農林委員会 第58号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/07/28
会議録
○委員長(羽生三七君) これより委員会を開きます。 最初過日予備審査のため当委員会に付託になりました農山漁村電化促進法案について提案者から提案理由の説明を伺うことにいたします。松田鐵藏君。
○衆議院議員(松田鐵藏君) 只今議題になりました農山漁村電化促進法案の提案理由を御説明申上げます。 戦後我が国の民主化を推進いたしますためには、総人口の半ばを占める農山漁民の生活文化を向上し、農山漁家の経済を安定し、併せて農林漁業の生産力を高めることが最も肝要であります。然るに、我が国農山漁村の実情を見ますると、未だに電燈さえなく、文化の恵みを受けることのできない農山漁家が全国で二十万戸を超える状況であります。更に動力線が入つておらないために、生産に是非とも必要な動力機械を使うことができない農山漁村も、全国に多数存在しておる現状であります。これらの未点燈部落、或いは電力不足地域に生活しております農山漁業者が万難を排して電力を導入しようと熱烈な要望を抱いておることは、極めて当然のことであります。 従いまして戦後、見返資金或いは農林漁業資金融通法によりまして或る程度の資金が供給され、現在までに八十カ所程度の小水力発電所が建設された次第であります。併しながら、これだけでは単に一部の希望を満たすに過ぎないのでありまして、今なお、数百ヵ所の地点で建設を希望しておりながら、資金を得られないため、貧しく暗い生活を余儀なくされておる状況であります。従いまして我々といたしましては、これらの恵みを受けることの少い人々に、光を与えようといたしましてこの法案を提出いたす次第であります。 次にこの法案の主要な点を申上げます。 第一は、農山漁業に従事しておる団体が、電力を導入しようとするに当りまして小水力発電所を建設したり、配電施設を設けたりする場合に必要な資金を農林漁業資金融通法によつて資金を貸付けることを積極的に規定いたしたことであります。第二は、開拓地関係につきましては、右の場合に国が補助金を交付しようとするものであります。第三は、電気施設を設けた後、その運営が大切でありますので電力の利用、或いは、組合の経営につきまして、農林大臣が適切な指導を加えて行きたいという規定であります。 第四は、農林漁業団体が、発電所を建設いたしまする場合に、既設の電力会社との間に、施設の利用上、必要な電気の供給又は託送について交渉が出て参りますので、その際成るべく、弱い農村漁業者に過分の負担が、かからないよう協議の道を設けたことであります。第五は、現在、農林省が、土地改良事業として、かんがい、排水施設を設置し、中には相当大きな水利ダム等も築造されておるのでありますが、これらのダム及び水路を活用いたしまして、農業水利との調整を図りながら、同時に水力発電の事業も考慮して、工事を施行することが、国家のため、最も有利でありますので、この点を法文の上に明言いたしまして、水力資源の綜合的な開発を期待するものであります。 以上が、この法案の主要な内容であります。何とぞ、慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いいたします。
○松永義雄君 この法案の趣旨は農山漁村の利益のために図ろうとおつしやることで、同様の趣旨で最近村で電話施設をやろうという計画が諸所で見受けられて、まだ実行に至つておるかどうか私は存じませんが、これは普通の電話と違つて各戸に対して電話架設ということになると役場から一斉に電話をする、例えば役場の告示の注意書でも一斉に各戸に対してそれが通ずるといつたような電話施設を今行いたい。併し何といつても先立つものは金です。その先は質問になりますが、そういうことをお考えになりましたかどうかということです。
○衆議院議員(松田鐵藏君) それは共同徴収だろうと思いますが、それはこの電気のほうと異なるものでありまして、私どもの今日の立場から行きますというとそれは考えていないのであります。
○委員長(羽生三七君) それでは只今提案理由を聞きました農山漁村電化促進法案につきまして懇談の際御了承を得たわけでありますが、なおこのほかに御了承の飼料需給調整法案、農業共済事業資金融通法案及び玄犬競技法案があるわけでありますが、これ又衆議院から似付されて参らないのであります。従つて先の農山漁村電化促進法案並びに只今申上げました三法案併せてこの取扱を、例えば継続審査にするか等その取扱につきまして委員長に御一任お願いしたいと思いますが、よろしうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生三七君) それではさように決定をいたします。 なお農林政策に関する調査及び調査の報告及び継続調査要求についてはこの前御了承を頂いておりますので、それに基いて取計らいたいと思いますのでこれ又御了承をお願いいたします。 いま一つお諮りいたしたいことは、当委員会の宮本委員等のお計らいで只今建設委員会に海岸保全法案が提案されておりますが、この法案は当委員会と相当深い関係があると思いますので、若し建設委員会で審議になるならば当委員会から連合審査の申入れを建設委員会にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生三七君) それではさように決定いたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(羽生三七君) 速記を始めて、それでは請願の二千八百六十四号、二千八百七十五号、二千八百七十六号、二千九百四号、二千九百五号、二千九百八十号、二千九百九十七号、三千百六十号、三千百六十九号、三千百九十号、三千百九十一号、同じく二号、同じく三号、三千二百五十号、三千二百六十三号、三千二百九十二号の請願については、そのまま採択或いは注を付けてそれぞれ採択ということに決定を願い、なお陳情の千二百六十、千二百六十五、千二百六十七、千二百九十七、千三百についても、そのまま或いは注を付けてそれぞれ採択ということに御決定をお願いいたします。 —————————————
