文部委員会 第4号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/02/12
会議録
○委員長(梅原眞隆君) それでは委員会を開きます。 最初に派遣議員の報告を承わります。第二班の矢嶋君。
○矢嶋三義君 第二班は緑風会の高橋議員と第一グラブの矢嶋と二人で、広島県、兵庫県、静岡県の調査をして参つた次第でございますが、以下報告を申上げたいと存じます。調査した事項は、大学関係、船員教育関係、六三建築関係、学校給食関係、以上の四件でございます。 先ず大学関係では広島大学を視察いたしましたが、ここに御報告を申上げたい問題点としては、国立大学の管理法案が先国会で流れたことになつておりますが、広島大学は相当厖大な大学でございますが、大学の管理については先般国会に提案された国立学校管理法案の線に沿つて先ず支障なく運営しているという学長の報告がございました。 次に教育学部の問題でございますが、広島大学は教育学部の分校が三原と福山にございまして、大学の意向としては、東雲分校に三原の分校を統合したい、こういう意向を表明いたしておりました。これに対しまして、三原市の地元では猛烈な存置運動を展開しておる次第でございまして、その理由とするところは、元の広島の女子師範が四十年の歴史を持つてあの地で教員養成をやつて来たということ、それから三原地区を中心とする入学志願者の不便、更に附属小中学校の父兄の現状維持の強い要望、こういう立場から三原の分校を東雲分校に統合することに反対だという猛烈な存置運動をやつておりますが、併し教授陣の貧弱と、それから広島大学に割当てられた教授を効率的にこれを駆使する立場から、大学側としては統合したい、こういう意向を表明しておりましたが、視察した我々といたしましても、大学の意向というものはまあ当を得たものだと、こういう見解を持つたものでございます。 次に福山にも福山分校がありますが、この福山分校は元の陸軍兵舎の跡で、広大な敷地を持つておりますし、発足当初から福山市を中心とするあの地域の絶大なる熱意の下に大学を本日まで育てて来たようであります。目下兵舎の中には税務署と拘置所がございますが、これも近く移転するやに承わりました。特にこの福山分校について申上げたい点は、我が国の教員養成機関に体育とか、音楽、家政、農業、こういう特殊教育、技能教育に携わるところの教員の養成機関が少いのでございますが、福山分校はそういう技能科の教員を專門的に養成している特殊な教員養成の教育機関でございまして、教授陣も充実しておりますし、地元の熱意と相待つて福山分校は今後更に光彩を放つであろう、こういうふうに我我は考えた次第でございます。大学当局といたしましても、福山分校は統合せずにこのまま維持して行きたい、こういう見解を表明されております。 次に水畜産学部でございますが、この学部は元暁部隊の兵舎の跡に入つておりまして、その後濠州軍兵舎となつて二十四年の四月に濠州軍が退去すると同時に畜産学部に譲渡されたわけでございますが、二十五年の十一月に警察予備隊約千人が入隊いたしまして、建物の東半分を警察予備隊のほうで使用し、水畜産学部はその西半分に追い込められておる実情でございますが、大学当局としてはこのままでは施設が不十分であるし、警察予備隊のほうでこの施設を全部使用するとするならば、文部、大蔵方面で予算的な措置も講じて頂いて適切な地に移転しなければならない、こういうことを部長は意見として表明しておりました。この問題につきましては最近本委員会でも話が出ましたように、教育施設の駐留軍による接收又は警察予備隊によるところの接收、こういう問題のやはり一つといたしまして、将来検討しなければならん問題だと、こういうふうに考えます。 次に静岡大学でございますが、静岡大学におきましては、問題点として申上げたい点は教育学部島田分校、三島教場は逐次統合する予定であるが、島田分校に関しては地元の関係が未だ清算されていない、こういう報告を受けました。教育学部浜松分校は元第二師範の跡でありまして、現在浜松市にある工学部、磐田市にある農学部のジユニア・コースを担当しております。併し将来静岡市へ統合したいという意向もあるやに承わりましたが、相当の困難性があるように視察いたしました。更に工学部につきましては校舎が戰災をこうむつて殆んど全滅状態でございますし、隣接地の旧軍施設に移つておるわけでございますが、着々と施設、設備は充実しつつあるように考えます。ただ問題は、その工学部のすぐ隣接地、元の陸軍練兵場跡に浜松市営競馬場設置の問題が起つております。浜松市当局としては強引に競馬場を設置したい、こういう意向のようでございます。大学を初めPTA、それから教職員組合代表とか、或いは婦人連絡協議会代表、こういうかたがたが結束して市営競馬場設置の反対運動をいたしておりまして、我々にも陳情がありました次第でございます。いろいろ承わりましたが、工学部の実験、学習、そういうものと合せ考えるときに、あの工学部のすぐ隣接地に市営の競馬場ができて、一年に十三、四回も競馬を開くということは工学部の教育上にも支障がある。従つて我々としては競馬場をあの地に設けることは好ましくない、こういうように実地視察した次第でございます。 それから次にあの大学は新制大学としては珍しい研究所を持つておりまして、いわゆる工学部電子工学研究所とテレビジヨンの研究をやつておるわけでございます。我が国には珍しい優秀な研究でございますけれども、視察してびつくりしたことは、施設が極めて不完備である。具体的に申上げますと、廊下あたりも焼けたままでありまして、塗替えもしておりませんし、ここで高柳博士の流れを汲む我が国唯一のテレビの研究がなされておるのかと思つたときに実際びつくりした次第でございます。特にその研究員というものは極めて少数でございまして、研究は十分できない。それで民間で無料でいいから研究に参與さして欲しいというかたがたを数人あそこに入れております。無料でございます。そういう人を助手に使つて研究を続けておるというような実情でございまして、テレビの時代も間近に迫つておる現在、こういう特殊な電子工学研究所あたりには、その施設の面においても、又人員の面においても、国の予算というものをもう少し理解を持つて重点的に向けなければならない、こういうふうに我々は視察した次第でございます。 その他といたしましては文理学部と教育学部の教授配当要領、これは昭和二十六年五月文部省から出たものでございますが、分校にまでこの原則を及ぼすことには疑問がある、こういう意見がございました。更に教育学部長の見解としては、教員養成の四年コースと二年コースと両方あつてもよい。更に農学部といたしましては、農学部の教員の定員が少いので非常に困る。これはいわゆる昔帝国大学といつた既設の大学でございますが、そういう大学の一学科分にも当らない程度だと、こういう意見が開陳されております。 次に船員教育につきましては、視察いたしましたのは、広島の商船高等学校と、それから神戸にあります海技專門学院、清水市にある商船大学、この三校を視察した次第でございますが、問題点として御報告申上げたい点は、広島商船高等学校におきまして、新らしい機械器耳が予算不足のために購入できないので、近代的施設とのギヤツプがひどくて非常に困つている、従つて二十七年度予算に二千万円を要求したのでございますが、文部省で減額され、大蔵省で更に減額されて、大蔵省査定は僅か百万円になつている次第で、これでは新らしい時代における商船教育というものは不可能だと、こういう意向を各学校長から承わつた次第でございます。