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13回国会参議院1952/02/07

文部委員会 第3号

発言数
57
登壇者
11
会派数
5
開催日
1952/02/07

会議録

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) これより委員会を開会いたします。今期の国会提出予定の法律案に関する説明を、これから相良課長から承わりたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) それでは御異議ないと認めます。

相良惟一文部大臣官房総務課長

○説明員(相良惟一君) お手許に第十三回通常国会提出予定法案調というのを差上げてありますので、これを御覧頂きたいと存じます。今期の国会に文部省から提出いたしまして御審議を願う予定の法律案は全部で十二件でございまして、目下そのうちの一つが衆議院のほうに、こちらのほうには予備審査でお願いしてございます。これは後ほど申上げます。先ず最初に文部省設置法の一部改正法律案でございますが、これは文部省の附属機関といたしまして、近代美術館であるとか、或いは国民体育館、その次にユネスコ国内委員会法案というのがございますが、これと関連いたしましたユネスコ国内委員会の事務局、そういうふうなものを文部省に設けますために、文部省設置法に所要の改正を加えんとするものでございます。第二がユネスコ国内委員会法案でございます。これは昨年我が国がユネスコに加盟を許されましたのに伴いまして、ユネスコ憲章第七條に基きまして、日本ユネスコ国内委員会というものを設置し、これは閣議了解を以ちまして文部省に設置する、こういうことに相成つております。それで国民のユネスコ運動の参加を促し、併せて加盟国との連絡調整を図ろうというのがその趣旨でございます。第三が昭和二十二年政令第六十二号、いわゆる教職追放令と申しますところの教職員の除去、就職禁止等に関する政令、これはいわゆるポツダム政令でございますが、これを法律に切替えようというものでございます。このいわゆる教職追放令の措置につきましては、前国会即ち第十二国会に最小限度の規定を持ちました法律案といたしまして、一応提出する予定でございましたが、諸般の事情から提出を暫らく見合せたのでございます。その後今日に至りますまで愼重に検討を加えておりますが、文部省といたしましては何らかの立法措置を講じたいと考えております。ただ現在私どもの持つております構想は、現行の教職追放令の規定はそのまま今後存続させるとか、ましてこれ以上の強化を図るというようなことは毛頭考えておりません。ただ、今なお九百名に上りますところの未解除者、教職追放令該当者が残つておりますので、これらの人々をどう措置するかということと、それから教職には御承知の通り潜在パージという制度がございませんでしたので、その欠陷を補うために如何なる措置をとるべきであるかということを中心といたしまして、目下具体案を作成いたしまして、不日法律案として御審議願うことに相成るかと存じております。第四が学校教育法の一部改正でございますが、これは新学制の進行と最近の情勢に鑑みまして、学校教育法の中の諸規定を整備するという、例えば昭和二十八年度から大学院というようなものも設置されますし、それに伴ういろいろの規定も多少整備が必要でございますので所要の改正を行おうというわけでございます。それから第五番目が国立学校設置法の一部改正法律案でございますが、これは先般二十七年度の予算案が内示されましたので、それに伴いまして新設される国立大学の学部の設置であるとか、或いは昭和二十六年限り廃止されます学校、例えば高等師範学校、こういうようなものも廃止されます関係上、それから先般の行政整理に伴いまして教官を除く一般事務職員、国立学校の事務職員の整理もございますので、定員の変更、これらの関係から国立学校設置法の一部を改正する必要が生じたわけでございます。それから教育委員会法の一部を改正する法律案でございますが、御承知の通りこの十一月の一日には現行法規のままでありますと、全国の市町村に漏れなく教育委員会が設置される、それから同じく昭和二十七年の十月五日に教育委員会の改選期も追つておりますので、何らかの設置單位とか、或いは設置時期等につきまして改正措置を講じたいというのがこの趣旨でございます。それから私立学校振興会法案でございますが、これも昭和二十七年度の予算で一応これに要する経費を認められましたので、私立学校の経営に対する援助、それに私立学校の教職員の共済事業がございます。これは予算で出しましたので……ちよつとそこを削除をお願いしたいと思いますが、経営に対する援助、即ち貸付等を行うことを目的として私立学校振興会という特殊法人を設立する單行法を提出したいと考えております。次に連合国及び連合国人の著作権保護のための著作権法の特例に関する法律案でございますが、これは日本と連合国との間の平和條約第十五條に基きまして、連合国及び連合国人の著作権保護のため現行著作権法の保護期間についての特例を單行法を以て設ける必要が生じたわけでございます。これは近いうちに……これは目下関係方面と折衝中でございます。不日国会に提出に相成ると考えております。それから就学奨励法案でございますが、これは経済的理由によつて就学できない児童生徒についての対策の一環として、国の負担において小学校一年生の教科用とする国語、算数でございますが、大部分を無償とし、又盲ろう、学校の兒童生徒が義務教育を受けるために必要なすべての経費について、国及び地方公共団体が援助を與えることをこの法律を以て規定しようというわけでございます。教科書の無償供與につきましては、二十六年度限りの臨時立法措置が講ぜられておりましたが、二十七年度におきましてはこの法律を以て規定しようというわけでございます。  それから学校保健法案でございますが、これは学校における健康管理を適切にし、兒童生徒の発育の保全と健康の増進を図るため、現行の学校医令、学校歯科医令、教員保育所令その他学校保健関係法令に規定する内容を中心とし、これを改正し一元化しようというわけでございます。現在学校には学校医と学校歯科医というものを設けることになつておりますが、今回の規定で、学校医令、学校歯科医令というのは新憲法施行以前の勅令で以て規定されております非常に不備なものでございますので、これらをすべて一本にいたしまして、学校保健法案として提出したいというわけでございます。それから十一番目のポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く文部省関係諸命令の措置に関する法律案でございますが、これは目下国会で御審議頂くことになつております。先般この委員会でも大臣が提案理由を説明いたしました。第十二番目が図書館法の一部を改正する法律案でございますが、これは図書館法の施行後、同法に規定するところの図書館職員及びその講習等に関し図書館運営の実情に即しない点が多少ございますので、極く技術的な点でございますが、所要の改正を講じたいというのでございます。以上が今国会に文部省が提出したいと思つております法律案の概要でございます。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 文部大臣がジヨージ六世のお悔みに行つておられますので、まだお帰りになりませんから、それまでに前回に説明を願いました昭和二十七年度文部省関係の予算に関することに何か……今日近藤管理局長と寺中社会教育局長が見えておりますから、この予算に関する質疑を行いたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) それでは御質疑のあるかたから一つ御質疑を願うことにいたしたら如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 御異議ないと認めます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 ちよつと速記をとめて下さい。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 速記を始めて下さい。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 先ず逐次伺いたいのですが、この六・三制校舎建築物整備について、本年度の予算が不十分であるということは、この前説明があつたのでありますが、初め要求した三十九万坪ですか、これの県別資料でございますね、どういうところでどれだけ足らなくなつているか、それからその十五万坪不足になつた結果、これは鉄筋コンクリートにするということもありましようけれども、その結果どういう地区にどれだけ予定した六・三の完遂ができなくなるかということを資料として御提出願いたいのであります。殊に僻陣地方面における六・三制の予定しておつてできない所から大分困難な事情が出て来るのではないかと考えられますが、それはどういう地区であるか、都市偏重であるか、或いは県の平衡交付金との関係もあるかどうか、そういう点も一つお示し願いたいと思います。大体において、この六・三校舎建物整備に対して御努力をなすつたその経過を一応只今伺えれば、純六・三建築物の費用でありますが、これに対する来年度の見通し、いつになつたらそれを完成するか、その経過を伺いたいと思います。

