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13回国会参議院1952/04/03

内閣・地方行政連合委員会 第1号

発言数
48
登壇者
6
会派数
2
開催日
1952/04/03

会議録

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) これより内閲委員会、地方行政委員会の連合会を開会いたします。  海上保安庁法の一部を改正する法律案を議題といたします。昨日に引続青まして質疑を願います。そしてこの際は地方行政委員からの御質疑をお願いいたします。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 私は本法案につきまして運輸大臣に数点所見を質したいと思います。昨日御説明がございましたが、実は地方行政といたしましては、過般来治安機構の改革の問題で大橋国務大臣よりかなり詳細な説明を伺つておるわけであります。こういうことがありますので、昨日の御説明では実は十分納得ができないわけです。そこで私は運輸大臣にお尋ねいたしまするが、海上保安庁に今回の改正で海上警備隊が置かれる。それはやはりこの法案にも謳つてある通り、「治安の維持のため緊急の必要がある場合において」こういうふうなことを謳つてあるのでございますが、これは陸上における警察予備隊と対照的に海上治安維持の確保のために置かれるものと考えまするが、過般の予算委員会等におきましても警察予備隊におきましては我が国の治安維持の確保、自衛力の増強という面から、今回の予算に盛つてあるところの十一万の増員計画、並びに政府の説明では二十七年度内においても更に状況によつては増員をするというふうな説明があつたと思います。又自衛力の漸増計画というものを発表されたわけでありまするが、この海上警備隊もやはり海上の治安機構の一環でありまするから、今回のこの改正案に盛つてあるところの船舶の増強、人員の増加、今回のこれはわかりますが、今後二十七年度以降、やはり海上の治安維持のための自衛力の漸増計画の一環に、やはり海上警備隊も警察予備隊と同様入つておる。そういう具体的な計画を持つておらなければ今回のこの改正はおかしいと思いますが、なお且つ運輸大臣の立場となさつて説明しにくい点もあろうかと思いますが、私はその点はあえて申上げませんけれども、今回のこの改正は我々から見ますと極めて微温的な、最初政府が言つたような意見が非常に崩れまして、單に海上保安庁の改正案、この中に海上警備隊が入つておるというふうな……、昨日の御説明のうちにも、海上警備隊は自治体警察であるところの警視庁の予備隊に匹敵するものだというふうな御説明があつたと思いますが、どうも私にはそういう点が納得が行かないのであります。やはりこれは警察予備隊と、片方は陸上において、こちらは海上の治安確保の意味でありますから、自治体警察の警視庁の予備隊に匹敵するものではないのではないか。やはり警察予備隊と同様に一人々々の個人の海上警備隊員が活動するのでなくて、やはり船舶の、いわゆる海軍で言えば艦隊行動をするわけでありまするから、こういう点から行くならば、やはりこれは自治体警察でもなく又国家警察でもなく、やはり警察予備隊に匹敵しなければならないと思うのでありますが、こういう点も更にやはり運輸大臣は自治体たる警視庁の予備隊程度のものであるというお考えであるのかどうか、その点も第二点として伺いますが、そういう点がもう少しはつきり御説明願えますれば、こういう点がはつきりすると思いまするが、更に今回の海上警備隊を置くその二十五條の三には、いろいろ機構がございまするが、総監部なり、地方監部の問題についてはいずれ運輸省令で今後きめるということになつておりまして、一切この法案を審議するときに重要な総監部の内部の組織等も全然わかつていないということでは非常にこれは工合が惡いのではないかと思いまするので、実際にきまつておりますものならば、総監部の内部の組織、その運輸省令で定まるということになつておるところの概略を御説明願いたいと思います。先ずその点につきまして御所見を質したいと思います。