神戸市にある海技專門学院につきましては、このたび商船大学に昇格のため本年度十万円の準備費が予算に計上されておりますが、地元はこの海技專門学院を商船大学に昇格させることにつきまして熱烈なる要望を持つているようでございまして、我々も県、市、更に地元有志からその陳情を受けたわけでございます。陳情者の主として力説している点は、清水一校だけでは不足である、或いは神戸市は日本の独立したる後における国際的な船員教育をやるに当つて、立地條件が非常によいというようなことを力説いたしておりましたが、まあ船員の需給関係等も考慮しなければなりませんので、十分にこれは検討を要する問題、こういうように私たちは視察いたした次第でございます。清水市にあります商船大学につきましては、元の清水高等商船学校の後に設けられたわけでございまして、ともかく、厖大な敷地を持つておりまして、いわゆる戦争末期に突貫工事で建てた建物でございまして、建物の粗惡なることは驚いた次第でございます。非常に校地が広くて用人の制限もございますので、到る所に草は蓬々と生えて、ちよつと視察して学園という感じはしないで「夏草や強者どもの夢のあと」といつたような感じがした次第でございまして、これを商船大学として施設設備を充実するのには相当の予算を必要とするもの、こういうように視察した次第でございます。なお、大学側としましては、船員教育の環境の問題から、最高学年は是非東京で教育するようにいたしたい。更に東京の越中島旧校舎が接收されておるわけでございますが、行く行くは商船大学の上学年の一部は越中島のほうに是非とも帰還いたしたい、こういう強い要望がございました。 次に六三建築につきましては、広島県並びに静岡県の県教育委員会当局から陳情を受け、なお我々も調査した次第でございますが、広島県におきましては、六三制の整備復旧に要する坪数を約一万九千坪、その費用概算五億七千八百万円、こういうように報告しておりました。なお、危險校舎につきましては、概算三万七千坪、その所要経費十一億九千万円、こういうように報告しておりました。危險校舎は災害に対する不安が非常に強く、特に秋季の台風には心痛しておる。従つて何らかこういう危險校舎の復旧に対する、更には災害に対するところの法的措置を講じて欲しいという強い要望があつた次第でございます。静岡県につきましては、いわゆる応急最低基準引上げに要する坪数がなお二万六千坪あり、その工事費は約五億七千万円、こういうように報告いたしております。老朽校舎については改築を要するものが約五万四千坪であり、所要工事費が約九億八千万円と報告を受けた次第でございます。数校視察いたしましたが、確かに老朽で早急改築を要するものがあつたことも報告申上げておきます。 次に学校給食についてでございますが、問題点として指摘されたのは両県とも次の通りでございます。即ち第一点としましては、従来の全国都市小学校兒童対象が、全国小学校対象にその範囲が拡げられたのはいいが、対象の人員が増加されていないから、従来給食していた都市の兒童を対象から減らさなければならない。従つて全体の給食日数を減少することも考えられる。次に第二点としましては、ミルク、補食給食は全部父兄の負担となることは、現在の父兄の経済状況からいつて非常に因る。それから第三点としましては、物の枠は文部本省できめて、認可は教育委員会ですることに矛盾がある。第一線で責任を以て実施しておる当局としては非常に因るという点が指摘された次第でございます。 我々の視察した主なる点は以上でございますが、そのほかに幼稚園と保育所の関係について陳情を受けましたし、更に神戸市当局から神戸大学工学部校舎、校地の買収方に関しまして陳情を受けた次第でございます。これは神戸市立機械工業学校校舎を昭和二十二年四月神戸大学工学部に貸したのを、政府のほうで買上げて欲しいという市当局の要望でございます。 以上の要点を申上げますというと、大学関係ではともかく整備充実を必要とするということと、更に教育学部の設備がきわ目立つて貧弱である。果してあれで次代の青少年を教育するところの教員の養成が可能であるかという疑問を持つた。第三点としましては、教授定員が少いために、大学の運営に支障があり、特にいわゆるたこの足大学においては、教授の割当に非常に困難を極めているそれから船員教育関係につきましては、ここで御報告申上げておきたい点は、広島の商船高等学校を視察いたしましたが、ともかく学校長を中心に懸命に努力されている点は特に御報告申上げておきます。今度の視察の中心となりました神戸の海技專門学院を商船大学に昇格させる問題につきましては、先ほど神戸側の意向も申上げましたが、これに対して清水にある商船大学の学長は敢然と反対の意思を表明され、この問題が表面に出た場合には、自分は一切の責任を持つて、我が国の船員教育は如何になければならないか、商船大学はどういう規模で、どういう内容を持つたものを、どの程度設けたらいいかという自分の責任のある見解を表明するところの用意があるという極めて強硬な意見が開陳されたわけでございまして、海技專門学院の商船大学昇格については十分検討の余地があるということでございます。六三建築関係につきましては不十分ながら進んでおりますが、今一歩という感じを強くした。それから学校給食関係につきましては、実際視察した結果というものは、この給食を従来の給食実施の形態を打切つて、最近伝えられるような形における給食実施というものは非常に困難な問題を生ずる、従つて一部から強く要望されているような給食に関する立法化というようなものも真劍に検討する必要があるのではないか、こういう点が我々今度命ぜられて調査いたしました要点とも申すべきものでございます。 以上御報告申上げます。
○委員長(梅原眞隆君) ちよつと速記をとめて……。 〔速記中止〕
○委員長(梅原眞隆君) 速記を始めて……。 次に第三班の報告を木村君から承わります。
○木村守江君 私ども第三班は高良とみさん、岩間正男君と私の三人が、高知県、徳島県の両県に一月七日より十四日まで視察旅行をいたした次第であります。調査の箇所は小学校十一校、中学校七校、高等学校五校、盲聾唖学校三校、国立大学二校、公民館一、教育関係者とも懇談会を五回持ちまして、その他教育委員会とも懇談会を二回持つた次第であります。 調査の結果につきまして簡單に御報告申上げます。第一の調査事項からしまして、私どもは教育予算の現状について見、第二番目には六三制の学校建築の状態、並びに老朽校舎を見たのであります。第三番目には産業教育の現状、第四番目には学校給食の現状、第五番目にはその他の社会教育の面、或いは大学教育と、文化財の問題等を視察した次第でありまして、この順序によつて御報告申上げたいと考えております。 教育予算の現状につきましては、高知県におきましては昭和二十六年度において十一億四千万円でありまして、県全体の予算の二三%を占めております。この県は御承知のように災害県でありまして、土木費は二十億万円を超過いたしまして、優に四〇%以上を占めておるような状況であります。特に高知県は僻地が多いために、四〇%が複式学級であるというような状態でありまして、理論学級から考えますると、教員の定数が小学校において一・六一七というような非常に上廻つた数字を占め、中学校におきましても二・〇一四というような状態を占めておりまするが、実際の教員定員の不足は現在の状態におきましては、全国において最低位を占めておるというような状態であるのであります。徳島県の場合におきましては、昭和二十六年度において予算の総額が十二億八千四百万円でありまして、これ又県全体の予算の二五・一%というような状態であります。