文部委員会 第29号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/05/06
会議録
○委員長(梅原眞隆君) 文部委員会を開会いたします。 教育委員会法等の一部を改正する法律案を議題といたします。これから文部大臣の提案理由の説明を聞きます。
○国務大臣(天野貞祐君) 教育委員会法等の一部を改正する法律案について提案の理由と内容の概要を御説明いたします。 教育委員会法は申すまでもなく、教育行政が公正な民意により、地方の実情に即して行われること、及び教育行政が不当な支配に服することなく、その自律性を保ち得ることを目的として、都道府県及び市町村に教育委員会を設けることを定めたものであります。 併しながら、我が国初めての教育委員会制度を、都道府県は勿論、すべての市町村にまで一挙に実施することは、徒に混乱を大きくし、却つて制度の趣旨をそこなう虞れがある等の理由から、昭和二十三年の法律施行の年には、都道府県と五大市に取りあえず設置を義務づけ、その他の市町村は、本年の十一月に設置することになつているのであります。 この間、昭和二十三年と二十五年の二度の機会において都道府県と五大市のほかに、積極的に六十二の市町村に現在教育委員会が設けられております。 私どもは進んで教育委員会を設けられたこれらの市町村を中心といたしまして、市町村における教育委員会制度のあり方を、いろいろと研究して参りました。 更に又、教育委員会発足以来三年有余の経験に鑑みまして、教育委員会制度を真に我が国の実情に適したものにいたしますために、種々検討を加えて参りました。教育委員会制度についての主な問題点としましては、教育委員会を如何なる地域単位に設けるかという設置単位の問題、都道府県の委員会と市町村の委員会との事務の担当区分の問題、教育委員会と知事、市町村長等との関係の問題、更には教育委員の選任方法、教育財政の問題等、いずれも再検討を要する重要な問題であると考えているのであります。 これらの問題につきましては、教育委員会制度協議会、政令改正諮問委員会を初め、その他関係各方面から傾聴に値するいろいろな見解が寄せられているのでありますが、これらの意見は各種各様でありまして、必ずしも一定の方向を得られず、又問題は教育制度全般とも深く関連し、且つ地方制度全般にも重要な影響を及ぼすことでありますので、いま暫らく慎重な検討を加える余裕を持ちたいと考えるに至つたのであります。 これがため、本年十一月一日に、各市町村に設置されることとされております教育委員会の設置時期を一年繰延べますと共に、今年十一月一日予定されております教育委員の選挙も、同じく一年繰延べることといたしたいと考え、この法律案及び教育委員の選挙の期日等の特例に関する法律案を用意した次第であります。 従いまして、本法律案は、市町村の教育委員会設置の時期を一年延期することを中心とし、それに関連する事項と、事務的に整備を必要とする最小限度の事項を内容といたしておるのでありまして、教育委員会制度の本質的事項に亘りますものは、すべて次の機会に御検討願うことといたしたのであります。 以下この法律案の内容につきまして、簡単にその概要を申し上げます。 先ず第一に、先に述べました理由により、市町村の教育委員会の設置の時期を一年延期して、昭和二十八年十一月一日といたしました。 第二に、市町村に置かれる教育委員会設置の時期を一年延期したことに伴いまして、都道府県を単位とする公立学校の職員の職員団体の存続期間を同じく一年延長したのであります。市町村に教育委員会が設置されるまでは、当該市町村の設置する学校の教職員の人事等は、直接に都道府県の教育委員会が担当しておりますので、都道府県を単位とする職員団体が、期間を限つて特に認められているのでありますが、教育委員会の設置の時期が一年延びますれば、それに伴つて、右の期限を同様一年延長すべき筋合いのものと考えたからであります。 第三は、教科用図書の検定に関してであります。現行法によりますと、教科書用紙の統制撤廃に伴いまして、都道府県の教育委員会又は都道府県知事が、教科用図書の検定を行い得るように定められているのでありますが、教科用図書の検定は、教科書行政上極めて重要な意義を有することでありまして、用紙の統制廃止に伴い、今直ちに教科用図書の検定を行う権限を各都道府県ごとに認めますことは、必ずしも適当でないと考えるのであります。教科書制度の確立は、なお慎重考慮を要することでありますので、ここ当分の間は、従来通り文部大臣のみが検定を行うことといたした次第であります。 なおこれらに附加えまして、教育委員会の権限の委任関係を調整し、更に市町村の教育委員会又は市町村長との関係を明らかにすることなど、教育事務執行の合理化を図ることといたしました。 又教育委員会の所掌事務について地方公共団体における教育委員会の立場を明確にし、又、授業料その他教育に関する使用料、手数料の徴集につきまして、事務手続を明確にいたしますなど、必要と認められる若干の改正を加えておきます。 以上が、本法律案の提案理由と改正の内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに可決せられんことをお願いいたします。 —————————————