○委員長(羽生三七君) 畜産局長が出席されましたので、島村さんの御要求もありますので御発言を願うことにいたします。
○島村軍次君 先般バターの輸入に関連するその後の措置等、農林大臣の御出席を求めて質疑を行なつたのでありますがその後の経過を場先ず畜産局長に承わつて見たいと思います。
○政府委員(長谷川清君) その際お話のありましたようにバター輸入後におきまする国内の配給機構、或いは配給方法等に関しまして、いろいろ研究を進めておるのでありまするが、現在のところまだ結論に到達をいたしませんので、従いまして輸入に関しましても、その後何ら進展を見ておらないという実情でございます。
○島村軍次君 そこで最近のこのハターの市価が相当値下りを来たして、殆んど輸入価格と同一のような情勢であるということも承わつておるのであります。従いまして将来の畜産政策にも影響を持ち、且つ辰業協同組合等で行う酪農事業に一つの経営上の問題も起きておりますし、且つ又将来の折角有畜農業等の奨励でやろうとする場合においてこれらの問題が暗影を投げるというようなことさえ唱えられておるのでありますが、それらに対して畜産局長の一つ御意見を承わつて見たいと思います。
○政府委員(長谷川清君) お話のように最近国内のバターの値段は一般的に従来に比しまして値下げの仰向にございまして、森永のハターのごときは一ポンド三百六十円、それから雪印バターにおきましても一ポンド四百二十円程度にまで下げて来て参つておりますことは非常にいい傾向だと考えておりまするが、併し同時に乳牛の数が増加したことに伴いまして、乳製品の生産高も相当殖えて参りまして、これが円滑な消費に関しましては、更に今後業者は勿論のこと政府におきましても積極的にその消費の促進を図る必要があるのではないかといううに考えて締る次第であります。従いまして我々は今度バターの輸入問題がありましたのを一つの転機といたしまして、朴来我が国に乳製品の消費の拡大等につきましてできるだけ努力をいたして参りたい。一つの方法といたしましてはお話のように農業協同組合が作つておりますところのバターの製品は、できますならばこれを統一した一つのマークで販売をするというような機構をこの際急速に整備をすることも一つの方法ではないかというふうなことを考えておりますし、又御承知のように学童給食に使われておりますところの脱脂粉乳はその大部分が現在のところ輸入脱脂粉乳に頼つておるのでありますので、これをできるだけ国内生産の脱脂粉乳に切替えるということにつきましても政府といたしましてできるだけの施策を講じたいということで目下具体的にその方法について研究を進めておるような状況でございます。
○島村軍次君 少しの相場の変動によつて畜産の経営そのものを脅やかすというようなこと、及びその結果は乳牛を売るというような傾向さえ見えるということは畜産の安定上極めて重要な問題だと思うのでありまして、折角この発達しかかつた畜産がさような姿によつて脅やかされるというようなことは我が国の食糧政策上から言つて、或いは食糧自給の体制から言つてかねて申上げておるようにもつと根本的に大きく取上げて、ひとり農林省だけでなく、或いは厚生省、或いは文部省その他内閣全体としての畜産政策というか、食生活改善に関しての食糧全体に関する政策としてもつと強力な推進をして頂きたいというのが我々の希望でありまして、只今お話のようなマークの設定とか、或いは学童給食に脱脂粉乳を内地産を使われるというようなことに対してはこれは広く一つ学界或いは美行その他製造業者等を集めて一つの大きな消費の拡大に関して特別な施策を行う必要があると思うのでありますが、それに関しては只今のお話の点だけでは私は極めて不十分だと思うのでありまして、この点は強く畜産局が中心となつてやられることを、これは希望にとどまると思うのでありますが、もつと深刻な検討と、そして早急にその施策をやつて頂きたいことを希望いたすのであります。それに関連をいたしまして、只今のはまあ希望といたしまするが、別途提案になつておりまする食管の特別会計の一部改正に関しまして問題の中心になつておりまするのは搾油業者のほうからは大壷粕そのものを入れるよりは大豆を入れてそうして紐付でそれを搾油業者に渡してもらつてそうしてそれを畜産飼料に当てがうというような方法にすることを望んでおるようでありますが、この点に関して先般大蔵委員会において私は一部分だけは質問いたしたのでありますが、今少しくそれにそういう場合に関する措置をもう一同詳しくお考えを承わつて見たいと思います。
○政府委員(長谷川清君) 輸入飼料といたしまして大豆粕を予定しておるのでありまするが、その際大豆粕を輸入するよりもむしろ大豆を輸入して国内でそれを製油し、それから大豆粕を得てそれを飼料に振向けるほうがよいではないかという御意見が大蔵委員会等においても行われておるのでありまするが、私たちといたしましてもその考え方には全く同意でございまして、現在畜産局で考えておりますところの本年度の飼料需給計画につきましては丸大豆をたしか約三十三万トン程度外国から輸入をするということを予定をしておるのでありまして、その大部分は国内において製油をせられましてたしか二十数万トンの大豆粕が期待せられておりまして、そのうち約六万トン程度のものを飼料に流用することが一応予定をしておるような状況であります。伊上それでもなお且つ飼料といたしまして大豆粕が不足いたしまするので、別途に大豆粕四万トンをアメリカ等から輸入することを計西をしておるような実情であるのでありまするが、若し仮にこの四万トンの大豆粕を輸入せすに大豆を輸入するということになりふすると、たしか五万数千トソの丸大豆を輸入をするということに相成るのでありまするが、その五万数千トンの丸大豆を輸入してこれを製油に廻すということになりますると、油がそれだけ生産をせられる、そうすることになりますると、今度は油全体の需給計画上現在コプラであるとか、アマニでありますとかいうような外国産の油脂原料の輸入をその五万トンに相当する部分だけ中止して差支えないということに油の需給計画上はなるのであります。