地方行政・労働連合委員会 第1号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/06/10
会議録
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より地方行政並びに労働委員会の連合委員会を開会いたします。 最初に申上げておきますが、地方府政も午後法案の採決がございますので、大体労働委員のかたの御質問を三時頃見当にお願いしたいと思います。それでは通告順により重盛君御質疑を願います。
○重盛壽治君 それじやお伺いいたしますが、大臣にお伺いしたいのは、この公共企業体が、いわゆる公共の福祉を中心としておるように伺つておりますが、案の内容を見て参ります場合には、独立経済が強く謳われ、いわゆる企業の経済性ということが織込まれておりまするが、勿論両面だということになろうと存じますが、大臣のお考えとしては、やはり公共機関としての、例えば交通、水道というものは、公共性というほうに重点を置いておられるのか、それとも独立採算という経済性というほうに重点を置いておられるのか、この点を一つお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。私の考えといたしましては、公共性に重きを置いております。無論これは私企業と性質が全くではなく、殆んど同じような意味でございますから、そういう事業をやつておりますものでございますから、主として公共性を重んじ、そうして儲かる私企業と同じものでございますから、独立採算件をとつて、そうして経済の辻棲を合して行きたい、こう考えておる次第であります。
○重盛壽治君 いま一つ大臣にお伺いしておきますが、そうすると公共性に重点を置いて頂いておることはわかりましたが、この法案を作るにつきましては、何か今までは国鉄、専売等の公共企業体のほうに相当準拠して作られたように考えられるが、実際には私企業と殆んど等しい性格を持つものであるのですが、私企業に等しいということが実態であるけれども、公共性を持たせることになつたのだとおつしやるならば、そういう意味から行くならば、人員の制限とか何とかそういうことをなさると、非常に幅が狭められると思うのだが、大臣のお考えとしては公共性を持つものであるならば、人員等の変更はしていいという考え方があるかどうか、そういう点を一つ伺いたい。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。ちよつとよく御質問の要点が……。
○重盛壽治君 例えば具体的に申上げますと、水道事業は五十人以上持つていなければ水道事業と見なさないと、こういうようなことになり、軌道事業は百人以上持たなければならんということになりますが、実際には全国でその百人以上、五十人以上というものがどれだけか私どもは研究いたしておりませんが、そういうことにいたしますと、私どもは非常に折角法律は作つたのだが、地方の小都市で公共性を発揮してこの法律に当はまつて行くものが少くなる。従つて百人を五十人に引下げるとか、五十人を三十人に引下げるということが、公共性を持つものならばそれでもいいですか。
○国務大臣(岡野清豪君) 御説至極御尤もでございます。ただ、この公営企業の企業法を出しますにつきまして、いろいろやりまして、制限なんかしております。これにつきましては、やはり組織とか、運営とかいう方面に相当な規模のものがあることがやはり法律の対象としましてはいいと思いまして、制限をしておりますけれども、併し先ほども申上げましたように、公共性を持つておるものでは又公共性を重んじなければならんものでございますから、ほかの小さいもりでも、その地方の事情によりましては、地方でこれを適用するというふうにやつて差支えないように法案がたしかできておると思つておりますが、事務当局からちよつとその点のお答えをいたさせます。
○政府委員(佐久間彊君) お答えいたします。只今大臣から申上げましたように、この法律の第二条の第一項に掲げてございますのは、この規模以上のものには法律上当然公営企業法を適用するという趣旨で、一定の規模以上のものを挙げたのでございます。一定の規模以上のものでございませんと、この公営企業法に規定をいたしておりますように、独立の管理者を置くとか、或いは企業会計の組織を採用するとか、それらのものを当然強制するだけの事業といたしましてはこの第一項に掲げた規模を持つことが適当であろう。併しながら地方団体の事情によりますと、これらの規模には達しておりませんでも、その地方団体の行政、財政上の能力等の事情によりまして十分この公営企業法の適用を受けて差支えないというものにつきましては、第二項におきまして政令で定める基準に従い、条例で定めるところによつてこの法律の規定を適用するという途を開いておるのでございます。
○重盛壽治君 それから団体交渉の相手でありまするが、企業法の第九条第八号の「契約を結ぶこと。」こういうことになつておりまするが、この契約を結ぶことの中にこの労働協約を締結するということが含まれておるというふうに我々は解釈しておるのですが、そういう解釈で間違いないのかどうか。間違いないとするならばそういうことをもつと明確に謳う必要がありはしなかつたかと思うのです。それから先ほどのいわゆる八条で管理者は企業の業務を執行し、当該業務の執行に関し公共団体を代表をしてとなつておつて、執行権、代表権共にあるので、この管理者が団交の相手となるようにも解釈できる。九条によつても、九条の二項によつて任免、給与、勤務時間その他の勤務条件を掌握しておる、こういう点から見ますると、管理者が団体交渉の相手であり、団体協約の相手方ともなるように考えられるのですが、別な面では、いわゆる東京で言えば都知事、市でいえば市長が実際の管理といいますか、監督権を、管理者の上に一応監督権を持つておる。こういうようなふうに解されるので、一体誰を相手に労働組合が団体交渉をし、それから労働協約を締結するかというふうに、例えば東京に例をとれば、東京都知事のほうにおくのか、それとも交通局長とか水道局長とかいうそういうものとやるのか、今まで説明を聞いておる中では、重要な問題は知事がやつて、一般事務的な問題は局長がやるというような常識的な観念で運営されておつたのだが、今度その点がどれだけ明確になつて、どこに権限があるか、九条、八条が今私が申上げましたような趣旨で本当に管理者が管理権を持つのか、その点一つ伺いたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) 公務員課長から御答弁いたします。
○政府委員(佐久間彊君) お答え申上げます。労働協約の相手方が管理者になるか、或いは地方団体の長になるかという点でございますが、その第九条の第八号に「契約を結ぶこと。」と書いてございますのは、広く解釈いたしますと、無論労働協約も一極の契約だということでこれに入るように読めるかと思いますが、ここで「契約を結ぶこと。」と書いてございますのは、七号等の関係からもいたしまして普通の財産上の契約を重点に考えて書いておるのでございます。そういたしますと、この九条には労働協約のことがはつきり出ていないじやないかというようなことにお尋ねがあるかと思いますが、この点につきましては、長を相手方とするか管理者を相手方とするかということははつきり書きませんでも、長の権限に属する範囲内のことにつきましては長を相手方にすることになりましようし、それから管理者の権限内の事項でありますれば管理者を相手方にすることになりましようし、当然のことであろうということで、特に法律には明文を置かなかつた次第でございます。私どもの解釈といたしましては例えばその内容が長の権限に関係するような問題は長を相手方にするし、管理者だけで処置ができる問題は管理者を相手方にするし、その間事柄の性質によつてどちらにでも行けるようにしておくことのほうが実情に即するのではないかというような解釈の考え方をいたしておるのでございます。
○重盛壽治君 今の問題ですが、長を相手にし管理者を相手にする、どちらでもやれるようにやつておくほうが非常に便利であるというようなお答えですが、言葉の上では成るほどそういうことが言えるのでありますけれども、実際問題にぶつつかつて参りますと、例えば管理者はそういう問題はこれは我々の権限じやないのだ、一つ市長のほうに行つてくれ、知事のほうに行つてくれというような問題になつて来るし、それから逆に知事や市長のほうに行つた場合には、そんな問題は何も当該局長で解決しておいてくれたらいいじやないか、というようなことになつてけじめがはつきりせん。そのこと一つだけでも非常に労働組合と管理者、或いは長との間に摩擦を生ずると思うのであります。これは大綱をこういうものが長がやるのだ、若しお説の通りであるならば、こういうものは知事がやり、こういうものは管理者がやるという基準をきめて、その他はどこでやるのかということを団体協約で相談するということに謳つておかないと、折角法律を作つたことで紛議をかもし、責任のなすり合をするというようなことになるのですが、これはどうですか。もう一つは例えば例を言えば、どういう場合は長がやり、どういう場合は管理者がやるということを分けて聞かして頂ければ非常に参考になると思います。
○政府委員(佐久間彊君) お答えいたします。先ほど抽象的に長の権限に関係するものは、長、管理者の権限内で処理できるものは管理者を相手方にするというふうに申上げたのでございますが、例を挙げて申しますると、例えば予算に響いて来るものでありますとが、或いは条例規則等に牴触するようなものでありますとか、そういうものは長の権限に関するものでございまして、管理者だけでは処理はできないものと考えられますので、そういうような事項につきましては長を相手方にするということになろうかと考えております。
○重盛壽治君 更にそのことについてお伺いいたしますが、そうすると公共団体の職員の給与の交渉、年末資金の交渉とか、夏期手当の交渉とかいうようなものは長を相手にしてやつて行く、それから小さな身分問題とか能率の増進の問題とかその他そういつた細かい実際運営の面だけでできる問題だけは管理者を相手にする、こういう解釈でいいわけですか。
○政府委員(佐久間彊君) 大体お説のようなことになろうかと思つております。ただ、給与の問題でございましても、今回の公営企業の経理の組織といたしましては、一般職員の場合の一般会計よりも管理者の権限内で或る程度流用できる幅が認められることになるだろうと予想されるのでありますが、従いましてその範囲内で管理者が処理できる程度の給与の問題でありますれば、これは管理者だけを相手にするということになろうかと思います。
○重盛壽治君 重ねてお伺いいたします。そうすると能率給であるとか時間外手当であるとかというようなものは大体管理者の権限内で処理してよろしい、そうして俸給の引上げであるとか、まとまつた越冬資金であるとか、夏期手当であるとかいうものは長を相手にして行くという解釈でいいのですか。
○政府委員(佐久間彊君) 大体お説のようなことになろうかと思います。
○重盛壽治君 労政局長がお見えになつておるようですからお聞きしますが、労働省としてはそういう点をそれだけはつきりしておるのなら、この案文の中に謳い込んでおかなくても、労働者と企業管理者との間、或いは長との間に紛争が起らないというように解釈しておるのですか。それとも、なくても今のような解釈を持つておるからそれで間に合うのだということか。その程度のことならば案文の中に入れても差支えないように思うのだが、その点労働省はどういうふうに考えられますか。
○政府委員(賀来才二郎君) 御質問のようにどちらが当るのかというふうなことで紛争が起きやしないかという御懸念なわけでありまして、御尤もでございますが、労働省といたしましてはやはり自治庁からお答えのありましたように、その権限心々によりまして、対議会の措置が必要なようなものについては、やはりその権限を持つております知事、市長がそれに当る。それが実施の細目等については管理者がその責任において当るということで運営がうまく行くものと考えておりますが、ただこの点につきましては御懸念のようなこともありますので、我々といたしましてはこれを具体的に法律に書きますと、各地方自治団体によりまして、或いは業種によりましていろいろ事情が違いますから、却つてそのほうによつて運営の円滑が期せられない、それよりもその事情事情によりまして労働協約によつてその団体交渉の方式が定められることを期待いたしておるのでありまするし、おのずから各市によりまして慣行が漸次確立されるものと考えておりますので、法律の上にはこれは書かないという方針をとつた次第でございます。
○重盛壽治君 更に労政局長にお伺いいたしますが、例を言うならば東京とか大阪とか、はつきりした組織を持つた、都市交通のような組織のあるところは今のようなことでも処理できると思うのですりが、もつと小さな都市に参りましてこの企業法が当はめられるところへ行きますと、労政局長の言つたこととは全く逆に、はつきり言うとそれを悪用してそういうことは管理者の権限ではないのだということで、冒頭に私の言つたようにつつぱねる、それからその程度は管理者の権限だと言つて長のほうでつつぱねるというようなことになつて、なかなか今までの実際の運営の面からもそういうものはたくさん現れて来ておる。そのときに、例えば労働省のほうへこれは一体どつちに交渉すればいいのだということを問い合せたら、労政局長は即座にどこのものでもそれはどこの権限だという指示ができるのかどうか。できないならばやはり法律の上に或る程度基本線だけ載せておいて、それはその基本線に準ずる、この問題はこの基本線に準ずるのだというようにやるほうがむしろやりやすいというふうに考えるのですが、例えば姫路市の例でもその点どうですか、いま一遍……。
