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13回国会参議院1952/06/03

文部委員会 第40号

発言数
81
登壇者
5
会派数
3
開催日
1952/06/03

会議録

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) これより委員会を開きます。  天野文部大臣が御出席になりましたから、御質疑のあるかたから御発言を願います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 大臣がお見えになりましたので、今問題になつていますところの新潟大学の統合問題、これは我々文部委員会としまして正式に調査に参りましたので、この点で我々としまして問題になるのは、現在の文部省のとつていますところの大学の統合案、つまり昨年度答申されまして、そうして指示されましたところの第九特別委員会の統合案なるものは、果して地方の実情に沿うものであるかどうか、或いは又予算的措置から考えまして、そういうものが一応の案としては、これは教育的な立場から検討されたと思うのでありますが、その実施面については、いろいろな問題がこれにつきまとつて来る。殊に日本の講和発効後の状態並びにそれに伴うところの経済の問題、更に地方財政なんかの問題と関連しまして、この問題を教育的にどう扱うかということは、非常にやはり今後重要な問題じやないか、文教政策の基本的な一つの政策になるのではないか、こういう点からこれは質問を申上げているのでありますが、以上の点から考えまして、二、三お伺いしたいのであります。質問の第一の点は、第九特別委員会なるものが一昨年作られまして、その後作業が進められて、その答申案がなされたようでありますが、この答申案というものは、第一にこれが文部省で採択されて、いよいよ行政面に実施する、こういうことになつて参りますと、これについて達成する面、こういうものが問題になつて来ると思うのであります。いつまでにこれが達成するというふうにこの答申案を考えていられるのか。今大臣がここに来られるまでに、事務局のほうから伺つたのでありますが、どうもこの点がちよつと不明瞭だと思うのであります。明瞭でないというと、今後の教育財政とも関連しまして、こういう点が明らかにされないというと、やはりできるところは急いでできるだけ早くやるのだ、併し全体の構想としては、なかなか予算の関係もあつてできない、こういうことになりますというと、或る地方だけは経済的事情、或いは又その衝に当つておる人の熱意とか、或いはその人の受取り方によりまして、そうして一生懸命にこれはそういう統合案というものを上から押し付けるというような事態もできると思う。ここに不均衡化という問題が出て来るのであります。第一に、この答申案というものをいつ頃までに達成するというふうに大臣はお考えになつていらつしやるのでありますか。この点やはり明確にされることが必要じやないかと思います。この点伺いたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) その答申案は、これを文部省が採択したのです。そうしてこれを大学長に通知をいたしたわけでありますが、これはいつ幾日までに必ずやるようにということは、文部省では大学長に通知をいたしませんでした。地方によつていろいろな事情がありますから、無理が行かないようにして、できるだけ早くそれをやるという以上に、いつ幾日までという指示は一般にはしておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうしますというと、この答申案の性格でありますが、これは大体できるだけ早く、そうして無理が行かない、無理が行かないということの中には、財政的な措置の問題並びにそれに關與するところの地方の関係者、学生はいうまでもないことでありますが、その教育に従事する教職員或いは又これをめぐるところの父兄、市民、こういう人たちの問題もあるのでありまして、こういうところによつて情勢を十分に判断して、その結果、最も妥当な線でこれを実施すると大臣はお考えになつているのでありますか。それともこの答申案というものは、飽くまでこれは一定の目標を置いて、そうしてその線においていろいろな故障があつても相当強行する、こういう形で推し進められておるのでありますか。この点が私たちが実地調査をして見ますというと、不明瞭なんであります。この点をお伺いしたいと思います。これは如何でしようか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) そういう問題をはつきりと割り切つてやるということは非常にむずかしいと思うのです。こういう問題が起れば、全部の人が賛成するということはないと思いますけれども、全部の人が反対するというのなら、勿論やつてはいけないことでございましようが、全部の人の賛成ということもございませんし、そういう判断は大学長にお任せしてやるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その大学に任せるときに、ただ案だけを示して任したのであるが、今申しましたように、教育の民主化という点から考えますと、私は予算の裏付けの措置と、それから地方民の十分なる納得、了解、こういうことは少くとも教育を民主的に運営するためには欠くことのできない條件だと思うのであります。従いまして文部省は、そういうような点についてどのように考慮せよ、こういう点についてはこのような具体的な考慮をせよと、こういうことは一切抜きにして、要するに大学長の判断だけに任せて、こういう案を、これはなるたけ早く実施せよという指示をされたのでありますか。その点、こういうところから問題が起つておるようでありまありますから、お聞きしたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 予算関係は当然のことと思つております。その他においても、一般の人の考え、地方の実情等については、大学長の判断に任せてそうしてできるだけ早くこの案が実施されるようにということを文部省は指示したわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうしますというと、この案は、その地方の実情によつて、適宜これについてその達成の時間というものについて考慮することができる、それだけの余裕のある案だと、これは解釈していいのでありますか。それとも飽くまで一つの目標をどこまで到達しなければならないというような強行した意味を持つたところの、いわば天降り的押付け的な性格を持つたところの案でありますか。その点はつきりお伺いしたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) すべて文部省では、大学に向つて強行するとか、天降り的ということはございませんです。いつでも大学と相談して、そうして大学がよく地方の民意を察してやるということでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうしますというと、この案は飽くまでも融通自在な、そういうような性格を持つたものだと確認してようございますか。只今もお聞きしますというと、予算の面では、大学の施設並びに校舎なんかを建てるには約五百億要る。ところがこれに対して文部省は、一応一次、二次、三次の計画を立てた。そうして今年度は大体三十億を要求した。ところが実際は十三億だ、こういうことになりますと、これは約三分の一しか実は取れない。