通商産業委員会 第14号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/02/29
会議録
○委員長(竹中七郎君) 只今より通産委員会を開きます。 お諮りいたします。石油及び天然ガス採取の実地視察については、機業地の視察と同様に過般の委員会において御了承を得てありましたが、都合によつて延期いたしておりますので、改めて二月中旬に実施いたしたいと存じます。視察地は秋田県及び新潟県の油田地帶、期日は五日程度、派遣委員は結城、中川、栗山の三君を煩わしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹中七郎君) 御異議ないものと認めます。さよう決定いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(竹中七郎君) 次に企業合理化促進法案を議題といたします。本案の審議に入るに際しまして、本日午前十一時より委員長、理事及び各派代表の打合せ懇談会の結果について御報告をし、各位の御了解を得ておきたいと存じます。打合せ懇談会では本法案の今後における取扱方について御協議を願つた次第でありましたが、私から当委員会における法案審議の経過並びに愼重審議の経緯等についてお話申上げ、又今後の審議日程等について意見を交換いたしました結果、次のような話合がきまりました。三月一、二、三の三日間は資料の再検討その他のために委員会は開かぬこと、三月四日火曜日、五日水曜日、通産大臣及び大蔵大臣等の出席を求めて質疑を行うこと、三月六日木曜日、残りの質疑を続行し、次いで委員会における討論採決を行い、翌三月七日金曜の本会議に法案を上程すること、以上の通りでございます。委員長といたしましては、右の線に滑つて議事を進めて参りたいと存じますので、委員各位のより一層の御協力を賜わるようお願いいたします。右御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹中七郎君) さように取計らいます。御質疑をお願いいたします。
○古池信三君 ちよつとお尋ねしたいのですが、この前最初に企業合理化促進法案のうちに取上げてもらいたいという意見が紙パルプ事業について出たように思つておりますが、現在考えておられる政令案の中に特別償却の適用を受けるべき設備として入つておりませんのは、どういう理由によるものでしようか、ちよつと伺いたいと思います。
○政府委員(石原武夫君) お答えいたします。紙パルプにつきましては、お話のように、業界からも促進法の第六條の指定業種の中に入れてくれという要望はございました。通産省といたしましてもいろいろ各業種を検討いたします際に、パルプのうち晒し高アルフアのパルプでございますか、最近生産工場の新設等を考えております。晒し高アルフアのパルプというようなものは、国家的見地から考えても是非この際助長すべきだということで、紙パルプのうちで、さような今申しましたような特殊なものだけについて是非一つこれの指定対象にいたしたいと考えておつたわけでありますが、これは大蔵省ともお打合せをいたしました結果、さようなものについては現行の法人税法及び所得税法、法人税法で申しますれば六條に重要物産として二カ年の收益免税の規定がございますが、その中に追加をして頂くということで大体御了承を得ましたので、こちらからは落して、そちらでさようなものについては收益免税のほうの規定に追加をして行くということにいたしたわけでございます。
○古池信三君 只今の点を大蔵省の政府委員からもう少し詳しく御説明願いたいと思うのですが。
○政府委員(泉美之松君) 要旨は先ほど企業局長からお話し申上げました通りでございます。パルプ事業が平和産業としまして日本の産業界において占めております他位につきましては、私ども十分その重要性を認識しておるのでございます。従いましてパルプ事業の合理化ということも又当然必要であると考えられるわけでございまして現在すでに租税特別措置法におきましてかなりの機械を指定いたしまして、取得後三年間、五割増の償却を認めて来ておるのでございます。それではパルプ事業というものをこの企業合理化促進法の第六條の規定による事業の中に加えるかどうかという点につきまして、いろいろ検討いたしましたのでありますが、先ほど企業局長からお話もありましたように、高アルフアのパルプを作る設備、こういつたものでありますならば、それを企業合理化促進法によつて特別償却を認めるというよりも、そういつたパルプは我が国におきまして初めてできるものでありますし、又竹パルプにいたしましても、新らしい製法による新種の製品になるのでございます。で、そういつた点を考えますと、従来の考え方からいたしますれば、それは法人税法及び所得税法によりまする重要物産の免税措置で処理するのが適当な行き方ではないかというふうに考えられるのでありまして、勿論重要物産の免税を適用すると同時に、企業合理化促進法の適用をするということも法律上はできないことはないと考えるのでございますけれども、重要物産といたしまして三年間の免税をいたしますれば、取得の年、初年度に五割の償却を認めるということは経済的に見て妙なことになりますので、むしろ企業合理化促進法の適用は認めないで、重要物産の免税で処理して行くべきである。かように考えましてパルプ事業は指定事業から落しておるような次第でございます。
○古池信三君 重要物産としてのお取扱いはともかくとしまして、その設備ということに主眼を置いた設備近代化のこの促進法案の趣旨から言いますと、少し趣旨が違うのではありませんか。これについて大蔵省の御見解を承わりたいのです。
○政府委員(泉美之松君) 勿論パルプ事業につきまして、現在租税特別措置法におきまして指定をいたしておりまする機械は、調木の設備であるとか、蒸解設備、スクリーン設備そのほか各種のものが指定になつておりますので、その全部の設備が、先ほど申上げましたような高アルフアのパルプ或いは竹パルプ等に使われるというばかりでもない点があるのでございますが、今回の重要産業として合理化促進法の六條の指定をいたしまする業種の選定に当りましては、その全部とは言いませんが、その機械設備等の大部分が重要物産のほうの関係で処理して行くべきものにつきましては、これを落すということにいたしたのでございまして、化学肥料の点なんかも、そういう関係で現在重要物産として免税の処理をいたしております。そういう関係で業種として落す。紙パルプ事業につきましても、今申上げましたような意味で落したのであります。厳密に申上げますと、そこに若干の食い違いがあることは認めるのでございますが、余り一事業にのみ広汎に特権を與えるというのも如何かと考えまして、そのように処理しておる次第でございます。
○結城安次君 発案者にちよつとお伺いするのでありまするが、この企業合理化促進法は機械の近代化が主たる目的ですか、或いは又海外において日本の製品を売る、つまり海外でコンピートするために値段を安くするということですか、どちらが主たる目的ですか。
○衆議院議員(中村純一君) どちらが主たる目的かというお尋ねでございますが、これは独立後の日本の経済の自立を名実共に確立いたしますために、国内的には広く国民経済なり、国民生活の向上の上に役立つような産業、又そのための必要なる機械、又対外的には我が国の輸出産業の振興のために役立つ産業機械、こういう狙いで以て考えておる次第であります。
○結城安次君 そうすると、物資、資材の不足な日本が外国と競争するという場合には、原材料を主としたるもののような製品では競争はできないことは当り前と思うが、どうしてもつまり日本には労働力がたくさんある、資材が少く加工の多い、つまり人手のたくさんかかつたというものでなければならんと思うのですが、その場合に今度の法律の目的とした鉄、石炭のごときは、海外に出すものとしては人手は一番要らない、いわば原料を輸出するということになると私は思う、日本が今後立つというのには、どうしても細かい手の込んだものというものが主たる目的にならなければならない、そのときに一例を自転車にとりますると、イギリスの自転車と日本の自転車と競争するという場合に、自転車に用いる資材はコムと鋼材であります。鋼材の価格がイギリスと日本とどれくらい違うかという場合に、余ほど前ですが、大体トンで三万円くらい違うだろう。そうすると、自転車に使う鋼材は大体十五キロ、価格にして四百五十円、英貨に直すと六シルリング、然るにボンベイ或いはカルカツタとか、何かに行けば、日本の自転車とロンドンの自転車とは一ポンドも一ポンド半も、甚だしきは二ポンド半も違うというのが、私はどうしても了解できなかつたから業界の人に聞いた。一体ゴムはイギリスも日本もイコールで入るはずである。それからタイヤの値段というものはそう変らんと思うが、鋼材は確かにおのおのの産地において相当の価格がある。併しその価格を聞けば一台四百五十円くらいの相場である。それがどうしてそう何千円と差が出るか、むしろ四百五十円という材料費の高いのは日本の努力でカバーして、高い材料だけれども、でき上つたものは安いという結果にならなければならないはずだと思うがどうだと聞いて見ると、自転車を組立てるまでには幾十の小さな工場の手を経て来るんだ、いわゆるアツセンブルというのが自転車工業の特色だ、その一つ一つが非常に高くなる、一つで一円ずつ高くなれば、五十ならば五十円高くなるので、そのほうが高いために我々は非常に努力するが、どうも高くなつて困るという話を昨年伺つたことがあるんですが、若し合理化して本当に競争するというならば、そういうところからよくして行つて、それを合理化して安くする。この頃問題になつておりますが、自動車の部品、これはトヨダ、日産、いすずいう大きなものが三社でやつておりまするが、その下請は四百幾十あると聞いております。四百幾十の下請から来たものを三大メーカーがいわゆる寄せて組立てるというので、その小さな四百幾十のものが安くなければ、何ぼ自動車工場を機械化しても安くはならん。それが私が先ほど機械化が目的ですか、値段が目的ですかというので、我々は生活向上のためには安くしなければならん。安くしなければ又外国と競争できないというときに、この政令をこれに適用するということを伺いますと、鉄と石炭で殆んど大部分を持つてしまう。二十数種の産業種を示されましたが、二十種或いは二十一種で一割か一割五分しかない。総額の八割五分は三、四種で持つて行つてしまう。これで本当に第一條の目的が達せられるか達せられないかは判明しないんですが、決してこの問題が惡いとは言わない。どれでも助けてよくすることは結構だが、この間から申上げておりまする通り、これは大企業偏重じやないか、昨日、一昨日かの例で見ましても、むしろこういう製鉄会社四つか五つ、これらは役所で手を付けなくても自分でちやんとやる、何かの場合には自立する力を持つております。力を持つていない中小企業、明日にも潰れるかという、こういう手合いをこの際なぜこの企業合理化のときに織込んで救済することを考えないのか、この点に関して提案者のお考えを伺いたい。
○衆議院議員(中村純一君) 鉄、石炭のお話がございましたが、只今御例示になりましたような、自転車工業といつたような二次、三次の製品工業の面も、できるだけこれは考えて行かなければならないのでありますが、この鉄、石炭は成るほど加工部面は少いかも知れませんけれど、あらゆる産業の基礎になる産業でありまするので、この面は合理化され、よい製品が安く供給せられるということになりますれば、二次産業、三次産業に延いて極めて良好なる影響を及ぼすものと考えられまするので、鉄、石炭につきましては、これは單にその影響は鉄、石炭それ自体にとどまるものではないと考えておる次第なのでございます。而してその他の産業につきましても、これはできるだけ広い範囲において取上げて行きたいことはやまやまでございまするが、いろいろと予算その他の面もありまして、今日の場合はこの程度のところで一応まとめて行くよりほかないんではないかと考えるのでございます。而して今一つこの法律案の考え方の基礎につきまして、別の面から申上げまするならば、この法律案で以て企業の合理化の全部の方法を盡しておるとは毛頭私どもは考えておらない。御例示になりましたような自転車の工業にいたしましても、その他の中小工業にいたしましても、その設備の面、機械の面等において合理化を要する点もありまするが、そのほかに経営の方法或いは金融、融資の面等、この法律案において考えておりまする機械設備の面以外の面においてやらなければならない合理化の方法というものがたくさんある、必要な方法があると思うのでございまして、それはそれとして、私ども毛頭それをネグレクトしておるのではないのでありまして、この法律案の考えておりまする分野以外の面において、大小の企業を通じて合理化をやつて行かなければならないことは重々私どもも御同様に考えておるのでございまして、それらの点につきましては、特に中小企業等の面につきまして、幸いここに通産大臣もおいでになつておりまするから、私よりも大臣のほうから何か御必要であればお話があることと思うのでございまするが、私といたしましては、法律案に関連する限度において私どもの考え方を申上げれば以上のような通りでございます。