そういたしますると私どもといたしましては四万トン結局、粕において不足をするということになりますので、実は畜産局といたしましては食糧庁に対しまして大豆粕四万トンを入れる代りに大豆五万数千トン入れることについては別段反対ではないのでありますけれどもその大豆を五万数千トン入れることによつてほかの油脂原料がそれだけ減るということでありましては、それに予定しておりました大豆粕がそれだけ少くなるということになりますから、ほかの油脂原料輸入が減らないという前提であるならば大豆を大豆粕に替えて輸入をするということによつても差支えない、こういうことを食糧庁に話をしておるのであります。只今申上げましたのが一応の本年度の計画でありますが、現実に然らばこの問題をどういうふうに考えるかという点につきましては、大豆及びその他の油脂原料の輸入状況、それから飼料といたしまして我々が考えておるものの輸入の状況というようなものを勘案いたしまして、必要止むを得ざる限度において大豆粕を入れるという考え方で処理して行くのが適当ではないかと、こういうふうに考えておるような次第でございます。
○島村軍次君 非常に誤解を招きやすいと思うのでありますが、つまり政府の発表された先般の改正法律、改正に洋つて発表された大豆粕四万トンを予定されるということの結果は、油脂業者のほうでは非常にシヨックを受けておる。それだけ入れられたのでは全体に関する価格は、飼料としては安いほうがいい、併し飼料の価格にも油の価格まで影響を持つものだ、こういう考え方を持つておるようであります。只今のお話によりますと、最小限度においてということでありますが、そこで恐らく畜産局としてはお考えになつておることは、大体総量の百六十万トンに対して、二十万乃至二十数万トン輸入するということ、こういうことの締約の中に大豆粕を絶対的にプラスで輸入するのだということでは私はないと思うのであります。只今の御質疑によりましても、その点誤解がありまするために、大豆粕を入れるよりは大豆を入れてもらいたい、こういう結論だと思うのでありましてこの点はよく畜産局や食料庁とも御協議願うと同時に、油脂業者のほうに対しても誤解のないように一つ畜産局のほうでも御注意を願いたいことを希望いたしたいのでありますが、私の考え方は間違いないと思うのでありますが、そう考えていいわけですか。
○政府委員(長谷川清君) 輸入いたしました大豆粕を国内でどういうふうな価格で払下げるかという点につきましては、大蔵委員会でも申上げましたように、国内の時価を基準にして払下げるということに考えておるのでありまするので、従つて若干の大豆粕が市場に放出せられるということによりまして、直接的に国内の製油業者に大きな脅威を与えるというふうには実は私は考えておらないのであります。御承知のように昨年度におきましても十万トン程度の大豆粕は、大豆粕として外国から輸入をせられておつたのであります。本年度はそれをまあ四万トン程度に考えておるのでありまするから、製油業者がどの点を一番御心配しておられるのかよくわかりませんが、国内の時価を基準にして払下げるということでありますれば、数量も先ほど申上げましたように、そう大きな数量ではありませんので、そう大なる影響を与えるというふうには考えられないのでありまするが、併し実際問題といたしまする、或いは政府は相当まとまつた数量の大豆粕を市場に放出するということによつて、不当に国内の大豆粕の値段を下げるのではないかというような点を杞憂しておられる点があるのではないかというような節もありますので、その点につきましては、関係者にも私たちの趣旨をよく申上げてあるのでありまして、その点一応先方もわかつておられることと思います。要は大直和を輸入することによりまして、国内の油脂産業に不不測の影響を与えないようにという御趣旨であろうと考えるのでありよすから、具体的に大豆粕を輸入する場合、又輸入しましたものを具体的に幾らで払下げるかというような点につきましては、とくと関係者とも相談をいたしまして遺憾のないようにいたしたいと思う次第であります。
○島村軍次君 そこで只今の御説明によりますと、大体まあ輪郭はわかつたわけでありますが、もう少し突き進んでお開きしたいと思いますのは、現実の問題として大豆粕を四万トンも確保するためには大豆を輸入してそしてそれを製油業者に紐付で配付するというようなことは油の需給土不可能だと、こういうふうに解釈していいんですか。只今の説明によりますと油の需給関係からいえば油をコプラとかその他のものを輸入を減らさなければならんとこういうことになれは大豆粕大豆として輸入してそれを紐付でしばらせると、価格の問題は別として、その場合にはつきりそれだけプラスになるわけですから輸入を減ずるという結果になつて必ずしもその措置がいいか悪いかという結果になるというお話だと思うのでありますが、そこで我々として製油業者の立場からいえば大豆を輸入してもらつてそれから取つた粕を畜産飼料として紐付で配付するという措置になれば一挙両得ではないかというのが製油業者の私は希望だと思うのでありますが、そういうふうな措置をとり得るかどうかと、又そう考えておられるかどうかと、こういうことです。