○政府委員(賀来才二郎君) 我々といたしましても御質問のような、例えば姫路市でありますとか、或いは更に小さい市等におきまして、水道だけが五、六十人の組織になつておるというふうな状況下におきましては、特別に一つの局を持つておるというわけでもない場合が多いと思うのであります。さような場合の交渉につきましていろいろ困る点もあろうかとは考えますが、併し先ほど申しましたようにそれぞれの市の事情が違いまするし、又その権限の持ち方においても違つて来ると思いますので、やはりこれは法律で定めずして、その市におきまする市長と現在の組合或いはその組合との間で適当な団体協約ができまして、そして行われるようにいたしたい。若しその点につきまして紛議がありますれば、地方の労働委員会で適当な裁きをしてもらいたい、かように考えておる次第であります。
○重盛壽治君 それは労使間の問題だけでなくて、そういう観点から行くならば各地方のそれぞれ事情の違つておることは当然であつて、そういう事情の違う大都市、中都市、小都市、いろいろ事情の違うものでもこの法律を当はめようということが無理なんで、今までも立派に運営されて……、そんな御筆法ならばこの法律は作らなくても間に合うのだというふうに私は考えるのですが、この法律を作つたからには、やはり法律で一応の基本をどんどんきめて、例えば東京、大阪、或いは中都市、小都市という程度にはどういうふうに当はめるというふうな方針で以て作つておいたほうがいいのだ。何といつても企業運営の面で一番摩擦を生ずるのは管理者と労働組合との間の問題が一番重点になつて来るわけであります。それの動かし方、いわゆる労務管理のあり方によつて企業の公益性も発揮できれば、或いは先ほど言つた経済性も発揮できるというようなことになろうと思いますので、私はこの点は飽くまでやはり基本を打立てておくべきではないかという考え方ですが、意見になるか知れませんが、一つ若し御返事ができるならば返事をして頂きたいと思います。
○政府委員(鈴木俊一君) 只今のお尋ねの点でございますが、地方公営企業法案の立案につきましては、御承知のように地方公務員法の附則の中に、地方公営企業の組織なり会計経理なり或いは公務員の身分取扱につきまして法律を作る趣旨が謳われておるわけでございまして、そういう見地から政府としては先般来立案をいたし、今回提案をいたしました次第であります。
○重盛壽治君 大変きまりきつた文句の御答弁で、これはまああとからそういう通りなら現われて来ると思いますが、そこで企業法の十条の管理規程というのがありますが、十条は業務に関し管理者が管理規程を設け得るとしてあるのでありますが、九条のほうへ行きますと、管理者が業務の執行権を持つており、第二号の任免、給与、その他の条件についてこの十条の管理規程、いわゆる任免、給与その他のことについての管理規程を設けるということができるのか、それから給与決定の基準は企業法三十八条三項の条例等によるとなつておるのです。条例事項を除けば管理規程でできるのどうか。或いは市規則で限定するのか、これは当然私は管理規程を作つて管理規程でやるものであるというふうに思うのですが、その点私の勉強が不足かどうか知りませんが、どこかにあるかどうか……。
○政府委員(佐久間彊君) お答えいたします。第十条の企業管理規程で任免、給与その他の身分取扱に関する事項が規定できるかというお尋ねのように承わつたのでございますが、御指摘のように給与につきましては三十八条に条例で定めなければならない事項が謳つてあるわけでございますが、それ以外の任免、給与に関する事項につきましては、或いはその他の勤務条件に関する事項につきましては、条例規則に別段の定めがございますれば特別、そうでなければこの企業の管理規程で規定できるものと解釈いたしております。
○重盛壽治君 やつてもよろしいと……。
○政府委員(佐久間彊君) はあ。
○重盛壽治君 それから十五条の主要な職員というものは極めて限定せられておるのであろうと存じますけれども、この主要な職員というのと、それから三十六条の企業職員以外の職員というのとどういう関係があるのか。それから主要職員というのはこれは管理者がきめるのでなくて長がきめるというふうになつておるが、この主要な職員という幅は、例えば東京の交通局とか水道局というようなものを例といたしまするならば、誰が主要な職員であるのか、お聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(鈴木俊一君) 只今の点にお答え申上げます。十五条の地方公共団体の規則で定める主要な職員を任免する場合にあらかじめ長の同意を得なければならない、この場合の主要な職員と申しますのは、大体公営企業の課長以上の者を予定して考えておるわけであります。それから三十六条のほうの企業職員の身分取扱については労働関係の法律に定めるところによる、この場合の企業職員と申しますのは「管理又は監督の地位にある者及び機密の事務を取り扱う者以外の者」ということでありまして、この前段の「管理又は監督の地位にある者及び機密の事務を取扱う者」の範囲以外は、課長以外の者は管理監督の地位にある者として当然入りまするが、そのほかに人事、或いは文書というような事務を取扱いまする者は機密の事務を扱う者、こういうことになるわけであります。
○重盛壽治君 ですからそうすると東京都を一つの例とすると課長の任免権は大体知事にあると、それからその他の管理、機密事項を扱う者、労働行政、給与関係、人事というようなものを扱う者は管理者が任免すると、こういう解釈をとつていいわけですね。
○政府委員(鈴木俊一君) その通りであります。
○重盛壽治君 そうだといたしますと、この十五条に地方自治法百七十二条の第一項の言葉がありますが、交通や水道のごとく職員を首長の任免権とすることがどうであるかという問題が出て、殊に管理者に任免権を十五条で与えておる以上は、百七十二条第一項の職員でというような項は外してもいいのじやないかというように考えるが、この点どういうふうにお考えですか。
○政府委員(鈴木俊一君) これは地方公営企業の管理運営につきましての責任者といたしましては、御承知のごとく現行法では知事市町村長といわゆる長がこれに当つておるわけであります。そこで今回の公営企業法案におきましては長のさような権限の中で十大条に書いてありまするような重要な、主要な点だけを長が握つておりまするけれども、その他の点につきましてはこれを管理者に独立的な地位を与えてその自主性を大いに活かし、企業の経営をやらせる、こういう考え方でございます。従つて地方公営企業に従事いたしまする職員の身分といたしましては根本法でありまする、地方自治法の建前から申しますると、本来任免権者と申しますのは長になるわけであります。そこで先に申しましたような主要な職員につきましての任免権も形式的にはこれは管理者に委譲されることにこの十五条によつてなるわけでございますが、その場合同意を得なければならない、こういうわけでございまして、その他の職員については管理者が任命するという地方自治法日七十二条に対しまする特例をこれは書いたわけでございます。そういう意味でやはりこの点は明らかにいたしておいたほうがよろしいというふうに考えております。
○重盛壽治君 地方公務員法の六条に公営企業の管理者をどうして入れなかつたか、管理者を昔は参与制度というようなものがあつたと考えますが、これは管理者は一般地方公務員ではなく特別職として任期制というようなものを設けるようなことは考える必要はなかつたか、その点について……。
○政府委員(鈴木俊一君) ちよつと御趣旨がはつきりいたしませんでもう一度お願いいたします。
○重盛壽治君 地方公務員の扱いということにせず参与というようなことにして特別職というようなもので、そうしてもう一遍局長になつたらいつまでもということでなく三年とか、四年とかいう任期制を考える必要はなかつたかどうか、こういう点を研究せられたかどうかというのです。
○政府委員(鈴木俊一君) 只今のお尋ねの点でございますが、管理者を特別職にしてこれに任期制を付しましてその地位を、更に独立制を強化するという、こういう考え方も一つの考え方ではございますが、同時に又地方公共団体の企業でございますのでさような地位にあります者が当該地方団体の他の行政部門で仕事をする、或いは他の部門のものがこの企業の管理者になるといつたような一種の人事交流といいますか、さようなことも一面考えられるわけでございますので、そういう見地から特別職にいたしてしまいますと、その関係が余りにも隔絶いたすような気がいたしますので、これを一般職にしたわけであります。併しながら同時に任期制の長所を採入れまして管理者を紊りに変えることがないようにしようということで、この十二条のところに就任の日から三年を経過した後でなければその意に反して転職されることはない、かような保障規定をおいたわけであります。
○重盛壽治君 細かい話しだが、三条に、「企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進にするように運営されなければならない。」とあるが、先ほど大臣のお言葉では公共性を中心としてやるのであるならば、言葉のあやとしてでも公共の福祉を先に持出して、そしてその後に企業の経済性を発揮する、こういうふうになさるほうがいいのではないかと考えるのですが、それから更にこういう企業の経済性というような非常にむずかしい言葉で、漠然としておるがこれを本当に発揮するために、経済性を発揮するということのためには、場合によれば首切りをしなければならん、賃下げをしなければならん。こういうような結局局員の首切り、賃下げに通ずるような言葉の綾が含まれておるように見るのですが、これはまさかそうですともおつしやらないでしようが、地方の小さな都市に参りますと、先ほど申上げましたように公共性が中心でありながら、経済性を強く打出しておりますと、そういう方面まで発展するように考えられますので、この点の条文を直して頂く用意があるかどうか。それから今私が申上げたことと違うものが若しあれば、そういうことは絶対ないという例を聞かせて頂けば幸いだと思います。
○政府委員(鈴木俊一君) 地方公営企業の経営の基本原則は御指摘のように公共性、経済性この二つの原則を考えて行かなければならんわけでございますが、従来地方公営企業は、言わば公共性という面が非常に強く考えられる、或いは公共性という面のみが主として考えられておるということが言えると思うのであります。併しながらこの経済性という点を非常に強く考えますると、或いは地方公共団体から切離した別個の一つの組織にするということも考えられるのでございますが、さような形で経済性のみを強く追求する形にいたしますることは如何がと考えまして、この案におきましては地方公営企業は飽くまでも地方公共団体がこれを経営する企業である、そこで地方公共団体の経営する企業でありまするならば、当然にこれは公共性というものを考えて行かなければならんわけでございまするが、同時に企業の経済性というものも考えて欲しいと、こういう考え方であります。殊に会計経理につきましては一般のいわゆる予算方式、官庁会計の方式によりまして企業の経営をいたすということになりますと、その成績の如何というものが如実に反映して参りませんので、やはりそういう方式をとろう、こういうことが経済性という点から取上げられて来ておるわけでございまして、それが直ちに御心配のごとき人員整理ということを意味するものでは勿論ないのであります。経営の方式全体を合理化し、能率化し、最小の経費で最大の効果を挙げるということを狙わなければなりませんが、併しそれが同時に住民に対してよきサービスとして返る、経済的見地からのみ考えまするならば、或いは不経済であるかも知れない。私企業においてはそういうことは経営されないかも知れませんけれども、そこは公営企業でありますので、やはり住民の福祉ということも同時に考えて、その点だけならば例えば下採算性であるということでも、これを経営して行く、こういうこともあり得るわけでございます。こういう意味で公共性という原則は飽くまでも持つて行かなければならないので、両者の原則の中に適当な調和を図つて立案をいたし、又運営をしてもらいたい、かように考えておるわけでございます。
