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13回国会参議院1952/05/13

通商産業委員会 第35号

発言数
49
登壇者
5
会派数
3
開催日
1952/05/13

会議録

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 只今より通産委員会を開会いたします。本日は公益事業令の一部を改正する法律案の審査を継続いたします。御質疑のある諸君は御発言をお願いいたします。別に御発言もないようでありますが、質疑は終局したものと認めまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 御異議はないものと認めまして、それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。修正意見のあるかたは討論中にお述べを願います。

結城安次緑風会

○結城安次君 私は本法案に対して修正案を提案いたします。修正案の御説明をいたしますが、公益事業令の一部を改正する法律案に対する修正案は次の通りであります。    公益事業令の一部を改正する法律案に対する修正案   公益事業令の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   本則中『同条第一項中「其ノ成立ノ日ヨリ十年ヲ超エザル期間第二條第二項又ハ第二十六條第一項ノ規定ニ依ル出資又ハ譲渡ヲ爲シタル者ニ對シ」とあるのは「第二條第二項又ハ第二十六條第一項ノ規定ニ依ル出資又ハ譲渡ヲ爲シタル地方公共團體ニ對スル其ノ出資又ハ譲渡ニ係ル電氣供給事業設備又ハ事業ノ復元ニ關スル立法措置ガ爲サレルマデノ期間當該地方公共團體ニ對シ」』を『同条第一項中「十年」とあるのは「十五年」と、「出資又ハ譲渡ヲ爲シタル者」とあるのは「出資又ハ譲渡ヲ爲シタル地方公共團體」と、同條第二項中「十年」とあるのは「十五年」』に改める。   附則中「施行する」を「施行し、昭和二十七年四月一日から適用する」に改める。 ということであります。  修正案の内容を大体御説明いたしますと、第一点は原案では配電統制令第三十四条第一項の電気事業者の公納金納付義務のみを延長し、同条第二項の法人税軽減措置は期間満了による打切りに任せているのを改めまして、第一項第二項の双方について延長を認めることであります。その理由といたしまするところは、本法案審議の過程より見まして、原案につきましては宮沢証人の証言にもありましたごとく、憲法第二十九条違反の疑いもあると認められるのであり、公納金制度を引続き存続させようとするならば、少くとも従来通り法人税の軽減措置を伴つたものとすることが妥当であると考えられたからであります。  修正の第二点は、延長の期間を原案の事業復元に関する立法措置がなされるまでの期間とありますのを、十五年、即ち五年間延長することであります。期間の延長に関しましてはこれを否とする意見も傾聴いたすべきものがありまするが、配電統合後の十年間は戦時及び戦後の混乱時代が打ち続き、その間において事業又は設備を統合された地方公共団体の財政的再建のできなかつたのを、延長期間内に最終的に整理せしめるための余裕を与えるという趣旨であります。従つて金額のスライドなどを考えず、現状をそのまま継続せしめるという考えであり、又今回の期間延長がその期間を満了した後も更に之が延長を予想するという考は毛頭ないのであります。なお、原案の復元の立法措置ということに対しましては、公納金の納付期間をかような不確実な表現にて規定することは妥当ではなく、復元の必要ありとしますならば、これは別途の立法措置に待つべきものと考えるからであります。  修正の第三点は、施行期日に関するものでありまして、配電統制令第三十四条による期間満了後この修正を施された改正法が施行されるまでの期間についても改正法の適用がある旨を念のために明らかにしたものであります。  最後に、本修正案によりますと、大蔵省が特殊異例の措置として期間満了後はその継続に反対していた配電統制令第三十四条第二項が存続されることになるのでありますが、元来配電統制は国の施策として行われたものであり、当初企図した十年間に事業を出資した地方公共団体の財政が未だに安定せず、公納金の存続を主張して止まぬ現状としてはこれ又止むを得ぬ措置と考えるのであります。但しこれを今後も繰返す意思のないことは前述の通りであります。私はこの際政府及び関係地方公共団体に対し、この間に広い視野から財政の建直しにつきあらゆる努力を払うと共に、伝えられるがごときスライド要求を慎しむことを要望し、又電気事業者に対しては、合理的経営による正常なる配当を確保して、関係地方公共団体のみならずすべての出資者に適正なる報酬を供与するよう努力を要望するものであります。以上の協力が得られますならば、非常特別の場合を除き、国としても実質的に大なる税収減なしに今回の公納金延長問題が最終的に解決されることを期待して、あえて本修正案を提案するものであります。