○結城安次君 只今の提案者の御説明は一応わかりますが、私の言うのは、これも惡いことはないんだと、併しこれはいわば大企業者は自力でも、或いは場合によつては自分のいろいろの各方面の力を以て正規に懇請しても助かり得る方法はあり得るんだと、そういう手段、方法のない中小企業をなぜ先にせんのか、どちらも日本の産業として大中小すベてを救済することは、又せなければならんことは当然ですけれども、大企業をなぜ先にするのか、それについて私は伺つたので、いわば例をとると、これから上野へ子供が花見に行く、金持の子供だけ自動車で先に行つてしまつて、貧乏人の子供は電車で来いというようなものではないか。金持の子なら自分で、場合によつては親のお金で乗つても行けるが、先ずそういうものを利用できないものから先に助けてやつたらどうか、こういうことは今の日本の社会情勢では本末を顛倒しておりはせんか。殊にこれに対しては鉄、石炭ということが如何にも日本の再軍備の前提だ、私はこれは決してそう思つておりません。鉄、石炭が基礎産業だということは当然なんであり、これをやるのはもう当り前なんだが、如何にも再軍備の前提問題だというようなことまで言われる誹りを受けながら、なぜこればかつり先にするのか、一緒に中小企業も助かる方法は立てられんのか、殊にあれだけの品目を並べながら税金では十五億或いは十九億とか、いろいろの額に話はあるようですけれども、額できめてしまつて、そうして順序をきめて大きい所から持つて行くというのは、今の社会情勢からどうだろうか、これはどうも私はそういうことについてもう少し進んで我々は 〔委員長退席、理事古池信三君委員長席に着く〕 中小企業というところに思いをいたして、これを進めて行きたい。又救済する方法があるならば並行的に行つて見たいというのが私の希望です。この際幸い通産大臣も見えておりますから、中小企業の実態は殆んど通産省にまとまつておるでしようからつ、これに対してお考えもあり、研究もできておることでしよう。できるだけ詳しく一つ、どうするのだと、その大臣のお話によつて又我々の考えが、それまで考えるならばそれを寄せて、大体これはいいじやないかというような結論も出るのじやないかと思いますが、これは詳しく。又私は決して大臣が言つたことは必ず実行できるのだと思つておりません。相当財政的にも各界の意見もまだ強いものもあるようですから、併し通産省としてここまで考えておる、それでそこらの程度までは実現する可能性があるのだということをお聞かせ願うと、委員のかたがたの考えも又進歩するのじやないかと思いますので、この点腹蔵なく、決してあのときはああいうことを言つたからというようなことを申しませんから、或る程度詳しく御説明をお願いいたします。
○国務大臣(高橋龍太郎君) 今の結城さんの中小企業の合理化ということをむしろ先にやるべきやじないか、非常に大事じやないかという御意見、私至極同感です。この中小企業の救済、合理化などを含めた救済という問題は、終始通産省で苦心しておる点でありますが、この抜本的の、こうすれば解決するというような問題でないのでして、時々実情に照して政策を改善して行くという方向に出なければいけないので、仮に協同組合法にいたしましても、或いは金融の面にいたしましても、本国会にもいろいろな方面で御協賛を得るべく今準備をいたしております。金融面でもこの二、三カ月のうちに相当に中小企業金融のほうへ金が廻つて来ることに内々話を進めております。今通産省で取上げて問題にしておりまする詳細な点は、ちよつと私甚だそういうことに苦手で、後ほど長官を呼びますから、長官に一つ説明をさしたいと存じますが、ただ通産省が決してこれを放置しておるわけでなくて、大企業以上に小企業の問題は苦心をしておる次第であります。むしろ中小企業の方面を先にすべきじやないか、これと本末を誤まつておるのでないかというよう液御発言がありましたが、それも御尤もだと思うのですが、中小企業のほうは間に合わなかつたわけで、どうか一つ惡しからず……。この合理化法案のほうは議員提出でありますが、私は非常に賛成をしておりますので、大企業者は自力でできるのぢやないかといようなお言葉もありましたが、やはり大企業といえども、合理化で設備を新らしくするとかいうような場合には、少くとも現在の税制では幾らか税金のほうで助けて行くということが適当であろうかと、私考えるのであります。
○結城安次君 私のお伺いしたのは、ちよつと大臣のおつしやつたのとは意味が違います。つまり資金なんかのことでも、法律に書かなくても、或いは税金のことにしても、法律に書かなくても、なかなか大きなところは自分自身で役所に談判するなり、税務署に話をするなり、それぞれの途を立て得る力を持つているのですが、小さい人はそれがないのだから、むしろそのほうから途を開いてやつて行くべきである。殊に鉄のごときは、もう通産省は製鉄所の出張所とまでこれは世の中では言う人があるのです。又現に製鉄所の相当の幹部が、鉄のほうはああさせるとか、こうさせるということを私は聞いたことがあります。現にそういうところが一番大きな恩典にあずかつて、ほかの細かい手合いがどうも及ばんのは、今我々の立場じやどうであろうか、これは衆議院では全会一致で通つたそうでありますが、余り衆議院の人たちは、大物ばかりを考えて大多数の日本人の小物を考えないのじやないかということを、私は中村君に伺いたいくらいです。これをこの際完璧にするために我々は補足して、つまり食つつけて、本当のものを出す場合には企業合理化法案はこうだ、同時に中小企業はこういうふうな方法をとるのだというようなことを示して出して行つたら非常に完璧になるのじやないか、議員立法を効果あらしめるために、こう考えるのであります。
○国務大臣(高橋龍太郎君) ちよつとこの今のお説は私全面的に御尤もだと思うのですが、この法規の中に中小企業の合理化とか、何とかいうことを含むのは少し性質が違うかと私存ずるのであります。中小企業の問題は私のほうで早速調査をいたし、立案をいたしまして、御審議を受けることにいたしますが、そのほうは暫らく……。あなたの御意見の、順序が違つておるのではないかというような点も御尤もだと思いますが、先ずその点を一つ……。
○結城安次君 私はこの中に中小企業を一つ緒に同時に食つつけて行けというのじやないのですからつ、この点はどうぞ誤解なく。まあこれでちよつと私はやめておきます。
○衆議院議員(中村純一君) 只今結城委員から、何か製鉄の連中からやらせろとか、何とかいうことで始まつたというお言葉がありましたが、実はこれは私ども一年前からいろいろ研究をいたしておりまして、たまたま軍備とか、何とかいう問題の時期にぶつかつたわけなんでございますが、考え方といたしましては、この法律といたしましては、先ほど申上げましたように、企業の合理化ということから考えますと、いろいろなやらなければならん方法があるのでありまするが、この法律といたしましては、主として機械設備、技術という面において、その面からの合理化の促進の方法を考えて立案をいたしたわけでありまして、法律の建前といたしましては、決して中小企業を除いた建前ではないのでございますが、事実問題といたしまして、やはり鉄とか、石炭とかいうような基礎産業に多くの予算的な面がとられて行つておるという形になつておることは、もうこれは御指摘の通りであります。ただ私どもの建前といたしましては、決して中小企業を除外した考え方で考えたのではないという点だけを御了承置き願いたいと思います。
○結城安次君 只今私の言葉が或いはそうとれたとすれば、私の言い違いで取消し、訂正したいと思います。私の申上げたのは、只今これはもう三年前、二年前ですか、或ることを役所にしてもらうのに、或る製鉄会社の幹部がこういうふうに通産省をさせることにしたということを私は聞いておる。それですから、それほど強い製鉄会社なんだから、それらの人は自分でもやれるのだ、むしろ細かいとこるをやつたらどうかというので、決して今度の法案が製鉄業者から頼まれてやつたとか、そういうことにとれたとすれば、これは私の言い違いですから取消します。
○国務大臣(高橋龍太郎君) 結城さんに一言附加えたいと思いますが、先刻の御質問の中小企業の合理化でございますね。合理化と言いますか、そういうこと、細かな点は長官よりいずれ又御答弁さずと申しましたが、今通産省で中小企業の合理化について取上げておる問題は、今金融措置だとか、組合法の改正だとかいうこと以外に、今取上げておりますのは、この賠償指定工場に工作機械が相当あるのです。私のほうの所管でありません。私のほうの所管になつておるのは、今のうち一万九千か何か残つておるのですが、大部分大蔵省の所管ですが、点数は二十万点くらいのことになつておるのですが、実際使えますのは半分くらいだろうかと思います。その大部分は工作機械でありますから、中小企業が使える機械は相当多数あるはずなんです。そういうものを成るべく早い機会に中小企業に、特別に中小企業を中心として拂下げる、私今通産省で考えておりますのは、むしろ拂下げるというよりも、無償というわけにも行かんでしようが、中小企業が今使つておる古い機械と交換をするというくらいな考えで、主として中小企業へそれを廻すというようなことを考えておるのですが、ただ価格が無償或いは無償に近い、中小企業の今老朽化しておる機械と交換して、こちらへ向けておつた機械はスクラツプにするよりしようがないのですが、そういう條件につきましては、他省との関係もありますから、まだ結論を得ていないのですが、これは相当、実現しますれば、中小企業の改善には役に立つかと考えております。
○理事(古池信三君) よろしうございますか。ほかに御発言ありませんか。
○栗山良夫君 時間はどういう工合ですか。
○理事(古池信三君) 実は本日、ポンド対策についてこのあとやりたいと考えております。政府側からは木内外国為替管理委員会委員長も御出席になつておるわけでありますから、できればこの辺で企業合理化促進法案の審議は一応本日は打切つて、ポンド対策に移つたらどうかと考えますが、如何でございましよう。
○栗山良夫君 それで結構だと思いますが、甚だ失礼な言い分ですけれども、通商産業大臣の只今の御発言等を承わつておりますと、私どもとしてはもう少し突つ込んで質疑をいたさないと、どうも自信が持てない点があろうかと思うのです。これは私来週改めて篤とお伺いしたいのですけれども、その前に二、三の点について抽象的ではありますが、考え方について御所見をお尋ねしたいと思います。一つは、中小企業の問題その他いろいろな問題について結城委員の質問に対しましても、大体賛成の意を表されておるわけです。併し実は昨年の春に産業近代化法というものの構想を述べられたのは、当時前大臣或いは政務次官等がここで述べられたのでありますが、なぜそういうふうに述べられなければならなくなつたかと申しますと、当時コンマーシヤル・べースにおける国際価格への調整の問題がここで非常に議論になつたことがある。そのときに政府のほうはいろいろと答弁をしておられましたけれども、最後には、要するに産業を近代化して、そうして生産効率を高めることによつて材量高等を相殺をして、そうして国際価格へ鞘寄せをするのである。こういう構想を述べられたわけです。それでそのときの産業近代化なるものの構想は、私ども当時完全に了承しておつたのです。こういう法案で出すと……。その内容というのは、一口に申しますと、日本の企業については大企業、中小企業に区別することなく、アメリカの優秀な機械等を政府が買取りまして、そうしてこれを実費で提供するか、或いは貸付けるか、そういうことをやつてでも行いたいという強い方針が述べられたのです。これは速記に残つておりますから、御覧頂ければわかると思います。ところがそういうふうに期待しておりましたところ、こういうような工合に全く形の変つた法案が出て来た。その内容については、当時通商産業省と大蔵省との間において意見の若干相違が出て、そうして而も大蔵省側の強い意見によつてこういうような形になつたということも私どもは聞いておるわけであります。そこで私今から思いますると、昨年の春の国会において、もう少しはつきりと私どもが伺つておかなかつた点に非常な手落ちがあつたのじやないかということを今にして考えるわけです。そこでこの委員会で今まで問題になりましたこと、或いは又来週いろいろお尋ねすること等でありますが、そういうものについて完全に意見の一致しましたようなことについては、大臣が善処を約束されるだけでなくて、内閣として閣議決定を行なつて頂いて、そうしてその決定に基いて我々が将来に対して希望を繋いで行く、こういうような工合にいたさないと、どうも私は通商産業大臣を御信用申上げないというわけではありません。ありませんけれども、今までの法案の経過から見まして、そこまでいたさないとどうも自信がない。従つてそういうような御用意を大臣はお持ちになつておるかどうか、この点を伺いたい。
○国務大臣(高橋龍太郎君) 今のお尋ねの、前の国会で云々という何は、私ども就任前であつたと思いますが、今私が御披露いたしました工作機械を中小企業の企業改善に使うことが、使用するという実行が遅れておりますのは、通産省の怠慢でなくて、昨年の何月から、そういうものの移動を一切差止められておるのです。それで今日に至つておるわけです。それで遅れましたので、それさえ解決しますれば私断じてそれを実行に移しますから、どうかそれで御了承願いたい。
