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13回国会参議院1952/02/19

農林委員会 第6号

発言数
57
登壇者
12
会派数
4
開催日
1952/02/19

会議録

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。  本日の議事日程は、最初に肥料の需給又び価格等の件について御検討を願いたいと思いますが、最近肥料の価格が高騰して農業上種々の心配があり、又一方には国際的な関係から肥料の輸出の問題が相当重要視されて来ておるわけであります。内外共に肥料問題が非常な重大な問題になつておると考えられますので、この際政府が肥料対策についてどういうことを考えられておるのか。今日の肥料の需給及びその価格等と睨合わして今後の見通し及び政府の具体的な方針、対策等、全般について政府の説明を聞いて、その後御審議を煩わしたいと思うのであります。最初に最近の肥料事情について政府から説明を求めたいと思います。  なお政府の説明の前に、私からもう一つ希望的な意味で申上げておきますが、この前の日米経済協力の問題以来、ずつと重点的な電力割当等で肥料工業が相当影響を受けておるわけでありますが、最近又国外に対する肥料輸出等の問題で、やはり東南アジア地域に肥料をできるだけたくさん輸出すべきだという意見、或いは国内の農業を守るために肥料はできる限り国内重点主義だというような意見等、それぞれありますので、そういうような意味も含めて政府の見解を承わりたいと思うわけであります。  それでは通産省の柿手化学肥料部長から最初に御説明を頂きます。

柿手操六通商産業省通商化学局化学肥料部長

○説明員(柿手操六君) 化学肥料は窒素、燐酸、加里と三つあるのでありますが、日本の化学肥料工業といたしましては、加里はその資源が全然と言つていいほどありません。ですから肥料工業といたしましては加里の工場はないのであります。従いまして私の御説明申上げますのは、窒素と燐酸の二つについて申上げたいと思います。  窒素質化学肥料は硫安と石灰窒素の二つでありますが、今年の、二十六肥料年度の当初の計画といたしましては、電力の需給計画から硫安を百七十万七千トン、石灰窒素を四十三万七千トンの生産計画を立てまして生産を始めたのですが、只今委員長から仰せになりましたように、これだけの生産計画では国内の需要を賄いまして殆んど余力がないというような状況でありますのに、一方朝鮮、台湾、フイリピン、沖縄等から非常に切実な要請がありますので、それにも応えて行くことが日本といたしましては必要だろうということから、非常に電力の需給関係は逼迫いたしまして困つておつたのでありまするが、そういうような国内の需要は先ず以て充足し、更に国外にも出さなければならんというようなことから、九月の中頃に、閣議におきまして窒素肥料の緊急増産対策を立てまして、そうして今日まで及んでおりますが、その増産対策は硫安を百七十万七千トンの計画に、更に十五万トンをプラスして百八十五万七千トンにするということをきめまして、そうしてその十五万トン増産のうち、差当つて十万トンを輸出に引当てようということで生産計画を増加改訂いたしまして、増産に努めておるわけであります。ところが閣議決定の直後、御承知のような近来稀な異常渇水に見舞われまして、九月、十月は非常な減産を来たしたのであります。そこで折角そういう計画を立てましたものの、この遂行が非常に危ぶまれておつたのでありますが、十一月以来非常に雨が多うございまして、非常に豊水状況になりましたために、今年の一月末の実績が出たのでありますが、その結果では、硫安の百八十五万七千トンの生産計画のうち、一月までの計画に対しまして、硫安は大体その通りな増産を示して参つたのであります。ただ石灰窒素につきましては、四十三万七千トンの生産目標に対しまして、一月までの計画に対しては約二万一千トンばかり減産を来たしておるというような状態であります。今後の見通しでありまするが、もう渇水期も二月、三月の初めまででありますので、余すところのもう幾らもないのであります。二月に入りましても、大体順調な経過を辿つておりますから、硫安につきましては、無論これは一月末までにおきましても、増産計画の遂行が実績において行つておりますから、今後も豊水期でありますから、問題ないと思います。ただ石灰窒素が四十三万七千トンに対しまして、一月末までに二万一千トンの減産をしているのでありますが、幸いに十二月、一月、二月が豊水でありまして、石灰窒素の原料であるカーバイドの生産状況も非常によろしいのでありまして、これも今後勿論肥料年度までには、四十三万七千トンの計画は遂行できるのじやないかというふうに考えております。ただ時期が幾分ズレますのと、石灰窒素の使用が主として元肥にやらなければならんという関係から、施肥期の早い関東、東北、北陸方面においては幾分量が足らないというようなことが懸念されているのであります。本日も午前中に、農林省に各府県のそれぞれのかたが参られまして、関係業者、我々いろいろそれの対策について協議をいたしたというような実情であります。  燐酸肥料につきましては、当初百六十万トンの計画をしたのでありますが、九月に窒素の増産計画を閣議決定をいたしましたときに、一緒にもう十万トン増産いたしまして、この十万トン分を東南アジア地区の、窒素を出しますと同じような地区にやはり出して行こうということをきめまして、それに必要な燐鉱石輸入の外貨の計画も組みまして、実行いたしているのでありますが、最近の燐鉱の輸入のほうも順調でありますし、生産のほうも百七十万トンの増産計画に対しまして、一月末のところ約十万トン近く増産がされているというような実情であります。肥料の生産に一番問題になるのは電力の問題でありまするが、過燐酸の製造には非常に電力の消費が少いのでありまして、電力問題から過燐酸の生産が懸念されるというようなことはないのであります。これは供給面では全然問問がないと思います。  価格の問題がちよつと先ほど委員長から出ましたが、まあ現在は公定価格を廃止しておるわけであります。又一船価格に関する所管庁としては、物価庁が主としてこれに当るということでございますが、生産担当の我々といたしましても、生産指導の面から常に原価の動向ということに関心を持ちまして調査をいたしておるのであります。これは衆議院のほうでもいろいろ価格の問題につきまして心配をされまして、先船来製造業者を招致されまして、原価の状況を聞き、更に物価庁は公定価格は作つておりませんけれども、肥料の価格が非常に問題になつておるというようなことから、今年の一月から二月の初めにかけまして、工場に出向きまして価格の監査をやつて、結果を今取りまとめ中と聞いておるのであります。非常に価格が上つたということは事実であります。大体今硫安で言いますと、メーカーの売値が九百九十円、石灰窒素が六百五十円か、大十円じやないかと思うのでありますが、過燐酸も五百七、八十円というような状況であります。相当に上つておるのでありますが、これが、この価格の高騰が一般物価との均衡の問題或いはコスト等の問題等から眺めて見まして、どういうことになるかという問題でありまするが、私どもの感じといたしましては、一船物価の値上りから見れば、まだ相低位にある、これは結局主原料その他の高騰が一方にありますけれども、生産を増加することによりまして、固定費を引下げておるというようなことから、一船物価の値上りに追随しなくても、メーカーの採算はとり得るということから低位になつておるものと考えるのであります。この間の衆議院の農林委員会におけるメーカーの御説明を承わつておりますと、大体まあ今の価格で採算点に近くなつたところだ、もうそうひどく一般物価その他経済事情に変化のない限りにおきましては、一つの安定点に近付きつつあるのじやないかというような感想をお話しておられました。我々も大体そういうふうな感じを持つのであります。物価庁の調査につきましては、まだはつきりと結論は数字的には伺つておらんのでありますが、物価庁もこの前その席で御説明がありました。大体我々と同じような感じを持つて、総論的な報告があつたようなわけであります。  大体私から御説明申上げますことは、この程度でございます。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 農林省のほうから農政局長から農林省の立場で最近の肥料事情を一応承わりたいと思います。

小倉武一農林省農政局長

○政府委員(小倉武一君) 只今肥料部長のほうから生産事情についてお話がございましたので、それに引続きまして、出荷乃至需要の面についてお話をいたしたいと思います。  生産につきましては、今話がありましたような計画がございますのでありますが、出荷については、生産計画ほどの計画と称すべきものは実はないのであります。従つて計画と照し合せてどうかというふうにお話をすることはできないのでありますが、生産と出荷の関係について、数字を少しお話をしたらばと思います。昨年末までの、八月から十二月まででございますが、この間の生産を見ますというと、硫安は七十万五千トンであります。これに対しまして出荷のほうは七十三万一千トンであります。今お話のように生産のほうから見ますというと、計画を約一万四、五千トン余り下廻つておるわけでありますが、出荷のほうは実は生産以上の出荷になつておるわけであります。これが硫安でございますが、石灰窒素のほうは生産が約十三万七千トンありますが、これに対しまして出荷は十七万トンになつております。窒素肥料を合計して申しますと、生産計画といたしましては、先ほどお話がありましたように八十七万七千トン余りでありますが、それに対しまして生産実績は約八十四万二千トン、これに対しまして出荷はほぼ九十万トンということに相成つておるのであります。出荷を前年と比較いたしますというと、勿論国内の出荷でございますが、前年は七十七万三千トンでございまして、本年の十二月、明年度の十二月までとを比較しますと、十三万トン近く出荷が多くなつておるのであります。  次は過燐酸でございますが、過燐酸は先ほどお話がありましたように、生産は計画を十万トン近く上廻つておるのであります。出荷は生産の約七十四万トンに対しまして七十八万トンでございます。これを前年度と比較しますと、前年は六十万五千トンでございまして、これも前年の出荷よりも相当量上廻つておるわけであります。こういうふうに出荷の状況を見ますというと、去年の同期に比較しまして相当潤沢に供給されておると言わざるを得ないのであります。尤も生産実績のほうは多少計画を下廻つておるのでございますが、一月の実績を見ますというと、大体一月の計画を各肥料とも上廻つておるというふうな実情で、今後若しこの調子が続くならば生産のほうも計画通りになり、出荷のほうも支障ないではないかというふうに存ずるのであります。併しながら価格を見ますと、これは去年の秋乃至暮にかけまして相当値が上り、騰勢を続けて来たのであります。特に石灰窒素は一方非常に無硫酸根肥料ということで需要も増しておりますが、生産が必ずしもそれに伴わないということで価格が相当上つて参つております。併しこれを一つ一つ見ますと、過燐酸のほうもこれは生殖が非常に計画をずつと上廻る程度生産ができております関係からでしようか、価格のほうも去年の暮あたりから大体横這いの状態にあるように見受けられるのであります。今後のことを予測することはむずかしいのでありますが、さほど今後騰勢に変るというようなことはないのじやないかというふうに推定をいたしておるのであります。  硫安のほうはいろいろ意見もございまして、メーカーのほうではもう四、五十円上げたいというような意向もあるようにこの間承わつたんでありますけれども、その程度になりますかどうか、私どもとしては成るべく現在の水準程度で落着くようにという希望を実はいたしております。  現在の肥料の需給状況ということにつきまして、私から附加えて申上げる点は以上の通りであります。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 次に経済安定本部から、最近の東南アジア地域に対する肥料輸出の状況或いは今後の方針等を承わりたいと思います。