○政府委員(長谷川清君) その点は先ほど申上げましたように、油の需統事情から考えますると、大豆を、輸入量は本年度約三十三万トン程度あればいいと、こういうことになるわけであります。従つて若し大豆粕四万トンに相当する大豆を大豆として入れるということになりますると五万トンだけたくさんになりますから従つてその油の需給事情から見ますとそれだけ油が余るという計算にはなるわけであります。そうするとほかの油脂原料はそれだけ入れなくてもいいと、こういうことになろうかと思います。そうするとほかの油脂原料をそれだけ入れないということになりまするとその油脂原料からできる油粕は我々としては又それだけ減るということになりますから、今度は粕のほうの需給推算に穴があくと、こういう痛し痒しの状況にあるわけであります。それでたびたび申上げますように私たちは何も大豆粕を四万トン入れるということだけが狙いではないのでありまして、それは大豆を三十三万トン入れるけれども、なおそれでもちよつと餌が足らないから旧万トン程度のものを大豆粕として入れよう。併しその四万トンは昨年の例から見れば昨年はたしか十万トン以上大豆粕は入つておるのでありまするから昨年に比較すれば現在考えておる四万トンの輸入量は昨年よりは少い数字である。だから昨年よりはむしろ製油業者の考えておられるような方向に、即ち大豆粕を成るべく入れることを少くして大豆を入れるという方向に昨年よりは一歩前進しておる。我々も本年度実行計画におきましてはできるだけそういう線で考えたいとは思いますけれども、今の需給推算からいえば止むを得ずその程度の数字が上つておると、こういうことに御了解を願いたいと思う次第であります。
○島村軍次君 大体その程度で一つこの問題はとどめたいと思いますが、関連してこの大豆粕というものが醤油の価格の点では流れるとこういうことだと思つて折角の畜産のための飼料として確保せんとしておるものがそういう問題にはばまれるということの結果は予想されるのかどうか。
○政府委員(長谷川清君) 実は今輸入大豆の三十数万トンのうちからできまする粕はたしか二十五、六万トンの大豆粕ができるわけでありますが、そのうち二十万トンは飼料以外の用途に振向けられるであろう、即ち醤油或いは味噌そういう原料に廻るであろう。従つて飼料として期待できる大豆粕は五六万トン程度である。それでは併し飼料としての大豆粕が四万トン程度足らないから四万トン程度入れよう、こういうふうに考えておる次第であります。
○島村軍次君 その程度で一つちよつとはつきりせんところがありますが、将来の希望を大体おわかりになつたと思いますからその程度にしてそこで今度は畜産の問題になりますが、小さいようで大きいと考えられますことは、今の畜産家というものは乳を搾ることさえ知らん。殊に若い人は酪農をやろうとしても、或いは又乳牛を飼わんとしても飼育の技術というものは全くセロだ、こういうことを私は確かに否むことはできないと思います。そこで政府のほうではそういう計画をいるいろやられるが、それに裏付けするその施設がなけりやいかん、こういうのが我々の県の強い要求であります。そこで普通の米麦等におきましては従来から技術系統も比較的よく滲透しておる。併し畜産技術については、一般技術が不十分であるのみならず、畜産の搾乳及び牛の飼育技術に関しては全く将来ゼロであつて大いに育成というか、教育というかこの必要があるのであろう。市の畜産試験場におきましてはその施設がない。たまたま私に県等では酪農地帯を中心として若い者に対しての畜産の教育を行う施設をうんと拡充的にやつてもらいたいことを県に要求すると同時に、これは国営で一つ是非大規模に取上げてもらいたいという希望を持つておるのでありますが請願もいずれ出ておると思いますが、畜産局区長のお耳にも入つておると思うのでありますが、こういう問題に対して一つ畜産局長の御意見を承わつて見たいと思うのであります。
○政府委員(長谷川清君) 農家が家畜を飼いますに対しまして、国家としてその使用管理の技術を普及徹底する必要があることにつきましてはお話の通りでございますが、そういう実は国の行政機構といたしましてはその点に関しまして農業改良局の普及指導員という制度がございますのですが、従来とかくこれが一般農作物の指導に重きを置かれておつて畜産関係の知識が薄いことを遺憾とせられております状況でありますので、我々といたしましては、その普及負が言産技術を普及徹底するような施策を今後更に強力に進めたいということを考えておりますと同時に、御承知のように農家の子弟を或る一定の場所に収容いたしまして、実地について酪農の技術を指導育成することが最も効果的な方法であるのであります。これにつきましては、御承知のように東北地方には福島県に酪農講習所がございまするし、九州地方には佐貫県に酪農指導所が設けられておりまして、政府はこれに対しまして性かではありますけれども、百万円程度の助成を与えて指導しておるような現状であります。そのほか北海道におきましては黒澤酉藏さんの経営しておられます酪農学校等におきましても同様の趣旨の指導をやつておられるのであります。将来先ほど来お話のあります食生活の改善なり、農業生産力の維持というような見地から酪農を大いに進めて行こうということを考えておりまする現段階におきましては、これらの施設だけでは十分であるとは考えられませんので、実はこれはまだ正式にきまつたものではございませんけれども、私の個人的の考え方といたしましては、少くとも福島にあります酪農講習所はできるだけ早い機会にこれを国立に移すというようなことも一つの方法ではないかということを考えておりますと共に、今お話のありました岡山県のたしか津山に適当な酪農講習の施設があると聞いておりますが、その点もできるだけ早くしつかりした一つの技術講習所にするという方向で考えることが適当ではないかというふうに思いましてこれを現在明年度予算の編成り等をやつておりますので、事務的にいろいろ検討しておるような状況でございます。
○島村軍次君 只今の御意向はわかりましたが、これは例えば県で計画しておるのは、ざつくばらんに申上げますれば、県費の予算の関係もありますし、極めて小規模なもので、而も県内だけのものを極く少数に、二十人とか三十人ぐらいとかでそれではやろうというのですから、これは国家の考えておられるというよりはよほど遠ざかつたものがあると思うのであります。むしろ私は今お話の福島の国営にすると同様の考え方で特定の地域に講習所等を設立して、相当の人を養成するという施設を国家においてやられることを一つ希望いたしたいと思うのであります。幸に岡山の津山のほうが熱が上りかかつておるのでありますから、畜産局長の御視察を願つてそうして大いにこれを実現するようにお骨折を頂きたいと思うのであります。ただこの場合に附加えて申上げたいと思うことは、普及員の問題でありますが、普及員はどうも最近の情勢から行くと、アメリカさんの指示によつて打つたものとは思いますものの、草鞋ばきの姿から漸次机の技術員になる、従つて技術は或る程度まで慎重に研究を進めつつあるけれども、これは草鞋がけで田圃を歩くということ、及び畜産のほうから行きますと、厩によつてこの乳搾りを、寝起きを共にすというようなかたのものは全く漸次なくなりつつあるという傾向じやないかと思うのであります。勿論これを普及負に求めることは困難でありましようが、そこで今後の子弟教育に対しては相当このそういう問題に対して深く一つ御留意を願つて、いわゆる乳に親しみ牛に親しむ子弟を養成する、それが地についた畜産振興の大きなプラスこなるということは、私が申上げるまでもないことですが、そういう希望を申上げまして私の質問を打切ります。
