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13回国会参議院1952/06/04

通商産業委員会 第42号

発言数
89
登壇者
10
会派数
5
開催日
1952/06/04

会議録

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) これより通産委員会を開きます。  先ず通商産業大臣より最近の貿易概況につきましての諸問題についてお伺いいたしたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) では只今の問題につきまして大臣よりお伺いいたします。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) 戦後の我が国の貿易は諸般の制約にもかかわらず比較的順調な発展を遂げて、昨年度における輸出は十四億二千万ドル、輸入は二十億ドルと一昨年に比しまして輸出は一・七倍、輸入は二・一倍にまで進展したのでありますが、これは朝鮮動乱以降における世界的の軍拡態勢の強化に伴う戰略物資の需要増加乃至はポンドその他の諸地域からの買付の増大等に起因するところが大でありまして、恒久的な市場の獲得の成果とは必ずしも言われないのであります。  さて最近における我が国の輸出の状況はどうかと申しますと、昨年十二月を頂点としまして本年に入り漸次減少の傾向を示しているのであります。その理由は先ず第一に、軍拡の中だるみの伴う国際物価の下落、第二は英国初め世界各国、特にポンド地域の輸入制限、第三には後進国の工業化促進による綿布等の世界生産増加、第四は世界的ドル不足による不要不急品に対する購入抑制等の諸点にあると考えるのであります。その結果四月の輸出額は大体一億一千万ドル、昨年の最高期の約二分の二に過ぎない状況となつております。  商品別に見ますと、最も影響を深く受けておりますものは繊維品、特に綿布でありまして、これ以外でも四月の契約状況を見ますると鉄鋼、機械、非鉄金属、化学繊維等もかなり減少の傾向を示しているのでありまして、このように最近輸出不振の傾向を示しているのでありまするが、先行きは必ずしも非常に悲観するには当らないと考えるのでありまして、政府といたしましては輸出増進のために諸外国との通商協定を改善或いは拡大すると共に、輸出信用保険制度、輸出振興外貨資金制度等の拡大を図り、更に根本的には我が国輸出品の国際的競争力を培養するため、産業の設備、技術の近代化と、コストの切下げ、品質の向上を図ろうと存ずるのであります。一方我が国は戰後企業が著しく細分化され、而も資本力が著しく弱められておる関係上、商品を手持ちする余裕がなく、国際市況が好転するとむやみに値段を釣上げ、需要が下向くと直ちに投売りを始めるという傾向があり、輸出価格の甚だしい上り下りによつて相手国の業者にいろいろと迷惑をかけており、而もこれに関連してダンピング、意匠権の侵害、リベイト、或いは不当なキヤンセルというような国際的な問題を起しておる状況でありまして、我が国輸出貿易の国際的声価を高め今後の発展を期するためには、不公正な輸出取引を防止すると共に、輸出取引の秩序を確立することが是非とも必要なわけでありまして、これがため今回輸出取引法案を提出した次第であります。  次に最近の輸入状況はどうかと申しますと、本年に入りましてからドル区域からは外貨予算において予定いたしました程度まで順調に輸入されておるのに対して、ポンド地域及びオープン・アカウント地域からの輸入は外貨予算において予定しました額をかなり下廻つております。今後の問題といたしましても、鉄鉱石、強粘結炭、燐鉱石等につきましては国内の有効需要の減退により輸入の減少が懸念されており、又ポンド地域、オープン・アカウント地域の物価高により綿花、羊毛等の輸入も活溌とは言えないのであります。ドル地域以外からの食糧の輸入も、ビルマ、濠洲、アルゼンチン等の輸出余力の制約によりまして未だはかばかしい成果を挙げるに至つていないのであります。ここに注目すべき点は、この四月における信用状の接受又は開設額によつてポンド地域及びオープン・アカウント地域と我が国との輸出入のバランスを見ますと、おおむね均衡状態を示しておるのであります。これは先に実施いたしましたポンド地域向輸出制限措置並びに最近における輸入促進施策の成果と見られるのでありますが、現状程度の貿易規模によつて輸出入が均衡するということは、我が国産業及び貿易の縮小均衡を意味するものでありまして、通産省といたしましてはこれが拡大均衡化のためあらゆる努力を沸いたいと考えておるのであります。なお詳細は局長より御説明をいたします。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 只今の大臣の御説明に引続きまして、市場別に貿易の状況を御報告申上げますと、ドル地域でございますが、これは我が国の産業及び貿易構造から見まして、原料の輸入を多くアメリカに仰いでおるということになつておりまして、従いまして昨年度の輸入実績におきましては、全体の半分以上がドル地域から来ておるという状況でございます。これに対しましてドル地域向けの輸出の実績は全体の約二〇%に過ぎないという有様でありまして、従いまして貿易面だけをとつて見ましても、八億ドル以上の輸入超過ということになつておるのであります。これを補つておりますのが例の特需その他の貿易外の收入であります。併しながらこれらの收入につきましては永続性の点において疑問の点もございますので、今後の方針といたしましては、飽くまでもドル地域からの輸入を極力削減してポンド地域並びにオープン・アカウント地域からの輸入に振替えるように努力する。同時にドル地域向けの輸出の振興に関しましては格段の努力を必要とする状況でございます。ところがこういう状況でありますところに、最近におきまして安い日本の品物がアメリカにたくさん入りまして、アメリカの国産品と競争するという状況のために、関税引上の問題が起つて来ておりまして、冷凍まぐろの関税引上が現にアメリカの国会において審議されておるという状況でございます。又油漬まぐろの罐詰、刺繍製品、或いは竹製品などについてもすでに関税の引上が行われております。それから陶磁器、ミシン、毛の手袋、絹のスカーフ等についてもそういうような動きが向うの業界に見られるという状況でございます。これらは非常に一つ一つとつて見ますといわゆる主要物資ではないのでございますが、併し対米輸出品のうちではいずれも主要な地位を占めているものでございまして、これの関税引上が実施されますといたしますと、勢いこの輸出が更に減退するという慮れが十分にございますので、この阻止につきましては政府といたしまして万全の努力を拂つておるところでございます。そのほかにもう一つ対米貿易上の問題になつておりますのは、ミシンでありますとか、毛の手袋などにつきましていわゆるリべイトの問題がこれがだんだん向う側の官庁の耳にも入つて参りまして、日本側において取締つてくれというような申入れがあるような状況でございまして、そうでないと向う側の関税法規違反ということで非常にひどい罰を受ける虞れがあるわけであります。そのほかミシンについての意匠権、商標権などの侵害問題などもあります。これらにつきましてはいずれも早急に適切な措置を必要とするわけでございますが、今回提案いたしました輸出取引法案におきましてもこの点に一つの大きな目的を置いておるわけでございます。