電気通信委員会 第10号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/03/08
会議録
○委員長(鈴木恭一君) これより会議を開きます。 電波行政に関する調査を議題とついたします。本日は電波監理委員会より抜山委員並びに柴橋審理官もお見えになつておりますので、御質疑の点がございましたならば御質問を願います。
○山田節男君 今日は電波監理委員会の抜山委員に御質問申上げたいのですが、これは電波監理委員会の構成メンバーとしての抜山委員、これはまあ電波監理委員長も技術家でありますが、主として今日は抜山委員のお考え、技術的の御意見をお伺いしたいと思います。 先ず第一に、過日聽聞会が開かれたその調書ができ、審理官の意見書が出され、それに基いて電波監理委員会としてテレビジヨンの標準方式を決定発表したわけであります。当委員会として、すでに過去二回に亘つて利害関係者といいますか、技術方面の権威者を招いて聽聞会に出された事案に対する意見を重ねて当委員会で聞いたわけであります。殊に私としては、この今回のテレビジヨン標準方式の決定の調書、審理官の意見書並びに電波監理委員会の決定理由書、更に本委員会での網島委員長からのいろいろな御説明を聞いて、どうも納得いかない点がどうしても解けないのです。そこで私はこれは技術家としての抜山委員に、今回電波監理委員会で決定になつた中で、最も中心問題として我々が関心を持つておるフリケンシー・バンド、周波数の帶域幅の問題、これを電波監理委員会としては六メガを採られて而も全会一致だという御報告を受けておりますがこの問題と、それからカラー・テレビジヨンに移行する場合に六メガがいいか、七メガがいいか、この周波数の帶域幅の問題と、それから六メガを以てカラー・テレビジヨンに移行するという場合の技術的な特質こういう方面についてどうも私この調書に関し、又電波監理委員会の標準方式決定理由書を読んだだけではどうしてもはつきりしない。そこでこれは電波監理委員会の技術方面の担当としてやつておられる抜山委員から、最も重要なこの二問題について一つ、補足的なもつとはつきりするような、例えばこの間NHKの溝上君からかなり詳細な技術的にはつきりした説明があつたわけですが、これに類するような説明を願えれば非常に私は結構だと思いますが。
○説明員(拔山平一君) 只今の御質問に対してお答えいたします。大体六メガにしようか七メガにしようかというような事案が出ますと、この利害関係者は普通は全部七メガをサポートするはずなんです。ただその或るテレビジヨンならテレビジヨンの問題だけに限れば、国際関係とか或いは特にその技術的な内容に立入らないとすると必ずそのバンドを広くとろうとする。これは我々が丁度予算を要求するとき我々が十二億でやつておるのを十五億にしようとするとき十五億を賛成するということと同じようにどうしてもそうなる。ところがこの問題はいろいろな政策問題とからむように——私はむしろそれは誤解だと思うのですが——とられたのでしよう。非常にやかましい問題になつて六メガの説も出て来る、七メガの説も出て来るというような事態になつたのですが、これを技術的に御説明いたしますのは割合に簡單なことではないかと、私は説明が下手で御了解しにくいかも知れませんが、できるだけ御了解の行くように説明申上げてみたいと思いますが、この送信受信を通じて或る周波数には一番都合のいいバンド、一番経済的で一番作り易いハンドというものが必ずあるのです。それは大体コイルの損失係数できまる。例えば損失係数が三%ですと、そうするとその周波数の三%ぐらいのバンドが一番作り易い。例えばキヤリアが百メガサイクルだと三メガサイクルぐらいのバンドが一番作り易い。それより狭くすることも広くすることも非常に困難なんです。テレビジヨンの場合はどうかというとこれは特殊な技術でして殊に贅沢な技術でして、そういう作り易いバンドより非常に広いのです。ですからバンドは広ければ広いほどこの場合には作りにくくなるのですが、それで狭いほうは濾波器とか、或いは私たち研究しましたことではマグネツト・スリクシヨン・フイルター、或いはアンプリフイルターとかそういうような狭いほうに努力すると同時に、今度はバンドを広くするように努力する、研究するということが長年行われて来てその成果がやはりテレビジヨンにも、それからマイクロウエーヴにもすべて応用されて今日の発達を来したのですが、その私たちが関係した大きな例では、この負饋還、ネガテイヴ・フイードバツク、そうしてこういうものを以て割合に広いバンドを増幅することがだんだん可能になつて来たわけです。併し決してやさしい技術ではない。今日本の実際テレビジヨンをやつておる実情を見ますと、今日本では六メガでどこでもやつておるのですが、実情を見ますと四メガ、五メガ、六メガ、七メガ、八メガだかわからない装置でもつて実験している。はつきりはしていないのです。そういう装置でもつて実験しているような状態でこれをするというと、六メガなら六メガ、七メガなら七メガ、八メガなら八メガの増幅器を作るというようなことは非常にむずかしい技術なんですが、それでこの場合には、この聽聞会では特別だろうと思いますが、六メガの意見が出たのです。利害関係者の中には六メガを主張する人が出たのです。わざわざ自分の領域を狭くしようとする。七メガであるのを六メガと狭くしようということを主張する人が出たのです。ほかの例を見ますと、いつでもその利害関係者はもつとバンドを広くしてくれ、そうすれば楽で安い受信機で又周波数がふらついても他に妨害を及ぼしませんから、必ず広いのを要求するのですが、この場合には六メガ説が出たのです。これは国際的にも同じバンドを使つて、そうして文化の交流や何かに便利にしようというのはこれは国際的な動きでしてそれで決定された事柄だろうと思いますが、欧州においてのいろいろな会議でもこのテレビジヨンのバンドを各国が皆一緒にしようというような相談はやるのですが、アメリカが六メガを主張する。フインクなんという人はそういう会議では六メガを主張されるようですがアメリカは六メガ、欧州の国々の場合には七メガというふうにしてどうしてもなかなかまとまらない。それで今こういうふうにいろいろな皆違つたバン下が各国で採用されておるわけです。それがつまりこの聽聞会あたりにもやはり小さなスケールで現われたので、国際関係とかそういうような技術の交流とか、或いはプログラムその他の問題に関してどうしても同じほうがいい。一番日本と関係の深いアメリカと同じバンドがいいというような意見が出たわけですが、大体併し真空管の製作者は六メガでもなかなか真空管ができない、七メガではアメリカよりいい真空管を作ろうというのだからどうも困るという意見は我々はかねがね聞いているのですが、そういうのはつまり製作上六メガ説というのが出るわけで、前にも申上げましたようにバンドを広くすればするほど非常に困難になる。一メガだけ広いと、一メガは百万サイクルですからこれはやつておるほうにとつてはなかなか問題なんです。つまり真室管の場合には真室管のキヤソード、プレート、それからフイラメントとの間のキヤパシテイ、静電容量は極く小さくしなければならない。而もその上に真空管の増幅をきめるミウチユアル・コンダクタンスを大きくしなければならないというのですから非常に真室管のほうが困難です。日本の真室管がまだテレビジヨンをやるのに十分成功していない。神田あたりにアメリカの真室管がたくさんあつて、日本の惡い真室管より非常によくて而も値段は半分ぐらいだそうですが、それをみんなテレビジヨンの実験をやつておるアマチユア、アマチユアと言つてはどうですかが使つておる。それで製作上七メガというのは困難だ、特殊技術であるというためにも一つ難点があるわけです。ところが七メガサイクルは大体その研究者、或いは実験している人にとつては最も好ましいのです。それは我々電波監理委員会の者が丁度予算を十五億にしてほしいということと同じことで、それだけバンドがあればいろいろな細工ができる、いろいろな研究が行えるという意味で七メガサイクルは研究者にとつては非常に好ましい。それからいろいろなそこに発明や何かが、期待される。それは工業会ですか、多分高柳君の案だろうと思いますが、一つの案もプロポーズされている。併しそれを見ていますと、それについていろいろこれはいいとか惡いとか意見はありましたが、私は二年ぐらい前までは研究だとか発明だとかそればかりやつておつたので、それは見てすぐにこういう考えもある、ああいう考えもある、その一メガサイクルのバンドをどう扱うかという問題は、こういう考えもある、ああいう考えもある。私自身にも自分では非常にいいと思う考えがある。それからテレビジヨンのほうには若い人がたくさん近頃興味を持つて来ましたから、若い人たちのいろいろな案があるに違いない。