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13回国会参議院1952/03/14

電気通信委員会 第13号

発言数
45
登壇者
9
会派数
3
開催日
1952/03/14

会議録

鈴木恭一自由党

○委員長(鈴木恭一君) これより会議を開きます。  放送法第三十七條第二項の規定に基き、国会の承認を求める件を議題といたします。本件につきましては、先に電波監理委員会委員長から説明がございましたので、質疑に移るわけでございますが、参考人として古垣放送協会会長もお見えになつておりますので、この際日本放送協会の事業に対する構想、或いはこれは経営委員会のほうに属するかも知れませんが、会長としてのお考えを承わりまして、私ども来年度予算に対する審議の参考にしたいと存じます。日本放送協会会長古垣鉄郎君。

古垣鉄郎日本放送協会会長

○参考人(古垣鉄郎君) 御質問にお答え申上げます前に、一言御挨拶を述べさして頂きたいと思います。先ほど来日本放送協会の決算並びに予算等につきまして、本委員会におきまして御審議を頂いておりますことを厚く御礼を申上げます。私どもはこの委員会におきまして披瀝されましたところの御意見なり、御趣旨なりにつきましては、これを十分尊重いたしまして実行の面に反映して参りたいと存じております。  さて只今予算編成についての基本的な方針、又予算構成について述べよというお尋ねと存じます。端的に申上げまして、予算の編成の基本方針といたしましては、その主眼を放送番組の充実と、他方放送施設の拡充整備ということに主眼を置きましたのでございますが、ところが昭和二十七年度の予算編成に当りましては、二十六年度中にすでに電力とか、通信とか、鉄道、ガス、水道などの各種公定料金の値上りがございます、又これに伴いまして、一般物価の騰貴がございました。従いまして現在の社会経済情勢より見ますれば、二十五年度以来据置になつておりますところの職員の給与につきましても、できる限り一般の水準まで改善を要するものと考えるのでありますが、これらをそのまま予算に計上いたしますことは現行の受信料単価を以ていたしましては、到底収支相償わない状態となりますことは勿論でございます。他方受信料につきましてはこの二十七年度は丁度前年度において受信料の改訂値上げを行いましたばかりであります。でございますから、この際は聴取者に更に一層の負担をかけるような受信料の改訂を避けまして、極力事務の合理化、能率化、技術の改善ということに努力いたしまして、経費の膨脹を抑制いたしますると共に、他方でこれによる業務内容の低下を防ぎますと兵に、更に積極的に事業計画の遂行のために予算の運用の処置を考えまして、そうして初めに申上げましたような基本方針、即ち講和後の日本の立場と、国際情勢を正しく把握いたしまして、公共放送の使命を達成いたしますために、放送番組の充実と、又他方放送施設の拡充整備ということを実現いたすごとといたしたのであります。  次に予算構成といたしましては、先ず第一に新たに国際放送、選挙放送及び連合軍関係放送の経費を収支それぞれに計上いたしまして、協会の業務内容の総括的な予算表示をいたしました次第でございます。第二に予算収支の総体につきましては事業収支の差を以て資本収支の不足及び予備金に充当いたしまして総収入の均衡を図ることといたしました。第三には予算構成の内容についてでございますが、その重要な点といたしまして資本支出の中の建設費は資金調達可能の限度にとどめることといたしまして中継放送局の新設、第二放送設備、演奏設備の充実、それから老朽機器の改善、老朽放送施設の改修等の諸計画の執行を図ることといたしました。又諸返還金は事業収支の状況に鑑みましてその一部を借替償還によるごとといたした次第でございます。次に事業支出におきましては人件費は予算編成上可能な限度と考えられます一八%の給与水準の引上げを見込みまして、又業務の増嵩に伴いますところの止むを得ない増員分といたしまして技術及び加入に関する現業要員の百二十六名の増員を見込みましただけでございます。次に番組関係の経費といたしましては、従来の業務内容を維持し、更に放送番組全般に亘りますところの質的充実、この質的充実ということを図りますために国際知識の普及徹底、青少年教育放送、報道放送及び健全明朗な娯楽放送の充実ということに重点を置きました。又技術研究関係におきましては放送技術水準の向上のために受信機改善、超短波技術、テレビジヨン技術、それから音響などの基礎的及び実用的研究に重点を置き、その成果達成に努めることといたしたのでございます。減価償却費につきましては、社会経済情勢の変動による人件費、物件費の変動に対しまして受信料の増額ばかりでは到底対応することができませんので、止むを得ざる措置といたしまして償却率を七五%にとどめた次第でございます。以上申上げました以外の技術研究費、購入費等の諸経費につきましては必要な現業経費にとどめた次第でございます。最後に予備金でございますか、前年度におきましては経済情勢の変動、技術研究経費の増加、その他予定しがたい予算の不足という点を予期しておりましたが、本二十七年度におきましては予算編成から見ましても前年度の例に準じまして相当多額の予備金を計上いたしますことは極めて困難であります。又他方経済情勢につきましても前年度のような激変は一応考えられませんし、又先ほど申述べましたように給与水準の改善も予算に計上いたしました。又技術研究の経費につきましても或る程度の増額を図りました次第でございますので、予算編成上可能な範囲といたしまして昨年度の三分の一、即ち五千万円を計上した次第でございます。以上申述べました予算構成を維持し、又社会経済情勢の変動に対応いたしまして事業計画の遂行に当りますために予算執行上の総則の規定の中に予算の流用、予算の繰越し使用、収入が予算を超過した場合の使用、収支剰余金の使用等に関しまするところの弾力條項を設けまして、機動性を極めて必要といたしますこの放送事業の特質に副つた業務運営の万全を期している次第でございます。

鈴木恭一自由党

○委員長(鈴木恭一君) 御質疑がございましたら……。

大島定吉自由党

○大島定吉君 予算の編成方針、構成内容につきましては只今の御説明でおおむね了承いたしましたが、一点お尋ねしたいことは、事業の基礎とも言うべき受信料の収入についてでありますが、この点は前回決算審議の際にも岡部参考人に私からお尋ねいたしましたが、この予算に訂正されております受信料収入に対する見通しは増加するようになつておりますが、何らかの事情で収入が減らないとも限らないと思いますが、若し激減したような場合にはこれに対するどういつた措置を考えておられますか。会長から御説明願いたい。

古垣鉄郎日本放送協会会長

○参考人(古垣鉄郎君) 受信料収入の見通しについてのお尋ねと存じますが、この受信料収入の算定の基礎となりますところの受信契約者の見込といたしましてはいろいろの調査資料と、又長い間の過去の実績等によりまして二十七年度中の新規契約者を百十万、廃止契約者の数を六十五万と見まして差引き純増四十五万と予算の中へ組みました次第でございます。これは我々といたしましては従来の実績と、それから受信機の生産台数などに鑑みまして大体達成可能なものと考えておる次第でございます。これによります受信料の収入につきましても同様予算通り確保できるものと考えておる次第でございます。併しながら只今もお尋ねがございましたが、予定し得ないような社会経済情勢の変動、或いはその他の理由等によりましてこの収入を達成し得ないような場合の予算の措置という点につきまして申上げますると、この収入減が一時的な原因でありまして将来回復し得るものであるというように見通される場合におきましては短期資金の借入によりましてこれを賄うことといたしたいと存じます。併しながら長期に亘りましてこの収入減の状態が継続いたしまして、この収入減の状態が恒久的なものとなり、収入予算を確保できないということが将来ともほぼ確定的であるというような状態となるようなことが若しありました場合には職員の給与のような義務的な支出は勿論これを維持しなければなりませんが、その他の一般経費につきましてはできるだけこれを圧縮いたしまして、この事態に対応しなければならないと考えております。併しながらこの収入減、恒久的な収入減の状態によりまして業務内容そのものが著しく低下するというような状態に入りました際には、これは許すことができない、放置することができない状態と考えますので、かかる際には受信料の改訂も止むを得ないものと考えております。そういうような際には改めて補正予算を提出いたしまして御承認を得なければならないかと考えておる次第でございます。