高知県と同様に、徳島県は災害県でありまするために、土木費は優に四〇%を占めておるような状態であります。教員の定数は、これ又僻地が多いために非常に低位でありまして、私どもが実際見ました大野村小学校におきましては、一学級四十人平均の学級が十二学級ありまするが、教員は校長を含めて僅かに十三名というような状態であるのであります。このために両県とも義務教育費の国庫負担法を制定せられて、そうして義務教育費の円滑なる運営のできるようにというような要望が切実にあつたのであります。又僻地手当等につきましては、現在一級地から五級地までにかけられまして、百五十円きざみになつておりまするが、最高において僅かに七百五十円というような上廻つた状態でありましては、到底僻地に勤務するところの教員の待遇を見てやつたということができ得ない状態でありまして、実際においては、教育委員会が独自の予算を組んでこれを賄つておるような状態を見たのであります。こういうような観点から、どうしても義務教育費については、もつと強い保障の大原則を打ち立ててもらいたいというようなことが切望をされたのであります。 その次に六三制の学校建築と老朽校舎の現状でありまするが、高知県におきましては、〇・七坪の不足坪数が現在なお約三千四百坪ありまして、このほかケイト並びにルース台風の被害が百十九校に及び、実に一万四千五百五十八坪というような状態を示しております。このほかに老朽校舎、危險校舎が八千九十七坪というような状態でありまして、そのうちにはすでに建築後七十年を経過して、誠に危險極まるような状態下において教授をされているような状態であります。徳島県におきましても〇・七坪の不足坪数が約五千坪ありまして、今年度の二十七年度に計上されました三十七億万円の予算におきましては、やや不足を告げるのではないかというような状態でありまして、老朽校舎は六千坪、ルース台風の被害は実に一億三千六百万円といわれておるような状態でありまして、困窮した地方財政下におきましては、どうしてもこの老朽校舎の改築費と、それから台風等によるところの被害のことを考えましても、早急にこれらの解決を図つて頂きたいというような要望が強かつたのであります。特に年々参りまする災害に対しましては、学校建築費に対する防災並びに災害復旧に関する法律案の制定をしてもらいたいというような強い要望があつたのであります。 次に産業教育の現在の状態におきましては、産業教育の法律が出ましたことは非常に嬉しいことであつて、これによつて学校の施設内容が充実されまして、而して現在の貧弱極まるところの産業教育学校が、その内容の充実を見たことは誠に嬉しいが、もう少し国庫の補助を増額しては頂けないかというような要望が強かつたのであります。又我々が産業教育振興法において削除いたしました四條、五條、六條は、むしろこれを復活すべきではないか、将来においてこれも考慮して欲しいというような要望が多かつたのであります。 次に学校給食の現状でありまするが、高知県におきましては完全給食が二十七校二万三百人であります。不完全、いわゆる補食給食が百五十三校で四万二千人であります。徳島県におきましては完全給食が二十七校二万一千七百二十名、補食給食が百十六校五万一千二百七十七名というような状態であります。この両県を通じまして、学校給食に対することにつきましては、学校給食は継続できるようにして欲しい。なおできれば、現在の不完全給食即ち補食給食を行なつておるような農山漁村を完全給食に導いて、而していわゆる食生活の改善等、待遇向上を図るべきではないかというような叫びがありましたことは、我々傾聴に値いすべきものであると考えるのであります。第二番目の問題といたしましては、昭和二十七年度に計上せられました、いわゆる二十四億円の補給金、いわゆる農林省よりの補給金によつては、現在の負担よりもなお個人負担が多くなるために、これは実際給食を実施いたす関係上、非常に大きな障害となるのではないかというようなことから、この点につきましても現在の給食費より、いわゆる物価の値上りによつて増強する程度においては我慢せざるを得ないが、これ以上に負担を増すというようなことのないようにしてもらいたいというような話が切実に行われたのであります。第三番目には、生活保護法の適用を受けて、学校給食費を支給されておるところのものが、現在におきまして約五%ありまするが、これに準ずる生活保護法を適用しない、要保護児童が約五%ありまして、この学校給食を実施いたす上にこれが非常な障害となつておる関係上、この点をもつと円滑に支給できるような方法を考えてもらいたい、厚生省にも篤と御協力の上実現を願いたいというような話があつたのであります。 次に大学の教育の問題でありまするが、第一に我々が見ました大学におきましては、いわゆる戦災校でありまして、設備の不完全なことが非常に痛感されたのであります。第二番目には、昭和二十七年度よりいわゆる大学が四年、もう完全に四年ができることに相成るのでありますが、教官が現状でとめておかれるというような関係から、これでは教官の不足のために講座が実施できない。而して本当に学生に單位を與えることができないような状態なので、この教官の不足を考えてもらいたい。いわゆる積極的には大学の教員の行政整理はしないが、今まで三年きりなかつたのを四年制ができる今日において、現状維持においては、消極的に行政整理と何ら変りがないというような叫びが多かつたのであります。 その次に道徳教育の問題についてもいろいろな要望がありましたが、これは省略いたしまして、社会教育の面につきまして、先ほど矢嶋君が言われましたように公民館並びに幼稚園等の問題につきましては、公民館、幼稚園等に対してはやはりもつと補助をもらわなければいけない。それと同時にいわゆる職員の身分の保障というふうなものが最も大きく叫ばれた問題でありまして、我々は考慮すべきではないかと考えて参つた次第であります。 その次に今回の視察におきましては五ヵ所において教育関係者との懇談会を開催いたしましたが、高知県におきましては、どういう関係か教員組合の人たちが殆んど全部でありましたが、徳島県におきましてはPTA、町村の理事者、実際の教員職員等が集まつてくれまして、非常に有益な会合であつたと考えるのであります。こういう点につきましては、今後やはり学校教職員のみでなく、PTA、理事者等とも学校教育の運営について懇談することが適切ではないかと考えられた次第であります。…… なお、阿波人形浄瑠璃のことについても見て参つた次第でありますが、この点につきましては報告を省略いたさせて頂きます。 以上でありましたが、もう一つ大学の問題、徳島の大学の医学部の問題でありますが、徳島の医学部は御承知のように元の聯隊の跡でありますが、その隣にすぐ敷地を境にして、国立の徳島の病院があります。これは昔の衛戌病院でありますが、現在の状態においては、この国立病院が徳島医科大学のために殆んど振るわざる状態において、実績を上げ得ない状態にあるのであります。ところが徳島医科大学においては今や病院が狭隘を告げておりまして、大体二百ベツトきりないというような状態でありまして、これは徳島大学の今後の教育の完全を期するためにも、国立病院を統合してそうして徳島の医科大学の充実を図ることが緊要ではないかと思われます。これと同時に地方問題の解決としましても、国家的の衛生施設の完備という点から考えましても、徳島大学と国立の徳島病院とが相隣り合つておるというような状態が決していい状態ではないというようなことを見て参つた次第であります。 以上簡單に御報告申上げます。