寺中作雄文部省社会教育局長

○政府委員(寺中作雄君) 只今の御質問でありますが、大体を申上げますと、戰災地で学校が潰れておりますそういう所は、疎開をして田舎へ子供が行つておつたところが多いのでありますが、その後続々そういう戦災都市に復帰しつつあるわけであります。そういう関係で、戰災地の兒童復帰に伴う予定せざる、その土地に偏した兒童数の増加ということが現われておるようでございます。もう一つは、僻村で以て、町村財力が非常に惡い所で非常に建築資金なんかが枯渇しているところがあるわけであります。大体の見当はそういうことでありまして、戰災地の中都市程度の戰災地は比較的この問題に困つておるというような傾向にあると思われます。  それから、予算折衝の経過というお話でございましたが、これは、この前ちよつと御説明いたしましたように、  昭和二十四年の終りから二十五年の初めに百四十五万坪、〇・七坪完成するための不足坪数があるということであつたわけでありますが、それはいわば町村單位において〇・七坪を完成するための坪数を全部引つくるめた総数であつたわけであります。その後二十五年度の実施、二十六年度の実施によりまして、残りが二十三万九千坪ということで、今年それだけの二十七年度の予算がついたわけでありますが、要するに、二十五年度の不足坪数百四十五万坪は大体これで以て解消したという事情にあるわけでありますけれども、前ちよつと申上げましたように、新らしい分割單位になつたことと、鉄筋補正の関係で十五万坪が不足して来ておる。これは大蔵省も現実に学校單位に計算をし直せば、それだけの不足が出て来るということはわかつておるのでありますが、併し、毎年々々兒童数に変更があることでありますし、毎年毎年そういう計算をやり直して、その事情に合して行つたのでは、これは永久に〇・七坪完成する時期はない、一応二十五年度の不足坪数を完成することによつて、数字の上で〇・七坪は完成したのだということを大蔵省は言うわけであります。併し戦災地に復帰する兒童の関係で、相当の狂いがあることも認められるので、その関係は二十八年度において調整しなければならない。その点は大藏大臣も了承しておるのでありまして、ただ十五万坪全部考えておるのか、或いはその中で非常に差迫つた部分だけを再調査した上で充実するかというようなことについてはまだ将来の折衝問題が残つておるということになる次第であります。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 更に重ねてお伺いしますが、この町村單位に計算するというような場合に、大都市の場合、先ほど中小都市が出ましたが、大都市の場合、東東大阪のようなところで、実際に〇・七坪が欠けておる所が相当にあるわけです。例えば区の單位で行けば、随分あると思う。それに対して市單位で以てやつたときに、そのほかに残つておるところもあるでしよう。学校にすれば立派なものができて余つておるというようなところで人口が非常に稠密して来て、戰災の後に非常にそこにたくさん兒童が帰つて来たというような所で、〇・七坪どころでない、一番下の数はどのくらいまでこんな困難な状態にあるか、それをお調べになつておられますか。その次に伺いたいのは、接収されておるために、他の学校に同居しておるというような学校などは実情において〇・七坪どころではない状態にあるのですが、最低の標準がどのくらいまで下つておるかというところをおわかりでございましようか。

寺中作雄文部省社会教育局長

○政府委員(寺中作雄君) 非常に具体的な御質問でございますので、実は今そこまでの資料を持合せておりませんが、調べましてそういう調査ができまするなれば、調査した上で資料として提出いたしたと思います。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 ちよつと委員長、それに補足して……。この間の説明で一番私は大事だと思つたことは、この十五万坪、学校單位で計算した場合に十五万坪足りない、その十五万坪を今後それをどういうふうに充当して行くかという基本的な考えですが、来年度も〇・七坪、学校單位にして〇・七坪完成させて行くという方針で行くのか、或いは戰災地復興という形で行くとすると、基本的に、〇・七坪完成するというのとこれが非常に食い違つて来ると思う。戰災の復旧というもの、災害による復旧というものと、〇・七坪完成というものとは具体的には同じようにそれはでき上つて行くにしても、基本的に方針が非常にズレが来ると思う。文部省は二十八年度に大藏省のほうにおけるいわゆる戰災地の復旧というような形で行こうとするのか、飽くまでも〇・七坪完成の線を外さないで行くのか、それを聞かしてもらいたいと思います。

