懲罰委員会 第3号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/07/12
会議録
○委員長(一松政二君) 只今から会議を開きます。 先ず事務総長に先月二十八日の晝の部と夜の部と二度いろいろ混乱した事情がありまして、そうして懲罰動議を出されてこの委員会に付託になつている。そこで一番この問題について職務を一方において執行しながら、ああいう混乱が起つているのであるから、職務と、一方からただ見ているという関係でないのだから、そこにはたから見ているほど全部を御承知かどうか存じませんが、一応事務総長の知つている限りの当日の混乱の実情について供述してもらいたいと思います。
○事務総長(近藤英明君) 二十八日の混乱の状況について見ているところを話せ、かような御要求かと存じます。あの小林さんの動議が出まして議長がこれを取上げて採決に付されるその直前、つまり小林さんの動議が出た瞬間から議場はすでに騒然としておつたわけであります。それで現に賛成者も数人賛成して立たれたのを議長がどの賛成をおとりになつたかということすらもはつきりしないくらい騒然としておつて、私ども隣におつて数人立たれたかたのどちらの賛成を議長おとりになつたのですかと聞いたくらい実は騒然としておつたわけであります。やがて議長が採決に付され、それから記名投票が始まろうとしますと、すでに私の席の前面には数人のかたが立つて来られまして、どうしたのだどうしたのだとかいろいろな大きな声を張り上げて私の前には見えておりました。そうして卓を叩いて注意を喚起して私に説明を求められましたが、すでにあの段階において詳細な法律的な解釈等の御説明を申上げることのできる状況ではないと考えましたので、例えば誰それ君の動議はどうしたのか、何がどうしたのかという御質問があつたように思いますが、すでにその書類は議長にお目にかけてあるとかないとかいう返事しかできなかつたと思つております。それから投票のために氏名点呼が始まりましたが、氏名点呼の声は確かにマイクが入つておりましたので、私はあの議場に響いて来る声から見て十分に議場には聞き取られるくらいの反響、声は通じておつたと思つております。それから緑風会の席からどんどん演壇に上つて来られて投票を開始されたわけですが、そのときすでに演壇の正面並びに階段附近に数人のかたが立つておられましたから、衛視は直ちにあそこの議長席附近に参りましてあの周囲の整理に衛視が当つたわけであります。ところがその衛視の整理もうまく行きませんし、なおその下のほうから続々としてあの周辺にお集まりになる状況で、議長としては、なお又私どもの席の正面にも数人その当時入れ代り立ち代りお立ちになつているような状況でございましたし、それから投票の列が、投票の氏名点呼が進行しているにかかわらず、議長席の正面で殆んど停頓してしまつて先に進まないという状況であることは明らかな事実であつたわけであります。従つて議長としてはこのまま投票を継続することが不可能、或いは少くとも非常な困難だ、これはこのまま継続しがたいものだとお認めになつて、あの際休憩を宣せられたものである、かように存じておるわけでございます。その間あの演壇下における揉み合いと言いますか、そういう状況は私の席から実は見えませんので全然わかりません。翌日写真を見まして一議員があの壇の下に転がつておられる状況なんかも、あの辺でわあわあ言う声は聞えていましたが、何事が起つたのか全然承知いたさなかつたような状況でございます。それからなお私どもの席の正面に見えたかたたちは、私の卓を叩いて頻りに大きな声を張り上げられますが、数人一緒に大きな声を張り上げられているためにこれは聽取できなかつたのであります。従つてこれは殆んど御返事いたさなかつたのであります。なぜ黙つておつたかという声もあつたのですが、殆んど御返事いたさなかつたように記憶いたしております。これは晝の部も夜の部も同様でございます。但し夜のときのほうはそのまま投票が継続されてそのうち靜粛になつて、投票の終り頃には靜粛に投票が進行してしまつた、かように存じておるわけでございます。
○小川久義君 何か事務総長の机の上にあつた書類か、議長の机の上にあつた書類か、それを取つたとか、取つてどこかにやつたとかいう話があるのですが、その点はお気付かなかつたのですか。
