通商産業委員会 第46号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/06/11
会議録
○委員長(竹中七郎君) 通産委員会を開会いたします。通商及び産業一般に関する調査の問題に関しまして東京電力の人事に関する調査をいたします。本件につきましては去る五月二十一日に横田公正取引委員長から自発清算の進行状況、株主権行使の法的根拠等について御説明を願い、公取の承認の下に行使されるに至りましてもその判定が極めて困難な旨を結城委員から御注意申上げたのでありますが、不幸にして株主総会が混乱に陷りましたことは諸君も御承知の通りであります。本問題につきましては六月二日に本会議において大野幸一君から緊急質問があり、松本、横田両委員長からそれぞれ御答弁があつたのでありますが、当委員会といたしましては横田公取委員長に公正なる御取扱をお願いいたしたにもかかわらずこのような結果になりましたことについて当委員会といたしましての調査のきまりをつける意味で本日議題に取上げた次第であります。 先ず横田公取委員長から新井、青木、後藤の三氏を含む十七名の候補者中から十五名の選任を認めるという方法をとられたときの経過並びに心境及び今後この問題の円満なる妥結のためにお考えになつておる構想について御説明をお願いいたします。
○栗山良夫君 それは結構ですけれども、その前に今後の問題もありますのでもう少し私はその前に伺つておきたいことがあるのです。それをやりましてから委員長が今お尋ねになつた点、それをやつて頂きたいと思います。よろしうございますか。
○委員長(竹中七郎君) どうぞ。
○栗山良夫君 私先ず最初に六月の二日の参議院本会議におきまして大野幸一君の緊急質問に答えられて松本公益事業委員会委員長が本件について相当細かい御意見を吐露されておるのであります。併しそれで大体よく私も、当時本会議に欠席をしたのでありますが、速記録を通じまして了承いたしておるのでありますけれども、この中で日発という清算会社が勝手にその表面上属しておるかに見える株主権を行使するということがあればこれは確かに権利の濫用であると、自分は法律家として固く信じておる、他日機会があれば更に細かく述べることもできよう、こういう工合におつしやつておるようであります。従いましてこの当時御発表になりました御意見のほかになお且つそういうような権利の濫用という点について法律的に確定し得るような御意見がありましたならば、この機会にお尋ねをいたしたい、こういうふうに考えるわけであります。
○政府委員(松本烝治君) 権利の濫用ということにつきまして、本会議の席上でもありますので細かいことを申述べなかつたのであります。御承知のように私法上の権利という観念は最近の五十年の間に全く変つたと言つてよろしい。従来は私法上の権利は絶対性の権利を持つており、権利の形式において属しておるものは如何なることでもできる、例えば自分の地面の隣の人を困らせる、困らしてその土地を買おうというような考えでその境に恐しく高い塀を立てて隣の人には風もよく行かず、光線もよく通らないようにしてしまうというようなことをしても差支えない。そういう例は明治時代或いは大正時代、或いは昭和の初めまで東京市中でも現に見ておつたこともあります。併しそういう観念は行き過ぎでありまして、これは資本主義の欄熟の結果生じたものと私は考えておるし、そういう観念が間違つておるというような説は十九世紀のおしまい頃から外国において少しずつ出て参りました。そのような考えは日本ではよほどあとで遅れてしか誰も申しませんでした。恐らくは私が明治四十四、五年頃に書いた民法の書物で権利の濫用ということを書いたぐらいが初めではないかと思うぐらいであります。そういう権利の濫用については、大正の終りか或いは昭和の初めぐらいから下級裁判所にはやや権利の濫用は違法である、或る場合には不法行為になるというようなことを認めた判例があつたのであります。大審院においてそういうことを認めましたのは比較的たしか新らしかつたと思うので、昭和の十何年ぐらいじやなかつたかと思いますが、私の記憶が間違つておればあとで直して頂くのほかありませんが、宇奈月温泉という北陸の温泉を遠くから引張つて参る大きな管が人の地面の中を默つて通つておつた、その地面の所有者がこれを発見して、これは自分の所有権を侵害したものである、よつてその管を取除けろという訴訟をたしかしたように記憶しております。いろいろのたしか下級裁判所においては違つた判決もあつたかと思いますが、最後の大審院はこれは権利の濫用である、そういうところの地面において大きな温泉の管が通るのは確かに多少は困るかも知れんが、それを取外せということになると非常な多数の人に迷惑を及ぼすのだ、そういうことをみだりに主張することは権利の濫用で認めることができない、という判決をたしかしたように記憶しております。そういう観念がまあだんだん行われて来た、即ちこれは私法の民主化と申すか或いは社会化というべきかと思う。私はこういう私法の進歩は多くの人が却つて知つておりませんけれども、非常に注目すべきであり、又よかつたことと思つております。こういう観念が採用されましたのが即ち昭和二十二年民法の第一條であります。これによりますと、「私権は公共ノ福祉ニ尊フ」それから第二項に「権利ノ行使及ヒ義務ノ履行ハ信義ニ従ヒ誠実ニ之ヲ為スコトヲ要ス」それから第三項に「権利ノ濫用ハ之ヲ許サス」という規定ができたのです。この規定は相当広く、この権利の濫用を禁止しておる。即ち権利の濫用は違法であるということを認めておるのです。