予算の裏付けがないのでありますから、この達成目標というものはずつと先にずらさざるを得ない、こういうふうに思うのです。今の国家財政の立場ということを文部省は始終言われておるのでありますが、こういう点に立つて、文部大臣の進められている統合政策から行くというと、早急にここで大学のほうのこういうような施設の予算を十分に取るということは考えられん。こういう点から少くとも達成目標は今年度のような予算の取り方をやつて行くというと、二十年乃至三十年後にこれはずつとずれる、こういうことが具体的には予算面から起つて来るわけであります。従つてそういうものを考慮し、なお地方的な実情から考慮をいたしますというと、当然この達成目標というものはそうきつくこれを押し付けるということは不可能である、こういうふうに考えられますが、この点は、大臣はどういうふうにお考えになりますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 一般論としてはその通りでございますが、併し地方の要求があれば、その場合には、たとえ幾らか不備でも、不備なものを何かで補つて統合するという場合もあり得るわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そこのところがまあ論点になるのでありますが、私は余り触れません。そういうことになりますと、地方のほうでは、やはり地方財政の苦しいところからそれを負担し、そうして国費の足りないところはそれを十分に補う。ところが実際の問題としては、大臣御承知かどうかはわかりませんが、それが逆になつているのです。こういう問題を促進しないというと、今度は設置基準から外れる。認可されないかも知れない。ただ何とかしてこれは促進しなければならない、こういうことで以て、問題が地方財政というものを無視して推進されて、そこに多くの無理が出て来る。形は一応大学というものはそういう形でできるということになりますけれども、いわゆる国家財政の不足のしわが大きく地方財政に寄せられるというようなことが現実に起こつている。そういう点は、これは教育の熱意とばかりも言へ切れない問題があるのでありまして、やはり当然国家財政において大きくこれを見るということは基本線だと考えられるのでありますが、大臣が今ちよつと洩らされたようなことは、そういうこともあり得ると、例外的にこれは考えていいことでございましようね。そうでないことになりますと、どうも基本的な文部省の大学設置の方針というものは、私は不明瞭になると思うのですが、この点伺いたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 大学設置の方針は無方針に立てているのじやなくて、やはり予算の裏付けというものをいつも考えておるわけであります。ただその際に、地方が特に要望することがあれば、準備が十分できなくとも統合するということも起り得るということを申したわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 準備が十分できなくてもということでございますが、これは例えば今度の新潟の問題のように、六月十五日という日限を切りまして、そうして学期の途中で授業をやめて、そうして夏休に入つて、その間に相当これは地方民の間にこれに対する反対もあり、学生やこの関係の教育者の面では随分広汎な反対があるのであります。我々も実地調査しておりますが、こういうような問題も押し切つてやる、こういうことを含んでおるのでありますか。そのような意味でありますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 先ほども申すように、何か事をやろうといえば、反対の人のあることはこれは免れ得ないと思うのです。反対の人があつたから、それで全部やらんということなら、初めからこういう計画は立たないのです。併し大外数の市民の考え方はどうであるか、又これは措置においても無理は行かないのか、そういうことは十分大学当局が考慮をして、良識によつてやることと考えております。だから無理やりにいつ幾日までにやるということは私は起らないと思つております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、大学に全部任されるというわけでありますか。そうしてそういう大学の、具体的に申しますと、強行策が出まして、これに対して地元からの反対が非常に最近起つておるのであります。大臣はよく大部分のということを言われますけれども、これは我々も実地を調査し、その結果を報告をしておるのでありますが、大部分が反対をしておるのです。これは具体的に見て頂きたい。文部省からも二人ついて行きましたね。そういうような場合に、大学長にだけ任せるというので一大学の判断だけでこれを強行するというようなことになつて行けば、非常にこれは思わしからぬ結果が起る。現に起りつつあるのではないか。そういう段階に突入するような恰好になつているんじやないか、こう思われるのでありますが、こういう場合も、飽くまでこれは大学長のそういう方針というものは絶対であり、文部省としては、そういうことに対して飽くまでも学長の何を信じて、それでやつて行くという方針をとられるおつもりでありますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 大学長は十分地方のことを調べて、例えば新発田の場合であれば、市会というものが私はやはり民主的に市を代表するということは当然、だと思います。そこで一人の反対しかない、あとは全部賛成であるというふうな事情であるとか、そういうをよく大学長は考慮して、無理の行かないようにやることと私どもは考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、原則的なことを先にお伺いして、具体的なことに及ぼうと思つたのでありますが、大臣が今御答弁になつたことは、十分調査されて、確実な基礎の上に立つて御答弁になつているのでありますか。例えば反対者の一人ということは、誰からお聞きになつたのでありますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私が今ちよつと……あれは二人だそうでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは、大臣は少くともこの問題については、今までいろいろお聞きになりましたのですか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私はいつも事務当局から聞いております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうしますと、これは我々も、例えば市会の問題でありますが、市会に対しまして我々調査したのですが、市会は今年度の三月頃まで実は統合については反対しておる。飽くまで存続する、こういうことでやつているのであります。そのためには、わざわざ市会の中には、存置委員会という特別委員会が設けられまして、新発田分校の存置のために実際一回は会合を持つた。その後持たれないようでありますけれども、実際は市会の意思としましては、全然この統合には反対しております。大臣はこういう事実を御存じになつておりますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) そういう地方の実情は、新潟大学の当局というものが十分に調べておることと私は思つております。