電気通信委員会 第12号
- 発言数
- 90 件
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- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/03/12
会議録
○委員長(鈴木恭一君) これより本日の会議を開きます。 日本放送協会昭和二十五年度財産目録貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。本日は参考人として日本放送協会より岡部理事、加藤経理部長、志賀主計課長、足立会計課長のかたがたも見えております。御質問がございますれば順次御発言をお願いいたします。
○新谷寅三郎君 この二十五年度予算は、実は放送関係の法律のできますときに附則で以て主管大臣の認可を得て作つたもので、実は委員会で十分予算について審査しなかつたのであります。従つて国会における関係の委員会の意向が十分反映した予算とは考えられないので、私はその予算、決算の内容の問題よりも、二点だけ一般的なことについてお聞きしておきたいのであります。 一つは放送債券に関する問題であります。この日本放送協会業務報告書、これは放送協会でお出しになつたのかも知れませんが、その三ページには、二十五年度において年度内三回に亘つて五億五千万円の放送債券を発行したということが書いてあります。その後もやはり毎年度放送債券の発行をしたと思われるのでありますが、放送債券の発行條件は今どういうふうになつておりますか、二十五年度においてどうなつておりますか。これをお聞きしますゆえんは、法律の第四十二條によりますと、放送債券を発行した場合には、毎事業年度末現在の未償却額の十分の一だけは必ず償却積立金として積立てなきやならんということになつております。而もこの積立金は放送債券を償却する場合に限つてこれを充当することができるという規定があるのでありまして、私はこの法律の制定の当初から多少疑問を持つておつたのでありますが、これについては或いは電波監理委員会からお答えになつたほうがいいかも知れませんが、いろいろの設備或いは建物等の建設をして行く、これは放送債券が主になると思うのでありますが、その場合に建物とか或いは各種の設備の償却年限というものは、その種類によつて違いましようが、もつと実は長いであろうと思うのであります。それが大体債券発行が、これは恐らく償還年限を十年くらいに予定をして、十分の一だけはこれは債権者保護のために積立てなきやならん、こういうような趣旨の規定かと思うのでありますが、そうしますと非常に長い耐用年数のある、例えば建物のごときものを一応十カ年で事実上は償却してしまうというようなことになるんではないかと思うのですが、それは償却の問題は又別で、債券だけはそういうふうに返して、あとは別途に帳面の上で整理して行くということになるのか、並びにそれらの点についてどういうふうに資金を動かしておられるか、そのことを聞きたいのであります。私の質問の趣旨がおわかりになつたでしようか。もう少し簡單に言いますと、放送債券の発行條件はどうかということと、放送債券でいろいろ建設をおやりになつた場合に、大体これは十分の一ずつ積立てて行くのですから、まあ大体十年くらいの償還期限ということを考えておられるように見える。その場合にそういう固定資産の耐用年数との関係、従つてその償却年限との関係は、これは全然別個に考えて会計上処理しておられるのか、その放送債券を以て建設したものについては、償却に当つても大体十年というふうに考えておやりになつておるのか。その間会計上どういうふうな処理をしておられるかということを聞きたいわけです。これは放送協会のかたでもいいし、電波監理委員会でも結構ですが、どういう実状になつておりますか。
○参考人(岡部重信君) 只今お尋ねの放送債券の発行條件でございますが、これにつきましては多少くどくど申上げますかも知れませんが、利率が年八分五厘という利率、それから発行価格が額面百円につきまして九十八円五十銭、それから期限は五年で、償還は一年据置きまして、その後毎半年の各利払期に発行額一億円につき額面二百万円以上を償還する。担保につきましてはゼネラル・モールゲージ、応募者の利廻りにつきましては年八分九厘三毛現在におきます一流社債の発行條件で発行いたしております。 それから減価償却との関係でございますが、減価償却につきましては定率法を用いまして、建物、機械等につきましてそれぞれの率を適用いたしまして、協会の予算といたしましては、毎年の事業支出のほうから減価償却費の引当金として計上してやつております。 それで片方、償却年限の長いものにつきまして、この五カ年の期限というものの問題でございますが、先ほどお話の通り、十分の一ずつ積立てているわけでございますが、この積立につきましては、只今のところ二十六年度の予算におきまして社外積立の形式をとつておりますこと、それからいろいろ見方はあるかも知れませんが、債権者保護のため一層厳格な措置をして、それから社内留保といたさなかつたのは、もう一つは利益の有無にかかわらず一〇%積立てるというので、社外積立ということにいたしまして、財産目録にもありますが、丁度その十分の一を減債用放資勘定の積立金といたしている次第でございます。
○新谷寅三郎君 そういうことになりますと、結局こんな場合もできるわけですね、償却年限が五年ということでありますと、この放送債券の、又ここで何と言いますか、社債で言えば借替になるわけですね。その借金を返すための又債券を発行するという場合もあり得るだろうと思うのです。そういう場合があるのですが、そうすると、そうなれば今まで非常に短期でありましたけれども、五年という期限につきまして、こういうふうな公的な機関であり、やはりお話のように担保附になつ、いるとすれば、もつと年限の長い債券の発行はできないでしようか。そうしないと借金をつまり返すというために又債券を発行して行かなければならん、こういうことで積重つて行くと思うのです。今まではまだ弊害は起つて来ないでしようが、債券発行の限度が三十億ときまつているのに、ここで設備がだんだん殖えて行くと、だんだん積重つて行つて、しまいには三十億ではどうにもならんというような事態が来るのじやないか。一応三十億というのは予算の審議のときに伺つたときは、その当時考えられる放送設備の拡充費を一応予定して三十億という限度をきめられたと思うのです。いろいろ物価の事情も違つて来ているし、その三十億という限度も再検討しなければならんということにもなるわけです。それらの点について、現在どういうふうになつておりますか、お考えはどうですか。
○参考人(岡部重信君) 今お話の通り、この物価水準の変動ということもございまして、必ずしも三十億ということがいいか惡いかということは問題があると思います。それで只今のところは御承知の通り、この社債の期限が一応五年ときまつておりますものですからそれで五年ということに放送債券でもなつている次第でございます。御指摘の通り乗替の償還といいますか、そういう部面も将来出て来るということは、私どもとしましてもさように考えております。ただ放送法におきまして、放送債券の発行を認められましたので、従来長期借入金でやつておりましたのがこの放送債券で期限が長くなりましたので、只今のところ放送債券によりまして建設をやつて行く上に非常に何と言いますか、資金の調達が需要に対しまして、前よりは非常に容易になりましたことにつきましては、放送法を制定して下さいました国会に対しまして非常に感謝いたしておる次第でございます。
○大島定吉君 協会にお聞きしたいのでありますが、放送法第四十一條、制定のときに、企業会計検査に不慣れな検査院が検査することは、協会の事業遂行の上に惡影響を及ぼさないかという懸念があつたのですが、今回の会計検査に当りまして、実際に検査を受けられたNHKがどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○参考人(岡部重信君) 私どももこの放送法が制定されまして、最初の会計検査院の検査を受けたわけでございますが、会計検査院といたしましては、この放送協会の事業の性格につきまして、検査の方針といいますか、趣旨といいますか、企業会計原則に副つておるかどうかという点、それから放送法に違反の点があるかないかという二つの点から主として放送協会の会計検査を行われたわけでございまして、私といたしましては、官庁会計の適用を受けておりませんので、そういう方向から検査を頂きましたので、併し非常に広い角度からいろいろ我々といたしましても参考になることが十分ございまして、会計検査院の検査のために協会として非常に困つたというようなことは只今のところございませんようなわけでございます。