如何なる場合が一体権利の濫用になるかということになりますれば、これは各個の具体的の場合で判定しなければならん。例えば今の自分の地面に塀を立てるということは、隣に何も害を及ぼさん、又隣の人に多少の害を及ぼしても、共同生活の上でそういうものを立てることが当然である場合に立てるということなら決して権利の濫用になりません。併しながら先ほども申上げましたように、隣の人をいじめてそうしてそれを無理やりに自分のほうに土地を売らそうというような考えでそれをやるということになりますと、これは立派な権利の濫用になる、そういうことであります。そこでこの間の日発の清算人のやられたことが権利の濫用に私はなると思う。この間も申上げましたように清算会社の権利能力というものは制限されておる、清算の目的の範囲内においてなお存続するものとみなすと書いてある。清算の目的ということの範囲内においてのみ清算会社は行動できる。そういう会社がたまたま株を持つておつたという場合に、その株を株主権を使いましてそうして理由なく他の会社の役員の変更を図るというようなことになれば、これは立派な権利の濫用になる。この前にも申しましたように、そういうことをしなければ困る、こういう役員は悪いことをしておる、或いは甚だ無能であつて株がどんどん下つて困るというようなときならば、これは清算の目的の範囲外でも或ることをできようと思います。併しながらそういう事由が何らない、平穏無事に営業が行われて、殊にこの具体的の東電の場合におきましては、東電の株は大変上りつつある、いろいろな点で社内も平穏になつておるという場合におきまして、どういう理由か知らんが、まあそのうちの重役の二人をやめて、そうして他の三人に変える、非常な危険なことであります。さようなことが行われれば今まで平和に行われておつた東電のあとの業務執行ということに相当の紛乱を及ぼすべき虞れが随分強かつたと思うのです。かくのごときことを單に清算会社であるところの日発がこれを敢行しようということは、誰が見てもこれは不都合な行為だと私は思う。まあ見方によつていろいろあるかも知れませんが、私はそういうことをするのは行き過ぎである、甚だ不都合であると私は見ていいと思つております。そういう場合におきましてはこの権利の行使は明瞭に権利の濫用である。即ち権利はない、ないことをやつた、即ち不法行為になり得る状態にあつたというふうに私は解しておるので、そういう意味で申上げたのであります。
○栗山良夫君 今委員長から横田委員長に要求されておる前段の十五名として、而も三名新らしい役員を選考することについて公取委員会が決定された経過を述べてもらいたいということでありましたが、そちらだけを切離して先に私は伺いたいと思います。
○委員長(竹中七郎君) 栗山君の申されました、先ほど私が申上げました経過の点だけ横田委員長から御説明を願いたいと思います。
○政府委員(横田正俊君) この東電問題につきまして、五月二十一日当委員会と記憶いたしておりますが、そこに出まして申上げましたその後のこの問題についてのいきさつを少し詳細に申上げたいと思つております。前回申上げました通りこの日発の議決権の行使につきましては公正取引委員会の承認を得るという手続を経ることになつております。その承認の申請が出まするのを待つておりました。これは原則として総会の前一週間前に所定の事項を書きました書面が公取に出ることになつておりますので、東電側とのいろいろな折衝が非常に手間取つておつたと見えまして、この書面がなかなか出て参りませんので、どういうことかと思つておりましたら、五月二十三日の夕方になりましてその書面が出て参りましたが、この書面には現在の十四人のほかに新任の人を入れたいという希望が掲げられておるだけでございまして、その内容が全然わかつておりませんので、そこですぐにその翌朝新任の人の内容を明らかにしてくれということを追掛けて申したのでありますが、これもなかなか部内秘であつたわけであります。公正取引委員会といたしましては終始この問題は総会の混乱というようなことのないように関係者の間において十分の了解を得て総会では満場一致という形で是非やつて頂きたい。殊に東電を除きましたその他の八社につきましては、役員の変更をせられたものもありますし、追加せられたものもございましたが、いずれも円満に問題は運びまして、公取は日発側の原案に賛成であるということについての議決権の行使につきましては、無條件にそれを承認して参つたいきさつもございますので、東電につきましても是非そういう形に問題を持つて来て頂きたいと思いまして考えておつたわけでございます。ところが、従つてこの問題は総会の直前或いは場合によりましては、総会開会後でも若しそこに円満なる妥結が得られますれば、私どもといたしましてはそれが一番好ましいことだという気持を持つておつたのでございます。いよいよ二十九日の総会の前日の二十八日になりまして、日発側が考えております候補者の内容もはつきりいたしまして、公取といたしましては先ほど申しました線に沿うて東電側の意見並びに公益事業委員会の御意見というようなものを参酌し、なおこの両者の間に円満なる妥結の行われることを希望いたしましたので、二十八日に先ず東電側の安藏社長に来て頂きまして日発側の出して参りました新井、青木、後藤三氏についての意見を聞いたわけでありますが、東電側としてはもうすでに新木会長を除いたあと十四人でやつて行くつもりであつてこの三氏についてはそのお人柄等についてはとやかくは申さんが、併しもうすでにそういう既定方針をきめておるんだからということであり、併し私どもとしましては飽くまでも最初申上げました線で行きたいと思いましたので、なおよく再考せられんことを望みまして一度引取つて頂きまして、すぐそのあと公益事業委員会のほうに御連絡いたしましてこの三名の推薦のあつたこと、なおこれについてできれば円満なる解決を欲しいのであるから、公益事業委員会としてもその間に入つて御斡旋を願いたいということを申入れたわけでございます。