○重盛壽治君 それに関連してですが、そういうお意味合ならば、やはりなお更条文の作り方が私にはわからないのですが、地方公営企業は公共の福祉を増進する、こういうことを先に持出して、そして経済性を発揮しなければならんというようにやられたほうが、やはり公共性が何といいますか、先に謳われたほうが中心であるように聞えるのでありますが、こういうふうに謳つてあると金儲けのためにしておき、できるならば公共の福祉も考えなければならん、こういう取り方が今までの在来の日本の文章から行くと、先に書いてあるほうに重みがかかるので、あとのほうが軽くなる。そういう点はどうですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 御意見でございますが、この表現といたしましては、その本来の目的である公共の福祉を維持することが飽くまでも公共企業の本来の目的であるということは、この表現の上で明らかにせられておるわけでございまして、むしろ従来余りにも閑却され過ぎておりました経済性、そういう面を或る程度喚び起そうというところにこの法案の狙いがあるわけでございまして、併しそれは飽くまでも本来の目的の公共の福祉の増進ということは当然の事理であるということを考えておるわけでございます。本来の目的というところに基本の原則が表われておりますので、私どもとしてはこれで御心配のようなことにはならないとかように考えておるわけでございます。
○重盛壽治君 まあ心配にはなりません、心配にはならんでしようけれども、打出し方が本当に公共性を中心にしたとしたならば、字句を変えてもらつたほうがいいと私は思つております。それに関連して十六条の公共団体の長が管理者を指揮監督するという項目がありますが、これは非常に抽象的でありまするが、この条文もやはり延いては職員の活動を圧迫するようになつて来る例がある。具体的な例は私よりもあなたのほうでよく御存じだと思いますけれども、今申上げるようにこういうような条文を三条で謳つておきますると、やはり公共の福祉ということよりは、お前のところは独立採算性だと、そうして経済性を発揮して行かなければならん。そのときに先ほどの給与の問題と関連しますが、特別給或いは技能給というようなものは局長の権限で与えてもよろしい。そうなると局長の権限で、労働基準法には或いは牴触するかも知らんけれども、居残りをしたい、そうしてその作業給を余計にもらいたい、そうしなければ相当大幅な予算を常に持込まれるために企業の経営が成立たん、こういうような場合が起きて来るわけですね。そういうときに経済性を余り強く謳つておくと、お金が儲からなければ文句を言うし、お金が儲かつて一般の地方公務員よりは余計に技能給とか或いはいわゆる作業船とか居残り手当みたいなものが余計にもらえるようになつて来ると、そういうことをやつたのでは一般地方公務員のほうに影響して困るじやないか。実際には仕事の量を多くやればお金を余計に出すのは当然だ。だけれどもそれをやると片方の十六条のほうのいわゆる管理者を指揮監督するということで長のほうが、お前のほうはそんな余計なことをやつちやいかん、こういうことで管理者を押えて、それが延いては労働組合を押えて、労働組合の折角の勤労意欲が減退してしまうというようなことが従来の例にもまま見られるし、こういう法律のあり方から言つてもそんなふうに考えるのでありますが、その点鈴木さんはどう考えられますか。
○政府委員(鈴木俊一君) 公営企業に従事いたしまする職員の給与と他の一般行政部門の職員の給与との間の不均衡という点から、一般行政部門の職員の給与並みに地方公営企業の職員の給与を押えるという意味の指揮監督が地方公共団体の長から管理者に対して行われる心配がないかという御懸念のようでございますが、これは十六条に書いてあります点は、さようなことを主として考えておるわけではないのでありまして、「管理者以外の機関の権限に属する事務の執行と地方公営企業の業務の執行との間における必要なる調整に関すること。」という点がやや御心配のような点にとられるのではないかという御懸念かと思いますが、これは例えば電車の路線を敷くという場合に、道路の管理者との問の調整を必要とする、或いは水道と電車との関係の工事の場合におきましても調整を必要とするというような、そういう点を考えておるのでございまして、只今御指摘の通り、特殊技能に基き、或いは時間外の超過勤務をやつたということに基いて給与が殖える、その結果絶対額として一般行政職員よりも余計に給与をもらえるというようなことになりましても、これは当然正当な事由に基きましてさような額になるわけでございますから、そういう見地のものがこの十六条の三号によつて調整を必要とするということにはならないと考えておるのであります。
○重盛壽治君 十四条で条例で公営企業の組織を設けると明記してありながら、九条のほうでは管理者の権限で第一号に分課を設けるとあるが、具体的に例えば東京都の例で言うと、交通局区長、水道局長がこういう課が必要だから、こういう部が必要だからと言つて設けて長に届ければそれで部や課ができるのかできないのか、その点ちよつとお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(鈴木俊一君) 十四条のほうは条例で必要な組織を設けるということで、地方公営企業を運営いたしまするための根本的な組織でございますので、これを条例で設けるということにいたしたわけであります。条例でどの範囲までのことを規定いたすかということは、これは各地方公共団体の自主性に任されておるわけでございますが、余り細かく細部に至るまで条例できめるということは、これはやはり企業への自主性という点から申しまして必ずしも適当でないと思うのであります。御指摘のような点につきまして課とか或いは出先の機関等の設置につきましては、管理規程等において規定をせられるということが適当ではないかというふうに考えております。
○重盛壽治君 そうするとこれは従来ならば非常に重要なここで、一つの局に一つの課を設ける、例えば総務部というものを置いて、その中に経理から総務から労働からみんな一つの部の下に置いたものをみんな課に昇格せしめてそれをする、そういう中に、又例えば経理の中に営繕課というようなものを置く、こういうことになるとなかなか重大な問題だつたけれども、この第九条の一号で行きますと、分課という言葉がどれだけ当てはまるか知らないけれども、現在の課を殖やすということが管理者の力でできることになれば、この面だけは非常に権限が拡大されておるように思いますが、そう解釈してよろしいですか、今例えば交通局の場合に電車と自動車と経理と労働と総務と、無論工務や電気もありますけれども、今度はたまたま無軌道電車というもの、トロリーバスというものができてトロリーバス課というようなものを設けようということで、管理者がどんどん設けて行つて差支えないという解釈ですか。
○政府委員(鈴木俊一君) これは九条の第一号の分課を設けるという範囲に入ると考えております。
○重盛壽治君 それからこれはどなたかですか、先ほどお伺いしました単位を百人、五十人とするのを、場合によつては実情に、当てはめて五十人、三十人にしてもよろしいと、こういうお話だつたと思うので、私はこの際できればやはり一応そういうふうに改めて置くべきじやないかという趣旨から、全国でこの法律に当てはまるようなものが五百くらいとどこかに書いてあつたが、その五百のうちこの五十人、百人ということにするとどれだけの数が該当し、どれだけの人員がそれに当てはまるかお教えを願いたいと思います。
○政府委員(鈴木俊一君) この第二条の規模の基準といたしまして人口、職員数をとりまして五十人、百人、三十人という規模を切つておるわけでありますが、それ以下のものにつきましてはお話のごとく条例でこの法律の全都、一部を適用できる、こういうことになつておるのであります。この第二条に掲げてありまする規模に該当いたしまするものは、その好むと好まざるとにかかわらず、当然に公営企業法が今出面的に適用になる、こういうことになるのであります。そこで殊にこの会計経理等につきましては、いわゆる発生主義をとり、資産の再評価をするというようなことで、普通の企業の経理と同じような方式を取込むということになるわけでございまして、この点は五大都市その他大きな地方団体におきましてはその点いささかも心配がないと思いまするけれども、比較的に規模の小さい団体におきましては、かように一律的な通用の範囲をお話のように更にこれを引下げるというようなことになりますと、そういう団体としては非常に危険と言いますか、困る場合が出て来るのではないかというふうに我々としては考えておるわけでございまして、やはり当然適用にいたしまするものは相当規模の大きな、基礎の大きな、従つて職員等につきましても相当専門の職員のおりますようなものを先ず第一義的に考えて参りまして、あとは当該団体が特に公営企業のこの法律の原則を適用したいと思う所だけが条例でやつて行くというような弾力性を持たせることが実際の地方の実情に合うのではないかというふうに考えておるわけでありまして、さような意見も私どものほうにもしばしば参つておりまするので、私どもとしましては、かような程度のところで規模を切つて、強制適用と任意適用の範囲を分けるということが適当ではないかというふうに考えておるわけであります。
○重盛壽治君 更に今のどれだけ数があるか、お答え願います。
○政府委員(佐久間彊君) 例えば上水道について見ますと、全部で三百六十団体がございますが、その中でこの法律の適用を受けますものが七十でございます。軌道事業につきましては十五ありますうち十四がこの法律の対象になります。それから自動車運送事業は四十一のうち十九、地方鉄道事業は一つであります。電気事業は三つで三つともこの法律の対象になります。ガス事業は十一のうちの六つ、これは三月一日までに私どものほうへ報告のありましたものの集計でございます。
○重盛壽治君 そうしますと、逆にしたらどうですか。任意条例みたいな恰好で、俺のほうはこういうことは法律で縛られたくないから、企業法の適用を受けたくないからというので、各地方の都市などで成るべくこれを受けんようにしようということでやつておれば、極端な話でしようが、いつまでも受けなくてもいいということになる。私は数をもつと切下げて五十のところを三十、百のところを五十にして全部外れるようにして、どうしても入れん事情があるという場合には、次長のようにやらなければ、折角法律を作つても一貫性がないように思います。これは是非三十人以上、五十人以上というように御訂正願つて、そうしてその中で又事業の適用を受けては困るものを逆に外して行く方向にやつてもらうほうがこの法律を作つた効果があるように考えますが、その点鈴木さんはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(鈴木俊一君) お話のようなことも一つの考え方であると存じまするが、やはり一定の規模、ここに掲げましたような程度の規模の所ではやはり是非かような経営の方式をとつてもらうということが地方自治制度全体の建前から申しまして好ましいというふうに考えておるわけでございまして、一定規模以上のものには一律適用にいたしまして、ただそれ以下のものは適用したいと思う所だけは適用するというほうが、やはり全体の地方公営事業の水準を高めるという見地から申しますると適当である、かように考えて政府はこのような案を用意いたした次第でございます。
○重盛壽治君 そうすると一定の基準というものはどこから割出して、どれだけの資産とどれだけの構造を持つものでどこから割出したか、一つ参考に聞かして頂きたいと思います。ただ漠然とした五十人以上、百人以上ということでなく、幾ら以上の資産を持つて、どういう構造を持つていなければならんという確たるものがあればお伺いしたいと思います。
○政府委員(鈴木俊一君) この点は先ほど公務員課長から申上げましたように、各地方公共団体で経営しておりまする各種企業の人員の状況等を調査いたしまして、やはり大体人口十万程度以上の地方団体において経営しておりまするような企業を一つの目安にいたしましてかような基準を考えたわけでございます。
○重盛壽治君 人日十万の都市を基準にした人口だけでございますね。 先ほどお伺いしたことで一つはわかつたのだが、従来よりも管理者の権限を拡大したというように言つておりますけれども、職員の身分取扱い等について具体的にどういう点が管理者の権限として拡大されたか、さつきお話のあつた課を作るというようなことができるということは、これは非常に権限が拡大したと思いますが、その他に権限の拡大せられた例を一つお教え願いたい。
○政府委員(鈴木俊一君) この管理者の担任する事務としては九条に掲げておるわけでございますが、御承知のように、現在の公営企業の管理者、例えば東京都におきます交通局長、水道局長というものは、他の一般行政部門の、例えば総務局長、主税局長というような地位のものと、その根本の基本の地位におきましては何ら変りがないわけでございまして、ただ知事、副知事等からの、いわゆる本来それらの人の権限に属しておりまするものを委任を受けておる、その委任の限度が比較的大きいという程度であるわけでありますが、今回のこの法律案におきましては、そもそも管理者の本来的な権限としてこの第一号から第十三号に至りまする事項を列記したわけでございまして、これはかような本来的な権限として掲げられましたものは、いずれも現在の局長は自己の本来の権限として持つていないわけでございます。そういう意味におきましては、少くとも形式的にはこれはいずれも非常に大きな権限の委譲になるのであります。そして具体的の問題といたしましても職員の任免、給与その他身分取扱いに関する事項というものを、無論基本の予算に縛られる点はございますが、その範囲内においては管理者が全部権限を持つということになつておるわけでございますし、事業計画、予算の見積り或いはその他の予算の実施計画、資金計画、財政計画、かような計画の作成と送付というようなものも本来の一つの権限として送付権を認めておるわけでございます。決算の作成にいたしましても、企業の管理者がこれを直接作つて長に提出する、これらの点も変つて来ておるわけでございます。その他の資産の取得、管理、処分というようなことも管理者の名においてかようなことができるわけでございます。これも権限の拡大であります。契約の締結にいたしましても同様であります。料金の徴収も従来は知事等の名における徴収でありますが、これらの事務も管理者として当然に取るということになりまするし、予算内の支出のためのいわゆる一時借入金、これも従来知事でなければできないものが管理者がやれる、かようになつておるわけでございます。その他いずれもこれらは現在管理者の持つていない権限を新たにこの法律案は付与することにしておるわけであります。