それから特需が最近非常に減つて来ております。これも又一つの懸念の原因になつておるのでございますので、これは向う側の会計年度の切替でありますとか、いろいろな臨時的な理由もありまして、もう少したつて見ないと本当のところはわからない状況でありますが、これにつきましては十分アメリカ側とも連絡いたしまして情勢の把握に努めておる次第でございます。  それから次にポンド地域の問題でございますが、これは御承知の通り昨年の日英支仏協定におきましてドル・クローズを撤廃いたしました結果として、昨年の九月以降急激な勢いで輸出が増加いたしまして、そのために協定の交渉の時から恐れられておりましたポンドの過剰累積ということが予期に反して非常に早く起つて参りました。そのために今年の二月十八日からポンド地域向けの輸出に対する為替の制限措置を行い、更にこの三月の初めからこの為替制限措置を或る程度緩和する意味におきまして繊維品及び鉄鋼製品に対する輸出調整措置を行なつたわけであります。これは勿論極めて臨時的な意味でやつたのでありまして、これはいずれイギリス側との交渉におきまして満足な結果が得られれば撤廃するという仕組のものでございますが、ところがその後のイギリス側との会談におきましてなかなか私どもの考えておりましたような結果には急に到達しないということで、そのためにイギリス側におきましては今度は全体的な英帝国としての収支均衡の問題もありますので、日本品だけではないのでありますが、全般的に輸入制限を行なつて、そのうちには日本製品も非常な大きい影響を受けるということになつております。これはまあ非常に困つた状況なのでございますが、これにつきましては今度ポンド問題に対する政府の基本方針というようなものの決定を急ぎましてイギリス側と十分の話合いをして行きたいというふうに考えておる次第であります。  それから一方ポンド地域からの輸入でこぎいますが、それにつきましては昨年は非常に不幸なことには濠洲の小麦が非常に不作でありまして、殆んど一つも日本は買えなかつたという状況でございます。又ビルマの米につきましては、これは米が世界的に非常に不足しておりますために非常に競争が激しくて、日本へ来る量が非常に予定より下廻つたということもございます。それからパキスタンの綿につきましては、これは輸出税の関係なんかもございまして非常に割高になつております。景気が悪くなつて来るにつれて日本の紡績がなかなか買い切れないというような状況でありますために、ポンド地域全体に亘りまして輸入が活溌とは申せないような状況なのであります。これで輸入促進につきましていろいろ手段をとつておるのでありますが、何分にも一般的に申しまして現在ポンド地域の物価が高いということが非常に障害の大きなものになつておる次第であります。そういう状況の下におきまして、日英支仏協定は今年の八月末に満了になる次第でありますが、このまま放つて置けばそのまま失効してしまうという状況でありますので、何とか話を始めなければならない状況になつて来つつあるわけであります。東南アジア諸国を含むポンド地域と我が国との地理的、経済的な相互依存の関係を考えます場合において、日英支拂協定の改訂に当り單に為替収支の均衡だけに固執するということは、我が国産業及び貿易の全般的な将来の見地から申しまして不得策ではないかと考えております。もう少し大きな見地からして貿易の拡大均衡を目標として交渉に当りたいというふうに考えておる次第であります。  最後にオープン・アカウント地域につきましては、台湾、タイ国、フイリツピンを除きまして、インドネシヤ、フランス、ドイツ、アルゼンチン、ブラジル、スエーデン、韓国など全部の国に対して我が国が大幅に出超を続けております。オープン・アカウントのバランスのアカウントが全部を合せまして一億五千万ポンドくらいに達しておるような状況でありますので、そこでスウイング額を超過いたしました部分に対しまして現金拂い、これはドルで支拂つてもらうわけでありますが、その問題につきまして関係各国との間に折衝を続けておるのであります。勿論基本的な方針といたしましてはこのアンバランスの調整ということをこれらの国からの輸入の増大ということによつて補つて行きたいというふうに考えておるのでありますが、これらの国につきましてもやはりポンド地域と似たような理由で以て物価が高いという状況にありますために、なかなか輸入が意のままに行かない。これは一にかかつてこれらの国との間の輸出入貿易協定、これをどうこうふうに作るか、又その運用をどうするかという点に非常にかかりまして、最近インドネシヤ、タイ国との話合いを始める予定になつております。その他の国に対しましても近く改訂の時期が到来するわけでありまして、最善を盡して貿易の拡大均衡化を図つて行きたいというふうに考えておるのであります。  以上申上げましたように、我が国の貿易は通貨地域別に相当不均衡な様相を呈しておりまして、いろいろな大きな問題がそこに含まれておるわけなのでありますが、これらの事態に対処する方策といたしまして、政府としては一つの大きな目標といたしまして、東南アジア地域との経済協力関係の強化による貿易の拡大ということを大いに推進して行きたいとようふうに考えでおります。殊にこの地域からの輸入の促進、これはまあドル地域からの輸入を切替えるという意味におきまして促進して行きたいというふうに考えております。東南アジア地域は地理的な関係から申しまして運賃が安いので経済的な輸入を図ることができますし、又輸出につきましては、ほかの地域に多くを輸出できないような消費財をこの方面には輸出できるというような現象がございますので、貿易の均衡という点から見ますれば絶対にこの点に重点を置くということが必要になつて来る次第であります。その輸入促進という点から申しますというと、この東南アジアの資源の開発ということが行われなければならないわけでありまして、我が国といたしまてもこの方面の資源の開発に積極的に協力してプラント類の輸出に伴うところの永続的な市場を確保する、そうしてこれらの地域の開発によつて原材料の輸入を図り、そうしてそういうような方法によりましてだんだん拡大均衡を図つて参りたいという目標の下に施策をいたしておるわけであります。勿論これはそう短期には実現できないことでありまして、幾分長い計画の下にこういうことをやつて行かなければならないように考えておる次第であります。  それから最後に、最近頻りに中共貿易のことが問題になつておるのでありますが、これは現在我が国から輸出し得る品目に非常に大きな制限があります。これはいわゆる民主主義国家が一般的にやつておりますところよりも或る程度きつい制限になつております。品目に関しましてはなお調整を図りたいというように考えております。たとえそれが実現いたしましたといたしましても、決済の方法でありますとか、乃至は船の問題でありますとか、いわゆる全般的な危険負担という問題を考えて見ますと非常に困難な点が多くありまして、これが大規模な取引ができるということはどうにも考えられない状況にあります。中共方面に対する輸出品の統制ということは、これは我が国が昨年の六月以来国連に対しまして協力するという立場から実施しておるわけでありまして、この建前は今後とも変りはない次第であります。ただ先ほど申上げましたように、ほかの国と比べて非常にきつくなつておるという点につきましては、品目の点に関して或る程度調整して行きたいというのが現在の状況でございます。以上でございます。

