P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
13回国会参議院1952/01/30

地方行政委員会 第1号

発言数
47
登壇者
6
会派数
2
開催日
1952/01/30

会議録

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) 只今より委員会を開会いたします。  先ず最初に調査未了報告書を提出しなければなりませんので、それをお諮りいたします。第十二国会終了後、調査の資料等を集めておりましたが、短期間でございましたので報告を完了いたしませんので、本院規則第五十五條に基きまして調査未了報告書を提出しなければなりませんが、その内容その他一切につきましては、委員長にお任せ願いたいと存じます。それでは委員長が本院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますから、順次御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     堀  末治  岩沢 忠恭     岡本 愛祐  原  虎一     石川 清一  若木 勝藏     高橋進太郎   —————————————

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) 本日は平衡交付金とか、或いは本国会提出の予定法案等について説明を求めたいと存じますが、最初に只今鈴木次長がおられますから、自治庁において本国会に提出する法案の概略について説明を求めます。

鈴木俊一地方自治庁次長

○政府委員(鈴木俊一君) 本国会に提案予定の法律案につきましては、只今関係方面並びに政府部内の各機関と連絡協議中でございまして、まだ最終的な結論には到達しておりませんが、目下のところ提案を予定いたしております法案は以下申上げるようなものでございます。  第一は地方自治法の改正法律案であります。これは地方行政の簡素化の趣旨に則りまして、現行地方自治制度の建前に触れない限度におきまして、可能なる限りの行政の簡素化を図ろうとする内容のものでございます。それから次は地方公務員法の一部改正の法律案でございますが、これも昨年国会を通過いたしまして、施行後の一年足らずの経験に鑑みまして、若干手を加えたほうが実際の運用が活撥に参りますような点がございまするのと、講和條約の発効に伴いまして、若干規定上公務員の資格等につきまして、調整を加える必要がある点がございますので、それらの点の改正を内容といたしまする極く技術的な内容のものでございます。それから第三は、公営企業法案でございますが、これは一昨年の国会におきまして、地方公務員法を御通過になりました際の国会の御意向に基きまして、公営企業法案を提案することになつておるわけでございまして、これを目下用意いたしております。その内容は、第一に地方公共団体が経営いたしております公営企業の組織の問題、第二に会計、経理の問題、第三に労働関係を含めました身分取扱の問題、こういう三点を内容とするものでございます。第四は、單純労務に従事いたしまする地方公務員の特例法案でございまして、これも地方公務員法通過の際の国会の御意向に基くものでありますが、これは地方公務員法の適用上の特例を設けようとするものでございます。それから第五は、町村職員恩給組合法案と仮に申しているものであります。これは現在町村の役場に勤務いたしておりまする吏員につきましては、個々の町村におきまして恩給を支給するだけの対象がございませんので、府県ごとに組合を作つて、町村吏員が退職いたしました場合の恩給支給の規則を設けておるのでありますが、これの根拠が現在は甚だ明確でございませんので、これに根拠を與えまして町村職員の恩給制度を確立いたし、町村職員の福祉を増進いたしたいという趣旨のものであります。  それから財政関係におきましては、第一に地方税法の問題でありますが、これに関しましては附加価値税を更に今年一ぱい延ばすという点につきましての地方税法の改正案を提案いたしたいと考えておるのであります。なお場合によりましたら、若干これに附随いたしました点を書き加えるごとになりはしないかと思つておりますが、主と目して附加価値税の延期の内容の問題であります。それから地方財政平衡交付金法でございますが、これにつきましては、測定單位及び單位費用を法律化いたすことが法律上の義務になつておりまするので、只今関係各省並びに大蔵省等と測定單位並びに單位費用の規定に関しまして協議中でございます。若しこの話がまとまりますならば、これを立法、法律化いたしますところの案を用意いたしたいと考えております。それから地方財政法の一部改正法案でありますが、これは地方財政平衛交付金制度ができました際に、地方財政法の国、地方公共団体の負担区分に関しまする規定を一応効力を停止して来ておるわけでありまして、いつまでもこういう恰好にしておきますことは不適当でございますので、一応現在の状態に基きまして、この規定を調整をいたしまして、実情に副うように、地方財政法と合わせるような恰好にいたしたいと考えておるのであります。  なお昭和二十三年の給與に関しまして、政府から地方団体に貸付金を貸付けておるわけでありますが、この貸付金と地方分與税特別会計の中に組入れられまするべき過年度の税收入、国税の收入との相殺と申しますか、それに関しまする規定を設けました法案を提案をいたしたいと考えております。要するに政府の貸付金の返還債務を免除いたすということを内容とするものであります。  更に極く細かい点で鹿児島県の大島郡の十島村というのが、七つの島だけが従来日本の行政権から分離されておつたのでありまするが、これが先般復帰して参りましたので、この善後措置につきましてポツダム政令を出しておりましたが、これに代えまして法的な基礎をこれに與えたい、そのための簡單な法案を提案いたしたいと考えております。  それで、終戦後の地方制度の改革に対しまして、いろいろの時期に行政なり財政なり、或いは税制なり、或いは公務員制度というものがばらばらに改革が時期を異にして行われて来ましたような関係がございまして、地方制度全体として必ずしも調和を保つていないような点がございまするので、それら全体に対しまして今一度再検討をして頂く、こういう意味で各界の衆智を集めまして協議をして頂くための地方制度調査会というものを設けたい、そのための法案を提出いたしたい、かように考えております。  大体以上が今回提案する予定をいたしておりまする法案の概略でございます。