それは研究につれていろいろな特許もたくさん出るでしよう。研究者としては、或いは実験者としてはそこに一メガの余裕を得るということは非常な利益であり興味がある。例えば我々が若しも仮に七メガを指定してそしてそこの一メガがいろいろの研究発明を許されるならば、我々どうにか指定しなくちやならない。今の状態じや無論指定はできませんけれども、或る状態になりましたら、大体いろいろな発明が出つくして研究の結果も出つくして、それがあつて何年かのちには指定しなくちやならないが、そうすればその指定された発明というものは特許になつています。そうすれば、例えば特許料が三%としても百億円の受信機を売るとすれば三億円の税金が入るというので、利害問題にしても非常な利権になる。それですからこの問題は研究者としては、私も監理委員をやめたら早速研究をしていいというふうなことをちよつと考えるくらいで、研究者としては非常にアトラクチヴな問題です。そして一メガを増してそこの部分を任意にとる、それをただバンドを広くするのだと苦しいのですが、つまりそれだけのチヤンネルはほかに別に使うということになりますので技術はやはり楽になる。それですからチヤンネルは二つもらう、或いは三つもらうということになると、ただ広いバンドをもらうということでなくチヤンネルを二つもらう、三つもらうということになるのですからやり方も非常に楽になりますし、いろいろ発明考案とか余裕ができて来る。特許というような利権も非常に重要な問題になつて来る。併し私の考えではそういう研究発明ということはこれは共食いの発明だ、割合にイージーに発明はできますがこれは共食い的な発明だ。何となればその問題について我々は幾ら発明しても外国の特許を逃がれることができない、フアンダメンタルの特許が二十幾つかあつて、その部分を日本で特別な研究考案をしたからといつてその全体的な特許を別に逃がれるわけに行かない。外国に五%拂い、日本の特許で三%拂うと八%だけ日本の国民の負担になる。そういう意味でこの発明研究というものは私としては余り気が進まない。まあ私が研究者の立場に立つてみれば、みずからいさぎよしとしないというような種類の発明研究ということになると私は考えるのであります。共食いの発明だ。六メガサイクルにするという場合に、アメリカにいろいろのシステムがありますが、併しこれもまだ今後幾らでも研究する余地があるので、聽聞会のときにも大阪の林龍夫君、理学博士で大阪の方面のテレビジヨンの委員会の委員長か何かしておる人が、私のところに来て六メガサイクルでも十メガサイクルのバンドをその六メガサイクルの中に入れる、こういう考案があるが、批評してくれということを言われた。それは六メガサイクルであつても、十メガサイクルのバンドをその中に押込めることができるという考案だつたのですが、私はそのときこういうふうに答えた。その考案は一体周波数のバンドという考えのオーソドツクスの考えを否定している。六メガ、七メガというような言葉でこの問題を処理していいということはおよそ二十年ほど前の、私がアメリカ、欧州を廻つたときに、アメリカのベル・ラボラトリーのカーソン、ベルリンのヘルワ・インステチユートのワグナーと、いろいろその問題についてデスカツスして、そうして私が帰つて来てから証明したことがあります。それでその証明に対して、六メガとか七メガとかいうことを言つておるわけです。林君の考えはその証明の基礎になつていることを無視している。併し私は私の証明の基礎になる仮定自身が惡い、仮定自身を取変えるということは考えなくちやならんと、こう思う。だからそれが実験的に成功をすれば私の証明自身を変える。今世間でいう六メガであるとか七メガという考えを変えてもいいというふうな返事をしたのですが、つまり六メガであつて、六メガの中に入れるという問題についても、それに全部入れようという研究が将来すぐに行われる。もう盛んにそういうことに專門家は頭を向けるのです。ここで八木証人でしたか言われたと思いますが、この問題は七メガでなくちやできないと言つたら、六メガでできると学生に言われた。それは多分いろいろそういう話を聞いてからの話であると思うので、いろいろ根拠はあろうと思いますが、林君のように六メガに十メガでも入れようという考案がすぐに行われる、併しこのほうの発明或いは研究のほうがインターナシヨナルであつて、そうしてその研究によつて今度は逆にアメリカの特許を抑えることもできるわけです。私としてはそういう方面の研究を自分もやつてみたいと思う。それは併し無論どちらのほうにしても相当な困難があるわけです。努力する人も相当多いだろうと思います。ただ日本で成功するかどうかということは無論公算の問題で、ここで申上げて適当かどうかと思いますが。 そこでカラー・テレビジヨンの問題、そこでこの六メガを基準にするかしないかという問題については、私たち一番六メガの原案を出した者といたしましては、六メガでは困るということをしつかり言つてほしいわけです、六メガではどうしてもこういう理由で困ると。ところが今NHKや何かで放送しておるのは六メガである、三百人、五百人という人が実際それでやつておるのだから、六メガでは困るという、この黒白式そのものについてはしつかりしたものはないはずです、それで実際やつておるのですから。それで又七メガではやろうとしてもなかなかできないのですから。今までは五メガでも八メガでも基準がなかつたからやれたのに、実際の周波数特性というものを見ますと六メガなり或いは四メガなりのわからないもので実験している。その実験しておる所に行つて視察なされば直ぐわかることです。それですから七メガという意見はもつと高尚な技術になるカラー問題に関連しての意見である、それが一番我々としては注目すべき問題であるわけです。そうして我々としてもカラーという問題についてはその関連ということをあらかじめでき得る限り考察したのです。アメリカの問題というのは、先進国でおる、そのためにはどうしても問題にせざるを得ないのです。アメリカではFCCが昨年決定した。それは最高裁判所まで行つて決定になつたのですが、私はこの決定を向うに行つていてこう思つたのです。FCCは余り早く標準を決定し過ぎたと、こう思つたのです。それはいろいろ事情があつたでしようが、それはひとの国のことですし、私たちFCCに一月半もおりましたから、いろいろ聞いたこともありますが、ここで申上げることは適当でないと思いますが、とにかく私は早く決定し過ぎたと思つておる。その後それを実施しようとしたところが非常事態だというので実行がとめられて全部ストツプされたのです。ところが最近聞いてみますと、いろいろ調べたところがこのテレビジヨンの研究をやつておる者はエレクトロニツク・エンジニーアーのうちの一%ぐらいの極く僅かだということで、研究だけは又許すようになつたということを聞いておりますが、そうすると結局FCCがシステムを決定する前と同じ状態に戻つたわけです。これは同じ状態とは正確には言えないかも知れない。それは一定のCBSのシステムを認めています。これはオートマチツクのCBSシステムになるのかどうか、この点は私どもはよく存じませんけれども、併し概略を言うと、この研究はしてみるというのですから、元の決定しない状態に外から見たところはなつた。内容がどういうふうな考えかというようなことは、もつとよく調べないとわからないのですが、向うに行つて調査でもしないとしつかりしたことはわからないと思いますが、私は向うでのいろいろな研究や何かの事情から見て、CBSは中学生でも考えられるような方法なんで非常に簡單ではあるけれども、結局はRCAのやつておる方法がいいのではないか。そういう考えを持つておりましたし、そういう考えの人もたくさんありました。 私は丁度、まあ余談ですが、帰つて来るとアメリカの雑誌にドクター抜山がCBSが大変いいと言つたということをずつと書いてありますが、言つたかどうかおぼえませんけれども見せてもらつたのです。或いは忘れてしまつたのかわかりませんけれども、そのCBSのほうがいいとは思つたことはないんですが。それで私は結局まだきめる時期ではないと思つているのです。今でもそう思つているのです。これは私だけの意見ですが、カラーの問題はこうしたらいい、カラーの標準をきめるということは、我々少くも五年ぐらいはしないということを宣言したほうがいい、我々は宣言する権限があるかないかというようなことはいろいろ問題があるでしようが、私個人の考えとしては五年ぐらいはフリーにするということを宣言したほうがいい。それはいずれにせよそのくらいは遅れるのです、カラーは。或いはアメリカの式を持つてくればすぐ行くかも知れないが、それはアメリカが非常事態だというので中止しているのに、貧乏な日本が贅沢なカラーをやるということは、とにかく常識的に考えて問題にならないだろうと思う。