寺中作雄文部省社会教育局長

○政府委員(寺中作雄君) 失礼ですが、ちよつと懇談的にお話を願いたいと思います。速記を……。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 速記を始めて。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 地方を廻つて見て大分ひどい校舎がある、而もそれは〇・七坪の今までの計算に入つておるのじやないか、そういう校舎なども検討がついておるのですか。あれはどつちに入つておるか、随分ひどいのがある。〇・七坪はすでにでき上つた校舎としてできておるのじやないかと思う。ところが実際に戰後の急激な間でやつたものだから、種々材料も惡いし、壁なんか落ちておるし、それからひどいのになると杉皮のようなものが葺いておる所もある。そういうのは一体どつちに入つておるのか。そういうものを一体本当に計算しておるのかどうか。もう一つ伺いたいのは、今のお話だが、結局〇・七坪は本年度で完成だというのは一つの政治的な宣伝をやつておつたわけです。それでこれは蔵相なんかの本会議の答弁を聞いておるというと、特段の予算的措置を今年度はやつておる。実際やつておるものといつたら十五万坪もまだ来年度までしつぽを引かなくちやならないということになつている。来年度になると人口異動とか増加の方面から又崩れて来る、そこへ持つて来て今言つた校舎は一年くらいでものすごく使えないところが起つて来る、こういう実態です。今お聞きしておると……、来年の世論では……どう訴えたら効果があるかという政治的な考慮を局長考えておるかどうか。我々今までの文部行政の一番の欠点は度胸がないことだと思う。それで実際にはつきり国民の前に出さないで、いつでもそういうようなところに何だかわからないようなポケットみたいなものを作つておいて、今言つた問題をおどおどした考え方から実態を出さないために、逆に世論化できないというようなことがあると思う。そこをはつきり肚をきめてやつてもらいたい。実際天野文政から言つても……、天野さんが来てからお話しようと思いますが、今言つた十五万坪とかそういうような資料的な検討をお聞きして見たい。これはどうなつておりますか。

寺中作雄文部省社会教育局長

○政府委員(寺中作雄君) 地方に非常に老朽した校舎が相当あるということも事実でありまして、戰時中に建直しができなかつた関係が現在に残つて来ておるわけであります。それでこの関係は、まあ地方の報告によるわけでありますが、本当に老朽校舎でもう全然その形を成していない、全然使えないというようなものは〇・七坪の不足の関係として報告されておると思いますが、とにかくまあ古いながらも使つておるというような形で、而も子供の使用に一応足りておれば、やはりこの〇・七坪の関係の中に入つて来るわけであります。併し現在そういう〇・七坪の枠には入つておるけれども、四十年以上たつておつて、而も使用禁止になつておるという老朽校舎が四十四万坪あるわけでありまして、この関係で是非来年度に補助金を取りたいということで要求をいたしたわけであります。これはその老朽したものに対してただ補助金を出すということを慣行的にするならば学校に対するいわば育成への国民の関心といいますか、学校を盛り育てる気持が幾らかゆるむというような関係もありまして、老朽校舎の補助ということでは現在大蔵省として考えてもらえないわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私がお聞きしておるのは、その問題ではない。あなたの返答されておる老朽校舎の問題は、これはいずれ日を改めてお聞きしようとしておるのですが、そうじやない。今いわゆる中学の新らしく建てた校舎の中で、戰後の大急ぎでやつたので、もう中が壁が落ちたり、雨が漏つたりして、実際使えないようなひどいところも我慢してやつておる。それなんかがどつちに入つておるか、それはつまり〇・七坪の現在の坪数の中にそういうものが入つておるか。ところがこういうものは少くとも一年、二年のうちに建替えなければならないという問題が起つておる。そういうのが実際多い。だからそういうものを含めて、文部省はこれだけ完成したとか、あと十五万坪だと言われておるが、そういうものを調べて見ると、十五万坪どころじやない。これは地方を廻つて見ても実際感ずる。そういう問題が起つておる。この十五万坪を来年やつて行く。大体文部省の六・三制の発足時代から坪数というのは少しも確実に掴まれていないわけです。それで何だか毎年変動して来ると、新らしい増加とかいう問題もあるけれども、それは別にその実態がまれていないからあとからあとから問題が出て来る。苦しいからそのときの数字的な調整をするためにそういうことをみなぶち込んでこれだけを完成した、こう言つておるが、その中には杉皮葺とか急速にどこかの軍の拂下材を持つて来て建てたというようなひどいのがある。北海道を歩いて見ますと、北海道では壁が無理に駄目なのを塗つたので、それが落ちたりしてひどいのがある。それが建設してから二年、三年になると、新らしい校舎だといつても造り直さなければならんというのがある。それはどつちに入つておるか。これは資料的に究明しないと、来年又十五万坪出しても又どうなるかということは眼に見えておる。今までの繰返しなんだ。こういう点どうですか。それは今あなたの答えた老朽校舎のことはこれは又別にやります。老朽校舎ではない。新朽校舎、新らしくても腐つておる。(笑声)冗談じやないよ。

寺中作雄文部省社会教育局長

○政府委員(寺中作雄君) 問題はよくわかりましたが、要するに建築費が余り十分でなく、又材料がよくなかつたために、十分堅固な建物ができなかつたわけであります。これはどちらに入つておるかとおつしやられれば、これは〇・七坪完成したほうに入つておると思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうでしよう。そこのところの資料を一つ出してもらいたい。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 私は大臣が来る前に少し数字的なものを伺いたい。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 速記をとめて。    午前十一時三十六分速記中止    —————・—————    午後零時八分速記開始    〔委員長退席、理事加納金助君委員長席に着く〕

加納金助自由党

○理事(加納金助君) 速記を始めて下さい。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 育英資金の問題でちよつとお伺いしたいのですが、大学は、昨日の説明では千九百円ですね。高等学校は五百円ということになつておりますが、これを千九百円ときめた基ですね、それを伺いたいのです。

寺中作雄文部省社会教育局長

○政府委員(寺中作雄君) これは実は二、三年前から据置なんです。それでそのときには、やはり学生の実際の学費なり、いろいろ学生のために必要な経費、アルバイトでどれだけ取れるかというようないろいろ細かい資料によつて、まあ千九百円というところに落着いたわけでありまして、それも大学の低学年は千八百円でやつておりますし、高学年は二千百円で現実にやつておる、單価としては千九百円でやつております。それがずつと据置になつて来ておるのでありまして、今いろいろ生計調査等によつてやるとすればよほど変つた数字が出るわけでありますが、予算の款項としましては、單価だけは前年度据置で行こうということで数年間来ておるのでありまして、この基礎資料は今のところはつきりしておりません。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 私ちよつと聞いておるところでは、大体この育英資金で生活費のほうは余り考えていない、併し教科書とか授業料とか、大体そういうものがうまく行けるように考えて千九百円という金が出て来たのだと聞いておるのですが、それは嘘ですか。