小林英三自由党

○小林英三君 ちよつと今の通商局長のお話の中でたまたまミシンという問題がありまするが、今このミシンの生産というものは、終戦直後でなしに、終戦後二、三年から相当に内地で生産が上つていると思います。私はたまたまこういうことよく聞くのですが、そういう問題について通商局のほうでお調べになつておるのですか。つりまり日本のミシンのメーカーが自分のトレード・マークを附けてアメリカに出すということは勿論あるけれども、外国の商社が自分の欲するトレード・マークを附けて、そうしてアメリカに持つて行く。而もそれは非常に安価な値段で買取つて、大体今ミシンなんかの鋳物を、單価を私どもの関係しております方面から聴取しますというと、大体一貫目当り百五十円、大体我々がああいう安いもので、而も最近日本のミシン鑄物というものは非常に発達いたしまして、私どもアメリカに行つて参りましたが、向うの品物を見ましても決して向うの鑄物に比べて遜色がないというくらいに非常に立派な鋳物ができておる、日本の鋳物というものは。それが殆んど我々の考えておる半分以下で買取られる。そうして、そういうミシンの業者は非常に困つておる。而も外国の業者がそれによつて非常に厖大な利益を得ておる。こういうことを聞いておるのですが、そういう問題について何かお聞き及びになつたとか、御調査になつておることございませんか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) そういう問題があることは私ども耳にいたしております。そのためにミシンの輸出につきましてはいろいろこれを何とか正しい方向に乗せて行きたいと思つて努力しておるわけでございますが、一つはチエツク・プライスもそういう意味でやつておる次第でございます。何分にも向う側が非常に力が強くてこちらの業者の金融力が弱いということのために非常に不均衡な競争を余儀なくされておるという状況も確かにあるように思います。今回の輸出取引法などによりまして、組合の結成等が可能になりますれば、そういう点も幾らか改善されるのじやないかというふうに考えております。

小林英三自由党

○小林英三君 それからミシンばかりではなく、例えばミシンにいたしましても、最近の日本で作りますミシンというものは、よほど機械の精度というものが上つてきて、外国のシンガーミシンあたりに比べましても大して遜色がないと思うのです。併し中にはあの会社がミシンを作つた、おれも一つ作つてやろうというようなわけで始めたような工場のものはこれはベアリングにいたしましても、その他機械のいろいろな諸部分にいたしましても、かなり材質的に考えましても早く消耗するとか、早くがたがくるというようなことがあるやも知れません。こういう問題を通産省といたしまして全般的に、外国に輸出するようなこういう商品に対して、メーカーに対するいわゆる技術の指導と言いますか、或いはそういう問題に対する政府としての手の打ち方、そういう問題に対してどういうようなことをやつておるのでしようか。  それからもう一つは、今のお話にありましたように、内地品としては非常に安く買取られる。私は、今関税の問題がございましたけれども、これは、関税の問題は、政府がこの問題については、日本の輸出貿易に対して保護する意味で、相当の手をお打ちになることは勿論でありまするけれども、関税の問題よりも、とにかく半分以下で買取られておる。こういうような問題をもう少し手を突つこんで国家としておやりにならなければ、これはもう関税の問題なんかは問題にならんような大きな問題がそこに潜んでいる。というのは、ミシンの問題のみならず、あらゆる方面に対してこういう問題があるのじやないか、こういう点に対してのお考えを伺いたい。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) ミシンのことにつきまして、ここに機械局長がありますればもつとよい御答弁ができると思うのでありますが、品質の点につきましては、現在輸出検査をやつておりまして、これを更に完璧を期して、そういう粗悪品が出て正常な輸出を害することのないように努力して行きたいと思つております。それからその場合、安く買取られておるという問題、これはもう御指摘の通りミシンに限らずほかのいろいろ、殊に雑貨類について多く見られるのでございますが、これにつきましては、何分戰争中の空白の結果といたしまして、非常に向う側のマーケツトの調査等も不十分でありまして、在外機関等もやつと最近になつて正常な活動ができて来たという状況でございまして、例えばアメリカの市場をとつて見ましても、昔と違いまして、カンサス、テキサスでありますとか、そういうような方面に非常に工業が興つて富も集中して来ており、そこに割込むように……ニユーヨークに行つたのでは駄目なんで、そこに結局そういうふうな新らしい買手を見出して行かなければならんのだというようなこともございまして、これは正常な国交の回復と伴いまして、今後大いに努力をして行きたいと思つております。

