P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ ☆
第13回国会参議院1952/07/30

電気通信委員会 第53号

発言数
29 件
登壇者
5 名
会派数
4
開催日
1952/07/30

会議録

鈴木恭一自由党

○委員長(鈴木恭一君) これより委員会を開きます。  電波行政に関する調査を議題といたします。先般電波監理委員会からテレビジヨン設置に関する申請書等の参考資料をお願いいたしたのでありますが、各委員におかれましてはこれら参考書を通じ御質疑があるやに承わつておりますので、この際電波行政に関し御質疑をお願いいたします。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 テレビジヨンの申請問題に入る前にその前提といつてはおかしいですけれども、関係電波監理委員会で第二回の公聴会を開いてテレビジヨンの標準方式が決定されたわけであります。私は非常に厖大な調書はこれは全読をいたしておりません。それからあの決定書によると当分六メガの周波帯幅でやる。併し七メガがいいということになつたならば七メガを採用するかも知れない。こういうように結論されておるように私聞くんですが、若しそうだとすれば、現在決定された標準方式というものは、或る一定の期間、欧米において若しこのメガサイクルについて、六メガより七メガがいいという場合には変える。いわゆる六メガは暫定的のものである。こういうような意味なのでしようか。これを一つ確かめておきたい。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) その点は電波監理委員会であの決定書を作りますときに、いろいろ論議されまして明確にされております。あの決定書は主文にありますように、電波監理委員会といたしましては六メガでよろしいという決定をしたわけであります。但しそういう決定をしたのでありまするが、一度決定したからといつてそれをいつまでも変えないという考えは持つていない。七メガのほうが明らかにいいということが、将来はつきりそういう事実が出て来たならば七メガに変えることもあり得るのだという意味であります。従つて現在の申請その他は全部標準方式は六メガでやるということで審査されておるのであります。但し波長割当の面におきまして、将来六メガから若し七メガに変更された場合に、施設者なりその他影響を与えないようにという考慮は十分この申請の審査のときにされるはずだと考えております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 そうすると、一旦六メガにきめてしまつて、そうして七メガがいいと、それから殊にまあ今後テレビジヨンが実現の段階にいよいよ入るといたしましても、実際的に実現できるのは少くとも半年以後じやないか。そうしますと、或いは七メガ或いは走査線にしても兼合せて必ずしも五百二十五でなくても六百二十五でもいいというようなことがあつた場合、単に周波数の帯幅ばかりでなくて、走査線を含んだ、その他のものを含んだ標準方式のほうが実際よりベターなものであれば例えば六メガのものが八メガ或いは十メガ以上のことはないかも知れないが、或いは七メガ、八メガのほうがよりベター、日本の国情に照してベターなものであるということになればそれは起り得るものだと、それは採用されるべきものだというような意味ですか。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) 標準方式も一つの規則に相当した決定でございまするので、これが永久不変ということは考えられないのでございまするが、一遍決定したならばそれが相当普及されました暁におきまして、更に変更するということは相当大きな影響を与えるのであります。従いましてその決定の変更に当りましては、相当この影響するところを勘案されなければならないと思います。線の数が五百二十五本で、バンド幅をただ六メガから七メガにするということでありますれば、これは送信面におきましても、受信面におきましても大した影響はございません。殊に只今お話のようにテレビジヨンが実際電波を出しますのは早くて十ヵ月乃至一年はかかると思つておりますその間には只今の六メガ、七メガの問題ははつきり決定するととになるわけでありまして、六メガ、七メガの問題に関する限りそう大きな影響は与えないと思うのでありますが、五百二十五本の線の数を将来六百二十五本に変える或いは八百十九本に変えるということになりますと、送信機、受信機、これは全部取替えなければならないというような事態が起るのですから、これは相当愼重にやらなければいかん。而もこれをやるときには或る年限経ちまして、どうしても従来のものではもうやつて行けなくなつたという事態になつて初めて切替えられるものだと思います。