○委員長(梅原眞隆君) 第一班は荒木君、高田君が行かれておりますが、今日はお二人とも欠席でありますから、これは次回に報告を求めることにいたします。 次いで文部大臣の出席を求めて、文部大臣に対する質疑を行いたいと思います。ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(梅原眞隆君) 速記を始めて下さい。大臣が出席をされましたから、これから大臣に対する質疑を行います。最初に矢嶋君。
○矢嶋三義君 本日は大臣に少し具体的にお伺いいたしたいと思います。第一番に伺いたい点は、教育施設並びに設備を中心とするものであります。大臣は常々いわゆる義務教育の小学校、中学校の現在における応急最低基準の引上げ、即ち小学校を〇・九坪に、中学校を一人当り一・二に引上げたい、こういうことを言明されておつたのでございますが、このたび最終年度に当つて、一人当り〇・七坪の最低基準を確保すべく六十七億の予算概算要求をいたしたわけでございますが、伝えられるところの文部省の二十四年調査し二十六年の調査とのその食い違いから十五万六千坪、約二十三億円に余るところのずれができておるために、本年度は、〇・七坪の完成ができない事情になつておるわけでございますが、これを本年度どういう政治力に、よつて解決されようと大臣としてお考えになつておるか。事務当局の具体的な案でなくて、大臣の御見解を伺いたい。これと関連して老朽校舎につきましては、本日も調査員から報告もございましたし、なお文部省からの今日提示されました資料におきましても、如何に緊急の問題であるかということははつきりといたしておりますが、今すぐ建てなければ保安上も危險であるという約百六十七万坪の危險校舎のうちから、今すぐやらなければ危險だというのが四十五万坪であると、こういうふうに報告されているわけですが、この六三の建築の〇・七坪の確保と老朽とは一貫したものだと思うのでございます。これについては二十一億六千万円の要求をされて零になつた。その理由を承わりますというと、大蔵大臣としては老朽校舎は地方公共団体が放つてあつたのだから、これは地方公共団体でやらしたほうが教育熱を昂揚させる意味からも意義があると、こういうことを言われておるそうでございますが、即ち老朽校舎というのは、御承知のように地方公共団体が怠けておつたわけではなくて、戰時中に建築制限なんかありまして資材も廻つて来なかつた。そういう関係上、戦争の犠牲で老朽校舎というものは生れたものであるし、又戦後におきましては、いわゆる新制中学の発足によつてその建築を先ず重点的に取上げて行つたために、新制中学校の犠牲として小学校の老朽校舎というものは生まれた、いわば国策の生んだものでございます。これをいわゆる大蔵大臣の伝えられるところの見解によつて、補助もしない、起債もそう優先的には考えないと言うに至つては、私は失礼ながら言語道断だと、こういうふうに考えるわけですが、これに対して大臣はどういう見解を持たれるか。なお今後如何なる折衝によつてこれを解決されようとしておるか。その点を承わりたい。
○国務大臣(天野貞祐君) 私は小学校の〇・七坪に満足するものではなくして、これを〇・九坪にしたいということを考えておつたのですけれども、少くも差当つてそういうことを主張しても到底できないという考えでありますから、とにかく〇・七坪を完成したい、これを今年度において完成したいと考えて、五十七億円と自分は記憶いたしておりますが、要求をいたしたわけでございますが、併し大蔵当局と文部省事務当局との計算の食い違いがあつて、今年ではまだ二十三億程度の分が残ることになりましたけれども、大蔵大臣がその残りの分は来年度において見るということを本会議においても、又予算委員会においても言明されておられることでありますから、これを来年度において完成したいという考えでございます。 それから又老朽校舎につきましては、お説は御尤もな点が多いように私は思いますので、是非急にこれは直さなければならないのですけれども、併し今のところすぐこれをやるということには、起債ということによるのが本筋ですけれども、それも非常に困難なところがあるので、ここで一つ何か新らしい工夫をしよう、こういうことを今事務当局と相談中でございます。
○矢嶋三義君 大蔵と文部の計算のずれから生じた二十三億については、確かに池田大蔵大臣が本会議においてその後の人口増とも関連して来年度において考慮いたしたい、こういうことを言われておりましたが、私はこのたび提案されておるところのこの予算案というものは補正予算を必至とするものだと考えるのでございますが、補正予算が提出されるような場合には、私は当然その補正予算に要望すべきものと思いますが、大臣はどういうふうにお考えになつていらつしやいますか。
○国務大臣(天野貞祐君) その点もよく研究したいと思つております。
○矢嶋三義君 大臣は補正予算で組まれる場合はそれを強く要望して補正予算に織込みたいと、そういう固い意思があるのでございますか。その点を私は伺つておるのでございます。
○国務大臣(天野貞祐君) 教育予算についても、その他についてもなかなか簡單に言えませんから、言うことはやさしいのですけれども、それをどうしたらよいかというようなことはよく研究をしたいという考えでございます。
○矢嶋三義君 それ以上答弁を要求しませんが、それは大蔵大臣の答弁であつて、六三教育施設を整備する責任の立場にある文部大臣としては研究という言葉では私は少し満足できません。再びそう申されることでありますから追及いたしませんが、大臣の立場におかれましては、私は一日も早く完成するように、殊にこの老朽校舎につきましては先ほどもお話がありましたように熾烈な要望がありますので、特に御奮起を要望いたしたいと思います。 なお、本日ここに資料がなければ、他日資料で出して頂いて結構でございますが、それは先般寺中局長が応急基準に不足の分を如何にして解決するかという場合に、〇・七坪に不足するから更に予算を欲しいと要望するか、或いは戰災都市が非常に立ち遅れておる、特にそういう戰災都市に限つて、戰後人口の移入が多かつたために、校舎が非常に挾隘を極めておるから、従つて戰災都市の教育施設復旧という立場から予算を獲得するかについて検討中である、こういうお話を承わつたわけでございますが、私ここで承わりたい点は、戰災都市と非戰災都市とのいわゆる応急基準への到達状況というものはどういう状況になつておるか。若しも戰災都市の建築が非常に立ち遅れておるということになりますれば、これは戦争犠牲公共団体でございますし、格別の考慮をしなければならないと思うのでございますが、若しここに資料をお持ちでございますならば一つその点を承わりたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) 資料はあとから提出いたします。