尤も公益事業委員会からは五月十六日と思いましたが、すでにこの東電を含む新電力会社の役員の改選問題につきましては、二項目を掲げまして公取にお申出があつたのでございます。それは役員の数は諸般の事情からして殖やすことは困る、これはできるだけ殖やさんようにして欲しいということと、それから現在の役員はいささかもこれを変更しないようにして欲しいという二つの申出がございましたので、大体公益事業委員会のお考えはわかつておりましたが、併し東電問題は非常に複雑な事情もございますように思われましたので、重ねまして二十八日に今申しましたような申入をいたしたようなわけでございます。ところが東電側は飽くまでも現在の役員で突つ張つて行くということで、話合うことも拒否をするというきつい返事がございました。公益事業委員会のほうからも東電の人事については委員会は関与しない、こういう御返事がございましたので、公取といたしまして最後の決定をいたす段階になつたわけでございます。そこでこれは少し遡つてのことでございますけれども、大体今回の改選と申しますものは、御承知のように新電力会社の初代の役員というものは、官選の役員でございますので、一般商法の特例といたしまして任期を特に半分といたしまして、一年とし、一年後の定時株主総会においてこれを再検討するということが決定指令の精神であつたと思うのであります。併しこれが普通の状態でございますれば清算が運びまして、株が本来の株主に行つておりますので、一年後の検討ということが極めて自然な立派な形でできるわけでございますが、前回も申述べましたような特別なる事情によりまして、日発の株がなお日発の手許に残つておるというような当初予想しないような事態が生じましたので、我々といたしましては役員を再検討するというこの要請と、併しながら日発に十二分にその権利を行使させるということは甚だ不適当であるということの、この二つの考え方の間に非常に苦慮いたしました結果、日発の申入れました新井、青木御両氏につきましては、これはすでに定評のあるかたでございますし、後藤氏につきましても日発の申出られました理由は、東電につきましては特に消費者の声を反映せしむる必要がある、そういう意味において社外重役というものもあるけれども、併し又別な意味において後藤氏のごときものを一人内部に入れるということは非常にいいのではないかというようなお申出もございましたので、いろいろ考えました結果、一応東電側の主張しておりまする十四人、日発側の推薦いたしておりまする三名、これを候補者の枠ときめまして、但し役員が新木会長時代よりも殖えますることは余り好ましくない、殊に公益事業委員会からも申出がございまするし、一般の輿論に鑑みましてもどうもそう考えられますので、この十七名の枠の中で十五名というものについての議決権の行使を承認いたしたわけでございます。併し我々といたしましては、そのうちのどなたをということは特に考えておつたわけではないのでございます。そして最初に申しました通りそういう決定をいたしましたが、なおその枠の中で両者の折衝が行われるものと期待いたしておつたのでございますが、果せるかな、その決定後に安藏社長が見えまして、東電側としては日発側ともう一遍よく折衝してみたいから私に橋渡しをしてくれというお申出でありましたので、二十八日の晩に直ちにその趣きを日発に通じましてたしかその翌朝に至りまして一応両者の間にこの顔ぶれで総会に臨むという線がきまつたというふうに後に聞いておりました。ところが御承知のようなことになりまして、総会が遂に役員の選任を見ないで終るようなことになつてしまつたわけでございます。私どもとしましては、日発に対しては節度のある議決権の行使を期待いたし、東電に関しましてはもう少し現在のかたをそのまま維持するというような線を緩めてものを考えて頂きたいという期待の下に先ほど申しましたような線を出したのでございますが、そのいずれも期待があいにく外れまして、今になつて考えますれば、我々はもう少しはつきりした線を出して、場合によつては公正取引委員会が日発に代つて議決権を行使したほうがよかつたのではないかというような点が現在反省せられておるわけでございます。いずれにいたしましても、この議決権の行使の承認に関連いたしましていろいろな問題が起りましたことにつきましては、私どもといたしましても非常に申訳ないことと考えておる次第でございます。
○栗山良夫君 私は、只今のお話を伺い、又六月二日の本会議において横田委員長が述べられた意見等を拜読しながら考える場合に、その考えの中に一つの矛盾があるように私は考えるのであります。例えばその矛盾というのは、混乱を避けたいという基本方針、それが一番まあ私は重要な方針でなければならんと思いますが、それについて終始努力をされた、で、努力をされた結果遂に匙を投げざるを得なかつた、遂に望みは全く断たれたわけでございます、という工合に表現をせられて、そういうような工合に終始話合いをした結果、公取の努力にもかかわらず話合いがつかないという状態においてこの議決権の行使を承認するということになれば、どういう事態が起きるかということはもう想像に余りあるものがあつたと私は思うのです。従つて、言われるところの混乱を避けたいという考え方、実際に公取がおとりになつた処置というものは全く私は矛盾していると思うのです。そこで伺いたいのは、東電の十四名の現職をそのままにし、日発側の推薦の三名を入れてこれは十七名になるわけです。それを十五名に圧縮しようという、そういうことにおいて話合いがつかないということになれば、これは混乱が起きることはもう当然なことでありますが、そういう状態にありながら、申請をせられたときに混乱を起さないで済むとお考えになつたかどうかということが一つ。それからこれは五人の委員でありますが、公坂の五人の委員が全部あなたが今おつしやつたと同じようなお考えであつたかどうか。この点もやはり問題に私はなると思う。どういう工合にして五人の意見をおまとめになつたのか、その点も一つお聞かせを願いたい、こう思うわけです。