而もその切替えは将来例えば三十メガサイクル以上のいわゆるU・H・Fのテレビジヨン方式が採用されるということになります場合に、これはV・H・Fのテレビジヨン・バンドと全然別なものでありまして、送信機、受信機も別なものになりますからして、そういうことも周波数帯の使用のときにそういう問題を考慮するというのが妥当ではないかと考えております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 大体標準方式の決定についての電波監理委員会としての御方針ははつきりしたと思うのです。で次にはテレビジヨンの免許申請が七社から出ておるように了解するのでありますが、この免許に対しては勿論公共放送並びに民間放送六社、これが申請しておるわけでありますが、大体電波監理委員会としてその免許に対してどういう方針をとられるか。これは私ここで質問して云々ということは言いませんが、ただこれは昨年十一月に私が申上げておるようにこの免許、いわゆる経営形態ということは将来の日本の経済社会問題のこれは大問題なんで、これは一電波監理委員会で取扱うべき問題でないほど大きな問題であります。外国の例を見ましても、これはイギリスの例を見ましても、いわゆるビーバリツジ・コミツティーというものは、これは非常に愼重な態度でやつて来ておる。フランス又然りであります。でそういうようなことを十分認識された上でこの一公共放送、三つの民間放送に対しての免許申請に対してどういうような経過で今日まで御審議になつておるか。お話願える程度で私はいいと思いますが一つ御説明願えれば結構だと思います。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) このテレビジヨンの経営形態に入る前に、先ず日本の現状としてテレビジヨンをこの際実施する時期にあるかどうかということが先ず問題になるわけでありまして、その問題に関しましては電波監理委員会は今年の一月以来各方面の意見をお伺いしまして現在までのいろいうな研究調査を基として出した結論は、一応日本においてもテレビジヨンを実施する段階にあるという結論を持に至つたのでありまして、それを前提といたしまして現在あらゆる施策を進めておるわけであります。  先ず経営形態の問題でありますが、これはまだ正式の委員会で決定したのでもなんでもございません。併しながら今日まで十数回、或いはそれ以上懇談会を開催いたしまして、あらゆる角度からこの問題を研究したつもりでございます。先ずこのテレビジヨンというものは独占企業がいいのか悪いのか、そういう問題を先ず取上げて研究いたしました。仮に独占企業としてやる場合には、現在の日本放送協会というような形態のものを用意したり利用したほうがいいのか、或いは民間企業を利用したらいいのか、或いは又それとは全然別個な法律で以て作られるところの特殊法人的なものを考えたらいいのかという問題につきましても研究を重ねました。これらの研究の結果、一応電波監理委員会の懇談会における多数の意見といたしまして、これは正式の決定ではございませんが、多数の意見といたしましては、テレビジヨンにおきましても、その使用による大きな社会に対する影響力その他諸般の状況から考えまして、独占企業はよくないという大多数の考え方でございます。然らばどういう形でやるのがいいか、民営の競争事業にするか、或いは現在のラジオ放送のような公共企業と民営企業との両立がいいかということになるわけでありますが、これはやはり大多数の意見と申しまするよりは、金員の考え方として見られるところを申しますれば、これは公営企業と民営企業の両建がいいという考え方になつておると思つております。只今申上げましたように、これらは最近委員会といたしまして、いろいろ論議しておりますが、最後の結論はあらゆる角度から研究した総合結果を持寄つて最後的に結論を出そうという考えの下に、目下まだその道程でございます。従つて委員会の公式な結論とは申されないのでありますが、大体考え方としてはそういう方向に向いておるということを御了承願いたいと思います。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 で、実際このテレビジヨンの放送をやる場合に、殊に日本は初めてこれをやる、その場合に、現在欧米におきましても大体テレビジヨンをやつておるものはラジオをやつておるものがテレビジヨンをやつておるわけです。殊にアメリカのように、今日六つの大きなテレビジヨンの会社を作つて、これは皆ラジオを兼営しておるわけです。これはやはり経営形態をどうするかということに関連して、テレビジヨンのスタートはテレビジヨン・オンリーでやるのが経営形態として健全かどうか。それからこれはアメリカの実際例を見ましてもテレビジヨンが普及したら映画劇場なんか非常に不景気になつて来ます。もう弊害が非常に多い、そういう点から見ましてラジオと兼営するのが日本として経済的、又経営者にしてもいいと、こういう見方があるのではないかと思いますが、こういう点について今日まで研究せられた結論だけでよろしいのでございますからお伺いしたいと思います。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) 現在私どもの手許には、最初からテレビジヨンだけで出発しようという申請と、ラジオをやつておる企業体がテレビジヨンを議営しようという申請と二つ出ております。