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) 只今の説明に御質問はございませんか。

堀末治自由党

○堀末治君 今の御説明で大体出る法案はわかりましたがね。それでいつ頃までにお揃いになるような見込みですか。

鈴木俊一地方自治庁次長

○政府委員(鈴木俊一君) 目下鋭意準備中でございますが、来月の中旬くらいには一つできるだけこれらの法案を提案するようにいたしたい。併しながら関係方面との折衝のありまするもの等に関しましては、やはりそれよりも時期が握れることになるのはどうも止むを得ないと考えておりまするが、できるだけ遅くも二月一ぱいには出せるように努力いたしたいと考えております。

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) 委員長よりお願いをいたしておきますが、岡野国務大臣に申上げますが、今提出の法案の概略の説明を聞きましたが、最後決定以前におきましても、大体の輪郭がきまりましたから、資料として委員会へ提出して頂きたいと思います。   —————————————

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) それでは次に地財委から二十六年度平衡交付金並びに起債等につきましては、大体一般平衡交付金は配付額が決定しておると思いまするので、そういう点につきまして、できるだけ詳細に説明して頂きたいと思います。なおその際、申添えますが、前々国会から二十六年度の平衡交付金の配付が県に傾き過ぎておりはしないか。そういう点は前国会においても各委員より是非それを是正しろというふうな意見が出、この委員会では強くそれを要望しておいたのですが、果してその後におきまして、地財委はそういう国会の意思を尊重して、町村とのアン・バランスを調整されたかどうか、そういう点についても御報告を願いたいと存じます。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 二十六年度の平衡交付金の一般交付金につきましては、実は昨日の委員会で決定したばかりでございます。早速御手許に資料を差上げます。なお府県、市町村の配分につきましては、地方財政計画から見まして、その数字、不足額は非常に税收入の関係上と財政支出の関係と睨み合せましても、府県のほうが市町村よりも額が多い、これは当然出て来る話でありまして、皆様がたも我々から提出いたしました地方財政計画によつて御承知の通りであると思います。なお私どもといたしましては、特別平衡交付金の配分等によりまして、そのアン・バランスをできるだけ是正して行きたいと、こう考えております。

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) 木村政府委員にお尋ねいたしますが、各自治体に大体の配付額が通知してあるので、それについても過不足があつて、いろいろ陳情がありますが、今の御説明によると、まだきまつておらんというお話でありますが、それはどうもおかしいと思うのであります。成るべく委員会に求められた意見を回避しないで、やつぱりはつきりとお答え願わないと審査の上に非常に和合が惡いのですが、昨日決定したから、その数字を委員会が本日あるのですから、なぜ持つて来られないのですか。数字ですから、資料がなければ困るじやないですか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 印刷が間に合わなかつたので遅くなりまして、差上げなかつたのであります。