○委員長(梅原眞隆君) 次に教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案を議題とします。これより文部大臣の提案理由の説明を聞きます。
○国務大臣(天野貞祐君) 教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案につきまして提案の理由とその内容を御説明申上げます。 先に教育委員会法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申上げましたように、教育委員会制度についてはいろいろ検討を加えなければならない問題があり、それらはいずれも重要な事柄でありますので慎重考慮を要すると思うのでありますが、わけても教育委員会をどのような単位に設置するかという問題と、教育委員の選任方法を如何にするかという問題とは、教育委員会制度の本質にかかわる最も重要な問題であると考えるのであります 而も、この二つの問題は、いずれも教育委員会制度の性格を決定するものでありますから、不可分の問題として、検討を加える必要があると考えているのであります。 教育委員会法等の一部を改正する法律案によりまして、本年十一月一日に設置せられるべき市町村教育委員会の設置の時期を一年延期いたしますに伴いまして、この法律案を用意し、同時に行われるべき既存の教育委員会の委員の任期満了による選挙の期日を同様一年延期しようといたします第一の理由は、設置問題と切離して今年の改選を実施することが理論的に困難であると考えるからにほかなりません。 又現実の問題として考えてみまするに、都道府県及び六十二の市町村に設置されております既設の教育委員会の委員の選挙を予定通り本年の十月に行いまして、更に明二十八年に又、新設の教育委員会のために、全国的な教育委員の選挙を行いますことは、新設の委員会も既設の委員会と同じ教育委員会として同一の制度の下に一元的に運用を図ります上に、支障があるばかりでなく、経費の上でも二重の出費を重ねることになると考えるのであります。これが本年の選挙を延期しようとする第二の理由であります。 このように本質的にも又実際問題としても、教育委員会の設置の問題と選挙の問題とを切離して取り扱うべきではないという観点に立つてこの法律案を提案いたした次第であります。従いましてこの法律案と教育委員会法等の一部を改正する法律案は形式的には二つのものとなつてはおりますが、内容的には一つのものであると考えているのでありまして、両法案を一体として、御審議願いたいのであります。 次に、この法律案の内容について簡単に申し述べます。 先に申し述べました理由から、先ず第一に本年十月五日に行われることになつております教育委員の選挙の期日を一年延期いたしました。第二に選挙の期日の延期に即応して現在の委員の任期を一年延長したのであります。第三は、欠員が生じた場合の措置であります。現行法によりますと、繰上補充又は補欠選挙によつて補充を行うこととなつておりますが、この方法は必ずしも適当と認められず、又折角選任方法を検討中のことでありますので、教育委員会法制定当初の措置にならつて取りあえずこれらの方法によらず、教育委員会で補充の委員を選ぶことといたした次第であります。 以上が本法律案を提案いたしました理由と内容の概要でございます。何とぞ、慎重御審議の上速かに可決せられんことをお願いいたします。
○委員長(梅原眞隆君) これにて休憩いたします。 午前十一時二十五分休憩 —————・————— 午後五時二十一分開会
○委員長(梅原眞隆君) これより文部委員会を開きます。教育委員会法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 最初に総括質問のおありのかたは、政府委員が見えておりますから御質疑を願います。
○矢嶋三義君 本法律案については数回懇談会で質疑応答もなされておりますので、極く簡単にお伺いいたしたいと思います。先ずお伺いいたしたい点は、教育委員会は昭和二十三年に発足して、直ちに市町村にまで教育委員会を設置することは無理であるから、そこに二十七年までの過渡的な猶予期間を置いたわけでありますが、その聞教育委員会制度協議会とか或いは政令改正諮問委員会、そういうところに諮問をして検討されて参つたわけでございますが、本日まで教育委員会制度の我が国が独立後におけるはつきりした体制が確立されないということは、非常に私は残念に思うわけでございますが、これに対して文部省は、又大臣……今日おいで願いたかつたのでありますが、大臣もおいでにならない、局長でも結構でありますが、どういうわけで本日まで延びたか、そのために教育界では教育委員会制度、更には新教育もそのうち変るであろう変るであろうといつたような非常に不安定な状況にある。これについては私は責任は極めて重大だと考えるのですが、どういうようにお考えになつておるか、私はその点を承わりたいと思います。