藤巻吉生経済安定本部産業局次長

○説明員(藤巻吉生君) 化学肥料の輸出につきましては、昨年の九月に閣議決定をいたしまして、先ほど柿手部長から御説明がありましたように、窒素肥料で十五万トン増産いたしまして、そのうち十万トンを輸出に向ける。燐酸肥料につきましては十万トン増産いたしまして、十万トン輸出に向けるという計画でございました。その輸出先は当時概略きめておりましたのですが、窒素肥料につきましては朝鮮に四万トン、台湾に四万五千トン、フイリピンに一万トン、琉球に五千トンという内訳でございました。燐酸肥料につきましては、朝鮮に二万五千トン、台湾に七万トン、琉球に五千トンと、こういう内訳でございました。そういう計画を以ちまして、只今までのところ輸出いたしましたのが、窒素肥料におきましては、台湾とフイリピンおのおの一万トンずつ、合計二万トン、琉球に四千五百トン。それから燐酸肥料につきましては、朝鮮に一万トン、琉球に二千六百トン。これだけを輸出することに決定いたしております。大部分輸出済でございます。今後の問題といたしましては、残りました二十万トンのうち、輸出をまだしておりません分をどういうふうに輸出するかという問題でございますが、この輸出の計画は、増産の計画ができましたその増産分を輸出するという計画でございますので、特に窒素肥料につきましては、まだ渇水期も済んでおりませんし、渇が経過いたしまして、確実な増産の見通しが付きましたら逐次輸出して行きたいと考えております。燐酸肥料につきましては、すでに増産計画を十万トンも上廻つておりますので、これを輸出してもいい状況にあると申していいかと思います。  このようにいたしまして、輸出をいたします場合には、国内の需給の影響を及ぼさないように、農林省、通産省、経済安定本部の三省がその都度打合せをいたしまして輸出を決定して参つております。今後もこの方針で参りたいと思つております。私も過燐酸石灰なんか相当増産がきておるのに、どうして輸出をどんどん進めないかということを言われるのでございますが、一つは価格の点がございます。輸出によりまして国内の価格が釣上げられるというこがありますと、これは趣旨に反するのでございます。従いまして価格が国内で上らないような指導をいたしながら輸出をして参りたいと、こういうふうに考えております。概略御説明いたしました。

池田宇右衞門自由党

○池田宇右衞門君 先ず以て一つ三者に総括的質問を申上げて、あと順次お尋ねしたいと思います。第一は、肥料は申すまでもなく農家がこれを消費いたしまして、日本内地におけるところの絶対量の不足をする食糧並びに農産物の増産、いわゆる自給度を高めるために消費することは勿論であります。従つてこの肥料の製造に対する主権と申しますか、監督すべき省は、我々といたしましては当然農林省が監督しなければならないと、かように信じております。今日電力と輸送と二つの面から見まして、通産省に製造会社の主力を置くということは当を得ない。これは対する農林、通産、安本の出席者より適切であるかどうか、いわゆる農林省に置くのが適切だと私は思いますが、これに対する見解を先ず一つお尋ねいたします。以下順次質問を申上げたいと思つております。

藤巻吉生経済安定本部産業局次長

○説明員(藤巻吉生君) 農林省の立場からということで御答弁をする次第でございますけれども、これはもうよく御承知の通り、従来から非常に大きな問題でございまして、一時肥料の生産数量といつたようなことにつきましては、農林省所管であつたこともございますのでありますが、何分化学工業一般との関連或いは通商政策といつたような関連からいたしまして、化学肥料の所管を農林省の専管にするということは非常に私どもむずかしいのではないかというふうに実は考えておるのであります。それ以上のことは政務次官からお聞き願いたいと思います。

柿手操六通商産業省通商化学局化学肥料部長

○説明員(柿手操六君) これは実は私も長く農林省におりまして、その立場からも肥料の問題を十分承知しております。今は通産省に来ておりますけれども、通産省で肥料の生産を担当しておりましても、常に消費者側のことを考えながらやつておるのであります。今の御質問の問題はこれは非常に議論がある。まあ一利一害と言いますか、絶対にこつちがいい、こつちが惡いということはなかなか言えない、非常に議論のあるところであります。御質問の趣旨もまさにこれは有力なる御意見だと、こう思うのであります。併しながらこれは政策に関する問題でありまして、先ほど農政局長から申しましたように、公務員たる我々がこれをどうということを申上げることは甚だむずかしいのであります。この程度で御容赦願います。

小倉武一農林省農政局長

○政府委員(小倉武一君) 経済安定本部といたしましては、肥料行政の一々の点につきまして、農林省と通産省との間に立つて両方の意見を調整するということをやつておりますので、只今のところその点については非常にうまお行つておると思つております。それ以外のことは長官でないと御答弁いたしかねます。

池田宇右衞門自由党

○池田宇右衞門君 私は農民の立場から言つたら、恐らく三者の答弁をお聞きしたら農民は悲しむだろうと思います。本来ならば肥料は農家が消費するために生産するということであつて初めて肥料におけるところの良質であり、農産物に適当するところの成分を確実ならしめて、そこに如何にして安く多量の肥料を製造するという方向に必ず向けて製造されるということがはつきり答として出て来るのであります。政務次官や大臣に聞けというようなことは、もう肥料行政を預かる事務当局が肚をきめて、この方法でなければならんというような方針があつてこそ、大臣、次官も又それに協力、協調して日本の肥料の先ず大綱が決定されるのだろうと思います。その段階がきまらないような結果、局長の御答弁によりますならば、昨年度より肥料は増産されていると……。昨年度より肥料は増産されているが価格は高くなつている。なぜ価格が高くなつたかと言えば、相当増産されれば輸出するという結果になります。誰人も今手許に渡されたところのこの統計書を見れば、窒素肥料にしろ、燐酸肥料にしろ、農産物の価格よりも遙かに二割或いは七割というように、肥料生産におけるところの価格は上廻つている、農家の経済から言つたら高い肥料を購入して生産された農産物を安く売らなければならない、こういう結果で以て増産ができるか、できないかは、これは常識あるものの誰人でも、増産できないという数字が出なければならないのでありまして、農家全体が肥料対策に悩み、肥料を入手するに困難な過程にある際において、価格がますます騰貴するということは、ここに大きな禍いが生ずるのであります。私はこの際、安本でも或いは通産でも農林でもいいから、若しでき得るならば、それぞれ農家の農産物、主食は勿論果樹蔬菜を通じてでもいいから生産費がこれだけで、農家の利潤はこれだけ生んでいる、肥料会社の電力その他においての肥料製造過程におけるところの生産費はこれだけであつて、現在日本にあるところの肥料会社はこれだけの利益配当をしているという的確なる資料を出してもらいたいと思います。そこで初めてこれを農家に供給するところの肥料と睨み合せて、肥料会社における肥料製造の利潤が農家の農産物生産の利潤との睨合せおいて適切であるかないかというはつきりした数字が出て来るだろうと思います。このことをなくして徒らに肥料問題をここで議論をしても解決はなかなか困難だろうと思う。幸い私の信頼する政務次官が見えましたが、政務次官にも重ねて、肥料は農林省所管に専管すべきものだ、こういう断定が下せるか下せないか。若し下せたら非常に農家のために幸いだろうと思いますが、先ず私ははつきり、今日本が新らしく出発をなすときに当りまして、敗戰後種々の経営内容において多角形の総合的経営で出発しなければならないこの際において、農家自体の最も必要な肥料は、農家の生産を睨み合せまして的確でなければならんと思います。肥料会社に対しては、曾つては補給金を国庫が助成し、更に電力においても第一に国家が助成援助しているときに際しまして、その消費する農家が、農産物の生産費よりも高い肥料を購入しなければならないということは、どう考えてみましても農家の経済を考えてみまするときに、はつきりと納得できる数字が出て来ないのであります。これに対しまして先ずその衝にお当り下さいますところの農政局長は、もうここまで日本の農業政策が新たなるところの政策とし、又農家の安心できる方針を指導しなければならない立場においででございますから、はつきり御答弁を頂きたいと、かように重ねて要求するものでございます。