○事務総長(近藤英明君) それは私の机の上にあつたことと、それから当日の討論通告表を私は揃えて持つて上つておつたわけです。これは一応写しはとりましたが、その原本そのものを預つてあそこでなお整理の必要がありましたから、その原本の通告の申込書、その原本を取揃えて積んで、いつも一抱え持つて上ります。その一番上にこれを載つけてあそこに坐つていたわけです。そういたしますと、頻りに卓を叩いて入れ代り立ち代り声を立てておられましたが、この私の法規集が一番高いところから横に来ましたのも事実でございます。そのうちにどなたの手が触れたか遂に私確認できなかつたのですが、私の机の上にあつた通告表が散乱いたしましたが、私がひよつと見ますと、自分の机の上になくなつたものですからつはつと思つてこれがないとこれから議事を進行するのに困るし、どなたかわざわざ飛ばされることがあれば重大な問題だが、わざわざ飛ばされた状況は見なかつたが、どうしたんだろうと思つてふつと見ますと、壇の下に散らばつていまして、間もなく衛視が拾つてくれまして又席の上に置いたわけでございますが、頻りにあの周辺から入れ代り立ち代り来られて、いつもああいう状況の場合にはあることですが、卓を叩いて私がそつちを向かんと、自分のほうを向かせるために、見えたかたは卓を叩かれますので、卓を叩いた音響は聞いております。従つてその手のどれかがたまたまこういうふうに積んであつた下からですから、書類の積んであるところをお叩きになつたかたがあるのじやないかと思いますが、そういうことで書類が飛んだかということかと思つております。書類は確かに散乱いたしまして、これは傍聽席等からも確認されたことだろうと思いますし、議席からは確認されなかつたかと思います。こういう壇の上からするつと下に飛んでしまつたものですから……そういう状況でございます。
○小川久義君 それは誰がやつたか記憶はありませんか。
○事務総長(近藤英明君) これは私は遂にどなたの手が触れたかということは確認できなかつたのでございます。当日もすぐ済んだあとで議事部長その他とも書類が飛んじやつてなというので申したわけでございまして、大事な書類だから飛んじやつたら困る、衛視がすぐ拾つてくれて助かつた。こう言いましたが、誰も、私のすぐうしろにおつた議事部長等も、どうも飛んだらしいということで、議事部の席におつた人も言つておりましたが、果して誰の手が触れたかということを確認しておるものはないのでございます。
○委員長(一松政二君) ほかに御質疑ございませんか。
○城義臣君 伺いますがね。登壇したかしなかつたかという問題ですね。登壇の壇でありますが、この間の一身上の弁明の際に丁度議長さんのあの机と、前のテーブルとのこの対角線を引いて、この中に入つた者が登壇であつて、壇を上つて、まあ議長の横のほうですね、要するに壇上、常識で言えば、あそこに来たのは登壇でないというようなことを頻りに抗弁しておつた議員があつたが、僕らの一般通念から考えると、それは甚だ詭弁のように聞えるのですが、これについてはどういうふうにお考えでございますか。
○事務総長(近藤英明君) 壇と申しますが、物理的に言えば壇は階段から上が皆壇であると言えると思います。ところが議長が登壇を命ずると、こういうときの壇、或いは降壇を命ずるときの壇、議長が降壇を命ずる場合、横にそれれば降壇になるかというと、やはり階段から降ろしてしまうということである。議長が衛視執行というときは、壇の真中からマイクの横に行けば降壇かというと、やはりそうでなくて階段から下に引ずり降ろしてしまうのが降壇だろうと思います。実はそこまでの解釈は確定した、先例的な解釈が確立したものが一つもないわけでございます、本院におきまして。然らば登壇を命ずると議長が言います場合に、これはどこに来るのが登壇したかというと、階段の横に上つただけでは駄目だ。演壇の横つちよでしやべつていたら、議長は演壇の正面にお立ちを願いますということを多分言われるだろうと思います。現にこの間そういう一身上の弁明の際に、身振り手振で壇を右往左往してなさつた場合に、私は実は議長に演壇の正面で御発言願いますということを言つて頂こうとしましたのですが、これはその機を遂に得なくて、そこまで至らなかつたのですが、と言いますのは、壇の周辺を随分お歩きになりますが、そうするとマイクに入らなくなる。横に行くとマイクに入らなくなる。