○政府委員(横田正俊君) 只今の決定は大体我々の一致した意見と申上げていいかと思いますが、併し問題は御承知のように会議できまりましたことでございまするので、その内容の詳細につきましては、ここで申上げることを遠慮さして頂きたいと思います。なお混乱を当然予想せられるではないかということにつきましても、成るほど我我の考え方が非常に不十分であつたという点は結果から見ましてそういうふうに考えざるを得ないかと存じます。ただ私たちの気持といたしましては、この際現役員に若干の検討が加えられるのではないかということが基準でございまするので、できますれば円満なる解決というこの線で参つたわけでございます。
○栗山良夫君 この委員会は東電問題のことは或る程度想像がついておりましたので、従つて五月の二十一日の委員会にわざわざあなたの御出席を求めて、そうして結城委員並びに竹中委員長からあなたに対してお考えを伺い、又この委員会の意思も伝達をしまして、そうしてこういう事態の起きないように要望してあるのであります。そのときにあなたは……もう速記録は読上げますことはやめますが、はつきりと私どもがそういう心配をしておることについて答えられて、そういうことの起きないように処置をするということを述べておるわけであります。竹中委員長の要望に対しても何ら條件を付して帰られたわけではありません。了承して帰られたわけであります。にもかかわらずこういう事態が起きたということは、我々非常に国会のこういう問題、電力事業の発展のために部内において混乱の起るというようなことは避けまして、公共事業としての信用を高めて行くようにするために特に東電は全国の中心になる会社でありますから、非常な関心を持つて対処していたわけであります。その期待が裏切られたということは誠に遺憾であると言わざるを得ないのであります。而も本会議における大野君の質問に答えられた所見の中には随処に公取の遺憾であつたという遺憾の意を表明されております。そうして最後には検討が十分でなかつた点については深く考えておるということを言われ、責任を痛感せられておつたように私は考えるのであります。従つてこの責任をどういう工合におとりになるおつもりであるか、これを私ははつきりとお伺いをしたいのです。特に先ほど松本委員長が民法なり或いは商法を立論の根拠とせられまして、そうしてこういう株主権の行使は権利の濫用であるということを明確におつしやつておるわけであります。従つてそういうような法律的な解釈について横田委員長も法律家であられるわけでありますから、どういう工合にお考えになつておるか、松本委員長と権利の濫用論において全く同じお考えをお持ちになつておるかどうかということを、この点をお聞きをし、そうしてそれに対する横田委員長の責任をどういう工合におとりになろうとしておるか、これを先ず伺いたいと、こう思います。
○政府委員(横田正俊君) 法律論につきましては、遺憾ながら松本委員長とは多少意見を異にしておるわけでございまして、結局私といたしましては、公正取引委員会が認可をいたしました範囲内において議決権が行使されております以上は、これは適法なる権利の行使、こういうように考えております。成るほど権利濫用という法理もございますが、これは非常に極端な場合に適用せらるべきものと考えられますし、なお清算人は清算の目的の範囲内でなければ権力行使をしてはならんということも一応一般論としましてはなされるのでございますが、併し例えば今までのほかの新電力会社につきましては、自発は立派に権利を行使しておるわけで、これは幸いに会社との間に摩擦がなかつたからこれは適法である、摩擦があればこれは権利能力の範囲外にあるというふうにはちよつと言えないのではないかと思いますので、私は法律論としては多少松本委員長と見解を異にしておるわけでございます。なお責任というお話でございまするが、この問題につきましてはその後関係者がだんだん冷靜になりまして幸いに、聞きますところによりますと、立派な調停のおかたもお立ちになつたようでございますので、我々といたしましては先ほど申しました線に浩つた立派な解決が得られまするように、公正取引委員会といたしましてその権限の範囲内においてその関係に御助力をし、立派な新会社の重役陣というようなものができますようにできる限りの努力をいたしたいと思つております。