野原正勝自由党農林政務次官

○政府委員(野原正勝君) 池田委員の御質問の要旨は肥料行政の問題についての御意見でございますが、この問題は非常に長い間の懸案でありまして、農林省といたしましては、でき得べくんば肥料行政は農林省の方面で担当をしたいという考え方で以前から折衝しておつた問題かと心得ております。で、これがなかなか未だに解決を見ず、商工省所管としてやつておられるのでありますが、常に緊密な連繋を保ちまして、肥料の生産と、それから価格の安定或いは又不当なる値上りの防止というような点につきましては、緊密なる連絡をとつて参つておるわけであります。特に肥料の輸出等につきましては、国内の価格に及ぼす影響或いは又需給操作上いろいろな影響もございますので、当然農林大臣が商工大臣の協議を受けてこれに承諾を與えた場合に限り輸出ができるという建前にしておるのであります。従来ややともすると、その間の連絡協調を欠くかのごときことも事実あつたやうに伺つておりまするが、最近におきましては非常に連絡がとれておるのであります。従いまして輸出等につきましても、国内の需給状況を十分見定めた上で、これならば価格の不当なる上昇なしという見通しや、或いは需給操作上心配ないという場合に限りまして輸出の許可を與えておるような状況でございまして、今後といえども当然その方針を進めて参るつもりでございます。なお又肥料の生産そのものにつきましても、これは農林省というより、むしろ安定本部におきましてさまざまな構想をとりまして、電力事情等も努めて肥料工場には流すというような点にも特に御配慮を願つておるわけであります。まあ肥料は年々或る程度の増産を見つつあるわけでありまするが、ただ価格の点におきましては、我々が当初考えましたよりも実は非常に上廻つております。これは原因が如何なる点にあるのか、我々としましても非常に関心を持つておる点でありまして、実は補給金えの打切り等によりまして、七割程度の肥料価格の上昇というものはあらかじめ考えておつた点であまりしたが、事実はそれをかなり上廻つておるという点につきましては、恐らく今日の肥料の生産というものに対しましては相当検討を要するものがあろう、従いまして肥料生産に関しましての工場の生産の合理化、能率化等につきましては、なお所管省である商工省或いは関係の安定本部等におきまして特段の考慮を以て臨んで頂きたいと、我々といたしましては常に緊密なる連繋を保つておるような次第であります。ただ一点理想を申すならば、何と言いましても、肥料行政はそれは農林省に一元化することを私どもとしましては窮極の念願として関係方面といろいろと折衝して行きたいと考えております。

池田宇右衞門自由党

○池田宇右衞門君 政務次官の御答弁で、通産、安本、農林の連絡の協調は全く私どもも認めております。又その通りであります。併し肥料が増産されて価格が上るということは納得ができない、農家に如何にして安い肥料を供給するかということを掘り下げれば、肥料は農林専管になつて、農産物の生産価格と睨み合せて均衡を得るような肥料価格でなければならないというところに私どもは狙いを付け、それを如何にして実現するか、その実現をするには今が最も新らしい、日本の機構を改草して政策を掲げて、その政策を実行する好時期である、この好時期に対して農林省は確固としてこれを断行するの御意思があるかどうかということを先ずお尋ねします。それから次に、先ほど申しました農産物の価格と、それから肥料価格の、ここに価格に対するところの表は出ておりますが、農家におけるところの利潤、農産物を生産して販売した農家はあらゆる諸税を負担して行かなければなるまいし、生活をして行かなければなりませんが、利潤はどの程度だ、それから肥料会社はどのくらい配当するか、この確たる資料は一つ安本でも、通産省でもいいから、我々に一つ提供願いたい。その提供によつて私は肥料を調査をして、更に私どもは質問を重ねたいと思います。

野原正勝自由党農林政務次官

○政府委員(野原正勝君) 肥料行政の問題を一気に解決することはなかなか容易でないと考えておりまするが、御意見といたしまして十分尊重いたしまして、政府でも、成るべく農林省としましては肥料行政をできるだけ早い機会に一元化す方向に折衝をしたいと、かように考えております。なお肥料価格と農産物価格との問題等は、御承知の通り従来の米麦等の価格決定の際に当りましては、当然最も大きな因子といたしまして、パリテイ計算方式の中に取上げておるわけであります。従いまして一応均衡はとれておると申上げてもよろしいのでありますが、今後の異常な値上り等は、これ又非常に困るのでありまして、その点当局としましては、今後も十分連絡を密にいたしまして、肥料価格につきましては、十分検討して参りたいと思います。

森田豊壽自由党

○森田豊壽君 只今池田委員からいろいろ申上げまして大体盡きておるようでありまするが、この肥料の需給の関係はどうやらバランスがとれて来たような話に、私は各省の局長さんから承わつたのでありますが、一体昨年度の秋に輸出いたしました肥料価格、この価格と内地の価格とを考えてみますると、輸出したことによつて内地の価格が上つて来たということはこれは事実であると思う。輸出しなかつたならば内地の価格は下るべきであるということを私は考えておるのです。或いは輸出をしたがために、あと年末にかけまして価格が高騰したことは、価格の高騰の表を見ましてこれは事実であるのでございます。従いましてこの肥料の需給を円滑ならしめ、而もその価格を上げないということが即ち需給を円滑ならしめることでありまして、ただ品物があれば需給が一ぱいあるということではないのでありまして、農業者は自給肥料というものを別に持つておるのでありまして、化学肥料だけにのみ依存するのではないのでありまして、従いまして肥料の価格をいわゆるこの窒素、燐酸、加里というこの化学肥料を安全ならしむることは、すべての農家の経済に影響するところが大でありまして、従いましてこの肥料の価格を安定せしめることを、むしろ引下げることによりまして、生産意欲も増強いたしまするし、農家の経済の安定が得られるということでありまして、肥料政策はただ需給だけで事足りるのではなくて、価格を安くすることが或る程度までほかの物価と比較いたしまして、最低のことがいわゆる食糧増産の基本線に合致することになるわけでありまして、肥料をこのままに需給は一ぱいであると、価格も或る程度又この辺でいいだろうというお話がございましたけれども、この不需要期にこのままでいるということは、将来に又再び電力事情によりまして高くなるということを予想されることになるわけであります。この意味におきまして、現在の不需要期は、今までの年々の肥料相場から見ますれば相当安くなつていなければならん。ほかの物価が高くなつておつても安くなることが当然であることは御承知の通りであります。而も今規在安くなつたとは申しながら、現在においてはむしろ農家は肥料が高いから買わないのでありまして、買わないから今の相場が保つているのでありまして、今まで通り買つたとすれば、この表にもあります通り、今最も需要の少いとき、そのときにおきまして横這いをしておることは、将来に対して非常に不安定であるということを言わなければならないと思うのであります。この点に対しまして、今後輸出肥料というものに対しましては、肥料はただ一ぱい売つているだけでは、中には商業者の手に渡りまして、それが思惑される場合もありますし、一ぱい売つただけでは、これは需給がうまく行くということは数字だけの問題でありまして、実際の取引上におきましては必ず不平が生ずることは当然でありまして、需給が円滑ではないということになるのであります。従いまして十五万トンも余計に増産することを折角したものを、それは輸出をするために増産したというようなことに、過去の肥料情勢から言えば結果になつているのであります。今後、今需給が一ぱいだと言いますが、非常に不安定であつて、又これからの渇水期も予想されるのでありまして、電力事情も非常に憂慮される点があるのであります。この点に対しまして、今後は輸出というものは計数の上で一ぱいになつているから輸出するのだというお考えであるかどうか。この点もう一つ承わりまして、なお御質問申上げてみたいと思います。この点お伺いしたいと思います。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) ちよつと御答弁の前に、私から今の森田さんの御質問と併せてお伺いしたいことがあるのですが、それは先般来九州地方から石灰質肥料、燐酸質肥料等の入手不可能を当委員会宛に訴えて来ておるのであります。これはどういう事情なのか、生産が十分上昇して現物もかなり出廻つておるというのに、片方では入手不可能を訴えて来ておるのであります。これは生産地域と、この九州が非常に地理的に離れておるという関係であるのか、或いは何かその他に事情があるのか、それらの点もちよつと我々としては呑み込めない点がありますので、事情がわかつておりましたら、今の森田さんの御質問と併せて御答弁頂きたいと思います。

小倉武一農林省農政局長

○政府委員(小倉武一君) 只今のお尋ねの輸出の問題でございますが、勿論根本問題は生産計画乃至輸出計画通りの生産実績が挙つたかどうかということにかかわることと思います。量的の関係だけで直ちに輸出をしてよいかということになりますと、これはお説の通りいろいろ問題があろうと思います。私どももそのとき、或いはその後の価格の情勢といつたようなところも考え合せて、内需向の肥料がそのために特に上るということのないように努めたいと考えます。又飜つて考えますと、輸出するというので、例えば硫安で申しますと、恐らく輸出すればトン当り八十ドル見当ではないかと思います。約内地の価格より一割くらい高い価格のようでありますから、輸出という声があるだけで以て価格が吊上げられるという虞れは多分にございます。従つて輸出時期につきましては、ただ量的な関係だけでなくて価格という面についても十分配意いたしまして、農林省としては意思決定をいたしたいというふうに存じておる次第であります。それから九州方面の石灰窒素、過燐酸の問題でございますが、これはもう御承知のことと思いますけれども、石灰窒素はこれは北陸方面に工場が集中しておる関係がございまして、立地的な問題が一つございますと共に、もう一つは、先ほどもお話がありましたように、需要は相当量に上る、例えば恐らく五十万トン近くに需要はなつておるのだろうと思います。生産は今のところとしては計画通りになかなか達しにくい、恐らく四十二万トン程度ではないかと想像されるのでありますが、そういう関係からいたしまして、全国的に逼迫しておるというような関係がございまして、農林省といたしましては、地域的な出荷の調整或いは時期的な調整について関係当局と話合いを進めておるところであります。過燐酸も九州の方には事実上供給が多少困難なようなところがございますので、私どもといたしましては、業界、通産省、安本の両当局に、九州、北海道といつたようなところにも過燐酸の供給不足のないように、その都度いろいろ要望いたして適宜処置をいたしております。なお九州の点については具体的の話を承わりまして、できるだけ適当な処置をいたしたいと思います。

