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13回国会参議院1952/03/27

農林委員会 第18号

発言数
60
登壇者
13
会派数
5
開催日
1952/03/27

会議録

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。  昨日閉鎖機関日本蚕糸統制株式会社が積み立てた繭糸価格安定資金の処分に関する法律案の審議中、委員各位より御発言がありまして、当面の蚕糸政策との関連で来る三月二十九日開かれる繭糸価格安定審議会に関する問題及び蚕糸価格安定法の政令に関する問題等についてそれぞれ御発言があり、当委員会の意見をとわまとめて政府に申入れをすべきであるとのことでございましたので、一応要領をまとめておきましたが、本日はこれに基いて農林大臣も御出席になつておりますので、この案文をどういう取扱いをするかは後刻御相談をすることにいたしまして取りあえず農林大臣、並びに蚕糸局長に対して昨日御発言の件に関し、更に重ねて御質問を開陳願つて、その答弁の如何によつて又この案文の取扱いをどうするかをきめて参りたいと思うの、であります。  従つて最初蚕糸局長は昨日の質疑で大体内容は了承されておりますが、大臣はこの件に関しては、本日初めて関知されるわけでありますので繰返すことになりすすが、重ねてこの機会に御発言を願うことにいたします。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○小林孝平君 当委員会におきまして先般二月の十二日の繭糸価格安定審議会において標準生糸の売買価格がきまりました。その最高価額二十三万円、最低価額が十八万円と決定になりました経緯並びにその算出方法等につきまして、いろいろ政府当局から御説明をお伺いしたのでありまするけれども、その際に繭の生産費、或いは生糸の製造加工費等の問題につきましての質疑に対しまして説明が甚だ十分でなく、我々は納得しがたい点が多々あつたのであります。又資料の提出を求めましたけれども、十分なる資料の提出はまだございません。更にこの点につきましては一般に非常に関心を持つており、この審議会においても相当活溌なる議論が行われたように承わつておるのであります。そこでこういうような観点からいたしまして、私たちはこの三月の二十九日に第二回の繭糸価格安定審議会が開催される予定になつております。けれども、これは只今の国際的或いは国内的諸情勢から考えましりてこの際必ずしもこの時期が二月二十九日に審議会を開き、価格を決定するということは適当でないように考えますので、この審議会における決定をもう少し延期して頂きまして、十分検討して遺憾のない額を決定して頂きたい、こういうふうな希望を持つておるのであります。  そこで具体的には、先ほど申上げましたように繭の生産費、それから生糸の製造加工費の点に幾多の疑点がありますので、これらの点を十分民間の諸団体の意見も斟酌して検討をして頂く、更に必要があれば繭糸価格安定法施行令の第四條、第五條、第六條の規定も再検討する必要があるのではないか、こういうふうに考えておるのであります。又もう一つは、繭糸価格安定法の第三條は、繭糸価格安定法の価格によります価格の決定の根本の精神は繭の生産費に生糸の製造加工費、それに販売の諸費を割らないように、これを基準として最低価格をきめる、こういう精神になつているのであります。ところが施行令の第三條ではこういう繭の生産費、製造加工費、それから販売諸経費というものと、その他の諸繊維の価格とかいろいろのものが、並列的に考慮して価格をきめるようになつておりまして、法律の精神に反しておるように思うのでありまして、こういう点も更に検討して頂きたい。こういうことを検討すれば、従つて二十九日には価格の決定ということは困難ではないか、それで蚕糸局長の答弁では、二十九日の審議会を延期するのは困難のような説明でありましたけれども、法律でも特別の事情のあるときは四月又は五月に開催してもいいというような規定がありますから、審議会の会長である大臣から、二十九日には仮に審議会を開くといたしましても資料説明程度にとどめられてもう少し情勢を研究して、最終的の価格は二十九日にきめて頂かないように、こういう希望を持つておるのであります。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 関連して……。只今小林君からお話がありましたわけでありますが、関連いたしまして私からも若干御質問をいたしたいと思うのでありますが、この施行令が法律の規定なり精神と背反するかどうかは、只今小林君からも御意見がありましたが、私はそれはそれといたしまして、例えば施行令の第四條等を見て参りましても、この生産費調査が、農産物の生産費調査としてはやはり多少問題があるのではないかと思つております。例えば第四條の各項目を見て参りますると、最後の十三号、十四号で支払利子、支払地代となつておるのであります。これは大臣も御承知のように米麦等の生産費は、要するに今実際支払をいたしませんでも資本利子を見ておる、それから桑園は自作の場合がむしろ多いのでありまして、小作でない場合においてはやはり土地資本利子を、相当量というものを計上しておかなければならない。この場合にも一つの疑問があると存じまするし、それから過般の生産費を決定いたしました一貫当りの繭の生産費が千二百九十一円に見ておりますが、これが今言つた生産費調査にも若干の疑問がありますけれども、調査された生産費を更にモデイフアイいたしておるわけであります。即ち出て参ります生産費調査を製造工業原価計算要綱、これは農業に間違いないわけでありますが、それを製造工業原価計算要綱で修正するということは、これはやはり一つの問題が出ております。結論として昨日も申上げたわけでありまするが、修正した結果は資本利子はゼロである。これはゼロであるという点も一つの疑問でありまするし、それから地代が僅かに七円という非常に実は実態と相反したものが入つての千二百九十一円であります。この辺にも私はやはり問題があろうかと思うのでありますが、そういう点もありまするし、それから昨日も申上げたわけでありますが、最近の御承知のような紡績市場の異常な不振という関係もありまするし、それから生糸の輸出関係も昨年のような調子には行つておらないようであります。現在のところ物価の今後の見通しをすること、特に繊維価格指数をどう見るかに相当の問題がありはせんかということから、むしろいま少し時期をお延ばしになつたほうがよろしいのではないかということを申上げたのであります。ただ生糸は対外関係等もございまして、やはりそういう点から、或いは今月中にきめなければならんというような特殊の事情もありはせんかと思うのでありますし、又今月中にきめましても、経済情勢が非常に変つて参りますれば、これは直し得る法規もありまするので、その辺を一つぶちまけて、どうしても今月中にやるということであれば、それをやらざるを得ない御事情なり、又今後経済情勢が非常に変つて来れば、当然又これは修正する余地もありますか。その辺のところを忌憚なく一つ大臣からお答え願いたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣

