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13回国会参議院1952/05/16

文部委員会 第34号

発言数
305
登壇者
21
会派数
6
開催日
1952/05/16

会議録

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) これより文部委員会を開きます。  学園事件を議題といたします。文部大臣がお見えになりましたから、文部大臣からこの事件についての詳細な御報告をお願いいたします。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 只今学園事件と委員長お話でございますが、前回この委員会におきましては、いわゆる第一次東大事件についていろいろ御審議がありましたので、その辺はまあ省略させて頂きたいと思います。その後におきまして、東大におきましては、いわゆる第二東大事件をめぐつての一部学生と警察官の問題が生じたわけでございます。大体その状況を見ますると、極く一部の小数の学生でございますが、行動が甚だ尖鋭化いたしておりまして、警察官学内立入りに対する抗議であるとか、或いはその後において東大当局が自治会に使用せしめた部屋の使用禁止をめぐりまして、相当実力に訴えての暴動等が目立つて参りましたのに関連いたしまして、やはりその小数学生と警察官の問題が起つたわけでございます。その後に例のメーデー騒擾事件に関連いたしまして、全学連の影響下にあると見られる一部学生が、皇居前広場においての騒擾に参加いたしまして、そのうち一部は逮捕せられておるという事件が起つたわけでございます。更に本月の八日でありますが、早稲田の学校内に、学校当局に事務連絡に参りました警官に対して、学生がその目的及び身分を明せと要求したことに始まりまして、多数学生が警官を取巻き、その後において学校当局が学生代表及び警察署長、その他警察側と事態の収拾に努力しておつた途中に、多数警官が実力行動に出て、その結果学生側にも相当負傷者を出したという事件があつたわけであります。それからメーデーに関連いたしましては、全国的にそう各地において学生の関与した事件はないのでありますが、京都或いは仙台等において多少問題を生じたことは御承知の通りであります。更に愛知大学におきまして、七日の夜でありましたか、学内において警官が学生に捕まりまして、やはり学校当局が途中から中に介在いたしまして紛争をいたしたという事件があるわけでございます。この事件につきましては、警察側及び学校側は、如何にして警官が学校内に立入つたかというような事実の認定について見解が一致いたしておりません。又その後において警察側から学校側に対して関係学生の出頭について努力せられるようにという要望があつたのでありますが、これに対しまして学校側といたしましては、特定の学生を引渡すというような考えはないというようなことで、まだ事件は解決していないのでございます。  以上極く概略でございますが、最近に起りました学園の一部学生と警官の問題につきまして御報告いたします。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 文部省のほうから、今ほど極く簡単に項目的にお挙げになりましたこの学園の事件に関しまして、一つこの次の委員会までに文書でそれの状態を一つお示しを願つて、こちらのほうに御回付願いたいと思います。そういうことに一つ……。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 只今の報告を聞いておりますと、聞いても聞かなくてもよいというような、非常に抽象的な報告であると思います。先ほど特に委員長からも詳細な報告を求められておるわけです。従つて具体的な事実を報告して頂かなければ、私ども今後審議するというときに、審議のしようがないわけです。今委員長が書面によつてやつてもらいたいと申しましたが、私大賛成でございますが、その内容は具体的にやつてもらいたいことを特に要請しておきます。

相馬助治日本社会党(第二控室・右)

○相馬助治君 速記をとめて下さい。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 速記を始めて下さい。それでは文部大臣が今お見えになつておりますから、一つ質問の申出があるので、その質問をしてもらうことにして御異議ございませんか……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今の問題ですが、文部大臣にここで御返答頂ければいいのですが、次官通牒ですね。これにつきまして、第一東大事件のとき我々は文部省に文部大臣宛に質問をしたわけですが、それについて返答があつたようでありますが、具体的にもつとどういう点で、これは警察側と折衝をして、それがどういうふうになつた、それから今度の事件については今後折衝されようとしておるというのですが、その折衝の要点はどういうところにあるか。例えば具体的に申しますと、あの事件は抽象的に扱つてはもう解決つかないと思うのです。例えば私服で入つた場合には、これに対してこれは学園で責任を持たないとか何とかというようなこと、こういうふうな一例でありますが、そういうふうにしないと、私は実際この学生たちなんかの立場から考えて見ますと、けじめがつかない。やはり制服で堂々と用件を述べて公務の場合には立入る。こういうような協定でもされなければ、この問題なんかは実際迷宮入りになる。これは一例でありますが、そういうようないろいろな問題についてどういうふうに今後折衝され、又その問題を、次官通牒をめぐつての問題を明確にされる用意があるのでありますか。これは技術的な問題でありますが、お答えを今でも頂ければ結構ですが、若しそれについてもつと十分検討するというのでしたら後日でもよろしい。この点是非要求したい。如何ですか。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 只今お話のありましたように、学園に関連いたしまする警察官の行動と、又警察官の行動に対処いたしまする学校側の対処の方法というような点につきましては、もともと各学校責任者と所轄署の間におきまして、平素からいろいろお話合があつたわけでございまするが、全般的に通ずるような一般的の問題につきましては、先般来警視庁側と我々と話を重ねておるような次第でございます。まだ話中でございますので、只今の御質問に対しまして、こういう点はこうなるということを今日お答えできないのを遺憾に存じます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それではその問題はよろしうございますが、それでは文相に、今までの文部委員会の立法措置と関連しました問題について緊急を要する問題がありますので、ちよつとこれはお伺いいたしたいと思います。  その問題は、この前当委員会におきまして五月の六日に通過し、本会を七日に通過を見ましたところの教育委員会の改正法ほか一件、二件の問題でありますが、これが期日の五月十日までに衆議院を通過した。衆議院側のことを聞きますというと、これは委員会にも提案理由の説明さえまだ聞いていられない、こういうような情勢であつたそうであります。そこで従つて当然これは日本教職員組合の団体としての資格がいろいろ問題になつて来ておるのであります。これにつきまして、これは政府提案の法律案であります。当然まあこれは閣議で十分な御了解を得られたことと考えるのであります。又本院におきましては、自由党の諸君を初めとしまして、我々共産党までこれは同調しまして、満場一致でこれは通過を見ておる法案なのでございます。従いまして、当然これはそういうような政党的な点につきましても十分な了解が得られていると我々は了承しているのであります。それが現実的には五月十日までに通過をみることができなくなつた。どうもその間の事情は我々詳かにしないのでありますけれども、併し実際問題としてその被害を受けるのは当の全国五十万の教職員の団体だと思うのであります。こういう点につきまして、文部大臣は今後どのように見通しを持つておられるか、又これについてどういうふうに今後この通過のために努力される御決心であるか、こういう点が一点であります。  それから第二の問題は、現実的に五月十日までにこれが通過を見なかつたために、そこに幾分の事務的に問題が起つているわけです。これを文部省としてはどういうふうに処置されるのでありますか、この二点について先ずお伺いいたしたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 第一の点につきましては、私は閣僚の了解を得ましてあの法案を出すに至つたわけでございます。従つてあの法案の趣意は私がどこまでも主張しているのでございまして、たまたま自由党のほうで、党としてそれを承認されなかつたのですけれども、なおこれを承認してもらうように今日も実は或る閣僚と相談したりして、今後そういうようにできるだけ努力しようと考えている次第でございます。  第二の点については、事務的なことになつて来ますので、局長から御答弁いたさせます。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 只今大臣のお話のように目下改正案成立を文部省といたしましては希望しておる問題である。結局その第二の御質疑の問題も、これは法律を以て解決するほかにないのでありまするから、その解決策として文部省の考えておりますることは、大臣が第一問題についてお答えになりましたことに尽きると考えます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私たちは自由党内の問題についてはあまり詳しく知らないのであります。又立入るべき権限も持たないのであります。ただ私たちとしましては、参議院の立場から考えますときに、参議院の自由党の諸君がこれは全部賛成している、委員会も本会議もこれは満場一致賛成された形をとつていられる。自由党と今大臣お話がありましたが、これは衆議院の自由党の諸君の間にそういうことがあるのだろうと思いますが、ただ問題なのは一つの政党のそういうのは、現実的にそれが反対があれば問題になると思うのでありますが、いやしくも現在の内閣は、これは自由党内閣であります。はつきりした自由党の政党の基盤の上に立つてなされている内閣である。そうしてそこに閣議において決定を見たというのは私たちは何といつてもこれは公式に動かすことのできない厳とした事実だと考える。それで政党内部にいろいろなことがありまして、そういう公のことがどうも表面では具体的に実行されない、こういうことになりますると、非常に今後の国会の運営、そういう問題で国会対政府の関係、或いは政党の関係、こういう関係で非常に私たちは疑惑を持たざるを得ない点がある。文相とされても当然これはあの線を決定されて通過される、こういうことの努力をされておるということなんでありますが、文部大臣の御決意を余り私たちはお伺いすることは好まないのでありますけれども、併し事は相当広汎な影響を持つ問題であります。従いまして、これがすでに五月十日を過ぎて、而も現実的にその影響が、とばつちりが下のほうに行つておる、こういう形になつて来ますと、これについて文相は一体、最悪の事態においてはどういうふうにこれは処置されるのでありますか。こういう御決意もこれは伺つておきたいと思います。又これは政府の国務大臣として、こういう事態が起つたことに対してどういうような責任を感じていられるのか、お伺いしたい。  それから第二の問題について稲田局長の話があつて、根本的には法的な措置をこれはしなければ、それによつてしか解決できない、こういうことはそれは当然です。それは公式論です。そのことを私は伺つておるのじやない。そのことはわかり切つたことなんだ。ただ現実的に起つている問題について、これは何らの考慮もしないのであるか。手を打たないのであるか。そういう必要もないと考えていられるのか。そうしますと、当然これは法的には五月十日を以てこれは一応そういう組織が認められない、こういうことになる。地方公務員法によりますと、これは市町村に作らなければならないこういう事態ができる。市町村にそういう組合を作るといつても、作るような具体的な措置が今日なされておるかというと、これはいろいろの点でなされていない。又給与の面におきましてもこれは現在におきましてはまるで給与が県でやつておるのでありますから、これは事態に即応しない。そもそもこの法案が作られるのは、言うまでもなくこれは市町村に教育委員会ができる、それを交渉の相手とするので、市町村にそういう団体を作るのだということでこれはなされている。そうしますと、それが作ることができないということになりますると、地方公務員法において認められたそういうような権能について、これは具体的にこうするというような方向さえも考えられていない。そうすると、何一つ考えていないでこの問題を突き放すということになりますと、これは文部省のこの事態に対する責任を我々としてはやはり追及せざるを得ない、こういう事態が起るのであります。このままずるずる行きまして、そうして何日かの見通し、少くとも何日までにはこの問題をどのように処理すると、はつきりした明確な方針を大臣にこれはお伺いして我々が納得するのでなければ、ただ善処する、努力するということで以て今までやつて来たのでありますが、事態はどうかというと、どんどんとその善処の方向がはずれて、そうして現実的には大きな食い違いができている。これでは困るのでありまして、大臣は相当な決意を持つて、少くとも何月何日までにはこういう形にこれはしなければこの事態は解決しないと、こうお考えだろうと思いますから、それについて具体策を発表して頂きたい。そうでないというと、非常にこの問題につきまして我々は了解に苦しむ。この点二点重ねてお伺いしたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 第一の点は、私はこういう席で別に答える性質のものでないと思つております。  第二の点は、今いろいろ相談しておるということより、はつきりといつ幾日までにどうということはお答えできないと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 少くともこれはいつ幾日までに解決しなければ、この問題は非常に時期を失するというふうにはお考えになつていられないのですか。これはその見当を大臣が持つていられるか持つていられないかによつてこの問題の処置の仕方も、力の入れ方も違つて来る、これはどうなんでございますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) これは御承知のように去年の両院協議会できまつたことですけれども、併し私どもはそれをどうかして今度提案したようにしたいと思つて、今までもやつて来たのです。だからその線ではどこまでもやる、又場合によれば今から遡るということも法律上できるのではないか。ただいつ幾日までに必ず解決すると、そういうことは私としてここで言明しかねるのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういう点よりも、もつと具体的にお聞きしなくちやならないと思うのは、私たちは立法行為をやつたわけです。そうして政府提案に対しまして私たちは審議をして、そうしてこれを責任を以て通過させたわけです。で、政府としまして、できるだけそういうふうにしたいというような、これは希望条件では私はないと思うのですね。少くともそうせざるを得ない、そうしなければならないという法的な当然の一つの必要がありて私はなしたんだと解釈します。できるだけそうしたいというような漠然とした希望条件ぐらいでこの問題を扱われては私は非常に困ると思います。而も立法行為というものはそういうような希望条件なんかでなされるべきものではない。従いまして、これが不通過でうまく行かなかつたという場合には、これに対する私は政府の責任というものは当然これにつきまとうと思う。その責任を大臣はどう考えるか。そうして現状を打開するためにはどういうふうなこれは策を持つておるのか、こういう点についてもう少し明確に御答弁を頂かないと、我々は我々自身のやつて来た行動につきましても、非常にこれはおかしいことになるのでありまして、この点一つ明確に御答弁願いたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 政党内閣なんですからして、党の意見というものはどこまでも尊重せにやならないという点もあるのです。文政府はそれを信じて出しても、立法府においてそれを承認せぬというのならこれも仕方がないのですが、併し自分はそうでなく、これは自分がそういう主義なんですから、それが徹底するように今いろいろ話合いをやつておる、こういうことでございます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 岩間さんの質問に関連をいたしまして一、二の問題についてお聞きしたいと思います。大体私の伺いたいと思う点は、先ほど来岩間君から質問がありましたので、省略をいたします。ただお聞きしておきたいことは五月十日で期限が切れるのでありますが、不幸にして衆議院のほうでそれがうまく行かなかつた。そのために現在作られている教職員組合はどういう事態になつているのか、その点を明らかにして頂きたいと思います。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 不幸にして五月十日に改正法が実施せられない場合、現在の県単位の組合がどうなつているかというお尋ねでございまするが、これは結局市町村単位において地方公務員法の規定によつて組合ができて、その組合を基礎といたしまして、教育公務員特例法が規定いたしておりましたような連合体ができるというのは、県単位の組合の法的基礎が失われるものだと私は解釈いたします。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 県単位の組合の法的基礎がなくなる、このことは私にもよくわかるのです。そうすると、これは地方公務員法によつて市町村の下に組合を作る、そうして更に県単位の連合体を作る、こういう事態になつて来ていると、こういうふうに了解していいわけなんですか。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) そのように了解いたします。若し仮にそれを本案と比較いたしましたならば、立法技術といたしまして、昨年地方公務員法において附則をつけましたように、或る時期まで現在の組合を認めるということにいたしたろうと思うのでございますけれども、まあ不測のそうした結果が生じた、法の欠陥は生じまするけれども、これは法としては救えない問題だと解釈いたします。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 そういたしますると、私の少し疑問に思つている点があるわけなんです。それは市町村単位に組合を作るという場合果して作り得るかどうか、こういう問題になつて来ると思うのです。そこで地方公務員法の第五十三条に、「職員団体、条例で定めるところにより」と、こういうふうに規定されておるわけなんです。そうして、登録を申請した職員団体が、この法律及び条例で定めるところによりと、規定されておるわけなんです。ところが私の聞いておるところでは、町村に条例が作られている所は全国に殆んどないということを聞いているわけなんです。これは事実かどうか文部省のほうで御答弁を願いたいと思うのですが、小くとも私の聞いているところでは今日までこの条例はできておらない。そういたしますと、市町村に職員団体を作ろうと考えても現状においては、これは誰の責任か知りませんけれども、作り得ない状態にあるのではなやかと、こういうふうに思うのですが、文部省の見解はどういうふうにお考えですか。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 如何なる市町村に条例があり、或いは然らざるかという点につきましては調査の上お答えいたします。恐らく今日その条例のない市町村があるといたしますればそれは今まで現行法が五月十日まで教職員につきましては市町村組合ということを考えないでもよかつた状況であり、又政府といたしましても目下国会に改正案を提出している、従つてそういう条例を、教員ということを頭において市町村単位の公務員の団体を作る準備をする必要がないと考えた点であろうと思います。従いまして、不幸にしてお話のような事態が生じますれば、それは各市町村とも急速に教職員というものを考慮に入れた条例を作らなければならんと考えます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 私はそういうことを聞いているのではなしに、現実に町村ごとに団体を作り得るような状態にあるのか、いわゆる法的なものが整つているのかどうかという点を伺つているのです。少くとも私の知つている、調査した範囲においてはそういうことはでき得ない。それは条例ができておらない、現実にですよ、将来はどうか知りませんが、現実にできてない。こういうような状態にあることを文部省当局は認めておられるのかどうか、その点を聞いているわけです。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) それは只今お答えいたしましたように、その点につきましては調査の上お答えをいたします。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 すでに五月十日の期限が切れて、この問題は文部省にとつても重要な責任のある問題なんですが、これが調査されておらないというふうなことでは、これは非常に無責任だと私は思うのですがね。これから調査する、そういうことでは非常に無責任な態度と言わなければならんと思うのですがね。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) これは私がお答えに当りまして……、或いは文部省においてできているかも知れませんけれども、今私以外に政府委員がいなかつたものですから、調査の上お答えいたしますというのは、そういう意味も含めてと御了承頂きたいと思います。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 それでは適当なかたから伺いたいと思います。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) どなたかいないのですか。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 今本省から呼んでおりますから……。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 で、私この点は文部大臣も十分御承知だと思うのですが、文部大臣の考慮を煩わしたいという問題になつて来るわけです。少くとも仮に参議院で議決されたものが衆議院において議決されない、衆議院においては議決されないという事態が起つた場合に、地方公務員法並びに教育公務員の特例法に規定されている合法的な組合が少くとも教員団体においては発足できない事情にある、現在そういう事情にある。これはそういう教職員団体の側にあるのでなしに、いわゆる市町村側の責任と申すべきでしようか、とにかくそういう届出ができない状態にある。これをどう解決して行くかということは、これは文部大臣においても十分考えて頂かなければならない問題だということを申上げてみたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今の場合の混乱というのは、これは非常に残念ながら政府のいろいろな準備不足でいろいろな事態に対応することができない、そういうことなんですね、とにかくその問題を解決するために、あのような閣議決定まで見て法案が提出された。そうして一院においては満場一致でこの問題をとにかく議決している、ところがそれについて実際は一院がまだ議決されていない、そこでこういう事態が起つた。そうしますと、この責任は全部文部省にある、当然そういうような責任の主体は文部省にあると、私たちは解釈せざるを得ないのでありますが、この点は大臣はお認めになりますか、なりませんか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) これは文部省では、そういうことが起らんように十分やつて来ているのであるけれども、立法府がそれを承認しないのですからして、承認しないとしたら責任は立法府にあるという結果になります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それは少しおかしいじやないですか。そういう事態に対処するために立法して、それが通過しないからといつて立法府の責任であるというふうにはできません。行政府はそれを全部その問題を解決するために万全の手を打つて置くべきで、そういう混乱を起さないようにあらゆる場合に対処するのが行政府の任務だと思うのですが、いいですか今の御答弁で。立法府の責任であると言つて立法府に責任を被されていいですか、それでかまいませんか、いいですか。これは今後もあることですから……。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) それに間に合うように政府としてはやつたんですから、それが立法府によつて容れられないとならば、これは立法府が責任を負うべきであると思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうしますと、今のような御答弁だと、文相としましては、立法府に対しましてどういうような措置を以て臨まれるのですか。自分の責任は全部文部省にはないというわけですか。立法府に全部責任があると、こういうことになりますと、自分は全然責任を感じないで、そうして立法府にあるとすればこの問題をどういうふうに打開するか、甚だ不明瞭だと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 自分たちとしては十分な努力をして来たのです。それからまあ今後も又努力をしようと思つております。併し責任の所在というならば、自分たちはこれを十分間に合うようにやつたのだけれども、立法府がこれを容れないというのであれば、立法府に責任があると思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは誰の見解ですか。今の立法府に責任があるというのは重大な発言だと思う。見通しの問題もありますよ、努力の問題もありますよ。政府は飽くまで立法者として、原案提出者としまして、そうしてこれを提出した限りは、通過のために大きく努力して、そうしてその結果うまく通過しなかつた、その結果いろいろな混乱が起きた、この責任は立法府に押付ける、こういうことでいいのでありますか。これは文部省で全部責任を負うべきだと思う。抽象論になりますけれども、見通しが併しそれだつたら間違いだというのも一つになりましよう。自分たちの努力が少かつたというのも一つになりましようが、そういう責任はどうなりますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 文部省の法律の解釈によれば、立法府優位ということから、責任の所在は立法府にあるという解釈です。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういう私は抽象的なことをお聞きしているのではないのでありまして、この問題を解決する上に、これは立法府のそういうような通過させなかつたという形においては、これは立法府にあるというふうな解釈がつくだろうと思う。併しながらそれを提案し、提案の必要を認め、そうしてそのためにいろいろなことを進めて来た行政府としては、文部省としてはその責任をお感じにならんというのですか。これは我々としてちよつと聞き捨てにならない言葉なんですよ。これは全体の運営の問題になつて来るわけなんです。単に文部委員会の小さな顧問じやないのです。只今の御発言というものは、これは運営全体の今後の立法府対行政府の責任問題として、私たちはこれはもう少し議運あたりでも究明しなければならない問題になつて来ている、こう思うのです。そういうことで差支えありませんか。……只今の御答弁は非常にあいまいだと思う。行政的責任と、これを通過させない立法的な責任が一応あると形の上では言えると思います。が、私のお聞きしているのは行政的な責任を伺つている。そうして下のほうでいろいろな混乱を起している。これについてどこが責任をとつてこれを善処すべきものであるかということをお聞きしている。この点はどうですか。少しも差支えありませんか。これはハウスの問題として究明しなければならない段階に只今の御答弁では来ているが、如何ですか。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) 只今岩間先生から、行政府の責任を、行政上の責任を問うという、そういうことならば非常にはつきりしておりまして……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私どもはそう言つているじやないか、下のほうで混乱が起つて実際うまく行かなかつた、こういうことに対する責任は誰が負うかということを聞いておるのじやありませんか。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) 法律案提出に至るまでは、これは政府の責任であります。そういう点から考えまして、法律案提出や多少その他について、時期等の点につきまして遺憾の点があつたことは認めざるを得ないと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 非常に占領ぼけしておるのですよ、我々は政府の責任の所在ということについては非常に今日不明になつておる。責任を当然とらなければならん問題について責任を感じないというのは……。成るほど法を提出して、その法が通過しない。そうしてそれによつて起る行政上のいろいろな欠陥というものは、全部これはやつぱり行政府が負うべきだと思う。その責任を感じておらないとすると、私は非常に重大問題だと思うのですけれども、これは立法府に責任があるのだと言うが、形式的には行政上の責任だと思う。これについては何も憾じていられないのてすが。これを感じているかいないかによつて、この問題の処置の仕方というものは非常にこれは大きな性格の違いを持つて来ると思う。どうなんでありましようか。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) 先ほど大臣が申しました通り、五月十日までに法律案が通過すれば、この問題はかような事態が生じなかつたわけでございますので、政府といたしましては五月十日までに必ず通すように最善の努力を払つた次第であります。併しながら、遺憾ながらこのような事態を生じましたことについては、行政上の責任は勿論感じております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういう場合に、私は今までの政治の……これは戦争前の状態を見ますと、そういうときには行政府は非常に責任を感じて万般のこれに対処する、或いはその責任を負い切れない場合には潔く責任をとつて辞職する、こういうことが今までの政治の当然少くとも払は常識であつたと思う。然るに私が今そこのところをやや問い詰めますと、初めて行政的な責任云々ということになるのでありますが、全然この問題を立法府だけだと、最初答えておられるような認識程度では私は重大問題だと思う。これは政府の責任の問題である。こういう形でやられているから、これは希望して通ればよかつた、通ればよかつたのだが、残念ながら我々は努力をしたけれども通らなかつた、そのためにいろいろな混乱が起つたのだから、その責任のため善処するのは当然と思う。そこまで責任を感じておられるのですか。これは形式的なことでなくて、今起ろうとしているところの混乱に対してどういう善処をするか、善処し切れるか。し切れないとすれば潔く責任をとるべきだと思うのでありますが、そこまで大臣は決意を持つておられますか、その点をお聞きしたい。少なくとも政治というのは責任がなければ仕様がない。独立したんだと言つてるのですから、占領ぼけじや困ります。一応どう思うか……。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) 五月十日までに教育公務員法の改正が実現しなかつたために、これによつて生ずるであろうところの混乱を避けるように、目下最大限の努力を払つております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それを聞いているので、答えてみて下さい。(「具体的に話して下さい」と呼ぶ者あり)私はさつきから聞いている。具体的に挙げて……。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) 今後、私どもが当初意図いたしましたような県単位の職員団体が認められるかどうか、そういうことについていろいろ関係方面と協議中でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それだけですか。現実に協議していると言つたつて、現実にいろいろ問題が起つているが、それに対してどう対処しますか。少なくともどう対処します。現実に問題が起つているのですから、これについて先ず手を打つてもらわなければなりません。それから、然るのちはあなたたちで御協議なさるとしても、すでにそういうことができていなければならない。先ほど荒木君から出た問題、地方公務員法は現実に履行されていない、履行されていないのですよ。法違反なんです。法違反の形に追い込んでおる、こういう形なんです。めちやくちやじやないですか。ただ相談しているぐらいで具体的に処置しておるということになりますか。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) この参議院で以て可決いたしました教育委員会法の改正、並びに特例法の改正がまだ衆議院のほうの帰趨がわかつておりませんので、衆議院のほうで満足すべき結果が実現されるように私どもも目下努力中でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それは一つです。それから私は善後措置と二つに分けてさつきからお聞きしているのです。相良課長あとの問題は留保しておいても先きに先きの問題を一つ、あの法案をどういうふうに処理すれば、これは今から可能性があるか、成立する可能性があるか、法的にこれを一つお聞きしておきます。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) その点につきましては、遡及して、五月十日に遡つて県単位の団体を認められるか、認めることができるかどうか、この点につきまして法務府の見解を目下徴しております。そのようなことができますれば……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 結論はまだ出ませんか。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) まだ今のところははつきり出ておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いつ頃出るのですか。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) できるだけ早い機会に法務府のほうからの見解をもらうように折衝しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それで以て間に合いますか。大体はそういう遡及の時間は、これは二週間以内とか何とか聞いておりますが、それはどうですか。余り時日が遷延してしまつてはそういうことが困難だと聞いていますが、すでに今日は十六日ですね。どうなんですか。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) 非常に時日が遷延いたしますと、遡及することがむずかしいというように聞いておりますが、間に合うようにしたいと思つております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それでは大臣に伺いますが、そういう処置を含めて、そうして衆議院におけるところのこの法案の通過についてどういう見通しを持つておられますか。そうして今後どういうふうな点で努力されますか。これを具体的にお伺いしたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 見通しということは、私はつきりここで申しかねます。ただそのやり方については先ほども申した通り党の首脳のかたに連絡をいたしております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 簡単にお伺いいたします。いつも問題になることでございますが、一つの法律案が必要なる期日まで成立する見通しがややあやしい場合には、従来文部省はよく近くかくかくの法律案が成立するつもりであるから、然るべく取計われたいというような通知を過去においても出されておられたわけです。只今問題になつておりまする法律案の審議の過程におきましても、若干の時日がずれるようなことがあつても、実際上支障が起らないように取計われるという文部政府委員の答弁もあつたわけですが、五月十日以前においてかくのごとき手を打たれておられたか、打たれていなかつたか、現在何かの通知でも出されておられるか、出されておらないかという点を伺います。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) たまたま数日前に全国都道府県の教育長の会議がありましたので、その節関係官のほうから今までのいきさつであるとか、今後の見通し等について種々協議いたしました。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 数日前というと十日頃ですね。その前に出されてなかつたということは、十日前に成立すると確信しておられたと、こういうわけですね。それから協議したと言いますが、成立する見込みであるし、文部省としても努力しておるから、余計な混乱を起さないように現状のまま暫らく進んでおるようにという、こういうような示達をされたわけですか。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) 私実はその会議におりませんでしたので、あとから報告を聞いたのでありますけれども、この問題について混乱が生じないように十分な配意を払うような注意をしたというように報告を受けております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 先ほどから伺つていると、どうも手の打ち方が私は不十分だと思う。いつも文部省は問題になりますけれども、そういうものを書面によつて常に出すのが一つの例になつておるわけでしよう。更に審議の過程において文部の政府委員から、そういう答弁もあつておるわけです。然らば十日以前において適当なる文書によるところの指示がされておるべきでありるし、ましてや十日を過ぎたあとにおいては的確なる文書によるところの通達、指示というものがなされておるべきだと思うのでございますが、只今の答弁においては誠に不満足でございますが、次に質問を進めます。  大臣にお伺いいたしますが、大臣は党員ではございませんけれども、自由党内閣に列せられておるわけですが、私は議院運営委員会で、吉田内閣のスポークスマンとして、代表者としての官房長官から、法案を国会にかけるに当つては閣議を通過する以前においてあらゆる法律案は必ず自由党の政調会のほうに諮つて、その了承を得た上で閣議にかける、そうして閣議を通過したものを法律案として国会に政府提案として出す、こういうふうになつておるということを承わつておるわけでございます。従いまして、このたびのこの二法律案が政府提案として出されましたときに、閣議でも通過されておりますし、私もそういう考え方で審議して参つたわけでございますが、現段階になりまして、閣議で決定されて提出された法律案について政府と与党との間に食い違いがあるというような点は、大臣はどういうふうにお考えになられますか。特にこの二法律案は大臣の所管でありまして、相当重大な問題でございますからして、閣員の一人としても私は責任ある御答弁があつて然るべきだと思いますので、お伺いいたしたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) それは矢嶋さんのおつしやつたことは、確かにその通りなんです。元来そうなければいけないのです。けれども事実はそういう政府が提案したことが党によつて認められないとか、或いは又政府は承認しないといいますか、そういうようなことがはつきりしないうちに党で以てこの議案を出すとか、そういうようなところが本当に滑らかにうまく行つてないというのが現状なんです。それでまるつきり党に話しないでこれをやつたわけではないのですけれども、そこに十分な了解というのを全般的に得ていなかつたということは、それは私の行届かなかつたところだと思うのです。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 誠に意外なことを聞くわけでございますが、相当重大だと思うのです。大臣は自由党員ではないけれども、与党の内閣に列しておる以上は、常々この自由党の意向というものは、与党の意向というものは尊重せざるを得ない、それは当然であると私も認めます。それで先ほどもそういう御答弁をなさつておられるわけですが、それを尊重してここに政府提案で法律案を出されて、而も前後における措置不十分のために教育界に混乱が起つたとすれば、これは党に関する問題をここに論ずべきではございませんが、党に対するところの文部大臣としてのあなたの御責任もさることながら、文部大臣として教育界に対するところの責任というものは私は相当に大きいと考えるのでありますがどうお考えですか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 責任というような問題はこれは自分が考えるべきことじやないかと私は思つております。みだりに自分が責任をどうこうということを言うべき筋ではないかと考えます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 当然そういうものは御自分でお考えになるべき問題でございますので、私は御自分がどういうふうなお考えでいらつしやいますかということをお伺い申上げておるわけです。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) それはこういう席でむやみに述べることでないというお答えをしたわけです。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 その点は私一応ここで止めまして、まあこの問題は先ほども問題になりましたように、五月十日の期日が切れておるものを衆議院のほうで実際審議をしなかつたというような問題につきましては、これは国会法に基きまして衆参の問題にも発展する可能性もある問題でありますが、そういう角度からも重大だと思いますが、そういう点はここでは論じません。  もう一点、私お伺いいたしたい点は、次のように私は了承せざるを得ないのでございますが、それに対する答弁をお伺いいたします。と申しますのは、大臣が列せられておる内閣の与党である自由党においては、次の見解を持つておるものと解釈せざるを得ない。即ち五月十日に期限が切れたのに法律案を通さない、従つて現在県単位の職員団体というものは法的に消滅しておる。それでは市町村に職員団体を作ればよいじやないかということになりますと、先ほどから論ぜられましたように、地方公務員法五十三条によりまして、条例というものが市町村にないから作れないということになりますと、現在は職員団体というものを地方公務員法によつて認めており、更に教職員組合は相当にその使命の達成のために大きな働きをされておるわけです。この教職員団体、職員団体というものを事実上地方公務員法で認められでおるにもかかわらず、これを認めない、こういう考え方に立たれておる、こういうふうに解釈せざるを得ない、事実において作れないのですから……、それは先ほどあなたかたが答弁の中にそういう段階になれば早急に条例を作るだろう、そういうわけには行きません、その早急の事態は五月十日までの間というものは空白になる、いやしくも法律をこしらえる場合にそんな空白を作つてよろしいかどうか、その誠意というものを疑わざるを得ない。そういうものを総合的に考えるときに、そういう見解に立つておるものと解釈せざるを得ないわけなんですが、どういうふうにあなたはお考えになりますか、そういう考え方というものをこれは大臣にお伺いいたしますが、果して民主教育の確立とか、或いは民主国会においてふさわしいあり方であるかどうかということについても、大臣の答弁を煩わしたいと思います。(「しよつちゆう空白は作つておる」と呼ぶ者あり)