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 他に御発言ありませんか。他に御発言もないようでありますから討論は終結したものと認めまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。  先ず討論中にありました結城委員の修正案を議題といたします。結城委員の修正案に賛成のかたの挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 全会一致でございます。よつて結城委員の修正案は可決せられました。  次に只今の修正部分を除いた原案について採決をいたします。修正部分を除いた原案に御賛成のかたの御挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 全会一致であります。よつて本法案は修正議決すべきものと決定をいたしました。  なお、本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四条によつて本委員会における質疑、討論、表決の要旨を報告することとしてあらかじめ御了承を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 次に修正議決されました本法案を可とされたかたは例により順次御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     結城 安次  栗山 良夫     泉山 三六  中川 以良     松平 勇雄  山本 米治     加藤 正人  清澤 俊英     境野 清雄  西田 隆男     石川 清一

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) ちよつと速記をとめて下さい。    午後二時四十一分速記中止    —————・—————    午後三時六分速記開始

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 速記を始めて、引続きまして通商及び産業調査に関する件を議題といたします。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 非常に取急いだ格好になりましたが、無水アルコールの問題につきまして、二、三通産当局の御所信を質しておきたいと思います。問題は戦争中食糧確保の一環として、政府の重要な施策の遂行によりまして、我が国におけるいわゆる甘藷の栽培は非常な発展をいたしたのであります。食糧がやや落ちつくに至りまして、これをどういう工合に転換させるかということは非常な問題になつているのでありますが、ところが昨年の秋に政府が砂糖の放出をされましてから、甘藷は価格的に非常な暴落をいたしまして、農家といたしましてはそれの生産を採算的に続け得るか、否か、非常に重要な限界点にまでも参つているのでありますが、更にこの甘藷の一つの重要な利用方法として、アルコール製造資源になつておつたのでありますが、このアルコールの製造に対する問題におきましても、最近政府におきましては、国の製造設備を民間に払下げするというような企図があるやに伺うのでありますが、こういうことにつきましても、どの程度の生産があるか。そういう点が問題になろうかと思うのであります。そういう点を中心にして二、三御質問いたすわけであります。先ず最初に無水アルコールの現在我が国にありまする設備、これは民営、或いは国の所有のものを含めまして、どの程度の規模のものが幾つぐらい、そうしてアルコールの生産石数はどの程度であるか。又需要のほうはどういう具合になつておりますか。その点をお話願いたいと思います。

井上猛通商産業省通商化学局アルコール第二課長

○説明員(井上猛君) 大分具体的な細かい数字に亘つておりますので私から御説明申上げます。現在政府で工業用専売アルコールといたしまして生産に従事いたしておりまする工場の能力は年間七万四千四十キロでございます。内訳を申上げますと、官営工場が十一工場で三万四千二百キロです。これは官営工場の年間能力でございます。それから民間工場が六社九工場で、三万九千八百四十キロですか、合計いたしまして七万四千四十キロと、こういう工合になつております。それから年間の大体の専売アルコールの需要量でございますが、大体実績を申上げますと、二十四年、二十五年の実績が二万五千三、四百キロ、両年ともそういう実績でございます。それから二十六年度の実績は、特需の関係が少しありましたのですが、二万六千五百キロばかりでございまして、大体最近の趨勢を見ますというと、専売アルコールの需要といたしまして大体二万五千キロ前後といつたところでないかと推定いたしております。生産実績のほうは、当然我我は事業をやつておりますので、そういつた販売の見込量を勘案して生産計画を打立てておりますので、生産実績はいつでもそれと大差ないことになりますが、二十六年度は一応生産計画を立てますときに、特需の関係で相当程度需要量が殖えるんじやないかということで、一応二万四千キロばかりの生産の実績を挙げたのでありますが、今申上げましたように、実際上の販売実績が二万六千数百キロということでございましたので、従つて二十六年度から二十七年度に持越すアルコールの在庫量がその差額だけ殖えた、まあこういう現状でございます。従つて生産能力が七万四千キロに対しまして、需要量が僅か二万五千キロ、従つて平均の操業率が四〇%未満と、こういうような現状にあるわけでございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 その需要のほうの大体の内訳はどの程度になつておりますか。