大島定吉自由党

○大島定吉君 次は国際放送についてお伺いいたしますが、予算としては五千八百万円程度しか計上されておらないのでありますが、講和後の日本の国際的立場という点から見ますと、国際放送はこの程度の規模、範囲で協会として満足しておるかどうか。又この経費の一部が政府の交付金以外の協会の収入を以て支弁されておる点などから見まして国際放送の将来について協会としてどういう構想を持つておるか。会長の御所見をお伺いしたいと思います。

古垣鉄郎日本放送協会会長

○参考人(古垣鉄郎君) お答え申上げます。国際放送につきましては去る二月十日から再開することができましたことは誠に御同慶に堪えません。御承知の通り日本放送協会は電波監理委員会の命令によりまして、取りあえず五つの方向、毎日五時間ずつということで国際放送を実施いたしておるのでございます。この電波監理委員会からの命令書によりますれば、この放送番組は諸外国に我が国の実情を伝え、国の理解と支援によつて我が国の復興を進め、且つ文化の交流を図り、国際親善に寄与することを基本方針といたしまして日本放送協会において編集するということになつております。更に指示されました放送事項といたしましては、ニユース及び解説を放送すること、必要に応じて音楽その他を加えるものとするということになつております。又使用国語は日本語及び英語の二国語となつておりますが、これも必要によつてその他の国語をも使用することを妨げないということになつております。この国際放送を新らしく再び始めますに当りましては、曾つて戦争前及び戦争中の国際放送とはおのずからその趣を異にするものと考えまするので、放送番組の編成に当りましては努めて宣伝的色彩を避けまして新らしく生れました日本の実情を伝えるごとに努力いたしたいと考えております。それからもとより政府より交付されました予算が極めて切詰められております関係上、今回はこの新らしい国際放送を行いますに当りましても、簡素で且つ謙虚な外形と内容とで発足いたしたような次第であります。使用国語は差向き日本語と英語といたしましたのもそういう考え方からも出たのでございます。この放送の目的は前にも申上げました通り、国際親善を第一義といたしてはおりまするが、同時に海外に在留いたしております同胞、多数の同胞に対しましても故郷の便りと慰安とを送りまして、海外の同胞がよく新らしい日本を認識し、又よく我が同胞として海外において活動及び生活を営み得るようにというようなことに努めておるわけでございます。御参考までにこの放送の影響について申上げますと、三月八日現在、海外より百四十八通に及ぶ報告が参つております。その大半は北米より寄せられたものであまりすが、そのほかにハワイ、インドパキスタン、濠洲、ニユージーランド、マレー、フイリピン、タイ、インドネシヤ、南アフリカ、台湾、香港、沖縄というような多数の地域から報告が参つております。これによりますと一部を除きまして大部分の地域において良好に聴取されておるということが判明されております。報告に現われたとこによりますと、日本の放送に特に大きな関心を寄せておりますのは東南アジアの聴取者であるように感ぜられます。これらの諸地域に住む人々は、戦前日本人と交渉のあつた人々も多かつた故でありましようか、日本の戦後の国内事情について大変知りたがつておるようであります。それと共に日本の音楽、殊に日本の歌謡曲を聞きたいというような報告が多数参つております。それから北米その他の聴取者からの報告によりますと、日本の経済、産業、文化、生活、風俗、歴史等についてこの放送で知りたいというようなこと、又日本の音楽を聞きたいということはおしなべて共通しておりますが中には日本語を学びたいから日本語講座を開いて欲しいというような希望も相当参つております。以上の聴取者のうち在外同胞からの報告は今までのところ、三月八日までのところでは二十七通参つておりまして、比較的少いのでありますが、併しこれらは非常に国際放送の開始を歓迎いたしておりまして、今まで非常に困難しながら中継による国内放送を聞いていたけれども、これからは夜中に起きて苦心して聞く必要もなく、又非常によい番組を聞くことができて羽化登他の想ありなどというようなことも書いて参つております。いずれにしましてもこれら邦人にとりましては今回の国際放送が非常に日頃から飢えたものを与えられたというようなことと、又日本の声が外国に聞こえたということの肩身の広さといつたようなことについての喜びを伝えて参つております。  そのほか、以上は国外からの報告でございますが、国内における短波聴取者からの手紙も現在までに四百通ばかり参つております。その大部がやはり国際放送の開始を歓迎いたしまして、日本が電波の上で世界の仲間入りをした喜びを漏らしまして、これによりまして国内短波アマチユアは非常な力強さを覚えたというようなことを伝えて参つております。そうしてこれらの国内における短波聴取者の大部分は若い層の人たちでありますが、大体二十代の青年が非常に多いようでありますが、これらの人々は日本の国際放送の穏健な内容に敬意を表し日本の国際放送は飽くまでも公正で上品であつて欲しいというような希望をこの二十代の若い青年層から投書されておることが注目されるのであります。私どもはこれらの要望にはできるだけ副いたいと存じておりますが、何と申しましても現在実施しております国際放送は再開早々のことでございまして、各方面においていろいろと御不満のの点が多いことと存じます。私どもも決してこれで満足しておるわけではございません。併し今後現在のこのたとえ僅かな予算であるとはいえ、その枠内において皆様の御趣旨を体しまして最善を尽したいと思つております。  最後に御参考までにちよつとこの国際放送の規模について比較して見ますと、昭和十九年の十一月の戦時中におきまして我が国の国際放送の規模が最も拡充されたのでありますが、その折は送信方向は十五方向、送時間が三十四時間三十五分送信機運転時間が八十六時間五分、使用語が二十種となつておりました。今回の新らしく再開いたしました国際放送におきましては、送信方向は五方向、送信時間が五時間、送信機の運転時間が十時間、使用語が二種ということになつておりまして、非常に前と新らしい今回とでは差があるのであります。又これを英国のB・B・Cの国際放送が国の交付金約四十七億円を以て一日約百時間四十四ケ国語で行なつておるのに比べますと雲泥の差があるのであります。イギリスが財政的経済的な点で非常な困苦敏乏に当面しておりながらおなこのような巨額の交付金を出して世界第一と言われる規模におきまして国際放送を続けておりますのも畢竟この国際放送の重要性を十分認識しておるためであろうと考えられるのであります。又英国に次ぎましてアメリカとかソ連とかその他欧米諸国も近来とみに多額の費用を国が支出してこの国際放送に力を入れておりますことは御承知の通りでございます。新らしく独立いたしまして波荒き国際社会の中に仲間入りをしようといたしますこの我が日本といたしまして、この国際放送の使命は特に重く大なるものがあると存ぜられます。先ほど述べました規模における戦時中の国際放送の規模に漕ぎつけますためには、今日のこの予算に盛つてあります費用、先ほどお尋ねの額の七、八倍を必要とするかと存じます。日本放送協会は放送法の第九條によりまして国際放送を行うことを許されてはおりますが、一方国内の聴取者から集められました受信料を、国内の聴取者を目的としないこの国際放送のために廻しますことはおのずから一定の限度がありますので、これはどうしましてもこの国際放送の費用の少くともその大きな部分を国の交付金に仰がなければならないと存じます。この意味から将来この重要な国際放送を一層拡大し充実したものにいたしますために皆様の御尽力をこの機会にお願い申上げたいと存じます。

大島定吉自由党

○大島定吉君 これは会長からでなくても係の人からで結構ですが、十二国会のときに請願が採択されました共同聴取の受信料割引問題、これが一つと、それからここに未収入受信料が相当あると思いますが、それは全受信料に対する比率がどんな程度になつておるか、それが一つ。それから資金計画で放送債券の売行き、引受けと言いますか、この状況はどんなふうになつておるか。それから講和後におきます連合軍関係の放送はどんなふうになるか。その点お伺いしたいと思います。