森田豊壽自由党

○森田豊壽君 私は今の事情から行きますれば、現在の肥料事情から行きますれば、今後は二十七年度におきましては輸出はせぬという方針でありますか、その点をはつきり一つのお答えを願つて置きたい。それからもう一つ、今の事情から行きますれば、なお一割ぐらいは増産をしてもらわなければ需給は円滑に行かないのか、行くのか、私は行かないと思いますが、今の状態では肥料はむしろ将来に対しましては部分的には非常に上ることがあると思う。或る一部分においては需給円滑であつても、ある部分では必らず上るということを予想されるわけでありますが、この点を全国的に或る程度まで需給を円滑ならしめるには一割くらいの余裕を持つておらなければならん。これは米の操作をいたしましても、「ふすま」の操作をいたしましても、動物に対する餌の問題が随分やかましく最近言われておりますけれども、この肥料の問題は、とかく農家が価格の問題だけを考えやすいのであります。併しながら植物そのものを言いませんけれども、恐らく豚や牛と同じように非常に困つておるという状態にあると思う。従いましてこの肥料というものに対しましては、それからの農業の上におきまして、少くとも十分なる肥料の手当を政府において考えなければ、農林省が如何に食糧増産を唱えましても、どういうことをいたしても、これは思うように行かぬ隘路がそこに出て来るということになると私は思うのでありますが、その点に対する次官なり、局長なりの御意見を承わりたい。

小倉武一農林省農政局長

○政府委員(小倉武一君) 一つは在庫と申しますか、ランニング、ストツクの関係がある。ゆとりの問題でありますが、これはどの程度がよいかということについては非常にむずかしい問題であろうと思います。又工場在貨という形で持つておるか、全購連といつたようなところ、或いは末端の農家に至るまで、どこで一体持つておるか、むずかしい問題だろうと思います。私どもの只今のところの考え方といたしましては、少くとも工場在貨につきまして、でき得ればまあ月産八割程度は必要ではないか、その程度あれば需給にさほどの支障がないのではないかというふうに存じておるのであります。尤も価格の安定といつた点から考えますれば、又話が別でございまして、それ以上の在庫があるということは必要だろうと思うのであります。ただ資料には或いはなかつたと思いまするけれども、先ほどお話しましたように、生産実績よりも出荷が殖えて参つているのでありますが、従つて在貨が、実は減つて、工場在貨は減つて参つておるのであります。その点実は憂えておつたんであまりすが、一月の増産で以て多少、在貨も殖えて来ておるというふうな実は実情にあるのであまりす。今後も先ほど申上げましたように、生産の実績それから価格の状況、もう一つ、実は付け忘れたんでありますが、今御指摘の在庫がどの程度あるかということも、恐らく、輸出するかしないかというようなことを考える場合の一つの重要な要素であろうと思うのであります。この点は十分考慮を拂う必要があろうと思います。今後輸出を絶対にするかしないかというむずかしい問題がございますが、これは肥料によりまして、いろいろ事情が違いますと思いますが、例えば現在のような生産の実情から申しますと、窒素肥料などにつきましては、輸出ということを差当りするかということは、これは事務的に考えまして非常にむずかしいことではなかろうかというふうに存じております。

森田豊壽自由党

○森田豊壽君 非常に窒素肥料の場合にはというお話でありましたが、過燐酸肥料にもそういう場合があるのであります。幾分内地に少し余つたくらいのことで、輸出することによつて相場に影響を及ぼすことがあつては非常に面白くないのであります。従いまして燐酸でも窒素でも、いずれにしをしてもよほどの余裕がある場合のほかはやらんと、こういうわけでありますが、余裕さえあればみんな売つちまうということでありますか。

小倉武一農林省農政局長

○政府委員(小倉武一君) 過燐酸の問題についてのお話でございますが、これは大局から見ますればいろいろ御意見も必ずあることと存じます。ただ私どもといたしましては、当初の計画百六十万トンの過燐酸の生産計画を百七十万トンにするということに改訂いたしましたにつきましては、十万トンの輸出をするということで以て閣議決定が行われておるのであります。従つてその時期の生産ができ、そしてなお且つ価格についても不安がないというふうな場合ならば、事務的に考えまして、そういう場合でもなお且つ輸出はチエツクするということは、これはなかなかむずかしいことと存じます。ただ生産計画が計画通り行きましたといたしましても、それによつて特に価格が非常に上る、好ましくない価格の傾向を迫るであろうというような場合は、私どもは実は差控えたいと考えておる次第であります。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 折角政務次官がお出でですから、一つ政務次官に先ず劈頭にお尋ねいたします。それは去る十二国会のときに、肥料需給調整法が極めて熱心に用意され、且つ提案の準備がなされておつたんですが、これが遂に実施されないで取止めになつた、その経過を一つ……。

野原正勝自由党農林政務次官

○政府委員(野原正勝君) 肥料需給調整法が準備されまして、一応草案として私ども当時農林委員会でその構想等を聞いたのでありましたが、その後それがつい立消えになつておるような状況等からそれがどういう原因でこうなりましたかということの詳しいことを私存じておりません。従いまして只今はつきりお答えできないのは甚だ遺憾でありますが、肥料の需給を調整する、これはもとより価格そのものを調整し、需給者である農民が安心して肥料に対して十分適当な時期に適当な価格で肥料を買い得るような体制にする、そのための措置として考えられたことであろうと思います。今日の段階におきましても、肥料の需給或いは価格の調整というような問題につきましては、十分そういつた構想がやはり必要であろうと考えておりますが、なおこれは十分事務当局といたしまして検討たしまして、いずれ肥料の需給問題につきましては、大きな構想で検討をいたしたいと考えております。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 それではどなたか事務当局で、先ほどの質問について要点を……。

小倉武一農林省農政局長

○政府委員(小倉武一君) 要点を申上げますと、恐らくこれは人によつていろいろ御意見が違つて参りますから、話も共通ではないかと思いますけれども、一つは価格が抑え付けられるということを心配したんであろうと思います。もう一つは、輸出がチエツクされるということを心配したんであろう。この二つの点がこの前の需給調整制度についての反対意見の主なるものではないかというふうに思います。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 今のお答えにもう一点お尋ねしたいことは、つまり農林当局で肥料の需給調整をあれだけに熱心に企画、立案されておやりになつたにもかかわらず、これが遂に日の目を見るに至らなかつたということは、只今のお答えで若干は了解できましたが、これを阻止したのは一体向うなのか、こつちなのか、そこのところを一つ明確にして置きたい。

小倉武一農林省農政局長

○政府委員(小倉武一君) 当時私当事者でなかつたものですから、明確なお答えはできないのでありますけれども、聞いております限りを申しますと、甚だ失礼でありますが、申上げますと、一つは関係方面関係に異論があつたのであります。又国内的にも異論があつたことは御存知だと思います。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 それでは、只今のお答えについては若干留保して質問の歩を進めて行きたい。政務次官にもう一度改めてお尋ねをいたしますが、最近の肥料情勢は、御承知のごとく我々が選挙区である農村廻りをいたした場合に、どこの農村に行つても異口同音に、米だけ釘付けしておいて、肥料、農機具などがうなぎ上りしている実情に置くのは一体政府は何だ。我々が出している議員は何をしている。こういうことを鋭く追及されることはお互い様かと思います。こういう情勢に対して、而も只今まで各関係局部長からお伺いしたところによると、肥料の価格等に対する見通しは横這いであろう、こういう大体の見解であつたが、先ほど森田委員からも指摘されたように、只今は成るほど上り方の足取りがちよつと緩んでおるかに先ほど提出された資料からは推察できるのでありまするが、これは在庫その他の詳細な資料から我々が判断をすると、まさに大きな需要期を四月に控えて、只今の状況下にあるということは必ず大きな値上りをするこれは潜在的な、この一服の状況にあることは間違いない、こう判断して私は差支えないと思う。これは大きく高騰することだけは自明の理であります。こういう状況を控えておつて、而もかかる肥料情勢に対応して、農林当局或いはその他関連をする政府当局としては如何なる対策を持ち、先般お尋ねをした肥料の数量なり、価格の調整に対して如何なる対案を持つておられるか、この点を一つ政務次官並びに更に詳細の点は事務の当局のほうからお伺いしたい。

野原正勝自由党農林政務次官

○政府委員(野原正勝君) 肥料対策としましては、肥料の大いに増産を図る、そのために政府としましてはあらゆる点から肥料生産を増強せしむるような措置を講じて参つておりますし、今後も参らなければならんと考えております。又価格等の問題は先ほど申上げましたように、輸出等の問題もございまするけれども、これも国内の需給に絶対支障なしという場合と同時に、又価格の面におきましても、不当な値上りのないということの確信がなければ、農林省といたしましては輸出は賛成できかねるという態度で進めておるわけであります。又需給調整法という構想も、さつき農政局長から一応の経過のお話がございましたが、これは十分検討しなければならないと思つておりますが、ああいうような構想が果していいのかどうか、実は当時関係のいろいろな方面で積極的に賛成しなかつた向きが非常に多かつたのであります。これは必ずしもあちら側というよりも、こちら側のほうでも、例えば生産者、メーカーのかたは、これは初めから余り賛成しなかつたことは事実でありますが、消費団体である例えば農業団体等におきましても、実は余り積極的に賛成でなかつたというような事実もございまして、何か案そのものにも十分練れてない点があつたのじやないかと考えたりしておりますが、いずれにしましても、肥料の生産を十分に増強せしめまして、この価格を安定し、でき得べくんばこれを引下げるという政策を強力にやらなければならんと考えておりますので、これにつきましては政府は万全の対策を以ちまして、その方針を進めて参りたいと考えております。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 もう一つお尋ねしたいのですが、それでは今度は具体的な問題に入ります。先ほどの御説明で、昨年の八月を転機にして、肥料価格が梯子段を外したように、ぐんと非常な飛躍、高騰をしておりますが、この理由は、燐鉱石の輸入補給金を打切つたということが原因であるかに私も考えているし、聞いております。併しそれと関連して、昨年の六、七月に十三万トンという、これはかなり厖大な肥料を台湾その他に向つて輸出をしたという事実がある。これは当時の肥料情勢からすれば極めて妥当な措置であつたかも知れないが、これが今日の価格の高騰には極めて不可分の関係を持つておることも私は事実だと思う。こういう観点から、只今の肥料状況、特に私どもの心配する潜在的な大きな肥料の需要を包蔵しておつて、而も価格の情勢がなおこういう状況にあるところから考えますと、輸入に対しては先ほど政務次官は、国内の肥料価格に惡影響を及ぼさない、つまりこれ以上値上りはさせないという恐らく心組みだと考えるのですが、そういう若しお考え方だとすれば、この輸出計画の窒素質の肥料が十万トン、それから燐酸質の肥料が十万トンというのが今肥料年度における輸出計画だと先ほど拜承しましたが、その中の輸出済の実績は僅かに三分の一にも満たない数量で、あと三分の二近くがこの七月までに生産と睨み合して輸出されるということになつておるのですが、この今の不安な状況下に加えて、輸出を更にする意図があるのかないのか、残りの七万トン内外或いは過燐酸等にすれば、なお八万トン近くの肥料を輸出される意図をまだ捨てずに持つておるのか、その点を一つ明らかにして頂きたい。