その二つの問題につきまして、テレビジヨンを実施するのはどちらの行うがやりやすいだろうかというようなこと、或いは又どちらのほうがより合理的であるかというようなことにつきましては目下論議の最中であります。まだ結論が出ておりません。従つて両方の意見があるということを申上げでおきます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 それからもう一つは、これは前に委員会において何遍も新谷委員から特に強調されておつたのでありますが、実際このテレビジヨンの実施については先ずレシーバーの問題、それからもつと重要なことはオペレーター、エンジニアーというものが一体日本においてすぐスタートし得るほどのスタツフが作れるかどうか。これは素人が見ても、一体このテレビジヨンという特殊の電波に対するエンジニアーというものがない、オペレーシヨンの経験がないのです。そういうものはとても半年や十ヵ月ではできない。外国人を連れて来ればいいではないか、併しこれは外国人を三人や五人連れて来ても、一テレビジヨンの放送というものは容易にできるものではない。その点においてもやはり一年以上の日子はかかる。安かろう悪かろうじやいけない。殊にそういう見地から見まして、殊に貧弱なテレビジヨンの技術、こういうものが非常に貧困な場合において免許する、そうして一年か十ヵ月の後において実施するという場合に、これはやはり重要なフアクターになると思うのです。で、こういうことに対してはやはり経営形態というものの関係から、実際容易にやれる、而も安全にやり得る、それから視聴者に対して極めていいサービスをなし得る、こういうことの要素もお考えになつておるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) 勿論そういう点も考慮に入れましていろいろ研究しておるつもりでございます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 非常に御簡単な御答弁ですが、これは重要なことなんですから、まあ十分お考えになつていることだろうと思う。で免許の前提としてやはりそういう意味を相当愼重にお考えにならんと、いわゆる日本が植民地化するとか、或いは拙速で安かろう悪かろうということになつて折角スタートしたラジオもサービスの質が非常に悪い。こういうことから見ても私は相当愼重にお考えになるべきではないかと思う。これはこの問題についてはもうこれ以上追及いたしません。十分お考えになつているようでありますから申上げませんが、もう一つはこの民間放送の申請者が経営の方針として、将来の事業としてマイクロ・ウエイブ中継の事業をやる、それに附随してはフアクシミリ、或いはテレタイプの放送もやる、こういうことが申請科目に入つておりますね、テレビジヨンの免許ということについてこういう附随した重要な事業までこれはテレビジヨン放送の免許の対象としてお考えになつているかどうか、この点を……。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) そういう計画を持つている向もあるということは世間に流布されておりますが、私どもの手許に出ている申請に関する限りそういうものはございません。従つてお且つそういうような企画をもつているかどうかにつきまして、そういう企画もあるのだというような回答は得心れておらないのであります。と申しますのは、幸い各申請者に来て頂きましていろいろ申請の内容将来の計画その他につきましてお伺いしたのでありまするが、そういうような計画はあるいうことは聞いておりません。これから先はどうなるか知りませんけれども、併しこれらの問題につきましては電波監理委員会といたしましていろいろ論議が交されております。このラジオ或いはテレビというものが非常に大きな影響力を持つということからしまして、日本放送協会のような特殊法人は別といたしまして、その他のものにおきましては全国的な非常に強力な独占的形態になることはこれは好ましくないという意見も我々の間には出ております。我々はそういう点は独占禁止法の建前、そういうものも十分考慮に入れまして考えているつもりでございます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 これは委員長が今ただ世間の流説としてということをおつしやつていますが、現在具体的に言えば、日本テレビジヨン放送網株式会社三十四ページ「将来の事業予定その他経営の方針」としてはつきりとマイクロウエイブの中継を利用してフアクシミリ放送、テレタイプ放送等も行う予定であるというようなことを申請書の中に謳つてあります。ですからこれを電波監理委員会が審議の過程で関知しないということは許されない。これを御覧になつているに違いない。