○栗山良夫君 その一端を、混乱を生じてから事態の收拾をするということは、これは收拾しなければ処置ありませんから誰かがやるわけであります。そういう收拾が行われるから公取の委員会としては大して責任はまあないというようなふうにお聞きをしたのでありますが、それは私の質問申上げておることといささか観点が違うのじやないかと私は考えるのでありまして、法律上の問題はまあ別といたしましてこれだけの混乱を生じたためにいわゆる電気事業全体が国民から見られた信用を逆に失墜して不信用を高めた、その量見というものは測り知れざるものであると私は思うのです。この委員会もそういうことがあつてはもう第一国会以来電気事業の発展、電源開発促進等について、或いは電力の安定等については非常な努力をして参りました。再編成後初めての障害であり、而も雲行が非常に悪いということを予測してわざわざこういう特定の問題にかかわらずこの委員会においては公取委員会のとられる処置について質したわけであります。それほどまでにやつて私どもおりますにかかわらず、こういう事態を招来したという公取委員会の責任は、私は決して軽いものではないと思うのであります。そこで先ほどあれほど一生懸命に努力をして遂にまとまらなかつた、従つて遂に議決権の行使を承認したと言われましたのに対して、それならば私は混乱を招くということを十分に予想された上で申請を許可されたのではないか、こういう工合に伺いましたところが、今から考えればそういう結果であつたろうというお話でありましたけれども、それはもうその前から私はこういう結果になることははつきりしておる、こう思つたわけでありまして、そういう意味からいたしましても公正取引委員会が当時とられたところの態度というものは少し私は軽卒ではないか。この責任はやはり十分におとりになる必要がある。こういう工合に考えるのでありますが、今申上げましたような考え方からして重ねて一つ事態が円満に收拾されるようになつたからこれに更に協力をすれば足りるという考え方でなくて、電気事業に与えました非常に大きなこの不信用、国民から見た不信用を高めたことについての責任というものはこれは私は軽観するわけには行かない。それの責任をどういう工合におとりになるか、それを伺いたいと思うのであります。
○政府委員(横田正俊君) 責任をとれとおつしやいましても、具体的にどういうことをしていいか私としては今思いつかないのでございますが、只今申上げましたように、この問題についての私どもの気持は先ほど申上げた通りでございまして、これ以上具体的にどういう処置をとるかということについては只今別に考えておりません。
○西田隆男君 私一、二点横田さんにお尋ねしたい。あなたの御答弁を聞いておりますと、電力会社の人事の問題は電力再編成当時に随分輿論を湧かした問題であることはあなたも御承知の通りであると思います。あなたの今の御答弁を聞いておりますと、どうもあなたは最初の電力再編成当時における人事は株主総会での意思でなくてきまつているのであるから、商法の特例に基いてきめたやつだから、一年たつたら必ず株主総会の議決にかけて変えなければならない。変られるのが当り前だという先ず前提に立つて、株主権の行使というものをお考えになつているように私が受取れるのが一点。もう一点は、法律論としての株主権の行使云云の問題は、あなたがた立派な法律学者なんですから、私あえて批判をする必要はないと思うのですが。あなたのおつしやるように株主権の行使が合法なものであるとしても、紛争の起きることが予見される場合の株主権の行使は、平等の立場において行われない形において株主権の行使をあなたが承認されるという、この二つの点、その点に対してあなたはどういうふうにお考えになつているか。今栗山君に御答弁になつたようにお考えになつているのか。この点について御答弁願いたい。
○政府委員(横田正俊君) 私どもといたしましては、すべての場合について変えなければならんというような原則は勿論立てておりません。ほかの電力会社につきましても、そういうような先入感は持つておりませんですが、この東電につきましては、只今申上げましたような意味におきまして再検討するのが妥当ではないかというふうに考えたわけでございます。第二点でございますが、この点は先ほどちよつと申上げましたように、委員会としましてはこの議決権の委任を受けまして行使したほうが或いはよかつたのではないかと考えまするが、併し先ほど申しますように、できますれば当事者の間において円満な解決を図つて頂きたいということが先にございましたものですから、公取がその間に介在しましてそこで軍配を上げるというような形式は面白くないのではないかと考えまして日発に権利を行使することを承認したわけでございます。
○西田隆男君 私のお尋ねしておりますのは、日発に公取が株主権を行使させたということが迂濶ではないかという意味ではなくて、紛争が予期せられる場合の株主権の行使、今度は特定の場合においては平等の立場において株主権を行使させるほうが最も妥当な方法であり、公取のほうとしてはそういうふうな処置をおとりになることをお考えになるのは当り前だ、併しそういうような手続も方法も講じられないまま、ただ日発にだけ一括して持つておる株主権を行使させるということは、要するに株主権の行使ということによつて、具体的に申しましたならば、株主権の代表権のまとまつていない東電側を、言葉は悪いかも知れませんが、力を以て征服するということが起きて来るということは、これは予見せられておることだろうと思うのです。而も第一の私の質問に対しましてあなたの御答弁を聞いておると、いわゆる私が申上げましたように、東電の人事は今度は変えなければならないという観点に立つて株主権の行使を公取が許されておるように私は結論付けざるを得ないのですが、そうなればなお更今の二つの問題にからまつて、公取のとられたことは妥当でない、こういう私の考え方に対して、第二点の株主権の行使は平等でなければならんという観点に立つて一つ……。