岡部重信日本放送協会理事

○参考人(岡部重信君) ちよつと順序が変るかも知れませんが、連合軍関係放送につきましては、行政協定との関係におきますものと考えますので、或いは電波監理委員会からお答え願つたほうが適当じやないかと思います。未収入の受信料でございますが、本年度の二十七年度の予算におきましては、発生主義に基きまして一〇〇%受信料収入を計上いたした次第でございます。そうしまして他方事業支出におきまして未収受信料の缺損償却を二千万円と上げた次第でございます。これは従来の実績によりますと未収の受信料缺損金というのが大体その年度の聴取料収入の〇・三、四%に当るのでございます。その過去の実績によりまして二千万円を計上いたした次第でございます。逆に言いますと大体受信料の収入というものは九九・六乃至七%の受信料収入ということになるわけでございます。それから放送債券の売行きについてのお尋ねでございますが、昨年の二十六年度におきましては放送債券を五億円発行いたしました。御承知の通り協会の建設費を賄いまするのに増資という方法は基本金がございませんので、この方法にはよれませんし、長期借入金はこれ又なかなか困難な問題に目下なつております。それで放送債券によらざるを得ない実情になつておりますが、幸いに売行きにつきましては各金融機関、それから個人などの消化が極めていいのでありまして、従来この社債の個人消化というようなものは普通大体〇・五%くらいが個人消化なのでございます、協会の放送債券につきましては毎回一五%乃至二〇%の個人消化があるのでございましてこの債券を受信者のかたがたがかくも多額に引受けて頂くことについては、私どもとしては非常に感謝している次第なのでごいます。  それから共同聴取の関係でございますが、この共同聴取につきましては、いろいろ考え方もあると存じますが、協会といたしましてはこれを受信料収入というものの単一制を崩すということは収納事務に非常な経費を要しますので、単一料金で受信料というものについては考えて行きたい、併し共同聴取というものについて、特に無電燈地帯の受信者が受けますところの利便というものは多大なものがございますので、この共同聴取施設の聴取料金の収納につきまして、私どものほうで直接集金人の手を以てやつております区域につきましては、共同聴取施設者に集金の委託をお願いいたしまして、その手数料をお払いして幾分でもその負担の軽減を図つて行きたい。なおこの共同聴取につきまして御承知の通りいろいろ技術問題が絡んでおるのでございますが、かねがねこの技術の指導と申しましてはおこがましいかも知れませんが、施設の方式の指導をいたしまして、この施設の希望者に対しまして聴取者の分布の状態とか、地勢、環境、施設の利用方法等の條件を調査して最適の施設の方式をお伝えするというようなことをいたし、又親受信機と出力との関係の設計と申しますか、そういうことにつきましても御相談に乗り、それから親受信機と聴取者宅との電線路、これは申すまでもなく共同聴取施設の優劣の最重要点かと存じますが、それについて特別の御相談にあずかつております。それから特に共同聴取の御便宜のために、ラジオ共同聴取の指針というような印刷物も作りまして技術問題の御援助と申しますか、そういうことをいたしておる次第でございます。この前にも申上げましたように、この共同聴取についてどういうふうにするのが一番いいかということについては、皆さんの御意見も十分承わりまして最善の方法を私どもとしては措置いたしたいと、現在においてはかような、今申上げたような御援助と申しますか、御相談と言いますか、そういうことでこの共同聴取の援助をいたしておる次第でございます。

大島定吉自由党

○大島定吉君 あと一つ、放送法から言うと、投資、ここに資本支出の中に有価証券云々というのがありますが、この項目は削つてもいいんじやないかと思うのです。有価証券という項目でゼロにはなつておりますが、項目だけ置いてあるのはどういうわけで置いてあるのですか。それに事業計画の中に五カ所中継所を設けるようになつておりますが、五カ所はどことどこに中継所を設けられますか。実は私のほうにも岩手県のほうからラジオの聴取が不能な所があるから中継所を設けてくれというようなお話がありますが、この五カ所の中継所の設置の場所と、今申上げました有価証券の問題、二つだけ……、

岡部重信日本放送協会理事

○参考人(岡部重信君) 今のこの投資の予算款項目につきましては放送法施行細則でございますが、そのほうに関係するものでございますから、一応電波監理委員会のほうからお答え願つたほうが適当じやないかと思います。  中継放送所につきましては、現在電波による聴取状態はどういうふうになつておるかということを先ず申上げますと、〇・五ミリボルトというところを標準にして申上げます。これは御承知の通り高周波一段付受信機によるものでございます。二十六年度におきましては中継放送が全国の世帯の九五九カバーいたしております。第二放送は八八・六九カバーしておる次第でございます。二十七年度におきまして只今お尋ねの中継放送局の新設と既設局の第二放送施設の整備ということをいたしますれば、これと増力もございますが、第一放送が九六・八一%となります。第二が九一・六五%、これは世帯数にして申上げますと、第一のほうにおきましては十四万五千世帯カバー・レージに入るというわけでございます。第二につきましては四十九万入るというわけでございます。それでそういう観点から電波の感度の弱い所を来たすというわけでございますが、只今のところは、例えて申上げますと中継放送所五カ所というのでは、大体北海道の方面、それから福井県の小浜方面、そういう方面の〇・一ミリボルトの地域と申しますか、そういう方面に対して五局建設して行く。これは御承知の通り二十六年度におきましても五局建設いたした次第でありまして、大体二十七年度も、二十八年度も大体こういうふうな考え方で進んでいる次第でございます。

大島定吉自由党

○大島定吉君 只今御答弁のうちに、委員会から、監理委員会から説明したほうが適当だというふうな御答弁、二つばかりあつたようですから、委員会から御説明願います。

長谷愼一電波監理総局監理長官

○政府委員(長谷愼一君) 只今御質問の中で放送協会の資本支出の中で当時有価証券という欄が挙つているが、これは放送協会の性格上こういうものはおかしいのではないかというようなこと、或いは又ここにその挙つている数字等についての御質問でございますが、これは御案内のごとく日本放送協会が放送法によりまして従来の社団法人から現在のごとく生れ変つたわけでございますが、そのときに有価証券類を相当持つておりましたので、その移り変りのときの処理のために当時こういう項目を挙げないというと整理ができなかつたものですから、こういう項目を挙げておつたのですが、今後は若しも実際的にこういうものが要らなくなれば整理をしたいと考えております。なお当時御案内のように電話公債のようなものもありまして、電話を新設したいというときに電話公債を持たなければいかんというようなことも事情は変つておりますけれどもそういうような問題等もありまして、こういう項目も当時としましては必要と見たものでございますので項目を挙げて起きました。今後は将来のことも研究の上で適当に処理したいと考えております。もう一点は、連合軍関係の放送、或いは役務提供の関係の来年度の見通しの点のお尋ねだつたと存じますが、その問題はこの講和に伴いましてその内容がどのように変つて行くかということは只今のところまだ見極めがつかない状態でございますので、一応この予算は従来と同じ程度に役務提供なり、連合軍関係の放送の依頼があるものという見込で立てている次第でございます。なお若しもこの内容に増減がございますれば、予算、これはすべて実費によつて予算が計上されておりますので、予算額、収入と支出と両面で同額だけが増減されるという形になりますので、予算全体の実施上には支障はないものと考えている次第でございます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 この日本放送協会が昭和二十七年度の予算を編成するに当つて非常な特異性のあることはこれは御承知の通りであります。過去六年間この予算は占領軍政下にあつたという特殊の事情、それから主体的のほうから言えば今年から例の商業放送が開始された、それから二十七年度の予算中に或いは実現するかも知れないテレビジヨンの放送、それから平和條約発効後における日本が独立国としての放送のポリシイ、これは当然予算編成に当つて当事者は深く考慮になつて組まれたものであろうと思う。ところでその第一の昨年の秋以来開始された商業放送が漸次放送局の数も殖えて来る、こういう状態において例えば放送の一番重要な放送番組の問題についてでありますが、二十七年度においては放送番組の充実ということを非常に強調しておられるのでありますが、この商業放送と公共放送と並行して行く場合に勿論公共放送は形態が違うと同じようにその運営の方針が異なつているのは当然のことであります。我々が今まで過去民間放送の極めて短い期間でありますが、経験、その経験から見ろと商業放送と公共放送の番組が次第に相類似と言いますか、近似して来るのではないか、近くに似て来るのではないかという傾向がある。そうするとやはりこの公共放送としては、放送番組の充実ということについて、やはりどつかに一つの特異性を持つたウエイトをきめなければいかん。で、今度のこの予算に現われた、放送番組についてのいろいろ予算が出ておりますが、公共放送としての特異性を持たすプログラムの重点をどこに置くか、これは非常に重要じやないか。これが第一点。それから第二点は、民間放送、商業放送炉ますます局が殖えて来るということになれば、例えば収入上においても二十七年度において計上しておられる約五十九億円というものに対して、その理由として二十七年度は百十万加入者を殖やして、大体その年内には六十五万の廃止契約者と言いますか、聴取者がなくなる、差引き四十五万殖えるという推測を立てておられるのでありますが、これはNHKの最大な、最も重要な財源になつておるわけですが、この見通しが民間放送の極めて短い期間においてでありますが、日本放送協会の聴取者が減つた、或いは料金を払わないがために未聴取者となる、こういう傾向はますます強くなる思うので系、そういう観点に立つと、来年度の予算も約五十九億というものに対してかなり楽観的な見込を持つておられるのではないかと思うのですか、この点についてのNHKの見込、番組の御方針を承わりたい。

