通商産業・運輸連合委員会 第1号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/02/16
会議録
○委員長(竹中七郎君) 只今より通産運輸連合委員会を開きます。 慣例によりまして、私が委員長の席を汚さして頂きます。公報に記載の通り企業合理化促進法案を議題といたします。御通告の順によりまして発言をお許しいたします。只今答弁をして頂きますかたがたを御紹介申上げます。運輸大臣村上義一君、通商産業政務次官本間俊一君、提案者衆議院議員中村純一君、政府委員通商産業省通商企業局長石原武夫君、運輸省海運局長岡田修一君、説明員大蔵省主税局税制課長泉美之松君であります。
○山縣勝見君 企業合理化促進法の適用に船舶を入れるかどうかについての問題を主として今日は連合委員会の開催をお願いいたした次第であります。本件に関しては運輸委員会において累次運輸当局に対しては質問を重ねて参つたのであります。当連合委員会の開催をお願いした趣旨は、主として大蔵当局に対して質疑を重ねたいのでありましたが、大蔵大臣はまだ見えませんから、お見えになりまするまで、運輸大臣或いは提案者に対して一、二御質疑を申上げたいと思いますが、企業合理化促進法において船舶が適用されるかどうかという問題は、運輸委員会においても先に御質問申上げたのでありまするが、問題は船舶を政令において入れるかどうかということではでありまするけれども、目的は先般の総理の施政演説或いは周東安本長官の演説の中に、本年度の重大な政府の政策の一つとして大型外航船の建造、それに対して資金の確保を図る、又総理のごときは相当明確な言葉で以て特別な資金の措置を講ずるということを、総理、安本長官或いは大蔵大臣が声明されておるのでありますが、今政府における折衝或いは国会における審議等を承知いたすところによれば、企業合理化促進法において船舶の適用が或いはされないのじやないかというふうな懸念もされるのでありまして、運輸大臣は果して、合理化促進法において船舶が勿論適用されれば問題はありませんけれども、昭和二十七年度において少くとも三十万総トンの建造計画は、これは政府がすでに総理の演説等においても言明されておるところであり、これは動かすことができないと思います。それに対して運輸大臣は、資金の調達上の見地から合理化促進法に我々がかねて期待いたしておりまする船舶の適用に対して、外航船舶の拡充という見地からどういうふうにお考えになつているか、基本的に先ずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(村上義一君) 総理が施政方針演説において格段なる金融措置を講じて船腹の増強に努力する、或いは又安本長官から経済演説におきまして三十万総トンは是非二十七年度において建造したいという趣旨のお話もありましたことは今お話の通りであります。従いまして運輸大臣としましては、少くとも三十万総トンを建造するように努力したいと念願しておる次第であります。三十万総トンを造るには、その資金が、二十六年度においての支払未済分で二十七年度支払分を含めまして大体四百七十二億必要なのであります。このうちで外貨資金即ち見返資金を以て充当し得るものは、今日審議中の予算が通過しました場合には百四十億認められておるという次第であります。又船主の自己資金の造成をできる限り慫慂したい、又政府としましても、この自己資金の造成を助長する適当な措置を講じて行きたい、行く必要があると考えておるのであります。ともかく船主の自己資金としまして、今までの市中銀行その他への銀行の償還をすべきものが百八十九億、大体百九十億ほど償還すべき金額があるのであります。これは一旦償還をしまして、直ちにそつくりと又新造船の資金に配付を受け得ると実は思うのであります。それ以外に増資、又社債の発行等を大体四十億と仮定いたしますると、自己資金で二百七十億ということになり、つまり合計三百十億ということになります。それでもなお且つ百億余りの不足を来たしておるのであります。このお金はどうしても財政資金において更に捻出を図つて、或いは自己資金を更に捻出せしめるよりほかに方法が他の方法では困難だと、大体考えられる次第であります。自然いずれにしても船主の自己資金を造成せしめるということが極めて必要であるのであります。自然政府としましても、特段なる措置をこれに講ずることは極めて望ましいのであります。たまたま今御審議中の産業合理化促進法の適用を船舶に受けるということに相成りますれば、極めて望ましいと考えており、又そういうことに従つて努力いたして来た次第であります。
○山縣勝見君 大体先般政府が経済安定五カ年計画を立てましたときには、たしか一九五四年までに日本の輸出入物資の少くとも最低五割の輸送にかかる外航船舶を拡充するということに記憶いたします。その後の情勢の変化によつて、経済安定五カ年計画というものは相当修正を要することになつたのでありまするが、船舶に関する限りは、むしろ計画の縮減よりもむしろ拡充が必要であることは御承知の通りであります。そういたせば、大体当時たしか安定計画の所要量が二百三十万総トン内外でありましたが、併しその後資金の関係で船舶の関係ではこの予定通り行つていない。従つて現在この予定量に達するまでには相当量の船舶の不足を来たしておる。年間最小四十万総トン建造いたしても、漸く所定の数量に達する。いわんや日本の講和後における外航船舶というものがより以上必要な情勢になつて参つたわけでありまするが、さような見地から政府は本年三十万総トンということが総理の演説にもあり、安本長官の演説にもあり、なお運輸大臣も累次運輸委員会において御声明になつているところでありますが、大体さような見地から最低三十万総トンは確保しなければならない。その見地から今お話の大体四百数十億いうものが本年度要る、それに対して見返資金は御承知の通り、今お話の通り百四十億円、繰越の分を合せまして約百四十億でありますか、そうするとどうしても増資社債の発行によつて四十億を確保するとしても、自己資金の利益、会社の利益によるか、或いは何らかの租税措置によつて生み出すべきものが相当の数量に上るわけであります。と同時に、それに対してはどういうふうな確信をお持ちであるか、五億や十億の問題ではなくして相当多額なものが自己資金という範疇においてなされる、それが結局三十万総トンを確保し得る唯一のキーポイントとなつておるのでありまするが、資金的にどういう確信を持つて運輸大臣は三十万総トン建造を声明されておるのかどうか、もう少し具体的にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村上義一君) 只今申上げました通り、約三十万総トンだけを建造しまするについても、百二億を如何にして造成するかということは今日なお疑問の実情であることを率直に申上げざるを得ないのであります。先刻も申述べました通り、財政資金によつてこれをカバーする方法ができれば極めて好都合でありまするが、併し均衡予算の関係その他又今の一般財政経済の事情から見まして、かなり困難である、楽観を許さないということは率直に認めざるを得ないと思うのであります。一面今日までの債務に対して船主が償却する、償還するものが百八十九億あるのであります。