○重盛壽治君 今資産の話が出たが、二十二条で、「地方公営企業の建設、改良等に要する資金に充てるため起す地方債については、行政庁の許可を必要としない。」ということになつておりますが、これはいい面とそれから非常に危険な面と二つあつて、実際にはこういうことがないほうがいいように考えられるが、併し少くとも東京とか大阪とか六大都市あたりを中心としての管理者でありますならば、十分地方債を、いわゆる企業債を起しても償還ができるという見通しの上に立つて起されるように思いますので、この点は心配はないといたしましても、その場合にこれは結局行政庁の許可を必要としないというふうに明確に謳つておつて、附則のほうで、当分の間、地方自治法によるということがございますが、「当分の間」というのはいつまでであるのか、一層法律を作つてここに二十二条へ現わしたならば、附則を削つてしまつたほうがいいのじやないか、ここに何かこうしておかなければ……、当分の間、地方自治法二百五十条の適用があるものとするということはどう関連性を持つておるのですか、一つ教えて頂きたい。
○政府委員(鈴木俊一君) 御承知のように地方自治法におきましては地方の起債、地方債も行政庁の許可を必要としないという根本原則を調つておりまして、ただ当分の間これも許可が必要である、かような考え方になつておるわけであります。将来地方公共団体が起債をいたしまする場合に、一定の客観的な基準を法律の上に設けて置きまして、その限度内においては許可を必要としないというふうにすることがこれは一つの考え方でございまするし、又さようにあることが地方自治の建前から申すと望ましいわけであります。ただ今日の資金の統制といいますか、インフレの抑制といいますか、さような経済、財政上の見地から依然として地方債につきましては行政庁の許可を必要とするということにいたしておるわけでございますが、その中でも企業債はいわば償還の基礎が一番明瞭であるわけでございまして、そういう見地から企業債というものは行政庁の許可を必要としないという大原則を第二十二条で特に謳つたわけであります。ただ今日の実際の経済界の問題といたしまして、起債の許可を全然外すということは困難でございまするので、一応当分の間許可を要すると、かような建前にいたしておるわけでございまするが、私どもといたしましては、かような「当分の間」というものについて具体的に期間を幾らというふうに予定はいたしておりませんけれども、かような期間ができるだけ早くなくなる、又なくすことができるということを期待をしており、さように努力いたしたいと考えておるわけであります。
○重盛壽治君 この法律の二十二条でこれだけ明確に謳つておりますと、早速一つバスを買入れたい、或いは電車を新車両にしたい、いわゆる先ほど言つた公営を目的とする意味から都民にサービスをしたいというふうなことで、早速この企業債というものは活用されるように思いますが、今のあなたのお話を聞いておると、条文はできたけれども、いわゆる画に書いたぼた餅という奴で、食べることができない、こういうことのように聞こえるのだが、この点もう少し明確にして……、それとも金額等において当分の間何とかするということにそういう方法をとるのか、二十二条は作つたけれどもあとの附則の点で行つて、これの細目がきまらない限りは、今は作つて置くけれども当分の間この法律は死文に等しい、こういう解釈になるわけですか。この点伺いたい。
○政府委員(鈴木俊一君) 先ほど申上げましたように、根本の建前或いは根本の考え方といたしましては、企業債はこれを行政庁の許可は必要としないようにすべきである。殊にかような発生主義の企業会計の方式を取入れて合理的な独立採算主義の会計経理をいたしまする以上は、償還の根本の財源はこれを十分に保障できるように財政計画、事業計画を立案することができるわけでございまして、さような点から申しましても、一般の公共物のために必要なる起債とは性格が違うわけでございまするので、これを許可を必要としないという建前にいたしておるわけでありまするが、何分現在の経済界の実情から申しまするならば、これを外して全く自由にするということにつきましては、なお政府として最後の確信に到達いたしておりませんので、当分の間かような許可制を残した、かような次第でございます。
○重盛壽治君 どうも非常に重要な問題だが、頭の悪いせいかよくわからんが、そうするとこういうことですか。当分の間、今は起債したいというのなら許可を持つて来い、そうするとその実情によつて許可をしてやろう、将来はその業態、事業の実態等を睨み合して、特別な地方企業に対しては許可をやらんでもいい、或いは特別な企業体は許可をしなくてはいけない、こういうことになるのか。それとも全部に当てはまるような別な、附則を削つてもいいようなものを設けるつもりか。将来というのは非常に管理者になつてみますと重大な問題だと思いますが、その点もう少し明確にならんでしようか。折角法律を作つたのだから、いつから自分の見通しをつけて自動車を自分で勝手にやつていいか……、極端なことを言うと、そういういつからできるかと……。
○政府委員(鈴木俊一君) この点は、先ほど申しましたようにできるだけ早い機会にそういうことになりますように私どもといたしましては努力いたしたいと考えておりますが、(重盛壽治君「原則論はわかつたのです。早い機会の見通し……」と述ぶ)企業債の中でもいろいろ種類があるわけでありまするし、さような企業債の種類によりまして逐次段階を設けまして早く許可を必要としないようなふうに持つて行きたいとかように考えております。
○重盛壽治君 どうもわからんですがね、これは早い機会というのは見通しがないということですね、はつきり言えば……。
○政府委員(鈴木俊一君) 只今のところ具体的にいつからということは申上げかねる次第であります。
○重盛壽治君 それから三十六条で監督者等と企業職員を区別しておりまするが、これは非常に重要な問題で、一つのブロツクの中で片つ方は特定の人だけが別扱いで、いわゆるさつき説明のあつた機密事項に従事する者とか労務管理人とか人事に関係する人間とか同じ職員、例えば東京都の例を申しまするならば、主事補或いは主事ぐらいの程度の人たちが片つ方は地方公務員、片つ方は公営企業体の職員である、こういうふうになりますと、人事が二元的になつて非常に管理者としても、それから運営の面から行きましても、この面に摩擦が起つて来るということはよく従来もあつたことでありますが、先ほど説明いたしましたけれども、一般地方公務員、この人たちは地方公務員になつておる、片方は従業員としてどんどん働く、能率を上げて能率給を取つて来る。同じ主事で同じ所に働いておつてたまたま管理者のほうから、お前は人事のほうを担任しろ、予算のほうを担任しろ、この予算は機密に属することだからはたに漏らしちや困るのだからということで、企業職員から地方公務員となつて行くわけですね。もつと複雑なのは企業職員から簡単にそういう方面へ行かれるかどうか。或いは今度地方公務員の機密の事項に属する、労働組合に端的言えば入らなくてもいい事務をやつていたものがたまたま労働組合に入れるような方面に来た、こういうような非常な複雑な問題ができて来るそれが一つ。更にはさつき給与の問題で労働組合に入つているほうはどんどん給与とかいろいろな請求をしまして、企業の能率、内容等を勘案して、例えば越冬資金でも出て、一カ月ぐらいは出せる。併し地方公務員は、国家公務員は〇・五だからこれに地方公務員は準ずべきだというようなことになつた場合には、地方公務員の身分のものは〇・五に拘束される。こういつたよないろいろなジグザクな二元的な扱いをしなくちやならんという厄介な問題が出て来ますので、この点をどのように調整するのか。一つ所にいるから突つ込んで御質問申上げると、又片一方有利な解決を付けたならばこれに順応していいかどうか。この点を労働省の見解と次長の見解と両方一つ聞かしておいて頂きたいと思います。
○政府委員(鈴木俊一君) この点は企業職員と管理、監督の地位にある者、或いは機密の事務を取扱う地位にある者、かように二元的な構成になつておることは御指摘の通りでございまするけれども、これらの殊に管理、監督の地位にある者等の中におきましては、他の行政部門との間の交流性というものはより強いと思うのであります。それから機密の事務を取扱う者の中には企業職員との間の交流というようなこともあろうかと思いまするが、併しながらこれは一般の労働組合につきましても、このような者が組合の構成員から除外されておるという点はあるわけでございます。さような意味で二元的ではございまするが、職務の性質上、又労働団体の労働組合の性質上かような区別が置かれるということは、これは止むを得ない結果であるというふうに考えるのであります。而してさような区分がある場合において、給与は一方が高くなつたら他方も当然に高くしてよろしいかと、こういうようなお話でありまするが、これはそれぞれ給与の決定につきましての基準の原則があるわけでございまするから、さような原則に従つて給与は決定せられ、支給せらるべきものであると、かように思うのでありまして、その間勿論実際の問題として一方が高くなれば他方がそれに引寄せられる、かような実際の影響、相互作用はあるでありましようが、建前といたしましては、それぞれのやはり見地から決定されて行くべきであろうと、かように考えます。
○重盛壽治君 そうすると、二元的になるのもこれは止むを得ない。法律を作るはうは止むを得ないでよろしいかも知れないけれども、扱うほうは非常に厄介千万なんです。労働組合としても扱いにくいし、管理者としても扱いにくいし、又その間に入つた人がたまたま管理者と労働組合の中間みたいな存在になるのです。非常に気の毒であり、中に、おれはどうも労働組合の線から脱けてそういう業務に就くのは嫌だ、命令だから就くとこういうような問題も起つて来るのですね、非常に併し究極はどこへ行くかというと、労働組合員と同じように給与その他の一切の条件が扱われるということならば行つてもいい、こういうことになると思うのだが。それはやはりその点を地方自治庁のほうで明確にするのか、労働省で明確にするのか、それは管理者の権限に委ねるということをはつきり言うてもらえばこれでもよいし、そうでないと、片方は極端に言うと管理者と共に知事の監督を受けなければならぬことになつて、片方は労働組合員である者は管理者の監督を受ける。その中に当然これはもう実例があつて、私は説明せんでも鈴木さんよく知つていると思うのですが、東京都の一つの例を挙げなくても区役所関係と本庁関係とが違つてきておる、或いは本庁関係と今度は交通局関係と更に又違つて来ておる。そういうのが、従来であつたならばあなたの言うような理窟を言わずに、組合員に加入することのできない者でも組合員と同じ待遇を受けさすようにこれは不文律のうちにやつておつたのですね。そういうのは今度はやはりそういうことができるというくらいにはつきり謳つてあるほうが、労働組合に入らなくても機密の事項を扱う人たちが安心して業務につけるように思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(鈴木俊一君) この点は三十八条において給与決定の原則があるわけであります。企業職員の給与の原則があるわけでございますが、他面企業職員でない者、即ち管理、監督の地位にある者等につきましては御承知のように地方公務員法の給与決定の準則があるわけでございます。それによつて双方の給与が決定されるわけでございますが、ただそれを決定いたします地位にありまする者は、一般の地方公務員法の場合におきましてはそれぞれの規則がありまするけれども、規則の中においてこれを具体的に適用し、その管理の責任に当る者は管理者であるわけであります。で、企業職員につきましては、勿論条例なり協約の定むるところに従つて管理者がそれを処置いたすわけでございまするから、いずれにいたしましても一人の管理者の責任の下に運営されるわけでございますので、その辺は実際上さほど御心配のないような結果に処理されるのではないかというふうに考えております。