○政府委員(横田正俊君) これは株主総会は、どうもこれは少し理窟になりますが、御承知のように一株一票ということでございまして、その間に日発側とその他の株主との票数を何か人為的に備えてやるというようなことはどうも商法の関係上非常にむずかしいのではないかというふうに考えられます。この点は松本先生もおいでになりますが、その商法の枠の中で日発の議決権を今申されたような線に圧縮をするというようなことが非常にむずかしいのではないかと思います。この点は商法の問題にもなると思いますが、私はそういうように考えます。
○西田隆男君 株主権の行使を許可するに至る過程においてあなたのお考えになつておることは極めて政治的な考え方である。而もこの政治的な考え方と、株主権の行使という今あなたがおつしやつたような純法律的な見地からだけに使わせるというこの二つの考え方の矛盾が結局現在のような状態を惹起したものだと私は思うのです。これはやはり政治的に考えれば初めから終りまで政治的に考えればよろしいし、純粋に法律的にお考えになれば純粋に法律的な見解の立場から公取委員会としては処置すべきものだと私は考える。私の考え方が間違つておるのかどうか。どうか一つ御答弁ができたら御答弁を願いたい。
○政府委員(横田正俊君) これはどうもこの問題についてはいろいろな考え方があろうかと存じますが、結局は見方の相違というふうに私は思います。
○栗山良夫君 それはね、見方の相違じやないわけでしよう。私どもはあなたがこの委員会で述べられたことに全幅の信頼を置いたわけなんです。而も今お話がだんだん具体的になつて参りまするというと、公取のほうとしては十五名の定員にして自発側の推薦の三名を是非とも、個人的な名前は別として、実現されたいという気持が裏にあつた、而もその話合いが円満に総会の前につかなかつたということをあなたは言われた。それをつけるために議決権の行使を認められたわけですから当然混乱が来るわけです。これはもう事実なんですね。それを我々が心配したからこそ二十一日の連合委員会において念を押したのですが、あなたが口で混乱を避けたいと、そういうことを是非避けるように株主権の行使を許したいのだと言われたことと、実際おやりになつた現実の姿というものは全く相反するもので、これは見解の相違でも見方の相違でもない。現実の問題です。そういうことは公正取引委員会の態度として非常に軽卒ではなかつたかということを申上げたのであります。私は或る意味においてこれは参議院の通産委員会に対する私は侮辱でもあると思うのです。当然の内部混乱を予見せられましたから何とかして防ぎたいという気持でわざわざここへあなたがたのお出でを願つて、この混乱を防ごうと防ぐまいと、決定の鍵を握つておるのが公取の委員長である、従つてあなたのお言葉を聞くだけで私どもは十分信頼できる、そういう立場に立つてお話を聞き、信頼したのです。ところがそれが事志と違つて行われた事柄は本当に混乱を招くような行動に持つて行かれたことについては私は公取委員会に対して不信を申さなければならん。これは決してそんな見方の相違でも何でもないと私は思うのであります。私はどちらがいいとか悪いとか申しませんが、あなたがここで証言をせられた、そのお言葉に従つて私は話を申上げた、それならそれでこの二十一日の結城委員と竹中委員長が質問し、あなたが答えられたときにそこまではつきり言われた。そのときには、そういうことが起らないようにということとまるで違つた結論を公取委員会が出されたことは、私は全く不可解であります。そこでそういうことがあるならば、更に五人の委員の会議であるとおつしやつたのであけますが、その会議の中には、あなたの結論と違つた結論が出たわけでありますが、あなたの態度というものは五月の二十一日の国会で意見を述べられた態度で終始せられたが、ほかの委員のかたがたが違つた考え方を持たれて、そうして多数決による会議の結果が今度とられたような措置になりましたのか、或いはあなたも一緒に入られてその措置がとられたのか、その点一つ明確にして頂きたいと思います。
○政府委員(横田正俊君) 先ほども申上げました通り、これは会議の機密に属することでございまして、その経過において誰がどういうことを申したというようなことは、ここではつきり申すことを差控えさして頂きたいと思いますが、ただ結論的に申しますと、これは大体一致した意見というふうにお聞き願つてもいいかと思います。
○委員長(竹中七郎君) 私から少し伺いますが、これまでにやりましたのでございますが、今加藤さんがいろいろやつておられますが、加藤さんのお話がつかないというと最後に公取が最後の決定をするのですか。
○政府委員(横田正俊君) 我々といたしましては積極的にこの問題に関うし得ます面は、日発の株主総会が若し今後招集せられまして、日発にやはり株が残つておるという状態の場合に議決権の行使の承認を求めて参るわけでございます。でこれは将来の総会のことでございますし、又その場合の議案がどういうものであるかというようなことによりまして問題がいろいろ変つて参るわけでございますが、併し若し対立のままで総会に臨むというようなことになりますると、先般と同じような事態が生ずる虞れもないではないと思います。併しこの点は幸いに私ども希望もいたしますような立派な調停のかたがお入りになりまして、恐らくこの次の総会には議決権の行使の承認というようなことについて何らの問題もなくすらすら行くのではないかという私は考えでおりますし、又そう強く希望いたしております。
○結城安次君 ちよつと私は公取ではまだこの次の総会にも委任状を日発に使わせるお気持ですか。
○政府委員(横田正俊君) これは今株の分配をやつておるのでございますが、結局新電力会社でこの次の総会に誰を株主に取扱うかということは、新電力会社の株主名簿できまるわけでございます。その際に或いは日発の株が残つておるというようなことがあるのではないかと思います。殊にこの部分は他に処分をいたしまして管轄するというような必要も出て参りますので、その分量は今何とも申上げかねまするが、やはり日発が或る範囲において議決権を行使するという事態があるのではないかと考えます。