壇の正面で御発言になることが一番正当な御発言だと思います。やはり身振り手振りをいたす場合も、せいぜい演壇の正面あたりで、テーブルの前あたりで、多少の動きはあるとしても、それから外に出られるということは適当でなかろう。従つてその場合、議長としては演壇正面で御発言願いますということを御発言なさることはあり得ることだと思います。そういう場合の壇ということは非常に狹まつて来るだろうと思います。 それから例えば演壇を占拠するとかしないとかということ、こういうことは問題になるだろうと思います。壇というものは物理的に言えば全部が壇だと思いますが、併し議院運営の人が交渉のために上る、これがどこまで来るかということが問題だろうと思います。その場合は一応事務総長のところに、事務総長の前まで来られて、あそこで事務総長にいろいろ緊急な交渉をされる。通常ならば交渉も何と申しますか、事務総長のところに来て折衝されるよりも、事務総長はあそこで演説を聞いておる、或いは議事についていろいろメモを書いておる、それに来られると非常に邪魔になるのです。かなりものを聞き損いますので、平常は議事部長のところに来て頂いて御連絡を願つておりますが、緊急の場合は事務総長のところにまで来るということは、平常の場合にも相当ございます。これが済んだら議事進行の発言をするということで、議事部長でなくて私のところに来て言われることも、平常でも多分にあります。それで私のところに来て話すということも多々あります。これは演壇占拠ということにはならないだろうと考えております。別に確定した解釈は、今まで事務局で確定した判決をしたことはありませんが、慣行上事務総長の正面まで見えまして、事務総長これはどうなんだ、それはどうするのだ、或いはこの次に自分の報告は誰それの次にしてもらいたいというような御要求、質問をなさることはあるだろうと思うんです。事務総長の正面に立たれるということは演壇の占拠にはならないと思います。例えばこれは議長の前とか、演説者の真後に立たれるとこれは演説者の妨害になると思う。併し演壇を占拠しちやならないということは演壇における発言を妨害しちやならない、この点が私は眼目だろうと考えます。だからその限度は恐らく演壇における発言の阻害になり、或いは議長の発言されるこの議長席の正面をおかす、こういうことはつまり演壇の占拠である、こういうふうに考えますが、あの対角線がいいのか、丸く描くのか、角で描くのか、どういう線に描くのか、画然たることを私は申上げるだけの実は今まで慣行が成立しておりませんので慣行上かようなものでございますという自信を持ちませんが、一応議長の真正面に立たれたらもう明らかに演壇を占拠し、或いは議長の職務を阻害するものと認めてよかろう、或いは演説者の真後に立たれるということがあつたらこれは演壇の占拠という行為だろうと思います。又演説者がたまたま立つていなくても演説者の演説を行なうべき場所に立つ、こういう場合等が演壇を占拠するという行為になるものと、かように私は考えます。
○城義臣君 ちよつと別のことを伺いますが、議長が投票は記名投票を以てするという宣告をされて、それからこう氏名点呼が始まる、その最中にまあああいう事態が起きた、従つてまあ非常な喧噪の中ではあつたけれども、議長がいわゆる壇上を整理するために当然衛視に対して執行する命令を下すべきではないか、こう考えるのですが、速記録等を見ますというと四、五回に亘つて席にお着き下さい、議席にお帰り下さいということはちやんと速記録に出ておりますし、それに対してなお且つあの交通を遮断するというか、妨害をして、で、投票の目的を果し得ない混乱に陷つている最中に、これは事務担当者として議長は宣告を下さない、或いは下すべき段階だというような場合には、これに対していわゆる議長に書き物を渡すなり、その他の方法等を以て少くともあの場合整理をするというようなことをなさる必要があるのではないでしようか、それについてどうお考えですか。