○山崎恒君 今の問題と関連いたしまして、只今畜産方面の技術指導という面について島村さんから御質問あつたのですが、農林省はそうした技術講習所というようなものを東北、例えば福島県であるとか、又九州の宮崎県にもあるというような、岡山の津山附近にもそういう機運が勃興しておるということ、一概に国立講習所というものにいたしましても、これは畜産振興というのは所と時期とをかまわず現在日本の至る所に畜産の勃興熱というものは盛んになつておる。かような点等から考えると、例えば私も千葉県でありますが、千葉県あたりは乳牛の本場であります、そうした点から考えるというと、二つや三つの講習所によつて、多くの技術者を養成してその方面を専門にやるということはなかなか至難である。そこで本日参議院の本会議におきましても、産業教育の問題、いわゆる実業教育の問題が取上げられておる。それでは例えば現在どこの県にも、各郡に農業学校が一郡に殆んど一カ所ぐらいずつある。そうした基礎教育であるところの農業教育の学校方面から、こうした方面を普及することが最も必要である。かような点で畜産局は先ず文部省の実業教育の方面と密接な連絡をとつてこうした方面を深く掘り下げて教育の勃興をさせる、又技術の指導を基礎的に訓練するというような意思があるかないかという問題について一つお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(長谷川清君) お話のように特に畜産は一般の普通農業に比較いたしましてどちらかと申しますとやはり特別の知識と経験を必要とするのでありますから、従つていわゆる有畜農家が技術的にも、それから経験的にも立派に経営が成立つ前提といたしまして相当の教育が先ず前提として必要であるというふうに私たちも考えるのであります。その点につきましては、先ほどもちよつと申しました黒澤さんが常にお話のありますようにデンマークの酪農があれほど発達いたしました非常に大きな要素は、あちらの国民高等学校の制度並びに農学校の制度が非常によく普及徹底しておるという点に存するというお話をたびたびお伺いをして私たちも成るほどそうたというふうに考えておるのであります。先般農林大臣が御主宰になりました農林経済会議等におきましても、農村の子弟の教育、特に畜産に関する教育を今後大いに推進する必要がある点が特にテーマとして取上げられて議論をせられたような状況でございまして、農林省全体といたしましても、勿論畜産局といたしましても、今後も更に文部省等と連絡を図りまして、有機的にそれらの点に努力をいたしたいというふうに考える次第でございます。
○山崎恒君 お説よく了解するのですが、私は単なる浅い経験でありまするが、こういう畜産熱の勃興しかけておるこの際に、先ず畜産局が乗り出して、得手に帆を上げた形で各県に一カ所乃至二カ所の農学校等を指定して、これをモデルケースにして、そうした子弟を短期間にたとえ一カ月でも、十五日でも、本当の技術を注ぎ込む。先ず畜産局からもその技術者を派遣して、例えば夏期大学的のものを専門的にやるというようなことで行きますれば、先ほどおつしやるような国立の講習所が二カ所や三カ所あつてもこれは何らその地方の一部の者が恩恵に浴するかも知れませんが、全国的に恩恵に浴すということはできないのであります、そういうような構想が必要じやなかろうかと、こう思うのでありますが、そうした点には又文部省の実業教育局あたりを呼び起して、先ず畜産局がそういつた方面から確立をせしめるということでありますれば、先刻皆さんにそうした問題が取上げられて、相当効果が顕著になるのではないか、かように思われるのでありますが、そうしたことを一つ企画して見たらどうかと思うのでありますが、そういう意思がございますかどうか。一つお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(長谷川清君) その点につきましては従来の農業学校の教育の中にも相当畜産技術が入つておるのでありますが、お話のような状況でございまするし、我々といたしましても更にその点を徹底してもらいますように文部当局ともよく話合いを進めたいと思います。
○委員長(羽生三七君) このあとまだ松永さんから農薬関係について御質問があり、なお災害復旧部面についての説明を求めることになつておりますので、三橋さんの御質問で畜産問題を一応打切りたいと思いますので御了承願いたいと思います。
○三橋八次郎君 畜産の振興はやはり技術の基礎的な訓練ということはこれは非常に必要なことでございますが、今島村先生、山崎先生からもお話のありましたことは基礎的に極めて重要なことだと思います。併し手取早くやろうとしますにはやはりこれは普及員を利用するということが一番手早いことだと思うのです。今各県の普及員の養成施設を見ましても、高等農事講習所というような名の付くところで畜産の施設を持つておるものが殆んどないような状態でございます。従いまして畜産局のほうと改良局のほうと御相談なさいまして、あの講習所のいわゆる普及員を養成する施設では畜産方面のことをもつと取入れましてこれでやるということは一番手取早い。そうして又一方には基礎的な農学校なり、それから国立のそういう酪農講習所というものとタイアツプして行きますと一番早いと思うのでございますが、普及員の養成施設に対して畜産の協力するということを許可するということについての御意見は如何でございますか。