○結城安次君 すでに日発からは五月の二十五日附ですつかり確定した株の通知が来ておりますが、それでもなお且つ書換えなければこれは日発が代表権を行使するのかということをお伺いしたいのと、それからどうもおかしな手紙なんですが、大体今まで株の提供を持つて来ますけれども、最近来た手紙には秘親展で宛名を書いて来ておりますが、そこへ出してくれろ、何だかもう一遍日発ではやる、つまり流会になつたのですから近く総会を開くでしようけれども、その総会には自分たちの手で代表権を行使するためじやないかと思われる疑惑を抱かれるような手紙があるんですが、やはりこの株主に対して新たにどこが何株、右確定いたしました、ついては書換えをやりますから、委任状は要りませんから、印鑑証明と株を出して下さいと来ておりますが、なおそれでも株主は確定しておりませんか。
○政府委員(横田正俊君) 結局問題は当然株主名簿の問題になるんじやないかと思いますが、これが本来の株主の名義に換えれば、それで総会の通知も出るわけでございます。問題はそこできまるのではないかと思いますが、これは松本先生のほうが法的には詳しいので、松本先生からお話願つたほうがよいと思います。
○政府委員(松本烝治君) これは大変むずかしい問題でありまして、或いはきまつてしまつておるというようなことを弁護するものも書かれたものがありまして、私も見ました。私の信ずるところでは、やはり当然に株主名簿の名義書換えができなければやはりいけないというように感じます。それで現にああいう工合では恐らくどうも十月一日から名義書換停止が起ります。その起る直前までは名義書換えができないんじやないか、名義書換をしますと財産税とかいろいろな都合上困るというので、成るべく名義書換をしないで、いつでも名義書換のできる状態に置いておく、併し恐らくは九月の末日までには名義書換をしないと次の総会において利益配当がありましようからそれを受けることができなくなるので。止むを得ずその株を取得した人が名義書換をするんではなかろうか。だから若しも名義書換えを終つた後に総会をするということになるならば、どうしても十月の半ば以後において初めてそういう総会ができるのではなかろうかと、そう考えております。
○結城安次君 私はこの前横田さんにお会いしたときにも、株主権よりも、株主としてあの株を処分したいとか何かしたいという者が提供してしまつてどうにもこうにもならんで一カ年以上も動かすことはできないということは非常に困る、だからこれはあなたがたとしてはできるだけ催促して名義書換をするなり新株を交付するなりしてもらいますと自然こういう問題もなくなるんだからと言つたんですが、今のような状態で放つて置かれれば、松本先生がおつしやる通り九月まで持つて行かれては株主は大変迷惑するんですが、何とか特別の処置で一日も早く書換もでき、又株もできておるんですから、各電力会社は新らしい交付すべき株は皆持つております。ただ名前を書込まないだけで、而もあなたがたのところは誰が幾ら誰が幾らとすつかり通知が行くんですから、これを一日も早く実行して、できるならば総会に間に合うくらいにやつてもらわんと一般民衆はたまつたものでないということを申上げて、私はもう何も申上げません。
○委員長(竹中七郎君) ではこの調査の問題はこれを以て打切ります。 —————————————
○委員長(竹中七郎君) 次に自転車競技法等の一部を改正する法律案を議題といたします。競輪に関する小委員会委員長の報告を求めます。
○結城安次君 只今から御説明申上げます。 今期国会において競輪に関する小委員会は去る一月三十一日第一回委員会を開きましてから回を重ねること十数回、專ら競輪法改正問題について審議を続けて参りました。その間競輪法の運用担当者である通産省機械局の関係者は勿論、競輪の施行者代表、振興会代表、振興会連合会代表並びに選手代表等に数回に亘つて小委員会に出席を求め、おのおのの立場から改正案に対する意見を聽取し、審議の参考に供した次第でありますが、その詳細は会議録によつて御承知願うことにいたしまして、ここでは省略させて頂きます。 小委員会で審議の対象として取扱いました改正案は第一、競輪場設置の制限、第二、開催回数等の制限、第三、車券購入禁止範囲の拡大、第四、施行者、振興会及び連合会に対する監督の強化、第五、のみ屋行為に対する取締、第六、国庫納付金に関する規定の整備、第七、競輪運営審議会の設置等を主な内容としたものであります。特に問題となりましたのは競輪場の設置の制限並びに選手問題でございましたが、競輪場設置問題につきましては中川、栗山、石川、境野の諸委員等が熱心に研究に当られました。選手問題につきましては島、境野両委員が妥当な解決策を生み出すために非常な御熱心な研究又白熱的な論議と折衝を続けられましたのであります。結局選手問題につきましては法第十三條競輪施行者及び振興会の義務規定の中に「施行者及び振興会は競輪の公正及び安全を確保するため選手の出場に関する適正な條件の確保につき必要な措置を講じなければならない」旨の一項を加えると共に、具体的対策といたしましては選手制度改善委員会の設置、災害補償制度の改善、選手会等に対する措置につきまして通産省が積極的に乗り出し、可及的速かに問題の解決に当ることとなりました。かくて改正案は一応境野委員の手許におきまして取りまとめられ、国会所要の手続を経て提案の運びと相成つたのであります。第十二、第十三国会に亘つて競輪法改正問題を議題といたしまして審議して参りました当委員会の任務はひとまず終了いたしましたような次第であります。御報告申上げます。