小林英三自由党

○小林英三君 なお私は、この貿易という問題に対しては、政府が今までのやり方でなしに、もう少し大きな目を開いて、そうして産業の上に関心を持たれる必要があるのじやないかと思う。で、例えば日本から、あらゆる方面に輸出される上におきましても、今までのように、これが戦争前において売れたからこれを作つたらいいとか、或いはあの方面には従来こういうものが売れたからこれを作つたらいいとかというようなことでなしに、実際に今日の各外国の各現地の方面の嗜好であるとか、或いは形であるとか、織物等にいたしますれば色合であるとか、そういうふうなものを現実に研究される必要がある。これはもう、業者は勿論であります。この間も何かの法案のときに振興局長でありましたかがおつしやつておられたのですが、日本から官吏が方々に派遣してある。それは専門家じやないが派遣してある。そういう外国のもので、こういうものは将来日本でも真似して、侵害しちやいけませんけれども、大体外国の現地の国民の嗜好だとか何とかということを把握する意味におきましても、そういうものを日本にどんどん持つて来て、そうして業者にもよく見せるということも必要でありますし、それから例えば万年筆一本にいたしましても、向うのものはまあ相当日本の円貨に換算いたしますというと何千円もしているようである。日本のものは大体二百円か二百五十円ぐらいで今日できております。併してこれもやはり私どもが向うのものをほめるわけじやありませんけれども、パーカーにしてもシエーフアーにしてもウオーターマンにしても、とにかく一遍買つておけば三十年も四十年も持つ。殊に向うの商品は、十年ぐらい使つたものが却つて使いやすいと言われるくらい……日本の万年筆は一年も使いますとじき駄目になる。こういうようなことでありまして、ただそういう形体ばかりでなしに、やはり日本でもそういうものはできるわけなんであるからして、万年筆一つの例にいたしましてもそうでありますから、これから日本の貿易を振興さす上におきまして、現地の嗜好に応ずることは勿論でありますが、商品に対するメーカーの考え方というものを十分に一新して行くべきじやないかと私は思うのであります。関税の問題について政府が手を打たれるのは勿論であります。そういう大きな面に日本の今後の貿易ということの狙いがあるのじやないかと私は思うのですが、そういう問題に対して通商局長のお考えは……。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 市場調査の重要なことは誠に御指摘の通りでありまして、これはもう戰争の結果といたしまして非常に空白ができておりまして、大いに努力しなければならんことと思います。それでこれは勿論外務省の大公使館、これにも大いにやつてもらわなければならないわけでありまして、重要な都市の大公使館には通産省からも、外務省に籍を入れた人を出しましてそういう方面に特に注意してやらせるようにいたしたいと思つております。又現在海外市場調査会というものがございまして、これは政府からも補助金が出ておりましてできている団体でございますが、これは通産省のほうで主としてこれを指導いたしております。これが主として大公使館なんかの力の及ばないようなところへおのおの調査員を派遣いたしまして、若しくは現地の人を嘱託いたしまして、そういうような具体的な市場調査に当つているわけであります。最近も各地から、先ほど御指摘がありましたような、どういう品物が実際に売れているかというような点につきまして、具体的に品物をこちらに送つて参りまして、それを展示して各地で好評を博したというようなこともございます。今後更にこの方面の活動を推進して行きたいと思つております。

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) ちよつと速記をとめて……。    午後三時二十分速記中止    —————・—————    午後三時三十五分開始

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 速記を始めて下さい。

中川以良自由党

○中川以良君 次に貿易関係におけるフリー・ダラーの問題をめぐりまして、いろいろ正常なる貿易を阻害をしているように存ぜられるのです。殊にあの三角貿易の状態というものは輸出の面におきましても、輸入の面においても、いろいろ不都合を来たしておる。これらにつきまして通産当局とされてはいろいろ御調査をしておられましようし、又これが対策、将来の日本の貿易政策の確立の面においても確固たる御方針をお持ちだろうと思います。これに関連して優先外貨の問題等も今日いろいろ論議をされておりまするが、こういう面につきまして一つ御説明を頂き、御方針等を承わりたいと思います。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 只今御指摘の問題は主として生糸の輸出について起つておりまして、これはオランダの商人が主であると思いますが、日本からポンドで生糸を買つて行つてドルでアメリカに売つておるという事実があるわけでございますが、これはドル輸出振興の見地から申しますと非常に遺憾なことでございますが、一概にこれをとめるとしますると、海外に與える影響が相当深刻なものがあると思われます。並行的に何かドル輸出に対する優遇措置を講じて行かなければならないと考えまして、優先外貨につきましてポンド、オープン・アカウント輸出についての優先外貨を一時停止しまして、ドル輸出を優遇する、ドル輸出に優先外貨を最高一五%くらいまで認めて行くというような措置を考えております。大蔵省、外国為替管理委員会方面と折衝しておるところでございます。

山本米治自由党

○山本米治君 只今速記のなかつた間に私はアメリカの貿易政策について非常に遺憾の意を表したのでありますが、繰返すのも面倒でございますからその点はおきまして、第二の問題としまして通産大臣にお伺いしたいのですが、日本は昨年六月以来国連協力の態勢になりまして、そうして中央に対する貿易はその線に沿つてやつておるわけでありますが、先ほど牛場局長のお話を聞きましても、その線が他の外国、例えばイギリス、フランス等の場合よりもきついというお話があつたのでありますが、なぜ日本だけ特に対中共貿易の線がきついのか、どういう事情でそうなつたのか、その点を今後どういうようにされるおつもりであるかをお伺いしたいと思います。