この程度は勿論償却し得ると信じております。併し更に多くを、一旦返したものを更に借りるということ以外に、更にオーバーして銀行から借受けるということは、今日オーバー・ローンの実情に鑑みて非常に困難じやないかということを思うのであります。で、残るところは外貨の導入ができれば別問題でありますが、これ又確保を期しがたい現状であります。どうしても自己資金の造成ということに邁進せんければならんと思うのであります。その点を極力慫慂したいと考えておるのであります。併しながらただ單に慫慂するということだけでは結果は得られないことはほぼ明らかだと思うのであります。どうしても政府としまして、これに対応する適切な措置を政府が講ずる、そうして船主の自己資金造成の意慾を向上せしめるということにしなければ、頗る困難であろうと思うのであります。本法のごときこれに類似の方法を各国ともとつているのであります。特に本法は経済自立の達成のために重要産業設備を近代化する。そうして生産の増大と対外競争力を培養するということが本法の目途としておるところであると信じまするが、できるなら本法の適用を船舶の建造費についても適用するということが望ましいということを先刻も申上げました次第であります。
○山縣勝見君 衆議院においては本件は一応もう決定いたしたような形になつておりますが、その後衆議院の運輸委員会においては、外航船舶の必要性に順応して、それに対して資金措置の必要性を認められ、その後において本法に新造船、外航船舶を適用することが妥当であるというふうな決議をされたということに承わつておるのでありますが、現在運輸大臣はさような見地から見て、又先ほど申しましたような見地から、なお又大臣みずから船舶の建造に当つては資金的の困難性があるので、本法に船舶の適用が必要であるというようなお話があつたやに承わりますが、一部或いは他の委員会において承知いたすところによりますれば、大体この企業合理化促進法というものは、船舶というものは餘り予定していない、又船舶を入れることが妥当でないというふうな議論もあるやに承知するのですが、私はこの本法案は形式的に考えればいろいろな議論も出ましようけれども、船舶を戦争によつてあれだけ喪失をし、又現在の日本の国情から見て、いわゆる近代化ということの一番必要と思うのは船舶だと思うのでありますが、そういうような見地に対して、そういう点についてどういうふうにお考えになつておるか、なお又運輸大臣は、この企業合理化促進法に船舶を適用せしめるために、どういうふうな今大蔵大臣に折衝をされておるか、なお又企業合理化促進法によつて、どれだけ新造計画促進上融資の確保ができることを予定されておるか、大略承わつておきたいと思います。
○国務大臣(村上義一君) この法律はすでに昨秋衆議院を御承知の通り通過いたしたものであります。通産関係としましては、非常にその実施を急いでおる次第であります。で、ただ本法文中に機械等という文字があります。立法の当時においても船舶を加えるということは解釈し得るということを、部内においてもその話が明確であつたということも承知いたしておるのであります。先刻申述べますような実情に応じまして、船舶を、この解釈についてのいわゆる省令に船舶も加えられるということは極めて望ましいので、衆議院におきましても申述べておつたのであります。その節大蔵大臣は、今日になつて機械等という文字で文意上は加えて差支えないように見えるけれども、これを加えるということは非常に困難であると自分は思う、同様な結果を得る他の方法を講じたい、こういつたような発言をしておられたのであります。併し船舶の新造に対してその資金に悩んでおりまする国としましては、成るべく明確な本法の適用を受けて、世界各国がそれぞれとつておりまする措置、同様な立場に日本の海運国力、そうして対外競争力を培養して行きたい、一面においては速かに輸出入物資の五〇%の自国船積取りということを実現したいと念願しておる次第であります。
○山縣勝見君 或いは海運局長からでもよろしいのでありまするが、本法案によつて船舶建造融資上どの程度のものが予想されておるか。
○政府委員(岡田修一君) 企業合理化促進法案を船舶に適用いたしました場合、それによつて償却が非常に殖えるのですが、それから来まする減税額として二十六年度において二十一億、二十七年度において二十八億、かように推定しております。この推定の根拠は新造を持ち得る各船会社につきまして、二十六年度、二十七年度の収益予想を検討いたしまして、各社二割程度の配当をするという前提に立つております。ただ今日運輸大臣が申述べましたように、四十億の増資を期待いたしますると二割配当が妥当であるかどうか、その辺の前提に若干の疑問があるわけでありますが、一応そういう前提に立つと、そういうようなわけであります。従つてその額が造船に寄与することに相成る、かように考えております。
○山縣勝見君 只今海運局長のお話の数字は了承いたしましたが、この程度の数字では到底昭和二十七年度三十万総トンすらできないと思うのです。よほどの措置を講じなければできんと思います。でありますから、この企業合理化促進法に船舶を適用するということは、それで事足つたというわけじやないので、その他の相当のいろいろな措置を講じないと三十万総トンはできないと私は思うのでありますが、それらの点に関しては、もう時間もありませんから省略いたして、今後私は昭和二十八年度以降昭和二十九年度に、見返資金がなくなることは自明の理でありまするが、運輸省はこういうふうな合理化促進法といえども、これは法の性質上そう恒久的に船舶の資金というものは確保できないのであります。何らか、例えば米国で考えておりまするようなコンストラクシヨン・リザーヴ・フアンドのようなものをお考えになつておりますか。或いは将来そういう計画を立てられる意思があるかどうか、一応これに関連して承わつて置きたいと思います。
○国務大臣(村上義一君) 只今お話のような特殊な法的措置を講ずるということについてはいろいろ考えられる点もあるのであります。是非そういつたような方法を近き将来に実現したい。そうして予定の九〇%積取りの船隊建造を速かならしめたいと考えておる次第であります。
○山縣勝見君 私の主たる質問は大蔵大臣に対しての質問でありまするから、運輸大臣に対してはこの程度にして、ただ一、二点だけ提案者に御質問を申上げたいと思うのでありまするが、先般運輸委員会において大蔵当局からの御説明の中に、船舶を本法案において適用させることは主として二つの点から妥当でないというお話があつたのであります。その一つは、法文上大体この法案というものは船舶を予想いたしていない、「等」の中には船舶を入れるべきでないというふうなことであつて、なお又税収入から言つても十億、十五億の程度で相当額の減収を来たすということは妥当でない、そういうふうな話がありましたが、第一点の法文上或いは法の立法精神の上から言つて船舶を適用してはならん、しないというふうに承わつたんですが、提案者はどういうふうにお考えになつておるか。これは先ほど運輸大臣に質問した中に、單にこれはこの法案は租税関係の法案と見てはならんのであつて、通産委員会にこの法案が付議されておる趣旨から見ましても、税を中心にした法案というよりも、むしろ本当の設備の近代化ということが目的であり、日本の経済の自立に役立つということが目的であるなれば、私は当然船舶が優先的に適用されるものと思うのでありますが、その点と、それから税収入の点は、これは先般どの委員会でありましたか、大蔵当局の説明で大体十億乃至十五億であるから、予算措置において特別の措置を講ずる必要がないという言明のあつた裏を返せば、船舶を適用することによつて、あと二十億ぐらい殖えることは、これは大局から見て大したことでないということが言えるのであつて、二点とも私どもは運輸委員会における大蔵当当の説明は納得しがたいのでありまするが、提案者はどういうふうにお考えになつておりますか。この点伺いたいと思います。