村上義一緑風会運輸大臣

○国務大臣(村上義一君) 只今海上警備隊は警察予備隊に相当するものではないかという意味のお話でありましたが、警察予備隊に匹敵するものとしては余りに実は微力なのであります。僅かに人員も六千人程度でありまして、その船舶も千五百トン級が十ぱい、それから二百五十トン級が五十ぱいという程度のものでありまして、一昨日お聞きを願いましたように、現段階におきましては全く自治警察の機動隊とか、或いは予備隊とかいう程度を出でないものであるのであります。併し今お示しの通り、将来どうなるのかということでありまするが、これについては勿論陸上におきましても、現在の警察予備隊がいつかの日にはかんばんを塗り変えて力を漸増して行くということになると予期しております。将来の問題を申しますれば、この海上警備隊も又そういう経路をたどつて行かなくてはならんものだと考えております。併し今この海上保安庁法の改正をお願いして、六千人を人員においても増加する、借入れた船舶を使用して機動的にパトロール船の力の足りない点を補つて海上の治安を保ち、又人命、財産の保護の使命を全うするという趣旨より出でないものでありまして、この趣旨から申しましてもなお且つそれではこの程度では力が足りないと一昨日も申述べましたごとく、更に軽飛行機又はヘリコプターのごときものも少くとも十機くらいは是非ほしいということを訴えている次第であります。現段階におきましては全く警視庁の予備隊、或いは機動隊という程度しか出でないものである。将来若しこれが性質を改めましてそれに適応する力を持つというようなことに進み得る段階になりますれば、そのときは更に法律の改正案を御審議願つて、そうして所要の措置をとつて行きたい、こう考えている次第であります。  なお内部組織の問題は、省令に委任することに本改正法律案ではなつております。これにつきましては、保安庁長官から詳細お聞取りを願いたいと存じます。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 只今の大臣の御説明につきまして、内部組織について現在の当局の構想を述べたいと思います。  大体総監部というものを置きまして、ここに総務部、警備部、経理保給部及び整理部という四つの部の恰好にいたしたいと考えている次第であります。なお地方の問題でございますが、地方監部におきましても大体こういうような形に匹敵した内部組織を作りたい、かように考えております。而もこれは船舶がだんだんできますにつれまして地方監部はやつて行きたい、かように考えております。最初は大体横須賀一カ所を先ず一番初めにいたしたい、かように考えておる次第であります。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 只今大臣の御答弁がありましたが、自衛力の漸増計画の一環として、警察予備隊と同様に今後どういうふうに増強されるかという点が今はつきりいたしませんでしたが、やはり今の大臣の御説明によると、いつまでもこれが運輸大臣の下にあるのではなくて、予備隊と共に或る時期が来ればやはりはつきりしたものに、例えば海軍なら海軍というものに切り替えられるというお話がありましたが、その通りと私も考えまするが、併しこれが第一回の海上警備隊の設置でありますから、船舶等も極めて貧弱なものであるけれども、同時に一度発足した以上はやはり将来のためには漸増計画というものがはつきりしていなければ予算も立たんわけでありまするから、こういう点を或る程度発表なさつても差支えない程度に二十七年度以降どういうふうになるのか、最終的には大体どういう程度のものだというふうなことがわかつておらんければ、今日の第一回の改正船舶等も僅かであるけれどもただ無計画にやるということではないと思う。二十七年度以降大体どういうふうになるか。例えば五カ年計画とか六カ年計画かいろいろ艦艇の整備があると思いますが、大体そういう御説明が願えるか、願えないか、こういう点を伺いたいわけであります。昨日の或る委員に対する御答弁に、大臣は千五百トンの船を十ぱい借りる、だからそれ以上のものをくれると言つても断わるのだというお話でありましたが、私は実際には日米両国よく相談して向うから貸與されるわけでありますから、実際はそういうことはないわけでありますが、昭和二十七年度以降については、單にトン数が殖えるばかりでなく艦艇の種類とかそういうものもあると思いますので、そういうものについて御説明ができる範囲において二十七年度以降の海上警備の自衛力の新増計画と申しまするか、そのものについて伺いたいと思います。

村上義一緑風会運輸大臣

○国務大臣(村上義一君) 将来についての目標を置いてそうして進むべきである、無計画であるはずはない、こういう御趣旨でありました。御趣旨誠に御尤もではございまするが、今とにかく海上保安庁の使命と申しますか、いわゆるコースト・ガードの任務を果して行くということが目標になつておりますが、このために現在の保安庁法の示す任務を果して行くのには、今回の改正措置で大体目的を達するのではないか。ただ只今も申上げましたごとく軽飛行機若しくはヘリコプターのごときものをおよそ十機ほど持てばこの目的は達するのじやないかと考えておる次第であります。従いまして今無計画じやないかという御指摘も御尤も至極でありまするが、海上保安庁としては、大体これで行けるものじやないかということを実は考えておるような次第であります。で、海上保安庁の目的が更に再転、三転して性質が変つて行きますれば、そのときにはその目的に合致する編制及び装備が必要になつて来ると思うのであります。現在のところでは、一昨日来申述べましたごとく、大体今回の改正、更に軽飛行機十機ほどあれば哨戒の目的も十分達し得るのじやないか、実はかように考えておるのであります。他日の期待につきましては、西郷先生と同じく私も考えておりまするけれども、今本法の改正法律案を御審議を願う際に、全く個人的の感想と申しますか、意見を申述べることは差控えたいと思うのであります。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 この点は実はもう少し本来ならば運輸大臣にはつきりと御質問を伺いたいわけでありまするが、連合委員会でもありますので、又政府のお立場もあると思いまするからこれ以上余り追及いたしませんが、今の大臣の御説明でありますると、海上保安庁としてはこの程度でいいのだというお話でありまするが、私ども治安を担当する委員会の立場からいたしますると、我が国の状況から四面海の日本でありまするから、たとい今度は小さくなつたといえども隣国においては現在も戰闘状態に置かれている関係もあり、国際情勢からいつても日本の小さな島国を守るために、治安しただこの程度でいいのだというふうには全然考えられないのですが、單に国内治安のためであつてもやはりもう少し四面海の我が国といたしましては、財政の許す範囲において擴充して然るべきである。今日まで我々が海上保安庁の説明を十分聽取いたしましたが、非常に海上保安庁の第一線部隊のものは困窮しておる、非常に惡い設備の下に惡戰苦闘をしておるというふうなことを始終聞いておつたわけであります。何らの成備もなく装備において全然外国に太刀打ができない、体当りして行くのだというような悲壯な覚悟まで聞いておりますので、非常に気の毒に思つているわけであります。でありますから、吉田内閣のいわゆる戰力というところまで行かない範囲内においてもやはりこの程度では非常に私は不完備極まるものである、恐らく海上保安庁の柳澤長官としてもこれでいいとは思つておられないと思いますが、今運輸大臣はそういうふうに言われましたが、やはりこういう点はもう少し或いは速記をとめるなり何なりしても、大体の治安機構例えば警察予備隊については相当装備等もはつきり説明されている今日ですから、海上の治安を担当するところの海上警備隊についてもその程度で御説明をとどめられるということは、私は政府の立場もあると思いますけれども余り感服できないわけであります。やはり国民の代表である我々には或る程度お話を願つて、そうして政府と共に心配するところは心配するという態勢でありませんと我々は非常に遺憾に思うのであります。こういう点を法務総裁、その他にも申上げましたが、一方に治安機構の擴大その他を考えておきながら、治安の点を聞きますと政府の答弁は大体そう心配することはないという常に御答弁なので、心配することがなければ非常に国民生活も苦しいわけでありますから多額の費用を、これにさくということはどだいおかしいことでありまして、海上警備隊でも同様に考えます。もう少しそういう点は今回のこの運輸省にある間、今大臣のお気持だと、運輸省にある間の海上保安庁としてはこの程度の意味合だというふうに思いますが、やはり発足いたしました以上は治安確保の上からもう少し擴充する必要は私はあると思います。そういう点におきまして大臣としても説明のなさりにくい御苦衷はよくわかりますけれども、そういう点は今少し要領よく国会を通して、国民に陸上の警察予備隊はこういう程度に国民も大体内容を知つておりますが、それに匹敵するところの海国である日本の海上警備の組織がこの程度でいいのだということでは、非常にバランスのとれない治安上の盲点が海上の随所に現われて来ると私は思いますので、こういう点はもう少し大臣の率直なお話を伺つて、そうして陸上の警察予備隊と同様にもう少し将来性のあるところの近代装備を持つた海上の警備隊であつてほしいと思いますが、その点伺いますと大臣は御説明なさるのを非常に御困難のようですから、その点はその程度にいたしておきます。  なおもう一点伺つておきますが、警察予備隊につきましても、今度の海上警備隊と同じように階級がいろいろありまして、外の警察官と考えましてどつちが上か下かわからんような状態でありまして、念のため今回の海上警備隊の海上警備官その他につきましても、例えばこれを海軍としたならばどういう階級であるかということを伺つておきます。