○国務大臣(廣川弘禪君) 二十九日に審議会を開いて価格を決定することは、今まできめておつたのでありますが、併しこの価格決定は、御存じのように世界各国でこれがどうなるかということを非常に注目いたしておるのであります。それでここは私御相談でありますが、とにかく一応きめて、そうしてあとで政令を直し、それから問題になつておる繭の再生産ができ得るような価格をその中に織り込めるように政令を直してから又修正する、又只今御発言中にもありましたように、繊維の問題については、非常にこれは大きな問題なのであります。今日のUPの電報でも入つておつたようでありますが、英国は全面的に日本の綿糸をキヤンセルしておるようであります。そういうようなことから見て、これからいろんなむずかしい問題があるとは思いますが、併しこの糸価の決定は、糸価安定の最初の決定になるので、非常に各国で今期待しているのじやないかと私は思いますが、そうして委員会の皆様方の意向を十分入れて、政令等を直すのは直して、そうして改めて修正するなら修正する、こういうわけには行かんものでしようか。これは一つ私御相談申上げるのですが……。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 蚕糸局長から御答弁をお願いいたしまして、あとで農林大臣の御意見をお伺いしたいと思います。それは一昨日来当委員会の御專門のかたがたから詳細御質問があつたのでありますが、当時私は大蔵委員としまして羽生委員長から委員会として御相談を受けたあの繭糸価格安定法案についてでございますが、当時養蚕農民を保護しようというので、繭の生産費というものを重大に取上げられて、あの法案が御修正になつたと存じておるのです。然るに当委員会において一昨日来同僚委員の御質問によりますると、このたび農林省から出された政令その他政府委員の御答弁によりますと、どうもこの修正した趣旨がひつくり返された。そうして最初の糸価安定法の出る前の問屋或いは製糸家を保護しようとする方向に再び戻つたのではないかという疑いがあるのであります。それから出発しまして、これはやや形式論に走るかも知れませんが、そういうような案態があるのでありますから、ここで特に私は取上げなければならんと考えるのでありまして、それは問題になつておる政令が、政令の基になつておる法律と、その趣旨において反するような規定になつているのではないかということであります。それがためにその政令について、これを改める意思はないかという同僚委員からの御質問もあるのであると思つておるのでございます。で蚕糸局長にお尋ねしたいのですが、この政令がその基本になるところの法律の精神とぴつたり合つているのかどうか、違つているのではないか、根本的に言えば、法律が繭の生産費というものを取上げて、そうして養蚕農民を保護しようという精神と違つた結果を生ずるような規定が、この政令の中にあるのではないかという点を一つ局長から御答弁願いたいと思います。

寺内祥一農林省蚕糸局長

○政府委員(寺内祥一君) 只今の御質問の中に、修正の理由であつた養蚕農家を保護することを無視して、むしろ製糸方面の利益を確保するためにこういう政令を書いたのではないかという御質問のように私は受取つたのでありますが、我々がこれをきめますときには決してそういう趣旨でやつたものではないのでありまして、少し細かい法律論になりますが、お話しいたしますとこの法律の三條では、標準生糸についての「前條の最高価格及び最低価格は、政令で定めるところにより、繭の生産費の額に生糸の製造及び販売に要する費用の額を加えて得た額を基準とし、」となつておりまして、これはいろいろ法制局等とも相談したのでありますが、こう書いてありますと、最高価格についてもその生産費を基準にしなければならないのだという議論が出てしまつたのであります。従いましてこの最低価格についてだけ、費用の額を加えた額を基準とするということができなくなつたということで、でき上つてしまいましてからの法律を読みまして、いろいろな法律家に聞いて見ますとそうなるのでありまして、従いまして又基準という文字の解釈の仕方でありますが、この基準ということは或る算出いたしました生産費の近くできめなければならないという趣旨に解釈いたしますと、最高価格もそれできめなければならんということになりまして、これは公定価格と同じようなことになつてしまうのであります。そこで現在できました法律をそのまま読みまして、而も生産費を基準としてということにいたしますのに、率直に申しますと、我々も法制局も非常に苦しんだのであります。そこで最高価格も最低価格も生産費を「基準とし」てきめろというのであるならば、それは「基準とし」てを広く解釈しなければならんということになるのでありまして、政令では生産費を基準としてその二割上値というところに持つて参りまして最高価格がきまり、その七割のところで最低価格をきめる、こういうふうにいたしますと、生産費を基準として上下に下がつて行く、要するにこの三條のでき上りました法文の解釈上から止むを得ずこうなつたのでありまして、最初の案はむしろ最低価格を御趣旨の通りプライム・コストでも出しましてそれを即ち最低価格にしようというような考え方もあつたのでありますが、法制局、法律家の意見を聞きますとそういうことになつたので、非常に苦心して作りました政令でございまして、決して法律の趣旨を無視したとは少しも考えていないのでございますが、これはなおよく研究しまして改正すべき点は改正してもよろしいと私たちは思つているのでございます。どうぞこれを作りましたときの気分を御了承願いたいと思います。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 法制局で相談したからいいだろうと、こういうようなお話で、法制局の意見をここに持ち出されているようですが、別に法制局をとやかく言うのではないのですが、法制意見局はお役所でして、時の内閣の指示に従つて解釈して行くのがこれは普通の途であると存じているのであります。とにかく佐藤法制意見長官は行政協定は施行規則とこういうような御解釈をなさる御時世であるのでありまして、個人的には佐藤法制意見長官は非常に尊敬し、非常な学者だと思うのですが、併し法制意見長官としてはやはり内閣の木村法務総裁の下にあるし、内閣に直属しているのだから時の内閣に合うような解釈をいたされるのであつて、あの人の解釈が法理論的に正確であるという断定は急には下すことができないのであります。それによつてあなたが法制局はそう考えているから正しいのだろうというようなことをおつしやつて、俄かに私はそうでありましようという今日はそういう気持にはなれないのです。殊に政令の文章を読みますと、どうも一級酒と二級酒と違つているような感じがするのでありまして、結局にふいて養蚕農業を真に守るような政令になつているかどうかという点でありますと、何も形式を私はとやかく言うのではありませんが、当委員会において幾多の專門家の諸君から詳細に御質問あつて非常な疑惑を抱かれている、それを形の上でひつくり返すようなことがありはしないか、こう私は疑いを持つているのであります。だから伺うべきところは、この政令でどうするかということは、先ほど大臣からもお話があつたのでありますが重ねてその点について大臣に一つ御意見を伺いたい。