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) この両院協議会で五月十日までということにきまつていたのですけれども、そこで必ず切るという考えなら私どもは準備をいたしたのでありますが、それを自分たちは両院協議会でそうきまつたけれども、これは延ばそうという考えを持つたから、それで準備をしなかつたわけであります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 ということになりますと、地方公務員法の五十三条と本日の事態というものは、全くこの法律の成立をいろいろな事情があつて遷延させておるところの与党、自由党の検討の不十分と、それから文部省側の見通しの誤りと、更に地方公務員法との関連性における検討の不十分が本日の事態を招来しておると、こういう結論に明白にならざるを得ないのでありますが、お認めになりますか。(「意見だよ」と呼ぶ者あり)意見じやない、はつきりしておる法的なものだ。(「勝手な意見を作るのではないよ」と呼ぶ者あり)意見でないですよ。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) とにかく五月十日の期限が過ぎましたので、それから先ほどおつしやつたように、目下担当の政府委員がおりませんので、果して市町村単位の職員団体を作り得るような条例がないかどうか、はつきりいたしませんけれども、若しそうだとするならば、市町村単位の団体を作るような条例がない、ない場合には市町村単位の団体を作れないということになりますので、少くともその事態は認めざるを得ないと思います。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 まだ検討してないというのに私は非常に不満足なんですが、早速地方公務員法の五十三条を十分御検討願いたい。それから木村君は先ほどから野次つておるのですが、どうぞあなたのほうでも、党本部のほうで御検討を願いたい。

木村守江自由党

○木村守江君 やつておるのだ。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 それから大臣は先ほどからいろいろ努力されておるということを御答弁なさいましたし、大臣の御人格からして私もそれを肯定するものでございますが、ただまじめに努力しておるだけでは、実際はそういうふうに現われて来ないというと、実際の面においては非常に困りますので、現在でも御尽力をなさつておるわけでございますが、こういう事態がございますので、更に一層御検討の上御善処を切に要望いたしまして、私の質問を一応打切ります。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 お尋ねをいたしますが、先ほど相良総務課長のお話では、これは文部大臣も同様であつたかと思いますが、五月十日までに確とした見通しを実は持つておつた。確かに私はそうであることを信じているわけです。ところが大臣の御答弁によりますと、政府と与党内における事務的な折衝が不十分であつたためにこの見通しが途中からずれて来た。こういう総合的な御答弁であつた。事務的な折衝ということは、これはやはり一つの形式的な問題であると思うのです。裏を返せば、この内容についてやはり大きな齟齬があつたということを私たちは考えざるを得ないのです。そこでこの齟齬を来たした内容的な、最も大きな原因であるが、それを内容的な問題として明確にここにお示しを願いたい。大臣に御答弁を願います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私が齟齬を来したというのは、私も一応党のほうと連絡をしたのですけれども、十分私の連絡が足りなかつたということでございます。そういう意味においては私が行届かなかつたという、こういうことでございます。どうも高田さんのあとの御趣旨がよくわかりませんから、これだけ御答弁をいたします。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 連絡が不十分であつたということ、これは一つの形式であります。その連絡には勿論内容を伴つておるものと思うのであります。現在与党内においてその内容をめぐつて、単に連絡不十分という事務的なことではなくして、内容をめぐつていろいろとごたごたがあるやに私も聞き及んでおる。その内容のごたごたになつているその点はどういう点であるかということをお尋ねしているのです。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私はその内容がどういうことで以てしておるかと言えば、やはりこの法律の通り、市町村まで全部教育委員会を作つてしまうとか、或いはもう一年これを延ばすとか、そういうようなことの事柄について意見の一致を見ないのだと思つております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 私はこの点について非常に遺憾に思うのであります。前年度、教育公務員特例法の一部を改正する法律案、これが通過いたしましてから、すでに一年三カ月を経過している。この間こういう問題があれば当然これは解決しておらなければならない問題であつたはずであります。このことは私から申上げるまでもなく、この五月十日が来るまでにはすでにこれは政府並びに与党としそ当然これは研究されて、解決つけなければならない問題である。その解決のために大臣は万全の私は努力をされて来たものと信じておつた。然るに政府が提案をしてからそういう内容上の問題について今日なおごたごたが起つているということは、誠に申上げかねるお話でありますが、これは一に大臣の御責任であろうかと私は思うのであります。この行政上の怠慢に対して大臣は遺憾の意をお持ちになつておられるかどうか、それをお伺いしたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) これは昨年の両院協議会で五月十日には県単位の任意団体はやめて、市町村にして、そうしてそれを連合体を作るということに両院協議会できまつたのです。だから私どもはそうきまつた通りに考えていたんですけれども、併しよく又検討すれば、そうでないほうがよい。従つてこの教育委員会の制度の改正というふうなことも或いは選挙というふうなことも一年延そう、それと同時にこちらも延そう、こういうことを自分たちは考えたのです。党のほうでは去年きめたからその通りと考えておられたのです。そこで私どもも新らしい問題を向うへ提起したわけです。それについていろいろ党のほうにも意見の違つたかたもあるのです。そういうかたがたとよく協議をし、事務的にも連絡をして、そうしてこれを成立たせようとして来たんです。閣議であつてもすべてのかたが必ずしも私の考えに一様に御賛成というわけでもなかろうと思うのですけれども、とにかくそういうように進めて来たのです。けれども党との連絡が不十分だ、その点については遺憾に思うかといえば、遺憾に思います。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 両院協議会の決定、これは非常に大きな決定でありますから、これが行政の面にはつきり打出されて来るか来ないかということはやはり大臣の御責任である。又大臣もこの点については非常に遺憾の意を表されているのでありますけれども、併し遺憾の意を表されただけではこれは繰返すようでありますが、問題は解決しない。こうやろうと思うということは誰だつてそうである。答弁用の言葉としては非常にいい言葉であります。やろうと思うという言葉は、やろうと思うということは、やるということとはちよつと問題が違つておると思うのであります。即ち市町村単位に職員団体を設置するというその間、長い時間が一年有余に亙つてあるのにもかかわらず、そういうようなことが現実に事務的に進められない、而も先ほどの荒木委員の御質問の中にもあつたように、市町村に現在条例のある所は殆んどない、然るにその条例のないのかどうだかそれもわからないというような、誠に私はこういう土壇場に来て籠の中に水を入れるような答弁を聞くというようなことは、誠に憤慨に堪えない。そこで私が具体的にお伺いしたいと思う点は、今現在は、今はこれは職員団体というものは認めておらないわけであります。でありますから、これに伴う一切の権限はこれは剥奪されていると見なければならない。でありますから、この問題を、まあ勤務条件でありますとか、そういう一切のものに対する交渉権というものは今職員団体にはないのでしよう。只今そういう問題が起つたときに、どういう方向でどこに一体交渉するのか、誰がこの職員の地方公務員法に規定されておるところの権利を、誰がどこでどういう責任を以て保障してくれるかという事実の問題について私はお伺いしたい。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) 只今高田委員が、権利を剥奪されているとおつしやいましたけれども、私どもはさように考えておりません。ただその条例が、それに見合うところの条例がたまたまないために権利が実現しない、さような解釈をなすべきであろうと存じます。併しながら交渉の相手方が、交渉をどういうふうにするかというお尋ねでありますけれども、例えば例ことつて見ますと日教組と文部大臣というのが、日教組は何も法的根拠がある職員団体ではありませんけれども、事実上の交渉はしております。文部大臣は交渉相手になつております。さような事実上の交渉はできるものと考えております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 剥奪という言葉があなたにはぴんと来られないと思うのですけれども、これは既得の一つの権利でありますから、その権利が実際に権利として発効しない場合には、これは当然奪われているという言葉を使うのも当然だと思うのであります。それはまああなたの言葉の表現と私の表現の違いで、内容においては同じ問題であります。そこで私が申上げているのは、日教組と文部省の交渉はまさしく行われております。このことは中央においてこういうごたごたがあつて、それを而も事務的に何とか解決されようとする御努力の中途にありますから、当然文部省としてもまあ慣行的にこういう態度をとられるということは、これは当然でありましようし、又然るべきであろうと思うのであります。併しながらそういう中央で考えているように、下部の自治体はいかないのであります。現に石川県の教育委員会あたりは五月十日以降は職員の専従を認めんというように、すでに十日来る前から今に今にという身構えをしてかかつておる。誠に官僚的なところが多いわけなんであります。現実に然らば問題が起つていないかというと、起つておるのであります。現在もう女教員の首切りなんという問題は具体的に起つている。県名を挙げて申上げる必要はなく、すでにあなたのほうは御存じであるのであります。問題が起つつたときに、先様がそういうことを楯にとつて、交渉する権能のない職員団体に対しては我々は交渉に応じずというような態度がとられないとは言い得ない、こういう現実の問題をこれから研究いたしますとか、どういたしますとかいうことでは、およそこれは片がつかない問題だと思う。こういう事実をどうなさるかということを私は伺がつておる。こういうことを認めるわけではないのです。私は認めないけれども、どうするかという問題、現実的な問題……。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) そういうような摩擦が生じないように、数日前の教育長会議でも文部省のほうからいろいろ懇談したというふうに聞いており