○重盛壽治君 実際上はそういうことが言えます。例えば東京都の例ばかり言いますけれども、東京都の都労連というような労働組合が越冬資金の要求をした場合に消防署、警察というようなものが組合に入つておらん、発言権がないけれども、この人たちにも平等にやつてくれ、同じようにやるつもりで予算を組んでくれということも団体交渉によつて従来そういうことがなされた。従つてこの問題も給与条例できめる給与の問題は別といたしまして、これは一本できまりますから結構ですが、その他の管理者の権限でやり得るような給与の問題に関しても労働組合との団体交渉での話合が付いた場合はこれを法律で拘束しない、そういう考え方だということを確認していいわけですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 実際の結果におきましてさようなことになることはまま……、ままというよりも多くの場合の通例であると思いますし、さようなことが行われまするのはひとしく一つの地方公共団体に勤務する職員でありまするから、考え方によればそれも一つの当然の帰結でないかとも思われるのであります。
○重盛壽治君 三十八条の給与の決定のことで先ほどお話があつたのですが、この給与額の決定の基準は条例で定めると言つているのですが、地方公務員法二十四条六項とこの項との関連、或いは差違というものは具体的にはどういう点でありますか、お示しを願いたい。
○政府委員(佐久間彊君) 御指摘のように三十八条と地方公務員の第二十四条の書き方が違うわけでございますが、これは地方公営企業の建前からいたしまして企業職員給与につきましては団体交渉を認めておるわけでございますので、一般職員と違いまして条例で縛りますのは、いわば大枠だけを縛つておいてあとの細目は団体交渉を活用すると、こういう考え方から三十八条の書き方を地方公務員の二十四条とは違えておるわけでございます。
○重盛壽治君 あと二つ、三つですから御辛抱願いたい。三十七条の職階制は私はこれは削除してこれを団体交渉事項の中に盛り込むほうがいいように思うのですが、この点どういうふうに考えておるか。更に三十九条の地方公務員法の適用除外が極めて少いが、例えば人事委員会の干渉が残つておるということや、いろいろなことを考えますと、現実の問題としてこれはどういうふうに処理して行くつもりであるか、この点を一つ三十七条についてお聞かせ願いたい。
○政府委員(佐久間彊君) 三十七条の職階制の規定を削除したらいいじやないかというお話でございますが、私どもといたしましてはこの職階制ということは、要するに三十七条の二項に書いてありますように、企業職員の職務の種類及び複雑と責任の度に応じて分類整理をすることによつて、人事行政の運用を能率的に且つ合理的にして行こう、こういう趣旨でございますので、その意味からいたしますと、この職階制は一般職員と企業職員との間で異なつた考え方をする必要がないのではないか。企業職員につきましても企業職員の執務の能率を上げて行く、或いはその人事に関する行政を合理的に科学的に運営して行くという趣旨からいたしまして、職階制を実施することが適当であろうというふうに考えられるわけでございます。ただ御指摘のように一般職員と非常に違いますので、この法律の建前といたしましては職階制を必ず実施しなければならんという建前にはいたしておりませんで、管理者が実施しようと思えば実施をできるという建前になつておるのでございます。それで人事委員会も一般職員につきましては人事委員会が職階制の実施についての衝に当るわけでございますが、これはいわばその規定についての専門家として技術的な助言をするという立場に考えたのでございます。従いましてこの職階制の規定はございましても、実際の運用並びにこの法律の規定の趣旨からいたしますと、一般職員の場合とよほど違つた運営がなされることだと考えておるのでございます。なお、この三十九条の地方公務員法の適用除外の条文が多過ぎるのではないかというお話でございますが、この人事委員会につきましても条文は挙げてございますが、例えば職員の勤務条件に関する措置の要求でございますとか、或いは不利益処分の審査の請求でございますとかいうようなものはこれは団体交渉に委ぬべきものであろうと考えまして、一切人事委員会が権限を持たないことにいたしておるのでございます。ここに上げてございますのは任用の点と分限懲戒の規定とが主な規定でございまして、この任用につきましては公務員法の考えておりますスポイル・システムを排撃してメリツト・システムを確立して行こうという考え方からいたしまして、企業職員につきましてもその規定をそのまま適用して行くことが相当であろうというような考え方をいたしておるのであります。なおこの分限懲戒の規定でございますが、企業職員と一般職員との間で異つた取扱いをする必要もなかろうということでそのまま適用をいたしておるのでございます。 なお服務のところにつきましては政治的行為の制限は外しておるのでございまして、そのほかの法会、或いは上司の職務上の命令に従う義務でありますとか、或いは信用失墜行為の禁止でありますとか、これは一般職員と企業職員の間で異つた取扱いをする必要もないと思いますので、そのまま適用することにいたしておるのであります。従いましてこの適用除外の条文は決して多過ぎるというふうには考えられませんで、この程度が丁度企業職員の特殊性も十分考えたものであろうというふうに存じておるのでございます。
○重盛壽治君 適用除外が多いのじやなく少いというのです。それから今の分限とか懲戒に関する基準事項は労働協約事項となつている、労働組合法七条に……。それですから企業法の第二十七条乃至二十九条は私は適用除外とすべきではないか、こういうふうにこの点は思います。服務関係は就業規則の一部としてこれらは団体交渉権とすべきである。それですから三十七条というもの、或いは三十八条は適用除外にすべきじやないかというふうに思いますがその点はどうでございますか。
○政府委員(佐久間彊君) 大変恐縮でございますが、ちよつと今雑音が入りましてよく御質問聞きとれませんでしたので……。
○重盛壽治君 分限とか懲戒というようなことに関する事項は労働協約事項となつているわけですね。労働組合法第七条において……。それですからこの地方企業法の三十七条、三十八条は適用除外にしていいのではないか、こういうことは服務関係は就業規則の一部をなすものであり、これらは完全に団体交渉事項とするべきであろう、こういう考え方からいえば三十七条とが三十八条というものはこれを適用除外にすべきではないか、こういうことを申上げておるのです。
○政府委員(佐久間彊君) お答えいたします。この地方公営企業法の考え方といたしましては、やはり企業職員につきまして、一面民間の企業職員と同様に労働組合言の結成を認めまして団体交渉で問題を解決して行く途を認めたのでございますが、一面又地方公務員でございますので、只今御指摘のありましたような条文につきましては、これは一般職員並みに地方公務員法の原則をそのまま適用するほうが適当であるという考え方をとつておる次第でございます。
○重盛壽治君 最後に一つ……、管理者が例えばよく助役とか或いは副知事がなるというような場合ができて来るのですが、こういう場合に、これは一般職として扱えばその場合地方公務員法の適用はどういうふうになるのか。それでこういう人たちの政治活動はどういうような工合に考えておるいか、これを一つ……。
○政府委員(鈴木俊一君) 副知事或いは助役等の特別職が管理者になりました場合におきましては、一面副知事、助役という地位におきましては特別職であると共に、半面管理者という地位におきましては一般職になるわけでございまして、従つてそのものに関しましては地方公務員法の政治活動等の制限に関しまする一般の服務の規定が適用されるということになるわけでございます。
○重盛壽治君 大変長い時間どうも有難うございました。最後に私は先ほど来申上げましたようにいろいろまだお尋ねしたい点もありますが、時間がありませんからやめさして頂きますけれども、やはり公共の福祉ということを謳い、そのことのためにこの法律を作るのだということでありますならば、この経済性というところへ余り力を入れないようにやつて頂きたいと思います。これは入れるなと言つても管理者や経営者は当然入れますから、ここのところで余り自治庁が作られるときに公共性ということより経済性というほうがさつき私の申上げたように響きの強いような入れ方をせられますと、この点の運営上の誤りが多分にあろうと思いますので、できるならさつきの項目は条文を上、下ひつくり返して頂きたいということと、それから人数等にとらわれずに実際この企業法が当てはまるものについては当てはめるということで、従つて人数を一応減らしておいて、そうしてできないものは外してもよろしいというような逆の方向にできればやつて頂きたいということを希望を申上げまして質疑を終ります。
○委員長(西郷吉之助君) それでは重盛さんの御質疑はそれでよろしうございますね。それでは午前中はこの程度にいたしまして午後最初に堀木君にお願いいたします。その次に村尾君、その次が堀眞琴君、その次には菊川君、こういう順序にお願いいたします。午後は一時半から開会いたします。 午後零時三十五分体感 —————・————— 午後二時二十五分開会
○委員長(西郷吉之助君) それでは午前に引続いて質疑を続行いたします。
○堀木鎌三君 私は労働委員をいたしておりますので主として労働関係の見地から、地方公営企業法について主な点を先ず大臣に御質問したいと思うのであります。 先ず第一に、今度地方公営企業法をお作りになつて、そうして人事に関して、身分の問題に関しましては公営企業労働関係法をお作りになりましたことは、私どもとしては一つの進歩的な民主主義的な傾向に行つているものだということを否定するものではないのであります。そういう点からこの法律をお作りになつたこと自体について、基本的な方向としては反対する気持はございません。ただ法案に入ります前に、これは当委員会でも聞かれましたかも知れませんし、又衆議院ではすでに質問があつたわけでありますが、今度の公営企業法は地方公務員法の附則の七項によりまして同附則の第二十項、二十一項に規定する職員に関しましては二十項、二十一項について新らしくその身分の取扱いについて法律を作るということを地方公務員法でお約束になつているわけです。二十項のほうは今回できたわけでありますが、二十一項のほうに関しましては未だその法案が出て来ない。而も二十一項のほうの問題に関しましては実は先に院議として早くこれに関する規定をお作りになるようにというふうな趣旨の決議があつたと記憶いたしておるのでありますが、これらの取扱につきまして岡野国務大臣及び労働大臣のほうからどういうふうな御方針でいられるのか。むしろ二十一項に属しますところの単純労務に関するものは、二十項に関する公営企業に関すると同時にお出しになるのが問題の解決点をスムースにするものだ、こういうふうに考えておるのですが、この点に関しての御答弁を承わりたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。二十項と二十一項と両方ございまして、今回は二十項だけで、なぜ二十一項のほう、即ち単純労務に関する関係法規を出さないかと、こういうような御質問でございます。御承知の通りに単純労務につきましては、これは同じような種類の公務員がやはり国家公務員のうちにもございます。そこで我々といたしましては、できるだけ国家公務員と地方公務員とを同じようなつり合いのとれたものにして行きたいということを念願しておる次第でございまして、その点につきまして国家公務員のほうの単純労務に対する一つの基準と申しますか、方針がまだ十分確定しておりませんものでございますから、それができましてから地方公務員に対する単純労務の労働法規を制定したい、こういう考えでおる、それで遅れておる次第であります。
○堀木鎌三君 労働大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(吉武惠市君) 今回提案いたしました中に、単純労務の点が落ちておるについてのお尋ねだろうと思いますが、これは御承知のように今回は国鉄或いは専売に似通つた国家及び公共団体の企業について団体交渉権を認めよう、こういう趣旨であります。従いまして地方公務員法の附則第二十一項に規定されておる単純労務の問題は別個に考慮をしよう、その理由は企業体におけるこの職員の労働関係法と単純な労務とは必ずしも一つの法律に規律できないところがあると私は思つておるのであります。御承知のように、単純労務の中を見ましても、中には単に小使さんであるとかいうふうな純粋な単純労務と、それからもう一つは企業体ではないけれども、一つの事業に雇われているところの現業職員というものとがございまして、これを一つの労働関係の規律に織込めないものがあると、はつきりは私まだ頭に整理されておりませんが、私は考えておる。従つてそういう問題をあれこれ言つているうちに時間を取りますから、一応この際は国鉄、専売という一つの公共企業体に関する法律がございまするので、それに準じたものはその取扱を以て早く団体交渉権の復活を期したいということで出しておるのでありまするから、この法律をお認め頂けますれば、次期におきまして単純労務の問題を早速取上げて、その際に土建のような一つの事業体、事業に従事するところの職員、これは企業体ではないけれども、企業ではないけれども、そういう現業に従事するところの職員の問題と、それから今言つた小使さんのような単純な労務というものが一本に規律できれば一本に規律したい。若し一本に規律ができなければ分けてでも、いずれにしてもこういう純粋な労務的な仕事に従事されるものにつきましての権利の確保、労働条件の維持向上というものに私は努めて行きたいと、かように考えております。