廣川弘禪自由党農林大臣

○国務大臣(廣川弘禪君) 松永さんは法律家ですから、立法のことはよく御存じのはずでありますが、これは若しあなたがたの疑惑のようにこれが実害を与えろようなことがあればいかんので、我々のほうでは検討して惡いところは直したい、こう率直に認めておるわけですから御了承願いたい。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 その惡いところがあればというのは、今惡いところがあるとは考えておらんということですか。これから先惡いところが出るというふうに考えるのですか。それとも当委員会の意見を参酌するくらいの雅量があると、こういうことですか。

廣川弘禪自由党農林大臣

○国務大臣(廣川弘禪君) 当時立法されたかたの気持が政令に現われていなければ、これは惡いのであります。そういう点は直して蚕農家が保護されるようなものが出て来なければいかんと思つております。そういうところは慎重に直すのは直したい、こういうわけでございます。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○小林亦治君 それに関連して一言蚕糸局長に申上げておきたいのは蚕糸局長はこの前この繭糸価格安定法案のほうの審議の際には関係なかつたものですから、只今のような御答弁をされるのでありますけれども、私たちは役所のかたはそういうことを将来おつしやるだろう、こういうことを考えましたので政令案もここに出して下さいということを言つたのですけれども、いろいろの問題があつて困るという非常に頼まれたものですから(笑声)その審議をそのときやめたのですよ。それから私たちは修正案を出しましたけれども、今局長のおつしやつたような役人的な考え方で、疑義のないように書こうと思つたけれども、それでは余りに窮屈過ぎてお困りだろうと思つて、非常に含みのある表現をして、蚕糸局も非常に感謝しておられたはすです。それを局長が代られたら、急にそういう文句を言われるならば、再びこれは法律まで修正しなければならん、こういうことになるのです。もう少し蚕糸局長はその経過を御勉強下さるように特にお願いしておきます。又そういうふうな御説明をされろならば、大臣は折角さつきこういう説明をされましたけれども、その政令は法律の趣旨に反しないなどという説明を出されろのでは、これはとても二十九日にきめて頂くわけには参らんとこういうふうに考えているわけです。

山崎恒改進党

○山崎恒君 農林大臣は非常におわかりのいい御答弁をなさつているのでありますが、二十九日の審議会が開かれますれば本年度の繭糸価の基本がきまつてしまう。ところが審議会を延ばせということは当委員会としては越権行為であるのでそうしたことはできない。併しながら二十九日にこれを開催されますればきまつてしまう。而も繭の基準価格というものは、生産費価格というものは、生産費が大体示されておりますように出ておる。而もこれは事務当局としてはこうしたことを考えたかどうかわかりませんが、我々の想像といたしましては繭糸価安定基金の三十億という枠がありますから、あの枠を割らないような基準のベースを出したいという問題がここに非常に膠着しておるのじやないか、さようにも想像されますので、とにかく政令が基準でありますので、政令を変えるということを大臣から確約して頂きますれば私どもは了承できるとこう思うのですが、その点は如何ですか、一つ。

廣川弘禪自由党農林大臣

○国務大臣(廣川弘禪君) 立法者の意見が政令に入らないということはいかんということでありますから、そういうところは我々のほうで慎重に検討して直すということは先ほど申上げた通りであります。先ほどからいろいろ申上げておるのですが、いろいろな関係があるものですから、二十九日にはこれを招集をいたしまして、そうして急いで政令を直してそうして修正するものはする、こういうふうにしたいと思います。

山崎恒改進党

○山崎恒君 そういたしますと、二十九日には大臣が審議会の会長ですから、会の運営上当日審議会の議事の決定をせずに一応議案の説明程度で終え、これを引延すということで一つ御決定頂けば、私どものほうも全養蚕農家の立場に立つたところの審議をいたしまして、基本的な案ができるのではないか、かように思われますが、その点はこれはもう協議の運営技術でありますから、その辺は一つ大臣におかれまして、事実上当日決定しないというような方法で審議会を引延すような方向に持つてつて頂くような方法をとつて頂きたい、これは希望であります。