○栗山良夫君 私の申上げましたことは、そのことも一つのことなんですけれども、ほかにもまた同じような問題があるわけなんです。そういうものを引つくるめてこの国会の意思に副うように、実際に能率をあげたものについてはもう少し権威ある処置をとつて、そうして御答弁を願えるかどうか、こういうことを申上げておるわけなんです。
○国務大臣(高橋龍太郎君) まあ前の大臣のときのいきさつは私よく存じませんので、閣議決定までしないというと大臣は信用ができないのだということになると、私も面目上やり切れんから、この辺で一つ御了承を願いたいと、栗山君に一つお願い申上げます。
○栗山良夫君 内閣は変つてしまうと全部方針が変るのか、それはまあちよつと別の問題でありますけれども、僕は大臣を御信用申上げないというわけではないのです。併し少くとも大きな政策というものは、これは大臣だけの御所信では私は運ばないことだろうと思います。特に今日の状態を考えればおわかりでありましようけれども、すべての問題が通商産業省の所管の事項でも、関係各省の意向が非常に強く反映して来て、或いは伸びたり縮んだりしていることは、あなたの御承知の通りであります。それだから少くとも国会においてこの法律案を審議し、そうしてそれが幾らかでもよくなるようにするためには、内閣としてそういうような閣議の決定をされ、そうして内閣で決定されたものは通商産業大臣として自信を以てお考えを願うようにできないかということを申上げているわけですが……。これは前にそういう前例がないわけではないんでしよう。これは何の問題でしたか、鉱害の措置の問題のときは法律案をとにかく審議し、それに賛成する前提として、閣議を開かれて、その閣議の決定を御報告になつて、そうして当時の民主党の西田君がその意見を諒とせられて、そうして我々も賛成して可決したこともあるわけです。決して高橋大臣に対して御無理を私は申上げていると、こう自分は考えないわけです。
○国務大臣(高橋龍太郎君) ちよつと私つまらん面目を、私の面目を云々する必要はないのですが、ちよつとそこまでの態度は私今とりかねます。
○理事(古池信三君) ちよつと栗山委員に私から御相談申上げるのですが、この問題につきましては大臣のほうにももう少しお考え願つておくことにして、いずれ来週更に本案については審議を重ねるのでありますから、そのときまで持越すということにしたら如何ぐしようか。
○栗山良夫君 これはまだ細部の点について考えておりませんので、抽象的にそういうことをお尋ねして、そうして大臣のその所信を伺うということは或いは無理かも知れんと思うのです。無理かも知れんと思いますけれども、少くともこの法案に花を咲かせるために是非とも必要である。そういうような委員各位の御賛成を得るような事項が出て来た場合はそれはやはり善処を願わなければならんと思うのですが、そのところを大臣に余り固くおなりにならないでちよつと考えて頂きたいのですが。
○理事(古池信三君) その点を私只今申上げましたのですが、もう少し問題を具体化した上で、それについて更に大臣にお考え願うなら願うというふうに持つて行つたら如何でしよう。余り抽象的といいますか非常に原則論的な御質問になつたものですから、大臣としても御答弁しにくいんだろうと思うのです。従つてもう少し具体化した問題について更に来週そういうことをお尋ねになるようなふうにしたら如何でしようか。
○国務大臣(高橋龍太郎君) そういうふうに私からもお願いいたします。
○栗山良夫君 それじや大体了承しました。了承しましたが、それでは来週お尋ねする点等はあらかじめ昨日でありましたかお願いしておきましたけれども、特にこの中小企業対策については具体的な一つ構想を只今お述べになりましたけれども、その程度でなくてもう少し突込んだ御対策を是非とも一つお述べを頂きたいと思うのです。例えば先ほど中村君がおつしやつた中小企業を除いたわけじやないのだけれども、作つたところは大企業中心になつてしまつたというこういうわけでありますけれども、これじや僕は今まで論議をして参りました原則論当時の御発言と大分違うので、どうしてもこれは私は承服できないと思うのです。それで特に計数がなかなか頂けなかつたのでありますが、それでもまあだんだんと日のたつに従つて細かい計数的なものを頂いたわけでありますけれども、昨日も実は驚いたのでありますが、この減税になる額のそのうちの五〇%が製鉄業である、それから石炭業が二二・七%でありまして、両方で約七二%というのが製鉄と石炭で占められておる。これは一口に申上げますならばこの法案は優秀な製鉄、石炭鉱業に対する減税法律案、一口に申上げればそういうことになります。従つて僕は大企業よりも、大企業の中でももう適用されるものはそういうふうにきまつてしまつておる。従つて通産省が考えておられる、或いは大蔵省が考えておられるところの産業政策というものは一体どういうところにあるのかということをもう少しつつ込んでお聞きしなきやならん。それから特にこの指定事業者名がたくさんありますけれども、こういうものが表になつたのが、それじやどういう一つの基本的な考え方の下にこれが選ばれたのか、その点も極めて漠としたものだ。従いまして先ほど中小企業ということは除いたわけではないけれども入らなかつた、そうして中小企業のことは大いに考えているとおつしやつたりでありますけれども、恐らく企業の一つの指導をしますのには同じような比率で各産業が伸びて行くように指導するのが私は建前でなければならんと思うのでありますが、そのときに中小企業のほうの対策、或はに大企業でも業績のあまりかんばしくないような企業がそのままにせられまして、そうして一部の優秀な企業だけが国の保護を受けてよくなるということは、逆に申しますならば中小企業のこれは圧迫になる、大企業の業績の惡い企業に対する圧迫になる、中小企業の振興を口にしながら実際の現れている面は中小企業の圧迫になるということでは私どもどうしてもこれは承服いたしかねるわけです。従つてそういうような点を私はもう少し詳しくお聞きしたいと思いますからどうか一つさような意味合いで来週御所信を承るようにいたしたいと考えます。 ―――――――――――――
○理事(古池信三君) それでは次にポンド対策について討議をいたしたいと存じます。 先ずこの対策につきましては去る十八日一応の措置がとられたのでありまするが、是非の論が激しいことは御承知の通りでありまして、本問題に関しまして加藤、中川両委員から質疑の通告もありまするので本日はこれをお許しいたしたいと思います。
○加藤正人君 今日は大蔵大臣が見えるというお話でありましたが、私は大蔵大臣に質疑する点が多いのでございますけれども。高橋通産大臣のお考えになつている考え方と、我々の考え方は大体において似通つているという点で、通産大臣に対する質問は割合に少いのであります。 〔理事古池信三君退席、理事結城安次君委員長席に着く〕 併しながら、私は二、三簡単な質疑を試みる前に、この問題について感じた点を率直に申上げますと、このポンド過剰対策の措置というものが、甚だ勿卒の間に忽然と発表されました。輸出に関する業者は非常なシヨツクを受け、勢い海外に対する影響は甚だよくなかつた。なおこれがために輸出商談が停頓しているというような不幸なことがあつたのであります。これは誠に私は政府の処置がその当を得なかつたと遺憾に考える次第であります。少くもさような大変革を行うに際しましては、業者に一応の意思を明らかにして、そして公聴会ぐらいは聞くべきでなかつたかと思うのであります。併しながら政府、と申しましてもだんだん模様を聞いてみますと、大蔵、通産、外為というようにそれぞれの部門における意見が必ずしも一致しなかつたということも聞かされました。かような困難な問題でありますから、この業界に與える影響が深刻であります。でありますから、只今申上げましたように、突然かような措置が表明されたということは非常な損害を国に與えているということは否めないのでありまして甚だこれは私は民主的でないと考え、かような措置は今後とつて頂かんようにして頂きたいと、こう思うのであります。幸いにして最近関係当局の間に大体の意見の一致を見たのであります。併しながらこれを以て我々は決して甘んずるわけではない、なお研究すべ点が残つていると思うのでありますが、ここでは私はさような用意もなくただ簡單に二三の点を申上げるのでありますが、このポンド過剰対策が突如として行われたその真因は、その動機となつたものは英国のポンド切下げというものに対する措置として行わざるを得なかつたということについて大蔵当局に一、二質したのでありますが、決してそうでなかつたというのであります。それが果してそうであるかどうか木内さんのお考えをちよつとお洩らし願いたいと思います。
○中川以良君 議事進行について。私も今の加藤委員と全く同意見でございまするが、御質問に対してお答えを頂く前に、まだ本委員会では今までの経過等について何ら御説明がないのであります。そこでこのポンド対策問題は大きな問題になつて、殊に本委員会は非常に関心を持つておりますので、先ず以て今までの大蔵当局その他との折衝の経過について最初に御説明を承わりたいと思います。
○理事(結城安次君) 皆さんにお諮りいたしますが、只今木内委員長から御答弁を頂こうかと思つておつたのですが、中川委員からお聞きのような動議が出ておりますが、これを先にしてよろしうございますか。
○加藤正人君 よろしうございます。
○中川以良君 何か資料がありましたらその資料も御提供頂きたい。資料も私申入れてあるはずでありますから。
○政府委員(木内信胤君) 私は最高責任者でありませんが、私の知つております範囲を申上げてもよろしうございます。
○理事(結城安次君) 木内委員長から経過を御承知の限りにおいて伺つたら。
○政府委員(木内信胤君) 今度の措置に至ります経過でありますが、申すまでもなくこれは先ほど加藤委員からの御質問、切下げに対する懸念から来ているのか、それは追つてお答えいたしますが、ポンド過剰問題というものは切下げ問題を含んだ一つの問題であります。この問題が登場いたしましたのは、もとより御承知の通り昨年の八月三十一日に新しい支拂協定をサインしてその協定に従来ありましたドル・クローズなるものを落したということに端を発しているわけでございます。今日見ますごとき過剰蓄積とみなすべき事態になりはしないかということは、あの協定をいたします審議のうち、もつと正確に申しますればあの審議に入ります前にも非常に心配したのでありますが、いろいろの事情に基きまして当時はこれほど早くこういうふうに大きくこの結果が現われようとは思われなかつた。あの協定は御承知の通り一年の協定であります。今年の八月三十一日を以て失効いたしますが、先ず一年くらいは理論的に懸念される今日のごとき事態は大して起らないのではないか、先方もいろいろ協力を約束していることでもあるし、先ず大丈夫ではないかと思つてサインしたのでありますが、その心配というものは協定に入る前から心配したので、実ほどういう協定を結ぼうか、先方の態度は大よそわかつていたのですが、即ちドル・クローズの撤回ということを主張されるであろうということはわかつておりましたが、それに対してどういう肚で進むべきか非常に苦慮しました。先方の代表が来ましてからまだ審議に入るまでに一月以上も待たしたというような状態で、審議は三カ月もかかつた。というのは主としてこの問題一点に、その心配を如何にして未然に防ぐかという点にあつた。ところが当時は今申しました通り一年くらいは大したことはないのじやないかという甘い希望を持つた。その希望を持ちました理由は、今日のごとくポンドが世界的に公認されたような打歩を持つ、各国からスターリング、エリアに非常に入超になるという事態は当初はなかつた。あとになつて知つたことでありますが、七月から逆転した。一昨年はイギリスは非常にドルの蓄積を殖やした時代でありまして、それが逆転したのは七月から逆転した。協定をやつておりました当時はよく知つておりませんでした。それらのような状況もありまして今申した甘い希望を持つたのでありますが、然るに協定をしてしまいました八月の末、九月一ぱいは大体において余り変つたことはなかつたのです。十月から俄然輸出は厖大になりました。十月乃至十二月にポンド蓄積が殖えること三千五百万、九月の末がたしか四千万と思いますから七千五百万になつたのです。それで越年したわけですが、爾来今日まで依然として殖える態勢が続くであろうということは、信用状の到着と信用状の発行を見れば大体予想がつくわけです。まだまだ殖える、現在九千万になりました。従いまして年末以来更に一千五百万を追加したわけです。ところが現在は輸入の最盛期でありまして元来バランスが減らなければならない。英国政府に十月初めにこちらが、協定の中に約束したことに従いまして、大体どのくらいのポンドを持つても日本は先ず不服はない、差支えはないと考えるかという大体の日本が持つてもいいと考えるポンドを通告することになつておりますが、その通告は輸入の最盛期に入る直前において七千万、輸入最盛期を終つてしまつたら三千万くらいに落ちるのが当り前だ。協定の当時は千七百万ポンドというものがドル・クロースが存在した時代にドルに転換を要求しない。即ちそのくらいなポンドは常に抱えていいと考えていた、当時考えられていた額が一千七百万でありますが、それを大分殖やして三千万くらいは我慢する、そのくらいに落ちるのが当り前だということを申したのであります。