○衆議院議員(中村純一君) お尋ねのありましたこの法律案に船舶を適用し得るかどうかという点でございまするが、提案者といたしましては、この法律案は船舶に適用できないものであるとは考えないのであります。併しながら、これは提案者の私見でありまして、これが法案として提出せられました以上は、法律の解釈並びにこれの運用等につきましては、これは客観的な判断によつて解釈が下され、又運用の措置が講ぜられるものと思うのでありまして、提案者の私見がこれを決定するような立場にはないものと考えることを附加えて申上げて置きます。それから税収に及ぼす影響につきましては、これは政府としまして、どの程度のものを国全体の予算歳入の建前から考慮し得るかという問題でございまして、これは船舶を入れることの数字が多いか少いかというようなことは、むしろこれは政府として考慮せらるべき問題だろうと考えるのでございます。
○山縣勝見君 只今の提案者の御説明はいささか納得しがたいのでありまするが、少くとも議員立法として提案される法律は、提案者の趣旨が絶対であろうと思うのでありまして、船舶を入れるかどうか、法の目的如何というようなことは、これは私はむしろ法文上どんなふうな字を使いましても、その精神が一番大事だと思うので、法律が出た後に政府がそれを曲げて考えるということはあるべきことでないと思います。提案者の立法の趣旨、精神というものが私は一番大事だと思うのでありますが、その精神においては船舶を入れないとはお考えになつていないと今承わつたんですが、さように了承してよろしうございますか。それから税収入の点でありますが、これも私はやはり大体かような法律を提案される以上は、どれだけ税収があつて、どれだけのものがあるかというようなことを見通しての提案であると思うのでありまして、この点はあえて提案者に御質問いたしませんが、大蔵大臣にお聞きすべきだと思いますが、只今の御答弁で大体提案者として本法案には船舶を適用しないという御意思でないことを了承して、確認いたして一応質問を終ります。
○委員長(竹中七郎君) 次に小泉委員にお願いいたします。
○小泉秀吉君 私は大蔵大臣に少し御質問を申上げたいと思つておるのでありますが、まだおいでがないから、 一言提案者にお伺いしたいと思います。只今山縣運輸委員長から提案者にお伺いされましたものに関連いたしまして、衆議院の運輸委員会では当然本法に外航船舶は入るのだ、入れて欲しいというような決議がされたように拝聴しておりますが、私はそれと同様の御意見が自由党の政務調査会においても、これは本法に当然外航船舶は第一条の意味において包含すべきものだという御意見があつたやに聞き及んでおりますが、その点に関しては提案者はそういうことをその後においてもお聞き及びでありましようか、或いはお差支えがなかつたら、それに関連した提案者の御意見を伺いたい。
○衆議院議員(中村純一君) 衆議院の運輸委員会におきまして、外航船舶を本法の適用を受けさせたいという意味の御趣旨がありましたことは聞き及んでおります。併しその後自由党の政務調査会において、この点に関してどうする、こうするというような最後的な決定と申しますか、意見の決定があつたということはまだ聞いておらないのであります。
○小泉秀吉君 私はもうそれで結構です。大蔵大臣がおいでになりましたら、少し又伺います。
○委員長(竹中七郎君) 次に一松君。
○一松政二君 私は提案者に対しまして、第六条のいわゆる重要産業に属する事業、重要産業と非重要産業はどういう観点から区別されて御提案になつたか、その見解を伺いたいと思います。
○衆議院議員(中村純一君) これはまあ大体常識的な観念に立ちまして、まあこういう表現を用いておるのでございます。そこでそれじや如何なるものをこの法文の適用を受ける対象にするかということは、これは産業と申しましても随分種類も多いことでありますし、又政府の所管から申しましても、いろいろと関係省がたくさんあります。よくそこいらを検討をして政令を以て定めるようにいたしたい。勿論まあこれにつきましては、政府の独断専行ということではなく、国会の意向を十分反映させるようなことは、これは然るべきことだと、かように考えておる次第でございます。
○一松政二君 私はいやしくも国会で法案を審議するときに、政令から先は政府がやるのであつて、法律を作るときに私はそういうしつかりした概念を以てやらなければ、その法律を提案しても折角の眼目は行政官に委ねるというのでは私はいささかもの足りない点があります。それでその重要産業はいわゆる概念的と申しますが、概念的と申すならば概念的にはわかる、併しこれを個々に具体化する場合には非常にむずかしいと思うのです。そこで丁度政令で定めるものを然らばどういう種類のものを重要産業と言い、どういうものを重要産業でないと言うか、その大体の例を挙げて一つ御説明願いたいと思うのです。
○衆議院議員(中村純一君) 私の言葉がいささか不足をいたしておりましたのでありますが、いわゆる重要産業と申しまする概念といたしましては、先ず第一に何と申しましても基礎産業の部面は、これは当然考えなければならん問題であると思います。次に第二次製品の部面に当りましても、これが広く国民生活の上に、或いは日本の経済自立の上に広汎なる影響を持つような種類のものにつきましては、やはりこれは重要産業という概念の中に包括して取上げるべきものであると、かように考えておる次第であります。甚だ抽象的なことで申訳ないのでありますが、それにつきまして、然らば具体的に如何なるものを取上げるかということは目下政府において検討中であるわけでございまして、若し政府側からお答えいたし得るものがありますれば、お答えすることになろうと思います。
○一松政二君 それでは政府委員でも結構でありますから、その概念を伺いたいと思います。