○事務総長(近藤英明君) この点は極めて微妙な問題かと存じます。殊に議長自身の御判断の問題にかかるわけでございます。つまり議長としてはあの場合に自分の席へお帰りになることを第一段として求められる。それに応じない場会議長として執行権のあることは、これは勿論当然でございます。その権限があるから議長は必ずその権限をフルに発揮しなければならんということを義務付けられたわけではない。議長の権限でございまするというと議長としてその権限を行使することがあの段階においていいと考えられたか、或いは一応休憩して、そうしていま一度開いて、それでなお且ついけないならばそのときにはあらゆる議長の最大の権限を発揮して衛視の執行を命ずる、こう考えられたのか、それは議長の御判断の問題だろうと思います。ここらになりますと、何と申しますか、議長に執行を命じなさいといつてなさるという筋合ではなかろうかと存じます。この命じ得る権限のあることは議長の権限として明白な事実でございますが、ただその議長がその段階において執行をも命じて、且つこの場合直ちにそれを実際やる段階か、これはそのときのいろいろな状況なり、或いは時間的な状況なり、こういうこともすべて議長としては判断されて御決定になるものだと考えます。例えば今の段階において休憩すること自身が極めて不可能で、それもいけないというならば休憩したらもつと惡くなる、こういう御判断であるならば休憩したら自分の執行権を以ても却つてできなくなる、こういう御判断ならばその際にその議長の持たれる権限を発揮する、或いは議長としてはここまでやつて着席を、要求を議員の良識に訴えて議員みずから自分の席に帰られることを、できるならば衛視の執行を命じて、議員に実力を行使して下せという措置をとる最後の手段に訴える前に、もう一度議長としてはそこに一つの手を打たれるか、或いは議長としてもう直ちにこれを止むを得ないから最大の権限を発揮するか、これは議長の御判断の問題に帰するものと私は考えます。
○城義臣君 もう一点伺いますが、関連しているんですが、そういたしますとね。あの場合衛視が飛び出して来て、あすこで人垣というのじやないけれども、どことなく集まつて来て、あの混乱を整理いたした。そうしていわゆる議長の宣告したことを常識的に当然遂行しようと協力する。これはその立場上当然でしよう。併しこれは慣例は何ですが、もう当然議長さんの命令に対して、いや宣告に対して自動的にああいうことをするのは衛視の行き過ぎでないということが言えるのですか。
○事務総長(近藤英明君) お説の通りでございます。これは衛視としての職務上警務部の分課規程に基きまして、さような警備上の権限を持つておりますから、緊急な場合に一々衛視が警務部長を通じ、総長を通じ、議長から口頭なり、書面なりの命令がなければ一切の行為ができない、こういうことでは警察行為というものは不可能かと存じますので、その他の場合におきましても判断に基きまして一応の警備体制を整えるということは当然の職務行為として行うものと、かように考えております。これは何ら越権行為ではなかろうと存じます。但し若し議長の執行命令もないのに、議場内において衛視が或る人を引張つてどつかへ持つて行く、議場外に引張り出すということは越権行為でしようが、いつでも命令があれば執行に移せる、かような態勢まで整えるということは衛視の当然の職務行為であろうと解しております。
○城義臣君 そういたしますと、当然のことだとおつしやるのはわかりますが、お前は誰の命令でここへ出てそういうことをやつておるのだといつて、その混乱した最中であつたでしようが、興奮をして咽喉を絞めたとか、突き飛ばしたとかいろいろなことやつておるのですね、暴力行為を……。そうするというと、成るほど命令は出ていない、出ていないけれども、私どもはこの状況を判断して、これが適宜の処置としてやつたということは、これは決して衛視の諸君としては適当な行為であつた、それは命令はなかつたからといつてここに出て来たのはけしからんということには常識的にもならない、こういう判断をしてよろしいのですか。
○事務総長(近藤英明君) お説の通りであります。
○小野哲君 ちよつと私から伺いたいのですが、これは午後三時頃の分と、同日の午後十時四十分の二つあるわけでありますが、先ず午後三時頃の状況について伺いたいのですが、実は私も議長からの投票の宣告があつて、氏名点呼に応じて壇上に登つたのです。登壇したわけです。それで一旦投票を終えて帰ろうと思つた。ところが前方が阻まれて帰れない。その場合に、これは一つの慣例があるかないか知りませんが、登壇して投票権を行使した後はどうしても前方の階段を降りなければならないのか、臨機の措置として適宜自席に帰ることが認められるのかどうか。実は当時投票権はもう行使したわけなんだから、従つて帰り路は必ずしも前方の階段を降りなければならないという必要はないんじやないか。そういたしますと、そういう方法をとるならば、何がしかもつと整理ができたのではないだろうか、又そういうことが果して適法と申しますか、適当なのかどうか、何かそういう点について総長のお考えを伺いたい。