いずれにせよ五年ぐらいはやらないとすればやらないということを宣言したほうがいい。そうすると宣言したらどうなるかと言いますと、宣言すれば、今カラーや何かの問題を研究する人はもう自由な考えで腰を落着けて研究ができる。そうでないとCBSをやるのか、RCAをやるのか、今度はRCAと言つていないで四つ英語の文字を重ねて名前がついているようですが、迷う。我々は今は貧弱であつても一等国になろうというのですから、五年ぐらいの余裕をおけば日本独特のカラー・テレビジヨン・システムをデヴエロツプさせないということを絶対的にきめてしまう必要はないんで、この間自由に研究をしてもうCBSとかRCAにとらわれないで自由に研究して、日本独特の、而も独特だけでなく世界で最も進歩した、最も経済的な、最もいいカラー・テレビジヨンをデヴエロツプさしたらどうか。そういうチヤンスを日本の研究者にも與えたほうがいい。それは一方そういうチヤンスを日本の研究者に與え、そうして日本の国民のこれによつて受ける福祉を拡大すると同時に、最惡の場合にはアメリカのまねをすればいいんだ、アメリカではカラー・テレビジヨンは六メガで十分であるということが証明された。フインクさんなんかの手紙を見てもそう書いてある、それはそうに違いないのですから。その後アメリカを視察して帰つて来た人は非常にそのカラーテレビジヨンがよくなつた、RCAのシステムも非常によくなつたということですから、それをデヴエロツプして行くに違いないですから、もう五年たつても日本で我々いくじがなくて日本の独特のシステムができないという最惡の場合になれば、アメリカのままを頂戴すればいいんだ。そのために経済的の負担は受けるでしようが仕方がない。まあそういうふうに、これは私個人としての技術者としての、或いは研究ということを今までやつて来た者としての具申ですが、そうして貰わないと、若しもこれから五月に委員をやめて、又研究生活に入るとすれば、そうなつていなければ私はカラー・テレビジヨンをやる気はない。それは多分御想像になつてもおわかりと思うんです。CBSになつていたものがRCAになるかも知れないというのでは実験はできない。それよりゆつくり五年間くらいの見込をつけて実験をしたい。こう思うんですが、これで六メガ、七メガの問題と、それからカラー・テレビジヨンの関連ということについて大体お話申上げたいと思います。もう一つ何かありますか。
○山田節男君 この電波監理委員会としては、テレビジヨンの標準方式をきめるということは、まあ一般この事情を見て来た者にとつて画の品質はこれは重大問題である。そこで六メガを採用した場合ですね。アメリカ式の標準方式で行けば大体十六ミリ程度の画像ができる。こういう御意見ですが、これは具体的に見て白黒の場合でも六メガよりか七メガのほうが画のクオリテイ、品質がいい、こういうことが言い得るかどうか。 それからもう一つは、カラーに移行する場合に六メガよりも七メガのほうがいい、これは調書を見ても、過日来の專門家の七メガの説の方からも聞いた意見なんですが、七メガがいい、この二つに関してですね、電波監理委員会或いは抜山委員はどういうふうにお考えになつているか。
○説明員(拔山平一君) この画の品質がいいということは六メガよりか七メガが、七メガより八メガ、若しそういう装置がきちんと、国難に打ち勝つてできればバンドが広いほどいいということはこれはもう一般的の事実です、これに疑いない。どの程度いいかという問題、そうすると鮮明度が六対七であるかというと、これは余り專門の言葉になつてしまつてなんですが、テレビジヨンのほうの人は簡單に、どの程度、分解がどのくらいではどのくらいバンドが要るという計算をするエンピリカルな式を使つておられるのですが、急に或る信号が来たときにその信号、レスポンスが急に立上ればいいですが、それが七メガのほうが六メガよりか七対六の速さで立上つてくれるか、信号の変化に対して七対六の速さで急に立上つてくれるならば、それが一番理想的に行つて七メガに有利な数なんです。六対七というのは理想的に言つて。それをマスクする、そんなことは問題じやない。もつと大きなフアクターがあるという問題がほかにあるので、それは螢光物質の時間的の遅れです。エレクトロンがぶつかつても急にひつかからない。或る時間遅れてひつかかる。それからエレクトロンのここを光らせるビームが操作をして、そうしてその中で電子が散らばつている。その散らばる電子が初め出るときの初速度です、初速度というのはどこまでもわざわいをして散らばるわけです。そのほかにこちらに歩いているときに、電子はマイナスのチヤージを持つていますから互いに反撥する。それから動いているために電流の作用があつて、そのため運動の方向と磁場の方向に直角に力を受ける。そのために拡がる拡がるので画がぼやける。そこのところへ持つて来て、七メガだとか六メガだとか言つていてもそつちのほうがずつと大きい。こういうふうな日本の多分実際の技術の実情はそうだと思いますが、向うでは非常に細いビームを作つている、それに初速度の分布がマツクスウェルの分布になるということは私が二十五年ほど前に実験的に出した事柄なんですが、そのために拡がるということですね。それですからそういうものを六メガ、七メガといつても六対七の数にはならない。そういうことのために、その二つがちよつとここに立つて考えてみますと、その二つが主な訳ですが、ほかにもつとマスクがぼんやりしているフアクターがあつて必ずしも六メガ、七メガという、回路で理想的に我々が論じたにしてもそれはそれほどに意味はないということがあるわけです。それから一番理想的に言つて六対七のよさを持つというわけです。ですから無論バンドが幾らでもあるならば我々そこヘバンドをそれだけくつつけておいて七メガにしても一向差支えないのですが、そこがほかとの兼ね合いで一メガサイクルというと普通の放送ですと十近くの放送局ができるわけですから、一方漁業無線のようなものは三分、五分の通信時間に漁民が自分の運命を委ねているわけですから、バンドということは非常に尊いということがなければ、それはそれだけバンドをくつつけておかれても一向差支えないのですが、それを我々全体的の立場に立つとそこを非常に酷に考えるわけです。バンドでどのくらいの利益があるか、テレビジヨンに大した利益はないじやないかということになると、無論ほかのほうの通信でも皆そうです、できるだけバンドを狭めて我々ぎゆうぎゆう押しつけて丁度大蔵省と国会で我々の予算を創るのと同じような意味でぎゆうぎゆう寄せるわけです。この場合で今のように六メガでどうしても工合が惡いということでなく皆六メガできめてやつている、アメリカでもそれを標準にしてカラーまでやつているということで判断されたのです。
○山田節男君 その電波監理委員会として電波行政の建前からいわゆる何といいますか、電波の領域といいますか、これをなるべく経済的に使う、これは私はわかるのです。ところがテレビジヨンを最初に日本が今度やるという場合に、なるほどワン・メガサイクルを節約する、重大な問題、これはわかります。私たちが問題にしておるのは画のクオリテイ、それから受像機といいますか、受像機の値段は高くなるか安くなるか、安くなるという人もあるし、違わないという人もあるし、二%高くなるという人もありますが、その受像機が二%—五%高くなろうとも、問題は受ける映像の品質がよくなければいけない。これは私は電波監理委員会として十分意を用いてもらわなければいけない。殊に日本の経済情勢ですとテレビジヨンの受像機が一百万も普及するということはとても二年や三年では考えられない。そこで我々はいわゆる政策の立場から見て一メガサイクルというものを犠牲といいますか、始末することによつて画の質というものが非常にぼやけて来る、そして殊に日本で多数利用されるであろうスクリーンにこれを拡大して見せるという場合に六メガ、七メガというこの論争に対しては一メガ始末するのがより経済的であるか、テレビジヨンのプロパーの主体として考えた場合に七メガがいいのではないか、ここの切替ですね。今抜山委員の言われたことは気持はわかります。併し今問題になつている如何にしていいテレビジヨンをここに作るか、ベターなテレビジヨンをここに開始するかという建前から、一メガを始末して六メガで品質のひけをとらない、又数年後になつても決して後悔しないようなシステムだという、そういうあなたは自信を持つてそういうことをおつしやつているかどうかこの点を一つ。