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) その以前の基準額でも書いた数字はないのですか、そういうものを御説明なさる際に何らか資料を以てなさらんと、数字ですから宙に全部覚えているわけには行かんのです。何か資料はないのですか、以前のものでも……。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) まだ数字はガリ版が整つておりませんので、至急に本日中にでもお届けすることにいたします。

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) 起債等はどうですか。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 各委員から質問をさせて頂きたいと思います。

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) お願いいたします。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 只今地方財政平衡交付金法による一般平衡交付金、特別平衡交付金の額が昨日の委員会において大体決定したというようなお話でありますが、一般平衡交付金につきましては、もうすでに仮決定でなくて本決定が各府県に通知がしてあるのじやないかと思いますが、その点は如何でしようか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 一応の仮計算ですが、本決定の計算のものは府県に計算さしておりますから、当然に各府県にはわかつておるわけであります。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 各府県にわかつておるといたしますと、もうずつと前に地方財政委員会のほうで各府県割のやつがわかつていなければならないのですが、昨日決定したというのは何を決定したのですか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 数字を各府県に計算させまして、それを委員会として確認をしたわけであります。府県、市町村に亘りまして……。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 そこで伺うのですが、府県のほうから我々のほうへ申出て来ておりますには、やはり本決定、これは各府県で示したものでありましようが、それが二十五年度と二十六年度と比べて見ると非常に減つておる。これは地方財政委員会の野村委員長が言明なすつたのと違つて来ておる。例をとりますと、京都府の與謝郡という群がありますが、そこではやはり最大五一七%、平均一八%、二十五年度と二十六年度と比べると二十六年度のほうが減つておる。これは甚だ遺憾だということを言つて来ておるのです。速記録を調べて見ますと、第十二国会当委員会におきまして私から質問をいたしまして、それに対して十月三十日ですが、野村委員長からこういうふうにはつきりお答えになつておるのです。「三十数億の交付未済額があり、更に百億の増額に決定するか、或いは二百億の増額に決定するか、いずれか存じませんけれども、とにかく今度は千百億の上に加わつた百億又二百億を以てすべて公平に、適正に配分いたしたと、かように考えておりますし、過日も全国町村長会においてもこの点はよく御説明申上げて御了解を得ることに努めたのでありますが、私どもはどこまでもその方針で是正して行きたいと考えております」こう言われ、又ここに見えておる荻田政府委員からも、「今度の補正予算が成立しまして、仮に百億通りますれば、そのうちの九十億というものと、この三十四億六千万円というものを足しました額を入れて、一般交付金の本決定をいたしたいと思います。従いましてその際におきましては、大体町村等におきましても去年の額程度は確保ができるかと考えております。」こういうふうに答弁をせられ、我々もその努力を期待いたしまして、そうしてなお多少は二十六年のほうをよく見てやるようにして欲しいという希望まで添えておいたのでありまするが、今度の本決定によりまして、依然として平均一八%も減るようなことができるというようなことはどういうことであろうか、その点を伺つておきたいと思います。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 本決定の際には仮決定の際より相当に町村に行くように規則を変えて決定したのでありますが、従いまして相当仮決定の際よりも御期待に添うような線に近くなつたと思いますが、県によりましては必ずしも、或いは町村、例えば山村のほうとか或いは合併町村とかいうようなものにあつては必ずしも御期待に添つたようにならん県が出て来るのであります。従いまして、その県につきましては特別平衡交付金で以てその点を善処して行きたいと考えております。特別平衡交付金は来月の中旬までには決定し、目下資料を收集しておりますが、御趣旨の点は特別交付金によつて善処したいと考えております。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 重ねて伺いますが、その特別平衡交付金を以てする分は合併町村の場合、これは十一月の五日に野村委員長から、やはり私の質問に対してお答えがありまして、この不足分を何とかして特別平衡交付金においても考慮しなければならんだろうかと、かように考えておる、十分是正して公平なる配分を図りたいと考えておる、という御答弁で、又そういうふうに進行しておるようでありますが、一般の町村において、合併をしない町村においても今みたいな不足分ができれば特別平衡交付金で善処をする、こういう意味でありますか、お尋ねしておきます。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 一般につきましても、例えば警察がなくなつたとか、或いは生活保護法の費用がなくなつたというような当然の減のものもあり、或いは考え方によりますというと、去年のものが不足のやり方が少し行き過ぎておつたというような点も考えられる、まあ年々改善する立場から申しますと、そういうことも考えられるというわけで、その辺は公平にやつて行きますが、昨年のものとしての激減緩和というようなことにつきましては、できる限り野村委員長から申上げたようなことに善処したい、一般町村についても又いろいろとやりたいと思つております。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 そうしますと、こういう御意向でしようか。一般町村、合併をしない一般町村についても二十六年度の算定した平衡交付金の額が、二十五年度のそれと違つておるものは、特別平衡交付金でそれを埋めるように考えて行く、こういうお考えでしようか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) その税收入の、例えば事業税、或いは法人税割が入るというような所だとですね、そういうものにつきましては、昨年は法人税割が少かつたが、今年は多いというようなのにつきましては、当然平衡交付金で見るべき筋合のものではないと思う。ただ測定の方法、基準等が昨年よりも我々から見ますると合理化した点でありますが、その点において合理化されたが、測定方法の変更によつて財政需要の見方が少な過ぎるというような点につきましては、十分見て行きたいと、こう考えております。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 その自治体警察をやめたからその費用がなくなつた、生活保護法の改正によつてそれだけ二十五年度は要つておるのが二十六年度は要らない、そういうものは減らすということは、これはよくわかります。これは当然だと思いますが、又その税收が非常に多くなつたということはそれも又わかります。併しそうでなくて、算定の基礎において、二十五年度の方法と違う方法をとつたから二十六年度は減るんだということはですね、これは二十六年度の改正以前にそういうふうにきめられて、二十六年度の予算の編成をするに当つてそういうような心組で編成をし、又二十六年度におきましてもそういう心組で予算の執行をして来たということならそれでいいのです。ところが二十六年度のもう半ばを過ぎてからそういう方針をとられるということになると、市町村は非常に困るのです。これは何とか見てやらないと、もうすでに半年以上も使つてしまつている金ですから、今更どうしようもない。だからこの点はその算定方法が変つたということは二十七年度からにしてもらつて、二十六年度についてはその点を見てもらいたい、こういうふうに思いますが、どうお考えになりましようか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 御趣旨のような場合につきましては、特別平衡交付金でよくその他との均衡も考えまして、善処したいとこう考えております。