寺中作雄文部省社会教育局長

○政府委員(寺中作雄君) 最初に單価を割り出したときには、そういうふうな基礎によつて計算してあると思います。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 いや、それを私は聞いておるのですよ。その單価を、私は基礎を……。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局庶務課長

○説明員(内藤譽三郎君) 当時私育英会の所管をしておりましたので、この経緯を申上げますが、大体大蔵省と話合いましたのは、当時の生計費のうち三分の二くらいを、これは教科書、学用品、それから生計費を入れまして、せめて全体の学生の経費の三分の二というところを押えたわけであります。その当時大体三千円程度になつておつたのであります。その考え方は少くとも教科書とか学用品とか或いは授業料、それから食糧費という最低限の生活限度は見られるようにしようというので、ほぼ二千円、これは前の大学のものが二千二百円、片つ方の專門学校が千八百円、その真中で今度千九百円になつたわけであります。新制大学のときに一本にしたわけです。ですから大体それで最小限の衣食住の生活と教科書、学用品は購入できるという程度のところにしたわけであります。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 そうすると、現在は据置されているために、当初きめた考え方というものは崩れておるわけですね。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局庶務課長

○説明員(内藤譽三郎君) さようでございます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 全然崩れてしまつておる……。そこで私授業料との関係があるのですよ。今度授業料を値上げするわけですね。そうすると学生の負担が相当殖えるわけであります。それで一方で育英資金は全然増額していないわけなんですね。これは授業料の値上分くらいは、やはり育英資金のほうで値上げするのが普通の考えじやないかと思うのです。如何に切詰めても……、そういう点は別に考慮はなかつたわけですか。

寺中作雄文部省社会教育局長

○政府委員(寺中作雄君) おつしやる通りでありまして、授業料との見合いにおいて相当額増額するのが筋合いだろうと思いますが、現実に物価の関係は年々変るにかかわらず、單価は据置ということで来ておりますし、今度の予算の場合にもこういう問題が、育英会の関係なんかがきまつた上でこの授業料の問題が出て参りまして、これをさわるということになりますと、大変に数字の狂いが来るので、そこのところはいずれにしても前年度据置で来ておるので、基礎ははつきりしないのだから、これで我慢してもらいたいというようなことで現実には行つておるのであります。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 これは私先ほど授業料を三千六百円からまあ大体六千円に値上げするということなんですね。これは実に大幅な値上げだと思うのですよ。大体倍額に近い値上げをやるわけですね。その理由としては、諸経費がだんだん高くなつて多く要るようになつて来る、こういうのですね。ところが育英資金のほうは全然増額しないで……、これもやはり学生の費用というものはどんどん上つて来ておるわけですね。出すほうは諸経費が上つても頬被りしておる。取るほうは諸経費が上つたからこんなに大幅に授業料の値上げをする。考え方がちよつと一貫していないように思うのです。これは私は重要な問題でありますので、なお質問したい問題も非常にたくさんありますが、大臣も見えたからこの問題は保留しますけれども、その点考え方に齟齬を来たしておるというふうに私は思うのです。取るほうはどんどん上げて行く。出すほうは据置にして行く。理窟が合わないと思うのですが、そこのところをちよつと答弁してもらいたいのですが……。