○大島定吉君 この説明によりますと、改善させたものと改善を必要と認められるものというようなことが報告に載つておりますが、改善させられたものに対しまして、協会において異論なくこれを改めたのか、或いは見解の相違があつたが、止むを得ずこれに盲従したのか、その点を一つ伺いたいと思います。
○参考人(岡部重信君) 御承知の通り会計検査院におきまして改善を必要と認めたものというものにつきしては協会におきましてこれに反する、何と言いましようか見解と言いますかございますれば、これは改善をしなくてもいいものと我々は承知しておりますが、今回指摘された事項につきましては、我々のほうといたしましてもかねがね問題にいたして相当研究しておりましたものも相当ございまして、そういう関係上この会計検査院の改善を必要と認めたるものにつきましては、我我といたしましてはその指摘の線に沿つてこれを改善するということにいたしておる次第でございます。
○大島定吉君 なお改善を必要と認めるものというようなことが(1)から(5)まであるようですか各項目こついてNHKにおいて異論がなしのか、又異論がないとすれば、各項目について如何なる時期にどういう方法でこれを改善されるか、その点、特に(2)の電気興業株式会社及び日本放送出版協会に対する投資の分について詳細に御説明願いたいと思います。
○参考人(岡部重信君) (2)の電気興業株式会社並びに日本放送出版協会に対する投資につきましては、この売却処分につきまして、放送法の趣旨に従いまして極力この処分を努力しておつた次第なんでございますが、これらの株式が市場に上場されません関係から、不本意ながら適当な処分をなすことができず現在に至つたものでございます。今後もできる限り早急に整理するよう努力いたすつもりでおります。具体的に申上げますと、このうち電気興業株式会社の分につきましては、証券会社に依頼いたしまして、この売却方を計つておるのでございます。それから出版協会のほうにつきましては、縁故者関係でこれを買い求めてもらいたいということに話を進めておるわけでございます。 五項目の全部についてというお話でございましたが、第一番目の放送債券の利息及び一般経費の未払分でございますが、予算の都合上未払金に計上しなかつたものでございますが、会計検査院の指摘通り、今後は予算の執行の適正並びに損益計算の明確化を図ることに十分努力したいと存じております。次に会計検査院の指摘事項の三でございますが、これにつきましては、建設工事費中の一部、雑損処理につきましてかねがねこれの経理方につきまして、どこまでの線でやるかということに研究しておりましたのでございますが、今後土地建物登記料、買収の手数料、機械の取付費及び機械運搬費などは資産に計上するほうが固定資産の経理上一層妥当性が認められますので、二十六年度からこの方法に改めることにいたしました。次に指摘事項の四でございますが、固定資産を売却した場合の差益差損の取扱につきましてでございますが、これにつきましては十六年度から差益差損とも利益剰余金にこれを還元する経理方法が適当と認められますので、これに改正するごとにいたしました。それから最後の新郷の隠蔽放送所でございますが、この隠蔽放送所と申しますのは、戦時中地下放送所として建設いたしましたものでございまして、鉄筋コンクリート造りのもので、これを資産再評価法に基きまして再評価いたしたものでございますが、この施設の現状から見まして、評価額の修正の必要がございますことは、会計検査院の指摘されました通りでございまして、本年度中に当方といたしましても評価額の修正を行いますよう、その方法を只今研究中でございます。 以上会計検査院の指摘事項五項目につきまして申上げた次第でございます。
○大島定吉君 なお聴取料については大変好調のようですが、民間放送会社の設立等もありますので、今後の見通しはどんなふうにお考えですか、なお又やめるような方もありましようが、それにつきましての対策等をお聞かせ頂きたい。
○参考人(岡部重信君) 二十五年度につきましては只今お話のような條件といいますか、情勢はございませんので、只今二十六年度につきましてのそれらについての概要を申しますと、二十六年度になりまして特に受信者の申込が減少した或いは廃止者が増加したというような特異な現象はまだ出ておらんのでございます。それから受信料の収納につきましてもやはり同様でございまして、只今のところ特別の事態というものは発生いたしておらん次第でございます。過般来の商業放送の電波の発射につきまして起ります混信につきましては、私どもとしましても十分注意いたしまして、混信によつて受信できないというような範囲の聴取者につきましては、鋭意努力いたしまして、幸いそれらの聴取至難といいますか、聴取不可能というものは殆んどないようになつておる次第でございます。
○委員長(鈴木恭一君) 別に御発言ございませんか。ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(鈴木恭一君) それでは速記を始めて……。別に御発言もございませんか。御発言がなければ質疑を打切つて、討論に入りますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大島定吉君 私はこの際次の動議を提出いたします。 日本放送協会昭和二十五年度財産目録、貸借対照表及び、損益計算書並びにこれに関する説明書に関する会計検査院の検査報告書及び同検査当事者よりの説明を総合いたしますと、検査の結果何ら不正不当の所為あるを認めない。又改善させたもの二件、改善を必要と認められるもの五件についても、いずれも極めて常識的な指示をしたものであることと、私どもの慎重審議の結果からいたしまして、当電気通信委員会としては、会計検査院の検査の結果と見解を同じくするものであり、特に電気興業株式会社及び株式会社日本放送出版協会に対する投資分については、放送法の趣旨よりして速かなる整理を要望するということに議決せられんことの動議を提出いたします。
○委員長(鈴木恭一君) 只今の大島委員の動議を議題として御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) それでは大島委員の動議につき御意見のおありのかたは御発言を願います。……別に御発言もないようですから、直ちに採決をいたしたいと存じます。念のためにその内容を申上げます。 日本放送協会昭和二十五年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書に関する会計検査院の検査報告書及び同検査当事者よりの説明を総合いたしますと、検査の結果何ら不正不当の所為あるを認めない。又改善させたもの二件、改善を必要と認められるもの五件についても、いずれも極めて常識的な指示をしたものであるごとと、私どもの慎重審議の結果からいたしまして、当電気通信委員会としては会計検査院の検査の結果と見解を同じくするものであり、特に電気興業株式会社及び株式会社日本放送出版協会に対する投資分については放送法の趣旨よりして速かなる整理を要望するということに議決せられたいという内容のものであります。 この動議の通り議決するごとに御異議のないかたの挙手をお願いたします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木恭一君) 総員挙手であります。よつて動議の通り議決せられました。 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四條によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び議決の結果を報告するこことして御承認を願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認めます。 それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますから、本件を可とせられたかたは順次御署名を願います。 〔多数意見者署名〕 山田 節男 新谷寅三郎 尾崎 行輝 大島 定吉 稻垣平太郎 寺尾 豊
○委員長(鈴木恭一君) 御署名漏れはございませんか。……御署名漏れないと認めます。 —————————————
○委員長(鈴木恭一君) 次に電波行政に関する調査を議題といたします。