○説明員(拔山平一君) 今の私の説明はあまり実験的といいますか内容的すぎて、或いは研究者としての経験を話すということに主になりすぎて非常に実際的でなかつたかと思います。結局のところ実際六メガならこのくらいの画だ、七メガならこのくらいの画だというふうにして我々判断するのが一番実際的なわけですが、それが先ほど申しましたように日本ではその資料が得られない。外国に資料がある。ですから又その資料が写真になつて発表されおります、いろいろな機会に。それから又フランスあたりで六メガ或いは八メガというようなことで以て比較して見せてもつて来たような人がありますが、多分御覧になつたかと思いますが、アメリカの学界の雑誌やなんかに四メガから十メガくらいの違いの画なんかありますが、その画で見ますと、さつき私の言つたのは私の説明が科学的な説明なんですが、実際的にはあまり違わない、六メガと七メガとでは実際にも違わないのじやないかというような我々判断したわけです。 それから六メガと七メガということは、今の六と七ということを言いましたが縦と横の改造という問題がありますが、縦と横の改造というとますます六メガと七メガと大した違いが起らないということなんで、私としましても基準を六メガにするということには賛成したのです。
○山田節男君 それからこれはまあ場合によつて委員長からお伺いしてもいいのですが、昨年の八月に電波監理委員会として、テレビジヨンの標準方式の大体基礎的な方針をきめたわけですが、それを見るとかなり伸縮性に富んだ、周波数の場合についても必ずしもアメリカに従わなくてもいい、それからカラー・テレビジヨンに移行するというようなことも勘案しつつ標準方式をきめよう、こういう趣旨の調査方針が出されているわけです。ところがその後に全然アメリカと同じようなものをやればこれは間違いない、こういう結論になられた、そのいきさつがよく我々に示されておらない。この点は網島委員長あたりから経過を一つお聞きしたいと思うのであります。先ほど拔山委員がおつしやつたように昨年のCBSとRCAのカラー・テレビジヨン、私もワシントンに行つて見ましたが、CBSが勝つたということは、成るほどワシントンでFCCのやつたデモンストレーシヨンが非常にCBSのほうが手際がよくて簡單でスピーデイである、それに引かえてRCAのほうは複雑で、あのデモンストレーシヨンをやつたときはあまり成績がよくなかつた。これが直接の原因であつたのかも知れないが、そのあとに相当政治的な策動があつて、CBSが遂に政治的な策動を以てアメリカのコングレスのロビイで以て非常な熾烈な駈引をやつてCBSが勝つたということも聞いております。私は決して電波監理委員会がそういうインフリユエンスを受けていることは毛頭信じない、信じませんが、昨年八月かような我々として尤もなテレビジヨンの標準方式の根本方針をきめておいて、アメリカの標準の方式に完全に則り、而も調書に或いは過日来の委員会において委員長並びに今日の抜山委員からの言葉を聞いても、アメリカの標準方式をやつておればまさかの場合でも間違いないという御意見、これは私電波監理委員会としてどうしてそういう心境の変化になつたか、この点が第一お伺いしたい、 それから今の電波監理委員会全体の空気としてアメリカの六メガの式でやつておれば最惡の場合においても間違いない。白黒では今日もう殆んど完全である。カラー・テレビに移行する場合においてもアメリカが何とかやつてくれるだろうから、それをまねておればいいんだというこういう気持で、要するにアメリカに全面的に依存する、万一の最惡の場合にはアメリカに依存する、こういう態度がはつきり出ている。これは私過日他の参考人にお話申上げて参考にしたのですが、去る二月の十九日にドナルド・フインク氏から私によこした手紙を見ますと、日本が最初にテレビをやるのであるならば、而も七メガサイクルをとれるチヤンネルがあるならば、これはもう七メガのほうがより有益だ、プロフイタブル・チヨイスだということを言つて来ている。アメリカで少くとも標準方式の最高権威者として目されているこの人が、殊に日本の今後のテレビジヨンの出発に際して、あらゆる部面から公平に考えてみて、七メガがとれるならば七メガが非常にいいということを言つて来ている。今あなたたちがすべてアメリカが絶対信頼し得ると言つておられる。そういう立場から来れば、アメリカの少くともこの標準方式に関しての最高権威者の一人と目されるミスター・フインクがかようなことを言つて来ているということになると、電波監理委員会としては、これはもう一週考える必要があるのじやないかと思う。この点について網島委員長或いは拔山委員の御見解を承わりたい。
○説明員(拔山平一君) 私はカラー、テレビジヨンに移行する場合に、最惡の場合にアメリカのシステムを使えばいいんだということについての点だけお答えして、あとは網島委員長からのほうが適当だと思いますが、私が最惡の場合と言つたのは、五カ年間フリーにしてスタンダードをきめないでおいて日本独得の機械ができることに対して機会を與えようということに重きをおいて言いたい。若しできないなら、もうカラー・テレビジヨンをやらなくてもいいというのなら、それはそうして又あと五年間日本で研究しろということにすればいいわけですが、どうしてもやらなくちやならない、併し日本でできないというそういう場合には、最惡の場合にはアメリカと同じ程度のものをアメリカのシステムを使つてやろうというだけの話で、フリーにして日本のシステムをデベロツプするに十分なチヤンスを與え得るということに重きをおいて、アメリカのシステムをどこまでもフオロウすることに重きをおいたわけじやない、ブラツク・アンド・ホワイトは日本はたち遅れてもしかたがない、今議会で御決議になられたことは、或いは時期尚早論だつたと思います。時期尚早論だつたことは前に多分申しましたが、日本人がそれだけの能力をまだ持つていない、経済力をまだ持つていない、時期尚早だと言えば尚早だと言えるのですが、ブラツク・アンド・ホワイトについてはいたし方がないし、又インターナシヨナルなみに同じスタンダードを持つのだという動きというものは、これは同じスタンダードを持つての弊害もありましようけれども利益のほうが多いということで、各国とも誰も皆そう思つている。フインクだつてやはり六メガを出張しておりますが、欧州も皆六メガになれと言つて主張をしているわけです。アメリカも六メガでは困るからアメリカも七メガにしようと言つて主張しているのではないので、アメリカと同じにしろと言つて主張しているのだろうと思いますけれども、私は国際会議の模様を人聞きですからしつかり聞いているわけではありませんが、そういうわけで六メガでブラツク・アンド・ホワイトでやるという問題についてはこれはいたし方がない。同じシステムであるためにアメリカの機械が容易に入つて来るということは、一応我々は無論考えたのですが、国産のために困るというようなことは考えるわけですが、併しそういう問題はほかにもつと政治的に関税をかけるとか何とかいうことできめられる、或いはどうせ周波数が違うのですから、似たりよつたりのもんだというようなこともありますし、まあブラツク・アンド・ホワイトについてはそういう判定。カラーに行こうという点についてはでき得るならば、世界中の状態を見渡したところ時間の余裕があるのですから、それだけの余裕を與えるということをはつきりしてやつて、日本の工業界、技術界或いは研究者の人々にオリジナルな十分な研究をさして、そうして日本独得ないい安いカラーのシステムを作る機会を與えたい、そつちのほうに我々は重点を置いてお話申上げたつもりなんであります。
○山田節男君 今の抜山委員の御発言で、私はもう一度お考え願いたい。これは電波監理委員会全体としてお考え願いたいことは、この調書においても、或いは電波監理委員会も言つておりますが、テレビジヨンを早急にやれという空気はありはしません。衆議院でテレビジヨンの放送開始の決議をやつたが、参議院はこの点については一度も申しておりません。この今の客観情勢から、国際情勢から見て、日本が果してテレビジヨンを今日開始していいかどうか、これは愼重に考えなければいけない。今のテレビジヨンの放送開始が緊急であるというような認識が非常に誤つている。NHK或いはその他二三のテレビジヨン放送会社から申請が出ておりますが、これは何もテレビジヨンの開設が急を要するということの條件にはならない。むしろ電波監理委員会としては、政治経済的方面から考えて、これは一監理委員会できめる問題でなく吉田総理大臣にも相談をしてきめるべき問題じやないか。これは電波監理委員会としては、他の官庁と違つているそういう方面のフアクターも十分考えて頂かなければいけない。これは愚痴になりますけれども、そういう私は見解を持つているということを十分御認識願いたいと思います。 そこでもう一つ抜山委員にお尋ねしますが、あなたも日本におけるこういう電波の最高権威者の一人であられ、それで最惡の場合にはアメリカをまねておれば、何とかやつて行けるという結論については再三お伺いしている通りでありますが、ところがもう一歩私は、謙虚に電波監理委員会が考えなければならぬということは、先ほどもここに参一考にいたしましたように、アメリカでもやはりテレビジヨンの標準方式の最高権威者の一人であるフインク氏が日本に好意を持ち、又こういうように過去において非常に標準方式において苦労した人が、できるならば七メガにしたほうがいい、カラー・テレビジヨンに移行する場合、それを今日お見せしますが、このCBS式のメカニカルな天然色をやる場合にはその利益は非常なものである、こういうことまで言つている。そういうようなアドバイスがあるのに電波監理委員会はそういうようなことを言うけれども、我々は我々の考えでやるのだということになると、電波監理委員会が最惡の場合はアメリカに従うのだということは非常に矛盾すると思う。これは電波監理委員会或いは拔山委員として、これは非常に矛盾とお考えにならないかどうか、これをお伺いしたい。