○政府委員(久保田藤麿君) 御存じの通り委員会制度そのものが誠に日本の教育界に対する重大な意義を持つておりますだけに、慎重を期して来たということが問題の基本だと考えております。いま一つは、先ほど御指摘のようにいろんな委員会でそういう協議を慎重に重ねて来たわけでありますし、特にこの委員会制度が極く最近まで関係筋の極めて熱心な特別な義務付けの指示があつての制度でありましただけに、殊に衆議院のほうの委員会の経過がそうであつたと私は記憶いたしておりますが、例えば全部の町村に是非置けという強い要請が出たり、それに絡んでのいろんないきさつが出たり、そういうことがたび重なつて、だんだんこの問題を検討して行く上に時間を要したし、又それだけに是非慎重に、大事なものであるだけに非常に明確な結果を出すというために非常な時間をかけたり、又これからも時間をかけるほどの値打があるのだと、こんなふうに考えておるわけであります。これは独立後少くともこうした問題をどういうふうに扱つて行くかという御意見がありましたようでありますが、教育委員会の今日まで果して参りましたこと、又教育委員会の持つております意味合いを十分我々は理解できるものと思つておりますので、その根本理念には何ら変ることなく進むべきものと私は考えておる次第であります。
○矢嶋三義君 大臣は今まで早急に結論を出ずというので、昨年の今頃は、夏頃には結論が出るような話をされて、ずつと今日まで延び延びになつて来ておるわけであります。勿論この教育委員会制度というものは地方制度全般との関連があることではありますけれども、独立後の自主教育の確立という立場から、文部省としては最も熱心に真先に取上げて解決すべき問題であると思いますが、今日まで解決しなかつたのは遺憾に思います。過去のことは申上げてもいたし方がありませんので、それはそれにとどめますが、今後やがて発足する中央教育審議会に諮つて根本的に検討すると言われたのですが、いつ頃を目途にしてやられるつもりか、文部省としては一つの目途を持つておられるだろうと思うのです。それを伺います。
○委員長(梅原眞隆君) ちよつと申上げますが、文部大臣が先ほどこつちに出られると言うておられたのですが、ちよつとお加減が悪いので、次官のかたが見えられましたからよろしくお願いいたします。
○矢嶋三義君 では次官から御答弁を願います。
○政府委員(今村忠助君) 教育委員会の十一月までに各町村まで委員会を設けるようになつておる規定を一年間それを延ばしたいという意向はすでに局長から申したかと思いますが、とにかく戦時中いろいろ変りましたところの教育諸制度と関連いたしまして、文部大臣は近く作られる教育中央審議会等に諮られまして、いろいろこれらの教育諸制度と関連して考えたいと、こう考えているのでありまして、それではいつ期日をきめてこれを改めるかというような具体的な点はまだ考えておりません。一応一年間延期いたしまして、他のものと勘案して参りたいと、こういうように大臣は考えているのでありまして、文部省としても一応さようにいたすほうがいいと思つております。
○矢嶋三義君 我が国が独立するまでにその結論は私は当然出ているべきだつたと思います。今日までしてなかつたことは私は怠慢であると考えます。今日の段階となつてから、文部省としては教育中央審議会ができるからそれに諮問すると言われるが、それにはいつ頃までにするかという目安があつて然るべきだと思います。今日までになつてなお漫然と一年云々と言うことは、私は極めて不満足なんですが、中央教育審議会がやがて発足するわけですから、それに諮問する場合は、大臣はいつ頃を目安にやつてほしいという一つの目安を設定して御諮問になると思います。が、きまつておりませんか。
○政府委員(今村忠助君) まだその期日を決定する段階に至つておりません。
○矢嶋三義君 非常にそういうところに私は積極性がないと思います。そういう点については、教育界の安定を確保するという意味においても今後積極的にやつて頂きたいということを希望いたしておきます。 それからお伺いいたしたい点は、或いは設置単位或いは権限の問題とか、或いは委員の選出方法とか、重要問題がいろいろあるようでございますが、現在少くとも文部省においてはどういうようにしたらよろしいというような御見解を持つていらつしやるのか、二年前から教育委員会制度協議会に諮問して云々ということを答弁せられておる。本日もなお同じ答弁をされるつもりであるか、文部省の一応の私は見解を持つておられると思います。簡単でよろしいから承わりたいと思います。
○政府委員(今村忠助君) 今も仰せられる通りでありまして、一応この教育委員会制度協議会並びに政令改正諮問委員会等の答申を参考にいたしまして、新たに作られる地方教育審議会に諮つて行こう。こういうように考えておるのでありまして、まだ文部省案として固定的なものを具体的に考えておるわけではありません。