廣川弘禪自由党農林大臣

○国務大臣(廣川弘禪君) 私も希望を申上げますが、これはきめるものはきめて、但し立法者の間においてこういうような強い意見がある、それで政令をここで直して、その直した基準によつてあとで訂正することもあるということを附け加えてもよろしいのではないか、こういう希望を私持つております。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 先ほど蚕糸局長から法律の解釈、繭糸価安定法の第三條の解釈について御意見がありましたが、これは松永さんと同様にいろいろいきさつがあつて、この前あれだけの修正をいたしたわけです。最高価格と最低価格がありながら、生産費をカバーするというのは、常識的には、最低価格をカバーするというのは当然の見方だと思うのであります。ですからこれはやはり修正のときの我々の意見をよく研究して頂きまして、成るべく早い機会に一つ政令等の改正をして頂きたいと思います。これは我々でも又非公式に意見を申上げたいと思います。そこでやはり小林君が言われたように、最高最低価格の算定の資料を見ますると、物価参酌値と生産費とを並列的に見ておることが、やはりその点が問題があると思うのですが、やはりこの生産費を主としてそれと物価参酌値と比べて見ると、大体妥当であるということがむしろ言えろのであつて、何かこれを同じウエイトで見るごとに一つの問題がありはせんかと思うのであります。まあ私は対外関係等の問題もありましようから、今言つた政令をあの修正当時の精神に即して直して頂くということをはつきりいたしますれば、審議会の期日までどうも言うことも多少どうかと思いますから、その点はつきりとした確約を頂きますれば、或いは止むを得んかと思つております。

廣川弘禪自由党農林大臣

○国務大臣(廣川弘禪君) そういうふうにいたしたいと思いますから、御了解を願いたいと思います。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 私からもちよつと希望を申述べておきたいのでありますが、先ほど各委員の皆さんからお話がありましたように、繭糸価格安定法が衆議院から当委員会に先の国会で廻付された際、強く繭の生産費をこの法律上に盛込むことが主張せられて、修正が成立したわけであります。従つて当委員会のそのときの総意は、今日そのまま各委員皆さんの御発言の中に反映されておるわけで、最低最高の繭の価格の問題だけではなしに、その中における繭の生産費のウエイトの問題というものが相当強く論議の対象になつておるわけであります。特に先ほど来各委員の皆様からお話になつたように、これを他の問題と並列的に並べておるということ、それから最低価格を最高価格の七割ときめておるというような問題は、繭の生産費をきめる場合のいろいろな原料代といいますか、生産費の中の項目が、例えば米等については資本利子等も算定しておるのに、ここでは支払の利子、或いは地代筆しか算定しておらんというふうに、生産費そのものの割出方でもいろいろと疑義がある、そういう点で問題は最低、最高の価格という問題というよりも、その中における繭の生産費のウエイトの問題が中心だと考えますので、これらの点をお含みの上然るべき御配慮をお願いするわけであります。それでは  これでよろしうございますか……。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 速記を始め  て。   —————————————

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) それでは昨日に引続きまして森林火災国営保険法の  一部を改正する法律案を議題といたします。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 昨日も御質問いたした点でありまするが、国営保険としてや  るということが民営保険よりもやはり安いということでありませんと意味がないと思います。その意味で、昨日の御答弁では一般の民営保険よりも一割五分ぐらい低いという御答弁でありますが、ただ民営保険のほうはこれはやはりいやなところは契約をいたさないということで、適宜な選択ができるわけでありますが、この国営保険はもう大体申込がありますと、それをそのまま契約をせざるを得ないことになつて  おります。そうなつて来ると或いは火災の危険率の多いところが国営保険に入つて来る、こういう案は可能性もありはせんかと思うのであります。而も昨日の御答弁を聞いておりますると、僅か数カ年の、五、六年の過去の危険率で料率をきめておるということは、果して保険として信憑性があるかどうかも私は非常な疑問があると思うのです。併しこれをやることは私は賛成でありまするが、そうなつて来ると昨日も御質問いたしましたが、一応現行料率でスタートをいたしますけれども、場合によつては料率が実際に対しては高過ぎたということも結果においては起り得るのではないか、或いはさつき言つたような、惡いところだけ政府に持つて来られて、過去数カ年の危険率では或いは損害をカバーでき得ないという問題も起るかと思うのでありまするけれども、両方が考えられまするけれども、或いは結果においてはそう大した火災事故が起らないということが続いて来ますれば、当然無事戻しという制度が、或る程度危険率が確実な軌道に乗らないという場合なら、一つの予備的な考えではないかと思いますが、にもかかわらず、無事戻し制度をこの際やめるということは、この保険の普及上果してどうであろうかという点を重ねて一つお伺いしておきたいと思います。  それからもう一つは、ちよつと変な問題でありまするが、今後の立法形式にも関係いたしますので、御質問いたしたいのでありますが、政府はもう予算のほうではこういうものが当然出るものとして予算を出して、今日実はこれからその審議に入るわけでありますが、ところが政府から提案をしないで、議員提出という恰好が、これはどうも私は今後の例にもなると思うのでありまするが、政府はそういうものを組んでおりながら、どうして国会に出さないのか。これは特別にやはり一つの今後の例になると思うのであつて、その辺の理由をむしろ政府から聞きたいのです。その辺を一つ第二として御質問いたすわけであります。