そこでもつて新潟大学が判断をするということが、私はたまたま行つて調べるとかいうことより遥かに適正な判断ができるのではないかと思つております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それができないから、今度の問題が起つたというふうに私は解釈しておりますが、例えば今市会だけの問題を挙げますと、大体今の市長、近という市長だと思いますが、この市長がこの前立候補するに当りましては、飽くまでこれをやはり存続する、或いは警察予備隊はよばない、こういうことを公約されておるのだそうであります。然るにその後情勢が変るというと、少しそういう線があいまいになつて来た、こういう点で非常に市民が警戒の念を持つている。市会の意思としましては、今までこの統合の問題に対しまして、すでに参議院並びに衆議院議長宛に、飽くまでこれは統合しないで、分校を存続して欲しいという陳情さえ出されておる。これは請願さえ出されておる。そうしてしばしば荒木委員からも指摘されたところであります。そうしますと、市会そのものの意思というものは非常に……、大臣が今、学長を信頼して、学長がそういう判断をしたのだから間違いないと言われておりますが、学長の判断そのものは、こういうかずかずの私が挙げました例によりましても明らかなように、市会の意思というものは非常に不明瞭であります。今日では何だか不明瞭になつて来ております。併し当時は少くとも存続でやつて来たのであります。そうするというと、学長はそういう形で、これは市会の意思だ、こういうことで言われておりますが、事実は非常に違うのであります。これは事務当局のほうではどうなんですか。大臣の答弁に対して補佐をされるときに、もつと正確な情報を與えて頂きたいと思うのであります。これは、この前もこの点について論議しておるのですが、如何でありますか。大臣の今言われたことは、非常に私は事実に反しておると思うのであります。その点どうですか。大臣からお願いいたします。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は、事務当局からもいろいろな報告を受けておりますが、併し地元の新潟大学の決定というものを信頼しておるわけでございます。新潟におつて、そうしてよく新潟の立場においていろいろ調べてやつておることでございますから、新潟大学の決定を信じております。新潟の学長が一人できめてるわけじやなくて、大学としてきめておることでございますから、それを信頼しておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は大臣のお立場としては、学長を信頼すると言われるのは当然だと思います。私はそこまで、信頼するとかしないとかいうことは、これは言う権能もないだろうし、当然大学の自主性から、そういうことをおつしやるのは、一応形式的にはその点はいいと思います。併し今日なぜ問題が起つておるかというと、この学長の文部省に対してなされている報告が、事実と非常に反している。今申しました市会の一事を挙げただけでも明らかであります。又正式な機関できめられたということを言われているようでありますが、この評議委員会というものが非常に実は問題なようであります。非常に問題であります。評議委員会は、どういう所で開かれたかといいますと、評議委員会の構成そのものも問題なようでありますが、細かなことは申しませんけれども、実は秘密会で、某温泉に三々五々秘密のうちにこの人たちが集まつて、ここで決定ざれた。それから教育学部の問題でありますから、当然教育学部の意見というものは、この評議委員会が方針を決定される場合に非常に重要だと私は思うのでありますが、その事前に教育学部の意見というものが諮られた事実はあつたそうであります。何か「その他」ということで、その種のいろいろな議題があつた。ところが高田や長岡から来る人たちが、汽車の時間が間に合わんということのために途中で帰つてしまつた。そこでうやむやになつて、教育学部の意見というものは決定されていない。こういう形で実は運営されておる。ここのところが非常に問題だ。又新発田分校の中には評議委員がいない。又新発田分校のそういう当局者の意見というものも、十分にこれはその前に聞かれていない。最後に決定するときに、オブザーバーというようなことで呼ばれている、こういうことでありますが、この点が非常に問題になると思うのであります。こういう点について、女相はこういう情報についてお調べになつていらつしやいますか。どうですか、この点如何でありますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は、そういう大学の内部のことについては報告を受けておりません。それは事務当局において十分考えておることと思つております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちよつと事務当局に、簡単に今の問題について……。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○政府委員(稻田清助君) 評議委員会の構成のうちには、教育学部より選出されました委員が入つております。この委員を教育学部から送ります場合には、勿論分校の教官も入つておるわけであります。大学管理機関の構成及び職能といたしましては、そうした職能を以て決定いたしました評議委員会が、全学の意思を決定したものと見るほかはないと考えます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 なんですか、評議委員会に分校からも入つておるとおつしやつたのですか。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○政府委員(稻田清助君) 各学部から代表を送ります。各学部と申しますれば、その学部の中に分校がありますから、現実に分校の教官が評議委員会のメンバーでないにいたしましても、評議委員会のうちに学部の各分校が代表されておる形式だと我々は判断しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうことをお聞きになりましたか。そういう点について、あなたわ今これこれだと判断するとか、そういうことじや問題にならんと思います。私がお聞きするのは、そういうことは事実を調べみて、例えば今私が申上げましたようなことについて、はつきりどういう人からこういうことについてそうでないという反証があつたか、そういうことでないと、こう判断しますなどということでは、私は問題にならんと思います。抽象的な運営を私は問題にしているのじやない。事実、問題になつているのは、そこが正しく行われていないから問題が起つて来る。これに対してあなたは、具体的にお答えにならなければならないと私は思つております。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○政府委員(稻田清助君) 具体的に申上げるよりも、評議委員会というものが何で評議委員会であり、大学の管理機関であるかという構成から考えますれば、評議委員会がやはり全学の各学部の代表を以て組織せられるという一点で、評議委員会の決定を全学の意思と見るほかはないと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それは抽象論であります。私は具体的に、例えば秘密会が某温泉で持たれたということを挙げているのに、あなたはそういう運営についてお話にならんのです。