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 懇談したというふうに聞いておりますでは、これはお話にならない。何をどなたがどういう点について話されたか、それを私はお聞きしたい。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○政府委員(相良惟一君) いずれすぐ担当の局長が参りますので、局長のほうから答弁いたします。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 速記を始めて下さい。

相馬助治日本社会党(第二控室・右)

○相馬助治君 今問題になつている問題がいいか悪いかということになれば、自由党の内部にもそういう特例法案がないほうがいいと思う人があるからこういうことになつてしまつたので、これは意見の食い違いで、そこで議論をして幾ら叩いてみても片付かない問題であろうと理窟の上では考えるのですが、大臣に私どもが先ほどから各委員が触れている問題は、この法律案がいいか悪いかなどという問題ではなくて、全く我々は筋の了解に苦しんでいるわけです。それは衆議院、参議院において全会一致で通つて、その場合に我々が考えたことは、この前は両院協議会で問題になつた問題であるから、これは簡単には片付かないと実は思つていたんです。ところが政府提案で出て全会一致で通つたというので、我々は文部省の努力を多とすると同時に、自由党の理解に対して敬意を表したわけです。ところが今度は突如としてこういうことになつて、衆議院においては提案理由も聞いていない、そこで各政党においてはこれは実に重要な問題であるとして、参議院では今ハウスの問題となつて発展しておる、それがなぜ発展した形が現われていないかと申しますと、これは梅原委員長を初めとして努力されると同時に、参議院の自由党の諸君も又本問題の解決について努力しているということを我々は聞いておる。そこで何とか解決付くであろうと思うが故に、これをただ公式的な問題として、ハウスの問題としては議論をしないほうがいいのじやないかということを、誰が打合せたのでもなく、各党派考えているので、こうなつていると思うのです。この段階では文部委員会は飽くまでこの問題を追及せざるを得ない段階に置かれておるわけです。そこで先ほど矢嶋君、高田君から具体的な問題が聞かれておりますが、これは我々として考えることは、常識的に日教組も県教組もこの法律の如何にかかわらず存在しているということを確認しております。別な意味で言えば、如何に自由党がどうあろうとも、教員組合という団体にとつてはへいちやらなんだということは言い得ると思うのです。ただ問題は、トラブルが将来起きた場合に、一体教員組合の専従職員などというものは法的にどう保護せられるのであろうかということを懸念いたしまするが故に、この空白時期を我々は考えて問題にしているわけです。そこで教育長会議で話合つたとか何とかいうことだけでなくて、何かそれが拘束力を持つたような意味において、やはり責任ある答弁を大臣からされたいというのが我々の願いなんです。勿論相手のあることですから、そういうトラブルが起きたときにその通りにならないかも知れない。併しこの職員団体については、法の上から言えばいろいろ問題であるけれども、それについてはどこまでも好意的に今まで通りに常識的にも守るという意思を持つているのであるかないのであるか、それが積極的な意思であるのかどうなのであるか、これを我々としてはこの段階でお聞きしたいと思うのです。それを聞いただけでは問題は解決しておりません。法的に守られないものが政府の見解だけで満足すべきものでないと私は了解しておりまするが、文部委員会としては、せめてこの段階においては文部大臣の意思が奈辺にあるかということを確かめて、せめてものこの立法府にある我々としての失態を、これはまさに失態です、両院は一致しているんですから(「我々は失態ないよ」と呼ぶ者あり)広く言えば失態です、そういう分担しなければならないその失態に対しても、我々はこういうことを追及する立場に立つているので、どうかこれらについての基本的な考えをやはり大臣から明確にされたい。それから第二は閣僚と話をして努力されておるとおつしやつておられますけれども、大臣としてはここ一、二日のうちに正規に閣議にこの問題を出して解決の糸口を見出すべくこの問題を閣議そのものの問題にする御予定があるかどうか、この二点について承わつておきたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 第一の点につきましては、政府提案で私はあれを出したのですから、あの線をどこまでも推進したいと思つております。第二の点については御意見は考慮いたしたいと思つております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 只今の御答弁に関連しますが、そうすると飽くまでも現行の県単位の線をとらなければならないので、それをどこまでも推進する、この点はそのように了解してよろしうございますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) その通りであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この法案と関連ありませんが、若しあの法案については従前も努力されたのでありますが、若し困難な場合にも飽くまでそういうような線を推進するためにいろいろな措置をする、その中には無論立法的な措置も含まれるのでありますが、そういうことも考慮されて今後努力する、こういうふうにこれは解釈してよろしうございますか。(「議事進行」と呼ぶ者あり)

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私はこの提案を自分がしたのですから、この線をどこまでも推進して、仮にそれがうまく成立たんという場合を今仮定しておつしやつたのですが、そういう場合には適当な処置をしたいと思つております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 当然私は現在の給与関係、或いは勤務条件、こういうものを見ますと、市町村設置ということはとてもこれは時間がかかつて多くの時間を要する、当然そこに空白が生ずる、どうしたつてこういう形からは今の県単位の線を飽くまで堅持するというような方向に努力せざるを得ないと思うのでありますが、こういう点ははつきりそう確認されておりますかどうか、この点伺いたいと思います。

久保田藤麿文部省調査普及局長

○政府委員(久保田藤麿君) 只今の御質問で、相当時間を要すると言われますが、私ども先ほど来御質問があつたように伺いましたが、教育長あたりともいろいろ相談をいたしておりまして、できるだけその空白時間をつめるということに努力をいたしたいと思いますので、非常に長く時間がかかるということを前提にしないで、成るべく時間をつめて、かけないようにしますから、この審議中の期間を一方で又利用いたしまして、その空白をつめるということに努力したいと思つております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私の空白と言つたのは、仮に市町村などで作るということになれば非常に大きな空白が出る。そういうことは現行法ではこれは全然できないような条件になつている。(「その通り」と呼ぶ者あり)客観的な条件はどうかというと、これは給与の実態を見ても勤務条件を見ても、そういう点から市町村で作るといつてもこれは実際に意味をなさない。だから当然そういう点から考えてその線を堅持して、県単位の線を推される、こういうふうに確認していいかどうか、この点を伺つているのです。その空白というのは、今廻つている法案が実現するまでにどうなつて行くかというような意味で私は空白ということを言つたのではない。その点思い違いはしないように願いたい、久保田局長もう一遍お答え願いたい。

久保田藤麿文部省調査普及局長

○政府委員(久保田藤麿君) 只今私の申上げたことは、この国会の審議中の期間もいろいろ併せて利用して行くという意味でございまして、勿論その審議の結果がどうなるかということを私ども予測して申すわけには参りませんが、大臣からお話の通り、初めの形の通り実現したい、そういう意味で努力をするわけでありますから、仮に市町村単位のものができても、それが一つの連合体として活動できるようにするための準備という意味からも時間をつめて努力しなければならん、こう申したわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは仮にというよりも、先ずこういうことに努力するのだ、そういうことは確認されておるわけですね。それなら了承しました。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 大臣にお聞きしたい。これは委員長はむずむずしているのですけれども、時間の関係で御遠慮をなさつておられるようですが、文部大臣の一つ重大な発言があつたのです。と申しますのは、実は本年五月十日まで県単位の職員団体を認めて、そのあとは市町村単位に設置するときまつておつたのを考え直した結果、よくないので更に一年間継続するように提案したのだ、こういうように御発言になりましたが、どうか昨年の両院協議会の速記録を御覧下さつて、両院の立法府の意向というものを是非御確認の上閣議においておきめ願いたい。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) それは私から大臣に申上げます。ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 速記を始めて……。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 来年行われる世界卓球選手権大会に我が国の代表を派遣する問題について御質問申上げます。第一番に安本の貿易局長にお伺いいたします。時間がかかりますから御説明申上げませんが、要点を申上げますと、前回の世界卓球選手権大会で我が国の選手は七つの選手権のうちの四つを取つた。次回はルーマニアで行われるわけでございます。その次回の選手権大会に是非参加いたしたい、これが我が国の卓球協会の意向でございます。それで渡航するためには旅券と外貨を獲得しなければならないのでありますが、ルーマニアに選手を派遣するに当つて外貨上の問題があるかないか、その点お伺いいたしたい。

板垣修経済安定本部貿易局長

○政府委員(板垣修君) お答えをいたします。その問題は来年のことでありますのでまだはつきり私どものほうといたしましては、確認も承認もいたしておりませんが、一度大蔵省からそういう計画があるということを披露したことがございますが、その際まだ時間があるということで一応留保になりましたが、外貨に関する限りは私どもといたしましては、そう大きな支障はないのじやないかというふうに考えております。ただあそこは御承知の通り米ドルでございますので、只今の要求では十二人で二万四千ドルという要求になつておりますので、それが全額認められるかどうか、今後まだ審議しなければわかりませんけれども、全然不可能だということは米ドルの保有状況より見て差当りないと思います。ただ旅券そのほかの問題はないと考えております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 と申しますことは、金額は別として、ともかくドルの信用を持つておれば、たとえルーマニアであろうが、外貨関係では渡航できないということはない、こういうふうに了承して差支えないわけですね。

板垣修経済安定本部貿易局長

○政府委員(板垣修君) その渡航がどうかという問題を申上げたわけじやないので、米ドルの支出のほうは全額出せるかどうかは別問題として、不可能ではないということです。ただルーマニアに行けるかどうかということは実は私どもの管掌ではないわけであります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 それでは外務省の松尾渡航課長がお見えになつておりますからお伺いいたしますが、具体的に例えばルーマニアの世界卓球選手権大会に選手が参加いたしたい。それで旅券の申請をした場合に、現在の我が国の旅券法においてその旅券を交付するのが私は当然だと考えるのですが、松尾課長どういうふうに考えていらつしやいますか。

松尾隆男外務省欧米局渡航課長

○説明員(松尾隆男君) お答えいたします。この問題は丁度皆さん御承知の通りモスコーの国際経済会議のときにも問題になりましたように、旅券法の建前から見まして、今我が国の人が海外に出かけまするときに、身体、生命の安全の保障につきまして心配があると認めましたときには、旅券は出さなくてもよろしいということになつておるのであります。併しそれは現在は我我といたしましてはそういうふうに見ておりまして、又来年になつてこの卓球大会が開かれますときに、事態がどういうふうに変つておりますかわかりませんから、そのときはそのときで又新たに考慮するべき問題だと私は考えております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 お伺いいたしますが、世界各国で旅券を交付する場合に、生命、身体、財産に危険があるという観点からあの旅券法を適用して旅券の交付のできないという国が今幾つくらいございますか。具体的に一つ承わつておきたい。

松尾隆男外務省欧米局渡航課長

○説明員(松尾隆男君) それはソ連及びその衛星国については、全部そういうことを申上げられます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 それはあなたは課長さんですが、外務省の一貫したそれは御見解でございますか。

松尾隆男外務省欧米局渡航課長

○説明員(松尾隆男君) さようでございます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 一貫した見解であるとすれば、御存じでしようが、その理由をお聞きしたい。体育の選手までがルーマニアに行つた場合に生命、身体、財産に危険があるか……、モスコーにおいでになつた高良さん、帆足さんなどがお帰りになつたらどうかと興味を持つて今見ておるわけでございますが、ましてや国際親善を図るスポーツ祭典に選手が参加する場合に、生命、身体、財産が心配だから親心を以て旅券を交付しないという理由をちよつと簡単でよろしうございますから、納得の行くように御説明願いたい。

松尾隆男外務省欧米局渡航課長

○説明員(松尾隆男君) 私どもといたしましては、ソ連及びその衛星国は一様にそういうふうに考えられると存じております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 これはあなたにお伺いしてもちよつと御無理かと思いますので、時間がかかりますから切りますが、ところで大臣にお伺いいたしますことは、大臣に私二回に亙つて御質問申上げているわけですが、第一回に大臣はこういうものには是非参加させたい、国際親善の立場からも参加するのがいいというような御見解を発表されたわけです。そのときに、噂に聞くところによると鉄のカーテン内であるから旅券及び外貨の割当が抑えられておるやに聞くが、恐らくデマと思うが、大臣の所見如何でございますかとお伺いしたときに、大臣はそれはそういうことはないというふうに否定されたわけですが、今外務省の一貫した御見解となつておりますが、文化の交流を企図し、世界平和をよく口にされるところの文教最高責任者である天野文部大臣は、スポーツはあなたの御所管でございますが、どういうふうに考えておられるか、承わりたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は一般論として選手を派遣するというようなことは日本の現在の位置に適当した範囲内においてはそれは賛成だということを申しましたけれども、ルーマニアに対して出したほうがいいという論は私はいたしておりませんでした。それは速記録を調べて頂いたらわかります。私はそういうことは申上げませんでした。ただ卓球のほうはまだ申出も何もないのですから、それは申出があつたときに、そのときの事情によつて考えたらいいのじやないかと思います。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 その申出はお調べ下さればわかりますが、文部省に申出てあります。  それから大臣の説明のうちで、行つていい所と行つていけない所とあるという見解では、今の外務省の見解というものを全面的に支持なさるわけですね。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 卓球協会からまだ正式に何も文部省に言つて来ません。だからして言つて来たときに考えたらいいと思います。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 第二点について……。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 第二点は、私は外務省がそういうお考えなら、私は強いて異議をそれに対して申す考えはございません。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 どうも閣内の意見が不統一なんですよ、昨日のユネスコ問題については大臣も列席されておつたでしようが、岡崎国務大臣は、文化の交流によつて国際親善を図るということについては、従来の我々の考え方は直さなければならんと思う。そうして国際親善を図るように今後持つて行きたいというような昨日は答弁されているわけです。こういう政治を超越した国際競技というようなものは、全く私はこれは国際親善の立場からも、世界平和を確保するという立場からも、これは当然こういう所に私は派遣して然るべきだと思うのですが、文部大臣が只今のような答弁をされるということについては、私は非常に意外でございます。もう意見は申上げませんが、更に問題を続けますが、先般の答弁では大臣の意向であるとして、政務次官からこういう答弁を私は頂いたのです。と申しますのは、ルーマニアはドル圏でもなければポンド圏でもない。従つて参加させたいけれども、外貨上の問題で、通貨上の問題で参加ができないと、こういうふうに政務次官は答弁された。私金融の専門家や、いろいろお伺いし、今板垣貿易局長に承わりますと、通貨上の問題は先ず考えられないと思うのですが、そういうところに私は大臣の考え方は一貫してないところがあると思うのでございますが、如何でございますか。通貨上の問題が解決しても大臣はやつぱりルーマニアには選手は派遣しないのが妥当だ、そうして七つの中の四つの選手権は荷造りして送つたらよろしい、こういうような御見解なんでございますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は要するに、そういう問題がすべて解決するなら何も異議を言う考えはないのですが、ただ外務省の考えとしてこういうところには不妥当だということが起つたときに、それを強いて排するという、そういう考えはないのです。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 そういう受身でなくて、大臣は外務省のそういう考え方に対して、ともかく卓球協会から正式に申入れがあつて、そういう希望ならば是非とも旅券を下付して参加させる、参加することができるように積極的に大臣御努力なさる御意思はないのでございますか、その点伺いたいと思います。  もうちよつと附加えますが、先般私は質問の場合に、日本卓球協会のほうではルーマニアで開いた場合には参加さしてくれない、だから国際卓球連盟会長アイボーア・モンタギユーという人に、どうか会場を英国のほうに変更して欲しい、そうなれば自分らとしては四つの選手権を、カツプを持つて参加できるから、そこに会場を変更して欲しいと、こういう申入れをしたのですが、この要望も私は非常におかしな要望だと思いますが、それは参加したい一心から要望した。その要望に対して最近回答が来たのですが、五月八日の毎日新聞に出ておりますが、是非日本の参加するように努力されたい。開催地の変更はできません。参加者の生命、財産、通貨については決して心配いりません。若し日本が明年参加しなければルーマニアは不信の念を抱き、一九五五年日本で世界選手権大会が開催されても参加しないだろう。国際間の友情にひびが入ることは誠に遺憾であるから是非参加して欲しい。こういう手紙が国際卓球連盟会長のアイボーア氏から日本卓球連盟の会長に来ておるわけですね。私は大臣は文部大臣として、若し外務省にそういう見解があるならば、私は積極的に努力して頂きたい気持が一ぱいなんでございますが、如何でございますか、お伺いいたしたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は外国の事情などについては十分よく知りませんが、そういうことは外務省が判断さるべきだろうと思うのです。けれども外務省がそういう判断をされた場合には、よく私は外務大臣と話合つて見たいと思つております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 これとも関連いたしますから大臣にお伺いいたしますが、一九六〇年のオリンピツク大会を東京に招致いたしたいというのを、東京都と日本体育協会の首脳部とで意見が一致してIOCのほうに要請を発したということは、新聞にも出ておりますし、承わつておりますが、こういう際にはやはり先ほど外務省側から発言のあつた、いわゆる鉄のカーテンの向う側の選手は招かないで開くのでございましようか。これは大臣が主催者でないから知らないかも知れませんが、そういうことが国際親善のため、世界平和のためにも適当なのでございましようか、どうでございましようか、大臣の見解を承わりたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) それは私の所管ではないように思つておるのですが、だから意見を差控えたいと思います。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 直接大臣の所管ではないのですが、体育行政というものはこれは文部大臣の所管でございます。只今の世界卓球選手権の問題にしましても、或いは一九六〇年のオリンピツクの問題につきましても、これは文部省の所管でないという問題は別として、無関係の問題ではないわけです。少くとも文部大臣としては私は或る見解を持つておられなければならないと思うわけで、あえてお伺いいたしておる次第でございます。どうか大臣は、私はまあ吉田内閣の閣員の一人として慎重な態度をとられることは、私は気持はわかりますけれども、自信を持つて一つ大臣の所見というものを私はお聞かせ願いたいわけです。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) ただ運動競技という観点だけからなら何も論はないことだと思うのです。けれどもそれにほかの要素が加わつて来ますから、私一人、私がただ自分の所管しておるところの運動競技という面ばかりから論をするわけに行かないので、そういうことについては何か事が起つたときはよく外務大臣と相談をいたしたいと、思つております。これは矢嶋さんから先ほど閣内不統一ということを言われましたが、私は外務大臣とはあなたの御指摘になつたユネスコの問題などにしても、実にセクシヨナリズムを排してやつておる考えでございます。だからよく相談をしようと思つております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 今まで大臣から承わつたところでは、どうも大臣のほうが非常に受身のような感じがするのでございますが、積極的にその必要性を説き、努力されるという御意思は、恐らく私はその御意思だろうと思うのでございますが、念のためにお伺いいたします。第一回の質問のときは大臣はそういう御意思を鮮明にされたのですが、今日はちよつとあやふやなものですから……。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 一般論については申すまでもないけれども、ただいろいろな事情があるから、人の所管とも関係して来ることだからよく相談をしたい、こういうことであります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 そこで私は政府委員のかたにお伺いいたしますが、先ず文部の政府委員は、先般私にこういうことを述べられておるわけです。即も日本卓球協会としては、大臣が言われる通りにポンド圏とドル圏の関係、通貨上の問題があるから日本卓球協会としては断念した。従つてその代償として英国の選手を二人日本に招請することを以て事足れりとしておるのだ、こういうことを私に話されたと思いますが、事実は全く誤まりであります。そういうものはどこから出たのか、いやしくも立法府におる者が審議する過程においてそういう根拠のないものをどういうわけで話されたのか、それが一つ。更にこれは大蔵省が来ていないから何でございますが、大蔵省のこの前お出でになつたときの速記録を調べればわかるですが、あのかたもでたらめを言つておる。そういうことはやはり正式な外交交渉が開けていないから、通貨上の問題で不可能だという考えで自分らのほうではこれは保留にしておる。こういうことを答弁されている。ところが私、金融専門家とか、或いは板垣貿易局長にお伺いいたしますと、絶対不可能の問題ではないわけなんです。そういうでたらめな答弁を国会においてするにおいては、こちらは考えなくちやならんと思うのですが、大蔵省はここにおられないから文部省だけにその答弁を私は煩わしたいと思います。