井上猛通商産業省通商化学局アルコール第二課長

○説明員(井上猛君) 細かい内訳はちよつと持つておりませんが、大きなところを申上げますというと、まあ大体二万五千キロのうちの二十五年度の実績をとりますというと、六〇%弱が化学工業の原料として使われております。その化学工業の中でも大きい需要と申しますと、大体塗料のいわゆる附着剤、塗料用でございます。これが年間三千キロからまあ四千キロくらい出ておつたと記憶いたします。そのほかにエーテル、それからセルロイド、硝化綿まあそういつた、あとは細かいいろいろな用途に使われておりますが、そういつたものが大きな需要でございます。そのほかに酒のほうの例の醪添用のアルコール、これに一応本年度はたしか三千五百キロばかり出したと思いますが、又食酢に大体二千キロ内外のアルコールが出ておりまして、全部入れまして大体二千五百キロ、こういう内訳になつております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 この只今のお話を伺つておりますると、要するに生産設備が相当過剩になつているわけでありますが、これの将来のいろいろな整備方針というものは、通産省でもお建てになつておりますか。最近聞くところによりますというと、民間への設備の移譲等も話題になつているようでありますが、この点はどういう具合になつておりますか。

中村辰五郎通商産業省通商化学局長

○政府委員(中村辰五郎君) 只今の専売アルコール工場の官営は現在十一工場でございます。一昨年の夏、閣議の決定を以ちまして、アルコール工場の民営に順次移管して参るという基本方針をきめまして、昨年北海道の工場を払下げをいたしました。本年度におきましても二工場の払下げをいたす予定で、定員法その他の改正をいたして、十二月末までに二百十名の整理と申しますかをいたす予定になつております。今日までのこの二工場の払下げに関して検討して、末だ最終決定には至つておりませんが、二工場のうち一つについては、これは目下条件その他を検討いたしておりまして、どういうことになるか、見通しとして申上げかねるのでありますが、長崎県の島原にある工場を県営でブタノールを作る工場に転換するという計画を建てているのであります。工場の転換ということによりまして、一面地方産業としての立場からこれが助成されて参るということは、私たちといたしましても非常に推奨すべきものでございまして、現在の計画に対応いたしまして、これが払下げの条件、その他について県当局或いは関係方面と目下折衝中でございます。他の一工場につきましては目下どの工場という工合にきめて検討を進めておりません。こういつた先ほどの設備能力に対しまして需要関係がとかく不足しているという状況でございますので、できるだけ転換可能なものにつきましては最善の努力をして地方産業との関係、或いは農村との関係を円滑にやつて参りたいと、こういう方針で進めております。今の島原の例につきましてもブタノール工場として準備期間も相当かかりますが、こういつた期間中は従来通り専売アルコールを造らせるというような方法で事業の円滑な転換を図るというような気持でいるわけであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 現在いわゆる甘藷の生産県が全国各地にあるわけでありますが、その生産県にあります工場というのは大体どんな程度でございますか。

中村辰五郎通商産業省通商化学局長

○政府委員(中村辰五郎君) 全国に十一残つておりますが、十一工場について大体申上げますが、北海道のすでに払下げました工場は、これは馬鈴薯を原料とするものでございまして、コストの点から申しますと甘藷によりますものよりも著しく割高につくという関係もございますし、地方的な消費の状況等から見まして戦時中の必要はございましたけれども、平時産業の実情から申しますと如何かと、こういうことでございまして、昨年払下げをいたしたようなわけでございます。本土のほうにございます残りの十一工場は大体が関東に茨城県の一工場、石岡でございますが、それから千葉県の千葉市に一工場、これが関東地区におきまする二工場、それから静岡県の盤田に一工場ございます。四国の愛媛県の近永に一工場ございます。この四工場を除きまして七工場が九州地帯にございます。九州地帯にございます工場の大体を申上げますと、長崎県に一工場島原でございます。佐賀県に相知に工場があります。それから熊本県の肥後大津に一工場ございます。宮崎県の中部と南部に二工場ございまして、小林、高鍋の二工場が宮崎県下の工場でございます。鹿児島県の西の海岸地帯の出水に一工場がございまして、もう一つの工場は大隅半島の根本と申しますか、ここにございまして、これは鹿屋と申します。それで大体戦時、準戦時の需要関係からいたしまして、工場立地は甘藷の原料の大体生産地の中心部に造るということで計画いたしました関係でございまして、只今挙げた十一工場は大体に甘藷の生産地の中心にございますと申上げてよろしいかと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 北海道の一昨年払下げられた二工場というのは、採算がとれないのかもうすでに操業を中止しまして、工場には何か草が生えているという話でございますが、そういう事実でございますか。