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止〕

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 速記を始めて下さい。

山本米治自由党

○山本米治君 日本が貿易輸出を振興するにはこれは良品を安くと、これ以外にはないわけなんです。これら万国共通の原理ですが、先ほど小林さんからもお話がありましたように、万年筆一本を例にとつても、日本の製品が非常に悪い。そのほか紙一枚、その他如何なるものをとつて見ても非常に日本は悪くて、戰前においては日本の製品は悪くても安いということによつて世界に雄飛しておつたわけですが、私はどうしても日本の製品の品質を上げて行くことが何よりも重要じやないかと思うのです。良品を、安く、この二條件が揃えば一番結構でありますけれども、若しすぐにそこまで行かなければ、私は値段は高くても良い品物という貿易政策をとるべきではないかと思うのですが、この点については如何でございましようか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) それは一応御尤もですが、そういうものを全般的にきめるわけには行かないと思うのです。商品によつて価格に重点を置いて改善を図らなくちやいけんか、品質に重点を置いて改善を図らなければいけんか、両方あるのではないかと思います。

山本米治自由党

○山本米治君 もう一点お伺いしたいのですが、今度上程されている輸出取引法案についてその審議のときに詳しくお伺いしたいのですが、総体的な点を一点だけお伺いしたいのですが、今度の輸出取引法案というものは世界の他の国、特にアメリカやイギリスなどがとつておると同じ程度のところまでこれは輸出組合の価格協定、その他の協定などにおいて同じ程度まで持つて行つたのかどうか、その他国との比較におけるこの法案の程度をお伺いしたいのです。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 諸外国との比較ということになりますと、独占禁止法との関係がございますので、なかなか一概に言えないと思うのですが、ただアメリカは非常に独禁法の強く働いておる国でございますが、これにつきましても輸出組合については例のウエツブ・ポメリン法というのがございまして、これは丁度今の我々の考えておりますこの法案と大体同じ程度の法律のように承知しております。それからイギリスなどではこれは全然法的の規制がなくて自由にこの組合がやつておるという状況でありまして、これは相当多数の組合ができておるように聞いております。それからそのほかカナダ、西独その他の国におきましてもやはりこの程度のことは今やつておるということでございます。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 大臣にちよつとお伺いしたいと思つておりますことは、先ほどの本会議の栗山君の質問の中に、高良女史を初めとして、三人の人たちが訪ソしたという問題ですな、あれに対して大臣もそうだつたし、岡崎外務大臣などは殊更ですが、殆んど人格さえ無視したような態度で、非常に軽蔑した取扱をしておられるが、どうもまだ内容もわからんということは、事実おわかりでないだろうと思うが、せめてああいう場合の御答弁としましては、非常に重要なことであるから、もつと内容を調べて、できるだけの促進を善処するというくらいの態度があつても然るべきだと考えておるが、わからんもの自身わからんのだからと、こう前提しておられると同時に、それに向つて頭から否定していられる。何かわけのわからん者がわけのわからんことをやつたからそんなもの知らない、両氏ともこういつたような御答弁であつたように私は考えておりますが、甚だ私は物足らん、もつと強く言うならば、けしからん御答弁ではないか、こう考えておりますが、やはり今でもあの問題に対しまする御感情は、先ほど本会議の御答弁と同じお考えで、あんなものはどうでもいいんだ、こういう考えでやはりおられるのですか、どうですか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) 私はあの答弁について、私の言葉が足りなかつたか知らんが、今お話を聞くというと、すでにあなたのほうに誤解があるんじやないかと思うのですが、私は二君の人格を云々した……人格に一つも触れてはいません。併しあの協定そのものは大して意味のないものです。そう私現在でも感じております。或いは三君ももう帰つて来るでしようからして、なお内容がもう少しはつきりすれば、又考えが違つて来るかも知れませんが……。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 私はその人格という意味合いも、個人の人格というように言うたのではなくて、ちよつとそこは私は訂正して言いますが、三人がとにかくああいう取極をしてくれたということ自身を、殆んど今伝わつておるだけのものを中心にして、頭からすぐああいうものは何も国の代表でもなければ、何でもないんだ、こういつた否定の下に立つて、まだはつきりとわからんものを、今のような御答弁ならいいんです。今のような御答弁なら、私はこういう問題を出さないが、先ほどの本会議の御答弁は、岡崎外務大臣などはもつとひどかつたですが、それにやや追随して同じ御答弁を大臣がせられたので、私は質問しておるが、今の御答弁なら、まだこれまでの御質問をしないわけなのです。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) 今の答弁と同じことを言つたつもりなんだが、あなたはさつき外務大臣の御答弁を聞かれたあとだからして、そのようにおとりになつたんじやないかと思うが……。(「詭弁ですよ」と呼ぶ者あり)