野原正勝自由党農林政務次官

○政府委員(野原正勝君) 先ほど申しましたようなことで、輸出は国内の事情を十分見通しを付けた上でなければできないという考え方でおるわけでありますが、ただ問題は、何と申しましてもお隣りの沖繩であるとか、或いは又台湾というようなところはいろいろな関係もあり、又特に原料をアメリカから仰いでおる、連合国の協力によつてもらつておるというふうな関係等もありますので、これをそつけなく断わるということもできかねる場合もあろうかと思います。併しその場合にありましても、国内の肥料の事情を混乱させるというようなことがあつてはならん。如何なる場合におきましても、国内における肥料の需給或いは価格の問題等が混乱を来たさないということが建前で、その見通しがなければ、輸出に対しては農林省は賛成をしないという建前で取りきめをしております。ただ価格の問題は、ひとりこれは肥料価格を絶対に釘付けにするというふうなことは、農林省といたしましても実はできないことでありまして、全体のバランスを考えなければならんと考えております。いろいろな生産資材或いは労賃その他の事情等が変化をしますれば、その変化に或る程度やはり順応しなければならんものであろうと考えておりますが、要は農産物と肥料との価格の均衡という問題が今日以上に崩れないことを私どもはモツトーとして進んでおるわけであります。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 朝鮮、台湾は特殊の状況下にあるから、ここからの要求に対しては無下に断われない、こういう事情は必ずしも納得するのにやぶさかではありませんが、にもかかわらず、これはそういう特殊事情下において輸出しなければならないと仮に想定をした場合において、なお丈つ国内の肥料界に大きな混乱を来たさないという思いやりですから、その思いやりは如何に具体化するか、つまりもう一歩これを突込んで言うと、そういう際に金融なり、財政的の措置をどう用意しておられるか、その点を一つ政務次官にお聞きしたい。

野原正勝自由党農林政務次官

○政府委員(野原正勝君) 非常に重大な問題でございまして、財政金融等の措置につきましてもまだ検討中でございまして、はつきりとここで申上げる段階に至つておりません。ただ何と申しましても、国内における需要が優先されることは、これは当然のことでありまして、建前から言えば、国内で使つて余れば出すということに農林省といたしましては飽くまでもその方針を以て進めておるわけであります。ただ余つてしまつてからでは困るというような時期的な問題もございまして、生産の事情を十分勘案して、この程度を出しても先ず国内の需給は万々心配なかろうという見通しの上に承諾をするということで行きたいと考えております。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 先ほどのお答えで、農産物と肥料とのつまり均衡が今日よりも不均衡にならないということをお答え願つておられますが、私どもは今日の肥料価格と農産物、特に米を中心とする価格の比率というものは極めて不自然、不均衡な状態であると判断をしております。こういう状態に今後も置かれたのでは、実際政府で意図するところの主要食糧の自給度を向上させるなんということはできないと考えております。この比率を破らなくちやならん。破るように努力を我々は少くとも捧げて行かなくちやならないので、そういう意図の下に政府でも肥料価格なり、肥料行政についてやつて欲しいと考えます。現在の価格はこれは数字を挙げるまでもなく、昭和二十四年の四月頃を大体一〇〇として考えれば、肥料に関してはその指数が大体一五四、それから米に関しては一九二、その差が二五も開いておる。こういうことがやはり生産の増強を阻んでおる大きな基礎條件になつておることだけは確かなので、こういうことでこのまま行つたのでは農家はとてもたまつたものじやないので、ここのところは一つ政務次官は十分認識をして頂いて、今日の状況よりももつと惡くするということじやとても我々は承服できないので、この点は一つよく現実の数字、趨勢について把握して頂きたいと、こう考えます。更にもう一つお伺いしておきたいことは、特にこの窒素質肥料のうちの石灰窒素について特殊事情が起つておることは御承知の通りであります。この石灰窒素を製造するについて配分されておる電気が、問題は電気だと考えるのですが、折角振当てた電気が、石灰窒素にする過程で発生して来るカーバイドという形で横に売つてしまつたほうが企業採算上有利であると、そういう理由のためにこの別の資料で拜見すると、随分これはよそへ逃げて行つてしまつておる。こんなことでは如何に農林省その他で努力して電気を廻したところで、泥棒に追銭をやつているようなもので、ここのところはもう少し電気を肥料、特に石灰窒素の増産のために電気を増すのなら、もつと最後の石灰窒素までこの電気はやはり制限しなければいけないと思うのだが、これに対して安定本部ではどういうお考えを持つておられるか、お考えというよりは、その対策はどういうふうに具体化しておるか、この点を一つ明らかにして頂きたいと思います。

柿手操六通商産業省通商化学局化学肥料部長

○説明員(柿手操六君) 電気の毎回四半期、更に毎月の割当は石灰窒に素幾ら、硫安に幾ら、過燐酸に幾らというふうに部門別に安定本部から通産省の我々のほうに割当が来るのであります。それを更に工場別にいろいろ工場の操業の状況等を勘案しまして、工場別に配分することを私どものところでやつております。只今御指摘になりましたように、石灰窒素の工場では、石灰窒素を作るためにカーバイドを作る。そのカーバイドに窒素をとかして石灰窒素を作る。一部はカーバイドを市販にしておるというふうなこともありますが、更にカーバイドを作る以外に研磨材とか、いろいろカーバイド以外のものをやつておる工場もございます。そこで一つの工場に対しまして化学肥料から割当てる電気もありますし、鉄鋼或いは雑貨から割当てる電気もありまして、一工場に電気の割当を二つ乃至三つのところから割当てるというようなことをやつておりますために、業者としますれば、受ける電気は一本に受けておりましても、使うときにはそれぞれ一番儲けのいいほうに売りたいというような傾向にあることは御指摘の通りでありますが、私ども石灰窒素及びカーバイド関係につきましては、これは毎月々々の計算から申しますと、或る月はカーバイドを作ることに専念をし、その方面の仕事をやる。或いはカーバイドを育てて石灰窒素にするという方面の作業をするとか、その次にはためて置いたカーバイドを以て石灰窒素肥料のほうに重点的に使つて行くというようなことをやりまして、毎月々々割当てました電気は石灰窒素の生産量とは必ずしもミートしないのであります。そういう点から石灰窒素を作るために割当てられた電気の割合に石灰窒素の生産量が上つておらないということがありますが、ずつとならしますと、先ほど申しましたように大体年間で申しますと、割当てられた電気に相当するだけの石灰窒素はできておるというふうに考えております。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 今のお答えでは満足できません。満足というか、私の質問に反するお答えになつておるから、細かな数字について一つ御質問をいたしますが、カーバイドの生産、消費の累計表を昨年十二月現在のやつで拜見しますと、本年度、前年度の比較をして見ると、生産されたカーバイドが、よそのほうに二万一千トンもカーバイドという形で逃げて行つております。これは一体何に行つておるのですか、どういう方面に……。

柿手操六通商産業省通商化学局化学肥料部長

○説明員(柿手操六君) 肥料用の電気で生産したカーバイドの二万一千トンが他のほうに流れておるということについての私今資料を持つておらないのでありまして、取調べまして御報告いたします。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 それではそういう細かい論議はこれでやめますが、つまり石灰窒素を製造するという目的で、大体少くとも電気の要請その他をした場合には、これは飽くまでも特に今の石灰窒素が需要供給が極端にアン・バランスを来たしておるのですから、政府当局とされましても、飽くまでも高いからといつて合金鉄その他化繊の方面に制限なしに流れて行つてしまつてはなお不安の状況に陷ることは確かですから、それを何らか制限する方途を講じて欲しい。監視なり或いは何らかの行政措置を私は講じて然るべきだと考えます。この点を一つ農林政務次官もおいでですから、この点を通産省なり、或いは安定本部と十分連絡をされて、そういうことのないようにして欲しいということを私は指摘して、この質問を終ることにいたします。  最後にこれで政務次官に対する御質問を終りたいと思うのですが、先刻の次官のお答えに、政府は速かに肥料政策を確立して、強力に一つ実行したいという力強いお答えがあつた。私はこの言に信頼して、これが具体策を速かに当農林委員会において発表して頂くことを、これをお願い申上げまして、政務次官に対する質問を終りたいと思います。この点についてはもう一度一つ念を押しますが、できるだけ速かに肥料政策の確立をして頂いて、強力にこれが実行をする。その意図と方策を当農林委員会において発表されることを要望いたします。