○説明員(拔山平一君) 最惡の場合は、アメリカのFCCできめておる標準を採用する、その標準に従うという意味で、今のフインク氏の七メガのほうがいいという、それに従うという意味ではない。 それから今の御質問ではちよつとありませんが、かねがね山田委員からはもつと愼重に考えて、專門家を集めて委員会を作つて、そうして問題を愼重に検討したらという御意見を伺つたかと思いますが、私もその相談に乗りましてテレビジヨン研究委員会というものができました。これは專門家というよりも、その方面の人を百人以上ですが、私は委員長になることをやめまして、これは電波監理委員でありまする丹羽保次郎君が委員長ですが、でこういうのを作つたのですが、作つてみますと、つまりこの委員会でいろいろなことを本当に專門的に検討してやるということを待つていれば、この委員会は昨日多分テレビジヨンの見学を皆でしたようです、名簿はここにありますが、これに與えられる研究費が、全部で百人以上いて年に二十五万円です。一人が何千円、真室管一つ買えばなくなる、これが研究して日本の標準方式をきめるということを待てば、それは五年になるか七年になるか、それで独特の標準方式はできるかも知れませんが、日本の技術界、工業界、或いは国民がそれによつて受ける福祉というものはどうなるか、とにかく時期だけはずつと遅れる。それでもかまわないのだというような政策が議会で決定されるならば、それは私たちその方針の下にやらなければならん。実情はそういう実情です。数えてみませんけれども百人以上、四ページになつておりますが、百人以上で二十五万円です。皆が一度集まると旅費だけで殆んどなくなつてしまう、そんな事情です。
○山田節男君 今の問題、これは非常に重要問題ですから、網島委員長から一つ委員会としての見解を伺つておきたいと思います。 それからもう一つ私は委員長にこの際確めておきたいことは、一体こういうテレビジヨンの標準方式を速急にきめなくちやならんという客観情勢に置かれてこういうようなことを一応の手続を経て決定した。ここに委員長としてこのテレビジヨンを日本に開始する場合に、アメリカとイギリス、フランス、日本等の今日の経済情勢、社会状態、こういうような見地からこういうことを考えたことないですか。フランスのテレビジヨンが経営形態においては公共放送である、それから標準方式においては、これは非常に金のかかる標準方式でやつている。この方策の根本は私はこの間フランスのテレビジヨン経済という本を最近来たのを読んでみました。フランスはアメリカに比べて国民所得においても殆んど七分の一以下である。アメリカ式の標準方式をやるということは、結局受像機がフランスにおいても三百万、五百万も普及しなければ皆が楽しめない。これはフランスの経済力、国民の所得から見てとうていできない。そこで非常にエクスペンジヴで金がかかるけれども、例の八百十九本、十四メガテイクルの標準方式でやる。そうしてあくまで国民に普及する方法としては、そういう金がかかるけれども非常に質のよいテレビジヨンの放送をやる。それを集団的に見せる。例えば集団住宅であります、殊にアパート等においてはスクリーンによつて多数の岩に見せるいわゆるスクリーンのテレビジヨンということを非常に国策として考えてやつている。その根本は要するにフランスが英米に比べて経済力が非常に貧弱であるからして、併しその立場においてもテレビジヨンというものを一般に見せ普及させたい。その余沢に與らしめたいというのがフランスの標準方式の決定の根本方策であるということを、フランスの政府のものが明言しております。一体電波監理委員会は、今回のこのテレビジヨンの方式はアメリカの通りにやるというこの政策を私は今フランスが採り得なかつた事情は、日本においても同じじやないかと思う。電波監理委員会として真に日本の国情に合うようにテレビジヨンを放送するときに、こういうフランスのようなテレビジヨンの方策というものを考えたかどうか。それから今アメリカのようなシステムでやつて、一体開始して五年間にどのくらい受像機が普及するということを日本の経済の国力、各人の経済生活から見て判断なさつて、こういうことをきめられたか、このことも一つ併せて見解を伺つておきたいと思う。
○政府委員(網島毅君) 只今山田委員からいろいろ御意見御質問がありました。テレビジヨンの将来の方式というようなものに関しまして、ただ單にアメリカのあとを行くということでなしに根本的に考えてみたらどうか、そういう必要がないかという御意見に対しましては、私個人としては御同感の点も多々あるのであります。ところが昨年の秋に電波監理委員会といたしまして一応標準方式の案を作成いたしまして、この案について聽問会を用いてそうして各方面の意見を聞いてそうして決定するという運びに相成つた次第でございまするが、この聽問に先立ちまして私個人としての意見だつたのですが、無線通信機器工業会の或る人に、日本としてはこういう方式で行くのだ、いわゆるアメリカの方式にバンドだけを変えて六メガを七メガにして、そういう木に竹を継ぐような議論でなしに、もつと根本的に掘り下げた、日本としては将来こういうテレビジヨンをやらなければならんというような意見が出ないものか、むしろそういう意見があつてほしいのだということを申上げた次第もあつたのでありますが、併し聽問に現われました各利害関係者、参考人からは、残念ながらそういう意見は一つも出ませんでした。ただ單に事案の六メガを七メガに変えるべきだという点だけが非常に強調されたのであります。従いまして、電波監理委員会といたしましては、法律が私どもに要求しているその筋道に従いまして、聽間会に現われた意見、その調書に基きまして、それに審理官の意見を考慮いたしまして、そうして御承知のような決定をした次第でございます。それから標準方式、或いはテレビジヨンの実施を急ぐ必要はないのではないかという御意見も先ほどお示しになつたのでありますが、私聽問会にずつと出ておりましたが、聽聞会の陳述者は殆んど全部テレビジヨンの実施を早くやつてほしいということを申しておつたと存じます。その理由としてはその持場持場によりましていろいろ理由があると思いまするが、大多数の理由は日本にテレビジヨンを早く実施するということはそれだけ日本の無線技術、殊にマイクロウエーヴ等の、今後世界的に発展するであろうところの技術を高めることになるという理由が相当強く感ぜられたのでありまして、この点私どもも全く同様な考えを持つておる次第であります。併しながら私どもは決して拙速主義で行くということは考えておりません。できるだけ愼重にやる、而も国民の要望に副うように成るべく早くという両面から考えて私どもの仕事を進めているつもりでございます。