古垣鉄郎日本放送協会会長

○参考人(古垣鉄郎君) 只今の御質問の第一の点は、この昭和二十七年度においてはいろいろ事態が新らしく予想される、商業放送テレビジヨン、平和條約の発効というような新らしい大きな事態に対処して、公共企業体としてのNHKの番組はどこにウエイトを置くか、商業放送とNHKの放送との番組がだんだん近似して来るが、その近似をしながらも公共企業体としての日本放送協会は番組のウエイトをどこに置くかという御質問であるかと存じます。この予算にも書きました通り、国際知識の普及徹底、それから第二には青少年教育の放送、第三には報道放送、第四には健全明朗な娯楽放送。この四つが勿論公共企業体としての私どもの放送番組の四本の基本的な柱だと考えます。この四つを基本の柱として番組全体を編成するということ。これはいずれも国民全体の生活の上に放送でどうしてもやらなければならないことだと思いますが、特にこの二十七年度は、これは先ほど御指摘の通り非常に独特な時代でございます。従いましてこの四本の柱のうち私どもが二十七年度において更に重点をどこに置くかということにつきましては、講和條約の発効に伴いまして我が国はその自主独立と共に経済的な困難と、一面国際的な諸問題が再建の上に大きく浮び上つて参つているのでありますから、どうしても国家が直面いたしますこれらの諸問題の鮮明の上に大きな力とならなければならないと思つております。第一は青少年の教育、青少年のための教養番組ということ。第二には、国際知識の普及及び諸外国との文化の交換というような方面、更にはニユースや解説を通じまして、正しい社会のあり方についての把握に対して寄与したいというふうに考えております。青少年のための教養番組に力を注ぎたい。と申します理由はくどくと申上げる必要はないかと存じまするが、何と申しましても青少年は次の時代を背負つて立つ国民であります。殊に日本の青少年はこの大戦の結果、諸外国の青少年よりも更に気の毒な立場にありますから、何としても公共放送企業体としまして私どもはこの青少年に対してできるだけのことをしたいと考えるのであります。これらの青少年の中には学校教育を受けられない者や、又更に高い課程の学問を希望する社会人としての青少年が誠に多いのであります。これらの働きつつ学ぶ人々のために青少年の時間又は若い農民といつた具体的な職業教育講座を拡充編成いたしまして、家庭で勉強のできるような便宜を図りたいと考えております。これは更に社会人として文化面に恵まれることの比較的に薄い婦人層とか、或いは農村を対象といたしました教養番組の拡充にも努めたいと考えております。  次に国際知識の涵養につきましては、これも更に附加えるところは少いと思いますが、新らしく独立を獲得して再発足いたします際におきまして特に大切なことと考えますので、外国の通信社と連絡をいたし、又海外に特派員を派遣いたし、ニユースを広汎な地域から収集いたしまして、これに必要な解説を加える、そのほか海外事情の紹介のために海外の話題とか海外通信とか、或いはアメリカ便りといつたような番組を組んでいろのであります。ここに国際知識と申しましてもこれは単なる知識ではなくして、文化と申しましようか、宗教、哲学その他教養方面の教養に関するものを包含して、日本の国民が単に日本の文化だけに頼らないで、広く世界の文化を吸収して一層立派な国民に育つて行くということを念願するのであります。そういう意味から新年度におきましては、外国の著名な芸能人、芸術家なども紹介し、交換放送も盛んに行いまして、外国の放送文化を日本に取入れ、同時に日本の文化も放送によりまして諸外国に放送して日本の文化の紹介にも資したいというふうに考えております。更に国内の諸問題にいたしましても、ニユース面は記者の増員と通信施設の増設を図りまして、迅速確実な二ユースと、平明なる解説によつて、正しい社会の現状を伝えることができますように着々準備をいたしておる次第でございます。更に以上の実施に当りましても常に世論の動向を調査し、科学的な方法で世論の動向を調査いたしまして又部外の知識と協力を得まして片寄らない公共放送であるように万全を期しておるのであります。  第二の御質問の点はこの商業放送局が殖えて来て、そうしていろいろ聴取者が減る場合、或いは料金を払わないで、結果として減るというようなことはないか、というような御質問でございます。只今までのところはそういつたような傾向は殆んど見られませんが、そういうようなことが若し起りました場合につきましても十分研究をいたしております。又先ほど大島委員の御質問のときにもその点に触れたかと存じまするが、聴取者の見込等につきましては担当の岡部理事から一層詳しく御答弁いたしたいと思います。