野原正勝自由党農林政務次官

○政府委員(野原正勝君) 肥料工場が折角電力の配給を受けながら石灰窒素に充つべきカーバイドを横に流しておるというような事実があるとするならば、これは甚だ遺憾だと考えております。肥料工場の大部分は肥料生産のために政府が特段の配慮を以て資金の融通をし、或いは又資材の配給をし、あらゆる面から肥料工場の復興、生産の擴充を目指して協力をして参つたのでありまして、当然今日におきましてもあらゆる生産に対する合理化、生産増強の施策をこらして、政府がとりました措置に対して酬いるの態度を以て臨まなければならんと考えておりますにもかかわらず、さような事実があるとすれば農林省といたしましては捨てておかれません。従いまして嚴重に商工省に対しましても申入れまして、さような事実がないように、若しあるとすれば、即時これをやめて頂くということを強硬に申入れたいと思います。なおお話のように、肥料行政に対しての政府の今後の施策等につきましては十分検討いたしまして、成るべく早い機会に政府の方針をはつきり申上げるような機会を持ちたいと思つております。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 これで私の質問を打切りたいと思うのですが、これは農政局長にお尋ねいたします。この農産物の自給度を高めることを目標とする昭和二十七年度の農林政策のうちで、先ほどの肥料の問題はかなり大きな部分を占めてると考えるのですが、この肥料の需給調整なり、価格の調節に関して、これは飽くまで政府の御当局で、積極面では先ほど要望したことを強力に実施して頂きたいことは勿論でありますが、この裏付として折角この廻つて行つた肥料の、つまり施肥の合理的の施用ということも併せて政府並びに関係筋で考えなければならんと思います。如何にこういう乏しい財産の中で肥料を生産しても、これが施肥なり、或いはその他の施用方法についての無駄があればこれは実に惜しむべきことだと考えるので、この点に関して現在肥料の施用方面の状況で、これが改善に対して農林省御当局ではどういう対策を持つておいでになるか、特に昭和二十七年度に臨む対策についてお伺いしたい。

小倉武一農林省農政局長

○政府委員(小倉武一君) 只今お話の施用の改善ということについては私ども甚だ御同感でありまして、地方的に或いは農家によつては特に窒素肥料の施用難というような現象があるのではないかというように心配をしておるのであります。その点については、これは農政局と改良局と相談いたしまして、今後そういうほうの改善についてどういうようなことをしたらよいかということを只今検討しております。それで無駄に多くやることは却つて減産にになるのだということを知らせるという方法であるとか、或いは反当の施肥量の計画の設定であるとか、そういつたことを推進して参りたいと思いまして、先日も私どもの関係の局で地方庁に実は通牒をいたしておるのであります。こういうように施用法の改善は非常に重要なことでありまして、私ども同感でありますが、実際それを実行するとなると非常にむずかしい問題があるということは御承知の通りであります。当る、当らんということがありますので、一般農家に周知徹底させるのはなかなか困難でありますが、一つ気長にこの仕事はやつて行きたい。無駄に肥料が使われることのないように十分努力したいと思います。

加賀操緑風会

○加賀操君 私は肥料の価格を大体今から上げないようにするにはどうしたらよいかということを、生産のほうの電力だけで一つ聞いて見たいと思います。要素を余計見るとわからなくなりますから……。そうすると、電力のほうの事情を見ますと、火力用の石炭が六千円を超しました。それからこれから設備します水力電気は御承知の通り設備費が余計かかるので、どうしても電力料金は上げざるを得ないような情勢になつておるわけであります。できれば上げなけなければよろしいのですが、当然何とかしなければならん情勢にあると思います。何ぼになるかは大概見当は付きますが、数字ですから、仮定を置きますから、大体今の電気料金の二割上つた場合は、当然そのウエイトだけは肥料の価格が上つて来るわけであります。それを何とか上げないようにしようという対策の一つとして……。まだ肥料工場はフルに動いてないと思う。それをフルに動かしてこの電気料金が二割上つたと仮定しただけの肥料を増産して、それでコストを下げてやれるかやれないか、こういう一つ見通しを立てて頂く、その場合に電気量をパーセンテージでもよろしうございます。或いはキロワツト・アワーでもよろしいですが、現在の電気量をどのくらい上げたらいいか、それを安本のほうで果してそれだけの電気量を肥料に二十七年度で増せるかどうか、こういうことを一つ見通しとしてお聞かせ願いたいと思います。これは先ほど言いますように、肥料が上がれば困りますから、上げない一つの方策として電気が一番大きな要素ですから、何かその辺に方策を立てておかないと、ただ上げないじやどうもならんと思いますから、見通しですからお聞かせを願いたい。若しできるようだつたら、そういう方法でも考えて、電力のほうで骨折つて行かなければならん、こういうふうに思つておるわけであります。

柿手操六通商産業省通商化学局化学肥料部長

○説明員(柿手操六君) 安定本部と御指名があつたようでございますが、直接現場のほうを私やつておりますので代つてお答え申上げます。電力料金の値上りの問題が最近新聞に出ますので、一方肥料の値が高いというのでやかましいのであります。非常に心配しておるのでありますが、併し電力の供給量を確保するということは非常に強く要望されております状況では、絶対に上げてはいかんということも需用者から言うと言えない。電力の供給量を確保する程度の最小限度に我慢してもらつてこれは上げればいいじやないかというような需用者の側としては考えを持つております。今計算をしろというお話でありますが、詳しくはもう少し筆算をやつてみないとわからんのでありますが、極く概略を申上げますと、仮に二割上るということになりますと、これは月によつて相当違いますが、今は電解法の工場では八十銭から一円ぐらいのところであり、ガス法は一円三十銭から一円七、八十銭のところじやないかと思いまか。そうしますと、仮に電解のほうから申しますと、二円としまして二割上ると一キロワツト・アワー二十銭上ります。大体三千七、八百キロワツトアワーかかりますので、二十銭としますと三千八百で七百六十円、トン当り上るわけであります。ガス法で一円五十銭として二割上りますと三十銭上ります。平均が八百キロワツト・アワーくらいと思いますので、二百四十円上る、平均しますと三百円くらい上る、トン当り三百円でありますから、叺十円上るということになります。これは今暗算でしているので間違つているかも知れませんが、大体そういうふうに、暗算してやつてみますとそうなります。ところでトン当り三百円なり三百五、六十円ほど下げるために生産を上げて、原料はかかるだけかかるのですから、あとは管理費、労賃その他の物価が値上りしない、労賃が値上りしないとして考えますと、一割増産すれば一割に相当するものが、全体の総原価の中の固定費が占める部分の一割は下つて来る。こういうわけになるのであります。そうすると、仮に硫安が二万五、六千円なら二万五、六千円がコストとしますと、それのうち固定費がどれだけ占めておるかという問題でございますが、工場によつて違いますが、四割くらいと仮定しますと一万円、一割増産すると千円下るというわけになります。ですから一割も増産したらえらいことなんでありますが、実は私どももそういうふうにしたいというので、現実としては非常に生産の計画を上げるように要求するのでありますけれども、遺憾ながら電力の総供給力がなかなか上らない、来年度の計画はこれは安本のほうの分になりますが、今我々がせめてここまでは増産させてもらいたいということを申出ておるのが硫安百九十万トンであります。ところが先ほど御説明しましたように、今年度の現在の生産ベースが百八十五万七千トンというようなことです、これは私のほうで今要求しておりまして、安本でそれをベースに検討しておられます数字が、希望案がその程度であつて、それもなかなか行かない。今そういうことで、各産業を試算集計をされておつて、これでもまだ供給量に対し相当のマイナスになつている。もう少し計画を圧縮しなければならんというような実情であります。肥料は非常に電力を余計使いまして、三千キロワツト・アワー以上の大工場の総電力の総三割乃至三分の一、豊水期なんかでは三分の一使つております。年平均三割近く使つておる状況でありまして、相当電力供給量が殖えませんと、なかなか非常に増産をして、一般の値上りを増産によつて收拾するというところまでなかなか困難ではないか。併しながらこの数年を考えてみますと、一般物価が非常な、さつきの農林省から配付しました生産財の値上り等が相当、七割上つておるにかかわらず、硫安で例をとつてみますと、一昨年の統制撤廃時分の、二十五年の八月が七百円ぐらいであつたのが、今千円弱であります。四割ちよつと程度の値上りで止まつているということは、一般の原材料が七割上りましても、ものによつては倍になつておるものもありますが、そういうふうになりましても、生産の増強によつて固定費の部分が割安になつたというので、一般物価より低位になつておるということだろうと思います。要するに非常に伸びて来ましたけれども、我々のほうの伸びと電力の総供給力との伸びが伴なつておらんということと、それから総電力供給力のうち肥料が五%か、一〇%というようなことでありますと、相当ここで無理をしてそういう方面に工夫もできるのでありますが、先ほど申上げましたような非常な大きな部分を占めておるものでありますから、なかなか一遍には行かない。我々は何とか肥料をそういうものではいかんというので、ほかのものを圧縮してもやつてくれと言つておるのですけれども、なかなか実際はむずかしいような状態であります。

加賀操緑風会

○加賀操君 話はわかりました。時間もとられますので、電力の問題だけだと思いますから、農林省のほうにも、安本のほうにもこの上ともお願い申上げておきます。この前の委員会で私も特に頼んでおきましたが、幸い第一順位に大体上つておるようであります。地方でも大体そういうふうに現実に使つておるようでありますから、もう一ふんばりして頂ければ大変いいと思います。お願い申上げておきます。それからもう一つは、飯島さんがおつしやいましたが、肥料の使い方について、これに関連して私傾向をお聞きしたいと思いますが、大体日本の土地の半分は、どうもこれまでのような硫酸を含んでいます肥料を使いますと都合が惡いようであります。従つて最近硫酸を含まない尿素だとか、石灰窒素だとか、或いは熔成燐肥とかいうようなものを私は使つたほうがいいと思うのですが、大体熔成燐肥など成功しておるようですが、果してそういう硫酸を含まない肥料を企業家として将来増産して行く企業的な見近みがあるものですか、ないものですか。最近殖えておりますか、殖えていませんか。消費者が喜んで使つているか、いないか。こういう点を一つお聞かせ願いたい。