中村辰五郎通商産業省通商化学局長

○政府委員(中村辰五郎君) 北海道の二工場につきましては、昨年の払下げで日本飲料という会社に権利が譲渡されておりますが、運転資金その他いろいろの関係でなかなか思うように動かないという関係がございまして、目下これに関係いたします金融機関の間でこれの再開に関しますいろいろの具体計画を進めておる模様でございます。この具体的な内容につきましては、これは私の仄聞するところでございますが、金融機関とこれら関係会社の間に具体的にどういう最終結論が出るか私から申上げることではございませんが、その二つのうちの一つはパルプの工場にしたいということで、関係者側が相当熱心に案を練つております。一つのほうはこれは酒造権を持つておりまして、その酒造権を中心にして仕事が再開せられるのではないかと、こういう工合に考えております。私たちとしましても、この二工場の再開ということにつきましては非常に関心がありまするので、関係金融機関並びにパルプその他の事業の再開について、技術的な関係についてできるだけの努力をして参りたい、こういう工合に考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 大体わかりましたが、そうすると本年度は二工場が予定されておりますが、来年度はどうなりますか。更に整理を進められる御予定でございますか。

中村辰五郎通商産業省通商化学局長

○政府委員(中村辰五郎君) 専売アルコール工場の官営工場の措置という問題につきましては、アルコール事業と申しますものが、他のたばこでございますとか、その他塩等の専売事業と性質が違いまして、いわゆる普通の産業と考えてこれが経営されるということのほうが望ましいという方針で大体一昨年の閣議決定を見たような次第と思うのでありますが、本年もその方針でできるだけ民営乃至は県が地元産業のために地方産業を育成するという見地から引受けるというようなものはこれを認めて行くというようなことを進めまして、民営移管の線に沿うて今後も払下げをいたして参る、こういうふうに考えてよろしいのじやないかと思います。私は政府委員として申上げるのでございますが、若し政府の方針ということでございますと、やや僣越かとも存じますが、そういう工合にまあ通産省では一応考えておると申上げてよろしいと思うのであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 その民間へ払下げをされる場合には、アルコール生産工場として更に操業を継続せしめるという目的で払下げをされるのですか、その点はどうですか。

中村辰五郎通商産業省通商化学局長

○政府委員(中村辰五郎君) この問題の見通しにつきまては、一つの考え方として申上げたほうがよろしいかと思うのでありますが、専売アルコール工場十一につきまして、設備能力、需給関係等から見まして、今日過剩であるということは大体見当が付くのでありますが、この十一工場の工場立地の状況、それから消費地との関係その他いろいろ条件はございますと思いますが、アルコール工業をやつて行く能率上の優秀性と申しますか、そういうことから申しますと、十一工場のうちには、できれば他の事業に転換さして、アルコール事業としてはより優秀な工場に集中生産と申しますか、そういうような方向をとつたほうがよろしいのじやないかという工合に考え方としてはできるのではなかろうかと思います。この考え方を仮に現実に、どの工場はそれならば今のようにアルコール工業をやらせるという立場で払下げをする、この工場は他の事業に転換したほうが全体の産業立地から考えてよろしいのじやないかという工合に結論としてはなるのではなかろうかと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 大体のお考えはいずれ又大臣にお伺いいたしますが、要するに今のあなたの御答弁では、アルコールが生産過剩になつておるので、能率の悪い工場は払下げと同時に業種転換をするように指導したほうがよいと、こういう結論のように私は伺つたのでありますが、そういたしますと、重ねてお伺いをいたしたいのでありますけれども、今もお話しになつたように、工場は殆んど甘藷の生産地に集中して設けられておる。そうすると、甘藷は恐らく何十万かの農家の甘藷の生産を対象にして設けられたものである。甘藷は御承知の通り食糧としては行詰つておる。水飴等は、これも砂糖の輸入放出によつて販路は狭められておるということになりますと、結局甘藷の栽培そのものを制限して行くことに私は勢いなつて来ると思いますが、こういうふうに了解してよろしうございますか。