○説明員(泉美之松君) 企業合理化促進法案の第六条の規定によりまして指定すべき業種につきましては、重要産業であるか、非重要産業であるかというような明確な概念で簡單に割切れない点が多いのでございます。まあ産業の見地から申上げますれば、できるだけ広範囲に指定したほうがいいようにも考えられることと思うのでございますが、我々事務的には、それによりまする税収の減少ということも考慮いたさなければなりませんから、御承知のことと思いますが、現存すでに租税特別措置法におきまして、特定の機械及び船舶につきましては、取得の年以後三年間に法定償却額の五割増の償却を認めておるのでございます。その措置の上に今回の企業合理化促進法案の第六条によつて特別償却ということを認めることになりまするので、従つてその業種の範囲はおのずから限定すべきものと思うのでございますが、事務的にはおよそ四つの観点からいたしまして、重要産業に入れるかどうかという ことを区別いたしたのでございます。細かく申上げますると、十幾つ観点があるのでございますが、大きく申上げまして四つの観点にいたしたのであります。その第一点は、その業種及びその業種の使用いたしまする設備につきまして、特別償却を認めることによつて合理化がどの程度行われ得るか、コ ストがどれだけ下り、品質がどれだけよくなるかといつた観点でございます。第二点は、できるだけ基礎産業を取上げまして、関連産業への影響が多いというものを取上げることにしたのであります。これは日本産業全体の設備がいわば陳腐化しておると思うのでございますが、できるだけ基礎的な部門から合理化を図つて行く必要があるという考えから関連産業への影響の大きいものから取上げたのでございます。第三点は、この指定することによつて現在最も必要とされておりまする日本が独立いたしました後の貿易収支の改善にどの程度役立ち得るか、特にドル収支のバランスの改善に役立ち得るかという点を考慮したのであります。第四点は、従来企業が資本の蓄積のためにどの程度熱意を示しておるか、又その企業の収益率からいたしまして、初年度五割の償却をすることができるかどうかというような点を取入れたのでございます。そうして関係各省といろいろ事務的に折衝いたしました結果、現在相当数のものは指定することに事務的には打合せが付いておるのでございます。その業種を申上げますと、製鉄業、石炭鉱業、造船業、それから運輸業、運輸業はただ船舶を入れるか入れないか、まだはつきりきめてはおりませんが、事務的には入れがたいと思つております。それから捕鯨業につきましては、キヤツチヤー・ボートを入れるか入れないかの問題がありますが、事務的には入れがたいと思つております。それから電源開発の建設業、金属鉱業、硫黄及び硫化鉱採掘業、工作機械製造業、軸受鋼球製造業、ソーダ工業、非鉄金属圧延業、カーバイド製造業、コールタール製品製造業、非鉄金属精錬業、石油精製業、機械製糸業、染色整理業、自動車製造業、電気通信機械製造業、電信電纜製造業、発電機製造業、鉄道車輌製造業、鉄鋼鍛造業、鉄鋼鋳造業、染料中間体製造業、油脂製造業、合成医薬品中間体製造業、耐火煉瓦製造業、繊維板製造業、以上の各業種につきまして、更にその中でどういうものを、その業種の使うどのような設備を指定するかということは、更に省令で現在の租税特別措置法の適用を認めております機械設備から取上げまして、更に詳細に規定する予定でございます。
○一松政二君 只今のお考えはわかりますが、そうすると、大体のラインは業種別によつて指定する。今私が伺つた中に、例えば、私は何も業に関係あるわけじやございませんが、輸出産業ということが大きな眼目のようにさつき述べられておりますが、今申されました業種以外に輸出に直接関連するような、非重要産業だと思つておつても、輸出の観点からすれば大きなウエートを持つて来るというようなものに対してはどうお考えになつているか。
○説明員(泉美之松君) 輸出産業の中では、お話のように紡績その他相当重要産業があろうかと思うのでございますが、その設備につきましては、現在五割増償却を認めておるものも相当ありますので、減収の点を考慮いたしまして、今回の合理化法の指定業種の中には入れないことにいたしておるのでございます。
○一松政二君 今伺つた業種の中でも、すでに過剰設備を持つておる業種もかなりあると思うのです。それで今ソーダ工業等を一例のように伺いましたが、現在においてはソーダは需給のバランスはむしろ供給過剰になつておるということを伺つておるのですが、私の考えでは時と場合によつて重要度は刻々に変ると思う。で、私はもうこれから先は伺つても仕方がありませんが、私は重要産業はそれ一つとして重要産業ではあり得ない。必ずそれに関連する産業が出て来て、関連する産業の協力を得なければ重要産業というものは特別に抜き出して行かれないことは御承知の通りであろうと思う。であるから、私は意見だけを申上げて今の質問を打切りたいと思いますが、私はこの償却についてただ税のことばかりを考えて物事をなされることは日本の産業を亡ぼすものであると私は考える。殊に日進月歩の世の中には、それが化学工業部門においては殆んど設備というものは消耗品と同じ考えを持つてやらなければならないことが非常に多い。殊に酸や、アルカリを使う工業に至つてはもう設備は消耗品である。今年はいいと思つても来年は駄目になる産業がかなりあると思うのです。従つて私はこの企業合理化促進法案の狙いは恐らく私は償却にあると思う。で、私は今伺つただけでもかなり広範囲になるが、むしろ全般的にこの減価償却の点について、税のことばかり考えないで、もつと日本の産業全体を育てる、資本を蓄積する、産業を世界的に競争し得る立場に置くという観点から、大蔵省当局はもつとこの償却のことについて熱意を持つて頂きたいということたけを申上げて私の質問を打切ります。
○委員長(竹中七郎君) 次に小野君の質問を願います。
○小野哲君 大体基本的な考え方につきましては、山縣君その他同僚委員からの質問に対しましてお答えはあつたわけでありますが、又提案者の御見解としては、この法律案の第一条の目的の中には船舶も含んでおるのだという、こういうふうな御見解のようであります。又只今泉君からの御答弁によりますと、船舶は除かれると、こういうことでありまして、この法律案を提案されました側としては含まれておるという意見であるし、これを行政府として実行する立場にあるものは今度は含んでおらないという意見で、私どもとしては、この法律案を審議して行く上において納得の行かない点があるわけです。そこで只今泉君から指定をしたいという予想の下に置かれておる対象の事業をずつと申されたわけでありますが、提案者に伺いたいのは、提案者の御趣旨から言いますと、一体これでいいのかどうか、この辺の点を一つ伺いたいと思います。
○衆議院議員(中村純一君) 船舶の問題につきましては、先ほど申上げましたように、この法案の適用範囲外にあるべきものとは毛頭考えておりません。併し如何なる業種を指定するかということにつきましては、先ず政府の責任においてこれを決定する、即ち政令においてきめるという建前をとつておりまするので、但しそれにつきましては、先ほども申上げましたごとく、單に政府の独断専行でなく、国会の意向というものを十分に反映させることが適当な措置であろうかと考えておるのでありますから、ですから細目な点について折角政府としては、これはまだ確定案ではないのでありますから、関係各省との間に折衝を続けておるのが現状であると考えるのでございます。
○小野哲君 それでは言葉尻をつかまえるようで甚だ恐縮ですが、提案者としては、この国会の審議の経過如何によつては、船舶をこの第一条の目的の中に重要産業の機械設備等の範囲内に入れていいものであると同時に、これを実施するについては、そうすることが適当であるというふうなところまでお考えになつておるのか、この点を重ねて伺つて置きたいと思います。
○衆議院議員(中村純一君) 本法の範囲外であるとは考えておりません。