私はそういう構成については、まあ構成についても、細かにいえばあるかも知れませんが、一応あなたの言われる通りとしても、運営の問題がある。そういう問題については、あなたはお調べになりましたか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は、大学の評議委員会がどこで開かれたとか、ここで開かれたとかいうようなことまでも文部省が調べ挙げて、大学にどうだこうだと言つたら、諸君は大学の自治が侵されると言われるんじやないかと思います。我々は、そんな細かいことまで一々調べなくとも、評議委員会の決定は評議委員会の決定として受取れぱよいのではないかと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それは、何も問題がないときはその通りであると思います。併し問題が起りまして、これに対する今大きな問題になつているときに、そういうようなことを一方的に、だから大学を信用する、こういうことだけではこれは事実に反するので、私はお聞きしておるのです。併しその問題は、これは具体的な例があるのでありますが、これはもう少しお調べになつてから御答弁願いたい。恐らくお調べになつておらないかと思います。  その次にお聞きしますが、学長の教育者としての性格の問題でありますが、大体二十五年の三月に、長岡とか高田の問題がありまして、分校統合の問題があつて、これがやはり県議会の大きな問題となつた。そうしてその結果、県知事、県会議長、それから小笠原教育委員長、それに新潟大学長の橋本氏、それから高田、長岡、新発田の地域代表、これは県会議員のかたでありますが、こういう七名のかたが、「新潟大学はその成立の趣旨に基き分校の特色を発揮せしめると共に、分校に設置せる教育学部の現在の組織編成はこれを変更せざること、右確約す。」というようなはつきりした誓約書が調印された。この調印がなされまして、これにはつきり橋本学長も調印しておるのです。そうしてこれに対しましては、なお昭和二十七年の二月、つまり今年度の県会がありましたので、この県会の席上におきましても、はつきりこれは再確認されている。なおこの前に、この線に対しましては、衆参議院の新潟県出身の議員が殆んど全部これに署名をしまして、この二十五年に確認されたところの契約書の線は飽くまでもこれを推定するのだ、こういう点を確認しまして、みんなが署名されておる。両院議員、これは自由党といわず、社会党といわず、新潟県出身議員が全部これに参加しまして、そうしてこれに調印をしておる。こういう問題が、今日新潟におきましては、新潟県会の政治問題になりつつあるということを最近私は聞いたのであります。こういうような、いわば二年前にはつきりその資格におきまして調印して、統合はしない、こういうことを確認し、更に今年度の県会におきましてこれを確認し、更に衆参両院の議員が、これに対しまして連名を以ちまして、はつきりその線を確認するというようなことがなされている。ところが今日進められている新潟大学の統合の方針というものは、全くこの確認の線からはずれている。ここらが非常に大きな一つの問題点になつているようでありますが、これは天野文相としましては、学長のこういうような態度に対しまして、教育者として、果してこういう確約の線というものが反古にされていいのか、橋本学長はこれに対して、今日はこれは古証文だ、こういうことを言われておるということでありますけれども、古証文といいましても、今年の二月にそれが再確認されている問題なのです。こういう態度につきましては、これは文部大臣として一体どういうふうに判断されますか。この点お伺いしたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 大学の学長というものは、やはり大学全学の信望を得ている人がなつておるのであつて、文部省が濫りに大学の学長をどうこう言うことはできないと思います。ただ併し今おつしやるような点については、勿論私どもも聞いておりますし、考慮はいたしておりますが、大学自体が学長というものは選び出しておるもので、大学自体の信望を持つている間は、文部省がとやかく大学の学長をいうべき筋ではないと思つております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうところは、私は非常にこの形式的な逃げ答弁ではまずいと思うのです。実際はこういう案ができて、そうしてこれを相当強硬にやらなければやはり学長の成績にかかわる、或いは又これによつて大学の基準が認められない、こういう線が附帯されて、そうしてこう、いうような方針がきめられている。こういう面については、文部省に対して飽くまでこれは自由じやないのです。上からやはりそういうような一つの方針というものは押付けている。学長の立場になつてみますと、どうしてもそれを遂行しなければ、文部省に対しても工合が悪いということになつて来る。従いまして今度のような措置にこれは急速に出て来るふしがあるのです。すでに二回も三回も確認されて、そうして県の輿論もはつきりそういうふうにもうきまつている。こういうものが一体今のような形で変更されるということは、これは教育的に正しいとお考えになりますか、どうですか。この点私はお聞きしたいです。抽象的な形式的な御答弁では私は満足できないのでありまして、今のような具体的な問題としまして、こういうような確約がここで反古のように変えられるということについては、一体どういふうな見解を持たれるか、これをお聞きしたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 今も申しておりますように、この統合というようなことを大学が絶対これには反対であるというなら、自分たちは何もそれを大学に勧める考えはこぎいません。大学はこれがよいとして始めて来ておられることなんです。だからそういういろんなそこにはいきさつがありましようけれども、私どもは、全学が学長を支持している限り、それにお任せしているわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 全学をお調べになりましたか、全学の輿論は……。全学というのはどういうなんですか。学生、それから教授、それから父兄なんかも入れて、そういう形で以て教育の、PTAというものは作られているのでありますから、そういう運営がなされなければならん。機関だけが今言つたように秘密主義で問題をでつち上げ、基本方針をいつの間にか歪められてしまうというやり方を文部省は支持されるのならいざ知らず、そうでないとすれば、広汎に職員の輿論、それから父兄の輿論、学生の輿論、教授の輿論、こういうものを私は確める必要があると思う。我々がが確かめて参りました線によりますというと、これは学生層では、ここにいろいろありますけれども、学生は、当然一番これに関係しています新発田の学生たちは、これは全学生を挙げて反対であります。又職員諸君もこれは反対であります。これは反証があつたらどうぞあとで述べてもらいたい。それからこれに対するPTAの立場を見ますと、これは非常に広汎な層が反対であります。市民大会も二度まで持たれて来て、市の多くの人が動員されて、こういうような決議を二回までされている。又全学の関係として、我々は学生代表の諸君に、県庁を訪問すると、いきなりこれは会つてもらいたいと言われて、本学の前に参りましてその陳情を受けたのでありますが、これも学生の立場からいいますと、殆んど反対である。それから移されるところの農学部でありますが、農学部においては、農学部の学生は無論反対の意思を大きく表明しております。