○事務総長(近藤英明君) 投票をする場合に、壇に登つて壇より降りられるあの順路と申しますものは、法規には御承知の通り何もどこを通つてどこをどうということはありませんが、慣行上あの議長席の左手の階段から登つて右側の階段を降りる、これは確立した慣行だろうと思うのでございます。別な階段から降りられる、他の通路から自分の席へ帰られるということは慣行に反するであろう、かよう考えますんですが……。
○小野哲君 ただ当時は混乱をした結果、議長が暫時休憩ということで宣言をされたわけなのでありまして、これは一応結果的に見ればそれで済んでおるわけなんですが、議場の高い壇上の整理をするという場合において、実は具体的に自分の体験上から、何らか必要な処置が講じ得るならば、衛視諸君の整理も割合に円滑にできたのではないだろうか、同時に投票権そのものは別に無効ではないのだ、こういうような考え方を持つていたので、只今の御説明でそういう慣行でないというふうなお話でありましたので、強いてその慣行を破つてまで他の方法をとるべきであるということは主張はいたしませんが、それも一つの臨機の措置としては考えられる問題ではなかつたかと、かように思うわけであります。 それから午後十時過ぎの問題でありますが、議長は明らかに「諸君の降壇を命じます。席にお帰り下さい。衛視、執行して下さい。」こういう文句が速記録に残つておるわけであります。その場合にさつき城さんからの御質問で壇上に登るということは結局演壇における発言者の発言に支障を與えたり、或いは議長の席の正面に立つて議長の発言を阻止したりというようなことについては、これは非常に重大な問題だと思いますが、今回の問題は單にそういう問題でなしに、すでに氏名点呼が行われて、投票権を行使しておる最中の問題でありますので、この場合議長が降壇を命ぜられたということは、演説する人が立つているあの議長席の正面から降りろ、こういう意味ではなしに、とにかく投票が円滑にできるようにあの投票を行うに必要な壇上ですね、そこから降りてくれろ、こういうふうに私どもは解釈すべきではないだろうか、従つてそこから降壇をしないということはあの投票をすることを妨げておるような状態が発生しておつたのではなかろうか、こういうふうに見えるわけですね。従つて壇上ということ、或いは登壇、降壇ということがそのときの具体的の事情によつて必ずしも一定できないのではないか。従つて若し我々が投票をしておる途上において、それが身動きができなくなつておるような実情であり、且つ又議長が降壇を命ぜられたという当時の状況から考えますと、とにかく壇上というものはしかく狭いものではなしに、広いものと解釈するのが常識ではなかろうか。特に單に演説をしておるという場合ではなしに、投票をしておるという具体的な場合について判断をするならば、広く解釈するのが適当じやないか、又そう解釈しなければ投票権が円滑に行使されるための秩序を維持するということが困難ではないかと思うのですが、それはどうなんでしようか。
○事務総長(近藤英明君) 只今の小野さんのお話の何でございますが、これは壇という問題よりも確かに投票を円滑に行わしめるというのが議長の目的であるわけであります。投票を円満に行うために阻害になるような場所に立つということは、すべて議長はあの場の目的としてはそれを阻止しよう、そういう投票の円満な遂行を阻害するような演壇に登つたりなんかすることは除きたい、この目的を以て衛視にその執行を命ぜられたもの、かように解釈しております。