村上義一緑風会運輸大臣

○国務大臣(村上義一君) 前段のお話に対して一言申述べておきたいと思うのでありまするが、現在の海上保安庁員の事に処しての悲壮な心がけ或いは実際苦闘しているということについて非常に御同情を賜わりましたことを衷心私ども感謝する次第であります。今まで全くみすみす不法ちん入者を見つけてもこちらの船がスピードが足らないためにみすみす逃がしてしまう、或いは何らの装備がないために、ただ拳銃だけを持つているというために接近できないというようなこともあり、今お説のような事態も、庁員の悲壯な考えにかかわらずこちらの装備が足りないために切歯やく腕したまま引下つているというようなことについては、誠に国としても遺憾至極なことであります。又関係者の苦衷誠に残念に思つている次第であります。ただ今の海上保安庁ではその指導精神を飽くまで人命尊重、それから正義、人類愛ということを指導のモツトーとして実は各部隊、部内におきましても、又保安大学、保安学校等においてもこのイデオロギーで教育をしているというような次第でございまして、これは一に現在の海上保安庁の使命に鑑みてこの指導精神で進んでいるという次第なのであります。併しながら治安の維持ということにつきましては、今申しましたような正義、人類愛、又一面人命の尊重ということでは実はもう足りないと私は思うのであります。併し現在この海上保安庁の使命としましては、前刻申しますような指導精神で訓練をし又教育をしているような次第であります。でこの法案を離れて日本の将来ということを考えますれば、もとより西郷先生のお示しと同じく、私もこういうことではいけない、今後日本の経済力の許す限度において力を増強して行かなきやならんということは国民の一人として私は固く考えております。ただこれは今の段階におきましては日米安全保障條約に基きまして、現在の又二十七年度において擴大される海上保安庁の力で大体において沿岸及び近海の保安を保つ、その他の広範なる更に大きい力を以て治安の維持に当らなければならぬ点は、日米安全保障條約に基いた米国の海軍力に差当りよらなければならん。併しいつまでもこれによつているということは日本として望ましくないことであることは勿論でありまして、日本の経済力の許す限度において更に大なる治安の確保を講じて行かなければならんと私も信ずるのであります。ただ今の海上保安庁としての現段階における使命につきましては、今回の法律案の改正程度で、又その措置としましては二十七年度の予算に盛られてある限度、更に軽飛行機等を若干持てば現在課せられている使命を果し得るのじやないか、こう考えているのであります。つまり現在の海上保安庁法の改正法律案に対処しての考え方、又将来の考え方、そこに区別を立てんければならんと考えておる次第であります。  なおその他の内部の点について保安庁長官からお聞き取りを願いたいと思います。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 警備官の大体のランクについての御質問でありましたが、法律案の別表第二によりまして、海上警備監、海上警備監補、それから一等から三等までの海上警備正、一等から三等までの海上警備士、一等から三等までの海上警備士補、それから海上警備員長、それから一等から三等までの海上警備員というふうに分れております。これの昔のランクというお話でございますが、大体現在と昔と観念が多少違いまするが、ランクの級別に申しますと三等海上警備士というものから上がいわゆる士官と称したものでございます。一等海上警備士補から三等海上警備士補までのランクが大体昔で申します下士官というものでございます。なお海上警備員長以下が大体昔で申します雇員という恰好に当るものでございます。少し表現の仕方が昔と違いますので言い現わし方に無理があると思いますが、大体そういうふうになつております。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 ちよつと今の柳澤長官のこれは大ざつばなことでまだ現実の問題ではありませんが、一番わかりやすく海上警備監は少将とか大佐であるとか、それに当てはめた場合どうなりますか、仮に。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 大体今の考え方は海上警備監及び海上警備監補という点が昔で申します高等官二等以上ということになるわけであります。それから次一等、二等、三等というのが、大体これが昔でいいます高等官三等、四等、五等とそういうふうになつております。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 委員長私はこの程度で打切ります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 柳澤長官にお伺いしたいのですが、この法律改正によりましてその結果従来の警備救難部の任務と、それから海上警備隊の任務とがどういう関係になつて来るか、その点を御説明願いたいのですが。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 現在海上保安庁の海上保安官のやつております警備救難部の任務というものは、常に海上をパトロールいたしまして、密入国或いは密出国、或いは密輸出入、密漁、その他海賊行為並びに海難の救助、これら諸種の目的に一つ船を持ちましていろいろの任務に備えまして海上をパトロールしている。そうしてこれによつて海上におけるいろいろの問題を処理して行くという組織になつております。  一面これらのほかに今回設けまする海上警備隊におきましては、今までの状況だと例えば台風が起きて相当の船舶が難破するというような場合に、今まではパトロール中の船舶を駆り集めましてその方面に持つて行きました。そうしてこれによつて救助に当つておつたわけでございます。そうしますと平常パトロールというものが台風の跡始末の間は穴があくというような状態であります。これらに対しまして今回の警備隊は、そういう事態のときには直ちに出動いたしましてそのほうの救助に当るという役目をする。なお同時に沖のほうで大きな船の遭難があつたというような場合には、今まで我々のほうは七百トン級の船ぐらいしか持つておりませんでしたが、今回千五百トン級以上の船が、大きな船の海難の救助というようなときにもこれが出動いたしまして、救助ができるというような役目を帶びているのであります。そのほかに先般の十勝沖地震というような場合にもパトロールに穴をあけることなく、これらの警備隊の船舶がありますと救助に当れるというような役目を持つております。ここに平常の業務、平常のパトロールを行う部門と、予備的な位置におります常に機動的に出動のできる、団体行動のとれるものを置くというところに差があるわけであります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 そうすると條文を直されるのに、海上における治安を維持するという点に非常に力が入れられた條文に直るのでしようが、治安のほうの問題でなしに遭難救助とか保安のほうの問題は別に條文を直す必要はないのですか。治安のほうが主になつていると私は思いますが、警備隊は治安に当るのではないか。遭難救助も治安の一つか知れませんが、どうも今のあなたの御説明は保安のほうが主である。その点は一体治安が任務なのか保安が任務なのか、その点をもつと明確に御説明願いたい。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 大体海上保安庁の任務としましては先ほど申しました各種の任務がございます。このうち治安という部門にも海賊的行為その他のものの取締というような、或いは不法入国というようなものもございまするがこれらのものが相当に多く六つて来るという場合にも勿論警備隊が出ましてこれが抑制に当るというような仕事もいたすわけであります。従いまして先ほど申しました例のうちから漏れましたかも知れませんが、同時に不法出入国或いは密貿易或いは海賊的行為というようなものが相当に集団的に行われる、これには勿論任務として出動してこれが抑制に当るということを考えております。