寺中作雄文部省社会教育局長

○政府委員(寺中作雄君) ルーマニア卓球選手が派遣できないからその代償として卓球選手を呼ぶというようなことについては聞いておりませんし、若しそういうことがあるにしましても、この代償としてということではなくて、別の計画であろうと思います。ルーマニア派遣に関しましては、只今大臣の御答弁の通り、通貨の関係、又生命、財産の保障の関係等が全く何らの支障がないということであれば、文部省としては派遣することは望ましいことであるというふうに考えておる次第であります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 時間がかかりますから、ここらあたりで打切りますが、私は三度に亙つてこの質問を繰返したわけでございます。その理由などここで喋々と申上げません。もう申上げることがやぼなんでございまして、そんな必要はないと思うのです。で、通貨の問題は先ず問題がない。それは二万四千ドル全部出るか出ないかということは別問題として、これは先ず問題はないのです。こういう結論で間違ない。それから旅券交付の旅券法適用の問題でありますが、外務省も、更には寺中局長も生命、身体、財産云々と言いますが、それは恐らく滑稽に類するものだと私は考えます。そこで結論として要望いたしたい点は、世界卓球選手権、世界卓球協会の会長から日本卓球協会長に対して懇切なる書面が来ているようでございますし、これはやりは国際親善と我が国スポーツの振興という立場からも、国交が正式に開かれて国際的にその一員としてその地位を回復して来た日本の将来のことを考えるときに、是非とも私は選手諸君が四つの選手権を持つて参加できるように、文部省特にその大臣が中心となつて大蔵、外務と交渉され、その実現方に格段の努力をされるように要望し、なお今後私はこの問題の推移に対して重大関心を払い、又時期を見て質問をすることを保留いたしまして、質問を打切りたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちよつと関連して、これは天野文部大臣並びに外務省のかたにお伺いしたいのです。今年度のオリンピツク大会にソヴイエトロシア並びにそのほかのつまり衛星圏といいますか、国々が多数参加する、こういうニユースを御承知でありましたでしようかどうか、これについてお伺いしたい。外務省はどういうふうに、文部大臣は……。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私はまだ全然聞いておりませんです。

松尾隆男外務省欧米局渡航課長

○説明員(松尾隆男君) 私は個人として新聞で見たところによりますと、ソ連はフツトボールチームを出すということを聞いております。そのほかについては聞いておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それじやそういうことについては認識不足だと思う。これはもう少し外務省でちやんと調べて欲しい。陸上競技その他に参加する、こんなことは常識なんです。はつきりしている。こういうことが第一わからんということ自体が問題だ、だからスポーツ行政なんというのは問題にならんと思う。それから先ほどの答弁によりますと、今後日本で仮に一九六〇年に開かれるにしても、今後はソ連並びにその衛星圏の国々を参加させるかどうかはそのときの情勢によつて見なければわからない、こういうことを天野文部大臣は答弁されておるが、これは一九六〇年に日本にオリンピツクを招致するかどうかということを決定する重大な問題であります。すでに公式に今年度から参加する、こういう態勢になつておるのに、詳細についてはわからないという、こういうあいまいな態度をとつておれば、これは日本で開催されるということについては非常に大きなこれは疑惑を生ずる、こういうことは招致運動に対する非常に有害な発言だと思うのでありますけれども、これは天野文部大臣どうなんですか、大変なことですよ。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私はそういう対外関係のことは自分によく詳しくわからないから、よく外務大臣と相談をするということであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 矢嶋君に答えられたそういう答弁も事態の認識が極めてないと思うのです。外務省も事実そうです。文部大臣もその責任の衝に当つておるのにそれを知らない、私は重大事だと思う。そういう観点から消極的にしかお答えできない。私はルーマニアの卓球問題はこれと非常に関連がある。すでにそういういろいろな政治的な、外交的な立場でいろいろ問題があるにしても、スポーツ親善ということは世界的に交流されておるのです。もう少しこれは調べて頂きたい。この次までに答えて下さい、調べて……。情報を持つておるでしよう、我々よりも。それに今言つたフツトボールの参加を知つておるだけで外務省が務まりますか。文部大臣がそういうことでスポーツ行政がやれますか。私は重大問題だと思う。今のような余りにも認識のない答弁をやつておる。そこから事態が発生しておる。もう少しはつきりそういうことを、少くとも客観的な情勢については調べていらつしやい。私はこのことを要求する、委員長から要求して下さい。余りたわいないことだと思う。そんなことを知らないというのは問題にならん。何を言つておるのか。委員長から要求して千さい。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) まあ一つ了承しました。こちらから要求します。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 今度参加しなければ、一九五五年の卓球選手権大会は日本に来ませんよ。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあこの次までによく調べて御返答下さい。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) この次までに一つ御返答できるように準備を願います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 外務省もいいですか。

松尾隆男外務省欧米局渡航課長

○説明員(松尾隆男君) ソ連から参加するチーム……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうです。今年オリンピツクに参加するチーム……。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) どこが参加するということは外務省から……。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 別に御発言もなければ、午前中の委員会はこれで休憩しまして、午後の文部、水産連合委員会散会後に再開いたします。    午後零時三十八分休憩    ―――――・―――――    午後三時二十七分開会

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) これより文部委員会を開会いたします。  国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。文部大臣がお見えになつておりますから、御質疑のあるかたは御質疑を願います。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 午前中から大臣ずつと文部委員会にいらつしやつて、さぞかしお疲れのことと思いますが、本法律案審議に当りましては、大臣まだ一度もお出にならなかつたので、私要点をお伺いいたしたいと思います。御答弁頂きたいと思います。先ず第一点は、大臣は現在内閣委員会にかかつておりまする文部省設置法の一部改正法律案の審議の過程におきましても、中央教育審議会の新設に伴いまして、我が国の七十一に余るところの国立大学の問題につきましても、再検討いたしたいという御発言もあられたわけでございますが、そういう我が国の国立の大学と今度のこの商船大学の新設ということを予算の面からどういう関連性を持つてお考えになつたかということと、それからこの新設に当りましては、勿論議員立法提案でございますが、文部省としては船員教育審議会あたりの意向もお聞きになられたかどうか、先ずそれをお伺いいたします。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) この間内閣委員会でしたかと思いますが、そこで七十一の大学も検討すると申したのはこういう意味なんです。今のようにどの大学もみんな同じ学部をすべて揃えて行くということだつたら、到底七十一の大学を完全なものにすることはできないから、或る大学はこういうことを特色とするとか、或る大学はこういうようにやるとか、或いは両方共通する何か単位をとれるとか、或いは転学の問題とか、そういうようなことをよく検討したいと思うと言つたのであります。多過ぎるからこれを減らそうとか、そういうことでは決してございませんで、商船大学はこれは特殊なことでありまして、今の私が七十一を検討すると言つた中には入らないことでございます。  それから只今の審議会は、これは運輸大臣の諮問機関だそうでございます。私これを直接聞くということはいたしません。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 次にお伺いいたしたい点は、高等商船学校が御承知のように東京それから神戸、清水と三カ所にあつたのを戦時中に一校に統合したわけですが、どういうわけで一校に統合されたと大臣は了承されておられますか。その点と、今度新たに東京と神戸に二校設置になつた場合に、或いは両校の対立意識とか、或いは国家の予算の能率的な使途というような立場から、どういうお考えを持つていらつしやるか、承わりたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 統合した事情についてはこれは運輸省がされたことであつて、私どもはそれに参画いたしませんでした。  それから今度両方に作るということは将来の日本の海運ということを考えると、やはり両方にあつたほうがよいという説に従つたわけでございます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 冒頭大臣に私が申上げたのでありますが、非常に形式的な答弁に時間を費やされているようですが、もう少し突込んでお伺いいたしますが、確かに三校を一校にした当時は運輸省所管でございます。現在は商船大学ははつきり文部大臣の所管になつております。そうして議員立法とはいえ、ここに文部大臣所管の大学が二校になるに当りましては、一応は三校が一校になつたような歴史的な経過というものにつきましても、御検討があつて然るべきであり、それに対する見解というものを持つておつて然るべきだと思うのであります。重ねて御答弁頂きたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 三校が一校になつた経過ということは、私はどうも只今申した通り存じておりません。今度二校にするというのは、只今申した通り将来の日本というものを考えたらば、やはり二校にするというのもよいのではないかという考えでございます。若し詳しい事実が御必要でございましたら、後ほど局長に答弁させます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 三校が一校になつたというところをちよつと答弁して下さい。大臣がこの点を研究しておられないことは不満ですけれどもね。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 三校が一校になつたというのは、その当時の運輸省の方針といたしまして、一校を当時の養成の本体でありまする高等商船学校とし、一校を再教育施設、いわゆる海技専門学院とし、一校を海員学校という高等教育機関にする、この三つの大学を考えてそれぞれの分を一つに集めて、特にこれは当時の学校の施設と当時の養成数から見て、或いは当時として賢明な施設であつたと考えられるのでありますが、今ここに二校といたしますることは、先般も提出者でありまする平島議員からも理由を言われ、我々もそれと同様に考えるのでありますけれども、一つは清水の大学が年限を延長いたしまして四年半の学校となつて、清水の建物のキヤパシテイの問題もあります。又一学校にし、教育の実を挙げるというような点から見て定員の限度もございます。ここに必要なる養成数を上げまする場合に、或る限度以上になりますれば、別に教育施設を設けるということも当然の理である。又同時にその地理的の配置を考えまして、神戸という所が船舶或いは船員と因縁浅からざる土地でありまするので、そこに一つ建てますることは結構だと我々も考えた次第でございます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 私はこういうことをお伺いするのは、本法律案が成立した曉において、両大学の運営等につきまして相当重大な問題が起つて参りますのでお伺いしているわけです。今更船員教育の重要性なんかということについての所見を大臣に伺いません。先ほどの御答弁に対して更にお伺いいたしますが、それでは文部省は清水の商船大学を新学制の下に発足させたときに、あの商船大学の規模は二百四十名を規模として、そういう構想で計画されて来ておるはずです。そういうことを大学にも指示されて来ておるわけです。そうして本年度の入学生は二百四十採用してよいということを内示を与えて途中から変更したわけです。更に、局長聞いておつて下さい。更に昭和二十六年度の入学生は定員百六十名にかかわらず、文部大臣の許可を得て特に二百名入学さしているではありませんか。一体そういうのは確たる高級船員の養成計画の下に文部省はやつているのかどうか、私は疑わざるを得ないのです。御答弁を大臣に頂きたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) この計画として考えたことは、百六十名から百八十名でありますけれども、必要によればそれより多くとつてよろしいということになつているということです。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 局長今大臣そういうふうに説明されたわけですが、文部省ははつきりと清水商船大学は将来二百四十のこの大学の構想で行くということを指示してそれで来ているはずなんですよ、間違いありません。同時に昭和二十六年度の入学生は二百名入れてよろしいと言つて許可して二百名入れたじやございませんか。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 大学創設に当りまして、大学の定員を考えますのは勿論教育理想から考えて、恒常的な状況を考えるわけでございます。ところが御承知のように最近例えば昨年度におきましては、海上保安大学においてまあ海上保安庁関係を養成する。併し発足間際のことでありまするので、多少こちらに余計増加養成してくれという問題もありまするし、二百八十名ですか、二百八十名の計画養成に対しまして、定員百六十であるということは如何にも差当りの状況から見て困るわけでございますから、多少そこに定員を超過して教育する、これは決して教育の理想でもないし、我々としては避けたいのであつて、ここに新らしく大学ができれば、そうした不便は逃れ得るのでございますけれども、急場に応ずる要請から止むを得ずいたした施設でございます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 私は今の説明納得できないのですが、時間がありませんので、次に質問を続けます。  この我が国の船には外国の船と比較するときに二割から余計の般員が乗船しているというふうに私は聞いております。その理由はいろいろありましようけれども、最も大きな理由としてそれに対する解決策としては教育の徹底、これを図らなくてはならない。ところが現在高級船員の養成機関である清水並びに五つの商船高等学校の施設というものは極めて不十分で、近代の海洋に働くところの高級船員を養成するのには非常に不十分だ、こういうことを聞いて、私自身もそういうように見ております。そこで私は、現在の清水並びに五商船高等学校の既存教育施設が充実し、立派な高級船員が養成できると同時に、更に国費を以て神戸に新設するというのならば私も賛成できますが、現在の清水並びに五商船高等学校の施設並びに設備というものを現状のままにしておいて、国の財政が苦しいからというので、現状のままにしておいて、更に新たに設けるということは、却つて国の予算というものを分散さして、教育の弱体化を招いて来る、こういうように私は信ずるものでございますが、既存の教育施設の充実につきまして、大臣はどういう御見解を持つていらつしやるか、お伺いいたしたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 只今矢嶋さんのおつしやつた、人が日本では多いというのは、それは船員全体について言われることですか。それとも高級の船員といいますかね。それについて言われることでございますか、ちよつと伺つてからお答えいたします、

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 勤務者です。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 全部でございますか。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 船の勤務者。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は、その勤務者は、高級船員だけだと、あなたの説は成立つて来ると思うのですけれども、全部の人数が多いということでは、今の論は合つて来ないように自分には思えます。その点はまあ重点でございませんから、ただ私の思いついたことを申します。全部の人数が多いということと、船員の養成ということと直接関係さして来るということは如何かと考えます。それから次のことについての御意見は、私は御尤もな御意見だとも思います。少いものを、作つたものをよく充実しておいて、そうして他に移るというのは、これは当り前のことだと私も思つております。けれども神戸というのは特別従来高等商船学校のあつた所ですから、又あの土地の事情からしても、又先ほど申したような将来の日本の要求する船員ということからしても、一挙にそれを作るということもできませんから、あそこに作るというのも一つの考えじやないか。矢嶋さんの御意見も確かに一つの御意見ですけれども、作るというのも私は一つの考えだと思います。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 先ほどのは、私のは、こういう意見で申上げたのです。全部の勤務者、それには高級船員もありましようし、下級船員もありましよう。おのおのが外国より高級船員が二割、平均より余計に乗つておる。下級船員も二割、平均より余計に乗つておるというように私は只今資料で見ましたので、その立場からお伺いしたわけであつて、私は私の論理には矛盾はないと思いますが、次にそれでは先ほどの観点からなおお伺いしなければなりません。と申しますのは、まあ大臣も、私の意見もそういう考え方もあるし、一つ余計作ることも考え方だと申されますが、まあ具体的に私はお伺いします。それに対して大臣はどういう所見を持つておるかということによつて、私は本法案に賛成するか反対するかという立場をきめなくちやなりませんので、お伺いするわけですが、例えば五つの商船高等学校、ここにあるところの機械などというのは、これは博物館に行く程度のものが相当あるのだそうです。とても遅れておるのだそうです。これを三ヵ年計画で充実いたしたいという立場から、一校六千万円の予算要求をした。文部省がこれを一千万円に削減し、更に大蔵省はこれを百万円に削減してしまつた。即ち五つの商船高等学校の当事者の要望の実に六十分の一の予算しか与えられなかつたのであります。そういう五つの商船高等学校の当事者に承わりますというと、これでは現在海洋に出て、他国の船員と競争して行くことは不可能だ、こういうように申されているわけです。このたびまあ四ヵ年計画でございますが、国庫から二億六百万円という金を神戸に注入されるわけですね。この二億六百万円を国庫から注入するということは結構でございますが、その半面においてこういう点を私は無にするというのでは、これはいわゆる私は虻蜂取らずになるのではないか。これが一つの例。それから次にお伺いいたしたい点は、この下級船員の再教育については、非常に重要であると同時に、これらの下級船員の再教育を受ける人は家族持ちでもあるし、相当年配なものだから、これらの船員諸君が再教育に好条件に恵まれるように努力したいということは、昨日運輸大臣が答弁したところでございます。これは運輸大臣の所管でございます。そこで私は文部大臣の所管である五つの商船高等学校並びに商船大学についてお伺いするのでございますが、御承知とは存じますが、元の高等商船学校というのは授業料はただでございます。それからあの学校の教育というのは、全寮制度をやつております。自宅から通うことを許さない。従つて寮費なども無償でございます。衣類も給与されておつたのです。そうしてともかく平時はそうでございますが、戦時中におけるところの消耗率というのは、約五〇%程度くらい消耗しておつたはずでございます。平時における海運進展に対する責任も大きいし、今後も我が国には、万一、こういうこともないと思いますが、そういう場合における彼らの責任というのは極めて重大である。こういうことを考えるときに、私は、これから商船高等つ学校の生徒は、或いは授業料を減免するとか、或いは衣服を給与するとか、強制的に全寮、生徒全部入寮させるわけです 寮に入るというと他の大学生のやつておるようなアルバイトもできません。然らばその寮費を補助するとか、或いは日本育英協会の奨学金制度というのがありますが、商船高等学校の生徒には、将来の日本の海運と結び合せて、特別余計に奨学制度を採用するとか、そういう施策があつて、始めてこの高級船員の教育というものは、現状の足らない面から私は抜け出ることができると思うのですが、そういう予算的方面において、大臣はどういうお考を持つておられるかということを私は承わりたい。それを現状のまま放置して、四カ年計画とはいえ、二億六百万円も新たに神戸に注入するということは、これは船員教育の充実という立場から考えましても、国費の使い方という立場から考えても、私は相当問題があると思われますので、大臣の所見と、それに対する大臣の熱意を承わりたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 今矢嶋さんの仰せられました商船高等学校というものは、現在は商船大学のことでございましようか。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 広島とか、鳥羽とかにある五つの商船高等学校、これは昨年から大臣の所管になつておるはずです。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) わかりました。それは非常に不完全だと思つて、是非これは準備しなければならないと思つております。それから又商船大学の育英費は、ほかの大学生よりも遥かに高いことになつております。だから、すべてそういう点については、十分の配慮をする考えでおります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 私は、大臣の答弁というのは、いつも忘れないで覚えておいて、追及して行くのでございますが、今後、先ほど私が申上げたような点について、積極的に努力なされる確約を得られますか。もう私は当然だと思うんですが。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 勿論努力をするつもりでございます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 大臣は、五つの高等学校だけが不十分だということを申されましたが、清水の商船大学を御覧になつたことがございますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) よく見て参りました。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 見られましたか……。清水の商船大学の設備充実の必要性というものをどういうようにお考えになつておりますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) それは今もどこでもこれで充実しているということはないのです、殆んど。だから清水の建物もいろいろ不整備なことはございます。それで、だから先ほどからのあなたのお考えも一つのお考えだけれども、今の日本のことですからいろいろな点は我慢して、だんだんやつて行くという建前でやつて行くのも一つの考えだ、こういうことを申したのです。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 大臣の一般論を全面的に了承できんというわけでもございませんけれども、船員教育については、そういう考え方では不十分ではないかと思うのです。これはどの大学でも重要でございます。もく星号事件一つを例にとりましても、ああいう惨事を起しましたのは、そういう一人の過誤というのがああいう事態を直接に起しておるわけですが、それから私高等商船学校を拝見したのですが、機械が古いのですね。博物館行きみたいなものでは、海運に出た場合に、船員みずからも危険でありましようが、それに積んでおるところの貨物、それから乗客というものの生命財産というものは、極めて危険なのであつて商船大学を不十分なものを三校作るよりは、充実したものを一校我が国の海運の必要上から二校作るなら、二校とも財政措置として充実したものを作るという決意を私は持たなければ、この増設というものはなかなか、問題があると思うのでございますが、そういう立場から大臣に繰返してお尋ねいたしますが、積極的に予算確保について御努力の意思と、その見通しがあるでございましようか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) それは、一つ新しく大学を作る以上、それを十分充実して行くということは、十分考えていたしておることでございます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 では、それは大臣の御答弁を私は記憶にとどめておいて、今後大臣の御尽力を見せて頂くことにしまして、次にお伺いいたしたい点は、昨年商船高等学校五校を運輸省から文部省に移管したわけでございます。私考えまするに、この船員教育の一元化という立場から、商船大学並びに商船高等学校、それから海技専門学院、或いは航海訓練所という、こういう一連の教育機関を文部省に一元化して統轄したらどうか、そういうふうに私は考えるわけです。と申しますのは、先ほど商船大学一つ作るのに、船員教育審議会にお諮りなさいましたかと、こうお伺いいたしましたのですが、大臣みずから、船員教育審議会は運輸大臣の所管であるから、自分は関知しないと、こういうふうに答弁された。これなんかは、非常にはつきりした例ですが、この点どういうふうにお考えになつておりますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 言葉はいろいろ言えるのですが、私は関知しないとは決して言いません。向うでどう出るか、非常に関心を持つております。自分が直接そこに諮問をしたことはないと申したのです。  それからすべてのものをこちらに一元化する考えはないか、それは理想的に言えば一元化すべきものです。けれども運輸関係というものは、船主との関係とか、いろいろの関係があつて、にわかにこれを一元化するということは、私は無理ではないかと思つております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 もうちよつとそれを具体的に説明して下さい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 矢嶋委員にちよつとお願いしたいのですが、こういうことは事務当局のほうが詳しく知つておりますから、局長からちよつと答弁をいたさせます。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 昨日運輸省の政府委員が答えられましたように、差当りとしては非常に大量の再教育をいたすことであり、而も大量を集めます場合には、どうしてもこれは船主の非常な協力を得なければならない。そうした意味におきまする現職教育については、差当り運輸省が所管する必要があると申されておりまするが、文部省といたしましても、現在の状況では運輸省においていたすつもりでございます。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 船員局長の山口さんが見えております。質疑のあるかたはどうぞ。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 私の尋ねんとするところは、大体矢嶋委員が聞き、私も又先だつて一日休んでおりますので、私のお尋ねするところで重複しておるところがございましたら、御指摘を頂くことによつて、速記録を見ることにいたします。私は、なお必ずしも大臣に御答弁の必要はないと思いますので、御多用でございましたら他のかたでも結構でございます。  先ずお尋ね申上げたいのは、この船腹増強の計画について、昨日も運輸大臣から御所見を伺つたのでありまするが、これが今までの計画を伺つておりますると、前の年度におきましても、三十五万トン乃至四十万トンの増強計画であつたものが、それだけになつていない。前運輸大臣においては、殆んど確定的にそういう計画を推進して来ておられたのに、最後的には財政金融の措置のために、そういうことができなかつたということが事実あるのであります。昨日現運輸大臣から伺つた増強計画において、昭和三十年度でございますかまでに、年間四十万トンの増強計画をしておられるのでございまして、それに伴つて海員の充実をしなければならない。そのことが一つの大きな原因で、今回の大学の新設ということになつたように存ずるのでありまするが、勿論この増強計画は、或る立場から観察いたしますれば、これはぺ一バープランでございます。併しそういう計画がなければ、先への推進もできないわけでございまするから、これは一応認めるといたしまして、従つて海員の拡充、増強もそれに伴つてしなければならんということを一応認めることにいたしまして、ところで数年、三年後において仮に船腹の増強ができなかつた、予定通り行けなかつたという場合には、折角人間のほうで増したものが要らなくなるというような結果を生ずることになると思うのであります。物のほうは、増強できなかつたと申せばそれで終るかも知れませんけれども、人間のほうは、折角殖やしたが、これは使い途がないというようなことになる場合に、甚だ始末に悪いことになると思うのでございますが、そういう場合に人間を養成した。つまり人間を生むほうの責任は文部省が持たれると思いまするが、これを育てるほうの責任は、運輸省或いは船員局ですか、そういう方面にあるかと思うので  ございまするが、その責任の所在が、人員が余る場合にどちらにあるかということについて、御両所から伺いたいのでございます。