ですから私が申上げたのは、そういつたような場合に、殊に将来の日本の電信電話の中核になるべきマイクロウエイブの中継というものを一私有会社においてやるべき性質のものではないということを再三申上げている、この委員会で……。ですからこの免許の申請に対して、将来の経営方針としてあなたのほうへ申請を出している、そういうポリシイが将来の日本の電波行政としてこういうことを許さるべきものと考えているかどうかということを御質問申上げた。いまあなたの回答によればそういうふうなものが一特殊会社の独占になることはいけない、私はそのようにおつしやつたものと思います。さように理解してよろしうございますか。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) 私どもはその申請書を調べまして、これはただ単に申請者の希望であるというふうに了解しているのであります。勿論それに対する申請書が出て来ているのでも何でもございません。併しながら委員会としましては、そういう問題については只今申上げましたような意見が委員会として出ておつたということを申上げた次第であります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 余り長くなりますからこれで……。最後に私はお伺いしたいことは、最初に委員長が言つていますように、テレビジヨンを今開始するかどうかということも、これは非常に重要なことであるとおつしやつたが、これは尤もなことであります。それからたとえもうこれを実施し得る時期だということになりましても、資金面というものが非常にむずかしいのじやないか。例えば電信電話公社にいたしましても今年度はいわゆる政府予算でやる、来年度から資金計画、いろいろ我我が修正して、資金の容易に獲得できるような方法に修正いたしましたけれども、それでもむずかしい。日銀の政策委員長から聞くと、もう五億の金を得るということは、今日民間会社ではオーバー・ローンで以てできにないのだということを言つている。これは若し一つか或いは二つかのテレビジヨン放送が実施されるということになると、この事業が吸収しなければならない資金は厖大なものである、常識的に考えても……。ですからこれらのかたから申請しておる一、二の重要な申請者の資金の性格等を見ても、これはもう数億の金が要るわけである。併しこれを私は見てまだまだ非常に安易な計画であると私は思う。実際もつと金が要る、でこういつたような資金面からこの免許をしたし、併し資金はどうもこうもいかない。従つて非常に安上りに一申請者に有利に、四億ばかりの、三億何ぼの金でできるというこの政策を見ても、アメリカのこの計画書のたとえその五分の一に見てもまだこれは粗末なものではないか。こういう点から見て、将来このフアクシミリの、テレビジヨン放送というものは立派なものからスタートしなければいかない。併しそれにしても今日の現状からそういいことはできない、併しそうちやちなものでもいかない。これは今日二、三の重要なと思われる点を見ても、極めて楽観的な項目を挙げておる。でそれにしても相当経費が要る。この資金面についてはどの程度まで免許についてお考えになつておるか。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) このテレビジヨンの実施に当りまして資金の問題は一番重要な問題だと私どもは考えておる次第であります。先ほど技術の問題もございましたが、技術の問題はこれはテレビジヨン技術者は必ずしも日本には多くはないのでありますが、無線の技術者は相当おりまして無線の技術者を養成いたしますればテレビジヨンの機械も操作はそうむずかしいことはなかろうかとやはり考えております。併しながら資金の問題は御承知のように只今お説のように現在の我が国といたしまして非常に逼迫しておるのでありましてこの点委員会として最も愼重に研究して行くでございまするが、申請者のおのおのについて事情は違いますが、中には相当確実に資金が集め得るのではないかというように諸般の調査の結果考えられるものもあるわけであります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 私はこれでいいです。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 山田委員の御質問との関連でもう少しお尋ねしたいのですが、先般申上げておきましたが私かねて資料として要求しておりますテレビジヨン実施に必要な電波監理委員会及び関係官庁の準備措置ですね。準備措置について現在どこまで進んでおるかということを書いて出して頂きたいということを要求しておつたのですが、今日はお出し願いますか。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) その点はこの前も申上げましたように、準備措置として私ども特に協力して頂かなければならないのは、通産省関係だと思います。通産省とは随分早くからいろいろ連絡をとつておりますし、通産省のほうもテレビの実施に関しましてはいろいろ施策を進めておられます。