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 この改正法の二十五條の二ですが、「海上保安庁に、海上警備隊を置く。海上警備隊は、海上における人命若しくは、財産の保護又は治安の維持のため緊急の必要がある場合において、海上で必要な行動をするための機関とする。」。ちやんと定義が出ているわけであります。そうしますとこれはどうも生命財産のほうも勿論やるが、今度の法案改正に新らしく加える問題は治安の維持である、治安の維持という問題についてお聞きしているのです。今の御説明では密貿易が集団的に行われる、治安を非常に害するというようなことは考えられない。逆にお伺いしたいのは最近はだ捕船が多くなつていることは事実である。ところが生命、財産のほうが非常に保安の強化が必要である。私どもから考えれば海上治安を維持するために六千人からの海上警備隊の増員をしなければならんという理由がいずこにあるのかということであります。それからその任務が保安と治安維持即ち海上警備隊の任務と、それから警備救難部の任務とがどういう関係を持ち、どれだけの相違があるのか、この点を機構的にも御説明を願いたい。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 先ほどから御説明申上げておりましたのですが、お話の通り海上保安庁の任務というものが人命の保護及び財産の保護ということと治安面というものを同時にやつているわけであります。お説の通りの保安の部門と治安の部門の両方をやつているわけであります。これは海上におきます船舶というものが各別の任務で船舶を所有するということは非常な不経済になる。昨日も申上げたと思いますが、密出入国は密出入国で持ち、密貿易は密貿易で持ち、密漁は密漁で持ち、海難は海難で持つというような制度では非常に船舶の数を多く要すると同時に、いずれも弱体化するという意味を以ちまして、海上保安庁は保安と治安と両方の任務を持つているわけであります。従いまして海上保安庁の船舶というものが治安、保安いずれの部門につきましても任務を一つにきめて持つているわけであります。そこで任務の上は海上保安官のほうも警備官のほうも目的の任務は同じでございます。但し違いますところは一方は常にパトロールをしている、海上で平常の義務を常に行なつているというところであります、一面は警備官のほうはどちらかと申しますと、先ほど来申上げました通りに大体パトロールをはずして持つて行くことのできない、いわゆる非常の場合に出て来るという恰好に相成る。従いましてこの警備隊のほうも保安、治安、両方の任務に出て行くようになつているわけであります。例えば先ほど申上げましたいろいろの大きな災害或いは台風による被害或いは大きな難破がある、こういうような場合には勿論出て行きますと同時に、各所におきまして海上の治安を乱すようなことが起きましたときにも当然出て行くものでございます。こういう意味におきまして両者の間は非常の場合に出て行くのであつて、恰も陸上におきまして各交番にも巡査がいると同じように、そのほかに予備的の警官を持つているというのと相似た恰好のものでございますが、ただ違いますところは保安と治安と両方の任務を持つているという点が違つておるのであります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 そこでお伺いしたい点は、警備監の下に海上警備隊を置かれるのでありますから、今までの警備救難監と警備監とは長官の下に同等の資格と権利権限を有している部門になるのであるか、警備救難監の下に警備監が置かれるのであるか、その点をお伺いしたい。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) この点につきましては警備救難監というものは次長と同じように長官の下にありまして調整を行う役目を持つて飽くまでも長官の補佐役でございます。警備監と申しますものは長官に直属いたしましておのずから命令権を持つておりまして、警備隊全般に対して指揮命令ができる立場におります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 そういたしますと先ほど私がお伺いしたように、海上警備隊の任務というものが治安に重点が置かれる、この御説明によると今までの警備救難監いわゆる海上の警備救難部がパトロールして、それでいろいろな海賊が出る、或いは密貿易を見付けたというようなときに手が足りない場合に警備隊を動かすという今の御説明ですけれども、そうするとこれは機構上から見れば全然警備隊というものは別なものであるか、警備救難監の命令、指示によつて直ちに動くものでなくして、警備上独立して必要がないと思うか警備救難監の意見に一致しない場合において長官が決定しなければならない、こういうこともあり得る組織、機構なんですか。その点をお伺いしたいと思います。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 警備救難監は大体船舶、航空機全般に亘る調整をやる役目でございます調整をやりまして長官を補佐する役目であります。従いまして長官の下にはなお警備救難部長というようなものが中央にございます。一面お話のように事態が起きて警備隊の船舶を出すというような場合には警備救難監が全般の船の状況を知つておりますから、それの判断によつて長官にこれを出したらどうかということになりますと、長官から警備監のほうに警備隊の首脳にこれを命令してやらせる、こういう恰好に相成るわけであります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 そこでお伺いしたいのでございまするが、これが実現いたしますと、只今昨年あたりから非常に日本海面におけるだ捕船が増加しております。この警備隊というものができればそういうものをどの程度防げるのか、具体的に御説明を……。むずかしい問題でございますけれども、折角多額な国費を使つて而もアメリカが好意的に船を貸してくれてここに警備隊ができる。今海上におけるだ捕船に対してこれをどの程度防ぎ得るかという技術的にもお考えがあるはずです。その点を御説明を願いたいと思います。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 東シナ海その他におきましてだ捕船の問題は非常に深刻な問題でございます。我々もこれに対しては非常に頭を悩ましているわけであります。このだ捕船に対しますいろいろの監視或いは防禦の仕方というものにつきましては我々としても十分考えておりまするが、この法案が通りまして講和條約が発効いたしますれば、日本船舶が海上におきましてのいろいろ人命及び財産というものを脅かされるという場合にはこれを何とかして保護しなくてはならないと存じております。そういう場合が起きましたときには、勿論主たる任務は海上警備隊及び今までの警備救難部の船舶というものが、常にパトロールし或いは必要な場合には出るという恰好をとることと思います。その具体的の方法は如何というお話でございますが、大体御承知の通りに日本の船舶が漁に出ますのは魚群を追つて出るということが原則であろうと思います。この魚群の位置というものが大体月別によつてきまつておるのじやないかというふうに考えます。従いましてその魚群を追つて出る船舶の出る位置というものが或る程度想定ができるものと我々考えております。従いましてこういう地点二、三ケ所に対しまして、或る程度常に警戒し又は危険の場合には或る程度これを警備隊を以て増強するという考え方で保護をしたい、かように具体的には考えておるわけでございます。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 私のお伺いしたい点は、今のこの警備救難部の持つ船では足りないからだ捕船が殖えているということが大きな原因になつておると思います。そればかりじやありませんが、占領下にあるということも幾分影響していると思いますが、併しこの今の御説明によりまして、独立後においてこの海上警備隊が非常に日本海面におけるだ捕船が殖えておるのに対して、だ捕される船に対して事前に警備しなければならない。