山口傳運輸省船員局長

○政府委員(山口傳君) 最初に、今お話になりました中で、昨日大臣から御答弁申上げました将来の船腹増強の見込みについてでございますが、昨日申上げましたように、今後三カ年間くらいは四十万トン、それから第四年度において二十万トンの船腹増があるものと見込んでございますが、この四十万トンは、恐らく運輸省ではいろいろと新造船等について計画を立てられるであろうけれども、過去の実績から見て、或いは予定の通り建造できないじやないかというようなお話でありますが、実は私は、この計画を立てます場合に、造船なり船腹の増強につきましては、このほうを担当いたしております運輸省内の海運局、或いは船舶局と十二分に打合せをしたその数字をこれは使つておるのでございまして、又増強においてどれだけの人が要るかという段階になりますれば、私どもが積極的に計算をいたすわけであります。それで、これが四十万トン純増ということがむずかしいではないかという点につきまして一言御参考に申上げたいことは、お手許に資料が参つておるかと思いますが、昭和二十六年度の純増につきましては、これは実績でございますから計算が書いてございませんが、これはこの二十六年度一カ年間におきまして、たしか新造船並びに傭船、貢船、外国船の買船、買うわけでございますが、それら、それからその一年間に減つた数字、即ち年度当初に比べて年度末においてどれだけの外航の商船隊が増強になりましたかという、要するに実績、最近の一年間の実績でございますが、これは大部分は新造船のものでございますが、合計いたしまして、たしかこれは五十三万トンぐらいになると思います。非常に努力しまして、新造船のほかに買船等も図りまして、船腹増強には非常に努力を払つたわけであります。二十六年度中におきましてはここに二百四十万トンまで年度末になつておりますが、二十六年度の年度当初におきましては、たしか二百万トンまで達しておらないのであります。五十三万トンだと思つておりますが、それぐらい殖えておる。無論これだけの、三年間四十万トン殖やすということは、資金の点資材の点等で非常に困難が伴うと思いますが、これは多くてもいけませんし、少くても計画に齟齬を来たしますので、いろいろなフアクターをやりまして過去の実績も勘案し、少くともこれだけは実現したいし、又実現の可能性があるというような見込でこれは立てた数字でございます。ですから、一方からすれば、こんな程度の船腹増強でいいかという責任を言われる場合もありますし、或いはこれだけのものができるのには、相当な資金、資材が要るが、大丈夫かといつて、両方面の御意見があることはわかつておりますが、これは私どものほうの、それぞれ船腹関係に対する関係、或いは海運関係の輸送を扱うかたがたの専門家の意見を十分練りまして、このような数字を一応前提として私どもはとつた次第でございます。まあさようなわけで、船腹の基本数字がきまり、それからいろいろ人員をはじきまして、将来の船員の需要を計算したわけでございますが、御承知のように、大学或いは商船高等学校等から出て参ります卒業生等には、もうすでに定員がきまつておりますからそのほうの給源を先ず充てて、更にそれに足りないものは、どうしてもこの船腹増強に応じては、陸上にいます元の船員から呼び返すか、若しくは再教育等によつて、何としてでも埋め合して行かなければ、運航が今度はできないことになるので、これ又非常な責任を問われることになりますので運輸省としては、かれこれ計算しまして、このような表が一応推定として出ておるわけです。  過去の船員教育、これは文部省にあつた時代もございますし、戦時中には運輸省にあつた時代もございますが、大観しまして、学校の基本教育というのは、三年若しくは五年近くかかつたこともございます。五年以上のときもございます、そういうふうに長期を要しますのも、海運界の船腹の情勢に応じていろいろやつて参つたのでありますが、過去の実績を見ますと、非常に船員が足りなくなつて、定員等を増加しますと、それがいよいよ現場に出て来るのは数年あとでありますので、そのときにはたまたま世の中が不景気になつて、むしろ余つたというようなことがございますので、なかなかこの問題については、過去において苦心をしたわけでございます。今度の場合は、とのことも十二分に検討し、それから最近の、今後の日本経済自身の見通し等、いろいろな要望もございますので、それらを含めまして、実現可能な船腹増強数を前提として、これだけのものは必要だということで、かような数字を出して、それぞれ大学や高等学校に期待するものはこの程度だ、或いは元船員から来るものは、無論いろいろの努力の仕方によつて考えられますけれども、現に安定所を通じて相当の求職者がありますが、これまでいろいろ吟味してみますと、ここに来ている免状持ちの人をそのまま使うということは実際上できない点もございまして、そのほうにはこの程度見込もう。それで足りないものは再教育をあえてしなくちやらないという断定から、かような数字を運輸省としては出して、これだけのものを確保しなければ困る。これで足りない場合には、元船員のほうに強くしわが寄つて参りますので、(「簡単々々」と呼ぶ者あり)そのほうの努力も……いろいろのフアクターがございますので、その方面で間に合して行くということが必要なわけでございます。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 文部省から御答弁を伺うのでございますが、只今の私のお尋ねしたことは、折角養成した人間があぶれたときの措置ですね。それはどちらが責任を持つのか、これをお伺いしておるのであります。船員というのは、非常に特殊な教育を受けるので、ほかの学校の卒業生のように、簡単に他に向けられないということを考えるのでございます。(「失業者が二万人もいるのですよ」と呼ぶ者あり)

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 只今船員局長からお答えになりましたように、船舶の増強見込に基きましての計画でございまして、非常に減耗率等を内輪に見ておりますから、決して余ることはないと考えております。(「現に二万人いますよ」と呼ぶ者あり)

高橋道男緑風会

○高橋道男君 私がお尋ねしますのは、すでにあぶれておつて、現在においては陸上で勤務しておる者もある。そういう一方において、高級船員を養成して、それがあぶれた場合の措置、そこまで考えなければ、大学の新設に同調することは非常に問題じやないかと思います。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 三百八十万トン、昭和三十年にあがりますまでに、非常に急カーブに船員の需要がございます。従いまして現在の状況を以て律するわけに行かんと思つております。三百八十万トンの増強から見ますと、むしろ養成は内輪でございますので、御懸念はないかと思います。

石井勗衆議院事務局常任委員会專門員

○衆議院専門員(石井勗君) 現在のたくさんの元船員であつた者が、職をなくして困つておる者があるというお話がございましたが、それついては、先回のときに、この席で相当数字を挙げて御説明申上げたつもりであります。それも御参照をお願いしたいと思います。

山口傳運輸省船員局長

○政府委員(山口傳君) 只今お話の中に、職業安定所のほうに、元船員であつた求職者が二万人あるとおつしやいましたが、その一二万人は確かにございますが、この中で重複が若干あるのと、もう一つは、ここで問題になります商船隊に乗る大半の人は(「了解」「簡単簡単」と呼ぶ者あり)普通船員以上でございます。あれは普通船員を全部含めております。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 私のお尋ねに的確な御答弁がないようでございますが、(「その通りだな」と呼ぶ者あり)もう一つお尋ねいたしますのは、大学の卒業生が将来できる場合、二つの学校の卒業生の間の対立感情が必ず起るということを私は懸念するのであります。この前に、東京の高等商船学校、それから神戸の高等商船学校の卒業生が一つの船に乗り込んで、そしてそういう対立感情で弱つたというようなことを私は再々聞いておるのでありますが、殊に狭い船上生活でございますから、こういう点は相当今から懸念しておいていいのじやないかと思いますが、そういうことについて、立案者或いは運輸当局のお考えを伺いたいと思います。

平島良一自由党

○衆議院議員(平島良一君) そのことについては、私ここで二度ほどお答えいたしておるのでありますが、この提案するに当りましても、そういう御議論を聞きましたので、私どもといたしましては、いろいろ研究をいたしたのであります。陸上の学校においても、学閥の争いのあることも私ども認めておるのでありまして、そういうことが船に乗つた中で起つたのでは大変困るというので、いろいろ船に乗つている人などの意見も参酌いたしまして研究いたしたのでありますが、船に乗ると一家のような気持になるので、団欒したような気持で行くから、そういうものは、今までには折にはそういうことがあつたかも知れないが、必ずしも二つになつたから喧嘩するというものではなかろうというような考えを以て提案したようなわけであります。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 運輸当局の御答弁を……。

山口傳運輸省船員局長

○政府委員(山口傳君) 実際に働いておられる船員の御意見を聞きますと、無論それは一つであるほうが理想でありまして、過去において二つに分れておるために、二つの系統があるために、いろいろとトラブル達つをとはないこともないのであります。併しその点は、いろいろ今後の海上マンニングの関係で、適当に配置もできるだけ考え、又各人の人格の陶冶にも待つて、こういうことは何とか切抜けて行けるのじやないかと考えております。一つと二つを比べれば、無論一つのほうが理想でありますけれども、ただ数が殖えて参りますれば、余儀なく二つの段階にもなろうかと思います。それから伴います止むを得ざる若干の、何と言いますか、無理を伴いますかも知れませんが、それは又それで対策を講じて、何とか切抜けて行かざるを得ないと考えております。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 運輸当局に対する私の質問は打切ります。次に文部関係でお伺いいたしますが、国立学校の設置につきまして、今回は議員立法によつて提出されておるのでありますが、議員立法による先例というものはあるのでございまするか。文部当局にお伺いいたします。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清君) 国立学校設置法ができましてから、こうした例は始めてでございます。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 永年、国立学校設置法の一部改正というものは、予算が成立するまでに提出されるのが通例でございまして、この神戸の商船大学の設立につきましても、ちよいよい噂は聞いておりましたが、遂に予算成立前に設置法の改正は提出されずに、今になつて提出されたことの理由、それからなぜそういう時を逸しての設立を急がなければならんのか。そういうことについて立案者からお伺いしたいと思います。

平島良一自由党

○衆議院議員(平島良一君) そのことについても、先日相馬さんからお尋ねがございまして、私はお答えいたしておいたのでありますが、これは性格といたしましては、内閣から出すべきものであらうと思います。又文部省でもそう考えておつたらしいのでありますが、予算等の関係で、一応大蔵省がこれを何か削つたとか、認めなかつたというようなことがあつたのであります。ところが私どもが地元を視察した場合、その地元の強い要望があることを痛く感じましたので、これは何とかしてこれを設立しなければならないというような、提案理由に説明いたしましたような理由によつて、この際議員提出として出して、文部省を応援するのがよかろうかというような考えで、我々の提案となつたようなわけなんでありまして、そうして又これを出すのが遅いじやないかということも、相馬さんからもお尋ねがありましにが、それはそういうような予算の裏付けというようなことも考えなければならんので、大蔵省ともいろいろと相談し、文部当局に至れをする場合の予算の裏付けはどうなるかというような折衝に手間取りまして、提案するのが遅れたようなわけでありますが、その辺御了承頂きたいと思うのであります。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 先ほどお答え申上げました趣旨が間違いをいたしましたので、謹んで訂正さして頂きたいと思います。先般五校の商船高等学校が運輸省所管から移管をされましたのは、議員立法であつたのでございます。今回議員立法になりました理由につきましては、只今平島議員のお答えになりましたと同様に私ども考えております。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 立案者の御配慮のほどは誠に有難いことでございますが、ところが議員立法であること、それからその時期を逸しておるということにつきまして、この文部省の予算成立前の改正に間に今わなかつたということに関連いたして、そのときには文部省としては十分応じ切れる態勢でなかつたのが、その後議員の圧力によつて、これに応ぜざるを得なくなつたというようなことが、たまたま議員立法であるが故に、世間に言われておることを私耳にすることは甚だ残念に思うのでございまするが、その間の事情については、何か承わることがないかどうか。

若林義孝自由党

○衆議院議員(若林義孝君) この間、これが全部説明し得ることかどうかということは、私は御判断に訴えたいと思うのでありますが、先ほど船員局長からもいろいろお話があつて、昨日私からもお答えした中にあつたのでありますが、運輸省がやはり再教育をせられますというあの建物なり敷地は、運輸省が所管しておるわけであります。そこで文部省が主体となつて、これを、まあ言葉は不穏当でありますけれども、運輸省から取上げてしまうような立案を、文部省独自の立場からは、少しまあお互いが謙讓の美徳を以てやつておられるということになると、やりにくい立場にあるらしいので、我々国会としては、曾つて政府が二十六年度から開設するのだということをいろいろな場合に表明しておつたのをまあ促進するということに一役買う、こういう意味も御判断の一つの資料の中に入れておいて頂いたら結構かと思うのであります。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 文部省といたしましても、もとより予算を要求いたしたのでございますが、それが不幸成立しなかつたのであります。その後において、又文部委員会の非常な御努力によつて、財源の見通しがつきまして、議員立法になつた。文部省の志しておりますことと方角を一にしておるわけでございます。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 先ほど平島議員からも、本来は文部省からの提案によるのがいいというようなことを伺いましたが、文部省においても、今後のこういうような議員立法につきましては、同様にお考えであるかどうか。私が申上げましたような、変な印象を学校の設立などについて流布されることは甚だ迷惑と思うのでありまするが、この点についての文部省の所見を伺いたいと思います。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 文部省といたしましても国会の、御意向等を体しまして、予算時期に間に合うように予算を成立せしめて、現在の国立学校設置法改正に載せますのが普通だと考えておりまするが、それがこうした具体的なようないきさつになりますれば、これが議員立法とせられることは我々結構なことだと考えております。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 次にお伺いいたしますが、神戸商船大学は神戸大学と同地域にあると思うのですが、何故に神戸大学の一学部とせずに、単立の大学とせられたか、この点伺いたいと思います。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 御承知のように、商船教育と申しまするものは、宿舎に入れまして、いわゆる二十四時間的の教育をいたす非常な特色がございます。又一般教育と専門教育との密接な一貫性が必要でございます。御承知のように、神戸大学のほうの一般教育をいたしますものは、各学部に参りますものを一緒にいたしております。それらの教育と、この商船教育とはおのずから別にしたほうがいいと文部省としても考えておつた次第であります。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 只今の御意見一応御尤もと思うのでございますが、この総合大学の中には、非常に種類の違つた学部を持つておるものが多いと思うのであります。今の商船大学のごときは、それは特例であるかも知れませんけれども、併し狭い地域にあるのでありまするから、経理上も一つの大学にしたほうが便宜のように私は考えるのでありますが、その点について再度御質問いたします。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 一般的には、只今高橋委員の仰せの通りに考えております。ただ先ほど申しましたような、非常な特殊性がありますることと、又具体的の問題といたしましては、現在の海技専門学院のあの校地、校舎を使うということに出発いたしておりますので、財政経理の面からしても、これらを別にしたほうが適当だろうと考えております。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 次にお伺いいたすのは、地元負担の問題でございますが、公立の場合には、地元が特にその学校の設立、経営について関心を持ち、経費の点についても、多大の犠牲を払うということは、或いは当然かも知れませんが、国立大学の場合に、而も今回掲げられておるような、相当多額の、具体的に申せば半額の地元負担をするということは、私は非常に問題だろうと思う。一昨年にも私は文部大臣にお尋ねをしたのでございますが、学校の経営施設について、多額の地元負担なり、多額の寄附を募るというようなことが、非常に不純なものを作るということについて質問をいたしたのでございますが、今回の場合にも私は同様のことを恐れるのであります。地元負担金の多額のものが、どういう方法によつて賄われるのか存じませんけれども、その点についての御所見を伺いたいと思います。