加納金助自由党

○理事(加納金助君) どうですか、大臣がお見えになりましたからして、大臣に対する質疑をこれからしたいと思いますが……。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 今日は初めてのことでありますので、一つだけお尋ねしておきたいと思うのです。今国会は昭和二十七年度の予算を審議する国会であり、昭和二十七年度の一般施政に関係のある問題を審議しておりますので、この際天野文政の構想を、これは前国会のときにも承わりましたが、その後変つておらないのか変つておるのかという点をお伺いして、そうして天野文政が実施される予算の面においてどういうふうに配慮が行われておるか、いわゆる教育政策と予算面にどういうふうな現われ方をしておるか、こういう点についてお伺いしたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は前々から申して参りましたように、義務教育の確立と申しましようか、そういうこと、又育英制度の充実、それから学問の振興ということを目当に自分はやつて来ておるのです。そういうことは一年やつたからすぐなくなつてしまうというものではなくして、私がやつておる間は続くことだと思うのです。そういうような点が主な点でございますが、それを予算と関連させてどういうことになるかと申しますと、第一に、義務教育の充実については皆様の御承知のように、どうしても義務教育というものを確保することが必要である、それには現在のままではどうしてもいけないのではないか、といつて全額国庫負担というようなものにも欠点があり、又半額国庫負担というものでも欠点がある。その理由はここに詳しく説明いたさなくても、皆様の御承知のことですから私は述べませんが、要するに地方でも財力に応じた支出をし、国からもそれに対して出す、両方で以て義務教育費を出して行く。そうしてそれを確立して行くということが先ず私が差当つて是非いたしたいと思つておる第一の点でございます。  それから次に本年度の予算のうちのことを幾らか申して見ますというと、教科書の無償に対する費用というものを三億六千万円計上いたしました。これは必ずしも私は義務教育無償の原理ということを言つておるわけではございません。義務教育無償の原理ということもやはり僅か一年生だけ、二科目ぐらいの、国語や数学などの書物をやつたからといつて大したことにはならないかも知れませんが、私はそうでなくして、子供も大人も、子供というものが本当に親の私有物でなくして、本当に公共的な意味を持つておるのだ、公けという性質を持つておるのだ。であるからして国家が子供の教育について心配しておる。あなたがたは、どうか本当にいい日本人であり、いい世界人、そういうものに一つなつて欲しいということを親にも子供にも徹底させたいという趣意から企てておることでございます。それが三億六千万円計上しておるのです。それからそのほか六・三建築も本来ならば〇・七坪というようなことに満足するものではございませんけれども、日本の国情から行けば〇・七坪というものも止むを得ない。而もどうかそれを二十七年度において完成したいと思つたのですけれども、国の財政の都合からできませんので、二十三億円程度のものはこれを二  十八年度に延ばすということでございます。  それから育英事業は私が年来考えておるところでございますが、併しこれは不十分と言えば不十分なんですけれども私の記憶がここで間違いなければ、間違つていたら訂正いたしますが、大学生は二〇%まで行つておる、高等学校の生徒は三%まで行つておる。併し高等学校は是非五%までやりたいということは私の非常な熱望ですけれども、今年はできませんが、そういうわけで約三十億円を計上したにとどまりますが、併しこのいわゆる遺家族の援護の問題からして、七千万円くらいを育英費に入れて行くことにいたしております。そのほかこれに附随したと申すかどうかわかりませんが、そういう三つの眼目のほかに、私はその趣意についてはたびたび申したことで、いわゆる産業教育です、そういう意味のものにも来年度、二十七年度に予算を組んだ。それから又私学の振興ということも非常な重要なことでございますから、このほうにも予算を組むというようなことが大体の私の実現しようとして考えておる目標でございます。大体において……。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 それで文部大臣がかねてから義務教育の問題、或いは科学教育の問題、或いは育英の問題この三つについては重点的な政策として今後努力したいということは従来からしばしば表明されておつたところであります。私も又かような考えの下に教育政策が推進せられるということに非常な期待を持つておつたわけであります。そこでそういう観点から二十七年度の予算を一応拝見したわけでありますが、併しそういう考え方が予算の面にどう現われておるかという点について簡單に私は計数をとつて見たのです。で申すまでもなく本年度の予算は八千五百億ということになつております。で、前年度の当初予算は六千五百億ということになつておりますが、これは大体三〇%の予算増、こういうことになつておるわけであります。従つて私どもが期待しておつたのは国家予算において三〇%の増額を見た現在、教育費についてもそれに比例するような結果が出るものという期待をしておつたわけなのであります。まあ併しそれがどういうふうに現われておるか、今文部大臣がお話になつた三つの重要な政策ですね、そういう面にどう現われておるかということをちよつと計数を拾つて見たわけですが、大体義務教育の振興のため、或いは科学教育振興のため、育英制度の拡充のために使われておる予算を先ず比較しました。そういたしますと前年度においては大体八十一億、これは教科書も入れまして八十一億が本年度は七十五億に大体なつていると私は思うのであります。そういたしますと前年度よりは若干、数億円の予算の面においては減額という結果になつているわけなんであります。これで果してこういう三大政策に重点を置いている、或いはこういう振興を期しているのだというふうなことが予算の面から言えるかどうか、私は疑問を持たざるを得ないのであります。昨年度と同等の予算ということになつても、先ほど申上げたように三〇%の予算の膨れ上り、これはまあいろいろの事情があると思うのですが、諸物価の値上り等もあると思います。そういたしますと、教育費は予算の面から見ると非常な削減という結果が現われていると、こういうふうに言わなければならんと思います。そうすると文相の言つておられる重要な教育政策というものは予算には反映しておらない。こういうことになるのじやないかと思いますが、そういう点についてなお大臣の所見を私は伺いたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 今年は特別な予算を組まなければならなかつたと思うのです。荒木さんのはすべての計数をすべて含ませておつしやつておりますけれども、特別な今の事情のために要する費用を取除けば、文部予算は大したことはありませんけれども殖えております。で、こういう非常時なときにおいては、私はこれは満足とは言えないけれども、併しこの際非常に予算を殖やすというようなことはそれ自体無理だと思うのです。だから私はこれで満足とは決して言いませんけれども、荒木さんの言つたような意味では決して予算が減つているとか、そういうようなことはないと考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 私はちよつと今の説明には了解しがたいものがあります。本年度の予算というものの性格についてはこれは本年度限りの性格を持つているとは考えておらないわけであります。いわゆる治安関係費というものがまあ千八百億円、これは来年度の予算においても次の予算においてもまあ吉田内閣の続く限りはこういう方針がとられるのじやないかと思います。二十七年度の予算がそういう特別に膨脹した理由はあるとおつしやいますが、これは二十七年度から始まつて今後続く性質のものであると思います。そこで私は国家予算における文教費のパーセンテージ、文教費の占める地位、こういうものは今後こういう状態におかれるのではないかというふうに考えているわけなんであります。従来から文教予算というものは決して多くなかつた、まあ非常に御努力をして来られたのでありますが、決して満足すべきものでなかつた。ところが本年度から更にこれが切下げられて行く、而もこれが将来に亘つて続いて行くと、こういうふうに見て参りますと、私は文教振興というふうなことは口には言い得ても実際に行うことのできない結果に来ているのじやないかというふうに見ているわけなんであります。そういう点について先ほどの説明ではどうも私も納得しがたいのでありますので、この点を御説明願いたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 荒木さんが本年は減つたと第一言われたのは私は減らないと思います。その点はですね、減らないと思う。