○矢嶋三義君 ここに質問申上げる前に、この施設について要望申上げておきたい点は、国家財政が貧困とはいえ、浸水地域とか或いは都市の中枢部については鉄筋の建築に切替えて行きたいという基本方針で文部当局が努力されておる点は、私は非常に諒といたしますが、経済の貧困のために急にその完成が覚束ないこともわかるのでございますけれども、財政の許す範囲内において要望して切替えなければならんのではないか。特に私新聞をよく拝見しておるのでございますが、学校の火事は、まあ記事に目立つ関係かも知れませんが、余りにも火災件数が国立並びに公立の学校の件数が多過ぎる。従つてこれは防火施設の完備ということもございましようが、根本的には、やはり建築様式の転換、これは又予算を大きく伴うものなんでございますけれども、今後その点に努力して頂きたいということを要望して、次の質問に移りますが、それは先日資料に出して頂いたのでございますが、被接收学校施設が四十七件と報告され、そのほかに図書館その他社会教育関係の被接收施設が十六件、合計六十三件が先般本委員会に報告されているわけでございますが、そのほかにすでに国内的には一部解決した問題がございますし、なお純国内の問題として解決していない、例えば警察予備隊が接收した場合のような未解決の問題を加えるというと、更にこの件数は私は多くなると思うのでございますが、この教育施設を守る立場から、これに対する対策、更に私はここではつきりお伺いいたしたい点は、現在大学並びに公立学校で旧軍施設を相当使つている、いわゆる転用校舎でございますが、これが伝えられるところの警察予備隊の拡充に伴つて、転用されているところの教育施設が、警察予備隊の施設に再転用される虞れが私は多分にあると思うのでございます。一説によりますというと、文部省から、旧軍施設で教育施設に転用しているところの施設に対しては、恒久的な施設はしないように、それに予算はぶち込まないようにというような通牒が出ているかに承わつておるのでございますが、若しもそれが事実とするならば、軍施設を転用しているところの学校当局というものは腰が落ちつかないで、教育に重大支障を来たすと思うのでございますが、こういう被接收教育施設並びに転用校舎の問題について大臣の御答弁をお願いいたす次第であります。
○国務大臣(天野貞祐君) そのことは私も平生苦慮している一つの問題でございます。それで岡崎国務大臣にも私はたびたび是非早くこれを返してもらいたいということを一方に言うと同時に、大橋国務大臣に対しては、現在大学等において使つている場所を警察予備隊で使うというようなことはしてもちいたくないと申したのでありますが、それに対して大橋国務大臣は、是非私の趣旨に副うようにする、ただ所によると、地方で以て非常にそれを要望する場所がある。非常に広い場所などに対しては要望する場合があると言うから、要望するというような場合には、是非私に一度話してくれろと申したところが、大橋国務大臣は、そういう場合には必ず一度文部省に連絡をするから、こういうお話でございます。又大学に向つて恒久的な施設をしないようにというような通牒を出したことはございません。
○矢嶋三義君 私は大臣のその御努力を諒とするのでございますが、私はその程度ではこの危險というものは去らないと考えております。曽つて軍の演習地が開拓民によつて開拓されて、それがすでに再び警察予備隊或いはいわゆる駐留軍の演習地に化そうとしているのと私は問題は全く揆を一にする重大な問題と考えるわけでございまして、これについては、私は閣議において一つの閣議決定として出して頂きたい。それが我が国の文教を守るゆえんだと考える。特に政府は現在再軍備は絶対しないと、こういうふうに言われておる現段階において、吉田内閣においてそういう閣議決定が私は不可能だとは考えません。従つてそういう提案を大臣からして頂きたい。こういうことを私は強く要望し、それに対しての大臣の御見解を承わりたいのであります。
○国務大臣(天野貞祐君) 御意見はよく承わつておきたいと思います。
○矢嶋三義君 こういう問題は我が国が現在歩こうとしているところの基本的な方向と私は至大な関係があると思いますので、教育施設の質問とちよつと外れますが、大臣に基本的な問題を一、二お伺いいたしたいと思います。それはさつき再軍備という言葉を私は出しましたが、大臣は曽つて本委員会におきまして、再軍備はないと思います。従つて憲法改正というようなものはあり得ないと思う、こういう御答弁を曽つて承わつたのでございますが、現段階におけるところの我が国の防衛に対する政府の考え方、やり方、これはいわゆる再軍備コースにあると大臣はお考えになりますか。それともそうでない、こういうふうにお考えになるか、承わりたいのであります。大臣が衆議院におきまして、警察予備隊は如何なる施設をしようとも、この警察予備隊は国内の治安を確保することが目的であるから、軍備ではないと、こういうふうに答弁されたということは新聞で承わつておりますが、重ねて私はいわゆる再軍備コースにあると大臣はお考えになつていらつしやるか。若し再軍備コースにあるとするならば、予算的な問題からいろいろこういう問題が派生的に出て来ると思うのでございますが、その見解を承わりたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) 教育は国内全般のことと関係しておりますから、どういうことでも教育と関係があると言えば、ありますが、私は文部委員会では教育プロパーのことを論議したいと思います。所管外のことに余り口を出すことは所管大臣の御迷惑になることもあり得るという考えでございます。
○矢嶋三義君 非常に御円満な人格者である天野文部大臣としては、更に又政府部内の教育ということを念願される人格者の天野文部大臣としては、非常に当を得た御答弁、(笑声)こういうふうに考えるわけであります。併し再軍備というような問題というものは、コースにあるかないか。こういう動向は国として最も大きな問題ですし、殊に教育者は如何なる肚でどういう方針で教育して行つていいか、やがて昏迷に入ろうとしております。特に非常に純粋な知識欲に燃えておるところの大学、高等学校の学生諸君というものは、極めて関心を持つている問題でありまして、こういう問題について我々の文教の責任者である天野文部大臣はどういう御見解を持つてどういうふうに努力なさつて下さつているのであろうということは、被教育者である青年期に達した大学、高等学校の学生生徒諸君、特にその教育をなさつておるところの教育者というものは至大なる関心と期待を寄せているわけでございまして、それらに対する見解というものは大臣が表明されるべきじやないか。プロパーだけやるのだから、それには触れないというのは、それでは私は満足できないと思うので、重ねてお伺い申上げる次第でございます。
○国務大臣(天野貞祐君) その見解は、衆議院の本会議において私は表明いたしましたから、この文部委員会で更に立入つて論議をすることは、私は自分の所管外のことだからいたしたくないという考えでございます。
○矢嶋三義君 それでは私それならもう一つお伺いいたしますが、大臣が本当に所管外……教育も関係があることなんでございますし、基本的な問題、こういう問題については、憲法との関連において論議される、こういう問題については私はひとり所管大臣でなく、各国務大臣はそれぞれの見解を以て答弁をして私は然るべきだと思うのです。若しも個人的にそれが不統一になるならば、いわゆる閣内において統一されたところの意見というものを各大臣において議員から、或いは国民から質問があつた場合には私は応答して然るべきじやないかと思うのですが、それを各大臣がそういうふうに最近A大臣、B大臣、C大臣によつてそれぞれくるくる舞になつたというような醜態を演じたというようなことが報道陣から報道されておりますが、それあるが故にどの大臣も口を緘して言わないで、一人の大臣だけの見解で説明をしているというのでは私は納得できないと思うのです。で、大臣がそう言えばもう一つ進めてこの点についてお伺いいたしますが、私は或る新聞で見たのでございますが、現在の警察予備隊というものはこれはおたまじやくし、おたまじやくしは生物学から言うと或る時期になるというと蛙になるのであります。それを天野文部大臣も認めたかのような私は何を見たのでありますが、そうだとなると、果して大臣がそういうような見解を持たれておるのかどうか、そうだとすると私はこれは相当の問題点が出て来ると思うのでございます。