現在は、年末が七千五百万、すでに落ちかけにならなければならん。輸入最盛期でありながら増加を重ねてすでに九千万。先ずこうなるであろうと考えられる、合理的と思われる予想によりますと、この年度末には一億ポンドにも達するという状況であります。このように当時まさかこういうふうに急には来ないだろうと思つたことが遺憾ながら予測に反しまして甚だしく強く現われたということがこの問題を取上げるに至つたゆえんであります。それで当初においては輸出が殖えることはそれは歓迎すべきことだ、その分輸入が殖えればいいのだということで、大体輸入を促進できればいいのではないかと考えられた。私は旅行しておりませんでしたが、昨年の秋は大体そういう考えが支配的な考えであつたと思います。ところがつらつら考えてみますと輸入というものはできないわけがある。それはポンド地域に買うべき買物も少いのでありますが、同時に値段が高いという事実がありまして値段の高い物を無理に輸入させればそれだけ日本のコスト高を来します。ですからなかなかこれはそう簡單に輸入奨励と言つてもできない理由があるということに次第に気がついて来た。それでそうなれば輸出は幾らしてもいい、輸入のほうを追つ付かせればいいのだということは必ずしも通らないというような認識がだんだん出て参りまして、とにかく一応輸出というものに多少の規制的措置を講じようということが政府内で見解一致いたしまして、そうして今度の措置になつたわけであります。ですからさて輸出のほうに多少の規制をするというのが現在の一致した見解でありましようが、果してそれでいいかどうか、それで十分かどうかということには重大な疑問があります。これをどういうふうにするかということは私は理論的に考えましてこういうことになるでありましようというようなことは、皆さんにも申上げておりますが、これが理論通りに行くのが政治ではない。政治的決定というものは又別でありますから、どういうお考えを政府がおきめになるかは、私はその一翼に参じている人間であり、直接にはその決定者ではありませんから、今までの経過以上に今後どうなるであろうかということは、私の口から御説明しないほうがいいかと思います。要するに従来の経過としてはそうであります。 それで、続けてさつきの御質問にお答えしてよろしうございますか。
○理事(結城安次君) どうぞ。
○政府委員(木内信胤君) 抜打をしたことを甚だいかんというお考え方を承わりました。これは抜打をせざるを得ざる理由が一つあるのであります。今度の措置というものは大体三つある。一つは従来與えられておりました輸出の約定をしたもの、いわゆる輸出前貸という、輸出ボードという形式による輸出前貸でありますが、貸付を日銀が再割引をするという金額を、八割であつたものをもう少し減らしたらどうかというのが第一点です。これはその後新聞にもすぐ出ましたように、やるにしても徐々にやるのだというような日銀総裁の話があつたと思いますが大体そうなつております。第二点は、私の関係しております為替予約の点であります。為替予約の点に関して打つた手が二つ、一つは為替予約の期間に関してですが、二つありまして、その一つは従来、まあいつでも為替予約はできた。事実上いつでもできたという状態にありましたものを、今度は信用状の到着というものに限つた。それ前ではいけないと言つたのです。これが一番業界をシヨツクした点でありまして、かくなる上は輸出はとまるであろうということを言われました。私どもそれを知らなかつたわけではないのであります。そうなるであろうということは知つておりました。遺憾ながら一応そごまで行かざるを得ないと考えてやつたことであります。なぜかと申しますと、御承知の通り輸出の為替予約はポンドの切下げ懸念とか、そういうものがあれば業者としては取りきめておくほうが安全である。場合によれば不当のリスクもあり得ることなんで、きめておこうということになるのですが、さて、若し切下げがありますと、それは申すまでもなくそのまま私どもの会計の損、即ち国の損になります。ところでポンドは先ほど申しましたように非常な増大傾向にあつて、すでにきめました当時に八千万、現在九千万ですが、そういうふうに非常に厖大なものがありました上に、為替予約の売のほうと買のほう、つまり輸出のほうと輸入のほうと比べますと輸入のほうが厖大に多い。あれを決心します当時の数字では九千五百万ポンド、輸入のほうは三千六百万ポンドしかない、約六千万ポンド違いがあります。当時の数字で見ても現実のキヤツシユの点は八千万と加えますと六千万ですから一億四千万ポンドになります。仮に二割の切下げがあるならば二百八十億円の政府の損になる。そのような損を忍ぶということは止むを得んごとでありますから、業者にそのリスクを背負わせるよりは政府が背負うほうがまだいい。幾らか政府もいやな点に違いありませんが、幾らかいいから政府がそれを背負うことを変える意思はありませんが、併し仮にも真の輸出契約ができていないにもかかわらず、為替だけの輸出契約というものできめて行くということを放任して行くとすれば、これは私どもの責任として甚だ相済まんことになる。どうしてもこの際真に売約定、輸出の商談が成立しているということの條件を見取りしなければ、従来とても法制上はそうなつているのでありますが、ところが遺憾ながらそれを強行する手段を欠いているためにそこが守られない懸念がある。かるが故に先ほど申しました通り輸出予約が非常に多いと考えられるのです。どうしてもそこをきれいに真に輸出約定ができたものだけが為替予約を得るものだということにしたいと考えまして、これをする方法は、真に売約定ができたということが確定して、これを文句なしに示すのが輸出信用状の到着でありますから、輸出信用状の到着時にこれを限つたのであります。これは私どもそれでは実際の業界には非常に商売の実際からいえば無理であるということを知つておりました。併し左のほうへ曲り過ぎているものを真ん中へ持つて行こうとすれば、一応右のほうに矯め過ぎなければならん場合も事柄によつてあるわけであります。 この問題はまさにそのような事柄だと思つたわけであります。なぜならば、この問題を今後規制する、それに加えまして、あとで又御説明しますが、第三点である為替予約というものは先物のスケールアツプ、スケールダウンを設けました。そういうふうなものを設けましたが、これでは一日にして非常な為替予約が殺到して政府が非常な補償すべからざるリスクまでも補償しなければならんかも知れんという危険がある。それは十二月八日にイギリス政府が従来の為替相場で申しますと二ドル八十セントの公定にニセントの幅を許して実際のマーケット相場が二ドル八十セントになり得るようにした事実がありましたが、その措置を一やつた。そのときに二ドル八十セントですから二百八十分の二だけの違いが出ると考えられましたので、その二百八十分の二の相場変更を私どもは輸出に関してやりました。ところがその僅か二百八十分の二の違いではあるがその相場の変更があるだろうということが遺憾ながら一日早く渡れた、事実は半日だと思いますが、半日早く洩れたので僅かに半日の間に千八百万ポンドという輸出予約が殺到した、そのようなにがい経験を持つております。どうしてもこれは一応がつちりと信用状の到着というところで抑えて、そうしてこれを契約が成立したならばやつてもいいというように別途措置を講じてそこまで折れよう、現に、大体まあ非常にむずかしいのでありますが、まず満足されるという措置が立案されまして、不日最近の機会にそれ一を実行に移すわけであります。そこで、今度の為替措置の一番難点でありました、一番の御不平の対象になつた信用状到着まで、輸出契約ができないという点は解消される、元へ戻るはずであります。それでこれは今申しました通り、どうしても抜打にやらなければならん事情がありましたので、その点は御了承願いたいと思いますし、業者のかたにも御説明申しまして、それは成るほど尤もだ、随分驚かされたが、聞いてみれば成るほど止むを得なかつただろうと了解して下さるかたが随分多く、喜んでおります。それが為替予約の期限に関する第一点の問題であります。 始まりのほうの問題であります期限に関する第二点は長さであります。従来六カ月ぐらいを許しておつたのですが、これは六カ月先までも認めて行くというのは余りにも自由過ぎる、四カ月でいいだろうというので一般のものは四カ月、但し製造過程においてどうしても長く日を要するものは六カ月、別途の機械の輸出、プラントの輸出といつたような長いものといつたら別途一年まで、これも最初から考えておつた予定のコースでありますが、そういうことにいたしました。これが為替予約の期間であります。これらを通じて一応御承知おき願いたいことは、政府が為替リスクを背負うということはいい制度であるから続行したいと申しましたが、先ほど申上げたような、非常な巨額の損を政府が負うかも知れないという行為であつて決しておろそかにはできないものである。ですから成るべくおろそかにならんようにしたいのであります。日本のごとく自由の上に政府が為替リスクを背負つている国は殆んどないのであります。ポンドのごとく切下げがあるかも知れんと考えられている通貨に対して、自由な為替予約で商売ができました以上はやつてやるという政府は余りないのじやないか。むしろ業者は為替リスクの危険にさらされておるのが通例じやないかと考えております。この点も併せてこの問題を判断下さる上の参考までに御考慮に入れて頂きたいと思います。それがポンドの措置の第二点であります。 第三点は、これも為替予約でありますが、これはいわゆる先物予約につきましてスケールアップ、スケールタウンということですが、従来期近ものとスポツトもの、フォアワードのものとは相場は同一でありまして、同一相場で如何に先物でも為替予約ができたのであります。これ又余り世界にないだろうと多分思いますが余りにも寛大なる措置である。政府は先の為替変動の危険を背負うたのでありますからその保証料的なものを取るのが当り前です。前から何かそういうことをしたいと思つておりましたが、予約問題はなかなか関係が多いものですからいろいろほかに考えることがありましてつい躊躇していたわけであります。今度それを思い切つて実施した、それは年利にして一分の割合で輸出も輸入もポンドもドルも全部頂くことにした。これは業界のかたとは十二月中に随分お話したわけでありますが、皆さんそれは当り前だと言つて下さつておるのであります。今度それは新らしいということは、ポンドの輸出というものに対しては年利一分のベースというものを二分のベースにした。二分のベースであつても非常に大きな負担であるとは私は考えませんが、とにかく先が切下げがあるかも知れない、而も非常に大きな危険をはらんだ通貨の補償をするについては補償料が上るのは当り前、若しその危険性が増大するようなことになれば更に三分べース、四分ベースに上げることが合理的なんである。ただむやみにそういう反対給付を全然請求せずに政府がまるまる背負ということは却つて不健全であると考えましたので、今度ほかの措置をやると共にこれをやつたわけであります。これらは今の点に対するまあ大体合理的なところだけであつて、あえてポンド輸出を抑制したいという、それほど強い効果があるとは思つておりませんが、総じて今まで軍に輸出奨励と考えられていたものが、今度の最初に申しました現状について若干輸出面に対して少くとも或る程度の規制があるのだということを現わさなければならんと考えられた結果であります。これが今度の措置に対する御説明でありまして、それらは切下げを恐れてやつたのかとおつしやいますが、必ずしもそうでない。切下げの対策として若し切下げ必至と考えてその対策をやるならば、もう少し強い手を打たなければならんでありましようが、切下げの危険を含む通貨というものを、世界的に危險のついた通貨というものを、日本が強いてそのポンドを使つて輸入しようとしても、物価が高いためになかなか入らないというような通貨を抱えたについては、これらの措置をやるのが適当だと考えております。あえて切下げだけを考えたのではないのであります。併し切下げということも頭の中にあつてのことであります。私はかように考えております。