○矢嶋三義君 そうであれば次にお伺いいたしますが、少くとも文部省のほうで、地方教育委員会はどうも改正する要があるというようなお考えがあれば、私はこれを一年延ばし、更には選挙も一年延ばすというようなことも考えられるかと思うのですが、都道府県教育委員会についても、これをどうするという特別の見解がないとすれば、この教育委員の選挙は四カ年という任期を切つて公選されておるわけでありますから、私は当然この十一月には委員の更新の選挙をやつて然るべきだと思うのですが、それをやられない。而も今後どういう方向に持つて行こうという見解も全くの白紙であるという点は、私は理解に苦しむわけでありますが、どういうわけで一年間任期を延長して選挙をやられないのか。
○政府委員(今村忠助君) 先ほども申しました通りに、文部大臣としては、戦時中に非常に変つた教育制度を独立後はつきりしたものにしたいと、それには一つ二つ先に残しておいてという形でなく、たまたまその改正の必要等のあるものも併せて考慮するという立場から、一応一年間延ばしておいて、繰返すようでありますけれども、中央教育審議会に諮つて、はつきりしたものをきめて参りたい。こういう考えでおるのであります。
○矢嶋三義君 任期が来たら選挙をやつておいたら如何ですか、それでは私は選挙を一年延ばす強い理由というものは発見できないと思うのですが、教育委員会制度を全面的につぶすというような考え方であれば、これは又別の角度から考えられますが、少くとも教育委員会制度というものを育てて行く、育成して行くというお考えには相違ないんじやないかというように察知しておるわけなんです。そうだとすれば、任期が来たものはこの際委員の改選をやるべきではないか。それがやはり民主主義という立場からも筋の通つたことじやないか、数億の金とは換えられない問題じやないかと、こう考えるのですが、もう少し納得のできるお答えをして頂きたい。
○政府委員(今村忠助君) 仰せられれば尤ものようにも思いますけれども、先ほど来繰返すようでありますが、いろいろの諸制度と一緒にやつて参りたいという考えが先に立つておるわけでありまして、今御質問の中にあつた、それじや教育委員会等はなくすんではないかということにつきましては、現在の段階では、文部省の省議としてきめたわけじやありませんが、各都道府県にある教育委員会をなくするという方向に少しも向いておりません。ただ町村に互つて教育委員会を置いてはどうかという現在の法律は、先ほども申します通り教育委員会制度協議会並びに政令改正諮問委員会等についても相当強い反対がありますので、これらの点をまあ考慮に入れまして、新たに作られるところの中央教育審議会に諮つて参りたいというのが大臣の強い考えでありまして、省議といいますか、文部省側においても一応この大臣の方針で参りたいと、こういうふうに考えておるのでありますから、遅らせるのはなくすのが前提とか或いは目的であるとかいうことではないのであります。
○矢嶋三義君 もう一回お伺いいたします。都道府県教育委員会を廃止するというような考え方は現在のところないと、市町村の地方教育委員会については、世論にもいろいろ意見があるので慎重を期したいと、こういうような御発言でございますが、そうだとすれば、私は文部省としては、一応市町村の地方教育委員の選挙は一年延ばすけれども、都道府県の教育委員の選挙は、任期満了のときにやつてはどうかと、こういうお考えはなかつたのかどうか、その点を承わりたいと思います。
○政府委員(今村忠助君) 先ほど来申します通り、戦後変つた教育のいろいろの諸制度と関連して、とにかく独立後の日本の教育というものをもう一度再検討する必要があるという一つの信念的な立場から、つまり戦後できたところの教育委員会制度というものも一応その中央教育審議会等へできましたとき諮りたい、併せて考えて行くという意味であるのでありまして、分けて都道府県の選挙はして行つたほうがいいんじやないかと仰せられますけれども、つまり教育委員会制度というものを一応考えてみるということであれば、町村の場合を延期するのでありますから、併せて一年延期して、そしていわゆる戦後変つたいろいろの教育諸制度と併せて考える。こういう意味以外にないのでありますから、その点一つ諒として頂きたいと思います。
○矢嶋三義君 結構です。
○委員長(梅原眞隆君) 他に御質疑がなければ逐條の審議に入りたいと思います。 第一條について御質疑ございませんか。なければ第二條について御質疑ございませんか。第三條はどうでございますか。
○荒木正三郎君 この第三條についての「昭和二十七年」を「昭和二十八年」に改める。このことについては格別に御説明がない。この刷物を見てもないわけです。それでこの意味をちよつとお伺いしたいのですが、私の了解しているところでは、市町村立学校職員の給与については市町村立学校の職員の給与に関する法律があるわけなんです。その法律に基いて市町村立学校の職員の給与は府県から出るということが規定されておるわけです。それから教育公務員特例法の中に、勤務その他の條件は都道府県の教育委員会が取扱うことが規定されておるわけであります。そういう二つの法律によつて、その法律が変らないのであるから、当然その趣旨に副うて教職員の結成する組合の単位が都道府県にあるのである。こいうような考え方によつて一年延長されておる。こういうふうに私はとつておるのですが文部省の見解で若し違うところがあれば、おつしやつて頂きたい。