平島良一自由党

○衆議院議員(平島良君) その点についても、たびたびお答えいたしているのでありまして、本来は国立大学でありまするから、すべてがこれは国庫で負担すべきものであろうと思うのでありますが、とにかく地元といたしまして、もう二年も三年も前から、この商船大学の設立を強く要望いたしておるのでありまして、私文部省におつた頃にも、どうなるのだというようなことで国会でも質問され、成るべく早く設立いたしたいというような答弁をしたことも覚えておるのでありますが、そういうふうな地元の熱烈なる要望がありますると共に、この船員の養成というものは、一朝一夕でできるものではないのでありまするから、この三百八十万トンの船ができ上つたときに、船ができ上つて船中員がないというようなことになると、又船員ができて船がないというような場合も、大いに高橋さんのお説のように困りますが、船ができた、船員がないというようなこと、高級船員は殊更に一時にこれを養成するというわけには行かない。この理由から、地元負担というようなことは、原則論といたしましては、これはどうかと思うのでありますが、それだけ負担しても喜んでおられるのでありまして、私どもにも、衆議院を通過したということによつて、誠に鄭重な礼状が来ておるようなところを見ましても、地元が決してこの負担を厭うておるわけでなかろうと思いますので、まあ地元の熱意によつて、自発的にこういうことをするのだというのなら、して頂いていいのじやないかというような考えを持つものであります。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 只今平島議員から、地元のほうから礼状が来ておるということを伺つて、そういうかたもあろうと思いますが、私は地元の船主関係のものから、寄附の強制がありそうなので、実は困るのだということを私は訴えられておるのであります。勿論これは一部でございましようから、それが全部だとすることはできないと思いまするが、ついでにこれは文部省にお伺いをいたしますのは、現在いわゆる蛸の足大学として、非常に措置に困つている現状があちこちにあるのでありますが、これは設立当時、地元負担によつて設立をしたというようなことに相当大きな解決困難な理由がまつわつておるように思うのでありますが、恐らくこの神戸の場合には、そういうようなことはないと思いますけれども、何かり措置をしなければならんというようなときに、この地元の負担ということによる思わしくない影響ということについては、全然お考えを頂く必要はないかどうか、お聞きしておきたいと思います。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 従来学校施設の統合につきましては、困難を感じておりまするのは、むしろ従来の高等学校乃至師範学校等の沿革的な意味が大分強いように考えております。この神戸商船大学につきましては、もとよりこれは一校独立校として参りますので、そうした統合の問題は勿論考えられないと思います。又地元負担につきましても、地元が純粋にこの教育を盛り上げるという意味で御負担頂きますので、教育目的それ自身を阻害することはないだろう思います。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 神戸の設立と同時に、清水の大学もそのままに置かれておいてはならないということは、先ほど矢嶋委員も言われた通りでありまするが、その清水のときにおきまして、東京への移転説などともからんで、はかばかしい措置ができないことを私は非常に憂えるのであります。仮に東京に移転するならば、先ほどの水産大学の問題ではございませんが、いつになるかわからないというように、あいまいな見通しではなしに、はつきりとした見通しを是非最近に立てて頂いて、そうしてそれに対する予算措置も同時に考えて頂きたいのでありまするけれども、清水においてこれを完成するならば、どれほどの費用、経費予算が要るのか、神戸の場合には、四カ年間四億六千万という数字が出ておりますけれども、極めて不備な清水の現状を完備するには、どれくらいの予算措置が必要であるか。又そういう予算措置なりその他のことについて、どういうお見通しを持つておられるか、念のために伺いたいと思います。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 清水は、とにかく今の設備で教育は続けられる施設でございますけれども、建物としては続けられるのでございますが、外論将来かけて考えまする場合には、恒久の不燃性建築が必要でございます。それをいつどう計画するかという問題は、只今言及せられました東京の旧校舎に移るという問題の帰趨を待つて考えた、と思つております。併しおよそこういう建物施設でございまするが、このくらいの規模のものを完全な不燃性建築といたしますれば、およそ六億程度になるのじやないかと我々は考えております。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 六億ほどかかるとおつしやるけれども、何年間に完成されるおつもりなのか、それも念のために伺いたいのであります。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) それは清水の商船大学の元ありました越中島の校地、校舎を使います場合に、それと清水と相待つて使うか、或いは越中島のほうに更に充実するかというようなことは、この校地、校舎の帰趨を待つて計画する予定でございますので、お話のような年次計画等につきましては、まだ我々といたしましては成案を得ていないのでございます。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 主計局長がお見えになりましたから、御質問のかたは……。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 主計局長にお伺いいたします。このたび神戸の商船大学の新設に当りまして、予備金から本年度八千五百七十二万円、四カ年計画で二億六百二十万円国庫支出されているわけでございますが、予備金の三十億からこういう支出をされるということは曾つてあつたのでございますか。又あの予備金の性格というのは、こういうあり方は今後も予想される望ましき形なのかどうか伺います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○政府委員(河野一之君) まだ予備金支出はいたしておりません。これは一応神戸商船大学を作りますと、どの程度の金が要りますか。これは大体文部省と御相談申上げているのでございますが、現在国立学校の予算もございますので、一応この中からお使いになつて頂くということもできると思います。その不足分については、今後適当の機会において、或いは補正その他も考えられます。いずれ又或いは予備金ということも考えられますが、この点につきましては、幾ら何するかということはわかりません。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 今途中で雑音が入つたので、はつきり耳に入らなかつたのですが、これは重大な発言だと思うのです。発議者を代表して、平島議員は、予備金から支出が明確化されている。文部省の答弁もそうなつている。只今の主計局長の、これは相当信頼に値する発言だと思いますが、それによりますと、国立大学の予算もあるから、その中で何とかされるだろう。それで不足の分については考えなくちやならんが、その場合に予備金支出ということも考えられるであろう。こういう御発言は、発議者並びに文部政府委員の答弁と、主計局長の答弁とはあまりにも懸隔が大きい。一番重大なととろでございますが、平島議員は発議者を代表一して答弁を頂きたい。

平島良一自由党

○衆議院議員(平島良一君) 私は大蔵大臣と交渉いたしたのでありますが明らかに予備金から支出されることを聞いております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 文部省は……。困りますよ、はつきりしておかんと。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 昨日東条次長と共にお答、えいたしました通り、既定の国立学校経費に影響せしめることなく、将来予備金を以て考慮せらるべきものだと考えております。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○政府委員(河野一之君) 少し私の言い方が誤解があつたかどうかわかりませんが、私は、現在これを進行させる上において、国立学校の予算が一応ありますから、それで以上て支出されることは何ら差支えないことである。併しそれがために、現在の国立学校の予算に影響を及ぼすようなととはいたしません。これははつきりいたしております。その不足分を予備金で出すか、予算で出すかという問題は、現在すぐ要るものは予備金を出さなければいかん。併しその予備金の額を幾ら出すとか、例えば三億なら三億要るものを一億出すか、或いは二億出すか、そのうち補正予算を組むという機会がありますれば、三億のうち予備金を取つた残りを補正予算にしてもいいのでありますから、その全額を予備金で出すかどうかということについては、そのととはその後の情勢によつてきまることであります。併しこのことによつて、般の学校経費に影響を及ぼすということは考えなければならんと思います。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 と申しますのは、国立学校の予算はあなたがたの査定のときに収縮されて、もうこれ以上、現在でも支障があるし、これ以上減額になつた場合には、絶対に教育は続けて行かれないという状況でございますから、現在の国立大学の、国立学校の予算内から余剰が出るということは考えられないわけです。従つて神戸商船大学新設に要する費用は、その費用は実質的には予備金から支出するところの用意がある、その確約がなされているものだ、こういうふうに了承して差支えないわけですね。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○政府委員(河野一之君) 国立学校の予算には、俸給もあれば物件費もあり、いろいろあるわけであります。そうすると、その部分が年度内にずつと十二カ月使われるものが今全部使われるわけでないのでありますから、俸給につきましては、現在国立学校の俸給を使つておけば今すぐでも使えるわけです。併しそれでは足りなくなりますので、それについて補填の措置は何かいたさなければならない。こいつは補正予算というものもあるし、それから今直ぐどうしても支出しなければならないものならば、予備金ということも考えられる、こういうことであります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 私のお伺いしておる点は、神戸商船大学設立に必要なる予算、それは年度当初に出そうが、年度末に出そうが関知しない。予算は結局予備金の三十億円の中から出るのだと、そういうように発議者も答弁し、文部省もそれを了承しておるというわけでございますので、この点を主計局長に確認を求めておるわけでございます。(「確認か」を呼ぶ者あり)

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○政府委員(河野一之君) 私の申すことが何か了解願えないのかどうかわかりませんが、仮りに三億なら三億というものが要るとしたならば、その三億を全部予備金から出すというふうにするのかとおつしやるのですと、その点は必ずしもそうだというふうに今確約をしようとするわけではありません。ただ三億要るとすれば、これは補正予算なり、予備金なり、何らかの措置でそれは全部出しますということは申上げられると思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それに関連して……、そうすると何ですか。補正予算を組む可能性もあるというわけですね。池田蔵相は、補正予算を組まないとしばしば、何回言明したかわからない。二十七年度は組まないということを言つておるのをあなたも御承知だと思う。それを前提として我々も予算を審議したのです。これはどうなんですか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○政府委員(河野一之君) 将来補正予算を組む場合があつた場合は補正予算で行く。組まなければそういうことも……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 現在政府の態度は変つたんですか。すでに予算が通つて一カ月たつて豹変したのですか。そうでなければ、現在は組まないということになつておる、そうでしよう。そんな先の来年度のことを言う必要はない。先に行つてのことは、これはどうなるかわからない。我々は、そのことも予算の討論のうちにはつきりして置いたわけです。池田蔵相は如何に言明しても、今まで、三、四年の予算編成方針を見るというと、補正は組まないこういうことを当初予算ではしばしば言明しながら、そうして実際問題として組んで来たのが実情ではないか。こういうことを念を押したのであるが、それに対して、いや組まない。只今のところ組めない。只今のところが曲者だと言つて、我々は追及した。ところがそう言明してから一カ月もたつていないのに、或いは組むかも知れないと、組む場合には組むということで、又言葉が変つたんですか。そこのところはどうですか。明瞭にして置いて下さい。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○政府委員(河野一之君) 私は、補正予算を組むことは一言も申上げておらないと思いますが、若しそういつたような事態があつたときに、仮の事態としてその三億円という金を、十二が月の間に要るのを、今三億出さなくてもいい。要るたびごとに予備金支出を何回かやつてもいい。今までの例において、そのときの状況によつていろいろ考えます。予備金から、三億なら三億要るものを、この際直ぐ出すのだということは、今後如何なる情勢の変化があつても、すべて予備金でやるというのだというふうに約束ずけられても、その通り行くかどうかわかりませんが、併しそれがために一般国立学校の経費を侵蝕すると申しますか、そういうことは絶対考えておりません。こういうことを申上げております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そんな不確定要素の上に立つておるのですか、この予算は。先に行つて予算の流用も考えられるかも知れない、これは補正で行くかも知れない、併し全部予備金で出すことはきまつていないという今あなたの答弁の趣旨であつたと思う。そうすると、先に行つて組むか組まないかわからない。併しこれは、蔵相はしばしば参議院予算委員会において補正は組まないと言明した。そういう情勢の変化はまだない。そうすると、不確定の要素の上に立つて、そういうふうになるかも知れないという形で……、そういうふうなものだというふうに理解していいのですか神戸商船大学の予算的措置というものは。そういうような非常に曖昧な、実に先に行つていろいろ解釈されるような態勢の中において予算的措置がされているのだと我々は確認していいかどうか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○政府委員(河野一之君) 私は何も曖昧だと思いません。この経費については何らかの措置を講ずる、予備金なら予備金で。予備金と申しましても、今申上げますように、一時に出すこともありますし、次々に出すこともありますから、例えば建物を建設する場合に。おいて、翌年度にかかるものなら、予算は国庫債の負担行為でも行けるわけでりますから、そういつたいろいろな措置が講ぜられるわけです。明年度の建物だつて、今年度に契約することもあり得るわけでありますから、そういつたいろいろな措置で以上て考えるということを申上げておきます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、普通の予算というやつは、年度予算を見るというと、ちやんとその年のこれは項目に対してはつきりしたことでしよう。あなたのような、今のような解釈で、先に行つてどうなるかわからないし、むしろ要らなくなるかも知らん、そのときにはこうこうこういうようにするのだということで予算というものは組まれた性格のものではない。そうすると神戸商船大学に関する限りは、実に不安定な、あいまい模糊とした、つまり、河野主計局長の舌一枚の上にかかつておるような答弁です。そういう内容しか持つていないものだと確認してよいのですか。それでいいのですか。それはどうなんです。提案者との食い違いがあるが、

平島良一自由党

○衆議院議員(平島良一君) ちよつと川私から申上げます。私と大蔵大臣との話合いでは要するに文部省の今の大学の予算に関する者は、これは増減を許さないぎりぎり一ぱいのものでありますから、それから出すというわけには行かない。文部省に余つた金があるはずがないから、出せないから、どうしても出さなければならない場合の予算は、予備金で出さなければならないということを言うておられるのでありまして、私どもはそれを端的に申上げたのでありますが、大蔵省の事務当局として、主計局長といたしましては、予算を技術的に見ましたときに、ああいうふうに答弁するより仕方がないのではなかろうかと考えられるのでありまして、決して出さないとは言うておらないのでありますから、要るものは出すということをはつきり言うておるのでありますから、それをどういうふうなもので出すかという予算技術的なことを言うておるのだろうと思いまして、出さないということは言うておらないのであります。御了承願いたいと思います。

相馬助治日本社会党(第二控室・右)

○相馬助治君 学校の問題に関しては、財政の問題が最後になるといつでも問題なんです。それで主計局長に私は厳粛に聞きたいことがある。矢嶋君の言つたととは何かと言いますと、この法律案が成立されたときに、予算措置はどうなるであろうかということが終始一貫、本委員会における問題点であつたのです。そこで昭和二十七年度の予算はどういう話合いになつておるのかという質問に対して、発議者も文部省も自信を持つて答えていることは、これは現在の、即ち本年の当初予算の国立学校分を食い込みませんということが一つ、それから補正もいたしませんということが一つ、予備金の使途を以て、ほんの僅かであるから、ほんの僅かであるから、昭和二十七年度に限つてはそういう暫定措置をして、文部省並びに地元には御迷惑をかけませんというのが終始一貫した答弁なのです。それを河野主計局長はうつかりして、まあ矢嶋委員のあれに答えられた。答えられたのを訂正するのも業腹なものだから、(笑声)予算の使い方の技術的なことを言つて、これをカバーしようとしますが、私どもは、それは了承できないのです。同時に、発議者並びに文部省の答弁を聞いて、我々はそういう不安定な財政措置の上に立つて、こういう重大な法律案を出すなんということは、我々思いたくないし、又思わないでいたのです。従つてあなたの場合の言葉をそのままとるならば、皮肉に岩間君がとつているように表現しているのですが、皮肉でも何でもなくて、この法律案は非常に不安定ないわゆる財政予算の上に立つが故に、我々は考え直さなければならないということを意味しておるのです。それであなたは、前に使うとかあとに使うとかおつしやつているが、我々は、百円札で払おうが千円札で払おうが、そういうことを問題にしているのじやなくて、一体予算措置に対して、文部省との話合いはどうなつているのかということを聞いているのです。従つてはつきりお答え願いたい。即ち御迷惑はかけないということが第一点の答弁であろうと思うし、それからもう一つは、具体的に言いまするならば、僅かの金額でもあるから、予備金から支出することになると、こういうことであろうと思うのです。それから平島さんはカバーされるが、主計局長は属吏じやなくて、政府委員なのです。我々は、主計局長の言うことは大蔵大臣の言うことだと思うのです。従つて権威のある答弁をお願いしたい。あなたの答弁次第によつては、本法律案に対して基本的に考え方を変えなければならない、教育の振興のために。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○政府委員(河野一之君) 神戸商船大学を設立するについて、これがためにほかの国立学校の経費に迷惑をかけないということはおつしやつた通りであります。これもはつきり申上げておきます。それからこれについての財源、この経費というものについては、予備金等を以て措置するということになつておるのであります。予備金等ということになつております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、その点東条次長に昨日お尋ねしたのです。三つの方法があるのだろう。予算流用の場合、或いは補正、それから予備金、この三つのうち何をとるのだと言つたら、はつきりこれは予備金だと、こう答えた。予備金等などというあとの尻尾は附いていない。はつきりそう答えておられます。従つてあなたの今の答弁というものと食い違いがあるので、こうなれば、これはやはり責任者の大蔵大臣の出席を求めるほかなくなる。そうでしよう。主計局長と次長との間にはつきり食い違いがある。私はその三つの点をお尋ねしたのですよ、はつきりしないから。ところが東条次長はそう答えている。それであなたは、等などとおかしいことを言つておりますが、はつきりして下さい。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○政府委員(河野一之君) この問題につきましては、東条君がここへ出る場合に、私と打合せをいたしておるのであります。速記を見てでないと何とも申上げられませんが、予備金等と、予備金等という意味の中には、おつしやるような分子が入ります。併し大部分は予備金であろうと思いますが、幾ら組みますか、それを全部予備金だというふうに今からお約束をして、それで違つたじやないか。それは怪しからんとおつしやいましても、これは我々として、責任を以てこういうことをやつておる者としては、そう申上げざるを得ないのであります。その点を御了承を願いたいと思います。速記を見ませんとはつきりしませんけれども。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 而も東条君にはつきりと突いたわけです。東条君ははつきり答えておられる。皆さんもはつきり聞いたことだつたと思うのです。昨日の委員会で三つの場合を挙げたのです。予算流用の場合と、補正の場合と、予備金と、この三つのうちどれかというと、はつきり予備金だと答えられたのですから、食い違いがあるのです。法案を出す立場だつて、あなたたち先に行つて紛争が起つて迷惑になつたら困るだろうと思うのです。如何ですか。そこのところをはつきりして、つまり提案者においてもはつきりすべきことははつきりすべきだと思います。提案者どうですか。