一応私私どもは通産省から伺つたものの大要を印刷してございますので、お手許に差上げられると思います。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 通産省関係のはそれでは資料によつて拝見いたしますが、山田委員も言われましたが、私もテレビジヨン実施のためには単にどの申請者に許すかどうか。どうしたらテレビジヨンというものが実現されるかどうかということではなく、正常な健全な状態において国民がテレビジヨン受像機を持ち、そうしてテレビジヨンらしいテレビジヨンを放送するというような段階であるとか、そこに至るにはどうしたらいいかということを言つておるのであります。従つて山田委員の言われたように、これは施設のほうもそうでありますけれども、受像機を造るメーカーのほうでも、或いは国民のほうでも、相当に資金が要ると思うのです。これは先般公式の会議のあとで懇談的にお話になつたときには、テレビジヨン資金は大した資金じやないから、大蔵省はそれは何でもないということを言つたということを委員長からお話しになつておりました。先ほど伺うと、それは資金問題は、非常に重大だというようなお話があつたので大蔵省の関係ではどういうふうになつておりますか。これができないと如何に電波監理委員会が早急に実施したいという要求をお持ちになつても、現実にはできない。殊に受像機を国内で生産して行こうというのには、通信工業会からも書類が出ておりましたが、年間五万台程度のテレビジヨン受像機を国産で造つて行くというための暫定的な設備資金としてでも、約二十億の設備資金を要するのであろうというようなことも言われておるのであります。こういつた資金は、比較的容易に大蔵省は斡旋し、協力をしてくれるのかどうか、電波監理委員会はその点まで配慮しておられるのかどうか、これらの点についても伺いたいのです。それから先ほど山田委員からもお尋ねがありましたが、技術者の問題ですね、これなんかについても文部省との関係において、今後どの程度に早く、それから又どのくらいの人数のテレビジヨン関係の技術者を日本は持たなければならんかというようなことも併わせて考えないと、テレビジヨンの実現は底にぶつかつてしまうということも考えられるのです。それを考慮してという簡単なお答えがあつたわけでありますけれども、これは実現する場合には、極めて重要な根本問題だと私は思うのです。  それから更に受像機を国産で作つて行こうという場合に、これは受像機の問題は再三申上げたから繰返しませんが、全部外国から入れるんだというようなお考えだと、これは困ると思うんですが、恐らくそういうお考えじやありますまい。そうなると国産で造つて行かなければならん。国産で造つて行くのには、度々私申上げたのですが、特許権の問題は今どの程度になつておりますか。日本で国民が持つても、あとで後悔しないような程度の受像機ができる段階に特許権の問題も進展しておりますかどうか。それによつても受像機の寿命とか、或いは絵の質とか、或いは値段とかいうものに影響を持つわけなんです。私こういうことを言うのは、公共企業体であるとか、或いは商業放送であるとか、経営体の問題もありますけれども、それよりももつと重大なことは、国民全体が受像機を持つて、テレビによる文化といいますか、そういう方面の教養も受け、楽しみを持つということが大事な問題、国民全体の問題なんですね。そういう点から、国民には成るべく安い国産の受像機を普及して行くというのが大前提だと思つております。そういう見地から言つて、今の電波監理委員会の施策は、どの辺まで進んでおるか、どういうふうな措置をとつておるかということもお伺いしたいのです。というのは、先般電波法の一部改正案のときに、あなたが御説明になつたように、電波庁としては技術的な指導をやるのだが、形式承認のようなことは電波庁もやるんだというような意味のことを言われましたが、テレビの受像機のことに関しては、形式承認のようなことをおやりになるだろうと思います。そういう前提で考えると、電波監理委員会は受像機の生産という面についても、技術的には実に重大な責任を持つておられるので、これらの点を一つ簡単で結構ですから、ただ考えますとか、研究中ですとか言わずに、今のあなたがたの進んでおられる段階を明らかにして頂きたい。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) 資金の問題に関しましては、これはテレビジヨン放送局を建設するための資金と、それから又受像機を製造するための資金等、いろいろございまするが、先ず第一に放送局を建設するための資金、これは東京一局といたしまして、約五億近い金が要るわけでありまするが、こういう金についての大蔵省の見解は、およそどうだろうということにつきましては、三月下旬に大蔵省の見解を尋ねたことがあるのでありまするが、テレビジヨンのためにそのくらいの資金を集められることは、大蔵省としても反対ではないし、又支障がないものと考えられるという回答がございましたので、私どもは安心した次第であります。それから受像機の問題に関しましては、御承知のようにその製造につきましては電波監理委員会は権限はございません。