中村辰五郎通商産業省通商化学局長

○政府委員(中村辰五郎君) 只今の栗山委員の御質問の点は、私のほうの考えといたしますと、現在の専売アルコールの生産数量というものを減らすのではございませんで、十一の工場の適当なものについてそういつた転換をさせるということでございまして、その際の転換工場なり将来アルコールをやらせる工場なりの選択の仕方によりまして、地方の現在農村が専売アルコール製造用の甘藷として売つておりまする数量を減らすという結果には相成らんと、こう考えます。アルコールの将来の売行等の問題は見込の問題になりまするが、私はここに一つ申上げておきたいことは、今日の専売アルコールの価格が大体十三万円程度でございます。この価格は、最近の国際環境がどちらかと申すと、不況というような傾向を辿つておりまして、いろいろな面で価格の下落を来して、アルコールを使いまして輸出する、或いは国内の需要に当てる化学部門等におきましても相当価格の値下げを要請しております。若し今後におきます払下げ乃至は工場の立地等におきまして、操業度の上昇というようなことでこのアルコール価格を引下げる、或いは又昨年は甘藷はどちらかと申すと相当高めでございましたが、本年度は幾分安いのじやなかろうかという工合に言われております。そういうような情勢を判断いたしますと、販売価格によつては更に需要も喚起できるのではなかろうかと考えまするし、こういう点から申しまして私は専売アルコール用の甘藷の供給数量が払下げ問題と関連して少くなるという点は考え得られないのではないかと、かく信じております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうしますとこういうことですか。今各工場とも操業率が非常に低下している。従つて現在の、先ほどおつしやいました七万五千キロですね、その程度のアルコールの生産は維持して行く、そうして工場を若干整理して能率工場にだけ集中して行く、そうして非能率な工場は他の業種に転換させる、農家のほうの生産する今まで確保して来たアルコール生産用の甘藷の総量というものは抑えないようにして行く、大体そういう方針と了解してよろしうございますか。

中村辰五郎通商産業省通商化学局長

○政府委員(中村辰五郎君) 今栗山委員の申した点が我々が考えております大綱でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうするとその場合に、例えば茨城県、千葉県、静岡県という県に一つしかない所ですね。甘藷の生産地で一つしかない所は、これを若しやめたということになれば、甘藷なんというああいう水ばかりでできておるようなものを何万トンも動かすということは大変なことだと思うのですが、そういう地点の工場はこれはもう整理の対象にならないと見ていいですか。

中村辰五郎通商産業省通商化学局長

○政府委員(中村辰五郎君) 非常に具体的な御質問でございまするが、今例を挙げられました三つの工場は、まあこれは私見ではございますが、大体私たちが見て今日の専売アルコール工場のうちでは優秀な工場でありまして、県に一つあるかないかの形式論を離れて、実質論から見て参りますると、やはり専売アルコールをする事業として考えて差支えない工場と思います。運営移管を仮にするというようなことがありましても、これはそういつた専売アルコール工業をやるというような建前で払下げをするというのが順序ではなかろうかとこう考えます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 例えば静岡県の盤田の工場などは、三方ヵ原の厖大な原野に栽培するさつまいもを対象にしているわけです。冬は麦、夏は甘藷というので、それ以外に余り作物は御承知のように穫れない所なんです。そういうものが閉鎖されるというようなことになると、アルコールだけで、通産省のお考えだけならいいわけですが、農林省のほうのお考え、いわゆる農家の立場から考えれば重要な問題に私はなろうかと思います。従つてこれは農林省のほうの意向も伺わなければなりませんが、今日はまあ一応実情をお伺いする程度に私はとどめておきたいと思いますが、更に一工場というのは四国に一工場ある。一番問題になるのは私は九州だと思いますが、九州は又一番生産の数量も多いわけですが、これをどういう工合にされるつもりなのか。先ほど言つたように非能率の工場は整理をして、優秀工場に集中して七万四千キロくらいを造るというお話ですが、大体今の十一工場でどれとどれを整理したら大体七万四千キロ操業できますか。