なぜ私はこういうことをお伺いするかと申しますと、憲法論議が盛んに行われておりますし、今日の新聞のごときは、自衛のためなら警察予備隊は海外に出るかも知れないというような記事が出ております。これは青少年というものには刺戟するだろうと思う。すでに新聞を見ますと、社会党の第四控室のほうでは警察予備隊に応募しないような運動を起すというようなことを車中談として新聞で私は拝見しましたが、これは社会党の第四控室に限らず、或いは教育者の間に、或いは学者、青年層の運動の中にですね、こういう国内の治安を相当飛躍したこういう警察予備隊にはお互い応募しまいじやないか、応募させないようにしようじやないかというような運動が私は起らないとは断言できまいじやないか。そういう事態になつた場合、どういうふうに対処するかというようなことを私は杞憂かも知れませんが、心配しておるわけであります。あえて大臣にお伺いしておるわけでありますが、もう一度御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) 私はやはりですね、警察予備隊というような所管外のことを論議することは少なくも文部委員会においては私はできないと自分は考えております。
○矢嶋三義君 時間が何でございますので次の質問を続けます。 次にお伺いいたしたい点は、やはりこの教育の施設に関連があるのでございますが、最近青少年の不良化が盛んに伝えられ、殊に青壮期の頽廃というようなものが伝えられておりますし、本会議における天野文部大臣の答弁も私は拝聴いたしました。それにつきましても想起されることは、東京都の加藤教育次長は数回に亘り公述人として招致された場合に、学校教育法の一部を改正して、教育施設の周囲にはいかがわしい、教育上好ましくない施設は設置できないというような立法化をして欲しいという強い要望が政府当局にも国会にもされたわけでございますが、その後、先ほど私御報告申上げましたような浜松の工学部の傍らに工学実験に差支えのあるような競馬場ができるとか、或いは東京都内の問題もございますし、宇都宮の教育施設の周囲が特飲街で囲まれてしまつたというような新聞記事も承わつておりますが、そういう処置を如何にするかお考えになつておられるか。更にこれとも関連するのでありますが、先般一橋大学のある国立が文教地区として指定されたのでございます。併しあの国立文教地区は指定文教地区として指定はされたのであるが、依然として立川のほうから参りまして、ホテルを使用して、やはり日本の風紀を紊しておるということを承わつておるのでございますが、近く行政協定も最後的に決定するようでございますが、先ほど申上げました国内的なそういう問題、更に駐留軍とも関係あるような、文教地区のホテルの駐留軍による使用、文教地区に限つては使用できないというような内容を行政協定の中に盛るべきじやないか。更にもう一歩進めるならば、駐留軍は今後もう占領軍でないのでございますので、できるだけ田舎のほうにでも行つて頂いて、その近くに適当な施設をして、日本の住宅地域においては我が国独特の風俗というものを保持できるような申入れを、対等国としての日本の国から米国側に対してなすべきではないか、こういうふうに考えるのでございますが、これは文教施設とも重大関係のある問題でございますので、而もこれは文教プロパーの問題と考えますので、大臣の御答弁を願います。
○国務大臣(天野貞祐君) お話のあつた浜松につきましては、私この間も建設大臣にそのことをお話して、是非そういうことができないようにということを今いたしております。そういうふうなことが成り立たんように努力しております。 それから一般文教地区については、文教地区の確保ということは非常に必要なことで、教育環境というものをよくするということの重要性ということは、私も矢嶋委員と全く同感でございますから、そういういろいろな点については又外務省のほうとも話合いをいたし、いろいろ交渉と研究をいたしておるのでございます。
○矢嶋三義君 その点については是非御努力を要望いたしておきます。 次にお伺いいたしたい点は、教育施設の災害復旧についてでございますが、先ず承わりたい点は、先般ルース並びにケイト台風の襲来によつて、ルースだけでも文教施設で七十九億からの被害を受けている。それに対して文部省は三十九億の補助を要求なさつたように承わつております。すでに結論も出ておるようでありますが、これに対して非常に御努力された点は了とするのでございますが、年々歳々殊に西日本には台風が襲来いたします。その都度その地域の住民が甚大の被害を受ける。更にこの公立学校の災害を受けた場合に復旧には非常に至難を極める次第でございます。で毎年災害復旧補助要求というものは政府に要望されておりますが、私この際お伺いいたしたいのは、先般のルースの災害に当つては農林関係にしましても、建設関係にいたしましても、その災害のひどかつたことからして、災害の補助率を引上げようという方向にあるにもかかわらず、文部省の施設の災害補助率は従来二分の一だつたのが三分の一に下つたというのは如何なる理由に基くものか、これは私は教育施設の保全という立場から、災害復旧の立場から非常に遺憾だと考えるのでございますが御答弁願います。
○国務大臣(天野貞祐君) 一体毎年毎年こういう災害が起ると、災害の起つたときにすぐ金の用意をするというのでなく、何か恒久的にこの災害の費用というようなものを予算に組み入れられて置くとか、何かそういうふうな方法のことも考えたいと思つております。併し差当つての御質問については文部省のほうも二分の一補助することになつております。
○矢嶋三義君 二分の一に確定したわけですね。
○政府委員(寺中作雄君) 実際の措置として二分の一の補助をやるということになつておるわけでございます。
○矢嶋三義君 それがこの前……私この際ちよつとお伺いしたいのですが、補助令達というですね、実際に二分の一やるのに補助令達になぜ三分の一の数字を掲げなければならないのか、三分の一であるが、実際は二分の一を支出する、そういうところに私は不均衡があると思うのです。その理由を承わつておきたい。
○政府委員(寺中作雄君) 補助指令に出しますときに、二分の一で補助する ことにしております。
○矢嶋三義君 それでは三分の一の補助率というものは完全に一切問題ないとこう考えてよろしいのですか。
○政府委員(寺中作雄君) 予算の積算の数学は三分の一ということで、これは高等学校については三分の一ということで積算されたのでありますが、実際の措置として二分の一の補助をするということになつておるのであります。そういたしますと、まあ予定をしております工事量ができないということになるわけでありますが、その点は将来の問題としてなお折衝の余地を残すというような形になつております。
○矢嶋三義君 まあうまいことを言つておりますが、結局それは全部やはりさなきだに窮迫しておる地方財政を圧迫することになるわけであります。それで私はお尋ねしているわけなんですが、それと関連してもう一つお伺いいたしましよう。それは公共土木施設の災害復旧に当つて、公共土木施設災害復旧費国庫負担法というのがございますが、これを見ますというと、最低三分の二の国庫負担になつております。而も損害十五万円未満のは補助しないが、十五万以上は補助するようになつております。ところが学校の教育施設の災害復旧を見ますというと、中破以上が相当多くて復旧に困るから、だから中破の災害復旧を補助の対象にして欲しいという年々歳々強力な要望あるにかかわらず、文部省関係の施設だけは大破以上になつて中破というものが認められていない、中破程度ならばこれはもう十五万円以下で修理できるようなものは今の状況から言つてないと考えます。これは私はやはり文教施設の保持という立場から私はたしかに退いていると考えるのでございますが、如何でございましようか。