こういう形で、この学内の輿論というものは、統合に非常に大きな反対の線が出ていると思う。文部省でも無論つかまれただ情報があると思うのでありますが、そういう点を一体もう少し率直にお聞ききになつたのか、飽くまで学長の態度が支持されているというようなお話でありますが、これを支持して心るというのは、評議委員会とか、そういうようなのつ引きならない学長のいわば取出巻きの、そういうところにそういう輿論が出て来て、それが機関を握つているというので、これが全学の輿論だというふうになつているように考えられるのでありますが、こういう点は如何でありますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 大学の評議委員会を、それを学長の取巻きだなどというのは、私は大学に対する非常に不当な御批評ではないかと思うのです。大学の評議委員会というのは、各学部から代表者が出て構成しているもので、決して学長の取巻きなどというものではございません。従つて私どもが大学全学の意思はどこにあるかといえば、これはやはり評議委員会において代表されるというのが私は民主的ではないかと思うのです。一々の学生に当つて、全部の人の意見を聞くということは到底不可能なことでございまして、評議委員が各学部から選ばれて、各学部の意思を評議委員が代表して出て、その評議委員の構成している評議委員会の意思が全学の意思だときめたつて、何も不当なことではないと私は考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ところが私はその運営をさつきから問題にしているのです。公開できないような形で以て、実に秘密裡に某所に集まつて、それをいつの間にかきめられる、こういうように評議委員会が運営されていることに問題がある、だから私はあえて取巻きという言葉を使つたのです。そういう形で学生、父兄並びにそれに対する教授、こういうような輿論を広汎に聞いて、それに対する問題をきめて、それに基いてやつて行く、こういう態度を少くとも大学当局はとるべきだとお考えになりますか。それとも今聞いたような評議委員会の決定によつて、反対があろうがどうであろうが、どこまでもこれは強力に強行すべきだと、どうもこれは大臣の言葉をもう少し敷征して考えると、そういうような結論にさえ導かれそうに思うのです。この点はどうお考えになりますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は、岩間さんにもつと大学というものの構成をよく御研究頂きたいと思うのです。今評議委員会が秘密にやつたというけれども、評議委員会はいつでも秘密でございます。決して評議委員会は公開してやるものではございません。だからして評議委員会が秘密に事をきめたなどというようなことは、大学の評議委員会どいうものを御理解になつておらんように私は思うのです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 評議委員会は秘密にしなければならないという規則でもありますか、お聞きしたい。そういう規則を示して下い。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 大学の評議委員会は慣例上公開などにしたことはございません。いつでもこれは大学の評議委員会だけでやるものでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それは慣例上と言われますけれども、まるでこれは秘密に進められるのですね。どうしてこれはそういう必要があるのですか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) それは必要があるとかないと、かいつたつて、大学はそうしてやつて来ているのですから、新潟大学が従来公開されておるものをたまたま公開しなかつたというのじやなくて、従来どこの大学でも、大学の評議委員会というものは公開していないのですから、悪いとか悪くないとかいうことは別の問題であつて、大学ではそういう慣例でやつて来ておるのですからして、新潟大学がたまたま公開しなかつたというのじやないということを私は言つておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうも私は非常におかしい発言だと思う。これはどうも評議委員会そのものの性格に私は関連して来ると思う。そこに問題があると思います。何でも秘密にするというのは、慣例だから秘密にやつたつて少しも差支えないと、こういうことになるのですね。そうすると、非常に私は問題だと思うのです。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 新潟の大学の評議委員会が公開でなかつたということを岩間委員がお誉めになるようですけけども、いつでも公開でないものを公開でなくやつたつて、ちつとも差支えないという論でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は公開とか何とかいう議論、そんな議論にこだわる何はありませんけれども、文部大臣は飽くまで秘密で、それでいいということなら、私はおかしいと思うのです。私今申しましたこの教育学部の意見というものは、十分にこれは取入れられなかつたとか、そういうような運営の面については、これは文部省ももつと十分に調べて欲しいと思う。自分の都合のいい……今のそれぞれの機関では、そういう機関の決定だから合法的だ、こういう形だけで進めるところにいつでも問題が私はあると思う。  そこでお聞きしたいのですが、今度の新発田の分校の統合の場合ですね。大体言うまでもなく、この前大学が発足するときに非常にこれは大急ぎでやつたと思うのです。我々は、準備が非常に不十分だつた、こういう点についてはもつともつと考えなければならん。そういう形で、地方に行つてみますと、分校が三つ作られたおるけれども、あの三つ作られた分校というものは、非常にこれは地方文化の向上のために役割を果していると思うのです。又地方ではあれを作るために、これに対して非常に財政的な負担もやつているのです。ところがそれが今いきなりもう統合する、そうして而もこれは秘密裡に進められておつたわけです。事前に、一年も前からこういう方針が明らかにされて、そうして十分にこれは地方民に納得させて、了解の下にスムースに事が運ばれるならいざ知らず、一月前くらいまでは全然わからなかつた。而も飽くまでこれは大学は存置するのだということは県会でも認められており、市の当局の態度としても、これは飽くまでもそういうような方針は決定されておつた。それがここでいきなり一月前くらいに、こういうような方針が進められておるということが明らかになつた。ここで地方民が非常に驚きをなしたわけであります。こういう点について、これは大学の今後の統合の仕方そのものが大きな問題になると思うのでありますが、第一は、こういうような方針、これが決定されて、答申案としていろいろなされておると思うのでありますが、これはいろいろ技術面で秘密にしなくちやならないというような面も私は全然ないというふうには申しません。併し少くともこういうような基本方針というものは、今言つたような面から考えまして、地方の協力を得るということが、少くとも今後の大学の運営に欠くべからざる條件だ、こういう点から考えたときに、こういうような手段を十分に講じて、然る後になされるということが非常に正しいと思うのでありますが、今言つたように秘密裡に問題が進められておる。そうして寝耳に水という感じが地方民に起きる。