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 私は本会議に出ておりませんので、甚だ重複するところがあるかも知れませんが、只今の大臣の御答弁の中に、三君がもう帰るだろうというような話でございましたが、私はその三君が向うで取極をした。向うに渡つたということについては、すつきりしないものを感ずるのであります。併しながらこのすつきりしないものが感ぜられたものは、私は政府側にその責任があると思いますが、併し三君がああいう形で行つて、そうしてああいう形で取極をしたというところに、私は中日貿易の必然性があると思うのです。従いまして私は三君が帰る前に、通産大臣としてはすでにもう肚をおきめになつて、仮に三君の取極を、それを促進するような形で承認されるか、でなければそれに代るような政府の代案といろものがなければ、私は国民は納得しないと思うのです。ですから私は一歩を進めて、三君が帰らなければわからない、こうおつしやるならば、これも肯定いたしましよう。更に一歩を進めて、然らばそれに代るような何か代案をお持ちであるかどうかということを先ずお聞きしたいのです。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) 全体、現在実際に中共貿易を非常に阻害しておるものは、この品目はどうだとか何とか並べたつて役に立たないので、そのほかにいろいろのものがあるのですね。内容は私はわからんけれども、新聞等を拜見するところでは、決済方法などはあとからなにする、これが一番阻害しておるのです、現在……。本会議で栗山さんの御質問のうち、紡績機械なりを挙げられておりましたが、紡績機械なども実は業者は困つておる。メーカーはこの二、三年の間、日本の紡績会社が増錘々々と辿つて来たのが、急にこういう情勢でストツプすることになつたので困つておる、困つておるので、その解決策として、海外に輸出したいという希望がメーカーに非常にあります。海外の市場といえば、紡績機械の市場は中共もその一つであります。先だつても紡績機械のメーカーの代表の人、数人に私は会う機会があつたのです。いろいろ細かい実情を聞いたのですが、そのときに私はその業者に、仮に政府がこの輸出を許可すれば、あなたがた中共に輸出するつもりなのかと言うと、メーカーが言うのに、それだけでは実際にはできない、というのは、紡績機械のようなものを中共に輸出すれば、こちらから、自分の手許から技術者を出して、あちらで据付けて動くようにして引渡さなければ、中共の信用のできん、程度の低い技術者が据付けたのでは、据付ける技術が悪いために一向動かない、故障が続出する、それがために自分の作つた機械の信用を損することになるのだからして、そういう途が開かれねば輸出することはできないと言うのです。それは私は尤もだと思う。政治的な意味で、そういうような支障が主として中共貿易を阻害しておるのですね、実際は……。仮に貿易であるからして、自然にクレームが出て来ることは、これはもう期待しなければならん。クレームが出た時分に、そのクレームをどこで審査して、どこで決定するかという方法はないのです、今の中共と日本の関係では……。そういうようなものが事実上は、中共貿易というものを阻害しておるということを御注意願いたいのです。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 いや、私は今大臣が御答弁になつたものを解決せられるのが、私は大臣の役目だと思う。日本の経済再建を促進し、それから世界との貿易の交流を円滑に図るために、そういう阻害をなしているものを排除される努力こそが、私は日本国民が大臣に要望するところの先ず第一点だと思うのです。例えば紡績の機械一つ送るということを例にとられましたが、これを技術者を附けてやらなければ、折角の機械が活動しないんだということは、私は現在それはその通りであるにしても、私はそれは若い中共一国を非常に侮辱した一国の大臣の言葉だと思うのですね、それは中共にしてみれば、別にただでもらうわけではありませんから、金で買うんだからして、それを動かし得るだけの能力と技術を持つておればこそ輸入するに違いないと思う。よしんばそれはないにいたしましても、又そういうものを附けなければ輸出ができない、こういう方法を打開することが私は大臣の役割だと思うのですが、そういう御意思がないかということですよ。民間でそれは三千万ドル、相当大きな額ですね。民間入ですら、何ら資格がなくても、借りに行きさえすれば、三千万ドルの借入れができる、こういうような必然的な條件がありながら、それを政府が抑えておられる。その程度のことじや中共貿易ができないという理由には私はならないと思うのですがね。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) ところでその今私が述べたような支障を取除き、そうしたものは又一日も早く取除かれることを私は希望します。率直に申上げて、希望するが、あと通産省としては手の打ちようがないのですよ。それは所管が違うから……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 私はこれはこの委員会に直接関係ありませんが、今日の本会議の質問に対しては、非常に私不満を持つております。従つて外務大臣をこの委員会へ呼んで、中共貿易の問題についてはもう少し私は質問を展開したいと思いますから、そういう工合に一つ処理を願いたいと思います。  それから通産大臣にお願いしておきますが、通産大臣は外務大臣ではないので、通産省の大臣でありますから、従つて通産省の省議というものをはつきりまとめて動かないところの答弁を是非ともしてもらいたいと思います。この委員会へ出られて、個人的な見解をここで述べられると、我々も或る程度納得し得るような線まで行くのでありますけれども、公式の場合においては、なかなかそうは参らん。どこまでが実際本当の通産省の肚なのかと我々は全く忖度するのに苦しむのです。こういう状態にありますので、これは一つ只今の質問を繰返しておつても暖簾に腕押しと申しますか、了解したがごとく、せざるがごとく、全くあいまい模糊、混沌としておつて、要領を得ないと思うので、この点は一つそういうことでは貿易の市場拡張などは恐らくできない。こう思いますから、はつきり一つ態度をきめて頂きたい。  ただ一つだけ私は伺つておきたいことは、先ほど島さんも言いましたが、現状において諸條件が困難であるから、中共貿易はできないと、こう断定されておりまするけれども、現状における困難な諸條件を打開するのが政府の役目であるということは、島さんの言われた通りです。併しながら中共側においても、朝鮮事変発生後とつた自由国家群に対する対策として相当強いものをきめておりますけれども、そういうものを今順次緩和するような措置を講じつつある。例えば決済方式についても、輸出優先方式に切替えようとしておる。これは六月に何か行うということであります。そうなれば非常に問題は違つて来るわけです。そういうことを相手方のこともやはりよく考えて御研究を願わなければならないと私は思うわけであります。その点に対してどういうふうにお考えになつておるか。それから帆足君等が帰つて来て、その内容がわからなければいかんし、わかれば又考え方も変えてもいいという話でありましたが、今日私はその点に触れて通産大臣にも、帆足君たちが帰りました場合には、資格はあいまいであつたかも知れませんけれども、とにかくああいう仮協定をしたのだから、従つて帰つて来たら、公式に政府として会見せられるかどうか、そうして促進の途を講ぜられるか、或いは又会見を正式にせられなくても、民間使節としては、政府は政府の責任のあるところを確認せられて、側面的な支援をせられるか、こういうことを質問したのでありますが、通商産業大臣は答えられた、外務大臣はもういきなり政府の方針に反する行動をとつたこの不逞の連中のやつたことについては、全然問題にならん、こういうような言い方であつたわけであります。従つてあなたは、帰つて来て、話の工合によつては考え直さなければいかんと言われましたが、帰つて来たらば、帆足君たちと会われる用意があるかどうか、そうして実際に中共の実情はどういう工合であるか、そういう点をつぶさに研究せられるのか。恐らく今の政府において中共の内容を知ろうと思いましても、帆足君、宮腰君、高良君、二君以上に知るすべは恐らくあるまいと思います。そういうことで一番いい機会だと思うのでありますが、そういう者から事情を聴取せられる用意があるか、その点を第二点として私は伺いたいのであります。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) 私は三君なり、或いはその三人の誰かなり、私に会見を希望されれば、私はいつでも会います。参考に話は聞きます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうすると会われて成るほどそれで中央貿易が具体化しそうになつたときには、それについて御努力なさいますか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) それは一つ面会して話を聞いて後に決心をするつもりであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 それからもう一つこれは局長でも結構ですが、お伺いしたいのは、只今の輸出貿易の、輸出管理令ですね、これはもう日本へ輸出管理権というものは移譲されておるのだから、日本の思う通りにあれは廃棄できるものではないのですか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 輸出管理令は占領中にできたものでありますから、あれは如何なる場合でも妥当と思われることしかきめておりませんので、別表というものにただ輸出管理に引つかかる品目を書いておるだけでありますから、実際許すか許さんかということは、役所の方針でできることでありますから、たとえ品目に変更がありましても、必ずしもあそこから除外する必要はないわけであります。