ですから具体的に申上げますれば、この警備隊が持つところの船は、いわゆるマツカーサー・ラインがありますし李承晩ラインがありますが、そういう関係がどう解決されて、その日本海上警備隊がそこを常に警備し得るのかどうか、そういうことに使い得るのかどうか、その点をお伺いしたいのです。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 講和條約が発効いたしまして以後におきましては、我々の船舶は日本の船舶及び財産、人命というものを公海においても保護できるというふうに考えております。大体のお話の通り、講和條約発効以前におきましては、現在におきましては海上保安庁の船舶はその行動範囲が百浬に限られております。従いまして緊急の難船その他があつた場合にのみ出動ができるという恰好になつておつたのであります。そこで我々のほうの船舶は一切百浬以上に警備に出ることはできなかつた。この制限は講和條約発効と同時に撤廃されるのじやないか。そうすればこれらの日本の財産及び人命を保護するために公海を警備することはできる、かように考えております。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 そのときに、そうすれば私はもつと具体的にお聞きしたいのは、一体この警備隊の持つ船というようなものが常にそういう危険性のある海上を警備するところのものであるかですね、港におつて予備隊的におつていわゆるパトロール船の情報によつて出て行くのか、この点をお伺いしたい。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 大体の趣旨としましては非常の場合に出て行くという考えを持つております。併しながらその非常という場合が、情勢が相当事件が非常に起るというような場合には、これは非常と認めて出動さすべきものである、かように考えております。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 いや、どうもその点が解せないのですね。今日もうだ捕船がふえて困つているのでございましよう。であるからもうこれは直ぐにでも明日にでも実施できる、アメリカの船が今にも来るように言われているのですから、来て訓練されてそうしてそれがそうできるならば、海上警備にどんどん出て行くのだということが、あなたの口から言えないならばほかの責任者、大臣からお聞きするほかない。これはあなたにお聞きするのが無理だとすれば大臣にお聞きするというよりほかないと思います。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 整備ができ講和條約が発効すれ直ぐにも出て行けると思います。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 そういう場合において、先ほどの御説明によれば、この千五百トンの船が二十そう、二百五十トンの船が約五十そう、アメリカから無償で借入れられるということを聞いておるのでありまするが、この船がどこのどの港に配属してそうしてどれだけの装備を持つか。ただ走れるだけの船で何ら装備を持たない、この装備は日本でするのであるか、或いは装備も附したものを借受けるのでありますか。お聞きしたい点は大体船の数と、トン数はわかつておりますからこれに必要な装備、それからこれをどこの港に配属せしめるか、そういう点をお聞きしたいと思います。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 借ります船舶をどこへ置くかという第一の点でございますが、現在の方針といたしましては昨日申上げましたと思いますが、商港或いは漁港というもの、或いはそういう施設を余り邪魔しないようにということが第一点であります。  第二点は、新らしく接岸施設或いは設備を行うことを成るべく避けたいという点から、既設の接岸できる個所を選びたいという観点から種々探しました結果、大体旧軍港の附近がそういう場所が一番多いということに相成つております。併しながら旧軍港も商港転換その他のプランがございますので、思う所は得られませんが、不便でありましても、そういう所を選んでやつて行きたいと考えまして、現在大体きまりましたのは、横須賀に我々の出先が現在ありますのでそこの箇所は使えるのではないかというふうに思つております。なおそのほかに佐世保、舞鶴、或いは大湊等に今そういう具体的の場所を探しているわけであります。これらはなお地元の要望その他がありまして箇所の決定が明確になつておりません。  なお次に第二の装備の点でございますが、大体千五百トン級の船舶は速力が十七、八ノツトということになつております。これは小さな号砲を付けることになつております。二百五十トン乃至三百トン級の船舶は、速力が大体十四ノツト乃至十五ノツトということになつております。これは装備がないということになつております。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 千五百トンの船が砲を持つというのでありますが、これはすでに砲を持つている船を借りられるのでありますか。借りた船に砲を据付けるのは一そうについて何インチ砲何門くらい据付けるのか。その点を明確にお話し願いたいと思います。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 我々のほうといたしましては、どうしても千五百トン級くらいの船舶がほしい、それも約十隻くらいはそういうものがないと困るということでアメリカ側と折衝をしているわけです。なお御承知の通り、我々が今までの経験で行きましても相当の速力の船舶で逃げるというものが相当ある。これらに対して信号によりまして停船を命じましてもなかなか停船しないのであります。これらを何とかして停船させる方法といたしましては、号砲程度のものは是非必要だからそういうものを付けたものがほしいというふうに要求をしているわけであります。その要求にマツチするように向う側で大体そういうことができるのではないかという情報が来ております。従いまして、こちらの要求によりまして向うが付けてよこすという恰好に相成ると思います。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 その号砲というと、私どもその点は素人ですから、号砲の大きさは何インチ砲であるか、そうして何門要るのであるかということをお聞きしているのです。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 号砲の径は我々のほうとしましては小さいものでいいが、三インチ乃至三インチ半くらいのがほしいということを言つてやつてあります。それの数でございますが、千五百トン級の船で大体一つ乃至は二つ、できれば二つあれば一番都合がよろしいというふうに言つております。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 号砲に使う砲も実弾をうとうというならうてると思いますが、この性能はどういうのですか。その三インチ砲ですと実弾をうてばどのくらいの距離まで行くものですか。有効距離はどのくらい、その点をお伺いしたい。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 我々のほうの要求としましては実弾もうてても結構だと思います。そこで距離はどのくらいかというお話でございますが、我我のほうとしては停船命令を下すだけの能力があればよろしいという要求を出したのでございます。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 停船命令を下す場合においても、技術的には十八ノツトの船で追つかけて行つてなお信号してもとまらなかつたらうつというのですが、そういう場合において距離が必要なんですが、三インチ砲でしたら有効距離はどのくらいということはおわかりになつていると思いますが。