中村辰五郎通商産業省通商化学局長

○政府委員(中村辰五郎君) 非常に今の御質問具体的でございまして、目下地方産業との繋り、或いは転換の難易とか、或いは工場の立地、環境の状況等を検討して、具体的に検討中でございますので、九州の地区のどれがそれにふさわしいかということは、今日ちよつと申上げる段階に参つておりませんので、悪しからず御了承願います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 それからもう一つは、あなたが、民間に移管しても、これは全部移管した場合も考えられるわけですが、甘藷の値段が下れば一応生産が維持できるだろうと、こういうお話でありましたけれども、これもやはり程度問題で、農家のほうも生産費の償わない栽培ということは恐らくできないわけですから、従つて甘藷の値段というより、私はアルコールそのものの値段が問題になるのじやないかということなんですが、これは今税金はどれくらいかかつておりますか。

井上猛通商産業省通商化学局アルコール第二課長

○説明員(井上猛君) 我々のほうの専売アルコールの価格は現在二重価格になつておりまして、工業用に確実に向けられるということ、これはもう売捌規則で一々品目を規制してあるわけですが、そういう用途に使われるものにつきましては、焼酎の大体税金相当額というものをかけないで売つております。具体的に申上げますと、現在政府の売渡し価格が二本建になつておりまして、税相当額がかかつていないものが大体十二万七千六百円でございます。これに販売会社を通しますとそれだけのマージンがかかるわけでございますが、政府が売るときには一キロリツトル当り十二万七千六百円の価格で売つておりますが、それが例えば塗料とか、セルロイドとか、その他工業用に向けられるときにそういう価格で売つているわけでございます。それからいわゆる局方アルコールと申しまして、全然変性もしないし、飲料に向けられる可能性の多いものにつきましては、大体焼酎と同じくらいの価格でございますが、一キロリツトル当り四十三万ばかりの金額をそれに加算いたしまして、大体一キロリツトル当り五十三万数百円でしたか、ちよつと細かい数字を覚えておりませんが、五十三万円ばかりの価格で売つております。その税相当額の含まれておる価格で売つておる数量は、大体二万五千キロばかりの販売実績、中でせいぜい八百キロから千キロ、そのくらいの間でございまして、極く僅かな数字でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 この飲料用のアルコールですね。これでももつと税金が安くなれば相当利用する人が私は多かろうと思うのですね。従つて八百キロくらいだと言つて一笑に附するわけには私は行かないと思うのです。こういう点について農家を助け、且つアルコールの需要を伸ばして行こう、生産設備もフルに使つて行こうというような考え方からして、大蔵省当局へ通産省としてこの税の大幅軽減について交渉されたことがありますか。