○小野哲君 これ以上提案者に申上げることは差控えたいと思いますが、少くとも国会の意思によつて決定される場合においては、提案者としては船舶を入れることが妥当であると、こういうふうに了解をいたしまして、この点については質問は一応とどめたいと思います。第二の問題といたしましては、先ほど泉君からお話がありました中に、いろいろの業種がございましたが、運輸業という点について、特に船舶は除くんだという、こういう註釈付のお話があつたわけでありますが、船舶は除いた以外の運輸業は何を指しておりますか、これを提案者なり、政府委員、これは政府委員のほうがいいかと思いますが、伺いたいと思います。
○説明員(泉美之松君) 運輸業の船舶を除きました以外の施設と申しまするのは、船舶に備付けるレーダー、ローランといつたような設備でございます。
○小野哲君 勿論この法律案の狙うところは機械等の急速な近代化でありますので、只今の御答弁で一応は結構のようでありますけれども、第二条の狙つているところは、もう少し広い範囲のところを意味しているのではないか、言換えれば事業者の定義という中で運輸業というものを取上げておりますので、従つて運輸業者が持つておりますところの個々の機械設備というのみならず、総合的な意味での事業としての運輸業をどう捉えて行くかというところに問題があるのではないか。従つて海運事業等との関連から申しましても、單なる個々の機械設備ということのみならず、総括した運輸業というふうな意味で事業を指定されるのではないかと思うのですが、この点の御見解を伺いたいと思います。
○衆議院議員(中村純一君) 只今第二条を引用しての御質問でございましたが、実はこの点はこれまでの通産委員会等におきまして、たびたびお尋ねを受けておるのでありまするが、と申しますることは、法律の書き方が、何と申しますか、ちよつとわかりにくいと申しますか、ややもすれば誤解を受けやすいような点がありまするために御同様のお尋ねを受けておるのでありますが、事業者という言葉の定義を第二条において掲げておるのでございまして、従いまして第二条の意味しまする意味は、本法律案の中に事業者という言葉が出て参りまする場合のその定義を掲げておるのでございます。別に只今問題になつておりすまる特別償却の対象となるべき業種並びに機械等の指定につきましては、六条において定めることに相成つておるのでありまして、その点念のために申上げておきたいと思います。
○小野哲君 提案者の御説明は大体その通りだと思いますが、併し先ほど一松君からの御質問の中にもありましたように、或いは意見の中にありましたように、この種の法律を制定するというところの狙いはもう少し……折角議員提案でお出しになるんだから、もつと我が国の産業の近代化というものを大きく取上げて、特に平和条約発効後における日本の経済のあり方と関連しての対外競争力の培養ということが主眼であるということになりますと、どうもこの法律案の考え方では狭過ぎるのではないか、もう少し思切つた措置を講ずるような方向に持つて行かれることが妥当ではないかと、私も一松君の意見に対しては同感の意を表したいと思うのであります。特に船舶のごとき、貿易との関係から申しましても、又対外競争力の問題を基本として考えました場合においては特にこの感を深くするのでありまして、この点については提案者が適用があるということをお考えになりながら、立案をされたことを十分に念頭に置きながら、この問題は国会においてはつきりと意思を決定して、これを実施させるようにすることが妥当であろう、かように考えておるわけであります。それから次に法律の中にある問題でありますが、この法律案の中には主務大臣という言葉が各所に使われておるわけでありまして、一体この法律の作り方から申しますと、従前から主務大臣という言葉を使つた例もございますが、同時に主務大臣の範囲というものをはつきりするためには、その所管大臣の名前を明らかにするという方法もあるわけであります。ところがこの法律案を見ますと、いろいろの事業の事業者として指定をされるわけでありまするから、従つてその事業に応じましては、それぞれの大臣があるわけでありまして、その事業を律するための根拠法規もあるものもあるわけでありますので、従つてこの主務大臣をどういうふうにお考えになつているか、特に第十三条によります中小企業関係の主務大臣についてはどういうふうに定義をされておりますか、又その範囲をどうお考えになつておりますか、この点を提案者なり、或いは通産関係のかたにお伺いしたいと思います。
○政府委員(石原武夫君) 只今御質問のございました主務大臣の点につきましては、お話のようにこの法案の対象となります事業等も非常に広汎でございますので、各省に当然跨がりますが、一応それらの事業の所管大臣ということは設置法等によりまして明確になつておると思いますので、この法律を施行いたします上におきまして、主務大臣につきまして特に明確な規定を置かなくても、設置法で当然各事業の所管はきまつておりますので行けるということで、この法案には一応全部主務大臣ということで書いてあるわけでありまして、ただ第四条に「主務大臣及び大蔵大臣」というような規定を置いたのでありますが、これは税の関係で多少大蔵大臣の点につきましては明確を欠くかと思いましたので、この点だけは入れておいたわけでございます。あとは全部主務大臣ということで通つております。なおあとでお尋ねのございました中小企業につきましては、現在中小企業の診断は通産省の中小企業庁でございますので、差当り通産省ということに相成つております。
○小野哲君 そこで問題があるわけでありますが、この十三条の主務大臣は中小企業の診断については中小企業庁という官庁があつて、従つて通産大臣が主務大臣である、こういうふうな御説明であつたと思いますが、中小企業庁という役所は別に独立した中小企業に対する監督権と申しますか、そういうものがない役所でありまして、それは中小企業庁を設置する場合にいろいろ論議があつた点でないかと思います。従つて診断或いは勧告ということについて、主務大臣は一応中小企業庁を所管しておる通産大臣であると、こういうふうに説明は付くわけでありますけれども、併しながら他の然らば中小企業に対する関係大臣が、何らこれにタッチできないかということにはならないと思うのでありますが、この十三条の主務大臣を通商産業大臣だけであるというふうな御見解であるのか、この辺の考え方をもう一度伺いたいと思います。
○政府委員(石原武夫君) どうも甚だ言葉が足りなくて恐縮でございますが、十三条につきましては、主務大臣の解釈が設置法によつてきまることは一般と殆んど同じでございます。私が今申上げましたのは、現実に実際に計らつておるのは中小企業庁でありますので、差当り十三条の主務大臣は通産大臣であるというつもりであつたのであります。農林関係その他の御当局で、その所管を中小企業についてこの診断をおとりになる場合につきましては、それぞれ所管の主務大臣ということになつております。
○小野哲君 時間の都合もございますので、私はこの程度にとどめたいと思います。
○委員長(竹中七郎君) 次に植竹君どうぞ。