○堀木鎌三君 大体そういう御答弁があるとは思いましたが、第二としてそういうものを認める基本的な態度、方向というものをどこへ政府としては御方針をお持ちになつておるのか。即ち今は御承知の通りに、地方公務員に準じて取扱われておる。今度は公営企業法によりまして、公営企業労働関係法ができて団体交渉権を与える。その他労働者本来の基本権を相当大幅に認めて行こう。公益との関係の調和は図るが、労働者であるという基本的な方針に立つて憲法の保障している労働者の権利というものを大幅に認めて行こうという方向に第一歩を踏み出しておるのですが、単純労務に関しましては、公営企業労働関係法に規制するよりはもつと大幅に本来の趣旨に向つて行こうとしておられるのかどうか、そういう点について両大臣の御方針を付いたいと思います。
○国務大臣(吉武惠市君) 御尤もな御質問でございますが、私はこの単純労務の問題につきましては、先ほど申しました建設のような事業に従事するものであると、或いは小使さんのような純粋の単純労務に従事されるとを問わず、基本的な考えといたしましては、公務員たるの性質についてはこれは私は同じであると思つております。この点は現在の他の国家における企業体の問題と同じにやはり公務員たる本質というものは一応考えなければならん。それからもう一つの点は、併し公務員とは言つても純粋労務或いは現業労務でございまするから、その労働条件については団体交渉権も認めて、労働条件の維持改善を図るという線を確保する必要がある。この私は二つの基本線の下に一本の法律体系でできればそうしたい。それから一本の法律体系にできませんければ、別々の法律体系、基本的にはその二つの基本に基いて私は進んで行きたい、かように存じております。
○堀木鎌三君 私は実は岡野国務大臣が今労働大臣のような御答弁をなさるなら、もう少し聞いてもいいと思うのですが、労働大臣からそういうお話を承わるのが非常におかしい。午前中重盛委員の御質問に対して、岡野国務大臣が公益性、公共性を非常に御主張になつた。重盛委員は、それならば公共性を主にして企業の自主性、活動、経済性というものをもう少し反対のウエイトにしたらいいじやないか、こう言われるのですが、私はちよつと重盛委員とは意見が違うのであります。およそ公共企業体法をお作りになつた政府の方針から言えば、企業の活動性、能率化というものが相当のウエイトを持つから公共企業体ができる、又こういう公営企業体もできる、公営企業法なるものができるのだ、こう考えるのですが、而もそれができました原因から言いますると、労働者の基本的な権利は成るべく維持しよう、これを制限することは少くしようという方針から出て来ておるに相違ないと思うのであります。そういう思想でないと一貫していない。何の故に公共企業体労働関係法というものが二・一ゼネストから発生して来たかという点をお考えになればこの点ははつきりしておるわけです。今度お作りになつた公営企業の地方公営企業法を見ると、非常に私はその点で地方公務員の身分を成るべく存置して行きたいという執着があるやに見受けるわけであります。而も先ほども重盛委員と政府委員との応答でわかりましたように、三十九条においてこの法案の趣旨から見ますと、三十九条の前に原則的には第六条において地方自治法、地方財政法、地方公務員法の特例だというふうな原則的な規定がありますし、三十九条において地方公務員の公務員法の適用を排除した規定があるわけでありますが、こういう点で考えますと、三十九条の地方公務員法の適用まで除外しておられる。適用除外を相当大巾にされているにもかかわりませず、任用でありまするとか、そうして分限に関するもの、不利益処分に関するもの、その他いろいろなものが、私に言わしめれば厚生、福利のごときも団体交渉の対象になるべきものだと思いますが、そういう団体の交渉の中にもつと入れて行つて、そうして公営企業法に基く公営企業労働関係法によつて規制されるものは、もう地方公務員法の適用を排除されていいのじやないか、地方公務員たるの身分を持たないでなぜいけないのか、どうしてそういうふうに区別をなさるのだろうか。こういう点で実は政府の御方針が一貫していないように思うのであります。で、国家公務員法があつて、そうしてそのうちに国有鉄道でありますとか、或いは専売公社でありますとか、今度は日本電信電話公社等の法律をお作りになる。そうしてこれは別個の法律によつて、即ち日本国有鉄道法、或いは日本専売公社法という法律によつて、その職員を国家公務員とは別個の扱いをなすつていらつしやる。身分は国家公務員でございません。そうなれば今度のこの問題の公営企業法につきましても、私は公営企業法をお出しになつた実は岡野国務大臣は、今度公共企業体労働関係法に身分関係の規定は国家公務員で残しておきながら、他の公共企業体労働関係法が適用されるような刻下の現状というものをそのまま織込まれた労働大臣より、私は実は岡野国務大臣のほうが進歩している。こう考えますが、併しその点について、もつとはつきりした身分関係、労働関係については、政府の御方針を一つの方向にきちつとお作りになる必要があるのじやなかろうか。いつまでも国家公務員の身分を、国家公務員法の適用を受けながら公共企業体労働関係法の適用も受ける、それから地方公務員法による地方公務員の身分を持ちながら、そうして地方公営企業労働関係法の適用を受けるものがある。で大分けにいたしますというと、今政府の労働関係については純然たる労組法と労調法の関係が一つ、それから国有鉄道法、専売公社法に基きました公共企業体労働関係法が一つ、それから今度の法律案で国家公務員でありながら、基くところの法律はなくなつて、身分関係を基本的に規定するものがなくなつて、公共企業体労働関係法の身分を持つものが一つ、それから今度地方公営企業法に基きまして、地方公営企業労働関係法の適用を受けるもの、それは地方公務員の身分を持ちつつ、持つて行く。更に地方公務員だけにつきまして考えてみますと、地方公務員であつて地方公務員の公営企業の中の地方公務員法の身分を持つてそのまま地方公務員法の適用を全部受けるものと、それから地方公務員法の身分は持つが公営企業法に基く公営企業労働関係法の適用を受けるものと、そうして地方公務員法の適用を受けるが実は別個に将来規定されて行くのだろうところの充ほど言われました現業及び単純労務者というものと、こういうふうに錯雑して参つて来ているのであります。こういう点は、私はこれは無論労働大臣が先ず第一にお考えにならなければならんことだと思いますが、同時に他の関係大臣も、この点について基本的な方針をはつきりさせられる必要があるのじやなかろうか、こういうふうに考えるのであります。
○国務大臣(吉武惠市君) お話の点のように分ければ分けられますが、私どもは法律体系を、今御指摘になりました労組法、或いは労調法という一般の民間労組を対象にしたものと、それからそうでない公務員及び公共企業体の職員につきましての現業的なものに対する考え方というふうに、まあ分けておるわけであります。従つて公務員であるのと、それから国鉄、専売のように公社であるのとは身分は多少違います。違いますけれども、大体公社である以上は、やはり公務員に準じた取扱いをしておるわけでございまして、その点につきましては、基本的にはそう違わない。そこで団体交渉権も同じように認めようという趣旨でございます。単純労務者については公務員から外せというお話でありますけれども、私は公務員である以上は、その公務員が筋肉労働であると、それからそうでない精神労働であることによつて区別すべきものではない。やはり公務員たる本質においては同じである、私はかように考えるわけであります。ただ現業の公務員は、他の民間の筋肉労働と申しまするか、そういう労働と似通つた点が多いので、その労働条件については、団体交渉によつてきめるというきめ方をすることが、その労務者の権利確保にもなるし、又労働条件の向上にもなるところから、団交権というものを先ず公社において認められる。今回の提案によつて、それが国家及び公共団体の公務員たる現業に及んだわけであります。それでただ一本にまとめ得なかつたのは、先ほど申しましたように、企業体というものは企業体としての性格がございまするから、法律体系として一まとめになりますが、そうでない、企業体でない一つの現業或いは事業でない小使さんとか何とかというようなものにつきましての法律的の規定が、若干違うものがあるのではないかという点で、一本にまとめ得なかつたというふうに御了承願いたい、かように存じます。
○堀木鎌三君 労働の国家公務員たる身分、地方公務員たる身分と申しますが、そういう身分を規定する実質的なものがあるわけなんです。全労働大臣のおつしやるようならば、二・一スト後のマツカーサー書簡におきまして国家公務員とはこういうものだ、それから公営企業体の人間はこういうものだ、だから区別するのだという区別は一つもなくて、あの当時だつて国有鉄道なり専売公社の人間は国家公務員だ、だからその日本国有鉄道法を作り、日本専売公社法を作つて、別個の身分関係に立つようなものはいらない。今の労働大臣のお話ならば、国家公務員たる身分を持ちつつ今度の公営企業、公共企業労働関係法になされたような処置、これらにしたつて同じようなことが考えられる。ところが実際問題となりますると、そういう身分関係の基本がきまつておりませんと、団体交渉の範囲として取扱われるものも制限されて来る。その他各般にその身分関係からの制約が起つてくる。で、労働者の基本権がそれだけ左右されるというところに問題が起つて来るのでありますが、この点は、ここの委員会が地方行政関係の委員会ですから、労働関係法のときに労働大臣に又その点の基本的な考え方を質疑いたすつもりですが、今の御答弁では不十分であります。どうも企業体の主体によつて、或いは事業の性質によつて、労働者をこちらは国家公務員だ、こちらは地方公務員だ、これは公共企業体労働関係の人間だ、これは地方公営企業法に基くものだ、そういうふうに散り散りになるべきものが、私は労働法の観念だとは思いません。併しその点につきましては、別に労働委員会のほうにその基本的な問題は譲りたいと思うのですが、私は岡野国務大臣に特にお聞きしたいと思いますことは、細かいことは別にいたしまして、公営企業法をお作りになつて、そうしてこういう種のものをお作りになつて、特殊の何と申しますか、特別な第三条に規定しておりまするような趣旨で公営企業法というものをお作りになるという点から考えますと、この公営企業の管理を……、今度は経営主体管理者というものは、よほど自主性を持たなければ規定の御趣旨に副つて運用はできない。自主性をどういう点で持つかと言いますれば、やはり財政上の自主性、人事の自主性、政治からの自主性というものを管理者が持たなくちや私は意味をなさない、こういうふうに考えるのです。ところが折角これだけのこの法律をお作りになろうとしながら、管理者の性格を見てみますると、実は従来よりも管理者に大幅な権限を与えた。第九条の一号から十三号まで与えたのだ、こういうふうの事務当局の御説明でありますが、私は率直に申しますと、これは一つの官庁で事務分掌規程をきめれば、この程度にきまるものです。これでは管理者が企業の自主性を持つて、本当に大経営的にそうして住民の福祉を増進するためにやつてあげるだけのものとは考えられない。だから今朝ほど重盛委員からお話のあつたように、団体交渉の相手も管理者だか長だかわからなくなつて来る。率直に言えばその団体交渉の相手というものは、団体交渉に応ずることが全部できる者じやなければならない。これは私は労働法の面から取上げておりますが、財政の自主性からもそうであります。そのほか人事、経営等に関する自主性からもそうであります。ところがどうも九条にお考えになつている点から見ますると、例えば人事の自主性から考えまして「職員の任免、給与、勤務時間その他の勤務条件、懲戒、研修及びその他の身分取扱に関する事項を掌理する」、これは如何にも身分関係につきまして管理者として絶対の権限を持つているがごとく、自主性を持つているごとく見える。併し今朝ほどの御説明によりますと、課長以上はその地方団体の長の承認を要するのだということになつています。而もこの職員の任免、給与、勤務時間その他に関する問題につきましてもなお地方公務員としての身分を持つておつて、地方公務員法の適用を全部除外されるならばともかくとして、先ほど挙げました規定以外のものは、三十九条に考える規定以外のものはなお地方公務員法によつて行わるというふうな点が考えられるのであります。 それから予算の見積りを作成する。如何にも新らしい権限のごとくでありますが、従来とも見積程度の予算は誰だつてやるのであります。要するに予算についてどこまで権限がありそうしてやれるか。予算の執行なり決算というものは、これはもう当然やることになつている。こういうふうになつた一、二の例を挙げて見ますと、非常に私はこの九条の一から十二までは事務柄なものであつて、而してこれで以て管理者に自主性を与えたと見られない。それだから団体交渉についても常に団体交渉の相手は事の軽重によつては管理者であろうし、長であろう、こういうふうなことをお言いになる。