岡部重信日本放送協会理事

○参考人(岡部重信君) 御承知かとは思いますが、只今聴取者の増加見込につきまして現在どんなふうに普及率が行つているか、又来年度に新らしく殖えますところの受信者に見合うところの受信機はどういうふうになつているかというような点、それから過去の統計から見て、どういうような推計ができるかというような点から一応御参考までに申上げて見ますと、本年の二月末におきまするところの全国の普及率は五八・二%即ち百世帯のうち五八・二%が受信者となつております。府県の最高といたしましては、東京都、愛知県あたりが高位でありまして、東京都は二十六年の十一月末におきまして七三・六%でございます。愛知県は七三・九%でございます。これを今度逆のほうから見まして契約してない世帯数はどのくらいあるかと言いますと、大体二十七年度の初頭において約七百十万あるであろうと考えますが、過去の実績におきましてはこの未契約者が受信者になる率というものは一五%ぐらいが過去の実績でございます。それによりまして見ましてこの百十万という契約数が一応算定をされます。それから受信機のほうでございますが、これは御承知の通り受信機の生産は月産五万でございます。来年度、二十七年度におきましては年間六十万を超過するものと考えます。それからこのほかに今聞かずにおろ受信機というようなもの、自作……自分で作る受信機、そういう受信機がおよそ八十万台ある。それでまあ大体百四十万受信機があるというふうに見込んでおるわけでございます。それでこの百四十万の受信機について、加入統計から推算しますと、そのうち二二%に当ります約三十万程度が取替用として使用されます。残り百十万が新らしい契約の対象となるというような推定をいたしておる次第でございます。廃止の数につきましては、これは大体実績におきまして年度初頭の聴取者の七%前後でございます。九百五十万が年度初頭と算定しておりまして、それの六・九%に当り六十五万というのを廃止者に見込んだわけでございます。それで、商業放送が開始されましてからどうかというようなお尋ねでございますが、聴取者の増加につきましては、従来の月別のカーヴというものと、現在までの新たなる開始後のカーヴというものの変更はまだ現われておらないわけでございます。それから廃止につきましても同様、従来の大体カーヴで動いておるようなわけでございます。  今度はその受信料の収入のほうの問題でございますが、只今まで判明しておるところでは、これも大した変更はございません。数学的に補足いたしますと、御承知の通り受信料を頂戴するのは三月一括して頂戴しているわけでございます。それで二十五年度の第一期、四、五、六になりますが、第一期と、二十六年度の第一期、これはまあ問題は起らないはずでございますが、御参考までに申上げますと、二十五年度が九九・三%で、二十六年度が九九二%の徴収率でございます。二期におきましては二十五年度が九九・八%で、二十六年度が九九八%、三期におきましては……これが結局十、十一、十二でございます。只今までに判明しておりますところでは、二十五年度が九六・二で二十六年度が九六・四というような統計を示しておるわけで……尤も先だつての委員会でも申上げました通り、商業放送の開始に伴いまして電波の発射は多くなりまして、そのために相当の範囲に亘りましてラジオを聞きにくいという区域、これにつきましては電波監理委員会のほうとも十分協力しまして、或いはモデル施設を作るなり、或いは誰にでもすぐ措置できるようなリーフレツトを作るなり、臨時に移動的な相談所を開設しましたりいたしまして、鋭意簡単な混信防止のできますように業者とも協力してその解決に当つたことは御承知の通りだと思いますが、そういうわけで、いわゆる何と言いますか、難聴地帯と言いますか、聞きにくい混信の多いという地域も殆んど全くと言つてもいいくらい解消いたすことができましたので、それらの範囲についての、我々がかねて心配しました収納率の影響というものはお蔭さんで只今のところそれほど大なる影響なしに済ましておるような次第ございます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 番組に対して、公共放送として、公共放送としての日本放送協会がどの点にウエイトを置くか…。今会長の述べられた点、これはまあ了承するのですが、この極めて短い民間放送の歴史を見まして、公共放送と民間放送とを比較検討をしてNHKがいいというのは何かと言えば、ニユースがいい。ニユースが最も信頼でき、而も非常に詳しいと、こういう点は確かにこのNHKの公共放送としての評判を非常によくしている私は原因じやないかと思うのです。そこでいよいよ今度商業放送と並行する公共放送になれば、今述べられたこの四点、これは最も私は基本的なものだと思いますが、殊にこのニユースの放送ということについては、私は特別の意を用いられることが公共放送としての特異性をますます発揮することになるんじやないか……。例えばAFRSが九時からサンフランシスコからの中継でニユースを十五分間やつております。これが非常に早口で、そのニユースに盛られたボリユームというものは、これは非常に超ウエイトです。例えば朝の七時、夕方の七時のNHKのニユースの放送、これはもう全国民が、これに対しては比較的多くの人が耳を傾けておるところだと思うのですが、そのボリユームと比べて、時間とニユースのアイテムのボリユームを見ますと非常にNHKのほうが少い。場合によつたら三分の一以下のボリユームである。そういうような点から見て、公共放送の最も信頼し、最も歓迎しておるニユースの面でエア・タイムをもう少し十分取るということを皆が望んでおるのではないかと、私はまあこういうふうに考えておるのですが、来年度、或いは今年度中からでも、こういう公共放送の最も国民に信頼されておる面を、今のニユースに割かれておる一日のエア・タイムというものを、殊にその中で朝七時、夕方の七時というものに対して、もう少しエア・タイムを活用するという、そういう御方針がないかどうか、お聞きしたい。

古垣鉄郎日本放送協会会長

○参考人(古垣鉄郎君) 只今大変有益な御意見を伺いまして、私のほうも至極同感でございまして、このニユースを回数、又各回数の時間を殖やすということを非常に希望いたしまして、その線に沿うようにしたいと思つてやつております。それからAFRSの英語のニユースと比較されましての御意見、その通りに存じますけれども、一方におきましては、言葉、英語と日本語というものの相違から起る遅緩ということもあるのであります。例えば英語で十分間で済むものが、日本語を用いて明瞭に理解させるためにはそれ以上の時間のかかるといつたようなこともあります。又全国の聴取者の大多数によくわからせるということを考えますためには、多少スピードを緩めて、そうして全国津々浦々の老幼男女の人の比較的多数に理解させるためには、残念ながらAFRSでやつておりますような早くしやべるということが却つて目的を達しないというようなことも考えられまして、これなども科学的な調査をいたしまして、できる限りスピードも早める、そうしてボリユームと申しますか、そのニユースの量をたくさん、又頻繁にやるということ、これは私どもが常に希望しておる点でございますから、御意見の趣旨を体しまして今後一層このニユースの面、これに重点を置きますことは先ほど申上げました通りでございますが、一層努力したいと存じます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 これは予算と直接関係がないことに触れたのですが、ニユースは何と言つてもNHKの一つの専売として私は発展すべきものじやないかという観点から、希望と意見を申上げたのですが、今会長が言われるように、例えばAFRSの夜の九時、これは時間的に一番よく聞くニユースですが、ボリユームが違う、それで同じ十五分でも日本では実際十五分やつていない。でありますから、公共放送の場合は、例えば朝の七時の場合には忙しい時ですからフラツシユライト式な、ハイライト的なニユースを断片的に例えば十分間なり二十分間なりをやるわけです。それから午後の七時には割合にゆつくりしている、その時には三十分以上とれるかも知れない、少くとも二十分間くらいはフルにニユースのエア・タイムというものを与える、各方面に亘つて与える。これは今まで私がAFRSとNHKと比べて、殊に商業放送ができてから公共放送の生命であるニユースはそのくらいタイムを割いてやるのがこれは必要ではないかと、かように考えたものですから意見を申上げる。これは今後の経営においてお考え願えたい。  それから第二点はテレビジヨンの関係です。テレビジヨンが放送されることになれば、これは勿論直接間接ラジオ放送というものに対して、殊に公共放送というものはこれは相当打撃を受けると私は予想しますが、つまりテレビジヨンの日本の現在の技術の段階としては、NHKが今日まで実験せられ、これを如何に活用するかというので電波監理委員会で、NHKにテレビジヨンの実験放送と言いますか、そういうようなことを委託したように聞いておるのでありまして、来年度の予算においても、NHKはテレビジヨンの技術的発展のために費用を割いておられるわけです。NHKで今後継続してやられるテレビジヨンの実験放送というものは、例えばこの間電波監理委員会が非常にコントラバーシヤルの方法で以てとにかくああいう標準方式をきめた。これは今国会で審議中であり、決議は出ておりませんが、とにかくそういつたものを電波監理委員会が或る一つのものを……これは暫定的のものであろうと永久的のものであろうと、それは別問題として、一応電波監理委員会が正規の権限に基いてきめておる標準方式、これに準じて実験放送をやられるのじやないかと思うのですが、殊に来年度においてこのテレビジヨンの実験放送を、而も電波監理委員会の委託を受けてやられる、命令か委託か知りませんが、とにかく電波監理委員会との連絡の下にやられる。そういうことになりますと、例えば大阪……この間我々大阪に行つたときに、大阪でもメーカー、或いはアマチユアの人から是非テレビジヨンの実験放送を一日も早くやつてくれという請願を受けておりますが、これも漸く実現するように聞いておるのでありますが、NHKとしてテレビジヨンの実験放送をする場合に、或いは実験的研究を行う場合に、過日電波監理委員会が発表した標準方式オンリー、それだけでやられるのか、或いは実験であるから周波数のフリケンシイ・バンドにおいても六メガとか、七メガとか、或いは場合によつたら十メガとか、こういう伸縮性のある方法でおやりになるのか。ただ一つの標準方式でおやりになるのか。これは技術的で細かいことはいいのですが、大体のポリシイをお聞きしたい。