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質問ございませんか。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 じやもう一つ、市のほうは割が非常によくなつた。たしか仮決定におきましても、今しつかりした数字は忘れましたけれども、すでに九億円でしたか増加しておる。今度の本決定でも恐らくもつと増加しておるのじやないかと思います。それから非常に多くなつたのは、先ほど委員長から指摘されましたように府県の分なんですね、これは確か仮決定では四十何億か殖えている。その結果町村分を五十七億減らされた、こういうのがまあ非常に不平の基だつたのです。そこでまあ府県の財政窮迫というようなことはしはしば声を大きくして言われ、又たつた四十数府県でありますから、連絡もよくとれて政府に陳情も徹底する。町村のほうは一万なんぼかあつてなかなか連絡もとりがたいし、町村会のほうで一生懸命やつておられるけれども勢いが弱い。従いまして町村の犠牲において府県の平衡交付金が多くなる、こういうふうなまあ誤解かも知れませんか、そういうことを町村においては非常に思つておる。この府県のほうばますます殖えるということはどうもそこに納得ができないところがあるのですか、どういうわけだつたのか、その点ともつとよく町村も市も納得ができるように御説明ができないんでしようか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 市町村は固定資産税と住民税という極めてまあ或る程度安定もあるし確実な財源があり、又住民税のうちには法人税割というようなものを含んでおりますが、府県については事業税と遊興飲食税、入場税というようないわば或る程度都市にだけ偏重している、全体的の伸びが固定資産税やなんかのようなものでないということと、もう一つは村政需要におきまして、府県が教員俸給等を控えて持つている関係上、財政需要の増加が市町村の場合より多い。つまり人件費をたくさん持つているものですから、給與ベースの改訂等によりまして、府県の財政需要が市町村よりも財政需要の伸びが大きい。或いは公共事業費の負担等が府県が町村の場合よりも伸びがますます多くなるというようなことから原因いたしまして、我々財政計画を作る上におきまして、収支のバランスにおきましては、府県のほうが足らないという数字が出て来るわけであります。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 府県のほうの財政がまあ教育費、教職員のベース・アップなんかでだんだん苦しくなつて来ているということもわかりますが、同時にやはり事業税なんかが多くなつて来ている。又遊興飲食税、入場税なんというものも随分だんだん上つて行くようになつているかと思うのですが、その上つて行くよりも、それでは、もうカバーできないということになると、もうすでに事業税、それから遊興飲食税、入場税三本建の府県の税制というものが、これはいけないのじやないか、つまり、合理的じやないのじやないかということをこれは言えると思います。現に鹿児島のかたも見えておるようですが、鹿児島県では税収五億に対して、一般平衡交付金を二十何億もらつているというようなことは非常におかしいのであつて、こういうことは第一に是正しなければならんことだと思うのです、税制を……その点はどうお考えになつておりますか、そこに根本の問題があると思います。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 一体地方税をどう配分するかということが相当重大な問題になりますが、市町村が完全な自治体として先ず第一に育成せらるべきものであるというような見地から、シヤウプ税制において一番いい税を市町村に與えた。そして府県にはやや都市集中的な税を與える。そうすると東京や大阪は税は余るが、他の府県は中都市を大分持つておる所においても、或いはいわゆる農村府県に行きますというと、非常に足らんという結果が起きたのでありまして、ただこれを、勿論市町村の税を絶対の税を増す、地方税を増すという考え方もありましようが、或いは今の市町村にいい税が偏重しておるという考え方もあろうと思います。その場合にまあ市町村のほうを完全自治体的な傾向に持つて行くという考え方がシヤウプの勧告の基礎でないかと思うのです。そのいい惡いについては或いは私自身もいろいろ意見がありますけれども、又委員会としてどうということも申上げられると思うのですが、これは恐らくいろいろ批判の余地はあろうと思いますけれども、一応市町村側が平衡交付金なんかに頼らずに、比較的自己の財源で以て自治運営ができるという完全自治体的な育て方に市町村を先ずして、府県などは四十六もあり、中間地方団体であつて、やや国家機関的な性格を多分に持つておるのだからという考え方に立脚しているのじやなかろうか、又そう考えても或いは考え方としては非常に間違つているとも言えないのじやなかろうかと、こうも思えるわけですが。