○加藤正人君 まあそういう御説明があるかと思つておりましたが、成るほど日本ぐらい為替予約について便宜を與えている国はないというお話でありましたが、そのぐらいであつて丁度いいつのでありまして、今の日本のように輸出によつて国の経済を維持して行かなくちやならん宿命のある国にはそのくらいやつてもらつて初めて国が立つて行くので、これは当然の帰結であると私は考えておるものである。ただこれはこの間の経済協力顧問会議で高橋通産大臣が言われた通り、この市場の転換というようなことは、これはなかなかできないことなんで、日本がスターリング・ブロツクに頼るのは日本の歴史的必然性であるということを言われたことは、全く我が意を得ていると思うのであります。然らばこの場合においては、どうしてもポンド輸入の促進、ドル輸出の積極化といいますが、このドル輸出の積極化ということもなかなかできにくいことであると同時に、いま木内さんから御説明のありました通りポンド輸入の促進は最も必要で積極策でありますけれども、併し高いものを輸入するということは非常に困る、これは誠に困るのでありますが、私はこれが一つの考え方じやなかろうかと思う。今申上げます通りスターリング・ブロツクによることが日本の必然的運命であるとすれば、そのために無理があつてもこの遂によるよりほかにないとすると、八千数百万ポンド或いは一億万ポンドにもなんなんとしているこのポンドの蓄積の、若しポンド切下げのようなときに日本のこうむる損害ということも考えられまするし、これを回避して行くためには、思い切つて私は何とかこれは臨時措置によつて緊要物資輸入特別会計とか、或いは貿易特別会計であるとか、外貨貸付による輸入の促進というようなもろもろの政策を活用して、そうしてこのポンドを業者に貸付けて買わせるという方法もあると思う。成るほど高い現在の相場ではコンマーシヤル・ベースには乗らんでしようけれども、必然要る物資であれば長きにおいてこれを備蓄しておく間には、必ず相場が適正なところに行くこともあり得るのでありますから、例えば今日本が当然買わなくちやならんところの、パキスタンを例にとりますとパキスタン綿の四十一万俵というもの、これが約二千九百万ポンドあります。そういうものを買い、或いは残りは濠洲の羊毛であるとか、オランダ綿であるとか、小麦であるとかそういうものを買うという措置は、こういう困難な事情にある日本としては、平生の場合でないのでありますから、非常応急の措置としてこのくらついのことをやつてもらつてもいいように思うのでありますが、こういう点についてばどういうふうにお考、えになりますか。若しこういう措置をとれば、若し万一切下げのようなことがあつても実損を免れるというふうに我々には考えるのであります。こういう点については木内さんはどういうように考えられますか。
○政府委員(木内信胤君) 今のは通商政策の問題で実は私の所管事項でないのでありますが、関連事項でありますから私の考えておりますことを申しますがこれは私の意見であります。切下げということを必至と考えてそうして何でもこれを使つてしまうというならば多少の不便があり、多少イレギユラーのものでも多少高いものを使つてむ、一割の損でも二割の引下げならば早く使つてしまえ、御尤ものように思うが切下げの懸念が必ずしもポンド過剰問題の全貌ではない。先ほどもちよつと触れましたように高い物資を無理に買つてしまうことは、ドルから買えるものをポンドを消費したいために無理に買うということは、それだけ日本の物資は、何らかの形において政府の補償金ならば財政負担になりますし、民間の負担ならば高いものを買うことになる原因でありますから、金利負担の増等であれば幾らかシヨツクが軽いのです。いずれにしろ直接間接インフレ要因を起してしまう。ポンド過剰というものは困ると考えられる基礎は、困ることの一つの大きなものはポンド輸出を続けて行く、たまつたポンドをどんどん使うと、ポンド輸出は高い地域に輸出するのだから、日本の物価はおのずからそこに引上げられますが、それに加えて無理な輸入を強行すると、全くポンド過剰問題の惡いと思われる点を実現してしまう行為になる。ですからその面から見ますと、お説のようなお考えは必ずしもよくない、日本のためでないと思います。但しなんでも切下げがこわいから切下げよりましだというならば或いはいいかも知れませんが、併し切下げということが困るのは、すでに切下げをしなければならんと考えられるとすれば、向うの物価は上つてしまつている、高いものを買うのであつて必ずしも得にならんかも知れません。早く輸入してしまうのはその間に円が入りますから、私も少し頭が混乱しておりますが必ずしも得にならん。併しそれは問題の核心は切下げ懸念に必ずしもならない。切下げ懸念というものはすでに高い向うの物資を買つてポンドを拂つていい気になつているが、そのポンドに実価がないとすればそのロスはすでに実現しているのです。その点から考えましても必ずしも問題の核心を衝くものではない。従つてポンド対策は甚だむずかしいという結論になりますが、御質問の点に対する私の考え方というものはそのようでございます。
○加藤正人君 今なるほど高い物資は承知の上で買うというような点も私の考えの中にあるのですけれども、併し物資にもよりますけれども一例をパキスタン綿にとりますと、少し前には米綿に対して約三割高かつたパキスタン綿も今日では一割二、三分くらいしか高くない、だんだん下落しつつあるというようなことを考えますと、我々がそういう資金を借りて低利を拂つて持つて行きますうちには少くとも今まで持つている高い綿と平均して平均価格を低下させるということもできますし、一年草のことでありますから二年、三年と持つているうちには必ず適当なコストに、余り惡い影響のないような相場になり得るのであります。でありますからこの際は業者を活用するということも考えものじやなかろうかと私は思うのであります。 それから再々このポンド切下げを懸念してではないとおつしやつておられるのでありますが、それならば私も大阪におつた、一昨日の大阪ではポンド切下げがいよいよ実現する、これに対応してドルも切下げるのだというあなたがたから見ると殆んど無知なようなルモアが大阪地区に瀰漫いたしまして、業界が非常に動乱したような次第であります。若しポンド切下げについてそう憂うべき見通しでないというならば、今まで例があつたように、あなたが発表されるか、大蔵大臣が発表されるかそれはわかりませんが、ポンドの先行について少し業界に安心のできるよううな発表はできないものでしようか。
○政府委員(木内信胤君) 人の国のことでありますので、日本政府の責任者という地位で人の国のことを言うのはどうかと考えましたが、非公式の会合で私は言うことがいいと考えましたので割合に思い切つた口をきいております。私旅行から帰りましたのは十二月の末でありましたけれども、まあ二年くらいは絶対ないものと私自身は思つているうことを随分いろいろな席で申しました。この節は少しそれは考えまして、二年は絶対にないということを言つたけれどもそれほどまではちよつと保証しかねる、そんな長い勝負のものではないのかも知れない、回復するなりしないなり、切下げをするにもしないにも勝負の付け方というものは早いのかも知れません。早いとなると切下げをやつてコンヴアーテイビリテイ回復ということにもなりますので、これは人の国のことだからわかりませんが、二年は絶対にないという勇敢なステートメントは少し訂正をしなければならないということをこの頃は言つておりますが、私の今考えておりますのはすぐには絶対ないと思います。併しそのすぐにはというのは二年といつたような長いものは考えられなくなつてもう少し気が早いのではないかと考えます。何カ月ということは申せませんがすぐにはないと思います。併し信じておりますからそういうことは非公式な立場でわかつて下さるかたには申上げております。
○加藤正人君 なお通産大臣にお伺いしたいのですが、今度政府部内で確定されたやりかたでポンド地域に対する輸出が予想外に大きく不振になるという憂いはないと考えられておりますか。
○国務大臣(高橋龍太郎君) この十八日に発表しました金融措置、その影響は私最初考えたほどの影響はないのだろうかと思うのですがね。ところが輸出というものはどうしても減りますよ、結果としては。その面では悲観しているのですが、殊に金融措置にしましても、今通産省が考えておりまする輸出抑制の措置にしましても、輸出抑制になるわけですから、これらの措置は通産省はもとより、大蔵省でも外為のほうでも、こういうことはやりたくないという考えはもう一致しているのです。ところがポンド問題としてやらつざるを得なくなつて何らかの手を打たなくちやいけなくなつた。でその考え方には多少当局心々で意見が違いがありましよう。それからこのまあ金融の措置のほうも飽くまで十八日ですか、十六日ですか、発表せられたときに私どもと大蔵省方面と折衝したのは、これは一つ飽くまで臨時措置である、取りあえずこういう措置はとつて実際面を見、又通産省の政策を実施せられることになれば、それに順応して是正して行くという了解を得ておつたわけです。只今木内さんから御説明になりました為替面の多少の変更というものもそういう結果であるのです。私は輸出面が多少悲観しておるというのは、これも外国のことでありますから、私の考えが当るか当らんかわかりませんが、ポンドの情勢がこういうふうになりますと、イギリスとしてはこの対策としていろいろな手を打つて行くのじやないか、或いは輸入制限であるとか、金融面にしましても、結局極力イギリスでは勿論スターリング・ブロツクのデフレ政策に出て来るのでないか。そうすればどうしても日本の輸出は影響を受けるのだろうと思います。 それから先刻あなたの木内さんへの御質問の緊要物資買入基金特別会計というのか名前は何というかお話がありましたので、これは範囲を少し拡げますもりであります。大体閣議の了承を得ております。不日改正案の御審議願うことになりましよう。これは実際に商品で業者でも海外の市場で非常に低落しておつて今買うべき品物だというのがありましても、業者が昨年の上半期のあの失敗の影響を受け手なかなか輸入をしないのです。あの特別会計でなんでもかんでも買うということはできんが、ああいう特別会計で基金も大分余つておるわけだから、幾らかその方面にも使つて行こうという考えでおります。 それから業者に例えばポンドを貸して輸入をさしたらどうかというあなたの御意見、これに対する木内さんの御説明は、私は理論的にはこれを認めるのです。それからこれが実行しましても、本当のポンド蓄積の対策として考えますと、先に輸入するものを今輸入するのであるから、一時ポンドは減りましても先で輸入が減つて来るということになるわけなんでありますが、私はここで非常に高いものを買う、それは損だ、ばからしい、或いは日本のインフレを促進することになるのだということは理論的には正しいのですが、これは私のほうよりも例えばあなたのような業者が金を借りて自分の危險で買うとおつしやるのですから、そういうばかな輸入はなさらんだろうと思うので、当面ポンドがだんだん蓄積しておるということに対しては、幾らかの効果はあるわけですからこういう方法は適当に図つて行きたい、実施して行きたいと考えております。これは程度問題で行き過ぎてはいけないという意見もありましよう。 それから今通産省が考えておりまする輸出抑制策は、スターリング・ブロツクヘの輸出は金額においていいますと、繊維品と鉄で大体七割を占めておるのであります。この輸出を抑制して行こう、その程度は昨年の輸出実績の範囲で抑えて行こう。これもそれを実施した結果によりまして始終実情に即するように伸縮して行くことは勿論であります。通産省の今考えておりますその考えの根本は、これはポンド蓄積問題の根本的の対策、これで根本的に解決されるというようなものではありませんが、事業上ポンドが現在一億近くなつているし、ほつておけばまだ殖えるだろうという虞れもありますのですから、大体消極的な考えですが、現在のポンド所有額を増加することを防こうというくらいの狙いから出発しておるのであります。
○加藤正人君 通産大臣も輸出の先行に多少の悲観をされておるようでありますが、全く日本といたしましてはドル地域から原料を買いポンド地域に売るというのは、全くあなたのおつしやるように歴史的に必然であり宿命である、これはにわかにこういう事情になつたからといつて、これを技術的に、為替の技術面或いは金融面等によつてやるということは、これは無理なやり方です。なお更今日本の置かれている立場から見ますと、いつも私も言つております事業者団体法によつていろいろな制約が加えられる、又貿易の面においても今後はポンド地域の権益を放棄したり或いはガツト加入を反対されたりしているというようなもろもろの制約がある上に、自分の手によつて自分ののどをくびるというような措置になつておるわけです。若し我々の考えておることが不幸にして実現するような場合には、市中でも今の四割の操短では足るまい、若しこの輸出が停頓する場合には更に二割くらいな操業短縮をしなくちやならんというようなことをいわれている。若しそういうことになりますと、縮小再生産というような非常に不幸なことにもなり、多くの従業員を雇用している紡績業のごときは止むを得ずへ員整理をするというような社会問題までそこに起るというような、これは日本として非常に大きな問題であると思うのであります。單に輸出上の一時的の措置などと軽く政府は考えておられるようでありますが、その影響するところは非常に大きいと思う。これは余ほど考えてやつて頂かんと角を矯めて牛を殺すというような結果になるのじやなかろうかということを我々は恐れているのであります。 なお今お話の中に、去年の実績によつて輸出業者に割当をするという措置がとられるのでありますが、そういうことに若しなりますと自然メーカーは輸出業者の措置に従つて進めて行かなくちやならん。要するに輸出業者が輸出権を持つというようなことが起つてそうしてその権利に対してプレミアムが付くというようなことが若し起るようになりますと、大変問題があると思うのであります。今日輸出業者の経営面には非常な問題が起つているのです。現在輸入においても輸出においても、紡績の補助によつて初めて買つたり売つたりしている業者がかような権利を持つというようなことになると、非常にこの弊害が大きいと私は思うのです。これらについては運用上どういうふうにそういう弊害をなくするような方法をお考えになつておられるでしようか。それも併せて承わりたいと思います。