○山田節男君 私この調書を拝見し、それから先日来の委員会における委員長或いは今日の抜山委員の発言を聞いて、今私の申上げることは柴橋審理官も意見書の中にはつきりと記入しておりますが、私はこの電波監理委員会が事案として出したこの標準方式を、あくまで我を通そうというような気持がはつきり現われて来ている、謙虚なところが一つもない。業者も、今委員長の言われたように、非常に熱心な論議が戰わされて、これは抜山委員が十分計算されておりますが、併し審理官も意見書において指摘しているように、非常に重要なる委員である抜山委員が聽聞会に対して、電波監理委員会は大きなスタツフを持つて技術的な方面は十分研究しているから、お前らの利害関係のような、例えば特許についての意見を述べればいいのであつて、或いはテレビジヨンの公共性についてはこれはもう電波監理委員会が十分研究しておるからして、この聽問会においては事案に対する個人的な利害得失を論じてくれればいいのだという、こういうようなことを言われている。こういうような気持で標準方式を出し、又それを審理官が相当公平な立場からそういうことに注意を喚起しておるのにかかわらず、がむしやらにこの標準方式を電波監理委員会が而も全会一致できめてしまつたと、これは恐らく、各国の事例を私は今調べておりますが、標準方式をきめる最後の電波監理委員会が全会一致というようなことはないんです、日本が初めてです。私はこれは甚だひがみかも知らんけれども、全会一致ということがむしろテレビジヨンの標準方式の最終決定として私はむしろ権威を疑うのです。民主的でないということを表明しておることについて、私は非常に疑わざるを得ない。そこで私は今網島委員長のお答えがありましたが、どうも私は電波監理委員会としてのこの事案に対する取扱い方というものは非常に遺憾ながら非民主的である、こう私は断言せざるを得ません。 もう一つ重ねて私お伺しておきますが、先ほどそこに抜山委員に御覧に入れておりますが、アメリカのミスター・ドナルド・フインクが、日本が最初にやるのであるし、又チヤンネルが七メガサイクルの割当ができるなら、これはアメリカとは違つて前に申しました通り、アメリカでも六メガのチヤンネルの割当でこういうことをやつておる。日本が今後これを決定する場合に、それは一メガを始末して一チヤンネル余計にできるというのならいいけれども、そうでなかつた場合には、七メガのほうがこれは非常にいい選択である、こういうことを申している。こういうような非常な親切な公平な注言に対して網島委員長としてはこういうアドバイスをどういうふうにとるか、それでもやはりこの電波監理委員会が今回決定した六メガを基準とする標準方式が絶対にいい、こういうふうにあなたは確信を今日でも持つておられるのか。又それが今後のテレビジヨンに関する電子科学の発達によつて六メガより七メガがいいということが表明された場合には、電波監理委員会として全会一致をとつた建前上責任をとるかどうか。この点を確認しておきたいと思います。
○政府委員(網島毅君) 今度の標準方式の決定に当りまして電波監理委員会が全員一致で六メガ方式を採用したのはどうもふに落ちないというお話でございましたが、これは絶対に他の政治的な圧力、或いは委員会自体の政治的な意図によつてそういう結果になつたということではございません。これは個々の委員いろいろ研究しデスカツシヨンしました結果、結論的にそこに落着いたのであります。そこまで来る過程におきましては約十日間殆んど連日公式或いは非公式の委員会を開きましていろいろ論議を交して、或る場合には違つた意見も出た場合もございます。併し最終的に皆六メガがいいということに相成つた次第であります。ところでアメリカのフインク氏のいろいろなアドバイスがあるというお話でございましたが、私どももフインク氏の意見は、各方面に寄せられた書簡なり或いは雑誌に載せられた論文なりによつて承知いたしておるのでありまするが、御承知の通りフインク氏はテレビジヨンの標準方式に対するエキスパートと申しますか、権威者と申しますか、非常に造詣の深いかたでございます。併しこの人はやはり民間の人でございまして、周波数全体を扱つておる行政面の人ではないのでございます。私直接このフインク氏を存じませんので或いは推測が間違つておるかも知れませんが、ただ單にテレビジヨンという面からのみ考えれば或いは七メガがいいという見解になるのかも知れません。併しながら私どもは電波行政全体を扱つておるものですから、できるだけ周波数というものは節約して使うべきだということが先ず頭に来るわけであります。勿論それに関連して国民経済その他いろいろな問題も考えおるのでありまするが、こう申しては或いは行過ぎるかとも思いますが、私どもはフイソク氏よりはもつと広い立場、即ち電波行政をお預かりしているという面からものを考えているというふうに私どもは考えているのでございます。私どもは私どもの職員の一人が、アメリカの電波行政を担当しておりますところのFCCの担当官にこの問題につきまして照会したことがございまするが、FCCの担当官は決して日本は七メガを採用すべきだというようなことは申しておりません。電波行政の責任を持つ者からいたしますれば、こういう問題はあらゆる面から考えて判断しなければならないのでありまして、ただ單に或る現象をつかまえて六メガ、七メガということの判断ができないというところから来ているのだと思うのでありますが、FCCの職員は私どもにはそういうことを申しておらないのであります。そういう意味合で、ミスター・フインクのお考えはテレビジヨンの面から見れば私どもはわかるような気もいたしまするが、只今申上げました私どもの立場からいたしましてこれを採用しかねたわけでございます。
○山田節男君 これはあなたミスター・フインクにも会われたことはないというのですが、私は昨年会つていろいろお話し、又ミスター・フインクはヨーロツパの現在テレビジヨンの正式放送或いは実験放送をやつている国、或いはこれからテレビジヨンを開始しようという諸国に招かれていろいろとアドバイスを與えておる人なんです。あなたから見られたフインクさんではありません。私もFCCのこういう電波監理の関係の手紙をもらつております。それはただ向うは政府職員であり私は国会人であるがために、日本のテレビジヨンのポリシーに対して非常な影響を及ぼすということを恐れるから、これはもう絶対に公には言うて呉れるなとこういうことを言つているから、私はこの委員会でFCCのテレビジヨンに関する職員の言葉は一言も引いたことはありません。併し今網島委員長の言われることと反対のことを私は受取つていることを申上げておきたいと思う。何もあなたのおつしやる通りがFCCの代表的な意見ではありません。その証拠を私は二、三持つております。問題は、何遍も申上げるようですが、電波監理委員会は最惡の場合はアメリカの標準方式をとればいいのだということを言つている。このミスター・フインクは非常に公平な、勿論電波が如何に貴重なものであるかということは、これはあなたが御心配になる必要はないので、もう実にその点は專門家でありよく知つておられる。殊に我々国会としてこの日本のテレビジヨンをどうするかということについては勿論そういうことも考えている。画の品位、或いはアメリカの現在の進歩から見て日本のテレビジヨンがどうあるべきかということを考えている。殊に最後の手紙は、今までは自分の個人的の意見である、公の場合においては自分の意見だというようなことは余り言つてくれないほうがいいということを初めの二通くらいでは言つておりましたが、三通目からはそれを書いておりません。而も最後の手紙には日本の諸君にも会つたということ最初に書いてあつたと思いますが、恐らくテレビジヨン、電気通信関係の人に相談したんだろうと思う。そうしてこういう手紙をくれている。今電波監理の立場から見れば、向うであらゆることを心配し六メガを心配している、その渦中にあつていろいろ研究している当のフインク氏がそういうアドバイスを與えてくれたということは、これは電波監理委員会としてもつと謙虚に考えてくれなければいけない。ミスター・フインクから公文書として来た場合には考えなければならん。我々のところに来た場合には、電波監理行政の責任者として、ミスター・フインクよりもよほど我々のほうが責任を持つて考えている。この電波監理に関しては甚だ一方的で、私が素人に考えてもこれは科学的でありません。私はこの点については非常に見解が違うということを確認して更に御返答を求めようとは思いません。 それから先ほど私が質問申上げて御返答のなかつた、フランスのテレビジヨンの政策に対するあの根本的態度というものを、日本の電波監理委員会は標準方式決定に際してそういうことを考えたかどうか。或いは電波監理委員会の中においてそういうことが一度でも論議の対象になつたかどうかということを一応確認しておきたい。
○政府委員(網島毅君) 只今の御質問にお答えする前に、先ほどの御質問で言い忘れたことがございますのでお答え申上げます。先ほど電波監理委員会はあくまでも六メガ説を押し通すのかという御質問がございました。この点につきましては、私どもは先般の決定に対しまして異議の申立が出るということを聞いております。従いまして異議の申立が行われました場合には私どもはあくまでも公正に、愼重にそれを処理するつもりでございます。従いまして、その異議の申立の審理中におきまして、これはやはり聴聞会を開かなければいけませんが、その過程におきまして新らしい証拠なり事実が現われたときには私どもは十分それを考えて、前の決定が間違つておるということであればこれを直すことにやぶさかなものではございません。 それからフランス等の例を見てテレビジヨン行政、テレビジヨンの企業というものについて考えたことがあるかというお話でございますが、将来の我が国のテレビジヨンの企業形態をどうするのがいいのか、どうすべきかということについては、先般来委員会におきましてもたびたび非公式な検討を重ねております。まだ結論に到達しておりませんし今申上げる段階には立至つておらないのでありまするが、この点も委員会としては今後とも愼重に考えて行きたいというふうに思つている次第であります。