古垣鉄郎日本放送協会会長

○参考人(古垣鉄郎君) 只今の御質問に対してお答えいたします。日本放送協会では、只今まで六メガで実験いたしております。併し御質問の通り、いろいろの場合が想定されます。そうして殊にNHKといたしましては、すでに天然色の研究も昨年以来いたしております。着々進んでおります。従いまして日本におけるこの基準がどういうところがいいかというようなことにつきましても、七メガの場合、或いはその他の御指摘のような高いフリケンシイのものについても、天然色等に関連いたして研究をいたしたいと思つておりますが、只今のところはメガで実験をして参つております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 この標準方式を電波監理委員会が一応決定したということは、テレビジヨンのいわゆる早急に実現したいというこれはそういう判断の下にやつたということに聞いておるのでありますが、若しこのテレビジヨンが……近く数カ月のうちにテレビジヨンの放送を開始するという準備に入つているけれども、これはここにおられる新谷委員も非常に問題にされたのであるけれども、要するにテレビジヨンの放送に、そういうオペレーシヨンに対しまして技術家がやるということを聞いたわけですね。NHKは過去何年間の研究、テレビジヨンの実験ということもおやりになつている。現在テレビヨンを放送するための送信機の操作、キヤメラの操作、それからその他テレビジヨンの放送に関しての技術家と言いますか、エンジニア、これは数でよろしうございますが、どのくらいおるか、そこから各部面の操作についての人員は不十分ながら、例えばキヤメラに五人であるとか、或いはその他の部署については二、三人、或いは十人というように、とにかく開始し得るだけの技術的な陣容があるのかどうか。これは数だけでよろしうございます。

古垣鉄郎日本放送協会会長

○参考人(古垣鉄郎君) 放送協会は二十数年に亘つてこのテレビジヨンの研究をいたして参つておりまして、そこで施設、経験は勿論、人員についても積極的に養成し、研究をいたしております。人員につきましても、直ちにテレビジヨンを本格的に開始し得るに足るだけの人員を擁しております。単に技術ばかりでなくて、編成、演出、それらの方面についても養成いたしております。只今のお尋ねの技術研究員というようなものにつきましては、百四十五名ばかりはそういう方面の專門家として存在しております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 過日日本タイムスで見たのですが、NHKでRCAからテレビジヨンの送信機と言いますか、トランスミツターをお買いになつたということを聞いたのですが、これは放送開始に使用し得るトランスミツターですか。

岡部重信日本放送協会理事

○参考人(岡部重信君) 協会といたしましてこの送信機について大体二十六年度第一四半期頃からRCAのテレビジヨンの送信機用電力増幅器真空管、FMエクサイターなどの部分品につきまして、研究の目的から輸入申請をいたしておりましたが、ドルの関係から許可が保留になつておりました。昨年十一月頃これらの次々の申請が一括して許可になつたというような次第のものであります。協会といたしましては、これらの輸入部分品は研究所及び国内におきますところのメーカーのテレビジヨンの放送機研究の参考品として目下のところ使用するというような  つもりでやつておる次第でございます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 それから予算に関して、第三條の問題として、従来AFRSの施設を利用さしておられるのですが、これはたしかP・D、いわゆるブロキユアメント・デマンドという形式でやつておられるのではないか。今予算に二億四千何ぼが役務関係の収入として計上しておられるのですが、これは依然として今の占領軍のAFRSがそのままでやるという建前で予算を組んでおられるのだろうと思いますが、勿論講和條約が発効すれば、従来のP・Dでやつておられる放送というものは自然消滅するわけです。行政協定の本文、それから今予備作業班が実施細目をきめておるわですが、今朝あたりの新聞を見ても、役務の調達は全部直接契約でやる、こういうことになつておるやに私聞くのであります。直接契約でやるという場合の、NHKと、それから駐留軍の、これはまあJLCかJPAが知りませんが、そういうものと直接契約ということの形式でやる見込が立つての収入であるか。二億四千何ぼ、役務調達の費用、これはもう確実にこれだけ入つて来るのかどうか。その見通しを持つておいでになるのかどうか、これを一つお聞きしたい。電波監理委員会でもいいですが、NHK古垣会長として、行政協定に基く、殊に第三條に基いて、従来のAFRSというものを行政協定後どういう形に転換されるのか。従つてそれによつてNHKとして受ける役務費ですね、ここにちやんと計上しておられるのですが……。

古垣鉄郎日本放送協会会長

○参考人(古垣鉄郎君) 只今のお尋ねは電波監理委員会のほうからお空見願うことが適当かと存じますが、強いて御指名でございますから、お答えいたしますと、私のほうに関することをお答え申上げますと、講和に伴いまして役務提供の内容がどういうふうに変るかということは、今のところまだ未定でございますので、私どももその見通しを見極めますことが甚だ困難になつておる次第でございます。日本放送協会が連合軍関係当局者と接触いたしました範囲内では、いろいろ御指摘のような形式上のことは別といたしまして、結果においてAFRSのほうの役務を提供するということは、来年度、二十七年度において大した変化はないだろうというふうに考え、又仮にこの役務の内容が増減がございましても、これは予算としては収入と支出とも同額ということになつておりますから、役務が減れば収入が減り、支出も減るということで、予算の実質上は影響はないのであります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 これはまあ電波監理委員会のほうへは改めて、いろいろ問題がありますから、これに関連して質問しますが、今の古垣会長に回答を求めた範囲でのことですが、例えば講和條約が発効して独立になれば、例えば今AFRSの使つておる周波数ですね、何キロサイクルか知りませんが、こういうようなものは、今度は電波監理委員会で免許するという形になるのか、或いは治外法権的に向うさんが使用するのか、どういう建前になるのか。殊に行政協定第三條に、電波の問題について相当具体的なことが書いてある。併しなおこれははつきりしておりませんが、予備作業班で向うが非常に重視しておるこの電波問題ということについて下交渉を受けておられるのじやないかと思う。そうしますと、ラジオの周波数の問題と、それから電波の今度ほかの方面、通信に使うといつたようないろいろな周波数の幅というものが、これはやはり電波監理委員会の管下に入つてしまう。そうして一応免許、まあ免許というか、許可か、知らないけれども、そういう形式をとるようになつておるのかどうか。現在の交渉段階でその点に関してちよつと私聞きたいのです。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) 只今の問題は、お話の通り、行政協定に伴う予備作業班の仕事になつておりまして、最近漸く予備作業班の陣容と申しますか、組立というものができ上りつつある状況であります。まだ完成しておりません。従つてまだ内容に入つて相互の協議をやつておりませんが、私どもといたしましては、独立後の日本におきましては、電波の問題に関しましては飽くまで独立国としてその主張すべきものは主張して行くというふうに考えております。勿論軍隊が駐屯しておる範囲におきまして軍隊が或る種の無線通信をやる、それを認めなければならないということは当然であると思うのでありまするが、只今御指摘のようなこういうような文化施設と申しますか、二次的なものにつきましては、従来もそうでありましたが、今後も電波監理委員会がこれを免許と申しまするか、主管して行くという形で行きたいと考えております。現在極く少数の例外はございまするが、日本放送協会において取扱つておるものにつきましては電波監理委員会がこれを免許して行くというような形をとつておるのでありまして、我が国の自主権は今後も持つて行きたいと思います。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 私この間緊急質問のとき電波監理委員長を呼ばなかつたから返答がなかつたですが、行政協定の第三條の第二項の最後のほうに、「合衆国軍隊は、この協定が効力を生ずる時に留保している電力、設計、放射の型式及び周波数の電子装置を日本側からの放射による妨害を受けないで使用する権利を有する。」、これは今問題になつている刑事裁判権か治外法権かどうかといういろいろな大きな問題がある、これと並行して電気通信電波というものの行政に対して電波監理委員会としては、今委員長が言われるように飽くまで治外法権を認めないのか、日本の自主権を飽くまで持つということを今断言しておられるのですが、それはもうまさしくそれに違いないというようにここで確認しておいていいですか。それをお聞きしておきたい。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) 今の御指摘の点は、私どもこういうふうに了解しておるのでありますが、先ほども申上げましたように、今後使われるであろうところの電波の周波教、電力については、相互の協定によつてやつて行く、但し今御指摘の点は、一時的の措置としてという前提がございます、従つてその協定ができるまでの間、現在使つているものについては権利を保留するというのではないかと私どもは考えております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 私が確認しておきたいことは、今も委員長がこれを確認されたと思うのですが、周波数の……これは使うわけですね。それは今までは占領軍政下で向うさんが勝手に便う。併し独立国の主権があるとすれば、当然あなたがおつしやるようなそういう周波数の割当ということになれば、重要な電波行政ということになれば、飽くまで向うが使うものは一応電波監理委員会で許可を受けるという形式でやるのかこれからの電波行政に関しては治場外法権というものはありませんということをさつきの言葉で確認していいかどうかということをお聞きしたい。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) その点につきましては、今後行政協定に伴う予備作業班におきまして具体的に向うと協議してきめて行くことと存じまするが、先ほど申上げましたように、現在まだ予備作業班の仕事は進捗しておりません。今後仕事を進める上におきまして、飽くまでも私どもは電波の自主性と申しますか、それを建前にして交渉を進めて行きたいという気持でおります。併しこれはまだ結果が出ておらないことですし、相手もあると思いまするから、今ここでその通りになるとは断言申上げられませんが、我々の気持としてはそういうことで行きたいというように考えております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 どうも僕の質問が法的にはつきりしないから、そういつた御返事しか頂けないのだろうと思いますが、予備作業班がやるのはこれは細目協定なんです。いわゆる法的に言えば施行規則なんです。今僕が言つているのは、行政協定が、これは條約じやないかというように、非常に疑問視されておる、従つてこれが憲法違反じやないか、これはとにかく安全保障條約第三條に基いて行政協定というものが調印されてしまつた。この行政協定はこれは一つの憲法なんです。この協定というものはこれはいわゆる憲法なんです。従つて民事裁判とか刑事裁判とか、そのほかの根本的な取極を今ここでしているわけです。この文章を見ると、刑事裁判或いは民事裁判、これは属人主義、何でもはつきりしておる。この第三條の電気通信、電波に関してはつきりしたどつちの管轄になるか……今私が伺つているのは、こういう漠然としているが、電波行政は飽くまで治外法権を認めないということを原則に謳つているように見えないから、岡咲君に聞いてもはつきりしない。そこで、電気通信、電波管理に関する取極が極めて漠然としているが、この際委員会として治外法権を認めるのか、認めないのかということをはつきりしなくてはいけない。これは予備作業班は細目の協定なんです。施行規則なんです。それを問題にしているのではない。それによつて立つべき行政協定は、電波行政の自主権というものを謳つてないから、そういうことを質問している。