○国務大臣(高橋龍太郎君) このポンド区域の輸入を促進するために輸入の実績によつて多少そういう人に輸出上の便宜を與えるというような意見もあります。でありますが、ともかくあなたの御指摘になるように、これらの措置というものは影響するところが非常に多いので、私通産省方面の政策は、先刻木内君が御説明になつたように、金融措置と違いますから、外へ漏れて非常に弊害が起る虞れがあるのとは大分事情が違いますから、この間うちから成るべく業者諸君の意見も徴してきめたいと思いまして、そういう方法をとつて、非常に愼重に考えております。又このポンド対策問題もこれは非常に重要な問題でありますから、緊急措置にいたしましても、輸出抑制措置にいたしましても、今度発表しまする以外のものは極めて愼重に研究をする、愼重な検討を盡して結論に達するということを同僚諸氏にも強く申入れをしております。
○加藤正人君 今の輸出業者の去年の輸出実績によつて割当るというところに、輸出に対してはメーカーの引受証が要るというような個條が加えられておりますが、あの措置をもう少し何とか工夫されて、去年の実績を振廻して輸出業者がメーカーにいろいろな不便を與えたり、その実績にプレミアムがつくというような弊害のないような万全の措置を一つとつて頂くことをこの際要望いたしまして、私の質問をこれで打切ります。
○国務大臣(高橋龍太郎君) 十分御希望は心掛けておきますが、先だつてうち紡績のメーカーの代表のかたからもいろいろ御意見を承わりましたが、ただお断りしておくのは、輸出抑制措置をやりますと、これは全体なかなか無理な措置なんでありますから、皆さんの御満足の行くようなことに行かないので、非常に苦心をしておりますことを御了承願います。
○中川以良君 通産大臣に伺いたいのでございますが、今度のポンドの過剰対策につきましては、巷間伝うるところによりますると、どうも大蔵、通産両当局が十分なる御協定なり、御協力がなかつたように承わるのでありますが、去る十六日に突如としてこの対策が大蔵並びに外為委員会からこれが発表されまして、全く抜き打ち的にこれが出て参つたのでありまするが、通産大臣とされては、あらかじめこの御協議には御参画になつていたことと私は思いまするが、どうも新聞その他筆に拝見いたしますると、通産省は出し拔かれたようなことに考えられるのでありますが、この辺の事情は如何でございましようか、お漏らし頂ける範囲内において一つ通産省のお立場を一応承わりたいと思います。
○国務大臣(高橋龍太郎君) 大変むずかしい御質問ですが、ポンド対策問題で或いは緊急措置、或いは輸出抑制措置だとか、ポンド対策問題は抜き打ち的にとは私は言いたくないのですが、これはもう昨年十一月頃からどういう措置をとつたらいいか、我々両省幹部でも熱心に検討しておつたわけなんで、全然寝耳に水というようなものではない。併し両者の意見が一致しなかつたことは事実でありまして、通産省の対策としましても影響するところが非常に大きいものですから、なかなか決心がつかなかつたわけであります。研究調査に自然日を過したわけなので、今度の措置については、十六日に大蔵大臣からこういう方法で行きたいという話を聞きまして、そのあとで私どもの考えでは頗る行過ぎであるという見解を持つておりましたので、両者が折衝いたしまして、実際に現在実行されておりまする十八日に発表された金融対策は、大蔵省、外為でも私どもの意見を相当取入れて変更されたものが結論となつて発表されたのであります。まあ多少の議論は起りましたけれども、これは双方熱心の余り意見を取り交したわけですから、別にそれは感情問題にするような考えは持つておりません。 〔理事結城安次君退席、理事栗山良夫君委員長席に着く〕
○中川以良君 かくのごとき問題は極めて重要な問題で、先ほど木内委員長のお話のごとく、あらかじめ一般の意見を聞くとか何とかということは到底できないと思いますが、いやしくも政府部内におきましては、事、産業関係に非常に大きな影響を及ぼします問題でございますので、これが発表したあとに又通産省からいろいろ意見をお述べになつて御改良になるということは、あの改良が事前になされたならば、私は非常によかつたのじやないかと思います。併し高橋通産大臣は非常に御努力頂きまして、ともかくも是正をされつつありますことは、私どももその大臣の御労苦を甚だ多とするものでございますが、いずれの場合におきましても、ともすれば最近は金融財政の面におきまして産業経済が引きずり廻わされているというような傾向があるのであります。今回のごときも私はさように考えざるを得ないのでありますが、産業経済が金融財政を律して行くという立場に是非なつて頂きたいと私は念願してやまないのであります。 そこで今回のポンド累積対策におきましても、どうもこのほうにばかし気をとられて、大事な従来の輸出市場を失うような懸念がないか。それからこれによりまして、すでに産業界には非常に大きな影響を及ぼしておるのでございまするが、減産等をも通産省はこれを進めておられるような事態にも相成つたのでありまするが、これらの点につきまして、一体その後における業界に及ぼした影響等につきまして、すでに御当局では御調査になつていると存じまするが、その辺の現状につきまして一応お話を承りたいと思います。
○説明員(松尾泰一郎君) 御承知のように二月十八日に為替に対する措置がとられまして、為替市場は信用状提出ということにきめられましたがために、一時はシヨツクがかなりありまして、まだ正確には全体の情報はわかりませんが、今日までのところは新らしい取引といいますか、契約は相当激減しておるようであります。併し過去の契約の信用状も普通に参つておりまするので、それらのものは大体できておるようであります。確かに相当こたえたことは間違いがないのじやないかと思います。輸出の面におきましてはそうでありますが、併し先ほど来大臣からも、これは委員長からもいろいろお話がありましたように、通産省の輸出調整措置の実施を待ちまして、二月十八日のいろいろ為替上の制限措置の緩和がなされまするので、実際問題としてはそう大きな影響はないのではないかというふうに考えております。先ほども加藤さんからもいろいろお話がありましたが、一言に繊維で、例えば昨年の実績で押えるということはかなり聞えは惡いようではありまするが、実際問題といたしまして、政府内部で二十七年度の生産計画、これから輸出計画をやつておりました数字とそう大きく違つておるわけではないわけであります。先ほどの大臣のお話と少し食い違うかも知れませんが、今後の年間の輸入計画を六億五千くらいに考えておりまして、その六億五千くらいに見合うような輸出だというふうに通産省当局としては考えておるわけであります。そういたしますと、昨年の輸出実績が輸出の認証統計によりますと六億一千くらいでありますので、計画通りに行きますと、若干輸出面だけで見ますと、昨年の輸出計画よりも上廻るのではないかということでありまして、従つて今のこの状況を通じてドラスチツクに減るということはまあないのじやないか、併しながら輸入のほうを一応六億五千と踏んでおりまするが、或いは今後のいろいろな事情によりまして若干殖えるかも知れん、去年の輸入がいろいろな統計のとり方によつても少しまだ食い違いもあるのでありますが、税関の船積み統計を通産省で集計いたしますと、ポンド地域からの輸入統計が四億六千万ドル程度になつております。四億六千万ドルで為替上のいろいろコミツトメントをいたしました数字が五億六千万ドル程度になつておるのであります。そうすると六億なり、六億五千という輸入計画はそれほど遂行がむずかしいことはなかろうというふうに考えておるのでありまして、そうしますと、やはり今考えております今後のポンド向の輸出計画六億五千というものもほぼ遂行はできるのじやないか、そうすると少くとも昨年の実績に比べますと、大体とんとんということでありまして、まあ繊維関係につきましても、ああいう操短等はこの調整措置と否とにかかわらず、最近のいろいろな国内の相場の関係、或いは海外の相場の関係から或る程度止むを得ないといいますか、主たる原因があるので、輸出調整というものが非常に国内産業に根本的な影響を及ぼすようには我々事務当局としては今のところ考えておりません。ただ鉄鋼等につきましては、最近の伸びがかなり非常に著るしくなつたがために、そういうものにつきましては、この輸出目標の建て方も昨年の輸出数量よりはかなり上廻つた輸出数量を考えておりますが、併しそれでも最近のここ二、三カ月の伸びよりはかなり抑えられておりまするので、それにつきましては若干の影響もあろうかと思いますが、全般として見てそうその根本的な影響は一応見通しとしてはない。又それを避けるために輸入のほうの促進もいたし、今後の輸出入の大体均衡のとれる方向に持つて行くこういうふうに考えております。
○理事(栗山良夫君) ちよつと大臣は只今衆議院の本会議に出席の要求がありますので、そのおつもりで御質問を一つお願いしたいと思います。
○中川以良君 今のお話で大体の全貌は承わつたのでありまするが、業種別に見まして、これは繊維関係が一番大きな打撃を蒙つておるものと存じますが、その他業種別に見て一体どういう観察であるか、繊維関係はすでに操短を進めておられるのでありますが、最近承わると、どうもさような生産減をさせるというような御意向のようでありますが、そういうふうに他の業種等もお考えかどうか、その辺の状況を承わりたいと思います。
○説明員(松尾泰一郎君) まあ差当りのところは鉄鋼と綿糸、それから化繊の関係の輸出調整を考えておりまして、大体過去の状況よりは去年の輸出実績から見ますると、これが大体前年度の一割をまあ占めておるわけでございます。従つてそれの言い方は惡いのでありますが、伸びが止まればというか、横這い状態に行けばほかのものは或る程度以上に伸びましても、又物によりつてはいろいろな市場の関係で去年の実績よりも下廻るものも出て来ますから、押しなべて見ますと、先ほどから申しますように、六億五千程度の輸出をまあ考えておるわけでございます。大体その三品目以外につきましては、余りそういう輸出調整的なことをやる必要はむしろないのじやないか。ただ輸入のこの見通しを一応六億五千としておりますが、これの状況如何によつて若干又品目を追加しなければならんというような事態が起るかとも考えられますけれども、又逆に輸入がかなり順調に行きますれば、又この輸出のほうの限度を上げていいことにまあなるわけでありますが、暫くこの三品目についての輸出調整の推移を見ないとわからんかと思いますが、私はその他の商品については大体調整措置をとらんで行けるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○中川以良君 先般すでに約束のできておつた鉄鋼の大量のポンド地域向けの輸出を禁止をされたのでありますが、鉄鋼業界としても非常に大きな痛手があると存じますが、それよりも以上に対外的の信用を私は相当失つたのではないかと思いますが、あの抑制については大臣当時どういうようなお考えを抱いておつたのでありましようか。又対外的に及ぼす影響等について如何に御考えかということを伺いたいと思います。
○国務大臣(高橋龍太郎君) 今の御質問の御趣旨はイギリス向けの十万九千トンの輸出の問題だろうと思うのですが、私はあれを阻止したために、輸出許可を與えなかつたために対外的の信用が害されるとは考えませんので、約束をしたと言つても業者間の話合いであつて、それは輸出許可制の品目でありますから、政府の輸出許可があつて初めて契約が成立することは両国の双方の当事業者が承知の上で話合つておつたわけなんですから、政府がやつておるポンド対策の一つでありますけれども、政府がそれを許可しなかつたから対外的な信用云々とは考えません。又イギリス側の当事者も、私は会いませんけれども、商務官などは始終会つておるので、そういう許可するというようなことは一言も通産省としては言つていないので、これはいよいよ通産省に申出があれば検討をして適当な処置をするというような話にとどまつております。
○政府委員(木内信胤君) その関係についてちよつと私気が付きましたから御参考までに申上げたいと思いますが、ロンドンのフアイナンシヤル・タイムスという新聞ですね、それと例の有名な雑誌のエコノミスト、この二つにその問題のことが出ているので、それが何か新聞では非常に感情を害したように新聞記事にはあります。私は関係がございますからその新聞記事も極めて丁寧に読んで見たんですが、どうもこの新聞記事をよく読んで見ると、必ずしも無理解なる向うが批判を日本に対して加えていないのではないかという感想です。実はエコノミストが到着するのを待つていたんですが、昨日二月二十三日附のエコノミストの本物の記事を手に入れまして読みましたところが、むしろ日本がこういうことをするのは止むを得ないであろう、日本はイギリスの物資を買いたがつているんだから、イギリスのエキスポーターはこの際奮励努力して日本に売るべしという記事であつたので、私は新聞のあのの記事を見ましたときに思つたことがその通りであつて喜んでおるわけであります。それで見ます通り、決してこういうことをするのは、例えばベルギーなどは国内インフレを抑制せんがために甚だしい輸出統制をしているが、必ずしも人に驚かれるようなことではないと私は考えております。