○小野哲君 そこで先だつても一身上の弁明があつたときに演壇というものに対する定義を言われた人もあつたようですが、私は具体的な実情について考えました場合においては、只今総長が言われましたように、議長の意思としては当時は投票が円滑に行えるようにという意味での降壇を命ぜられた、こう解釈すべきではないかと思います。従つて若し降壇を命じても降壇をしなかつたという場合においては、結果的には投票が円滑に行われなかつた、従つて議長の意図されておつたことが実現できなかつた、こういうふうにまあ解釈せざるを得ないのじやないかと思います。それが具体的にどういうふうな行為によつてそうされたかということはこれは又別の機会に問題にすべきだろうと思いますけれども、少くとも登壇、降壇ということを只今一つの問題として考えます場合においては、投票権の行使ということと関連を以て判断をするということが妥当ではないか、こういうふうに私は考えるわけなんであります。従つてそこで演壇の定義を論議することは私としては只今差控えたいと思いますが、少くとも現実の状況がそうであつたということを前提としてこの問題は判断をして行くということが適当じやないかという気持を持つておるわけであります。ただ総長があの総長席におられることによつて、全般的な、即ちあの演壇を中心とした議員諸君の行動をはつきりと見るわけに行かなかつた、従つてこの点につきましては私からは質問をすることは差控えたいと思います。ただ城さんの質問と関連いたしまして私としてはさような判断が成り立つのではないか、こういうことについて一応総長の御見解を伺つたわけであります。 それからもう一つ、これは或いは議事部長に伺つたほうがいいのかと思うのですが、同時に又議場全体の問題となるので如何かと思いますけれども……。夜のときに議長が休憩前に引続いてこれより会議を開きます、ということを宣せられる前にすでに数人の議員諸君が左右の階段附近に出ておられたのではないかと思うのですが、或いは私の記憶違いかも知れませんが、開会を冒せられてあの混乱が生ずる前にすでに議員が左右の階段附近に出ておられたということは総長席からはおわかりになりましたかどうか。
○事務総長(近藤英明君) この点につきましては私ははつきりした記憶を持ちませんのでございます。
○小野哲君 私も実は議場内に入るときの状況ですから果して左右の階段附近に数名の議員諸君が意識的に進んで来られたのか、或いは着席のためにばらばらになつておるような状況がそう見えたのか、この辺はちよつと判定いたしかねますが、いろいろ成規の手続による議事の進行が始まる前にすでにそういう行動があつたとするならば、これも一応調べる必要があるのではないかと思うのですが、総長としてはこの点がはつきりしないとするならばそれでも一応結構かと思います。
○事務総長(近藤英明君) その問題につきましては、実は第五国会のときに、議長がもうあそこに入る前にあの附近に全然入れなかつたものですからああいう事態も又起り得ることを予測しなければならなかつた。それで議長はあそこにずつと入られるのはどうか知らんと思つておりましたが、議長席には何ら障害なく平常通り着席いたされましたし、私もあそこに普通に着席したものでありますから、その間実はあそこに何したことはちよつと注意しませんでした。もつともつと実は演壇附近もこの前の第五国会のときのようなことも、一遍あつたことは二遍ないとは限らない、こういうような感じを持つておりましたが、今日は無事平穏に着けたではないかということで、極めて冷静な気持であそこに坐りました関係から、あの壇の下の少くとも議長席の前には、或いは周辺にはもう誰も見掛けなかつたと思います。平常の場合でもどうかするとベルを押して議場に入りますと、間もなく議長も私も入りますが、議事部長のところにはどなたか見えておりますことがときどきありますので、議事部長のところに一人や二人ならば気にかけないと思いますが、あそこに五人も六人も立つておれば、第五国会の二の舞かなあと気にかけたかも知れませんが、殊に小野さんのおつしやる壇の下のほうであつたかどうか、私にはちよつと記憶がございませんですが……。
○城義臣君 まあ関連してですが、交渉係の諸君がいわゆる登壇されて行くのは、これは普通常識的に、向つて左の壇から上つてまあ交渉される。ところが休憩後の状況では右のほうの壇に数名の者が立つておつたのであります。これはまあああいう異常な状態ですから多少は考えられんこともないけれども、併しこの間の一身上の弁明の中に、まあいろいろ事情は述べられておつたが、向つて左のほうからは登り得なかつたので、左側に廻つたというようなことを言つておられたのです。これは今のお話ではまあ何名かがおつただけで、そう余計いなかつたというふうな意味にもとれる発言ですが、向つて右から登壇しなければならないほど実は左のほうにも現に人がいてと、その人の言うことは本当だろうと思うのだが、交渉係の者が普通は右から上ることはあり得ない。上つたからといつてこれは何も慣例に反するというほどのことではないでしようが……。