○植竹春彦君 時間の関係上一点だけ質問申上げます。衆議院におきまして、すでに運輸委員会においてこの問題について明確な決議があつたわけであります。参議院の当運輸委員会の各委員からも、本問題につきまして船舶を入れるようにという強い要望と、その考えの下にこのように各委員から質問が繰返されておるのであります。又運輸大臣も強くこの問題について要望されておる。この情勢を御判断になります際に、大蔵当局といたされまして、この現在の情勢に対して船舶を入れるべきであるというふうにお考え直しになられておるかどうかという一点を質問申上げたい。第二点といたしましては、結局現在の歳入面におきまして、十億か、二十億程度のものが少なくなるわけでありますが、船舶を入れたために結局は産業再建のために大いに役立ち、この船舶に関しまする業者の収入も十分に殖えて参るので、従つて歳入面におきましても、十億、二十億の取返しは十分につき、更に収入がそれ以上のものになる、従つて租税収入のほうもそれだけ十分にカバーし得るという将来の事態を考えるときに、大蔵当局としてこの問題を是非お取上げを願いたい、そういう考えになつておられるかどうかということをお伺いいたしたいのであります。
○説明員(泉美之松君) 船舶をこの企業合理化促進法案の第六条によつて指定しまする事業の設備の中に入れるべきかどうかという点につきましては、いろいろ御意見がおありになることと思うのでございますが、大蔵事務当局といたしましては、船舶を企業合理化促進法に入れることは困難であるように考えております。と申しますのは、先ほど海運局長からお話がございましたが、若し船舶を指定いたしますならば、二十七年度におきます減収額は最大限八十九億円になるのでございます。ただ船会社の収益の状況或いは配当の関係などからいたしまして、八十九億円の減収になるような減価償却は行い得ないだろうと考えられまするが、若しそれにいたしましても、その半額の四十数億円の減収になるのでございます。先ほど海運局長は、二十六年度二十一億円、二十七年度二十八億円という減収の説明がございましたが、実際におきましては、その合計額の四十九億円というものが二十七年度の減収になるのでございます。これは海運局のほうの御計算に誤まりがあると考えております。従いまして、少く見ても四十数億になる減収額をこれによつてとることはできがたいのではないか。それからもう一つは、結局収益力の関係からいたしまして、その程度ぐらいしか償却ができないといたしますならば、現在の租税特別措置法によりまする初年度及び取得の後三年間の法定償却額の五割増の償却で相当賄つて行ける。若しそれが賄い切れませんならば、耐用年数を若干短縮することによつて、丁度企業が行い得る程度の減価償却を認めることはでき得るというふうに考えておりまするので、合理化促進法の中には入れませんで、耐用年数を短縮するという方向で考えて行きたい、かように考えております。
○植竹春彦君 只今の御答弁に対しましては、甚だその意を得ないのでありまするけれども、事務当局のお立場としての御答弁として承わつておくわけでありますが、この問題につきましては、通産委員の各位におかれましては、十分に御検討願いまして、運輸委員会の我々の希望をお汲み取り願うことを希望いたしまして、私の質問はこの程度で終ります。
○委員長(竹中七郎君) お諮りいたしますが、委員外の質問を新谷委員から申込んでおりますが、許可いたしまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹中七郎君) 異議なきものと認めまして、新谷君に発言をお許しいたします。
○委員外議員(新谷寅三郎君) 委員外の質問をお許し願いまして有難うございます。先ほど来運輸委員のかたがたから御質問がございましたので、大体私のお聞きしたいところも尽きておるのでございますが、ただ一つ二つ、これは運輸大臣と大蔵大臣に主としてお尋ねしたいことでありましたが、大蔵大臣がおられませんので、主管の政府委員からでも結構でございますから、お答え願いたいのであります。申すまでもありませんが、運輸大臣は先ほど、日本の海運業の自己資金の造成を図り、資本蓄積をやらせるということを主にしてお考えになつておるようでありますけれども、私は海運政策の見地から見ますると、どうしても只今の日本の海運の現状から参りますると、今後日本の海運が国際的に進出いたしました場合に、どういうふうな方法で外国船と対抗して行くかという対外競争力の問題、これを主として考えなければならんと思うのであります。お調べでありましようが、本日頂きました運輸委員会からの資料の中にも若干載つておりますが、戦後各国共非常にたくさんの船を造つておりまするけれども、それぞれ我が国と違いまして、非常に海運に対しましては直接、間接の保護政策をとつておるのであります。イギリスのごとき、ここに書いてありまするように、戦後数百万トンの船を造つておりまするが、定期船方面におきましては、イギリスの平均船価というものが、現在邦貨に換算いたしまして二万八千円くらいになつております。不定期船方面におきましては、平均船価が一万七千円くらいになつておるのであります。これは申上げるまでもなく、初年度において船価の四〇%までの特別償却を認めておる、そういつた政策が反映しておるのであります。日本の船価はこれに対しまして、この調べによりますと、現在総トン当り外航船で六万八千円と書いてありますが、これは恐らく小型の近海の外航船も入れたものと思います。本当の遠洋に出まする航洋船、これを見ますると、私は目分量でありますが、恐らく八万円は超えておるのではないかと思うのであります。こういうふうに世界の海運に比較いたしまして数倍の船価を持つておる日本の海運を今後どうして国際的に進出させるか、これは大問題だと思うのであります。のみならず、その他の条件としましても、例えば船舶金融に関する金利のごときは、日本は世界一高いのであります。イギリス、アメリカその他の海運国に比較することはできないのであります。こういうふうな惡条件を持つておる日本海運であり、而も船価が高い。このままではちよつと世界の海運市況が変つて参りまする場合に、先ず繋船を余儀なくされるのは日本船であります。早く今のうちにこの高船価を低船価に引下げる政策を、これは政府全体としてお考えにならないと、折角船をお造りになりましても、船は航行できないということになるかと思うのであります。でありますから、運輸大臣、大蔵大臣が、單に運輸省或いは大蔵省の見地からでなしに、日本の海運を育成して、そうして国際収支の改善を大いにやろう、或いは貿易に寄与しようというような大きな見地から見まして、この海運を育成するのに、対外競争力を培養するのに、どういうふうなお考えを持つておられるかということについて、これは根本的にお聞きしなければならんと思うのでありまして、その一つの問題は、この企業合理化促進法に関連する問題であると思います。でありますから、運輸省が、今大蔵省の政府委員の言われますように、果してここに船が適用されないという場合には、これに代るべきもつと広汎な海運の再建法と申しますか、そういつたものを用意される御意図がありますかどうか。若しそうでなければ、これは少くとも最小限度この合理化法に従つて、海運も早く船価を切下げて、外国に出られるようにしておかなければいけないという結論になるのであります。その点運輸大臣にお伺いしたい。