柳澤米吉海上保安庁長官

○政府委員(柳澤米吉君) 実物がまだ来ておりませんのではつきり申上げられませんが、大体二キロくらいは行くんじやないかというふうに思います。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 そこで運輸大臣にお伺いしたいのでありますが、先ほど大橋国務大臣見えておりましたのですが、又おられなくなつたのですが、運輸省がこれだけの装備を持つた船をお持ちになつて、海上治安のために運輸省が当られる。これは非常に問題ではないかと思うのです。先ほどから西郷委員が随分御質問になつておつたようでありまするが、私もその点は同様に疑問なのです。第一は、運輸省がかくのごとき装備を持つた船を相当数持つて、そうして六千人からの海上警備員を増員して海上の治安に当られる治安に当るゆえんのものは、今後いろいろ治案を今日以上に乱される心配もあればこそ増強をされる。従つて行政協定のある間においてはこの程度でよろしいのですが、然らばただこれは海上関係ばかりとは申されませんが、陸上の関係におきましても行政協定を取りやめるという状態になるまでにはこれではおさまらんからして、そういう点についての整備一国内治安の維持という問題については、一運輸大臣のみの考えで私はきまつているわけじやないと思う、これはやはりその国内治安を担当する大橋国務大臣並びに内閣におきましては総理大臣が全体の国内治安の維持を考えた上において、との海上の面における治安を一応関係の海上保安庁に持たそうということになつたと思う。それは当然そう考えられなければならんものでありまして、それを海上保安庁だけの問題として、海上保安庁法を改正する範囲だけの責任において答弁されるということは、これは幾ら私は今日の日本の社会状態が苦しい立場にあるといいながら無責任だと思う。総合的な国内治安の一環としてなされるものを、ただ内閣委員会において法の改正審議をするからその範囲で納得してくれということは余りにも無責任ではなかろうか。従いまして運輸大臣としては、私は新聞に見受ける範囲でありますが、すでにそういう御意見を漏らされている。海上保安庁の任務を持つものは、海上保安庁として自衛目的、海上の治安を維持する目的を持つものは目的を明確にして、その警備員を募集しなければ魂の入つたものにならないということを運輸大臣がどこかでお話になつていることを新聞が報道している。このことを私共としましてはこれ以上運輸大臣に責任を云々するということは如何と思いますけれども、やはり国内治安、自衛を如何にするかということは、ひとり政府だけの責任の問題ではありません。従つて我々はです、この問題を日本全体の治安を維持する一つとしての海上保安庁関係の法律の改正をしなければならない。従いましてですね、警備隊の持つ目的と警備隊に如何なる魂を入れるかということについては、先ほども大臣みずからこの法案を別にしてという御意見がありましたが、別にさるべき問題ではないと私は思う。この点について運輸大臣はすでに先ほど御説明がありましたが、従いまして私は治安、保安関係に責任を有する大橋国務大臣の御出席を願つて御説明を煩わしたい。こう思うのです。委員長然るべくお取計らい願います。