○政府委員(久保田藤麿君) 只今の御質問の趣旨、私或いは誤解しておるかも知れませんが、給与とかそうした問題とは関係なく、昨年の特例法の改正に関係いたしました一番基本的な考え方の教育委員会のあり方がどうきまるかによつてこの問題はきめるべきであるという議論にそのまま立脚いたしまして、委員会のほうの改正ができませんでしたので、昨年と全く同じ考え方における基盤を一年間ずらしたという基本的な考え方だけでございます。
○委員長(梅原眞隆君) ちよつと先ほど文部大臣の提案理由の説明の中に、「第二に、市町村に置かれる教育委員会設置の時期を一年延期したことに伴いまして、都道府県を単位とする公立学校の職員の職員団体の存続期間を同じく一年延長したのであります。市町村に教育委員会が設置されるまでは、当該市町村の設置する学校の教職員の人事等は、直接に都道府県の教育委員会が担当しておりますので、都道府県を単位とする職員団体が、期間を限つて特に認められているのでありますが、教育委員会の設置の時期が一年延びますれば、それに伴つて、右の期限も同様一年延長すべき筋合いのものと考えたからであります。」こういう説明が出ておるですね。今荒木さんが質問されたのはこの意味を言われたように私理解したのですが…。
○荒木正三郎君 ええそうです。
○委員長(梅原眞隆君) この通りだと私理解しておりますが……。
○荒木正三郎君 併し私はここで多くの問題を蒸し返す考えはないわけですが、地方公務員法において職員団体を作る目的が書いてある。それによりますと、給与それから勤務條件等について当局と交渉するために組合を作る、こうあるわけです。ところが給与については単独法を以て市町村が給与の責任を持たない、都道府県が持つということがはつきり出ているわけです。それから教育委員会法ですか、それによつて教職員の身分或いは勤務條件というものは都道府県の教育委員会にあるわけです。その二つから考えて、教育委員会法だけで一年を延長するということであれば、これは十分でないと思います。給与の問題が全然考慮されていないわけなんです。それを二つを勘案してここに当分延期をする、こういうふうになつて来なければならないのじやないかというふうな私の質問なんです。
○政府委員(久保田藤麿君) この問題は、先ほど申上げました通り、又委員長の御指摘になりましたように、大臣説明で申上げました通りでありまして、昨年の改正をいたします場合の立場と全く変りがないものと御理解を頂きたいと思います。
○矢嶋三義君 今朝もらつたばかりで読んでいないのだから、念のためにお伺いいたしますが、ということは、職員団体というものは、人事権を持ち、給与の支払責任者、更に勤務時間、勤務條件をきめるところの理事者、そういう者を相手として結成さるべきものである、こういうふうな前提に立たれているということを意味している。こういうふうに私は今の局長の説明を了承するのでありますが、相違ありませんね。
○政府委員(久保田藤麿君) 只今のお考えも、すべて委員会の本質に関する問題に私は理解いたすのでありますが、その教育委員会の設置単位、従つてそれの本質そのものが、私どもの現在の考え方では、昨年と全く同一のペースにあるわけでありますから、ここで新らしく教育委員会のあり方を変えようとか、又教育委員会の内容がどう変るかということと絡んだ分については一切今後考えない、こういう建前をとつて来ておるわけであります。
○矢嶋三義君 私の聞いておることは、委員会の設置単位がどうなるこうなる、そういうことは関係ないのですよ。先ほどあなたの御説明を承わつておつて、繰返して言いますが、人事権を持つている理事者とか或いは給与の支払責任者、勤務時間とか勤務條件を決定するところの理事者、そういう者を対象として職員団体は結成さるべきものである、こういうように御説明は了承される。それだと私も話がわかるのですが……。
○委員長(梅原眞隆君) ちよつと私から質問いたしますが、補足しますが、大臣の説明の中に「教職員の人事等」と書いてある。人事、給与、それから勤務、こういうことをこの等の中に入れたのではないかと私は理解しておるが、どうでしようか。人事等と書いてある。この中に人事、給与、勤務、こういうことを入れた「等」という字ではないかと、こういうのです。……人事等と書いてあるが、この「等」は人事、勤務、給与というものを意味しておるのではないかと私は質問しておるのです。私の質問に答えて下さい。
○政府委員(久保田藤麿君) 只今の御質問、或いは誤解しておつたかも知れませんが、給与そのことについては勿論現在の都道府県の教育委員会が担当しておるわけであります。その負担の問題がどうなるかということになりますと、これは又別な意味になると思いますが、この人事等に給与といつたことが入つておることは勿論間違いございません。