○政府委員(長谷川清君) 具体的に金額を実は覚えておりませんが、本年度の予算にも農業改良普及員に対します畜産関係の講習指導費をお願いをいたしまして畜産試験場或いは種畜場等におきまして農業改良普及員に畜産の技術或いは一般的な知識を教育する施設を講じておるのでありまするが、お話のように現在の農業改良普及員のうち畜産のよくわかつております普及員はほんの少い数であります。我々は殆んどその点を遺憾としておりますので今度の予算等におきましても更にその施設を拡充をいたしまして速かに農業改良普及員がすべて畜産に相当の知識を持ち得るような制度にいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○委員長(羽生三七君) それでは農薬問題に関連して松永委員から御質問がありますので御発言を願います。
○松永義雄君 農林大臣は……。
○委員長(羽生三七君) いや、農林大臣は御都合が悪くて出られませんが、植物防疫課長の堀さんにおいでを願つております。
○松永義雄君 農林大臣は増産対策の一助として病虫害を取上げておることはこれは私の申上げるまでもない。ところがそのために農薬が盛んに利用されている。昨日これは個人的のことですが、検察庁へ謝りに行つたんですが、エヌテツプを或る父親が毛風ですかそれに効くというので我が子につけたところが、非常な猛毒性の農薬であつて燐を含んでいる、僅か三分間で死亡してしまつた。それで父親が我が子に対して過失致死罪に問われてそうしてその犯罪は一応成立するとまあ内輪ですが、検事が言うておつたんです。で、このことは私のお話している一つの一軒の問題ばかりでなくて、神奈川県においてはそれを水に溶かして噴霧器で稲のずいですか、ずいという虫ですか、それを取払おうとした。ところがその風下にあつた人がそれに当つて死亡した、全国に亙つて約その犠牲者は十人を数えると、こう言つておるのであります。一体そういつた薬を許可するお役所は厚生省か農林省か知りませんが、一体そうした非常な猛毒を持つておる薬を普及せしむるのに許可したところがそれに対する注意というものが欠けている。で、その父親は注意義務が欠けているからというので、その罪を問われている。そこで我々としては一体そういうような恐るべき薬に対して一体厚生省なり、殊にそういうことの使用方を奨め、且つ監督しているはずの農林省が必要なそういう注意義務を怠つておるのではないか、或る意味において刑事上の責任、或いは民事上の責任まであるのではないか、こう思われる節があるのです、一体政府は増産政策、それは結構です、又そういう薬も必要でしようが、併しそういう薬の使用方についてこれを奨励して使用さしておる農林省はどういうような一体対策を講じられているか。この点についてお尋ねしたいと思います。
○説明員(堀正侃君) エヌテツプは今お話がございましたように燐を主成分としておる有機の農薬でありまして、燐から果樹類その他のダニ、それから油虫等の特効薬として最初はアメリカから日本に輸入されたのでありますが、今は日本でも相当量これを作つております。御指摘ありましたように、この薬は動物の皮膚面から非常に吸収しやすい性質を持つておりまして濃厚なものが吸収されましたときは非常な人間に対して毒性を発揮することになつております。従つてこの薬は毒物、毒劇物の取締法の適用を受けておりまして、販売については厳重な取締が行われておるわけであります。で、今まで昨年から本年に亙りまして、今お話のありましたように、件数は私はつきり覚えておりませんが、若干の事故があつたのであります。私の知つておる範囲内では実際に農薬として液を薄めて使用しておる範囲においては事故のあつたことを聞いていないのでありまして、大部分が誤用と申しますか、和歌山県下ではこの薬を自殺に使つたとか、或いは大阪府では非常によく効く薬であるから毛風にも効くのであろうというので、毛風の発生部に丹念に擦り込んだとか、或いは濃厚な原液の付いた壜に触れてそれを知らずに手を洗わずに食事をして、毒を受けて死んだというふうな、実際本当の意味のいわゆる誤用というふうな事件を聞いておるに過ぎないのであります。神奈川県の実例は知らないのでありますが他でもやはり撒布中にということであつたのでありますが、よく調べて見ると原液を扱うときに、原液を薄めるときに不注意に原液を手で掻廻すとか、或いは原液に触つたというふうな例があつたようであります。で、何にいたしましても、非常な毒性、使用上に注意を要する薬でありますので、今年から御承知のホリドールというやはり同じ燐の薬でありますが、できて来まして、その非常な効果のために我が国の農業界に非常なセンセーシヨンを巻き起しておるようなよく効く薬でありますが、やはりエヌテツプよりは毒性は少くとも、非常に従来の薬と比べると毒性があるというので、農林省といたしましては、全国的に各県下に講習会を開催いたしまして、その県の講習会を受けた者がそれぞれの部落へ帰つて使用法を指導する。特にホリドールについては、必ず県の係官或いは普及員その他の者の指導じやなければ使つてはいけないというふうな指導方針をとつたのであります。それと一緒にやはりエヌテツプやホリドールと薬は違うのでありますが、やはり危険な薬であるというので同じくその講習会において指導方法の講習をいたしております。然らば危害防止についてどういうふうな考え方をいたしておるかという問題でありますが、一部の意見として毒劇物取締法の十六条で政令に指定をして製造、販売、それから使用の技術的基準を設けてそれによらなければ使用させないというふうな扱いをしてはどうかというふうな意見があるのでありますが、農薬の性質上余り細かい使用基準を作るということはその薬をして全面的な能力を発揮し得ない非常な障害になるという虞れもありますし、又先ほど申しましたように現在のところ実際使用面においては余り大きな、殆んど支障を生じていない。従つて今後といえども技術的に十分な指導を加えることによつて殆んど使用上の事故は考えずにいられるのじやないかというような気持がしておるのであります。併し一面このまま放つて置くということは非常に危険なので、例えば製品に対して他と見分けやすいような色をつけるとか、或いは臭いをつけるとか、或いは相当多量のまなければ身体に危険がないというふうな、製品としての何か一つ安全を図るような措置を講じたらどうかというのでこの方面の研究は目下いたしておりまして、厚生省方面とも打合せをいたしております。従つて現在のところ我々は使用につきましては専ら技術的に事故防止の指導をいたしておる、こういうような状況になつております。