○委員長(竹中七郎君) 次に改正法案提案者代表の提案趣旨の説明を求めます。
○境野清雄君 只今議題と相成りました自転車競技法中改正法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。 現行の自転車競技法は、御承知の通り、昭和二十三年、第二国会に、民自、民主、社会、国協の四党共同提案として提出せられ、通過成立を見たものであります。 その後、この法律による自転車競走、いわゆる競輪は、我が国民大衆の自転車に対する親しみ、並びに勝者投票券、いわゆる車券制度の簡易性等、一言にして申しますると、競輪の持つ大衆性からいたしまして、恐らく本法制定当時何人も予想していなかつたであろうと思はれるほどの発展を遂げて今日に至つているのであります。即ち現在におきましては、全国競輪場の数は約六〇個所、一カ月の入場者約一五〇万人、一カ月の車雰売上高は五〇億円に垂んとする盛況を示しているのであります。 この自転車競技法の目的とするところは、その第一條に規定しております通り、自転車産業の振興と地方財政の増收とにあるわけでありますが、右に述べましたような競輪の盛況に伴いまして、直接競走の施行による競走車並びに実用車の改良の他、競輪の收益から自転車産業振興費として支出を見ました金額は、昭和二十四年度以降昨年度まで合計約七億二千万円に達し、商工中金その他の金融機関を通じての自転車産業に対する貸付金、中小自転車企業の共同施設費、自転重工業研究補助金、或いは自転車の輸出振興費等として、極めて有効に使用せられているのであります。又、競輪施行者としての地方自治体の收益は、昭和二十六年度までで実に八十億円に達するのでありまして、これらはおのおの地方における住宅又は学校の建設、保健衛生その他の公共事業に活用せられ、地方財政收入の緩和に貢献しておりますことは御承知の通りであります。併しながら、競輪は、その運営に当を得ない場合におきましては、例えば一昨年の兵庫県下の騒擾事件でありまするとか、その他社会風致上にも憂慮すべき結果を来す虞のありますことも、亦否定し得ないところであります。従いまして、これに対する対策としては、競輪施行者その他の運営関係者、選手等の監督指導に努めることは勿論、運営方法につきましても、車券の発売方法、開催方法等諸般の点に細心の注意を払う必要がありますると共に、多数の観衆の理解自制に俟つところも又極めて大きいのでありますが、これがためには、法規上相当の監督規定を設けることが是非とも必要であることは申すまでもないのであります。 然るに現行自転車競技法は、以上のような見地からこれを見まするときは極めて不備と申しますよりも、車券発売の停止等の他は殆んどこれらの監督規定を欠いているというのが実状であります。 本法案はこれらの点に関する不備を補正するため、所要の改正を行おうとするものでありまして、その内容の主なる点といたしましては、次の通りであります。即ち、一、競輪場及び場外車券売場の新設について通商産業大臣の許可を要すること。二、競輪の開催回数について所要の調整を加え得ること。三、未成年者及び競輪運営関係者の車券購入禁止の範囲を拡大したこと。四、競輪場内の秩序の維持並びに競輪施行者及び自転車振興会並びに競輪場所有者に対する監督に関する規定を明確にいたしましたこと。五、国庫納付金に関する規定を整備したこと。六、本法運用に関する通産大臣の諮問機関として競輪運営審議会を設けることとしたこと。七、いはゆる呑み屋、取次業者等の車券購入に絡まる不正行為の取締に関する規定を整備したこと。 以上の通りでありまして、これらはいずれも競輪の弊害を防止し、その運営の健全化を期するため極めて緊要な改正と信ずるものであります。 尤もこれらのうち、大部分の点につきましては、現在においても、競輪を所管する通産当局の通牒及び行政方針として、事実上実行されているところでありますが、何分にも法的基礎を欠いておりますために、その実効を保しがたい憾みがあるのでありまして、本改正法案の成立によりまして現在実施中の措置に対し法的基礎を明確にすることによりまして、その実効確保に遺憾なきを期しようとするものであります。 最近における競輪施行の状況は、一昨年の騒擾事件を機とし、監督の強化と関係者の自粛とによりまして、極めて平靜に運営せられており、多数の観衆がこれを楽しみ又本法の目的とする自転車産業振興並びに地方財政の緩和に多大の成果を挙げている事実も又これを認めざるを得ないのであります。ただ新聞紙上にも掲載されております通り、最近大阪を中心とする関西地区におけるいはゆる呑み屋の跋屋等によりまして、競輪施行者の収入が激減するという誠に憂うべき事態等も発生しつつあるのでありまして速かに本法に所要の改正を加えることによりましてその弊害を防止し、運営の一層の健全化を図ることが最も緊要と信ずるものであります。 何とぞ十分御審議の上御賛成あらんことを切望する次第であります。
○委員長(竹中七郎君) 本件は明十二日午前十時より地方行政委員会と連合委員会を開き、内容の審議に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹中七郎君) 御異議ないものと認めましてさよう取計らいます。 本日はこれを以ちまして閉会いたしまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹中七郎君) 御異議ないものと認めまして散会いたします。 午後五時八分散会