併し今後非常に殖えるということがむずかしくなりはせんか、その点は私も同じ心配を持つのですけれども、今年は突如としてこういうことにいろいろなことがなつて来たのですから、今後何か方法を講じて行くということがまだできるのではないかというふうに思つております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 私はまあ義務教育振興のための費用と思われるものは、前年度は大体五十三億見ている、これは教科書、或いは六・三建築、本年度はこれが四十億ですね。それから科学振興が去年は五億、今年は六億です。それから育英資金が去年は二十四億、今年は二十九億、これを合計いたしますと、これは私は重要な政策について言つている。天野大臣が教育政策として掲げられている重要政策の費目については去年は八十一億、今年は七十五億、これに産業教育、去年はなかつたのを今年六億を加えましても今年八十一億、去年は八十二億ということになつているので、この比較だけ見ても、私は減少、減額しておるということは事実だと思いますが……。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 予算は必ず前年よりも、その或る個々の費目を全部前年より余分にせんければならないということでなくして、私は文部行政をそこに重点を置いておりますけれども、全体として考えて行くべきものだ。前年来九億のものが十五億になり、育英資金をとつて考えて見ますと、九億のものを十五億にし、それを二十四億にしというように殖やして来ていると言うならば、今年のような非常に窮屈な予算においては、育英資金には暫らく足踏みさせて、ほかのほうをやるというようなことは当然のことではなかろうか。それに重点を置いているから、ほかのことは何でもいいということには私は行かない。全体として文部予算が決して減つておらないということは、計数によつて明らかであります。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 これは、私のほかのほうの教育費はどうでもいいと、こういうことは全然言つておらないのです。併し私どもが、教育振興のために非常に期待もし、又文部大臣も努力せられておる四つの重要な問題についてですよ、その予算的な面から見た場合に、努力の跡が見えない、こういうことは私は数字の上から言えば明瞭であると思うのです。そういう点から言つて、天野文政はここにはつきり行詰りを来たしておる、私はこういうふうに見ておるわけです。これは数字の上からそう見ておるのであつて、これは非常に私は重要な問題であると、こういうふうに考えておるわけなんです。で、それは文部大臣は、四つのことだけ考えているわけではない、ほかのことを考えている、それは私は全体として考えなければならんと思うのです。併し四つの重要政策を掲げてその実現のために努力するという意思を内外に表明されておる。又我々もそれを妥当であると、こう考えておる。そういう面において予算的の裏付がない。こういうことになれば、天野文政の教育政策というものは、ここに行詰りを来たしておる、こう私は言わざるを得ない。これは私の意見になるわけであつて、質問したのはそういう予算の面にどういうふうに重要な教育政策が具体化されているかということを聞いたわけですが、まあそういうことでありましたので、今の問題については私の意見でありますから別に御答弁を頂く必要はないかと思いますが、確かにそういう点は予算的には来ておると言わざるを得ないと思うのです。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 平和條約の発効を前にして我が国はここに新らしい第一歩を踏み出そうとしておるわけですが、いわゆる独立後の我が国の教育を如何なる方向に持つて行くか。それに対してはその責任者である天野文部大臣としては、私ははつきりした信念のある教育政策を打ち立てておられるだろうと確信するわけであります。私は今度の国会にその点をはつきりと、国家百年の大計というものを教育の面から確立しなければならないと思います。本日私は一通り現在その責任者である天野文部大臣がどういう見解を持つておられるかということを承わりまして、それを基盤として今度の国会において私は選良としての義務を果したい、こういうふうに考えておるわけであります。そうい覚悟からここに一言天野文部大臣にお伺いするわけでありますが、少し数がありますので、要点をお聞き願いたいと思いますが、先ず第一点にお伺いいたしたいのは、今荒木委員から御質問がありましたが、国内の情勢というものは、とにかく敗戦後我我が進まんとするところの文化国家の建設、民主国家の建設という角度から言うならば逆コースにあることは私は否定できないと思う。それが、提出されたところの予算案にも現われておるということも、これも荒木委員と同感であります。吉田内閣の党員でなくて、文部大臣として台閣にあるところの天野文部大臣としては、私はこの日本の民主化の逆コースにある現段階を、これを如何にして食い止めるか、誤りなからしめるか、そうして民主国家の建設、文化国家の建設に進むかということが私は最大の使命ではないかと、こういうふうに考えます。それに対して大臣はどういう決意を持たれておるか。なおこれに関連いたしますが、私は本会議でいろいろの人の質問と、それに対する国務大臣の御答弁を承わつておるのでありますが、私はこの際大臣にお伺いいたしたい点は、本会議でも論議されました軍備とは何ぞや、ああいう論議を大臣はどういうふうに考えておられるか。一カ月前までは総理にしても、或いは大橋国務大臣にしても、絶対に警察予備隊は増員しない、こう言われた。そうしてその施設の充実のために来年度は約五、六百億の警察予備隊の予算の増額を要求するのだ、こういうことを増原長官もはつきりと申しておつたわけでありますが、一カ月の後には三万五千、それから海上保安庁の六千人の増員を発表するし、更には明後年には三十一万の増員となるであろう。更には防衛隊への切替え、こういう問題が……現在高射砲からバズーカ砲、機関銃、こういうものも装備しておる。それらに対する本会議における論議では、これは決して軍備ではないのだと、御承知の通りのああいう論議が行われておるわけであります。即ち最強国が持つておる軍隊だけが軍隊で、それ以外は軍隊でないのだ。私はここで繰返したくありませんが、ともかく甚だしき詭弁を弄しておる。これを天野文部大臣はどういうふうにお考えになられるか。こういう国会における問答を、非常に純粋な我が国の青少年学徒諸君がこれを聞いた場合にその影響はどうであるか。天野文部大臣は再軍備反対なのかどうなのか。現在は再軍備過程にあると考えてないのか、考えておるのか。そういう点を私ははつきりと承わりたいと思うのです。その角度に先ず大臣はつきり立つて、私は文教政策というものを打立てて行かなければ、将来というものが私は思いやられる、こういうように考えるものでございます。その点について私は大臣にはつきり承わりたい。更にその逆コースを阻止する意味からも、私は非常に遺憾に考えるのでありますが、先般文部省当局は標準教科書を発行するというようなことを発表し、その後には引つ込められましたが、これはいわゆる国定教科書への第一歩である。そういうものをどういうふうにお考えになつておるか。更には文部大臣が、この独立国家に処するために道義の高揚を図らなければならない。曽つては実践要領というものを出されて一応引つ込められておるのでありますが、これらにつきましても、御承知の通りに文部大臣から道徳教育の手引要綱というものが昨年四月に出されて、それに基いて学界で非常に検討されておりますし、殊に文部大臣の実践要領というものが世間に流布されてからというものは、私自身も勉強いたしましたし、教育界或いは社会一般においても非常に関心を持つて……みずから道徳高揚というものを努めて行きたいという方向に……個人においても、団体においても、ある段階において、私は、更にこの問題について文部大臣にむし返す必要はないかと思うのでありますが、併しながら、巷間伝うるところによりますと、大臣は更に検討をして、これを出そうとしておられるというようなことは、むしろ私は現在の大臣に要望するところの逆コース阻止というような方向でなしに、更にそれを推進する方向にあるのではないか、こういう点を私は第一点としてお伺いいたしたいのでございます。この点がはつきりするならば、まあ本年度の八千五百二十七億円の予算のうち、治安関係費等が千八百二十億含まれておる。その中の総予算額の僅か四%程度のものが教育費になつておる。それが更に若干低下の傾向にあるということは荒木委員が指摘された通りでありますが、その点がはつきりするならば私は大臣の文教政策というものも推進されるであろう。橋本厚生大臣が自由党員として自由党内閣におつてああいう態度をとつたのについては、まあ政党人としては若干問題があるかとも思いますが、併し厚生行政を承つておる個人のあの行動というものは、私は賛意を表し敬服しているものであります。ましてや自由党員でない大臣が自由党内閣におつて、その政治的生命をかけたああいう義務教育費国庫負担法というようなものがかくのごとく蹂躪されるような段階において、私は大臣は政治的生命をかけてもこれは貫徹すべきじやないか、それが貫徹されない場合には個人的には橋本厚生大臣のごときような政治的行動をとることが、天野文部大臣の言動から言つて、天野文部大臣を生かす途でもないか、これは僭越かも知れませんが、そこまで私は考えているわけでありますが、そういうふうに義務教育費国庫負担法というものは先ほどから申上げました我が国の今後の動向とも至大なる関係があるわけでございますが、どの程度の大臣は決意を以つてこれを貫徹されようとしておるのか、そういう基本的なことを承わりたいと思います。  