○矢嶋三義君 もう一点お伺いいたします。それは公立中小学校の設置者は地方公共団になつているわけですが、一部承わるところによるというと政府のほうでは、殊にまあ与党のほうでは、給与責任者も都道府県から設置者である市町村に下したい、下してはどうかというような意向もあるやに承わつておるのでありますが、果してそうかどうか、その点承わりたいと思います。
○政府委員(今村忠助君) さようなことはまだ具体的に考えておりません。
○矢嶋三義君 あなたの御見解は如何でございますか。
○政府委員(今村忠助君) 私もまだそういうことは実は考えてみたことはありません。
○矢嶋三義君 現状維持というわけですね。
○委員長(梅原眞隆君) 第三條に御質疑ございませんか。……なければ附則に御質疑ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅原眞隆君) それではちよつとお諮りいたしますが、質疑は終つたこととして、直ぐこれと関連しておりますが、教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案を議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅原眞隆君) これに対する総括質問がありましたら御質疑願います。……それでは逐條審議に入つて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅原眞隆君) 第一條について御質疑ございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅原眞隆君) 第二條について御質疑ございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅原眞隆君) 第三條について御質疑ございませんか。
○高田なほ子君 教育委員会にこの選任権を持たせることになるのですが、形式的に言うと、教育委員に欠員ができるわけですね。この欠員の選任権を教育委員会が持つと、こういうことになるわけですが、そういたしますと教育委員会法の基本的な精神にあるように、正しい民意を教育委員会制度の上に反映させなければならないという、こういつたような基本的な問題と、いささかずれるような気がするのですけれども、これをどういうふうに解釈をなさつておられるのでしようか、その点をお伺いいたします。
○政府委員(久保田藤麿君) 確かにこの点は一つの疑問を持つております。どういう方法が一番いいかということになるわけでありまして、従来この教育委員会法が公職選挙法によつて置き替えられるまではこういう制度をとつておつたわけでありますので、まあ次善の方法として止むを得ずこれをとつたと、こういうだけの理窟でございまして、教育委員会自体が一応それ自体として公選の性質を持つて来て選ばれた人でありますから、その人らに一応委任するという形をとるのがよりよい方法ではあるまいかというふうに考えただけであります。
○高田なほ子君 極めて便宜的な方法をおとりになつたと思うのでありますが、これは飽くまで公職選挙法によるものでありますから、まあ国会議員の場合でも、補欠が出た場合には国会議員が任命するといつたような、これをすり換えて行くとそんなふうになつて来るので、誠にこれはおかしなことであろうと思うのですが、まあ便宜的止むを得ない、こういうような御答弁でありますが、そういう例がほかにも曾つてあつたのでしようか、今度が初めてなのでしようか、ほかにこういつたような例はございますか。
○政府委員(久保田藤麿君) 公職選挙法ができました後にそういう事例は恐らくあるまいと思いますが、この教育委員会法自体が、公職選挙法ができます前にそういう性格をとつておつたので、止むを得ずこれによるほうが一番安全であろう。いろいろな方法をこれについて考えれば際限なく考えられますが、そういうことを考えること自体が、これを延期するよりほかに方法がないという結論と矛盾して来ることになるので、一応そういう姿をとるほうがよかろうと、こういうふうに考えたのであります。
○高田なほ子君 現実の問題といたしまして、まあ早ければ今年の秋には衆議院が解散になると、そういう場合に今教育委員になつて任期が終ろうとしておるようなかたも、或いはそれに立候補されないとは限らないわけですね、そういつたような場合に、この教育委員の数が、選任権を与えても、現実において教育委員の定数を確保することができない場合も当然これは起り得るということを考えなければなりませんが、こういうことについての文部省としての見通しはどういう見通しをお持ちになつておられるか、又それに対して具体的の対策であります、例えば六人なければならないところに持つて来て一人は衆議院に立候補しちやつた。それじやまあ五人だというようなときに、あとの一人をどういうふうに一体どこから持つて来ようという考えを持つておられるのか、大変具体的な問題でありますから、具体的に一つお話を願いたいと思います。