平島良一自由党

○衆議院議員(平島良一君) 私は先ほど申上げました通り、予備金で支出されるものなりと考えております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 それでは質問を続けます。只今岩間君、相馬君から関連の質問がなされたようでございますが、この問題を質問するに当つて、私の質問に答弁するに当つて局長の最初答弁したときのお考えと、現在では少し気持が変つて来ておるように思います。(笑声)それで、お苦しいところ察するに余りあるわけですが、基本的には、他の国立学校には絶対に迷惑をかけない。重圧は加えないということだけははつきりしたと思うのです。それから発議者を代表しての平島さんがこの席上におられないが、大臣と確約がある。それから文部政府委員もそういう御答弁でありますれば、御不満の点は他の委員から追及して頂くことにして、私はそれで一応了承いたします。次にお伺いいたしたい点は、船員教育に当つて、施設、設備が不十分のために、近代的な面で非常に不十分な点がある。従つて具体的に申上げますが、五つの商船高等学校がある。その高等学校は非常に設備が不十分なので、三カ年計画をかけて、一校六千万円平均を支出して充実したい。こういう強い要望を出され、文部省を通じ、大蔵省に要求をいたしましたところが、あなたのほうで査定に当つてはこれを百万円に切つたわけです。それによつて、五つの商船高等学校当局は、独立後における海運の伸長を図つて行くに当つて非常に憂慮され、こういう見解をとられているわけです。その僅かの費用を出されなかつた大蔵当局が、ここに新たに四カ年計画とはいえ、二億六百万円、初年度においては八千五百七十二万円という国庫支出をされるのを私はどうも理解しがたいところがあると考えるのでございますが、こういう五つの商船高等学校の充実としてはどういうふうにお考えになつていらつしやるか、それを承りたい。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○政府委員(河野一之君) 数字を私具体的に存じ上げないのでございますが、商船高等学校のみならず、現在の大学の施設というものは、なかなか十分でないことは、私どもはよく承知いたしているわけであります。財政のいろいろな関係がありまして……。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 大きな声で言つて下さい。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○政府委員(河野一之君) できるだけ施設については、財政の許す範囲でできるだけ早急に充実したいと考えております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 形式的な答弁なんですがね。私はその比重をつけられた点については、はつきりした答弁がなければ満足できないのですがね。僅かに五つの商船高等学校についてこれだけの費用で施設しなければならない。これは数年来の血の叫びなんですよ。それがあなたさまの査定のときに打ち切られているのです。そしてここに新たに新設するといつて、これだけの多額の金が、三十億の予備金から年度当初に当つて出るということに、私はどうも理解しがたい点があるのですが、時間がかかりますので、もう一点お伺いして、私の質問を終りたいと思いますが、先ほど文部大臣に質問したのでございますが、曽つての高等商船学校における船員教育に当つては、授業料もかからず、それから全寮主義の教育をとつておりますので、寮費も取らない。衣服も貸与し、優遇して、そうして高級船員の養成をやつておつたわけですが、現在そういうものが全部やめられておりますので、全国から集まつた学生諸君は今日強制的に寮に入つて、アルバイトもできず、日本育英会の奨学金も十分受けることができずに、三分の一の学生は本当に困窮しているというのが実情だと、こういうふうに学校当局からこれは文部省にも報告されているわけなんです。これらを解決しなければ十分の教育はできないと、これも十分やるし、それにプラスして、神戸にも国費を投じてやるというならば、私は話がわかるけれども、そういう不十分なのをそのまま放置して、更にはさつき申上げましたような五つの商船高等学校の施設というものを、そういうものをそのまま放置して、そうしてここに新たに大学を作るということになりますと、予算の執行の面において分散いたしますし、私は懸念されますので、私は主計局長にこの際お伺いいたしたいのですが、まあ高級船員の養成に当つて、今申上げましたような隘路のある点について、今後御研究の上、この解決に積極的に努力されるところの御意思があるかどうか。御所見も合せて承わりたいと思うのです。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○政府委員(河野一之君) 商船高等学校、大学につきまして、昔のやり方、施設、寮であるとか、或いは授業料の問題等につきまして、現在相当変つていることは事実でありますが、当時と違いまして、現在育英会という奨学制度がございまして、こういつた学生について、殊に大学につきましては、相当優先して奨学資金を貸与している。こういう制度がある。これだけでは勿論十分でないと思いますが、御趣旨のような点も体して、できるだけこういう方面に金を注ぎ込んで行かなければならないと考えているのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は聞きたいことはたくさんあるけれども、成るべく早くやります。聞きたいことはたくさんあるので、端折つて行きます。その中で一番重要なのは、やはり今度の商船大学というようなことで、清水と神戸にできる。拡充されることになつているのでありますが、この根本的な教育方針、この問題につきまして、これは天野文部大臣の意見を質したいと思う。言うまでもなくこれは、戦争前、戦争中の日本の海船隊の行動につきましては、非常に世界がこれを注目している。どういう意味で注目しておつたかといいますと、言うまでもなく、日本はこれは労働強化した、その結果としてのソシャル・ダンピングによつて、これは世界市場というものをどんどん侵略して行つた。これが大東亜戦争の大きな経済的ゆえんだというようなことは、これは世界各国自他共に認めておるところだと思う。ここで商船隊を作つて、船腹増強に関する問題と、との商船大学という問題、この商船学校の教育方針というものは、非常に私はそういうような意味からして、新らしい時代にどのように対応するか。根本的な教育方針というものをどういうふうに打立てて、今までの世界の国、すでに或る国はもう始まつておると思いますが、日本のような海船隊の増強に対する一つの疑惑、或いはアメリカあたりの繊維業者の間からも日本のソシャル・ダンピング、それに関連したところのこういうような態勢についても、これはしばしば業者の中から、すでに日本のメイド・イン・ジヤパンの脅威を早くも復活している。こういう言葉で表現されているのは御承知の通りであります。又国連の経済社会部会におきましては、日本のこの労働強化に対しまして、非常に大きな問題が投げかけられている。こういう態勢において、世界疑惑の目の中にあつて、この商船隊を又増強するという計画に対しまして、この教育方針というものを根本的にどう考えるか。はつきりこれをここで国際的にも解明することが実に重要な意味を持つと思う。従つて文部大臣のこれは見解をここでお尋ねしたいと思うのでありますが、この点について、新らしい時代におけるところの海員の養成を如何にするか、こういう課題についてお答え願いたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 海員と雖も人間なんですから、皆人間的な教育をするということにおいては、ほかのほうと何も変りありませんが、併し特にこの海員というものは、世界のどこにでも行くので、この意味では、外交使節のような意味も持つておりますから、特に教養というようなことに重きを置いた、ただの技術というだけじやなく、教養を持つた立派な人間をここに育成したいという考えでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、そういう抽象的な論議をお伺いしておるのではなく、問題を具体的に提供しておる。これは昔の日本の労働強化、あの商船隊のソシャル・ダンピング、商船隊の行動に対して世界の疑惑があつた。それを戦後においてどのように一体その疑惑を解くために努力するか、そうして再びもつと具体的にお聞きすれば、竿頭一歩を推し進めて、再びそういうことを繰返さないように、教育施設に、或いは教育方針のために、如何なる具体的方策を有するか。こういうことをお聞きしておる。むしろ具体的にその点をお答え願いたい。一般的の抽象論をお聞きしておるのではありません。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は、文部大臣に基本的なことをお尋ねだというから、基本的なことをお答えしているわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 日本の貿易政策について世界がどういうふうな輿論を持つておるかということは、文部大臣少くともこれは御存じだと思う。従つて具体的に言えば、教育一般の方針だけじやなくて、これは人間の教養というようなこととか、どういうように学校をするとか、そういうことではなくて、商船隊の上級幹部になるところの船員について、どういう具体的な方針をお持ちになつておるか。而もそれでは若し抽象的なお答えになるとまずいですから、再び世界の疑惑、この疑惑に当てはまるようなことを繰返さないために、如何なる具体的措置がなされておるか、この点についてお伺いしておるんですから、この点についてお答えにならなければ、これは少くとも商船大学の根本的な教育方針というものが、文相においてはおつかみにならないという結論にならざるを得ない。私はその点を質問しておるのです。これをお答え願いたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) どうも私には、岩間さんの御質問の趣旨がよくわかりません。要するに私などは、人間として立派な人間をここに作り出す。ただ一個の技術者というのではなくして、立派な人間を作り、世界のどこに行つても、その船員が信頼のあるよろな人間を作るというのが教育の基本理念だと私は考えます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それはあえて商船大学でなくても人間として立派な人間、世界のどこに行つても通用する、そういうような人間を作る、これは普通の一般の大学でも言えることだと思う。特に商船大学として、戦争中、戦争前今言つたような具体的問題があつたのだから、これを少くとも除去する具体的政策がなければ、これは新らしい性格の私は商船大学と言うことはできないのです。文相、私がお聴きしておるその要点、おわかりにならないのですか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私の答えるのは、文部大臣として教育の方針を述べておるのでありまして、教育の方針を私は問われておるから、教育の方針  を答えておるのです。それはどこでも皆そうだと言われるけれども、勿論だから先ほども、すべて教育はそういうもので、特に外国に行くのだから、それに必要なさまざまの教養をよく身に体するようにしよう。教育の立場からはそういうことなんです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 具体的に、再びああいう過誤を繰返さないように措置しなければならん、漠然とした、そういうことを考えていないのですか。ないのですか。具体的に用意がないと解してよろしいんですか。どうなんです。それは、少くともその措置について考えなければ、新らしい時代の商船大学になりませんよ。そうでしよう。教育基本法とか何とかいつても……。具体的にどう誤まらしたというのですか。私はそれは例を挙げたじやないか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) ダンピングとか労働強化ということは、私どもの所管ではないことなんで、私は教育を預かつておるので、教育の立場から言つておるのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 驚くべき御答弁を頂いたわけであります。私たちは、産業と結びつかない、そうしてそういうような具体性を持たない教育というものについては理解できないのです。而もこれは、商船大学というものは、相当技術とか専門的知識、そういう点を養われるためにおやりになるんでしよう。そういう点がなかつたら、それじや一般の大学でいいじやないか、そういう結論になつて来ると思う。特別にそういうような具体的技術をやらなければならない。そういう技術の中で、今言つたような戦争前、戦争中に起つたような点について、特にそういうことを繰返さないように教育、こういう点について、教育の方針を特に重きを置くという点がなかつたら……、どうお考えになりますか、提案者にちよつとお聴きしたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 商船大学であるから、商船の技術をやることは当然のことでございます。ただそれをやるのに、ただ一個の技術者を作るというのではなくして、同時に人間として立派な人間を作つて行きたい。あなたの言われることは、ここにおる周囲の人は誰もわからんといつております。(笑声)

平島良一自由党

○衆議院議員(平島良一君) 岩間君の言われるのは、そういう商船隊がたくさんできた場合に、日本の商品がどんどん外国に出て、ソシアル・ダンピングをやるのではないか。そういうようなことでは日本の信用をますます阻害するのであつて、好ましくないとおつしやるんだろうと思いますが、それは御尤もでございます。併しながら今の日本の状態においては、それだけで私は商船隊が十分なりとは絶対に考えないのであります。これはどなたもお思いになるだろうと思うのでありまして、これを海国日本である日本の再建ということを考えまするならば、私は三百八十万トンくらいではまだまだ少いのであつて、どんどん造船計画というものを立てて行かなければならんと思うのでありますが、それが直ちにダンピングと結び付くとは私ども考えておらないのでありまして、そういうことのないように、国際場裡に立つて日本の経済を考え、貿易を考えて教育されるものと私は考えておるのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 前の文部大臣の御答弁でありますけれども、(笑声)やはり私の質問には答えて頂いていないのを残念に思います。私はそういう点について、むしろ量よりも質の問題についてお伺いしたはずでございますが、実際具体的にはお答えがない。それでもう少し教育方針の中でお聞きしたいのですが、今申しましたようなソシアル・ダンピングの具体的な手足として動いた商船隊の行動というのは、やはり戦争の大きな誘因になつたのだと思う。これは世界の認めるところだと思います。従つてそういうような事態を再び繰返さないために、当然日本の貿易政策の問題として関連して来るのでありますけれども、そういう船員たちは一体、飽くまでもこれは平和貿易という建前に立つのである。或いは又戦争に依存するような経済政策の一環としての貿易政策というようなものは、相当これは現在の情勢だと、進みかねない事態が生じて来ておるのであります。そういう点から考えますと、私は飽くまでもこれは平和に立脚したところの、いわゆる平和産業の無制限拡大というような形で以て、どこどこまでもそういうような政策の精神を深く入れておくか、或いは又止むを得なければ、一方では遮断しても、一方では戦争的な経済的な体系の中でも役割を果して行くのだ。こういうようなことで進めて行くかということが非常な基本的な重要なことになるのであります。従つて今度の教育方針の中で、一体そういう点をどういうふうに徹底させるようにお考えになつておるか、これは天野文部大臣に……。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) そういうことがよくわかるというのが、私の言う教養ということです。

木村守江自由党

○木村守江君 議事進行についてですが、大体質問も終了したようでありますから、この辺において総括質問を打切ることの動議を提出いたします。(「早い」と呼ぶ者あり)

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 岩間さん、簡潔に話して下さい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 簡潔にしておる積りですがね。具体的にお聞きしますが、飽くまで平和産業の無制限拡大によつて、あらゆる地域とこれは交流して、そうして貿易を平和産業と結び付けてやつて行くというような点について、これは徹底的に教育するのか、それともやはり一方に遮断、具体的に言いますと、大陸なんかと遮断してしまう。そうして南方のいわば自然に反した船賃の高いという所と結び付ける、こういうような建前の中で船員を教育するかどうかということは……、(笑声)大分この辺でお笑いになりておるかたもございますが、この問題が解決されなければ、これは今後の新らしい大学の制度としては、実に重要な問題だと思う。そういう点をどうふうにはつきり船員に教育するか、そうして具体的方策はどうか、こういうことをお聞きしておる。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) そういうことは国家の方針で国家できめることであります。けれどもどこまでも平和的精神で以てやるということは当然のことである。而して国家の方針にはどういうふうに即応して行くかというようなことがわかるということが私は教養だと言つておるのです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 国家できめるのです、国家の政策と結び付かない教育というものはあり得ないと思う。馬鹿げたことを言う。産業と結び付かないなんというそんな抽象的な大学なんというものがあるか。たわけたことをおつしやつてはいけない。その中で私はお聞きしておるのですよ。具体的に、殊に産業と最も縁の深い関係を持つ貿易政策、この商船隊がその中でどういうふうに今の問題を努力するかです。そうすると吉田内閣の貿易政策は例えば近いところの中国との貿易というような問題についてどういうふうに具体的に教える、或いは又南方と結び付かなくちやならないという貿易政策についてどういうふうに教える、そういうところの教育方針が具体的にこれは示されなければならない。飽くまでこれは吉田内閣のとつているところの、いわゆる一方は大陸は遮断する、そうして南方地域と結ぶ。或いは遠いところの地方から高い物を高い船賃で買つて来る。こういう政策を止むを得ないものだと言つて、どこまでも教えて行くものであるのかどうか。具体的に……。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 要するに国家の方針になりますが、そういう国家の方針というものにも、一個の市民としてどう対処するかというようなことですね。そういうようなことをよく数えて行くということが教養を持つことだと思うのです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それだから、教育の面には、具体的にそういうような現実的な政策と結び付いて、そこから要請されて来る面があると思うが、もう一つは学の自由と、いう面から、当然それに対しまして基本的に、新らしい日本としてはこうなくちやならん、船員はこうなくちやならん、そういうような理念、この現実と理念との闘いだと私は思うのです。そういう点から考えて、例えば吉田内閣が仮に変るかも知れない。これは半年後に変るかどうかわからないが、変る。そういうことにも耐えて、新らしい日本のこの立場をどこまでも追及して進んで行ける、そういうような基本的な私は同時に教育というものがなされなければならないと思うのですが、それは言うまでもなく、平和に結び付いたところの教育が日本の憲法のありかたとしては当然だと思う。そういう形で以て具体的に教育をはつきり打ち立てるための努力をなされておるかどうか、こういうことです。こういうことは如何ですか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 要するに今は吉田内閣なんですから、吉田内閣の政策、考え方でやつて行きますが、学校は学問ということを主として行つて、学問の研究批判というようなことを商船学校といえどもやつて行く。だからしてそういう政治的なことにはとらわれず、できるだけとらわれないで、研究批判という立場からやるというようにして行くのがカルチユアー、教養なんだと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは抽象的なお答えですな。実際は教則だとか、そういうものを見せて頂けば一番いいのですが、これはもうできておりましような。これは稲田局長に答弁願いたい。商船大学のいろいろな教科課程だとか、その中のいろいろな精神、どこに象徴するとか、そういうようなものはできておりましような。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) お話のような諸点は、学長が任命せられまして、学長が大学管理機関によつて決定せられるものであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 文部省ではないのですか。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 大学に関しまするそうした種類のものは、大学自体がきめます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 指導方針はないのですか。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 大学の教育研究の自由に基きまして、大学それ自身が樹立いたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 何らそれに、基本的な方針としては文部省は関知しないという御意見ですか。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 大学設置審議会が審議いたしまする一般的な、例えば航海課であればどういう講座があるか、講座組織があるか、それについてどういう施設があるかというような点につきましては、勿論設置者たる国が考えますけれども、教育方針それ自身は大学それ自身がやります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 教育行政の立場からどうです。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 教育行政の立場では、そういつた施設の設置者たる国がいたしまして、学問研究の自由が行われます素地を形作るつもりに考えております。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 他に御発言はございませんか……。本案に対する御質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 御異議ないと認めます。  ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 速記を始めて。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正の御意見もございましたら、この際お述べを願います。

堀越儀郎緑風会

○堀越儀郎君 私は、本法律案に修正案を提出いたします。その修正案を朗読いたします。   国立学校設置法の一部を改正する  法律案の一部を次のように修正する。   附則第二項を次のように改める。  2 行政機関職員定員法(昭和二十四年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。    第二条第一項の表文部省の項中「六二、五二八人」を「六二、五八八人」に、「六〇、九六一人」を「六一、〇二一人」に、「六二、九七四人」を「六三、〇三四人」に、同表運輸省の項中「一三、八二九人」を「一三、八一七人」に、「二八、一九四人」を「二八、一八二人」に、同表合計の項中「八四一、六一九人」を「八四一、六六七人」に改める。  修正理由といたしまするのは、本修正案は、本法案の附則を修正しようとするものであります。即ち本法案附則第二項中の改正につきましては、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案が参議院において修正される以前の法律案と、現在内閣委員会で審議中の文部省設置法の一部を改正する法律案とを基礎として作られたものでありまするが、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案は、前述のように参議院の修正議決通り通過し、文部省設置法の一部を改正する法律案は、未だ内閣委員会において審議中であります。従いまして行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、昭和二十七年法律第百十五号を基礎として修正いたすものであります。

相馬助治日本社会党(第二控室・右)

○相馬助治君 私は只今議題と相成りました国立学校設置法の一部を改正する法律案に関しまして、只今堀越儀郎君提案の修正案並びに平島良一君提案にかかる法律案のうち、堀越君提案の部分及びこれを除く部分について、即ち原案について、社会党第二控室を代表いたしまして、賛成の意思を表明するものでございます。御案内のように、我が国が独立後におきまして、国家の再建の道として、当然に自立経済の充実を図り、これがためには、産業の発達がその基本的な要件でありまして、我が国の地理的環境等に鑑みまして、この際急速に海運事業を発展せしめるために、近代的な商船隊の編成が緊急の要務であろうと存ずるのであります。かような意味合におきますることを第一点とし、第二には、神戸の立地条件並びに財政負担に関しまする地元の熱意等の点に鑑みまして、この際国立学校設置法の一部を改正して、神戸に商船大学を設けることは当を得たものであると考えるものでございます。但し私どもが討論の過程において明らかになりました点に鑑みまして、次に述べまする五つの点について、私は十分なる政府の努力を要望いたしまして、賛成の討論とするものであります。  第一点は、発議者の提案によりますれば、昭和三十年度の目安として、凡そ三百八十万トンの商船を造るという計画の下に、商船大学の必要を力説いたしております。逆の言葉を以ていたしまするならば、この年度までに三百八十万トンの造船計画が政府の計画通り進行し得ない場合におきましては折角養成した、商船に使うところの高級船員の行先について問題を引起し、俗に言う河童が水から陸に上つた誹りを免れ得ないと思うのでありまして、この点に関しまして運輸大臣に対する質問によつて明らかになりましたことは、今のところの進行状態においては、この見通しは達成し得るものであり、なおもう少し速度を早めて完成期に向いたいと申しておるのでありまして、これらの点に関しましては、造船計画については、国家財政の許す限りにおいてこれに力を注がれることを要望したいと思うのであります。  第二には、差当り船員教育のために必要でありますることは、現在船腹の増強に伴つて、極度に必要とされておりまするのは差当りどうして優秀な船員を充足するかという問題であろうと存じます。この観点に立ちまするならば今商船大学を作ることよりも、むしろ再教育のためにこそ国費を多大に支出しなければならないと私は主張いたしたのでありまするが、これに対しまして政府は、再教育については、神戸大学新設の如何にかかわらず、十全なる努力をする二とをここで確言されたのでありまして、再教育に関しましては、特に想を新たにされて、財政的な規模の許す限りにおいて、現に再教育を受くる者のために財政援助を大幅に与えて、これが完成を期すべく努力されたいと思うのであります。  第三の点は、国立学校の設置法というこの重大なる法案が、政府提案にあらずして議員提出を以てここに出されたことを我々は問題としたのでありまするが、財政的な裏付の点について、政府が将来心配なしと太鼓判を押すならば、我々といたしましては、議員提出そのものに問題のあろうはずはないのであります。ただ討論の過程において、特に本日の主計局長の言明において我々が感知し得たことは、果して文部省と大蔵省とにおいて十分なる話合があるのであろうかという疑念を持つたのでありまするが、これに対しましては、特段に文部大臣が、今後国家財政の面において、これらの確言の実現方について努力することを私は要望して止まないものであります。  第四点は、この法律案が成立いたしますると、神戸市は四カ年間に亙つて二億五千万円という巨額の地方財政支出を余儀なくせしめられるのでありまして、現在の地方財政の逼迫状況その他を勘案してみまするときに、これは容易ならざる負担財政であろうと思うのであります。従いまして、当然起債という問題が起きるかと思召のでありまするが、大蔵当局の説明によりますれば、この問題についても能う限りの協力をすると申しておるのでありまして、これらの点について一も一つ、それらの言葉が不渡手形でないことを私は強くここで釘を刺して、政府にその実現方を要求しておくつもりであります。  次には、折角清水にありまするところの大学、これに対して今般神戸に大学を設けるということは、学閥その他思わざるトラブルが将来予想せらるるのではないかということを我々は問題といたしましたが、この問題は、別な角度を以ていたしまするならば、二つの大学が相励まし合つて、その学術を磨くという利点も又認められると思うのでありまして、問題はかかつて、財政的措置がこの両大学に対して十分にとられるであろうかどうかというところにかかると思うのでございます。  以上要しまするに、船員教育というものは非常に大切なものであり、将来の日本の運命を決するものでもあろうと思いますると同時に、船員は国民外交使節としての役目を持つものでありまするが故に、特に政府におきましては、この法律案の示す目的並びにその趣旨に従つて十分なる努力を今後払われることを要請して止まないものであります。  要しまするに、私は本大学設立については、最初多大の疑念を持つたのでありまするが、政府当局の答弁に信頼し、大蔵大臣並びに文部大臣の努力を要望いたしまして、本法案に対し賛成の意思を表明するものであります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 私は、海運の発展と貿易の伸張を念願する意味におきまして、如何なる入にも人後に落ちるものではございません。只今議題となつておりまする修正案を審議して本日まで参りましたが、その審議の過程において、理解できない点が多々ございました。併しながら本案が衆議院の全会一致を以ちまして議員提案になつておるという点におきまして、衆議院の提案者諸君に敬意を表すると共に、特に本法律案の成立に当つて熱意を持たれておるところの平島、若林両君の熱意に共鳴し、その信頼の下に、本修正案を含む法律案に賛成の討論をなさんとするものでございます。  以下若干の意見と要望を申述べたいと存じます。  先ず申上げたいことは、文部省の態度でございます。私は、審議の過程においていろいろ質しましたが、高級船員の養成について、確たる基本方針を持つていないという点に遺憾の意を表明します。と申しますのは、二十七年度の予算が確定する以前において、すでに文部省から清水の商船大学に対しましては、昭和二十七年度において二百四十名の採用をしたいというところの通知を出しておりまするし、なお昭和二十六年度においては、定員百六十名に対して二百名の採用をやつております。更にこの法律案が出て来る以前というものは、文部当局、更に船員教育に従来携わつておつた運輸省においてはその必要性を認めずに、清水の商船大学を育成して行くと、それと運輸省の所管であるところの神戸にある海技専門学院の施設の拡充によつて、高級船員を確保して行くと、こういう基本的な立場をとられて来たように私は了承するわけなのであります。それが本日議員立法において、こういう大学が設立されることになつておる現段階において、文部省が当初の見解を異にして来た。こういうところに私は一貫性を欠く点を遺憾の意を表明いたしておきます。  次に申上げたい点は、審議の過程において、発議者は、後ほど取消されましたけれども、地元負担の二億六百万円、その一部は船主が寄附するようになつているということを一応答弁なさいました。更には先ほど審議の過程において、高橋委員は、某船主から寄附を強要されておつて困るという発言があつたわけでございます。更には船員教育を一元化してはどうかという質問に対しまして、稲田大学学術局長は、再教育は船主との関係もあるので、これは文部省に移管しないで、運輸省の現状のままにしておいたほうがよろしい、こういう御発言がありました。ここから私は感ずるのでございますが、商船教育におきましても、私は教育の自主性というものは絶対に必要だと考えます。従いまして、今度設立される大学は、二億に余る半額は地元負担になるわけでございますが、断じて教育の自主性を侵害しないように、関係者において十分注意されるよう要望すると共に、船員の育成が船主と非常に関連性があるという立場において、船員教育というものが常に船主から牛耳られている形が私はあると思う。更にこれを発展して論ずるならば、我が国の海運政策というものが、若干船主協会あたりに左右されている面も否定できないのではないかと思う。そういう立場から、今後の我が国の海運政策というものも、国家的な立場から確立するように要望するものでございます。上げましたように、この商船高等学校にしろ、或いは新設される大学を含む二つの大学の教育にしろ、これは特殊的な面がたくさんあるのでございまして、こういう学校に就学しているところの学生生徒諸君は、非常に経済的に困つております。将来我が国が大洋に海運の伸張を期して行くに当りましては、優秀な素質を持つところの学生生徒諸君を吸收しなければならない。こういう立場から、先ほど質疑応答に、天野文部大臣並びに主計局長の発言がありましたように、こういう学生の教育に十分の国庫負担をなされるように処理されることを要望いたす次第でございます。  次に申上げたい点は、この神戸商船大学が発足した後の大学のあり方、並びに管理運営の点でございます。と申しますのは、神戸におきましては暫定的に海技専門学院、これは運輸省所管であり、神戸商船大学は文部省所管である。こういう監督者の系統の違う二つの学校が、而もその学校に学ぶ学生生徒諸君は、一方は妻帯者が多く、一方は新制高等学校を卒業した若い生徒諸君である。こういうような教育機関が同じ場所、同じ建物の中で教育を行われておるという点につきましては、よほど意を払わないというと、私は由々しき事態が起ると考えまするので、その管理運営の面に十分の助言と指導とを与えて頂きたいと同時に、神戸商船大学と清水商船大学の対立意識の緩和につきましても、然るべき処置を強く要望する次第でございます。  最後に要望いたしたい点は、私は先ほど質疑もいたしましたが、やはり船員教育というものは、文部省に一元化されるのが適当だと、こういうように私は考えるものでございます。昨日運輸大臣に質問いたしましたところが、運輸大臣は、現在海技専門学院を文部省に移管するつもりはないという答弁がございました。本日稲田大学学術局長の発言によりますと、急速に増大しつつある船腹、これに応ずるために、再教育を現在急速にやらにやならん、この急速にやる段階においては、運輸省において所管するのが適当であるが、漸次にこれが平常化された状態においては、再教育というものも文部省所管で行くのが適当だ、こういう内容を持つところの答弁をされましたが、この点については、私は同感の意を表明するものでございまして、やがて設置されるでありましようところの大学院、或いは海技学院から下級船員の養成機関、これらをすべて一元化して教育を遂行されるのが適当だと考えまするので、それらの面につきましても十分検討善処されるよう要望いたす次第でございます。  冒頭に申上げましたように、審議の過程においてはいろいろと理解に苦しむ点があるのでございますが超党派的に、衆議院の議員提案でございますし、提出者を代表されまして、平島委員が誠意あるところの答弁をなされておりますので、その信頼に応えまして、私はこの法律案に賛成の意を表した次第でございます。

