内閣委員会 第19号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1952/04/28
会議録
○理事(鈴木直人君) これより内閣委員会を開会いたします。 本日提案されている事項は統計報告調整法案に対するところの政府側の提案理由の説明をお聞きすることになつているわけですが、本日は政府側から統計委員会の委員長の大内兵衞先生が来ておられますから、大内政府委員から提案理由の説明をお聞きいたすことにいたします。
○政府委員(大内兵衞君) 私が只今御紹介を頂きました大内兵衞でございます。本日副長官がこの席に参つて統計報告調整法案の説明をいたすべきでありますが、只今少し多忙のために私が代つて説明をいたします。 只今議題となりました統計報告調整法案というのにつきまして提案理由及び要旨を説明いたします。 現在のところ政府の各機関及び公共団体が民間から求めるいろいろの統計報告は、それぞれの機関の立場から申しますというと、いずれも正当の理由を持つておりますが、往々相互に類似した統計報告がほうぼうから徴集されるということがあり、又折角徴集した報告でも、その徴集方法或いは様式が拙いために十分目的を達しないという事実があるのであります。で、政府はそういうことは非常に遺憾に存じまして、特に民間経済団体からも要望がありましたし、昨年の四月にアメリカから統計視察団が来まして、その団長ライス博士から政府に対しての勧告もありましたので、それをも取入れまして、いろいろの政府のとる統計報告につきまして、事前に各省がそれを要求する前に適切に調整を行なつて、そうして国民に成るべく手数をかけないようにして、それによつて又行政の能率を向上させたいというのが今回この法律案を提出する理由であります。 それでこの法律案の目的を達するためにとる統計報告の徴集という、それを各省間の、或いはほかとの統計、いろいろの統計との関係を調整するために、この法案では統計委員会が特定の報告について、各省は統計委員会にその承認を求める。そうして統計委員会がその調整の任に当るというふうにしてあるわけであります。併し各種の機関の特殊事情がいろいろありますから、この統計委員会の調整につきましても、いろいろ除外例を設けるというような点を注意しておりますので、それらの点を二、三申上げます。つまりこの法律を施行するために各省、特に各行政機関の権限が不当に侵害されるのではないかということを恐れる点もありますので、その各省或いは各行政機関がそういう活動をするのに妨げないように、法律中にはいろいろな規定を設けてあります。それで統計委員会のほうからは、行政の内容には立入らないで、專ら統計技術上の見地から調整に当る、それに対してもなお各省或いは各行政機関においてそれを不当と認めるときは異議申立ができるようにする、そういうふうに考えております。それから各種の行政機関と統計委員会との関係を密接にする必要がありますから、各省に報告調整官というものを設けて、その人を通じて統計委員会が調整の実務をやるということに措置してあります。そこでこの法律の施行には過渡的ないろいろの混乱が生じます危險がありますので、経過規定といたしましては、現在やつている法律、法令に根拠を置いてやつている報告書はそのままにしておきまして、三年間は有効であるというふうな原則を立てております。そしてそれは事実上統計委員会の承認を経たものと同じものとみなすというふうに書いてあります。 以上が本法律案の提案の理由、それから内容の大体であります。どうか愼重に御審議下さいまして、速かに御賛同下さるようにお願いいたします。
○理事(鈴木直人君) 速記をとめて……。 〔速記中止〕
○理事(鈴木直人君) 速記を始めて……。大内政府委員から更に補足的な御説明があるようですから、一つ御説明を伺います。
○政府委員(大内兵衞君) 只今提案の理由を説明いたしましたが、それを二、三補足いたします。 御承知の通り、日本は戦争中統制経済の段階に入りまして、ひどくいろいろなものを統制いたしました。これは戦争の必要上止むを得なかつたことと思います。それから戰後には、御承知の通り進駐軍が参りまして、これは又アメリカと申しますのは、日本に比較いたしまして、特に統計を重んじ、調査を重んじ、それを重んずることによつて、とにかく非常な大きな戰力を強く実現することができたという国でありますから、日本に対して政治上の意見を述べ、政策を要望する上におきまして、非常にたくさんなその統計と報告とを要求したわけであります。この二つの理由によりまして、前のほうは戦争中、この日本ではそういうことの必要と申しまして、民間の要求、民間がどのくらいのそれが負担になるかとか、或いはどんな迷惑がかかるかというようなことは何らの注意をせずして、どんどんと民間にいろいろな報告書を出せということを各省競つてやつたわけです。で、そういうのが一つの習慣になりまして、日本の実業界、日本の事業家、そういう人々は何も政府からそういうことを命ぜられても、決してそれに答える必要がないのでありますが、併しながら答えないというとほかの面で非常に迷惑……、ひどい目に会うということを恐れる習慣がだんだんできておりましたので、それが非常に困つた問題になつておりました。