○事務総長(近藤英明君) 今の点はちよつとさつきの小野さんのほうの何とも関連しますが、先刻小野さんの御発言は、議長が議長席に着かれる際にすでにあの附近に誰かいなかつたかという御質問です。その点は私確認いたしておりません。併し今の城さんの御質問は、休憩前に引続き開会いたしますと言われて、それから動議が出ようというときだと思いますが、動議が出た、そこでどやどやと上つて来られた。これは確かにどやどや上つて来られたのです。その場合に右側から上つて来られたかたも数人あつたことは事実のようでございます。右側から上ることが正常でないことはこれ又明らかであります。通常交渉があれば第一に議事部長のところに見えるのが普通であります。尤も緊急ということであれば事務総長の前に来られるのでありますが、それならどうしても右手から上つて来られるということは異例なわけであります。やはりこちらから上つて来られて総長席の前に来られるのが普通かと思います。こちら側から来られるのは普通の方法ではないということだけは言えると思います。
○城義臣君 これはデリケートな問題ですが、交渉係じやない諸君が右から上つて行つたということはどういうわけで上つて行つたか。本人はそれぞれ理由付けをなさるでしようが、僕ら第三者として見ていると、異例なことをあの場合やるということは、どうも普通にはちよつと変なようにとれるのですね。ただあそこに交渉係じやない人がおられたことをどう判断するかということなんです。見ようによればやはり登壇を阻止するための目的であそこへ屯するというので上つたのではないかと、こうもとれる。本人の言うことを素直にとれば、現実に左から登壇することが不可能の状態であつたので、止むを得ず右から上つて議事部長等に何か交渉なさろうと考えたと、善意にとれぬこともないが、併しあれですね、衛視の人が会度は人垣を作つてあそこでやはり整理をされたために、ともかくも投票が行われたということはこれは認めなければならんのです。即ち右側に上つたという人が投票をやはり阻止するというか、何かそこで特別に交渉しようというお考えであつたかどうか知りませんが、おつたという事実だけはこれは間違いないと思います。それでそのときまではやはり衛視は投票を速かに円滑に行わしめるような状況判断の下に自発的に動いたと、私こう見るのですが、その際執行ということをやはり議長は命じたようでしたね、命じなかつたのですか。
○事務総長(近藤英明君) 先刻の右側からという小野さんの御質問のときには、夜の部の質問だつたと思うのです。
○城義臣君 私の質問も夜の部です。
○事務総長(近藤英明君) 夜の部ですか……、夜の部のときには、議長は衛視に執行を命じておられます。
○城義臣君 ということは、関連しますが、やはり数名の者があそこに投票を行使することを阻止しようという事実があつたので命令されたと、こういうふうに判断するほかはないと思うのですが、総長はどういうふうにその点について判断されますか。
○事務総長(近藤英明君) 夜の部につきましては、右も左も、左といえども、投票の邪魔になる場所におる人たちはすべてのいてもらうというのが議長の目的であつて、そうして投票の通路の阻害にならないようにすべてのいてもらうと、それを衛視に執行しろという御命令であつたと心得ております。
○委員長(一松政二君) ほかに御質問がなければ、委員長がちよつと一つ聞きたいと思いますが、夜の部で、又第五国会の二の舞を演ずるのではなかろうかという一応の懸念を持つて議場に入られたという今事務総長のお話でございますが、それはどういうところからそういう判断をなされたか、その間の判断を下す材料について御説明を願いたい。