○松永義雄君 お話の通りに非常な猛毒薬で以て、その使用は、例えばその薬を使うときにはゴムの手袋をつける、或いは又潜水夫のような形をして危害が人命に及ばないような注意をする、それほどに重大な危害が生ずるということがはつきりわかつている。先ほどもお話がありましたホリドールについても講習所を設けたらどうかとこう言われているくらいです。農民諸君が農薬が効くと言つて、ただ効く効くというだけのことで、そしてその使用方法について親切な指導が欠けているということは、一度ならず二度、十数件にも及んでいる十件にも及んでいる。そうした、もう、すでに前例があるのであります。それでエヌテツプというのは、日東化学という会社から出ているらしいですが、そのエヌテツフの使用書、使用方法というものを、千倍なら千倍、二千倍なら二千倍に水で薄めなければならない、そういう記載があるけれども、極めて小さい文字であつて、丁度火災保険、生命保険の約款を見るような、有識者といえども、つい見過すといつたような程度の注意書しかない。而も農林省の方面ではそうした恐るべき猛毒薬に対して、もう教育方法に徹底を欠いているということは、もう明らかな……事実に照してはつきりいたしております。それで、こうした犠牲者がどんどん出る。ホリドールは最近非常に要求されています。で、そのホリドールも又同様、DDTについても、これも又危害があるということも言われておる。そのように、その動物、人間に対して危害を及ぼすということは、経験して見ればわかりますけれども、ただ虫に効く、蚊を追払うことができるというだけを聞いて、そうして使う者に対しては、非常な害毒が及ぶものであるということの教育が徹底しておらない。非常なあとからあとからこういう犠牲者が出ても必要な対策が講じられない。で、念のために百姓に聞いて見ると知らないのが多い。実際使つているところでは、田圃に使つているところではそういう注意を受けてやつているから、非常に気をつけてやつているらしいのです。気をつけてもなお且つ非常に危険だ。こういつた農薬に対して増産奨励、増産の一助として使うといつた方面だけ強調して如何に農薬の害毒が多いかということを教えることを忘れているというような形が見られる。先だつてそんなおつかないような野良なんかうかうか歩けやしないというような冗談言つていたくらいで、素人が猫いらず一つ買うについても何か許可状が要るのです。農薬のほうが却つて非常に自由に手に入るというようなわけで随分おかしなわけなんです。一体何か新聞を見るというと農薬法を設けるとか何か対策の法律を作るとかいつたような用意があるとか何とか何かそういう考えでもあるのですか。
○説明員(堀正侃君) エヌテツプにつきましては、やはり先ほど申しましたように、毒劇物の取締法の適用を受けておるのでありまして、自由に買える性質じやないのでありますが、農薬に関する限り特別の講習を受けた組合の技術員とかいう人は、特に毒劇物でも取扱えるようになつているので、或いはそういつたような勝手に何らの、猫いらずなんかと違つて勝手に手に入るのじやないかというふうなお考えをお持ちなのかと思うのでありますが、実際は法律の適用を受けておるのであります。使用方法等につきましては御指摘のように若干我々のほうにも少し手落があつたのではないかと思うのでありますが、農薬は全部といつていいくらいに非常な毒物が多いのでありますが、特にこの燐の扱いにつきましては、我々は非常に慎重に慎重を期しまして従来なかつたような各種の厚生省方面のお医者さん、その他の医者の立会を得て非常に大きな動物から小動物に至るまでの試験を繰返し、又相当な試験を考えながら人体に対する試験さえ操返しております。その結果は植物にこの薬を撒布した場合には、人畜に、あとでそれを食つても人畜に何ら影響がないというふうな結論になつておりますし、薄めた薬は相当量使つても余り時間をおかずに洗いさえすれば問題ないという結論が出ております。で、今までの事故の多くの原因は、農業者がやつたものもありますし、又農業者以外の全くの素人がこの薬をどつかでもらつて来て事故を起したというふうなこともあるのであります。そういたふうな面には我々の徹底を欠いていたような点もあるかと思います。併し何はともあれ去年初めての年のことでもあり、我々の十分な技術的な指導が足らなかつたということは遺憾に思う次第でございます。今後はその点十分になお一層注意をいたしたいと思います。なお只今お話のございました農薬法の問題でありますが、これにはそういつたふうな危害防止を十分図り得るような点に特別の考慮を払つていま案を作つております。できるだけそういうふうにいたしたいと思います。
○松永義雄君 最近又逆にその薬がよく効くものですから、それですからその使用法を非常によく承知している者のほうからいうと、非常にホリドールはないかないかと言つて探しておる。何かドイツから輸入されている、そういうものはあるのですか。
○説明員(堀正侃君) ホリドールは昨年の初夏の頃初めてドイツのバイエルから日本へ輸入された薬でありまして、従来の薬は植物の表面につけて、表面に撒布して、虫に食わして殺すとか、虫の出た場合死ぬという薬であつたのでありますが、その薬は植物体の中に彦透して、その汁を吸つても或いは噛つても虫が死ぬというような考え方において画期的な薬であります。特に従来全く薬による防除法のなかつた稲の二化冥虫或いは三化冥虫が完全に危害防除をやるというのでこれは本年度から相当大面積にこれが使用したいというような考えを一時持つたのでありますが、まだ手続も十分でないし、時期尚早である。特に先ほど御指摘の危険防止の点も十分でないというふうな意味から今年は約三万町歩に相当する、三万町歩を防除するに要する農薬、ホリドールだけを輸入したのであります。そのうちの一万町歩に対しましては国が補助金を出しましてこの農薬の実際的使用、経済的使用その他につきまして調査をやる、こういうふうなことになつたのであります。従つて今年は農家の需要に対して十分に応じ切れないといつたふうな状態になつております。