網島毅電波監理委員会委員長

○政府委員(網島毅君) 或いは御質問にぴつたりしたお答えができないかも知れませんが、第三條に御指摘の通り、「合衆国が使用する電波放射の装置が用いろ周波数、電力及びこれらに類する事項」については、「相互の取極」で「解決しなければならない。」というふうに書いてあります。これが治外法権を認めたものかどうかということにつきましては、これはこの協定に対する責任官庁であります外務省ともよく連絡いたしまして、その解釈を私どとしてははつきりしたいと思つておりますが、まだ現在そこまでの段階に至つておりません。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 これは重ねて申上げておきますが、一つ今委員長が言われるように、岡崎国務相、これはもう私自身は、あなたに相談があつたのじやないか、岡咲副委員長は何らこれに対して具体的な解釈を要しないというのは、これに対して何ら重要問題……向うとすれば第三條に謳つているほど重要視しているものである。これは当然電波監理委員会として、主権国家として、治外法権というものをはつきり考えなければならん。それだけの努力が現われていないから私はこういう質問をしたのである。それであるならば、岡崎国務相とその点をはつきりしておかなければならない。相互取極ということは治外法権ということでもあるから、これは私はいずれ次の委員会でもいいですが、それまでに一つ政府当局者はこの協定に対する第三條を如何に解釈するかということを、これを確認しておかないと、とんでもないことになるのじやないかと思います。私は予算問題について御質問もありますが、時間もとつたし、他の委員の御発言もあろうかと思いますから、私の質問は一応今日はこれにとどめておきます。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 予算等について少し質問したいのですが、その前に今山田委員から御質問があつた行政協定の関係ですね。それは御研究になつて御答弁があると思いますが、非常に明瞭であると思いますことは、ここでは軍隊が使用する云々ということになつているのでありますが、今の国務省でボイス・オブ・アメリカですか、これはこれの、行政協定の範囲外になつているわけですが、これはまあ新らしく免許でも受けてやる場合は別として、そうでない限りは私は條約の発効と同時にあれは停止すべきものだというふうに考えていいのでしようか。

岡咲恕一電波監理委員会副委員長

○政府委員(岡咲恕一君) 只今日本放送協会におきまして、司令部の要求に応じまして提供いたしておりまする役務の性質につきましては、私どもの解釈いたしておりまするところでは、将来條約が効力を生じました暁におきましては、一部は駐留軍のための役務提供になるものもあろうかと思いまするし、或いは今新谷委員の御指摘のように、一部のものにつきましては、駐留軍の駐留と関係なしに行われるものもあろうかと考えます。駐留軍の駐留に伴いまして行使されるものにつきましては、先ほど網島委員長或いは長谷長官からお答えいたしましたように、行政協定の細目を取極めまする際に確定的に決定されることになろうかと思います。駐留軍の駐留と関係のない事項につきましては、私どもといたしましては、電波法或いは放送法の趣旨に則りまして、例えて申しまするというと、役務提供が放送協会のこの設備の運用を委託するという関係になりまするならば、放送法の四十七條の規定によりまして、処理いたさなければならないのではないかと考えております。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 今、岡咲君の御答弁ですが、その前に結局問題は、日本のこの憲法上の問題、従つて日本の国内法上の問題になるのですが、駐留軍に関することは行政協定に書いてあるわけです。それ以外のことはどこにも取極も何もないのですね。従つてこれはもう当然に順序から行けば国内法によらないということになるわけです。今あなたのお話だと、まだこれは御研究が少し足りないかと実は思うのですが、非常にあいまいな答弁をされましたが、これは勿論放送法なり電波法によつて禁止されなければならないものでありますが、駐留軍が直接に駐留目的のためにやるもの以外は、これはやはり電波監理委員会の許認可というものを受けてやらなければ、これはやれないということになつて来ることは当然だと私は考えております。これもまだ多少あいまいな点があるなら、次の機会までで結構ですが、よく研究されて、この次の機会にはつきりとした答弁をして頂きたい。これは外務省ともよくお打合せになつて結構です。

岡咲恕一電波監理委員会副委員長

○政府委員(岡咲恕一君) 新谷委員の只今お話になりました点は全然私も同感でございます。尤も先ほどお答え申しました中で、多少明瞭を欠いた点があるかと思いますが、その点は外務省当局ともよく検討いたしまして、御指摘の、例えば韓国向け放送が果して駐留軍と全然関係のない放送として取扱い得るかどうかという点につきまして私個人として多少疑問を持ちましたので、今のようなお答えをいたした次第ですが、それらの点はいずれ近く決定いたさなければならないと思いまするので、慎重に関係当局とも連絡いたしまして、電波監理委員会の態度を明瞭にいたしたいと思います。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 それから私も今日は余り時間がありませんので、極く大綱についてだけちよつとお伺いしておきますが、先ず第一は予算総則に書いてあります第七條の問題であります。で、これは趣旨は私も尤もな規定であると思います。収入が予算額に比して増加したときは、結局これは収入と言いますのは結局聴取料のことでありましようから、聴取者が殖えた、で殖えてその収入が増加した場合に、一方では聴取者が殖えるに伴つて相当その経費の要るような部面もある、従つてそれを既定経費だけでやれと言つても無理な場合が出て来るので、或る部分は収入増加に比例して支出のほうもできるようにしてくれないと困る、こういう趣旨だろうと思うのです。その点は私もよく了解するのですが、その本文のほうに、後段の「その増加額に相当する金額は、経営委員会の議を経て借入金の返還又は設備の改善の経費に充てることができる。」というふうに、但書は別として本文のほうで原則的なこの費用の、経費の使途を制限しておるわけですね。この点については私多少疑問があるのであります。先ほど古垣会長からも御説明がありましたが、私はこの日本放送協会というものは公的機関である、そうしてこの制度を続けて行く以上は国民のためにもこれは停止ができない機関であると考えておるのであります、従つて今協会の発足当時でありますから、いろいろ経費の面でも、或いは収支予算の関係においても非常にまだ固まつていないという点があることは事実でありますが、古垣会長も言われたように来年度において、例えば減価償却七五%ぐらいしか計上していない、こういうような御説明があつた、ここに書いてあるのですが、この状態を続けて行きますと、これは今度から設備が非常に古くなつて、どうしても改善しなければならないという段階になつても結局十分な補充取替えもできないし、又ここで新らしく何か借金でもして行かないと、今、現在与えておる国民に対するサービスは提供できない、こういうことになつて来ると思うのです。であります、減価償却というと如何にも当面の経営から言いますと、非常にこれは軽い問題であり縁の遠いような感じがするのですけれども、併しこれは実に将来に対する一つの会社で言えば基本的な財政の方針になるのだろうと思つておるのであります。なぜここで減価償却に優先的に充てるのだということをされなかつたのか、私これはよくわからないのですが、何かこの点特別の事情でもあるなら御説明願いたい。