○政府委員(久保田藤麿君) 只今御指摘のようなことを考えましたので、この規定をわざわざ置いたわけでありまして、どういう方面から来るかということは、それはその委員会にお任せする精神でございますので、御自由にこの被選挙権のある限り、その限りの人から御選任になることがよろしかろうというふうに考えておるわけであります。
○高田なほ子君 そこが私のお聞きしたかつたところなんです。今問題になつておるのは、教育委員会の設置単位の問題或いは教育委員会制度における財政権等々の問題はあるけれども、要は一番大きく浮び出ているのは公選制か或いは任命制かということが非常に今大きく問題になつて来ると思う。現実に私が申上げたような具体的な問題が出た場合には、これは自動的に任命制を実施して行くという結論になつて来るというように思う。そうすると文部省が只今教育委員会制度の検討をし、その結論が出ないために延ばしているのでありますが、その延ばしている過程において実質的に教育委員の選挙の方法でありますが、任命制の方向に自動的になつて来るということについて非常に私は疑義を持つのでありますが、この任命制と、それからこの選任権の問題との関連をお聞かせ願いたいと思うのであります。
○政府委員(久保田藤麿君) 御指摘の点は全く私も同感でありまして、例えばこれ以外の方法をいろいろ考えて、そこに一つの過渡的な、時間的には極く短い、あとの任期を控えての委員でありますから、本質的な問題でないからということから、いろいろな方法を考えることは可能でございます。それが今高田委員のおつしやる通りそういう一つの形を作つてしまうような危険を感じますので、むしろ従来の形をそのままに残して、たまたま公職選挙法をそこに一時停止した形をとるほうが実害が少なかろうというふうに、むしろ高田委員と同感の考えから考えたのでございまして、新らしい方法を別に考えることは可能でありますが、又任命制の問題などと特殊の関連を持たせないために、こういう方法をとつたわけでございます。
○高田なほ子君 そうするとこれを実施した場合に、任命制の既成事実を作り上げて行くのではない、既成事実をこれによつて作るのではない。こういうことを文部省では確認されているわけでありましようか。又そういう誤謬があつた場合に、どういう方法で正しい文部省の意味を伝えて行かれるのか、大変これは重要でありますから、その善後措置なんかについてもお考えがあればお漏らしを願いたいと思います。で私は教育委員会の委員の任命制というものに対しては非常に疑義を持つているし、又教育委員会制度審議会においてもこの問題が論争の中心になつているのでありますから、文部省が率先してこういう法案を通した過程において、既成事実を作り上げて行くというような誤解を招かないような方法を考えて行かなければならん、善処して行かなければならん、こう思うのでありますから、それをどういうふうに処置して行かれるか、その点を伺いたいと思う。
○政府委員(久保田藤麿君) 繰返しますように、その点は一番私どもの懸念している点でございまして、全く高田委員と同感でありますので、この法案が成立いたしますと同時に、できるだけの手段を尽しまして、そういう誤解を招きませんように、又仮にそういう懸念を持たれる場合がございますれば、今申しましたような筋から、先にそういう影響を残さないように努力いたしたいと思います。
○矢嶋三義君 今の高田委員の質問に関連してでありますが、公職選挙法をちよつとストツプして、そうして教育委員会で補充の委員を選ぶといたした次第であります。こういうことになれば、まあ数学的に起り得るすべての場合を考えて、七人の委員中大人が或いは病死とか或いは衆議院選挙に立候補とか、こういう欠員のあつた場合は一人の人で六人を選ぶわけなんですか。
○政府委員(久保田藤麿君) これは制度の問題でございますので、そうした場合も数学的におつしやる通り出て来ないとは申しませんが、教育長が全体を代行するという場合に、代理するといつた規定も現在の法律の中で認められております。制度的にはそういう議論もケースとして考えられますが、一遍に全部がなくなるということは考えられませんで、少くとも幾人かの補充をしながら行くというダブつたケースはあると思いますが、ケースとしては今おつしやつた数学的に、制度を考えることはありますが、実際問題としてそう御懸念になりませんでも、そういうことの起らないように、先ほど高田委員からも御注意もありましたし…。
○矢嶋三義君 そういう場合が若し起つた場合はどういうふうにやられるのか、その解釈を一つ。それから教育長が教育委員会を代理すると言いますが、教育長という者は教育委員会が選定した一事務局員に過ぎないので、その教育長が教育委員を選ぶというのは、そういう場合は私は教育委員会の立法趣旨が徹底されないと思います。その二点。
○政府委員(久保田藤麿君) 只今の第一のほうの問題の、万一一人しか残らないときはということでございますが、これは制度から申せばその一人が六人を選ぶことになります。教育長が選ぶということを申したのではありません。教育長が教育委員会を代行するときの規定までも現行制度として認められますから、そういう場合に当つても若干のずれがあるかも知れませんが、特定の人を選ぶ、そういう規定を作つても、それ自体がけしからんというふうに申上げたのではないのであります。