○山田節男君 私の聞きたいのは、それともう一つはフランスのテレビジヨンは、英米に比べるとフランス人は経済能力が非常に低い、国民所得から見てもアメリカから比べれば七分の一以下である。だからフランスのその実情に適したテレビジヨン方策として、アメリカ式、イギリス式にやらないで、質は非常によいものであるけれども普及を考えておらない。普及はむしろスクリーンにして見せるという国相応なテレビジヨン方策というものを立てている。今これによると、あなたの電波監理委員会できめられたテレビジヨンの事案によればアメリカ式なんですね。アメリカでは千四百万、日本で言えば三百万、五百万のレシーバーが普及するということを前提としてやつている。それでいいかどうかというのです。今の現実の日本が賠償を何十億ドルか拂わなければいけない。而も自衛力漸増ということで以て相当の負担になつている。 今やパンよりも大砲というような情勢になつて来ている。そういう情勢に対しまして、あなたたちはこのテレビジヨンというものについて、このフランスが考えたようなことを考えたかどうかということを一つお聞きしたい。
○政府委員(網島毅君) 只今御質問の点は、今度の決定よりも、むしろ事案を作つたときにそういうことを頭において考えたかという御質問だと思います。当時私は日本におりませんので事案の作成当時の模様を存じませんので、幸い岡咲副委員長が出ておりますので岡咲副委員長から御答弁させて頂きたいと思います。
○政府委員(岡咲恕一君) 山田委員のお尋ねに対しまして、委員長に代りまして私からお答え申上げます。事案を決定いたします際に、勿論フランスのテレビジヨンのあり方というものも考慮いたしたわけでございまするが、我が国の経済力或いは国民の生活水準というものは、現状におきましては遠くアメリカに及ばないことは山田委員御指摘の通りでありまするが、果してフランスの現在の経済力或いは国力と我が国と比較いたしまして、我が国はフランスにも及ばないということができるかどうか、私の個人的な見解を申上げて恐縮でございますが、私は少くとも日本はフランスよりももつと優秀な、強力なる生活水準に達し得るだろうと、かように考えております。テレビジヨンにつきましては、現に申請が出ております申請者の企画も、山田委員が御引用になりましたようなフランス式な行き方、言い換えれば劇場その他の公開の場所で映写いたしまして大衆の集まつた場所においてこれを見せるというふうな行き方を企画しているテレビジヨンの申請者もございまするし、或いは日本放送協会、日本テレビジヨン放送網株式会社の企画のように、主として家庭においてこれを受像する、併し日本テレビジヨン放送網株式会社の企画におきましては、集団的にスクリーンにこれを写して見せるということも必ずしも拒否はしておらないようでございまするが、大体の構想は、やはり日本の経済力或いは生活水準が回復いたしますに従つて、家庭にも受像機を備えてこれを楽しむというふうな企画を以て申請書を出しているわけでございます。私どもは工業会のかたがたとも連絡いたしましてその問題を検討いたしたのでございまするが、日本におきまして、初年度においては或いは一万台、或いは二万台くらいな生産能力があり得るし、それから電気蓄音機或いは最高級な放送受信機というものの国内における普及の状態、或いは国民所得の現状、殊に国税庁あたりの調査を検討いたしますると、日本においては必ずしも家庭においてテレビジヨンを購入することが不可能である、家庭においてこれを受信することを目標にしたテレビジヨン企業は不可能であるということを断ずるほど日本は経済的に貧しくないという結論に到達いたしているわけでございます。従いまして少くともアメリカ式の標準方式を採用いたしましてテレビジヨンが本格的に実施されまするならば、現在直ちにということは困難かも知れませんが、貸すに相当の時日を以てすれば少くともアメリカの十分の一程度の受像機の普及は期待し得るのではなかろうか、かように考えているのでございます。
○山田節男君 今、岡咲副委員長のお言葉は、これはもう誰が聞いてもわかるように、フランスのような、日本の国情にかなうような親切な考慮が全然携われてなかつたということを証明していると思う。これはエコノミク・デ・テレビジヨンという本をお読みになればわかるけれども、これは電波監理委員会がそういう重要な問題を考えてなかつたということを私は告白したに過ぎないと思うのです。 もう一つ、この今の岡咲副委員長が言われたのだが、フランス式のことも考えてみた、テレビジヨンの政策を考えてみた。日本テレビジヨン放送網のやつているようなスクリーンで日本でも大衆に見せるようにする、こういうことを言つているが、これは技術的に言えば非常に大きな間違いではないか。アメリカの現在の標準方式でスクリーンでやつてもこれはとても見られたものではありません。而も現在の最善のコンデシヨンで数カ所に、それが日本でこの電気的な雑言の多い、テレビジヨンを受けるについては、非常に惡い條件がそのままになつているというスクリーンで見せるということは、初めは物好きで見るかも知れない、これはピクチユアとして見られません。これは九フイートなり十ナフイートなりにすると、見られません。日本で殊に東京のような所では、強力なものでやらなければ不可能じやないか。ですから今おつしやつたことでは、日本の国情を考えてやつたというような態度はとつていない。今岡咲副委員長が言われるように、日本にも相当テレビジヨンを個人として買い得ると言われた、これは非常に認識不足である。私は予算委員として国民所得の分析をしておりますが、日本の中流階級以下の、所得からすれば年五十万円以下の者、この重税にあえいでおつて月賦にしても、この五万円か十万円かするテレビジヨンを買うということは殆んど不可能だと思います。これはあなたと非常に見解が違います。これだけを私は申上げておきます。
○説明員(拔山平一君) 先ほど山田委員からのお手紙をお廻し下すつたので、詳細読んでみました。私の思つていることと殆んど違わないのです。それはノン・コンパチブルのほうに対しては七メガということが重要であるがコンパチブルに対してはそう重要でない、これは私もそう思つております。それから最後のところで、若しも六メガにしたためにアヂシヨナル・チヤンネルが得られないのならば七メガのほうがいいだろう、こう言つている。得られないならばというのですが我々その点が問題なんで、アヂシヨナル・チヤンネルが得られるか、得られないか、これは得られるように将来しなければならない。それから或いはほかのFMの放送なんというものは、強力な放送や何か出ておりますけれども、そういうところに使わなければならん。アヂシヨナル・チヤンネルが得られるというほうに傾いて、そう判断した。ですからこのフインク氏の考えと少しも違わない。條件的に書いてあると私は考にているのです。 それからもう一つ、私の聽聞会においての発言というよりも、むしろ審理官の意見についてのあれですが、これは私の発言或いは審理官の意見によつて、私が惡官僚であると思われても思われなくても、別々にここで時間をつぶして議論する必要はないわけですが、ただそういうために電波監理委員会に累を及ぼして、こういうことだから電波監理委員会が無理やりに押し通したのだろう、そういうふうに解釈されては私としては非常に心外なので、私は先ほど申したように、電波監理委員会は大きな組織を以て調べているから、お前がたは特許のことでも言つていたらいいだろうということは、ちつともここに言つておりませんから私の発言の所をよく御覧下さい。私の言おうとしていることはこうです。これはよくお読み下さればすぐわかることであります。二百二十六頁、二百二十七頁の所をお読み下さればすぐわかるわけですから。二日間の会期の間私はだまつて聞いておつたのです。併しその議論が或る場合には互いにそんな通俗つぽいものは要らんとか、君は博士でないとか、そんなような種類の普通一般的なことが非常に多かつた。それは大体私は承知している。併し日本では長らく封建思想のために自分の利害というものを公の前ではつきり主張するということをやらない習慣がある私として、七メガサイクルの人の例えば工業会とかメーカーとかの切札は、六メガサイクルにしたらこういうふうに困るのだ、自分のほうで作るのにこういうふうだ、自分のほうがこれだけの損害を受けるということをはつきり言つてもらえば、それが切札になる、そういう発言をしてほしいということをここで述べた。