横川信夫林野庁長官

○政府委員(横川信夫君) 無事戻し制度を廃止するごとによつて、加入成績が下るのではないかという、一つの御質問でございまするが、案は昨日も申上げましたように、無事戻し制度を実施いたしますることによりまして、相当保険料率を上げなければならない。どちらをとるかという問題でございます。なおそれに関連しまして御質問のございました無審査保険であるが故に、危険率のひどいところだけ国営保険にして、危険率の低いところは民営に行つてしまうのではないかということ、従つてこの保険の成績が非常に惡くなるのではないかというような御質問でございますが、従来の経過から見まして、格別さような点がはつきり現われておるわけではなく、各県とも殆んど押しなべて新らしい造林補助金を出して植栽をいたしまするようなところは、大概この保険にかかつております。保険の火災の危険率と加入というものとの関係には格別民営保険と国営保険との開きはございませんような状態であります。  なお、第二の点の予算とこの法案の提出方法の点でありますが、その点は誠に不行届でございまして、十分注意をいたす考えでありますからその点特に御了承を願います。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 無事戻しのあれは、これは私初めてでありまするが、無事戻しの金額を保険料の中に入れておりますか。

横川信夫林野庁長官

○政府委員(横川信夫君) 入れておりません。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 そうすると、その無事戻しをやると保険料率が高くなるということは、これは言えないのであつて保険料率の中へ無事戻しの金額が或る程度入つておりますればそういうことが言えるのですが、入つておらなければさつきの御答弁はちよつと違うのでありまして、ですから、私はむしろ無事戻しをやめますが、成る程度の期間実施をして、実は保険料率が結果においては高過ぎたという場合においては、むしろ料率を下げて行きたいということであれば一応了承いたしますが、保険料率の中に入つておらなければ、無事戻しをやると料率が高くなるということは、答弁が矛盾いたしますから、この点重ねてお伺いしておきます。

小淵光平自由党

○衆議院議員(小淵光平君) これは料率の中に入つております。それから危険の率が多くなるのも、これは当然無審査でありますから、その点が懸念されるのでありますけれども、今度の料率はそれぞれ一等地、二等地、三等地と地域に等差を付けまして、その地域は保険料がそれだけ高くなろように新年度からなることでありますので、ぞの点も多少緩和されるものと思いますから、御了承を願います。

山崎恒改進党

○山崎恒君 今の問題ですが、一等地、二等地、三等地に分けてあるから、無事戻し制をなくして、一等地、二等地、三等地の地域別の三段階に分けた案によつて、無事戻しを廃止しただけのものを安くして一等地、二等地、三等地に区分したというようなことになるのですか。無事戻しは、今まで私、昨日無事戻しの問題を質問したのですが、無事戻しをなくする代りに保険料率が安くなるというのなら今わかるのですけれども、無事戻し制をなくしても料率は変りはないということになると、ただ一等地、二等地、三等地の割合で従来の方法に準じた額で保険料率が決定されておりまするならば、無事戻し制をなくしただけが残るわけで、そこで私は森林組合等の或いは復興資金に利用するのかというような点を質問したのですが、それが加味されていないということであると、只今の片柳委員の御質問と同様矛盾するようになるのですが。

小淵光平自由党

○衆議院議員(小淵光平君) 私の話の仕方が少し矛盾したような仕方をして、多分そういうふうに誤解があつたのだと思いますが、私のお話申上げたのは、廃止をする金というものは保険料率の中に入つておりますから、無事戻しをしなければそれだけ保険料率が安くなるからという話が一点、それで切りをつけたわけであります。それから片柳さんの質問になられた、無審査でやるのであるから、危険の率が非常に多いところだけが保険の対象となりはしないかと、こういう御質問がありましたので、それは今度は今までは全国同一でありましたけれども、今度は一等地、二等地、三等地、四等地というふうにきめまして、比較的火災の多かつた地域を料率が高いように地域に等差をつけましたから、その点も多少緩和されるという二つにするのが混同いたしましたわけで、ちよつと御了承願いたいと思います。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 他に御発言もなければこれより討論に入りたいと思います。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 私は條件を付けましてこの改正案に賛成をいたします。  條件の第一は、先ほど質問の際にも申しました点でありますが、政府がみずからの予算に盛つておるような事項と直擾関連する法案は、これはむしろ政府の予算の施行に関連する法案でありますから、さようなものは今後の例ともなると思いますので、これはやはり政府提案として出しませんと首尾一貫いたさないという点が第一であります。  それから第二の点は、危険率算定等は、実施をして見ませんと、果して妥当であるかどうかは相当の疑問があると思うのでありまして若しも今後危険料率が上るというような場合においては、これを全部森林所有者の負担にせずして、農業保険なり、その他の類似の保険の例もありまするので、且つ又この保険が発足当時の一般会計から相当の援助をいたすということの経過もありますので、今後の保険料率の増嵩等の必要がありますれば、これは相当部分はやはり森林の公共性に照らして国庫が相当の負担をすべきであるという二つの條件を付けまして本案に賛成をいたすものであります。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 他に御里言がなければ、討論は終局したものと認めて本案の採決を行います。森林火災国営保険法の一部を改正する法律案について原案通り可決することに賛成のおかたの御起立を願います。    〔賛成者起立〕

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 全会一致でございます。従つて本案は原案通り可決することに決定いたしました。  なお、本会議における委員長の報告等は、従来の慣例によろことを御承知願います。  なお、多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     飯島連次郎  岡村文四郎     西山 龜七  山崎  恒     松永 義雄  瀧井治三郎     片柳 眞吉  島村 軍次     宮本 邦彦  赤澤 與仁     三浦 辰雄  加賀  操     三橋八次郎  小林 孝平