堀越儀郎緑風会

○堀越儀郎君 私は緑風会の一員として、衆議院が提出しました修正案を含む議案に賛成いたしますが、次の諸点について提案者並びに政府に強く要望しておきたいと思うのであります。  その第一点は、先ほども述べられましたが、両校の学閥の問題であります。提案者も政府も、その点に問題の内容を善処するように質疑応答の中に弁明があつたのでありますが、私が聞いている範囲においては、それに反対する相当の意見も我々の耳に入つておるのでありまするから、将来海運日本の発展のために、この学閥の問題は十分留意されて、交渉されるように御努力願いたいと思うのであります。  次は文部大臣に要望したいのでありますが、大学の濫立を避けて頂きたいということであります。大臣が就任された早々、余りに大学の多いこと……、弱小の大学を整理して若干の非常に基礎の強固な大学にしたいという意見を、これは個人的にお述べになつたのであろうと思うのでありますが、私は賛成であります。併しながら非常なる政治力がない限りは、この問題は実現が不可能なのでありまするが、将来同じ考えを以てお進みになりまして、必要不可欠な場合、又将来の日本教育の問題から考えて、特に必要であるという場合以外は、そう簡単に大学を設立されないよう、基礎の確立、充実をお図り頂きたいということを特に要望したいのであります。  それからその次は、船員再教育の問題にからんで、運輸省との関係であります。昨日の運輸大臣の答弁にも、多少の含みはあるように私は了承したのであります。昨年商船高等学校五校を文部省に移管いたしましたときにも、将来運輸省と文部省との間に摩擦があつてはならない。円滑に移管が進められなければならないというので、文部大臣、運輸大臣両大臣から覚書を本委員会として頂戴した記憶を持つているのであります。今日それほどのことをしなくとも私はいいと思うのでありまするが、将来この船員再教育という問題と、新らしく教育する船員との問題にからんで、文部大臣と運輸大臣との問に円滑に行きまするように、特にこれは運輸大臣なり、文部大臣に要望してやまないのであります。  それからもう一つ、清水の商船大学を拡充すれば、神戸のほうは要らないという議論も相当聞いているのであります。併しながら将来の日本の海運のために、又地方的の問題から考えて神戸の商船大学を設けられることは反対ではないのでありまするが、それがために清水の商船大学の運行が遅れるというようなことのないよう、特に十分当路者に要望いたしたいのであります。  最後に負担の問題でありますが、この四億円というものが四カ年で計上されておりまするが、その半額が地元負担ということは提案者からも承わるのでありますが、四カ年といえば、相当な負担を地元が負担することに相成りまするので、この点について決して無理のないよう、十分な御留意を頂くよう要望いたしまして、本案に賛成する次第であります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、日本共産党を代表いたしまして、この法案に反対するものであります。  反対の理由はいろいろあるのでありますが、これを簡単に要約して申上げたいと思います。  先ず第一に、この商船大学が作られまして、高級船員が増員される、こういうことになるのでありますが、当然これは、現在進められておりますところの吉田内閣の貿易政策、それに伴いますところの造船計画、そういう形で、これはのつぴきならない関連を持つて来ることは当然だと思うのであります。そこで現在の貿易政策そのものがどういうことになつておるか。これはすでに私の多く指摘する必要もないのでありますけれども、関西の例を見ればわかる。いわゆる最も距離的に近いところの中国と遮断する。或いはソヴエート圏と遮断ずる、こういう形で、最も安い原料と短時間に、安い船賃で入れる。そうして国内の生産をそれによつて安いコストにする。従つて国際貿易のうちに太刀打ちのできる態勢を整えることができる。そういうような条件のあるにもかかわらず、これを遮断して、わざわざ進んで、そういう南方誌地域と結んで、そのために高いところの原料、二倍、三倍に亙るところの高い原料を、又高い船賃で以て押しつける形で以てこれは輸入しておる。こういう政策をとつておることは、明らかにこれは自然に反すると思う。こういう点につきまして、私たちは、吉田内閣の貿易政策そのものに対しまて、しばしばこれは予算委員会あたりで以てこの点について論及して来たところでありますが、この下請として、このような船員たちが、今後これは使われるという態勢をとられるのであります。このことは非常に私は重要な問題だと思う。こういうことでなく、むしろ本当に一国の大学、而も恒久的な民族の運命というものに目を置いて、そうして時代の政治的な影響というものにたやすく動かされないような政策の上に立つて、国家の教育がなされるのであつたならば、私はこのような貿易政策そのものが直接要求した形で、直ちに具体的に応える。而も卑近的な形で応えるという形でこの大学が設立され、而も先ほどその大学の教育内容について、私は今までの日本民族の犯した過去の歴史、そうした生々しい記憶を挙げまして、これを如何に具体的に是正するかという問題について質したのでありますが、何ら答えられなかつたのであります。責任者において答えられなかつた。このことがはつきりと端的に物語つておるように、日本の過去の商船隊が犯したところの、こういうような態勢について、どういうふうに私は新らしい教育を確立するかということは、とてもこれは保しがたいのであります。こういう中で先ずこの商船大学が作られるということ、このことに私は先ず反対したいと思う。  第二の問題は、第一の問題とも関連するのでありますが、飽くまでも日本の貿易というものは、平和産業の無制限拡大、こういうものを基調としてこれは進められなければならない。然るに日本の現在の産業の構造というものは、これは平和産業とはおよそ似ても似つかぬ方向に漸次強力に再編されつつある。いわゆる戦争経済中心の産業にこれは再編されています。そうしてその結果、いろいろな面が経済並びに貿易の面にしわ寄せされて来るのであります。従いまして当然日本の立場としまして、このままの態勢を続けて行けば、これは戦争の下請、殊に行政協定や二条約によりまして、現在日本がとられているところのいわゆる日本列島の不沈空母化という形、その形の中におけるところの役割を果させられることになりますと、いわゆる商船隊というものは戦争協力の態勢に大きく持つて行かれる。これはすでに朝鮮事変において、日本の商船が如何にあの水域に出動し、そうして又職安あたりを通じまして、この下級船員たちが如何にこの水域で多くの犠牲を払つておるか。こういうことはありありとした事実でありまして、今日我々はまざまざとこういう事実を指摘することができる。従いましてこの商船大学が、日本のこういうような国策が徹底的に平和のほうにこれは戻されて、世界のあらゆる国々とこれは経済的な面で以て強力に平和的な貿易を推進する、こういう前提でない、反対の方向に、そういう目的に奉仕するような形でこの大学の運営がされるというような危険が十分にある。こういう点は、非常に我々としましては、日本の民族の将来の運命から考えましてこれは警戒せざるを得ない。そういう点が第二の反対点になるわけであります。  更に又神戸にこの大学が作られたということは神戸が国際的なそういう貿易都市、そういう性格を以て立地条件に恵まれている。こういうことを、これはしばしば言われたのでありますけれども、併し神戸において現在必要なものは、果してこういうような商船大学であるかどうか。無論その要求も一部にあるでありましよう。併し多くの神戸市民はどういうふうに考えているかというと、神戸はむしろ今置かれているところのこの状態、殊にこの港湾の大部分、八千五百メーターもの港湾が、未だ軍に接收されたまま未解除になつている。こういう形で以て貿易を開き、ここで本当に打開しようにも打開することができない、神戸市民は期せずしてこの軍接收の港湾を解除してもらいたいという切実な要求である。この要求に、私たちは今日において、むしろ先に先ず応えるのが私は政策として非常に重要だと思う。ところがそう、いう問題とはこれは無関係に、ただ大学だけをでつち上げつて行くということて、本当に神戸が将来これは、一つの貿易都市として隆盛になり得るかどうかわからない。  もう一つは、先はども申述べましたが、これは関西におけるところの殊に貿易港としまして、関西においては、何と言つてもこれは中小企業というものに基盤を置かなければならない。この関西の財界の現状を見ますというと、殊に最近ここ二、三年の間にとられましたところのこの米軍の占領下におきますところのいわゆる外貨割当権、或いは貿易管理権というものがすつかり握られている結果におきまして、例えば新三品につきましては、非常にこれは押付輸入が行われている。そうしてつ高いときに物を買わせられる。そのときには外貨の割当を非常に強力にする。そうして二倍、三倍の高い物を買わせる。ところがそのために起つたゴムとか繊維、皮革、こういうものが、その後国際物価の値下りによつて大打撃を受けている。そうしてその損害が正に四、五百億だと言われている。更にその後に起つた繊維操短の問題、こうした事情が絡み合いまして、どうしても現在持つているところの滞貨を新らしい市場に向いまして、平和的な貿易を大きく興さなければならない。こういう態勢は、すでにソヴイエートの国際経済会議の間における情勢を通じまして、日本の業者としては、つい目の前の市場がまるで遠くのイギリスとかその他の商品によつて満たされるということは、これは我慢できない。どうしても中小企業の打開ということが切実に叫ばれている。こういう大勢の中におきまして、こういう問題とは遮断したところの方式で以て、ここに海員を如何に増員してみても、これは根本的な対策にはならない。現実的な要請には応えることはできない。こういう形で一方で作られて行くのでありますが、その結果当然先ほどから問題になりました地方財政負担が非常に多くなる。こういう形で半額を地方が負担する。神戸の現在の財政状態を見ますというと、非常にこれは苦しい。そのためには、非常に公務員の首切りなどということが行われている。これは千名にももう上つていようとしております。又赤字も相当の額になつて、市吏員の給料なんかの支払いにも困つている。こういうような地方の財政の中におきまして、果して一体五年間に亙る二億以上の負担がなし得られるかどうか。むしろこういうような切実な問題のほうを先に取上げないで、そうしてこれは大学だけを建ててみても話にならんじやないかと、こういうふうに思われる。こういう点について、どうも抽象的に学校を建てるということではならないと思う。そういう点で天野文部大臣は、今までの日本の七十二の終戦後にできたところの大学について、大検討を加えなければならんということを常々抗議している。その一方におきましては、このような大学の、どういう政治的事情があるのか知らんのでありますけれども、一方ではやすやすとこれを増設して、今後こういうことで、どういうふうにこれは統一されたところの一国の教育、殊に大学教育の政策として打出すのであるか。私は放漫にこれは伸びたところの一つの機構というものを収縮する場合には、非常に困難が伴うものだと思うのであります。而も又その大学の内容はどうか。これは言うまでもなく、まだ学生も教授もアバイトを続けているというような状態、研究心も非常に不足である。どこも充足されない。私は、重点的にこれはま大学の質を取上げて、そうしてその大学の現状におきましては、内容の充実を図らなければならない。然るに総花的に数だけ殖やし、そうして日本のこのいわゆる十二歳経済にはとても負担し切れないところの七十二の大つ学を作り、その上に又一校新たにこういうものを作ろうとしておる。こういうことは、我々はどういう点から、どのような一体財政計画と教育計画によつて、このことが文部省によつて容認されているのであるか、甚だ理解に苦しむのであります。こういう現実の問題とやはり絡み合わせないで、教育政策を律するなどということは、これは全く架空のことだというふうに考えられるのであります。  こういうような以上申上げました点からしまして、この神戸商船大学の設立ということは、非常にやはり今後私は問題を生むのじやないかと思うのであります。この大学が設立される経緯について、私はつまびらかにしないのでありますが、一、二耳にした点におきましては、甚だ芳ばしからんところの情勢を私は聞いているのでありまして、もう少しやはり一国の文教政策としましては、堂々と確信のある、そうして堂々とその所信をこれは天下に発表できる形で以て、こういう大学が設置されるのでなければ意味を持たないと思うのであります。  以上申上げましたような点を私は主なる理由としまして、このような大学の設置に対しまして私は反対するものであります。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 社会党第四控室を代表いたしまして、日本経済の独立という大き観点に立つて、その一歩前進であるという前提の下において、条件をつけて賛意を表したいと思うものでございます。  前発言者から幾多の条件が出されておりますから、私はここに言葉を重ねて申上げませんが、残された問題は、形式的には立地条件は整備しておりますけれども、内容的には、学閥抗争の問題、或いは財政的措置の問題、或いは今後の貿易問題と関連する船腹増強計画というような、幾多の問題が残されておりますが、これは前発言者と同様に、私も今後の大きな課題としてこの解決が一日も早からんことを希望するものでございますが、とりわけて財政的措置については、国立大学は地元負担において賄われるということが一つの教育の崎形的なありかただと考えます。特に神戸市においては、財政逼迫の折柄、四億の赤字を克服してこの大きな負担に耐えようとされておるのでございます。この点などは、特に考慮しなければならん問題であると思うのでございます。更には船員の再教育の問題、これ又現に多くの失業船員が巷に溢れておるのでございますが故に、これらの船員に対しては、特に国家の保障によつて、優秀な船員が再びよい仕事ができるような保障がされるべきであろうし、又そういうことを強く希望いたします。  次に清水大学の問題でありまするが、この問題は、前発言者の通り、極めて少額の教育費でありまするが故に、一つの大学よりは二つの大学ができた場合には、これは薄くなるのが当然であります。このような杞憂を解消されるような財源措置を是非生むということが緊急の問題ではなかろうかということで、強くこの点を希望いたします。  最後に、特に天野文部大臣に私が希望申したいことは、一応立地条件は揃つてはおりますけれども、私からこのことについては申上げるまでもありませんが、学制改革の実質的確立を目標とする立地条件が考えられなければなりません。特に国立大学の設置については、巷間いろいろと考えさせられることを耳にすることが多々ございます。これは緊急の文教政策として、国立大学設置に関して計画的な、又学制改革の基本を行くという、その道を逸脱しないような明確な方針を是非樹立して頂きたい、かく考えるものでございます。私がかく申上げることは、この神戸大学の設置に関連いたしまして、更には又二、三の大学が設置されるやの風聞を聞くのでございますけれども、このようなことは断じて私は了承できない。飽くまでも文教政策の公平な一環として行われなければならないということを強く主張いたしまして、この希望が容れられますことを特に深く祈つて、私の賛成の言葉にしたいと思います。

木村守江自由党

○木村守江君 私は、自由党を代表いたしまして只今付託されておりまする修正案を含む本案に対しまして、簡単に理由を申上げまして賛成の意を表するものであります。  講和発効後の日本の再建は、自立経済に待たなければならないことは今更申上げる必要がないと存ずるのであります。自立経済の確立は、貿易の振興に待たなければならないのでありまして、これがためには、船腹の増強を図らなければならないのであります。これに伴いまして、高級船員の養成は必須の要件でありまして、かような観点から、この法案の成立することを心から要望してやまないのであります。ただ本法案の成立によりまして、文部省の教育行政に対しまして、全く経済的の圧迫を加えないということと、なお清水商船大学に対しましても、今後なお一層の設備充実に留意されんことを附言いたしまして、賛成の意を表するものであります。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 他に御意見はございませんか……。別に御意見もないようでございますから、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。国立学校設置法の一部を改正する法律案について採決をいたします。先ず討論中にありました堀越君の修正案を議題に供します。堀越君提出の修正案に賛成のかたは御起立を願います。    〔賛成者起立〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 多数でございます。よつて堀越君提出の修正案は可決されました。  次に、修正の部分を除いた原案全部を議題に供します。修正の部分を除いた原案に賛成のかたの御起立を願います。    〔賛成者起立〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 多数と認めます。よつて国立学校設置法の一部を改正する法律案は、多数を以て修正議決されました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつて、予め多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長において、本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御了承願うことに御異議ありませんか。    〔「異議な」」と呼ぶ者あり〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 御異議ないものと認めます。  それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき、多数意見者の署名を附することになつておりますから、本法案を可決することに賛成されたかたの順次御署名を願います。   多数意見者署名    相馬 助治  川村 松助    白波瀬米吉  木村 守江    矢嶋 三義  中山 壽彦    堀越 儀郎  高田なほ子

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 本日はこれで散会をいたします。    午後六時一分散会

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