○国務大臣(高橋龍太郎君) 今の私の中川さんの御答弁でちよつとそれに附加えますが、あの十万九千トンのイギリス向けの輸出はまだ保留になつていて許可は與えていない、與えてはいないんですが、許可を與えないという結論を通知しておるのではないのです。まだ保留になつている。或いは今度の輸出抑制などの措置につきましても、鋼、鉄の本年輸出する数量の範囲内では仮に少しずつはイギリスへ輸出されるというようなことになるかも知れませんけれども、ちよつと私の説明が足りなかつたものですから……。
○中川以良君 これはさつき加藤委員の御質問の御答弁で大体了承したのでございますが、輸入証明制度というようなことが最近取上げられておりますが、こういう制度は今おとりになるという御意思がないように今承わつたのでありまするが、そういうことに承知をしてよろしうございましようか。
○国務大臣(高橋龍太郎君) ちよつと今研究中であります。
○中川以良君 そうしますと、重ねて伺いたいんですが、若しもその制度がとられるとすると、どういうようなふうにこれを御実行になるという御腹案でございますか。なおこれは大臣に御答弁を頂かなくてもいいのでありますが、インドネシアなんかでやつております制度等について御説明願えれば大変仕合せだと存じます。
○政府委員(木内信胤君) 御説明いたしますが、輸入証明制度というものは、理論的には申上げることが可能ならば、今のポンドの問題というもののうち、ポンド地域が概して物価高である、輸入が困難、不当に甘い輸出が出てしまう、従いましてドル地域への輸出は困難になるというのがポンド問題の一つの困る点であります。これを解消するのに成るほど輸入証明書というようなものをやりますれば、御承知でもありましようが、念のために申しますれば、輸入したものは一ポンド輸入すれば一ポンドという証明書をもらつて、それを輸出商に売つてもいい、輸出商はそれを買わなければ輸出できないというだけのことでありまして、筋はそれだけのことでありましてそれが若し百円に売れるならば千八円という相場が輸出入共に九百八円につくわけでありますが、それが百五十八円では八百五十八円になりますが、そういつたようなことが自然にそれが相場が立つことによつて今のポンドが公定相場より打歩がついておるという、その打歩のところに丁度相当する高でそれが売買されると仮定すれば、話の筋はそのはずなんでありますが、それで問題の大きな大部分の解決になると考えられます。でありまするからこの問題それに限つたことはないので、同じようなことは輸出税、輸入補給金と同じであります。いろいろなやり方が考えられますが、とにかくそういうものは理論的に筋が通つておりますし、インドネシアでありましたら今御説明しますが、ほかの国でやつていないわけでもないと思いますから、必ずしもイギリス政府が受取らんときまつたものでもありません。大いに研究の価値があるので今研究しております。併しながらそればかりが方法ではありませんし、又英国政府はそういうことを実際に公定相場をこつちで一つの蔭にかくれた方式によつて切る、こういうのですから非常にそれは困るということかも知れません。現協定の第二條で公定相場で取引するということを約束しておりますから、そういうことは或いは精神的違反になるのかも知れません。軽々しくそれはできるはずとも申せません。いずれにしましても、これは研究の段階である。併し理論的には筋の通つた方式とも考えられます。こういうつもりで研究しております。それからインドネシアのやり方ですが、インドネシアは従来変なことをしておりまして、従来は公定相場は、実は……。
○中川以良君 ちよつと途中ですが、大臣がお立ちになるそうですから、あとから御説明願いたいと思います。ポンドの過剰対策を実施されまして、半面においてドル地域の輸出を促進される政策を当然お取りになると存じます。その際にドル地域促進に対して何か特別な御方策をお持ちであるか、何か通産省として新らしい手段をお講じになるという御方途があるかどうか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(高橋龍太郎君) 今ちよつと考えておることを局長に答弁させます。
○政府委員(井上尚一君) お答え申上げます。ダラー・ドライヴの方策につきまして従来いろいろ研究中でありましたが、従来実施をして参りました制度は別としまして、今後の問題としましては、例えば輸出信用保険制度の改正、これは従来甲種保險、乙種保險というこの両極の保険を実施中でありまするが、このほかに丙種保險と申しまして、一種の金融保險、即ち銀行がエキスポーター又はメーカーに融資しようとするという場合に、先方国の事情その他の関係でその輸出契約の履行が結局不可能になつたという場合に、エキスポーター又はメーカーのほうから銀行に対して、決済期になりましても代金の決済ができないという場合には、政府がその銀行と包括的に保険契約を締結しまして、一定の保険料をエキスポーターから銀行を通じて政府が徴收して、この場合には政府が保険金をその融資金額の七五%というものを考えておりますが、その金額を保険金として拂うというのが、大体これは簡単ですが丙種保険制度の内容であります。そういう制度を実施をしようというわけで、今国会に輸出信用保険法の改正法律案としまして提案する予定でありまするが、この制度はダラー地域、乃至はドル決済條件のその輸出契約についてのみ適用する、そういうふうに考えております。 それから第二の問題としましては、輸出信用保険制度のもう一つの一環としまして丁種保険制度、これは広告費、宣伝費を一定の地域、一定の商品について投じましてその場合輸出をやつてみるが、実際は輸出が予期した通りできない、従つて投じた宣伝費、広告費の回収が十分できないという場合に、よつてもつて生ずる損失の半分を、これも保険制度でカバーするというのが丁種保険でありますが、これにつきましてもダラー地域についてのみこれを適用する、そういう構想であります。 このほかに第三の問題としまして優先外貨制度というものを先年来実施中でありますが、この優先外貨制度を今日の事態に即応するように目下検討中であります。言い換えれば、従来は、商品の種類によつて違いますが、一般地域に対して輸出をやりました場合には、商品の区分に応じまして一考、三%、六%という計算で輸出振興の優先外貨資金が付きまするが、これは同一商品でありましても、ダラー地域の場合には、このパーセンテージが三%、六%、一〇%の程度になる。で、今日の場合、先ほど来のいろいろの問題のように、ポンド累増ということが当面の非常な問題でありまする関係上、ポンド地域に対して出しました場合に、その優先外貨を従来通り付ける必要があるかどうかという問題と、それからダラー地域への輸出につきまして従来通りの優先外貨の率でよいかどうか、これに改訂を加える必要があるかどうか、或いは率は従前通りとしましても、これを適用します商品の分類でもう少し検討を加える必要があるのではないか。即ち一〇%とか六%とかいう品目のほうに成るべく多くの品目を廻すというようなことが必要ではないのだろうかというようなことを今いろいろ研究中であります。 第四の問題としましては、いわゆるリンク制という問題でございますが、ダラー地域に対しまして輸出をする場合に、先刻の輸入証明書の丁度逆のような例でありますが、この場合にこのダラー地域のほうからの輸入権と申しますか、そういう輸入の一種の権利をこれにリンクさせて考えなければならんというようなことを、個別的に、商品別に考える方法と、総合リンク制の方法がありますが、そういうような問題につきましても、従来通産省、外為、安本、大蔵省、そういつた関係方面と目下いろいろ研究中であります。なお、これもダラー・ドライヴの方法の一環としまして、二十七年度におきまする海外見本市、海外のフエアヘの実行乃至は参加の計画でありますが、これも今日の情勢から申しまして、成るべくダラー地域に重点を置いてこれをやつて参りたいというわけで、五月のサンフランシスコ、六月のカナダのトロント、それから八月のシカゴ、九月のシアトル、十月頃のニユーヨーク、これはいずれも国際的なフエアヘの参加であります。この以外に日本商品の見本市としまして、本年の年末から来年三月ぐらいまでの間にアルゼンチンで実行したいという計画が一つ、そのほかに中南米、メキシコを中心としましての中南米地域にやるか、インドネシア方面で行うかという問題につきまして、全体としましての予算の関係の範囲内で目下いろいろそういつたことを考えております。ダラー地域への輸出の振興というラインで今考えております点を極く簡単ではございましたが申上げます。
○中川以良君 今のお話で大体了承したのでありますが、片方ポンド地域に対する対策はすでに実施されておる。これと同時に一刻も速かにやはりこれについてはドル地域に対する輸出促進策を果敢に実行になるべきだと存じますので、御研究は大変結構でありまするが、早く実施に移すように御努力をお願いしたいと思います。
○小林孝平君 先ほど次長の御説明の中にポンド地域からの輸入が昨年四億二千万ドルであつたのを本年度は六億五千万ドルに予定しておる、こういうお話だつたのですが、大体どういう見通しの下にこういうふうにお考えになつておるか、簡單にお伺いします。
○説明員(松尾泰一郎君) 実は目下二十七年度の外貨予算の編成を安本を中心としてやつておるわけです。その中におきまして来年度の輸入は大体二十一億ぐらいに考えております。その中でいろいろむずかしい計算のあれはあるのでありますが、大体予算の基礎になるいわゆる買付計画というものが七億前後予想しておるわけであります。それをべースにしてあとドル地域或いはオープン・アカウント地域等を考えておるのであります。その中で私が今六億五千と言いましたのは、いわゆる輸出入の均衡、ポンド地域の貿易の均衡ということでありますので、ただ年間の何といいますか計画だけではいけませんので、やや現実的な見通しというものを立てまして、従つてそれをやや低めに考えておるわけです。それで今のところ大体六億五千ぐらいの見通しをつけておるのであります。それに輸出を合せて行く、こういう考えで六億ドルと申したのでありますが、輸入計画自身としてはそれよりももう五千万ドルぐらい大きな計画で予算上はスタートすることになろうかと思います。
○理事(栗山良夫君) 先ほどのインドネシアの問題をお続け願います。
○政府委員(木内信胤君) 従来インドネシアは自分の為替相場は公定為替相場で、実勢の三分の一ぐらいにしておりますが、今の輸入証明書の話が出ましたが、あそこは輸出証明書です。輸出した者が輸入権を受けるという考え方でありましてそれを輸出した者に輸入権を與えるのですが、その與え方が輸出した金額の半分しか與えないといつたようなことによりまして輸出者の手取りのルピアというものと、輸入者の手取りのルピア、というものには非常に開きがあるわけです。それで輸出は公定相場の倍、輸入は公定相場の三倍のものを拂わなければならない。実に変なことをしたものです。というのは、その間政府が利得していたわけです。政府はそれで以て財政收入の非常に大きな部分を賄つていたという極めて特殊な姿であつたのです。それは併し過去のことですから、これ以上詳しく申上げることは如何かと思いますが、それを今度は直しまして、輸出入一本として、それに実勢相場を出したのですが、概して申しましてその実勢というものは三倍であつたものですから、輸出入共に三倍に持つて行つてしまつた。そこで従来の財政収入を図るための奇妙な仕組というものはやめてしまつて、財政収入は別途輸出税を取るというようなことで、それが財政が恐らくよくなつたのでしよう、そういう無理な取り方をしなくてもよくなつたのだと思いますが、合理化して普通の姿になつた。そこで、そのときに輸出証明書というものを輸入者に売つてもいい。それは輸出証明書をドルだけにつける、ドルを輸出しますと、ドル輸出のリンクの話がさつき出ましたけれども、ドルを輸出しますと、ドル輸入ができる、その証明書が出るわけです。これは普通の場合、日本にも昔北支において、イエロー・ペーパーというものがありまして、北支の円と元のディスカウントの矛盾を解決するために、輸出した者は輸入権をもらう、輸入権は黄色い紙で、それを輸出した者に対して與えることにしたために、相場の乖離というものを或る程度解決した。そういう制度がございましたが、それと意味は同じであります。そこでドルのほうにはそれを付けたから、ドルを輸出した人はそれが売れるだけ手取りが多いし、輸入した人はそれを買わなければならないので支拂いが多いから、ルピア切下げで実勢に持つて行つた。三倍の切下げに持つて行つたのでありますが、ドルに対する切下率は、輸出証明書が売れるだけそれだけ切下率が高かつたということです。これが事のすべてです。それが日本の場合になぜ参考になるかというと、ドルの切下率を高くしてポンドのほうを惡くしたといことは、裏を返せば、ポンドとドルの間に公定相馬の二ドル八十セントについてディスパリティを認めた。これがすべての取引を合理化した。日本もドルのほうをやつても同じことになります。併しそれを軽々しく品にしないのは、ドルのほうに付けますと、三百六十円を切下げることになるのです。だから私の頭にはその構想は全然ありません。ありませんが、輸入のポンドのほうに付けてもいいではないか。そうすれば、逆に、ドルに付ければ輸出の人が得するようになるのですが、ポンドのほうに付ければ輸入の人が得する。逆のことをやるので、同じことです。それがインドネシアのやり方で多少とも参考になるだろうと思います。私はインドネシアと英国との法律関係は存じませんが、あそこはいわゆる振替可能国というものにオランダ本国を通じてなつているので、何か規則の取極があると思うのですが、その規則的な取極については、日本における協定の第二條、即ち日本におけるポンドの公定相場は英国の公定相場に準拠して日本のドル相場を英国のドル相場に換算して出すというような協定の第二條でありますが、そのようなものを以てするならば、それを以てそういうようなことをやり、インドネシアにおけるドルとポンドのデイスパリテイと同じようなことをやるなら、それならば日本の場合にも協定がなくてもできるかも知れませんし、或いは協定を改正すればできるかも知れません。とにかくこのデイスパリティを公式に認めたのがインドネシアです。その輸出者の持つている輸入権が売れる相場というものは不思議なことに約一割五分の差がついている。今、世界的にポンドのデイスパリティは一割五分の差がついているので、それに極めて近似した値が出ているらしいです。