○委員長(羽生三七君) 只今の件に関しましては被害のあるような有毒な薬物につきましてはその使用法等について十分農林当局において御配慮のほどを希望いたしておきます。 次に最近起りました災害問題についてその復旧進捗状況について農地局の説明を求めたいと思いますが、実は本件に関して全国各地から当委員会宛大変な陳情が来ておりますので、先般委員会にはお諮りいたしませんでしたけれども、当委員会の名を以て大蔵大臣、農林大臣にそれぞれ当面の繋ぎ資金並びに根本的な復旧対策の促進方を文害を以て申入れておいたわけであります。その後におきましてもなお被害が相当各地区にあり、本日は二、三地域から当委員会から議員を調査のため派遣してもらいたいという御要求がありましたけれども、諸般の事情上それが困難でありますのでこの委員会においてこの問題の説明を聞いた後当局の一段の努力を希望したいと思うのであります。 では最初に最近のダイナ台風以後の状況について災害復旧課長から説明を求めたいと思います
○説明員(堀直治君) ダイナ台風以後に不連続線が活淡に動きまして各地に豪雨を引き起したのでございますが、たまたま梅雨期の終りのほうにもなつておりましたので所によりましては百五十ミリ程度で二百ミリに至らないような日雨量であつたにかかわらず被害は相当大きく出たわけでございます。六月の下旬から七月の上旬にかけての災害は、農地におきましては農地面積が十万町歩、十二億七千四百万円。農業用施設におきましては五十四億六千万円、合計六十七億三千四百万円に上る被害を生じたのでございます。その後引続きまして七月中旬、十一日頃以降こおきまして、近畿地方、中国地方を中心にやはり不連続線によります豪雨が引き起りまして、特に大阪、和歌山地帯には日雨量四百ミリを超すような大豪雨が見舞いましてその被害の総額は八十一億に上つたのでございます。それで只今までダィナ台風に引続きまして七月上旬の災害に対しましては先般総額十二億三千万円の繋ぎ資金を出すことになりまして長野県、新潟県、富山県、石川県、奈良県、京都、岡山、島根、広島、山口、香川、これだけの県にすでに通知をいたした次第でございます。なお引続きまして大阪、岡山身中心といたします災害地の額につきましては約総額で十五億程度を繋ぎ資金として出したいというのでまだこれは府県別がここ一、二、三日のうちにきまる予定でございますけれども、すぐに前と同様に預金部資金を割当てたい、このように考えておる次第であります。稲の植付直後のことでもあり、又八月の早越も予想され、なお且つ台風の襲来も起り得ることでございますのでこれが復旧は迅速を要するというので以上の災害につきましてはダィナ台風は令月一ぱい七月上旬台風は八月の十五日までそれからその後の災害は八月末までに政府の査定を要するものもありまして予備金の支出を急いで運ぶように目下各係官が現地につきまして査定を実行しつつある状況でございます。
○島村軍次君 先の十二億三千万円は配付済みと、それからあと十五億を近く配付すると、こういうことですね。
○説明員(堀直治君) はあ、そうでございます。
○島村軍次君 その十五億というのが農地関係だけですか。
○説明員(堀直治君) 土木も一緒でございます。
○島村軍次君 これは中国、関西を中心として十五億と、こういうことでございますね。
○説明員(堀直治君) 七月中旬の災害が起りました大きな県が大阪、和歌山、愛媛、といつたようなところが非常に大きな災害を受けたところでありまして、こういつたところが中心になつて配当されるということであります。
○島村軍次君 復旧課長に直接の関係ではないと思いますが、昨年はこの苗のつまり滞水期間が長くて苗の運搬その他に対して出した例があると思うのですが、そういう問題も併せて農政局のほうでおやりになつておると思いますが、あなたのところで事情がわかりますか。
○説明員(堀直治君) 今年はやつてはおります。やつてはおりますが、予算が非常に少いので先般の長良川の苗の輸送費は別途に約六百万円ばかり予備金から支出しております。そのうちの千二、三百万円でしたか、予算があるわけです。これらのものを今たしか配当しているそうであります。
○三橋八次郎君 七月十一日の豪雨で恐らくあれはダイナ台風の余波の不連続線だと思いますが、愛媛、殊に愛媛の花樹岩地帯におきましての被害が非常に多いようでありますが、その種々の詳細につきましてはすでに当局のほうへ御通知があつたと思いますので省略いたしますが、四国は山が浅いために天気になりますとすぐに旱魃となるのであります。そのため溜池等の破壊が非常に多いのでございまして、これが早急に復旧できません場合におきましては、今年の稲自体が収穫できないというようなことになるのでございまして、ほかのほうの復旧ということも勿論これは急がぬわけではございませんけれども、殊に今年の稲作の収穫をさせるという意味におきまして農業施設の関係及び溜池等につきましては特に早く繋ぎ資金を出して頂くことをお願いいたします。
○委員長(羽生三七君) それでは本件については一応文書を以て要求しておりますが、幸い今日は堀課長も出られましたので一層当面の繋ぎ資金並びに復旧対策についての一層の御配意を希明いたす次第であります。三十日には片柳さんからお話の問題と一緒に補正予算をやるかも知れませんが、若上やるとすれば実は各方面から予算上の要求が当委員会に出て来ておりますので、会計課長の出席を求めて当面の問題をちよつと聞いておきたいと思いますが、お含みを願います。明後日朝でございます。本日はこれで散会いたします。 午後三時十七分散会