○政府委員(寺中作雄君) 学校の災害復旧について他の公共施設よりも多少條件が惡いというような考え方につきましては、これは大蔵省におきまして教育施設についてはこれは公共的な面が多少少いんだというような気持を持つておるようでありますが、文部省としましては、これは教育ということは真に公共性の非常に強いものであるという意味で以てそれに対して強硬に抗議をいたしまして、将来の研究問題といたしましては中破以上、又比率につきましても他の公共施設と同じ比率によるように研究をしておるのでありまして、現在積算の場合に多少そういう大蔵省の考え方があつたのでありますけれども、これに対しては文部省は承服しておるわけではないのであります。今後の研究問題といたしまして十分文部省の趣旨の通るようにいたしたいと、こう考えております。
○矢嶋三義君 こういう問題は大蔵初め関係各省大臣がいないと非常に質問の目的を達することはできないのでございますが、その点残念に思いますけれども、更にこれについてお伺いいたしたい点は、大臣さつきちよつと出されたようでございますが、この重大な問題を解決する立場から特に教育の施設が公共的な面が少いというような政府部内にあるところの意見、こういうものが私は相当問題だと思うのです。これらを解決する途として大臣先ほどちよつと出されましたが、災害防止及び災害復旧国庫負担法とでも申すべきような、そういう立法化を、政府提案として出される意思があるかどうか、これを承りたいと思うのであります。と申しますのは、先ほど申上げましたように、公共土木施設についてはちやんと法的根拠があつて復旧はなされております。災害があつた場合には立法化が遂げられておりますから、地方公共団体はその下に応急に的確に処置できるわけでございますが、その点文教施設は法的根拠がはつきりしていない関係上、非常に支障を来たして、教育にも支障があるし、地方財政を圧迫していると私は思うのであります。従つて先ほど大臣ちよつと出されましたけれども、そういう立法化についてどの程度の準備をされ、更に決意をされておるのか、この際承わりたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) 私はそういうことが何か必要ではないかということを考えて、そうして事務当局によくそういう点をどういうふうにすべきかということを研究してもらつているのです。いつも研究というようなことを言つて誠に恐縮なんですが、これも調べてもらつておつて、今すぐどうするというところまで、まだ私がここで言うところまでは至つておりません。
○矢嶋三義君 非常に御用心になつて研究で通しておられますが、大臣としてはこれは是非ともやらなくちやならんと、やろうという天野先生個人はそれを希望せられているのですか、どうですか。それだけ一つ御答弁願いたいと思う。
○国務大臣(天野貞祐君) 天野個人というのも、いつも文部大臣としての個人だというふうに世間から言われております。又矢嶋さんもそういうふうに受取られておりますから、やはり個人として用心したほうがよかろうと思います。(笑声)
○矢嶋三義君 まあ大臣は相当決意はされておることと思うのでございます。まあ用心されるのは結構ですが、余り用心されると萎縮して参りますからして、勇気を出して頂きたいということを要望しておきます。 それから施設関係で最後に承りたい点は、それは西南諸島でございますが、西南諸島の住民のかたが鹿兒島あたりに来て先ず要望する点は何かというと、内地と自由に旅行できるようにしてもらいたい、親戚のお祝いがあつたり、或いは悲しみ事があつた場合に自由に行き来できるようにしてもらいたい。それからもう一つは教育施設を充実して立派な教育ができるようにしてもらいたい。この二つをどの人も鹿兒島に上陸すると切に要望するところと承わつております。特に最近こちらに還りました七つの島でございますがね、あそこの教育施設を見た人の話を聞きますと、極めて惨怛たるものだ、六三制どこかというような感じがするというのでございますが、これは明らかに今度鹿児島県に編入されたわけでございますが、これの対処策としてどういうふうにお考えになつていらつしやるか、伺いたい。
○国務大臣(天野貞祐君) 非常に島民諸君の熱望は御尤もなことと思つて、私どももできるだけその御希望に副いたいと思つて今視察の人を出しております。帰つて来たらば対策を立てる考えでございます。
○矢嶋三義君 時間が長くなりますので、もう施設の点はここで打切つて、もう一点産業教育についてお伺いして私の質問を打切りたいと思います。 それは先ず第一点として伺いたい点は産業教育法が制定される場合に、地方財政との関係でいろいろ問題が論議されたわけでございますが、当時まあ提案者であつた当時の衆議院文部委員長長野議員も予算化については、政府與党内でも大体了解がついている、地方財政を圧迫しないように特に六三義務制にしわ寄せしないように十分努力するという誓約があつて、條文にはなつていませんけれども、そういう紳士協定の下にあの産業教育法は通過した、こういうふうに私は記憶しているわけでございますが、この度の予算編成に当つては大臣非常に御努力なさつたことにつきましては敬意を表するものでございますけれども、あの六億六千六百万円のうちの大部分を占める高等学校の枠が六億となつておるわけでありますが、その高等学校の補助率が三分の一で、義務制の中学校だけが補助率二分の一と、こうなつておるわけでございますが、そうなりまするというと、残りの三分の二というものは完全にこれは地方財政を圧迫するようになるわけでございますが、これをこういう事情になつた経過と、これを如何に地方財政を圧迫しないように、而も首相の施政演説にありましたところの職業教育の振興という立場から解決しようとされているか、文部大臣の見解と、又失礼でございますが、與党所属の今村政務次官からも御答弁を頂きたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) 私は初めここの委員会で以て非常に産業教育が論議されたときに、産業教育は従来の職業教育じやないのだ、そういう意味において、決して精神と申しましようか、方針として六三制を圧迫するというようなことはないので、これをむしろ助けるものであるということを申したのであります。だから産業教育がなされるということは、却つて六三制のためによいことになるのだというふうに私は思つております。ただ、只今の地方財政に対する圧迫という点につきましては、私はこれは事務当局から御返事いたさせたいと思います。
○政府委員(今村忠助君) 只今矢嶋委員から産業教育関係の予算、自由党としても了解もあり力も入れなければならんという御質疑があつたのでありますが、正にその通りだつたと思うのであります。ただ財源関係等から誠に金額としては不十分な六億数千のものがきまつたのでありまするが、その点は我々努力はいたしましたけれども、遺憾に存じておる点であります。将来なお一段と努力し、財政、財源等の許す限りにおいて増額するよう努力はいたして参りたいと考えております。