併しこれは大学ができたときには、新発田は今までは連隊があつた、旧軍都だ。そういうところで軍隊がなくなつて、実は経済的にもいろいろ困難が出て来たと思います。併しその後大学の分校ができて、そうして四百人近くもの学生がそこに収容されるということになりまして、これは教員養成の面とも絡んで、非常に一つの大きな希望の灯を点じた。それがここに来て、いわば統合だ、天降り的に強制的に、これが不意討ち的になされたところの統合によつて、その灯が消されるような気持を非常に地方民は持つて来ている。こういうような面について、全然これは考慮しないのでありますか。こういう点こそ私は、教育の民主化とか何とかいうことを口にする場合には、非常に大学と文部省自身の責任において勝手にそれを作るときには、それぞれいろいろ地方民に協力をさせておる。そうして飽くまでこういうような分校を作るということを大臣は言つたじやないですか。それが十分に果されもしないうちに、途中で今度はそういう方針が変更された。いつの間にか変更されて押付けられる。こういうことが一体正しい文数の運営の仕方であるかどうか、この点について一体どういうふうに判断されておりますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は先ほど申しましたように、日本の教育を十分理解し、殊に大学というものに対して十分な知識を持つておられるかたがたを集めて大学設置審議会というものを作り、その中で特に第九特別委員会というものを作つて、その委員のかたがたが全国の大学を調べて、その上で、大学の将来の計画としては、ここは統合したほうがよいという、そういうお考えに従つたわけです。同時に併しそれが無理に行つてはいけないから、できるだけ現地の事情を調べて、一般の人たちの納得行くような仕方で以て統合をしてくれ、こういうように大学に申し、大学もその趣意でやつていることと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうしますと、納得しないのですね。現在これは市民大会で表明された意思並びに当院に寄せられました陳情などを見ましても、三日間で例えば統合反対の署名が八方七千も集まつております。それからあそこの市民大会にしばしば表明された意思というものは、非常に私は広汎な人たちがあそこに参集して来ていると思う。ところが反対派の諸君は一部だと言う。この前の陳情の人は十分の一しか拍手しないということを言つていますけれども、これは全くためにするところのデマです。私たちはこの眼で見て来たのです。二人参りましたからはつきりしています。こういう形で広汎な意思が表明されているのですが、こういうように、飽くまでこれを尊重して、この意思によつて今後こういうような状況を考えて、統合というものを大臣はなされる方針であるか、それともやはり答申案に基いてこれはどうしても決定されたのだ、この線はいや応なしに進める、こうお考えになつておるのでありますか、この点明らかにして欲しい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 方針は、私はやはりその決定の方針だと思いますけれども、その時期等については十分考慮する必要があると考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 方針はこれは何ですか、飽くまで天降りですか、一応第九特別委員会が意思をきめられて、そういう案を出したかも知れません。併しこれは実情を調査しておられますかどうか、第一に新発田については誰か出て行つていますか。これは事務局からお聞きします。当時誰が出ておりましたか。その責任者の名前を伺つておきたい。出ていますか、実際……。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 同じことを幾度も言つても仕方がないのですが、天降り的ではないのだと、大学が若しそれを受容れないなら、少しも強いる考えはないのだ、天降り的というのは、先方の意思の如何にかかわらず、それを実施するというのが私は天降りということじやないかと思うのですが、そうでなくして、大学が困るというのなら初めからやらない。併し大学がこれをすることが新潟大学のためであると考えたのです。それでこれは、詳しく大学設置委員のかたがたが研究された結果でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 事務局のかたに伺い産す。誰が調べたのですか。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○政府委員(稻田清助君) これは設置審議会の委員である小池氏、柴沼氏、小林氏、大泉氏が現地で調べました。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 何日間ぐらい調べられたですか。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○政府委員(稻田清助君) 新潟大学全体として、三日間くらい費やされたと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その調査のやり方が問題なんですけれども、この調査はやはり市町村当局とか、そういうことに当つて、父兄とか学生とか教授とか、そういうことについてこれは調査しておられますか。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○政府委員(稻田清助君) 大学当局の責任者及び父兄或は市の責任者等には一応意見を調査したと存じます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その調査そのものは、教育的な立場から、教育技術的な立場から一応なされることは考えられるのでありますが、その実施面については、やはり一番問題になるのは予算の問題と、地方民をどういうふうに納得させて、これに協力させるかという問題なんです。こういう点は十分に、この案というものは織込まれていないと思うのですが、今後の実施面で、文部省はこういう点を十分に取入れて、この問題を再検討させることが非常に私は重要だと思う。どうも天降りでないとか何とかいいましても、單にそれは今言つたことは短時日の調査で、而も今言つた大切な面の父兄とか、その地方の輿論とか、経済的事情とかいうような問題を十分に考慮した上で、こういう問題は決定されなければ、軍に私は、新発田だけでなくても、この問題というものは、全国的にやはり今後起り得る可能性を持つと思う。こういうことじやまずいのであります。而もこの目標の達成というものは、今言つたように予算の面から考えますときに、二十年後か三十年後だかもわからない。それを何のために、今言つたように今日あえて六月十五日などという日を切つて、そうして血の出るようなことをしている。全く血の出るようなことでしよう。学園で学問を継続しているときに、六月十五日で切つて、これは夏休みに入り、トラツクで三百台も四百台もかかるというようなものを新潟まで運ぶ、こういうような体制が強力に上から押付けられる、これは一体果して教育の民主化という面から正しいかどうか、こういう案だけが、これはできたの、だから、而もどこまでもこの方針は変えないというのだから、これは天降りでなくて何です。天降りでないとか何とか言われるが、天降りでなくて何です。そういう点について、地方民とか地方の輿論とか、そういうものをどういうふうに取入れられるか、この点お聞きしたい。