次に承わりたいのは、将来だんだんと掘下げて行きたいと思いますが、一応承わつておきたいのは、六・三制は堅持するということを総理も大臣も言われておりますので、その点について私はお伺いいたしませんが、この教育制度というものは再検討されるのじやないかということが流布されておりますが、ここに新らしい日本の第一歩を踏み出すに当つて、予算の裏付も必要でありますし、はつきりした方針というものを打ち立てなくちやならんと思います。つきましては、伝えられるところによりますと、中央教育審議会というものを設けまして、この答申を以てやられると、こういうふうに伝えられておりますが、この中央教育審議会を設立する以上は、これは文部省の設置法の一部改正というものもなされなくちやならんかとも思うのでありますが、本日のこの提出法律案調には出ておりませんが、いつ出される予定かということも、更には私はこの中央教育審議会に一切大臣が諮問して今後の文教行政をやろうと考えておられると思うのでありますが、そうであるかどうか、若しそうであるとするならば、その構成あたりは極めて私は重大だと考えるのでありますが、そういう点にどういうお考えを持つていらつしやるか。更にこの問題では当面最も大きな問題としては、大学制度の改革というものが随分と流布されているわけでありますが、それらに関連する予算についても若干先ほどお伺いいたしましたが、掘下げては後日にいたしたいと思いますが、この大学制度改革というものを大臣はいつ、どういう形でやろうとしておるのか。特に教員養成大学について、大学生諸君は、いわゆる専修大学化というものについて非常に懸念され心配している実情でありますが、これらをどういうふうに改める考えでおられるのか。そういう点については、独立後の予算を審議しておる現在、はつきりと文部省として決定線を出して、そうしてそれからの国内費といわゆる講和関係費あたりの関連性を以て我が国の今後の方向というものを決定付けて行かなければならない。予算を伴う問題はこの時期に文教政策の基本線から打ち出しておかなければ、行政協定もきまり、今度きまつた講和関係費というものは将来も大きくなるのでありまして、将来においても文教の振興というものを図るところの予算的裏付は得られない。そういう角度からここにはつきりと方策を掲げ予算の裏付というものを図らなければならないのが今国会の責務ではないか。その点において私は大臣の計画性というものが、少し遅きに失しているのではないかと思いますので、教育制度の改革についてどういう構想を持つておられるのかということを承わつておきたいと思うのでございます。  それからもう一点お伺いいたしますが、他はまあ地目に讓りまして、もう一点お伺いいたしたいと思いますが、それはあの天野文政が行詰りつつあるのじやないかということを今荒木委員から指摘されましたが、私はその一つとして給食問題についてちよつと大臣の見解をお聞きいたしたいと思うのでございます。大臣は曽つて給食は是非ともその教育的見地かち実施して行きたいというように主張され、将来何らかの形において残したい、こういうことを主張され、努力された点については、敬意を表します。現在大臣は実質上変らないような給食を行えるようになつた。こういうように言われておりますが、全くこれは詭弁であつて、実質上は従来の給食というものは私は死んでしまつたと思うのでございます。と申しますのは、今度の予算の支出を農林省の食管特別会計でやると言つても、これが価格差補給金で行けば先ず一応了解ができますけれども、これを消費者の価格操作金でやつたということは、結局統制物資である米とか麦、砂糖の価格にも影響して来る問題でありまして、結局これは消費者負担という立場で私は大転換をしていると思うのであります。特に文部省は新実施要領というものを出して、都市から農村、町村まで拡げよう、こういうような通牒を出して、如何にも八方美人的にやつておりますが、中央から枠は狭められて都市だけだつたのを、町村まで拡げようというので、地方は非常に困惑しておるわけでありますが、曽つての大臣の言明を貫徹する意味からこういう問題について今後どういうふうに善処しようと考えられておるのか。そういう点を先ず承わつておきたいと思うのであります。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 先ず私は御承知のように自由党員ではなくてこの中に入つておるのですから、内閣が若しおつしやるような非常な逆コースとかいうことであれば、私自身がここにいるわけはないので、私は現在別に自由党内閣はそういう逆コースなことをやつているとは思つておりません。この逆コースというようなことについては、私はこういう点をどうか一つお考え願いたいと思うのです。これは世間一般にですが、一つのことを直接的に主張するというのと、その欠点を十分検討してそれを一遍否定してその否定を経て一層高い立場においてものを主張するということは、形は同じようでも、違つておる。一例をあげれば、道徳教育ということでも、道徳教育ということを言えばすぐ修身だと、こういうふうに言う。修身だつて、従来やつていたことを主張するのが直接的主張なんです。それを否定して一層高い立場に高めて、哲学的な言葉を使うことが許されるならば、それを揚棄して、高い立場で道徳教育ということを主張するのは別なんです。それを道徳教育と言えばすぐ逆コースだというのは、思想を理解しない論だと私は思う。そういう点については、私は無暗に逆コースという論には服し得ない。或るときは思想家は世間一般に反したことを言わなければならない。そういう否定を経た世間一般と違つた論と、否定を経ない直接的な論とは違うということを、先ず私は述べておきたい。そういうことで、私は今日は時間もありませんししますから、極く簡單にお答えをいたします。  教科書の問題については、私は現在の教科書のやり方には非常に不満足であります。もつと安くて簡素でしつかりした教科書を作るべきだと私は思つております。現在のままには非常に不満足です。けれども、一旦こういうように自由に作れるようになつたものを、文部省が検定教科書を作ろうなどという考えは、私自身は決して持つておりません。そうじやなくて、ここに教科書というものをよく研究して、そうして立派な教科書はこういうふうにあるべきだというだけのことを文部省が用意しておくことは、私は必要だと思つております。そういうようにして、なお静かに見て、ここ一、二年の経過を見て、どうしても今のままでいかんというならば、文部省はこれだけのものを作るということがいつでもできるだけの一応準備をしようということであつて、決して国定教科書を作るとか、そういう考えではないということを申上げておきたいと思います。  それから道徳教育のことは、これは非常に重要なことであつて、私の発言かそういう点に何らかの刺激を與えたといいましようか、そういうことであれば、誠に私の趣旨が通つたことだと考えております。それから義務教育国庫負担法はこれは是非通したいと思つております。私一身上のことについては矢嶋委員の御好意ある御助言は私は承わつておきたいと思つております。ただここに処するものは自分自身の良心のきめることだと思つております。それから中央教育審議会についてはこの法案を近く出したいと思つております。で、この構成ということでございますが、私はこれは従来の教育刷新審議会というものが総理大臣の諮問機関でありますが、この中央教育審議会は文部大臣の諮問機関であつて、そうしてこの諮問機関がきめたことなら、こういう人たちがきめたことならこれで無理はないのだろうと世間が納得するようなかたがたにお願いをして、そうしてそういう審議会を作りたいという考えでございます。  それから大学制度の改革ということは、私はまだ何も言つたことはございません。殊にこの教育大学ですね、教員養成大学を私が変えるなんということを決して言つたこともないし、決してございません。世間にどうしてそういう間違つた考えが伝えられているかを私は非常に不思議に思つております。教員養成は原理的にはこれは四年であるべきものだ、それを四年を減らすというようなことは考えないということをたびたび申しておるにかかわらず、世間で何かこの教育大学の年数を減らすのだろうというようなことが言われるのは私は非常に不思議に思つていることでございます。いろいろな考えを私は参考にはいたしますけれども、決して世間にあるような考えにすぐ同意するというわけでも何でもないということを申しておきたいと思います。  それから給食の問題は私の考え通りにものがなつておらんということは、矢嶋委員のおつしやることを私は別段否定いたしません。私は現在の形の通りがいいとは思いませんが、併し文部省でやろうとどこでやろうと実質上やれればそれでよいのだ、現在のいろいろの事情はそういうことにも満足をして、何らかの形においてこの給食というものを持続させたい、そういう考えでございます。大体そういう趣意でございます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 二、三分で終りますから……。    〔理事加納金助君退席、委員長着席〕