○山田節男君 今日は過日催されたテレビジヨンの標準方式に関する聴聞会の結果できた調書並びに審理官の意見書について若干の質問をしたいと思いますが、その前に網島電波監理委員長の所見を伺つておいて、そうして審理官の御説明を伺いたいと思います。 この電波法の第八十七條によりますと、「聴聞は、電波監理委員会が事案を指定して指名する審理官が主宰する。」と、これによつてこのテレビジヨンの標準方式に関する聴聞が行われておるものと了解するのでありますが、その次に「但し、事案が特に重要である場合において電波監理委員会が聴聞を主宰すべき委員を指名したときは、この限りではない。」でこの電波行政の立場から見て、この特に重要である場合においては電波監理委員会がこの聴聞を主宰する委員を指名する、で特に重要な場合というようなものは電波監理委員会の見解としてはその事例はどういうものであるか、これを一つ具体的にお示し願いたい。
○政府委員(網島毅君) 第八十七條の但書の條項によつて電波監理委員の聴聞を主宰した例はまだございません。併しどういう場合にこの但書でやることを考えるかという御質問でありますが、私どもといたしましてまだ委員会として決定はしておりませんけれども、一例を申上げるならば、異議の申立が行われた場合、そういうような場合におきまして或いは電波監理委員会の委員が聴聞を主宰する、そして審理官がそれを補助するというようなことも考えられるのではないかと思つております。
○山田節男君 今私のお尋ねしているのは特に重要である場合という場合に審理官を以て主宰させないという、そういうケースは例えばどんなものであるかということをお聞きしているのです。
○政府委員(網島毅君) 例えば異議の申立があつたような場合じやないかと思つております。
○山田節男君 異議の申立という以外には特に重要というようなケースは具体的には挙げられませんか。
○政府委員(網島毅君) まだそういう事例が起つておらないので具体的に申上げることは非常にむずかしいのでございますが、若し仮に電波が一つ或いは二つ、出願者が相当多数ある、そういう場合におきまして電波監理委員会として聴聞によつて一般の意見を聞いたほうがいいというような場合に特にその申請の内容その他から見まして重要だというような場合には或いは委員会がみずからやるということになるかも知れないと考えております。
○山田節男君 その今の異議の申立というような場合が特に重要だということを言われるのですが、例えば今回のようなテレビジヨンの根本問題の標準方式を決定するというようなときには、そういう件は第八十七條の二項といいますか、特に重要な場合ということには扱わないという御趣旨ですか。
○政府委員(網島毅君) 普通の規則の制定というような場合には、この但書ではやらないのが普通だと考えております。
○山田節男君 今回の標準方式の聴聞会の委員会のとつた手続から見ても、果してそれを規則制定のための聴聞会という形式をとつていない、それからこれまで再三申上げているように電波監理委員会としては、我々が申上げるまでもなくこのテレビジヨンの標準方式というものはこれは非常に根本的な問題であり、重要な問題である。そういう見地からしてこれは單なる規則制定のための、特に規則を制定する場合に必要な場合といいますか、今回の標準方式の制定に関する件についての聴聞会というものはその形式になつていない、今回のテレビジヨンの方式の聴聞に関しては……。それで私は非常に今の委員長の言われることを、今の御説明自体にも矛盾があるのじやないか如何ですか。
○政府委員(岡咲恕一君) 網島委員長の御説明に補足する意味で私からお答え申上げたいと思います。 電波監理委員会が発足いたしましてしばしば聴聞会を開いておりまするが、それは殆んどすべて電波法で電波監理委員会が制定することを委任されておりまする規則の制定でございます。山田委員が御指摘になりましたように、このたびの白黒テレビジヨン放送の送信の標準方式は極めて重要な事項でございまするので、委員がみずから聴聞を主宰いたすことが適当であつたかとも考える次第でございまするが、従前例えば放送局の開設の根本的基準のような極めて重要な規則も審理官が極めて適切に聴聞会を主宰された事実もございまするので、一応審理官に聴聞を命ずることが適当と電波監理委員会は考えまして、聴聞を主宰せしめたわけでございます。山田委員はこのたびの聴聞は規則制定のための聴聞ではないというふうに了解のようでございますけれども、この点につきましては従来たびたび申上げましたように、電波監理委員会といたしましては将来規則として制定せられるべき事項につきまして聴聞を開いたのでございまして、電波法の第八十三條第一項の第一号に当る聴聞と心得ておる次第でございます。将来委員がみずから聴聞を主宰するような場合があるかというお尋ねでございますが、先ほど網島委員長からお答えいたしましたように異議の申立があるような場合には私どもは委員が聴聞するのが適当ではなかろうかと考えております。尤もあらゆる異議について委員が聴聞を主宰するのがよろしいかどうかというのは問題だと思いますが、一応審理官が聴聞をいたしました結果、電波監理委員会で決定をしても、その決定に対して更に異議の申立があつたというふうな場合には、私は委員がみずから聴聞を主宰するのが適当ではなかろうかと考えております。それから処分といたしましても、例えば電波法の七十六條第二項に規定いたしておりまするような免許人に対して免許の取消しをするといつたようなことが相当重要な事項でございまするのでこのような場合、或いは無線従事者の免許の取消し、七十九條に規定しておりまする……、といつたような場合には、場合によつては委員みずから聴聞を主宰いたすのが適当ではなかろうかと考えております。
○山田節男君 後ほど触れますが、調書なり意見書なりで我々窺え得るし、それから殊に意見書、それから理由書において、今岡咲副委員長が言われるようにこの問題は、このいう白黒のテレビジヨンの標準方式を決定するという規則を事案としたのではない、今ちよつと條文を探して見なければわかりませんが、要するに任意聴聞でやつて、結果によつては第一項のいわゆる技術基準或いは電波の質というもので行く、これは結果論である。併し一事不再議という原則を一方的にあなた方はそういうことを言明しておる。規則の制定であるならば任意聴聞ということはあり得ない。この立法の趣旨は、飽くまでも聴聞というカテゴリーはおのずからもうこれは定つて来るので、第一項に二十二も挙げてそれ以外については任意聴聞だ。それで過日来委員長並びに岡咲副委員長の話を聞いても今度逆になつて、第一項の技術基準、電波の質、これは論理的にいつてそれはおかしい。副委員長の法理解釈はこれは非常に矛盾して来るのではないか。そこで電波監理委員長はどういうふうにこれを合法的に進めるつもりか、この点が今の規則制定の問題ということと実際やつていることと立法の精神が違う。任意聴聞という制度を利用しているところに要するに電波監理委員会の今回の聴聞の取扱方が法理的に非常に矛盾しているのではないか。この点を明らかにしてもらいたいということを質問しているのです。
○政府委員(岡咲恕一君) 只今お尋ねの点につきましては従来たびたび御説明申上げましたと思いまするが、形式上は八十三條の第二項による聴聞のように見えるけれども、実質的には規則となるべき事項に関して聴聞を開いているわけであるから、実質的に明白に八十三條第一項の一号に当る聴聞であるという趣旨のことを聴聞会でも電波監理委員会は述べている次第でありまして、私が述べました点と、電波監理委員会が聴聞におきまして陳述いたしました点におきまして矛盾があるとは考えておらない次第でございます。
○山田節男君 電波監理委員会の委員長並に副委員長の見解としてもうすでに過去そういうことを繰返しておられるし、速記に残つていることでありますから、これ以上追及しません。 それからもう一つ、これは審理官という、電波監理委員会に審理官という者を置いてある。私は電波法というのは大体アメリカの法律をとつたものじやないか、殊に審理官という者を行政委員会が持つということ、これは全く新らしい試みである。電波監理委員会にもその一つの新らしい例として審理官を置いている。審理官は私これは恐らくアメリカのF・C・Cできめているエグザミナー、エグザミナーというのは、例えば向うの通信法のセクシヨン四〇九、そこにエグザミナーの権限というのをきめてある。日本の法律からいつてこのエグザミナー、審理官という者がこれは飽くまで独立の地位を保障され、そうして何ら上司の指揮、監督を受けないで、飽くまで厳正な立場において今の聴聞会を主宰して、聴聞会を主宰する権限を持つという一つの地位の独立性、こういうものが確立されているのかどうか、これを一つ確めて頂きたい。