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) 今岡野国務大臣もおられますからどうぞ。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 もう一つそれでは木村委員にお尋ねしておきますが、今申した点が私はこの地方税法の根本的に考え直さなきやならん点じやないかと思うのです。それで市町村がこの基本的な地方公共団体である、基礎的なものである、だからその税制は普遍的なもので、成るべく平衡交付金をもらわないようにしなきやいかん。これは私もその通りに思うのです。併し府県もやはり立派な地方公共団体である。そうしたときにこの自分の税収というものは非常に少くて、そうしてその数倍に当る平衡交付金を、又その他の補助金等から見れば誠に大変なものです、それを国からもらつて行かなければそこの府県が賄つて行けない。これは非常な私は矛盾だろうと思うのです。まあせめて半分国からもらつているというのならばわかりますけれども、数倍の国の金をもらつて、そうして自分の地方公共団体をやつて行かなければならんというようなことは、私は非常におかしいと思うのですが、これは議論しても仕方がないのですが、そこに地方税制を考え直さなきやならん根本的な問題があるのじやないか。又同時に地方税制でなくて、府県の性質というものを地方公共団体にしておいていいのかという性質を考えなきやならんという根本的な問題がありやしないか、こういうふうに思うのですが、まあその点は議論いたしません。ただ私が申したいのは、町村が基礎的な地方公共団体であるとこういうふうにお考えになるならば、成るべくこれを育成するようにしなきやならん。それで町村はつつましやかにやつていることは疑いないと思うのです。府県よりはずつとつつましやかにやつておる。だからこれを余りに虐待しないように平衡交付金の取扱についてもやつてもらいたい、これだけの希望を申上げておきたいと思います。

