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13回国会参議院1952/02/07

農林委員会 第3号

発言数
18
登壇者
6
会派数
4
開催日
1952/02/07

会議録

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) 只今から農林委員会を開会いたします。  衆議院の小金義照君ほか三十四名の提出にかかわる企業合理化促進法案は、昨年十二月十二日に衆議院を通過して本院に送付せられて、只今本院の通商産業委員会において審議中であります。この法律案は農林業に対しても相当の関係があり、特に同法の第六条の政令で定める事業の範囲について重大な関心が払われ、農林関係としては、製糸業、油脂の製造及び製糖業、飼料業、農繁業、酪農業、製粉業、合板業、繊維板業等を指定せられたいとの熱心な要望があつたので、本委員会においては昨年十二月十二日の委員全において、大蔵省主税局亀徳調査課長及び通産省通商企業局塚本企業第一課長の出席を得て、当時の北村一男委員からこの問題について政府の方針を質されたところ、出席当局からは関係各省協議の上決定したい旨の御答弁があつたのであります。聞くところによりますと、協議が大分進んでおるようでありますから、今日はその辺の事情並びに農林関係事業で指定せられる予定になつておるもの等について詳細を秘わりたいと思うのであります。  最初に農林省の考え方につきまして農林大臣官房長から御意見を聞くことにいたします。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 只今お話のありました企業合理化促進法の指定業種の問題でありますが、お話の通り製糸業、捕鯨業、油脂製造業等八事業につきまして、関係官庁と協議を続けて来たのであります。数回の協議を重ねました結果、最初は製糸業自動装晋機と捕鯨業、そのうちのレーダー装置だけであつたのであります。その後なお折衝を重ねた結果、油脂製造業と縦維板製造業の追加四業種は話が付いたのでありますが、あとの業種につきましては非常に新規のものであつて、婆置それ自体にまだ考えなければいかん問題もあるようでありますし、或いは又他の事業との釣合上一応あとに兇送つたらどうかというふうな意見が大蔵省方面からもありまして、目下のところは只今申しました四業種で以て、一応法律をスタートするようにしたらどうかという段階であります。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) それでは続いて大蔵省主場税局の泉税制課長から、大蔵省側の御意見を承わることにいたします。