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 速記を始めて。  それでは引続きまして、松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律の一部を改正する法律案につきまして質疑をお願いいたします。  その前に、質疑の前に、昨日は提案理由を承わつただけでありますので、なおその詳細について御説明を求めることにいたします。

千賀康治自由党

○衆議院議員(千賀康治君) 松くい虫のこの法案は、第一は、題名を森林病害虫等防除法に改める点でございます。只今松くい虫等以外の森林病害虫についても直接この法律により防除の措置を講ずることができるものであるということでございますが、今までの法律は殆んど松くい虫、まいまいがとか、松毛虫とかいうものに集中しておりましたが、これに対しまして、暫定措置などを見ましても一年になつているし、飜つて考えて見ますれば、北海道に鼠害があり、或いは種苗というものにでもかなり森林の病害虫に関係の深いものがあるし、そういうことを考えますると、ただ今までのように松くい虫等に集中しておつたのでは、非常に狭義になつて来るので、もう少し広義にせよということから、森林病害虫等ということになつたのでございます。そこで病害虫と指しまするものは、獣類では鼠のごときもの、それから昆虫類では先ほど申しましたもの、黴菌も入れております。黴菌よりもつと小さい濾過体のバイラスというような病源体もやはりこの中に入れることにして、森林病害虫、こういうことにするわけでございます。  それから第二の点は、種苗その他に関する点でありますが、植物防疫法というものは主として農作物に対して取締るものでございまするので、森林の苗であるとか、或いは種であるとか、そういうものに対しましてはやはりこの森林病害虫駆除のほうでこれを專門的に取扱うことが完璧を期するわけで、これを今度は取上げることになつたのでございます。  それから次は、林野庁の関係の出先機関であるとか、そういうような森林病害虫防除負が防除に必要な措置を指示する場合には、その物件の所有者又は管理者に文書と交付して行うものとする、こういうように根拠と責任を明らかにした点がございます。  次に損失補償でありますが、苗が只今病害に侵されているというときには、その苗を全部焼き棄てよということもございましようし、松くい虫が発生しているという森林が見付かつた場合には、これを伐り倒して皮を剥き、枝も葉も一緒に刈つてしまえという場合もございましよう。その場合には所有者に損害がかかるので、そうした損害を補償するということがこの法律によつてはつきりさせられるのでございます。  それから通報義務、これは罰則も別にあるわけではございませんが、森林の病害虫が局所に発生している、蔓延しているということを認めた森林家は勿論、他の国民といえども、あらゆるかたがたに当該市町村長とか、或いは県知事とか、こういう者に通報して頂いて、森林の病害虫を早期にこれを発見をし、蔓延防止の策を講ずる、こういうような点でございまして、極めて簡單なものでございまするが、又見方によつては、今までの二億四千万ほどの森林病害虫の駆除に関する予算をこういうふうにして有効に使う、最大限度に活用するというようなことで、森林病害虫の駆除の実績を上げようということでございます。  どうぞその他に御質問があられるかたは、私でできまするところはお答えをいたしまするし、又過去の実績等の数字統計に亘るものでございましたら、林野庁からも係官が出席しておられますから、そちらからもお答えいたします。

山崎恒改進党

○山崎恒君 ちよつと伺いますが、この松くい虫その他の森林病害虫等の駆除予防に関する法律の一部を改正する法律案ですが、この法律は特に予算的措置が伴つているかどうか、その点を一つお伺いいたします。

千賀康治自由党

○衆議院議員(千賀康治君) 予算は既定予算が、既定ではありませんが、参議院にはまさに回付されている予算に一億四千万ほどございますが、それのうちにおいて遂行して行こう、こういうことでございます。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) この法律の改正案が出る前の予算との比較をちよつと承わりたいと思います。

横川信夫林野庁長官

○政府委員(横川信夫君) 二十六年度の予算が二億五千二百万円余でございまして、二十七年度の予算は二億四千五百万円でありまして、その間七千万円ほどの減少でありますが、それは幸いにして松くい虫の被害が逐次減少して参りました結果であります。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 私は一点御質問いたしたいと思いまするが、こういうふうに対象を拡げて参りますると、例の植物防疫法で対象にしておる病虫害と同じものが出て来るかどうか。例えば最近問題になつたアメリカ・ヒロシトリあたりは、これは農作物、それから林野でもまあこれは両方あるわけですが、そういう場合には、植物防疫法の発動と、こちらの森林病害虫の予防法との発動との関係が起きて来るかと思いますが、その辺はどんなふうになりましようか。

横川信夫林野庁長官

○政府委員(横川信夫君) この法律で期待いたしておりまする駆除は、森林病害虫に限られておるのでありまして、植物防疫法におきましても、森林病害虫はこの法律で駆除をするということになつておるのであります。只今お話のアメリカ・ヒロシトリのごときは、幸いにして森林には侵入を見ません。都会地等だけで済んだのでありますが、これは植物防疫法によつて処理をして頂いております。なお、このどちらの法律で実行するかということを協議している間に、病害が蔓延するというような事態が起らないように、一つできるだけ早く処理を進める考えでございます。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 小さな問題でございますが、第二條の対象病害虫の種類は政令で定めると、こうありますが、その対象の今予想されている病害虫の種類はどういうものでございましようか。