従つて文相に対しましては、この問題について新潟分校を統合するかしないか、地元の輿論と大学の輿論と……学長の途中で豹変した意見だけを、あなたはこれは大切だと言つていられますけれども、すでに大学長も今年の二月までは、飽くまでやはりその意見というものは、これは統合には反対だという意思を表明されておる。大学の関係者も、県知事も、県会議長もそうだ。教育委員長もそうだ。当地の代表者もそうだ。これこそは私は最も公式な輿論だと思う。こういう輿論に従つて、飽くまで統合の線については、これは徹底的に再検討するというのが文部省の民主的な態度だと思うのでありますが、今の県知事とか県会議長とか、或いは教育委員長から表明された統合反対のはつきりした意思表示というものを無視して、これは再検討の余地なし、飽くまでこれは文部省のきめたものによつて、これを大学をしてやらせるのだ、大臣はそういう方針をとられるのでありますかどうですか。この点お聞きしたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は、天降り的というのは、大学がどう考えようと、その大学の意思を無視してこちらの考えを押付けるのが天降りだと思うのです。そうでなくして、大学に新潟大学のためどうしたらいいかということを任せて、向うの意思に従つて、こちらが大体の方針を示しただけでは、決して天降り的とはいえないと思うのです。だからして、今後もすべて大学の自治精神を尊重して、大学の考えを基としてやつて行きたいと思つております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 只今のはどういう御趣旨なんですか。二年前に調印して、そうして二年後に、今年の二月にそれは再確認されて、県会の輿論もはつきりされて、而も途中で豹変した、こういう方式でやつて、自治があるということがいわれるのですか。そうして学長の態度が正しいといわれるか。そういうことを断定されるなら、そういうことを前提としていわれるならば、私は了承してもいいです。その点お聞きしたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) とにかく私は、全国の大学には自治を認めております。文部省が大学に自分たちの意思を押付けるということはいたしておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今の学長の、途中で変更されたということは、これは自治的だとお考えになりますか。教育的だとお考えになりますか。それから少くとも社会一般の通念に違反しない、こういうお考えになりますか。そういうような形は、大学の評議委員会を通して、機関を通したとかどうとかいうことは、私は、これは一つの形式になつておると思う。そういうことは重要かも知れません。併し今言つた基本的な、少くとも教育者として、一大学長がちやんと判まで押しておる。ここに書類がある。そうしてこれは再確認されておる。こういうような線について、途中でこれは豹変したとしか思えない。こういう事実に対して、なおそういうものを土台にして運営される。そういうような大転換をやつて、豹変をやつておる。そういうことも飽くまで自治的である、こうおつしやるのですか。そういう結論でなければ、今のような答えは出ないと思う。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 岩間さんは、評議委員会の決議に従うということを形式的だと言われるが、私は大学の学長がこういうことをやることがいいといつて、自分一個の考えで勝手にやつたら、それは決して自治を尊重するゆえんではない、だから決して形式的だといつて私はこれを排斥する筋ではないと思うのです。民主主義はそういうものじやないかと思うのです。代表者を選んで、その代表者のきめたことにみんなが従つて行くというところに民主主義があるので、代表者のきめたことは形式的、だ、そういう議論は私はわかりません。学長の一々の態度は、学長はこれはそれぞれ自分の最善を盡してやつて来られたことでありましようから、そういうことを一々批判する考えはございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 民主主義の講義をいろいろ頂いて有難いのですが、民主主義というのは、学校経営の最高責任者、県会議長、教育委員会、大学学長、それから各地方を代表した県会議員、こういうものの責任においてはつきり調印したものを途中で豹変することが、これは民主主義ですか。極論かも知れませんけれども、こういうことになる。こういう点についてはどういうことになりますか。私はそんな形式論をお聞きしているのじやないのです。具体的にお答え下さい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は、学長がどういうお考えでどうなつたかという詳しい学長の心理を聞いたことはございません。ただ学長が責任を持つて、大学の長として、これまで善処されて来たということを知つておるだけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 責任を持つて判を押したのだと思うのですが、こういうことは途中で豹変されていいのですか。これは差支えないと大臣はお考えになるのですか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は、学長の個々の行動を、この席上で以てよいとか悪いとか批判する考えはございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、学長の個々の行動とか何とかいうものじやない、教育の原則です。少くとも教育の原則としてお聞きしておるのです。これだけの公式な点で、而も輿論ということをあなたは言われましたが、成るほど大学の評議委員会というものは、そういう権能を持ちましよう。併しもつと広汎な、新潟の二百何十万という広汎な県民の代表機関である県会において、こういうような調印までなされているということと、どつちを一体重しと考えますか。而もそれが違反されて、そうして別な方向にこれは行つておる。而も今日までは、橋本学長は全く一番先に率先して、六月十五日までにこの統合を進めるのだ、こういう態度で少くとも来られたのではないかと思います。少し変更があつたようにこの前文部省から聞いたのですが、こういう方向をとつて来られた、これはどうですか。今のつまり態度が変つたということについては、社会通念或いは教育的判断、それからもう一つ、六月十五日に、途中でどうしても受入態度がまだ実に不十分である、そういうところに、而も多くの反対を押切つてこれを強行するという態度が、果して教育的であるかどうか。この二点について、弁解的なものでなくて、はつきり大臣の見解を承わりたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は、先ほどから申しているように、この席で以て、学長の行為がよいとか悪いとか、自分はそれを批判する考えはございません。そういうことは大学の評議委員会に任せてありますから、評議委員会が学長を信頼している限りは、私は学長を信頼して行きたいと思つております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 信頼するといつたつて、それは飽くまでも信頼するのですか、こういうことがあつても。そうすると、私がこういうことを言つているのは、これは何か事実に反してでもいるようなことにおとりにならなければ、今のようなお話は出来ないと思います。