井上猛通商産業省通商化学局アルコール第二課長

○説明員(井上猛君) それは今まで交渉したことはございません。少くとも私が在任期間中は交渉したことはございませんが、これは酒の税金と全然関連なしに考えるわけには行きませんので、酒の税金よりも安い金額を加算いたしますと、これは当然横流しされる可能性が多いわけであります。従つてむしろ大蔵省のほうから横槍の来る問題であります。我々といたしましては、むしろ全体の数量として工業用が大部分使われておりますので、十二万七千六百円近くの価格を、むしろそれ自体を下げなくちやいかんのではないか。と申しますのは、昨年の十一月価格改訂をします前は大体一キロリツトル当り九万五百円ばかりの価格で売つておつたわけでございますが、御承知のように、甘藷の単価が非常に上りまして、それやこれやで現在十二万七千六百円という単価が出ておるわけであります。これによりまして需要が非常に減つたわけでございます。と申しますのは、我々のほうの専売アルコールが薬用としてメタノール、これと競合する部面も多うございますし、又お酢の関係では、醋酸と競合するわけでございます。又最近ではイソプロピルアルコール、こういつたものが我々の需要方面にむしろ喰い込んで来ているような関係もございまして、数字的に申上げますと、昨年の十一月の価格改訂の影響で大体特需関係を差引いて考えますというと、前年に比較して二千キロ乃至三千キロの需要が減つておる。と申しますのは裏返しに申上げますというと、それだけメタノールなり醋酸というものがアルコールを駆逐して需要に喰い込んだ、かような次第でございまして、むしろ税相当額の問題よりも、アルコールのコスト自体を切下げ、工業用に向けられる価格というものを下げなければ今後のアルコールの需要というのはむしろ減退する一方ではないか。かようにまあ考える次第であります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 まあその値段はやはり工場の操業度に関係する問題だと私は思うのですが、今ここで簡単な御質問をいたした程度では明らかにできないと思いますから、従つて農林省当局の意向も甘藷の問題については方針を伺わなければならんと思うのです。そこで次回までにこういうような資料を一つお作り願いたいと思います。それは現在の工場別の甘藷の処理数量ですね、それと工場の操業度、アルコールの生産量まあ、そういうものを一つ出して頂きたい。それからこれを全部漸次まあ民間に移管をして行く場合に、どの程度を官営に残されるか、その点は方針があろうと思いますが、その最終の形におけるアルコール専売工場の処理数量、それとそれから操業度、操業度がどれくらい高まるか、その生産数量というような比較表を一つ御提出願えないか。そうして而もその場合には、先ほど局長が言われたように、九州の場合ですと、いもの移動があるわけですな、これは恐らく県内で今まで始末しておつたのが、県境を越えていもが動くわけですから、そのいもの動く状態等も一つその中へ入れて、例えば長崎県の工場を整理するということになりました場合には、長崎県のいもは佐賀へ来るわけですから、長崎県の今までのいもの数量は佐賀へどれくらい来るか、そういつた内訳のよくわかるやつを一つ出して頂きたい。その資料を基にして私どもは農林省の考え方も伺いたい。或いは又アルコールの関係の問題、その他にも関係するだろうと思いますからお伺いしたい。

中村辰五郎通商産業省通商化学局長

○政府委員(中村辰五郎君) 今のお話の前のほうの御要請の資料については、比較的あれだと思います。最後でございますが、払下げ工場を予定しまして、その結果の甘藷の流れというのは、この次までに具体的にどの工場ということがきまりますのは非常に結構でございますが、払下げ工場が県営のような場合には、県議会その他の関係がございまして、予定した資料を作るということは、何か非常に響きがございますので、或いはその点はちよつとお間に合いにはならんのではないかと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 それではこういうことに願えませんか。今のあなたのほうの化学局の立場で、能率上から言つてこれはもうアルコール製造工場としてはもう不適当だ、そういう工合にはつきり考えておられる工場ですね。これだけ一つオミツトして頂いて、そうしてその残りで以てアルコール生産を続けて行く。こういう一応の計画を立てて頂いてそれでやつて頂きたいと思います。

中村辰五郎通商産業省通商化学局長

○政府委員(中村辰五郎君) 実は昨年八月以来払下げ問題、北海道の後始末の問題を今のような再開の見通しをつけようというようなことで非常にむずかしい問題でございまして、今日仮に我々が単なる事務的な一つの考え方で行くというようなことで、どの工場はこうだというようなことをしただけでも非常に各工場に与える影響が大きいので、我々が簡単なちよつとした言葉の不適当なために非常に地方農民が心配されて、県会或いは県民の直接代表がいろいろの我々がきめておりません工場払下げの問題につきましても、相当真劍に取上げて論議せられまするので、本問題を円滑に処理するという建前からいたしますと、そういつた一つの考えで作りましたものでもその影響が非常に関係方面には大きな影響を持ちますので、先般来九州におきます払下げの問題にしましても、全工場が挙げて官営存置の運動をそれぞれするというような問題でございまして、非常に問題が深刻に響きますので、そのような具体的計画は実は化学局内でも書類にすることもいたしませんし、具体的にどれというような論議も実は外部に対する影響ということから極めて愼重にやつております現状で、甚だ申しかねるのでございますが、そういつた計画に基く具体的な資料というものは提出いたしかねるのでございます。悪しからず、御了承願います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 役所としてまあそういう工合にお困りになり、慎重に扱われることは当然であり、又わかりまするけれども、私は農民諸君、或いは生産工場の諸君が心配を非常にしておるので質問しておるのです。そういうことを閣議決定でそういう方針をきめられたことは事実です。きめられなければそういう心配が起きない。心配が起きるからその心配をなくするために私はどうしたらいいかという研究をしたいと思う。従つて今のお言葉を言えば、隠しておいて一つ一つ整理をして行つて、しまいに閣議決定の最終目標に到達しようという考え方で、それは私はちよつと政治としてはデモクラテイツクではないと思うのですが……。そこで化学局長のお立場としてそういうことであるのはわかりますが、一応そういう資料を一つ出して頂いて、そうしてあと大臣に出てもらうなり、或いは政務次官に出てもらうなり、農林大臣に出てもらうことにしまして、そうしてこの問題をもう少し私は突きつめて行きたいと思いますから、そういうお含みで一つお願いしたいと思います。