○政府委員(網島毅君) 電波監理委員会設置法にございまするように、審理官は他の職員と違いまして、電波監理委員会の会議によつてきめることになつております。これは委員長とか或いは長官とか、そういう個人的な見解によつて審理官の地位を左右するということを防ぐ意味から行われているのでありまして、これによつてできるだけ審理官の身分というものを確保いたしまして、他の圧力に支配されずに厳正公正に職務ができるようにという法律の趣旨と了解しております。従いまして電波監理委員会といたしましても審理官に対しましては特にその独立性を尊重しておりまして、未だ曾つて審理官に対してかれこれ支配的なことを言つたこともございませんし、審理官の地位に対して不安を与えるような行動もとつたこともございません。それは今後とも同じことだろうと思つております。
○山田節男君 そうすると、電波法の第九十四條に基いて電波監理委員会がこのテレビジヨンの標準方式の決定を行うわけですが、そうすると審理官が作つた調書、それから意見害というも野、これは或る程度法的にも拘束力があるものと了解してもいいのですか。
○政府委員(岡咲恕一君) 電波法の九十四條の、たびたび引用いたしました点でございますが、電波法の九十四條の第一項にございまするような趣旨におきましては、一つの法的な拘束力を持つているということが言えるかと思いますが、電波監理委員会が決定いたしますにつきましては、意見書に拘束されるということはないと思います。意見書を十分斟酌して決定をいたせばいいのでありまして、意見害の主文と申しますか、意見書に我々は法律的に拘束されるということはない、さようには解釈しておらない次第でございます。
○山田節男君 そうするとこの聴聞会の規定は、聴聞会が一つの何と申しますか、準司法的な手続なのか、主宰する審理官の行為というものは、單なる行政機構が聴聞会を行うということは一つの準司法的な手続であるか、主宰官という者はその主宰する一つの行政的な権限しかない、こういう見解ですか。
○政府委員(岡咲恕一君) この審理官の法律的な性質につきましては、いろいろ行政法上問題があろうかと考えておりますが、私の了解しておりますところでは、連邦行政手続法におきましてかような制度を認めたのでございまして、先ほど山田委員御指摘のようにF・C・Cこの機関が設けられまして、聴聞を主宰いたしているわけでございます。電波法もアメリカの制度を採用いたしまして、審理官による聴聞という制度を認めたのでございますが、官の性質といたしましては、公務員といたしましては行政官であることは疑ないと思います。尤もそのいたしておりまする職責は、先ほど網島委員長からも申上げましたように、独立の機関として、何人の訓令にも基きませんので、独自の判断によつて聴聞いたす、而もその聴聞はいわゆる訴訟形式というもの多分に採用いたしております。さように考えますと、この聴聞自体は司法に準すべき手続のように考えられます。従つて手続上は行政官でございますが、そのいたしております機能は準司法的な手続をいたしておる、若し意見害に終局的な決定権というものを与えますならば、私は非常に司法官的な、司法的な色彩が強い機関であろうかと考えております。意見書には先ほど申上げましたように、法的に絶対的な拘束力を与えてはおりませんけれども、これは相当電波監理委員会が最終の決定をいたす際に斟酌されるものでございますし、殊に聴聞から生れ出ております調書は、これは判断の基礎になるものでございまして、言い換えれば審理官が独立不覊の立場で公正に審理せられました基本資料たる調書は、電波監理委員会が決定をいたします際の基本的資料になるわけでございまして、この意味におきまして審理官が行つた準司法的な手続というものが、間接的には電波監理委員会の決定を支配するということになるわけでございまして、この意味におきましては審理官の聴聞というものは非常に司法的手続に近い性質を持つであろうと考えておる次第でございます。
○山田節男君 これは委員長並びに副委員長から審理官の性格といいますか地位につきましていろいろ説明になりましたが、これは私何としても……。たとえアメリカの行政手続法を見ましても、こういう審理官制度の非常に発達した所では、これは非常に地位の確立と保障というものがあつて、何ら外部の意見の制約を受けないということは非常に細かく確立してある。併し日本の法律、或いはその行政に当つておられる委員長、副委員長の御意見を聞いて、日本においては飽くまで司法官的な、準司法的な手続をするもの、身分は行政官である、私は今後こういつた重要な問題が起きた場合に、審理官の意見というものは大きな問題になつて来ると思う。審理官の意見審には法の拘束力がないとおしやるけれども、ないということになれば……これは調書もやはり審理官のまとめたものである。これは法的に拘束力を持つておる。併し意見書には何ら拘束されない。尊重するけれども拘束はしていない。これは私は建前はアメリカでも同じだと思うのです。併し行政手続というものは、今の審理官の御説明を聞いておつても、電波行政の委員会が準司法的な機関としてやる上において、審理官というもののエクゼキユーテイブな地位というものが極めて根拠が薄いのではないか。これは私は今後電波行政が複雑になつて来て、再びこういう事態が起きた場合に審理官の地位というもの、権限というもの、これはやつぱり明確にしておかないと、今のように一つの論争をしながらこういう事実が生まれて来るということは、私は電波監理委員会のみならず、我々にとつても非常に不幸ではないかと思う。これはやつぱり今後審理官というものをはつきり、地位と申しますか、今あなたのおつしやるような工合に行けばよろしうございますが、勝手の惡いときにはそういうようなことは事実やれない。例えば今回の調書、意見書、それから電波監理委員会の標準方式の決定の理由書を見ましても、どうもそうはとれない。副委員長と委員長の言われることに私は合つていないということの非常に感じを受けましたから、これは今後のこともありますから、これは審理官の地位、権限というものを明確にする必要があるのではないか、これは意見として申上げておきます。それでちよつと審理官にお伺いしますが、この意見害の最後のほうに、異なろ意見として西松審理官の意見が載つておりますが、これは柴橋審理官とは……全然柴橋審理官として賛成できないという意見ですか。それを意見書に入れられたのかどうか、これを先ずお伺いしたい。
○説明員(柴橋國隆君) このいきさつを申上げますと、西松審理官も必ずしも私の意見と異なる意見という意味ではないわけであります。ただこれはいろいろ、何といいますか、書き方を打合せたのでありますが、聴聞規則によると、異なる意見ということは書き得ることになつておりまするが、まあ何といいますか、追加の意見と申しまするか、そういつたものは書き得るというような規定がございましたから、それじやまあ一応異なる意見ということにして、以上のほかになお次の意見を有するという形で書こう、こういう話合いでございました。それで私が必ずしもこの西松審理官の意見に反対だ、そういう意味ではございません。
○山田節男君 そうすると、この今の我々のもらつた第十三回電波監理委員会聴聞資料の三百三十四ページ以下のものは、やはりあなたの名前で発表された意見書の内容の一部と見ていいのですね。
○説明員(柴橋國隆君) この意見書は私の名前で発表したわけではございませんので、二人の連名でございます。
○山田節男君 連名ということは……ここにわざわざ五として異なる意見という特別の項目を設けられた理由は私わからない。あなたと意見を異にしないならば殊更異なる意見とする理由はないと思う。なぜこういことをされたのですか。
○説明員(柴橋國隆君) 少しいきさつになりますが、この間もちよつと私が申上げましたように、西松審理官は、標準方式だけを取上げて聴聞をやるということはかねがね反対だ、まあそういう意見を持つていないというようなわけで辞退したわけでありまするが、そういう意味を何とかここに書いておきたい。こういう気持で西松審理官がここに書いたわけであります。必ずしも私と意見が異なるという……五の項目に異なる意見となつておりますので、異なる意見のようでございますが、それは先ほど申上げましたように自分の心境を述べる、そうような意味だと本人は言つております。