これは嚴とした事実ですよ。現にこれについては、衆議院のほうからも委員のかたが見えまして、この線を確実に更に表明されているわけであります。これは新潟県出身の両院議員が全部これに署名をしております。飽くまでこの線に沿つてやつて行くのだと。こういう線までも無視してやつている学長の態度というものは、これは正しいとお考えになるわけでありますか。これは、飽くまでこの線については、統合問題については、再検討する意思はないと大臣はお考えになりますか、この点をお聞きしたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 大学の統合ということは、全国的な問題なんです。だからして、一々のところを、ここはやめてしまつて、あすこはやるというようなわけに行きません。だからして、方針としては私どもはそう思つております。併し大学のお考えによつては、その時期等はいつでも大学の判断によることと思つております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 それに関連して、成るほど大学の自治を認めるということは私は当然なことだと思います。だが国立学校設置法が国会に提案されましたときに、大臣の提案理由の中にも、大学当局の意思並びに地元の意思というものについて、十分これは検討しなければならないという御提案の理由があつたと思います。今度の新発田の問題に対しましても、日高次官でございますか、日高さんも、やはりその編成については、基本的な考え方として、当然地元民の意思というものも十分に考えなければならないということを言つておられるようでありますが、これは私は、誠に尤もだと思うのであります。そこで一応この三月までは、成るほど大学当局としては統合に反対をされて来ましたが、岩間委員の御質問にもありましたように、豹変という言葉にも等しいような、非常に急激な変化をされておるようであります。この結論は、勿論大学当局の自主性に基いた結論だということを言われておるのでありますが、成るほどそうかも知れませんが、百歩下つても、私は地元民の意思というものは、当初のいわゆる統合反対の状況から殆んど一歩も出でずに、やはりその反対のお考えを十分に持つておられると思うのです。ここに当時、この二十七年の一月にも再確認されまして、地元の衆参両議員は統合に対して反対の決意を持つておられますので、私はこの地元の衆参両議員の全部とは申しませんが、四、五名のかたに極く最近お話し申上げましても、これはやはり当時の意思と何ら変らず、統合に反対の意見を持つておられるのです。そうすると、これはまあ一部だとおつしやるかも知れませんが、市民大会その他においても、新発田市即ち地元の人たちが、統合に反対をしておるというこの意思は変つておらないわけでございます。そうするというと、統合の際に、国立学校の設置法に基く基本精神は、やはり大学当局の意思並びに地元の意思というものが同じ重さ、同じ比重くらいに当然これは考えられねばならないと思う。そこでただ現実の問題として、大学当局のこの自主的な結論を重んずるというだけでは話の筋が通らないと思う。この地元のいわゆる反対意見というものを一体どういう重さに見ておられるのか。そうして今後この地元の意思というものと大学当局の意見というものをどういうふうな形でコントロールをされて行かれるのか。これは当大臣の私は責任にかかつておると思うので、この点を十分にお聞きしたいと思うのであります。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 先ほどから申しておりますように、その地元の人たちの希望とか考えを無視してやれということでは決してないので、それは飽くまでも尊重してやるという建前は少しも変らないのです。で、現在においても、市会において大多数を以て可決をして、市長がそれを持つて文部省にも来られたというような事実もあるのですけれども、他方には反対の人もございましよう。で、こういう統合というようなことは、何にも反対なしにできるということはこれは殆んど不可能なんです。ただその反対の重さがどれだけだかということを考えるということが当該大学の責任でもあるし、又大学が十分やるべきことなんです。で、そういう大学の意見を私どもは尊重している。大学がこれはやらないといえば、何もやろうというのじやないのです。だからして大学に、文部省の方針はこういう方針だけれども、その時期等については、十分適当な考慮をされたらよかろう、こういうわけでございます。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 成るほど新発田の市長が大臣のところに陳情に来られている、これは一つの事実であろうかも知れませんが、新発田市並びに市議会議員は、当時選挙に立候補の言葉の中にも、大多数のかたがやはり新発田のこの分校を擁護という立場で以て立候補されており、而もその公約を果されるということは、当然市町村、地元民の意思を反映して当選されたかたがたの責任であろうと思うのですが、そういう責任をやはり地元民は信頼していると思うのです。でありますから、途中でにわかに方針が変つて、反対な立場に立つて陳情に来られたというものを、そのままそれを地元の意思であるというふうにお考えになるというのは、いささかちよつと外れておるのではないだろうか。これは一つの意見になりますから、これを大臣がどうおとりになるか、それは御自由でありますけれども、地元民の意思というものは、やはり当初から今日に至るまでこれは変つておらない。それを、その意思を掲げたからこそ選挙された市の理事者側が、各般の事情から豹変して、文部省に反対の立場に立つて陳情に来られたから、それでも地元民が納得するというこのお考え方は、ちよつと当を得ないお考えであろうと思うし、問題が起つたのはやはりここだと思うのです。ですからこういう点は、もう少し素朴に新発田市民の声という、本当の声、従来から今日に至るまで一貫している声というものを尊重されて善処されるということが、私はこの問題を円満に解決する方途ではないか、そういうふうに考えますが、市の市長のこの陳情と大学の自主性という、これだけの表面的な理由で強行されるというお考えをお持ちになつておるのではないとは思いますけれども、この点を簡単に御答弁願いたいと思うのであります。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は、初めから申しておりますように、大学に向つて押付けるとか、女大学は市に対して強行するとか、そういう立場に立つておるのではございませんのです。ただ全国的に大学というものを整理統合して行かないというと、整理統合といつても、現在成立つている大学をやめるという意味ではございませんが、分校などを一つ所へ集めないと、本当に大学の発展ということができない、そういう大学設置委員のかたがたの御意見なんです。だからそれに従つて、できるだけ穏やかにものをやつて行こう。だから地方民の意思はどういうところにあるかということは、その土地の大学がよく研究されて、そうして適当に計らつてもらいたい。こういう考えで、少しも無理をやろうとか、そういうようなことは考えておりませんのです。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 速記をつけて。  本日はこの程度で散会いたします。    午後零時四十五分散会

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