それから、先ほど政府委員のほうから御答弁になりましたが、現在一番必要である貿易収支の改善にどの程度役立ち得るかということも非常に大きな考慮、要素になつて、各種産業を指定されるようでありますが、そういう見地から申しまして、少くとも貿易外収支で仮に五〇%くらいの輸入物資を日本船で運ぶという前提に立ちましても、年間二億ドル以上の運賃をかけて来ないとその程度にならないのでありますが、こういつた重要な国際収支に関係のある海運に対しまして、これを除外しなければならんというのは、單なる今の税収の問題だけでありますか、その他の問題も何かお考えでありますか、その点を明瞭にお答えを願いたいのであります。單なる税収の問題でありますれば、これは又考えなければならんということになるかと思いますが、その他の理由がおありになるのでありますか、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(村上義一君) お説の通り、日本の海運が非常に世界的に見て、世界海運各国との競争力という観点から見まして非常に不利益な立場に立つておるということは、これはもうお説の通りであります。今お示しになりました金利その他の点から、又その他の点においても非常に不利益な立場に立つておる。而も商船隊の建造が遅々としておる際に、今運賃が非常に高騰しておる、然るにこの高騰しておる運賃がいつまで持続するかということも今後的確な見通しは困難であると思う。今現に英国では四百万トンの建造をやつております。西ドイツでも二百十万トンの建造をしておるというような実情であります。世界的船腹不足の今日においてこそ運賃は維持されて来ておりますが、如何に各業の運賃同盟といえども一般の実情には抗し得ない、必ずや船腹が充実するに従つて運賃は下るものと考えるのであります。従つて時期の問題だと思うのであります。成るべく速かに日本商船隊を目標の輸出入物資五〇%を積取るというこの目標に、速かに到達しつつ、而もこの建造費の償却を敏速にして、先刻お話のように世界各国、特に英国、オランダ或いはスウェーデン、ノルウエー、デンマーク等の帳簿価格に対抗し得るように持つて行かんければ、日本の商船隊は復興したとは言えないと思う。ただ單に船腹を五〇%横取るというところまで達しても、競争力を持たなければ復興なれりとは言いがたいと思つておるのであります。従いまして、お話のような日本海運再建整備法というようなものを、特殊法を作つて各種の事項をこれに規定し、目的の達成を図るということは頗る必要なことだと考えておりまして、折角検討しておる次第でありますが、今問題になつておりますこの産業合理化促進法に船舶を適用するかということは、その一環として望ましいことだということを先刻来申上げておる次第であります。
○説明員(泉美之松君) 船舶を指定するか、しないかの問題は勿論厳守の点がございますが、そのほかの点といたしまして、先ほども申上げましたように、現在の船舶運輸業の収益の状況からいたしましても、初年度五割という償却はできないのであります。御承知のように現在重量一万総トンの船を建造いたしますのに十億の金がかかるのでございますが、それが一年間稼働いたしまして稼ぎ出す収入が恐らく七億円程度と思いますが、そういうのに建造価格の半額を初年度落すということは、殆んど収益の全部を減価償却に充てるということにもなりますし、配当その他の関係からいたしまして、そういうことはできがたいと思われるのであります。そこで海運業が減価償却できる程度のものは認めるという点からいたしますと、先ほど申上げましたように、すでに特別措置法によりまする三年間の特別償却の制度がございますので、その上に乗つけまして、耐用年数を若干短縮することによつてほぼ所期の目的を達成し得ると考えますので、その程度で適当じやないかというふうに考えておるのでございます。
○委員外議員(新谷寅三郎君) もう一つだけ……。運輸大臣のお答えに対しましては、又別の機会に私お伺いいたしますが、大蔵省政府委員の御答弁に対しまして、更にもう一点お聞きしたいのは、どの国でもそうでありましようが、只今の運賃市況から行きますと、英国の四〇%でも初年度において全部償却しておるとは考えられないのであります。ただこういうふうなものを置いておきますと、或いは一年間でもやれるかも知れないし、或いは一年半かかるかも知れない。とにかく最短期間にその四〇%というものを償却するということは、船主がやり得ることになるのであります。日本の船舶について見ましてもこの国際的な運賃市況というものは日本の政府できめるわけではありません。これはいろいろの国際情勢によつてきまつて来るわけでありますが、その最大限を償却させるということにして置くことが、只今私が申上げました趣旨に合致するのであります。今日先ず運賃市況が、これで計算してみると二年以上出ないから、それ以上にする必要はないということは、これは政策として取り得る必要はないと思いますが、この点に関しましてはどういうふうにお考えでございますか。それから運輸大臣に、それに関連しまして一言お答え願いたいと思いますのは、大蔵省でも言つておられますが、例えば相当の償却費を認められた、或る程度税金がかからなくなつたという場合に、一方船会社がそれに便乗して高率配当をするようなことがあつては趣旨を没却するものと思うのでありますが、これに対しましては運輸省として相当な措置をおとりになる御用意があるか、とれるか、とれないか、その点結論だけでよろしうございますから、お答え願いたい。
○国務大臣(村上義一君) 只今のお尋ねに対して、自分も適当な措置をとる必要があると考えております。
○説明員(泉美之松君) お話のように、イギリスにおきまして初年度四割の償却を認めておるのでございますが、御承知のようにイギリスの船舶の建造価格は比較的安いのでございます。従いまして収益力によりましてその程度の償却ができておるように聞いております。勿論四割全部が償却できておるか、どうかにつきましては、確たる資料を得ておりませんので、あと或いは後年度に繰越償却しておるかとも伺つております。ただ日本の場合におきましては、初年度五割ということになりますと、五割は到底償却できないのではないか、まあ我々といたしましては、取得を三年間に大体半額程度償却ができるように耐用年数をきめたらどうかと考えておるのでございます。
○委員外議員(新谷寅三郎君) 私もこれ以上時間をとるのは何ですから、これでやめますが、他の委員会において又同じ問題を御質問いたします。
○山縣勝見君 大蔵大臣が来るまで少し時間があるようでありますから、今の新谷君の質問に対しての大蔵当局の御答弁に関連してちよつと申上げたいのですが、少し誤解があるのじやないかと思うので、英国は船価が低いから、この程度のもので云々というが、英国の船価は決して低くないので、最近の日本の簿価は二割高いのですが、イギリスの簿価単価は約二万六千くらい、日本の約二倍になるのでありますが、この今平均簿価として計算されている価格というもののできた頃は、日本よりはむしろ二割ほど高かつた。現在は日本は二倍半ほど高くなつているというのは、イギリスは償却制度にしたからであつて、本末顛倒な御答弁である。どうしても償却制度その他何かの措置をとつて、平均簿価を低くして、新谷君のお話のようなふうに、その面からの対外競争力を持たせないと駄目だと思います。只今の御答弁はいささか腑に落ちないのですが、もう一度その点に対して我々に御答弁願いたい。