そういうふうな情勢だということを考えますと、先ず管理者についての基本的な考え方、そういう問題について岡野国務大臣にお答を願いたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。私は先ず第一にこれを一つ頭にお入れ願いたいと思いますことは、中央における国鉄とか専売公社というものと、それから今回新たに法にして出しました地方の公営企業には若干そこに違いがあるように私は考えております。と申しますることは、地方の行政というものは俗に言いますようにサービス行政と言つておりまして、たとえ公営企業というものに枠をはめまして経営をさせましても、これは地方の行政の本当の主体でありまして、決してその行政から離れてしまつて独立採算制で一つのものができている、それが公共の福祉にもなるし、同時に経営的にも独立して私企業と同じように経営されて行くという観念だけでは私は割切れないと思います。むしろどちらかと申しますると、その公営企業が営んでおりまするところの仕事は、その仕事それ自体が地方の行政でありますから、その意味におきまして公務員たるの地位というのは、私は国鉄、専売公社におけるごときものの立場とは少し違つていると思います。それでございますから、公務員の身分取扱につきましても、まあ御疑問の出ましたような点も出て来るわけでございます。 それからもう一つ、管理者に対してもう少し強大な権力若しくは力を与えたらいいじやないかというようなお説、これも至極く御尤もでございますが、併し私どもの考え方といたしましては、これはやはり地方の公共団体の一部分で公共団体の行政をして行く、それを実質は幾らか私企業に似ているというような意味におきましてやり方を変えただけでございますから、私はその意味において今度九条に載せましたくらいな程度でも、普通の地方の公務員のいわゆる主任者よりは相当大幅な権力、権利を与えていると、こう考えている次第でありまして、その辺が少し私の感じとあなたの感じとは食違つておるような感じがいたします。
○堀木鎌三君 まさに違つているところを発見したわけでございます。私は実は率直に申上げますと、岡野国務大臣と違うところは、ここに挙げてある事実が公共団体のプロパーの仕事だ、一体不可分だという考え方について私自身が少し疑問に思う。それならば例を挙げますると、地方鉄道、地方軌道事業なり電気事業は、地方公共団体がの別にどこの地方公共団体もおやりになつている状態ならば、話はわかると思うのであります。ところが実はここに挙げられました事業は相当民間にやらしておるところがあるわけであります。私どもから言わせれば、場合によると地方の住民の福祉に関係ある事業として、地方公共団体自身がやつているこの二条に挙げてあります事業の、その地方の住民の福祉にかかつているウエイトは、場合によると私企業で以てやつている事業のほうがより規模も大きい。そうして住民の幸福に関係する場合もあり、而も一方において公共団体のうちには、この事業をやつておらない地方公共団体もある。そういうふうに考えますると、どうも岡野国務大臣がこの点から、私は本質的に地方公共団体そのものがやらなければ、地方公共団体として考えられないとおつしやるほど、地方公共団体と結び付いているものだとは考えられない。ですから私どもに言わせれば、これは民間の労働関係から見まするならば、公営事業と同程度に労働関係は規制されるべきものだ、本来言えばこれは労働大臣としてもお考えをなさらなければならんと思いますが、公営、つまり労働組合法、労働関係調整法の言う公営事業と、労働問題から言えば同等に扱われて然るべきものだ。やれ地方の自治体の本質的な仕事であるとか、地方公務員法の身分を持たなければいけないのだとかというふうなお考えをなさらなくてもいいじやないか、こういうふうに私は考える。折角ここまで法律をお作りになれば、やはりそうお考えになるほうが本当でないか、こういうふうに考えますが、その点について重ねて御答弁を願います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答えを申上げます。堀木さんのお説で行きまするというと、民間の企業で立派にやつている企業がある。例えて言えば軌道事業である。そういうものがあるのだから、何もそういうことが地方公共団体のプロパーの仕事じやないじやないかというような御議論に聞えますが、併しこれは私の考え方といたしましては、一体世の中に公共の福祉に影響しない仕事というものはあるものか、ありとしたならば撲滅すべきものだと思います。すべての仕事はみんな公共の福祉のためにあるのだと私は考えております。そこで或る市におきましてこれは普通の私企業がやつておる。そのときには私企業でよろしいが、併しながら一たびこれがその市の公営企業として若し取上げられますならば、市の行政の一部分になると同時に、市の行政の根本的なものになるだろうと思います。その場合にいわゆる公務員であるから、公務員は住民全体の福祉に奉仕するものであるから、それに従事する公務員は或る一つの立場を以て、そうして私企業のごとくただ金が儲かりさえすればいいという事業だけに従事しているものとは私はそこに少しの差があつて然るべきものだと、こう考えております。
○堀木鎌三君 ですから、岡野さんの頭の上ではでき上つた形式から本質論を逆に持つて行かれる。本質論というものはでき上つた形式から推理するものじやなくて、やはり本質からどこが正しいかということを見付けるのが私は当然だろうと思う。どんな事業でも公衆の幸福と関係ない事業はないという観念論は私も岡野さんに同意するのにやぶさかでない。併しながらその中にも本質的に段階がある。だから労働関係の規定では同じ事業であつても国民の日常生活に欠くことのできない公益事業については一定の制限をしているのだ。だから本来この種の事業というものはこれはもうみんな労働関係法で公益事業として指定している事業であります。だからその程度のものが守られて然るべきものである。少くとも労働関係から言うならば経営主体が市であろうと私企業であろうが、これは労働関係から言えば水道事業、軌道事業、自動車事業、地方軌道事業、電気事業、ガス事業というものもこれは労働関係から見れば公益事業です。だから公益事業として指定されている分だけの労働関係の規制があつて足るべきものでそれ以上に行くべきものでない、こういうふうに考えるのですが、これは労働大臣のほうからお答えを願います。
○国務大臣(吉武惠市君) お話のごとくこの事業の公益性という点から御覧になると、私企業でございましても、或いは国家及び公共団体の経営する事業でありましても同じであります。ただ先ほど申上げましたように国家及び公共団体の公務員は私企業であれば事業主体というものがあつてそれに雇われているという関係です。ところが一方公務員は一応国家の責任者或いは公共団体の理事者というものとの雇用関係のように見えますけれども、その実態は国家全体に奉仕している、地方公共団体全体に奉仕しているという一つの性格を持つておるわけであります。その点が違うわけであります。でありまするから、その違いが、つまりこの身分関係というものが必要になつて来る、身分関係が違うのだと先ほど私が申上げたところであります。
○堀木鎌三君 どうも原則論をやつていますと、その何といいますか、両大臣とも自分のほうの考え方だけを主帳なすつて、私の考え方については一つも考慮を払わない。これはおかしな大臣と私は思うのですが、公益有業については岡野国務大臣の提案の理由だつて、こういう公益事業については水道条例があるのだ、軌道法があるのだ、地方鉄道には地方鉄道法がある。それから公益事業に関しては公共事業会があるのだとおつしやつておる。これで本当は規制されるのです。住民の幸福との間は主体が誰々だということで規制されるのじやない。だからこういう種類の公益事業については住民の幸福と結付くものがある。そこに従事しているものはなぜ身分を持つていなければならないか、身分を持つ必要はない、それが公益事業の一つなんです。それはマツカーサーの書簡を見てもおわかりになると思う。それは住民全体に奉仕するのだということはなぜだ、一つは税金で以て自分らの給料が出て来るということが一つです。実質的にはもう一つの違いはなんだ。それは権力関係にある身分の職員だ。この二つが実質的な理由なんです。だからこの二つ以外の理由は公営企業法にはない。あなたがたがそういうふうな思想の統一が頭にきちつとしていないから、ごつちやになつたものをお作りになる。それでこつちかただけ一つされると、こつちかたが抜けて来る。そうしてできて来る法律は皆支離滅裂で統一性がない。失礼ながらそういうふうに私はなつて来る点を親切にも御指摘申上げているにもかかわらず、(笑声)それについて一つも御考慮を払われない。それはもう御考慮を払われないなら払われないでも別な方法も講ずるよりしようがありませんから、質問応答することが非常に無駄になつて参ります。ただ先ほども私は管理者の点は重要視して、第九条の問題は、どうも管理委員の権限は、普通の何といいますか、こういう行政機構の一つとして普通の長がやるべきことをやつているので、何も特殊の自分が自主性を持つた権限として団体交渉に当るだけの何と言いますか、団体交渉能力……、これはまあ自由党の内閣は非常にこういうことがお得意なんです、公共企業体労働関係法を作つて総裁が団体交渉の相手方になつても、賃金その他の労働条件が何にもきまらない、大蔵大臣に相談しなくちやきまらないようになつている、そうして骨抜きになつている団体交渉能力のない超総裁を謳つている、これはもう明白な事実です。そういうふうなものをお作りになると、実は労働関係をいよいよ複雑ならしめる、その点で珍らしい法律だと思うのですが……。 もう一つお聞きいたしておきますが、十六条に「地方公共団体の長が管理者に対して行う指揮監督は、左の各号に掲げる事項に関して行うのを例とする。」、何だかこれはこの「例とする」という、率直に言えば管理者の権限を大幅に認められるとすれば、長の指揮監督権はこれだけしかありませんよ。限定されるのが本当だと思うのです。にもかかわらずここに「左の各号に掲げる事項に関して行うのを例とする。」、何だか法令だか事務手続だか私ども読んでわからない程度なんですが、この「例とする」ということは、この点一体これ以外はしちやいけないということなんですかどうなんですか、その点をはつきりさして頂きたい。
○政府委員(鈴木俊一君) 十六条の管理者と長との関係に関する規定についてのお尋ねでございますが、「行うのを例とする」と申しますのは、長と管理者の関係におきましてここに掲げてありまするような経営の基本計画、或いは住民の福祉に重大な影響があると認められる事業の執行、或いは他の機関との間の権限の調整を必要とするような事項、こういうものは通常管理者と長との間において指揮監督を行い、それによつて調整しなければならんものと考える。こういうものが原則であり大体こういう範囲にとどまると考えまするが、併しながら長といたしまして何らかこれらに関する以外の問題について重要な問題が起りました場合において、それに基きまする指揮監督を絶対に排除するという意味ではないのであります。こういうようなものについて指揮監督を行うということを建前とする、通常こういうものについて行う、こういう考え方であります。
○堀木鎌三君 およそ管理者に相当の経営の自主性を与えようとして、そうしてそれをチエツクする人が指揮監督権を持つて、そうしてこれを例とするが、ほかのこともやり得るのだというのじや自主性がないのです。この頃頭のいいかたがいろいろ新らしい法律の文句をお作りになるのだろうと思うのですが、私どもの考え方から言えば、自主性を持たせるものに対して指揮監督権は例挙限定さるべきものである。これを例とするとして、そしてほかのことも包括的にできるということになつていたら、管理者は何のための管理者だかわからない。これは当然の私は常識だと思うのですが、これで議会が通るのならば私は何をか言わんやとこう思つておるのですが、併しこういうふうな管理者の相当の権限を認めようとしながら、そうして管理者に対する制限が……、包括的な監督があるというのでは、私は率直に申して非常に全体の体裁としておかしな規定じやなかろうかということが今御説明を伺つてもどうも考えられる。伺えば伺うほど、いよいよ以つて成るべく現状に即して管理者という名前を現状に即してやつて行くのだというふうに考えられます。で、例えば、まあ第三号の場合は私は当然起つて来る問題だと思いますが、二号の問題でも、団体交渉の結果そういう行為に入り得るというような情勢が起つて参ります。争議行為自身は禁止されておりますが、相当団体交渉の実例として、影響があるようなことも、住民の福祉に影響があるようなことも起つて参る。そうなると又これ監督になる。そうして責任者がはつきりとして責任を持たなければならんかというふうな問題も起つて来るのでありまして、この重大な影響があるかないかという判定は、これは長かおやりになるのだろうと思う。そういうふうなことなつて参りますとますますあいまいになつております。 もう一つ管理者についてお聞きしたいと思うことがあるのでありますが、先ほど管理者というものの身分上の独立性というものを、今朝ほど重盛委員の答弁に対しまして三年間でございますか、十二条で「就任の日から三年を経過した後でなければ、その意に反して転職されることがない。」というふうな規定があるから身分保障の問題があるのだというお話があるのです。この「管理者」で……ちよつとこの法文の見方が十分でないかも知れませんが、実は第二章の七条の二項に、管理者は当該地方公共団体の吏員から選ばれるという、地方公共団体の長が任命する、私ちよつとおかしいと思いますのは、そのくせ管理者である者は、十一条で地方公共団体に物品の販売、工事の請負をしておつた者、又は就任の日以前においてこれらの行為をなした者、それから業務に関していろいろ関係しておつた、団体の役員というふうなものに関係しておつた者はできないと、こういうようなことがあるのですが、地方公務員で吏員である者は地方公共団体に物品を売つたり契約したりすることができるのでありましようか、その点ちよつとお伺いしたい。