岡部重信日本放送協会理事

○参考人(岡部重信君) 只今の第七條についてのお尋ねでございますが、誠に御尤もな御意見だと思います。私どもとしましては、この増加額に相当する金額につきまして、事業の性格から行きまして健全な財政と弾力性ある業務執行ということに重点を置きましてこの総則を規定いたしたわけでございますが、只今の現状におきまして極めて常識的と言いますか何と言いますか、やはりこの予算というものについて相当の尊重をしなければならんというのと、企業の健全ということにつきましては、御指摘の通り、まさに減価償却に優先的に充てるということは、私は至当な御意亘だと思つておりますただ協会の現状といたしまして、借入金が只今二億五千万円ございます、長期借入金でございます、そういうので、この借入金を返して行くということを早くして行くほうが一応現段階において妥当ではなかろうか、というような観点に立ちましてこれを規定したのでありますが、減価償却に充てろ、減価償却に充てるならば御承知の通りこれが建設費に廻るというような勘定になりまして尤もだと思いますが、只今申上げたような一応現状から推しましてこの総則をかように規定した次第でございます。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 協会の現状についてもいろいろ御説明によつて私はそういう事情があるだろうということはわかるのですが、ただそのこれだけから見て判断をすることは早過ぎるかも知れませんが、経営の方針として、協会の経営方針として非常に減価償却というようなものにつきまして軽視されておる傾向がある。で、私は先ほどもちよつと申上げたように、これは会社ではないのですから、何か仕事をしようと思つても資本増加ということは、これはやりようがないのですね、ですから現在の持つておられる設備、それから生れて来る収入というものがこれは元になるわけです。将来の建設費というものは原則として放送債券なり借入金なりによつて賄つて、それを料金収入、聴取料の収入によつて漸次に償却して行くという建前をとらなければならんと思う。そういう場合に減価償却というものを余りに軽視されると、将来の経営に対して致命的な私は打撃を招来するのじやないか、もつと公共機関であり、国民のための仕事をしておられるということであれば、何はともおいても将来とも現在持つておる設備というものは、国民のために維持しなければならないという考えに徹してもらわなければならんと考えるのであります。でありますから、借入金に充てることは私は悪いとは言わない、又設備の改善ももとより結構です。設備の改善という中には或いは私の言つたような補充取替えということも一部分入つているかも知れません。併しここに減価償却をなぜあえてしなかつたかということになりますと、理論的には協会の使命から見て私は優先的にそれを考えるべきであつたという感じを持つておりますので、特にこの点は厳重に将来お考えを願いたいと思います。  それからもう一点だけ伺つておきます。今古垣会長が見えておりまするので、細かい点はあと廻しにしまして、日本放送協会が新らしく使命を持つて発足しましてから相当の日もたつております。又その間に先ほど他の委員から言われましたように、民間の放送会社も出て参りました。いわゆる放送界の状況は相当急激に変化しておると思うのですが、ここで日本放送協会がいわばこの放送機関の中核体のような恰好で、而も公共機関としてこれからどいうふうに進むかということにつきましては、経営委員会等においても種種これは御検討しておられると思います。或いはこれはわかり切つたことかも知れません。今日民間放送のほうが誕生はいたしましたが、まだ設備も不十分であり、いろんなデータも持つておりません。非常に困つている点も多いと思います。私は前回でも申上げたと思うのですが、そういう公共的機関であるから、日本放送協会は民間の放送会社と対立的な関係のものではない。むしろこれに対して公共的な見地からあらゆる援助をしなければならない、と強調しでおつたのでありますが、日本放送協会の持つておる研究所とか、或いは文化方面の種々の研究の結果につきまして、民間の放送会社と何らかの連携をとつて、結果を公表するとか、或いは必要な援助を与えるとかいうようなことについて、十分の活動をしておられますかどうか。この点、古垣会長から今後の日本放送協会の活動の仕方、それに対する方針というものにも関連してこの機会に御意見をお伺わせて頂きたい。

古垣鉄郎日本放送協会会長

○参考人(古垣鉄郎君) お答え申上げます。只今の新谷委員の御意見は全く御同感でございます。私、この放送法が制定されます途上におきましても、常にこの新らしく発生する商業放送とNHK公共企業体との関係につきましては協力して参りたいということを申して参つております。又現実に放送法ができ、商業放送が誕生いたして参つております今日、及ばずながらこの協力体制ということを各方面について実施して参つております。決して満足しておるわけではございませんが、今後も一層この方針を貫いて参りたいという気持でおります。御承知のように、この公共企業体と商業放送というものは決して相背馳するものでなくして、御指摘のごとく共に手を取合つて日本の放送というものをよりよく向上し、発展させるという使命を持つておるのでありますから、長年放送事業に携わつて参りましたこのNHKとしましては、もとよりこれを歓迎し、決してこれによつて放送が低下するほうに協力すると言いますか、行つてはならない、国の放送が栄えて行くということについて努力して行きたい。それにはそのための協力を惜しむものではない。よい意味の競争という点からは競争もありましようけれども、それによつて番組も向上して参ります。そうして番組が向上して参りますれば、聴取者も殖えて参ります。現在九百五十万という聴取者にとつてはそれがいいことであり、又そのことが民間放送の広告の上からもいいことであるというように考えております。そこでといたしましては、公共的な文化機関としての本質から公衆の要望に副いまして、又文化水準の向上に寄与いたしますように最大の努力を払うことと、定期的に科学的な輿論調査を行うこと、放送番組の編成について、ラジオ講座とも言うべき、法律上の準則に従うというようなことを義務付けられております。他方商業放送のほうは極めて自由な立場に立つておりますが、そういう意味におきまして、立場が非常に不均衡であります。その点から来るいろいろの技術的な困難、協力の困難ということはあり得ますけれども、原則的に互いに手を取合つて行きたいというふうに考えて参つております。これを具体的に申上げますと、放送番組に対する我我の定期的、科学的な輿論調査の結果、これは放送文化研究所のほうで常常準備いたしておりますが、そういうような輿論調査の結果、或いは放送に関する内外の資料というようなものは、放送資料は絶えずこれを公表いたしまして、商業放送、民間放送のほうの利用にも資しております。又放送技術の方面におきましても、特に新谷委員が常々御指摘になつております御趣旨も体しまして、この放送技術の進歩改善のために我々の有する放送技術の研究の成果、或いは技術の経験を公開いたしまして、そうして民間放送の放送技術の向上発展に資するようにいたしております。又民間放送の電波の発射によりまして派生いたして参ります各種の聴取の困難、障害というようなものに対しましても、私どもは積極的にこれの除去に努力いたしまして、相互の事業の発達に支障がないような積極的な態度をとつて進んでおるわけでございます。その他こまごました例は数限りないのでございます。こまごまといたしました具体的に如何に協力したか、いろいろな資材等についての便宜の提供、或いは或る民間放送会社のために録音の労をとつたとか、その他いろいろ新らしくできた民間放送に対しましては、先方の申出に対して気持よくこれを受けて援助をいたして参つておる次第でございます。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 私はまだたくさん細かい質問が残つておりますが、今日はもう時間がないから一応これで打切ります。

鈴木恭一自由党

○委員長(鈴木恭一君) 本案に関する質疑は、本日はこの程度にいたしまして、次回に譲りたいと思います。次回は来週火曜日の十八日午前十時から開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十一分散会

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