千賀康治自由党

○衆議院議員(千賀康治君) お答え申上げます。主として現在ではやはり松、杉等に関係のものが主体でございまして、松くい虫、松毛虫、まつばのたまばえ、まいまいが、まつのくろほしはばち、こういうものでございまして、その他に野鼠等がございますが、これは北海道におきまして非常に猖獗を極めております。昆虫ではさようなものでありますが、その他バイラスや例えば桐の天狗巣病といいますが、葉緑素の拔けたような葉がこの弱い枝が密生して枯死に至ります。ああいうものは、じやがいものバイラスと同じようなバイラスだと言われておりますが、ああいうもの、他の闊葉樹等にやはり出て来るようなものは、農林大臣がやはりこれは政令で指定することになつております。その他菌類でありますが、この菌類はバイラスよりも研究の歴史は古くてバイラスほど、素焼で瀘過されるほど細かいものではありませんので、いろいろな名称のついた菌類もございまするが、その菌類の中で、特に森林の被害をかもす菌類はここに包括をされるのでございます。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 本法案中ミス・プリントがあるそうで今長官から発言がありますので、お聞きとりを願います。

横川信夫林野庁長官

○政府委員(横川信夫君) 印刷の手違いで誤植、誤字をいたしておりまするので、御訂正お願い申上げます。第三條の第四号でございまするが、「森林病害虫等の被害を受け、若しくは」とございますのは、「又は」の誤りでございます。なお十五條のあとの附則でございますが、附則の3のところに、植物防疫法の法律番号がございますが、「昭和二十六年法律第二百四十三号」とございますのは、「昭和二十五年法律第百五十一号」の誤記でございますので、御訂正お願いいたします。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 害虫とバイラスのほうはよくわかりましたが、菌類のほうの病害といたしまして、種苗伝染をいたします立ち枯れ病などのことがこの中に包含されておるかどうか、お伺いしたいと思います。

横川信夫林野庁長官

○政府委員(横川信夫君) 差当つてそう大規模にまだ発生も見ておりませんので、当面の見通しといたしましては、只今政令では予定をしないつもりでおります。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 そうすると一応まあこれは害虫ばかりというようなことになるようでございますけれども、まあ将来は苗床に発生するいろいろな病害などにも相当大きな被害を与えますので、これもやはりひつくるめて法律の対象にされますようにお願いしたいと思います。  それから第六條に「森林害虫防除員」という言葉を使つておりますが、成るほど今の提案者の説明を聞きますと、害虫ばかり取扱うようですから、害虫防除員でいいようでございますけれども、法の題名から申しますと、森林病虫害防除員と言つたほうがいいようでありますが、特に森林害虫防除員というような名前をとりましたのは、どういう意味があるのでございますか。

横川信夫林野庁長官

○政府委員(横川信夫君) 理論的にはお話のようなふうになるのが本当かと思いますが、従来からかように慣例的に申しておりますために、この通りに、昔の慣例に従つてこういうふうにしておるのであります。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 昔の、名は体を現わすといいますから、やはり松くい虫の法案を改正いたしまして、更に病害のほうも入れるとしたならば、やはりこれは一般農家並びに林業家からの聞きなれというようなこともありますので、病害虫防除員という名称がいいのではなかろうかと思うのでありますが、これはただ意見として申上げておきます。  なお、病虫害の問題につきましては、発生したものを処理するというよりも、発生を未然に防止するというような指導が極めて必要だと思うのでございます。まあ殊に農作物はこの点非常に重要なのでございますから、森林の方面といたしましても、やはりそういうような指導法というものは必要だと思うのでございますが、幸い林業改良普及員というものがございますが、これをこのほうに十分活用のできるように拡充することが必要だと思うのでございます。人数も非常に少く、又経費も非常に少い現状におきましては、折角こういう法律ができましても、林業をやつておるものは、発生してから伐採なり処置を受けるという損失が非常に多くなりまして、やはりこれは発生を未然に防止する、この普及員の制度を拡充するということが極めて必要だと思うのでございますが、この制度をこれとタイアツプして拡充する意思がありますかどうかお伺いしたいと思います。

横川信夫林野庁長官

○政府委員(横川信夫君) 現在この仕事をいたしておりますものは、府県におおむね兼務ではございますが千百名ほどでございます。なお技術普及員も千名ほどございまして、あらゆる機会に各種の林業の技術の指導に当つておるのでありまするが、講習会等年に数回開催をいたしておりまするのでありますが、その際に森林病害虫の予防、駆除等につきましても一つの講習課目といたしまして、取上げまして知識の徹底を図つておるのであります。お話のように起きてしまつた災害を防除するよりも、災害を未然に発見して、これを少しの被害でとりとめるということが最も望ましいことなのであります。できるだけそういう知識の普及を図りたいと考えております。  なお、この機構を拡充いたしましてやりたいということは、私どもといたしましては最も望ましいところなのでありますけれども、むしろ財政的な関係からいたしまして、圧縮されるのを辛うじて食いとめておるという程度、実情でございまするので、できるだけ現在の普及員、或いは防除員に知識を導入いたしまして、十分な活動を期待して参るような方向に指導して行きたい、かように考えております。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 これは質問でございません、要望でございますが、林業の発展に極めて重要であります改良普及員というものは、予算の関係上順次圧縮の傾向にあるということは誠に遺憾に堪えないところでございます。どうぞ一つこの施策の拡充を図られまして、林業の発展に寄与されますようにお願いしたいと思います。