○中川以良君 それでは重ねて伺いますが、昨年日英協定ができたときにすでにいろいろ議論奮りまし芸、先ほど御説明のあつた通りに、将来のポンドに対する御懸念、御不安というものは、随分御苦心になつたようでありますが、ドルクローズがうまく行つていないという点から今日のような状態になつて来たと思いますので、本年八月でございますか、改訂は八月に又あるのでありますが、その際に一体どういうふうな考えでこの改訂をしようというお心構え、御準備があるのでありましようか。
○政府委員(木内信胤君) これは又しても政府の政策の問題ですから、私はその責任者ではありません。私は一個の技術者としていろいろ案を申上げたり、意見を申上げたりする立場にある。その範囲でお聞き取りを願いたいと思います。 先ほど来、話に出たように、今の日本のポンドというものは打歩が付いている、世界的に打歩の付いている通貨を日本の商品を輸出することによつて取得する、そこに根本な無理がある。希望から言えば八月を待たずに改訂すべきものと思う。而してその希望の改訂する内容というものは、日本が出超になつたならばそれをドルに転換してくれるということであつてもよし、或いは若しポンドが打歩が付くような状態であるならば、その実勢を現わした相場で取引してくれという行き方でもいい。帰するところは同じになるのですが、ちよつと行き方が違いますので、利害得失は少しずつあると思います。が、そのどつちかが正しい理論である。理論的に言えばどつちかを実現すれば先ず一応満足できる。そのようにすべきでありますが、向うは、日本が輸出してそれが出超になつた場合に、ドルが欲しいと言つても、元のドル・クローズの通りでは先方はドルを拂うのは困るので、輸入制限してしまう。そうすると、先ほどお話のような御懸念の輸出が抑制されるということが、実現してしまう。こちらから好んで輸出を抑制してくれというようなものである。ですから、これらは今打歩の付いた通貨国に対して輸出、出超を重ねて行くということの害と比較して考慮されるべき問題である。併し御指摘がありましたように、ポンド国に対して出超になるというのが宿命であるならば、それに行くのが理論的に正しいと思う。もう一つの考えは、打歩の付いた通貨であるならば実勢通り取引させてくれということは、今の輸入証明書というものを出すのも一つの手段だと申し上げたが、これは輸出入をバランスしてしまうことになる。そうすると、宿命であるポンド国への出超という点は解決して、つまりバランスしてしまうので出超にならない。平均してしまう。併しながら実勢で取引しますから、向うに引かれてこつちもインフレになつて、ドル輸入がますます困難になつて来るという害はなくなる。それが大体二つの違いです。理論的には、日本がポンド圏に輸出した場合にも、出超尻というものは、いつでもドルになる。アメリカ圏に入ると、そうなる。理論的にはそのほうが正しい。そうなると輸出は減る。輸出入はバランスする。輸入しなければ輸出ができないので、これは輸出をカットするには違いありません。値段的には打歩だけ輸出は安くなるので、今の輸出商は依然として困ることは、御懸念の点は依然として実現する、ちよつと様子が違う形においていずれも相当程度の解決にはなる。そこでちよつと申上げますが、輸出が非常に困るとおつしやいますが、このポンド累積問題の基礎というものは、コンバーテイビリテイのない通貨、世界的に打歩が認められておる通貨の獲得を続けて行くということのよしあしということになる。その輸出なるものは最近非常に伸びた。ですからそれを合理化すれば輸出はどつちにしても減るのですが、それは最近特に輸出が伸びたのが減るだけであつて、ドル・クロースを持つておつた時代よりも、もつと売れるかも知れない。ですから、それらのことをお考え下すつたらいいかと思います。
○中川以良君 今、公定レートが、ポンド千八円でありまするが、これは実勢力にふさわしいレートを作るとすれば、公平に見て一体どのくらいということになるのでしようか。
○政府委員(木内信胤君) これは不思議なことに世界的にニドル四十セントーという通り相場であります。で、これは実勢とまで行かないが、ポンドの打歩は、二ドル四十セント、これは割合に動かない。これが一割四分何厘かにつく。一割五分の打歩というのが普通通り相場になつております。
○中川以良君 それからポンドを抑制されるところの、何と申しますか、目安というか、コントロールされるのに一体手持ポンドというものをどの辺に置かれるかということなんですが、さつき通産大臣の話では、今の程度を大体保持して行くと言われた。今は、さつき委員長のお話なさつたように、すでに九千万ポンドというお話があつたんですが、一体どの程度を目安にされるんですか。どうですか。これは時期的にも異なると思いますが……。
○政府委員(木内信胤君) これ又政策問題でありまして私の管掌外でございます。先ほど通産大臣が現状とおつしやいましたのは、輸出の対象品である繊維関係と鉄鋼関係、それが七割、それを大体輸入ができる限度に押えるということでありますから、概して言つて、その措置が正確に行われるならば、成功するならば、輸出入は見合うということになるわけですね。ですからバランスのほうは現状は余り殖えないということであります。そこで、それでは輸出入の総量はどうかというと十六億幾らというような基礎からいろいろ御計算があるようですが、要するに輸入が可能なる範囲にというところにいろいろ、問題があるのでありまして、いわゆる本当に商業ベースで採算が合うから輸入するというのか、多少とも援助をして後楯をして、それで輸入したいものを輸入するのか、そこらは甚だいろいろありますが、結局今ポンドの累積を重ねるということは確かに惡いということは理論的には言えますが、それを直そうと思えば一種の手術みたいなものが必要である。手術したために病人が死んでしまつては何にもならないのですから、そこらは或る惡を忍ぶための、或る惡を排除するために起るであろう他の惡をどのくらいに評価するかということは、これはむずかしい判定と思いますが、今折角御検討、御研究中のことと思います。
○中川以良君 それから先般来外貨貸付の制度が実施されるようになつて来たんでありますが、殊にスターリング地域からの輸入の面に対してポンドの外貨が相当に活溌に貸付けられて来るようになるんではないかと存じますが、その後の推移はどういうふうになつておりまするか。将来の見通しなどを一つ承わりたいと思います。
○政府委員(木内信胤君) 外貨貸付は私どもの保有しておりまする外貨を日銀に売るのでありまして、日銀から貸して頂くという仕組になるわけであります。でありまするから、先般の、今やめになりましたが、輸入に関する日銀ユーザンスといつたものの変形のような姿で行われるはずであります。それをどの程度どういう商品にやるかということは、実は私はちよつとこの席で御答弁申上げる自信が十分ありません。あれはいういろいろくるくる変りましたので、終局のところはどこに落着いたのかはつきりした記憶がございませんが、要するにこれは外銀、外商など外からの金を借りる話ではないんであつて、日本の持つている外貨を貸すのですから、これのフアイナンスを付けてやつてもできるわけですから、それを外貨の姿で以てやるということが特殊の事情を認めてのことでして、そこにかなり理論構成に難澁な点がありまして、なかなかすつとこういうものにするんだということは細かくおつしやりにくいかと思います。これはどうぞ現在の責任当局であります日本銀行のほうからお聞き取り願いたいと思います。まだ余りないと思います。実際にはあれは早く新聞に出ましたが、実際にはこうやるんだときまつたのは四、五日前ではないかと思います。そのあつたということは聞いておりますが、まだたくさんにはないんだと思います。
○中川以良君 今の点につきまして、委員長から関係筋にお願いして頂きたいと思いますが、外貨貸付に対する業種別、それからその取扱方法、それから制度始まつて以来の貸付の状況、それから貸付の期間等々につきましての資料を一つまとめて頂きたいと思います。要すればその資料によつてその責任当局がこの委員会で御説明を願いたいと思います。
○理事(栗山良夫君) 承知いたしました。
○中川以良君 それからこれは最後に通産省のかたに伺いたいのでありますが、スターーリング地域に対しましては、今後バーター制が採用されることは最も好ましいのでありまするが、こういうものもだんだんとそれが行われなければならんと思いますが、この問題に対しまして、将来相当効果を挙げる見込みがありまするか。それからバーターをするとすれば、どういう商品がこれに挙げられるか。又相手国といたしてはどういう方面が考えられるかという点につきましての御説明を願いたいと思います。
○説明員(松尾泰一郎君) 実はスターリング地域との貿易はバーターをする必要がないのであります。といいますのは、これまでバーターのいろいろ、要請がございますけれども、普通のいろいろな輸入手続によつてはその護業者のほうがなかなか輸入ができない。だから自分は輸出をするからこういう商品を輸入さしてくれというのでバーター取引というものは従来よく申請されまして、アメリカ以外のドル地域については若干認められて来たのでありますが、ポンド地域につきましては先ほど来いろいろ御説明がありましたように、まあポンドが累積しておりまして、ポンド地域からの輸入につきましてとやかく制限を加える必要は毫もないわけであります。勿論国内産業上、影響のあるものはこれは避けて行かなければならんと思います。それ以外の面につきましては、もう殆んどドル地域なんかと違いまして、只今外貨状況は十分あり余つておるという状況でありますので、実はバーターをする必要は毫もないわけであります。従いまして、我々の所は従来勿論ポンド地域についてバーターということは考えてもおりませんし、又要求もポンドによるバーター取引というものの要求は殆んどございません。ただエジプトが実はドルとポンドの中間の地域のようになつておりまして、我がほうが食糧等につきましてどうしてもポンドで買いにくいというような場合にはドルで買つておつた二ともあるのでありますが、最近のところ綿花等につきましてはポンドでも買えるというような事情もありまして、こういう地域につきましては、現地側のいろいろな要望からポンドによるバーターというもののほうが、エジプトにおきます為替管理の、何といいますか、許可を受ける上から非常に都合がいいという意味から、これはどつちかといいますと、輸入をするためにというよりも、向うに輸出をするために日本側がそういうバーター取引という形式をとつたほうが実はし易いということで、ポンドによるバーターというものがエジプトについては今一部行われておりますが、全般的に見ましてポンド地域につきましては、バーター取引をやる必要は全然ないというふうに我々考えておりますし、又取引の要請も殆んど見ておらんという状況であります。
○中川以良君 私の御質問申上げておるのは、結局輸出せんがためのバーターで、スターリングをとるよりも向うの物資をとつたほうがいいという観点から御質問したのでありますが、こういう直について、何か品目、或いは相手国が何かバーターならこういうものができるというような御検討はないのでありますか。
○説明員(松尾泰一郎君) 日本側で、かなり今度のポンド向け輸出抑制措置以前から、国内の需給関係から輸出を抑制しておる商品が若干ございます。こういうようなものにつきましては、例えば電気銅なら電気銅を幾らくれればこういうものを出すというふうな要請が若干はあつたわけでありますが、これは別に、バーター取引というよりも、実質的にこういうものを出すから日本で輸出を抑えている商品をくれないかというふうな要求なのであります。そういうものにつきましては、物によりましては一、二はそういうものがございましたが、そう多くこういうものは余り実はないように思うのであります。我々もそういう要求も余り受けておりません。
○理事(栗山良夫君) それではこれを以て本日は閉会いたします。 午後五時一分散会