柿手操六通商産業省通商化学局化学肥料部長

○説明員(柿手操六君) 石灰窒素だとか、尿素とか、熔成燐肥というような硫酸を使わない肥料は、これは農林省で終戰後いろいろ施用されまして非常によろしいというので農林省も奨励しております。私どもも肥料の製造会社に勧奨をいたしましてだんだん殖えております。石灰窒素も今年は四十三万七千トン程度でありますが、せめて二十七年度は五十万トンは進めたいというふうに思つております。熔成燐肥も本年は五、六万トンでありますが、来年は十三万トンぐらいにしたい。尿素も終戰前はなかつたのであります。終戦後始めたのでありますが、本年は二万トンか、二万五千トンぐらいだと思いますが、来年はおよそその倍ぐらいになるだろうと思います。ただ石灰窒素にしましても、熔成燐肥にいたしましても、原料でやるのは石灰窒素は主に電力であります、熔成燐肥は石灰でやる方法もありますが、大部分は電力てあります。トン当りの電気の使用量は動力に使いますガス法その他に比べて非常に多いものでありますから、非常に極端に言えば全部置き換えもよいくらいな気がするのでありますけれども、なかなか電力事情が一遍に行かないということであります。それから熔成燐肥の方法は今いろいろな方法が研究されていますが、まだこれが最後の方法だろうということにつきましては、業界におきましても、技術的にまだ結論は得ていないというような点もありまして、設備を思切つて大きなものを作るということは今どこもおやりになつていないようであります。まだもう少し生産技術上は、製品は無論問題ないのでありますが、製造技術につきましてはなお研究中で、今は工業化はされておりますが、最終的な形かどうかという点につきましては、なお研究を要すると考えております。

森田豊壽自由党

○森田豊壽君 今の肥料の需給の価格の問題について一つ申上げておきたいと思います。今肥料のメーカーは非常に有利な立場にあるということをみなよく研究しておるようでございます。これは肥料は余れば輸出して現金にして、ストツクは殆んど何にもない、すべての工業のうちでストツクなくしてうまく行く工業はない、株式を見てもあの通り重要な株式は相当に上つて来るというような状態にあるというようなことから考えまして、農民のほうは非常に犠牲的に扱われる。どうも農林省はいろいろあちらさんの関係もありましようし、こちらさんの関係もありましようが、あつちやこつちや考え過ぎまして、結局やつていることは肥料商の育成対策を考究しているように考えておるというのが農民の一般の声だと私は直接聞いておるんです。余分のものは一ぱい置くのが経済の上からいつても誠にいいようでありますけれども、肥料のようなものを、これから農耕地はだんだん開拓され、殖えて来る、又今までのような水害もだんだん少くなるような対策も講ぜられ、肥料も安心して施すことができるような、多收穫を大いに奨励しなければならんというときに当りまして、肥料に対する、農民のほうに対する考え方が余りにぶいではないかということは、農民方面の諸君から、我々その方面から出て来ましたものに対しましては強い要望がある。これは自由党の政策といたしましても非常にまずいことでありまして、これをただ数字的にのみとらわれてこういう問題を見まするというと、政策的にも政治的にも非常にまずいし、又農民の頭の中は非常に計算をしておるんでありますからして、今の担当の肥料の需給対策は要するに肥料を増産すればいい、食糧の需給対策はその結論はもうきまつておるわけで、従いましてこの増産のできるような方法をとるには、やはり大事な肥料や高い肥料は大事に使わなければならんということは言うまでもないのでありまして、それは他方々々におきまして相当の研究もいたし、それぞれ專門的にもやりましようが、とにかくないものはどうにもしようがないのですから、従いまして増産をするような方法、輸出はどういう事情がありましても、一ぱいのようでは輸出はできん、相当な在庫を持つたところで、一応の在庫を用意しておいて、用意なくして輸出をするということは、これは机の上で言う議論でありまして、実際にはそういう需給はうまく行かないということは明らかであります。従いまして相当な用意をしまして、これだけは十分余るという、いわゆる予備肥料の在庫を持たずして、これを計数で以て一ぱいだという説明で我々が納得してやるならば、農家のほうの肥料の需給関係は非常に惡くなる、その点は十分お考え願いまして、この次この問題につきましては、実は材料を持つておつたんでありますが、こういう問題が今日出るとは知らないで参つたものですから、十分材料を持つて来ておりませんが、この次大臣なり、次官がおいでになつたときには、この問題については我が国の国策といたしまして、農業政策上最も重要な問題でありますので、この問題は討議さして頂きたいと思いまして、今日はこの程度にしておきたいと思いますが、委員長においてもこのことは御承知おきを願いたいと思います。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 私はもう質問を打切りましたから、お願いを最後に申上げておきます。これは資料に関するお願いであります。これは通産省か、経済安定本部か、私は所管がはつきりわかりませんが、今日のようなときにお話下さる場合には、各通産省なり、安定本部なり、資料を一つ我々に提供して頂きたい、手放しでお話をされても我々は頭が惡いのでさつぱり呑込めない。それで農政局から配付された資料を拜見すると、昭和二十五肥料年度以降に関する輸出入のデータが載つておりますが、いずれも昭和二十六年の七月乃至九月というところで終つている。それ以後の数字を、できるだけ最近までの数字を一つ各項目について頂きたいと思います。それからもう一つは、これは非常に無理な注文かも存じませんが、私どもが農産物の価格を論議する場合にはパリテイの計算であるとか、或いは生産費計算ということが常にやかましく論議されておりますので、各肥料の銘柄についてその生産費を計算した生の資料を、これは極めて公平なる立場で計算された資料を御提供願いたい。どうせこれは肥料をこの次に論議する場合は、もう少し細かな議論をしたい。ですからこれは通産省になりますか、安定本部になりますか、存じませんが、ガス法なり、電解法なり、或いは過燐酸石灰なり、そういうことについての生産費計算をした細かな数字の内訳を書いた資料を一つもらいたい。架空の議論をしておつても始まらないので、そういう資料は是非一つ御提供を願いたい。これは安定本部になりますか、通産省になりますか、どちらですか。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 物価庁だそうです。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 それでは物価庁。もう一つ、これも農林省の御当局になろうかと思いますが、これは大変幼稚なお願いで恐縮ですが、これは政務次官も同じ議員仲間で、定めし郷里にお帰りになると、我々の百姓の作つた米が安いのに肥しが高いのはどういうわけかと聞かれた場合に、私はどうも明快な回答がこの問題に関してはできない。これを我々の頭の足らざるところを補なつて頂いて、極めて簡單明瞭に、百姓にわからせるようなものを一つ書いて欲しい。そうすれば私が全国の農民に、私は農業新聞という新聞を持つておりますから、それを通じてでも極めて最近の機会にも発表しておきたい、こう思うので、これは一つ農林省なり、農林省で若し何だつたらほかの関係で作つて頂いて、百姓わかりのするような極めて明快な一つ材料を欲しい、こう思うのです。資料をこれだけお願いしておきます。これは委員長を通じて……。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 只今の飯島委員から御要求の資料は、一つそれぞれ関係各部局において御作成をお願いいたします。  政務次官が時間の都合で退席されるそうでありますから……、ちよつと私から希望だけ申上げいと思うのですが、それは日本の経済自立の立場から考えて、肥料がいつまでも国内生産の充当だけで片破けられておつていいということはないので、将来できる限り海外にも輸出するようなことが日本の経済自立上望ましいと思うのであります。併しそれは先ほど各委員の皆さんから御発言がありましたように、国内の農業生産者の需要を満たした上で、その過剰生産部分が海外に輸出されることが望ましいということでありまして、そういう点から考えるというと、電力問題更に私非常に心配しておることは、今後どういうことになるか知れませんが、再軍備という方向に向つて行つた場合に、軍需生産的なものが第一義的なものになつて、肥料生産に対して所定の電力割当ありや否やということが非常に大きな問題になつて来ると思うのであります。これが若し崩れ出したら、これは根本的に肥料生産にに大きな打撃を與えると思いますが、そういう心配はないとは言えない、そこでこれらの問題については、政府で、まあこれは経済定本部のほうも大分御関係のあることでありましようが、農林省で十分政治的な御配慮を今日からお願いしておきたいと思うわけであります。これは希望意見でありますが、以上よろしくお願いいたします。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 一つだけ希望しておきます。肥料の問題につきまして、有機質の肥料が将来も、現に出ておるわけですが、有機質の需給情勢、それから将来の見通し、その他輸出入等に関して、或いは対策なりその他政策上に関する問題、資料がありましたら是非作つてもらいたいたい、それを併せて資料の中に要求したいと思います。

柿手操六通商産業省通商化学局化学肥料部長

○説明員(柿手操六君) 先ほど加賀さんの御質問にお答えするとき暗算を間違いましたからちよつと訂正さして頂きます。電解硫安が仮に今平均一キロワツト・アワー一円であつたら、二割上れば二十銭上るのだ、三千七百キロワツト・アワー、一トン当りとすれば七百四十円上る、私三百七十円といつたように思いますが、七百四十円、これは一叺にすれば一叺十円と言いましたが、一叺にすれば二十七円であります。ちよつと訂正さして頂きます。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 私の希望は安本長官の説明を求めたいということです。それは只今もお話がありましたし、恐らくそういう点について御質問があつたと思うのですが、二十七年度における生産計画中、肥料生産に対する計画はどうなつておりますか、電源開発その他と関連しましてどうなつておるか、殊に行政協定が成立つてから後における生産計画はどういうことになつておるか、そういう説明を安本によつてして頂きたいということであります。急ぎません、何かの機会に……。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 只今の松永委員からの御質問は、まあ私のほうでは今の段階ではそこまで行つてないと思いますが、併し七年度の重要問題になると思いますので、大よその想定も若しできたら安本あたりで一つ、大体こういうことになりそうだとか、こうなるという資料を、若し資料でなくとも、次の機会に御説明をできればお願いいたします。肥料問題はこの程度でよろしうございますか……それでは肥料問題は本日はこの程度にいたします。   —————————————