○山田節男君 なぜ私がこういうことを申上げるかというと、この西松審理官の言葉が……まあちよつと読みますと、本事案は技術的内容を持つたものではあるが、社会的、経済的観点に立つた審議が主流をなさなければ、決定的な結論が得られる性質のものでないという判断と主張を持つていたのであつて、調書のごとく社会的、経済的な前提條件を範囲外としたり仮定を設けたりした審議による調査に基く意見書を提出することは本意としないところであるが、真に止むを得ないことである。こういうことを書いてある。これは我々が立法者として一番問題にするのはここなんですね。あなたが最初に、私はどうも技術的にも審理官としての適切な資格のあるものとは思わんというようなことを言われたが、我々は少くとも立法者の立場としてこういう問題を決定する場合に、技術的だけの問題で我々論じているのではない。むしろ社会的経済的なフアクターというものを我々は重視している。そこにポリシイというものがあるからやかましく言つている。最も重要なエレメントである。そうすると異なる意見としてというと、あなたは主任の審理官として、こういうフアクタしに対して異なる意見だということをここに附けているというところに、僕は君の書いた意見書を非常に一方的なものだと、あなたの言うてることとこの調書に出ていることと、そういう建前でわざわざ異なる意見として出している。あなたの審理に当つてのお気持が非常に一方的に見える。そこで私は重ねて質問しているわけです。
○説明員(柴橋國隆君) 一方的と申しまするが、私の書きました意見書につきましては、西松審理官も全く同様であります。ただやり方と申しまするか、先ほど申しましたように、私自身も西松審理官と同じように標準方式だけを取出しましてそれだけを聴聞するということは、私も適当でないという意見を持つております。ただ委員会のほうから、西松審理官はそういうわけで辞退いたしましたので是非君やつてくれ、こういうことでありますので、まあそういつた條件は充たされないけれどもそれならやつてみよう、こういう気持でやつたわけでございまして、その点につきまして西松審理官は最初から標準方式でやることには反対だつたのだ、そういう心境をとにかく書いておきたい、こういう気持でございます。西松審理官が申しましたのはそういう気持であります。
○山田節男君 もう一点確めてみますが、そうすると異なる意見とここに挙げてあることは、主任の審理官としてあなたは全然同感なんですね。
○説明員(柴橋國隆君) あとの部分でございまするが、前半の今御指摘になりました点は同感でございます。あとの部分は……。
○山田節男君 前半でよろしいです。この調書並びにあなたの書かれた意見害、理由書というものは再三拝読しましだが、今更ここに挙げて質問するということも煩瑣に堪えないし、又今日私は、あなたが政府の説明員として出席しておられるということを聞いたのです。むしろ私はあなたを参考人として、喚問の形式において証言を求めるという形式がよかつたのではないかと思うが、私はそういう形式はとりません。ただそういう気持で、あなたの地位として何ら電波監理委員会或いは電波監理委員長に制約される地位にないということを十分堅持して頂いての御答弁を我々も頂きたいのですが、この意見書で見た私の全体の感じというものは、あなたは聴聞会の状況をずつと見られて、柴橋審理官としてはやはり七メガサイクルのほうがいいのじやないか、こういう私はあなたの主観がおありになるように見えるのですが、そうでしようか。
○説明員(柴橋國隆君) 最初に私の気持でございまするが、先ほど委員長、副委員長から審理官の身分と申しますか、権限と申し芋か、いろいろ御説明ございました。現行法によりますると、一般公務員以外に審理官の身分が保障されているものはございませんけれども、私たち二人の審理官は身分の保障が明文に規定されていると否とにかかわらず、まあ公正にやつて行こう。それが電波法に定められました聴聞の精神であり又審理官の使命であると、かように考えまして、その良心に従いましてやつているわけでございます。現在まで委員会のほうから審理官に対しまして、審理官の職務を阻害するような指示はございません。 それから例のバンド幅のことでございますが、これはこの理由書にも書いておりますように、ただバンドの幅だけにつきまして六メガと七メガと比べますと、例えば画の品位の問題とか或いは価格の問題とか、或いは機具の粗雑さの問題とかいう点におきまして七メガのほうがよりベターという見解を二人の審理官とも持つているのでございまするが、そこにも書いてありますように、バンド幅というものはただそれだけで決定するのではございません。先日も申上げたと思いまするが、周波数の割当の点におきまして、ほかの業務とテレビジヨンというものの流用の比較はどうかとか、一体テレビジヨンの画の品位というものを、今日或いは将来においてどの程度に定めるのが一番いいのか。或いは受像機の価格というような点もどの程度のものを標準とすべきか。或いは放送局の配置と申しまするか、全国的にどういうような配置をしたほうがいいかというような問題が関連いたしておりまするので、それらの点につきまして聴聞その他の方法によりまして一応の線が出て、それとの関連において場合によつては六メガと七メガと、或いはいろいろなほかのバンドもあると思いますが、そういうものが研究さるべきだという意見でございます。 なお七メガを主張する説につきましても理由の所に書いてございまするが、六メガと七メガと比べれば七メガのほうがいいということでございまして、仮に天然色に移る場合を考えましても、七メガが最上だというような意見はございません。ただバンド幅を広くしておくほうが画の品位或いは価格というような点において有利だという意見でございます。
○山田節男君 今の柴橋審理官の御意見は、大体聴聞会に主宰されてずつと聞いておられて、ここにも指摘されているように電波監理委員会、即ち事案を成立した当局者がなぜ六メガがいいのだという技術的な説明が足りないということです。それから技術的のみならず、例えば将来受像機の輸出であるとか、或いはプログラムの交換であるとか、こういうものはもう標準方式を穴メガにするという絶対的なこれはフアクターになれんという判断だろうと思う。それから七メガ説につきましては、これはもうメーカーというものが相当理論的に反駁している。而もそこに出席したものは日本における電気通信のメーカーとしてはやはり一流の者である。その殆んど九割がこれに対して改めて七メガ説を主張している。で而も事案の提出者である電波監理委員会は、七メガ説はなぜいけないのだということを述べられている論拠が審理官としても不十分だ。私はそこにそういう見解が生れたのではないかと思うのですが、あなたは技術的な立場というか、聴聞会のこの事案に対する賛成、反対のその過程を量られて、あなたは結論的に七メガがいいのではないかというお考えなのか。或いはそれともあなた自身が、そういうことを離れても、あなたの持つている技術的知識から七メガがいいのではないかというのか、どつちの御意見ですか、お伺いいたしたい。
○説明員(柴橋國隆君) 聴聞の結果でございます。
○山田節男君 聴聞の結果……。これに甚だ話が前後しますが、先ほど申上げますように私はこれは何度も読んでおりますから……。それでさつきも岡崎副委員長から御答弁願つたような標準方式の性格ですね。これをあなたがまあお聞きになつているが、このままでもいいでしようし、補足でもいいから、一応この速記録に残るように、あなたの今回主宰をされた聴聞会の事案となつたこの標準方式の取扱い、標準方式の性格というものに対する御意見を重ねて伺いたいと思います。
○説明員(柴橋國隆君) ちよつと御質問の趣旨がわかりかねますが。
○山田節男君 このあなたの、調書に附けられた意見書に書いてある理由として挙げてある中の標準方式の性格ということ、法的な取扱い方、三百十六ページ以下の……。
○説明員(柴橋國隆君) 聴聞の根拠でございますか。その点につきましては委員会の答弁は調書に書いてある通りでございまするが、私といたしましては理由にも書いておきましたように、本来ならば三百十六ページの最後から五行目にも書いてありますように、「白黒式テレビジヨン放送に関する送信の標準方式に関する規則」というような形ではつきりと八十三條の第一項によるのが至当である、かように考えております。
○山田節男君 それから断片的になりますが、このあなたの意見書の中の三百三十二ページにも書いてありますが調書の中にもたしか二百八十三ページだと思うが、抜山委員が聴聞会において、電波監理委員会はこういう專門技術的な方面に亘つては十分なスタツフを持つて、技術的方面においてはもう論議を尽しているのだ、参考人として証言する者は、即ちメーカーとして自分らの利害関係に関することだけ述べればいいのだという発言がある。それから審理官もこのことを特に二カ所に挙げて言つておられる。三百三十二ページと三百三十三ページ……。ところが抜山委員は、委員からのそういう指摘に対して、私はそういうようなことを言わないと言われる。私がこの調書を精読すればですね、まさしくあなたの言われていることと全く同じ意見になるのですが、抜山委員は、調書をよく読んでもらえばこういうようなことを言つたことがないということがおわかりであろう、こう言つておられるのですが、この点について柴橋審理官あなたはここ三百三十二、三百三十三ページに記載されていることは、これは飽くまで確信を持つて……。かくのごときごとに違いありませんか。これに相違ありませんか。