村上義一緑風会運輸大臣

○国務大臣(村上義一君) 只今原先生が大橋国務大臣の出席を求めて、その意見を徴すべきだというお話であります。多分見えました後はお話あることと存じますが、今私はその以外について申述べたいと思うのです、現在海上保安庁は運輸省の外局として存在しておりますが、併し海上保安庁長官は運輸大臣の命令だけで動いておるものではないのでありまして、漁業の取締或いは密漁の取締、又日本漁業に関する保護という問題については農林大臣の命令を受けておるのであります。密入国取締については外務大臣の命令を受けております。又密貿易については大蔵大臣の命令を受けております。一般司法警察につきましては法務総裁の命令を受けておる。非常に複雑な状態にあるのであります。ただ航路安全業務又救難事業といつたような事柄と切り離し得ない、前刻長官がお答え申上げましたようにこれらの仕事がみなひとしい設備の船を以てやらなければならんという関係で、経済的にこれを一括しているということが主なる理由であるのであります。で米国等におきましても御承知でありましようが、六十年の長い歴史を以て漸く十年ほど前にコースト・ガードシステムが成立いたしたのであります。米国のごときですら国家経済という見地からコースト・ガードとしてこれを一本に処理して行くということに相成つている。現在米国ではコースト・ガードは大蔵省の所管になつております。併しフーバー行政機構委員会におきましてはその結論を出して、これはやはり交通省に所管を移すことが至当だというアドバイスをいたしているのであります、これはまあ別といたしまして、とにかく米国の六十年に及ぶ長年の所属についての、又合従連衡をいろいろ経て来ました歴史に鑑みましても、只今申しましたごとくその所管大臣というものが非常に多数になつておるという点から鑑みましても御了解願えると思うのであります。それで現在のそういうコースト・ガードという精神の下において今この法律案の改正をお願いいたしているのであります。私は前刻法律案の改正案を離れてと申しましたのは、一国民として将来どう進むべきかということを実は申上げたつもりであつたのであります。今お示しように日本の自衛力を如何に今後すべきか、又行政協定が取りやめられたときにこういう小さい治安ということでは意味をなさない。もつと大きい意味で治安ということを考えて行かんならん。要するに自衛という問題だと拜察いたしますが、これにつきましては誠にお説の通りであります。これは更に別箇の法律案を具して国会の御審査を願う、そうしてこの性質を変えて行くということにすべきだと私は思つております。ただその時期が日本の経済力が許さんから今日米行政協定に基いてただ單なるコースト・ガードの目的だけを果す強化を今二十七年度において進めたい、こういうことであります。このままで進むということは許さるべきではないと私としても考えております。前刻も申しました通り海上保安庁は人命の尊重又は正義、人道という見地でこれは進んでおるのであります。自衛という観点から進みますと、この指導精神は全然塗りかえなくちやならんと私は思つておるのであります。こういう自衛という範疇に属する行動をとる場合には海上保安庁でやるべきではない、自然運輸省の所管でやるべきでない、私はそう考えております。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 折角この御意見を附せられて御答弁がありました、そうなりますとこの海上保安庁としては今回増設されます海上警備隊というもので大体やつて行く、それ以上の自衛の問題になればこれとは別箇に行くということが、要するに御意見でなしに閣議、政府の方針であると承わつてよろしいのでございましようか。その点がちよつと私は今まで新聞知識でありますが、やはり大橋国務大臣の構想としては、この海上警備隊は自衛の一部門、一部隊である、こういう御説明でありますし、日本全体の自衛力の一こまとして考えるように承わつておる。新聞によつて見ましても海上保安庁でない、別な日本に総理大臣の下に保安庁を置く構想が曾て新聞に発表になりましたのは三月四日でありますその時分にやはり大橋構想というものは海上警備隊というものがその中にちやんと入つておるのであります。今運輸大臣の御説明で行けばそれはこれからの行政問題であつてこれはやはり海上保安庁として海上保安のためにこれだけの警備隊は要るのだ、こういうふうに解釈してよろしいのでありましようか。この点をちよつと御説明願いたい。