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) 委員長から岡野国務大臣に伺いますが、今の岡本君の質問に対して木村君のお答えがありましたが、自治庁では地方税法全般というものに検討を加えておられますが、そういう意見も合せて一つ御意見を……。

岡野清豪自由党地方自治庁長官

○国務大臣(岡野清豪君) お答えを申上げます。  先ほど次長から御答弁申上げましたように、地方自治の制度と申しますものはこの過去六年間の間にばらばらな時を異にしてでき上つたものでございまして、そうして税制とか地方税とかというものが実は完全に一致していない状況でございます。でございますからシヤウプ勧告の諸税制を作りますときには、今財政委員会の委員から申上げました通りに、市町村というものを最も完全なる自治体にして行こう、府県は国家の仕事を委託してやらせる、こういうような方向へ行くつもりで税制は作つたものでございます。併しその後事務の再配分というものの勧告も出まして、そうしてそれによつて事務の再配分をして行こうと思つておりますが、併しそのままとりましてもまだ税制に合うような地方自治団体の財政状況にはならんわけでございます。でございますから我々といたしましては、このたび独立いたしますにつきましては、過去のいろいろ地方自治に対する制度は個々別々にできましたものを合せて総合的に観察いたしまして、地方自治は如何なる形において完全になつて行くかということを先ず検討いたしまして、同時にそれに合した税制を根本的に改正したい、こう思つております。いわば只今の税制、地方制度というものはむしろ発展過程の中途にあるものでございますから、いろいろ皆様がたから御批評を蒙るような税制なり地方制度なりになつておると思います。でございますから、我々といたしましては、只今大きな構想におきまして地方制度調査会というものを設けまして、それによつて地方の自治の在り方をもう一度税制も併せまして検討いたしまして、そしてその結論によりまして税制を根本的に改正したい。只今のように市町村では大体、大体と申しますか、併し大体じやございませんが、平衡交付金に頼らなければならん所もありますけれども、税源といたしましては市町村で成る程度充足できると思う税制になつております。併しながら府県は只今も岡本委員からもお説の通りにむしろ甚だしい所によりますれば、財政收入の一割くらいが税収でありまして、あとは国の補助金とか平衡交付金というもので補いをつけなければならん、こういうものは私は新憲法のいわゆる完全なる自治体じやないと思つております。でございますから、若し完全なる自治体として市町村というものを残して置くならば、やはり財政的な立派な基礎が付きまして、国からそういう補助を受けなくても立派にやつて行けるということにしなければならんと思います。追つてそういう点につきましては十分検討の上に成案を得まして、皆様の御審議を蒙りたいと思います。

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) 私もう一つ岡野国務大臣に伺つておきますが、最近時折地方税の改正その他が新聞に出ますが、その一つに、先般も新聞によりますと、自治体に自由財源として、財政力に応じた起債を許すというようなことも新聞で拝見したのですが、そういう点について政府はどう考えておられるかということと、先般も、これもしばしば出るのですが、木村法務総裁就任の記者団会見の談として、その後も新聞に出ましたが、現政府は都道府県知事公選というふうなことを考えておられるということも新聞に出ますが、そういう点について岡野国務大臣から説明をお願いいたします。