○説明員(柴橋國隆君) 相違ございません。意見書につきましては審理富みずから筆をとりまして、両審理官、まあ主任の審理官が筆をとりまして、ほかの審理官に相談をいたしまして、意見があればそれも汲み入れまして書くわけでございますが、調書は法文の上では審理官が書くということになつておりますけれども、現実的には事務局に審理課というのがありますが、その審理課で速記録によりましてまあ調書の原稿を書くわけでございます。それを両審理官がよく見まして、間違いないということを確認いたした場合に、審理官が署名捺印して委員会に提出するわけであります。このプリントはその委員に審理官が提出いたしました調書並びに意見書を事務局のほうでプリントにしたものでございます。 拔山委員の発言につきましては私の了解で間違いないと確信いたします。ただ速記の中でも、例えば三日間に亘りましてやりましたので、これで一時休憩しますとか、或いは明日も遅れないように御出席願いますというような、直接審理の内容に関係ない部分は省いてございます。併し個々の審理官、或いは委員会側、又は利害関係者側の、或いは参考人の発言につきましては、細かいところまで速記に載つております。現にそういうお話がございましたので、私、総局審理課の者に言いまして、もう一度念のためにこのプリントと速記と違つていないか確かめてくれと、こういうことを確かめまして、相違ないという結果を得ております。
○山田節男君 そうしますと抜山委員はこういう御発言を否定されて、速記録を見てもらえばよくわかると、こういうお言葉だつたのですが、速記録を見ても、このあなたのこれに記述されていることと間違いなしと、そうなんですか。
○説明員(柴橋國隆君) さようでございます。実は補佐をやりました西松審理官も、抜山委員の発言に対しまして、横から私を突つきまして、あれに対して何とか意見を言わなくちやいがんだろう、こういうようなことを言つておりましたので、私一人の独断ではございません。
○山田節男君 この審理官ということについて、今委員長並びに岡咲副委員長から説明があつたのですが、大体この網島委員長、岡咲副委員長の言われているように、審理官というももの職責と言いますか、これは保障されておりますか。
○説明員(柴橋國隆君) 最初に申上げましたように、この法律或いは規則と申しまするか、そういう明文の上では、一般公務員以外に、特に保障されているようなものはございません。ただ先ほど委員長が説明いたしましたように、審理官と総局の長官とは、委員会の同意によつて任免をやるということがありまするが、これは必ずしも保障されたということを言えるのかどうかわからないのであります。ただ私たち二人とも審理官に任命されました以上は、先ほども申上げましたように、身分の保障が明文上あるかないかということにかかわらず、とにかく又世間から、或いは部内からとかく言われようとも、とにかくこの電波法に定めました審理官という職責を守つて行くのは、これは自分だ、こういう確信を持つてやつております。
○山田節男君 ということは、あなたはやはりアメリカのFCCの審理官、アメリカの行政手続法によつて保障されていると同じような権限、地位というものが、あなたは現在の法律では確保されている、保障されていると、かように信じておられるのですか。
○説明員(柴橋國隆君) 法文の上では、先ほど申しましたように、特別一般公務員以外の保障があるとは思つておりません。ただ現実の問題といたしまして、過去におきまして、委員会から審理官が職務をやつて行く上におきましてとやかく干渉がましい指示を受けたことはございません。
○山田節男君 これはあなたの書かれた意見書、それから、並びに調書に基いて電波監理委員会は全会一致を以て今回の事案としたテレビジヨンの標準方式を決定した、こういう報告を受けておるわけです。あなたは審理官として筆をとられて、こういう調書を作り、意見害を書かれるに当つて、今のあなたのそういう極めて厳正な地位におる人として、委員会或いは電波監理庁の者から、これは勿論その監督権はないわけですが、あなたの書ごうとする意見書或いは調書について、何らかの意見の干渉とまでは言えないけれども、意見の開陳とか、そういうものがあつたかどうか。
○説明員(柴橋國隆君) 別にございません。審理官の二人、私と西松審理官二人でよく相談いたしまして書いたものであります。
○山田節男君 それから、このあなたの意見書並びにこの理由ですね。この理由を書く決定的な、決定的と言うか、あなたはその権限でおやりになるのだから、これはまあいいとして、あなたの意見書或いは決定には全然関係ないものとしてお考え願いたいのですが、電波監理庁の中で七メガのほうがいいのじやないか、こういうような、一人でもそういう意見がある者があるということをあなたは耳にせられなかつたかどうかということをお聞きしたい。
○説明員(柴橋國隆君) 審議の途中によつてはそういうこともあつたようでございます。ただ審理官と申しますのは、本来ならば委員会が聴聞にかけます事案を審議いたします前に、むしろ出席しないほうがいいじやないか、かように考えますけれども、併し従来の例にもよりまして、例えば委員会が或る処分をする、電波法違反の疑いの事実があつて処分するというような場合には、あらかじめそういつたことを知つておるということは結果的にまずいのでありますけれども、規則のような場合には必ずしもそういうこともなかろうという考え方と、もう一つはいよいよ聴聞を始めることがきまりました上で、審理官が又事務局の誰かを頼みまして、いろいろ経過なり理由なりを聞くということは非常に煩わしい、かように思いまして、いつの頃からでしたか、よく記憶しておりませんけれども、とにかく審議中にはときどき顔を出すということをやつておりました。その際にはそういう意見があつたように思つております。ただその後どういうふうになつたかは、私は始終委員会に顔を出しておるわけでございませんのでよくわかりません。お答えいたします。
○山田節男君 そうしますと、このあなたの書かれた意見書、それから理由というものは、ここに我々に提出された内容は、もう一言一句とも訂正する必要はない、こういうお考えですか。
○説明員(柴橋國隆君) 必要ないと思います。ただ何と申しまするか、先日も申上げましたように、意見書の書き方と申しまするか、につきましては或いは、例えば西松審理官のごときは最初の意見、これは実際は結論になるわけでございまするが、意見にもいろいろ理由を添えて書いたほうがいいじやないか、こういう見解もありました。私は一応こういう形をとつたのでありまするが、その点につきましては今後におきましても、なお考究の余地はあるかと思いまするが、書きました内容そのものにつきましては訂正のあれはございません。
○山田節男君 私はこれで終ります。
○委員長(鈴木恭一君) 別にございませんか。
○政府委員(岡咲恕一君) 審理官の身分につきまして、山田委員から極めて御尤もな御意見を拝聴いたした次第でありますが電波法或いは電波監理委員会設置法におきまして、特に審理官の身分を保障したというような規定は、先ほど委員長が述べましたようにその任命について、特に委員会の同意によるというような規定があるのを除きましては、別段な規定はございません。或いはアメリカの電波行政手続法或いはアメリカの通信法の規定に準じまして規定を設けるほうが適当かとは考えますけれども、これは主として運用上審理官の独立を保障するという行き方をすれば私は足りるのではないかと考えております。この趣旨におきましてこれは電波法令集の三十六ページにございますが、電波監理委員会聴聞規則、これの第八條に、特に規定を設けまして、「審理官は、何人からも指示を受けず、良心に従い、且つ法令に基いてその職務を執行しなければならない。」という規定を設けまして、審理官の職務執行上の独立を保障いたすようにいたしておるわけでございます。