これはひとえに通産省の権限に属しておるものでございますから、私どもといたしまして通産省にお願いし、又通産省の意向を伺つて、いろいろ施策を進めておるのでありまするが、通産省としては、むしろテレビジヨン放送の免許をするかしないかということを早くきめてもらいたい。免許をするということでありまするならば、それに対応する器機の生産の問題、或いは場合によりましては必要な機械の輸入の問題、そういう問題につきまして、あらゆる努力と援助はするつもりであるということを言われておりますので、私どもはその通産省の努力と誠意に信頼しておるわけであります。なお細かい実際的な問題として連絡してやつておるものもございまするが、権限から言いましても或いは行政機構の上から言いましても、これは通産省が中心でございまするので、私どもは通産省にお願いしておる次第であります。  なお、技術者の養成の問題につきましては、勿論学校教育はむしろ基礎的な教育といたしましては、現在の各大学の電気工学科、或いは通信工学科、或いは高等学校におけるその方面の専門の分野におきまして行われておるところでそう大した支障はないものと考えておりまするが、問題は応用方面或いは実際面における技術者の養成であるかと思います。これらに関しましては、電気通信大学或いは又その他の養成機関というものも考えられますし、又いろいろなラジオ或いはテレビジヨン関係の団体がございまするが、そういう団体を利用して技術の講習をやつて行くというようなことも考えられるわけでありまして、これはテレビジヨン放送の実施と併行的に行うのがいいのではないかと考えるのであります。受信機の製造にいたしましても、こういう養成、教育方面にいたしましても先ず要求がなければなかなかそういう仕事は運びにくいのであります。ころでそういう要求は、やはり、テレビジヨンをやらせるということをきめませんと、なかなかそういう要求が出て来ないのでありまして、テレビジヨンをやるかやらないかわからないのに、そういう基礎的なことを先ずやるということもいろいろな困難に逢着しますので、私どもは両方相待つて併行的にやるのがいいのではないかと考えておる次第であります。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 両方併せてと言いますが、あなたが言われたように関係各庁が歩調を揃えないとできないのですね、私はむしろ歩調を合せておやりなさいということを前々から言つておるのです。その歩調を揃えるについて、今あなたから、例えば資金関係についてはテレビジヨンをやりたいという、つまり経営者の立場から要求しておる資金は五億くらいだろう、従つてそのくらいのものは今大した問題じやないだろう、こういうような大蔵省の話だ。これもそれでいいでしよう。ところが関係官庁のほうでやつておる準備措置ですな。それが問題なんですな。非常に資金を要すると思うのです。受像機関係においてですよ。而もメーカー方面だけでもこれははつきりしておるのは、先ほど申上げたように二十億くらいのものはすぐ要るだろうということを言つておるのですね。通産省のほうでそれは引受けておるのだ、それは必ず実行できるものだということであれば、政府としては歩調が揃つて進んで行くだろうという見通しがついて我々も安心するのです。ところがあなたのほうで仮に施設者だけを考えて五億くらいのものを政府として用意すれば、どんどん実現できるのだという前提で物をお考えになつても、大蔵省や通産省がそれに従つて動かなければ、これは問題にならないのですね。そこのところを十分歩調を揃えておやりなさいということを申上げているのです。通産省のほうは設備資金なんかについては大体見通しをつけておるかどうか。  それから受像機の先ほど申上げたような特許の問題とか、その他についても通産省は今あなたがたが希望せられるように早急に実現させようということで大体の話をつけておるのかどうか。その点最後にもう少しはつきり聞かして頂きたい。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) 放送の実施に際しましては勿論それを受ける方面のことを考慮しないで送るばかりのことを考えるということはできないわけであります。従つて私どもがテレビジヨンの免許をするかしないかということにつきまして、果して日本でどの程度受像機が普及するのかということにつきましていろいろな角度から研究をし、又資料も集めております。それには先ず国民の購買力の問題、それからどういう階級にテレビジヨンが先ず普及するだろうかというような問題、それからそれに対応する日本の製造能力と申しますか、供給能力はどうであるかというような問題、各方面からこれらの問題は総合的に考えなければならないのであります。私どもが調べたところでは、先ず初年度において二万台というのが、勿論二万台というのは一部市であります。