岡野清豪自由党地方自治庁長官

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。  第一点のこれは公募公債のことと存じます。私自身の私見といたしましては、地方団体でありましても、平時の状態であるならば、それも預金部資金だけで公債を引受けてもらわなければならん、こういうことはないはずでございます。公共団体にしろ普通の私企業にしろ、日本の経済界において公債を募集し得る、又募集してやつて行くのがこれが常道だと思います。ただ過去六年間におきます殊にドツジさんがお出になりまして、日本が惡性のインフレーシヨンに突入しやせんかという危險がありましたときに、日本のこの惡性インフレーシヨン化を防ぐ意味において国が全部の資金需要というもの、又資金の供給に対して或る程度の統制をしなければ日本が経済から破滅に障ると、こういうことから資金の供給も限定しなきやならん、又地方の経済界におきましてもどんな公債、又どんな資金にも応じ得るだけの資力はなかつたと、いろいろなかたがたの事情からよりまして、地方公共団体の資金は国家資金でやると、そうして預金部資金を以てこれに当てる、そうして枠をきめて、そうしてインフレーション化を防ぐ、こういう立場から実は過去二、三年の間地方公共団体の起債というものが預金部資金に限られておつたわけでございます。併しながらもう独立も間近になつて来ますし、経済界の情勢もだんだんと二十三年頃の情勢とは打つて変つたようなことになつておりますものでございますから、そろそろ経済の常道に還つていいだろうということが我々の考えでございまして私は地方財政が常に苦しんでおる、それは平衡交付金もありましようが、起債の枠が非常に少いということで地方が活動を制限されておるという意味から行きまして来年度あたりからは交付公債を発行するということがよくはないか、こういう考えを持つておりまして、その方面に実は努力しておるわけでございます。  又次に知事公選のことでございますが、あれは新聞で私も読みましたが、併し法務総裁が果してそういうことを言われたかどうかまだ確かめておりません。けれども併し先ほども申上げましたように、いろいろ地方公共団体の根本的の検討をいたします上におきましては、いろいろな議論が出て来ると思います。それにつきましては、これは御承知の通りに府県というものが、只今も岡本委員がおつしやつたように非常に性格がはつきりいたしません。又財政的基礎から行きましても非常に不安定の状態にあります。こういうことも是正して行かなければならぬ。又知事の公選によつていろいろ私たちの耳に入ります長所もたくさんございますが、又欠点とするところも耳に入りまして、そういうことも一応はやはり行政制度調査会の議題に上ることじやないかとこう思います。併し政府といたしまして公選をやめて官選にするとか何とかいうことは一向に考えておりません。一にかかつて今後の行政制度調査会の検討の結果によりまして又我々もその意見を固めなければならぬとこう考えておる次第でございます。

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) その他に御質疑ございませんか。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 私ばかり質問しておるようですが、今頂いた資料について、かねて不審に思つておることを自治庁の長官及び地方財政委員会の委員から御説明を願いたいと思います。それは大阪市、京都市、名古屋市、横浜市、及び神戸市とこの五大市におきまして、まあここに資料を頂いて見ますと、二十六年度の決算見込額調で、歳入よりも歳出がうんと多いので赤字を出しておる。これは私ども地方税法案を審議いたしますときに、大阪や京都なんかこそこの地方税法案によつて恵まれる市だ、先ほど木村委員からもおつしやいましたように、安定した固定資産税、それから市町村民税、これが大幅に入つて来るのだから非常に恵まれるというふうに考えておりました。又そういう市に対して資料を地方行政委員会でとりましたときにも、確かに恵まれておるような概算が出ておりました。ところがこういうふうな大幅な歳出が多くて歳入が少い、赤字が出る。で大阪も京都市も財政の破綻だと言つて騒いでおるのだが、どういうところにその原因があるか、どういう見込違いがあるか、なぜ歳出が多いか、そこらについて私はこの表では納得ができないのですが、もう少し精細にこれを御説明願いたい、どういうわけか……。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 大都市の大阪市は最もその筆頭でありますが、赤字につきましてはいろいろ原因があろうと思うのであります。給與ベースが割高であるということも理由でありましよう。或いはそれが割高であるということが或いは相当の理由があるかも知れませんけれども、一般の公務員に、或いは一般の地方市町村の吏員に比べても、大都市、特に大阪等においては高過ぎる、高いということも一つの大きな原因であると思います。又税制の建前から見ますると、市町村全般としては極めていい税制にしてもらつたということは私が申上げた通りでありますけれども、大都市として非常に景気の上昇と共に躍進する税が或いは欠けているとも言える。割合に安定した税である代りに躍進性が少い。遊興飲食税、入場税、或いは事業税というものは景気の上昇と共に非常に躍進する税金なんですね。都市に集中しておりますから、六大都市における税收入は非常に増進しているけれども、都市それ自身には、都市の財政收入にはそれほど躍進がない。そうすると、従来大都市の財政というものは相当躍進する税も併せ持つているから、その惰性というようなことで恐らくこういうこともあると思います。つまり税制改正は必ずしも大都市には有利でない、一般市町村としては一番いい税金をもらつたのでありますけれども、大都市としては遊興飲食税がなくなつてしまう、その代り大阪府というものは非常に税金が殖えて来た、或いは名古屋でも愛知県は非常に税收入が殖えて来た、平衡交付金が非常に少くて済むようになる、こういうことが起きて来る、そういう原因もあると思うのです。まあ客観的に極く冷静に考えれば歳出の面においてもあり、或いはそういう従来の惰性から見まして躍進性の税でないというものもある。或いは公共事業費等の負担すべき事業が相当多い、それに必ずしも見合つただけの起債は與えられていないというようないろいろな原因が重り合つてそういう不景気が起きた、こう考えられます。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 まあ京郡市の例にとつて見ますと、京都市はこういうふうに赤字が大分大きい、京都府のほうも計算上は平衡交付金が少くてもほかの事業税とか、遊興飲食税とか、入場税とかが多くなる見込みだというのですが、私はとてもそんなことじやない。非常に財政が窮迫である、まあ三十五年度はたしか六億ほど平衡交付金をもらたのですが、それではとても足りないで、十二、三億の平衡交付金が必要だと言つている。而も町村のほうは前年度より減らされるというふうになつて来ると、私はわけがわからないのです、どういうことになるか……つまり京都市も赤字である。京都府のほうもこれはもうとてもそんな計算上のことじや行かないのです。町村のほうは減らされる、こうなつて来るとわけがわからないのです。どこにその欠陥があるか、非常におかしいのです。  それからどうも私矛盾を感じますことは、そういうふうに府県のほうは躍進性の税がある、だから府県のほうは割合い割りがよさそうでおつて、これは農産業の多い府県があるからかも知れませんが、それでは足らないので、うんと殖やしてやれというふうになつて来ると、何かそこに矛盾が生じて来やしないか、これはどう思いますか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 京都は、どうもいろいろいわゆる躍進性が、どちらも京都自身の特有の事情から行きまして、他の例えば東京、東京もそうですが、大阪とか、名古屋とか、或いは兵庫、神戸というふうな都市のような、つまり保守的で躍進性がないのですね、非常に欠けておる。ですから京都府は私が先ほど申上げたような例には入らないと思う。それともう一つ、結局私どもが昨年申上げましたように平衡交付金も増さなきやならん、或いは今年度に続いて起債も増さなきやならんという意見書を出しておきました通りに、まあ大体それよりも超えておりますけれども、少くとも足らんということにつきましては、或る程度私どもとして火相当の理由があるんじやなかろうかと、こういうふうに考えております。