○山田節男君 これはまあ岡咲副委員長は大体現行法なり現行規則で足りるという私は見解を言われておると思うのです。電波監理委員会が将来存続するか否かということは一つの問題がありますが、電波行政は日本が独立になつて非常に複雑多岐を極める、今委員長の言われるようにこの電波法の八十七條の特に重要なる場合には委員を置くわけです。こういうような規定から私は痛感したのですが、ただ異議の申立が、これが特に重要な場合に電波監理委員会はその聴聞会を主宰する委員を指名すると、こういうことを言つているわけですが、ただ異議申立というだけの問題でなくて、電波行政が複雑になればかなり技術的にもむずかしい問題がいろいろ起きるじやないか、従つてアメリカなんかを見ますと、これはただ法律上の審理官でなく技術的の審理官と、こういうものがあるのです。そうすれば私はたとえこの法律にこういう審理官の権限とか地位がちやんと保障してあつても、アメリカの行政手続のように権威を与えるような、審理官が本当に明鏡止水の気持を持ち得るかどうか、人間である以上……。そごに私は電波行政が今後拡大され複雑化するに従つて、殊に電波監理委員会というものの一つの準司法的な機関というものを強化するために、それからもう一つは電波行政というものは、これは政治経済的に非常に利害関係の多いものであるということから、現在のこの審理官制度はもう少し再検討する必要があるのではないか。今回のこのテレビジヨンの標準方式の決定の過程を見まして、こういう調書、意見書というものを審理官が出しておる。そうして今回のような電波監理委員会の全会一致だなんという、こういう決定書を見まして、私は審理官制度を再検討すべき時期にあるのじやないか。私はかように考えておるから委員長並びに副委員長に質問をしたわけですが、今の岡咲副委員長の言われることもわかります。わかりますが、将来法の改正或いは規則の改正ということになれば、これは電波監理委員会そのものの職責を忠実に守り、その権威を重からしめるためにも、審理官というものの制度はもつとすつきりする必要があると思う。私はそれを特に感じましたから、これは意見ですけれども、電波監理委員会としてこの点は特に御考慮願いたいということを私は意見として申上げておきます。
○委員長(鈴木恭一君) それでは審理官に対する質問はこれで打切つたことにいたします。
○新谷寅三郎君 しばしば委員会を開いて我々も審議をしたわけですが、先般証人を呼んで調べ、事情を聞きましたときに要求した資料がまだ実は出ておりませんから、それが出ますともう少し具体的にいろいろ質問することもあるのですが、私が網島委員長にお尋ねしておきたいと思いますのは、こういうことがあつてはならないと思うから聞くのですが、この間の私に対する答弁の中で、今度は異議の申立があるそうだ、その場合にこれは国会両院方面の意向も斟酌をして、その意見を尊重して間違いのないようにきめたいと思います。こういうお話で、私は抽象的に極めて適当な御尤もな御答弁だと思います。その際に言われましたのは、新らしい事実が発生すれば変更することも考慮し得ろということを言われました。いろいろ考えて見ました炉、そのことについて私はお尋ねしたいと思います。一体この委員会行政制度というものが、私は別に裁判所ではなくして、普通の行政機関の権限を持つておるわけなんですから、行政機関がこの問題について一つの処分をしました場合に、それでむずかしいことが出た場合には、法律の規定によつた聴聞会もあるのですが、今度のこの新らしい聴聞会においてどういう審理が行われるかはこれからの問題ですが、この聴聞の際に前の聴聞において述べられた事柄であつても、これに基いて委員会が或る意見を妥当とした場合、これはやはり採用しなければならないと私は考えておるのであります。同じような事柄は前に述べられたから、これについてはもう一応委員会としては審理をし尽した。従つてこれについてはもう考慮の余地はないということになりますと、この訴願に代るような異議の申立については、非常に行政機関としては私は敏けるところがあるので、ないかと考えるのであります。全然新らしい例えば発明がここであつたとか何とかいうことになれば、これは申すまでもないことでありまして、委員会が一度そういう規則を出されても、みずから規則を改正するという手段をとらなければならないと思うのであります。今日まで私は多少意見を異にしておりましたが、私が具体的にこの標準方式について六メガがいいとか七メガがいいという結論を出すほどの私は技術的な知識は持つていない。ただ私は今までの材料、意見というようなものによつて判断しますと、将来のカラーテレビジヨンを考えた場合に、六メガでやつて行くということになると、国民の負担が増すのではないかという懸念を私は多分に持つていることだけは事実であります。そういう意味で今も質問しておるのです。 従つてあなた方專門家が見て、專門家の意見を聞いて、そうして成るほど正しい意見である、国民から見ればこのほうがいいだろうというような考えを持たれた場合には、新らしい技術云々ということを言われましたけれども、技術というものは、今申上げたように発明とか改良ということでなしにでも、前に述べられたことを更に強調して、具体的な問題としていろいろ資料が出たという場合でも、委員会としては当然行政機関として考え直すべきであるという見解を私は持つておるのであります。それに間違いないでしようねということを確かめておきたい。
○政府委員(網島毅君) 私が先般新らしい技術ということを申上げたのは、決して只今新谷委員のおつしやつたような発明とか発見ができたということではございません。これは非常に広い意味でありまして、再聴聞の結果、委員会が更に会議できめますが、そのときに或る委員が前の説明は誤解して聞いておつた、考え違いをしておつたというようなことも当然起り得ることと予想されます。そういうことから委員会が前はこう主張したけれども、今度は自分はこういうふうに考えるというようなことも勿論そういう中に入るのでありまして、これは広い意味に解釈しております。
○新谷寅三郎君 非常に結構だと思います。こういうふうにして公正明朗に一つ委員会制度を動かして頂きたいと思います。 それからこれは私直接に聞いたわけではないから、余り岡咲さんがそういうことを言つたとか何とかいうことは言いませんが、何か一部に委員会の決定というものが、あたかも国会の本会議の議決のごとく、一事不再議とか何とかいうようなことを言う人があるのですが、これは何か私は考え違いじやないかと思つておる。国会は国会法の建前に従いまして、同一会期に同じ案件について決定したものについては同じ会期内では取上げられないが、次の会期になれば、取上げるそれとは又全然違つて、委員会は権威が非常にあるのだから、一遍取るものを決定したらこれは一事不再議の原則でもう一遍審議する必要はないのだというような意味のことを、これは噂ですが、言う人があるのですが、これでは委員会行政というものは行政機関としての使命から言うと外れて来ると思うのです。そういうお考えはないだろうと思いますが、これも念のために確めておきます。
○政府委員(岡咲恕一君) 只今新谷委員のお述べになつたように考えておる次第でございまして、私は一事不再議で一旦決定したことは、これはあたかも裁判所の決定のごとく変更は許されない、さようには全然考えておりません。例えば規則のようなものでありましても、誤つておると思えば何どきでもこれを変更したいと考えております。
○新谷寅三郎君 大変よくわかりました。私はそういうふうにしてこの問題については各方面から議論され、そして利害得失も論ぜられておる。それでこれは必ずしも一方的にきまつて来ない。それだけに私はむずかしい問題であると思う。でありますから電波監理委員会は非常に御苦労ではありますけれども、こういう問題を処理されるに当つては、一つ国民的な立場から視野を広くして、そうして将来ともあなたがたがこういうふうにしたら最も国民の利益になるというふうに考えて処理されるように是非取扱い願いたいと思います。私は今までいろいろ調査もし研究もいたしましたが、結論的に私見を申上げますと、六メガ七メガという問題だけを私はやかましく言うておるのではないのであります。どうせテレビジヨンをやると決心した以上は、日本国内においてテレビジヨンが育つて行くような方法できめなければならない。又これによつて国民の負担が成るべく軽減され、そして育ちやすい態勢を今からとつて行かなければならんというのが私の主張の根本であります。これはあなたがたも恐らく御異存はないと思います。そのためには多少の日時を犠牲にいたしましても、あなたがたが真劍にこの問題に取組んでおられろ以上は、放擲されては困るでしようが、真劍にごの問題に取組んでおられる以上は、護りを受けることは万々ないと思います。従つて六メガ、七メガだというような技術的な問題についても、今日まで日本で両方比較して試験をしたり或いは実験をしたりしたところは未だ曾つてないわけです。それほど重要な問題で、而もそこに相当の意見の食い違いがあつて議論も分れるということであれば、今度はあなたがたのほうの予算にも触れますが、調書を拝見しても……、そういつたところに幾分でも経費を使い、政府のあらゆる研究機関の力というものをそこに集中させて、そしてこういつた問題の解決の緒を実証的に開いて行かれるということもこれは考えるべき方法であるということを私は痛感するのであります。そういう意味において先ほどからあなたがたにいろいろ質問をしたのですが、聴聞会で標準方式が決定される場合においては、小さな面子に捉われることなしに、大局的な見地から判断されることを私は希望しておきます。