西田隆男民主クラブ

○西田隆男君 私一点聞きたいのですが、最近の新聞を見てみますと、予算を組まれたときと大分輸出入の情勢が変つて来ておるような新聞の記事を見るのですが、この十一日から予算の執行状態を検討することになつておりますが、通産省側の二十七年度の輸出入の見通しはどういうふうにお考えになつておるか、数字があれば、数字を示して御説明願いたい。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) 先刻現在の輸出入の状況を私と局長とで御説明したのでありますが……。

西田隆男民主クラブ

○西田隆男君 速記に残つておれば、要りません。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) 残つております。ちよつと速記をとめて頂きたい。

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 速記をとめて……。    〔速記中止〕

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 速記を始めて下さい。

西田隆男民主クラブ

○西田隆男君 もう一つ……輸入品目に重大な変更はありませんか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 輸入品目につきましては、大体繊維工業等の伸び方と申しますか、操業の度合によりましては綿花の輸入なんか等が或る程度変つて来るわけです。綿花が非常に大きな品目でございますから、そこらのところはちよつと予測しかねる点でございますが、食糧の職人なんかも大体戦前の率に戻りまして、大体正常なところに落着いて来ておると思います。

西田隆男民主クラブ

○西田隆男君 綿花の輸入が変つて来るということになりますと、ポンド過剰の問題とからみ合いますが、そうするとポンド過剰の問題を解決付ける何か根本的なお考え方が通産省にありますかどうか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) 三十七年度の輸入は、ドル区域は大体予定の数字に達しておる。ポンド区域が著しく減つておるのです。それから速記録に載つておるはずですが、ポンド蓄積の状態は、最近の現状では非常に足踏みしております。

西田隆男民主クラブ

○西田隆男君 もう一つお伺いしたいのは、昨年までは日本では石炭不足ということが言われて、石炭に代る燃料として重油の輸入が相当活溌に予定されておつたのですが、予定通り入つておるかどうか知りませんが、二十七年度は通産省のほうで考えられておるほどの石炭不足はないものと我々は見通しをつけておりますが、通産省としては二十七年度と同じような重油の輸入を考えておるのか、或いは石炭が余れば重油は輸入しないというふうに考えておるのか、それを一つ……。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) この特殊炭、つまり粘結炭は別ですけれども、それ以外の石炭では、私は本年度は業者諸君の御努力によつて大体不足はないと思いますが、先だつての電気料金の策定の場合にも、公益事業委員会はやはり印度炭を五十万トンばかり輸入する必要があるという計算から算出されたのですが、その場合にも私としてはその必要はない、もうそういう輸入の必要はないということを言つたのですが、やはり電気料金の決定には、公益事業委員会の今決定した案では五十万トンを二十万トンに減らした案で計上しております。私はその必要はないと思います。

西田隆男民主クラブ

○西田隆男君 局長でいいのですが、二十六年度の第四四半期に重油を買付された現在までの民間の状況はどうなつておるか、という点が一点と、二十七年度の通産省で予定されておる重油の買付の数量のうちに、どれくらい契約が成立しておるかというこの点を一つ……。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) ちよつと資料を持つておりませんから、この次までに調べて資料を差上げます。

西田隆男民主クラブ

○西田隆男君 資料は出て来てからで結構ですが資料が出た結果、現在の、さつき申上げた石炭の需給のバランスの上に立つて、将来重油の輸入をさほど必要としないという場合には、重油の買付をおやめになるというお考え方があるかどうか、石炭は多少余つても、なお予定した重油は輸入するというお考え方であるのかどうか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) 私の予想しておるように、日本の石炭の見通しが私の予想の通りであれば、輸入の契約はいたしません。