泉美之松大蔵省主税局税制課長

○説明員(泉美之松君) 企業合理化促進法案の第六条によりまして、急速に設備の近代化を必要とする重要産業のうち、政令で定める事業に対して初年度五割の特別償却を認めることとなつているのでございますが、この業種につきましては、通産省、農林省初め建設省、運輸省、厚生省各方面から次のものに適用業種を指定してもらいたいというような要望がいろいろあつてのであります。その後私どもの方面でいろいろ検討いたしますと共に、各省の間でしばしば協議会を開きまして、いろいろ検討いたしたのでありますが、その際の検討の標、準といたしましては、いろいろ数え上げますと多いのでありますが、要約いたしますと、四点に帰着するのでありますが、この四つの基準を用いまして、その業種を指定するかどうかということを判定することといたしたのであります。  その第一点は、その設備を近代的なものにすることによつて、どの程度その企業の合理化が図られ、日本経済に裡益するところがあるかという点でございます。具体的にはそれによつてコストがどれだけ下る、或いは製品の品質がどれだけよくなるというような点を考織したのであります。  第二点は、できるだけ華麗的な部面から合理化、近代化を図つたほうがいいという考え方からいたしまして、関連産業へどの程度影響があるか、この設備を改善することによつてコスト・タウンをし、或いは品質がよくなるととによつて関連産業へどの程度の影響があるかということを見たのであります。  第三点は、現在御承知のように講和後におきまして、我が国の対外収支の改嘩が最も緊要でありますので、貿易の改善にどれだけ役に立つか、而もできるだけドル地域への輸出の増大或いはドル地域からの輸入の削減にどの程度役立つかという基準を求めたのでふります。  それから第四番目には、従来その企業が全体といたしまして、資本蓄積を図るために再評価なり、或いはすでに認めました特別償却なりをどの程度やつているかどうか、それと共に今度初年度五割の償却を認めるといたしました場合に、収益率の関係からいたしまして、どの程度の償却ができるかどうか、以上およそ大きくわけまして四点になるのであります。  この四つの基準を用いまして、いろいろ検討いたしました結果、農林省関係の御希望の業種につきましては、先ほど農林省の官房長からお話もございましたように、捕鯨船のレーダー、それから機械製糸業と油脂採取業、それから繊維板製造業のこの四種を指定いたすことに一応事務的に話合いをいたしたような次第でございます。なお捕鯨業に関連いたしまして、レーダーのほかにキャッチャー・ボートについて設備を指定してもらいたいというような要望があつたのでありますが、この点につきましては、一般の海運の船舶の取扱とも関連いたしまして、キャツチャー・ボートにつきましては耐用年数を短縮する。現在十二年になつておりますが、これを成る程度短縮するということによりまして、実際問題といたしまして現在の五割増償却の方法によつて相当償却できる余地が開かれておりますので、そのほうでやつて行つたらどうかというような話合いになつておるような次第でございます。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 これは農林大臣にお伺いしたい点でありますが、極めて総論的な質問でございます。適当に御答弁願えれば結構と存じます。これは泉さんもお出でになりますが、前々から産業合理化促進法案として質問応答して参つたのであります。減価償却を五割殖やし、そうして産業の改良を図ることそのこと自体を私は別に言うのではない。ただ鉱工業方面の税質担を軽減して、そうして農林方面に対する支出と申しますか、そういう方町は比較的に少ない、全体的に見まして農林力価がその負担、受入の点について鉱工業方面に比較していたく軽視されておるというか、虐待されておると言つても過言でない状況であるのであります。そこで農林省が今レーダーとか、捕鯨船について言われた。考えてみれば、あらゆる点について新らしく設備をかけて行くというので、それを奨励するために税負担を軽減するということは決して惡いことではないのですが、同じく農林省であつても、農民でない、いわゆる農林省内の企業家方面について、一口に言つて法人方面の経営方面についてのみ考えられるということは、私は先ず以て一般農民のほうに保護を与えてから後おやりになることなら決して惡いとは思わないのでありますが、ややともすれば蚕糸価安定法ですか、糸屋或いは製造家のほうだけを何か厚遇する、繭を作る農民のほうに対してはどうも軽視しておるという方向を私どもは見受けたのでありますが、そうした気持が若し農林省にあつて、その結果としてこういう合理化的な法案が出て来るということになつたら我々は大いに考えなければならんと思つておるが、いずれこれは農林大臣に対して御質問いたしたいことでありますので……。この際特にお話がありましたので、極めて総論的なことでありますが、一つ農林省として農民或いは農業生産物に関係する企業か、どちらを重く見て行かれるかという点を一応御説明願いたい。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 只今問題になつておる企業合理化の法律では製造業を対象にしてやつておるのでありまして、これに原料を供給する部面に関係する農業とは別の問題であります。そうしますと、農業それ自体、例えば繭であるとか、米であるとか、製粉の原料である麦を生産するものについては、別途それぞれ増産或いは生産の技術の向上方面に対していろいろ施策を考えて来ておるのであります。決して製造事業に重点をおくというわけではないのであります。元の生産のほうに重点をおいておるのは、先日農林大臣が農林省の二十七年度の予算について申上げた通りであります。ただこの合理化法の問題といたしましては、一つの製造事業としての釣合いから或いは近代化を急速に進めて行かなければならんという点から、農林省側の意見を農林省関係の産業はほかの省の関係の産業に比べて待遇が落ちては困るという趣旨からこの企業合理化法についていろいろ意見を聞いておるのであります。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 ただ結論をすぐ申上げて私終りたいと思うのでありますけれども、通産委員会ですか、その方面で企業合理化法案が出て来る。そうすると、各省からその法案に乗つて、おれの関係の会社の減価償却を五割、これを中へ入れて呉れ、ほうぼうから申込んで行けば、総額においてその減価償却五割の結果、一時税の支払いを遅らせることができる。そうでなくても今金が必要なとき、農民諸君のほうへどうしても金を廻さなければならんと言つているときに、その一部の鉱工業だけのみの負担を一時先へ延ばして、そうして軽くしておいて、そうして農民のほうが今食糧問題の増産でやかましく、食うに困る、こういつているときに、そうした方面については金の廻りが、直接は関係ないかも知れませんが、間接にその方面に廻つて来る金も少くならざるを得ないと考えます。それだから私はそれを申してる。ただそれだけを申上げただけでいずれ農林大臣に聞きたいと思つております。