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 今度は岡野国務大臣にお尋ねしますが、今のような事情で大阪市や京都市が特別市をやりたい、なぜならばもう税も困難なことになつてとてもたまらん。だから躍進性のある税収を取るために特別市になる。まあこういうので随分運動が激しくなつて来ておるようでありますが、岡野国務大臣も大阪市の選出でありますから、いずれ関心を持つておられると思いますが、どうしたらいいとお考えになつているか、まあ個人としてでなくて、自治庁長官としていろいろ御研究になつておりましようが、そのお考え、御意見を承わつておきたいと思います。

岡野清豪自由党地方自治庁長官

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げますが、特別市になるのには、財政が困るから特別市になりたいと、こういうような考えでおられることは、私はこれは邪道だと思つております。特別市というのは自治法においても書いてあります通りに、特別にほかの市町村よりは特殊の存在があつて、そうして特別の行政をして行かなければ市の発展、又国の発展にもならんという意味でできているのであろうとこう私は考える。併しこの特別市の問題は只今非常な白熱的と申しますか、その市並びにその市を含むところの府県というものと相対立しまして、非常な私としましてはむしろ醜い宣伝戦をやつておるようにも見受けられますので、今回は特別市に対する私の態度は、自治庁長官としては慎重を極めて只今申上げかねますけれども、併しこれに対しては適当なる調整を図らねばならんと思いまして、よりより自治庁内部におきましてこれに対する検討を加えておる次第でございます。

西郷吉之助緑風会

○委員長(西郷吉之助君) ほかに御質問、ございませんか。……それでは十二時前になりましたので、今日はこの程度にいたしたいと思いますが、平衡交付金その他の説明の資料を十分整えてもらいますために、明日は一応やめまして、明後日、一日の午前十時から開会いたしまして、平衡交付金その他についての説明を求めたいと思います。  では本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