○委員長(梅原眞隆君) 他に御質問ございませんか。
○矢嶋三義君 ちよつと懇談にしてくれませんか。
○委員長(梅原眞隆君) それでは速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(梅原眞隆君) 速記を始めて下さい。それではこの教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案の第三條でありますが、これは在来教育委員会において行われた方法によつて補充を選任するという形をとつておるが、これが将来委員を選ぶに当つて公選制とか任命制とかいうことに関して何らの影響を持たないものであると私は理解しておるが、その理解が正しいかどうか、一つはつきりと次官の御言明を願つておきます。
○政府委員(今村忠助君) 委員長の言われる通りでありまして、これによつて将来の制度の上に影響を与えることないものであります。
○委員長(梅原眞隆君) それではこの当局の言明を聞きまして、両案に対する御質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅原眞隆君) それでは教育委員会法等の一部を改正する法律案を議題として討論に入りたいと思います。 これより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言はございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅原眞隆君) 御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅原眞隆君) それではこれより採決に入ります。教育委員会法等の一部を改正する法律案を議題といたします。本案を可決することに賛成のかたの御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(梅原眞隆君) 全会一致でございます。よつて教育委員会法等の一部を改正する法律案は全会一致を以て可決することに決定いたしました。 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四條によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨、及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅原眞隆君) 御異議ないもつのと認めます。 それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の署名を附することになつておりますから、本法案を可決することに賛成されたかたは順次御署名を願います。 多数意見者署名 木内キヤウ 高田なほ子 木村 守江 荒木正三郎 山本 勇造 堀越 儀郎 高橋 道男 矢嶋 三義 岩間 正男 —————————————
○委員長(梅原眞隆君) 次に教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案を議題として、本案に対する討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。御発言はございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅原眞隆君) 御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅原眞隆君) それではこれより採決に入ります。教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案を議題といたします。本案を可決することに賛成のかたの御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(梅原眞隆君) 全会一致でございます。よつて教育委員会の委員の選挙の期日等の臨時特例に関する法律案は全会一致を以て可決することに決定いたしました。 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経たければならんことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとしまして御承認を願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梅原眞隆君) 以下慣例に従つて行います。すべてお任せを願います。 それでは順次御署名を願います。 多数意見者署名 木内キヤウ 高田なほ子 木村 守江 荒木正三郎 山本 勇造 堀越 儀郎 高橋 道男 矢嶋 三義 岩間 正男 —————————————
○委員長(梅原眞隆君) これで委員会を散会いたします。 午後六時十九分散会