泉美之松大蔵省主税局税制課長

○説明員(泉美之松君) 松永さんから御質問ございました点に関連いたしまして、税制面から我が偏頗な取扱いをしているのじやないことを一言申上げさして頂きたいと思います。成るほど企業合理化促進法案におきましては、減価償却という点から初年度五割の償却を認めて、いわば一極の税の支払いを延ばすという措置を講じましたために、減価償却の対象になるものは資産が多いところの製造業に限定されざるを得なくなつて来ておるのでございますが、農業全体につきましては、松永委員が御承知の通りしばしば基礎控除及び扶養控除を引上げまして、相当農業所得に対する軽減を図つて来ておるのでございます。更に近く国会に提案いたしまする所得税法の一部を改正する法律案におきまして、新たに事業に専従いたしまする配偶者以外の親族に対しまして支払いました給与を必要経費と認めることにいたします予定でありまして、これによりますと、青色申告を提出する場合に限られるのでございますが、例えば農家などにおいて家族四、五人で労働いたしておるというような場合におきまして仮に父が実際の所得者である。併し屈強な若者である息子が手伝をしておるというような場合におきまして、現在までは父がその所得のうちから息子に小使といたしまして給与的なものを支払いました場合におきましても、事業主の所得といたしまして、その給与の支払を認めておらなかつたのでございますが、今度は年五万円を限度といたしまして、給与の支払を認めることにいたす予定であります。これによりますと、農業所得者の場合におきましては、成年の男子或いは成年の子女が農業に従事いたしておりますと、勿論その勤労の程度によりますけれども、年五万円を限度といたしまして必要経費を差引くことができますから、農業所得といたしましては、非常な負担の軽減になるというふうに考えられるのでございまして、これは御承知のように法人のほうにおきまして、給料を必要経費に算入する、損金に算入することを認めているのと対応いたしまして、今度新たにそういう制度を設ける予定にしているわけなのでございます。この点からいたしますと、ひとりの農業と言うわけではございませんけれども、比較的労働に多く従事している専従者の多い農業所得におきましては、著しく負担が軽減されることになるのであります。我々といたしましては、これによつて従来いろいろ不平がありましたけれども、その点は相当改善されるものというふうに期待しておりますことを申上げまして、御参考に供したいと存じます。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 私は只今泉さんのお話に対して議論して行きたいと思うのですけれども、併し税の話はこの委員会に向かないから、心の中にいろいろ議論があるということを留保をいたしまして、私これで終りたいと思います。