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) ちよつとお伺いしますが、大分時間も過ぎておりますが、まだほかにも御質問ありますか。(「ある」「議事進行」と呼ぶ者あり)

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 ちよつともう少し……。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) それでは簡單に。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 私は大臣に道徳教育といえば直ちに逆コースと考える、そういうことを申上げたのじやない。私は道徳教育の必要ということも認めております。だからこの方法も申上げ、その方法を如何にするかということについて私は意見を質したわけでありますが、その点私は大臣お取違えになつているとこう考えます。大臣は、私がさつきお伺いしました本会議におけるああいう再軍備問題はどうというようなものを、どういうふうにお考えになるか、それの学徒に対する影響をどういうふうにお考えになるかという点については御答弁なかつたのでありますが、ああいう国会の論議というのは、今の新憲法ができた当時から比べて決して逆コースではないのでありましようか。先ほども私は会計課長から承わりましたが、近代美術館の一億円の予算についても、とにかく新建築が思わしくないというので抑えられたという説明を承わつたわけでありますので、ほかにはそういう建築なんというのはできていないのでありましようか。これらも私は文化国家建設といつた当時から言えば、やつぱり逆コースの過程にあるのではないかと思いますのでお伺いしたわけでありますが、その点更に御答弁願いたい。それから只今中央教育審議会についてその諮問を重視してやつて行きたい。教育刷新委員会は総理大臣の諮問機関であつたが、今度は文部大臣の諮問機関といたしたい。こういうお話でございましたが、私は国会におりまして、政府提案による国会の承認を要する人事についても、最近はやつぱり逆コースの過程にあると思う。極く最近の例としては、人事官の任命にしても、民間人であつた上野さんに代つて官僚人であるところの入江さんが推薦されたために、議運でも非常に揉め、本会議で多数で可決せざるを得なかつた。ああいう事態、或いは私は教育委員の任命についても未だ報告を承わつておりませんが、若干私個人としては了解に苦しむ点がありますが、ましてやこれから大臣の最も大きな中央教育審議会の委員の選考に当つては、その構成というものは我が国の文教制度を左右するもので、極めて重大だと考えるのでありますが、こういう面におきましても私は決して現代の滔々たる逆コースという過程を辿つてはならないという立場から、大臣の私は決意を更に承わりたいわけであります。最後に大臣は、給食はどこから金が出ようが実質上できればいいじやないかという御見解ですが、内容的には私申上げませんが、併し果してこの父兄負担というものは堪えられるでありましようか。政府は非常に国民生活水準は上り、安定しつつあるということを言いますけれども、御承知のように一家心中なんか盛んにできておりますし、休学兒童も増しつつあります。今までの給食費用さえ拂えないところの、更には必要な教科書さえ買えないという学童が非常に増加しつつある現在、今度の形態で給食を続けた場合、大臣は実質上同じような給食を行われる、そういうふうにお考えになつて今度の予算はうまく組めた、独立予算としては文教関係はうまく行つたのだ、こういうふうにやはり御満足なさつていられるであろうか、その点重ねて伺つておきたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私が道徳教育ということを言えば逆コースと言うと言つたのは、矢嶋委員のことを申したのではございません。矢嶋さんのようなかたがそういうふうなことを言われるとは思いませんが、世間にそういうことをややもすれば言うかたがあるのでそういうことを言つたわけであります。  その他の点についてはすべての問題がいずれも重要な問題で、又他の委員のかたからも御質問があると思いますから、その際詳しく御答弁をいたしたいと思います。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) 如何ですか、先日の理事会におきまして委員会の日は、火、木、金、こういうふうに原則的に大体きめました。来週の火曜日に再開することになります。引続きそのとき又大臣の質疑を続行することにして如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 資料をちよつと要求しておきたいのですが、老朽校舎の調査ですね、それを平衡交付金の算定基準になる單価、給料とかいろいろありますね、あれを一つ出して頂きたい。

梅原眞隆緑風会

○委員長(梅原眞隆君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後零時五十九分散会

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