○説明員(内藤譽三郎君) 只今の地方負担分につきまして、三分の二が地方負担でございますので、相当な額に上りますので、地方財政を圧迫しはせんかという矢嶋委員の御質問でございますが、その点につきましては、私ども非常に苦慮いたして、地方財政委員会と目下折衝中なんでございます。そのうち固定資産に類するような、例えば練習船とか、その他大きなプラントに類するようなものだけでも約三分の一ほどございますので、これだけでも起債を認めて欲しいということで今折衝しておりますが、只今練習船の約一億程度については大体話合いがついたようでございますが、その残りの分については、まだ話合いがつかないのであります。目下折衝中でございますので、成るべく御趣旨に副つて地方財政を圧迫しないようにいたしたいと思います。
○矢嶋三義君 これは地方財政を圧迫し、更に産業教育法の立法精神による職業教育の振興という立場からは重大な問題であるということははつきりしておると思うのでございます。船の分については起債が大体了承できたかに承わつておりまするが、残る起債については、先般の寺中前課長の説明によりますというと、非常に至難なように承わつております。従つて大臣並びに與党所属の次官におかれましては、特にこの点については強く政府部内において善処されるように要望いたす次第でございます。 次にお伺いいたしたい点は、中学校の職業教育の補助費として組まれたものは僅か二千七十万円になつておるわけでございますが、つきましては、私大臣にお伺いいたしたい点は、政令諮問委員会の答申が、これはやがて発足する地方教育審議会において検討されるのだと思いますが、これは根本的な問題に触れますけれども、中学校を職業コースと普通コースに分けてはどうかというような方針が検討されておるわけでございます。これを従来のまま行くか、中学校をこういうコースに再編成するかということは、私は新学制の基本的な問題になつて来ると思うのでございますが、それらとも中学校に僅か二千万円程度しか補助をしなかつたというのとは何らかの関連性があるのかどうか、その点大臣に承わりたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) これはですね、今度の六三制というものが一体発足したときに、中学校の中にはいろいろなバラエテイを持たして、地方によつて或る所は商業に重きを置く、或る所は農業に重きを置くというようないろいろな中学校があつてよいのだ、けれども、併しどの中学も皆高等学校に行くように上が開かれておらなければならない、これが六三制をきめた教育刷新委員会の基本的な考えでございます。これを変えてはいけない。だからして、ここでたとえそういう種類に違いができてもそれは当然よいことなんですが、どこまでも上に行くことを塞いではいけない、袋小路に入れてはいけない、政令諮問委員会の御趣旨も決して袋小路に入れてしまうという御趣旨ではないのですから、職業教育、或いは産業教育を重んじても、従来の六三制の精神はどこまでも堅持されることと私は考えております。そのことと、今の予算とのことは別に何も関係のないことでございます。
○矢嶋三義君 そのコースに分ける問題については他日に議論を譲りまして、次にお伺いいたしたい点は、義務制になつておるところの特殊教育の盲聾の職業教育でございますが、これについて是非お伺いいたしたいのです。と申しますのは、まあ盲聾学校における職業教育というのは、職業の基礎的陶冶をするというような或いは中学校、高等学校の職業教育とは私は随分違うと思う。これは職業人を養成して、それによつて自活ができるようにして上げなくちやならないと思う。そういう立場からあの気の毒な盲聾学校に学んでおる生徒諸君の職業教育の施設を見ますというと、極めて貧困でございます。義務教育の完成も昭和三十一年になつておるのでございますが、寄宿舎その他の施設も不十分だというので、今度の予算にも建物に対する予算が一億四千六百万円組まれておりますが、職業教育の設備というものが非常に不完全なんでございますが、これに対するところの補助というものは、これは義務教育でございますが、どういうふうにお考えになつていらつしやるのか、産業教育法に基くところの補助六億六千六百万円の中に、内訳を見ますというとないように私は拝見するのでございますが、これは関連がないのかどうか、その点伺いたいと思うのであります。是非ともこれは職業教育の振興の一環と特殊児童に対する教育という立場から十分考慮しなければならない問題だと考えております。
○説明員(内藤譽三郎君) 只今の職業教育の盲聾唖に対する補助でございますけれども、殆んど今度の予算は新制高等学校が中心でございましたので、組まれておりませんのは甚だ遺憾でございます。ただ御承知の通り、盲聾学校の義務制がまだスタートして四年の程度でございますので、将来中学校までが義務制になるので、職業高等学校の設備が盲聾唖の場合には充実して行きませんのも事実でございます。その点で義務教育のほうに重点が注がれておりますので、お話のような欠陷がございますので、今後この点については義務教育の完成と並んで充実することにいたしたいと思います。お話のように、できるだけ今現在やつておりますのは、主としてはり、きゆう、あん摩の認定というようなことが主でありますが、それ以外にも一般的に職業教育をできるだけ広くいたしまして、自活できるようにという御趣旨の線に沿つて研究を進めております。
○矢嶋三義君 義務教育と並んでと言われますが、これははつきり盲聾唖は義務教育に入つておりますので、而も特殊兒童を対象とする特殊教育という立場から、そこに更にアルフアーが付いておるわけです。今後更に一層の努力をお願いいたします。今日承わつておりますと、研究と努力の二語に盡きるようでございますが、私は大臣初め政府当局者が如何に研究し、如何に努力するかということを十分私は今後も監視して行くつもりでございますので、今日の御答弁は私は善意に解釈をいたします。是非とも十分御善処願いたいと強く要望する次第でございますが、最後に簡單にお伺いいたしたい点は、先ほど私視察の中で申上げましたが、商船高等学校の設備であります。これは広島商船高等学校を視察したのでございますが、報告の中にも申上げましたが、校長を中心に生徒諸君が一生懸命やつでいる点は本当に敬服いたしました。非常に時代遅れの設備を最大限に利用して教育に専念しておる姿は、本当に我が国の教育はやはりここにあると私は非常に心強く感じた次第でありますが、その施設は、その設備は承われば承わるほど非常に日進月歩の時代に非常に立ち遅れていると思うのでございます。従つて三千万円という近代施設をしたいという要望をしたところが、文部省のほうではこれを千万円と査定し、大蔵に持つて行つたところが百万円に査定された、これではどうもならないという本当に御尤もな陳情を受け、なおつぶさに視察したわけでございますが、ああいう学校のああいう設備資金というものは、こういう職業教育の一環としての予算の中には入らないものかどうか、このたび入つていないように拝見するのでございますが、将来こういう中で予算確保するのか、それとも別途これは考えられるのか、その点承わつて質問を打切りたいと思います。
○政府委員(寺中作雄君) 産業教育振興に伴う経費の六億六千万円の中には商船高等学校の分は入つておりません。国立学校の関係は教員養成に必要な設備費だけが入つております。併し商船高等学校の設備が非常に惡いということも存じておりますので、これは国立学校予算の設備費の中でできるだけその方面に配当の場合に考慮するということを強く考えている次第でございます。
○委員長(梅原眞隆君) それでは、公報では予算関係についても質疑をする予定をしておきましたが、時間も過ぎましたから、本日はこれで散会いたしたいと思います。 なお次回の委員会につきましては、理事のかたと御相談しまして公報を以て御通知申上げます。 午後零時二十五分散会