中村辰五郎通商産業省通商化学局長

○政府委員(中村辰五郎君) 今の具体的に払下げのどういう工場をどの程度にするかというようなことは、実はその考え方というものが誤解されるし、それからこの問題は非常に波及するところが大きいので、政府の根本方針というものが或る程度はつきりいたしませんと、そういう資料の作成なり何なりが実は不可能でございまして、私のほうは今の工場の、何といいますか長い先の整理計画というようなものをここにすぐ取上げて処理するというようなことは、どうも栗山委員の強い御要請ではありますが、この問題にタツチして、今日何とか地元のかたなりと円滑に話をできるだけきめて参るという建前から申しまして甚だできにくいことでございますので、私としては是非一つそういう案の御提出の御予定を思いとどまつて頂きたいと、こう考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 その点はわかりましたから、それでは大臣に私政府の方針を明らかにして行きたいと思いますから、最初の資料だけでも出して頂きたい。  それからその次に二番目の数量が非常にお困りのようですから、今操業度が下つておる工場、それをフルに操業した場合、その場合に甘藷の値段が例えばどれくらいであれば一応採算点に達するのか、そういうような点は出ませんか。

井上猛通商産業省通商化学局アルコール第二課長

○説明員(井上猛君) 採算点の引き方でございますが、これは専売制度を布いておりますので、採算の合わないような価格ではないのでございますが、現在の価格を基準にして、そういつたものが操業度をフルに動かした場合に、どのくらいコストが下がるかという資料は出るわけでございますが、採算を仮定しますというと、ちよつといもの原価まで計算することはむずかしいと思いますので、コストがどのくらい下がるということは一応過去の資料に基いて計算が出て来るのですが、それでよろしければ計算いたします。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうしますと、この問題は近い機会に一遍只今の資料をもらいまして、これは一つ通産大臣と農林大臣と両方出席を求めて、そうしてもう少し両方の調子を合せながら対策を立てたいと思いますから……。

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) ちよつと井上課長にお願いいたしますが、民間の六会社、九工場の会社別、工場別の生産数量というものがわかりますか。

井上猛通商産業省通商化学局アルコール第二課長

○説明員(井上猛君) 手許にはちよつと二十六年度の実績は持つて来ておりませんが、時間の余裕を頂ければすぐ作ります。

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) その点は栗山さんの資料と一つ一緒にお出し願えますというと、大体全国どのくらいの割に甘藷を使つておるかということがわかりますから、それをお願いいたします。  では、只今の栗山委員の御提案に対して御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹中七郎民主クラブ

○委員長(竹中七郎君) 御異議ないと認めましてさようにいたします。次回乃至その次にやるということに決定いたします。  次にちよつとお諮りいたしますが、五月十五日でございますが、午後一時から航空機製造法案、ドイツ人工業所有権特別措置令の一部を改正する法律案、これを二つやりたいと思います。提案理由の説明を聞くということにいたし、散会後競輪の小委員会を開いて頂くと、こういうことでよろしうございますか。御異議ありませんね。ではさよう取計らいます  では、これにて散会いたします。    午後三時五十四分散会

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