○事務総長(近藤英明君) これはただ私の感じでございまして、第五国会においてかようなことは実は予期もしないのに、かくのごとく壇上と言いますか、雛壇とか全部占領され、そうして松平議長は身動きもならないし、小林総長も又身動きができなくなつて、私がやや小林さんよりも背が高いために先がよく見えるので、逆の側から入りまして、事務次長として総長故障のある場合として総長席に着いたという事態を体験いたしておりますので、すでにそういう場合すらもあつたのだから、そういうことに又会つても、断乎としてやはり議長なり総長なりはその場合に職務執行のために壇上まで着かなければならんものだとこういう気持を持つて入つて来たものでありますから、幸い今日はそういうこともなくして楽々と議長席に入られたなと、こういうことだけであります。別にあそこを阻止するという情報があつたとか、予告があつたとか、そういうことは何もございません。
○委員長(一松政二君) 併し、晝投票が行われずして、それから各派のかたと一応懇談されたと、そういう席には事務総長はおられたわけでしよう。
○事務総長(近藤英明君) おりました。
○委員長(一松政二君) そうして、その話が結局不調に終つて、そうして又議長職権で再開するのほかなしと議長が決意されたことも事実なんでございましよう、その点は如何ですか。
○事務総長(近藤英明君) その通りでございます。議長は、休憩されまして、その後又いよいよ最後に開かれる際にも、いよいよこういう事態だから議長職権で開かざるを得なくなつたので、そういうふうに議長職権で再開しますということは、一応各派に御通告なさつたと記憶いたしておりますが、従つて私は、何と申しますか、あの場合当然第五国会と同様なことが起るのだと、こういう予想をすることは必要のないことだと、こういうように思つておりました。それは一応とにかく今晩議長職権を以て議事を開く、休憩前に引続いて議事をやるぞということをすでに御通告なさつておりますから、この状況のままで議事を開くということをはつきりどこも確認されておると、従つて、議長職権で以て是が非でもやられるのだと、とにかくそこまで決意を持つてやられるのだということであれば、この前のようなことは起るまいが、とにかくこの前一遍起つたことであるから、そういうようなことを私どもとしては心の中には用心をきめて出なければならんものだと、これだけのことでございます。
○委員長(一松政二君) ほかに御質問のかたございませんか。
○松原一彦君 私は前後の事情をよく知らないのですが、あのときはもう各派の交渉も決裂し、議長はすべて職権によつてやつておいでになつたものと思うのですが、間違いありませんか。
○事務総長(近藤英明君) その通りでございます。
○松原一彦君 そうしますと、議長が職権によつておやりなさるということになれば、規則通りのことをおやりにならなければならんという一つの制約があると思うのですね。慣行もなく先例もないようなことをおやりになれば、これは当然紛争を起すと、こういうことになるのでありますが、この大勢の者が駈け上つたというあの動議は、すべての人が言う通りに、あの小林君の動議をお取り上げになつた議長のその措置が規則に背いていると、こういう認識の下に、それは間違いだと言つて駈け上つた人々が多少あつたものと、私はこう見ております。これは従来、こういう場合には得てして駈け上るものなんです。というて、これを一々規則に照らして、みだりに議席を離れ、議長の許可を得ずして演壇に登つたということで処分するということはなかつたように思いますが、あのときの発言の通告の順序ですね、これは事務総長はどういうふうに事務の上か御覧になつておるか、お取扱いになつておるか、懲罰動議が文書によつて出たその時間と、小林君の動議の出た時間とはどうなつておりましようか。
○事務総長(近藤英明君) あれは懲罰動議のほうは書面で出ておりましたから、このほうが先に出ております。
○松原一彦君 何時頃ですか。
○事務総長(近藤英明君) ちよつと私記憶いたしておりませんが、議事部等で或いは覚えているかも知れません。
○松原一彦君 丁度そこに議事部長もおいでですが……、ちよつと速記をとめて下さい。
○委員長(一松政二君) 速記をとめて。 午後零時二十九分速記中止 —————・————— 午後零時四十八分速記開始
○委員長(一松政二君) では速記を始めて下さい。 事務総長と議事部長は他にどうしても出なければならん時間の約束があつて、今日は中途でありますけれどもこの程度で打切りまして、他日又呼ぶことにいたします。 本委員会は二十日まで自然休会中は休みまして、二十一日から改めて開会することにいたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十九分散会