千賀康治自由党

○衆議院議員(千賀康治君) 誠に御理解のある御意見でございまして、私ども非常に共鳴同感を禁じ得ないところでございます。農作物の病理が十二分に研究されておる状況に、これとても又十分ではないかも知れませんけれども、これに比べまして森林の病害虫の駆除という点は、直接毎年收入がないとか、農作物が一晩にして立枯れになるというような密接な光景が、我々が看取できないような立場からもありましようが、森林の病害虫というものに対しましては、従来の研究の深さというむのは、これは遺憾ながら農作物の場合と比べにならんと思います。例えば黴菌或いはバイラス等によつて被害を受けるものでも、種子の個体からそういうものの抵抗の強いものか、弱いものかこれを選別いたしまして、森林の植林に作用するものは、その抵抗の強いものを植えるというところまで行けば、非常にこれは程度が進んで、殆んど現在農作物におきましてはその程度まで研究が進んでおるので、あなたがたの御支援の下にますます森林の病理、或いはその病理の実践の点におきましては、農作物と同じようになる、その水準を目標にして行かなければならんと我々森林家は考えておりますが、非常に我々に力強い御意見と思いまするので、どうぞ今後とも強力な御支援を願いたいと思います。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 今三橋委員からお話がありました財政上の圧縮で農林省としては思うように行かない、こういう点です。先ほど農林大臣がお見えになつたときに、私大臣も触れないと思つて遠慮したのですが、ちよつと考えて農林省の予算が非常に少いような感じがするのですが、そうして今ここで拜見いたしますと、二十一年度の被害状況、二十六年度の被害状況を見まして、そうして国庫支出金のほうと比較しますと、丁度百倍ぐらいになつている計算になつているのです。それで被害状況はこういうピークから下へ下つていつた形になつている。いずれはなくなるのでしようが、併し今までの予算をもう少し余計出しておけばもつと早く被害も少くなつておるのじやないかということも、素人考えで考えろのであります。只今丁度そういうお言葉が三橋委員からもありました。農林大臣もう一段心臓強くして農林省予算を殖やしてもらわなければ、本当に自給自足までは不可能ですけれども、国内の食糧の増産は今の程度の予算では非常に少い。ちよつと計算して通産省その他鉱工業関係の予算というのは非常に多い。ところが農林省関係は少い、予算書をちよつと見ただけでもそういう感じがする。今お話がありまして特にそういう感じを強くしたのです。一つできるだけまあ、今日いよいよ二十七年度予算が通るのでしようが、農林省予算をうんと殖やして増産に努力して頂きたいと希望を述べておきます。

千賀康治自由党

○衆議院議員(千賀康治君) 非常に有難い御意見、ぜひ私どもも農林大臣を鞭撻いたしまして御希望の域に達するように努力をしたいと思います。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 他に御発言もなければ、これより本案の討論に入りたいと思います。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。  別段御発言もなければ、討論は終局したものと認めて採決を行いたいと思います。松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、原案通り可決することに賛成のかたの御起立をお願いいたします。    〔賛成者起立〕

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 全会一致でございます。従つて本案は原案通り可決すべきものと決定をいたしました。  なお、本会議における委員長の報告は前例によることを御了承願います。  なお、多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名      山崎  恒  三浦 辰雄      片柳 眞吉  西山龜七      赤澤 與仁  瀧井治三郎      三橋八次郎  宮本 邦彦      岡村文四郎  加賀  操      松永 義雄  島村 軍次   —————————————

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 次に森林法等の一部を改正する法律案につきまして、衆議院議員平野三郎氏からの提案理由説明を求めるごとにいたします。本案は、衆議院議員平野三郎氏ほか三名の発議にかかるものでございます。

平野三郎自由党

○衆議院議員(平野三郎君) 只今御審議を願います森林法等の一部を改正する法律案につきまして提案理由を説明いたします。  この法律案は、去る第十国会で制定せられました森林法並びに国有林野法の一部をそれぞれ改正するものであります。  先づ森林法でありますが、同法は戰後の経済事情の変化に応じて森林の保続培養と森林生産力の発展を図ることを趣旨といたしまして、制定せられ、その円滑な運用を期して参つたのでありますが、その後の施行の状況に鑑みまして若干の改正を行う必要が生じましたので、所要の改正を行い法律運用の完璧を期したいと存ずる次第であります。  その改正の主要な点を申し述べますならば、第一に従来森林区実施計画に基く、伐採の許可の申請は、年一回だけ認められて居たのでありますが、都道府県知事が許可した伐採立木材積が森林区実施計画に定められた許容限度まで達しない場合に限り、都道府県知事は、更に森林区実施計画に定められた許容限度に達する数量の範囲内において新たに許可すべき伐採立木材積の数量を六月一日に公表し、これに基いて、伐採の許可をなし得るようにいたしたいと存ずるのであります。  第二に、森林区実施計画案の公表の期日を十月三十一日から十一月三十日に、森林区実施計画の決定の期日を十二月三十一日から翌年の一月二十五日にそれぞれ繰り下げることにより森林区実施計画の編成準備の便宜に資し、森林計画の精度の向上を期したいと存ずる次第であります。  第三に、保安林におきましては、立木の損傷につきましても都道府県知事の許可事項として荒廃の防止を図ることといたしました。  以上申述べましたところが、この法律案の主な改正点でありますが、同時に、やや細かな点に亘りますが、市町村長が国有林野又はそれに近接する土地について火入を許可する場合には、従来営林局長の承認を要したのを、営林署長の承認で足るものとするごと、出費森林組合及び出資森林組合連合会の指導監督のため年一回定例検査を行うこと、土地收用法の全文改正に伴い、森林法で準用している同法の関係規定を整備するごと等、その他の点につきましても今回合せて改正をいたしたいと存ずるのであります。  次に国有林野法につきましては、森林法と同様に新土地收用法の施行に伴いまして国有林野法中の関係規定を整備しようとするものであります。  以上簡單に御説明を申上げたのでありますが、慎重御審議の上、御協賛をお願い申上げる次第であります。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 本案につきましては、質疑は後日に譲りまして、本日はこの程度で散会をいたします。    午後二時四十二分散会

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