○説明員(泉美之松君) 或いは私の誤解で、イギリスがあの措置をとりました船価は、その当時の日本の船価に比べて高かつたか、どうか。或いは向うのほうが高かつたかも知れないのでございますが、日本の只今の点からいたしますと、収益率に比べて初年度五割落すことは困難であるというふうに考えているのでございます。
○山縣勝見君 只今の御答弁であれば了承いたしますが、先ほどの御答弁では承服いたし兼ねるというわけであります。いずれにいたしましても、これは何とかして、例えばデンマークのごときは初年度に全部落す、スウェーデンも全部落します。ノルウエーにいたしましても、償却を全部二、三年に落しておりまして、どうしてもこの処置をとらないといけないと思います。これは通産委員会にも是非御了承を願いたいのは、本法案は税中心にお考えになる法案でなくて、どうしても戦後の日本の経済を再建する措置としての議員立法、政府立法にあらずして議員立法になつた趣旨はそこにあるのでありますが、そういう趣旨から通産委員会で御討議になる際は、大蔵省のお考えになる税を中心とする方法を御審議の際にお考えになるということは本末顛倒であります。なお又先ほども申しましたが、他の委員会において、大蔵当局がこの特別の予算措置を講ずる必要がない程度のものであるというお話、本年度の歳出歳入の総額の点から申しましても、仮に二十億殖えましても大したことはない。先ほど八十数億というお話があり、半額にしても四十数億というお話がありましたが、それはやはり現実を見てやらなければいかんのであつて、現在の海運界の自己資金では今の程度は配当しなければならない。それから考えますと、先ほどの海運局長のお話しでは、二十一億乃至二十七億或いは二年度に跨がりますから、先ほど税制課長のお話のようになるかも知れませんが、いずれにいたしましても、私は船舶の今の需要から見て、その程度は運用して然るべきだと思う。この点通産委員会で是非とも御検討を願いたいと思います。
○委員長(竹中七郎君) 只今大蔵大臣が出席いたすそうでありますから……。
○小泉秀吉君 大蔵大臣に対する質問は他の委員に譲ります。特に私は政府の大蔵当局の先ほどの御説明に対して最も不満を持つているのでありますが、それはなぜかと言いますると、本法の第一条の目的と、政府の御説明のどういうふうなものを重要産業と認めるかという四点を挙げた、その四点の中の第二点並びに第三点に最も多く含まれるべき船舶を除外する、除外するという理由は税法上の観点で除外するのだというようなことを言いまして、本法の精神を全然無視して、そうして税法上だけで、而も十分含むべき理由があるというところから除外するというその論点はどうしても承服しがたいのであります。この点を事務当局としてもどうぞ十分今までの論議の経過に鑑みて御再考あらんことを希望いたしまして、私のむしろ質問でなしに意見を申上げておきます。
○山縣勝見君 大蔵大臣おかぜを召して非常にお熱があるようでありますから、詳細にいろんな点について御質問申上げたいと思つたのでありまするが、その点御遠慮申上げて、先ほど税制課長にいろいろ御質問申上げましたので、大蔵大臣お聞きとりになつていろいろ御勘考願いたいと思うのでありまするが、一、二点を運輸委員会において討議をいたした結果、大体運輸委員会において皆さんの御意見の一致いたしたと思われまする一、二の点を大蔵大臣に申上げて御質問申上げたいと思います。詳細は省略いたします。ただ先ほど運輸大臣にも御質問申上げたのでありますが、本国会における総理の演説或いは周東安本長官の演説、又大蔵大臣の演説等においても、本年度外航船舶の拡充に対して最低三十万総トンを一応拡充するということは政府の方針として天下に声明されたわけであります。それに対する資金の措置は先ほどお聞きをいたしましたのでありますが、運輸当局或いは大蔵当局に対しても御質問申上げましたが、それによつても、どうしても例えば見返資金の多少補正をして増額をいたしても、或いは増資或いは社債等によつて自己資金を増額いたしましても、なお相当の不足を来たすという点から、これは何らかこの際現在において可能な措置をとらなければならん。勿論民間においては増資や或いは社債の発行或いはその他の方法はこれは当然とらなければならないのでありますが、それでもなお相当足らないのであります。丁度合理化促進法というものが議員提出によつて、而も戦後の日本経済の再建の基礎をなす船舶のいわゆる航海拡充という点を目的にしてこの法案が出た。先ほど来大蔵当局の御説明を聞いておりますと、如何にも法律はさような目的であるにもかかわらず、自然大蔵省が提出された法案のような税法上の問題としての色彩が非常に濃いのでありまして、この点は折角かような結構な法案が議員提出で出て、而も国会において審議中でありますので、なお又政府として天下に声明せられた基本方針を貫くためには、何とかこの法案と船舶との関連を付けて、そうして政府の目的としている所期の目的を達したいということを我々委員会は念願しておりますので、船舶を適用に入れるということを決定いたしまして、通産委員会にも申入をしたのであります。それに対して合同委員会においても、又運輸委員会においても、大蔵当局から説明のありましたのは二点であります。一つは税収入の点から、それからもう一つは、船舶を法規内に入れることは妥当でないという点から説明を受けておりますが、それに対して大蔵大臣は、先ほど申しました趣旨から船舶の適用に対してどういうようにお考えになつているか、御質問申上げます。
○国務大臣(池田勇人君) 企業合理化法の中に船舶を入れますことは私は賛成できないと思います。理由につきましては、我々のほうから行きますと、非常に減収が起るということと、当然又権衡から申しましても、若しこういうふうにやると、船が、一つの工場全体にやるようなものでございますから、やるとすれば船舶の中の機械その他一部についてやるなら権衡が保たれますが、全部を産業の企業合理化法に入れることは適当でないのではないかという考えを持つております。
○山縣勝見君 今日は大蔵大臣おかぜで非常に質問がしにくいのでありますが、今大体この論議は各委員会において論議が重ねられておりますから、詳細は重ねて申上げません。大蔵当局から大臣お聞きの通りでありますし、本日も申上げましたから、重ねてお聞取り願いたいのでありますが、運輸委員会といたしては、累次申上げております点から、是非この目的は船舶の拡充に必要な資金の調達という点であります。それに対して是非一つ重ねて大蔵当局におかれても合同委員会の各委員の発言、なお又運輸委員会から正式に通産委員会に、速記録等を御参考を願つて御善処を要望いたし、なお又運輸委員会といたしましては、通産委員会に先ほど申入れました点の御採用をお願いいたして、私の質問を打切ります。
○委員長(竹中七郎君) では連合委員会はこの程度で閉じまして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹中七郎君) 御異議ないものと認めまして、連合委員会は散会いたします。 午後零時五十一分散会