村上義一緑風会運輸大臣

○国務大臣(村上義一君) 一昨日も申述べましたのですが、海上保安庁として現在の海上保安庁法、又今回御改正をお願いしておりまする海上保安庁法の精神から申しまして、この今回の機動的性質を持つた力ができますれば、あとはヘリコプター若しくは軽飛行機が十機ぐらいあればその任務は先ず完全に果し得るのではないか、こう考えておるのであります。実は今内閣として云々というお話でありました。大橋国務大臣がどういう工合にお話になつておりますか存じませんが、内閣としても将来の問題についてはいろいろ意見の交換も今日までにあつたことは事実であります。今海上保安庁法のこの精神に基いてその使命を果して行くという上におきましては、この段階で大体使命を完全に果し得るのじやないかということを期待いたしております。併し他日、今お示しのようないわゆる自衛というような見地から申しますれば、これは又全然部隊が大きくなつて来ると思います。その場合にこの海上保安庁の現在の力を利用する方法もあると私は思うのでありまして、そのときになつてこの海上保安庁の現在の力が自衛の一こまになるかどうかということは今後の問題だと思うのであります。現在米国は御承知の通りあれだけ大きい海軍力を持つております。がコースト・ガードは全然別に取扱つております。勿論一旦緩急あつて戰時状態になつたときには海軍司令長官の命に服従するということにはなつておる。米国でも戰時状態になつたときはコースト・ガードは戰力の一部分なんだ、自衛力の一部分なんだということはそれで言い得ると思うのであります。お示しのように自衛という力を日本が将来持つて行かなければならん、これは私も同感でありまするが、そのときに今法律案を改正願いまして、海上警備隊というものを作つて、それが他日その一こまになり得るじやないか、又そうすることがいいということに相成りますれば、それはそういう法制を作つて御審議願つてその一こまになつて行くということになるだろう、米国は平時におきましては全然別になつておりますから、そこは今後将来の問題だと思うのであります。

原虎一日本社会党(第二控室・右)

○原虎一君 これはやはり大橋国務大臣がお見えにならなければ私は了解がつかんと思いますので重ねてお聞きすることは如何かと思いますが、先ほども申しまするように、やはり現政府が海上保安庁ではなく、先ほど申しまするように自衛のための保安庁というものを考えて、これが三段階に互つて報道されているのであります。最初のときの報道は三月の四日頃であります。それが少し難航しだしたという報道が三月の十七日であります。それから参議院の予算委員会で吉田総理大臣がこの席で、この部屋で自衛は戰力にあらずという御答弁をなさつて問題になつてからずつと変つて来て、そうして三月の終りの報道、新聞記事によりますれば、非常にこの保安庁というようなものについて慎重に政府当局は考えている。いずれ秋になれば憲法の改正を取上げ、軍備、自衛力というものを表に出して来るであろう、それまでは伏せるのではなかろうかという、これは新聞の或る程度の想像の加わつた記事であります、そういうものを我々が見、又治安関係の問題を審議いたします地方行政委員会における大橋国務大臣の御答弁も、やはりその構想の下に数回答弁なさつておるのでありますから、今運輸大臣に全く率直にお話をして頂いて、我々もその部面におきましては了解いたしますが、政府の持つ構想というものは究明できないのであります。これが全然もう政府で大橋国務大臣の考える保安庁構想というものかなくなつたといたしますれば、やはり今運輸大臣の御答弁のごとく経済が許されれば保安庁が増強されるということは、日本経済さえ許されれば当然必要なことである。このことは了解できるのでありますから、この警備隊は決してそういう性質のものに出て来たものではないのでありますから、やはり運輸大臣は折角個人的に見解を加えられて御答弁をされましたけれどもその点だけは了解がつかん。  それからもう一つ重ねてお伺いいたしますが、アメリカから借りる船は先ほど柳澤長官の御説明では大砲の装備なんかもできれば向うでやつてもらいたいという註文をされておりまするから、いつ頃この船が入つて来るのでありますか、およその見通しはついているのじやないかと思いますが、その船を借入れる時期、それから大体どういう契約内容を有するものか、無償でありましても借りるのは借りるのでありますから、どういう措置をとられるのでありますか。もらうにしてももらう措置をとらなければならんのであります、借りるには借りる措置がありますから、その借受けるおよその受入れる期日と契約内容、そういう点を一つ御説明を願いたいと思います。

村上義一緑風会運輸大臣

○国務大臣(村上義一君) 米国から千五百トン級を十ぱい、二百五十トン級を五十ぱい借受ける、なお千五百トン級には口径三インチ程度の号砲を二門できるなら装備してもらいたいというような交渉は前から進んでいるのであります。まだ確答を得ていないのが現状であります。併し内報によりますると承諾してくれる、そうしてそう遠くない時期に今月末にも二、三ばい程度はこちらの手に入るのじやないかというような情報でありますが受けているのであります。一面これが参りますと、千トン級には大体定員としてとにかく百六、七十名の人に乘つてもらう、それから二百五十トン級には六十三、四名の人を乘せるという状態にあるのであります。この法律案を御承認受けましてそれから募集にかかるのでありまして、一昨日もちよつと長官から申述べましたごとく募集し得るようになりましたらば三千人だけ、つまり半数だけを至急に募集したい、そうして訓練を先ず二カ月ぐらい要すると思う。募集に相当の、一カ月間ぐらいの時日を要します。七月末くらいでないと乘込まし得ることができない。それまでは貸してくれても繋船をして置かんならんという実情にあるのであります。次には次の千五百人ぐらいをこの夏に募集し、秋に残りの千五百人ぐらいを募集する、募集した上で二、三カ月たたないと乘込まし得るようにならないのであります。結局二十七年度殆んど順次年度末までに完了でき得る、こういう実情に置かれているのであります。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 議事進行。私も質問を続けたいのでありますがもう十二時も過ぎました。又原君から大橋国務大臣の出席を要求しておられますが参られませんので、もう一回連合委員会を持つことにお願いいたしまして、今日はこのくらいで散会にお願いしたい。

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) 実は只今岡本君の御発出旨の通りにお諮りしようと考えたのであります。本日はこの程度で散会いたそうと思います。なお明日時刻をちよつときめかねますが連合委員会を開会いたしまして、この問題を続行いたしたいと考えております。  それでは本日は散会いたします。    午後零時二十三分散会

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