簡單な質問に対して意見長官が非常に長い答弁をされて、そうしてそれは速記録によつて世論がこれを判断するでしようが、要するにイベイデイングです。回避したお答えです。で、三人で委員会がやれるのです。そうして、そこに同一政党に属する二人つの委員が列席できるのです。それが法律的に見て、法的に見て望ましい形態であるということは、あなたもまさかおつしやれないと思う。これは恐らくはあなたがこの條文を御覧になつていないのではないかというふうに思います。今までこの條文にお気付きでしたか、そうしてお気付きで意見を発表せられる機会がおありでしたか、それとも極めて短い時間関川にこの法案を御覧になつたために今のような点にお見落しがあつたのではないですか、これはどうか正直に答えて頂きたい。

佐藤達夫法制意見長官

○政府委員(佐藤達夫君) 話が長くなりましたのは、中田委員が先ほどお尋ねになつた点にむしろ関連しながらお答えしようと思つておつたために、羽仁委員に対しては多少御迷惑を掛けたことになつたかと思います。その点はお詫び申上げます。今の見たか見ないかという点は、これは私見ております。そうして、先ほど申上げましたような審理上の過程を経て、これも一つの行き方であるということで私はこれに賛成をしたわけであります。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) 速記を始めて。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 私はやはりこれは何人に委員会をすることが公正な運営になり、そうして一つの党に属する者が何名かということは、もう少し私は研究して見られることが必要だと思うのです。私は地方行政委員会に所属いたしまして、公安委員にも同じような規定があつて、そうしてこれが非常に問題が起きたりしておりますので、特に先に申しましたように、答弁には、その資格としてやはり人格が高潔で団体の規制に関し公正なる判断をすることができる、ということを言いましても、少くとも党員である限りは、やはり忠実な党員で一つの政治団体に属すれば党議に従わねばならないというようなことから、なかなかその点が公正であろうといたしましても、やはり党がどういう治安対策を持つておるかというような傾向とからんでこれは非常に問題になると思うのです。私はこの点は破防法に関連してのこういう三つの法案には反対ですが、これを是認する立場から考えても、私はこんなに委員が少いのでありましたならはやはり非常に問題です。三人の党員があつて、而も同一の党で二人、それでも委員会が開ける、三人で開けるということは再検討して頂くほうが公正な運営にいいのではないかということを申上げまして、委員長に再三忠言をされましたので私の質問はこれを以て打切ります。

伊藤修日本社会党(第二控室・右)

○伊藤修君 私はこの際審議の過程において後の審議が遅れることを慮つて法務府に要求しておきたいと思います。それは破防法の第三十六條によつていわゆる委任しておるところの法務府令を以て今細則を定めると、こうあります。この白紙委任状を我々は書く場合におきまして、どういう内容を書かれるかについては非常に懸念を持つのです。ということは、我々は曾つて参議院において人身保護法を制定した場合におきまして、人身保護法案に企図しておつたところの広範囲な法律理念というものがルールによつて非常に搾られてしまつて、いわゆる人身保護法の企図するところの目的というものが或る程度制約されておるというのが実情です。で折角法律が企図したところの目的というものがルールによつて搾られる例は多くあることは佐藤法制意見局長官はこれは御存じのことと思います。でありますから、かような重大な法規に対しましては三十六條によつて我々が審議してこれを委任する場合におきまして、このルールの内容をあらかじめ提示して頂いて、それでこれをも対照いたしまして本法の審議に当りたいと思うから、私は予定されている日にちは来月の五日と考えるのですが、五日までにルールの草案を御提出願いたいのです。若し草案ができなければ要綱でも御提出願いたいのです。そして我々の参考資料に供して頂きたいと思うのです。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) どうですか。これは会議して、よくうちへ帰つて明日にでも伊藤委員の提案にお答えして頃きたい。

伊藤修日本社会党(第二控室・右)

○伊藤修君 今の点がないというと、私は本法に対するところの内容が全部承認できがたい、その点だけははつきり申上げておきます。

吉河光貞法務府特別審査局長

○政府委員(吉河光貞君) 伊藤委員からの御質問につきましては明白総理又は法制意見局長官からお答えいたします。

羽仁五郎第一クラブ

○羽仁五郎君 意見長官にお願いしておきますが、さつきの問題については後日責任のあるお答えを頂きたいと思います。三人で会議が開ける、そうして二人同じ政党の人がそこに列席することができる、それで公安審査委員会というものが濫用されないということが言えるのかどうか、そういう條文がこの中に入つているということについての責任のあるお答えを頂きたい。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) ちよつと皆様にお諮りいたしますが、本日を以て地方行政委員会との連合委員会を閉じることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) 異議ないと認めましてさよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。    午後五時五分散会

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