○政府委員(鈴木俊一君) この点は例えば軌道事業とか、地方鉄道事業等につきまして、民間で各方面の識見、経験を有しておられまする適任者がありました場合に、これを当該地方公共団体の吏員にいたしまして、そうしてこれを管理者にすると、こういう意味でございます。なぜさようなことにしておるかと申しますれば、今朝ほども申上げましたように、管理者は一般職と……要するに一般職に属する地方公務員、こういう建前にしてあるわけでございまして、これを特別職にいたしまするよりも、他の関係との交流その他を考慮いたしますとそのほうがよろしいと思う、かように考えたわけであります。大都市等におきましては交通事業なり、水道専業につきましては本来の吏員の中にさような適任者を得られることがさほど困難でないと思うのでございまするが、団体によりましては、民間におりまする適当な人を登用すると、こういうこともあり得るわけでございまして、さような場合におきましては今の就任の一年前におきましてかような業務に関係を持つておつた者もあり得るわけであります。そういう意味でこの点を特に規定をいたした次第であります。
○堀木鎌三君 そうすると、この二号の当該地方公共団体の吏員のうちから選ぶということじやなしに、吏員の身分を保有すると、身分関係を明らかにしたものだとこういうふうに読んでいいわけでございますね。
○政府委員(鈴木俊一君) その通りであります。
○堀木鎌三君 もうそこら辺で時間が長くなつて参りまして、簡単にそれではお聞きしたいと思うのでありますが、この第二条の「事業」はおのおの事業によつて異なると思いますが、おのおの附帯の事業があるはずだと……、あるものがあるだろうと思うのでありますが、そういう場合には附帯の事業も合せてこの人数を限定されておるのでありましようか。附帯の事業は全然お考えにならないのでありましようか。どつちか、その点について……。
○政府委員(鈴木俊一君) 附帯の事業、例えば上水道に合せて下水道の関係の事業をやつておるというような例もあるわけでございますが、ここにおつきましては、その事業自体として独立採算が可能でありまするようなものを列挙しておるわけでございまして、下水道等、まあこれは附帯と申すと若干語弊があるかも存じませんが、同一特別会計でやつておりまする場合におきましては、それをも条例によりまして、下水道につきましてもこの法律を適用する、かようなことが二項の説明によつてできるわけであります。ただそれを一般的に規定をしておりませんのは、やはり下水道等はそれ自体といたしまして、独立採算が困難な状況にあるわけでございまして、さようなものは特に期待しなかつたのでございます。それから例えば無軌道電車というようなものもございますが、これらは軌道と附帯してやつている場合が多いと思いますが、これらは軌道の中に含めて考えて参りたい、かように考えております。
○堀木鎌三君 そうすると地方自治法の第二条の第三項三号に、いろいろな規定があるわけでありますが、あなたのお話だと、無軌道電車は「電車事業」に含める。併し「上水道その他の給水事業」としてあるのは、これは水道……、下水道は別にいたしまして、そして同法の第二項である、こういうようなお考えのように思うのでありますが、そういう問題をなぜそうストリクトにお考えにならなければならないか。で私は今朝ほどの重盛委員との質疑をあなたとの応答で聞いておりましたが、まあ重盛委員は何も人数を制限しなくて、事業の性質で考えたらいいじやないか、そしてその管理方式は別に考えられるだろう、そうしてただそういうものを置くことを得、くらいにしておいたらいいじやないかというような気楽な気持であつたと思うのでありますが、それは別個の事情から人数の制限が来るのである。で私が不思議に思いますのは、同種の事業でやつておる場合には、それは独立採算性というものが附帯事業も合せてとれる場合があるだろう、又附帯事業を合せるとできない場合があるだろう。それから附帯事業を合せて独立採算がとれるにもかかわらず、経営能率が悪くてできない場合もあるだろう。そういう場合になぜ厳格におきめになる必要があるのか、こういうふうに考えられるのですが、その点のお考えをもう一遍伺いたい。
○政府委員(鈴木俊一君) 例えばこの名古屋市等で、上水道、下水道、併せてこれは一つの特別会計で経営いたしていると思いますが、ここでは下水道の取扱も相当一般化しておりまして、そういう関係から、これは一つの特別会計で行いましても、独立採算制が可能でございまするが、その他の多くの市におきましては、下水道を別個にやつているところも相当あるようでございますが、上水道と併せてやつておりますところも、下水道に関しましては、やはり相当一時に多額の経費を、相当長期の計画で注ぎ込んで行かなければならないわけでございまして、料金を定める場合におきまして、水道料金の中に、さようなものの償還というようなものを合せまして定めるということに相成りまするというと、これは相当高価なものになります。そういう点から、そういうものまでも含めました独立採算という経済方式をとりますと、これは如何にも無理に相成りまするので、従つてこの財政、会計、経理という面を中心として考えておりまする場合におきましては、どうもそのようなものまでも、当然に一定規模のものがこの公営企業法の適用を受けるのだということは、行き過ぎではないかというふうに考えまして、さような心配のないものだけを一応考えたような次第でございます。
○堀木鎌三君 そうしますと、第二条の第一項に規定されるか、第二項に規定されるかということは、もう独立採算ができるかできんか、その事業一体としてそれでもつておきめになる、こう考えていいのでございますね。
○政府委員(鈴木俊一君) これは独立採算という点を中心にして考えてございまするが、只今申上げましたような、現に一つの特別会計の中で、共通の事業として三種、或いは三種類の事業をやつているというようなものが、多くこの二項によりまして全体の適用を受けるような場合が多いと思うのであります。併しいずれにいたしましても、適用するかしないかということは、当該地方団体が条例できめるわけでございますから、必ずしも厳格な意味の独立採算制をとつておりまするものだけに限定をするというような、窮屈なものにいたしたくないというふうに考えております。
○堀木鎌三君 ですからその点で問題になつて参りますのは、一項と二項とお分けになつても、必ずしも財政上の自由、自主性と独立採算制の問題だけでなしに、地方団体の沿革的なもの、現在の情勢等によつてきめて行くのだというお話になると、非常に私はあいまいな問題が出て参る。つまり方針が不明確なものが出て参ると思いますが、その点はそのことだけを指摘するにとどめまして、最後に少しくこれは三十六条から三十九条までの間の問題について、つまり職員の身分の取扱についてお聞きしたいと思います。 先ず第一に、先ほど的確なお答えがなかつたのでありますが、この地方公営企業法の適用あるものについて、地方公務員法の適用を持つていなければならない理由、もう少しはつきり申しますと、三十九条に適用除外をいたしました以外の者を、地方公務員としての身分をどうして持つて行かなければならんのか。第二十六条で、企業職員の労働関係に関する三十六条で、「身分取扱については、この法律に特別の定のあるものを除く外、別に企業職員の労働関係に関する法律」、即ち地方公営企業労働関係法の定めるところによるというふうな事柄が書いてあるのですが、私は三十九条の適用除外以外に、こういうものについて広汎な適用除外、今朝ほどの重盛委員との質疑応答がありましたが、もうこの点は地方公務員法による身分を保有して行かなければならないという適確なる理由が私には納得できない。先ほど岡野国務大臣からは原則的なお話があつて、地方公務員であるからということだけなのですが、三十六条でこういう規定をお作りになつた以上は、全面的にお外しになつていいのじやないか、こういうふうに考えますが、如何ですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 地方公務員法の適用除外の問題でございまするが、企業職員につきましては、国の場合と同じように公共企業体というものを作りまして、そこの職員にするというような建前にいたしまするならば、これは地方公務員法との関係は全面的に切り離すことができるのでありますけれども、先ほど来大臣から御説明がございましたように、地方公務員という身分は、いやしくも地方公共団体が直接経営する事業であり、地方公共団体に対して勤務をする、そこで任命されるというものでありまする限り、その身分はやはり当然保有するわけでございます。そこで地方公務員法のいわゆる一般原則としてとつておりまする成績主義の原則と申しますか、その中で最も基本的なものであり、又いわゆる労働関係から申しまするならば、一番遠いと思われまするところの任用、即ち試験の問題でございまするとか、研修の問題でありまするとかいうような範囲の問題につきましては、これはやはり地方公務員法のメリツト・システムの基本原則をやはりここに及ぼしていいのではないかという考え方でございまして、殊に試験、研修というような点につきましては、この必要性があるのではないかと思います。アメリカ流のいわゆる近代的な人事管理のでき上つて参りました発端の考え方から考えましても、かような種類の企業にむしろそのような点は一番よく当てはまる点があるのではないかというふうにも考えられるわけでございまして、そういう範囲のものは地方公務員法の原則を適用しよう、こういう考え方でございます。
○堀木鎌三君 私の考え方は別なんであつて、実はそういうこともこの企業体の中できめればいいので、それは地方公務員の身分を持つているから必要があるのじやない。企業から必要な分だけを企業の自主性に基いてきめればいい。そういうふうに考えて、そのために身分を保有しなければならんという理窟には逆にならないと思う。従いまして三十八条の第三項の給与の種類及び給与額決定の基準は、何も条例できめる必要はない。先ほど事業について、どういうものを公営企業にするかということ自身は、地方公共団体の実情に応じて、そうして地方公共団体の条例できめるとおつしやりながら、こういうものは画一的にきめる必要はない。こういうものこそむしろ地方の実情に応じて、そうして事業の種類に応じて、そうして任用だとか、そのものをおきめになればいいのだ、こういうふうに私は考える。それで事業の本質から見ましても、そう考えればいいし、いわんや労働関係の基本的な原則から考えますれば、そういうものはもつとこういうふうな自主性を持たした形においておきめになつて行く。そうしてそれが正常なる労働関係を発展せしむるゆえんだ。で強いて特に何か地方公務員法の適用を受けるようにひつつけて行かれるのだと、実は先ほど挙がりましたこの地方公営企業法案三十九条の規定につきましては……。一条一条拾つて参りまして、実は事務当局とは議論をしなくちやならんかと思つておりましたが、時間が過ぎましたから私の考えだけを申上げておきたいと思うのであります。要するにこの関係につきましては、私どもから言いまするならば、公営企業法をお作りになつてそしていろいろな点、私は何より労働関係だけを頭に入れてこの規定を読んでおるわけではございませんが、ただここへ出席さしてもらつた何としては、労働委員として出席しておるのですから、主として労働問題から申上げたのですが、そういうふうに労働問題の正常なる形、原則的な形、憲法に保障された形というものから見て、成るべく広汎にこれらの規定については強いて公務員法の適用、公務員法の身分の保有をしなければならんという理由は私はないと思いますので、それらの点につきましては、更に公営企業労働関係法の上からもそちらのほうの委員会で申上げるつもりでありますから、これで以て質問を打切ります。
○委員長(西郷吉之助君) それでは本日は、二人のかたが質疑を中止されましたし、堀眞琴君は時間の都合で本日はできないということでございまして、私の地方行政のほうも法案山積のため非常に多忙でございますので、本日を以て連合委員会は打切つて頂いて、残りの堀眞琴君そのほかにまだ御質疑がございますれば、地方行政委員会において、本法案質疑の際に御発言願うことにいたしまして、連合委員会は打切ることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西郷吉之助君) それでは連合委員会はこれを以て打切ります。 午後三時三十三分散会