西田隆男民主クラブ

○西田隆男君 もう一点……この資料を出して頂くと同時に、現在の重油の消費状況の資料を一緒にお願いしたい。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 鉱山局のほうに作つてもらいまして、差上げます。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 貿易問題を話しまするときにいつも琉球というのが出て参りまして、かなりのウエイトを持つておるようでございますが、只今通産省からお出し頂いておりまするこの資料によりますると、三千万ドルに上る輸出をしておられるようでございまするが、而もこの輸出品目の中を見ますると、セメントが一番上位にあるように思うのですが、併しセメントと比較いたしまして木材などが入つてないように思う。そういたしますると、何か向うではアメリカの軍事工事をやつておりまするので、アメリカの軍事工事をやるためにこのものが輸出されているようにも見受けられまするが、今沖繩との貿易関係はどういうふうな形によつて行われているかを、先ず概略的なことを御説明願いたいと思います。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 沖繩とは現在ドルの現金取引ということになつておりまして、但し米軍が直接買いますのはこれとは別になつております。ここで御露見になりまするように非常に輸出のほうが多くて輸入が少いのでございますが、これにつきまして、近く沖縄のほうと新らしい通商貿易の話合いをしようと思つております。その際には輸入のほうは殆んど全部制限を取拂いまして、何でも買えるものは買えるというふうにして行きたいと思つております。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 では次に占領軍が向うの輸出入の管理をやつておりましたので、あの疲弊をしておりました沖縄に全然使いものにならないようなものを輸入しておつた。それにはいかがわしい風聞も立てられておりましたが、一例を申上げますと、網のようなものでございまするが、魚を獲る網みたようなものが、多量の使えないようなものを向うは輸入いたしまして、而も今以て逆にこれをこちらのほうへ輸出をしなければならない、而もこれはぼろとして輸出しなければならんというような実情にありまするが、今でも、こういう米軍の管理の下に貿易をやつているわけでございますか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) やはり外貨の安排という面におきましては、米軍の管理を受けておられるように聞いておりますが……。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 向うは講和條約が発効いたしましても、日本の主権はあるけれどもこれは眠つているのである。で、従つて行政権も司法権も及ばんと、こういうことを言われておりまするが、その特殊的地位に置かれておりまする関係上、貿易の関係において、例えば関税だとか、輸入税だとか、こういうものについては内地の各府県に異なるような取扱を受けておるようなことはないですか、どうか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 関税につきましては、これは沖繩は特に特定地域といたしまして、優遇措置を講じたいというふうに考えております。これは現在主としてアメリカと交渉中の通商航海條約のと関係がございまして、まだはつきりした方針は立つておらない状況でございます。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 方針じやなく、現在はどうなんですか。実施中のものは……。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 大きなものにつきましては無税扱いにしております。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 大きなものとおつしやるとその大きさはどうなんですか、金額ですか、物の量ですか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 砂糖でありますとか、ここに特記してあるようなものは皆そうであります。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 小さいものには関税がつけられるわけでございますか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 現在関税がかかつているものもあるようであります。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 それはどんな品目ですか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) ちよつとあとで調べて資料を差上げます。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 その向うへ出しますときの建値はどういうふうになつておるのですか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) これは業者の話合いで値段ができているわけであります。ドルで決済するということになつております。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 日本におけるところの業者も自由な貿易業者であり、向うの輸出業者も即ち民間の輸出業者でこういうものの締結がなされた、こういうわけでございますか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) ちよつと何のことかわからないのですが……。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 この二十六年度の貿易の実績ですが、これは輸出入の実績ですね、こういうものがこちらのほうにおいても貿易業者、向うにおいても貿易業者、向うにおいてもいわゆる貿易業者が扱つたものが、これが総計してこういうふうな品目、こういうふうな数字になつて現われて来たわけなんですかと聞くわけです。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 輸入はもう全部これは民需でございますが、輸出のほうは或いは沖繩のほうでは政府機関がやつておるものが、これはちよつとはつきりしませんのですが……。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 何か沖繩に輸出するというような、特別に向うは今度の戰争で非常に戰災のひどかつたところでございますからして、そういうふうな貿易輸出品に対して特別の扱いをしているようなものはないですか。若し又ないといたしますならばそれをやる気持はないかどうか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 例えば木材なんかは特別にほかの方面へは出さないけれども、出しております。新聞紙なんかもちよつとここに載つておりますが、これなんかも特別に沖繩のほうに出ているわけでございます。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 沖繩の再建の建設資材としては特殊な扱いをして輸出を許可していると、こういうふうに了解していいわけなんでございますか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) これはドル輸出でございますから、日本の需給状況が許す限りはそれを歓迎しているのでございます。そういう状況から只今申しましたように材木とか新聞紙などは、他方面へは出さないのでございますが、沖繩には特に或る程度量を限つて出している、こういうわけでございます。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 ですからそれは沖繩の再建に必要な資材であるから、そういうふうな扱いをしていると、こういうふうに了解すべきことなんですか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) それはそう御了解になつても結構だと思います。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 何か沖繩の建設資材を特別に割引をして向うへ出すといつたようないま一歩進んだようなものは考えられませんですか。これは大臣から御答弁願いたいと思います。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○国務大臣(高橋龍太郎君) ちよつとそれは考えられないかと思いますが、私よく研究して見ましよう。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 二十六年度は材木は何か載つてないようですが、二十六年度は材木は行かなかつたのでございますか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) これは合板のようなものは載つておりますが、向うが一番欲しがつておつた杉材につきましては、これは出すことになりましたのはたしか今年になつてからでございますから、これに載つておらんと思います。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 ここに、向うは汽車もありませんが、機関車とか何とかいうものを輸出しておられるのですが、これも民間貿易なんですか、民需の品物ですか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 沖縄のほうで何に使われるかは私どもちよつと知らないのです。

島清日本社会党(第二控室・右)

○島清君 それからこれを扱いました業者はどこの業者か勿論おわかりでございましようね。そういうものを扱つております業者は今お答えできないと思いますからして、あとで資料としてお出し願いたいと思います。

牛場信彦通商産業省通商局長

○政府委員(牛場信彦君) 調べてお答えいたします。

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 速記をとめて……。    〔速記中止〕

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 速記を始めて。  本日はこれで散会いたします。    午後四時二十九分散会

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