○山田節男君 今新谷君の御意見に関連して私一応電波監理委員会に注意しておきたいと思うことは、我々がこういつて電波監理委員会が一応決定した、成規の手続によつて決定したテレビジヨンの標準方式に対して、我々国会法に基く国政調査として同じようなことをなぜやつたか、これをよく私は考えてもらわなければならんと思います。これは今まで私が何遍も申上げているが、私はもう技術的には全然わからないものですが、然るにもかかわらず專門家である諸君になぜこんなに言うかということの真意は、これは私は新谷君の言われる気持に共通なものがあると思う。それで国会として、この常任委員会としてこれを国会法に基く成規の調査をやつた結論が、参議院として全員一致の決議が出るか、或いはさもなくんば多数決の決議といいますか、どういう形式によつてやるか、とにかく国会の意思表示をしなければならん。これも成るべく早くやりますが、いろいろ成規の手続を要するし、若干の時日を要すると思いますが、やはり立法府として国会が国会法に基いて国民にこれは重大な利害あるものとして取上げて、成規の手続によつて今日まで皆さんの御意見を聞いておる。これによつて出た結論というものに対して、これは行政委員会はもう絶対にこれは尊重しなければいけない。これは申すまでもなく、今新谷君の言われるように、殊にこれはむしろ道徳的というより政治的にも電波監理委員会は重大な責任を負わされるわけで、これは十分認識してもらわなければいけない。 それからもう一つ、この電波監理委員会が例えば異議の申立を受け或いは提訴された、こういつたことが或いは起るかも知れません。それから国会として、若し国会の承認があれば、我々の国政調査の見地から向うの最高権威者を呼ぶこともできる。国会に対する証言を求めることも可能性があります。こういうような事実から見て、電波監理委員会の今やつておることは、成規の手続によつてやつておることは間違いないが、併しこの事案が余り重要であるがために、ただ電波監理委員会で成規の手続によつてやつておれば異議がないだろうということは間違いで非常に疑問がある。今後の電波関係法規の改正ということになれば、これは監理委員会としても出すべきであろうが、議院としても出すかも知れません。併し我々の意図する点は、飽くまでも電波監理委員会の存在理由を認めて、ますますこの力を強化して、厳正な電波の配分、又国民全部の電波という、電波法第一條に述べておる趣旨を電波監理委員会に縦横無尽に発揮させるという意図にほかならない。我々は姑いじめ、或いは衆議院の速記録を見ても、そう高い見地でものを見ていない。そこに今日の衆議院の低調性が窺われる。同時に我々の責任は一層過大になる。私はこういうふうな認識の下にやつておる。従つて我々国会議員の意図を十分に一つ尊重してもらわなければならん。私は遺憾ながらこの監理委員会の態度に対してどうしても承服できない。これは無効だとは言えないが、無効とする手段は幾らでもあります。それをとる、とらないは今後の問題になりますが、今新谷君が指摘されたように電波監理委員会というものは、これは一般国民が認識し得ない重要なものを持つておる。それを我々は飽くまでも育ててやらなければいけない。国民の福祉ということを飽くまでも堅持してもらいたい。従来我々は單なる姑いじめとか或いは物好きにこういうことをやつておるのでは毛頭ない。従つて参議院としてこの問題に対する委員会としての態度をとらなくてはならない。これは一応国政調査の案件としてのテレビジヨン方式の問題の審議が済んだ後はこういう事態に来るわけです。この点も十分了察されて、他の附随的な点の決定を早めて、ますます事態をこんがらかせないだけの良識は電波監理委員会に持つて頂きたい。我々国会に対しても飽くまでこういう点は連絡を緊密にして、関係者を徒らに惑わすような結果にならんように、一つ慎重に電波監理委員会と委員長、副委員長以下各位が慎重の態度をとつてもらいたいということを私は申入れて、一応この案件に対する質問を打切ります。
○委員長(鈴木恭一君) 新谷委員から資料の要求が出ておるそうでありますが、まだ、こちらのほうに届いていないそうでありますので、電波監理委員会から至急御提出願います。
○新谷寅三郎君 電波監理委員会に対しては、予算関係の研究費の使途というか、使用計画、それがどういうふうになつているかということを一応お聞きしたい。それから先般証人喚問のとき私は清水証人と、それから日本放送協会の技術局長、何と言われましたか、技術局長に対して資料の要求をしたのです。それもまだ提出せられていない。これは委員部からでもいいですが、至急にそれを揃えて頂いて、委員会に配付して頂きたい。
○寺尾豊君 私はこの際自由党を代表したという意味も含んで、一応この今日のテレビジヨンの、主として標準方式についてのいろいろの問題に、これについて若干の意見を申述べておきたいと思います。 電波監理委員会が標準方式をきめたということが、非常な重大性を持つたこの標準方式というものをおきめになつたということが、いろいろ波紋を画いて、特にその決定をせられるまでのいろいろな形式的ないきさつ、こういうこと、或いは又專門家が六メガ七メガに関して持つところのおのおの意見、技術的な一つの意見、又将来いろいろにこれが科学的技術的に変化をも想像されるといつたような極めて重大なる問題であつたがために、この取扱方乃至は電波監理委員会がとつた処置に対していろいろ問題があつたということ。而もこれに関連をいたしまして当電通委員会の各委員から将来のテレビジヨンの放送の様式その他の問題炉国民経済に及ぼす影響等をも特に考えられて、いろいろの意見が数日に亘つて、或いは二旬にも亘つてこれが述べられたということに対しては、私も最も深き敬意と尊敬を感じているものであります。併しながら又一方この決定の非常に困難な問題を、網島委員長外各委員が、電波監理委員会に課せられたるその責任と極めて重大なるその職責に鑑みて、満場一致において決定せられたということも、又我々といたしましてはこれは了承をいたさざるを得ないのであります。ただその間に国会との連絡或いは形式的な事務的な方法において遺憾であつたというようなことは我々もこれは感ずるところでありそういう点について委員会が今後特に国会と緊密なる連絡をとられ、而も事前に要すれば国会に十分の一つ了承と了解を得る、これは法律の定むると定めないとにかかわらず、国会と十分なる了解と連繋をとられるということは、私は特にこの際私見といたしましても御希望を申上げたいと思います。と同時に連日に亘つて電波監理委員各位が殆んどこの問題に寧日なく国会の、ときには非常に過酷であると感ずるようなこの質問に対しても十分至誠を以て御答弁をせられたということに対しては、これ又電気通信委員会に対すると同様に電波監理委員、網島委員長外各位並びにこれに関連せられた他の証人各位に対しても最高の敬意を表したいと思います。 従いまして先ほど新谷委員並びに山田委員が申されたように、これは将来もうぐんぐん日進月歩に新しい技術が生まれ、この標準方式に対してもいつどういうような変化をこれに変更しなければならんといういわゆる現実にぶつからないとも限らないのであるから、極めてフエアな而も国家的な、大乗的な見地を以て電波監理委員各位が殊にこれに善処をせられ、最善をお尽しになるということを先日来の御労苦を感謝申上げますと共に御希望を申上げまして、私の意見並びに自由党の意見といつたようなものを申上げて置きます。
○委員長(鈴木恭一君) 別に御発言ございませんか。なければ電波行政に関する調査……。
○山田節男君 今寺尾さん、自由党というお言葉ですが、国会議員として、特に参議院議員として非常に適切な御発言だと思う。問題を今後どう処理するかという問題については先ほど私が申上げたように、一応懇談会にして、この結果をどうするかという取扱いについては、やはり懇談会できめて頂いて、懇談会でまとまるかまとまらないか、まとまらなければ個人行動にするか多数決にするか、これはこの処理をそのままにすることはできない。一応これは懇談会できめて頂いて、この問題の処理方を決定する、かように一つ御了承願つたらいいんじやないかと思います。
○委員長(鈴木恭一君) 只今山田委員から、この処理については他日懇談会を開きまして、皆さんの御意見を徴して決定することにいたしたいということですが、御異議ございませんか。 〔異議なしと呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) さようにいたします。別に御発言もなければ電波行政に関する調査に関しましては質疑をこの程度にとめまして、本日はこれで散会いたします。 午後三時四十九分散会