三浦辰雄第一クラブ

○三浦辰雄君 私は先ほど農林、大蔵両当局からの、今日におきます大体の指定業種の説明を承わりまして、その中で今度漸く繊維板について話が付いたという御報告を頂きまして、この点は誠に敬意を表するものでございます。御承知の通りに林産物は今日の資源から見て貧弱になつておるが、併し需要が非常に大きい。そこで普通の木材にいたしますれば、せいぜい五割程度しか役に立たないものが、繊維板にすれば、幾ら低く見ましても八〇%を超えるという繊維板ですから、その点非常に御認識を得たことは感謝するのでありますが、もう一つ私はこの際合板の問題をやはり持出さなければならん。今日あたりの情報を聞きますというと、運輸省は例えば船という問題を爆弾的に持出していろいろと御研究をされておるやにも聞いております。かようにいたしまして、この合理化法案に対する対象種の問題は、いろいろとまだまだ或いは出て来ると思います。泉さんは通産委員会で、これによるところの減収と申しますか、見込は大体十五億程度を見ておるといつたお話がありました。そういうような問題もありましようが、併し私はこの際あえて又合板というものはやはり持出さなければならないのは、先ほど松永さんからのお話がありましたが、單にこの合板事業というものは、合板関係だけの問題ではないのであつて、山林のいわゆる濫伐と結付いた問題、従つて広い意味におきますところの農業の基盤を安定させるという問題とも言えるのでございます。御承知の通り、この合板は戦前、戦後を通じまして、さつぱり日本としては改良されておらないのであります。この法案の提案者が通産委員会で説明しておられますように、非常に器具、機械設備の老朽化が甚しいものであります。今日コアとか、メリットとか、アメリカ方面におきます合板機械によりますというと、一つの丸太を剥きます場合に、その幅がだんだんむかれて行くと径が細くなる、直径が細くなるに従つて幅がそれに自動的に調節して行くということになりますから、非常に無理の程度が少い、そうして非常に薄く剥げるのであります。大切な合板の表板というものを薄くすることができ、又この機械は自動的に若し欠点がありました際には、一々軸を外さなくても、その欠点だけをすぐ除けるという装置ができておるのであります。又その能率に至つては、日本の約五割乃至倍というようなことになつておりますために、到底今日は日本の機械では太刀打ちができない。それで今日の合板界の一応の状況を見ますというと、二十四年、二十五年までは大体六億程度の原料輸入に対しまして、その六、七億のものを輸出できたのであります。ところが二十六年度の様子を見ておりますというと、原木三十四億ばかりを入れているのに対しまして、恐らく輸出は金にいたしまして十六億、半分は出られないだろう。而も御承知の通りに、日本の林産物の状況或いは国土保全の関係から言えば、どうしても入れて来なければならない、入れて来たものをどうしても出さなければならない。ところが今まで同じ額ぐらいの製品として出ていたものが、いよいよ技術が惡いという定評を得た結果、こういうように原料の半額ぐらいしか出せない。私はこういう点を考えまして、是非一層この合板の業が指定されることについて一段と御研究願いたい。このことをお願いしておきます。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 官房長や税制課長に一言お伺いしたい。これはこの前の十二月十一日の委員会で、この参議院の農林委員会として、北村委員からお願いをしておつた業種は八つであつたと思う。その八つという中で四つだけ取上げられて、四つが落されている。その取上げられる可能性のある四つについては、これは確実に関係各官庁の問で確定と見て差支えあるかどうか。これを農林、大蔵町御当局にお伺いしたい。只今の四つについて……。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 先ほど申しました四事業については関係間の話合いは付いております。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 それでは油脂の製造及び精製というのは何を指しておるか。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 油脂の抽出一式設備のうち、油性別の油脂分解設備が主になつております。なお専業のうち、設備の内容につきましては、なお一研究の残されておるのが相当あります。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 さつき指定された四つを見ると、製紙、林野、水産、それからその他、こういうふうに業種が分類されておるようでありますが、最後の油脂の製造及び奇型とう問題ま大体概貌がわかりましたが、私はこの前申込んだ八つのうち落された四つを見ると、飼料、酪農、製粉、農薬と、この四つが枕を揃えて蹴落されている。こういう点は一体農林省としては、さつき税制課長が言われたように、四つの基礎条件から見て完全にこれは資格がない、こういうふうに断定されたやに私は灰開というか、推測をいたしますが、四つの基礎条件から、少くとも我々が勘案をして、この採用される見込みのない部類に落されている四つの中で、私は特に先ほど松永委員からも指摘されたように、原始生産者である農民が極めて零細な資本を結集して、みずからの手によつて製造しておる第二次、第三次的の加工業が私はこの中の大分部であろうと考えるのですが、なかんずくこれに仮に序列を附するとすれば、製酪でありますとか、或いは製粉のごときは農民みずからの資本によつてこれを営んおるが、なかなか大企業等に対する対抗ができないために、みずから自分たちの汗の結晶によつて製造しつつも、なお且つ太刀打ちができないという苦況にあるのが現状だと思う。そういう観点からいたしまして、私はいろいろの都合もあるでしようが、これは再考を願いたい。その余地があるかないか、事務的に今の四つについては、もう一度関係官の間で再検討を加えて、拾い上げられる見込みのありやなしやについてお伺いしたい。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 法律案が提案になりましてから相当な日にちが経つておりますので、いつまでも事務的に議論しておつても果しがないということで、一応今の段階ではこれで行くより仕方がないのじやないかということになつております。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 それでは事務的の進行状況は了承いたしましたが、私どもとしては、やはりこの落ちた四つのうちから、少くとも十五億という税の減税を目当にしておるこの政令に定める指定業種ということであれば、我々農業関係では、こういう僅かのあてがい扶持で黙つておるというわけにも参りませんので、これは政治力を結集して改あて又お目にかかりますから落ちた四つは絶対これは見込みなしということには、少くとも官房長は承知されないはずでありますが、我々も絶えず監視をしておつて引込みませんから、そのつもりで大蔵御当局も一つ、大体押しかけて行つたときには、せめて落ちた四つのうち少くとも半分くらいは取上げるということをあらかじめお含みを願いたい。これで私の要望を終ります。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○委員長(羽生三七君) この件に関しましては、法案の付託されてあるのが通商産業委員会ではありますが、大体先ほど来松永委員初め各委員から御発言のありましたように、農林委員会といたしましても、これは関心の重大なものがあるわけであります。従いまして政府当局におきましても、なお漏れたものについて格段の御努力を希望する次第であります。この問題は本日はこの程度にいたしたいと思います。  それから来週の議事日程はお手許にお配りいたしましたこの日程表に基いて行いたいと思いますのでよろしくお願いいたします。本日はこの程度で散会をいたします。    午後三時八分散会

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