ただどうも六メガじや困る、これだけの大きな損害があると言つてくれというふうに私が言つては、七メガ説に或るヒントを與えるわけですからそういうことを避けて、例えば特許のような問題についてこれこれの自分は不利益がある、どこの会社が特許を持つていて、自分のほうはどれだけの不利益があるのだということを言つてほしい。これならば特別のほうのかたにも加担して、或いはヒントを與えるようなことがないので、そういう意味で言つているのです。それは私この前にこの私の発言の記録を認めるかというお話だつたときに、正確ではないと思うけれども、大体これによつて申上げましたから、これによつて御判断下されば結構なんですが、この審理官はこの聽聞会は審理官の方針によつて運営されるのであるが、私は最後にその結果に基いて審理しなければならない責任を持つている一人として、個人としてこういう希望を申上げると言つたので、そのようにさえ話していればいいのだとは決して言つていない。それはそのあとの私の話に続いてすぐに高柳君が質問しているのです。私が、アメリカの電波監理委員会の運営について、聽聞会というものはこういうふうに運営されるものである、特に利害関係者は自分の会社の立場から見て、利害を論ずることをアメリカでは主とすると、そこの点で審理官がそれは要りません、いやその点につきましては御意見を頂かなくても結構だと言われたのに、私は、いや、大体御質問の趣意はわかつていますからと、だつてほかのことを言つては困るというわけじやない、それは結構なんですけれども、その上に自分の利害ということをはつきり言つてほしい、こう言つているのです。そして無理やりにどうかとというのじやなしに私は事案としては六メガ説なんです、もともと併し事案しては七メガ説にするということは前にちよつといろんな会合でも言つたこともあるので、それは皆さんもう記憶しておられるでしようから、その七メガ説に対してのはつきりした切札を言つてほしい、それはこれだけの損害があるということを自分の利害を主張してさえもらえると、それではつきりわかる。我々はその利害ということについては自分が当事者でないから、我々利害関係者ということを禁じられている身分であつて公平に判断しなければならない身分であるから、そういうようなデータを集めているけれども、利害ということについてはつきりしたデータがないから是非利害ということを主張してくれ、遠慮なく主張してほしいということを言つているのですけれども、これをお読み下されば私の言う意味は十分これに出ていると思います。で私のことで感情のことであつてもどうでもいいのですが、併しそのために委員会が無理やりにこのことを押し通しているということをこのことだけで判断して頂きたくないということをお願いしたい。
○新谷寅三郎君 実は私今日は質問をしたかつたのですが、時間がありませんので、審理官に対して一つだけ伺つておきます。いずれ委員会の諸君に対しましては、実は先般来証人の喚問をいたしまして調査をいたしましたところが、ますます疑問がたくさん出て来ました。これについては私から次の機会、或いはその次の機会に十分に私は審議したいと思いますから一つそのつもりでお願いしたい。 審理官にお伺いしたいことは、あなたのお書きになつた意見書についてでありますが、この冒頭に、委員会及び各当事者の主張、提出された証拠によつては周波数帶巾の適否はなお判定が困難である、よつて我が国におけるテレビジヨンの放送のあり方との関連において更に検討を加えて決定するを相当とするという御意見でありました。これは私は法律によつて極めて公平な立場から審理をせられましたので、こという御決定そのものにつきましては私は何ら意見はないのでありますけれども、この書かれました意味、将来の我が国のテレビジヨンの放送のあり方との関連においてということは、どういう意味でお書きになつたのか。例えば先ほど来問題になつておりまするこのカラー・テレビジヨンとの関係、或いは製作技術との関係、或いは製作の設備等との関係、或いは特許等の関係、そういつたことを包含しておられるのです。或いはカラー・テレビジヨンというような問題だけを言つておられるのですか。どういうようにお書きになつたか伺いたいのですが。
○説明員(柴橋国隆君) ちよつとその前に一言私の心境を申上げさして頂きます。それはこのテレビジヨンの標準方式につきましては技術的な要素が非常に多い。こういう理由で西松審理官は私が今度の場合に補佐をしてもらつた審理官でありまするが、これが又順序からいたしましても、と申しまするのは審理官が一応二人おりますから交代でやつておりまして、その順序というために、もう一つは今度の標準方式の事案そのものに技術的の要素が非常に多い、こういう意味で西松審理官がやることになつておつたのであります。ところが同審理官が辞退しました。自分は非常に何といいますか、できない、こういう辞退をいたしました。そして岡咲副委員長から私にどうしても君やつてもらえないかということでありましたので、私も技術的な判定能力は欠けている、こういう意味で一応辞退したのでありますけれども、どうしてもやつてくれ、こういうことでありましたので、大体二つの希望を述べておいた。その一つは、私は技術的な判定能力が欠けているので、それを補佐するような人をつけてもらいたい。もう一つは、標準方式というものはただこれが標準方式としてこれだけを取上げて決定すべきものじやなくて、日本のテレビジヨン放送というものがどういうふうにあるかといういろいろな、或いは経済的な問題とか、国際的な問題とか、或いは事業の運営の問題とか、或いは技術的な問題、こういう問題と関連いたしまして決定さるべきものであります。従いまして標準方式だけを先に聽聞会にかけるということには私としては同意できない。こういうことを申上げたのでありまするけれども、併しまあ委員会として一応標準方式だけをやるのだ、こういう御決定でありまして、今の私の二つの希望に対しましても、第一に対しましては西松審理官を補佐とする、第二に対しましては委員会のほうでできるだけそういつた問題についても、この聽問会におきまして差支えない範囲で説明する、こういう御回答がありましたので、それじや私もやつてみよう、こういうことでやつたわけであります。 ところが現実には第二番目の、いろいろな問題につきましての委員会側の御説明はありませんでした。そこで聽聞会を三日間やりました結果、ここでこういう意見を書いたわけでありまするが、これは先ほど申上げましたように、いろいろな経済的な問題、と申しますると、テレビジヨンには非常に大きな資金を要しまするので、資金の関係はどうか。或いは国民経済との関係におきまして、受像機の価格というものは一体どのくらいにおくのが適当か。それからまあ仮に外国から輸入するといたしますると為替の関係はどうか。或いは将来維持はどうか、こういつた経済的な問題。それから第二番目に国際的な問題といたしましては、先ほど新谷委員でしたかおつしやいましたように、賠償の問題とか、或いは国際的な経済提携の問題。次に事業運営の問題につきましては、一体日本にはテレビジヨンというものをどういう形で免許するか、免許の数は一つか、二つか、或いはもつと複数か、それから全国にどういうふうに放送局を配置するか、こういつたこと。それから先ほどからいろいろな問題が出ておりまするように、このテレビジヨンに使われる周波数をほかの業務にというふうに割当てるのか、こういつた問題。更に大きな問題といたしましては、絵の品位というものをどこに基準を求めるか、これには国際的に標準もありましようし、又総体的には、意見書の中にも書いておりまするように、一体価格はどうか、或いは技術的な問題はどうか、こういつたいろいろな問題があります。従いましてこういつた問題につきましていろいろ検討を要する。私の考えを申しますると、できまするならば、そういつた問題につきましても、聽聞その他の方法によりまして結論は出ないといたしましても、一応の見通しをつける。そうしまして又標準方式に戻りまして、そういつたものの総合関係において決定したい。殊にバンドの幅につきましてはいろいろ問題がありまするので、そういつた点も考慮すべきだ、こういう意味で書いているわけであります。
○新谷寅三郎君 只今の御答弁に関連して私まだ伺いたいことがたくさん出て参りました。それについて伺いたいのですが委員長如何でしようか、今日は余り時間が遅れるのでこの次の機会に。
○委員長(鈴木恭一君) だんだん時間が過ぎましたから本日はこの程度にしまして、次回に継続することにしたら如何かと思いますが、如何でしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○新谷寅三郎君 私は異議ありません。
○委員長(鈴木恭一君) それでは次回を次の月曜の午後一時にいたしまして本日はこれにて散会いたします。 午後一時十一分散会