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 時間がありませんが、併ししばしば政府委員が出席をしてくれて、時間がないのでそのままになつておりますが、極く短時間に今国会提出予定法律案、農林関係の予定法律案について政府から説明を聞きたいと思います。立川文書課長から御説明を求めます。

立川宗保農林大臣官房文書課長

○説明員(立川宗保君) 今国会に農林省関係の法律案で、水産関係は別といたしまして、農業林業関係の法律案は、議員依頼の提出法案を含めまして十七と予定いたしております。先ずその進行状況を簡單に申上げまして、あとお手許に大体成案がまとまりましたものにつきまして資料を差上げてございますので、それを簡單に御説明申上げたいと思います。  十七の予定をいたしておりますもののうち、すでに国会に提案済のものは一つ、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く農林関係諸命令の措置に関する法律案、極めて簡單なものでございますが、これは提案済であります。それから政府部内の手続がすでに済みまして、もう閣議も全部済みまして、極く近日中に国会に提案になりますものが一つ、これは農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案、あとで申しますが、災害復旧の補助を特例として引上げたいというわけでございます。それからそのほかに政府部内の手続が全部終了いたしておりますが、まだ閣議にかかつていなかつたり、関係方面のほうの手続が済んでおらなかつたりいたしますもの、これが十、これは法制局の審議などが全部済んでおりますが、あとは簡單に極く近日中に手続が済む、それが十ございます。そのうちただ二つは、政府部内において若干調整を要する法律がございます。これだけは少し遅れるかと存じます。大体これはここ一週間なり、十日間なりの間に全部出て参るかと思いますが、そのほか五つまだ残つておりまして、これは農林省の内部でなお研究中でございますし、或いはいろいろ非常に課題がありましたりするようなもので、内部の討議を完了しておらないものが五つございます。そんな進行状況でございます。  そこで次に簡單に法律の内容を申しますが、文書がいろいろございますが、大体各局の順序で申上げたいと思いますが、一番初めに一枚紙の農林漁業資金融通法の一部を改正する法律がございます。これは二行書いてあります通りでございまして、今まで昨年から資金融通法が運用をいたしておるわけでありますが、現在金利が一番低いのは七分、これは例えば農業倉庫の新設などにつきまして非常にいろいろ要求がありまして、従来は補修だけでありましたが、今度新設についても融通をいたそうと考えておるわけであります。それには七分では新設の場合は到底立ち行きません、四分に下げたい、こういうのでその特例を設けたい、こういうわけでございます。それから少し大きな主要農作物種子対策要綱、種子の法律がございますが、これはたくさん書いてございますが、内容は極めて簡單でございまして、非常に近頃、戰時戰後にかけまして農作物種子が非常に混淆をいたして大分品質が惡くなつている、これをよくしたいということの一助といたしまして、米麦の種子についてでございますが、少しいろいろな力を入れてやりたい、そのために第三、第四というあたりに書いてございますが、市町村なり、更に県内で種子の普及更新の計画を立てます。そしてそういう種子についてはその採種圃があるわけでありますが、その採種圃につきましては、まだ立毛のうちから圃場検査をやりまして、これは農業改良員とか、いろいろなそのほかの適当な人々が事前に審査をし、且つ親切に指導して、成るべくいい種子になるようにお手伝いをする。そうしてその審査に合格をいたしましたものにつきまして、農産物検査法に基く種子検査をやる、で、その検査に合格したものを種子とする。従来はその圃場審査と言いますか、その事前の指導が十分でありませんでしたのを、こういうふうにいたしまして、圃場審査が済んでいなければ種子検査が受けられない、こういうようなことにもなりませので、まあ事前に国の力、それから生備考の力と相待つていい種子を作つて行きたい、こういう工合です。それから若干国の補助がありまして、種子計画を立てるための経費或いは種子の緊急貯蔵、こういつたようなものの経費を国家が補助をいたすということでございます。それからその次に農業改良助長法の一部改正の法律でございますが、これも内容は余り大きなものはございません。従来の農業改良助長法が昭和二十三年からできましたが、これで県の試験場とか、研究機関に政府が補助金を出しておりますが、その補助金の対象になる試験場の数が限定されておつたわけであります。そういう数の制限を削りまして、或いは農業普及事業として法律に書いてありますその内容を更に殖やしまして、青少年クラブの指導者の普及活動の協力或いは普及員の養成、研修、こういつたようなものも普及事業の中に入れる。それから今まで、まあ非常によく知られるようになりました言葉で、改良普及員とか、專門技術員という言葉があるわけでありますが、これが法律上の規定がございませんので、いろいろなところで肩身が狭かつたり、どうも役所の手続でうまく行かなかつたようなところがございましたが、法律上にこういう根拠を置くものにしたい、こういうことであります。  それからその次は、農産物検査法、これは昨年いろいろ御審議を頂きまして成立いたしましたわけでありますが、これはまあ米麦とか、「いも」とか、或いは白米とか、小麦粉とか、そういつたものについては、二十種類の農産物について国営検査を実施するというのでありますが、現在農産物検査法に入つておりません品目で、例えば粟だとか、稗だとか或いは澱粉だとか、そういつたようなものについて追加をしたほうがよいというような御意見が国会でもございましたので、そういつたことを取入れまして品目の追加をいたすということが内容でございます。ここに出ておりませんが、食糧の関係では食糧管理法の一部改正の法律を提案の予定でありまして、これは御承知のような麦の統制の問題についての統制の方式を変えると言いますか、緩和と言いますか、そういうものについて目下これは省内で検討中でございます。それから次に農地法案の概要、それから農地法施行法案の概要という二つがございます。これはまあ非常に法律としては大きな法律になつておりますが、百條に及ぶような大法律でございますが、これは内容は、現在農地に関係して三つ法律及び政令がありまして、農地調整法、自作農創設特別措置法、自作農創設特別措置法及び農地調整法の適用を受けるべき土地の譲渡に関する政令、この三つの法律で農地関係の農地改革及び農地のいろいろな異動の調整等をやつて参つておりますが、これを一本にまとめましたのでありまして、初めはもう少し内容を積極化と言いますか、農地の林道化のようなことも意図しておつたのでありますが、それが必ずしも実現いたしませんで、できました内容は現在ある三つの法律を一つにまとめたので、簡單と申しますか、全部をまとめて一貫して見られるようにした、これだけの内容でございます。現状と変つておりません。施行法案は、この農地法の施行に関する諸事項を規定しているというだけで、併せて出す予定であります。それからあとは開拓者資金融通法の一部を改正する法律案、これはここに書いてございます通り、入植後三年以上を経過した開拓者に対しまして、その営農を促進なるために中期資金を貸代ける。資金の種類は営農資金で貸付條件は五分五厘の年利でありまして、三カ年の年賦償還、その前に二カ年の据置期間を置くというような若干の変更をいたしておるというわけでございます。それから先ほどもちよつと申上げましたが、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部改正、タイプライターでないものでございます。これは二十六年の災害が非常に激甚な地帶がございまして、該当事業費が非常に高くて、これの復旧に非常に困難をしているというようなところがございますので、この補助率を引上げること、そこの一頁の左のほうに書いてございますが、農地農業用施設につきましては、農家一戸当り八万円までは現在の補助率でありまして、農地の災害復旧に十分の五、農業用施設、用水施設その他のものは十分の六・五、六割五分でありますが、八万円を超える農家の災害につきましては、農地が八割、農業用施設は九割、林道は次に書いてございますように、一メートル当り千円までは現状通りでありますが、千円を超えます場合は、奥地幹線林道は九割、その他の林道は七割五分というような災害復旧費の率をきめております。その次は蚕糸の関係でありまして、閉鎖機関日本蚕糸統制株式会社が積立てた繭糸価格安定資金の処分及びこれに関する課税の特例に関する法律案要綱、これは繭糸価安定法の成立に関連いたしまして、閉鎖機関になつております蚕糸統制株式会社の持つております昔積立てました繭糸価格安定資金を国庫に引渡し、そうして繭糸価格安定の運用の資金に使う、こういうわけでございます。そのための法律でございまして、この金額は一億でございます。それから林野関係の法律が三つございますが、先ず森林法の一部を改正する法律案、内容はたくさん書いてございますが、簡單でありまして、土地收用法という新法案ができたわけでありますが、この現在の森林法の中にも土地收用法の規定を多く援用して従来やつておりましたが、それが法律が、土地收用法が変りましたために、こちらの法律も変えるということであまりす。国有林野法もこの法律で同時に変えております。あとは細かな事務的な手続きの少し手直しをいたしておるというだけのことであります。それから次は、森林火災国営保險法の一部を改正する法律案、これは現在は森林火災国営保險の目的になつております森林は幼齢林に限つておりますが、最近壯齢林の被害が年々増加をいたしますために、幼齢林に限らず、壯齢林についても国営保險の対象にいたして参りたいということであります。最後に松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律の一部を改正する法律案、これは現在の法律では松くい虫等の穿孔虫類に対象を限つておりましたが、これを最近いろいろな病害虫が非常に多いので、更に擴げまして、駆除予防の対象を擴げる。それで昆虫類だとか、菌類とか、バイラスといつたようなものにつきましても擴げまして、それから防除方法につきましても、薬剤防除とか、或いは卵のかたまりを取除いて焼捨てるといつたような新らしい内容も附加えまして規定をしておる、こういうことであります。大体以上であります。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後四時三分散会

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