そこへ持つて来て非常に不完全な統計及び報告しか持たないのに、非常に高度なものを要求されたために政府もまごつきますし、民間もまごついて、ますます又弊害がひどくなつて参りました。日本の統計は戰後六年間に非常な進歩をいたしまして、とにかく世界的な水準に近寄りつつあるわけでありますが、併しながらそれは統計の技術がよくなつたのだと、統計に力を注いだためにそうなつたのですけれども、統計、そのために又先ほど申上げたような点についての民間の負担というものは非常に殖えまして、今日一つの会社でも、銀行でもいろいろな方面から、税の目的から、或いは金融事情を知る目的から、或いは外国貿易をする目的からというふうに責められて、たくさんな報告を出さなければならん。で、それが各会社では一つの課を作る、その課の費用が相当高まる。そうして而も專門家を必要とするというようなことになつておりまして、非常に不平が大きくなつております。こういうことは日本のみならず、外国にもあるのでありますが、今から十数年前に、アメリカでは政府が政府相互の間で、それは少し気を付けなければならないというので、アメリカには予算局というところに統計基準部というものがありまして、その基準部に大統領が権限を委任して、政府の出す調査及び統計報告の要求書に出す場合には、そこの一遍審査を経なければいけない。その審査を経たのでなければいけないということになつて、その審査を経た報告書には、報告書の形にはこういう形で報告しろ、こういう形ならば許すということになりますと、それにはんこを捺します、スタンプを捺しますと、それに対して民間はスタンプを捺したやつは非常に尊重をしてよく返事をするが、スタンプを捺さないやつは、これは法律上の義務がないのみならず、政府が十分審査をしてない要求書であるとして、民間がそれを拒んで受けないというふうな習慣が確立しました。これは政府と民間との協調によることでありますが、それが非常ないい成績を攻めておるということになりまして、去年日本に来られたライス博士は、日本でもそれをやらなければいけないのじやないかということでありました。そのことで今回の報告ができておるわけです。この統計報告調整法は、各省が行政上の目的からとる統計及び報告につきましては、統計委員会みずからは少しもそれに干渉するわけでなくて、むしろただ私こういう報告を民間からとつてもいいかということを統計委員会に聞きますというと、統計委員会は、そういう報告は結構であろうというので、やはりスタンプを捺すわけであります。スタンプを捺したやつは民間が特に尊重をして返事をしてもらう、捺さないやつは必ずしも返事をしないでいいというわけではありませんが、従つてこれはまあ会社、銀行、国民に対しての義務を負わせることですから、返事をしなくても政府は何とも言えないということになりまして、おのずからそこで調整ができるようにしたい。そういう考えの法律でありまして、これはアメリカの法律と比べますというと、統計に関することだけに日本のやつはなつておるので、アメリカのはほかに調査類にもなつておりますが、統計委員会、現在の統計委員会は非常に行政能力が殆んどないので、非常に少いのでありまして、行政機構の改革がそのうちにあるので、統計委員会は廃止になるはずでありますが、当然統計委員会の仕事は行政管理部に入るということになつております。機構の改革はあると思いますが、併し予算が殖えるということは今度の機構改革で許されないような実情にありますので、そこで大体その範囲において仕事のできる分量ということを考えまして、それで純粋に統計の目的を以てとる報告だけを今のような方法によつて統計委員会に各省は届けをいたしまして、そうしてそれを統計委員会で審査して、これは各省のほかの省とも衝突しない、二重にならないということと、この報告ならとつても政府は使えるだろう、これならばまあ使える、これくらいのことならば民間も返事ができるだろうという目安、それを目安にして許可をして、そうしてスタンプを捺して、それによつて民間の負担を軽減しようという考えで、勿論民間の意見をそれについて十分尊重して、特に民間の委員会を作つて、それの意見を聞くという組織にしてまあやつて行きたいというふうな考えであります。これは問題は各省のほうが幾分か、こうするというと行政上のじやまになりはしないかという御心配があります。それらの点もうまく今のところ承認を得ております。それから民間のほうが非常にこれは要望が強いが、特に有力な経済団体はすべて是非これはやれということになつておりますので、ただこれが少し手温るいじやないかという意見がありますけれども、今申上げたような意味で、二つの意味でこの十分力がありませんので、先ずこれくらいのところから一つ始めて見たらどうかというところが今の政府の考えであります。どうぞ一つ十分御審議頂きまして、是非とも戰戦時中及び戦後における過重なる政府の民間に対する負担を成るべく軽くしたいというふうに考えております。
○理事(鈴木直人君) それでは本日の委員会はこれを以て散会いたします。 午後二時三十一分散会