東京にとりますと、東京において初年度二万台前後というのが購入する方面の力と申しますか、購買力方面からの算定並びに供給するほう、これにはメーカーが生産するものと若干の輸入が見込まれておりますが、そういうものと併せ考えましてその程度の数量が大体落着き先じやないか、妥当なところではないかというふうに考えられます。初年度二万台ということにつきましては、通産省も大体同じ考えを持つておりまして、日本のメーカーにおきまして若干の輸入を引いた、少くともそれに近い数字のものを初年度において産出するようにいろいろメーカーに対する指導或いは協力援助ということをやつておる次第でありまして、私どもは大体そういう見通しは達成できるのではないかと考えておる次第でございます。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 最後に一言だけ申上げておきます。私は受像機の関係はこれは国民の中に相当将来は普及されるという前提で考えなければならん。従つて相当普及されるということであれば、どうしても受像機は国産で行かなければならない。これは大前提だと私は考えております。受像機が国産でできるという前提ですべての施策を考えて行かなければならん。而もそれは安いもので日本のあなたが言われたような国民生活に適合するような程度のものでなければならんということです。そういう意味ではお考えの点は私もわかりましたが、その方針であらゆる関係の施策を進めてもらいたい。そのためには特許料の問題とか、技術者の問題とか、なお今日未解決のまま交渉過程にある問題がたくさんあると思います。そういう点を歩調を揃えて順次に解決して行かないと実現はできないのです。でありますから、たとえ三ヵ月や半年実施が遅れるにいたしましても、私は早いほうがいいとは思うけれども、そういう点に間違いのないように先年来私が申上げておるように慎重に考えて早く日本国民がなるべく安くいいテレビジヨンが見られるということのためにあらゆる努力をして頂きたい。こういう希望を今日は申上げるにとどめておきます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 時間も時間ですから、この程度にして頂きたいのですが、別の問題でございますが、国会法の改正が成立して通信委員会ができるとなりますと、そのほうの関係で継続調査或いは地方への議員派遣等が起つて来る場合に、この委員会が決せられたことを有効としてやるように議運のほうに諮ることにきめておかなければならんわけなんですから、何かここでそういう事務的なことを諮つておかないと、散会するとやはり全部終りになつてしまいますから、念のため申し添えておきます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 網島委員長、この放送法テレビジヨンの免許をする場合に、若し公共、民間放送両方で行くという場合、現在の放送法が五十九箇条のうち五十条が日本放送協会に関するもので、民間放送については五十一条の一ヵ条しかないわけです。そうしますと若し万一テレビジヨンを公共、民間という二本建にした場合、これだけの放送法でいいかどうか。日本放送協会に関する第七条以下の全部五十九条に至るまでの協会に関するものが民間のテレビジヨンの事業にも適用されるということは、これはちよつと私は法理的にどうであろうかと思うのでありますが、問題はこのテレビジヨンで若し公共、民間放送となつた場合に、現在の放送法でいいのかどうか、これで実際に適用するのにさして不便がないかどうか。そういつた場合には別個に法的措置を講ずる必要がないか、この点をお伺いしておきたい。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) その点は委員会といたしまていろいろ研究とし又デスカツシヨンをしたのでありますが、日本放送協会以外の即ち民間テレビが行われます前に最も考慮しなければならないのは、いわゆるその番組がどうなるかという問題がその一つであります。現在放送法の第四十四条に番組の編集の問題がございます。ここに四つばかり法律で以て番組の編集はこうしなければならないということになつておりますが、これが放送協会並びに一般民間の放送事業経営者に適用されておるわけであります。ところでテレビジヨンの放送が始まつたときに、この程度の番組の編集の規則でいいかどうかということが先ず問題になるわけであります。私どもいろいろ研究した結果これは抽象的な方向になりますが、大体テレビジヨンにおいても必要な面をカバーしておるという見解であります。これ以上細かいことを書き立てることはなかなか困難でございまして、これも四つの条項をうまく運用して行けば、十分目的を達成できるのじやないかという見解に立つております。それ以外の面は、これは民間企業でございまするので、できるだけ自由にやらせるということがいいと思つております。従つて今のところ、放送法の改正を必要とするという面は考えておりません。

鈴木恭一自由党

○委員長(鈴木恭一君) それでは本日はこの程度にて散会いたします。    午後零時二十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